(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ホイール機構
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B60B33/00 S
B60B33/00 F
B60B33/00 502Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544298
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 EP2022051488
(87)【国際公開番号】W WO2022157359
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202110099978.8
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517042092
【氏名又は名称】ワンダーランド スイツァーランド アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ル-シュエ
(72)【発明者】
【氏名】グォ、ヂァンウェン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥアン、シャオソン
(57)【要約】
【課題】車輪の異常振動を防止するホイール機構の提供。
【解決手段】ホイール機構(1、1')は、固定ベース(10)、ホイールベース(12)、車輪(14)、固定チューブ(16)及びガスケット(18、20)を含み、ガスケット(18、20)を固定チューブ(16)の周囲に配置してホイールベース(12)を備えた車輪(14)の上下動を防止し車輪(14)の異常振動を防止する。一実施形態では、上部ガスケット(18)は固定ベース(10)とホイールベース(12)の間に配置される。別の実施形態では、下部ガスケット(20)はホイールベース(12)と固定チューブ(16)との間に配置される。ホイールベース(52)が回転シャフト(56)により固定ベース(50)に枢動可能に連結されている場合、固定ベース(50)、ホイールベース(52)及び回転シャフト(56)のうちの少なくとも2つの間に、少なくとも1つの弾性部材(58)を選択的に配置して車輪(54)の異常振動を防止してもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ベース(10)と、
ホイールベース(12)と、
前記ホイールベース(12)に枢動可能に連結された車輪(14)と、
前記ホイールベース(12)を前記固定ベース(10)に枢動可能に連結する固定チューブ(16)と、
前記固定ベース(10)と前記ホイールベース(12)の間に配置された上部ガスケット(18)と、
を備えているホイール機構(1、1')。
【請求項2】
前記上部ガスケット(18)が前記固定チューブ(16)上にスリーブされている、請求項1に記載のホイール機構(1、1')。
【請求項3】
前記ホイール機構(1')は、前記ホイールベース(12)と前記固定チューブ(16)との間に配置された下部ガスケット(20)をさらに備えている、請求項1または2に記載のホイール機構(1')。
【請求項4】
前記下部ガスケット(20)が前記固定チューブ(16)の下側エッジ(160)に配置されている、請求項3に記載のホイール機構(1')。
【請求項5】
前記固定ベース(10)が固定孔(100)を有し、前記ホイールベース(12)が貫通孔(120)を有し、前記固定チューブ(16)の端部が前記貫通孔(120)を通過して前記固定孔(100)に固定され、前記固定チューブ(16)が前記ホイールベース(12)を前記固定ベース(10)に枢動可能に連結する、請求項1から4のいずれか1項に記載のホイール機構(1、1')。
【請求項6】
固定ベース(10、30)と、
ホイールベース(12、32)と、
前記ホイールベース(12、32)に枢動可能に連結された車輪(14、34)と、
前記ホイールベース(12、32)を前記固定ベース(10、30)に枢動可能に連結する固定チューブ(16、36)と、
前記ホイールベース(12、32)と前記固定チューブ(16、36)の間に配置された下部ガスケット(20、40)と、
を備えているホイール機構(1',1'',3)。
【請求項7】
前記下部ガスケット(20)が前記固定チューブ(16)の下側エッジ(160)に配置されている、請求項6に記載のホイール機構(1'、1'')。
【請求項8】
前記固定ベース(10)と前記ホイールベース(12)との間に配置された上部ガスケット(18)をさらに備えている、請求項6または7に記載のホイール機構(1')。
【請求項9】
前記上部ガスケット(18)が前記固定チューブ(16)にスリーブされている、請求項8に記載のホイール機構(1')。
【請求項10】
前記固定ベース(10)が固定孔(100)を有し、前記ホイールベース(12)が貫通孔(120)を有し、前記固定チューブ(16)の端部が前記貫通孔(120)を通過して前記固定孔(100)に固定され、前記固定チューブ(16)が前記ホイールベース(12)を前記固定ベース(10)に枢動可能に連結する、請求項6から9のいずれか1項に記載のホイール機構(1'、1'')。
【請求項11】
前記固定チューブ(36)が前記固定ベース(30)に固定され、前記固定チューブ(36)が貫通孔(360)を有し、前記ホイールベース(32)が回転シャフト(320)を有し、該回転シャフト(320)が前記貫通孔(360)内に回転可能に配置され、前記固定チューブ(36)が前記ホイールベース(32)を前記固定ベース(30)に枢動可能に連結する、請求項6から10のいずれか1項に記載のホイール機構(3)。
【請求項12】
前記回転シャフト(320)の頂部が前記固定チューブ(36)に当接する、請求項11に記載のホイール機構(3)。
【請求項13】
前記ホイールベース(32)は、前記回転シャフト(320)上に固定された方向板(324)を有し、前記下部ガスケット(40)は前記方向板(324)上に配置されている、請求項11または12に記載のホイール機構(3)。
【請求項14】
固定ベース(50)と、
ホイールベース(52)と、
前記ホイールベース(52)に枢動可能に連結された車輪(54)と、
前記固定ベース(50)および前記ホイールベース(52)の一方に配置された回転シャフト(56)であって、前記ホイールベース(52)は前記回転シャフト(56)によって前記固定ベース(50)に枢動可能に連結されている、回転シャフト(56)と、
前記固定ベース(50)、前記ホイールベース(52)、および、前記回転シャフト(56)のうちの少なくとも2つの間に配置された少なくとも1つの弾性部材(58)と、
を備えているホイール機構(5、5'、5''、5'''')。
【請求項15】
前記少なくとも1つの弾性部材(58)が、前記固定ベース(50)と前記ホイールベース(52)との間であって、前記回転シャフト(56)の周囲に配置されている、請求項14に記載のホイール機構(5、5')。
【請求項16】
前記少なくとも1つの弾性部材(58)がリング状であり、前記回転シャフト(56)にスリーブされている、請求項14または15に記載のホイール機構(5')。
【請求項17】
前記少なくとも1つの弾性部材(58)が少なくとも1つの突出部(580)を有し、該少なくとも1つの突出部(580)が前記固定ベース(50)および前記ホイールベース(52)の一方に当接する、請求項16に記載のホイール機構(5')。
【請求項18】
前記固定ベース(50)が貫通孔(500)を有し、前記少なくとも1つの弾性部材(58)が前記貫通孔(500)内に配置され、前記回転シャフト(56)が前記ホイールベース(52)上に配置され、前記少なくとも1つの弾性部材(58)が前記固定ベース(50)と前記回転シャフト(56)との間に配置されるように、前記回転シャフト(56)が前記貫通孔(500)内に回転可能に配置される、請求項14から17のいずれか1項に記載のホイール機構(5'')。
【請求項19】
前記ホイールベース(52)が貫通孔(520)を有し、前記少なくとも1つの弾性部材(58)が前記貫通孔(520)内に配置され、前記回転シャフト(56)が前記固定ベース(50)上に配置され、前記少なくとも1つの弾性部材(58)が前記ホイールベース(52)と前記回転シャフト(56)との間に配置されるように、前記回転シャフト(56)が前記貫通孔(520)内に回転可能に配置される、請求項14から18のいずれか1項に記載のホイール機構(5''')。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はホイール機構に関し、特にホイール(車輪)の異常な振動(shimmying)を防止することができるホイール機構に関する。
【背景技術】
【0002】
ベビーカーは、親が赤ちゃんや子供を乗せて買い物に行くときに使う道具である。現在、ベビーカーが動くと車輪が上下に動き、異常振動(shimmy)が発生する。このとき、異常振動によって車輪が安定して回転しないことがある。さらに、異常振動によって上下の部品がぶつかり合うため、騒音が発生し、ベビーカーの快適性が損なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、車輪の異常振動を防止することができるホイール機構を提供することを目的とし、これにより上記問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
これは、請求項1、6および14に記載のホイール機構によって達成される。従属請求項は、対応するさらなる改善および改良に関係する。
【0005】
以下の詳細な説明からより明確にわかるように、特許請求の範囲に記載のホイール機構は、固定ベース、ホイールベース、車輪、固定チューブおよび上部ガスケットを含む。車輪はホイールベースに枢動自在に連結されている。固定チューブは、ホイールベースと固定ベースとを枢動可能に連結する。上部ガスケットは、固定ベースとホイールベースとの間に配置される。
【0006】
好ましくは、上部ガスケットは固定チューブにスリーブ(sleeved)されている。
【0007】
好ましくは、ホイール機構は、ホイールベースと固定チューブとの間に配置された下部ガスケットをさらに含む。
【0008】
好ましくは、下部ガスケットは固定チューブの下端に配置される。
【0009】
好ましくは、固定ベースは固定孔を有し、ホイールベースは貫通孔を有し、固定チューブの端部は貫通孔を通過して固定孔に固定され、固定チューブはホイールベースを固定ベースに枢動可能に連結する。
【0010】
以下の詳細な説明からより明確にわかるように、特許請求の範囲に記載のホイール機構は、固定ベース、ホイールベース、車輪、固定チューブおよび下部ガスケットを含む。車輪はホイールベースに枢動自在に連結されている。固定チューブは、ホイールベースと固定ベースとを枢動可能に連結する。下部ガスケットは、ホイールベースと固定チューブの間に配置されている。
【0011】
好ましくは、下部ガスケットは固定チューブの下端に配置される。
【0012】
好ましくは、ホイール機構は、固定ベースとホイールベースとの間に配置された上部ガスケットをさらに含む。
【0013】
好ましくは、上部ガスケットは固定チューブにスリーブされている。
【0014】
好ましくは、固定ベースは固定孔を有し、ホイールベースは貫通孔を有し、固定チューブの端部は貫通孔を通過して固定孔に固定され、固定チューブはホイールベースを固定ベースに枢動可能に連結する。
【0015】
好ましくは、固定チューブは固定ベースに固定され、固定チューブは貫通孔を有し、ホイールベースは回転シャフトを有し、回転シャフトは貫通孔に回転可能に配置され、固定チューブはホイールベースと固定ベースを枢動可能に連結する。
【0016】
好ましくは、回転シャフトの上部が固定チューブに当接する。
【0017】
好ましくは、ホイールベースは回転シャフトに固定された方向板(directional plate)を有し、下部ガスケットは方向板上に配置される。
【0018】
以下の詳細な説明からより明確にわかるように、特許請求の範囲に記載のホイール機構は、固定ベース、ホイールベース、車輪、回転シャフト、および少なくとも1つの弾性部材を含む。車輪はホイールベースに枢動可能に連結されている。回転シャフトは、固定ベースとホイールベースの一方に配置される。ホイールベースは、回転シャフトによって固定ベースに枢動可能に連結されている。少なくとも1つの弾性部材は、固定ベース、ホイールベース、回転シャフトの少なくとも2つの間に配置されている。
【0019】
好ましくは、少なくとも1つの弾性部材は、固定ベースとホイールベースとの間および回転シャフトの周囲に配置される。
【0020】
好ましくは、少なくとも1つの弾性部材はリング状で、回転シャフトにスリーブされている。
【0021】
好ましくは、少なくとも1つの弾性部材は、少なくとも1つの突出部を有し、少なくとも1つの突出部は、固定ベースとホイールベースの一方に当接する。
【0022】
好ましくは、固定ベースは貫通孔を有し、少なくとも1つの弾性部材は貫通孔内に配置され、回転シャフトはホイールベース上に配置され、回転シャフトは貫通孔内に回転可能に配置され、少なくとも1つの弾性部材が固定ベースと回転シャフトとの間に配置される。
【0023】
好ましくは、ホイールベースは貫通孔を有し、少なくとも1つの弾性部材は貫通孔内に配置され、回転シャフトは固定ベース上に配置され、回転シャフトは貫通孔内に回転可能に配置され、少なくとも1つの弾性部材がホイールベースと回転シャフトとの間に配置される。
【0024】
以下、添付図面を参照しながら、本発明を例示的にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るホイール機構を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すホイール機構を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す断面図である。
【
図6】
図6は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すホイール機構を示す分解斜視図である。
【
図9】
図9は、
図6に示すホイール機構を示す部分断面図である。
【
図10】
図10は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の別の実施形態によるホイール機構を示す断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の他の実施形態によるホイール機構を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1から
図3を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に係るホイール機構1を示す斜視図であり、
図2は、
図1に示すホイール機構1を示す分解斜視図であり、
図3は、
図1に示すホイール機構1を示す断面図である。
【0027】
図1から
図3に示すように、本発明のホイール機構1は、固定ベース10、ホイールベース12、車輪14、固定チューブ16および上部ガスケット18を含む。車輪14はホイールベース12に枢動可能に連結されており、車輪14が回転できるようになっている。この実施形態では、ホイールベース12の反対側に2つの車輪14が枢動可能に連結されている。固定チューブ16は、ホイールベース12を固定ベース10に枢動可能に連結する。本実施形態では、固定ベース10は固定孔100を有し、ホイールベース12は貫通孔120を有する。固定チューブ16の端部はホイールベース12の貫通孔120を通り、固定ベース10の固定孔100に固定され、固定チューブ16はホイールベース12を固定ベース10に枢動可能に連結する。したがって、車輪14を備えたホイールベース12は、固定ベース10の周りを回転することができる。
【0028】
図3に示すように、この実施形態では、上部ガスケット18は、固定チューブ16にスリーブされてもよく、上部ガスケット18は、固定チューブ16の対向する端部の間の任意の位置、例えば、固定チューブ16の中間セグメントまたは固定チューブ16のいずれかの端部から1/3離れた位置にスリーブされてもよい。したがって、ホイール機構1が組み立てられた後、上部ガスケット18は、固定ベース10とホイールベース12との間に配置される。上部ガスケット18は、固定ベース10の内面102とホイールベース12の上面122とに接して、ホイールベース12を備えた車輪14が上下に動くのを阻止し、車輪14の異常振動を防止する。さらに、上部ガスケット18は、固定ベース10とホイールベース12との間に配置されているため、固定ベース10の内面102とホイールベース12の上面122とが衝突して騒音を発生することをさらに防止することができる。この実施形態では、上部ガスケット18は、実用的な用途に応じて、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ゴムまたは他の弾力性のある材料で作ることができる。
【0029】
図4を参照すると、
図4は、本発明の別の実施形態によるホイール機構1'を示す断面図である。ホイール機構1'と上述のホイール機構1との主な違いは、
図4に示すように、ホイール機構1'が、ホイールベース12と固定チューブ16との間に配置された下部ガスケット20をさらに含むことである。この実施形態では、下部ガスケット20は、固定チューブ16の下側エッジ160に配置されている。従って、ホイール機構1'が組み立てられた後、下側ガスケット20は、ホイールベース12の底面124と固定チューブ16の下側エッジ160とに当接して、ホイールベース12と共に車輪14が上下動するのを防止し、車輪14の異常振動を防止する。さらに、下部ガスケット20は、ホイールベース12と固定チューブ16との間に配置されているため、ホイールベース12の下面124と固定チューブ16の下側エッジ160とが衝突して騒音を発生することをさらに防止することができる。この実施形態では、下部ガスケット20は、実用的な用途に応じて、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ゴムまたは他の弾力性のある材料で作ることができる。
【0030】
図5を参照すると、
図5は、本発明の別の実施形態によるホイール機構1''を示す断面図である。ホイール機構1''と上述のホイール機構1'との主な違いは、ホイール機構1''が上部ガスケット18を含まずに下部ガスケット20のみを含むことである。言い換えれば、本発明は、上部ガスケット18を配置することなく、下部ガスケット20のみをホイールベース12と固定チューブ16との間に配置することができる。
【0031】
図6から
図9を参照すると、
図6は本発明の他の実施形態によるホイール機構3を示す斜視図であり、
図7は
図6に示すホイール機構3を示す分解斜視図であり、
図8は
図7に示す回転シャフト320を示す斜視図であり、
図9は
図6に示すホイール機構3を示す部分断面図である。
【0032】
図6から
図9に示すように、本発明のホイール機構3は、固定ベース30、ホイールベース32、車輪34、固定チューブ36および下部ガスケット40を含む。車輪34は、車輪34が回転できるように、ホイールベース32に枢動可能に連結されている。固定チューブ36は、ホイールベース32を固定ベース30に枢動可能に連結する。この実施形態では、固定チューブ36は固定ベース30に固定されている。さらに、固定チューブ36には貫通孔360が設けられ、ホイールベース32には回転シャフト320が設けられている。回転シャフト320は貫通孔360に回転可能に配置され、固定チューブ36がホイールベース32を固定ベース30に枢動可能に連結する。
図9に示すように、拘束ピン42は、固定ベース30の側面から固定ベース30および固定チューブ36に挿入され、回転シャフト320の拘束凹部322に当接し、回転シャフト320が固定チューブ36の貫通孔360内で回転可能に拘束されるようにしてもよい。従って、車輪34を備えたホイールベース32は、固定ベース30の周りを回転することができる。
【0033】
図9に示すように、下部ガスケット40は、ホイールベース32と固定チューブ36との間に配置されている。
図7および
図9に示すように、ホイールベース32は、回転シャフト320に固定された方向板324を有することができる。
図8に示すように、回転シャフト320はステップ326を有していてもよい。ステップ326は、方向板324から露出する回転シャフト320の長さを決定するように、方向板324と溶接されて位置決めされるために使用される。下部ガスケット40は、方向板324上に配置することができる。従って、ホイール機構3が組み立てられた後、下部ガスケット40は、ホイールベース32の方向板324と固定チューブ36の下側エッジ361とに当接して、ホイールベース32を有する車輪34が上下に移動するのを阻止し、車輪34の異常振動を防止する。さらに、下部ガスケット40は、ホイールベース32と固定チューブ36との間に配置されているため、ホイールベース32の方向板324と固定チューブ36とが衝突して騒音を発生することをさらに防止することができる。この実施形態では、下部ガスケット40は、実用的な用途に応じて、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ゴム、または他の弾力性のある材料で作ることができる。好ましくは、下部ガスケット40が押しつぶされるのを防ぐために、回転シャフト320の頂部が固定チューブ36に当接することがある。さらに、下部ガスケット40を回転シャフト320に締り嵌め(interference fit)させて、塵埃の侵入を防止することもできる。さらに、下部ガスケット40は、固定チューブ36の下側エッジ361と締り嵌めすることもできる。さらに、下部ガスケット40と固定チューブ36が衝撃を受けている間に騒音が発生しないように、下部ガスケット40の外周に潤滑剤を添加してもよい。
【0034】
図10および
図11を参照すると、
図10は、本発明の他の実施形態によるホイール機構5を示す斜視図であり、
図11は、
図10に示すホイールベース52を示す斜視図である。
【0035】
図10および
図11に示すように、ホイール機構5は、固定ベース50、ホイールベース52、車輪54、回転シャフト56および少なくとも1つの弾性部材58を含む。車輪54は、車輪54が回転できるように、ホイールベース52に枢動可能に連結されている。回転シャフト56はホイールベース52上に配置され、ホイールベース52は回転シャフト56によって固定ベース50に枢動可能に連結されるようになっている。従って、車輪54を備えたホイールベース52は、固定ベース50の周りを回転することができる。この実施形態では、ホイール機構5は4つの弾性部材58を含むことができる。4つの弾性部材58は、ホイールベース52上で、回転シャフト56の周囲に配置することができる。なお、弾性部材58の数や位置は実際の用途に応じて決定することができるので、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。この実施形態では、弾性部材58は円形であるが、本発明はそのように限定されるものではない。別の実施形態では、弾性部材58は、矩形、楕円形、または実際の用途に応じた他の形状であってもよい。ホイール機構5が組み立てられた後、弾性部材58は、固定ベース50とホイールベース52との間に配置され、ホイールベース52を有する車輪54が上下動するのを防止し、車輪54の異常振動を防止する。さらに、弾性部材58が固定ベース50とホイールベース52との間に配置されているため、ホイールベース52と固定ベース50とが衝突して騒音が発生することをさらに防止することができる。この実施形態では、弾性部材58は、実用的な用途に応じて、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ゴム、または他の弾性材料で作ることができる。
【0036】
図12から
図14を参照すると、
図12は、本発明の他の実施形態に係るホイール機構5'を示す断面図であり、
図13は、
図12に示す固定ベース50を示す斜視図であり、
図14は、
図13に示す弾性部材58を示す斜視図である。ホイール機構5'と上述のホイール機構5との主な相違点は、
図12から
図14に示すように、ホイール機構5'の回転シャフト56が固定ベース50上に配置されている点と、ホイール機構5'の弾性部材58がリング状である点である。この実施形態では、弾性部材58は回転シャフト56にスリーブされ、固定ベース50に当接している。弾性部材58は、ホイールベース52が固定ベース50から取り外される際に弾性部材58が回転シャフト56から外れないように、回転シャフト56と締り嵌めすることができる。弾性部材58の形状は、楕円形、円形、矩形など、実際の用途に応じた形状とすることができる。別の実施形態では、
図13に示す弾性部材58も、実際の用途に応じて、
図11に示す4つの弾性部材58に置き換えることができる。
図12に示すように、ホイール機構5'が組み立てられた後、弾性部材は、固定ベース50とホイールベース52との間に配置され、ホイールベース52を有する車輪54が上下に移動するのを阻止し、車輪54の異常振動を防止する。さらに、弾性部材58は、固定ベース50とホイールベース52との間に配置されているため、ホイールベース52と固定ベース50とが衝突して騒音を発生することをさらに防止することができる。弾性部材58がホイールベース52に確実に密着するように、弾性部材58をホイールベース52の接触面に締り嵌めさせてもよい。
【0037】
図14に示すように、弾性部材58は、少なくとも1つの突出部580を有することができる。この実施形態では、弾性部材58は2つの突出部580を有することができる。なお、突出部580の数や位置は、実際の用途に応じて決定することができるので、本発明は図示の実施形態に限定されるものではない。ホイール機構5'が組み立てられた後、突出部580はホイールベース52に当接する。言い換えれば、弾性部材58は、突出部580によって部分的にホイールベース52と接触することができる。別の実施形態では、弾性部材58は突出部580を有しないこともある。このとき、弾性部材58はホイールベース52と面接触している。別の実施形態では、弾性部材58は、突出部580によって部分的に固定ベース50に接触することもできる。
【0038】
図15を参照すると、
図15は、本発明の別の実施形態によるホイール機構5''を示す断面図である。
図15に示すように、固定ベース50には貫通孔500が設けられ、回転シャフト56はホイールベース52上に配置されている。ホイール機構5''と上述のホイール機構5との主な違いは、ホイール機構5''の弾性部材58が固定ベース50の貫通孔500に配置されていることである。そして、回転シャフト56が固定ベース50の貫通孔500に回転自在に配置されることで、固定ベース50と回転シャフト56との間に弾性部材58が配置され、ホイールベース52を有する車輪54が上下に移動するのを阻止して、車輪54の異常振動を防止するようになっている。さらに、弾性部材58は、固定ベース50と回転シャフト56との間に配置されているため、回転シャフト56と固定ベース50とが衝突して騒音が発生することをさらに防止することができる。弾性部材58が回転シャフト56に確実に密着するように、弾性部材58を回転シャフト56の接触面に締り嵌めしてもよい。別の実施形態では、弾性部材58は回転シャフト56の端部に埋め込むこともできる。
【0039】
図16を参照すると、
図16は、本発明の別の実施形態によるホイール機構5'''を示す断面図である。
図16に示すように、ホイールベース52には貫通孔520が形成され、固定ベース50上には回転シャフト56が配置されている。ホイール機構5'''と上述のホイール機構5との主な違いは、ホイール機構5'''の弾性部材58がホイールベース52の貫通孔520に配置されていることである。そして、回転シャフト56がホイールベース52の貫通孔520に回転自在に配置されることで、ホイールベース52と回転シャフト56との間に弾性部材58が配置され、ホイールベース52を備えた車輪54が上下動するのを防止して、車輪54の異常振動を防止するようになっている。さらに、弾性部材58は、ホイールベース52と回転シャフト56との間に配置されているため、回転シャフト56とホイールベース52とが衝突して騒音を発生することをさらに防止することができる。弾性部材58が回転シャフト56に確実に密着するように、弾性部材58を回転シャフト56の接触面に締り嵌めしてもよい。別の実施形態では、弾性部材58は回転シャフト56の端部に埋め込むこともできる。
【0040】
以上のように、本発明では、固定チューブの周囲にガスケットを配置することで、ホイールベースを有する車輪が上下動するのを防止し、車輪の異常振動を防止している。一実施形態では、上部ガスケットは、固定ベースとホイールベースの間に配置され、固定ベースとホイールベースが互いに衝突して騒音を発生するのを防止することができる。別の実施形態では、下部ガスケットはホイールベースと固定チューブの間に配置され、ホイールベースと固定チューブが互いに衝突して騒音を発生するのを防ぐことができる。また、本発明では、固定チューブの周囲に上部ガスケットと下部ガスケットを同時に配置して、車輪の異常振動防止効果を向上させてもよいことは言うまでもない。さらに、別の実施形態では、ホイールベースが回転シャフトによって固定ベースに枢動可能に連結されている場合、本発明は、車輪の異常振動を防止するために、固定ベース、ホイールベースおよび回転シャフトのうちの少なくとも2つの間に、少なくとも1つの弾性部材を選択的に配置することができる
【0041】
上記説明は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲は上記説明に限定されるものではない。本願が開示する技術的範囲内での変更または置換は、本発明の保護範囲に包含されるべきである。
【国際調査報告】