(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ネックバンド型医療用ヘッドライトシステム
(51)【国際特許分類】
F21L 4/00 20060101AFI20240201BHJP
F21V 23/06 20060101ALI20240201BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240201BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20240201BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240201BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20240201BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240201BHJP
【FI】
F21L4/00 510
F21V23/06
F21V23/00 120
F21V23/04 300
F21V23/00 140
F21V23/04 500
F21V23/00 110
H05B47/19
H05B47/115
F21Y115:10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546222
(86)(22)【出願日】2022-01-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 KR2022001253
(87)【国際公開番号】W WO2022164161
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0013144
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523288466
【氏名又は名称】エントゥイック インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ENTWICK INC.
【住所又は居所原語表記】B-912,357,Guseong-ro,Giheung-gu Yongin-si Gyeonggi-do 16914,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジェ ジュン
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA00
3K014HA03
3K273PA09
3K273QA29
3K273QA36
3K273RA02
3K273RA15
3K273SA08
3K273SA23
3K273SA24
3K273SA32
3K273SA40
3K273SA50
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA15
3K273TA17
3K273TA37
3K273TA41
3K273TA42
3K273TA54
3K273TA62
3K273TA64
3K273TA78
3K273UA16
3K273UA29
3K273VA01
3K273VA02
3K273VA04
3K273VA08
(57)【要約】
【課題】ネックバンド型医療用ヘッドライトシステムに関するものであり、使用者がヘッドライトを迅速かつ簡便に着用して使用することができ、使用者がライティングユニットを手でタッチして作動させる必要がないようにして、各種細菌による汚染及び交差汚染のおそれを解消すること。
【解決手段】メガネ3またはヘッドセットに備えられるライティングユニット200及び拡大鏡4と、前記ライティングユニット200を制御するためのコントロールユニット100と、前記ライティングユニット200に電源を供給するためのバッテリー及び電源ケーブル5を含んでなる医療用ヘッドライトシステムにおいて、前記ライティングユニット200を制御するコントロールユニット100が、ネックバンド(Neckband)タイプで構成されて使用者の首の周囲に安着され、ペダル型無線制御ユニット300をさらに備えて、使用者が足を使用して前記ライティングユニット200をオン/オフさせる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネ(3)またはヘッドセットに備えられるライティングユニット(200)及び拡大鏡(4)と、前記ライティングユニット(200)を制御するためのコントロールユニット(100)と、前記ライティングユニット(200)に電源を供給するためのバッテリー及び電源ケーブル(5)を含んでなる医療用ヘッドライトシステムにおいて、
前記ライティングユニット(200)を制御するコントロールユニット(100)が、ネックバンド(Neckband)タイプで構成されて使用者の首の周囲に安着され、
ペダル型無線制御ユニット(300)をさらに備えて、使用者が足を使用して前記ライティングユニット(200)をオン/オフさせる
ことを特徴とするネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項2】
前記ネックバンド型コントロールユニット(100)は、
一側に備えられるメインPCB(110)と、他側に備えられる補助PCB(130)を備える
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項3】
前記コントロールユニット(100)のメインPCB(110)は、
ペダル型無線制御ユニット(300)及びスマートフォンとの無線通信のためのRFアンテナ(119)と、
使用者の誤った姿勢に対して警告音を発生させるブザー(117)を含んで構成される
請求項2に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項4】
前記コントロールユニット(100)の一側に、電源ケーブル(5)の一端が組立てられるようにするソケット型マグネットコネクタ(119)が備えられる
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項5】
前記バッテリーは、
前記ネックバンド型コントロールユニット(100)の両端にそれぞれ備えられ、
ラッチ型ロッカー(140)によってプッシュタイプでコントロールユニット(100)に装着され脱去される
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項6】
前記電源ケーブル(5)の一端に、コントロールユニット(100)のソケット型マグネットコネクタ(119)と組立てられるためのプラグ型マグネットコネクタ(119-1)が備えられ、
前記電源ケーブル(5)の他端に、ライティングユニット(200)のコネクタとの結合のためのプラグ型コネクタ(221-1)が組立てられる
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項7】
前記コントロールユニット(100)は、2つの低損失ダイオード(123)を備えて、2つのバッテリーのうち高い電圧のバッテリーを優先選択して使用する
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項8】
前記ライティングユニット(200)は、9軸センサ(223)を備えて使用者の動きを認識し、これを介してライティングユニット(200)を制御する
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項9】
前記9軸センサ(223)は、3つの加速度センサと3軸ジャイロセンサを含んで構成される
請求項8に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項10】
使用者が2~3秒以内に首を上下に2回動かす場合、ライティングユニット(200)をオンまたはオフさせる
請求項9に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項11】
使用者が2~3秒以内に首を上下1回動かし、右に首を移動した後また中央に戻る場合、ライティングユニット(200)の明るさを一段階上げる
請求項9に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項12】
使用者が2~3秒以内に首を上下1回動かし、左に首を移動した後また中央に戻る場合、ライティングユニット(200)の明るさを一段階下げる
請求項9に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項13】
使用者の首が一定角度以上過度に下げられており、このような姿勢が継続して維持される場合、コントロールユニット(100)のブザー(117)で警告する
請求項9に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項14】
前記ライティングユニット(200)は、コントロールユニット(100)のPWM制御によってオン/オフまたは明るさを調節する
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項15】
前記ヘッドライトシステムは、スマートフォンアプリと連携されて使用者の首の角度を保存し、日付別、時間別の首の疲労度を分析する
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項16】
スマートフォンアプリでコントロールユニット(100)の設定を変更することができる
請求項15に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項17】
前記ペダル型無線制御ユニット(300)は、
コントロールユニット(100)との無線通信のためのRFアンテナ(321)と、
ペダルに固有番号を設定するためのディップスイッチ(314)と、
トップカバー(318)が一定角度回動するようにするためのヒンジ(323)と、
前記トップカバー(318)を支持するスプリング(322)と、
ペダル型無線制御ユニット(300)に電源を供給するためのバッテリー(317)を含んで構成される
請求項1に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【請求項18】
前記ペダル型無線制御ユニット(300)のディップスイッチ(314)とコントロールユニット(100)のディップスイッチ(115)の固有値設定を介して、ヘッドライトシステムの誤作動を防止する
請求項17に記載のネックバンド型医療用ヘッドライトシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院の外科、歯科、耳鼻咽喉科等で患者を診療したり手術する際に使用する医療用ヘッドライトシステムに関する。さらに詳細には、手ではなく足でヘッドライトをオン/オフさせ、手を使用せず首の動きによってヘッドライトの明るさを調節できるようにすることにより、使用の便宜性を向上させると共に、細菌やウイルスの交差感染を防止できるようにしたネックバンド型医療用ヘッドライトシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院で患者の診療及び手術に使用される医療用ヘッドライト(Headlight)は、一般的にメガネまたはヘッドセットに取付けられる拡大鏡(「ルーペ」ともいう)と、光を発散するヘッドライトと、ヘッドライトを調節するためのコントローラを含んで構成される。
【0003】
上記ヘッドライトは、高い照度を有するLEDで構成され、上記コントローラはヘッドライトのオン/オフ及び明るさを調節する。
【0004】
このような医療用ヘッドライトは、大容量バッテリーとヘッドライトがケーブルで連結され大容量バッテリーを腰に着用する有線大容量バッテリー方式と、バッテリー及びコントローラを小型化してメガネに一体化させた無線小容量バッテリー方式に区分することができる。
【0005】
図1は、有線大容量バッテリー方式のヘッドライトの一例を示したもので、拡大鏡4が備えられたメガネ3にライティングユニット1が装着され、上記ライティングユニット1の前面には、ライティングユニット1から発散される光を一定領域に集めるための光学ユニット2が備えられる。
【0006】
そして上記ライティングユニット1は、ブラケット6によってメガネ3に装着される。
【0007】
また上記ライティングユニット1は、電源ケーブル5によってコントロールユニット7と連結され、上記コントロールユニット7には操作スイッチ71、大容量バッテリー72、及び制御用PCB73が備えられる。
【0008】
これにより医療陣は、上記コントロールユニット7を腰に着用した状態で、上記ライティングユニット1及び拡大鏡4を介して治療部位を明るく拡大して見ることができる。
【0009】
上記の有線高容量バッテリー方式は、バッテリーを長時間使用することができるという長所がある。
【0010】
しかし有線高容量バッテリー方式は、腰に装着するコントロールユニット7とライティングユニット1が電源ケーブル5によって連結されている。
【0011】
このため、電源ケーブル5を手術服に固定するために別途のクリップ(図示省略)や、メガネ3のフレームに電源ケーブル5を固定するためのバンドが必要であり、ヘッドライトの着用及び除去に相当な時間が所要されるという短所がある。
【0012】
またヘッドライトの使用過程において、ライティングユニットの操作ボタンを頻繁にタッチすることになるため、手術室及び診療室内の細菌やウイルスによる感染のおそれがあり、このような細菌やウイルスが第3の患者及び場所に転移する交差汚染が発生し得るという問題がある。
【0013】
一方、無線必要量バッテリー方式は、
図2に示されたように、メガネ3に小容量バッテリー8、制御用PCB、及びライティングユニット1が一体に構成される。
【0014】
上記の無線小容量バッテリー方式は、別途の電源ケーブルが不要なため、ヘッドライトの装着が簡便であるという長所がある。
【0015】
しかしバッテリーがメガネに装着される構造であるため、バッテリーの重さによって使用者の疲労感を増大させ、バッテリーの容量に限界があって2~3時間しか使用できないという短所がある。
【0016】
またライティングユニットのオン/オフ操作のために操作ボタンを頻繁にタッチすることになるため、細菌による汚染及び手術室及び診療室で交差汚染が発生する可能性が高いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためのものであって、使用者がヘッドライトを迅速かつ簡便に着用して使用することができ、ヘッドライトを長時間使用できるようにすることにその目的がある。
【0018】
本発明の他の目的は、使用者がライティングユニットを手でタッチして作動させる必要がないようにして、各種細菌による汚染及び交差汚染のおそれを解消することにある。
【0019】
本発明のまた他の目的は、使用者が手でコントロールユニットをタッチせずともヘッドライトの明るさを簡便に調節できるようにすることにある。
【0020】
本発明のまた他の目的は、使用者に首の疲労度に対する各種情報を提供できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の目的を達成するために本発明は、メガネまたはヘッドセットに備えられるライティングユニット及び拡大鏡と、前記ライティングユニットを制御するためのコントロールユニットと、前記ライティングユニットに電源を供給するためのバッテリー及び電源ケーブルを含んでなる医療用ヘッドライトシステムにおいて、前記ライティングユニットを制御するコントロールユニットが、ネックバンドタイプで構成されて使用者の首の周囲に安着され、ペダル型無線制御ユニットをさらに備えて、使用者が足を使用して前記ライティングユニットをオン/オフさせることを特徴とする。
【0022】
また前記ネックバンド型コントロールユニットは、一側に備えられるメインPCBと、他側に備えられる補助PCBを備えることを特徴とする。
【0023】
また前記コントロールユニットのメインPCBは、ペダル型無線制御ユニット及びスマートフォンとの無線通信のためのRFアンテナと、使用者の誤った姿勢に対して警告音を発生させるブザーを含んで構成されることを特徴とする。
【0024】
また前記コントロールユニットの一側に、電源ケーブルの一端が組立てられるようにするソケット型マグネットコネクタが備えられることを特徴とする。
【0025】
また前記バッテリーは、前記ネックバンド型コントロールユニットの両端にそれぞれ備えられ、ラッチ型ロッカーによってプッシュタイプでコントロールユニットに装着され脱去されることを特徴とする。
【0026】
また前記電源ケーブルの一端に、コントロールユニットのソケット型マグネットコネクタと組立てられるためのプラグ型マグネットコネクタが備えられ、前記電源ケーブルの他端に、ライティングユニットのコネクタとの結合のためのプラグ型コネクタが組立てられることを特徴とする。
【0027】
また前記コントロールユニットは、2つの低損失ダイオードを備えて、2つのバッテリーのうち高い電圧のバッテリーを優先選択して使用することを特徴とする。
【0028】
また前記ライティングユニットは、9軸センサを備えて使用者の動きを認識し、これを介してライティングユニットを制御することを特徴とする。
【0029】
また前記9軸センサは、3つの加速度センサと3軸ジャイロセンサを含んで構成されることを特徴とする。
【0030】
また使用者が2~3秒以内に首を上下に2回動かす場合、ライティングユニットをオンまたはオフさせることを特徴とする。
【0031】
また使用者が2~3秒以内に首を上下1回動かし、右に首を移動した後また中央に戻る場合、ライティングユニットの明るさを一段階上げることを特徴とする。
【0032】
また使用者が2~3秒以内に首を上下1回動かし、左に首を移動した後また中央に戻る場合、ライティングユニットの明るさを一段階下げることを特徴とする。
【0033】
また使用者の首が一定角度以上過度に下げられており、このような姿勢が継続して維持される場合、コントロールユニットのブザーで警告することを特徴とする。
【0034】
また前記ライティングユニットは、コントロールユニットのPWM制御によってオン/オフまたは明るさを調節することを特徴とする。
【0035】
また前記ヘッドライトシステムは、スマートフォンアプリと連携されて使用者の首の角度を保存し、日付別、時間別の首の疲労度を分析することを特徴とする。
【0036】
またスマートフォンアプリでコントロールユニットの設定を変更することができることを特徴とする。
【0037】
また前記ペダル型無線制御ユニットは、コントロールユニットとの無線通信のためのRFアンテナと、ペダルに固有番号を設定するためのディップスイッチと、トップカバーが一定角度回動するようにするためのヒンジと、前記トップカバーを支持するスプリングと、ペダル型無線制御ユニットに電源を供給するためのバッテリーを含んで構成されることを特徴とする。
【0038】
また前記ペダル型無線制御ユニットのディップスイッチとコントロールユニットのディップスイッチの固有値設定を介して、ヘッドライトシステムの誤作動を防止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、コントロールユニットを首の周囲にかけるネックバンドタイプで構成することにより、使用者が迅速かつ簡便に着用して使用することができる効果がある。
【0040】
またライティングユニットとコントロールユニットを連結する電源ケーブルの長さが短いため、ヘッドライトの着用時に別途のクリップやバンドを備える必要がなくなる。
【0041】
これによりヘッドライトの着用及び除去に伴う時間を短縮することができる効果がある。
【0042】
また足でペダルを踏んでライティングユニットをオン/オフさせる方式であるため、使用の便宜性を向上させることができる効果がある。
【0043】
またライティングユニットに9軸センサを適用して、使用中に首の動きの動作によってヘッドライトの明るさを調節する方式であるため、手でボタンを操作する必要がないようにする効果がある。
【0044】
また手を使用せずともコントロールユニットを操作することができるため、手術室または診療室での細菌による汚染及び交差汚染を防止できる効果がある。
【0045】
またバッテリーがコントロールユニットの両方に備えられるため、バッテリーの重さによる使用者の疲労感を減らし、ヘッドライトの使用時間を増大させることができる効果がある。
【0046】
またバッテリー電源の入力端に低損失ダイオードを備えることにより、二つのバッテリー使用による逆電流の流れを防止し、電源が高いバッテリーを優先的に使用できるようにする効果がある。
【0047】
また2つのバッテリーのうち一つを脱去してもヘッドライトを継続して使用できる効果がある。
【0048】
また各部品がモジュール化されて該当部品だけ交換して使用することができるため、維持補修が簡便になる効果がある。
【0049】
また熱緩衝PCBによって、LED PCBで発生する高温の熱がライティングユニットPCBに直接伝達されないようにする効果がある。
【0050】
また各PCBの電気的信号的伝達時に点接触方式のコネクタを使用することにより、高電力を使用するライティングユニットで熱伝導を最小化することができる効果がある。
【0051】
またコントロールユニットのPWM制御を介してライティングユニットの明るさを調節することにより、別途のロータリー式可変抵抗なしに明るさの強度を多様に具現できる効果がある。
【0052】
また使用者の首の角度が過度な場合、これを警告することにより、使用者が安定した姿勢で診療をするように誘導する効果がある。
【0053】
またヘッドライトをスマートフォンと連携させて使用することにより、使用者の首の疲労度に関する各種情報を提供することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】従来技術による有線大容量バッテリー方式のヘッドライトを示した図である。
【
図2】従来技術による無線小容量バッテリー方式のヘッドライトを示した図である。
【
図3】本発明によるヘッドライトシステムのブロック図である。
【
図4】本発明によるコントロールユニットの斜視図である。
【
図5】本発明によるコントロールユニットの内部斜視図である。
【
図6】本発明によるコントロールユニットの背面斜視図である。
【
図7】本発明によるヘッドライトの着用状態を示した図である。
【
図8】本発明によるコントロールユニットのバッテリー脱着構造を示した図である。
【
図9】本発明によるライティングユニットの斜視図である。
【
図10】本発明によるライティングユニットの分解斜視図である。
【
図11】本発明によるライティングユニットの断面図である。
【
図12】本発明によるペダル型無線制御ユニットの斜視図である。
【
図13】本発明によるペダル型無線制御ユニットの背面図である。
【
図14】本発明によるペダル型無線制御ユニットの断面図である。
【
図15】本発明によるコントロールユニットのバッテリー制御回路図である。
【
図16】本発明によるヘッドライトシステムで使用者の動きによるライティングユニットの制御方式を説明するための図である。
【
図17】本発明によるヘッドライトシステムでスマートフォンのアプリを示した図である。
【
図18】本発明によるライティングユニットに対するコントロールユニットのPWM制御方式を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
以下、
図3~
図17を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0056】
本発明による医療用ヘッドライトシステムは、
図3に示されたように、ネックバンド形態のヘッドライトコントロールユニット100と、ライティングユニット200と、ペダル型無線制御ユニット300を含んで構成される。
【0057】
まず本発明のヘッドライトコントロールユニット100について説明する。
【0058】
本発明によるネックバンド形態のヘッドライトコントロールユニット100(以下簡単に「コントロールユニット」という)は、
図4~7に示されたように、一側に備えられるメインPCBユニット110と、他側に備えられる補助PCBユニット130と、前記メインPCBユニット110と補助PCBユニット130を電気及び信号的に連結するケーブルワイヤ140と、前記部品を構造的に固定するトップカバー151と、ボトムカバー150と、弾性連結体152と、締結用ねじ153を含んで構成される。
【0059】
本発明は、前記コントロールユニット100がネックバンド(Neckband)形態で構成される。
【0060】
このためコントロールユニット100を首の周囲にかけさえずればよいため、ヘッドライトの着用が非常に簡便になる。
【0061】
前記メインPCBユニット110は、装置の全体の作動を制御するMCU112、バッテリー122、135の残量と機器の状態とを表示するLED111、使用過程で不要にボタンを押すことを防止するロックスイッチ(Lock Switch)113、ライティングユニット200の高輝度LED211の明るさを調節するアップ/ダウン(Up/Down)スイッチ114、多数のペダルから発信される信号のうち受信したいペダルの固有番号を設定できるディップスイッチ(DIP Switch)115、コントロールユニット100の全体電源をオン/オフするためのパワーボタン(Power Button)116、機器の動作状況を知らせるブザー(Buzzer)117、ライティングユニット200の9軸センサ223の値を日付別、時間別に記録するフラッシュメモリ(Flash Memory)118、ライティングユニット200と信号を連結するコネクタ(Connector)119、ペダル型無線制御ユニット300から発信される無線信号を受信しスマートフォンとの無線通信を行うRFアンテナ120、バッテリー電源の供給を受ける接触型コネクタ121、電源を供給するバッテリー122、135を含んで構成される。
【0062】
前記バッテリー122、135は、
図8に示されたように、コントロールユニット100の両端部に2つが装着され、ラッチ型ロッカー140によって脱着される。
【0063】
前記バッテリー122、135の下端は、前記ラッチ型ロッカー140によって固定できるようにバッテリーホルダー122-1に安着される。
【0064】
また前記バッテリーホルダー122-1の一側には、突起122-1が備えられ、前記ラッチ型ロッカー140に堅固に固定することができる。
【0065】
前記ラッチ型ロッカー140は、プッシュロック(Push Lock)、プッシュリリース(Push Release)方式で構成され、このために内部には圧縮スプリング141が備えられ、バッテリーの上端にはロック解除のための余裕空間が形成される。
【0066】
そしてメインPCB110に備えられるLED111は、バッテリーの残量を色によって示すようにするのが好ましい。例えばバッテリーの残量に応じて青、紫、赤の3段階で表示することができる。
【0067】
前記ブザー117は、スイッチやボタンを押すことによる設定の完了状態を多様な音源を介して使用者に知らせる。
【0068】
前記補助PCB130は、前記メインPCB110の反対側に備えられるが、スマートフォンとの連結状態を示すLED131、9軸センサの原点基準をセッティングするための補正ボタン132、特定機能のオン/オフを設定するための設定スイッチ133、バッテリー電源の供給を受ける接触型コネクタ134、電源を供給するバッテリー135を含んで構成される。
【0069】
またコントロールユニット100の背面には、
図6に示されたように、多数のペダルのうち受信したいペダルの固有番号を設定することができるディップスイッチ115が備えられる。
【0070】
前記ディップスイッチ(DIP Switch)は、多数のペダル型無線制御ユニット300が適用される場合に誤動作を防止するためのものである。
【0071】
例えば、多数のペダルユニット300のディップスイッチ314の番号を0001,0011,0111,1111等に設定し、コントロールユニット100のディップスイッチ115の番号を0001に設定したなら、コントロールユニット100は、0001番に設定されたペダルユニット300にのみ反応し、他のペダルスイッチの信号は無視する。
【0072】
上記のような番号設定によって、一つのコントロールユニット100で多数のペダルユニット300を多様な場所に分散させて使用することができる。
【0073】
また二つ以上のコントロールユニット100とペダル型無線制御ユニット300を同じ空間で使用する際に誤動作を防止することができる。
【0074】
次いで本発明のライティングユニット200を
図7、9~11を参照して説明する。
【0075】
本発明によるライティングユニット200は、メガネ3に備えられるものであって、前記コントロールユニット100と電源ケーブル5によって連結され、高照度の光を発散し使用者のジェスチャー(Gesture)を認識する機能を有する。
【0076】
前記ライティングユニット200は、光学ユニット2、高輝度LED211を制御し9軸センサを用いて使用者のジェスチャーを認識するライティングユニットPCB220、高照度の光を発散するLED211を含むLED PCB210、PCBの後面で発生する高温の熱がライティングユニットPCB220に直接伝達されず電気的信号のみ伝達されるようにする熱緩衝PCB230、及び器具カバーモジュール213、214、231、225、226を含んで構成される。
【0077】
また前記ライティングユニット200は、コントロールユニット100の制御信号の受信及び電源の供給を受けるためのソケット型コネクタ221、高輝度LED211の明るさを調節し一定に維持させるLEDドライバ224、使用者の首の角度と回転程度、動きの瞬間変動量等を測定して使用者のジェスチャー認識の機能を行う9軸センサ223、熱緩衝PCB230に電気的信号を伝達するための接触型コネクタ222を含んで構成される。
【0078】
ここで前記9軸センサは、3つの加速度センサと3つのジャイロセンサ(Gyro Sensor)を含んで構成されることが好ましい。
【0079】
前記熱緩衝PCB230は、LED PCB210とライティングユニットPCB220の中間に位置し、LED PCB210で発生する高温の熱が直接的にライティングコントロールユニットPCB220に伝達されず電気的信号のみ伝達されるようにする機能を行う。
【0080】
前記LED211としては、1W消費電力以上の高電力高輝度LEDが使用され、背面には熱緩衝PCB230との連結のための接触型コネクタ212が備えられる。
【0081】
また前記ライティングユニット200は、
図9に示されたように、電源ケーブル5によってコントロールユニット100と連結される。
【0082】
前記電源ケーブル5は、
図10に示されたように、メインPCBのコネクタ119と締結されるプラグ型コネクタ119-1と、ライティングユニットPCBのコネクタ221と締結されるプラグ型コネクタ221-1を含んで構成される。
【0083】
前記電源ケーブル5は、使用過程において断線等の問題が発生し得るが、前記コネクタによって損傷したケーブルのみを容易に交換することができる。
またコネクタを容易に脱着できるように、前記コネクタは、マグネットタイプで構成されることが好ましい。
【0084】
また本発明は、各部品がモジュール化されているため、各モジュールに不良が発生した場合は該当部品のみを交換して使用することができる。
【0085】
また各PCBの電気的、信号的伝達が点接触方式のコネクタ212、222によってなされるため、熱伝導を最小化することができる。
【0086】
次いで本発明のペダル型無線制御ユニット300について説明する。
【0087】
本発明によるペダル型無線制御ユニット300は、
図3、12~14に示されたように、使用者の押し情報を無線でコントロールユニット100に伝達するRFアンテナ311、ペダルの上側カバー318の押し情報を認識するスイッチ312、上側カバー318の押し情報を把握しペダルの固有情報を認識してペダルPCB310を制御するMCU313、多数のペダル型無線制御ユニットが互いに区分されることができるように固有の値を設定するディップスイッチ314、上側カバーが押されたこと及びRF発信状態であることを使用者に表示するLED316、ペダルPCB310に電源を供給するバッテリー317、バッテリー317の電源をペダルPCB310に連結するコネクタ315を含んで構成される。
【0088】
前記ペダル型無線制御ユニット300は、床に置いて使用し、使用者が足で上端カバー318を押すとスイッチ312が通電し、MCU313は押された状態をRFアンテナ311を介してコントロールユニット100に発信する。
【0089】
このとき、スイッチの押し情報と併せてディップスイッチ314の設定値を共に発信する。これによりコントロールユニット100は、ペダル型無線制御ユニット300と同一の設定値を有する場合にのみ作動することになる。
【0090】
使用者の足と接する上端カバー318とペダルPCBを固定する下端カバー319は、アルミニウムのような金属材質で構成されるので、RFアンテナ311の電波が妨害を受け得る。
【0091】
このため、RFアンテナ311を別途のPCBで構成してペダル型無線制御ユニット300の上端に位置させ、電波通信に問題がないプラスチックカバー320を適用することが好ましい。
【0092】
また本発明は、ペダルの押された状態を使用者に知らせるLED316とRFアンテナ311を別途のPCBで構成し、これを金属材質がないペダルの上端コーナー部位に装着する。
【0093】
そしてペダルユニットの上端カバーの押された状態を迅速に復元させるために、内部には圧縮スプリング322が備えられ、上端カバーの回転のために一側にヒンジ部材323が備えられる。また前記ペダルユニットの底部には滑り止めパッド326が備えられる。
【0094】
また
図13に示されたように、ペダルの背面には固有設定値設定のためのディップスイッチ314が備えられる。前記ディップスイッチ314によって、使用者は多様な設定値を付与することができる。
【0095】
そして本発明は、
図15に示されたように、コントロールユニット100のメインPCB110に、二つのバッテリー使用による逆電流の流れを防止するために、バッテリー電源のINPUT部位に低損失ダイオード123、136が備えられる。
【0096】
前記低損失ダイオードは、一定の方向にのみ電流が流れるようにする電気素子であって、前記低損失ダイオードによって電圧が高いバッテリーの電源を優先的に使用するようにできる。
【0097】
またいずれか一方のバッテリーを除去しても、他方のバッテリーを介して持続的に電源を供給することができる。
【0098】
また本発明は、
図18に示したように、コントロールユニットのMCU112とライティングユニットのLEDドライバ224とを電源ケーブル5を介して信号的に連結し、MCU112がPWM(Pulse Width Modulation)方式の信号変調によってLEDドライバ224を制御することができる。
【0099】
すなわちPWMの振幅周期(Duty Cycle)によってLEDドライバ224がLED211に印加される電流量を調節し、これによって明るさを調節することができる。
【0100】
上記の制御方式によって、別途のロータリー(Rotary)タイプの可変抵抗なしに高輝度LED211の明るさの強度を多様に具現することができる。
【0101】
以下、本発明によるヘッドライトシステムの使用過程を説明する。
【0102】
ヘッドライトの使用者は、
図7に示されたように、ライティングユニット200と拡大鏡4が備えられたメガネを目に着用し、コントロールユニット100を首に着用する。
【0103】
ここで前記コントロールユニット100とライティングユニット200は、有線ケーブル5によって互いに連結される。そしてペダル型無線制御ユニット300は床に位置させる。
【0104】
使用者がパワーボタン116を一定時間押すと全体システムに電源が印加され、コントロールユニット100のMCU112がライティングユニット200のLEDドライバ224を制御し、これを介して高輝度LED211に電源が印加されて光が発散される。
【0105】
次いでアップダウンスイッチを上下に移動させると、MCUはPWM信号を変調してLEDドライバ224に発信し、LEDドライバはこれを認識してLEDの明るさを調節する。
【0106】
このとき、手術や診療中に意図せず光がオフにならないように、ロックスイッチ113を用いて各種スイッチやボタンに対してロックキング設定をすることが好ましい。
【0107】
前記ライティングユニットの装着位置及び方向性は、使用者ごとに互いに異なり得る。このため、ライティングユニットPCBの9軸センサの原点も変動することになる。
【0108】
したがって使用者は、ライティングユニットをメガネに装着した後、本人の装着状態を基準として9軸センサの原点を再設定する必要がある。
【0109】
このために使用者は、補正ボタン132を一定時間押してMCU112がこのような一連の作業を行うようにする。
【0110】
また使用者は、9軸センサのジェスチャー認識、首の角度の保存、スマートフォン連結(ペアリング)等の作業の遂行を、設定スイッチ133を介して活性化または非活性化することができる。
【0111】
前記設定スイッチ133が活性化すると、9軸センサ223のジェスチャー機能が開始する。
【0112】
前記9軸センサ223は、使用者の首の角度、首の回転、瞬間移動速度等を測定してこれをMCU112に伝達する。
【0113】
そしてMCU112は、このような動きを基にライティングユニットの明るさを調節したりオン/オフさせる。
【0114】
以下
図16を参考して使用者のジェスチャーによるライティングユニットのオン/オフ及び明るさ調節過程を説明する。
【0115】
まず使用者がヘッドライトを着用した状態で2~3秒以内に首を上下に2回動かすと、ライティングユニットは交互にオン/オフされる。
【0116】
ここで使用者の首を動かす時間が一定時間を経過するか、正確な上下の動きではない場合には、これを認識しない。
【0117】
そして使用者が2~3秒以内に首を上下に1回、右に頭移動後中央に戻るジェスチャーをすると、ライティングユニットは明るさを一段階上げる。
【0118】
また2~3秒以内に首を上下に1回、左に頭移動後中央に戻るジェスチャーをすると、ライティングユニットは明るさを一段階下げる。
【0119】
またMCUは、加速度センサの首の角度情報を日付別、時間別にフラッシュメモリ118に保存し、必要時にスマートフォンAPP1001の呼出しによって該当情報を転送する。
【0120】
スマートフォンAPPでは、このような使用者の首の角度情報を基準として、長時間のうつむきによる首の疲労度を統計的に分析して使用者に提供し、適切な運動療法等の多様な情報を提供する。
【0121】
すなわち
図17に示されたように、スマートフォンアプリでは新たに開始した作業において、リアルタイムで使用者の首の角度及び危険な首の角度または警告すべき首の角度区間の使用時間を知らせることができ、日、週、月、年の統計的情報を使用者に提供することができる。
【0122】
一方、危険な首の角度区間の設定、警告発散の有無、明るさの段階等をスマートフォンAPP1001で設定し、これをRFで連結されているコントロールユニット100に適用させることができる。
【0123】
本発明によれば、コントロールユニットがネックバンドタイプで構成されるため、ヘッドライトの着用及び使用が非常に簡便になる。
【0124】
特にコントロールユニットとライティングユニットを連結する電源ケーブルの長さが短くなるため、有線バッテリー方式を採択しながらも電源ケーブルによる不便を最小化することができる。
【0125】
また手を使用せず足でライティングユニットをオン/オフさせることができ、9軸センサによって首の動きのみでライティングユニットの明るさも調節することができる。
【0126】
このため使用者が手術または診療時にヘッドライトを手で操作する必要がないため、各種細菌の汚染及び交差汚染のおそれを解消することができる。
【0127】
また2つのバッテリーを使用することにより使用時間を延ばすことができ、低損失ダイオードを備えて高い電源のバッテリーを優先的に使用することができる。
【0128】
またディップスイッチの適用により、コントロールユニットとペダル型無線制御ユニットの誤動作を防止することができる。
【0129】
またマグネットコネクタによって電源ケーブルをコントロールユニットとライティングユニットに簡便に組立てることができ、各部品をモジュール化することにより部品の交換及び維持補修が簡便になる。
【0130】
またヘッドライトをスマートフォンと連携させることにより、使用者の首の動きについての各種情報を提供することができる。
【0131】
以上は本発明の好ましい実施例を例示的に説明したものであり、本発明の範囲は上記の特定実施例に限定されない。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想の範囲を逸脱することなく多様な修正及び変更が可能であるということを理解することができる。
【国際調査報告】