(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】シート材料加工工具、シート材料加工ステーション及びシート材料加工機
(51)【国際特許分類】
B26F 1/40 20060101AFI20240201BHJP
B26F 1/44 20060101ALI20240201BHJP
B26D 7/18 20060101ALI20240201BHJP
B26D 7/26 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B26F1/40 Z
B26F1/44 G
B26F1/44 H
B26D7/18 G
B26D7/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546291
(86)(22)【出願日】2022-01-25
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2022051531
(87)【国際公開番号】W WO2022161916
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】ドゥケルヴェル アルノー
(72)【発明者】
【氏名】シャトリー パトリス
【テーマコード(参考)】
3C021
3C060
【Fターム(参考)】
3C021FD09
3C021JA09
3C060AA01
3C060BA03
3C060BB04
3C060BC07
3C060BC21
3C060BD01
3C060BE08
3C060BG16
3C060BG17
(57)【要約】
シート材料加工工具(14)、特に厚紙又は紙の加工工具が、記載される。シート材料加工工具(14)は、加工されるシート材料の加工方向(P)に対して実質的に垂直に延びる前枠部材(28)と、前枠部材(28)に対して実質的に平行に延びる後枠部材(30)と、前枠部材(28)及び後枠部材(30)の対応する第1端(28a、30a)を結合する第1横枠部材(32)と、前枠部材(28)及び後枠部材(30)の対応する第2端(28b、30b)を結合する第2横枠部材(34)と、を備える。更に、第1多目的インターフェース(54)が、シート材料を加工するための第1工具要素を搬送枠(26)に選択的に結合するために提供される。追加的に、シート材料加工ステーションが示される。シート材料加工ステーションは、支持構造を備え、シート材料加工工具(14)は支持構造に結合される。更に、そのようなシート材料加工ステーションを有するシート材料加工機が説明される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料加工工具14、特に、厚紙又は紙を加工する工具であって、
加工されるシート材料の加工方向(P)に対して実質的に垂直に延びる前枠部材(28)と、前記前枠部材(28)に対して実質的に平行に延び且つ加工方向(P)に対して実質的に垂直に延びる後枠部材(30)と、前記前枠部材(28)及び前記後枠部材(30)の対応する第1端(28a、30a)を結合する第1横枠部材(32)と、前記前枠部材(28)及び前記後枠部材(30)の対応する第2端(28b、30b)を結合する第2横枠部材(34)と、を有し、前記第2端(28b、30b)及び前記第1端(28a、30a)は、互いに反対側配置される、搬送枠(26)と、
前記シート材料を加工するための第1工具要素を前記搬送枠(26)に選択的に結合するための第1多目的インターフェース(54)と、
を備える工具。
【請求項2】
前記後枠部材(30)に対して実質的に平行に延びる後壁(36)と、前記第1横枠部材(32)に対して実質的に平行に延びる第1側壁(38)と、前記第2横枠部材(34)に対して実質的に平行に延びる第2側壁(40)と、を備え、
前記前枠部材(28)、前記後壁(36)、前記第1側壁(38)及び前記第2側壁(40)は、シート又はシートの一部が通過することができるダクト(42)を定める、
請求項1に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項3】
前記後壁(36)、前記第1側壁(38)及び前記第2側壁(40)の少なくとも1つは、前記ダクト(42)のサイズが調整可能であるように、前記搬送枠(26)内で移動可能に支持される、
請求項2に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項4】
前記後壁(36)、前記第1側壁(38)及び前記第2側壁(40)の少なくとも1つは、前記後壁(36)、前記第1側壁(38)及び前記第2側壁(40)の少なくとも1つが、電動化された方法において、前記搬送枠(26)内で調整可能であるように、各々の駆動装置(82)に結合される、
請求項3に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項5】
可撓性カバー(44)が、前記後壁(36)及び前記後枠部材(30)の間の空間が覆われるように、前記後壁(36)及び/又は前記後枠部材(30)に取り付けられる、
請求項2~4のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項6】
前記シート材料を加工するための第2工具要素を前記搬送枠(26)に選択的に結合するための第2多目的インターフェース(56)を備える、
請求項1~5のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項7】
前記第2多目的インターフェース(56)は、前記後壁(36)上に配置される、
請求項6及び請求項2~5のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項8】
前記第1多目的インターフェース(54)は、前記前枠部材(28)上に提供される、
請求項1~7のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項9】
前記第1工具要素は、加工されるシートを切断するための切断部材(68)であり、前記第1工具要素は、前記第1多目的インターフェース(54)を介して前記搬送枠(26)に結合される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項10】
前記第2工具要素は、加工されるシートを支持及び/又は案内するためのシート支持部材(74)であり、前記第2工具要素は、前記第2多目的インターフェース(56)を介して前記搬送枠(26)に結合される、
請求項1~9のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項11】
前記第1工具要素及び前記第2工具要素は、打抜きアセンブリ(24)によって構成され、前記打抜きアセンブリ(24)は、第1多目的インターフェース(54)及び第2多目的インターフェース(56)を介して前記搬送枠26に結合される、
請求項1~8のいずれか1項に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項12】
前記打抜きアセンブリ(24)は、前記打抜きアセンブリ(24)の加工面を、加工されるシートから取り除かれるブランクに各々対応する少なくとも2つの区画に分離する、少なくとも1つの分離バー(50、52)を備える、
請求項11に記載の前記シート材料加工工具(14)。
【請求項13】
支持構造(18)を備え、請求項1~12のいずれかに記載の前記シート材料加工工具(14)は、前記支持構造(18)に結合される、
ことを特徴とするシート材料加工ステーション(12)。
【請求項14】
前記シート材料加工工具(14)は、少なくとも1つのリニアベアリング手段(20a、20b)を介して前記支持構造(18)内に支持され、前記シート材料加工工具(14)は、前記シート材料加工工具(14)がシート材料の加工に少なくとも寄与するように構成される操作位置、又は前記シート材料加工工具(14)が前記支持構造(18)から突き出る延伸位置に選択的に配置されることができる。
請求項13に記載のシート材料加工ステーション(12)。
【請求項15】
請求項13又は14に記載のシート材料加工ステーション(12)を備える、特にシート材料切断機であるシート材料加工機(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材料加工工具に関し、特に、厚紙又は紙の加工工具に関する。シート材料加工工具は、搬送枠を備え、搬送枠は、加工されるシート材料の加工方向に対して実質的に垂直に延びる前枠部材と、前枠部材に対して実質的に平行で且つ加工方向に対して実質的に垂直に延びる後枠部材と、前枠部材及び後枠部材の対応する第1端を結合する第1横枠部材と、前枠部材及び後枠部材の対応する第2端を結合する第2横枠部材と、を有し、第2端及び第1端はお互いに対して反対側に配置される。
【0002】
本発明は、支持構造を備えるシート材料加工ステーションにさらに関連し、そのようなシート材料加工工具が支持構造に結合される。
【0003】
更に、本発明は、そのようなシート材料加工ステーションを備えるシート材料加工機、特にシート材料切断機向けられる。
【背景技術】
【0004】
上述の構成を有するシート材料加工工具は、当技術分野で公知である。同じことが、そのような工具を備えたシート材料加工ステーション及び対応するシート材料加工機にも当てはまる。
【0005】
公知の工具は例えば、いわゆる打ち抜き工具として構成されてもよく、すなわち、工具は、レイアウトと呼ばれる、シート材料の実際に所望の部分を、厳密に言うとシート材料から製造される製品部分ではない残りの部分から、分離するように構成される。後者の部分は廃棄部分と呼ばれてもよい。
【0006】
代替的に、公知の工具はいわゆるフルシート工具であってもよく、すなわち、工具は、シート材料の前部分を切り落とすように構成され、残りの部分は、所望の部分、すなわち、レイアウトと、レイアウトを囲む残りの部分との両方を備える。この場合、レイアウトは、更なる加工ステップで残りの部分から分離される。
【0007】
シート材料は、連続した巻き取り紙又は分離した、すなわち、不連続のシートの形を有してもよい。
【0008】
シート材料の例は、紙、厚紙又はポリマーである。
【0009】
公知のツールは、対応する仕事又は作業を行うように特別に設計されるので、効率的な方法でそれらを行うことができる。
【0010】
さらに、異なるシート材料加工作業は、対応するシート材料加工ステーション又はシート材料加工機内で、異なる工具及び/又は工具の異なる配置を必要とすることが知られている。
【0011】
結果として、頻繁な作業変更は、作業を行うために使用されるシート材料加工ステーション及びシート材料加工機の再構成に関する比較的高い労力につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
これらの理由のため、本発明によって解決される問題は、作業変更の場面における、シート材料加工ステーションとシート材料加工機を再構成するための労力を減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、上述のタイプのシート材料加工工具によって解決され、シート材料加工工具は、シート材料を加工するための第1工具要素を搬送枠へ選択的に結合するための、第1多目的インターフェースを備える。かくして、シート材料加工工具は、異なる第1工具要素を備えてもよく、そのすべてが第1多目的インターフェースを介して搬送枠へ結合されてもよい。結果として、シート材料加工工具は、異なる仕事又は作業を行うために、容易に且つ迅速に再構成され得る。そのような再構成を行うための労力は、第1工具要素の交換を必要とするだけなので、すなわち、残りの部品はそのままであるので、かなり少ない。そのようなシート材料加工工具もまた、とても柔軟で又はモジュール式であるとして、記載され得る。この意味において、多目的インターフェースは、異なる第1工具要素が搬送枠に結合されるインターフェースとして理解されるべきである。換言すると、多目的インターフェースは、或る汎用性を有する。その結果として、工具の2つの特定のパーツの結合のために具体的に適合された公知の工具のインターフェースは、多目的インターフェースではない。
【0014】
本発明によるシート材料加工工具の搬送枠は、異なる第1工具要素がその上に取り付けられてもよいので、工具ベース又はベース工具と呼ばれてもよい。
【0015】
この意味において、第1工具要素はまた、付属品又は延長工具と呼ばれてもよい。
【0016】
一実施形態によると、シート材料加工工具は、後枠部材に実質的に平行に延びる後壁と、第1横枠部材に実質的に平行に延びる第1側壁と、第2横枠部材に実質的に平行に延びる第2側壁と、を備える。前枠部材、後壁、第1側壁及び第2側壁は、シート又はシートの一部分が通過することができるダクトを定める。この意味において、壁は、枠部材から分離されるパーツとして理解されるべきである。ダクトは、シート又はその部分が、シート材料加工工具によって加工された後に通過するように更に構成される。換言すると、最後又は中間の製品はダクトを通るように方向づけられる一方、シートの潜在的残留部分、例えば、廃棄部分は、異なる経路に沿って、シート材料加工工具から回収されてもよい。そのようなシート材料加工工具はコンパクトである。製品又は中間の製品と廃棄部分との経路の明確な分離は、工具が高い速度で作動するように適合されるという事実を追加的にもたらす。
【0017】
後壁、第1側壁及び第2側壁の少なくとも1つは、ダクトのサイズが調整可能であるように、搬送枠内で移動可能に支持されてもよい。従って、ダクトは、そこを通過する製品又は中間の製品の異なるサイズに適合され得る。かくして、製品又は中間の製品は、ダクトを通る途中で正確に案内されることができる。これは、ダクトを出るときに製品又は中間の製品を正確に位置決めする可能性につながる。
【0018】
好ましくは、後壁、第1側壁及び第2側壁の少なくとも1つは、後壁、第1側壁及び第2側壁の少なくとも1つが、電動化された方法で搬送枠内において調整可能であるように、各駆動装置に結合される。換言すると、壁によって形成されるダクトのサイズが、自動的に調整され得る。その結果として、ダクトは、正確且つ迅速に調整されることができる。
【0019】
変形例において、可撓性カバーが、後壁及び後枠部材の間の空間が覆われるように、後壁及び/又は後枠部材に取り付けられる。可撓性カバーは、空間又は空間に存在する要素と加工されるシート材料とのいかなる種類の干渉をも防ぐ。従って、シート材料加工工具は、信頼性のある方法で動作できる。カバーが可撓性であるので、その機能性は、空間の大きさ、すなわち、変化することがある後枠部材からの後壁の距離から独立している。
【0020】
更に、第2多目的インターフェースが、シート材料を加工するための第2工具要素を搬送枠へ選択的に結合するために設けられてもよい。シート材料加工工具は、従って、第2多目的インターフェースを介して搬送枠に結合される異なる第2工具要素に設けられてもよい。そうするにあたり、シート材料加工工具は、異なる仕事又は作業を行うために迅速に且つ容易に再構成され得る。そのような構成又は再構成を行うための労力は、第2工具要素が交換される必要があるだけなので、すなわち、シート材料加工工具の残りの部品はそのままであるので、非常に少ない。シート材料加工工具もまた、第2多目的インターフェースに対して、柔軟で又はモジュール式である。ここでもう一度、多目的インターフェースは、異なる第2工具要素が搬送枠に結合されるインターフェースとして理解されるべきである。換言すると、多目的インターフェースは或る汎用性を有する。その結果として、工具の2つの特定のパーツの結合のために具体的に適合される公知の工具のインターフェースは多目的インターフェースではない。
【0021】
第1工具要素に従って、第2工具要素もまた、付属品又は延長工具と呼ばれてもよい。
【0022】
第2多目的インターフェースは、後壁上に配置されてもよい。かくして、第2工具要素は、安定して信頼性のある方法で取り付けられてもよい。後壁が移動可能である場合、第2多目的インターフェースもまた、移動可能である。
【0023】
第1多目的インターフェースは、前枠部材上に設けられてもよい。かくして、第1工具要素は、安定して信頼性のある方法で、枠材上に取り付けられてもよい。
【0024】
代替例として、第1工具要素は、加工されるシートを切断するための切断部材であり、第1工具要素は、第1多目的インターフェースを介して搬送枠へ結合される。例えば、切断部材は、グリッパーバーによって保持されるシートの前部分を切り落とすために使用されてもよい。
【0025】
代替的にまたは追加的に、第2工具要素は、加工されるシートを支持及び/又は案内するためのシート支持部材であり、第2工具要素は、第2多目的インターフェースを介して搬送枠へ結合される。
【0026】
切断部材である第1工具要素及びシート支持部材である第2工具要素を備える工具は、フルシート工具と呼ばれてもよい。そのような工具は、シートの前部分を切り落とすために適合され、残りの部分は、レイアウト部分と廃棄部分の両方を備える。レイアウト部分は、その後の加工ステップにおいて、廃棄部分から分離される。
【0027】
更なる代替例では、第1工具要素及び第2工具要素は、打抜きアセンブリによって構成され、打抜きアセンブリは、第1多目的インターフェース及び第2多目的インターフェースを介して搬送枠へ結合される。従って、シート材料加工工具は、打抜き工具である。この意味において、側壁及び後壁は、打抜きアセンブリのために必要な空間を提供するために、特定の例えば、格納された、位置にあってもよい。
【0028】
打抜きアセンブリは、打抜きアセンブリの加工面を、加工されるシートから取り除かれるブランクにそれぞれ対応する少なくとも2つのセクションに分離する少なくとも1つの分離バーを備えてもよい。従って、打抜きアセンブリは、1つより多いレイアウトを備えるシートを加工するように適合される。
【0029】
打抜きアセンブリによって構成される第1工具要素及び第2工具要素を備えた工具が、打抜き工具と呼ばれてもよい。
【0030】
従って、本発明によるシート材料加工工具もまた、組み合わされたフルシート及び打抜き工具と呼ばれてもよい。
【0031】
更に、本発明によるシート材料加工工具、切断部材、シート支持部材、及び打抜きアセンブリは、異なる工具、例えば、打抜き工具及びフルシート工具、を生成するために使用されてもよいキットを形成する。
【0032】
本課題は、上述の種類のシート材料加工ステーションによって追加的に解決され、本発明によるシート材料加工工具は、支持構造に結合される。そのようなシート材料加工ステーションは、非常に少ない労力で特定の加工ステップへと、容易に且つ迅速に再構成されることができる。
【0033】
シート材料加工ステーションもまた、更なる工具を備えてもよく、シート材料加工工具は、シートを加工するために更なる工具と相互作用できるように、支持構造内に配置されてもよい。この場面において、シート材料加工工具は、下部工具であってもよく、更なる工具は、下部工具と相互作用する上部工具であってもよい。
【0034】
更に、シート材料加工ステーションは、シート材料加工工具の下に提供されるシートパイル支持ユニットを有してもよい。シートパイル支持ユニットは、シート材料加工工具のダクトを通過したシートを受け取り、支持するように適合される。
【0035】
一実施形態によると、シート材料加工工具が、シート材料加工工具がシート材料の加工に少なくとも寄与するように構成される操作位置、又はシート材料加工工具が支持構造から突き出る延伸位置に、選択的に配置されるように、シート材料加工工具は、少なくとも1つのリニアベアリング手段を介して、支持構造内に支持される。好ましくは、操作位置と延伸位置の間の方向は、加工方向に対して横向きになり、すなわち、シート材料加工工具は、シート材料加工ステーションの側面において突き出てもよい。かくして、シート材料加工ステーションは、その再構成のため、すなわち、第1及び第2工具要素の取付け又は取外しのため、にシート材料加工工具への十分なアクセスを提供する。リニアベアリング手段を使用して、シート材料加工工具は、引き出し状の方法で、操作位置から延伸位置へ移動されてもよい。同じことが、延伸位置から操作位置への移動に適用される。
【0036】
一実施形態によると、シート材料加工ステーションは、その延伸位置において、シート材料加工工具を支持するように構成される少なくとも1つの支持アームを備える。随意的に、支持アームは、使用されていないとき、格納位置へ移動され得るように、回転自在に支持される。対応する回転軸が、実質的に垂直方向にのびてもよい。
【0037】
そのうえ、シート材料加工工具と関連して説明されてきた、全ての効果及び利点もまた、シート材料加工ステーションに適用され、逆もまた同様である。
【0038】
本課題もまた、本発明によるシート材料加工ステーションを備える、上述の種類のシート材料加工機によって解決される。シート材料加工機は、例えば、ダイカットマシンである。シート材料加工工具又はシート材料加工ステーションに関連して説明されてきた、全ての効果及び利点もまた、シート材料加工機に適用され、逆もまた同様である。
【0039】
以下、添付図面に示す実施形態を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図1】打抜き工具として構成される本発明によるシート材料加工工具を備えた、本発明によるシート材料加工ステーションを有する、本発明によるシート材料加工機の一部分を示す。
【
図3】
図2のシート材料加工工具を異なる視点から示す。
【
図4】打抜きアセンブリが回収された、
図3のシート材料加工工具を示す。
【
図6】
図2及び3のシート材料加工工具を更なる視点から示す。
【
図7】
図6のシート材料加工工具の詳細VIIを示す。
【
図8】フルシート工具として構成される、本発明によるシート材料加工工具を示す。
【
図9】
図8のシート材料加工工具の詳細IXを示す。
【
図10】
図8のシート材料加工工具の詳細Xを示す。
【
図11】異なるサイズのシートに適合される、
図8のシート材料加工工具を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1は、示された例ではダイカットマシンである、シート材料加工機10を示す。シート材料加工機10は、厚紙を加工するように構成される。
【0042】
シート材料加工機10は、とりわけ、以下でより詳細に説明されるシート材料加工ステーション12備える。
【0043】
シート材料加工機10の他のシート材料加工ステーションは、例えば、シート材料受け取りステーション及びシート材料切断ステーションである。
【0044】
図1に示される実施形態において、シート材料加工ステーション12は、打抜きステーション、すなわち、レイアウトがシート材料から分離されスタックの上に置かれるステーション、として構成される。
【0045】
このため、シート材料加工ステーション12は、図示の例において、厚紙用の打抜き工具として構成されるシート材料加工工具14を備える。
【0046】
より正確には、シート材料加工工具14は、一般的に公知の方法で、下部工具として構成され、且つ上部工具16と相互作用するように構成される。
【0047】
シート材料加工ステーション12は、支持構造18を備える。
【0048】
シート材料加工工具14は、2つのリニアベアリング手段20a、20bを介して、支持構造18上に支持される。
【0049】
従って、シート材料加工工具14は、引き出し状の方法で、支持構造18上に、又はシート材料加工ステーション12内でスライド可能に支持される。
【0050】
この意味において、シート材料加工工具14は、
図1に表される延伸位置に選択的に配置されてもよい。この位置において、シート材料加工工具14は、支持構造18から横方向に突き出す。
【0051】
代替的に、シート材料加工工具14は、操作位置に選択的に配置されてもよく、操作位置においてシート材料加工工具14は、シート材料の加工に少なくとも寄与するように構成される。この位置において、シート材料加工工具14は、工具14、16が相互作用できるように、上部工具16の下でシート材料加工ステーション12内に配置される。
【0052】
シート材料加工機10の加工方向Pに関して、シート材料加工工具14は、横方向にスライド可能である。
【0053】
リニアベアリング手段20aは、かくして、加工方向Pに関する後部ベアリング手段であり、リニアベアリング手段20bは前部ベアリング手段である。
【0054】
シート材料加工工具14は、
図2においてより詳細に見られ、また、リニアベアリング手段20a、20bは、シート材料加工工具14の部分を構成しないが表されている。
【0055】
シート材料加工工具は、一般的に、そこへ結合される工具ベース22及び打抜きアセンブリ24で構成される。
【0056】
工具ベース22は、加工方向Pに実質的に垂直に延びる前枠部材28と、前枠部材28に実質的に平行に且つ加工方向Pに実質的に垂直に延びる後枠部材30と、を有する搬送枠26を備える。
【0057】
更に、搬送枠26は、前枠部材28及び後枠部材30の対応する第1端28a、30aを結合する第1横枠部材32と、前枠部材28及び後枠部材30の対応する第2端28b、30bを結合する第2横枠部材34と、を備える。
【0058】
第2端28b、30b及び第1端28a、30aは互いに反対側に配置される。
【0059】
シート材料加工工具14は、後枠部材30に対して実質的に平行に延び且つ搬送枠26上に移動可能に配置される後壁36を追加的に備える。
【0060】
更に、シート材料加工工具14は、第1横枠部材32に対して実質的に平行に延び且つ搬送枠26上に移動可能に配置される第1側壁38を有する。
【0061】
更に、第2側壁40が、第2横枠部材34に対して実質的に平行に延び、且つ搬送枠26上に移動可能に配置されるように設けられる。
【0062】
前枠部材28と、後壁36と、第1側壁38と、第2側壁40とは、シート又はシートの部分が通過することができるダクト42を定める。
【0063】
後壁36、第1側壁38及び第2側壁40が搬送枠26上に移動可能に配置されるという事実により、ダクト42のサイズは調整可能である。
【0064】
追加的に、後壁36、第1側壁38及び第2側壁40は、電動化された方法で搬送枠26内において調整可能である。
【0065】
このため、それらは、各駆動装置へ結合されるが、
図1~7では表されず後に説明される。
【0066】
シート材料加工工具14は、また、後壁36及び後枠部材30の間の空間が覆われるように、後壁36及び後枠部材30に取り付けられる可撓性カバー44を備える。
【0067】
打抜きアセンブリ24は、実質的に長方形の開口部48を画定する打抜きアセンブリ枠46を本質的に備える。
【0068】
更に、打抜きアセンブリ24は、開口部48を4つの打抜き部分にさらに分ける2つの分離バー50、52を有する。
【0069】
分離バー50は、加工方向Pに対して平行方向に実質的に延びる。分離パー50は、開口部48を実質的に同じサイズで半分に分割する。
【0070】
分離バー52は、加工方向Pに対して実質的に横方向に向けられる。分離バー52は、また、開口部48を実質的に同じサイズで半分に分割する。
【0071】
そうすることにより、打抜きアセンブリ24の加工面は、加工されるシートから取り除かれるブランクに各々対応する4区画に分離される。
【0072】
図3及び
図4の組み合わせから特に視認できるように、打抜きアセンブリ24は、第1多目的インターフェース54及び第2多目的インターフェース56を介して、搬送枠26に結合される。
【0073】
一般的に言うと、第1多目的インターフェース54は、搬送枠26に第1工具要素を選択的に結合するように構成される。
【0074】
第2多目的インターフェース56は、搬送枠26に第2工具要素を選択的に結合するように構成される。
【0075】
従って、図示の例において、第1工具要素及び第2工具要素は、打抜きアセンブリ24によって構成される。
【0076】
第1多目的インターフェース54は、前枠部材28上に設けられる。
【0077】
第2多目的インターフェース56は、後壁36上に配置される。
【0078】
打抜きアセンブリ24を搬送枠26又は工具ベース22に結合するために、第1多目的インターフェース54は、打抜きアセンブリ枠46の前部が垂直方向に支持される第1支持表面58を備える(特に
図4,6及び7に図示)。
【0079】
更に、当接面60が、打抜きアセンブリ枠46が加工方向Pに対して実質的に平行に向けられた水平方向に当接する、第1多目的インターフェース54の一部として提供される(特に
図6及び7に図示)。
【0080】
追加的に、センタリング突出部62が、加工方向Pに対して横方向に沿って打抜きアセンブリ24をセンタリングするために当接面60上に提供される(特に
図6及び7に図示)。
【0081】
打抜きアセンブリ24の取り付け状態において、センタリング突出部62は、打抜きアセンブリ24上に、より正確には打抜きアセンブリ枠46上に提供されたセンタリング凹部に係合する(図示せず)。
【0082】
更に、第1多目的インターフェース54は、当接面60上に配置された2つの開口部64a、64bを備える(特に
図6及び7に図示)。
【0083】
開口部64a、64bは、加工方向に対して実質的に平行な方向に打抜きアセンブリ枠46から延びる、対応する取付けピン(図示せず)を受け取るように構成される。
【0084】
その後端において、すなわち、加工方向Pに対して打抜きアセンブリ枠46の終わりにおいて、打抜きアセンブリ枠46の全幅にわたって実質的に延びる突出部(図示せず)が設けられる。
【0085】
この突出部は、第2多目的インターフェースの対応するスロット66内において受け取られる(
図4及び5参照)。
【0086】
スロット66は後壁36に位置し、スロット66の開口部は加工方向Pに向けられている。
【0087】
図示の例において、打抜きアセンブリ枠46上の突出部は、実質的に楔形断面を有する。同じことが、突出部が打抜きアセンブリ24の取り付け状態において延びるスロット66にも当てはまる。
【0088】
かくして、打抜きアセンブリ24が取り付けられていない状態から始まり、打抜きアセンブリ24が前枠部材28と後壁36の間に挿入され、打抜きアセンブリ枠46のピンが対応する開口部64a、64bへ挿入されるように、後壁36は、後枠部材30に十分に近い位置、又は前枠部材28から十分に間隔が空いた位置へ移動される必要がある。
【0089】
その後、楔形突出部は、実質的にスロット66の前に位置するように方向付けられる。それから、後壁36は、突出部がスロット66によって係合され、ピンが対応する開口部64a、64bに押し込まれるように、打抜きアセンブリ枠46に向かって移動される。
【0090】
その結果として、打抜きアセンブリ24は、搬送枠26又は工具ベース22上に固定的に保持される。更に、打ち抜きアセンブリ24は、当接面60に対して当接することによって加工方向Pに正確に位置決めされる。
【0091】
横方向に関しては、打ち抜きアセンブリ24は、センタリング突出部62の係合によって、正確に位置決めされる。
【0092】
垂直方向において、打抜きアセンブリ24は、支持表面58に対して当接することによって正確に位置決めされる。
【0093】
さらに、後壁36の位置を検知するセンサを備えることができる。
【0094】
そのようなセンサを使用して、打抜きアセンブリ24の正確な取付けは、後壁36の所定の位置が検知されるかどうかで導き出されてもよい。センサは近接センサであってもよい。
【0095】
シート材料加工工具14の代替的な構成は、
図8~10に関連して説明される。
【0096】
この代替例において、シート材料加工工具14は、いわゆるフルシート工具として構成される。そのような工具内で、レイアウトはシート材料内に残り、レイアウトのあるシート材料の部分は、工具のダクト42の下のスタックに置かれる。
【0097】
フルシート工具としての構成において、シート材料加工工具14は、シート材料の前部分を切り落とすように構成される切断部材68を備え、特に、前部分は、シート材料加工機10を通るシート材料を運ぶためのグリッパアセンブリによって保持される。
【0098】
切断部材68は、第1多目的インターフェース54を介して搬送枠46に結合される。かくして、切断部材68は、第1工具要素である。
【0099】
この意味において、切断部材68は、第1多目的インターフェースの支持表面58に対して当接する。
【0100】
更に、第1多目的インターフェース54は、支持表面58内に配置される複数の開口部70を備える(特に
図4、6及び7に図示)。
【0101】
それらの開口部70の各々の後ろに、係合ボルト72が提供される。図示の例において、係合ボルト72は、加工方向Pに沿って実質的に延びる(特に
図7に図示)。
【0102】
取り付けられた状態において下側である切断部材68の側面上で、フック(図示せず)が提供され、フックは、開口部70のそれぞれの1つを通って延びるとともに対応する係合ボルト72に係合するように構成される。
【0103】
フックは、フックが対応する係合ボルト72に係合するならば切断部材68が支持表面58上に確実に保持されるように、バイアスされたばねであってもよい。
【0104】
代替的に又は追加的に、係合ボルト72に係合するフックの表面は、同じ効果を達成するために、傾斜にされてもよい。
【0105】
図示の例において、それぞれの係合ボルト72を有する4つの開口部70が提供されてもよい。さらに、切断部材68は4つのフックを備える。
【0106】
さらに、第1多目的インターフェース54は、前枠部材28上に支持されるピン(図示せず)の形態の保持手段を備え、保持手段は、ばね付勢される方法で支持表面58から突き出す。
【0107】
切断部材68上において、切断部材68がその正しい位置を支持表面58上に取ると、保持手段のピンが開口部内に突き出るように、対応する開口部が提供される。
【0108】
かくして、第1多目的インターフェース54を介して搬送枠26上に切断部材68を取り付けるために、切断部材68は、わずかにオフセットされた位置において支持表面58上に配置され、切断部材68のフックは、対応する開口部70を通り突き出るが係合ボルト72に係合しない。
【0109】
従って、切断部材68は、支持表面58に接触し続けている間、加工方向Pに対して横方向にずれる。そうすることにより、フックは、対応する係合ボルト72に係合する。切断部材68の所望の位置が到達されると、保持手段の保持ピンは、切断部材68の対応する開口部へ移動する。
【0110】
それから、切断部材68は、その所望の操作位置に保持される。
【0111】
打抜きアセンブリ24に関して上述されたように、切断部材68の正確な位置もまた、センサ、例えば、近接センサ、によって検知されてもよい。
【0112】
フルシート工具としての構成において、シート材料加工工具14もまた、加工されるシートを支持及び/又は案内するためのシート支持部材74を備える。
【0113】
シート支持部材74は、第2多目的インターフェース56を介して搬送枠26に結合される。
【0114】
かくして、シート支持部材74は、第2工具要素とされてもよい。
【0115】
シート支持部材74は、第2多目的インターフェース56の支持表面76に対して当接する(特に
図5に図示)。
【0116】
さらに、第1多目的インターフェース54と同様に、第2多目的インターフェース56もまた、支持表面76内に配置される複数の開口部78を備える。
【0117】
それらの開口部78の各々の後ろに、係合ボルト80が提供される。
【0118】
図示の例において、係合ボルト80は、加工方向Pに沿って実質的に延びる(
図5参照)。
【0119】
シート支持部材74の下側上において、フック(図示せず)が提供され、フックは、開口部78のそれぞれの1つを通り延び、対応する係合ボルト80に係合するように構成される。
【0120】
フックが対応する係合ボルト80に係合するならば、フックは、シート支持部材74が支持表面76上に確実に保持されるように、ばね付勢されてもよい。
【0121】
切断部材68に関して既に説明されたように、係合ボルト80と係合するシート支持部材74のフックの表面は、同じ効果を達成するために、傾斜していてもよい。
【0122】
図示の例において、各係合ボルト80を有する2つの開口部78が提供される。したがって、シート支持部材74は2つのフックを備える。
【0123】
更に、第2多目的インターフェース56は、ばね付勢された方法で、支持表面76から突き出るように後壁36上に支持されるピン(図示せず)の形態の保持手段を備える。
【0124】
シート支持部材74上において、シート支持部材74がその正確な位置を支持表面76上に取ると、保持手段のピンが開口部内へ突き出すように、対応する開口部が提供される。
【0125】
かくして、第2多目的インターフェース56を介して搬送枠26上にシート支持部材74を取り付けるために、シート支持部材74は、わずかにオフセットされた位置において支持表面76上に位置決めされ、シート支持部材74のフックは、対応する開口部78を通り突き出るが係合ボルト80に係合しない。
【0126】
したがって、シート支持部材74は、支持表面76に接触し続けている間、加工方向Pに対して横方向にずれる。そうすることにより、フックは、対応する係合ボルト80に係合する。
【0127】
シート支持部材74の所望の位置に到達すると、保持手段の保持ピンは、シート支持部材74の対応する開口部へ移動する。
【0128】
それから、シート支持部材74はその所望の操作位置に保持される。
【0129】
上述と同様に、シート支持部材74の正確な位置もまた、センサ、例えば近接センサ、によって検知されてもよい。
【0130】
図11はフルシート工具として構成されるシート材料加工工具14を示す。
【0131】
図8~10の図とは対照的に、側壁38、40及び後壁36は、シート材料加工工具14が今度はより小さいサイズを有するシートに適合されるように、移動された。
【0132】
図8及び11において、電動化された方法で、後壁36を動かすために構成された駆動装置82が表されることにさらに留意される。
【国際調査報告】