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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】子供用シート装置及び子供向け製品
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/28 20060101AFI20240201BHJP
   B60R 22/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B60N2/28
B60R22/10 105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546320
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2021078180
(87)【国際公開番号】W WO2022160405
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110126418.7
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521132680
【氏名又は名称】グッドベイビー チャイルド プロダクツ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ショウ
(72)【発明者】
【氏名】リー,ホウ
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087CE07
3B087DE06
(57)【要約】
子供用シート装置及び子供用シート装置を備える子供向け製品であって、子供用シート装置は、背もたれ(1)と、背もたれ(1)に回動可能に接続されるシート(2)と、拘束システム(3)とを含み、シート装置は、座り側及び後ろ側を有し、拘束システム(3)は、背もたれ(1)上に設けられる肩ストラップ(31)と、接続端(321)及び固定端(322)を有するクロッチベルト(32)と、を含み、クロッチベルト(32)は、座り側に位置する部分が第1のベルト部分(32a)であり、接続端(321)は第1のベルト部分(32a)に位置し、且つ肩ストラップ(31)の一端部に着脱可能に接続され、固定端(322)はシート装置の後ろ側に固定的に接続される。拘束システム(3)は、背もたれ(1)の回動に伴って対応して調整することができ、背もたれ(1)の角度が大きくなる時に、子供の体の前側にあるシートベルトの長さの総和を自動的に補償し、子供に過剰な拘束を与えることを回避し、背もたれ(1)の角度が小さくなる時に、子供の体の前側のシートベルトの長さの総和を自動的に短くして、拘束システム(3)が子供に対して安定して拘束することを保証する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背もたれと、前記背もたれに回動可能に接続されるシートと、拘束システムとを含み、座り側及び後ろ側を有する子供用シート装置であって、
前記拘束システムは、前記背もたれ上に設けられる肩ストラップと、接続端及び固定端を有するクロッチベルトとを含み、前記接続端及び前記固定端は、前記クロッチベルトの長さ延伸方向における両端部にそれぞれ設けられ、前記クロッチベルトは、前記座り側にある部分が第1のベルト部分であり、前記接続端は、前記第1のベルト部分に位置し、且つ前記肩ストラップの一端部に着脱可能に接続され、前記固定端は、前記シート装置の後ろ側に固定的に接続され、前記シート装置は、座っている状態と、横になっている状態を有し、前記座っている状態で、前記第1のベルト部分の長さは前記横になっている状態での前記第1のベルト部分の長さよりも小さく、前記シート装置が前記座っている状態から前記横になっている状態に移行する過程中、前記第1のベルト部分の長さは徐々に長くなる
ことを特徴とする子供用シート装置。
【請求項2】
前記クロッチベルトは、前記シート上を自体の長さ方向に摺動可能に貫通し、前記シート装置が、前記座っている状態と前記横になっている状態とで移行する過程において、前記クロッチベルトは、前記第1のベルト部分の長さが変化するように、前記シートに対して摺動する
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用シート装置。
【請求項3】
前記クロッチベルトは、前記後ろ側に位置する第2のベルト部分をさらに有し、前記固定端は、前記第2のベルト部分上に位置し、前記第2のベルト部分と前記第1のベルト部分とは長さ方向に接続し、前記第1のベルト部分が長いほど、前記第2のベルト部分が短くなる
ことを特徴とする請求項2に記載の子供用シート装置。
【請求項4】
前記固定端は前記背もたれ上に固定的に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用シート装置。
【請求項5】
前記背もたれ上にはアンカーパーツが備えられ、前記固定端は、前記アンカーパーツ上に固定的に接続され、前記アンカーパーツ及び前記背もたれが前記シートに対して回動する回動中心線は、前記背もたれの高さ方向に間隔をおいて設けられる
ことを特徴とする請求項4に記載の子供用シート装置。
【請求項6】
前記アンカーパーツは、前記背もたれ上に、前記背もたれが前記シートに対して回動する回動中心線の上方に位置する
ことを特徴とする請求項5に記載の子供用シート装置。
【請求項7】
前記背もたれの下部と、前記シートの後部との間をソフトパーツにより接続し、或いは、前記背もたれの下部と前記シートの後部は、回転シャフトを介して相対回動的に接続され、前記シートと前記背もたれとの間の回動中心線は左右方向に延びる
ことを特徴とする請求項1に記載の子供用シート装置。
【請求項8】
前記肩ストラップは、前記背もたれ上を摺動可能に貫通し、前記拘束システムは、前記肩ストラップに固定的に設けられるアジャスターベルトをさらに含み、前記アジャスターベルトは前記シートの前部に位置する接続位置を有し、前記アジャスターベルトは前記接続位置と前記肩ストラップとの間に位置する調整部分を有し、前記シート上には、前記調整部分の長さを調整するためのベルト調整機構が設けられる
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の子供用シート装置。
【請求項9】
前記ベルト調整機構は、ワンウェイロック機構又は自動引き込み機構である
ことを特徴とする請求項8に記載の子供用シート装置。
【請求項10】
前記調整部分は、前記後ろ側に位置し、前記アジャスターベルトは、前記シートの前部に摺動して接続され、且つ前記アジャスターベルトは、前記座り側まで伸び出す延伸部分を有する
ことを特徴とする請求項8に記載の子供用シート装置。
【請求項11】
前記クロッチベルトは、前記シート上における設置位置が、前記シートの長さ延伸方向における前記アジャスターベルトと前記シートとの接続位置の後方にある
ことを特徴とする請求項8に記載の子供用シート装置。
【請求項12】
前記肩ストラップは、左肩ストラップと右肩ストラップを含み、前記左肩ストラップ及び前記右肩ストラップは、それぞれ前記背もたれ上を摺動可能に貫通し、前記左肩ストラップ及び前記右肩ストラップは、いずれも自体の長さ方向における両端にそれぞれ設けられる第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記クロッチベルトの前記接続端に着脱可能に接続され、2つの前記第2の端部は、前記アジャスターベルトに固定的に設けられる
ことを特徴とする請求項8に記載の子供用シート装置。
【請求項13】
前記肩ストラップの一端部は、前記背もたれ上に固定的に設けられ、前記肩ストラップの他端部は、前記クロッチベルトの前記接続端に着脱可能に接続される
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の子供用シート装置。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の子供用シート装置を含む
ことを特徴とする子供向け製品。
【請求項15】
前記子供用シート装置は、ベビーカー又はチャイルドシートである
ことを特徴とする請求項14に記載の子供向け製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子供用シート装置、及び当該子供用シート装置を備える子供向け製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の子供向け製品、例えばチャイルドシート、ベビーカー等には子供用シート装置が設けられ、この子供用シート装置には、シート、背もたれ、及び子供をシート装置に束縛するシートベルトアセンブリが備わっており、このシートベルトアセンブリには、クロッチベルト及び肩ストラップが含まれ、クロッチベルトはシートに接続され、肩ストラップは背もたれに接続される。通常、子供の様々な座り姿勢に対応するために、たとえば異なる背もたれ角度の座り姿勢や横たわり姿勢の変化に対応するために、背もたれは通常、シートに対して角度が調整可能である。
【0003】
しかしながら、背もたれのシートに対する角度の調整後、例えば座り姿勢から横になっている状態に変更する場合に、肩ストラップが背もたれに接続される位置と、クロッチベルトがシートに接続される位置との間の距離は長くなり、シートベルトが引き締まり、子供の体が非常にきつく束縛され、不快な乗り心地を引き起こすことがある。現在、この問題を解決するためには、一般的にクロッチベルト又は肩ストラップ自体の長さを調整するが、これによって、ユーザーが背もたれの角度を調整するたびにシートベルトの長さを調整する必要があるため、使用上の不便が生じてしまう。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術の不備を解消するために、新型子供用シート装置を提供することを目的とする。
【0005】
上記目的を達成するために、本発明で採用される技術的解決策としては、背もたれと、前記背もたれに回動可能に接続されるシートと、拘束システムとを含み、座り側及び後ろ側を有する子供用シート装置であって、前記拘束システムは、前記背もたれ上に設けられる肩ストラップと、接続端及び固定端を有するクロッチベルトとを含み、前記接続端及び前記固定端は、前記クロッチベルトの長さ延伸方向における両端部にそれぞれ設けられ、前記クロッチベルトは、前記座り側にある部分が第1のベルト部分であり、前記接続端は、前記第1のベルト部分に位置し、且つ前記肩ストラップの一端部に着脱可能に接続され、前記固定端は、前記シート装置の後ろ側に固定的に接続され、前記シート装置は、座っている状態と、横になっている状態を有し、前記座っている状態で、前記第1のベルト部分の長さは前記横になっている状態での前記第1のベルト部分の長さよりも小さく、前記シート装置が前記座っている状態から前記横になっている状態に移行する過程において、前記第1のベルト部分の長さは徐々に長くなる。
【0006】
好ましくは、前記クロッチベルトは、前記シート上を自体の長さ方向に摺動可能に貫通し、前記シート装置が、前記座っている状態と前記横になっている状態とで移行する過程において、前記クロッチベルトは、前記第1のベルト部分の長さが変化するように、前記シートに対して摺動する。
【0007】
更には、前記クロッチベルトは、前記後ろ側に位置する第2のベルト部分をさらに有し、前記固定端は、前記第2のベルト部分に位置し、前記第2のベルト部分と前記第1のベルト部分とは長さ方向に接し、前記第1のベルト部分が長いほど、前記第2のベルト部分が短くなる。
【0008】
好ましくは、前記固定端は、前記背もたれに固定的に接続される。
【0009】
具体的な一実施例において、前記背もたれ上にはアンカーパーツが備えられ、前記固定端は、前記アンカーパーツ上に固定的に接続され、前記アンカーパーツ及び前記背もたれが前記シートに対して回動する回動中心線は、前記背もたれの高さ方向に間隔をおいて設けられる。
【0010】
具体的な一実施例において、前記アンカーパーツは、前記背もたれ上に、前記背もたれが前記シートに対して回動する回動中心線の上方に位置する。
【0011】
具体的な一実施例において、前記背もたれの下部と、前記シートの後部との間をソフトパーツにより接続し、或いは、前記背もたれの下部と前記シートの後部は、回転シャフトを介して相対回動的に接続され、前記シートと前記背もたれとの間の回動中心線は左右方向に延びる。
【0012】
好ましくは、前記肩ストラップは、前記背もたれ上を摺動可能に貫通し、前記拘束システムは、前記肩ストラップに固定的に設けられるアジャスターベルトをさらに含み、前記アジャスターベルトは前記シートの前部に位置する接続位置を有し、前記アジャスターベルトは前記接続位置と前記肩ストラップとの間に位置する調整部分を有し、前記シート上には、前記調整部分の長さを調整するためのベルト調整機構が設けられる。
【0013】
具体的な一実施例において、前記ベルト調整機構はワンウェイロック機構又は自動引き込み機構である。
【0014】
具体的な一実施例において、前記調整部分は、前記後ろ側に位置し、前記アジャスターベルトは、前記シートの前部に摺動して接続され、且つ前記アジャスターベルトは、前記座り側まで伸び出す延伸部分を有する。
【0015】
具体的な一実施例において、前記クロッチベルトは、前記シート上における設置位置が、前記シートの長さ延伸方向における前記アジャスターベルトと前記シートとの接続位置の後方にある。
【0016】
具体的な一実施例において、前記肩ストラップは、左肩ストラップと右肩ストラップを含み、前記左肩ストラップ及び前記右肩ストラップは、それぞれ前記背もたれ上を摺動可能に貫通し、前記左肩ストラップ及び前記右肩ストラップは、いずれも自体の長さ方向における両端にそれぞれ設けられる第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部は、前記クロッチベルトの前記接続端に着脱可能に接続され、2つの前記第2の端部は、前記アジャスターベルトに固定的に設けられる。
【0017】
他の好ましい一実施形態としては、前記肩ストラップの一端部は前記背もたれに固定的に設けられ、前記肩ストラップの他端部は前記クロッチベルトの前記接続端に着脱可能に接続される。
【0018】
本発明は、上記子供用シート装置を備える子供向け製品を提供することを他の目的とする。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明で採用される技術的解決策としては、上記した子供用シート装置を含む子供向け製品である。
【0020】
好ましくは、前記子供向け製品は、ベビーカー又はチャイルドシートである。
【0021】
上記技術的解決策の使用により、本発明は、従来技術に比べると、下記の利点を有し、即ち、本発明の子供用シート装置及びこの子供用シート装置を備える子供向け製品であって、子供がこのシート装置に座っている際に、背もたれとシートとの角度を調整して、子供の異なる座り姿勢又は横たわり姿勢の使用需要を満たす場合に、拘束システムは、背もたれの回動に伴って対応して調整することができ、背もたれの角度が大きくなる時に、子供の体の前側にあるシートベルトの長さの総和を自動的に補償し、子供に過剰な拘束を与えることを回避し、背もたれの角度が小さくなる時に、子供の体の前側のシートベルトの長さの総和を自動的に短くして、拘束システムが子供に対して安定して拘束することを保証する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図2】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図3】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図4】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図5】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図6】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図7】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図8】本発明の実施例1に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図9】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図10】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図11】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図12】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図13】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図14】本発明の実施例1に係る肩ストラップ及びアジャスターベルトを除去したチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図15】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図16】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図17】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図18】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図19】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図20】本発明の実施例2に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図21】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図22】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図23】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図24】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図25】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図26】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図27】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図28】本発明の実施例3に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の背面図である。
図29】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図30】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図31】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、座り姿勢に対応するシート装置の側面図である。
図32】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の斜視図である。
図33】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の正面図である。
図34】本発明の実施例4に係るチャイルドシートの概略図であって、横たわり姿勢に対応するシート装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び具体的な実施例を参照して本発明の技術的解決策を更に説明する。
【0024】
説明の便宜上、以下、上下、前後、左右などの方向についての説明はすべて、子供がシート装置に座ったときに観察される方向に従って参照、定義される。
(実施例1)
【0025】
図1から図8に示す子供用シート装置を参照すると、ここで具体的にチャイルドシートであり、このチャイルドシートは、背もたれ1、シート2、及び拘束システム3を含み、背もたれ1とシート2との間の角度は調整可能に設定される。ここで、背もたれ1の下部とシート2の後部は、回転シャフト6を介して回動可能に接続され、回転シャフト6の軸線は、左右方向に延び、即ち背もたれ1がシート2に対して回動する回動中心線は、左右方向に延び、シート2と背もたれ1との間には、背もたれ1がシート2に対して異なる使用角度を有するように、背もたれ1とシート2との間を異なる角度位置に相対的にロッキングするためのロック機構がさらに設けられる。他の実施例において、背もたれ1の下部とシート2の後部は、ソフト接続具によって接続され、且つ他の機構によって背もたれ1の角度が制限されて、角度が調整される角度位置に維持するようにしてもよい。このシート装置は座り側及び後ろ側を有し、この座り側と後ろ側は、背もたれ1及びシート2により区切られ、即ち、子供が乗る場合に子供と同じ側の一側は座り側であり、背もたれ1の前方及びシート2の上方は座り側であり、シート2の下方及び背もたれ1の後方は後ろ側である。
【0026】
拘束システム3は、肩ストラップ31とクロッチベルト32を含み、このクロッチベルト32は、自体の長さ方向における両端部にそれぞれ設けられる接続端321及び固定端322を有し、クロッチベルト32は、シート2を自体の長さ方向に摺動可能に貫通し、接続端321は座り側に位置し、接続端321と肩ストラップ31の一端部はバックル部品5を介して着脱可能に接続され、固定端322は背もたれ1に固定的に接続される。
【0027】
具体的には、固定端322は後ろ側に位置し、且つ固定端322は背もたれ1の裏面に固定される。ここで、背もたれ1の裏面には、アンカーパーツ11が固定的に設けられ、固定端322は、このアンカーパーツ11に固定的に接続されて、背もたれ1上にアンカーポイントが形成される。このアンカーポイントの背もたれ1における位置は、背もたれ1がシート2に対して回動する回動中心線の上方に位置し、且つ上記のアンカーポイントと背もたれ1がシート2に対して回動する回動中心線は、背もたれ1の高さ方向に間隔をおいて設置される。
【0028】
このようにして、クロッチベルト32は、長さ方向に接する第1のベルト部分32a及び第2のベルト部分32bを有し、第1のベルト部分32aは座り側に位置し、第2のベルト部分32bは後ろ側に位置し、接続端321は第1のベルト部分32aの外端に位置し、固定端322は第2のベルト部分32bの外端に位置する。注意すべきこととして、クロッチベルト32の長さは定長で、第1のベルト部分32aの長さと第2のベルト部分32bの長さとの総和に等しい。第1のベルト部分32a及び第2のベルト部分32bはある固定長ではなく、背もたれ1の回動角度に応じて対応に長さを変える。クロッチベルト32がシート2に対して摺動する場合に、第1のベルト部分32a及び第2のベルト部分32bの長さは、一方が伸び、他方が縮むように変化する。本実施例で、肩ストラップ31は、背もたれ1上を摺動可能に貫通する。拘束システム3は、肩ストラップ31に固定的に設けられるアジャスターベルト311を更に含み、アジャスターベルト311は、シート2の前部に位置する接続位置を有し、この接続位置にはベルト調整機構が設けられ、アジャスターベルト311において上記接続位置と肩ストラップ31との間に位置する部分は、調整部分311aであり、ベルト調整機構は調整部分311aの長さを調整するためのものである。
【0029】
調整部分311aは、シート装置の後ろ側に位置し、このアジャスターベルト311は、座り側まで伸び出す延伸部分311bをさらに有し、延伸部分311bを操作することによって、ベルト調整機構は調整部分311aの長さを調整できる。
【0030】
具体的には、肩ストラップ31は、左肩ストラップ312及び右肩ストラップ313を含み、この左肩ストラップ312及び右肩ストラップ313は、それぞれ背もたれ1上を摺動可能に貫通し、左肩ストラップ312及び前記右肩ストラップ313は、いずれも自体の長さ方向における両端にそれぞれ設けられる第1の端部31a及び第2の端部31bを有し、2つの第1の端部31a及びクロッチベルト32の接続端321は、バックル部品5を介して着脱可能に接続される。
【0031】
アジャスターベルト311は、一端部が2つの第2の端部31bに固定され、他端部が背もたれ1及びシート2の底部を迂回し、シート2の前部に接続され、その後、ベルト調整機構をくぐり、シート2の上方まで伸び、シート2の上方に位置するアジャスターベルト311の部分は、延伸部分311bを構成する。
【0032】
ベルト調整機構としては、ワンウェイロック機構又は自動引き込み機構が採用されてもよく、ここで採用されるものはワンウェイロック機構21であり、ラチェット構造のワンウェイロックを備え、アジャスターベルト311が片方向のみにロッキングされて引っ張られることができるようにし、ここで、具体的には、ワンウェイロック機構21のロック状態を保持する場合に、ユーザーは、肩ストラップ32を引っ張ることにより、調整部分311aを長くすることができるが、調整部分311aが短くなるようにする必要がある場合に、ユーザーは、ワンウェイロックを解除し、その後、延伸部分311aを前へ引っ張ることにより、アジャスターベルト311が摺動し、調整部分311aが短くなるようにする。
【0033】
クロッチベルト32は、シート2上における設置位置が、シート2の前後長さ延伸方向におけるアジャスターベルト311とシート2との接続位置の後方に位置し、具体的には、シート2には、厚さ方向に貫通する穿孔22が設けられ、クロッチベルト32は、自体の長さ方向に摺動可能に貫通し、ワンウェイロック機構21は、シート2において穿孔22の前方に設けられる。
【0034】
このようにして、子供用シート装置が座っている状態にある場合に、図1から図4、及び図9から図11に示すように、背もたれ1は、立ち状態にあり、子供用シート装置が横になっている状態に移行する場合に、図5から図8、及び図12から図14に示すように、背もたれ1はシート2に対して後へ回転し、背もたれ1とシート2との間の角度が大きくなり、ここで、背もたれ1とシート2との間の角度は、シート装置の座り側から見ると、具体的に、背もたれ1の子供がもたれ掛かる背もたれ面と、シート2の子供が座る座面との間の角度である。これによって分かるように、クロッチベルト32は、シート2に巻き取られ、穿孔と固定端322との間の長さが短くなって、クロッチベルト32の後ろ側における長さが短くなり、クロッチベルト32のシート2の座り側における長さが長くなり、つまり、背もたれ1とシート2との間の角度が大きいほど、第2のベルト部分32bが短くなり、第1のベルト部分32aが対応に長くなり、これによっては、子供の体の前側にあるクロッチベルト32と肩ストラップ31の長さの総和が補償され、子供の体を締め付けない。
【0035】
同時に、ワンウェイロック機構21により、ユーザーは、アジャスターベルト311をさらに開放して、アジャスターベルト311にある調整部分311aの長さを長くすることができ、よって、左肩ストラップ312と右肩ストラップ313の両者は、一部が子供の体の前側に解放され、子供の体の前側にあるクロッチベルト32と肩ストラップ31の長さの総和がさらに補償され、拘束システム3が子供に過剰な拘束を与えることをさらに回避することができる。
【0036】
子供用シート装置が、横になっている状態から座っている状態に移行する場合に、背もたれ1のシート2に対する角度が小さくなり、背もたれ1のシート2への回動中に、固定端322が引き上げられて、クロッチベルト32が後ろ側へ引っ張られることによって、子供の体の前側にあるクロッチベルト32と肩ストラップ31の長さの総和が小さくなり、子供がしっかりと子供用シート装置に拘束されるようになる。
【0037】
もちろん、背もたれ1を異なる座り方で調整する必要がある場合には、背もたれ1の角度が変化し、クロッチベルト32が自体の長さ方向に摺動して、対応にシート2の座り側又は後ろ側における長さが適切な調整が行われ、子供の体の前側にあるクロッチベルト32と肩ストラップの長さの総和が補償され、拘束システム3が子供に過剰な拘束を与えることが回避される。
【0038】
本実施例では、拘束システム3で採用されるものは五点式のシートベルトで、背もたれの下部左右両側に接続される2本の腰ストラップ4を含み、この腰ストラップ4の端部と、クロッチベルト32及び肩ストラップ31とがバックル部品5を介して着脱可能に接続されて、子供に対して安定して拘束することを実現する。
(実施例2)
【0039】
図15から図20に示すように、本実施例は、実施例1との相違点として主に拘束システム3の設置であるが、本実施例では、拘束システム3が実施例1における2組の腰ストラップ4を含まず、他の部分の設置がほとんど同じであり、ここで重複に説明しない。
(実施例3)
【0040】
図21から図28に示すように、本実施例は、実施例1との相違点として主に、本実施例でアジャスターベルト311の設置がない。本実施例で、左肩ストラップ312と右肩ストラップ313の両者は、上端部がいずれも背もたれ1に固定的に設けられ、下端部がそれぞれバックル部品5を介してクロッチベルト32に着脱可能に接続される。対応に、背もたれ1がシート2に対して回動し角度調整を実現する際には、クロッチベルト32が自体の長さ方向に滑り動くことのみによって補償が実現され、拘束システムが子供に過剰な拘束を与えることが回避される。
(実施例4)
【0041】
図29から図34に示すように、本実施例は、実施例3との相違点として主に拘束システム3の設置であるが、本実施例では、拘束システム3が実施例3における2組の腰ストラップ4を含まず、他の部分の設置がほとんど同じであり、ここで重複に説明しない。
【0042】
もちろん、上記子供用シート装置を備えるベビーカー等の子供向け製品でも、上記機能の調整を実現することができる。子供がこのシート装置に座っている際に、背もたれ1とシート2との角度を調整して、子供の異なる座り姿勢又は横たわり姿勢の使用需要を満たす場合に、拘束システム3は、背もたれ1の回動に伴って対応して調整することができ、背もたれ1とシート2との間の角度が大きくなる時に、子供の体の前側にあるシートベルトの長さの総和を自動的に補償し、子供に過剰な拘束を与えることを回避し、背もたれ1の角度が小さくなる時に、子供の体の前側のシートベルトの長さの総和を自動的に短くして、拘束システム3が子供に対して安定して拘束することを保証する。
【0043】
上記実施例は、本発明の技術的思想及び特徴を説明するためのものに過ぎなく、その目的として、当業者が本発明の内容を理解してこれによって実施することができるが、これにより本発明の保護範囲を制限することができない。本発明の思想により実質的に行われた同等の変更又は修飾はいずれも本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0044】
1、背もたれ
11、アンカーパーツ
2、シート
21、ワンウェイロック機構
22、穿孔
3、拘束システム
31、肩ストラップ
31a、第1の端部
31b、第2の端部
311、アジャスターベルト
311a、調整部分
311b、延伸部分
312、左肩ストラップ
313、右肩ストラップ
32、クロッチベルト
321、接続端
322、固定端
32a、第1のベルト部分
32b、第2のベルト部分
4、腰ストラップ
5、バックル部品
6、回転シャフト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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図20
図21
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図23
図24
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【手続補正書】
【提出日】2023-07-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
ベルト調整機構としては、ワンウェイロック機構又は自動引き込み機構が採用されてもよく、ここで採用されるものはワンウェイロック機構21であり、ラチェット構造のワンウェイロックを備え、アジャスターベルト311が片方向のみにロッキングされて引っ張られることができるようにし、ここで、具体的には、ワンウェイロック機構21のロック状態を保持する場合に、ユーザーは、肩ストラップ3を引っ張ることにより、調整部分311aを長くすることができるが、調整部分311aが短くなるようにする必要がある場合に、ユーザーは、ワンウェイロックを解除し、その後、延伸部分311を前へ引っ張ることにより、アジャスターベルト311が摺動し、調整部分311aが短くなるようにする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
クロッチベルト32は、シート2上における設置位置が、シート2の前後長さ延伸方向におけるアジャスターベルト311とシート2との接続位置の後方に位置し、具体的には、シート2には、厚さ方向に貫通する穿が設けられ、クロッチベルト32は、自体の長さ方向に摺動して穿を通り、ワンウェイロック機構21は、シート2において穿の前方に設けられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
もちろん、背もたれ1を異なる座り方で調整する必要がある場合には、背もたれ1の角度が変化し、クロッチベルト32が自体の長さ方向に摺動して、対応にシート2の座り側又は後ろ側における長さが適切な調整が行われ、子供の体の前側にあるクロッチベルト32と肩ストラップ31の長さの総和が補償され、拘束システム3が子供に過剰な拘束を与えることが回避される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
本実施例では、拘束システム3で採用されるものは五点式のシートベルトで、背もたれの下部左右両側に接続される2本の腰ストラップ4を含み、この腰ストラップ4の端部と、クロッチベルト32及び肩ストラップ31とがバックル部品5を介して着脱可能に接続されて、子供に対して安定して拘束することを実現する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
1、背もたれ
11、アンカーパーツ
2、シート
21、ワンウェイロック機
3、拘束システム
31、肩ストラップ
31a、第1の端部
31b、第2の端部
311、アジャスターベルト
311a、調整部分
311b、延伸部分
312、左肩ストラップ
313、右肩ストラップ
32、クロッチベルト
321、接続端
322、固定端
32a、第1のベルト部分
32b、第2のベルト部分
4、腰ストラップ
5、バックル部品
6、回転シャフト
【手続補正書】
【提出日】2023-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正の内容】
図1
【国際調査報告】