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  • 特表-電動ロック型の回転継手 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】電動ロック型の回転継手
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20240201BHJP
   F16H 25/12 20060101ALI20240201BHJP
   H02K 7/06 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F16H25/20 B
F16H25/12 A
H02K7/06 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546484
(86)(22)【出願日】2021-05-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 CN2021096563
(87)【国際公開番号】W WO2022160532
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】202110133995.9
(32)【優先日】2021-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523290089
【氏名又は名称】シエンジュー シンジー テクノロジー カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マー,ジエンチュン
【テーマコード(参考)】
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3J062AA38
3J062AB21
3J062AB31
3J062AC07
3J062CC13
3J062CD02
3J062CD22
5H607BB01
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD19
5H607EE52
5H607FF00
(57)【要約】
電動ロック型の回転継手はモータ(1)、軸継手、球継手を含み、モータ(1)は二重出力軸型のモータ又は単一出力軸型のモータであり、各モータ軸に対応して、1つの軸継手ケース(2)又は球継手ケース(3)がモータ(1)の本体に固定接続されるとともに、軸継手又は球継手のアンロック機構がモータ軸に固定接続され、モータ(1)のオンオフ及び正逆回転により軸継手又は球継手のロック及びアンロックが制御される。当該回転継手は制御が柔軟で便利であり、システムが簡単であり、また、モータ(1)が棒状部材の間に直列に接続されるため、回転継手は体積及び重量がいずれも比較的小さく、棒状直列機構、特に内視鏡ホルダなどの機構の性能を顕著に高めることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主に、モータ、軸継手、球継手により構成された電動ロック型の回転継手であって、モータが二重出力軸型のモータ又は単一出力軸型のモータであり、各モータ軸に対応して、1つの軸継手ケース又は球継手ケースがモータの本体に固定接続されるとともに、軸継手又は球継手のアンロック機構が前記モータ軸に固定接続されることを特徴とする電動ロック型の回転継手。
【請求項2】
軸継手ケースに1本の回転軸が回転可能に嵌着され、回転軸の軸線はモータ軸の軸線に垂直であり、回転軸に開口したブレーキリングが嵌着され、回転軸の両端は軸継手ケースから延出し、回転軸と軸継手ケースは軸継手を構成し、軸継手ケースは中空であり、空間Tと呼ばれ、モータ軸は当該空間T内にあり、1つのスクリューはモータ軸に固定され、1つのナットはスクリューに装着されてねじ対偶を形成し、1つのロックフォークの後端はナットに固定接続され、当該ロックフォークの先端は前記ブレーキリングの開口外側に突き合わせられ、空間TにおいてバッフルPが軸継手ケースに固定され、ディスクスプリング群Pの一端面はバッフルPを押し、ディスクスプリング群Pの他方の端面はロックフォークを押して、ロックフォークをブレーキリングへ押すことを特徴とする請求項1に記載の電動ロック型の回転継手。
【請求項3】
球継手ケースは中空であり、空間Lと呼ばれ、モータ軸は空間L内に位置し、当該空間Lは開口した孔路を有し、当該孔路の軸線はモータ軸の軸線に垂直であり、当該孔路の開口部は球面であり、当該孔路に1つの球面押しブロックがあり、球面押しブロックの球面と当該孔路の出口部の球面とは球状空間を構成し、当該空間に1つの球頭が回転可能に嵌着され、球頭と上記二部分の球面とは球継手を構成し、空間Lにモータ軸に固定された1つの板カムがあり、板カムの軸線はモータ軸の軸線に平行であり、1つの平底フォロアは板カムと接触して結合され、平底フォロアと板カムとは1つのカム対偶を構成し、平底フォロアは球面押しブロックに固定接続され、空間L内に1つの球継手ケースに固定されたバッフルQがあり、ディスクスプリング群Qの一端面はバッフルQを押し、ディスクスプリング群Qの他方の端面は前記球面押しブロックを押して、球面押しブロックを球頭へ押すことを特徴とする請求項1に記載の電動ロック型の回転継手。
【請求項4】
ブレーキリングは開口した環状部材であり、回転軸に可動に嵌着され、環状開口部の両側は外向きのボスであり、2つのボスの外側は斜面であり、2つの斜面は対称であり、2つの斜面は外端の距離が小さく、奥端の距離が大きくて、外斜面群を形成することを特徴とする請求項2に記載の電動ロック型の回転継手。
【請求項5】
ロックフォークの先端は、ブレーキリングのボスの外斜面群と貼り合わせることを可能にする幾何学的寸法を有する1群の内斜面であることを特徴とする請求項2に記載の電動ロック型の回転継手。
【請求項6】
空間Lの開口した孔路の開口部の球面直径、球面押しブロックの球面直径、球頭の直径という三者が同じであることを特徴とする請求項3に記載の電動ロック型の回転継手。
【請求項7】
モータはサーボモータ又はステッピングモータを用いることを特徴とする請求項1に記載の電動ロック型の回転継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は棒状直列機構の重要な部材に関し、特に電動ロック型の継手である。
【背景技術】
【0002】
棒状直列機構はマニピュレータ、多自由度位置調節装置、エンドエフェクタ変位機構などの場合に広く用いられ、その動作は主に直列リンケージにおける各回転継手によって実現され、そのため回転継手は重要な部材である。回転継手は、動作する時に、動作状況の要求に応じて回転又はロック状態を変換する必要があり、すなわち制御可能なロック装置を備える必要がある。従来のロック装置には、例えば中国特許「200510092591回転継手の電磁ロック装置」に開示された型式が挙げられ、様々なタイプがある。しかしながら、マン・ロボット協調作業型マニピュレータ、マスタスレーブマニピュレータ、医療器具、光学機器などの小型化への発展に伴い、従来の様々な回転継手のロック装置は、その寸法及び重量が設計指標を満たすことが困難になる。本発明はモータに駆動されたスクリューナット対偶又はカム対偶の構造を利用し、新型の棒状直列機構の回転継手に対する要求を達成することが可能な電動ロック型の回転継手を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
サイズが小さく、重量が軽く、ロック力が大きく、ロックとアンロックとの変換が速く、制御しやすい回転継手が提供され、新型の棒状直列機構、特に医用内視鏡ホルダなどの場合に用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
主に、モータ、軸継手、球継手により構成された電動ロック型の回転継手は、モータが二重出力軸型のモータ又は単一出力軸型のモータであり、各モータ軸に対応して、1つの軸継手ケース又は球継手ケースがモータの本体に固定接続されるとともに、軸継手又は球継手のアンロック機構が前記モータ軸に固定接続されることを特徴とする。
【0005】
さらに具体的な構造は以下のとおりである。軸継手ケースに1本の回転軸が回転可能に嵌着され、回転軸の軸線はモータ軸の軸線に垂直であり、回転軸に開口したブレーキリングが嵌着され、回転軸の両端は軸継手ケースから延出し、回転軸と軸継手ケースは軸継手を構成し、軸継手ケースは中空であり、空間Tと呼ばれ、モータ軸は当該T空間内にあり、1つのスクリューはモータ軸に固定され、1つのナットはスクリューに装着されてねじ対偶を形成し、1つのロックフォークの後端はナットに固定接続され、先端は前記ブレーキリングの開口外側に突き合わせられ、空間TにおいてバッフルPが軸継手ケースに固定され、ディスクスプリング群Pの一端面はバッフルPを押し、ディスクスプリング群Pの他方の端面はロックフォークを押して、ロックフォークをブレーキリングへ押す。
【0006】
さらに具体的な構造は以下のとおりである。球継手ケースは中空であり、空間Lと呼ばれ、モータ軸は空間L内に位置し、当該空間Lは開口した孔路を有し、当該孔路の軸線はモータ軸の軸線に垂直であり、当該孔路の開口部は球面であり、当該孔路に1つの球面押しブロックがあり、球面押しブロックの球面と当該孔路の出口部の球面とは球状空間を構成し、当該空間に1つの球頭が回転可能に嵌着され、球頭と上記二部分の球面とは球継手を構成し、空間Lにモータ軸に固定された1つの板カムがあり、板カムの軸線はモータ軸の軸線に平行であり、1つの平底フォロアは板カムと接触して結合され、平底フォロアと板カムとは1つのカム対偶を構成し、平底フォロアは球面押しブロックに固定接続され、空間L内に1つの球継手ケースに固定されたバッフルQがあり、ディスクスプリング群Qの一端面はバッフルQを押し、ディスクスプリング群Qの他方の端面は前記球面押しブロックを押して、球面押しブロックを球頭へ押す。
【0007】
さらなる特徴は以下のとおりである。ブレーキリングは開口した環状部材であり、回転軸に可動に嵌着され、環状開口部の両側は外向きのボスであり、2つのボスの外側は斜面であり、2つの斜面は対称であり、2つの斜面は外端の距離が小さく、奥端の距離が大きくて、外斜面群を形成する。
【0008】
さらなる特徴は以下のとおりである。ロックフォークの先端は、ブレーキリングのボスの外斜面群と貼り合わせることを可能にする幾何学的寸法を有する1群の内斜面である。
【0009】
さらなる特徴は以下のとおりである。空間Lの開口した孔路の開口部の球面直径、球面押しブロックの球面直径、球頭の直径という三者が同じである。
【0010】
さらなる特徴は以下のとおりである。モータはサーボモータ又はステッピングモータを用いる。
【0011】
このような電動ロック型の回転継手の動作過程は以下のとおりである。初期状態時に、ディスクスプリング群Pの圧力はロックフォークを押し、ロックフォークの先端の内斜面群はブレーキリングのボスの外斜面群を押し付け、それにより、ブレーキリングには奥向きに縮小する弾性変形が発生して、回転軸が抱き締められ、回転軸は軸継手ケースに対して回転できず、軸継手はロック状態となる。モータが回転すると、モータ軸のスクリューはそれに伴って回転し、ナットを移動させ、ナットに固定されたロックフォークはディスクスプリング群Pの押し力に抵抗して後ろに移動し、ロックフォークの先端の内斜面群はブレーキリングのボスの外斜面群から離れ、ブレーキリングは弾性変形が解消され、回転軸をアンロックし、回転軸は軸継手ケースに対して回転可能になり、軸継手は回転可能な状態となる。モータが逆転して、ロックフォークは元の状態に戻り、軸継手は再びロックされる。
【0012】
初期状態時、ディスクスプリング群Qの圧力は球面押しブロックを押し、球面押しブロックの球面は球頭を球継手ケースの出口部の球面上に押し付け、球頭を抱き締め、球頭は球継手ケースに対して回転不能となり、球継手はロック状態となる。モータが回転すると、モータ軸上のカムはそれに伴って回転し、カムの高点は平底フォロアを押して移動させ、平底フォロアに固定された球面押しブロックはディスクスプリング群Qの押し力に抵抗して後ろに移動し、球面押しブロックの球面は球頭から離れて球頭をアンロックし、球頭は球継手ケースに対して回転可能となり、球継手は回転可能な状態となる。モータが逆転して、カム高点は平底フォロアから離れ、平底フォロアと一体に固定された球面押しブロックはディスクスプリング群Qの押し力の作用で元の状態に戻り、球継手は再びロックされる。
【0013】
以上から分かるように、モータの正逆回転を制御するだけで、軸継手又は球継手のロック及びアンロックを容易に制御可能となる。
【発明の効果】
【0014】
モータの正逆回転を用いて回転継手のロック及びアンロックを制御するため、制御が柔軟で便利であり、システムが大幅に簡略化される。また、モータが棒状部材の間に直列に接続されるため、回転継手は体積及び重量がいずれも比較的小さく、このような回転継手を用いると、棒状直列機構、特に内視鏡ホルダなどの機構の性能を顕著に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、図面に合わせて、本発明の構造について詳細に説明する。
図1】電動ロック型の回転継手の三次元外形図である。
図2】電動ロック型の回転継手の断面図である。
図3図2におけるA-A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面に示すように、主に、モータ、軸継手、球継手により構成された電動ロック型の回転継手は、モータ1が二重出力軸型のモータ又は単一出力軸型のモータであり、各モータ軸に対応して、1つの軸継手ケース2又は球継手ケース3がモータ1の本体に固定接続されるとともに、軸継手又は球継手のアンロック機構が前記モータ軸に固定接続されることを特徴とする。
【0017】
軸継手の具体的な構造は以下のとおりである。軸継手ケース2に1本の回転軸4が回転可能に嵌着され、回転軸4の軸線はモータ1の軸線に垂直であり、回転軸4に開口したブレーキリング6が嵌着され、回転軸4の両端は軸継手ケース2から延出し、回転軸4と軸継手ケース2は軸継手を構成し、軸継手ケース2は中空であり、空間T12と呼ばれ、モータ1の軸は当該空間T12内にあり、1つのスクリュー11はモータ1の軸に固定され、1つのナット10はスクリュー11に装着されてねじ対偶を形成し、1つのロックフォーク7の後端はナット10に固定接続され、先端は前記ブレーキリング6の開口外側に突き合わせられ、空間T12においてバッフルP9が軸継手ケース2に固定され、ディスクスプリング群P8の一端面はバッフルP9を押し、ディスクスプリング群P8の他方の端面はロックフォーク7を押して、ロックフォーク7をブレーキリング6へ押す。
【0018】
球継手の具体的な構造は以下のとおりである。球継手ケース3は中空であり、空間L15と呼ばれ、当該空間L15は開口した孔路を有し、当該孔路の軸線はモータ1の軸線に垂直であり、その開口部は球面であり、当該孔路に1つの球面押しブロック18があり、球面押しブロック18の球面と当該孔路の出口部の球面とは球状空間を構成し、当該空間に1つの球頭5が回転可能に嵌着され、球頭5と上記二部分の球面とは球継手を構成し、空間L15にモータ1の軸に固定された1つの板カム13があり、板カム13の軸線はモータ1の軸線に平行であり、1つの平底フォロア14は板カム13と接触して結合され、平底フォロア14と板カム13とは1つのカム対偶を構成し、平底フォロア14は球面押しブロック18に固定接続され、空間L15内に1つの球継手ケース3に固定されたバッフルQ17があり、ディスクスプリング群Q16の一端面はバッフルQ17を押し、ディスクスプリング群Q16の他方の端面は前記球面押しブロック18を押して、球面押しブロック18を球頭5へ押す。
【0019】
いくつかの詳細特徴は以下のとおりである。ブレーキリング6は開口した環状部材であり、回転軸に可動に嵌着され、環状開口部の両側は外向きのボスであり、2つのボスの外側は斜面であり、2つの斜面は対称であり、2つの斜面は外端の距離が小さく、奥端の距離が大きくて、外斜面群を形成する。ロックフォーク9の先端は、ブレーキリング6のボスの外斜面群と貼り合わせることを可能にする幾何学的寸法を有する1群の内斜面である。空間L15の開口した孔路の開口部の球面直径、球面押しブロック18の球面直径、球頭5の直径という三者が同じである。
【0020】
以上は本発明の組み合わせた実施例に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の思想及び原則内で行われるいかなる修正、均等置換及び改善などは、いずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0021】
1…モータ、2…軸継手ケース、3…球継手ケース、4…回転軸、5…球頭、6…ブレーキリング、7…ロックフォーク、8…ディスクスプリング群P、9…バッフルP、10…ナット、11…スクリュー、12…空間T、13…板カム、14…平底フォロア、15…空間L、16…ディスクスプリング群Q、17…バッフルQ、18…球頭押しブロック。
図1
図2
図3
【国際調査報告】