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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ヘアケア機器
(51)【国際特許分類】
   A45D 1/00 20060101AFI20240201BHJP
   A45D 20/12 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A45D1/00 509Z
A45D20/12 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546134
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 GB2022050012
(87)【国際公開番号】W WO2022162337
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】2101265.3
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100221899
【弁理士】
【氏名又は名称】高倉 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】トーマス クリストファー パーネル
(72)【発明者】
【氏名】アイルトン ルロイド テイラー ピール
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド アンドリュー ティベッツ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン ベンジャミン コートニー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート マーク ブレット クールトン
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CH04
(57)【要約】
空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、を有するヘアケア機器、及びヘアケア機器用アタッチメントであって、アタッチメントは、空気入口と、空気出口と、を備える、アタッチメントを提供する。湾曲面は、空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側にある。ヘアケア機器又はアタッチメントは、空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側にある湾曲面を有する。ヘアケア機器又はアタッチメントは、空気出口から出る空気流が、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア機器用アタッチメントであって、前記アタッチメントは、空気入口と、空気出口と、前記空気出口に隣接し、かつ前記空気出口の下流側にある湾曲面と、を備え、前記アタッチメントは、使用時に前記空気出口から出る空気流が、毛髪を前記湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を前記湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成される、アタッチメント。
【請求項2】
前記空気出口は、140mm~450mmの範囲の開口断面積を含む、請求項1に記載のアタッチメント。
【請求項3】
前記空気出口は、70mm~90mmの範囲の幅を含む、請求項1又は2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記空気出口は、2mm~5mmの範囲の高さを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項5】
前記湾曲面は、16mm~60mmの範囲の曲率半径を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項6】
前記湾曲面は、前記空気出口から少なくとも95度の円弧長を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項7】
前記湾曲面の曲率半径と前記湾曲面の円弧長との比が、0.04~0.63の範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項8】
前記アタッチメントは、前記空気出口に隣接し、かつ前記空気出口から後方に延在する平坦面を備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項9】
前記アタッチメントは、前記湾曲面に沿って空気流を案内する案内壁のペアを備え、前記案内壁のペアは、前記湾曲面から直立している、請求項1~8のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項10】
前記空気出口は、固定空気出口を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項11】
前記アタッチメントは、中空体を備え、前記空気出口は、前記中空体に画定され、前記湾曲面は、前記中空体から外向きに突出している、請求項1~10のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項12】
前記アタッチメントは、単一の空気出口を備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項13】
前記空気出口は、前記アタッチメントの第1の側部に位置する第1の空気出口と、前記アタッチメントの前記第1の側部とは反対側の前記アタッチメントの第2の側部に位置する第2の空気出口と、を備え、前記湾曲面は、前記第1の空気出口と前記第2の空気出口の各々に隣接し、かつ前記第1の空気出口と前記第2の空気出口の各々の下流側にあり、前記アタッチメントは、前記第1の空気出口に隣接し、かつ前記第1の空気出口から後方に延在する第1の平坦面と、前記第2の空気出口に隣接し、かつ前記第2の空気出口から後方に延在する第2の平坦面と、を備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項14】
前記アタッチメントは、前記アタッチメントを、空気流が前記第1の空気出口を通過し前記第2の空気出口を通過しない第1の構成から、空気流が前記第2の空気出口を通過し前記第1の空気出口を通過しない第2の構成に切り替えるための切替機構を備える、請求項13に記載のアタッチメント。
【請求項15】
前記切替機構は、前記アタッチメントを重力の作用下で前記第1の構成と前記第2の構成との間で移動させるように作動可能である、請求項14に記載のアタッチメント。
【請求項16】
前記アタッチメントは、空気流発生器からの空気流を前記空気出口に向けて回転させるための内部バッフルを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のアタッチメント。
【請求項17】
空気入口と、空気出口と、前記空気入口から前記空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、前記空気出口に隣接し、かつ前記空気出口の下流側にある湾曲面と、を備えるヘアケア機器であって、前記ヘアケア機器は、前記空気出口から出る空気流が、毛髪を前記湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を前記湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成される、ヘアケア機器。
【請求項18】
前記ヘアケア機器は、内部に前記空気流発生器が収容されるハンドルユニットと、前記ハンドルユニットに着脱自在に取付可能なアタッチメントと、を備え、前記アタッチメントは、前記空気出口と前記湾曲面とを備える、請求項17に記載のヘアケア機器。
【請求項19】
前記ヘアケア機器は、前記空気出口における空気流が30m/s~40m/sの範囲の速度を含むように構成される、請求項17に記載のヘアケア機器。
【請求項20】
前記空気流発生器は、8L/s~14L/sの範囲の流量で空気流を発生させるように構成される、請求項17又は18に記載のヘアケア機器。
【請求項21】
前記空気流発生器によって発生する空気流の流量と前記空気出口の開口断面積との比が、0.01~0.10の範囲である、請求項17~20のいずれか一項に記載のヘアケア機器。
【請求項22】
前記湾曲面の曲率半径と前記空気出口における空気流の速度との比が、0.33~2.00の範囲である、請求項17~21のいずれか一項に記載のヘアケア機器。
【請求項23】
前記空気出口における空気流の速度と前記空気流発生器によって発生する空気流の流量との比が、2.14~5.63の範囲である、請求項17~22のいずれか一項に記載のヘアケア機器。
【請求項24】
前記ヘアケア機器は、前記空気流発生器からの空気流を前記空気出口に向けて回転させるための内部バッフルを備える、請求項17~23のいずれか一項に記載のヘアケア機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア機器、及びヘアケア機器用アタッチメントに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアケア機器は、通常、毛髪を乾燥させ、スタイリングするために使用される。ヘアケア機器を使用して毛髪をスタイリングし、滑らかな外観を作り出す場合、フライアウェイと呼ばれることもある短い毛又は折れた毛の存在が、所望の滑らかな外観に影響を与えることがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、アタッチメント用アタッチメントが提供され、アタッチメントは、空気入口と、空気出口と、空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側にある湾曲面と、を備え、アタッチメントは、使用時に空気出口から出る空気流が、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成される。
【0004】
本発明の第1の態様によるアタッチメントは、空気出口から出る空気流が、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成されるので、有利であり得る。
【0005】
特に、本出願の発明者らは、空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側に湾曲面を設けることによって、湾曲面に隣接して負圧領域が発生し、湾曲面に向かって長い毛髪が引き付けられ、毛髪との空気流相互作用によって短い毛髪も湾曲面から押し離され得ると判断した。これにより、短い毛髪が長い毛髪の間を通って、例えばユーザの頭部に面する毛髪の側面に向かって長い毛髪の間を通って押し込まれ、滑らかな仕上がりが提供される。
【0006】
使用時、空気出口から出る空気流は、湾曲面の上を流れ得る。アタッチメントは、使用時に湾曲面付近に負圧領域が発生するように構成されてもよい。湾曲面は、コアンダ面、例えば使用時にコアンダ効果の結果として空気流が付着する凸面を備えてもよい。
【0007】
空気出口は、140mm~450mmの範囲、例えば280mm~350mmの範囲の開口断面積を含んでもよい。本出願人は、このような開口断面積が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。
【0008】
空気出口は、70mm~90mmの範囲、例えば75mm~85mmの範囲の幅を含んでもよい。空気出口は、2mm~5mmの範囲の高さを含んでもよい。空気出口は、例えば空気出口から離れる空気流が概ね層状であるように、略長方形状であってもよい。
【0009】
湾曲面は、16mm~60mmの範囲の曲率半径を含んでもよい。本出願人は、このような曲率半径が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。湾曲面は、実質的に一定の曲率半径を含んでもよい。
【0010】
湾曲面は、空気出口から少なくとも95度の円弧長を含んでもよい。本出願人は、このような円弧長が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。
【0011】
湾曲面の曲率半径と湾曲面の円弧長との比は、0.04~0.63の範囲であってもよい。本出願人は、このような比が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。
【0012】
アタッチメントは、空気出口に隣接し、かつ空気出口から後方に延在する平坦面を備えてもよい。
【0013】
空気出口から後方に延在して設けられる表面が平坦でない場合、使用時にアタッチメントが毛髪に対して移動する際に、スタイリング作業中に通常起こり得るように、滑らかな仕上がりが乱される可能性がある。空気出口から後方に延在するように設けられる表面が例えばブリッスルなどの突出部を含んで粗い場合、使用時にアタッチメントが毛髪に対して移動する際に、このような粗い表面によって、空気出口からの空気流によってすでに滑らかになっている毛髪が途切れる可能性がある。空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側にある湾曲面と、空気出口に隣接し、かつ空気出口から後方に延在する平坦面とを設けることによって、使用時にアタッチメントが毛髪に対して移動する際に、毛髪の滑らかな仕上がりが作り出され、維持され得る。
【0014】
また、平坦面は、空気出口から出る空気流が上述の機能を提供できるように、アタッチメントをユーザの頭部に対して適切に位置させる案内面として作用してもよい。
【0015】
平坦面は、実質的に滑らかで途切れのない形状であってもよい。平坦面は、5mm~20mmの範囲の高さを含んでもよい。
【0016】
アタッチメントは、例えば使用時にアタッチメントが毛根から毛先まで毛髪に沿った方向に直線的に移動するように、使用時にアタッチメントが毛髪に対して移動する際に、空気出口から後方に延びる毛髪が平坦面に接触するように構成されてもよい。
【0017】
平坦面は、概ね平らな表面を含んでもよい。これは、使用時にアタッチメントが毛髪に対して移動する際に滑らかな毛髪面を保持するのに役立ち、空気出口から後方に延びる毛髪が表面によって確実に支持され得る。
【0018】
平坦面は、空気出口の平面に対して斜めに傾斜していてもよい。これにより、使用時に空気出口から後方に延びる毛髪が平坦面に接触する一方で、空気出口の下流側の毛髪が湾曲面に向かって確実に引き付けられ得る。平坦面は、空気出口に直接隣接する湾曲面の点で、湾曲面の接線方向平面に対して斜めに傾斜していてもよい。
【0019】
アタッチメントは、湾曲面に沿って空気流を案内する案内壁のペアを備えてもよく、案内壁のペアは、湾曲面から直立している。湾曲面から外向きに延在する案内壁のペアを設けることにより、使用時に周囲の空気が湾曲面に沿って流れる空気流によって発生する負圧領域に衝突することが抑制され、例えば案内壁を利用しない同様の構成と比較して、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける力が増大し得る。
【0020】
案内壁の各々は、例えば湾曲面の曲率に沿った曲率を持つような湾曲形状であってもよい。案内壁のペアの案内壁は、例えば、チャネルがそれらの間に画定され、湾曲面がチャネルのベッドを形成するように、互いに対向していてもよい。案内壁のペアは、湾曲面に沿って互いに間隔を空けて配置されていてもよく、例えば湾曲面の対向する縁部で間隔を空けて配置されていてもよい。案内壁間の間隔は、実質的に空気出口の長さに対応し得る。湾曲面は実質的に滑らかであり、案内壁のペアの間で途切れることはない。これにより、使用時に毛髪を案内壁のペアの間の湾曲面に巻き付けることができる。
【0021】
案内壁は、湾曲面から外向きに突出していてもよく、例えば案内壁と湾曲面とが単一の構成要素として一体形成されてもよい。
【0022】
案内壁のペアは、湾曲面の実質的に全長に沿って延在していてもよい。これにより、湾曲面の実質的に全長に沿って負圧領域が確実に維持され得る。
【0023】
案内壁のペアは、空気出口の高さに実質的に等しい高さを含んでもよい。これにより、使用時に空気出口を出る空気の噴流の実質的に全高に沿って負圧領域が確実に維持され得る。
【0024】
案内壁のペアは、空気出口に隣接する領域において、空気出口の高さに実質的に等しい高さを含んでもよい。本出願の発明者らは、空気出口に隣接する領域に負圧領域を維持することが、湾曲面に沿って空気流を発生させるのに有益であり、その結果、比較的長い毛髪を第1の表面に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0025】
案内壁のペアは、湾曲面の曲率半径よりも大きい曲率半径を含んでもよい。例えば、案内壁のペアは、空気出口に隣接する領域において、湾曲面の曲率半径よりも大きい曲率半径を含んでもよい。これにより案内壁のペアは、使用時に空気出口に隣接する領域において、その機能を確実に発揮し得る。
【0026】
案内壁のペアは、案内壁の長さに沿って変化する高さを含んでもよい。本出願の発明者らは、案内壁が湾曲面の特定の領域、例えば空気出口に隣接する領域において、最も衝撃を与えることを発見した。案内壁のペアは、空気出口から離れる方向に低くなる高さを含んでもよい。空気出口から離れる方向に案内壁の高さを低くすることによって、案内壁を形成するのに必要な材料が、例えば高さが一定の案内壁よりも少なくて済む場合がある。案内壁のペアは、例えば高さの階段状変化がないように、空気出口から離れる方向に徐々に低くなる高さを含んでもよい。案内壁のペアの案内壁は、各々が同じ高さを含んでもよく、案内壁間の空間を二等分する軸線を中心として実質的に対称であってもよい。
【0027】
案内壁のペアは、一定の高さを含んでもよい。これにより、湾曲面に隣接して発生する負圧領域が湾曲面の長さに沿って衝突しないことが保証され得る。
【0028】
アタッチメントは、湾曲面の端部に位置する端壁を備えてもよい。これにより、使用時にアタッチメントを保持するユーザの手に空気流が届くのが抑制され得る。
【0029】
空気出口は、固定空気出口、例えば、固定断面積、長さ及び/又は幅の空気出口を備えてもよい。これにより、アタッチメントの空気流特性が、空気流発生器によって発生する空気流の所与の流量に対して一定であることが保証され、それによって、湾曲面に沿って空気流が発生し、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を確実に発生させ得る。また、これにより、可変空気出口を持つアタッチメントと比較して、可動部品が少なく、したがって故障リスクの少ない単純なアタッチメントが提供され得る。
【0030】
アタッチメントは、空気入口と空気出口との間の流路を画定する中空体を備え、湾曲面は、中空体から外向きに延在していてもよい。湾曲面が中空体から外向きに延在しているので、中空体及び/又はアタッチメントの残りの部分は、使用時に湾曲面に巻き付けられた毛髪の領域から除去され、したがって、湾曲面の領域で行われるスタイリングプロセスを乱すことを防止し得る。
【0031】
湾曲面の曲率中心軸線は、中空体の中心軸線から変位していてもよく、例えば、中空体の中心軸線に平行で、かつ中空体の中心軸線から変位していてもよく、又は、中空体の中心軸線に直交して、かつ中空体の中心軸線から変位していてもよい。
【0032】
湾曲面は、中空体に取り付けられた第1の端部と、第1の端部とは反対側の第2の自由端部と、を備え、例えば、第2の自由端部は中空体に取り付けられていなくてもよい。第1の端部は、例えば湾曲面が空気出口の外側に延在するように、空気出口の領域において中空体に取り付けられていてもよい。湾曲面は、略円弧形状であってもよい。
【0033】
湾曲面は、実質的に滑らかで途切れのない形状であってもよい。これにより、使用時に毛髪を湾曲面に巻き付けることができる。
【0034】
湾曲面は、例えば湾曲面と中空体とが単一の構成要素として形成されるように、中空体と一体形成されてもよい。空気出口は、中空体に形成されたスロットを含んでもよい。
【0035】
アタッチメントは、単一の空気出口を備えてもよい。これにより、アタッチメントを使用して行われる滑らかにするプロセスを乱す更なる空気出口が存在しないことが保証され、空気出口から離れる空気流が、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるために必要な特性を有することが保証され得る。
【0036】
空気出口は、アタッチメントの第1の側部に位置する第1の空気出口と、アタッチメントの第1の側部とは反対側のアタッチメントの第2の側部に位置する第2の空気出口と、を備え、湾曲面は、第1の空気出口と第2の空気出口の各々に隣接し、かつ第1の空気出口と第2の空気出口の各々の下流側にあり、アタッチメントは、第1の空気出口に隣接し、かつ第1の空気出口から後方に延在する第1の平坦面と、第2の空気出口に隣接し、かつ第2の空気出口から後方に延在する第2の平坦面と、を備えてもよい。第1の空気出口及び第2の空気出口と、第1の平坦面及び第2の平坦面とを設けることにより、アタッチメントを多数の配向で使用しながら、上述の滑らかにする効果を達成することができる。
【0037】
湾曲面は、第1の空気出口と第2の空気出口との間に延在する連続面を備えてもよい。このような連続面は、アタッチメントが多数の配向で使用されるとき、毛髪の湾曲面への引き付けを容易にし得る。
【0038】
アタッチメントは、アタッチメントを、空気流が第1の空気出口を通過し第2の空気出口を通過しない第1の構成から、空気流が第2の空気出口を通過し第1の空気出口を通過しない第2の構成に切り替えるための切替機構を備えてもよい。これにより、使用時に空気流がアタッチメントの片側のみを確実に通過し得る。これにより、使用時に空気流がユーザの頭部から離れる方向に流れるのを防止し、したがって無駄な空気流が少なくなり、スタイリングがより効率的になり得る。また、これにより、使用時にスタイリングプロセスに影響を与える可能性のある、スタイリング処理の一部として使用されない空気出口からの浮遊空気流が存在しないことを保証し得る。
【0039】
切替機構は、アタッチメントを重力の作用下で第1の構成と第2の構成との間で移動させるように作動可能であってもよい。これにより、ユーザ入力を必要としない単純な切替機構が提供され、それによってユーザ体験が向上し得る。
【0040】
湾曲面の曲率中心軸線は、空気流発生器の中心軸線と実質的に一致してもよく、例えば、内部に空気流発生器が配置されるハウジングの中心軸線と実質的に一致してもよい。
【0041】
湾曲面は、例えば湾曲面が空気出口の縁部から直接延在しないように、空気出口の縁部に対して変位していてもよい。湾曲面は、空気出口の縁部から0.5mm~1.5mmだけ変位していてもよい。湾曲面は、空気出口の縁部に対して、空気出口の縁部に直交する方向に、例えば空気出口の長手方向に延在する縁部に直交する方向に変位していてもよい。
【0042】
アタッチメントは、空気流発生器からの空気流を空気出口に向けて回転させるための、例えば空気流を空気出口に向かって約90度回転させるための内部バッフルを備えてもよい。
【0043】
本発明の第2の態様によれば、空気入口と、空気出口と、空気入口から空気出口への空気流を発生させるための空気流発生器と、空気出口に隣接し、かつ空気出口の下流側にある湾曲面と、を備えるヘアケア機器が提供され、ヘアケア機器は、空気出口から出る空気流が、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させるように構成される。
【0044】
ヘアケア機器は、空気流を加熱するための加熱器を備えてもよい。これにより、スタイリングの柔軟性を高め、例えば空気流が乾燥機能を提供することができる。
【0045】
ヘアケア機器は、内部に空気流発生器が収容されるハンドルユニットと、ハンドルユニットに着脱自在に取付可能なアタッチメントと、を備え、アタッチメントは、空気出口と湾曲面とを備えてもよい。空気出口と湾曲面とを着脱自在なアタッチメントの一部として設けることにより、本明細書に記載の機能をユーザによって選択的に提供することができる。
【0046】
ヘアケア機器は、空気出口における空気流が30m/s~45m/sの範囲の速度を含むように構成されてもよい。本出願人は、このような速度が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を第1の表面に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面から押し離す第2の力も発生させること発見した。空気出口は、空気出口における空気流が30m/s~45m/sの範囲の速度を含むような形状及び寸法であってもよい。空気流発生器は、空気出口における空気流が30m/s~45m/sの範囲の速度を含むような流量で空気流を発生させるように構成されてもよい。
【0047】
空気流発生器は、8L/s~14L/sの範囲の流量で空気流を発生させるように構成されてもよい。本出願人は、このような空気流量が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を第1の表面に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0048】
空気流発生器によって発生する空気流の流量と空気出口の開口断面積との比は、0.01~0.10の範囲であってもよい。本出願人は、このような比が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。
【0049】
湾曲面の曲率半径と空気出口における空気流の速度との比は、0.33~2.00の範囲、例えば0.5~1.5の範囲であってもよい。本出願人は、このような比が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させること発見した。
【0050】
空気出口における空気流の速度と空気流発生器によって発生する空気流の流量との比は、2.14~5.63の範囲、例えば2.6~3.6の範囲であってもよい。本出願人は、このような比が湾曲面に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、毛髪を湾曲面に向かって引き付ける第1の力と、毛髪を湾曲面から押し離す第2の力と、を発生させることを発見した。
【0051】
アタッチメントが、空気流発生器からの空気流を空気出口に向けて回転させるための、例えば空気流を空気出口に向けて約90度回転させるための内部バッフルを備えるとき、これにより、空気流発生器を収容するヘアケア機器の主要部分が空気出口に対して直角に延在することができ、これは、例えば空気出口が空気流発生器を収容するヘアケア機器の主要部分と位置合わせされているヘアケア機器よりも、設計上の自由度が高くなり、人間工学的に優れている場合がある。
【0052】
本発明の態様の任意選択の構成は、適宜、本発明の他の態様にも等しく適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】本発明によるヘアケア機器を示す概略図である。
図2図1のヘアケア機器のハンドルユニットを通る概略断面図である。
図3図1のヘアケア機器用アタッチメントの第1の実施形態の概略斜視図である。
図4図3のアタッチメントの幾何学形状を示す概略図である。
図5】使用時に図3のアタッチメントを通る空気流によって生じる力を示す概略図である。
図6図3のアタッチメントの修正版の概略斜視図である。
図7図1のヘアケア機器用アタッチメントの第2の実施形態の概略斜視図である。
図8図7のアタッチメントの第1の側面図である。
図9図7のアタッチメントの第2の側面図である。
図10図7のアタッチメントの第1の構成を示す概略図である。
図11図7のアタッチメントの第2の構成を示す概略図である。
図12】本発明によるヘアケア機器の更なる実施形態の概略斜視図である。
図13図12のヘアケア機器のハンドルユニットを通る概略断面図である。
図14図12のヘアケア機器用アタッチメントの概略斜視図である。
図15図13のアタッチメントを通る概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
全体的に10で示す本発明によるヘアケア機器を図1に概略的に示す。
【0055】
ヘアケア機器10は、ハンドルユニット12と、ハンドルユニット12に着脱自在に取付可能なアタッチメント100と、を備える。
【0056】
ハンドルユニット12は、図2に概略的に見られるように、ハウジング14と、空気流発生器16と、加熱器18と、制御ユニット20と、を備える。
【0057】
ハウジング14は、管形状であり、空気流が空気流発生器16によってハウジング14内に引き込まれる空気入口22と、空気流がハウジング14から排出される空気出口24と、を備える。空気流発生器16は、ハウジング14内に収容されており、電動機28によって駆動されるインペラ26を備える。空気流発生器は、8~14L/Sの範囲、例えば10~13L/sの範囲の流量で空気流を発生させるように構成されている。適切な空気流発生器は、Dyson Technology Limited社製のDyson V9 Digital Motorである。また、加熱器18は、ハウジング14内に収容されており、任意選択的に空気流を加熱する発熱体30を含む。
【0058】
制御ユニット20は、ユーザインタフェース32及び制御モジュール34のための電子回路を備える。ユーザインタフェース32は、ハウジング14の外面に設けられ、ヘアケア機器10の電源のオン/オフ、流量(例えば、高、中、低)の選択、及び空気流温度(例えば、熱、中、冷)の選択に使用される。図1の例では、ユーザインタフェースは複数のスライドスイッチを備えるが、例えばボタン、ダイヤル又はタッチスクリーンなどの他の形態のユーザインタフェース32も想定される。
【0059】
制御モジュール34は、ユーザインタフェース32からの入力に応答して、空気流発生器16と加熱器18とを制御する役割を果たす。例えば、ユーザインタフェース32からの入力に応答して、制御モジュール34は、空気流の流量を調節するために空気流発生器16の電力又は速度を制御し、空気流の温度を調節するために加熱器18の電力を制御してもよい。
【0060】
アタッチメント100を図3図4に概略的に示す。
【0061】
アタッチメント100は、中空体102と、湾曲面104と、案内壁のペア106と、を備える。中空体102は、空気入口108と、空気出口110と、平坦面112と、複数の内部バッフル114と、を備える。
【0062】
空気入口108は、中空体102に形成された略円形の開口部を含み、空気入口108は、使用時にアタッチメント100がハンドルユニット12に取り付けられたときに、ハンドルユニット12の空気出口24からの空気流を受け取るように構成されている。空気入口108の周縁部は、アタッチメント100をハンドルユニット12に着脱自在に取り付けるための取付構成を備える。取付構成は、多くの形態をとることができ、本発明には関連しないので、簡潔にするために説明しない。
【0063】
空気出口110は、中空体110の側面に沿って長手方向に形成された略矩形のスロットを含む。空気出口110は、幅が70mm~90mmの範囲、例えば75mm~85mmの範囲であり、高さが2mm~5mmの範囲、例えば3.0mm~4.5mmの範囲である。これにより、空気出口110の全体的な開口断面積は、140mm~450mmの範囲、例えば225.0mm~382.5mmの範囲となる。
【0064】
現在好ましい実施形態では、空気出口110の幅は77mmの範囲であり、空気出口110の高さは4.5mmの範囲である。空気出口110の開口断面積は346.5mmの範囲である。本出願の発明者らは、空気出口110のこのような寸法が、以下に説明するような有利な効果を提供し得ることを発見した。
【0065】
複数の内部バッフル114は、湾曲形状であり、空気入口108から空気出口110に向かう方向に延在している。複数の内部バッフル114は、空気入口108からの空気流を空気出口110に向かう方向に回転させるように構成され、空気入口108から空気流は、空気出口110まで実質的に90度回転する。これにより、ハンドルユニット12は、空気出口110に対して直角に延在することができ、これは、例えば空気出口がヘアケア機器のハンドルユニットと位置合わせされているヘアケア機器よりも、設計上の自由度が大きくなり、人間工学的に優れている場合がある。
【0066】
平坦面112は、空気出口110の縁部から後方に延在するように、空気出口110に隣接して位置し、かつ空気出口110から後方に延在している。平坦面112は、空気出口110が配置される平面に対して、例えば3~10度の範囲の角度で斜めに傾斜している。平坦面112は、略平面形状であり、実質的に滑らかで途切れがなく、例えば、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。平坦面112は、高さが5mm~20mmの範囲である。平坦面112の機能については後述する。
【0067】
湾曲面104は、図4に概略的に示されており、空気出口110の領域において中空体102から外向きに延在しており、例えば湾曲面104の第1の縁部116が空気出口110に隣接して中空体102に取り付けられている。したがって、湾曲面104は、空気出口110に隣接し、かつ空気出口110の下流側に位置する。湾曲面102の第2の縁部118は、湾曲面104が中空体102に対して片持ち梁状であるような自由縁部である。湾曲面104の第1の縁部116は、空気出口110から湾曲面102までわずかに段差があるように、空気出口110から例えば0.5~1.5mmの範囲の距離だけわずかに変位している。いくつかの実施形態では、空気出口110から湾曲面104への段差がない場合があることが理解されよう。
【0068】
湾曲面102は、実質的に滑らかで途切れのない形状であり、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。これにより、以下に説明するアタッチメント100の機能性を高め得る。湾曲面102は、曲率半径が16mm~60mmの範囲、例えば20mm~40mmの範囲であり、円弧長が95~360度の範囲、例えば95~120度の範囲である。現在好ましい実施形態では、湾曲面102は、曲率半径が20mmの範囲であり、円弧長が110度の範囲である。本出願の発明者らは、湾曲面102のこのような幾何学的形状が、以下に説明するような有利な効果を提供し得ることを発見した。
【0069】
案内壁のペア106は、湾曲面102の対向する縁部に配置され、これらの縁部は、前述の湾曲面102の第1の縁部116と第2の縁部118とに直交している。案内壁106は、湾曲面102から直立し、湾曲面102の全円弧長に沿って延在している。案内壁106は、高さが空気出口110の高さに実質的に対応し、その長さに沿って一定である。
【0070】
使用時、アタッチメント100は、ハンドルユニット12に取り付けられる。空気流発生器16は、ハンドルユニット12の空気入口22からハンドルユニット12の空気出口24への空気流を発生させ、その結果、空気流は、ハンドルユニットの空気出口24からアタッチメント100の空気入口108へと通過する。空気流は、アタッチメントの空気入口108から中空体102を通って流れ、複数の内部バッフル114によってアタッチメント100の空気出口110に向かって回転する。空気流は、空気出口110を介して中空体102を出て、湾曲面102の上を通過する。
【0071】
本出願の発明者らは、空気流がコアンダ効果を介して湾曲面102に付着することを発見した。毛髪の束がアタッチメント100付近に運ばれたとき、束の長い毛髪は、湾曲面102の上の空気流によって発生する負圧領域の結果として、力F_PULLによって湾曲面102に引き付けられ、湾曲面102に少なくとも部分的に巻き付けられる。ただし、束を横切る圧力勾配によって、一部の空気流が束を直接通過する力F_PUSHも発生する。湾曲面102と束の残りの部分とに対するこの力の位置に起因して、短い毛髪は、長い毛髪が湾曲面102上の所定の位置に保持されるのと比較して、この時点で緩く保持されるだけである。短い毛髪は、束を通ってユーザの頭部に向かって吹き飛ばされ、一方、長い毛髪は、束の外側、すなわちユーザの頭部に向かない束の部分上の定位置に留まる。これにより、ヘアケア機器10と関連するアタッチメント100との相互作用の後に、毛髪の滑らかな仕上がりが提供される。
【0072】
上述の力の相互作用を図5に概略的に示す。
【0073】
この効果は、本明細書で説明する形状及びパラメータを適切に修正することによって最適化することができる。効果を高め得るそのようなパラメータの1つは、アタッチメント100の空気出口110における空気流の速度である。特に、速度が大きすぎると、短い毛髪が湾曲面102にくっつき、したがって長い毛髪を通って押し込まれず、一方、速度が低すぎると、第1の例では、長い毛髪を湾曲面102に引き付けるのに十分でない可能性がある。出願人は、30m/s~45m/sの範囲の速度が湾曲面102に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面102に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面102から押し離す第2の力も発生させると判断した。現在好ましい実施形態では、空気出口110における空気流の速度は、35m/sの範囲である。
【0074】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気出口110における空気流の速度と空気流発生器16によって発生する空気流の流量との比である。図3図4の実施形態では、比は2.14~5.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は2.89の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面102に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面102に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面102から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0075】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気流発生器16によって発生する空気流の流量と空気出口110の開口断面積との比である。図3図4の実施形態では、比は0.01~0.10の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.04の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面102に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面102に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面102から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0076】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る更なるパラメータは、湾曲面102の曲率半径と空気出口110における空気流の速度との比である。図3図4の実施形態では、比は0.33~2.00の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.57の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面102に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面102に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面102から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0077】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、湾曲面102の曲率半径と湾曲面102の円弧長との比である。図3図4の実施形態では、比は0.04~0.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.18の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面102に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面102に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面102から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0078】
使用時、アタッチメント100は、毛髪の束の長さに沿って、例えば束の毛根から毛先までの方向に移動することができる。平坦面112は、平坦面112が空気出口110から後方に延在する毛髪と接触する一方で、空気出口110の下流側の毛髪が湾曲面102に接触するように、湾曲面102に対して位置決めされる。前述のように、平坦面112は、実質的に滑らかで途切れのない形状であり、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。使用時にヘアケア機器10が毛髪の束の長さに沿って移動すると、平坦面112は、湾曲面102との相互作用によって滑らかになった毛髪を横切って通過する。平坦面112が滑らかで途切れのない性質であることから、平坦面112は、既に滑らかになった毛髪を乱さず、例えば空気出口110の後方にブリッスル及び/又は更なる空気出口が位置する対応するヘアケア機器よりも良好な仕上がりとなる。
【0079】
上述のように、案内壁のペア106は、湾曲面102の対向する縁部に沿って延在している。これにより空気流チャネルが効果的に作り出され、案内壁のペア106がチャネルの壁として作用し、湾曲面102がチャネルのベッドとして作用する。案内壁106は、使用時に周囲の空気が湾曲面102に沿って流れる空気流と相互作用するのを抑制し、これにより湾曲面102に沿って流れる空気流によって発生する負圧領域が維持され得る。
【0080】
図3図4には、湾曲面102に沿って一定の高さの案内壁106を有するように描かれているが、案内壁106は、空気出口110の領域において最も効果的である可能性があることが分かっている。代替実施形態では、図6に概略的に示すように、アタッチメント100は、空気出口110から離れる方向に高さが低くなる案内壁120を有する。したがって、例えば一定の高さの案内壁106よりも、案内壁120を形成するのに必要な材料が少なくて済む場合がある。
【0081】
前述の実施形態では、アタッチメントは単一の固定空気出口110を有し、これは実質的に中空体104に形成されたスロットである。
【0082】
多数の空気出口付きアタッチメント200の代替実施形態を、図7図11に概略的に示す。
【0083】
アタッチメント200は、入口バレル202と、出口本体204と、フローガイド206と、を備える。入口バレル202は、実質的に円筒形状であり、使用時にアタッチメント200がハンドルユニット12に取り付けられたときに、ハンドルユニット12の空気出口24からの空気流を受け取るように構成された空気入口208を備える。空気入口208の周縁部は、アタッチメント200をハンドルユニット12に着脱自在に取り付けるための取付構成を備える。取付構成は、多くの形態をとることができ、本発明に関連しないので、簡潔にするために説明しない。
【0084】
入口バレル202は、湾曲面210を画定する。湾曲面210は、実質的に滑らかで途切れのない形状であり、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。これにより、以下に説明するアタッチメント200の機能性を高め得る。湾曲面210は、曲率半径が16mm~60mmの範囲、例えば20mm~40mmの範囲であり、円弧長が95度~360度の範囲である。現在好ましい実施形態では、湾曲面210は、曲率半径が20mmの範囲であり、円弧長が296度の範囲である。本出願の発明者らは、湾曲面210のこのような幾何学的形状が、以下に説明するような有利な効果を提供し得ることを発見した。
【0085】
入口バレル202は、以下に説明するように、フローガイド206がその周りを枢動可能な中心枢軸線212を含む。
【0086】
出口本体204は、第1の端部分214と、第2の端部分216と、第1の端部分214と第2の端部分216との間に延在する接続部分と、を備える。第1の端部分214は、略涙滴形状であり、第1の端部分214の少なくとも一部が入口バレル202の周りに環状に延在するように、入口バレル202が貫通する開口部(図示せず)を含んでいる。
【0087】
第2の端部分216は、第1の端部分214と同じ略涙滴形状であるが、実質的に固形であり、入口バレル202のキャップを画定する。
【0088】
接続部分218は、入口バレル202の湾曲面210に沿って、第1の端部分214と第2の端部分216との頂点の間に延在している。接続部分218は、一般的な三角柱の形状である。
【0089】
接続部分218は、第1の空気出口220と、第2の空気出口222と、第1の平坦面224と、第2の平坦面226と、を有する。第1の空気出口220と第2の空気出口222は、第1の空気出口220と第2の空気出口222とが入口バレル202の対向する側部、したがってアタッチメント200の対向する側部に位置するように、接続部分218の対向する側部に位置する。入口バレル202の湾曲面210は、湾曲面210が第1の空気出口220と第2の空気出口222との間に連続的に延在するように、第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々に隣接し、かつ第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々の下流側に位置する。第1の端部分214と第2の端部分216の寸法は、湾曲面210の周縁部の周りに案内壁227が形成されるように、入口バレル202の寸法よりもわずかに大きい。
【0090】
第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々は、全体的に略長方形状である。第1の空気出口220と第2の空気出口222は、各々、幅が70mm~90mmの範囲、例えば75mm~85mmの範囲であり、高さが2mm~5mmの範囲、例えば3mm~4.5mmの範囲である。これにより、第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々の全体的な開口断面積は、140mm~450mmの範囲、例えば225mm~382.5mmの範囲となる。
【0091】
現在好ましい実施形態では、第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々の幅は、77mmの範囲であり、第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々の高さは、4.5mmの範囲である。第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々の開口断面積は、346.5mmの範囲である。本出願の発明者らは、第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々のこのような寸法が、以下に説明するような有利な効果を提供し得ることを発見した。図7図11の実施形態における第1の空気出口220と第2の空気出口222の各々は、より小さなサブ出口に分割されるが、第1の空気出口220と第2の空気出口222の全体的な寸法は、上記に記載の通りである。
【0092】
第1の平坦面224は、第1の空気出口220に隣接して位置し、かつ第1の空気出口220から後方に延在しており、一方、第2の平坦面226は、第2の空気出口222に隣接して位置し、かつ第2の空気出口222から後方に延在している。第1の平坦面224と第2の平坦面226は、第1の平坦面224と第2の平坦面226とがアタッチメント200の対向する側部に位置するように、接続部分の頂点の両側に位置する。第1の平坦面224と第2の平坦面226は、略平面形状であり、実質的に滑らかで途切れがなく、例えば、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。第1の平坦面224と第2の平坦面226は、それぞれ第1の空気出口220と第2の空気出口222とが形成される平坦面に対して斜めに傾斜している。
【0093】
接続部分218は、以下に説明するように、入口バレル202の内部と流体連通するように選択的に置かれ得る、第1の空気流チャネル228と第2の空気流チャネル230とを更に備える。
【0094】
フローガイド206は、第1の遮断面232と、第2の遮断面234と、フロースロット236と、接続アーム238と、複数の重り240と、を備える。
【0095】
第1の遮断面232と第2の遮断面234は、実質的に固形であり、それぞれ第1の空気流チャネル228と第2の空気流チャネル230とを選択的に遮断する。フロースロット236は、第1の遮断面232と第2の遮断面234との間に形成され、第1の空気流チャネル228及び第2の空気流チャネル230と入口バレル202の内部との間の流体連通を選択的に提供する。接続アーム238は、フローガイド206の上部領域と下部領域とに位置し、フローガイド206を入口バレル202の中心枢軸線212に枢動可能に接続する。第1の遮断面232と第2の遮断面234は、入口バレル202の壁に形成されたチャネル242内に摺動可能に受け入れられて、入口バレル202に対するフローガイド206の枢動運動を可能にする。複数の重り240は、第1の遮断面232と第2の遮断面234とに埋め込まれている。また、フローガイド206は、空気入口208からの空気流をフロースロット236に向けて回転させる複数の内部バッフル244を有する。
【0096】
フローガイド206は、アタッチメント200内で、図10に示す第1の構成と図11に示す第2の構成との間で移動可能である。
【0097】
第1の構成、すなわち第1の平坦面224が毛髪と接触した状態でアタッチメント200がユーザの頭部の左側に保持されている構成では、複数の重り240によって、フロースロット236が第1の空気流チャネル228と位置合わせされる一方で、第2の遮断面234が第2の空気流チャネル230と位置合わせされることが保証される。したがって、空気流は、第1の構成では第1の空気出口220から逃げることができるが、第2の空気出口222からは逃げることができない。
【0098】
第2の構成、すなわち第2の平坦面226が毛髪と接触した状態でアタッチメント200がユーザの頭部の右側に保持されている構成では、複数の重り240によって、フロースロット236が第2の空気流チャネル230と位置合わせされる一方で、第1の遮断面232が第1の空気流チャネル228と位置合わせされることが保証される。したがって、空気流は、第2の構成では第2の空気出口222から逃げることができるが、第1の空気出口220からは逃げることができない。
【0099】
したがって、アタッチメント200は、ユーザの頭部のどちら側でも容易に使用することができ、複数の重り240は、ユーザの介在を必要とせずに、フローガイド206を第1の構成と第2の構成との間で自動的に切り替えることができる切替機構を提供する。
【0100】
図3及び図4のアタッチメント100と同様に、使用時、アタッチメント200は、ハンドルユニット12に取り付けられる。空気流発生器16は、ハンドルユニット12の空気入口22からハンドルユニット12の空気出口24への空気流を発生させ、その結果、空気流は、ハンドルユニットの空気出口24からアタッチメント200の空気入口208へと通過する。空気流は、アタッチメントの空気入口208から入口バレル202を通って流れ、複数の内部バッフル244によってフロースロット236に向かって回転する。空気流は、アタッチメントが第1の構成と第2の構成のどちらにあるかに応じて、第1の空気出口220又は第2の空気出口222のいずれかを介してアタッチメントを出て、湾曲面210の上を通過する。
【0101】
本出願の発明者らは、空気流がコアンダ効果を介して湾曲面210に付着することを発見した。毛髪の束がアタッチメント200付近に運ばれたとき、束の長い毛髪は、湾曲面210の上の空気流によって発生する負圧領域の結果として、湾曲面210に引き付けられ、湾曲面210に少なくとも部分的に巻き付けられる。ただし、束を横切る圧力勾配によって、一部の空気流が束を直接通過する力も発生する。湾曲面210と束の残りの部分とに対するこの力の位置に起因して、短い毛髪は、長い毛髪が湾曲面210上の所定の位置に保持されるのと比較して、この時点で緩く保持されるだけである。短い毛髪は、束を通ってユーザの頭部に向かって吹き飛ばされ、一方、長い毛髪は、束の外側、すなわちユーザの頭部に向かない束の部分上の定位置に留まる。これにより、ヘアケア機器10と関連するアタッチメント100との相互作用の後に、毛髪の滑らかな仕上がりが提供される。
【0102】
この効果は、本明細書で説明する形状及びパラメータを適切に修正することによって最適化することができる。効果を高め得るそのようなパラメータの1つは、アタッチメント200の空気出口220、222における空気流の速度である。特に、速度が大きすぎると、短い毛髪が湾曲面210にくっつき、したがって長い毛髪を通って押し込まれず、一方、速度が低すぎると、第1の例では、長い毛髪を湾曲面210に引き付けるのに十分でない可能性がある。出願人は、30~45m/sの範囲の速度が湾曲面210に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面210に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面210から押し離す第2の力も発生させると判断した。現在好ましい実施形態では、空気出口220、222における空気流の速度は、35m/sの範囲である。
【0103】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気出口220、222における空気流の速度と空気流発生器16によって発生する空気流の流量との比である。図7図11の実施形態では、比は2.14~5.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は2.89の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面210に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面210に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面210から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0104】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気流発生器16によって発生する空気流の流量と空気出口220、222のうちの1つの開口断面積との比である。図7図11の実施形態では、比は0.01~0.10の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.04の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面210に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面210に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面210から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0105】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る更なるパラメータは、湾曲面210の曲率半径と空気出口220、222における空気流の速度との比である。図7図11の実施形態では、比は0.33~2.00の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.57の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面210に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面210に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面210から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0106】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、湾曲面210の曲率半径と湾曲面210の円弧長との比である。図7図11の実施形態では、比は0.04~0.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.07の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面210に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面210に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面210から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0107】
使用時、アタッチメント200は、毛髪の束の長さに沿って、例えば束の毛根から毛先までの方向に移動することができる。第1の平坦面224と第2の平坦面226は、平坦面224、226が空気出口220、222から後方に延在する毛髪と接触する一方で、空気出口220、222の下流側の毛髪が湾曲面210に接触するように、湾曲面210に対して位置決めされる。前述のように、平坦面224、226は、実質的に滑らかで途切れのない形状であり、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。使用時にヘアケア機器10と関連するアタッチメント100とが毛髪の束の長さに沿って移動すると、平坦面224、226は、湾曲面210との相互作用によって滑らかになった毛髪を横切って通過する。平坦面224、226が滑らかで途切れのない性質であることから、平坦面224、226は、既に滑らかになった毛髪を乱さず、例えば空気出口220、222の後方にブリッスル及び/又は更なる空気出口が位置する対応するヘアケア機器よりも良好な仕上がりとなる。
【0108】
案内壁244は、湾曲面210の対向する縁部に沿って延在している。これにより空気流チャネルが効果的に作り出され、案内壁244がチャネルの壁として作用し、湾曲面210がチャネルのベッドとして作用する。案内壁244は、使用時に周囲の空気が湾曲面210に沿って流れる空気流と相互作用するのを抑制し、これにより湾曲面210に沿って流れる空気流によって発生する負圧領域が維持され得る。
【0109】
ヘアケア機器300の代替実施形態を、図12図15に概略的に示す。
【0110】
ヘアケア機器300は、ハンドルユニット302と、アタッチメント306と、を備える。ハンドルユニット302は、ハンドル部分308と、ヘッド部分310と、空気流発生器312と、加熱器314と、を備える。
【0111】
ハンドル部分308は、略円筒形で中空形状であり、空気流発生器312を収容している。ハンドル部分308は、ハンドル部分308の第1の端部318に複数の穿孔の形態の空気入口316を有する。
【0112】
ヘッド部分310は、略円筒形で中空形状であり、ハンドル部分308の第2の端部320に配置され、ハンドル部分308の中心軸線がヘッド部分310の中心軸線と直交して、ハンドルユニット302が略T字形状になるようになっている。ヘッド部分310は、加熱器314を収容している。ヘッド部分310は、空気が取り込まれるボア322と、空気出口324と、を備える。空気出口324は、ボア322の周縁部の周りで略環状の形状である。
【0113】
アタッチメント304を図14及び図15に概略的に示す。
【0114】
アタッチメント304は、入口本体326と、湾曲面328と、案内壁330と、端壁332と、を備える。入口本体326は、略中空形状であり、ボア322に挿入するために後方に延在する突出部334と、後方に延在する突出部334の周りに延在する環状入口336と、を備える。入口本体326は、ハンドルユニット302の空気出口324からの空気流を受け取るプレナムとして作用する。入口本体306は空気出口338を備え、空気出口338は、幅に沿って高さが変化し、幅の中心点で高さがピークとなるスロットの形態をとる。空気出口338は、幅が81mmの範囲であり、高さが最小値の3mmから最大値の4mmまで変化する。空気出口338の全体的な開口断面積は、292.7mmの範囲である。
【0115】
湾曲面328は、空気出口338の領域において入口本体326から外向きに延在している。したがって、湾曲面328は、空気出口338に隣接し、かつ空気出口338の下流側に位置する。湾曲面328は、実質的に滑らかで途切れのない形状であり、その上に突出部、凹部又は開口部が形成されていない。これにより、以下に説明するアタッチメント100の機能性を高め得る。湾曲面328は、曲率半径が20mmの範囲であり、円弧長が110度の範囲である。本出願の発明者らは、湾曲面328のこのような幾何学的形状が、以下に説明するような有利な効果を提供し得ることを発見した。
【0116】
案内壁330は、湾曲面328の対向する縁部に配置されている。案内壁330は、湾曲面328から直立し、湾曲面328の全円弧長に沿って延在している。案内壁328は、高さが空気出口338の高さに実質的に対応し、その長さに沿って一定である。端壁332は、空気出口338から離れた湾曲面328の端部に位置し、案内壁330の間に延在している。端壁332は、使用時にアタッチメント304がハンドルユニット302に取り付けられているとき、空気流がハンドルユニット302のハンドル部分308に向かって進むのを防止する。
【0117】
使用時、アタッチメント304は、ハンドルユニット302に取り付けられる。空気流発生器312は、ハンドルユニット302の空気入口316からハンドルユニット302の空気出口324への空気流を発生させ、その結果、空気流は、ハンドルユニット302の空気出口324からアタッチメント304の空気入口336へと通過する。空気流は、アタッチメントの空気入口336から入口本体326を通って空気出口338に向かって流れる。空気流は、空気出口338を介してアタッチメント304を出て、湾曲面328の上を通過する。
【0118】
本出願の発明者らは、空気流がコアンダ効果を介して湾曲面328に付着することを発見した。毛髪の束がアタッチメント304付近に運ばれたとき、束の長い毛髪は、湾曲面328の上の空気流によって発生する負圧領域の結果として、湾曲面328に引き付けられ、湾曲面328に少なくとも部分的に巻き付けられる。ただし、束を横切る圧力勾配によって、一部の空気流が束を直接通過する力も発生する。湾曲面328と束の残りの部分とに対するこの力の位置に起因して、短い毛髪は、長い毛髪が湾曲面328上の所定の位置に保持されるのと比較して、この時点で緩く保持されるだけである。短い毛髪は、束を通ってユーザの頭部に向かって吹き飛ばされ、一方、長い毛髪は、束の外側、すなわちユーザの頭部に向かない束の部分上の定位置に留まる。これにより、ヘアケア機器300と関連するアタッチメント100との相互作用の後に、毛髪の滑らかな仕上がりが提供される。
【0119】
この効果は、本明細書で説明する形状及びパラメータを適切に修正することによって最適化することができる。効果を高め得るそのようなパラメータの1つは、アタッチメント304の空気出口338における空気流の速度である。特に、速度が大きすぎると、短い毛髪が湾曲面328にくっつき、したがって長い毛髪を通って押し込まれず、一方、速度が低すぎると、第1の例では、長い毛髪を湾曲面328に引き付けるのに十分でない可能性がある。出願人は、30m/s~45m/sの範囲の速度が湾曲面328に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面328に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面328から押し離す第2の力も発生させると判断した。現在好ましい実施形態では、空気出口338における空気流の速度は、43m/sの範囲である。
【0120】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気出口338における空気流の速度と空気流発生器312によって発生する空気流の流量との比である。図12~15の実施形態では、比は2.14~5.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は3.14の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面328に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面328に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面328から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0121】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、空気流発生器312によって発生する空気流の流量と空気出口338の開口断面積との比である。図12~15の実施形態では、比は0.01~0.10の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.04の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面328に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面328に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面328から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0122】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る更なるパラメータは、湾曲面328の曲率半径と空気出口338における空気流の速度との比である。図13~15の実施形態では、比は0.33~2.00の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.47の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面328に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面328に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面328から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0123】
上述の方法で毛髪を滑らかにする効果を高め得る別のパラメータは、湾曲面328の曲率半径と湾曲面328の円弧長との比である。図12~15の実施形態では、比は0.04~0.63の範囲であり、特に好ましい実施形態では、比は0.18の範囲である。本出願人は、このような比が湾曲面328に沿って空気流を発生させるのに特に効果的であり、その結果、比較的長い毛髪を湾曲面328に向かって引き付けるのに十分な第1の力を発生させる一方で、比較的短い毛髪を湾曲面328から押し離す第2の力も発生させることを発見した。
【0124】
案内壁330は、湾曲面328の対向する縁部に沿って延在している。これにより空気流チャネルが効果的に作り出され、案内壁330がチャネルの壁として作用し、湾曲面210がチャネルのベッドとして作用する。案内壁330は、使用時に周囲の空気が湾曲面328に沿って流れる空気流と相互作用するのを抑制し、これにより湾曲面328に沿って流れる空気流によって発生する負圧領域が維持され得る。
【0125】
本明細書では、着脱可能なアタッチメントを有する実施形態として説明したが、ヘアケア機器がハンドルユニットとアタッチメントとを備えるのではなく、ヘアケア機器が単一部品ユニットであり、例えば前述のハンドルユニットとアタッチメントとが組み合わされた形態をとる実施形態も想定される。
図1
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【国際調査報告】