(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】物体に選択的に結合するための外科用器具及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
A61B17/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546478
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2022052493
(87)【国際公開番号】W WO2022167489
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514046806
【氏名又は名称】メドス・インターナショナル・エスエイアールエル
【氏名又は名称原語表記】Medos International SARL
【住所又は居所原語表記】Chemin-Blanc 38, CH-2400 Le Locle, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】エミル・コーリー
(72)【発明者】
【氏名】フルニエ・リチャード
(72)【発明者】
【氏名】ビースター・エリック
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160LL24
4C160LL70
(57)【要約】
物体に選択的に結合するための器具(100)及び方法、例えば、物体との剛性接続を形成することができ、洗浄、滅菌などのために分解することもできる外科用器具が提供される。一実施形態は、長手方向溝(126)、長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝(128)、及び第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝(132)を有する細長いシャフト(102)を含む。器具はまた、細長いシャフト上に配置されたスリーブ(104)を含み、スリーブは、細長いシャフトに対するスリーブの移動を拘束するために長手方向溝内に受容される内壁から延びる突出部(156)を含む。スリーブは、突出部が第1の部分的な周方向溝内に配置されたときに第2の少なくとも部分的な周方向溝と接合して、スリーブの軸方向移動及び回転移動を更に選択的に拘束するロックを更に含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用器具であって、
細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、前記長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、前記第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝と、を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブであって、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記シャフトに対する前記スリーブの動きを拘束するために前記細長いシャフトの前記長手方向溝内に受容されるように構成された、前記スリーブの内壁から延びる突出部を含む、スリーブと、を備え、
前記スリーブは、前記突出部が前記第1の部分的な周方向溝内に配置されたときに前記第2の少なくとも部分的な周方向溝と接合して、前記シャフトに対する前記スリーブの軸方向移動及び回転移動の両方を更に選択的に拘束するように構成されたロックを含む、外科用器具。
【請求項2】
前記ロックは、前記スリーブの凹部内に配置され、ロック位置とロック解除位置との間で前記スリーブ及び前記細長いシャフトに対して半径方向に並進するように構成されたボタンを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記ボタンは、前記ロック位置に向かって付勢されている、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記ボタンは、前記細長いシャフトを受容するように構成された貫通孔を含む、請求項2に記載の器具。
【請求項5】
前記第2の少なくとも部分的な周方向溝は、前記スリーブに対する前記シャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含む、請求項1に記載の器具。
【請求項6】
前記複数の平坦部分は、前記スリーブに対する前記シャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記ロックは、前記第2の少なくとも部分的な周方向溝の前記複数の平坦部分のうちの1つに当接して、前記シャフトを前記スリーブに対する前記複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含む、請求項5に記載の器具。
【請求項8】
前記器具の操作を容易にするために、前記細長いシャフトの近位部分に結合するように構成されたハンドルを更に備える、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記スリーブ及び前記細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、前記1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項10】
前記スリーブは、前記細長いシャフトと前記スリーブとの間に配置されたときに前記物体に係合する一対のアームを更に備える、請求項9に記載の器具。
【請求項11】
前記物体は、レシーバヘッドの1つ以上の延長タブを含む、請求項10に記載の器具。
【請求項12】
外科用器具であって、
細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、前記長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、前記第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の周方向溝と、を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブと、
前記スリーブの貫通孔内に受容されるように構成されたピンであって、前記ピンは前記スリーブの内側ルーメン内に延在し、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記スリーブと前記細長いシャフトとの相対移動を拘束するために前記細長いシャフトの前記長手方向溝及び前記第1の部分的な周方向溝内に受容されることができる、ピンと、
前記スリーブの凹部内に受容され、前記凹部に対して半径方向に並進するように構成されたボタンであって、前記ボタンは、前記ボタンに形成された貫通孔を含み、前記貫通孔は、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記細長いシャフトを受容するように構成されている、ボタンと、を備え、
前記ボタンは、前記細長いシャフトの前記第2の周方向溝内に配置され、前記ピンが前記細長いシャフトの前記第1の部分的な周方向溝に受容されたときに前記細長いシャフトと前記スリーブとの相対移動を更に拘束するように構成されている、外科用器具。
【請求項13】
前記スリーブは、前記スリーブの前記内側ルーメンの壁上に形成された第1の部分的な周方向突出部及び第2の部分的な周方向突出部を更に含む、請求項12に記載の器具。
【請求項14】
前記ボタンは、前記スリーブに対して半径方向外側に付勢されている、請求項12に記載の器具。
【請求項15】
前記第2の周方向溝は、前記スリーブに対する前記シャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含む、請求項12に記載の器具。
【請求項16】
前記複数の平坦部分は、前記スリーブに対する前記シャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含む、請求項15に記載の器具。
【請求項17】
前記ボタンは、前記第2の周方向溝の前記複数の平坦部分のうちの1つに当接して、前記シャフトを前記スリーブに対する前記複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含む、請求項15に記載の器具。
【請求項18】
前記スリーブ及び前記細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、前記1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されている、請求項12に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物体に選択的に結合するための器具及び方法に関し、例えば、外科処置中に物体との剛性接続を形成し、後に洗浄、滅菌などのために分解することができる外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な外科処置は、処置中に使用するために別の物体に選択的に結合する1つ以上の器具を必要とする場合がある。例えば、低侵襲処置では、様々な細長い器具が、様々なインプラント、アンカーなどの他の物体に結合され、物体を手術部位に通過させ、それらを遠隔位置から操作するために利用され得る。ある場合には、そのような器具は、それに結合される物体に有意な力、例えば、引張又は圧縮の有意な軸方向力、並びにある場合には回転力を付与することが必要とされ得る。更に、特定の器具は、物体などに選択的にロックするために互いに対して回転する構成要素など、互いに対して選択的に移動させることができる複数の構成要素を含むことができる。
【0003】
また更に、手術室環境で使用される外科用器具は、滅菌等のための分解を可能にする設計を必要とする洗浄要件を受ける可能性がある。分解可能な構成要素を利用する必要性は、インプラントとの剛性接続を形成して上述の力等を付与する等、器具が物体との所望の選択的結合を達成するための要件と矛盾する可能性がある。
【0004】
この張力の一例は、手術中にモジュール式レシーバヘッドを骨ねじシャンクに組み立てるときに見られるが、様々な他の例も存在する。モジュール式骨アンカーは、外科医又は他のユーザが、ヘッドを受容する脊椎固定要素(例えば、ロッド)をねじシャンクに取り付けることなくねじシャンクを移植することができ、これにより、外科医が移植部位をより良く見ることができ、より薄型の器具を使用することができるので、外科手術において望ましい場合がある。ねじシャンクが移植されると、挿入器具を使用してモジュール式レシーバヘッドをねじシャンクに結合することができる。器具は、骨アンカーの移植及び位置決め中に大きな力を付与するために器具を利用することができるように、モジュール式レシーバヘッドへの選択的な剛性接続を必要とする場合がある。しかしながら、矛盾する懸念は、挿入器具も容易に洗浄/滅菌されることであり、これは、多くの場合、器具を様々な部品に分解することを意味する。これは、互いに対して回転し、1つ以上の位置でロックすることができるが、必要に応じて分離可能である器具構成要素を含むことができる。そのような使用のために構成された従来の器具は、多くの場合、器具の構成要素間の種々のインタフェースにおける遊び及び公差に起因して、物体への十分に剛性接続を提供することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、洗浄及び滅菌のための器具構成要素の分解を可能にしながら、それらの間の選択的剛性接続などの、物体への選択的結合を提供する、改良された器具及び方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の課題に対処する外科用器具の例を提供する。例えば、本明細書に記載される実施形態は、構成変更(例えば、様々な物体への結合/分離など)のための分解及び相対移動が可能な複数の構成要素を有する外科用器具を提供することができるが、別の物体への所望の選択的結合(例えば、剛性接続)を提供することができる。本明細書に記載される特定の実施形態は、特に、脊椎固定処置中に使用されるモジュール式レシーバヘッドと結合するように適合されるが、開示される実施形態の特徴は、様々な他の外科処置で使用される他のタイプの器具と共に利用することもできる。
【0007】
一態様では、細長いシャフトであって、細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝と、を有する、細長いシャフトを含む外科用器具が開示される。器具は、細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブであって、スリーブが細長いシャフトの上に配置されたときにシャフトに対するスリーブの動きを拘束するために細長いシャフトの長手方向溝内に受容されるように構成された、スリーブの内壁から延びる突出部を含む、スリーブを更に含む。更に、スリーブは、突出部が第1の部分的な周方向溝内に配置されたときに第2の少なくとも部分的な周方向溝と連携して、シャフトに対するスリーブの軸方向移動及び回転移動の両方を更に選択的に拘束するように構成されたロックを含む。
【0008】
本明細書に説明される器具及び方法は、多くの追加の特徴及び/又は変形形態を有することが可能であり、それらの全ては、本開示の範囲に含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、ロックは、スリーブの凹部内に配置され、ロック位置とロック解除位置との間でスリーブ及び細長いシャフトに対して半径方向に並進するように構成されたボタンを含むことができる。ボタンは、場合によっては、ロック位置に向かって付勢されることができる。いくつかの実施形態では、ボタンは、細長いシャフトを受容するように構成された貫通孔を含むことができる。
【0009】
特定の実施形態では、第2の少なくとも部分的な周方向溝は、スリーブに対するシャフトの複数の回転位置を画定するように、互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、例えば、複数の平坦部分は、スリーブに対するシャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含むことができる。ロックは、場合によっては、第2の少なくとも部分的な周方向溝の複数の平坦部分のうちの1つに当接して、シャフトをスリーブに対する複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含むことができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、器具の操作を容易にするために、細長いシャフトの近位部分に結合するように構成されたハンドルを更に含むことができる。また、ある実施形態では、スリーブ及び細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されることができる。例えば、場合によっては、スリーブは、スリーブは、細長いシャフトとスリーブとの間に配置されたときに物体に係合する一対のアームを更に含むことができる。物体は、様々な外科処置において利用される様々な物体のいずれかであり得る。例えば、いくつかの実施形態では、物体は、レシーバヘッドの1つ以上の延長タブを含むことができる。
【0011】
別の態様では、細長いシャフトであって、細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の周方向溝と、を有する、細長いシャフトを含む外科用器具が開示される。器具は、細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブと、スリーブの貫通孔内に受容されるように構成されたピンであって、ピンはスリーブの内側ルーメン内に延在し、スリーブが細長いシャフトの上に配置されたときにスリーブと細長いシャフトとの相対移動を拘束するために細長いシャフトの長手方向溝及び第1の部分的な周方向溝内に受容されることができる、ピンとを更に含む。器具は、スリーブの凹部内に受容され、凹部に対して半径方向に並進するように構成されたボタンを更に含む。ボタンは、その中に形成された貫通孔を含み、貫通孔は、スリーブが細長いシャフトの上に配置されたときに、貫通孔を通して細長いシャフトを受容するように構成されている。更に、ボタンは、細長いシャフトの第2の周方向溝内に配置され、ピンが細長いシャフトの第1の部分的な周方向溝に受容されたときに、細長いシャフトとスリーブとの相対移動を更に拘束するように構成されている。
【0012】
上述したように、様々な追加の特徴及び/又は変形のいずれも可能であり、本開示の範囲内である。例えば、いくつかの実施形態では、スリーブは、スリーブの内側ルーメンの壁上に形成された第1の部分的な周方向突出部及び第2の部分的な周方向突出部を更に含むことができる。また、特定の実施形態では、ボタンは、スリーブに対して半径方向外側に付勢され得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、第2の周方向溝は、スリーブに対するシャフトの複数の回転位置を画定するように、互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、複数の平坦部分は、スリーブに対するシャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含むことができる。ボタンは、いくつかの実施形態では、第2の周方向溝の複数の平坦部分のうちの1つに当接して、シャフトをスリーブに対する複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含むことができる。
【0014】
ある実施形態では、スリーブ及び細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されることができる。そのような物体は、例えば、脊椎固定に使用されるレシーバヘッドの対向するアームを含むことができるが、異なる処置において利用される他の物体も可能である。
【0015】
別の態様では、器具を物体に結合するための方法が開示され、この方法は、細長いシャフト上でスリーブを前進させて、スリーブの内壁から延在する突出部が細長いシャフトに形成された長手方向溝内を移動するようにすることを含む。方法は、物体の一部がスリーブと細長いシャフトとの間に配置されるように、物体を位置決めすることを更に含む。方法はまた、細長いシャフトに対してスリーブを回転させて、突出部が、長手方向溝の遠位端と交差する細長いシャフトに形成された部分的な周方向溝内を移動して、物体と器具との間の相対移動を防止するようにすることを含む。
【0016】
上記で開示された態様と同様に、様々な追加のステップ及び/又は変形のいずれも可能であり、本開示の範囲内である。例えば、いくつかの実施形態では、物体を位置決めすることは、物体をスリーブから延在する一対のアームと接触させることを含むことができる。
【0017】
特定の実施形態では、スリーブは、突出部が長手方向溝と部分的な周方向溝との交点に配置される位置まで細長いシャフト上を前進することができ、スリーブのロックは、部分的な周方向溝の遠位にある細長いシャフト内に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝内に配置され得る。更に、いくつかの実施形態では、第2の少なくとも部分的な周方向溝は、スリーブに対するシャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含み、ロックは、第2の少なくとも部分的な周方向溝の複数の平坦部分のうちの1つに当接して、シャフトをスリーブに対する複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含み、細長いシャフトに対してスリーブを回転させることは、複数の回転位置のうちの第1の回転位置と複数の回転位置のうちの第2の回転位置との間でスリーブを回転させることを含むことができる。他の実施形態では、方法は、スリーブのロックを作動させて、細長いシャフトに形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝からロックを移動させることを更に含むことができる。
【0018】
上で説明される特徴又は変形例のいずれも、いくつかの異なる組み合わせで、本開示の任意の特定の態様又は実施形態に適用することができる。任意の特定の組み合わせの明確な記述はないが、それは単に本概要又は本開示の他の箇所における重複を回避するためである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、以下の発明を実施するための形態を添付図面と併せて読むことで、より完全に理解されるであろう。
【
図1】モジュール式インプラント挿入器の一実施形態の正面斜視図である。
【
図2】骨アンカー及びハンドルに嵌合された
図1のモジュール式インプラント挿入器の側面図である。
【
図4】延長タブを有する骨アンカー組立体のモジュール式レシーバ部材の斜視図である。
【
図5】延長タブを有する骨アンカー組立体の別のモジュール式レシーバ部材の側面図である。
【
図7】
図1のデバイスの部分的に透明な詳細上面図である。
【
図8A】
図1のデバイスのスリーブの後方斜視図である。
【
図9】ロック解除位置にある
図1のデバイスの上面図である。
【
図10】ロック解除位置にある
図1のデバイスの側断面図である。
【
図11】ロック解除位置にある
図1のデバイスの詳細な側断面図である。
【
図12】ロック解除位置にある
図1のデバイスの詳細な横断面図である。
【
図13】
図5に示すような延長タブを有するモジュール式レシーバ部材に結合されたロック位置にある
図1のデバイスの上面図である。
【
図16】
図16のハンドルのモジュール式アクチュエータの正面斜視図である。
【
図17】内部に配置された細長いシャフトを有する
図17のモジュール式アクチュエータの側断面図である。
【
図18】モジュール式インプラント挿入器の別の実施形態の正面斜視図である。
【
図19】
図18のデバイスのスリーブ組立体の正面斜視図である。
【
図20】ロック解除構成にあり、
図3に示すような多軸骨アンカーと結合するように配置された
図18のデバイスの上面図である。
【
図21】
図3に示すようなモジュール式レシーバ部材に結合されたロック位置にある
図18のデバイスの細長いシャフト及びスリーブ組立体の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで、本明細書で開示する装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解が得られるように、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例解されている。当業者であれば、本明細書で具体的に説明され、かつ添付の図面に図示される装置及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、並びに本発明の範囲が、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。一実施形態に関連して例解又は説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。かかる修正及び変形例は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0021】
モジュール式インプラントの組み立てのための器具及び方法が、概して提供される。特に、本明細書に開示される器具及び方法は、インプラント部品、例えば骨アンカーの手術中の組み立てを可能にするために、インプラントの部品との剛性接続の形成を可能にする。インプラントの組み立て中、器具は、インプラント部品に1つ以上の力を付与して、部品を互いに固定することができる。例えば、器具は、インプラント部品に堅固に接続し、その部品を他のインプラント部品に対して操作して、インプラントをモジュール式に組み立てることができる。器具は、器具を1つ以上の位置にロックするために、互いに対して、並びに他のインプラント部品に対して独立して移動することができる複数の構成要素を含むことができる。構成要素は、構成要素のうちの1つ以上が洗浄及び/又は交換され得るように、選択的に分解されることができる。
【0022】
様々な装置及び方法が本明細書に開示される。いくつかの装置は、隣接する椎骨の間に配置されるように構成される脊椎インプラントを含む。その他の装置は、たとえ椎骨同士が隣接していなくとも、1つの椎骨から1つ又は2つ以上のその他の椎骨まで延在するように構成され得る脊椎固定要素を含む。開示された方法は、治療を受ける対象者の側方、前方、又は後方側方に位置付けられる小切開を通じてインプラントを配置することを可能にする外科手法を含む。更に、本開示において、実施形態の同様の参照番号が付された構成要素は概ね同様の特徴部を有し、したがって、特定の実施形態内において同様の参照番号が付された各構成要素の各特徴は、必ずしも十分に説明されていない。更に、直線的又は円形の寸法が、開示された装置、及び方法の説明で使用される限りにおいて、このような寸法は、このような装置、及び方法と共に使用され得る形状のタイプを限定しようとするものではない。そのような線形及び円形の寸法に対する等価物が、任意の幾何学的形状について決定され得る。各々のデバイスの大きさ及び形、並びにその構成要素は、少なくともそれらの装置が使用される対象者の生体構造及びそれらの装置が使用される構成要素の大きさ及び形に依存し得る。
【0023】
図1は、モジュール式構造体、例えばインプラント部品に接続して、構造体を様々なデバイスに結合する器具100の一実施形態を示す。例えば、器具100は、一般に、手術中及び/又は原位置で、モジュール式脊椎固定要素レシーバ部材又はヘッドをシャンク、例えば骨ねじシャンクに組み立てるために使用することができる。器具100は、1つ以上のインプラント部品を係合することによって、インプラントとの剛性接続を選択的に形成することができる。示されるように、器具100は、モジュール式構成要素、例えば、レシーバ部材の対向するアーム又は延長タブに取り付けられて、モジュール式構成要素の別の構造への選択的取り付けの間、張力及び圧縮力の伝達を可能にし、それによって、インプラントを形成することができる。
【0024】
器具100は、細長いシャフト102とスリーブ又はスリーブ組立体104との組立体を含むことができる。器具は更に、
図2に示されるように、ハンドル106に結合することができる。
図1及び2に示されるように、細長いシャフト102は、スリーブ104内に受容されることができ、それらの間の選択的独立運動を可能にすることができる。細長いシャフト102及びスリーブ104の構成は、以下で更に詳細に説明するように、複数の構成、例えば器具100のロック解除位置及びロック位置を提供するように互いに対して操作することができる。器具100は、1つ以上のモジュール式部品、例えばレシーバ部材と係合して、これらのモジュール式部品を組み立ててインプラントを形成することを可能にすることができる。ハンドル106は、細長いシャフト102に結合されて、器具の操作及び/又は器具のロック解除位置とロック位置との間の移動を容易にすることができる。
【0025】
図3~
図5は、本明細書に開示される器具が使用され得るモジュール式部品の例示的な実施形態を示す。図示されたモジュール式部品は例であり、患者の体内で使用されるインプラントに関連する及び関連しない追加の又は代替の特徴を有する他のモジュール式部品が、本明細書に開示される器具と共に使用され得ることが理解されるであろう。
【0026】
器具100は、骨アンカー組立体10に結合され得る。図示された骨アンカー組立体10は、患者の体内に移植するために骨シャンク14に結合される脊椎ロッド(図示せず)などの脊椎固定要素を受容するためのレシーバ部材又はヘッド12を含むことができる。レシーバ部材12は、一対の離間したアーム16A、16Bを有する近位端であって、アーム16A、16Bの間に凹部18が画定される、近位端と、開口部を画定する遠位端面を有する遠位端であって、骨シャンク14の少なくとも一部分がその開口部22(
図4参照)を貫通して延在できる、遠位端と、を含むことができる。骨シャンク14は、骨と係合するように構成され得、図示した実施形態では、骨と係合する雄ねじを含む。
【0027】
レシーバ部材12の形状は、様々であり得る。例えば、レシーバ部材12は、平坦な近位面及び遠位面と、少なくとも遠位端に丸みを帯びた角部とを有する略円筒形状であってもよい。一対の離間したアーム16A、16Bの各々は、レシーバ部材12の遠位端から自由近位端まで延在することができる。アーム16A、16Bの各々の外面は、器具、例えば、本明細書に記載されるタイプの器具へのレシーバ部材12の接続を容易にするために、凹部、凹み、ノッチ、突起部などのような特徴を含み得る。例えば、各アーム16A、16Bの外面は、アームのそれぞれの自由端に弓形溝19を含むことができる。こうした溝は、2007年2月20日発行の米国特許第7,179,261号により詳細に説明され、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
一対の離間したアーム16A、16Bは、大きさを様々にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、一対の離間したアーム16A、16Bは、(例えば、
図3に示されるように)患者の体内への移植のために設計され得る。いくつかの実施形態では、
図4及び
図5に示すように、レシーバ部材12は、アーム16A、16Bの長さを機能的に延長するためにレシーバ部材12から近位に延びる1つ以上の延長タブ20を含むことができ、例えば、1つ以上の延長タブ20と一体的に形成されるか、又は1つ以上の延長タブ20に結合されることができる。これらの延長タブ20の長さは、例えば
図4及び
図5に示すように様々にすることができ、ヘッドの位置決め、固定ロッドの縮小、止めねじなどのロッドロック固定要素の導入などを助けるために使用することができる。
【0029】
使用時、器具は、例えば、
図2に示されるように、レシーバ部材12の一対の離間したアーム16A、16Bのうちの1つ以上が細長いシャフト102とスリーブ104との間に受容されて、器具100をレシーバ部材12にドッキングするように位置付けられることができる。スリーブ104は、器具100をレシーバ部材12にロックするように、ロック解除位置とロック位置との間で移動可能であり得る。例えば、スリーブ104は、細長いシャフト102に対して回転又は軸方向に平行移動され、一対の離間したアーム16A、16Bが器具100から分離することを選択的に防止し、それによって、レシーバ部材12を器具100に保持することができる。器具は、レシーバ部材12を骨アンカーシャンク14に結合することによって骨アンカー組立体10を組み立てるために、レシーバ部材12への軸方向荷重の送達並びに引張力及び圧縮力の伝達を可能にすることができる。組み立て後、器具100は、骨アンカー組立体10から分離することができ、細長いシャフト102及びスリーブ104は、洗浄のために分解することができる。
【0030】
図6~
図15は、器具100の細長いシャフト102及びスリーブ104の組立体、並びにその動作を示す。細長いシャフト102は、近位端102pから遠位端102dまで管状本体108の長さLに沿って延びる中央長手方向軸A1を有する略管状本体108を含むことができる。細長いシャフト102は、シャフト102の中央長手方向軸A1に沿って近位端から遠位端まで延在する内側チャネル110(
図10参照)を含むことができるが、いくつかの実施形態では、細長いシャフト102は、それを通る中実コアを有することができる。細長いシャフト102は、それに嵌合されたインプラント、例えば骨アンカー組立体10に力を伝達することができる。
【0031】
細長いシャフト102の近位端102pは、スリーブ104内に受容されるようにサイズ決定され得る。近位端102は、細長いシャフト102を前進させるためにスリーブ104のルーメンを通過することができるタブ112を含むことができる。示されるように、タブ112は、細長いシャフト102を器具100の他の構成要素、例えばハンドル106に結合することができるインタフェース114を含むことができる。インタフェースは、1つ以上の特定の向きでハンドル106内に受容されるようにキー止めすることができる。
【0032】
細長いシャフト102の遠位端102dは、連結器116を含むことができる。いくつかの実施形態では、連結器116は、器具100に連結されたレシーバ部材12に力を付与し、器具に対するレシーバ部材12の意図しない回転を防止するために、一対の離間したアーム16A、16Bの間に受容され得る。連結器116は、示されるように、ブロックの形態であり得るが、いくつかの実施形態では、連結器116は、力の付与及び/又は器具100への物体の固定を促進するように構成される、管、一対のアーム、又はばねであり得る。
【0033】
管状本体108は、異なる直径を有する1つ以上のセクションを含むことができる。例えば、細長いシャフト102は、近位端102pと遠位端102dとの間に配置された中間部分120を含むことができる。示されるように、中間部分120は、近位端102p及び遠位端102dのうちの1つ以上に向かって先細になる、管状本体108の一部分とすることができる。例えば、中間部分は、遠位接合部122dにおいて遠位端102dに向かって先細であり得、近位接合部122pにおいて近位端102pに向かって先細であり得る。言い換えれば、中間部分120における管状本体108の直径Dは、近位端102pの直径Dp及び遠位端102dの直径Ddのいずれかよりも大きくすることができるが、いくつかの実施形態では、管状本体108は、それを通って延びる均一な直径を含むことができる。近位端102p及び遠位端102dの直径Dp、Ddは等しくてもよいが、いくつかの実施形態では、DpはDdより大きくてもよく、逆もまた同様であることが理解されるであろう。更に、細長いシャフトの特定の部分に沿った直径は、器具100からのレシーバ部材12の不注意な分離をもたらし得るアームの半径方向内側への反りを防止するために、対向するアーム16A、16B又は延長タブ20の間の内径に実質的に一致するように構成され得る。例えば、細長いシャフト102の直径は、
図14の位置1402及び1404におけるアーム16A、16B又は延長タブ20の間の内径と実質的に同様であるように示されている。
【0034】
図7に示されているように、中間部分120は、細長いシャフト102をスリーブ104に対して選択的にロックするために、スリーブ104に係合する1つ以上の嵌合特徴124を含むことができる。例えば、管状本体108は、その表面上に形成された長手方向溝126及び第1の部分的な周方向溝128を含むことができる。長手方向溝126及び第1の部分的な周方向溝128は、スリーブ104の1つ以上の部分が細長いシャフト102と係合して、スリーブ104をそれに結合し、2つの構成要素間の相対移動を案内することを可能にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、溝126、128は、スリーブの内壁に形成された1つ以上の突出部(例えば、以下でより詳細に説明するように、スリーブの側壁の貫通孔を通過するピン)を受容することができ、突出部は、以下で更に説明するように、シャフト102に対するスリーブ104の位置を案内することができる。
【0035】
示されるように、長手方向溝126は、管状本体108の表面に沿って延在することができる。例えば、長手方向溝126は、細長いシャフト102の近位部分から中間部分120内に延在することができるが、いくつかの実施形態では、長手方向溝126は、中間部分に限定されることができる。示されるように、長手方向溝126は、
図7及び10に示されるように、近位端126p及び遠位端126dを有する実質的に長方形の溝であり得るが、他の溝形状又は外形もまた利用され得る。長手方向溝102の遠位端126dは、第1の肩部130で終端することができる。第1の肩部130は、中間部分120の管状本体108に沿って位置付けられて、シャフト102に対するスリーブ104の更なる遠位前進に対する停止部として作用することができる。
【0036】
単一の長手方向溝が示されているが、いくつかの実施形態では、管状本体108は、1つ以上の追加の長手方向溝、例えば、細長いシャフト102の円周の周りに形成された平行な溝を有することができ、スリーブの1つ以上の追加の特徴が複数の溝を通って同時に延在して、結合の強度を増加させることを可能にする。
【0037】
第1の部分的な周方向溝128は、細長いシャフト102の管状本体108に沿って長手方向溝126からオフセットされ得る。図示されるように、部分的な周方向溝128は、溝が「L」又は逆「L」の形状を形成するように(
図7参照)、第1の肩部130において半径方向溝128とくの字形接合部129を形成することができる。第1の部分的な周方向溝128は、細長いシャフト102の円周に沿って延在し、長手方向溝126に沿って接合部129まで遠位に移動する物体(例えば、スリーブ104の突出部又はピン)を受容することができる。くの字形接合部129に位置する物体に対する細長いシャフト102の回転は、長手方向溝126に沿って遠位に移動する物体を第1の部分的な周方向溝128の中に移動させることができる。単一の部分的な周方向溝128が示されているが、いくつかの実施形態では、例えば、上述のように複数の長手方向溝が採用される実施形態では、管状本体108は、その中に形成された1つ以上の他の部分的な周方向溝を有することができる。そのような実施形態では、種々の長手方向溝は、それらの関連付けられた部分的な周方向溝の干渉を回避するように適切に離間されることができ、例えば、交差しない部分的な周方向溝を伴う2つの対向する長手方向溝、又は異なる長さの平行長手方向溝と接続し、異なる長手方向位置でスリーブ104上に形成される突出部又は特徴を受容する、長手方向にオフセットされた場所に形成される複数の部分的な周方向溝である。
【0038】
細長いシャフト102はまた、その中に形成された追加の少なくとも部分的な周方向溝132を含むことができる。示されるように、少なくとも部分的な周方向溝132は、中間部分120の直径Dに対して縮小された直径を含むことができる。少なくとも部分的な周方向溝132は、管状本体108に沿って形成される第1の肩部130と第2の肩部134との間に形成されることができる(
図7参照)。少なくとも部分的な周方向溝132は、器具100の1つ以上の構成要素、例えばスリーブ104と連携して、器具の向きを1つ以上の位置に保持するように構成することができる。
【0039】
図8A~
図8Cは、器具100のスリーブ104をより詳細に示す。上述したように、スリーブ104は、それを通して細長いシャフト102の一部を受容することができる。スリーブ104は、それを通って延びるチャネル又はルーメン138を有する略円筒形の本体134を含むことができる。チャネル138は、スリーブ104の中央長手方向軸A2に沿って、本体134の近位端104pから本体の遠位端104dまで延在することができる。示すように、スリーブ104の中央長手方向軸A2は、細長い本体の中央長手方向軸A1に実質的に平行に延びることができる。チャネル又はルーメン138は、1つ以上の直径D1を画定することができ、それを通して、器具、インプラント、又は他の物体、例えば、とりわけ、細長いシャフト102が挿入され得る。いくつかの実施形態では、チャネル138の内面は、細長いシャフト102などの別の構成要素、又はレシーバヘッド12などのインプラント構成要素の一部と協働するための特徴を含むことができる。
【0040】
スリーブ104の本体134は、遠位嵌合部分140及び近位係合部分142を含むことができる。遠位嵌合部分140及び係合部分142は、スリーブ104内の共通チャネル又はルーメン138を共有することができるが、これらのセクションは、異なるルーメン直径を画定することができる。例えば、スリーブ104の近位係合部分142を通って延在するチャネル138の長さは、それを通して細長いシャフト104を受容するように構成され得る遠位嵌合部分(
図10参照)に対して低減された直径を含むことができる。遠位嵌合部分140は、近位係合部分142に対して拡大された直径を有する部分を含むことができ、インプラント構成要素又はその一部、例えば、レシーバ部材12の離間されたアーム16A、16Bが、以下で
図13及び14に関して議論されるように、スリーブ104と細長いシャフト102との間の空間内に受容されることを可能にする。
【0041】
遠位嵌合部分140は、スリーブ104をインプラント構成要素又はその中に配置された他の物体に嵌合するための1つ以上の特徴を含むことができる。例えば、特徴は、
図8C及び10に示されるように、スリーブ104の嵌合部分140の内側表面148から嵌合部分のチャネル138の中へ延在する、一対の対向する突起部又は棚146A、146Bであることができる。例えば、
図13及び14に示されるように、特徴146A、146Bは、ねじ山、リップ、又は他の特徴等のインプラント構成要素(例えば、レシーバ部材12の延長タブ20又はアーム16A、16B)上に形成される特徴に当接し、構成要素がスリーブ104の遠位端104dに対して後退又は遠位に移動することを防止することができるが、特徴146A、146Bはまた、いくつかの実施形態では(例えば、特徴146A、146Bが、スリーブ104のルーメン138内に受容される構成要素上に形成される対向する突出特徴間の谷部に配置される場合)、スリーブ104のチャネル138を通る物体の近位前進を防止することもできる。更に、アーム146A、146Bは、細長いシャフト102の遠位端にある連結器116と、ロック構成にあるときに器具100に対するレシーバ部材12の移動を完全に拘束するために延長タブ20の上部又は近位に面する表面に当接するように構成されたフランジ131と協働することができる。図示のように、特徴146A、146Bは、内側表面148の直径方向に対向する部分に形成することができ、以下で更に説明するように、特徴146A、146Bは、物体の直径方向に対向する表面、例えば、レシーバ部材12の対向する延長タブ20と連携することができる。特徴146A、146Bは、それらがスリーブと連携して回転するように、スリーブ104に固定され得る。例えば、いくつかの実施形態では、スリーブ104の位置の回転及び/又は操作は、特徴146A、146Bを、スリーブのルーメン内に配置された物体に嵌合する位置にすることができる。2つの対向する突出部、棚、又は他の特徴146A、146Bが示されているが、嵌合部分140は、ルーメンの円周の周りに配置された1つ以上の追加の特徴を含むことができる。
【0042】
図9に示されるように、スリーブ104の近位係合部分142は、遠位嵌合部分140の直径Dmより大きい外径Deを有することができるが、いくつかの実施形態では、遠位嵌合部分140の直径Dmは、近位係合部分Deの直径より大きくてもよく、又はスリーブ104の直径は、全体にわたって均一であってもよい。
【0043】
細長いシャフト102は、1つ以上の自由度でスリーブ104に対して移動することができる。例えば、図示のように、係合部分142は、細長いシャフト102に形成された少なくとも部分的な周方向溝132の上に配置されて、スリーブをそこに結合することができる。
図8Bは、スリーブ104、特に係合部分142をより詳細に示している。係合部分142は、細長いシャフト102の少なくとも部分的な周方向溝132と相互作用するための1つ以上のリンク構成要素150を受容することができる。示されるように、リンク構成要素150は、ボタン152、位置決めピン154、及びガイドピン156を含むことができる。リンク構成要素150は、リンク構成要素150をチャネル又はルーメン138と連通するように配置するために、係合部分142内に形成された1つ以上の凹部、貫通孔、又はボア内に受容され得る。例えば、示されるように、係合部分142は、ボタン152をその中に受容するための凹部158と、ガイドピン156をそれを通して受容するための凹部160と、位置決めピン154をそれを通して受容するための凹部162とを含むことができるが、いくつかの実施形態では、付加的凹部が、係合部分142及び/又は遠位嵌合部分140内に形成されることができる。細長いシャフト102とスリーブ104との間の連携を促進するための、係合部分142内に配置されたリンク構成要素150と細長いシャフト102の対応する特徴との間のインタフェースについては、以下で更に説明する。
【0044】
ボタン152は、内部に形成された1つ以上のチャネル166を有する実質的に長方形の本体153を含むことができる。図示のように、ボタン152は、ボタンを中に配置するために、スリーブ104の本体134に形成された対応する凹部158に受容され得る。ボタン152は、細長いシャフト102の1つ以上の特徴と連携して、器具100によって保持される任意のインプラント部品への軸方向力の伝達を可能にするように、凹部158内に受容され得る。いくつかの実施形態では、ボタン152は、スリーブ104からの細長いシャフト102の分解を可能にするように作動されることができ、それによって、洗浄、滅菌等のために器具を分解する。
【0045】
ボタン152は、細長いシャフト102がそこを通過することを可能にするために、その中に形成された中央チャネル166を含むことができる。示されるように、中央チャネル166は、細長いシャフト102が中央チャネル166を通って延在することを可能にするように、細長いシャフト102及びスリーブ104の中央長手方向軸A1、A2のうちの1つ以上と実質的に整列するボタンの幅を通って延在する長手方向軸A3を画定することができる。中央チャネル166は、中央チャネル166が細長いシャフト102の少なくとも一部に沿って細長いシャフト102の実質的に負の形状を形成するように、細長いシャフトの形状に対応することができる少なくとも1つの湾曲面を含むことができる。いくつかの実施形態では、中央チャネル166は、少なくとも部分的に円形、楕円形、長方形、正方形、長円形、又は細長いシャフト102がそれを通過することを可能にするように構成された別の形状であり得る。
【0046】
ボタン152は、その本体153に形成された追加の凹部を含むことができる。例えば、ボタン152は、その横側面に形成された凹部168を有することができる。図示のように、凹部168は、中央チャネル166に実質的に直交する表面に形成することができる。いくつかの実施形態では、凹部168は、凹部内に配置された物体が中央チャネル166と連通しないように位置決めすることができるが、いくつかの実施形態では、凹部は、中央チャネル166と連通するように本体153を通って延在することができる。凹部168は、それを通してリンク構成要素150のうちの1つ、例えば、位置決めピン154を受容するようにサイズ決め及び成形されることができる。位置決めピン154は、凹部168内を移動して、中央チャネル166の中央長手方向軸A3に実質的に垂直な軸A4に沿ったボタン152の移動を制限することができる。
【0047】
ボタン152は、ボタン152とスリーブ104との間に配置された付勢要素(例えば、コイルばね)170を介して細長いシャフト102に係合することができる。例えば、ボタン152は、
図11に示すように、その底面に形成された第1の凹部172を含むことができる。第1の凹部172は、それを通して付勢要素170を受容するようにサイズ決め及び成形されることができる。いくつかの実施形態では、付勢要素170は、第1の凹部172と、スリーブ104の本体134に形成された第2の凹部174との間に配置することができる。
【0048】
上述したように、付勢要素170は、(i)ボタン152が細長いシャフト102に係合して細長いシャフト102に対するスリーブ104の向きをロックする第1の位置と、(ii)ボタン152が細長いシャフト102から係合解除してスリーブ104が細長いシャフト102に対して1つ以上の自由度で並進及び/又は回転できるようにする第2の位置との間で、細長いシャフト102及びスリーブ104の軸A1、A2にそれぞれ実質的に垂直な軸A4に沿って移動するようにボタン152を付勢することができる。コイルばね170が示されているが、代わりに又は加えて、板ばね、波形ばね、ねじりばね、弾性圧縮可能部材、電磁石などの様々な他の付勢要素を使用して、ボタンを押し下げて軸A4の方向に跳ね返らせることができる。
【0049】
ガイドピン156は、図示されるように、細長いシャフトに沿ったスリーブの移動を案内するために、係合部分142上に形成された凹部160内に受容され得る。ガイドピン156は、細長いシャフト102に対してスリーブ104と連携して移動する固定ピンであり得るが、いくつかの実施形態では、ガイドピンは、細長いシャフト102に対して枢動及び/又は平行移動することができる。更に他の実施形態では、ガイドピンは、ルーメン38の内壁から延びる突出部としてスリーブ104と一体的に形成することができる。ガイドピン156は、細長いシャフト102内に形成された長手方向溝126内を移動することができる。示されるように、ガイドピン156は、係合部分142を通ってスリーブ104のチャネル又はルーメン38の中に延びて、細長いシャフトと連携することができる。そのように配置されると、ガイドピン156は、細長いシャフト102の長手方向溝126及び/又は部分的な周方向溝128のうちの1つ以上と整列して、スリーブ104に対する細長いシャフト102の並進及び回転を案内及び制限することができ、例えば、器具100のロック構成とロック解除構成との間の移動を可能にする。凹部158、160は、細長いシャフト102に対するボタン152及びガイドピン156の角度位置が、器具100がロック解除構成とロック構成との間で移動するときに同じままであるように、長手方向軸A2の周りに角度的に整列され得る。
【0050】
スリーブ104及び/又は細長い本体102は、器具がロック解除又はロック位置若しくは構成にあるかどうかを示す1つ以上のインジケータ176を含むことができる。例えば、
図8A~
図8Cに示すように、本体134は、器具100のロック/ロック解除状態を示すラベル又は画像176を含むことができる。いくつかの実施形態では、スリーブ104は、ロック解除位置又は開位置にある南京錠の第1の画像を、反時計回り方向を指す矢印の画像と共に含むことができる。ロック解除位置にある南京錠は、スリーブを矢印の方向に回転させることによって器具100をロック解除できることを示すことができる。スリーブ104はまた、示されるように、遠位嵌合部分140上に矢印176を含むことができる。この矢印176は、器具100がロック解除位置にあることを示すために、
図9に示される細長いシャフト102上の開位置にある南京錠など、器具の別の部分に沿った開位置又は閉位置にある南京錠の画像と位置合わせすることができる。いくつかの実施形態では、細長いシャフト102上の画像は、閉位置にある南京錠の画像とすることができ、これは、スリーブ104上の矢印が画像と位置合わせされたときに器具100がロック位置にあることを示す。代わりに又は加えて、「開いている」及び「閉じている」と読むテキストラベル、他の図面など、他のテキスト又は画像を使用することができる。
【0051】
器具100は、器具100の位置を伝達するための追加のインジケータを含み得る。例えば、長手方向溝126に対するボタン152の位置は、器具100がロック解除位置にあるかロック位置にあるかに関してユーザに知らせることができる。図示のように、ボタン152が細長いシャフト102の長手方向溝126と位置合わせされているとき、器具100はロック解除位置にあり、ボタン152が長手方向溝126から角度的にオフセットされているとき、器具100はロック位置にあるか、又は少なくともロック位置に向かう移行中である。いくつかの実施形態では、係合部分142の形状はまた、器具がロック解除位置にあるかロック位置にあるかに関してユーザに知らせることができる。例えば、
図9、10、13、及び14に示されるように、係合部分142は、ロック解除構成において長手方向溝126と整列し、ロック構成においてそこから角度的にオフセットされ得る、対向するスカラップ又は切り欠き部分200を伴う、実質的に円筒形の形状を有することができる。
【0052】
使用時、細長いシャフト102は、上の
図6に示されるように、器具を組み立てるために、嵌合部分140を通して係合部分142の中へ近位に前進させられることができる。組み立て中、スリーブ104は、ガイドピン156が長手方向溝126と整列して長手方向溝に接触及び/又は係合するように位置決めすることができる。細長いシャフト102がスリーブ104を通って近位に前進し続けると、細長いシャフト102は、ボタン152の中央チャネル166を通過し、スリーブ104の近位端104pから出る。前進中、ガイドピン156は、長手方向溝126の近位端126pに係合し、その中で遠位方向に摺動する。細長いシャフト102及び/又はスリーブ104は、ガイドピン156が長手方向溝126の遠位端126dに配置され、ボタン152が第1の肩部130と第2の肩部134との間の凹部132に係合するまで、互いに対して移動し続けることができる。この位置において、器具100は、以下に更に記載されるように、
図5に示されるようなレシーバ部材12に係合し得る。
【0053】
図9~
図12は、ロック解除位置にある器具100を示し、
図13及び
図14は、
図5に示されるものと同様のレシーバ部材12の延長タブ16A、16Bと係合している間のロック位置にある器具を示す。以下に示されたもの以外に、記載された方法のステップは様々な順序で行うことができ、1つ以上のステップを省略又は追加することができる。更に、簡潔にするために、ここでは全ての一連のステップの詳細な説明を省略する。器具100は、器具の構成要素を分解するだけでなく、器具を1つ以上のインプラント部品からドッキング、嵌合、及び分離するための調整機構を含むことができる。例えば、スリーブ104を細長い本体102に対して回転させて、器具100を、(i)器具100がレシーバ部材のタブと自由に係合するロック解除位置と、(ii)器具100がレシーバ部材のタブと係合してレシーバ部材との剛性接続を形成し、レシーバヘッドを骨ねじシャンクに組み立てる間に引張力及び圧縮力の伝達を可能にするロック位置との間で移動させることができる。骨ねじシャンクへのモジュール式レシーバ部材の組み立ては、迅速な骨アンカー組み立てを可能にするために、手術前、手術後、又は手術中に行うことができる。ロック解除位置及びロック位置の各々における器具が示され、以下により詳細に説明される。
【0054】
図9~
図12は、ロック解除位置にある器具100を示しており、スリーブ104は、ガイドピン156が長手方向溝126内に配置されるように細長いシャフト102に対して配向されている。示されるように、ボタン152は、長手方向溝126に対して実質的に垂直に配置され、遠位嵌合部分上の矢印176は、器具100がロック解除位置にあることを明確にするために、細長いシャフト102上に描かれた開位置において南京錠と整列する。一実施形態では、細長いシャフト遠位連結器116は、レシーバ部材12のU字形座部内に押し込まれ得る一方で、スリーブ104は、細長いシャフト102から分離されるか、又はその近位部分に沿って配置される。次いで、スリーブ104は、その開放遠位端を有する遠位係合部分142がレシーバ部材延長タブ20の近位端上を摺動するまで、細長いシャフト102に沿って遠位に前進させられることができる。
図10に示すように、ガイドピン156は、ロック解除位置において、長手方向溝126の遠位端126d内に、又は長手方向溝126と半径方向溝128との間のくの字形接合部129内に着座する。更に、ロック解除構成では、スリーブ104の内側表面上に形成された対向する内向きに突出するアーム146A、146Bは、レシーバ部材の対向する延長タブ20間に形成された間隙と位置合わせすることができ、スリーブ104がタブ20の近位端上を遠位に摺動するときにこれらの構成要素間の干渉がないことを確実にする。上述したように、器具100の調整機構は、構成要素が長手方向軸A2に沿って互いに対して適切に位置決めされると、スリーブ104が細長いシャフト102に対して軸A2を中心に回転可能であり、ロック解除位置とロック位置との間で移動することを可能にすることができる。例えば、スリーブ104は、スリーブ104を
図9に示すロック解除位置から
図13に示すロック位置に移動させるために、近位視点から見たときに時計回り方向に回転させることができるが、他の実施形態では、回転方向を逆にすることができる。細長いシャフト102及びレシーバ部材12(連結器116によって細長いシャフトに対して保持される)に対するスリーブ104のそのような回転は、レシーバ部材12を器具100に堅固に固定するのを助けるために、スリーブの対向するアーム146A、146Bが、延長タブ20の外側表面上に形成されたノッチ、溝、突出部、又は他の特徴と連携することを可能にすることができる。更に、細長いシャフト102上に形成されたフランジ131は、延長タブ20の近位面に当接して、レシーバ部材12と器具100との間の相対移動を更に制限することができる。
【0055】
図11及び
図12は、ロック解除位置におけるスリーブ104の係合部分142と細長いシャフト102との間のインタフェースをより詳細に示す。図示のように、ボタン152は、本体153上に形成されたフランジ178を含むことができる。いくつかの実施形態では、フランジ178は、本体153から延在して、器具100の1つ以上の特徴、例えば、細長いシャフト102、スリーブ104等と連携することができる。例えば、示されるように、ボタン152のフランジ178は、細長いシャフト102の凹部132を画定する第1及び第2の肩部130、134と連携して、スリーブに対する細長いシャフトの更なる近位及び遠位変位を防止する軸方向停止部を提供する。フランジ178と肩部130、134との間のインタフェースはまた、器具100がインプラントに嵌合されたときにインプラントに軸方向力を伝達することを可能にする。
【0056】
第1のばね凹部172内に配置された付勢要素170は、フランジ178が細長いシャフト102の凹部132が細長いシャフトの凹部内に着座するように、ボタン152を軸A4の方向に付勢する。上述したように、細長いシャフト102の長さLに沿って第1の肩部130と第2の肩部134との間に配置された凹部132は、1つ以上の平坦部180、181を含むことができる。凹部132内の平坦部180、181は、ロック解除位置及びロック位置の各々においてスリーブ104の好ましい向きを提供する戻り止めとして機能することができる(例えば、スリーブ104は、回転時にフランジ178の平坦面を最も近い平坦部180、181と位置合わせするように優先的に移動する)。平坦部180、181は、フランジ178がロック位置及びロック解除位置の各々において平坦部のうちの1つと係合することを可能にするために、それらの向きがロック解除位置及びロック位置においてスリーブ104の向きと整列するように、互いに対して実質的に垂直に位置決めされ得る。例えば、
図12に示すように、ボタン152のフランジ178は、細長いシャフト102に沿って平坦部181に係合して、スリーブの向きをロック解除位置に保持するのを助ける。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、図示されるような第1及び第2の平坦部180、181を含むが、必要又は所望に応じて、任意の数の回転停止部又は戻り止めを提供するために利用され得る任意の数の平坦部も含む、複数の平坦部を含むことができる。
【0057】
回転力がスリーブ104に付与されると、ガイドピン156は、長手方向溝126と部分的な周方向溝126との間のくの字形接合部129接続から出て移動し、部分的な周方向溝128内に配置されるようになる。ガイドピン156は、スリーブ104の回転方向にくの字形接合部129から部分的な周方向溝128内に移動するときに、細長いシャフト126の円周に沿って移動する。部分的な周方向溝126の内側に入ると、ガイドピン156は、細長いシャフト102に対してスリーブ104をロックして器具100をロック位置に位置決めするための回転停止部を提供することができる。例えば、ガイドピン156は、細長いシャフト102に対するスリーブ104の過回転を防止しながら、器具がロック解除位置とロック位置との間で移動されるときに、部分的な周方向溝128に乗ることができる。スリーブ104は、ロック解除位置からロック位置まで約4分の1回転、すなわち90度回転することができるが、いくつかの実施形態では、器具100は、異なる角度、例えば、特定の実施形態では約45度から約110度の回転後にロック位置にあることができるが、他の値も可能である。細長いシャフト102に対するスリーブ104の更なる回転は、そのような回転に抵抗するために部分的な周方向溝128の端部に当接するガイドピン156によって防止される。必要な回転が完了すると、ボタン152のフランジ178は、細長いシャフトの平坦部180に係合することができ、これは、スリーブ104をロック位置に保持するのを助けることができる。更に、ユーザがスリーブ104を十分に回転させてフランジを平坦部181から離して平坦部180に近づけるとすぐに、構成要素とそれらの形状の相補的な形状との相互作用がスリーブ104を付勢して、平坦部180がフランジ178に直角に当接するロック構成を継続させることができる。
【0058】
図13及び
図14は、ロック位置にある器具100を示す。示されるように、スリーブ104は、係合部分142上の矢印176がシャフト102上の南京錠アイコンからオフセットされ、ボタン152が長手方向溝126からオフセットされるように、細長いシャフト102に対して約4分の1回転に位置付けられる。レシーバ部材12は、スリーブ104と細長いシャフト102との間に配置されて、レシーバ部材12の延長タブ16A、16Bを器具100に嵌合させることができる。ガイドピン156は、回転停止部として機能し、シャフト102に対するスリーブ104の過回転を防止するために、部分的な周方向溝128内に配置することができる。
図14に示されるように、スリーブ104のロック構成への回転は、タブが嵌合部分140から後退することを防止するように、延長タブ16A、16Bの表面に沿って嵌合部分140の固定アーム146A、146Bを位置付けることができ、それによって、レシーバ部材12を器具100に堅固に固定する。ボタン152は、肩部130、134の間に配置されたシャフト102の凹部132と位置合わせされたままにすることができ、その結果、シャフトに加えられた力は、堅固に結合されたレシーバ部材12に伝達される。
【0059】
スリーブ104及び細長いシャフト102は、使用後の洗浄のために分解することができる。例えば、器具を分解するために、スリーブ104は、
図8Bの矢印及びロック解除表示202によって示されるように、反対方向、例えば、反時計回りに移動され、器具100をロック位置からロック解除位置に戻すことができる。この移動は、嵌合部分140のアーム146A、146Bを回転させて、レシーバ部材12の延長タブ16A、16Bとの係合から外し、レシーバ部材が器具100から分離することを可能にする。回転はまた、ガイドピン156を部分的な周方向溝126から出て、くの字形接合部129を通り、長手方向溝126の遠位端126dに戻す。ロック解除位置において、ボタン152は、付勢要素170の付勢力に対抗するように押し下げられ得、その結果、フランジ178は、凹部132の平坦部180、181のいずれにももはや係合しない。ボタン152が更に押し下げられると、フランジ178が凹部132から出て、フランジ178が凹部132を画定する第1及び第2の肩部130、134のいずれとも連携しなくなる。ボタン152がもはや第1及び第2の肩部130、134と連携しなくなると、細長いシャフト102がスリーブ104に対して平行移動することができるように、任意の軸方向停止部が解除される。細長いシャフト102は、スリーブから分解するためにスリーブ104から外に前進させることができる。細長いシャフト102を係合部分142から遠位に前進させることができるが、いくつかの実施形態では、シャフト102は、嵌合部分140を通って前進して、スリーブ104から分解することができる。
【0060】
図15は、上述の細長いシャフト及びスリーブ組立体と共に使用することができる器具100のハンドル106を示す。ハンドル106は、ユーザによる器具の操作を容易にするために、細長いシャフト102及びスリーブ104の組立体に取り付けることができる。例えば、ハンドル106は、器具部品に軸方向荷重を与えるために使用することができる。図示されるように、ハンドル106は、ハンドル本体182、モジュール式アクチベータ184、及びキャップ186を含むことができる。ハンドル106は、ハンドル106を器具100に取り付けるために、細長いシャフト102の近位端をその中に受容することができる。
【0061】
図16及び
図17は、ハンドル106のモジュール式アクチベータ184をより詳細に示す。図示のように、モジュール式アクチベータ184は、細長いシャフト102を受容するための貫通孔188と、細長いシャフト102に着脱するための押しボタン190とを含むことができる。押しボタン190は、貫通孔188と整列して細長いシャフト102を受容するチャネル192を含むことができる。図示のように、押しボタン190は、貫通孔188に対して実質的に垂直に延びるハンドルの凹部194内に配置することができる。付勢部材196を凹部194内に配置して、押しボタン190をハンドル106から上方(
図17で見て)に付勢し、ボタン190のチャネル192を貫通孔188からずらして、貫通孔188内に配置された物体、例えば細長いシャフト102をロックすることができる。ねじ198は、押しボタン190をモジュール式アクチベータ184内に保持することができる。
【0062】
使用時には、細長いシャフト102は、アクチベータ184の貫通孔188内に受容され、そこを通って前進して細長いシャフト102をハンドル106に取り付けることができる。細長いシャフト102を受容するために、押しボタン190を押し下げて、付勢部材196の付勢力に対抗して、押しボタン190のチャネル192を貫通孔188と整列させて、細長いシャフト102が貫通孔を通って延在することを可能にすることができる。使用後にハンドル106を細長いシャフト102から取り外すために、押しボタン190を押し下げて、ボタンのチャネル192を貫通孔188と位置合わせし、貫通孔188からのハンドル106に対する細長いシャフト102の並進を可能にすることができる。次いで、ハンドル106は、別の細長いシャフト102に取り付けるために使用され得るか、又は洗浄のために取り外され得る。他の実施形態では、ハンドルは、異なる形状(例えば、横方向に延在する「T」形状)を有することができ、又は複数のハンドルが、処置の必要性及び/又はユーザ選好に適合するように提供されることができる。
【0063】
図18~
図22は、外科用デバイスのモジュール式組立体に使用することができる器具200の別の実施形態を示す。器具の構造及び機能は、上述した実施形態のものと実質的に同じであることができ、したがって、簡潔にするために、ここでは詳細な説明を省略する。
【0064】
器具1800は、
図20に示すように、ハンドル2006に結合することができる細長いシャフト1802上に配置されたスリーブ1804を含むことができる。器具は、
図3及び
図4に示すレシーバ部材12などのレシーバ部材の多軸ヘッドに嵌合するために使用することができる。上述したように、レシーバ部材12は、延長タブ20がなくてもよく、又はいくつかの実施形態では、延長タブ20は、
図5のレシーバ部材12の延長タブ20より小さくてもよい。したがって、器具1800は、レシーバ部材12に向かって細長いシャフトの長さに沿って延在してスリーブ1804をレシーバヘッド12又は短い延長タブ20に嵌合させる長さLを有する嵌合部分1840を有するスリーブ1804を含むことによって、延長タブを有さない(例えば、
図3に示すように)又はより短い延長タブを有する(例えば、
図4に示すように)レシーバ部材12に結合するように適合させることができる。
【0065】
示されるように、スリーブ1804の嵌合部分1840は、レシーバ部材12の多軸ヘッドをその中に受容するように構成された結合部材1843に向かって先細になり得る。結合部材1843は、
図22に示されるように、器具1800をレシーバ部材に結合するのを助けるために、レシーバ部材12の表面上に形成されたノッチ又は他の特徴に受け入れられ得る一対のアーム1946A、1946Bを含むことができる。より具体的には、
図19に示されるように、アーム1946A、1946Bは、結合部材1843の円筒面から内側に延在することができ、その間の間隙を可能にするように表面の部分的な円周の周りに延在することができる。レシーバヘッド12は、対向するアーム16A、16B又は短い延長タブ20がアーム1946A、1946B間の間隙を通過するように、結合部材1843の開放遠位端に挿入することができる。更に、細長いシャフト1802の遠位端1881は、レシーバ部材12の対向するアーム16A、16Bの間に形成されたU字形開口部内に着座するように構成することができる。これは、細長いシャフト1802及びスリーブ1804に対するレシーバ部材12の意図しない回転を防止することができる。上述した器具100と同様に、このような挿入は、器具1800がロック解除構成にあるときに行うことができ、最終的に
図20に示すような構成に到達する。レシーバ部材の近位端が結合部材1843の開放遠位端内に配置されている間、スリーブ1804は、細長いシャフト1802及びレシーバ部材12に対してロック構成まで回転させることができる。これにより、アーム1946A、1946Bを回転させて、
図21及び
図22に示すように、レシーバ部材12の対向するアーム16A、16Bの外面に形成されたスロット、ノッチ、又は他の特徴と係合させることができる。
図22の断面図に見られるように、レシーバ部材12は、アーム1946A、1946B、細長いシャフト1802の遠位端、及びレシーバ部材12の上面に当接する細長いシャフト1881の遠位部分上に形成されたフランジ1883からの反対の力によって、ロック構成において器具1800にしっかりと堅固に固定され得る。
【0066】
上述した器具100と同様に、嵌合部分1840は、器具がロック解除位置にあることを示すために、その上に配置された矢印又は他のインジケータ1876を含み、開位置にある南京錠又は細長いシャフト1802上の他のインジケータ1877を指し示すことができる。上述したように、スリーブ1804を回転させて器具1800をロックし、それにレシーバ部材12を嵌合させることができる。更に、器具1800をレシーバ部材12から取り外すために、スリーブ1804を反対方向にロック解除位置に移動させることができる。このようにして、デバイス100とデバイス1800との間の主要な差別化要因は、嵌合部分1840の長さLであり得、これは、器具100内のスリーブ104の短い嵌合部分140と比較して、延長タブを有さないか又は短い延長タブを有するレシーバ部材12に達するように延長され得る。スリーブ1804の係合部分1842は、器具100のスリーブ104の係合部分142と実質的に同じように機能することができ、例えば、細長いシャフト1802に形成された長手方向スロット1826及び部分的な周方向スロット1828内に乗るガイドピン1856、並びに、器具をロック構成とロック解除構成との間で案内するための平坦部又は他の特徴を有する細長いシャフトの少なくとも部分的な周方向溝又は凹部と係合することができる中央通路及び平坦面を有するばね付勢ボタン1852を利用することによって機能することができる。
【0067】
本明細書で開示された装置、システム及び方法は、低侵襲性手術及び/又は切開手術で用いることができる。上述したように、膝の手術、脊椎手術、肩の手術、股関節手術などの様々な整形外科処置、並びに広範囲の外科処置に適用できる可能性があるインプラント部品の一般的なモジュール式結合を含む、本明細書に記載の外科用器具を利用して、様々な外科的処置のいずれも実行することができる。更に、本明細書に開示されるデバイス及び方法は、概して、ヒト患者における手術の文脈で説明されているが、本明細書に開示される方法及びデバイスは、任意のヒト若しくは動物の対象との様々な外科処置のいずれかで、又は非外科処置で使用することができることが理解されるであろう。
【0068】
上記の説明又は添付図面において表現された又は示唆された方法ステップの任意の順序は、開示された方法を、その順序でステップを実施することに限定するものと解釈すべきではないことに留意すべきである。むしろ、本明細書で開示される方法の各々の様々なステップは、様々な順序のうちのいずれかで行うことができる。更に、記載した方法は、例示的実施形態に過ぎず、追加のステップを含む、又はより少ないステップを含む、様々な他の方法も本開示の範囲内である。
【0069】
本明細書にて開示された器具、装置、及びシステムは、種々の既知の材料のうちの任意のものから構成され得る。例示的な材料としては、例えば、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、コバルトクロム、又はそれらの合金及び組み合わせのような金属、PEEKなどのポリマー、セラミックス、炭素繊維などを含む、外科用途で使用するのに適した材料が挙げられる。本明細書に開示される器具の様々な構成要素は、それらの使用に適切な様々な程度の剛性又は可撓性を有することができる。デバイスのサイズもまた、使用目的及び手術部位の生体構造によって大きく異なり得る。更に、特定の構成要素は、他の構成要素とは異なる材料から形成され得る。器具の1つ以上の構成要素又は部分は、蛍光透視法及び他の画像処理技法下の視覚化を容易にするために、放射線不透過性材料から形成されてもよく、あるいは他の構造物の可視化を干渉しないように放射線透過性材料から形成されてもよい。例示的な放射線透過性の材料としては、炭素繊維及び高強度のポリマーが挙げられる。
【0070】
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、デバイスは、少なくとも1回の使用後に、再使用のために再調整することができる。再調整には、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。具体的には、デバイスは分解することができ、デバイスの任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、デバイスを後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによってのいずれかで再度組み立てることができる。デバイスの再調整は、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができる。そのような技術の利用、及びその結果として得られる再調整された装置は全て、本開示の範囲に含まれる。
【0071】
本明細書に説明されるデバイスは、外科処置に使用される前に処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで、器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖及び密封された容器に入れることができる。次に、容器及びその内容物は、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子などの、容器を貫通することができる放射線場の中に配置することができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌された器具を滅菌容器内で保管することができる。密封された容器は、医療施設において開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。当技術分野で既知の別の形態の滅菌も可能である。これにはベータ線又は他の放射線、酸化エチレン、蒸気、又は液体浴(例えば、寒冷浸漬)を挙げることができる。使用される材料、電気部品の存在などによって、特定の形態の滅菌技術が、デバイスの異なる部分で使用するのにより好適であり得る。
【0072】
上記の本開示の実施形態は、例示であることを意図しており、多くの変形及び修正が可能であり、本開示の範囲内である。したがって、本開示は、具体的に示され、かつ説明されている内容によって限定されるものではない。本明細書で引用される全ての刊行物及び参考文献は、参照によりそれらの全体が明示的に組み込まれる。
【0073】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、前記長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、前記第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝と、を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブであって、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記シャフトに対する前記スリーブの動きを拘束するために前記細長いシャフトの前記長手方向溝内に受容されるように構成された、前記スリーブの内壁から延びる突出部を含む、スリーブと、を備え、
前記スリーブは、前記突出部が前記第1の部分的な周方向溝内に配置されたときに前記第2の少なくとも部分的な周方向溝と接合して、前記シャフトに対する前記スリーブの軸方向移動及び回転移動の両方を更に選択的に拘束するように構成されたロックを含む、外科用器具。
(2) 前記ロックは、前記スリーブの凹部内に配置され、ロック位置とロック解除位置との間で前記スリーブ及び前記細長いシャフトに対して半径方向に並進するように構成されたボタンを含む、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記ボタンは、前記ロック位置に向かって付勢されている、実施態様2に記載の器具。
(4) 前記ボタンは、前記細長いシャフトを受容するように構成された貫通孔を含む、実施態様2に記載の器具。
(5) 前記第2の少なくとも部分的な周方向溝は、前記スリーブに対する前記シャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含む、実施態様1に記載の器具。
【0074】
(6) 前記複数の平坦部分は、前記スリーブに対する前記シャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含む、実施態様5に記載の器具。
(7) 前記ロックは、前記第2の少なくとも部分的な周方向溝の前記複数の平坦部分のうちの1つに当接して、前記シャフトを前記スリーブに対する前記複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含む、実施態様5に記載の器具。
(8) 前記器具の操作を容易にするために、前記細長いシャフトの近位部分に結合するように構成されたハンドルを更に備える、実施態様1に記載の器具。
(9) 前記スリーブ及び前記細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、前記1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されている、実施態様1に記載の器具。
(10) 前記スリーブは、前記細長いシャフトと前記スリーブとの間に配置されたときに前記物体に係合する一対のアームを更に備える、実施態様9に記載の器具。
【0075】
(11) 前記物体は、レシーバヘッドの1つ以上の延長タブを含む、実施態様10に記載の器具。
(12) 外科用器具であって、
細長いシャフトであって、前記細長いシャフトの一部に沿って形成された長手方向溝と、前記長手方向溝の遠位端と交差する第1の部分的な周方向溝と、前記第1の部分的な周方向溝の遠位に形成された第2の周方向溝と、を有する、細長いシャフトと、
前記細長いシャフトの上に配置されるように構成されたスリーブと、
前記スリーブの貫通孔内に受容されるように構成されたピンであって、前記ピンは前記スリーブの内側ルーメン内に延在し、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記スリーブと前記細長いシャフトとの相対移動を拘束するために前記細長いシャフトの前記長手方向溝及び前記第1の部分的な周方向溝内に受容されることができる、ピンと、
前記スリーブの凹部内に受容され、前記凹部に対して半径方向に並進するように構成されたボタンであって、前記ボタンは、前記ボタンに形成された貫通孔を含み、前記貫通孔は、前記スリーブが前記細長いシャフトの上に配置されたときに前記細長いシャフトを受容するように構成されている、ボタンと、を備え、
前記ボタンは、前記細長いシャフトの前記第2の周方向溝内に配置され、前記ピンが前記細長いシャフトの前記第1の部分的な周方向溝に受容されたときに前記細長いシャフトと前記スリーブとの相対移動を更に拘束するように構成されている、外科用器具。
(13) 前記スリーブは、前記スリーブの前記内側ルーメンの壁上に形成された第1の部分的な周方向突出部及び第2の部分的な周方向突出部を更に含む、実施態様12に記載の器具。
(14) 前記ボタンは、前記スリーブに対して半径方向外側に付勢されている、実施態様12に記載の器具。
(15) 前記第2の周方向溝は、前記スリーブに対する前記シャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含む、実施態様12に記載の器具。
【0076】
(16) 前記複数の平坦部分は、前記スリーブに対する前記シャフトの第1の回転位置及び第2の回転位置を画定する第1の平坦部分及び第2の平坦部分を含む、実施態様15に記載の器具。
(17) 前記ボタンは、前記第2の周方向溝の前記複数の平坦部分のうちの1つに当接して、前記シャフトを前記スリーブに対する前記複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含む、実施態様15に記載の器具。
(18) 前記スリーブ及び前記細長いシャフトは、それらの間に1つ以上の物体を係合して、前記1つ以上の物体との剛性接続を形成するように構成されている、実施態様12に記載の器具。
(19) 器具を物体に結合するための方法であって、前記方法は、
細長いシャフト上でスリーブを前進させて、前記スリーブの内壁から延在する突出部が前記細長いシャフトに形成された長手方向溝内を移動するようにすることと、
物体の一部が前記スリーブと前記細長いシャフトとの間に配置されるように前記物体を位置決めすることと、
前記細長いシャフトに対して前記スリーブを回転させて、前記突出部が、前記長手方向溝の遠位端と交差する前記細長いシャフトに形成された部分的な周方向溝内を移動して、前記物体と前記器具との間の相対移動を防止するようにすることと、
を含む、方法。
(20) 前記スリーブは、前記突出部が前記長手方向溝と前記部分的な周方向溝との交点に配置される位置まで前記細長いシャフト上を前進させられ、前記スリーブのロックは、前記部分的な周方向溝の遠位にある前記細長いシャフト内に形成された第2の少なくとも部分的な周方向溝内に配置される、実施態様19に記載の方法。
【0077】
(21) 前記第2の少なくとも部分的な周方向溝は、前記スリーブに対する前記シャフトの複数の回転位置を画定するように互いに角度的にオフセットされた複数の平坦部分を含み、
前記ロックは、前記第2の少なくとも部分的な周方向溝の前記複数の平坦部分のうちの1つに当接して、前記シャフトを前記スリーブに対する前記複数の回転位置のうちの1つに維持するように構成された平坦部分を含み、
前記細長いシャフトに対して前記スリーブを回転させることは、前記複数の回転位置のうちの第1の回転位置と前記複数の回転位置のうちの第2の回転位置との間で前記スリーブを回転させることを含む、実施態様20に記載の方法。
(22) 前記スリーブの前記ロックを作動させて、前記細長いシャフトに形成された前記第2の少なくとも部分的な周方向溝から前記ロックを移動させることを更に含む、実施態様20に記載の方法。
(23) 前記物体を位置決めすることは、前記物体を前記スリーブから延在する一対のアームと接触させることを含む、実施態様19に記載の方法。
【国際調査報告】