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特表2024-505883気泡検出デバイスおよびサンプル処理計器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】気泡検出デバイスおよびサンプル処理計器
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/59 20060101AFI20240201BHJP
   G01N 15/1409 20240101ALI20240201BHJP
【FI】
G01N21/59 Z
G01N15/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545269
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021127869
(87)【国際公開番号】W WO2022160837
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202120243593.X
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521273743
【氏名又は名称】ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, アイリン
(72)【発明者】
【氏名】リウ, シー
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ, ルイフェン
(72)【発明者】
【氏名】ジン, シン
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB01
2G059BB04
2G059BB09
2G059DD02
2G059DD12
2G059EE01
2G059GG02
2G059HH01
2G059KK09
2G059LL04
2G059NN01
(57)【要約】
気泡検出デバイスおよびサンプル処理計器が、提供される。気泡検出デバイスは、本体と、カバーと、検出回路基板とを含む。本体は、底部壁と、第1および第2の側壁とを含み、第1および第2の側壁は、それぞれ、底部壁の2つの側面から延びている。底部、第1および第2の側壁は、サンプル処理計器のサンプルパイプを収容するための溝を画定し、第1および第2の孔は、それぞれ、第1および第2の側壁内に提供され、光源からの光がサンプルパイプを通過することを可能にする。カバーは、本体に取り付けられる溝および第1および第2の側面部分を覆うための上部部分を含む。検出回路基板は、光源と、光電子センサとを含み、それらが、それぞれ、第1および第2の孔と整列させられ、サンプルパイプを通過する光の強度を感知するように、本体に取り付けられる。サンプル処理計器は、気泡検出デバイスを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気泡検出デバイスであって、前記気泡検出デバイスは、
検出部分を備えている本体であって、前記検出部分は、底部壁、第1の側壁、および第2の側壁を備え、前記第1の側壁と第2の側壁とは、それぞれ、前記底部壁の2つの側面から延び、前記底部壁、前記第1の側壁、および前記第2の側壁は、サンプル処理計器のサンプルパイプを収容するための溝を画定し、第1の孔および第2の孔が、それぞれ、前記第1の側壁および前記第2の側壁内に提供され、光源からの光が前記サンプルパイプを通過することを可能にする、本体と、
前記溝を覆うための上部部分と、前記本体に取り付けられるための第1の側面部分および第2の側面部分とを備えているカバーと、
前記光源と光電子センサとを備えている検出回路基板と
を備え、
前記本体は、前記光源が前記第1の孔と整列させられ、前記光電子センサが前記第2の孔と整列させられ、前記サンプルパイプを通過する前記光の強度を感知するように、前記検出回路基板に取り付けられている、気泡検出デバイス。
【請求項2】
前記第1の孔の中心軸と前記第2の孔の中心軸とは、互いに一致し、前記サンプルパイプの中心軸と直角に交差する、請求項1に記載の気泡検出デバイス。
【請求項3】
前記溝は、前記サンプルパイプが前記溝内に締り嵌めされることが可能であるように、前記サンプルパイプの外径よりわずかに小さいようにサイズを決定されている、請求項1に記載の気泡検出デバイス。
【請求項4】
突出部が、前記カバーの上部部分の内側表面上に提供され、前記サンプルパイプを位置決めする、請求項1に記載の気泡検出デバイス。
【請求項5】
ピンが、前記本体および前記カバーのうちの1つの上に提供され、陥凹部分が、前記本体および前記カバーのうちの他方のものの上に提供され、締り嵌め様式において前記ピンを受け取る、請求項1に記載の気泡検出デバイス。
【請求項6】
前記陥凹部分は、釣鐘形状または漏斗形状を有する、請求項5に記載の気泡検出デバイス。
【請求項7】
スリットが、前記陥凹部分の底部に提供されている、請求項6に記載の気泡検出デバイス。
【請求項8】
前記陥凹部分は、前記カバーの前記第1の側面部分および前記第2の側面部分において配置され、前記ピンは、前記第1の側壁および前記第2の側壁から外向きに、前記溝に対して横方向の方向に延びている、請求項7に記載の気泡検出デバイス。
【請求項9】
前記ピンは、それぞれ、前記第1の孔の2つの側および前記第2の孔の2つの側に提供されている、請求項8に記載の気泡検出デバイス。
【請求項10】
第1の収容部分が、前記光源が前記第1の側壁と前記第1の側面部分との間にクランプ締めされるように、前記第1の側壁および前記第1の側面部分のうちの少なくとも一方の上に提供され、前記光源を収容している;および/または、
第2の収容部分が、前記光電子センサが前記第2の側壁と前記第2の側面部分との間にクランプ締めされるように、前記第2の側壁および前記第2の側面部分のうちの少なくとも一方の上に提供され、前記光電子センサを収容している、請求項1-9のいずれか1項に記載の気泡検出デバイス。
【請求項11】
握持されるためのハンドルが、前記カバーの上部部分上に提供されている、請求項1-9のいずれか1項に記載の気泡検出デバイス。
【請求項12】
前記本体は、
前記本体を搭載するための搭載部分であって、前記搭載部分は、前記検出部分の底部壁の少なくとも1つの端部表面から、前記溝の長手方向に延びている、搭載部分;および/または、
前記サンプルパイプを収容し、保持するための保持部分
をさらに備えている、請求項1-9のいずれか1項に記載の気泡検出デバイス。
【請求項13】
前記搭載部分は、留め具を受け取るための搭載孔を有する;および/または、
前記保持部分は、前記サンプルパイプが締り嵌めされる収容溝を有する、請求項12に記載の気泡検出デバイス。
【請求項14】
前記検出回路基板は、温度センサと光源駆動部とをさらに備え、
前記温度センサは、周囲温度を感知するように構成され、
前記光源駆動部は、前記検出された周囲温度に従って前記光源を駆動するための電圧または電流を決定し、出力するように構成されている、請求項1-9のいずれか1項に記載の気泡検出デバイス。
【請求項15】
前記温度センサは、前記周囲温度に対して感度が高い電子構成要素を備えている、請求項14に記載の気泡検出デバイス。
【請求項16】
前記光源駆動部は、温度補償回路を備え、
前記温度補償回路は、
前記周囲温度に伴って変化する順方向ブレークオーバ電圧を受け取ることであって、前記順方向ブレークオーバ電圧は、前記温度センサからフィードバックされる、ことと、
前記順方向ブレークオーバ電圧と基準電圧との間の差異を計算することと、
前記差異および設定電圧に従って補償出力電圧を取得することと
を行うように構成されている、請求項15に記載の気泡検出デバイス。
【請求項17】
前記光源は、赤外光ビームを放出する光源である、請求項1-9のいずれか1項に記載の気泡検出デバイス。
【請求項18】
請求項1-17のいずれか1項に記載の気泡検出デバイスを備えているサンプル処理計器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、気泡検出デバイスに関し、気泡検出デバイスは、サンプル処理計器(例えば、フローサイトメータ)におけるサンプルを輸送するためのパイプライン内に気泡が存在するかどうかを検出するように構成されている。本願は、気泡検出デバイスを含むサンプル処理計器にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
本節は、本開示に関連する背景情報を提供するにすぎず、背景情報は、必ずしも従来技術ではない。
【0003】
サンプル処理計器は、概して、例えば、ミクロソームまたは細胞を含むサンプルを分析または選別するように構成される。サンプル処理計器は、種々の流体をフローセルに輸送するための流体システム(サンプルを輸送するためのサンプルパイプを含む)を含む。サンプルを輸送するとき、気泡がサンプルパイプ内に存在する場合、サンプル処理計器の処理結果が、影響を及ぼされるであろう。
【0004】
これに照らして、いくつかのサンプル処理計器は、気泡検出デバイスをさらに含む。しかしながら、気泡のある場合に検出される出力電圧と、気泡のない場合に検出される出力電圧との間の差異は、非常に小さく、それは、例えば、200ミリボルト~300ミリボルトの範囲に及ぶ。したがって、気泡検出デバイスへの干渉の場合、エラー検出結果を引き起こしやすい。
【0005】
したがって、当技術分野において、より高い精度を伴って気泡の有無を検出することが可能である気泡検出デバイスを提供することが、所望される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本節は、本開示の一般的概要を提供し、その全範囲またはその特徴の全ての包括的開示ではない。
【0007】
本願の目的は、より高い精度を伴って気泡の有無を検出することが可能である気泡検出デバイスを提供することである。
【0008】
本願の別の目的は、処理結果の精度を改良することが可能であるサンプル処理計器を提供することである。
【0009】
本願のある側面によると、気泡検出デバイスが、提供される。気泡検出デバイスは、本体と、カバーと、検出回路基板とを含む。本体は、底部壁と、底部壁の2つの側面からそれぞれ延びている第1の側壁および第2の側壁とを含み、底部壁、第1の側壁、および第2の側壁は、サンプル処理計器のサンプルパイプを収容するための溝を一緒に画定し、第1の孔および第2の孔は、それぞれ、第1の側壁および第2の側壁上に提供され、光源からの光がサンプルパイプを通過することを可能にする。カバーは、溝を覆うための上部部分と、本体に取り付けられるための第1の側面部分および第2の側面部分とを含む。検出回路基板は、光源と、光電子センサとを含み、本体は、光源が、第1の孔と整列させられ、光電子センサが、第2の孔と整列させられ、サンプルパイプを通過する光の強度を感知するように、検出回路基板に取り付けられる。
【0010】
本願による気泡検出デバイスでは、その光路は、安定しており、カバーによって遮蔽され得、従って、自然光からの干渉が防止され、それによって、検出の精度を改良することができる。
【0011】
本願によるいくつかの例では、第1の孔の中心軸と第2の孔の中心軸とは、互いに一致し、両方は、サンプルパイプの中心軸と直角に交差する。このように、光ビームの散乱を減らし、光利用率および検出精度を改良することが、可能である。
【0012】
本願によるいくつかの例では、溝が、サンプルパイプが溝内に締り嵌めされるように、サンプルパイプの外径よりわずかに小さいようにサイズを決定される。本願によるいくつかの例では、サンプルパイプを位置決めするための突出部が、カバーの上部部分の内側表面上に提供される。この構築物を用いると、サンプル処理計器の輸送または動作中、サンプルパイプの変位または振動を防止し、それによって、検出の精度を改良することが、可能である。
【0013】
本願によるいくつかの例では、ピンが、本体およびカバーのうちの1つの上に提供され、締り嵌め様式においてピンを収容するための陥凹部分が、本体およびカバーのうちの他方のものの上に提供される。この取り付け方法は、特別な器具の使用を排除することができ、従って、動作は、好都合である。
【0014】
本願によるいくつかの例では、陥凹部分は、釣鐘形状または漏斗形状である。本願によるいくつかの例では、スリットが、陥凹部分の底部に形成される。この構成は、ピンの誘導および挿入を促進する。
【0015】
本願によるいくつかの例では、陥凹部分が、カバーの第1の側面部分および第2の側面部分内に提供され、ピンが、第1の側壁および第2の側壁から、溝に対して横方向の方向において外向きに延びている。
【0016】
本願によるいくつかの例では、ピンは、それぞれ、第1の孔の2つの側および第2の孔の2つの側に提供される。このように、取り付けは、より安定する。
【0017】
本願によるいくつかの例では、光源を収容するための第1の収容部分が、光源が第1の側壁と第1の側面部分との間にクランプ締めされるように、第1の側壁および第1の側面部分のうちの少なくとも一方の上に提供される。加えて、または、代替として、光電子センサを収容するための第2の収容部分が、光電子センサが第2の側壁と第2の側面部分との間にクランプ締めされるように、第2の側壁および第2の側面部分のうちの少なくとも一方の上に提供される。この構成を用いると、光源および光電子センサを保持または固定するために、いかなる特別な締結構造または留め具も、必要とされない。加えて、光源と第1の孔との間の間隙および光電子センサと第2の孔との間の間隙が、減らされ、光源の利用率が、改良される。
【0018】
本願によるいくつかの例では、握持されるためのハンドルが、カバーの上部部分上に提供される。
【0019】
本願によるいくつかの例では、本体は、本体を搭載するための搭載部分であって、搭載部分は、検出部分の底部壁の少なくとも1つの端部表面から、溝の長手方向に延びている、搭載部分;および/または、サンプルパイプを収容し、保持するための保持部分をさらに含む。
【0020】
本願によるいくつかの例では、搭載部分は、留め具を受け取るための搭載孔を有する;および/または、保持部分は、サンプルパイプが締り嵌めされる収容溝を有する。
【0021】
本願によるいくつかの例では、検出回路基板は、温度センサと、光源駆動部とをさらに含み、温度センサは、周囲温度を感知するように構成され、光源駆動部は、検出された周囲温度に従って光源を駆動するための電圧または電流を決定し、出力するように構成される。本願による気泡検出デバイスは、周囲温度の影響を考慮し、したがって、検出の精度を改良することができる。
【0022】
本願によるいくつかの例では、温度センサは、周囲温度に対して感度が高い電子構成要素を含む。
【0023】
本願によるいくつかの例では、光源駆動部は、温度補償回路を含み、温度補償回路は、周囲温度に伴って変化し、温度センサからフィードバックされる順方向ブレークオーバ電圧を受け取り、順方向ブレークオーバ電圧と基準電圧との間の差異を計算し、差異および設定電圧に従って補償出力電圧を取得するように構成される。この温度補償回路を用いると、周囲温度の変化によって引き起こされる出力信号ドリフトの問題を解決することが、可能である。
【0024】
本願によるいくつかの例では、光源は、赤外光ビームを放出する光源である。
【0025】
本願の別の側面によると、上記気泡検出デバイスを含むサンプル処理計器が、提供される。したがって、サンプル処理計器も、上記気泡検出デバイスと同じ有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本願の1つ以上の実施形態の特徴および利点が、付随の図面を参照して、以下の説明においてより容易に理解される状態になるであろう。
【0027】
図1図1は、本願のある実施形態に従って提供される気泡検出デバイスの概略斜視図である。
【0028】
図2図2は、図1に示される気泡検出デバイスの概略分解図である。
【0029】
図3図3は、図1に示される気泡検出デバイスの本体の概略斜視図であり、サンプルパイプが本体内に設置されている。
【0030】
図4図4は、図1に示される気泡検出デバイスの本体の別の概略斜視図である。
【0031】
図5図5は、光路に沿った図4に示される本体の概略切断図である。
【0032】
図6図6は、図1に示される気泡検出デバイスのカバーの概略斜視図である。
【0033】
図7図7は、図6に示されるカバーの側面図である。
【0034】
図8図8は、図1に示される気泡検出デバイス内に保持されたサンプルパイプを示す概略図である。
【0035】
図9図9は、定位置に保持されるサンプルパイプを示す本願の別の実施形態による気泡検出デバイスの概略図である。
【0036】
図10図10は、本願のある実施形態による検出回路基板の検出回路の概略機能ブロック図である。
【0037】
図11図11は、本願のある実施形態による温度補償回路の概略機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以降、本願は、例示的実施形態を用いて、付随の図面を参照して、詳細に説明されるであろう。いくつかの図では、同様の参照番号は、同様の部分および構成要素を示す。本願の以下の詳細な説明は、例証の目的のためのものにすぎず、本願およびその用途または使用法を限定することを意図するものでは決してない。本明細書に説明される実施形態は、包括的ではなく、いくつかの可能な実施形態のうちの一部にすぎない。例示的実施形態は、多くの異なる形態において実装され得、本願の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は、詳細に説明されないこともある。
【0039】
以降、本願による気泡検出デバイス10の全体的構造が、図1および2を参照して説明されるであろう。本願による気泡検出デバイス10は、サンプルをサンプルコンテナから処理のための位置まで輸送するサンプル処理計器(図示せず)のサンプルパイプ内に気泡が存在するかどうかを検出するように構成される。本願による気泡検出デバイス10が任意の好適なサンプル処理計器、例えば、フローサイトメータまたは選別器に適用され得ることを理解されたい。気泡検出デバイス10は、光源から放出される光をサンプルパイプ上に照射し、サンプルパイプの他側からの透過光の強度を獲得することによって、気泡がサンプルパイプを通して流動するサンプル中に存在するかどうかを決定する。例えば、光源は、赤外光を放出し得る。例えば、光源は、LED光源として実装され得る。
【0040】
図1は、本願のある実施形態による気泡検出デバイス10の概略斜視図である。図2は、図1に示される気泡検出デバイスの概略分解図である。図1および2に示されるように、気泡検出デバイス10は、本体100と、カバー200と、検出回路基板300とを含む。カバー200は、取り外し可能な様式において本体100に取り付けられ得る。組立中、本体100は、検出回路基板300に取り付けられ、サンプルパイプPが、本体100内に設置され、最後、カバー200が、本体100に取り付けられる。図1および2の例では、本体100は、本体100のピン115をカバー200の陥凹部分215内に締り嵌めすることによって、カバー200に取り付けられる。分解中、力が、カバー200に加えられ、ピン115を陥凹部分215から外に移動させ得る。取り付けおよび取り外しの方法は、動作のための特別な器具を要求せず、従って、それは、便利かつ迅速である。
【0041】
カバー200および本体100の取り付けが、示される具体的例に限定されないことを理解されたい。例えば、カバー200は、本体100上にスナップ嵌めされ得るか、または、カバー200は、ボルト等の留め具によって本体100に取り付けられ得る。
【0042】
本願のある実施形態による気泡検出デバイス10の本体100が、図3-5を参照して下記に詳細に説明されるであろう。図3は、図1に示される気泡検出デバイス10の本体100の概略斜視図であり、サンプルパイプPが、本体100内に設置されている。図4は、図1に示される気泡検出デバイス10の本体100の別の概略斜視図である。図5は、光路に沿った図4に示される本体100の概略切断図である。
【0043】
図3-5に示されるように、本体100は、検出部分110と、搭載部分120と、保持部分130とを含む。検出部分110は、検出のための光路を提供するように構成される。搭載部分120は、本体100を搭載または取り付けるように構成される。保持部分130は、サンプルパイプPを保持し、検出部分110内に設置されるサンプルパイプが曲がることまたは移動することを防止するように構成され、それは、特に、ホースの形態にあるサンプルパイプPのために有利である。
【0044】
検出部分110は、略U字形状であり、底部壁116(図5参照)と、第1の側壁111および第2の側壁112とを含み、第1の側壁111および第2の側壁112は、それぞれ、底部壁116の2つの側面から延びている。底部壁116、第1の側壁111、および第2の側壁112は、一緒に、溝119を画定する。溝119は、サンプル処理計器のサンプルパイプPを収容するように、本体100を通して延び、すなわち、本体100の一端から他端まで延びている。サンプルパイプPの中心軸Aの方向は、溝119の長手方向である。
【0045】
溝119は、サンプルパイプPが溝119内で締り嵌めされるように、サンプルパイプPの外径よりわずかに小さいようにサイズを決定され得る。このように、サンプルパイプPは、溝119内で移動することまたは揺れ動くことを防止されることができる。検出の精度は、締り嵌めを通して、サンプル処理計器の輸送および動作中の振動に対して改良されることができる。
【0046】
第1の孔113および第2の孔114が、それぞれ、第1の側壁111および第2の側壁112上に画定され、光源310からの光がサンプルパイプPを通過することを可能にする。図2に示されるように、光源310および光電子センサ320が、検出回路基板300上に提供される。組立中、本体100は、検出回路基板300上の光源310が第1の孔113と整列させられ、光電子センサ320が第2の孔114と整列させられるように、その搭載孔121を用いて検出回路基板300上に固定される。検出中、光源310によって放出された光が、第1の孔113を通過し、サンプルパイプPの上に照射し、光電子センサ320は、第2の孔114を介して、サンプルパイプPおよびサンプルパイプPの内側のサンプルを通過する光を受け取る。光の強度が、光電子センサ320によって入手され、気泡がサンプルパイプP内に存在するかどうかを決定する。
【0047】
第1の孔113および第2の孔114は、それぞれ、溝119の長手方向に対して直角の方向に(またはそれに対して横方向に)第1の側壁111および第2の側壁112を通して延びている。第1の孔113および第2の孔114は、円形の孔の形態にあり、それぞれ、中心軸A1およびA2を有し得る。
【0048】
好ましくは、第1の孔113は、第2の孔114と整列させられ、すなわち、第1の孔113の中心軸A1は、第2の孔114の中心軸A2と一致する。好ましくは、第1の孔113の中心軸A1および第2の孔114の中心軸A2の両方は、サンプルパイプPの中心軸Aと直角に交差し得る。このように、光路を短くし、光ビームが光路に沿って伝搬するときの光の散乱を減らし、したがって、光の利用率を改良することが、可能である。加えて、構造が、小型であり、検出の精度が、改良されることができる。
【0049】
第1の孔113および第2の孔114の両方は、サンプルパイプPの流体通路の直径より大きいサイズを有し得る。第1の孔113および第2の孔114は、同じ形状と、サイズとを有し得る。第1の孔113および第2の孔114の構造が示される具体的例に限定されず、光源の構造および光電子センサの構造に従って変動させられ得ることを理解されたい。
【0050】
第1の収容部分117が、第1の側壁111の外側側面に提供され、光源310を収容し得る。第2の収容部分118が、第2の側壁112の外側側面に提供され、光電子センサ320を収容し得る。このように、カバー200が、本体100に取り付けられた後、光源310は、カバー100の(図2に示されるような)第1の側壁111と第1の側面部分211との間にクランプ締めまたは固定されることができ、光電子センサ320は、カバー100の(図2に示されるような)第2の側壁112と第2の側面部分212との間にクランプ締めされることまたは固定されることができる。
【0051】
ピン115は、それぞれ、第1の側壁111および第2の側壁112から外向きに、溝119に対して横方向の方向に延びている。ピン115は、カバー200の陥凹部分215の中への挿入を促進する円形の柱状物の形態にあり得る。ピン115は、第1の孔113(または第1の収容部分117)の両側に提供され得る。同様に、ピン115は、第2の孔114(または第2の収容部分118)の両側にも提供され得る。このように、カバー200と本体100との間により安定した取り付けを達成することが、可能である。
【0052】
搭載部分120は、検出部分110の底部壁の端部表面から、溝119の長手方向に延びている。搭載孔121が、ボルト等の留め具を受け取るための搭載部分120内に提供される。例えば、本体100は、ねじまたはボルトによって、回路基板または別の静止構造(図示せず)に据え付けられることまたは固定されることができる。
【0053】
示される例では、2つの搭載部分120が、それぞれ、検出部分110の2つの端部に提供される。本願による気泡検出デバイスが示される具体的例に限定されないことを理解されたい。例えば、溶接または接着の場合、搭載部分120は、省略され得るか、または、1つのみの搭載部分120が、要求に応じて提供され得る。例えば、搭載部分120は、第1の側壁111および第2の側壁112から横に(溝に対して横方向の方向において)延び得る。
【0054】
保持部分130は、搭載部分120の端部表面から溝119の長手方向に延びている。保持部分130は、サンプルパイプPを収容するための収容溝139を有する。サンプルパイプPは、締り嵌めされ、したがって、収容溝139内に保持される。収容溝139は、溝119と同じ構造を有し得、それは、本体の製造手順を簡略化することができる。収容溝139が、サンプルパイプPがクランプ締めまたは保持され得る限り、溝119と異なる構造を有し得ることを理解されたい。
【0055】
示される例では、1つのみの保持部分130が、提供される。図8を参照すると、あるクランプ締め点が、保持部分130によって、検出部分110の左側に提供され、別のクランプ締め点が、サンプル処理計器のピンチ弁400(または任意の他の好適なデバイス)を用いて、検出部分110の右側に提供される。保持部分130およびピンチ弁400のクランプ締めを用いると、サンプルパイプPは、検出部分110内に線形に設置されることができる。ピンチ弁400は、サンプルパイプPを収容し、保持するための収容溝419を有する。ピンチ弁400は、サンプルパイプPのオン/オフ状態を制御するように構成される。ピンチ弁400の収容溝419の上側または下側部分が、他方のものに向かって移動すると、サンプルパイプPが、クランプ締めされ、サンプルが通過することを防止する。逆に、ピンチ弁400の収容溝419の上側または下側部分が、他方のものから離れるように移動すると、サンプルパイプPが、解放され、サンプルが通過することを可能にする。
【0056】
本願による気泡検出デバイスが、示される具体的例に限定されないことを理解されたい。例えば、2つの保持部分130が、それぞれ、搭載部分120の2つの端部に提供され得る。図9に示されるように、2つの保持部分130のクランプ締めを用いると、サンプルパイプPは、検出部分110内に一直線に設置されることができる。例えば、搭載部分120の位置が、保持部分130の位置と入れ換えられ得る。例えば、搭載部分120を省略する場合、保持部分130は、検出部分110から直接延び得る。
【0057】
本願のある実施形態による気泡検出デバイス10のカバー200が、図6および7を参照して下記に詳細に説明されるであろう。図6は、図1に示される気泡検出デバイスのカバーの概略斜視図である。図7は、図6に示されるカバーの側面図である。
【0058】
図6および7に示されるように、カバー200は、略U字形状であり、上部部分216と、第1の側面部分211および第2の側面部分212とを含み、第1の側面部分211および第2の側面部分212とは、それぞれ、上部部分216の2つの側面から延びている。上部部分216は、本体100の溝119を覆うように構成されている。溝119は、カバー200によって遮蔽され得るので、自然光が検出に悪影響を及ぼすことを防止し、それによって、検出の精度を改良することが可能である。
【0059】
第1の側面部分211および第2の側面部分212は、本体100に取り付けられ、具体的に、それぞれ、本体100の第1の側壁111および第2の側壁112に取り付けられる。上で説明されるように、本体100のピン115をカバー200の陥凹部分215内に締り嵌めすることによって、本体100は、カバー200に取り付けられる。
【0060】
図7を参照すると、ピン115を受け取るための陥凹部分215は、ピン115の一部に合致する円弧区分2151と、円弧区分から外向きに延びている発放射状に広がる区分2152と、円弧区分の底部に位置するスリット2153とを含む。陥凹部分215は、釣鐘形状または漏斗形状を有する。発放射状に広がる区分2152は、ピン115の挿入を促進する。ピン115は、発放射状に広がる区分2152を通過し、円弧区分2151内に締り嵌めされる。スリット2153は、陥凹部分215の2つの側面のためのある弾性を提供し、ピン115が挿入されると、陥凹部分215の2つの側面が拡張または収縮することを可能にすることができる。陥凹部分215の数および位置は、ピン115の数および位置に対応し、それは、本明細書では詳細に説明されないであろう。
【0061】
陥凹部分215の構造が、示される具体的例に限定されず、上記機能を実現し得る任意の他の好適な構造であり得ることを理解されたい。加えて、ピン115および陥凹部分215は、入れ換え可能に配置され得、すなわち、ピン115が、カバー200上に提供され得、陥凹部分215が、本体100上に提供され得る。同様に、ピン115の構造、ピン115および陥凹部分215の位置は、上記取り付け機能が実現され得る限り、変動させられ得、示される具体的例に限定されない。
【0062】
突出部213が、カバー200の上部部分216の内側表面上に提供され、サンプルパイプPを位置決めする。カバー200が、本体100に取り付けられた後、突出部213は、サンプルパイプPに対して隣接し、サンプルパイプPの変位または振動を防止し、それによって、検出の精度を改良する。
【0063】
示される例では、突出部213は、上部部分216に沿って、上部部分の一端から他端まで延び、一定のサイズを有する。突出部213の形状、位置、および数が、示される具体的例に限定されず、本明細書に説明される機能が実現され得る限り変動させられ得ることを理解されたい。
【0064】
容易な握持のためのハンドル214が、カバー200の上部部分216上にさらに提供され得る。ハンドル214は、上部部分216から延びている接続部分2142と、接続部分2142から延びている握持部分2141とを含む。握持部分2141は、カバー200が便利に動作させられるように、例えば、取り付けられまたは取り外され得るように、オペレータのために握持することが好都合であるように構造化される。
【0065】
示される例では、ハンドル214は、上部部分216に沿って、上部部分の一端から他端まで延び、一定のサイズを有する。ハンドル214の形状、位置、および数が、示される具体的例に限定されず、本明細書に説明される機能が実現され得る限り変動させられ得ることを理解されたい。
【0066】
本願のある実施形態による検出回路基板の検出回路および検出方法が、図10および11を参照して下記に詳細に説明されるであろう。図10は、本願のある実施形態による検出回路基板の検出回路の概略機能ブロック図である。図11は、本願のある実施形態による温度補償回路の概略機能ブロック図である。
【0067】
検出回路基板300が、上で説明されるような光源310および光電子センサ320と、光源駆動部(本明細書では、駆動部とも称される)340と、温度センサ360とをその上に具備する。
【0068】
図10に示されるように、検出中、サンプルパイプPの片側(図の左側)において、光源310が、サンプルパイプPに向かって光を放出し、すなわち、サンプルパイプPを照明する。サンプルパイプPの他側(図の右側)において、光電子センサ320が、サンプルパイプPからの光を収集し、光強度信号を電気信号(例えば、検出電圧)330に変換し、気泡がサンプルパイプP内に存在するかどうかを決定するための処理および分析のために、電気信号330を対応する処理ユニットまたはコントローラ(図示せず)に出力する。
【0069】
光源310は、LED光源または任意の他の好適な光源であり得る。LED光源は、例えば、赤外光ビームを放出する光源であり得る。光電子センサ320は、光ダイオードであり得るか、または、光強度を感知することが可能である任意の他の要素であり得る。
【0070】
光源310は、駆動部340によって駆動される。駆動部340は、例えば、定電流駆動部または定電圧駆動部として実装され得る。駆動部340の駆動電圧または駆動電流が大きいほど、光源310から放出される光の強度が、より高くなり、対応して、光電子センサ320によって収集される光の強度および変換される電気信号が、より強くなる。逆に、駆動部340の駆動電圧または駆動電流が小さいほど、光源310から放出される光の強度が、より低くなり、対応して、光電子センサ320によって収集される光の強度および変換される電気信号330が、より弱くなる。
【0071】
しかしながら、検出回路は、周囲温度によって影響を及ぼされ得る。概して、周囲温度が上昇するにつれて、光源の電力が、減少させられ、検出された電気信号に下向きにドリフトさせ(すなわち、電気信号出力が、減少させられ)、それによって、気泡検出結果が不正確であるようにするであろう。逆に、周囲温度が減少するにつれて、光源の電力が、増加させられ、検出された電気信号に上向きにドリフトさせ(すなわち、電気信号出力が、増加させられ)、それによって、気泡検出結果が不正確であるようにするであろう。これに照らして、本願による検出回路は、温度センサ360によって、光源の周囲の周囲温度を検出する。
【0072】
検出された周囲温度が、温度センサ360から駆動部340にフィードされる。駆動部340は、フィードバック周囲温度に従って出力駆動電圧または駆動電流を変化させ、周囲温度によって引き起こされる電気信号の出力ドリフトを補償し、それによって、検出結果の正確性を確実にする。
【0073】
温度センサ360は、任意の温度感受性要素、例えば、温度感受性電子要素であり得る。電子要素は、例えば、ダイオードである。このように、温度センサ360は、駆動部340に電気的に接続され得る。
【0074】
駆動部340は、温度補償回路3401を含み得る。図11は、温度補償回路のある例を示す。図11に示されるように、温度補償回路3401は、温度センサ(例えば、温度感受性ダイオード)360からフィードバックされる順方向ブレークオーバ電圧Vtemp、設定電圧Vset、および基準電圧Vrefを受け取り得る。電圧補償値Δが、温度センサ360から生じる順方向ブレークオーバ電圧Vtempと基準電圧Vrefとの間の差異に従って決定される。補償値Δおよび設定電圧Vsetに基づいて、駆動電圧Vdriveが、決定され、出力されることができる。
【0075】
例えば、温度センサ360によって検出される周囲温度が上昇する場合、順方向ブレークオーバ電圧Vtempが、減少し、補償値Δが、増加し、従って、出力駆動電圧Vdriveが、それに応じて増加する。駆動電圧Vdriveは、光源310から放出される光の強度が増加し、光電子センサ320によって収集される光の強度が増加し、それによって、出力される電気信号(出力電圧)を増加させ、周囲温度によって引き起こされる下向きのドリフトを補償するように、増加する。
【0076】
温度センサ360によって検出される周囲温度が減少する場合、順方向ブレークオーバ電圧Vtempが、増加し、補償値Δが、減少し、従って、出力駆動電圧Vdriveが、それに応じて減少する。駆動電圧Vdriveは、光源310から放出される光の強度が減少し、光電子センサ320によって収集される光の強度が減少し、それによって、出力される電気信号(出力電圧)を減少させ、周囲温度によって引き起こされる上向きのドリフトを補償するように、減少する。
【0077】
上記温度補償回路は、種々の電子構成要素(ダイオード、レジスタ等)およびそれらの間の電気接続によって実現されることができ、従って、それは、より低いコストと、安定した性能とを有する。
【0078】
本願による検出回路および温度補償回路が、本明細書に説明される例に限定されず、上記機能が実現され得る限り、変動し得ることを理解されたい。
【0079】
本願の別の側面によると、上記気泡検出デバイスを含むサンプル処理計器が、提供される。したがって、サンプル処理計器は、上記気泡検出デバイスと同じ利点も有する。
【0080】
本願は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本願が、本明細書において説明および例証される具体的な実施形態に限定されないことを理解されたい。本請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、当業者は、例示的実施形態に対して種々の修正を行うことができる。矛盾が存在しない場合、種々の実施形態における特徴は、互いに組み合わせられることができる。代替として、実施形態におけるある特徴はまた、省略され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【国際調査報告】