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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】パワーレシーバエレクトロニクス
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/05 20140101AFI20240201BHJP
   H01L 31/052 20140101ALI20240201BHJP
   H01L 31/054 20140101ALI20240201BHJP
   H02J 50/30 20160101ALI20240201BHJP
【FI】
H01L31/04 570
H01L31/04 600
H01L31/04 620
H02J50/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544495
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 US2022013570
(87)【国際公開番号】W WO2022159843
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/140,256
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/286,516
(32)【優先日】2021-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523278593
【氏名又は名称】レーザーモーティブ インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】LASERMOTIVE, INC.
【住所又は居所原語表記】6004 S. 190th Street, Suite 101, Kent, WA 98032 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ヌージェント,ジュニア.,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】セイルズ,トーマス ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バッシュフォード,デービット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バッシュフォード,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】エルディーン, ドリュー シー.
【テーマコード(参考)】
5F251
【Fターム(参考)】
5F251BA05
5F251EA06
5F251EA19
5F251JA02
5F251JA14
5F251JA22
5F251JA23
5F251JA29
5F251JA30
(57)【要約】
自由空間パワーレシーバは、パワービームがレシーバ上で移動又はプロファイルを変化させるときでさえ、電力の取り出しを最適化するように選択された光起電力セルのレイアウトを含む。レシーバはまた、開口を内部に有する回路基板を含み得、これによって光が光起電力セルに到達し得る。回路基板は光起電力セルを互いに、及び電力を取り出すための負荷に接続するための適切な配線を含み得る。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有する、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される、該電気配線と、
を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループの前記PVセルは前記支持面上で互いに隣接しないように配置され、
前記複数の電圧グループは5%未満の電流ミスマッチを示し、
電流ミスマッチは、前記レシーバがパワービームにさらされたときの、最大出力電流と最小出力電流との差を平均出力電流で割ったものとして定義される、パワーレシーバ。
【請求項2】
前記パワービームは、レーザーパワービームである、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項3】
前記パワービームは、実質的にガウシアンビームプロファイルを有する、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項4】
前記パワービームは、スーパーガウシアンビームプロファイルを有する、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項5】
前記電流ミスマッチが4%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項6】
前記電流ミスマッチが3%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項7】
前記電流ミスマッチが2%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項8】
前記電流ミスマッチが1%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項9】
前記PVセルは、矩形に配列される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項10】
前記PVセルは、正方形に配置される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項11】
前記PVセルは、角が切り取られた正方形に配置される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項12】
前記PVアレイは、4つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項13】
前記PVアレイは、5つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項14】
前記PVアレイは、6つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
【請求項15】
PVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割される、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される、該電気配線と、
を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループの前記PVセルは前記PVアレイの第一軸に沿って繰り返しパターンで配置され、前記繰り返しパターンは前記PVアレイの第二軸に沿ってオフセット値だけ互い違いに配置され、前記オフセット値は同じ電圧グループ内のPVセルが互いに隣接しないように選択される、パワーレシーバ。
【請求項16】
前記PVセルは前記第一軸に沿って1つ又は複数の隣接するPVセルに直列に接続され、各電圧グループに属するPVセルが、追加の配線によって並列に接続される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項17】
前記追加の配線は、前記支持面内に配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
【請求項18】
前記追加の配線は、前記支持面の後ろに配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
【請求項19】
前記追加の配線は、光を通過させて前記PVセルに達することを可能にするように配置された開口を有する回路基板内に配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
【請求項20】
前記PVセルは、矩形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項21】
前記PVセルは、正方形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項22】
前記PVセルは、角が切り取られた正方形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項23】
前記PVアレイは、4つの電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項24】
前記PVアレイは、5つの電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項25】
前記PVアレイは、6~16個の電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
【請求項26】
PVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割される、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される該電気配線と、
を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループは、前記電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.4未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する、パワーレシーバ。
【請求項27】
各電圧グループが、前記電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.3未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する、請求項26に記載のパワーレシーバ。
【請求項28】
複数の光起電力(PV)セルであって、各PVセルが、
電力への変換のために光を受け取るように構成された活性表面と、
カソードコネクタ及びアノードコネクタであって、前記PVセルの前記活性表面が光に曝されたときに、それらの間に電圧を生成するように構成された、該カソードコネクタ及びアノードコネクタと、を有する、該複数の光起電力セルと、
前記カソードコネクタ及びアノードコネクタのうちの少なくとも1つに接続された回路基板であって、内部に複数の開口を有する該回路基板と、
前記回路基板を負荷に電気的に接続するように構成された出力コネクタと、
を含むパワーレシーバであって、
各PVセルは、前記回路基板内の前記複数の開口のうちの少なくとも1つを通過した光を受け取るように配置される、パワーレシーバ。
【請求項29】
前記複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられたリフレクタをさらに備え、前記リフレクタは、前記少なくとも1つの関連付けられたPVセルの前記活性表面上に光を反射するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項30】
複数のリフレクタをさらに備え、各リフレクタは前記複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられ、各リフレクタは前記少なくとも1つの関連付けられたPVセルの前記活性表面上に光を反射するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項31】
前記複数のリフレクタの少なくともいくつかのメンバーは、前記回路基板の前記開口内に配置される、請求項30に記載のパワーレシーバ。
【請求項32】
前記回路基板は、前記PVセルの第一サブセットを並列に接続するように構成された配線を含む、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項33】
前記PVセルの前記第一サブセットを並列に接続するように構成された前記配線は、前記回路基板の第一層上に配置される、請求項32に記載のパワーレシーバ。
【請求項34】
前記回路基板は前記PVセルの第二サブセットを並列に接続するように構成された配線を含み、前記第二サブセット及び前記第一サブセットは共通のPVセルを有さない、請求項32に記載のパワーレシーバ。
【請求項35】
前記PVセルの前記第一サブセットを並列に接続するように構成された配線は前記回路基板の第一層上に配置され、
前記PVセルの前記第二サブセットを並列に接続するように構成された配線は前記第一層とは異なる前記回路基板の第二層上に配置される、請求項34に記載のパワーレシーバ。
【請求項36】
前記回路基板が、前記第一サブセットを前記第二サブセットに直列に接続し、それによって、前記第一サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第一電圧と、前記第二サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第二電圧との合計にほぼ等しい電圧を生成するように構成された配線をさらに含む、請求項34に記載のパワーレシーバ。
【請求項37】
前記複数のうちの異なるPVセル間の全ての電気接続は、前記回路基板内の配線を含む、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項38】
前記回路基板は、異なるPVセル間の接続を動的に変更するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項39】
前記PVセルから廃熱を除去するように構成されたヒートシンクをさらに備える、請求項28に記載のパワーレシーバ。
【請求項40】
前記ヒートシンクは、前記パワーレシーバの光学部品を位置決めするための基準面として機能する面を有する、請求項39に記載のパワーレシーバ。
【請求項41】
第一側と、第二側と、前記第一側から前記第二側へと通る開口部とを含むヒートシンクと、
前記ヒートシンクの前記第一側と熱的に接触する集電デバイスと、
前記ヒートシンクの前記第二側に配置された電子部品と、
前記ヒートシンクの前記開口部内に配置された電気コネクタであって、前記電気コネクタは前記集電デバイスを前記電子部品に接続する、該電気コネクタと、を含むパワーレシーバ。
【請求項42】
前記ヒートシンクは、熱伝導性材料から製造される、請求項41に記載のパワーレシーバ。
【請求項43】
前記熱伝導性材料が、金属又はセラミックである、請求項42に記載のパワーレシーバ。
【請求項44】
前記集電デバイスは、光起電力(PV)セルである、請求項41に記載のパワーレシーバ。
【請求項45】
前記ヒートシンクが、冷却流体の循環のために構成された内部チャネルを含む、請求項41に記載のパワーレシーバ。
【請求項46】
前記ヒートシンクが蒸気チャンバを含む、請求項41に記載のパワーレシーバ。
【請求項47】
前記ヒートシンクが前記第一側から前記第二側へと通る複数の開口部を含み、前記パワーレシーバが、前記ヒートシンクの前記開口部と共に配置された複数の電気コネクタをさらに備える、請求項41に記載のパワーレシーバ。
【請求項48】
前記ヒートシンクの前記第一側に取り付けられた複数の集電デバイスをさらに備え、前記複数の電気コネクタは、前記複数の集電デバイスのそれぞれひとつを前記ヒートシンクの前記第二側に取り付けられた前記電子部品に接続する、請求項47に記載のパワーレシーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2021年1月22日に出願された米国仮特許出願第63/140,256号、及び2021年12月6日に出願された米国仮特許出願第63/286,516号の35U.S.C.§119(e)に基づく利益を主張し、その各々は、本明細書と矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
パワービーミングは、電磁エネルギーのビームを、それを電気に変換する特別に設計されたレシーバに送信することによって、ワイヤ(又は、電線)を使用してアクセスすることが困難又は不便である場所に電力を送信する、新興の方法である。パワービーミングシステムは自由空間パワー(FSP)とすることができ(この場合、ビームが大気、真空、液体、又は他の非光学的に設計された媒体を介して送られる)、又はパワー・オーバー・ファイバ(PoF)とすることができる(この場合、パワーは光ファイバを介して送信される)。後者はいくつかの状況では特定の欠点をワイヤと共有し得るが、伝送効率の向上、電気的絶縁、安全性、及び/又は質量の低減も提供し得る。FSPはより柔軟であり得るが、レシーバの正確なターゲティング、及びパワービームに侵入する反射及び物体などの危険を回避するためのより多くの課題を提供し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
「背景技術」の項で議論される主題の全ては、必ずしも先行技術ではなく、単に「背景技術」の項でのその議論の結果として先行技術であると想定されるべきではない。これらの線に沿って、背景技術のセクションで論じられた、又はそのような主題に関連する先行技術における問題の認識は先行技術であると明示的に述べられていない限り、先行技術として扱われるべきではない。代わりに、背景技術のセクションにおける任意の主題の議論は本発明者らの特定の問題に対するアプローチの一部として扱われるべきであり、それ自体が発明性を有する場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、パワーレシーバ(又は、受電器/電力受信機/power receiver)が複数の光起電力(PV)セルを含み、各PVセルは電力への変換のために光を受け取るように構成された活性表面と、PVセルの活性表面が光に曝されたときにそれらの間に電圧を生成するように構成されたカソードコネクタ及びアノードコネクタとを有する。レシーバはカソードコネクタ及びアノードコネクタのうちの少なくとも1つに接続された回路基板をさらに含み、回路基板は、内部に複数の開口(又は、アパーチャ/aperture)を有し、回路基板を負荷に電気的に接続するように構成される出力コネクタを有する。各PVセルは、回路基板内の複数の開口のうちの少なくとも1つを通過した光を受け取るように配置される。
【0005】
別の態様では、パワーレシーバが支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルを含み、PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有し、PVセルを相互接続するための電気配線を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループのPVセルは、支持面上で互いに不連続になるように配置され、複数の電圧グループは5%未満の電流ミスマッチ(又は、不整合/mismatch)を示し、ここで、電流ミスマッチはレシーバがパワービームにさらされたとき、最大出力電流と最小出力電流との間の差を平均出力電流で割ったものとして定義される。
【0006】
別の態様では、パワーレシーバがPVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルを含み、PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有し、PVセルを相互接続するための電気配線を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループのPVセルはPVアレイの第一軸に沿って繰り返しパターンで配置され、繰り返しパターンはPVアレイの第二軸に沿ってオフセット値だけ互い違いに(又は千鳥状に/staggered)配置され、オフセット値は同じ電圧グループ内のPVセルが互いに隣接しないように選択される。
【0007】
別の態様では、パワーレシーバがPVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルを含み、PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有し、PVセルを相互接続するための電気配線を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループは、電圧グループ内のPVセルの位置のボロノイ図が1.4未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する。
【0008】
別の態様では、パワーレシーバが複数の光起電力(PV)セルと、複数の開口を内部に有する回路基板と、出力コネクタとを含む。各PVセルは、電力への変換のために光を受け取るように構成された活性表面と、PVセルの活性表面が光に曝されたときにそれらの間に電圧を生成するように構成されたカソードコネクタ及びアノードコネクタとを有する。回路基板はカソードコネクタ及びアノードコネクタのうちの少なくとも1つに接続され、出力コネクタは回路基板を負荷に電気的に接続するように構成される。前記複数のうちの各PVセルは、回路基板内の複数の開口のうちの少なくとも1つを通過した光を受け取るように配置される。
【0009】
別の態様では、パワーレシーバが第一側と、第二側と、第一側から第二側へと通る開口部とを含むヒートシンクと、ヒートシンクの第一側と熱的に接触する集電デバイスと、ヒートシンクの第二側に配置された電子部品と、ヒートシンクの開口部内に配置された電気コネクタとを含む。電気コネクタは、集電デバイスを電子部品に接続する。
【0010】
この概要は、以下の発明を実施するための形態においてさらに説明される概念の選択を簡略化された形態で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を識別することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定するために使用されることを意図するものでもない。さらに、特許請求される主題は、本開示の任意の部分に記載される任意の又はすべての欠点を解決する実装形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図面は、本教示による1つ又は複数の実装形態を、限定としてではなく、単なる例として示す。図面において、同様の参照番号は、同じ又は同様の要素を指す。さらに、図面は必ずしも縮尺通りではないことを理解されたい。
【0012】
図1図1は、パワービーミングトランスミッタ及びレシーバの概略図である。
【0013】
図2図2図1のパワービーミングトランスミッタの概略図であり、トランスミッタの構成要素間の相互関係を示す。
【0014】
図3図3図1のパワーレシーバの概略図であり、パワーレシーバの構成要素間の相互関係を示す。
【0015】
図4(a)】図4(a)は、内部に開口を有する回路基板を含むパワーレシーバの幾何学的形状の概略図である。
【0016】
図4(b)】図4(b)は、図4(a)のパワーレシーバを側面から示している。
【0017】
図5図5は、集光器と組み合わせたパワーレシーバの幾何学的形状の概略図である。
【0018】
図6図6は、有孔ヒートシンクを有するパワーレシーバの図である。
【0019】
図7図7a及び図7bは、本明細書では図7と総称され、有孔蒸気チャンバを含む別のパワーレシーバの実施形態の上面図及び底面図を示す図である。
【0020】
図8図8は、PVアレイの配線図である。
【0021】
図9(a)】図9(a)は、Kareの図3のPVセルレイアウトを示す。
【0022】
図9(b)】図9(b)はKareの図5のPVセルレイアウトを示し、2コピーのKareの描かれたアレイを並べて配置することによって、「2倍にした」ものである。
【0023】
図10図10は、図9(b)のアレイの1つの電圧レベルに対するボロノイメッシュと、図示されたメッシュのアスペクト比のヒストグラムとを示す。
【0024】
図11図11は、モデルビームプロファイルを有する、図9(b)とほぼ同じサイズ及び形状のPVアレイを示す。
【0025】
図12図12は、図11のアレイの1つの電圧レベルに対するボロノイメッシュと、図示されたメッシュのアスペクト比のヒストグラムとを示す。
【0026】
図13図13図10に示されるメッシュに対応するボロノイメッシュを示すが、セルの数は拡大されている。
【0027】
図14図14図12に示されるメッシュに対応するボロノイメッシュを示すが、セルの数は拡大されている。
【0028】
図15図15は各セルの電圧レベルを示す正方形のPVアレイレイアウトを示し、ビームプロファイルが重ね合わされている。
【0029】
図16図16は、図15のアレイの1つの電圧レベルにおけるセルのボロノイメッシュと、図示されたメッシュのアスペクト比のヒストグラムを示す。
【0030】
図17図17は、おおよそ八角形の形状を有するPVアレイレイアウトを示す。
【0031】
図18図18は、図9(a)のアレイに適用するためのモデルビームプロファイルを示す。
【0032】
図19図19は、図9(a)に示されるアレイのモデル化されたレベル電流を示す。
【0033】
図20図20は、図9(b)のアレイに適用するためのモデルビームプロファイルを示す。
【0034】
図21図21は、図9(b)に示されるアレイのモデル化されたレベル電流を示す。
【0035】
図22図22は、図11に示されるアレイのモデル化されたレベル電流を示す。
【0036】
図23図23は、図14に示されるアレイのモデル化されたレベル電流を示す。
【0037】
図24図24は、図17に示されるアレイのモデル化されたレベル電流を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の詳細な説明では、関連する教示の完全な理解を提供するために、例として多数の具体的な詳細が記載される。しかしながら、本教示がそのような詳細なしに実施され得ることは明らかである。他の例では、周知の方法、手順、構成要素、及び/又は回路は、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、詳細なしに、比較的高いレベルで説明されている。それにもかかわらず、当業者は、これらの方法、手順、構成要素、及び/又は回路の特徴、ならびにそれらが以下の説明においてどのように使用され得るかを理解するであろう。他の関連材料は以下のように、他の特許及び出願に見出すことができる。
これらの関連出願及び特許の各々は、本明細書と矛盾しない範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
上述のように、パワービーミングは、ワイヤを走らせることが不便であるか又は困難である状況において、物体に電力を供給する実行可能な方法になりつつある。例えば、自由空間パワービーミング(又は、フリースペースパワービーミング/free-space power beaming)は、地上ベースのパワートランスミッタ(又は、送電器/電力送信機/power transmitter)を介して電力を送達して、遠隔センサーに電力を供給する、バッテリを再充電する、又はドローンコプターなどの無人航空機(UAV)に電力を供給して無人航空機が長期間飛行中に留まることを可能にするために使用することができる。パワー・オーバー・ファイバ(PoF)システムは通常、光ファイバ(又は同等物)を電源からレシーバまで走らせる必要があるが、光の代わりに電気を運ぶ従来の銅線を超える電気的絶縁及び/又は他の利点を提供し得る。
【0040】
「光源」という用語は、可視光だけでなく、エネルギーを伝達するために使用され得る電磁放射のすべての形態を包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、光源(例えば、ダイオードレーザー、ファイバレーザー、発光ダイオード、マグネトロン、又はクライストロン)は紫外線、可視、赤外線、ミリ波、マイクロ波、電波、及び/又は他の電磁波を放射することができ、これらのいずれも、本明細書では一般に「光」と称されてもよい。本明細書では用語「パワービーム」が本明細書では「光ビーム」と互換的に使用され、一般的に、本質的に方向性のある、高放射照度の伝送を意味し、これは、単一波長又は複数の波長の、コヒーレント又はインコヒーレントであってもよく、パルス又は連続であり得る。パワービームは、自由空間、PoFであってもよく、又はそれぞれの構成要素を含み得る。例えば、トランスミッタは自由空間パワービームをレシーバ表面に送信することができ、レシーバ表面は、それを光ファイバ上の光として、それを電気に変換する光起電力(PV)セルに伝導し得る。読みやすくするために、説明は光源を説明するために「レーザー」という用語を使用し得るが、それにもかかわらず、(限定はされないが)発光ダイオード、マグネトロン、又はクライストロンなどの他の光源も、文脈上別段の指示がない限り、企図され得る。
【0041】
多くの用途では、パワーレシーバが自由空間又はPoFパワービームを受け取り、例えば、PVセル又は光を電気に変換するための他の構成要素(例えば、マイクロ波電力を変換するためのレクテナ、又は光ビームによって生成された熱を電気に変換するための熱エンジン)を使用して、それを電気に変換するように構成される。読みやすくするために、本出願は本出願の範囲から逸脱することなく、同様の機能を有する他の構成要素(上記に列挙されたものなどであるが、これらに限定されない)を置き換えることができるという理解を伴って、「PVセル」を指すことがある。
<パワービーミングシステム>
【0042】
図1は、パワービームトランスミッタ102及びレシーバ104の概略図である。レーザー106は、パワービーム108(図全体で点線で示す)を光学ユニット110に向け、光学ユニット110は、ビームをミラーアセンブリ112などのビームステアリングアセンブリに向ける。光学ユニット110は、以下でさらに説明するように、様々なレンズ、ミラー、その他の光学要素を含むことができる。ステアリングミラーアセンブリ112は、パワービーム108をパワーレシーバ104に向ける。任意選択のチラー(又は、冷却器/chiller)114は、レーザー106に接続されるように示されているが、トランスミッタ102の他の構成要素も、必要に応じて、独立した、又は接続された熱管理システムを有し得る。図1には、トランスミッタ102の一部として、トラッキングシステム116及び安全システム118も示されている。これらのシステムは、図では光学ユニット110の内部にあるように示されているが、当業者であれば、いくつかの実装形態では、それらは、光学ユニット110の外部、ステアリングミラーアセンブリ112の一部、またはトランスミッタシステムの他の場所にあってもよいことを認識するであろう。TXコントローラ120、ユーザインターフェース122、及びTX通信ユニット124も示されており、それらのすべてについては図2に関連して以下でさらに説明する。トランスミッタ102は、図を簡略化するために図1から省略されている、ビーム整形器、ガードビーム、または他の適切なアクセサリ要素などの他の要素を含み得ることが理解されるであろう。これらの要素のいくつかを以下の図2に概略的に示すが、当業者であれば、パワートランスミッタ内で光要素と制御要素をどのように組み合わせるか理解するであろう。
【0043】
図3のレシーバ104はPVアレイ130を含み、これは複数の個々のPVセル132を含む(図を不必要に乱雑にすることを避けるために、すべてのPVセルがラベル付けされているわけではない)。PVセル132は以下でさらに説明するように、入力パワービーム108を電気に変換する。レシーバ104はまた、トラッキングエミッタ134を示し、これは、いくつかの実装形態ではビームトラッキング又は他の目的のためにPVアレイ130の位置を監視するためにトラッキングシステム116によって使用され得る。レシーバ104はまた、安全エミッタ136を示し、これは、いくつかの実装形態では潜在的な侵入、反射、又は他の安全ハザードについてパワービーム108を監視するために安全システム118によって使用され得る。RX通信ユニット138は(破線によって示されるように)TX通信ユニット124と通信し、安全、トラッキング(又は、追跡/tracking)、テレメトリ、フィードバック制御、又はトランスミッタ102及びレシーバ104が通信することが望ましい場合がある任意の他の目的のために使用され得る。図示の実施形態はトランスミッタ102とレシーバ104との間の無線リンクなどの別個のチャネルを介した通信を提供するが、パワービーム108、トラッキングエミッタ134、安全エミッタ136、又はパワービーミングシステムの他の既存の構成要素の変調を介して通信が達成され得ることも企図される。レシーバ104はまた、図3に関連して以下でさらに説明される、任意選択のRXセンサー140を含み得る。図1に示されるように、PVアレイ130は、レシーバ104を持ち上げてパワービーム108が人間又は他の障害物を回避することを可能にし得る、任意選択のマスト142に取り付けられる。
【0044】
図2は、トランスミッタの構成要素間の機能的関係を示す概略図である。トランスミッタ102はレーザー106を含むが、実装形態によっては、LED又はマグネトロンなどの他の光発生構成要素をレーザー106の代わりに使用できることが理解されよう。レーザー106は、コントローラ120、電源ユニット(PSU)202(入力電力204に接続される)、及び熱管理システム(チラー)114に接続される。図2及び図3全体にわたって、熱流は太い点線で示され、パワービーム108は太い実線で示され、センサー信号は太い破線で示され、データ及び/又は制御信号は一点鎖線で示され、電力は細い実線で示される。明確にするために、内部電気接続のすべてが示されているわけではない。
【0045】
コントローラ120はレーザー106の動作を制御し、システムの設計制約に応じて、手動(例えば、ユーザインターフェース122を使用した)、部分自動、又は完全自動とし得る。特に、コントローラ120は例えば、共通所有の米国特許番号10,634,813及び10,816,694、米国特許出願第15,574,659及び16/079,073、国際特許出願第PCT/US20/34104号、ならびに米国仮出願第63/140,236号に記載されているように、安全システムからの入力を受信し得る。安全システムは例えば、トランスミッタ102からレシーバ104への中断されない光路が保証され得ないとき、又は他の危険な状態がビームパワーの継続に関連し得るときに、ビームを弱める(又は、ターンダウン/turn down)又は止める(又は、ターンオフ/turn off)ように設計され得る。コントローラ120は例えば、レーザーの健全性又は温度を監視するために、他の構成要素からの入力(データ)を受信し得る。PSU202は例えば、電力グリッド、発電機、又はバッテリであり得る入力電力204から電力を引き出し、それをレーザー106に供給する。図ではコントローラ120及びチラー114が入力電力204に直接接続されているが、他の実施形態ではこれら又は他の構成要素が電源ユニット202から電力を受け取ることができる。チラー114はレーザー106(及び/又は必要に応じてトランスミッタの他の構成要素)の温度を監視し、安全値を超えないことを確実にする。
【0046】
図2に示すように、パワービーム108は光源106から出射し、光学ユニット110に入射する。光108は図2を通して同じ参照番号を維持するが、光108の特性は異なる光学系及び他の構成要素を通過するにつれて、様々な方法(例えば、偏光、収束/発散角、ビームプロファイル、又は強度)で変化し得ることが理解されよう。光学ユニット110は、ビームインテグレータ206と、レンズ、ミラー、フェーズドアレイ、又は光の方向、発散、及びビーム放射照度プロファイルを管理するため、又は異なる光パワービーム及び/又は信号をマージするための任意の他の適切な構成要素などの他の光学系とを含み得る。ビームインテグレータ206は一般に、光源106の波長領域に一致するように選択され、パワービームのサイズ、形状、又は強度分布を変更するために使用し得る。例えば、レシーバへパワーをビームする場合、いくつかの実装形態ではビーム幅をレシーバのサイズに一致させ、場合によってはビーム放射照度プロファイルをレシーバの表面にわたって比較的均一になるように「平坦化」すること、例えば、実質的にガウシアンビームプロファイルを「トップハット」又はスーパーガウシアンプロファイルに変換することが望ましい場合がある。ビーム方向及びビームプロファイル成形は、同時係属中の共通所有の国際特許出願第PCT/US20/34095号においてより詳細に論じられている。特に、レシーバ上のパワービームの配置を監視し、監視されたデータを使用してコントローラ120及び/又はステアリングアセンブリ112にフィードバックするための、そこに記載された機構を、本システムに組み込むことができる。
【0047】
ステアリングアセンブリ112はいくつかの実装形態では、レシーバを追跡し、ビームをその位置に向けるためのフィードバック情報を提供するために、方向又は放射照度プロファイルなどのビーム特性を測定するために、又は光路への潜在的侵入を監視するために使用され得る、ステアリング光学系210及び/又はセンサー212を含み得る。ステアリングアセンブリ112はまた、マージング光学系(又は、合体光学系/merging optics)を含み得る。マージング光学系は一般に、複数の光路を結合するために、又は、場合によってはオプティカルフローが反対方向にあるときにそれらを分離するために使用される。例えば、図に示されるように、電力を送るための出射パワービーム108は、レシーバを追跡するために使用される入射光ビーコン208と組み合わされてもよい。図示のように、ビーコンはトラッキングのためにステアリングアセンブリ112で使用されるが、他の実装形態では信号208が光学ユニット110又はそれを超えて伝搬し得る。
【0048】
トランスミッタ102はまた、周囲条件を監視するために使用され得るセンサー214を備えることができる。センサー212、214は、ビームインテグレータ206及び/又はステアリング光学系210を調整するために使用され得る。例えば、センサー212はステアリングアセンブリ112内の集束レンズ又は他の光学部品の位置を監視することができ、センサー214は、周囲温度及び/又は他の構成要素の温度を監視するために使用し得る。センサー212、214からのデータはコントローラ120にフィードバックされて、例えば、安全上の考慮のためにレーザー106を調整するか、又は、ビーム108をレシーバ上に導くように、ステアリング光学系210及び/又はステアリングアセンブリ112を制御し得る。制御信号及びデータ信号は図2に一点鎖線で示すように、コントローラ120と他の構成要素との間で受け渡しすることができ、コントローラ120は例えば、トランスミッタ通信ユニット124を使用して、レシーバとの通信を制御し得る。
【0049】
光学ユニット110を通過した後、パワービーム108は、ステアリングアセンブリ112によって、トランスミッタ102から離れて所望の方向に向けられる。いくつかの実装形態では、ステアリングアセンブリ112がステアリング光学系210、ミラー又は他の構成要素(図示せず)を調整するためのモータ、及び/又はより多くの整形光学系(shaping optics)(図示せず)を含み得る。当業者であれば、トランスミッタシステムの基本的な性質を変更することなく、異なる実装形態が光学要素の異なる配置(光が通過する構成要素の順序など)を必要とし得ることを理解するであろう。
【0050】
図3は、図1に示されるレシーバなどのパワーレシーバ104の構成要素間の機能的関係を示す。図のレシーバ104は、PVセル132のPVアレイ130を含む、電力変換器302を含む。電力変換器302は、レーザー106からのパワービーム108を電気に(又は、いくつかの実装形態では、別の有用な形態のエネルギーに)変換する。レシーバ104はまた、例えば国際出願第PCT/US20/34093号に記載されているような、PVアレイ130に到達する前に受けたビームを整形または変更することのできる光学系304を含んでもよい。多くの実装形態では、PVアレイ130は、熱管理システム306を含む。このシステムは、受動冷却又は能動冷却を含むことができ、PVアレイ130のいずれかの部分が安全な温度限界を超える場合には、(例えば、RX通信ユニット138を介して)トランスミッタ102に信号を送り返すように構成することができる。
【0051】
電力変換器302はさらに、電力管理及び配電(PMAD)システム308に接続され得る。PMADシステム308は、ユーザデバイス310、電力バス312、及び/又はエネルギー蓄積デバイス314に電力を供給し得る。PMADシステム308は、センサー140を介してPVアレイ130を監視し得るコントローラ316に接続されることができ、例えば、個々の光電池、電池群、又はアレイ全体の電圧、電流、及び/又は温度、PMAD又は個々の負荷の電圧及び/又は電流を監視する。コントローラ316はまた、PVアレイ130のための最大電力点追従(MPPT)を含んでもよく、又はMPPTは、PMADシステム308によって処理されてもよい。PMADシステム308はまた、例えば、好ましい電圧及び電流特性を有するデバイス310、312、314に電力を提供するために、DC/DCコンバータを含み得る。テレメトリユニット318は例えば、RX通信ユニット138を介して、光ビーム108を制御する際に使用するために、上記データのいずれか又はすべてをトランスミッタに送り返すことができる。いくつかの実装形態では、コントローラ316がレシーバユーザインターフェース320と通信することができ、パワーレシーバのユーザによるレシーバ動作のローカル閲覧及び/又は管理を可能にし得る。
【0052】
図3にはレシーバ104によってトランスミッタ102に送り返される信号208(例えば、光信号)も示されており、これは図示されているように、パワービーム108と同じ経路に沿って送信され得る。いくつかの実装形態ではたとえば、信号208はトランスミッタ102からレシーバ104への中断されない経路を保証するために使用される安全信号を含み得る。いくつかの実装形態では、この信号は安全エミッタ136から送られ得る。安全システムの更なる詳細は例えば、共通所有の米国特許番号10,580,921、10,634,813、10,816,694、及び11,105,954、米国特許出願第16/079,073号、ならびに国際特許出願第PCT/US20/34104号に見ることができる。いくつかの実装形態では、信号208が、トラッキングエミッタ134から送信される信号など、電力変換器302上にパワービーム108を位置決めするために使用されるトラッキング信号を含み得る。図に示される信号208は「アクティブ」信号であるが、他の実装形態ではエミッタ134、136はトランスミッタ102によって、又は電力伝送システム内の他の適切な構成要素によって識別される基準マーク(fiducial mark)(図示せず)によって置き換えられ得る。
【0053】
例えば熱管理システム306、RX通信ユニット138、PMADシステム308、コントローラ316、テレメトリユニット318、及び/又はユーザインターフェース320などであるがこれらに限定されない、電力を必要とする任意のレシーバ構成要素は必要に応じて、電力変換器302によって(直接的に、又はPMAD308を介して)電力供給され得る。構成要素が変換器302によって電力供給される場合、システムは始動中に、又は変換器302が電力を供給していない他の時間に、これらの構成要素に電力を供給するためのバッテリ(エネルギー貯蔵314の一部として、又は別個の構成要素として)を含み得る。

<ワッフルボードのレイアウト>
【0054】
図4(a)を参照すると、回路基板402(以下、「ワッフルボード」)は複数の開口404を中に有し、そこを通してPVセル406を見ることができる。図を不必要に混乱させることを避けるために、描かれている全てのPVセルがラベル付けされているわけではなく、典型的なアレイに存在し得るよりも少ないPVセルが描かれている。図4に示されるようなPVアレイは、4個ほどの少ないPVセルか、又は100個ものPVセル、400個以上もの多いPVセルであってもよい。図示のアレイは正方形であるが、アレイは正方形の形状を有する必要はない。図17に関連して以下に説明するように、PVセルのほぼ八角形の配置が好都合であってもよいし、又は他のレイアウトが同様に良好に使用されてもよい。当業者はPVセルレイアウトが円形、楕円形、正方形、又は任意の他の形状であり得る、衝突するレーザービームの予想される形状に類似する形状を有することが、多くの実装形態において有利であり得ることを理解するであろう。
【0055】
図4(b)は、図4(a)と同じ構成要素の側面図であり、本明細書では2つの図をまとめて図4と呼ぶことがある。図4(b)に最も容易に見られるように、キャリア408上にPV電池406が取り付けられる。それらは、光108が開口404を通過してPV電池406に到達できるように、ワッフルボード402に対して配置される。PV電池406を接続して光108の変換によって生成される電力を収集するための回路(図示せず)は、キャリア408の中又は下に都合よく配置することができ、あるいはワッフルボード402の一部として含む影になっている領域410の中又は上に配置することもできる。図4に示すように、ワッフルボード402の開口404は、PV電池406よりわずかに大きいため、開口部の端にある光108の一部が、PV電池406ではなくキャリア408に当たる可能性がある。いくつかの実装形態では、これは有利な配置であるが、他の実装形態では、開口404をより小さくして(又はPVセル406をより大きくして)、光108の実質的にすべてがPVセル406上に向けられるようにすることができる。図示されるように、キャリア408は単一の部品であるが、他の実装形態では、PVセル406は複数のキャリア408上に取り付けられてもよく(例えば、各PVセル406のための別個のキャリア408、又は複数のキャリア408のそれぞれの上の複数のPVセル406)、これを共通の基板(図示せず)に又は相互に固定することができる。
【0056】
いくつかの実装形態では、集光器がワッフルボード402に取り付けられ得る。レーザーパワービーミングとともに集光器を用いることは、「REMOTE POWER BEAM-SPLITTING」と題された同時係属中の共有特許出願第PCT/US20/34093においてより広範に議論されており、これは、本明細書と矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれる。図5はワッフルボード402の側面図を示し、光をPVセル406に向けるように配置された集光器リフレクタ(又は、反射器/reflector)512を示す。他の実施形態(図示せず)では、レンズ、リフレクタの他の構成(例えば、湾曲リフレクタ)、又は他の光学部品を使用して、光をPVセル406上に導くことができる。図5に示されるように、「デッドスペース」514は、電子機器、熱管理構成要素、又はレシーバの他の所望の構成要素のために使用され得る。
【0057】
ワッフルボード402はPVセル406を互いに、及び/又は電力供給される負荷(図示せず)と相互接続するための配線を含み得る。いくつかの実装形態ではワッフルボード402が多層回路基板であってもよく、異なる電圧レベル(以下でさらに説明する)のための配線は多層回路基板の異なるレベルに配置されてもよい。いくつかの実装形態では特定の用途に対して変化するすべての配線がワッフルボード402内に配置されることができ、その結果、PVセルのアレイは適切なワッフルボード402内で交換することによって、特定の配線方式に切り替える(又は、スワッピングする/swapping)ことができる。ワッフルボード402(又はキャリア408などのシステムの他の構成要素)はまた、動的配線構成要素を含むことができ、その結果、PVセル配線はシステムに実配線される(又は、ハードワイヤリングされる/hard-wired)代わりに、プログラム的に切り替えられ得る。この概念は、以下の「動的配線」と題するセクションでさらに検討される
【0058】
図5には、ヒートシンク516も示されている。いくつかの実装形態では、ヒートシンク516が、レシーバを構成するときに光学部品のための機械的基準として使用され得る。そのような実装形態ではヒートシンク516がレシーバに対する選択された公差内まで平坦であり得、他のすべての構成要素(たとえば、ワッフルボード402、PVセル406、キャリア408、リフレクタ512)はヒートシンク516に対して位置付けられる。光学基準面は干渉計などについてよく知られており、それらは、典型的には構成要素の幅にわたってλ/4又はλ/20(典型的には約100nm)など、使用される光の波長の一部(a fraction of the wavelength of light)に対して平坦である。ヒートシンク516が機械的基準として使用されるとき、この平坦度は典型的には必要とされず、ヒートシンク516はヒートシンク516の幅にわたって25μm、100μm、又はさらには1mm以上の範囲内まで平坦であり得る。これらの実装形態では、ヒートシンク516が垂直方向の位置合わせのための基準としてだけでなく、PVセル406、ワッフルボード402、キャリア408、キャリア基板(図示せず)、集光器512、又はシステムの任意の他の構成要素の水平方向の位置合わせのためにも使用され得る。図5はまた、アレイの縁部における機械的支持体518を示し、そこでは、ワッフルボード402をヒートシンク516に対して固定位置に固定する。これらの機械的支持体はワッフルボード402をヒートシンク516に対して正しい位置に保持するように、任意の場所に任意の都合のよい間隔で配置されてもよいことが理解されるであろう。基準としてヒートシンク516を使用する利点は、多くの場合それが物理的に大きく、金属又は他の剛性材料で構成されることであるが、これらの特性のいずれも、それをこのように使用するために必須ではない(又は、必要ではない)。
【0059】
図6は、有孔ヒートシンクを含むレシーバの概略図である。この構成により、PVセルを電子部品から分離できるため、ヒートシンクの後ろに電子機器用の十分なスペースを残しつつ、ヒートシンクを効率的な冷却のためにPVセルにより近づけて配置することができる。この構成のもう1つの利点は、PVセルのすべてが同じ温度に近くなり、電力変換の効率を向上させ得ることである。レシーバは、入射パワービームに遭遇する最初の要素である光学要素602を含む。このような光学要素には、例えば、レンズ、ミラー、フィルター、窓、オプティカルフラット、プリズム、偏光子、ビームスプリッター、波長板、光ファイバ、およびレトロリフレクタが含まれる。パワービームはチャンバ604を通過してPVセル606に到達し、そこで後述するように電気に変換される。PVセル606は、PVキャリア608上に取り付けられており、図示の実装形態では、PVキャリア608はプリント回路基板である。他の実装形態では、金属、プラスチック、又は当技術分野で知られている他の適切な材料で作られたキャリアを使用することができる。PVキャリア608は、例えばヒートシンク上に取り付けられるか、又は熱伝導性要素によってヒートシンクに接続されることによって、ヒートシンク610と熱的接触状態にある。いくつかの実装形態では、PVキャリア608がなくてもよく、PVセル606がヒートシンク610上に直接取り付けられてもよい。PVセル606がヒートシンクと接触しているPVキャリア608上にある場合でも、セルはヒートシンク610「上に取り付けられている」と記載される場合がある。
【0060】
図示の実装形態ではヒートシンク610は水ブロックであるが、他の実装形態ではヒートパイプ、蒸気チャンバ、固体金属構成要素、封入グラファイトなどの固体複合材料、又は当技術分野で知られている他の熱伝達構造を使用し得る。図6の水ブロック610は、冷却水接続部612によって水源に接続される。水は、PVセル606に隣接するブロックの部分を通って流れ、PVセル606によって生成された熱をブロックから運び去る。他の実装形態では、他の冷却流体を使用して熱を輸送することができ、ヒートシンク610の他の構成も企図される。例えば、ヒートシンク610が蒸気チャンバ又はヒートパイプである場合には、熱を使用して、PVセル606から離れて輸送され、再循環のために凝縮される冷却流体を気化させることができる。
【0061】
ヒートシンク610は、電気コネクタ616が通過する複数の開口614を含む。電気コネクタ616は、一端がPVセル606の出力端子に接続され、他端がコネクタ618(図にピンとして示される)を介してPVインターフェースボード620に接続される。各PVインターフェースボード620は、1つ又は複数のPVセル606に接続され得る。いくつかの実装形態ではたとえば、比較的低い電圧/高い電流出力を有するPVセル(たとえば、単一接合PVセル)が複数の電気コネクタ616を使用して接続され得るが、他の実装形態では比較的高い電圧/低い電流出力を有するPVセル(たとえば、多接合PVセル)がより少ない電気コネクタを使用して接続され得る。PVインターフェースボード620は、様々な電気的機能を実行し得る。例えば、それらは、個々のPVセル606又はPVセル606の集合体からの電流、電圧、及び/又は電力を監視するために使用され得る、電流又は電圧センサーなどの電気センサーを含み得る。それらはまた、環境センサー(例えば、温度又は湿度を測定する)を含むことができ、これはPVコネクタボードにおける環境パラメータを直接測定すること、及び/又はPVキャリア608の近傍又はレシーバの他の場所に配置されたセンサーからの入力を受け入れることを含み得る。センサー信号は、動作を制御するために局所的に使用されることができ、及び/又は、センサー信号は、上述のように、パワービームトランスミッタ102への通信のためにテレメトリユニット318に送信され得る。PVインターフェースボード620は、電圧ブースト回路(又は、昇圧回路/boost circuit)及び/又はMPPT回路などのDC/DCコンバータ又はレギュレータを含み得る。図6ではそれらはさらに、電力出力コネクタ622に接続され、それはバッテリにエネルギーを蓄積するために、及び/又は負荷に直接接続されるために使用され得る。
【0062】
ヒートシンク610をPVセル606の近くに配置し、電気コネクタ616を、ヒートシンク610を通って、PVセル606からより遠くに配置された電子機器に通すことによって、図示の構成はPVセル606で生成された熱をシステムから効率的に除去することを可能にし、一方で、電子機器のための十分な空間を残す。いくつかの実装形態ではPVインターフェースボード620上の電子機器はまた、ヒートシンク610によって(又は別のヒートシンクによって)冷却され得るが、PVセル606はしばしば、レシーバから除去されるべき廃熱の最も重要な源であり得る。いくつかの実装形態では熱はまた、PVセル606の集光表面を「外れてしまう(又は、逃してしまう/miss)」パワービームの部分によって生成され得、この熱もヒートシンク610によって除去され得る。ヒートシンク610をPVセル606の近傍に配置することにより、それらの温度を調整して発電を改善し得る。
【0063】
図示の実装形態では、ヒートシンク610がPVキャリア608及びチャンバ604の側壁のためのインデックス面として機能し、チャンバは次に、PVセル606及び光学要素602の位置を決定する。このインデックス付けにより、光学要素602をPVセル606に対して正確に配置することができ、その結果、セル606を所望の位置、例えばレンズの焦点の近くに配置し得る。この概念は、同時係属及び共通所有の米国仮特許出願第63/140,256号においてさらに論じられている。
【0064】
図7は、パワーレシーバの別の実装形態を示す概略図である。図7aは上面図、図7bは底面図である。(明瞭にするために、光学系602及びチャンバ604は図から省略されているが、この実装形態は、やはり必要に応じて光学系を含んでもよい。)図に示されるように、ヒートシンク710は、上で論じたように、PVキャリア608と接触して配置された蒸気チャンバである。ヒートシンク710は、ヒートパイプ726によって冷却フィンアセンブリ724に接続され得る。冷却フィンアセンブリ724は複数のフィンを含み、これらのフィンは、冷却ファン728を使用してフィン上に空気を強制的に吹き付けることによって冷却される。いくつかの実装形態では、冷却ファン728は、たとえば、レシーバが移動中の車両内で使用されている場合、または自然対流で十分な場合には必要とされなくてもよい。いくつかの実装形態では、ヒートシンク710及びヒートパイプ726は、実質的に同様の外形を有するが、統一された共有の蒸気空間を有する3D蒸気チャンバによって置き換えられてもよく、これにより、PVキャリア608と冷却フィンアセンブリ724との間の熱抵抗がより低くなり得る。
<分散配線構成>
【0065】
PVアレイ内の各PVセルは典型的な負荷と比較して比較的小さい電圧を生成するので、PVアレイは典型的にはいくつかのPVセルを互いに直列に配置するように配線され、それらの電圧を足してより使用可能な出力電圧にする。いくつかのアレイでは、PVセルの「ストリング(string)」が直列に配線され、次いで、ストリングが並列に配線され、それによって、ストリング出力電流を加算する。他のアレイでは図8に示されるように、PVセルは並列に配線され、次いで、並列のストリングが以下でさらに説明されるように直列に配線される。Kareによる米国仮特許出願第60/999,817号、名称「光起電アレイ(Photovoltaic array)」(以下、「Kare」)に説明されているように、直列配線ストリング内のすべてのPVセルが等しい電流を生成する場合、前者のタイプのアレイは効率的に機能する。ストリング内の1つのPVセルが損傷又はシャドウイングのために出力を生成しない場合、バイパスダイオードによってバイパスされ、そのストリングの電流を低減するが、1つのPVセルが生成したものよりも少し多いアレイからの総出力電力を失うだけである。しかしながら、PVセルが様々な光量で照明される場合、直列ストリング内の電流は、逆バイアスされていない最小照明PVセルによって制限される。これは一般に、均一に照明されるソーラーアレイにとっては問題ではないが、PVアレイが空間的に不均一であり得るか、又はアレイに対して移動し得るレーザービームによって照明されるとき、この効果は電力生成の効率を制限し得ることに留意されたい。
【0066】
Kareは、アレイ表面にわたって並列配線PVセルを物理的に分配するシステムを説明した。本明細書で示すアレイ、つまりKareから引き出されたものと、以下で説明する革新的なアレイの両方は、図8に示す電気配線図を有するが、各アレイのPVセルの物理的位置はレイアウトごとに異なることに留意されたい。Kareは4つの電圧レベルのそれぞれのPVセルがアレイ表面にわたって広がるランダムに配置されたアレイ、及び、PVセルが列にわたって分割され得るストリング及びグループに分割される「千鳥状」アレイを開示する。図9(a)にランダムアレイを、図9(b)に千鳥状アレイを示す(図9(a)及び図9(b)は本明細書では図9と総称し得る)。これらの図において、Kareの形状コードは各PVセルの電圧レベルを表す文字に置き換えられている。図9(b)に関して、Kareは彼の図5において、矩形PVセルの4×9アレイを記載するが、これは、代わりに、正方形PVセルの8×9アレイを形成するために、図9(b)において「2倍したもの」として示される。Kareは、3-4ページに及ぶ段落において、このように配列の繰り返しを記述している。Kareに示されるアレイはそれらの間に有意な間隔を有する矩形PVセルを使用するが、本明細書に記載される新しいアレイのほとんどはそれらの間にほとんど又は全く間隔を有さない正方形PVセルを用いて示される。後者のタイプのアレイは(図5に示されるように)実質的に全ての入射光を捕捉するために集光器を使用してもよく、又はPVセル間に入る光が最小となるように、単に非常に近接して配置されてもよい。
【0067】
図9のアレイは各ストリング内で直列に配線されたPVセルを有する、PVセルの並列配線ストリングのプリKare(pre-Kare)アレイと同様に、以下の説明において新しいアレイと比較される。Kareは、そのアレイをより大きなサイズに一般化する方法(上述の繰り返しによるものを除く)については述べておらず、また、2つの例を超える追加のPVアレイレイアウトを作成するための規則についても述べていない。本発明者らは、優れたパフォーマンスを持つ新しいPVアレイレイアウトを作成するための以下の原則を提供する。
【0068】
PVセルのグループのための並列配線を使用するPVアレイ設計のための電圧レベルの数に影響を及ぼす多数の外部要因が存在する。特に、設計負荷のための所望の総出力電圧、又は負荷が取り扱うことができる最小電圧又は最大電圧の限界が存在し得る。その所望の出力電圧に分割されたPVセルの公称出力電圧は通常、電圧レベルの数を導くが、考慮すべき他の要因はPVアレイの所望のサイズ、アレイ内のPVセルの所望の数、特定の数の電圧レベルがPVセルの量の間で均等に分割され得る方法、及び任意選択のDC電圧コンバータ及びレギュレータ(以下でさらに説明される)の提供を含む。Kareのアレイは4つの電圧レベルで示されたが、本発明者らは、少なくともいくつかのケースにおいて、5つ又は6つのレベルが電圧変換器を設置する必要を回避することを可能にし、それによって、PVアレイのための空間及び重量を節約し得ることを見出した。いくつかの実装形態ではパワーレシーバが1つの場所から別の場所へと走り得る又は飛行し得るモバイル構成要素に組み込まれ得、したがって、重量はそのような実装形態のためのレシーバ設計において非常に重要な考慮事項であり得る。さらにより多くの電圧レベルが特定の実装形態において好ましい場合がある:本発明者らは、1レベル当たり4~10個(又はそれ以上)のPVセルを有する75個もの電圧レベルを有するアレイを想定している。しかし、ほとんどの用途では、6~30の電圧レベルで十分であり、4~6の少ない電圧レベルが多くの場合に適していることが予想される。
【0069】
一般的に言えば、本発明者らは、ビームワンダー及びビーム強度プロファイルの変動に曝露されたときに最良に機能するアレイがPVアレイにわたって空間内に「均等に」分布された任意の1つのレベルのPVセルを有する(又は、ビームワンダー及びビーム強度プロファイルの変動に曝露されたときに最良に機能するアレイが任意の1つのレベルのPVセルをPVアレイ全体に空間的に「均等に」分布させる)ことを見出した。この分布の均等性を決定するために使用したメトリックは、各電圧レベルでのPVセルの中心を使用してボロノイメッシュを生成し、次いでメッシュ内のボロノイセルのアスペクト比を調べることである。本発明者らは、最良の性能を有するアレイが1.0に実用的に近いボロノイセルアスペクト比を有し、好ましくは1.5未満、より好ましくは1.3未満、又はさらにより好ましくは約1.1未満のメジアンアスペクト比(median aspect ratio)を有することを見出した。図10図9(b)に示されるKareアレイのボロノイメッシュを示し、また、図示されるボロノイセルアスペクト比のヒストグラムを示し、ヒストグラムは1.3~2.2の範囲のボロノイセルアスペクト比を示し、メジアン形状の(median-shaped)ボロノイセルは、1.5のアスペクト比を有する。比較のために、図22に関連して以下に論じる新しいアレイのメッシュを図11に示し、図12のその付随するヒストグラムは1.0~2.6の範囲のボロノイセルアスペクト比率を示し、メジアン形状のボロノイセルは1.31のアスペクト比率を有する。最も高いアスペクト比を有するボロノイセルは、アレイの縁部にしばしば現れることに留意されたい。
【0070】
本発明のアレイ設計プロセスのいくつかの実装形態では、ボロノイセル計算を行う目的で、物理的アレイのエッジを越えて電圧レベルのパターンを「拡張」し得る。例えば、図9(b)に示すような8×8アレイの代わりに、同じ規則的なパターンを使用して12×12アレイのボロノイセルを決定し、次いで、中心8×8アレイのメンバーに対応するセルのアスペクト比のみを決定し、図13に示す修正ボロノイダイアグラム及び対応するアスペクト比ヒストグラムを得る。図11に示されるアレイの同様の拡張は、図14に示されるボロノイ図及び対応するアスペクト比ヒストグラムにつながる。この拡張はセルがより大きいアスペクト比を有するように見えるアレイの縁部におけるアーチファクトを回避することができ、図13及び図14の各々において、ボロノイセルの全てが同じアスペクト比を有する。しかしながら、これらの拡大した図を用いても、図14に示されるアレイは、図13に示されるものよりも低いアスペクト比を有するセルを有する。
【0071】
各電圧レベルでPVセルを均等に広げたアレイレイアウトを達成するために、本発明者らが使用した1つの方法は、同じPVセルが水平方向又は垂直方向に互いに隣接しないようにそれぞれに対しオフセットさせて(又は、ずらして/offset)、各列でPVセル電圧レベルのパターンを繰り返す「千鳥状」アレイを作成することである(図9(b)に示すKareアレイは「千鳥状」と記載されているが、列から列への一定のオフセットを有していない。本出願で使用されるように、「千鳥状」アレイは文脈が別途明確に指示しない限り、列から列への一定のオフセット(又は、ずれ)を有する配列を意味する)。本明細書で使用するとき、「隣接する」という語は、隣接する縁部を有することを意味し、「対角線上に隣接する」とは、図9(a)の、図の左上にある2つのAレベルセルのように、隣接する角部を有することを意味する。2つのPVセルが「隣接しない」と記載される場合、さらなる制限が追加されない限り、それらは依然として対角線上に隣接することができる。1つの千鳥状アレイ1500が図15に示されている。PVセル1502は、10×10アレイに配置され、それらが属する5つの電圧レベルのうちのどれに属するかを示すようにラベル付けされる。示されるように、連続する列のPVセルは2のオフセットで千鳥状に配置され、すなわち、水平に隣接するPVセルは列の右にレベル-2であり、左に+2であり(モジュロ5)、これは、2つのPVセル1502が隣接していないか、又は斜めに隣接していないアレイ構成を生成する。図15に示される等高線(contour line)は、図23及び図24に関連して以下に説明される。図16は現在のレベルAのボロノイセルを示し、図16のボロノイセルのアスペクト比のヒストグラムも示す。このアレイにおけるボロノイセルの縦横比のメジアンアスペクト比は1.33である(表1に示されるように)。当業者は、アレイのサイズ、電圧レベルの数、及びオフセットの多くの可能な組み合わせが選択され得ることを理解するであろう。低いアスペクト比を有するボロノイセルを製造するためには、オフセットは、1より大きく、電圧レベルの数よりも少なくとも2つ少なくするべきであると考えられる。また、オフセット及び電圧レベルの数は1の最大公約数(GCD)を有するべき(又は、最大公約数は1であるべき)であると考えられるが、より大きいGCDを有するいくつかのレイアウトは十分に低いアスペクト比を有するボロノイセルも生成し得る。
【0072】
別のアレイ1700を図17に示す。このアレイは図15のような10×10アレイにも基づいているが、角のPVセルはアレイから取り除かれている。この形状は、ほぼ円形の対称性を有するビームと共に使用するのに有利であることが分かっている。角の対称的な除去は、各電圧グループ内のPVセルの数を変化させ得るので、それらはもはや等しくないようにし得ることに留意されたい。いくつかの実装形態では各電圧レベルにおいて異なる数のPVセルを有するPVアレイを構築することが可能であるか、又はさらに有利であり得るが、一般に、可能であれば、各レベルにおいて同じ数のPVセルを維持することが有利であることが見出された。各角で6個のPVセルが除去された10×10アレイのPVセルの「パーフェクトな」配置は76個のPVセルを残し、これは、5つの電圧レベルに均等に分割することができない。このため、さもなければレベルBにあるであろう1つのPVセルは、図17の右下に見えるアレイの1つの縁部で省略されている。アレイ縁部におけるPVセルは、ビームがしばしば(常にではないが)縁部におけるよりも中心においてより高い強度を有するので、一般に、送られる総電力に寄与することが少ないと予想される。
【0073】
図17に示すアレイは以下で論じるように理論的にモデル化されているが、FSPパワービーミング化のために物理的に構築され、使用されてもいる。上記の図4及び図5に関連して説明したように、物理的アレイは多層回路基板であるワッフルボード402を含み、異なる電圧レベルのPVセル406の接続は、回路基板の異なる層に分離される。個々のPVセル406は、PVセル温度を監視するためのサーミスタも含むキャリア408にのみ接続され、他のPVセルには直接接続されない。PVセル間のすべての接続(ならびにサーミスタからの温度監視信号、図示せず)は、ワッフルボード402内に配置される。このタイプの実施形態では、本明細書で論じるような新しいPVセルレイアウトがすべての他の構成要素を変更せずに、新しいワッフルボード402を設計及び製作することによって簡単に迅速に実施し得る。
【0074】
本発明者らは、上記のように生成された本発明者らのアレイのモデルを、Kareアレイのモデルと比較して、それぞれの品質を調べた。PVセルからの電流出力は所与の照明強度及び温度におけるPVセルのI-V曲線の関数であり、単一の固定値ではないが、モデル化及び比較の目的のために、PVセルはそれらの最大電力点の近くで動作しており、照明強度は出力電流に直接かつほぼ線形に変換され得ると仮定する。アレイ内の各電圧レベルについて、その電圧レベル内のすべてのPVセルからの電流の合計である「レベル電流」を定義する。単一の直列ストリング内の各PVセルが電流に一致するように等しく照明されるべきであるように、アレイは一般に、各電圧レベルのレベル電流がほぼ等しいときに最良に機能する。言い換えれば、レベル電流間の差は、好ましくは最小化される。理想的には、PVアレイがレベル電流間の最小化された差異がパワービーム強度プロファイル変動又はビーム重心のワンダーに対してロバストであるように、すなわち、ビームがわずかにワンダー又はそのプロファイルが変更するとき、レベル電流間の差異の変更が最小化されるように設計される。PVセルからの電流が入力電力にほぼ直線的に比例するという上記の仮定を使用して、各PVセルからの公称電流を推定するために、本発明者らのモデルは、PVセル上の入射光をPVセル電流のプロキシ(又は、代理/proxy)として使用する。以下の説明は「強度」、「電力」、「電力強度」、「電流」、又は「電流密度」という用語を互換的に使用し得るが、それらはすべて、本発明者らのモデルにおいて互いに比例すると仮定されるからである。
【0075】
本発明者らの試験アレイを特徴付けるために、本発明者らは「ミスマッチ(mismatch)」を、最大電流と最小電流との間の差を平均電流で割ったものとして定義し、パーセンテージとして表す。PVセルの集光領域にわたる総電力は異常でない(nonpathological)ビーム強度プロファイルについてのその中心における電力と実質的に同等であるので、本発明者らはPVセルの中心における光強度を、その出力電流のプロキシとして使用する。より完全なモデルはPVセルの領域にわたって積分された強度を使用し得るが、本発明者らはこの差をモデル化し、それがごくわずかな改善しかもたらさないことを見出し、したがって、本発明者らは計算を単純化するためにPVセル中心における強度を使用する。次に、主軸及び副軸におけるその幅、PVアレイに対する回転角度、それが長方形又は楕円に近似する量、及び強度プロファイル(一般に、パラメータの1つとしてスーパーガウシアン係数を用いて、スーパーガウシアン形状としてモデル化される)を記述するパラメータを有する「仮想」光ビームプロファイルを生成する。本発明者らは、モンテカルロ法を使用して、ビームの移動及び/又は回転、及び/又はそのプロファイルの変更をシミュレートする。図18は、図9(a)に示されるKareアレイの形状及びサイズをおおよそ近似するように設計された例示的なビームプロファイルを示す。適用されたビームプロファイルは図に示されるように、この4×8アレイのアスペクト比に一致するように細長くされる。
【0076】
本発明者らの中心仮想光ビームプロファイル(centered virtual light beam profile)は、以下のように6つの入力パラメータによって記述し得る:w及びwはx及びy方向のビーム幅を表す。θは、x-y平面内のビームの回転を表し、n、n、及びnsGはビームプロファイルのスーパーガウシアンパラメータを表す。n及びnはx成分及びy成分に別々に適用され、これら2つのパラメータが大きいほど、ビームプロファイルは楕円よりも長方形に近くなり、nsGは通常のスーパーガウシアン係数であり、大きいほど、ビームプロファイルは、通常のガウシアンの代わりに「トップハット」プロファイルに近くなる。所与の位置におけるビーム強度は次に、以下のパラメータによって記述される。
【0077】
a、b、cを以下のように定義する。
【0078】
点x、yにおける強度Jは以下のように記述される。
【0079】
相対的なアレイ性能を主にミスマッチ(mismatch)と比較するために、絶対強度は無関係であり、したがって、モデル化を容易にするために、ピーク強度Jは、シンプルに1に設定される。本発明者らのモンテカルロシミュレーションでは、ビームがx方向とy方向にワンダーすることを可能にし、選択された標準偏差(PVセル幅の分率として表される「ビームワンダー」として表1に示される)を有する正規分布を有する適用された誤差を有する位置を選択することはビームステアリングシステムのための(トラッキング、信号処理、機械的運動などからの)「ノイズ」の様々な発生源に起因して自然に発生することが予想され得る。なお、ランダム位置誤差は、x位置誤差とy位置誤差とに分けて(正規分布で)生成される。上記の式は各PVセル位置の中心における強度を決定するために、x,y平面においてシフトされる。200のモンテカルロラン(Monte Carlo run)を、以下に論じる様々な場合のそれぞれについて行った。表1は関連する性能結果とともに、以下に記載される各ケースについてのアレイパラメータ、ビームプロファイル、及びモンテカルロ入力係数を示す。
【0080】
図9(a)に示すKareアレイを上述のようにモデル化すると、比較的性能が劣り、図18に示すビームプロファイルに対して22.1%のミスマッチを示している。図18及び他の図のビームプロファイルは0.1から0.9までの範囲の一定強度の等高線を示す(1.0のピークはビームの中央の単一の点である可能性があり、プロファイルのテール部を外れた0.1未満の低強度は、0.1未満の等高線を示すことがこの用途にとって重要ではないとしている)。図19は、図18のビームがアレイの中心にあるときの、4つの電圧レベルの各々についての積み重ねられた電流を示す。図19の各白いバーは単一のPVセルからの電流を表し、これらの並列配線されたPVセルの各列における積み重ねられたバーの高さによって表される総出力電流を形成するために一緒に加算される。ミスマッチ(表1に示される)は図19のグラフを検査することによって明らかであり、図9(a)に示されるアレイが、以下でさらに説明されるアレイよりも実質的に劣っていることを示す。理想的には、図19に示されるこれらの総電流の各々が、図のように異なる高さに積み重ねられるのではなく、同じになることであろう。
【0081】
Kareの図5に示すアレイをモデル化する際には、通常1に近い全体的なアスペクト比を有する我々のアレイとより密接に比較するために、アレイを(Kareのページ3-4にまたがる段落に示されるように)「倍増」して、図9(b)に示すように、2つの同一のアレイを並べて(Kareの9×4アレイの代わりに)PVセルの9×8アレイを作成し、アレイのわずかに非正方形の形状に一致するようにわずかに偏心したビームプロファイルを使用した。ビームの形状及びサイズは上述のように定義され、表1に列挙されたパラメータを有し、x及びy位置は、表1に列挙された標準偏差で上述のようにモンテカルロシミュレーションにおいて変更された。シミュレーションからの1つのプロファイルが図20に示されている:ビームプロファイルのサイズ及び偏心チェープ(又は、偏心鞘/eccentric chape/又は偏心形状/eccentric shape)は、等高線で見ることができる。この形状は、ビーム設計者がアレイ形状にマッチするように矩形ビームを作ろうとするときに生じる可能性のあるビームプロファイルを反映し(Kareは実質的に矩形ビームを示す)、図示されたプロファイルのための4つの電圧レベルの各々についての積み重ねられた電流が図21に示される。この試験構成のミスマッチは他のKareアレイのミスマッチよりも小さいが、依然として比較的高い:図示のランでは5.6%、モンテカルロシミュレーションの全ランにわたって平均6.2%。
【0082】
図21に示すアレイの性能と最もよく比較するために、図11に示すように、上述の設計原理を用いて構築された4つの電圧レベルを有する8×8アレイを作成した。アスペクト比が1のビーム、したがって同じ幅及び高さを有するレシーバを有することがより一般的であり、各電圧レベルで同じ数のPVセルを依然として有しながら2の一定のオフセットを維持するために、8×8アレイ(Kareのような9×8アレイの代わりに)を使用した。図22図11に示されるように、アレイ上に中心が置かれたビームのための積み重ねられた電流を示す。図20に示される同じビームプロファイルについて、ミスマッチはゼロであった。このアレイの全てのランについてのシミュレーションにわたって平均化されたミスマッチは1.7%であり、Kareのアレイよりも著しく良好な性能を示した。
【0083】
これと比較して、図23図24図15図17にそれぞれ示されたアレイ(すなわち、5つの電圧レベルを有する10×10アレイと、角付近のいくつかのPVセルが除去された同じアレイ)の中心ビームケースについて同じ積み重ねられた電流グラフを示している。図11と同様に、図15は、これら2つのアレイの応答をモデル化する際に使用された実質的に円形のビームプロファイルを示している。これら2つのアレイに対してモンテカルロシミュレーションを行った場合、平均ミスマッチはそれぞれ1.1%と2.7%であり、アレイレイアウトがKareに記載されたものより優れた性能を持つことが期待されることを示した。表1のレビューは予想通り、より低いボロノイセルメジアンアスペクト比が、より低いビームミスマッチと相関することを明らかにする。
<電圧ブースト>
【0084】
PVセルの公称出力電圧が所望のアレイ出力電圧に達するために、直列に接続されるのに過度に大きな数を必要とする場合がある。他の場合には、PVセルからの電流がオーム損失が許容できないほど大きくなる(又は電流を取り出すために必要な配線のサイズが許容できないほど大きくなる)ほどに、非常に高くなり得る。これらの場合、同じ電圧レベルの1つ又は複数のPVセルはPV出力に接続されたDC/DC電圧ブースト回路を有することができ、それによって、アレイの残りの部分によって見られる電圧を増加させ、配線全体にわたって搬送される必要がある電流を減少させる。
【0085】
様々なDC/DCブースト回路トポロジーがあり、その性能は要求事項に応じて異なる。入力がある比較的広い電圧範囲にわたって変化する場合でも、入力を固定された狭い電圧出力に調整するものもある。別の選択肢は固定入力電圧設定点(例えば、PVセルの最大ピーク電力電圧に設定される)を有する可変ブーストであり、これは、そのMPPを達成するようにブースト比を調整する。この場合、出力電圧は「フロート(float)」するか、又は調整されず、代わりに、負荷(例えば、バッテリ)が、電流をシンクする(又は、吸い込む/sink)ことによって出力電圧を制御する。動的入力設定点を有するMPPはMPPT(最大電力点追従)であり、アルゴリズムは例えば、電力を計算するために電流と電力の両方を測定することによって、ブースト比を動的に調整して、PVデバイスをピーク電力に維持する。このピーク電力追従は、PVデバイスからの電力、又はコンバータからの電力に基づくことができる。別のブースト回路オプションはいわゆる「固定比」回路であり、入力電圧を固定の乗算比だけ増加させる。ブースト(及びバック)DC/DC電圧コンバータは当業者にはよく知られており、本明細書ではさらに説明しない。詳細は、Pressman et. al, Switching Power Supply Design, 3d ed., McGraw Hill, 2009, pp. 31-43(これは本明細書と矛盾しない範囲で参照により本明細書に組み込まれる)などの電子テキストに見出すことができる。
【0086】
上述のタイプのブースト回路のいずれも、本明細書に記載の分散配線構成と共に使用し得るが、固定比ブーストコンバータの使用は所望の出力電圧を達成しながら、PVセル及びPVセルグループ出力電流を効率的にバランスさせるために特に魅力的である。特に、固定比タイプのブースト回路を使用する場合、昇圧された出力は固定電圧デバイスのようにではなく、非昇圧PVセル(例えば、類似のI-V曲線形状を示す)のように挙動することが期待される。DCブースト回路のそのような使用は、アレイの電子機器の他の部分がPVセル材料、単接合対多接合、又はPVセルの他の特性について「非定性(agnostic)」であることを可能にし得る。1つの特定の例では多接合InGaAs PVセルが~5Vの公称出力電圧を有し、単接合InGaAs PVセルは~0.7Vの公称出力電圧を有する(これらのタイプのセルの両方が976nm光のために設計されるが、当業者は同じ原理が他の波長に適用されることを理解するであろう)。約~7倍(7×)の固定比ブーストは0.7VのPVセルがアレイの残りの部分及び接続された電子機器(例えば、PMADハードウェア308)に関する限り、5Vセルのように挙動することを可能にする。7倍(×)のブーストを提供する電圧ブースト電子機器が、単一接合セルのためのキャリア608上に設置される場合、他のハードウェアを変更することなく、(電圧ブーストなしで)多接合セルを担持するキャリア608と交換され得る。もちろん、光波長、PVセル材料、及びブースト回路の他の組み合わせも可能である。このタイプの相互運用性は、レシーバの設計及び製造のための利点を有し得る。
<ダイナミック配線>
【0087】
上述のように、いくつかの実装形態では、ワッフルボード402(又はPVキャリア608などの他の同様の構成要素)がPVセル406の配線のプログラムによる切り替えを可能にし、直列接続及び並列接続がPVセル選択、パワービームパラメータ、環境動作条件に適合するように、又は当業者に想起される他の工学的目標を達成するように調整されることを可能にし得る。例えば、入力パワービームのサイズ及び/又はプロファイルに応じて異なる数の電圧グループを使用することが望ましい場合がある。別の例ではアレイが最初に配備されたとき、配線は一度だけ特定のレイアウトに切り替えられ、同じアレイスイッチングハードウェアが異なる必要な出力電圧を有する複数の異なるパワービーミングインストレーションのために使用されることを可能にする。
【0088】
いくつかの実装形態ではレシーバ104が、入射ビーム(及び、いくつかの実装形態では出力負荷要件)のための最適な直列並列レイアウトを決定し、パワービーミングの開始時にその配線レイアウトを確立するように構成されたプロセッサを含み得る。十分に高速で汎用性のあるプロセッサの場合、レシーバ104は「実行中に(on the fly)」最適なレイアウトに切り替えることさえできるかもしれない。しかし、このタスクのためにあまり多くの処理能力を提供することが望ましくない場合(例えば、プロセッサが、最適なレイアウトの使用によって達成される節約よりも多くの電力を消費する場合)、レシーバ104が最初から(ab initio)レイアウトを決定するのではなく、リストから選択できるように、PVセル配線レイアウトの小さい(又は大きい)「ライブラリ」を提供することが好ましいかもしれない。そのような選択はレシーバ104によって自動的に実行されてもよく、又は、例えば、ユーザインターフェース320を使用して手動で選択されてもよい。
【0089】
一例では、プロセッサが10×10アレイのセルのための3つのPVセル配線レイアウトのライブラリを含み、レシーバ104はスイッチ又は同等の構成要素の動作によってこの3つのうちのいずれかを実装するための適切な物理的配線を含む。(デフォルトレイアウトとして使用され得る)第一レイアウトは、図15に示されるように配置された5つの電圧グループを含む。第二レイアウトは10個の電圧グループを含むことができ、3のオフセットを有する千鳥状パターンで配置される。第三レイアウトはPVセルの中心8×8セットのみを使用して、これらを4つの電圧グループにグループ化し、図11に示されるように、2のオフセットを有する千鳥状パターンで配置してもよい。この例示的なレシーバの使用中、プロセッサは、より高い出力電圧が必要であると決定(又はユーザが選択)し得、配線をデフォルトの第一レイアウトから第二レイアウトに切り替えることによって応答し得る。代替として、プロセッサは(たとえば、個々のPVセルにおける出力電流を検出するセンサーと通信することによって)入射パワービームが十分にタイトに集束されており、最外のPVセルが出力電流にごくわずかに寄与しているだけであると決定し、第三レイアウトに切り替えることによって応答してもよい。これらの例は比較的長い時間スケールでの異なるPVセルレイアウト間の切り替えを説明するが、いくつかの実装形態ではこのタイプの切り替えがたとえば、パワービームのシンチレーションに応答して、急速かつ連続的に行われ得る。
【0090】
いくつかの実装形態では、DC/DC電圧ブーストを実装するために動的配線構成が使用され得る。DC/DCコンバータは動作するために電力を必要とし、したがって、複数のコンバータが提供されるいくつかの実装形態では、プロセッサが電流を監視し、それらが使用しているよりも多くの電力を節約しない場合、いくつかのコンバータをシャットダウンすることを選択することが有用であり得る。極端な場合にはレシーバ104が各PVセルのためのブースト回路を含み得るが、光束が最小であるときにはPVアレイ全体が1つのDC/DCコンバータに給電し得る。もちろん、中間的な場合も考えられる。
【0091】
以下では、さらなる特徴、特性、及び利点が項目ごとに説明される:
【0092】
項目1:パワーレシーバは、支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルと、PVセルを相互接続するための電気配線とを含む。PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループのPVセルは支持面上で互いに不連続になるように配置され、複数の電圧グループはレシーバがパワービームにさらされたときに5%未満の電流ミスマッチを示し、電流ミスマッチは最大出力電流と最小出力電流との差を平均出力電流で割ったものとして定義される。このタイプのパワーレシーバは、電流ミスマッチを低減することによって電力変換効率を改善する技術的利点を提供し得る。
【0093】
項目2:前記パワービームはレーザーパワービームである、項目1に記載のパワーレシーバ。
【0094】
項目3:前記パワービームは、実質的にガウシアンビームプロファイルを有する、項目1又は2に記載のパワーレシーバ。
【0095】
項目4:前記パワービームは、スーパーガウシアンビームプロファイルを有する、項目1~3のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0096】
項目5:電流ミスマッチが4%未満である、項目1~4のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0097】
項目6:電流ミスマッチが3%未満である、項目1~5のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0098】
項目7:電流ミスマッチが2%未満である、項目1~6のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0099】
項目8:電流ミスマッチが1%未満である、項目1~7のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0100】
項目9:前記PVセルが矩形に配置される、項目1~8のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0101】
項目10:前記PVセルが正方形に配置される、項目1~9のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0102】
項目11:前記PVセルが、角が切り取られた正方形に配置される、項目1~10のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0103】
項目12:前記PVアレイが4つの電圧グループを含む、項目1~11のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0104】
項目13:前記PVアレイが5つの電圧グループを含む、項目1~12のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0105】
項目14:前記PVアレイが6つの電圧グループを含む、項目1~13のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0106】
項目15:パワーレシーバは、支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルと、PVセルを相互接続するための電気配線とを含む。PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループのPVセルはPVアレイの第一軸に沿って繰り返しパターンで配置され、繰り返しパターンはPVアレイの第二軸に沿ってオフセット値だけ互い違いに配置される。オフセット値は、同じ電圧グループ内のPVセルが互いに隣接しないように選択される。このタイプのパワーレシーバは、電流ミスマッチを低減することによって電力変換効率を改善する技術的利点を提供し得る。
【0107】
項目16:PVセルが第一軸に沿って1つ又は複数の隣接するPVセルに直列に接続され、各電圧グループに属するPVセルが追加の配線によって並列に接続される、項目15に記載のパワーレシーバ。
【0108】
項目17:追加の配線が支持面内に配置される、項目15又は16に記載のパワーレシーバ。
【0109】
項目18:追加の配線が支持面の後ろに位置する、項目15~17のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0110】
項目19:追加の配線が、光を通過させてPVセルに到達することを可能にするように配置された開口を有する回路基板内に配置される、項目15~18のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0111】
項目20:PVセルが、矩形を形成するように配置される、項目15~19のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0112】
項目21:前記PVセルが、正方形を形成するように配置される、項目15~20のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0113】
項目22:PVセルが、角が切り取られた正方形を形成するように配置される、項目15~21のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0114】
項目23:PVアレイが4つの電圧グループを含む、項目15~22のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0115】
項目24:前記PVアレイが5つの電圧グループを含む、項目15~23のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0116】
項目25:PVアレイが6つの電圧グループを含む、項目15~24のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0117】
項目26:パワーレシーバは、支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルと、PVセルを相互接続するための電気配線とを含む。PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有する。配線は電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される。各電圧グループは、電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.4未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する。このタイプのパワーレシーバは、電圧レベルのPVセルがアレイ表面にわたって均等に分配されることを確実にすることによって、電流ミスマッチを低減することによって電力変換効率を改善する技術的利益を提供し得る。
【0118】
項目27:各電圧グループが、電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.3未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する、項目26に記載のパワーレシーバ。
【0119】
項目28:複数の光起電力(PV)セルと、複数の開口を内部に有する回路基板と、出力コネクタとを含む、パワーレシーバ。各PVセルは、電力への変換のために光を受け取るように構成された活性表面と、カソードコネクタ及びアノードコネクタであって、PVセルの活性表面が光に曝されたときにそれらの間に電圧を生成するように構成された該カソードコネクタ及びアノードコネクタとを有する。回路基板はカソードコネクタ及びアノードコネクタのうちの少なくとも1つに接続され、出力コネクタは回路基板を負荷に電気的に接続するように構成される。複数のうちの各PVセルは、回路基板内の複数の開口のうちの少なくとも1つを通過した光を受け取るように配置される。このタイプのパワーレシーバは、電子機器が所与の領域においてより多くの光を収集しエネルギーへと変換できるように、空間を効率的に使用する技術的利益を提供し得る。
【0120】
項目29:前記複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられたリフレクタをさらに含み、前記リフレクタは、前記少なくとも1つの関連付けられたPVセルの前記活性表面上に光を反射するように構成される、項目28に記載のパワーレシーバ。
【0121】
項目30:複数のリフレクタをさらに含み、各リフレクタは複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられ、各リフレクタは少なくとも1つの関連付けられたPVセルの活性表面上に光を反射するように構成される、項目28又は29に記載のパワーレシーバ。
【0122】
項目31:複数のリフレクタの少なくともいくつかのメンバーが、回路基板の開口内に配置される、項目28~30のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0123】
項目32:前記回路基板が、前記PVセルの第一サブセットを並列に接続するように構成された配線を含む、項目28~31のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0124】
項目33:前記PVセルの前記第一サブセットを並列に接続するように構成された前記配線が、前記回路基板の第一層上に配置される、項目28~32のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0125】
項目34:前記回路基板が前記PVセルの第二サブセットを並列に接続するように構成された配線を含み、前記第二サブセット及び前記第一サブセットが共通のPVセルを有さない、項目28~33のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0126】
項目35:PVセルの第一サブセットを並列に接続するように構成された配線が回路基板の第一層上に配置され、PVセルの第二サブセットを並列に接続するように構成された配線が第一層とは異なる回路基板の第二層上に配置される、項目28~34のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0127】
項目36:回路基板が第一サブセットを第二サブセットに直列に接続するように構成された配線をさらに含み、それによって、第一サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第一電圧と、第二サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第二電圧との合計にほぼ等しい電圧を生成する、項目28~35のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0128】
項目37:複数のうちの異なるPVセル間のすべての電気接続が、回路基板内の配線を含む、項目28~36のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0129】
項目38:回路基板が、異なるPVセル間の接続を動的に変更するように構成される、項目28~37のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0130】
項目39:前記PVセルから廃熱を除去するように構成されたヒートシンクをさらに含む、項目28~38のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0131】
項目40:ヒートシンクが、パワーレシーバの光学部品を位置決めするための基準面として機能する面を有する、項目28~39のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0132】
項目41:パワーレシーバは、第一側と、第二側と、第一側から第二側へと通る開口部とを含むヒートシンクと、ヒートシンクの第一側と熱的に接触する集電デバイスと、ヒートシンクの第二側に配置された電子部品と、ヒートシンクの開口部内に配置された電気コネクタとを含む。電気コネクタは、集電デバイスを電子部品に接続する。このタイプのパワーレシーバは、光を遮断することなく、又はセル間に追加の空間を必要とすることなく、電子機器のためのより多くの空間を可能にし、所与の領域においてより多くの光を収集しエネルギーへと変換することを可能にし得るという技術的利点を提供し得る。さらなる技術的利益は、廃熱が発生する場所により近いヒートシンクの配置(又はそれへの熱的接続)によって達成されることができ、高エネルギーパワービームの存在下でさえ、集電デバイスがそれらの好ましい温度により近い温度で動作することを可能にする。
【0133】
項目42:前記ヒートシンクが、熱伝導性材料から製造される、項目41に記載のパワーレシーバ。
【0134】
項目43:前記熱伝導性材料が、金属又はセラミックである、項目41又は42に記載のパワーレシーバ。
【0135】
項目44:前記集電デバイスが、光起電力(PV)セルである、項目41~43のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0136】
項目45:ヒートシンクが、冷却流体の循環のために構成された内部チャネルを含む、項目41~44のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0137】
項目46:ヒートシンクが蒸気チャンバを含む、項目41~45のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0138】
項目47:前記ヒートシンクが前記第一側から前記第二側へと通る複数の開口部を含み、前記パワーレシーバが、前記ヒートシンク内の前記開口部と共に配置された複数の電気コネクタをさらに含む、項目41~46のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0139】
項目48:前記ヒートシンクの前記第一側に取り付けられた複数の集電デバイスをさらに含み、前記複数の電気コネクタは、前記複数の集電デバイスのそれぞれひとつを、前記ヒートシンクの前記第二側に取り付けられた前記電子部品に接続する、項目41~47のいずれか一項に記載のパワーレシーバ。
【0140】
上記では最良の形態及び/又は他の例と見なされるものを説明してきたが、本明細書では様々な修正を行うことができ、本明細書で開示される主題は様々な形態及び例で実装することができ、教示は多数の用途に適用することができ、そのうちのいくつかのみが本明細書で説明されたことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、本教示の真の範囲内にある、任意の及びすべてのアプリケーション、修正、及び変形を請求することを意図している。
【0141】
特に明記しない限り、以下の特許請求の範囲を含む、本明細書に記載されるすべての測定値、値、評価、位置、大きさ、サイズ、及び他の仕様は、正確ではなく、おおよそのものである。それらは、それらが関係する機能及びそれらが関係する技術分野において慣習的であるものと一致する合理的な範囲を有することが意図される。
【0142】
保護の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。その範囲は本明細書及び以下の手続き履歴に照らして解釈されるときに特許請求の範囲で使用される文言の通常の意味と一致し、すべての構造的及び機能的等価物を包含するのと同じくらい広いものであることが意図される。それにもかかわらず、米国特許法第101条、第102条又は第103条の要件を満たさない主題を包含することを意図するものではなく、また、そのように解釈されるべきものではない。そのような主題の意図しない包含は、本明細書によって放棄される。
【0143】
前段落に記載されている場合を除き、特許請求の範囲に記載されているか否かにかかわらず、記載されているか又は図示されているものは、いかなる構成要素、ステップ、特徴、目的、利益、利点、又は公衆との同等物の専有を引き起こすように意図され、又は解釈されるべきではない。
【0144】
本明細書で使用される用語及び表現は特定の意味が本明細書で別段に記載されている場合を除き、それらの対応するそれぞれの問い合わせ及び調査の領域に関して、そのような用語及び表現に与えられる通常の意味を有することが理解されよう。第一及び第二などの関係用語は、そのようなエンティティ間のいかなる関係又は順序も必ずしも暗示することなく、あるエンティティを別のエンティティと区別するためにのみ使用され得る。用語「含む(comprise)」及び「含む(include)」はそれらの文法的形態の全てにおいて、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、したがって、要素のリストを含むか又は含むプロセス、方法、物品、装置、又は組成物は、明示的に列挙されていない他の要素も含み得る。「a」又は「An」が先行する要素はさらなる制約なしに、追加の同一又は類似の要素の存在を除外しない。
【0145】
本開示の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。要約書は、特許請求の範囲を解釈又は限定するために使用されないことを理解されたい。加えて、前述の詳細な説明では、説明を明確にするために、様々な特徴が様々な例において一緒にグループ化され得ることが分かる。この開示方法は、請求項が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。さらに、本出願の全体的な範囲及び趣旨から逸脱することなく、1つの例からの特徴は、別のものに自由に含まれてもよく、又は互いに置き換えられてもよい。
下記は、本願の出願当初に記載の発明である。
<請求項1>
支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割され、各電圧グループは選択された出力電圧及び出力電流を有する、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される、該電気配線と、を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループの前記PVセルは前記支持面上で互いに不連続になるように配置され、
前記複数の電圧グループは5%未満の電流ミスマッチを示し、
ここで、電流ミスマッチは、前記レシーバがパワービームにさらされたときの、最大出力電流と最小出力電流との差を平均出力電流で割ったものとして定義される、パワーレシーバ。
<請求項2>
前記パワービームは、レーザーパワービームである、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項3>
前記パワービームは、実質的にガウシアンビームプロファイルを有する、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項4>
前記パワービームは、スーパーガウシアンビームプロファイルを有する、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項5>
前記電流ミスマッチが4%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項6>
前記電流ミスマッチが3%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項7>
前記電流ミスマッチが2%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項8>
前記電流ミスマッチが1%未満である、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項9>
前記PVセルは、矩形に配列される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項10>
前記PVセルは、正方形に配置される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項11>
前記PVセルは、角が切り取られた正方形に配置される、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項12>
前記PVアレイは、4つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項13>
前記PVアレイは、5つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項14>
前記PVアレイは、6つの電圧グループを含む、請求項1に記載のパワーレシーバ。
<請求項15>
PVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割される、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される、該電気配線と、を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループの前記PVセルは前記PVアレイの第一軸に沿って繰り返しパターンで配置され、前記繰り返しパターンは前記PVアレイの第二軸に沿ってオフセット値だけ互い違いに配置され、前記オフセット値は同じ電圧グループ内のPVセルが互いに隣接しないように選択される、パワーレシーバ。
<請求項16>
前記PVセルは前記第一軸に沿って1つ又は複数の隣接するPVセルに直列に接続され、各電圧グループに属するPVセルが、追加の配線によって並列に接続される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項17>
前記追加の配線は、前記支持面内に配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
<請求項18>
前記追加の配線は、前記支持面の後ろに配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
<請求項19>
前記追加の配線は、光を通過させて前記PVセルに達することを可能にするように配置された開口を有する回路基板内に配置される、請求項16に記載のパワーレシーバ。
<請求項20>
前記PVセルは、矩形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項21>
前記PVセルは、正方形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項22>
前記PVセルは、角が切り取られた正方形を形成するように配置される、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項23>
前記PVアレイは、4つの電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項24>
前記PVアレイは、5つの電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項25>
前記PVアレイは、6~16個の電圧グループを含む、請求項15に記載のパワーレシーバ。
<請求項26>
PVアレイを形成するために支持面上に配置された複数の光起電力(PV)セルであって、前記PVセルは複数の電圧グループに分割される、該複数の光起電力(PV)セルと、
前記PVセルを相互接続するための電気配線であって、前記配線は、
電圧グループ内の各PVセルを並列に接続し、
各電圧グループを少なくとも1つの他の電圧グループに直列に接続するように構成される該電気配線と、を含むパワーレシーバであって、
各電圧グループは、前記電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.4未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する、パワーレシーバ。
<請求項27>
各電圧グループが、前記電圧グループ内のPVセルの位置から生成されるボロノイメッシュが1.3未満のメジアンボロノイセルアスペクト比を有するという特性を有する、請求項26に記載のパワーレシーバ。
<請求項28>
複数の光起電力(PV)セルであって、各PVセルが、
電力への変換のために光を受け取るように構成された活性表面と、
カソードコネクタ及びアノードコネクタであって、前記PVセルの前記活性表面が光に曝されたときに、それらの間に電圧を生成するように構成された、該カソードコネクタ及びアノードコネクタと、を有する、該複数の光起電力セルと、
前記カソードコネクタ及びアノードコネクタのうちの少なくとも1つに接続された回路基板であって、内部に複数の開口を有する該回路基板と、
前記回路基板を負荷に電気的に接続するように構成された出力コネクタと、を含むパワーレシーバであって、
各PVセルは、前記回路基板内の前記複数の開口のうちの少なくとも1つを通過した光を受け取るように配置される、パワーレシーバ。
<請求項29>
前記複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられたリフレクタをさらに備え、前記リフレクタは、前記少なくとも1つの関連付けられたPVセルの前記活性表面上に光を反射するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項30>
複数のリフレクタをさらに備え、各リフレクタは前記複数のうちの少なくとも1つのPVセルに関連付けられ、各リフレクタは前記少なくとも1つの関連付けられたPVセルの前記活性表面上に光を反射するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項31>
前記複数のリフレクタの少なくともいくつかのメンバーは、前記回路基板の前記開口内に配置される、請求項30に記載のパワーレシーバ。
<請求項32>
前記回路基板は、前記PVセルの第一サブセットを並列に接続するように構成された配線を含む、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項33>
前記PVセルの前記第一サブセットを並列に接続するように構成された前記配線は、前記回路基板の第一層上に配置される、請求項32に記載のパワーレシーバ。
<請求項34>
前記回路基板は前記PVセルの第二サブセットを並列に接続するように構成された配線を含み、前記第二サブセット及び前記第一サブセットは共通のPVセルを有さない、請求項32に記載のパワーレシーバ。
<請求項35>
前記PVセルの前記第一サブセットを並列に接続するように構成された配線は前記回路基板の第一層上に配置され、
前記PVセルの前記第二サブセットを並列に接続するように構成された配線は前記第一層とは異なる前記回路基板の第二層上に配置される、請求項34に記載のパワーレシーバ。
<請求項36>
前記回路基板が、前記第一サブセットを前記第二サブセットに直列に接続し、それによって、前記第一サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第一電圧と、前記第二サブセットのPVセルのカソードコネクタとアノードコネクタとの間の第二電圧との合計にほぼ等しい電圧を生成するように構成された配線をさらに含む、請求項34に記載のパワーレシーバ。
<請求項37>
前記複数のうちの異なるPVセル間の全ての電気接続は、前記回路基板内の配線を含む、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項38>
前記回路基板は、異なるPVセル間の接続を動的に変更するように構成される、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項39>
前記PVセルから廃熱を除去するように構成されたヒートシンクをさらに備える、請求項28に記載のパワーレシーバ。
<請求項40>
前記ヒートシンクは、前記パワーレシーバの光学部品を位置決めするための基準面として機能する面を有する、請求項39に記載のパワーレシーバ。
<請求項41>
第一側と、第二側と、前記第一側から前記第二側へと通る開口部とを含むヒートシンクと、
前記ヒートシンクの前記第一側と熱的に接触する集電デバイスと、
前記ヒートシンクの前記第二側に配置された電子部品と、
前記ヒートシンクの前記開口部内に配置された電気コネクタであって、前記電気コネクタは前記集電デバイスを前記電子部品に接続する、該電気コネクタと、を含むパワーレシーバ。
<請求項42>
前記ヒートシンクは、熱伝導性材料から製造される、請求項41に記載のパワーレシーバ。
<請求項43>
前記熱伝導性材料が、金属又はセラミックである、請求項42に記載のパワーレシーバ。
<請求項44>
前記集電デバイスは、光起電力(PV)セルである、請求項41に記載のパワーレシーバ。
<請求項45>
前記ヒートシンクが、冷却流体の循環のために構成された内部チャネルを含む、請求項41に記載のパワーレシーバ。
<請求項46>
前記ヒートシンクが蒸気チャンバを含む、請求項41に記載のパワーレシーバ。
<請求項47>
前記ヒートシンクが前記第一側から前記第二側へと通る複数の開口部を含み、前記パワーレシーバが、前記ヒートシンクの前記開口部と共に配置された複数の電気コネクタをさらに備える、請求項41に記載のパワーレシーバ。
<請求項48>
前記ヒートシンクの前記第一側に取り付けられた複数の集電デバイスをさらに備え、前記複数の電気コネクタは、前記複数の集電デバイスのそれぞれひとつを前記ヒートシンクの前記第二側に取り付けられた前記電子部品に接続する、請求項47に記載のパワーレシーバ。
図1
図2
図3
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9(a)】
図9(b)】
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【国際調査報告】