(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】折り畳み式手すりアセンブリを有する収納可能なアクセス手段
(51)【国際特許分類】
B60R 3/02 20060101AFI20240201BHJP
E04F 11/06 20060101ALI20240201BHJP
E02F 9/00 20060101ALI20240201BHJP
E02F 9/16 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B60R3/02
E04F11/06
E02F9/00 Z
E02F9/16 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544434
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 AU2022050028
(87)【国際公開番号】W WO2022155709
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507410076
【氏名又は名称】バージョー ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エレメント ネイサン ジョン
【テーマコード(参考)】
2E301
3D022
【Fターム(参考)】
2E301CC11
2E301CC65
2E301CC75
3D022AA01
3D022AA02
3D022AC10
3D022AE06
3D022AE10
3D022AE13
3D022AE21
(57)【要約】
車両、機器、または設備のためのアクセスシステム(10)であって、アクセスシステム(10)は、複数の踏板/踏段(56)を有する少なくとも1つのセクションと、少なくとも1つのアクチュエータ(28)を有する収納機構と、少なくとも1つの手すりアセンブリ(32)とを含み、収納機構は、アクセス手段(12)を収納し、その展開を可能にするように配置されており、手すりアセンブリ(32)は、保管のために少なくとも1つのセクションに関して折り畳まれ、アクセス手段(12)が展開されたときに使用者を支持するための手すりを提供するために拡張するようにアクセス手段(12)に枢動可能に接続されている、アクセスシステム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両、機器、または設備のためのアクセスシステムであって、前記アクセスシステムは、
複数の踏板/踏段を有する少なくとも1つのセクションと、少なくとも1つのアクチュエータを有する収納機構と、少なくとも1つの手すりアセンブリと、を含み、
前記収納機構は、前記アクセス手段を収納し、その展開を可能にするように配置されており、
前記手すりアセンブリは、保管のために前記少なくとも1つのセクションに対して折り畳まれるように且つ、使用者を支持するための手すりを、前記アクセス手段が展開されたときに提供するために拡張されるように前記アクセス手段に枢動可能に接続されている、アクセスシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの手すりアセンブリが、前記収納機構への機械的接続によって、前記少なくとも1つのセクションに対して、折り畳みおよび拡張をするように動作される、請求項1に記載のアクセスシステム。
【請求項3】
前記機械的接続は、枢動可能なリンク装置を介する、請求項2に記載のアクセスシステム。
【請求項4】
前記枢動可能なリンク装置が、前記それぞれの手すりアセンブリと前記収納機構の一部との間のリンク部を含む、請求項3に記載のアクセスシステム。
【請求項5】
前記手すりアセンブリと前記収納機構との間の前記リンク部が、前記それぞれの手すりアセンブリの少なくとも1つの手すり子またはその一部に接続されている前記リンク装置を含む、請求項4に記載のアクセスシステム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの手すりアセンブリの折り畳みおよび/または拡張が、前記アクセス手段を収納および/または展開するための前記少なくとも1つのアクチュエータの動作によって作動される、請求項1~5のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのアクチュエータが、少なくとも1つの油圧アクチュエータ、少なくとも1つの空気圧アクチュエータ、および/または少なくとも1つの電気アクチュエータを含む、請求項6に記載のアクセスシステム。
【請求項8】
1つまたは複数の中間手すりが、連続した前記手すり子の間に延在する、請求項5に記載のアクセスシステム。
【請求項9】
前記1つまたは複数の中間手すりが、前記中間手すりの各端部において、前記それぞれの手すり子に枢動可能に接続されている、請求項8に記載のアクセスシステム。
【請求項10】
各々が多数の踏板/踏段を有する複数のセクションを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項11】
少なくとも第1および第2の前記セクションが、ともに枢動可能に接続されている、請求項10に記載のアクセスシステム。
【請求項12】
前記第1のセクションと前記第2のセクションとの間の運動を伝達するように、少なくとも1つのリンク装置が設けられている、請求項11に記載のアクセスシステム。
【請求項13】
前記リンク装置が、互いに枢動可能に接続された第1の伝達リンク部および第2の伝達リンク部を含む、請求項12に記載のアクセスシステム。
【請求項14】
前記伝達リンク部のうちの少なくとも1つが、前記第2のセクションの中間手すりまたは手すり子に接続されている、請求項13に記載のアクセスシステム。
【請求項15】
前記リンク装置が、前記第2のセクションの前記手すりアセンブリに運動を伝達するように配置および構成されている、請求項12~14のうちのいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項16】
保管時に、前記複数のセクションが、互いに隣り合っている、請求項10~15のうちのいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの手すりアセンブリが、前記アクセス手段に取り付けられている、請求項1~16のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項18】
前記アクセス手段が、車両、機器、または設備に付けられた取り付け台に取り付けられており、前記収納機構が、前記取り付け台と前記アクセス手段との間で動作するように接続されている、請求項17に記載のアクセスシステム。
【請求項19】
手すり子が、前記収納機構の前記少なくとも1つのアクチュエータと、前記手すりとに機能的に接続されている、請求項1に記載のアクセスシステム。
【請求項20】
前記アクセス手段が前記アクセス手段の収納または展開中に回転するのと同じ方向に、前記手すり子が前記取り付け台に対して回転する、請求項19に記載のアクセスシステム。
【請求項21】
前記アクセス手段および前記手すり子が、収納および展開中に、前記取り付け台/車両、機器、設備に対して同じ方向に回転する、請求項19に記載のアクセスシステム。
【請求項22】
収納または展開中に、前記少なくとも1つのアクチュエータに機能的に接続された手すり子が前記アクセス手段よりも小さい角度またはより低速で回転するように構成されている、請求項19~21のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項23】
収納中において、前記アクセス手段が上向きに回転し、前記それぞれの手すりが前記アクセス手段に向かって折り畳まれる一方、前記アクセス手段と前記手すり子との両方が、前記取り付け台に対して同じ方向に回転する、請求項19~22のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項24】
展開中において、前記アクセス手段が下向きに回転し、前記それぞれの手すりが前記アクセス手段から離れるように移動されるように構成される一方、前記アクセス手段と前記手すり子との両方が、前記取り付け台に対して同じ方向に回転する、請求項19~22のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項25】
前記手すり子が、前記手すりへの接続と前記アクセス手段への接続との間に延在する部材を含む、請求項19~24のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項26】
前記手すりへの前記接続および/または前記アクセス手段への前記接続が、それぞれの枢動接続を含む、請求項25に記載のアクセスシステム。
【請求項27】
前記手すり子が、前記少なくとも1つのアクチュエータに枢動可能に接続されたリンク装置に接続されている、請求項19~26のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項28】
前記手すり子が、前記手すりおよび/または少なくとも1つの中間手すりによって、少なくとも1つのさらなる手すり子に機能的に接続されている、請求項19~27のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項29】
前記アクセス手段を取り付け台に接続している主ピボット、及び前記アクセス手段と前記少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離が、前記リンク装置と前記アクセス手段との接続、及び前記リンク装置と前記少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離よりも大きい、請求項19~28のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項30】
前記アクセス手段、収納機構、および折り畳み式手すりアセンブリが、車両、機器、または設備に取り付けるためのアセンブリとして提供される、請求項1~29のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項31】
少なくとも1つの折り畳み式手すりアセンブリを組み込んだアクセスシステムを収納する方法であって、アクセス手段の収納を駆動するためのアクチュエータを有する収納機構を動作させるステップであって、前記収納機構が前記アクセス手段に対して前記手すりアセンブリの折り畳みを駆動する、ステップを含む、方法。
【請求項32】
前記アクセス手段の収納が、前記アクセス手段の第1のセクションに関する前記アクセス手段の第2のセクションの枢動を含み、各前記セクションが前記アクセス手段の多数の踏板/踏段を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のセクションが第1の手すりアセンブリを含み、前記第2のセクションが第2の手すりアセンブリを含み、前記アクセス手段の収納が前記第1の手すりアセンブリおよび前記第2の手すりアセンブリを折り畳む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の手すりアセンブリの折り畳みが、前記第1のセクションおよび/または前記第1の手すりアセンブリへの前記第2の手すりアセンブリの機械的接続によって駆動される、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記収納機構が、前記アクセス手段と、前記アクセス手段を車両、機器、または設備に接続する取り付け台との間で動作する、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
手すり子が、前記収納機構の前記少なくとも1つのアクチュエータと、前記手すりとに機能的に接続されている、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記アクセス手段が前記アクセス手段の収納または展開中に回転されるのと同じ方向に、前記手すり子が前記取り付け台に対して回転される、請求項36に記載のアクセス方法。
【請求項38】
前記アクセス手段および前記手すり子が、収納および展開中に、前記取り付け台/車両、機器、設備に対して同じ方向に回転される、請求項36に記載のアクセス方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つのアクチュエータに機能的に接続された手すり子が、収納または展開中に前記アクセス手段よりも小さい角度またはより低速で回転される、請求項36~38のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項40】
収納中において、前記アクセス手段が上向きに回転し、前記それぞれの手すりが前記アクセス手段に向かって折り畳まれる一方、前記アクセス手段および前記手すり子の両方が、前記取り付け台に対して同じ方向に回転する、請求項36~39のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項41】
展開中において、前記アクセス手段が下向きに回転され、前記それぞれの手すりが前記アクセス手段から離れるように移動される一方、前記アクセス手段および前記手すり子の両方が、前記取り付け台に対して同じ方向に回転される、請求項36~40のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項42】
前記手すり子が、前記手すりへの接続と前記アクセス手段への接続との間に延在する部材を含む、請求項36~41のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項43】
前記手すりへの前記接続および/または前記アクセス手段への前記接続が、それぞれの枢動接続を含む、請求項42に記載のアクセス方法。
【請求項44】
前記手すり子が、前記少なくとも1つのアクチュエータに枢動可能に接続されたリンク装置に接続されている、請求項36~43のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項45】
前記手すり子が、前記手すりおよび/または少なくとも1つの中間手すりによって、少なくとも1つのさらなる手すり子に機能的に接続されている、請求項36~44のいずれか一項に記載のアクセス方法。
【請求項46】
前記アクセス手段を取り付け台に接続している主ピボット、及び前記アクセス手段と前記少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離が、前記リンク装置と前記アクセス手段との接続、及び前記リンク装置と前記少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離よりも大きい、請求項36~45のいずれか一項に記載のアクセスシステム。
【請求項47】
前記アクセス手段が、完全展開位置と完全収納位置との間で175°まで、好ましくは160°まで、より好ましくは150°まで、さらにより好ましくは約135°までの回転角度全体にわたって収納または展開される、請求項31~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記アクセス手段に関する回転のために接続されている少なくとも1つの手すり子が、完全展開位置と完全収納位置との間の前記アクセス手段の全回転角度の15%~40%、好ましくは20%~35%と等価の角度にわたって回転する、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記手すりアセンブリが、前記アクセス手段の前記回転角度の15%から40%の間、好ましくは20%から35%の間の回転角度にわたって回転される、請求項31~47のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納可能なアクセスシステムに関する。
【0002】
本発明の1つまたは複数の非限定的な特定の形態は、土木用車両および建設車両のための収納可能なアクセスシステムに関する。
【0003】
収納可能なアクセスシステムは、収納位置から展開可能であり、かつ展開位置から収納可能なアクセス手段(階段または梯子など)を含む。
【0004】
「収納可能」または「展開可能」なる語は、アクセス手段(階段または梯子)の枢動運動を少なくとも含み、アクセス手段のセクションを互いに対して折り畳むこと/広げること、または入れ子にすること/入れ子の外に出すことを含み得る。
【背景技術】
【0005】
展開可能/収納可能なアクセス手段を使用したシステムは、大型の土木用車両および建設用車両上に設けられる場合がある。例えば、展開可能/収納可能なアクセス手段(例えば階段または傾けられた梯子)は、機器が平地で駐車されていない限り、車両オペレータが負の傾斜を有し得る垂直な梯子を登ることなく、運転台に上がることができるように設けられる。
【0006】
アクセス手段は、収納位置から展開可能であり(車両は、アクセス手段が収納された時に安全に移動可能である)、かつ(例えば、車両に対する進入/退出が必要とされ、車両が静止している時に)展開位置から収納可能であることが理解されよう。
【0007】
オペレータが機械上にいると、アクセス手段(階段または梯子)は収納され、したがってアクセス手段は下向きおよび/または外向きにぶら下がっておらず、機械の最低地上高が増加し、それによって機械が動いているときに岩に接触することによって損傷を受ける確率を最小限にする。
【0008】
アクセス手段はまた、他の作業員がオペレータの認識なしに機械に登ることができないように収納される必要がある。オペレータの認識なしに人がアクセス手段上にいる場合、その人が負傷する可能性が非常に高い。起こり得る負傷は、人がバランスを失って転倒することから、機器の作動部分/車輪と機器に隣接する車体との間で人が押し潰される、または閉じ込められることに及び得る。
【0009】
アクセス手段を収納するために使用されるシステムは多種多様であり得るが、一般に、オペレータによって手動で作動される電気系統または油圧系統のいずれかに依存する。
【0010】
特に、車両は、収納されたアクセス手段のための格納空間が制限されている場合がある。また、全長のアクセス手段の展開または収納運動は、車両の部品および/または車両に隣り合ったインフラストラクチャ/作業員との離間距離問題を引き起こし得る。このような離間距離問題はまた、展開可能/収納可能なアクセス手段の車両以外の用途でも存在し得る。
【0011】
アクセスシステムは、手すりがあると、作業員がより安全に使用できる。手すりは、アクセス手段を昇降時に、作業員の保護および安定した支持を与える。手すりは、ISO(国際標準化機構)またはAS(オーストラリア規格)など、国または国際的な安全または操作基準を満たすことが必要な場合がある。
【0012】
しかしながら、手すりが必要とする空間、さらに、アクセス手段とともに手すりを展開および収納させる必要性は、収納可能なアクセスシステムに適した手すりの開発時に技術的な堅牢性および信頼性に関する課題をもたらす。
【0013】
採鉱車両および大型車両用の場合、知られているアクセスシステムの手すりは、車両およびアクセス手段に対して物理的に接続される。結果として、手すりとアクセス手段との間の位置関係および角度関係の変化を相殺するために、複雑な構造的折り畳みおよび伸縮自在の接続ならびに形状が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記を鑑みて、本発明の目的は、システムのアクセス手段に対して取り付けられ、アクセス手段に合わせて収納および展開され、アクセス手段の収納機構によって動作される折り畳み式手すり装置を含む収納可能なアクセスシステムを提供することである。
【0015】
何らかの先行技術が本明細書で参照される場合、そのような参照は、その先行技術が、本発明の属する分野、オーストラリア、または任意の他の国における常識の一部を形成するという容認に該当しないことを理解されたい。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記を鑑みて、本発明の態様は、車両、機器、または設備のためのアクセスシステムであって、アクセスシステムは、複数の踏板/踏段を有する少なくとも1つのセクションと、アクセス手段を収納し、その展開を可能にする収納機構と、少なくとも1つの手すりアセンブリとを含み、手すりアセンブリは、保管のために少なくとも1つのセクションに対して折り畳まれ、アクセス手段が展開されたときに使用者を支持するための手すりを提供するために拡張するようにアクセス手段に枢動可能に接続されている、アクセスシステムを提供する。
【0017】
手すりが車両の側部に接続されて取り付けられているとき、知られているアクセスシステムと同様に、手すりがオーバーセンター(overcentre)して折れ曲がることを防止するために伸縮自在の手すりが必要となる。手すりが車両に接続した状態で取り付けられていることによって発生するオーバーセンター問題を相殺するために、複雑な接合部および伸縮自在の装置が設けられていない限り、手すりがオーバーセンターして折れ曲がると、手すりは折り畳まれた位置から容易に再度拡張できない。
【0018】
本発明の1つまたは複数の形態は、収納機構を用いて折り畳む/拡張するように動作され、且つアクセス手段に取り付けられる手すりアセンブリを有することによってそのような制限を克服する。
【0019】
有益なことに、収納機構から手すり/手すりの手すり子まで延出し、且つ収納機構に機能的に接続された連結装置は、手すりの車両、機器、または設備への接続が必要となることを防ぐ。
【0020】
アクセス手段、収納機構、および折り畳み式手すりアセンブリは、手すりを直接車両、機器、または設備に接続すること、若しくは複雑な接合部および伸縮自在の装置を必要とせずに車両、機器、または設備に取り付けるためのアセンブリとして提供され得る。
【0021】
少なくとも1つのアクチュエータを、手すりが枢動可能に付けられた手すり子へ接続するリンク装置は、オーバーセンター問題が回避されるように構成されている。
【0022】
少なくとも1つの手すりアセンブリは、収納機構への機械的接続によって、少なくとも1つのセクションに対して折り畳みおよび拡張をするように動作され得る。
【0023】
この機械的接続は、枢動可能なリンク装置を介して設けられ得る。枢動可能なリンク装置は、それぞれの手すりアセンブリと収納機構の一部との間にリンク(連結)を含み得る。
【0024】
少なくとも1つの手すりアセンブリの折り畳みおよび/または拡張は、アクセス手段を収納および/または展開するための少なくとも1つのアクチュエータの動作によって作動され得る。
【0025】
この少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つの油圧アクチュエータ、少なくとも1つの空気圧アクチュエータ、および/または少なくとも1つの電気アクチュエータを含み得る。
【0026】
手すりアセンブリと収納機構との間のリンク(連結)装置は、それぞれの手すりアセンブリの手すり子または手すり子の一部に接続されたリンク装置を含み得る。
【0027】
手すり子は、それぞれの手すりと、セクションの踏段/踏板を支持するためにそのセクションの側部に沿って延在する水平部材との間で直接的または間接的に接続された垂直部材(直立時/拡張時)を指すことを理解されよう。手すり子が、例えばブラケットへの枢動接続または直接的な枢動接続によって、手すりおよび水平部材/側部に対して枢動可能に接続され得る。
【0028】
アクセス手段と、アクチュエータ及び手すりの間に接続された手すり子とが、収納および展開中において取り付け台/車両、機器、設備に対して同じ方向に回転することが好ましい。
【0029】
収納または展開中において、アクチュエータに接続された手すり子がアクセス手段よりも小さい角度または低速で回転することが好ましい。
【0030】
収納中において、アクセス手段が上向きに回転し、それぞれの手すりがアクセス手段に向かって折り畳まれる一方、アクセス手段とアクチュエータに接続された手すり子との両方が取り付け台に対して同じ方向に回転することが好ましい。
【0031】
展開中において、アクセス手段が下向きに回転し、それぞれの手すりがアクセス手段から見て外方に移動される一方、アクセス手段とアクチュエータに接続された手すり子との両方が取り付け台に対して同じ方向に回転することが好ましい。
【0032】
手すり子が、収納機構の少なくとも1つのアクチュエータおよび手すりに機能的に接続され得る。
【0033】
手すり子が、アクセス手段の収納または展開中に階段が回転するのと同じ方向に、手すり子が取り付け台に対して(少なくとも1つの枢動接続を介して)回転するように配置および構成され得る。
【0034】
アクセス手段および手すり子が、収納および展開中において取り付け台/車両、機器、設備に対して同じ方向に(少なくとも1つの枢動接続を介して)回転するように配置および構成され得る。
【0035】
少なくとも1つのアクチュエータに機能的に接続され得る手すり子は、収納または展開中にアクセス手段よりも小さい角度または低速で回転するように構成される。
【0036】
収納中において、アクセス手段が上向きに回転し、それぞれの手すりがアクセス手段に向かって折り畳まれるように配置および構成されている一方、アクセス手段および手すり子の両方が取り付け台に対して同じ方向に回転する。
【0037】
展開中において、アクセス手段が下向きに回転し、それぞれの手すりがアクセス手段から見て外方に移動されるように配置および構成されている一方、アクセス手段および手すり子の両方が取り付け台に対して同じ方向に回転する。
【0038】
手すり子が、手すりへの接続とアクセス手段への接続との間に延在する部材を含むことが好ましい。
【0039】
手すりへの接続および/またはアクセス手段への接続が、それぞれの枢動接続を含み得る。
【0040】
手すり子が、少なくとも1つのアクチュエータに枢動可能に接続されたリンク装置に接続されていることが好ましい。
【0041】
手すり子が、手すりおよび/または少なくとも1つの中間手すりによって、少なくとも1つのさらなる手すり子に機能的に接続され得る。中間手すりは、少なくとも2つの隣り合った手すり子の間に延在し、手すりおよびアクセス手段から離れて配置されている安全手すりに関係する。
【0042】
アクセス手段を取り付け台に接続している主ピボット、及びアクセス手段と少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離が、リンク装置とアクセス手段との接続、及びリンク装置と少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離よりも大きい。
【0043】
「手すり子」なる語は、従来の固定階段の手すりと水平部材との間の垂直部材と類似した、それぞれの手すりとアクセス手段との間の物理的接続(直接的または間接的)を提供する要素/部材(伸長部材など)を指すが、本発明では、手すり子は、アクセス手段に対して枢動可能に接続され、それによって手すり子が展開時に直立となり、収納中においてアクセス手段に向かって枢動する(例えば、手すりアセンブリを折り畳んだアクセス手段の保管のため)ことが理解されよう。
【0044】
アクセス手段は、アクセス手段の完全展開位置と完全収納位置との間の少なくとも1つの手すり子/手すりアセンブリの回転角度よりも大きい角度にわたって回転し得る。枢動接続の間隔および/または位置などの1つまたは複数のリンク/連結部の形状および長さは、例えば、添付図面に示すような必要とされる角度値を生成するように配置および構成されることが可能である。
【0045】
このアクセス手段は、完全展開位置と完全収納位置との間で175°まで、好ましくは160°まで、より好ましくは150°まで、さらにより好ましくは約135°までの回転角度全体にわたって収納または展開可能である。それぞれの角度は、アクセス手段が枢動軸上に置かれる取り付け台に対して決定可能である。
【0046】
アクセス手段に関する回転のために接続された手すりアセンブリの少なくとも1つの手すり子、好ましくは収納機構に接続された作動中の手すり子は、完全展開位置と完全収納位置との間のアクセス手段の回転角度全体の15%~40%、好ましくは20%~35%と等価の角度にわたって回転する。
【0047】
手すりアセンブリが、アクセス手段の回転角度の15%~40%、好ましくは20%~35%の回転角度にわたって回転され得る。
【0048】
1つまたは複数の中間手すりが、連続した手すり子の間に延在する。1つまたは複数の中間手すりが、中間手すりの各端部において、それぞれの手すり子に枢動可能に接続され得る。
【0049】
アクセスシステムが、各々が多数の踏板/踏段を有する複数のセクションを含み得る。好ましくは、少なくとも第1および第2の上記セクションが、コンパクトな保管などのために、枢動可能に接続されている。
【0050】
第1のセクションと第2のセクションとの間の運動を伝達するリンク装置が設けられ得る。連結装置が、互いに枢動可能に接続された第1の伝達リンク部および第2の伝達リンク部を含み得る。伝達リンク部のうちの少なくとも1つが、第2のセクションの中間手すりまたは手すり子に接続され得る。
【0051】
収納機構の収納動作は、第1の(上方)の上記セクションの遠位(下)端を上昇させ、第1のセクションと係合した手すりアセンブリに、第1のセクションに関する折り畳みを開始させることができる。
【0052】
保管時に、複数のセクションが、互いに隣り合い得る。
【0053】
本発明の別の態様は、少なくとも1つの折り畳み式手すりアセンブリを組み込んだアクセスシステムを収納する方法であって、アクセス手段の収納を駆動するためのアクチュエータを有する収納機構を動作させるステップであって、収納機構がアクセス手段に対して手すりアセンブリの折り畳みを駆動する、ステップを含む、方法を提供する。
【0054】
アクセス手段の収納が、アクセス手段の第1のセクションに関するアクセス手段の第2のセクションの枢動を含み、各上記セクションがアクセス手段の多数の踏板/踏段を含み得る。
【0055】
第1のセクションが第1の手すりアセンブリを含み得、第2のセクションが第2の手すりアセンブリを含み得、アクセス手段の収納が第1および第2の手すりアセンブリを折り畳む。
【0056】
第2の手すりアセンブリの折り畳みが、第1のセクションおよび/または第1の手すりアセンブリへの第2の手すりアセンブリの機械的接続によって駆動されることが好ましい。
【0057】
連結装置が、第2のセクションの手すりアセンブリに運動を伝達し得、第2のセクションと係合した手すりアセンブリを第2のセクションに対して折り畳むように駆動する。
【0058】
アクセス手段の展開が、収納機構の収納および使用のステップの逆であり得ることが理解されよう。
【0059】
少なくとも1つのアクチュエータのための動力は、搭載された油圧、空気圧、または電気の供給源など、車両、機器、または設備系統によって提供され得る。代替的に、専用動力源が設けられることが可能である。
【0060】
第2の手すりアセンブリの折り畳みが、第1のセクションおよび/または第1の手すりアセンブリへの第2の手すりアセンブリの機械的接続によって駆動され得る。
【0061】
収納機構が、アクセス手段と、アクセス手段を車両、機器、または設備に接続する取り付け台との間で動作するように配置および構成され得る。
【0062】
少なくとも1つの手すりアセンブリが、アクセス手段に枢動可能に取り付けられることが好ましい。
【0063】
アクセス手段が、車両、機器、または設備に付けられた取り付け台に取り付けられ得、収納機構が、取り付け台とアクセス手段との間で動作するように接続され得る。
【0064】
手すり子が、収納機構の少なくとも1つのアクチュエータおよび手すりに機能的に接続され得る。
【0065】
アクセス手段がアクセス手段の収納または展開中に回転されるのと同じ方向に、手すり子が取り付け台に対して回転され得る。
【0066】
アクセス手段および手すり子が、収納および展開中において取り付け台/車両、機器、設備に対して同じ方向に回転され得る。
【0067】
少なくとも1つのアクチュエータに機能的に接続された手すり子は、収納または展開中にアクセス手段よりも小さい角度または低速で回転される。
【0068】
収納中において、アクセス手段が上向きに回転され得、それぞれの手すりがアクセス手段に向かって折り畳まれる一方、アクセス手段および手すり子の両方が取り付け台に対して同じ方向に回転する。
【0069】
展開中において、アクセス手段が下向きに回転され得、それぞれの手すりがアクセス手段から見て外方に移動される一方、アクセス手段および手すり子の両方が取り付け台に対して同じ方向に回転される。
【0070】
手すり子が、手すりへの接続とアクセス手段への接続との間に延在する部材を含み得る。手すりへの接続および/またはアクセス手段への接続が、それぞれの枢動接続を含む。
【0071】
手すり子が、少なくとも1つのアクチュエータに枢動可能に接続されたリンク装置に接続され得る。手すり子およびリンク装置が、金属からなることが好ましい連続した部材/要素などの一構成要素であり得る。
【0072】
手すり子が、手すりおよび/または少なくとも1つの中間手すりによって、少なくとも1つのさらなる手すり子に機能的に接続され得る。
【0073】
アクセス手段を取り付け台に接続している主ピボット、及びアクセス手段と少なくとも1つのアクチュエータとの接続の間の距離が、リンク装置とアクセス手段との接続、及びリンク装置と少なくとも1つのアクチュエータへとの接続の間の距離よりも大きくてもよい。てこの作用の距離におけるそのような差によって、アクセス手段が、手すり子よりも角度的にさらに大きく、および/またはより高速で回転できるようになる(したがって、アクセス手段の収納は、手すりアセンブリの折り畳みよりも大きい角度にわたる)。
【0074】
本発明の1つまたは複数の実施形態または実施例は、添付図面を参照して以下で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1A】本発明の一実施形態による、折り畳み式手すりを有する二セクションアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図1D~
図1Aは展開の各段階を示す)。
【
図1B】本発明の一実施形態による、折り畳み式手すりを有する二セクションアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図1D~
図1Aは展開の各段階を示す)。
【
図1C】本発明の一実施形態による、折り畳み式手すりを有する二セクションアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図1D~
図1Aは展開の各段階を示す)。
【
図1D】本発明の一実施形態による、折り畳み式手すりを有する二セクションアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図1D~
図1Aは展開の各段階を示す)。
【
図2A】本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【
図2B】本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【
図2C】本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【
図2D】本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【
図2E】本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0076】
アクセスシステムは、典型的に、油圧、空気圧、または電気駆動装置による動力で収納されることが理解されよう。
【0077】
同様に、アクセスシステムのアクセス手段は、アクセス手段による使用者の進入/退出を必要とする車両または他の機器/設備に取り付けられる。車両、機器、または設備の図表示が、アクセス手段の取り付けの概略的な例として図中に示されている。
【0078】
以下の詳細な説明において、詳細な説明の一部をなす添付図面を参照する。この詳細な説明に記載され、図面に図示され、特許請求の範囲で定義される例示的な実施形態は、限定を意図したものではない。他の実施形態が利用可能であり、提示される主題の精神または範囲から逸脱せずに他の変更がなされてもよい。本開示の態様は、概して本明細書で説明され図面に示されるように、多種多様な異なる構成で配置、置換、結合、分離、および設計されることができ、その全てが本開示で企図されることは容易に理解されるであろう。
【0079】
図1A~
図1Dは、本発明の一実施形態による、折り畳み式手すりを有する二セクションアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図1D~
図1Aは展開の各段階を示す)。
【0080】
図1Aは、完全に展開されたアクセス手段12を示す。
図1Bは、部分的に収納されたアクセス手段を示す。
図1Cは、さらに収納されたアクセス手段を示す。
図1Dは、完全に収納されたアクセス手段を示す。
【0081】
アクセスシステム10は、車両、機器、または設備14に取り付けられるアクセス手段12を含む。
【0082】
このアクセス手段は、固定または折り畳まれた踏段/踏板が組み込まれた単一のセクション、または互いに対して枢動する/蝶番留めされるように配置および構成されている複数のセクションを含み得る。このセクションは、収納している/収納されている時にともに折り畳まれる、またはともに入れ子にされることが可能である。
【0083】
アクセス手段の単一のセクションまたは複数のセクションは、アクセス手段上を歩行するように上昇または下降する際に使用される複数の踏段/踏板56を含む。
【0084】
図1A~
図1Dに示される例では、アクセス手段は、第1の(展開時には上方)セクション16と、第2の(展開時には下方)セクション18が組み込まれている二セクションアクセス手段(例えば、階段)として提供される。
【0085】
第1のセクション16および第2のセクション18は、少なくとも1つのピボット装置20によってともに接続される。ピボット装置20は、第1および第2のセクションを、収納および展開中に互いに対して折り畳むことを可能にする。
【0086】
このアクセス手段は、車両、機器、または設備14に取り付けられる。主ピボット装置22は、アクセス手段12の収納および展開中の枢動移動を可能にする。
【0087】
少なくとも1つのアクチュエータ24(例えば油圧式、空気圧式、電気式)は、リンク部26とアクチュエータブラケット28との間を接続する。リンク部26は、このアクチュエータを、車両、機器、または設備に取り付けられた主ブラケット30に接続する。折り畳み式の手すりアセンブリ32は、各セクション16、18に枢動可能に取り付けられている。
【0088】
それぞれの手すりアセンブリ32は1つまたは複数の手すり子36(36A、36B、36C)を介して枢動可能に接続された手すり34(34A、34B)を含む。各手すり子は、それぞれの手すりおよびアクセス手段のそれぞれのセクションに対して枢動可能に接続されている。
【0089】
第1の伝達アーム38および第2の伝達アーム40は、枢動可能に接続されている。第1の伝達アーム38はまた、第1のセクション16の下端に枢動可能に接続されている。第2の伝達アーム40は、第2のセクション18の上端に枢動可能に接続されている。
【0090】
伝達リンク部42は、第2の伝達アーム40からの運動を、第2のセクション18の手すりアセンブリ32に伝達する。
【0091】
例示的な多セクションアクセス手段の収納中において、第1の(上方)セクションがアクチュエータ24の動作によって持ち上がると、上端(取り付け端)のピボットおよび第2のセクションからの枢動によって、第1のセクションの下方での折り畳みが開始する。
【0092】
運動は、上部手すり子36Aに接続されている手すり子リンク部46に接続されているリンク部材44を介して伝達される。上部手すり子36Aは、手すり34Aに枢動可能に接続されており、さらに第1の中間手すり48に枢動可能に接続されている。
【0093】
運動は、枢動可能な接続を介して第2の手すり子36Bに伝達され、第2の中間手すり50を介して第3の手すり子36Cに伝達される。
【0094】
運動は、伝達リンク部42から第2のセクション18の上部手すり子36Dに伝達される。第2のセクション18の第1の中間手すり52は、中間手すり子36Eに運動を伝達し、第2の中間手すり54は、下部手すり子36Fに運動を伝達する。手すり34Bはまた、手すり子に枢動可能に接続されており、それによって中間手すりおよび伝達リンク部42と枢動可能な接続状態を有する。
【0095】
図1Dに示すように、多セクションアクセス手段12は、第1および第2のセクションがともに折り畳まれた状態で保管位置に収納される。手すりアセンブリは、手すり34(34A、34B)が保管空間を減少させるように折り畳まれて、車両、機器、設備の周りにより大きな離間距離をもたらし、同じ全体の長さを有する全長で収納されたアクセス手段に別様に存在し得る主ピボットに対する、てこの作用(はね返り)および関連の摩耗を低減するように配置される。
【0096】
図2A~
図2Eは、本発明のさらなる実施形態による、折り畳み式手すりを有するアクセス手段の収納の各段階を示す図である(逆順の
図2E~
図2Aは展開の各段階を示す)。
【0097】
本発明のさらなる実施形態によるアクセスシステム10の単一のセクション17のアクセス手段12は、主ピボット装置22を介して車両、機器、または設備14に枢動可能に取り付けられている。この主ピボット装置は、主枢動軸を有することが好ましい。
【0098】
リンク部26は、アクチュエータ24の端部に接続している。アクチュエータの逆端部は、アクチュエータブラケット28に接続されている。アクチュエータは、油圧、空気圧、または電気を動力源としている。
【0099】
アクチュエータ28は、単動式または複動式のラムであってもよく、またはそれを含んでもよい。単動式ラムの場合、作動がラムを拡張でき、アクセス手段を上昇(収納)させる。降下は重力によることができ、展開運動/速度を制動/制御するようにラムからの任意選択的な圧力/フロー制御を有する。
【0100】
上部手すり子36Aに接続されている手すり子リンク部46に接続されているリンク部材44を介して運動が伝達される。上部手すり子36Aは、手すり34Aに枢動可能に接続されており、さらに第1の中間手すり48に枢動可能に接続されている。
【0101】
運動は、枢動可能な接続を介して第2の手すり子36Bに伝達され、第2の中間手すり50を介して第3の手すり子36Cに伝達される。
【0102】
手すり34は、手すり子36A、36B、36Cに接続され、それによってアクセス手段のセクション17および中間手すり48、50に枢動可能に接続されている。
【0103】
アクチュエータが拡張すると(
図2B参照)、セクションの遠位(下)端が上昇する。リンクアーム44および手すり子リンク部46は、アクセス手段への枢動接続を中心として枢動する。そのセクションが上昇すると、手すりアセンブリ32が折り畳まれる。
【0104】
アクチュエータのさらなる拡張(
図2C参照)は、アクセス手段12のセクション17が上昇する(収納される)と、手すりアセンブリ32をさらに折り畳む。
【0105】
アクセス手段12は、直立した保管位置(
図2E参照)へ上向きに収納され、手すりアセンブリは格納のために折り畳まれる。
【0106】
収納中において、少なくとも1つのアクチュエータは、アクセス手段が取り付けられている取り付け台/車両、機器、設備に対して上向きに回転するようにアクセス手段を駆動する。手すりアセンブリは、アクセス手段に取り付けられている。手すりアセンブリは、少なくとも1つのアクチュエータへの手すり子の接続を介してアクセス手段に向かって折り畳まれるように駆動される一方、アクセス手段と同じ方向に回転する。
【0107】
収納中において、手すりアセンブリは、アクセス手段と比べて、より低速またはより小さい回転角度で回転し、その両方が取り付け台に対して上向きに回転すると、互いに閉じ、手すりアセンブリと少なくとも1つのアクチュエータとの間の物理的リンク接続、および手すりの手すり子(および任意の中間手すり)への枢動可能な接続によって、手すりアセンブリが折り畳まれる(さらに、展開の逆の動作中に伸長する)ことを可能なようにすることが理解されよう。
【0108】
手すりアセンブリと車両、機器、設備との間の直接/固定接続を回避することによって、手すりアセンブリの部品間の複雑な枢動および伸縮自在接続の必要性を回避する。
【0109】
さらに、手すりアセンブリ、アクセス手段、および少なくとも1つのアクチュエータが、少なくとも1つのアクチュエータへの取り付けおよび任意の電源を介する以外での車両、機器、または設備に対する接続を必要とせずに完全なシステムとして提供可能であるという点で自己完結型のアクセスシステムは有益である。
【0110】
このアクセス手段は、完全展開位置と完全収納位置との間で175°まで、好ましくは160°まで、より好ましくは150°まで、さらにより好ましくは約135°までの回転角度全体にわたって収納または展開可能である。
【0111】
アクセス手段に関する回転のために接続されている手すりアセンブリの少なくとも1つの手すり子、好ましくは収納機構に接続されている動作中の手すり子は、完全展開位置と完全収納位置との間のアクセス手段の全回転角度の15%~40%と等価の角度にわたって回転する。
【0112】
例示的な車両用途の場合、アクセス手段の回転角度は135°であり、手すり子がアクセス手段の回転の約30.5%(約47.25度)回転する。
【0113】
手すりアセンブリは、アクセス手段の回転角度の15%から30%の間の回転角度にわたって回転されることが可能である。
【0114】
後続の特許請求の範囲および本発明の上記説明において、明確な表現または必然的な示唆のために文脈が必要とする場合が除き、「備える(comprise)」なる語、または「備えている」などの変形(comprises、comprising)は、包括的な意味、すなわち、既述の特徴の存在を具体的に説明するためであって、本発明の様々な実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除しないように使用されている。
【国際調査報告】