(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】光表示付き真空圧力ゲージ組立体
(51)【国際特許分類】
G01L 21/00 20060101AFI20240201BHJP
G01L 19/12 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01L21/00 Z
G01L19/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547243
(86)(22)【出願日】2022-02-01
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 GB2022050261
(87)【国際公開番号】W WO2022167783
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507261364
【氏名又は名称】エドワーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ザカリア ビショイ
(72)【発明者】
【氏名】ドニク イルベル
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド ダニエル
【テーマコード(参考)】
2F055
【Fターム(参考)】
2F055AA11
2F055BB08
2F055CC43
2F055CC46
2F055CC48
2F055DD20
2F055EE40
2F055FF49
2F055GG49
(57)【要約】
本開示は、真空圧力ゲージ組立体を提供する。組立体は、本体と、本体内に収容された圧力変換器と、本体内に収容され、圧力変換器からの圧力を示す信号を受け取るように構成されたマイクロコントローラと、マイクロコントローラと通信する少なくとも1つの発光デバイスとを備える。マイクロコントローラは、圧力変換器からの信号を処理して圧力を決定し、少なくとも1つの発光デバイスを制御して、圧力が第1の圧力範囲内にある場合には第1の光パターンを表示し、圧力が第1の圧力範囲とは異なる第2の圧力範囲内にある場合には第1の光パターンとは異なる第2の光パターンを表示するように構成されている。第1の光パターン及び第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間と共に強度が変化する。本開示はまた、真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を表示する方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空圧力ゲージ組立体であって
本体と、
前記本体内に収容された圧力変換器と、
前記本体内に収容され、前記圧力変換器から圧力を示す信号を受け取るように構成されたマイクロコントローラと、
前記マイクロコントローラと通信する少なくとも1つの発光デバイスと、
を備え、
前記マイクロコントローラは、前記圧力変換器からの前記信号を処理して前記圧力を決定し、前記圧力が第1の圧力範囲内にある場合に第1の光パターンを表示し、前記圧力が前記第1の圧力範囲とは異なる第2の圧力範囲内にある場合に前記第1の光パターンとは異なる第2の光パターンを表示するように、前記少なくとも1つの発光デバイスを制御するように構成され、
前記第1の光パターン及び前記第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間と共に強度が変化するようになっている、真空圧力ゲージ組立体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの発光デバイスは、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を備える、請求項1に記載の真空圧力ゲージ組立体。
【請求項3】
前記本体は、長手方向軸に沿って基部と上部との間に延びる側壁を画定し、前記本体の上部は、前記少なくとも1つの発光デバイスからの光が前記本体を通過するのを可能にする透明な窓を備え、前記窓は、リング形状を有する、請求項1又は2に記載の真空圧力ゲージ組立体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発光デバイスは、前記マイクロコントローラから同じ信号を受け取るように構成された複数の発光デバイスを含み、前記複数の発光デバイスは、同時に制御されるようになっている、請求項1から3のいずれか一項に記載の真空圧力ゲージ組立体。
【請求項5】
電力を受け取るために、及び/又は外部ユーザーインタフェースと通信するために、前記マイクロコントローラと通信するインタフェースコネクタをさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の真空圧力ゲージ組立体。
【請求項6】
前記第1の圧力範囲及び前記第2の圧力範囲を設定することができる設定モードにユーザーが入ることを可能にするために、前記マイクロコントローラと通信するユーザーインタフェースデバイスをさらに備え、前記少なくとも1つの発光デバイスは、前記真空圧力ゲージ組立体が前記設定モードにある場合に、前記第1の光パターンの色及び前記第2の光パターンの色とは異なる色を表示するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載の真空圧力ゲージ組立体。
【請求項7】
真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を表示する方法であって、
前記真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を測定するステップと、
前記圧力が第1の圧力範囲内にあるか否かを決定し、前記圧力が前記第1の圧力範囲内にある場合、前記真空圧力ゲージ組立体内の発光デバイスを動作させて第1の光パターンを表示するステップと、
前記圧力が前記第1の圧力範囲とは異なる第2の圧力範囲内にあるか否かを決定し、前記圧力が前記第2の圧力範囲内にある場合、前記発光デバイスを動作させて別の第2の光パターンを表示するステップと、
を含み、
前記第1の光パターン及び前記第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間と共に強度が変化する、方法。
【請求項8】
前記第1の光パターン及び前記第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、第1の強度値と第2の強度値の間で変化し、前記第1の強度値は、前記第2の強度値よりも大きい、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の強度値は、前記第2の強度値の50%以上である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の光パターンは、前記第1の強度値と前記第2の強度値との間で第1の周波数で変化し、前記第2の光パターンは、前記第1の強度値と前記第2の強度値との間で前記第1の周波数とは異なる第2の周波数で変化する、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の光パターンは時間と共に強度が変化せず、前記第2の光パターンは時間と共に強度が変化する、請求項7から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の光パターンの色は、前記第2の光パターンの色と異なる、請求項7から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の圧力範囲は、目標動作圧力を示し、前記第2の圧力範囲は、前記目標動作圧力の範囲の外側の圧力範囲を示す、請求項7から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記圧力が、前記第1及び第2の圧力範囲とは異なる第3の圧力範囲内にあるか否かを決定するステップと、前記圧力が前記第3の圧力範囲内にある場合に、前記発光デバイスを動作させて第3の光パターンを表示するステップとをさらに含み、前記第3の光パターンは、前記第1の光パターン及び前記第2の光パターンとは異なる、請求項7から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項1から6のいずれか一項に記載の真空圧力ゲージ組立体を使用して実行される、請求項7から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空圧力ゲージ組立体に関する。本開示はまた、そのような真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を表示する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力ゲージは、産業システムの圧力を測定するために一般的に使用される。圧力測定は、システムがその意図された目的に対して適切な圧力を有することを確認するために使用することができる。例えば、真空圧力ゲージは真空システムで使用される。測定値がシステム内の圧力が十分に低いことを示す場合、これを利用してシステム内の漏れ又は欠陥を表示及び検出すること、及び/又はシステムを真空排気する真空ポンプの制御を助長するフィードバックを提供することができる。
【0003】
真空圧力ゲージに関して、システムが意図した圧力で作動しているか否かをユーザーが決定することができるように、視覚的な状態表示器を含むことが知られている。このようなゲージを多数使用する複雑なシステムでは、一体型の視覚的状態表示器を有することで、ユーザーは問題領域を迅速に特定することができる。
【0004】
一部の既知の圧力ゲージは、圧力測定値を表示するデジタルインタフェースを含む。デジタルインタフェースを含む圧力ゲージは比較的複雑であり、このようなゲージを潜在的に数百台も使用する大規模施設では経済的に実現不可能な場合がある。加えて、ユーザーは、多数のゲージのうちの1つがその目標範囲外の圧力測定値を表示しているか否かを容易に発見できない場合がある。
【0005】
圧力を視覚的に表示するためにLEDを含む圧力ゲージも知られている。LED表示器を有する既知の圧力ゲージでは、LEDによって生成される光の強度は、圧力が目標設定値からさらに離れていることを示すために低減させることができる。しかしながら、実際には、単に、圧力計が汚れる/埃にまみれる、又はLED自体が経時的に暗くなる/劣化する場合に、圧力ゲージが範囲外の圧力を示しているように見える場合がある。
【0006】
従って、真空圧力の測定及び表示のこれらの態様を改善する真空圧力ゲージ組立体を提供する必要性が存在する。
【0007】
本明細書では、一般に、真空圧力ゲージ組立体のための圧力センサを「圧力変換器」として例示し、これは、一般に、そこに加わる圧力の関数として信号(例えば、電気信号)を生成することが知られている。当業者には理解されるように、広範な適切な圧力変換器及び真空圧力ゲージ組立体が知られており、何らかのそのような適切なタイプ又は組み合せの圧力変換器(複数可)及び圧力ゲージ組立体(複数可)は、本開示の恩恵を受けることができ、適宜その範囲内にあることが理解されよう。
【0008】
このようなタイプの圧力計組立体は、例えば、ピラニゲージ組立体、熱電対ゲージ組立体、電離ゲージ組立体(例えば、熱陰極ゲージ組立体又は冷陰極ゲージ組立体(ペニングゲージ組立体など))、マグネトロンゲージ組立体、逆マグネトロンゲージ組立体、ワイドレンジゲージ組立体、ひずみゲージ組立体などを含むことができる。
【0009】
このような真空圧力ゲージ組立体及びその中の圧力変換器(すなわち、圧力検出素子)の動作原理は、当業者に容易に知られているため、ここではこれ以上詳しく説明しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様では、本開示は、真空圧力ゲージ組立体を提供する。真空圧力ゲージ組立体は、本体と、本体内に収容された圧力変換器と、本体内に収容され、圧力変換器からの圧力を示す信号を受け取るように構成されたマイクロコントローラと、マイクロコントローラと通信する少なくとも1つの発光デバイスとを備える。一般に、本体は、作動ガスを受け入れるための内部チャンバを画定し、圧力変換器は、内部チャンバ内に配置され、作動ガスと動作可能に連通して、その圧力を示す信号を生成する。マイクロコントローラは、圧力変換器からの信号を処理して圧力を決定し、少なくとも1つの発光デバイスを制御して、圧力が第1の圧力範囲内にある場合に第1の光パターンを表示し、圧力が第1の圧力範囲とは異なる第2の圧力範囲内にある場合に第1の光パターンとは異なる第2の光パターンを表示するように構成されている。第1の光パターン及び第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間の共に強度が変化する。
【0011】
このようにして、真空圧力ゲージ組立体は、システムの真空圧力が適切なレベルにあるか否かを示すために、それ自体に容易に識別可能な視覚的表示を備えることができる。また、真空圧力ゲージ組立体は、例えば真空圧力ゲージ組立体に数値表示装置を設けるのと比較して、費用効果の高い方法でこれを行うことができる。
【0012】
上記の一実施形態において、少なくとも1つの発光デバイスは、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を備える。
【0013】
発光デバイスは、LEDであり、費用効果が高く、容易に制御することができ、正確に制御することができる多数の異なる光パターンを生成することができる。
【0014】
上記いずれかのさらなる実施形態では、本体は、長手方向軸に沿って基部と上部との間に延びる側壁を画定し、本体の上部は、少なくとも1つの発光デバイスからの光が本体を通過するのを可能にする透明窓を備え、窓はリング形状を有する。
【0015】
リング形状の窓(例えば、長手方向軸の周りの)を画定する本体は、使用中、装置から発せられる光パターンをより容易に見ることを可能にする(例えば、多くの角度から)。
【0016】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、少なくとも1つの発光デバイスは、マイクロコントローラから同じ信号を受け取るように構成され、同時に制御される複数の発光デバイスを備える。
【0017】
同時に制御される複数の発光デバイスを使用することにより、使用中により見やすい光パターンを提示することができる。
【0018】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、真空圧力ゲージ組立体は、電力を受け取るために、及び/又は外部ユーザーインタフェースと通信するために、マイクロコントローラと通信するインタフェースコネクタをさらに備える。
【0019】
インタフェースコネクタは、光パターン及びそれらが示す圧力範囲を変更するためのマイクロコントローラの後続の問合せ及び制御を可能にする、及び/又は組立体に電源を接続するための好都合な手段を提供する。
【0020】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、真空圧力ゲージ組立体は、第1の圧力範囲及び第2の圧力範囲を設定することができる設定モードにユーザーが入ることを可能にするために、マイクロコントローラと通信するユーザーインタフェースデバイスをさらに備える。少なくとも1つの発光デバイスは、圧力ゲージ組立体が設定モードにある場合に、第1の光パターンの色及び第2の光パターンの色とは異なる色を表示するように構成されている。
【0021】
ユーザーインタフェースデバイスは、マイクロコントローラの設定を変更するための、例えば、光パターン及びこれが示す圧力範囲を変更するための好都合な「組立体上の」手段を提供する。設定モードで色が異なることは、設定モードがアクティブである場合がユーザーには一目瞭然であることを意味する。
【0022】
別の態様では、本開示はまた、上記の態様又はその実施形態のいずれかの真空圧力ゲージ組立体を含む真空圧力ゲージを提供する。
【0023】
さらに別の態様では、本開示は、真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を表示する方法を提供する。本方法は、真空圧力ゲージ組立体を使用して圧力を測定するステップと、圧力が第1の圧力範囲内にあるか否かを決定し、圧力が第1の圧力範囲内にある場合、真空圧力ゲージ組立体内の発光デバイスを動作させて第1の光パターンを表示するステップと、圧力が第1の圧力範囲とは異なる第2の圧力範囲内にあるか否かを決定し、圧力が第2の圧力範囲内にある場合、発光デバイスを動作させて別の第2の光パターンを表示するステップとを含む。第1の光パターン及び第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間と共に強度が変化する。
【0024】
本方法は、真空圧力ゲージ組立体自体に、システムの真空圧力が適切なレベルにあるか否かを示す、容易に識別可能な視覚的表示を提供することができる。また、この方法は、例えば、真空圧力ゲージ組立体に数値表示装置を設けるのと比較して、費用効果の高い方法でこれを行うことができる。
【0025】
上記態様の一実施形態では、第1及び第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、第1の強度値と第2の強度値との間で変化し、第1の強度値は第2の強度値よりも大きい。
【0026】
強度値の間で変動させることで、視覚的に脈動(すなわち、「点滅」又は「閃光」)する光パターンを提供することができる。このようなパターンは、有利には、他のタイプの光パターンよりも視覚的に識別可能であるため、より効果的にユーザーの注意を引くことができる。
【0027】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、第1の強度値は第2の強度値の50%以上である。
【0028】
この強度値は、発光デバイスが出力可能な光の最大強度(例えば、その最大定格光強度出力)の百分率である。
【0029】
この区別的な強度値は、光パターンに識別できる「脈動」を与えるのに十分なものである。
【0030】
1つの適切な実施例では、第1の強度値は最大強度の100%であり、第2の強度値は最大強度の50%である。別の適切な実施例では、第1の強度値は最大強度の75%であり、第2の強度値は最大強度の25%である。さらに別の適切な実施例では、第1の強度値は100%であり、第2の強度値は25%である。
【0031】
いくつかの実施例では、第2の強度値は0%強度(すなわち、光なし)とすることができるが、第2の強度値が0%強度より大きい実施例では、ユーザーは、真空圧力ゲージ組立体が正しく動作していることを容易に決定することができる。これは、発光デバイスが一定期間オフにされた組立体は、一見すると動作していないように見える可能性があるためである。
【0032】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、第1の光パターンは、第1の周波数で第1の強度値と第2の強度値との間で変化し、第2の光パターンは、第1の周波数とは異なる第2の周波数で第1の強度値と第2の強度値との間で変化する。
【0033】
この実施形態は、異なる周波数/速度で「脈動」しているように見える2つの光パターンを提供する。
【0034】
上記とは別の実施形態では、第1の光パターンは、時間と共に強度が変化せず、第2の光パターンは、時間と共に強度が変化する。
【0035】
この実施形態では、第1の光パターンに関して「常時点灯」がもたらされ、第2の光パターンに関して「脈動」パターンがもたらされる。
【0036】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、第1の光パターンの色は、第2の光パターンの色と異なる。
【0037】
使用される色は、緑色、赤色、青色、紫色、オレンジ色、黄色、ピンク色、白色など、少なくとも1つの発光デバイスによって生成可能な何らかの適切な色とすることができる。
【0038】
これらの実施形態は、互いに明らかに視覚的に区別できる異なる光パターンを提供することができる。これらの視覚的な区別は、同じ場所/工場で使用される複数の組立体がある場合に特に有用であり、その理由は、その脈動パターンが他の組立体の光パターンとは異なるものとして目立つことになるので、複数の組立体のうちのどれが故障又は最適状態に及ばない圧力を検出したかを決定して選び出すことが容易になるからである。
【0039】
上記のいずれかのさらなる実施形態では、第1の圧力範囲は、目標動作圧力を示し、第2の圧力範囲は、目標動作圧力の範囲の外側の圧力範囲を示す。
【0040】
これにより、特定の組立体が真空システム内の故障又は漏れを検出している場合に、その光パターンをユーザーに簡単かつ迅速に示すことができる。複数の構成要素を有する大規模で複雑な真空システムにおいて、これは、故障又は漏れがシステム内のどの特定の構成要素又は場所にあるかを特定するのを助ける。
【0041】
上記のいずれかのさらなる実施形態において、この方法は、圧力が第1及び第2の圧力範囲とは異なる第3の圧力範囲内にあるか否かを決定するステップと、圧力が第3の圧力範囲内にある場合に、発光デバイスを動作させて第3の光パターンを表示するステップとをさらに含み、第3の光パターンは、第1の光パターン及び第2の光パターンとは異なる。
【0042】
この第3の光パターンは、組立体が受ける圧力範囲に関するさらなる情報を提供するために使用することができる。例えば、許容可能な動作圧力範囲を示す圧力範囲(第1の光パターンを使用)と、「軽微な」漏れ又は故障を示す圧力範囲(第2の光パターンを使用)と、「重大な」漏れ又は「致命的な」故障を示す圧力範囲(第3の光パターンを使用)との区別を可能にすることができる。別の実施例は、第1の光パターンを使用して、理想的な動作圧力限界内にある圧力範囲を示し、第2の光パターンを使用して、「理想的」ではないが動作にはまだ許容できる圧力範囲を示し、第3の光パターンを使用して、動作には許容できない圧力範囲を示す。
【0043】
本方法及び何らかの実施形態は、その中に上記態様の真空圧力ゲージ組立体及び何らかのその実施形態を利用できることを理解されたい。
【0044】
上記で特定の利点について特定の特徴に関連して説明したが、特定の特徴の他の利点は、本開示に従って当業者に明らかになるであろう。
【0045】
次に、単に例示的に1又は2以上の非限定的な例を添付の図を参照しながら説明する
【図面の簡単な説明】
【0046】
【
図1】本開示の一実施形態による圧力ゲージ組立体の斜視図を示す。
【
図2】線X-Xに沿った圧力ゲージ組立体の断面図を示す。
【
図3】圧力ゲージ組立体の電子部品の概略図を示す。
【
図4】圧力ゲージ組立体を使用して圧力を表示する方法の一実施形態の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1及び2を参照すると、圧力ゲージ組立体100が概略的に図示されている。図示された実施形態では、圧力ゲージ組立体は真空圧力ゲージ組立体であり、真空システムの真空圧力を測定するために使用される。
【0048】
組立体100は本体102を含む。本体100は、長手方向軸Aに沿って基部106と上部108との間に延びる側壁104を有する。図示の実施形態では、本体102は概して環状であり、長手方向軸Aに沿った円形断面を有する。他の実施形態では、本体102は、正方形又は矩形など、何らかの他の適切な断面を有することができる。
【0049】
本体102は、内部チャンバ110を画定し、この内部チャンバ110は、組立体100の使用時に(例えば真空システムからの)作動ガス又はプロセスガスを受け取るように構成されている。
【0050】
「作動ガス又はプロセスガス」は、組立体が圧力を測定しようとするガス(複数可)を意味する。「作動ガス」は、通常、作動中のガス(複数可)である(例えば、真空システムによって排気される)。チャンバ110内のガスの圧力は、システム内の圧力の指標を提供することができる。
【0051】
本体102は、ステンレス鋼又はアルミニウム合金、又は高分子材料(運転条件及び温度が許す場合)など、何らかの適切な材料で作ることができる。また、本体102は、成型/鋳造、固体ブロックからの機械加工、3D印刷など、何らかの適切な製造方法で作ることができる。
【0052】
フランジ112は、本体102の基部106から長手方向軸Aに沿って延びる。一例では、フランジ112はNW25仕様であるが、本開示の範囲内で何らかの適切なサイズ及び形状のフランジを使用することができる。フランジ112は、圧力が測定されるシステム構成要素(図示せず)と相互連結するための合わせ面113を含む。合わせ面113は、組立体100と構成要素との間にシールを提供するためのOリング(図示せず)を受け入れるための環状凹部又は溝114を有する。
【0053】
フランジ112は、チャンバ110のための入口通路116を画定する。入口通路116は、合わせ面113からフランジ112を通り、チャンバ110内へと軸方向に延びる。入口通路116はチャンバ110と流体連通しており、使用中に作動ガス(例えば真空システムからの)がチャンバ110に出入りすることを可能にする。
【0054】
フィルターエレメント117は、チャンバ110に入る前に作動ガスをフィルター処理するために、入口通路116を横切って配置されている。フィルターエレメント117は、長手方向軸Aに関して入口通路116を半径方向に横切る。フィルターエレメント117は、チャンバ110内に汚染物質が入らないようにするために使用される。そのような汚染物質は、組立体100を損傷する可能性がある(例えば、圧力変換器118、本体102、又はチャンバ110内の電気接続部を腐食させる又はその上に堆積することによって)、及び/又は圧力測定プロセスを妨げて、そこに不正確さをもたらす可能性がある。一例では、フィルターエレメント117はステンレス鋼(例えば316L)30-2メッシュであるが、フィルターエレメント117の何らかの他の適切なタイプ(例えば薄膜)、材料及び仕様は、本開示の範囲内で使用することができる。
【0055】
入口通路116は、本体102内に収容された圧力変換器118へのシステムの圧力の伝達を可能にする。圧力変換器118は、少なくとも部分的にチャンバ110内に収容されて配置される。圧力変換器の一部は、入口通路116内に収容することもできる。真空システムで使用するための例示的な実施形態では、圧力変換器118はピラニゲージのフィラメントである。他の実施形態では、その意図された用途に適切な動作範囲を有する何らかの他の適切な圧力変換器(すなわち、圧力検出素子)を使用することができる。
【0056】
マイクロコントローラ120は、本体102内に収容される。
図2に示すように、マイクロコントローラ120は、本体104内に収容されるPCBの環状ディスクに一体化される(例えば、表面実装される)。しかしながら、マイクロコントローラを実装するための何らかの他の適切な方法及び手段は、本開示の範囲内で使用することができる。
【0057】
図3は、マイクロコントローラ120と組立体100の他の電気部品との関係を概略的に示している。マイクロコントローラ120は、組立体100の挙動を制御する適切な制御ソフトウェア121をその上に格納している。
【0058】
マイクロコントローラ120は、圧力変換器118から圧力を示す信号を受け取るように構成されている。図示の実施形態では、マイクロコントローラ120は、圧力測定及び駆動回路122を介して圧力変換器118に接続されている。圧力測定及び駆動回路122は、圧力変換器118からマイクロコントローラ120に信号を伝送するための何らかの適切な電子接続部(例えば、ワイヤ、PCB、コネクタピンなど)とすることができる。
【0059】
インタフェースコネクタ124は、本体102の上部108に設けられている。インタフェースコネクタ124は、電力を受け取るために、及び/又は外部ユーザーインタフェース(図示せず)と通信するために、マイクロコントローラ120と電気通信する。このようにして、インタフェースコネクタ124は、電源及び/又はマイクロコントローラ120と通信するための外部ユーザーインタフェース又は装置(例えば、コンピュータ)にケーブルで接続することができる。
【0060】
図示の実施形態では、インタフェースコネクタ124はD-subコネクタである。従って、インタフェースコネクタ124は、相補的なD-subコネクタを有するケーブルを使用して、電源及び/又は外部ユーザーインタフェースに接続することができる。他の実施形態では、例えばRJ45コネクタ又はUSBコネクタなど、他の何らかの適切なコネクタを使用することができる。
【0061】
インタフェースコネクタ124は、電源への接続部として使用することができるが、他の実施形態では、別の電源及びそれへの接続部を利用することができることに留意されたい。
【0062】
例えば、マイクロコントローラ120と電気通信する、本体102内に収容されたバッテリなどの内部電源が存在することができる。バッテリは、本体102から取り外し可能で交換可能とすることができ、また、リチウムイオンバッテリなどの充電式バッテリとすることができる。
【0063】
あるいは、電源に接続するために、マイクロコントローラ120と電気通信する専用の電源コネクタは、本体102上に存在することができる(例えば、インタフェースコネクタ124に追加して又はその代わりに)。商用電源を使用することができる、又は組立体100は、圧力を測定しているシステムから(例えば、真空システム又は真空ポンプから)電力を取得するように接続することができる。
【0064】
少なくとも1つの発光デバイス126は、マイクロコントローラ120と電気通信している。例示的な実施形態では、少なくとも1つの発光デバイス126は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)を含む。LED(複数可)は、マイクロコントローラ120に電気的に接続される(例えば、マイクロコントローラ120を支持するPCB上のワイヤ/配線を介して)。しかしながら、何らかの他の適切なタイプの発光デバイスと、発光デバイスとマイクロコントローラとの間の電気的接続を使用することができる。
【0065】
図示された実施形態は、長手方向軸Aの周りに周方向に等間隔に配置された2つの発光デバイス126を有する。換言すれば、それらは、それぞれ、本体102の周方向の周りに0°及び180°の位置にある。このような数及び間隔の発光デバイス126を有することにより、より均一で可視的な光信号が組立体100から放出されることが保証される。
【0066】
他の実施形態では、本体102内の何らかの適切な間隔又は位置で、例えば、3、4、5、又は6の何らかの適切な数の発光デバイス126を使用することができる(例えば、直線的に間隔をあけて配置されるか又は円周方向に間隔をあけて配置される、又は規則的に間隔をあけて配置されるか又は不規則に間隔をあけて配置される)。
【0067】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの発光デバイス126は、同時に制御されるようにマイクロコントローラ120から同じ信号を受け取るように構成されている複数の発光デバイス126を含む。これは、発光デバイス126が互いに同時に同じ光信号を出すように指令されることを意味する。
【0068】
代替的な実施形態では、複数の発光デバイス126は、マイクロコントローラ120によって個別に制御されるように構成することができる。例えば、2又は3以上の発光デバイス126は、(例えば、本体102の円周方向の周りに)「動く」又は「回転する」光パターンの外観を作り出すように連続的に制御することができる。
【0069】
図示された実施形態では、本体102の上部108は、少なくとも1つの発光デバイス126からの光が本体102を通過するのを可能にするための透明な窓128を備える。窓128は、リング形状を有する(長手方向軸Aの周りに360°広がる)。窓128の外面は、長手方向軸Aに対して半径方向平面に広がる円形部分128aと、長手方向軸の周りに広がる円筒部分128bと、円形部分128aと円筒部分128bとを接続する湾曲部分128cとを備える。円形部分128aは上部108と同一平面に位置し、円筒部分128bは側壁104と同一平面に位置する。湾曲部分128cは、平坦な外観と比較して、窓128からの光の拡散/視認性を向上させる。
【0070】
図示の実施形態では、窓128を通過する発光デバイス126からの光は、照明された円形リングを提供する。代替的な実施形態では、窓128は、窓128を通過する発光デバイス126からの光が、2、3又は4の照明部分などの、個別の照明部分を提供するように、不透明な部分を含むことができる。他の実施形態では、窓128は、何らかの他の適切な形状とすること、及び/又は、本体102上の他の場所、例えば、本体102の上部108上の半径方向内側の位置、又は側壁104上の軸方向の位置(上部108から離れて本体102のさらに軸方向下方にある)に配置することができる。一実施形態では、組立体100は、2、3、又は4の窓など、2以上の窓128を備えることができる。
【0071】
窓128は、ポリマー材料又はガラス材料などの何らかの適切な透明材料から形成することができる。例示的な一実施形態では、透明材料は透明(又はクリア)アクリルである。
【0072】
当業者には理解されるように、多くの異なる構成が利用可能であり、これは利用される発光デバイス(複数可)126の特定の構成にも依存することになる。
【0073】
窓128は、例えば、接着剤又は機械的取り付け方法(締まりばめ又はねじ嵌め込みなど)を使用して、何らかの適切な方法で本体102に取り付けることができる。窓128は、本体102に取り外し可能に取り付けること又は固定的に取り付けることもできる。取り外し可能に取り付けることにより、窓128及び発光デバイス(複数可)126の交換、保守、修理が容易になることを理解されたい。
【0074】
さらなる代替的な実施形態では、組立体100は窓128を備えない場合があり、発光デバイス126は、発光デバイス126が本体102からの直接照明を提供するように、本体の上部108又は側壁104に配置することができる。
【0075】
ユーザーが圧力ゲージ組立体100を設定できる設定モードに入ることを可能にするために、ユーザーインタフェースデバイス130が本体102に設けられている。ユーザーインタフェースデバイス130は、マイクロコントローラ120と通信しており、作動されると、マイクロコントローラ120を、その制御機能及び設定を変更することができる設定モードにするように作動する。
【0076】
図示の実施形態では、ユーザーインタフェースデバイス130は、本体102の上部108に配置されたボタンである。ボタンは、誤ってボタン130を押すのを防ぐため、小さなピンホールに配置されている。
【0077】
代替的な実施形態では、ユーザーインタフェースデバイス130は、スイッチ又はタッチパッドなど、他の何らかの適切なインタフェースデバイスとすることができる。また、ユーザーインタフェースデバイス130は、組立体100上の他の何らかの適切な位置に配置することもできる。例えば、ユーザーインタフェースデバイス130は、側壁104に配置することができる。
【0078】
上記で簡単に述べたように、マイクロコントローラ120は、圧力変換器118からの信号を処理してチャンバ110内の圧力を決定し、少なくとも1つの発光デバイス126を制御して、圧力が第1の圧力範囲内にある場合には第1の光パターンを表示し、圧力が第2の圧力範囲内にある場合には異なる第2の光パターンを表示するように構成されている。
【0079】
マイクロコントローラ120は、第1の光パターン及び第2の光パターンを制御するように構成されており、第1の光パターン及び第2の光パターンのうちの少なくとも一方は、時間と共に強度が変化するようになっている。
【0080】
図示の実施例では、マイクロコントローラ120は、回路122を介して圧力変換器118から信号を受け取る。マイクロコントローラ120は、統合プロセッサと、統合プロセッサが、信号が示す圧力を決定し、その圧力が何らかの適切な番号の圧力範囲のうちの1つの中にあるか否かを決定することを可能にする命令を記憶するメモリとを含む。次に、マイクロコントローラ120は、発光デバイス(複数可)126を制御して、決定された圧力範囲に従って対応する光パターンを表示することになる。命令(従って圧力範囲及び光パターン)は、ソフトウェア制御121を使用して更新/変更することができる。例えば、コネクタ124を使用して外部ユーザーインタフェースをマイクロコントローラ120に接続することで(上述したように)、又はインタフェースデバイス130を作動させることで、ソフトウェア制御121にアクセスして利用することができる。
【0081】
さらなる実施例では、マイクロコントローラ120は、圧力が3、4、又はそれ以上の異なる圧力範囲のうちの1つの中にあるか否かを決定するように構成することができる。
【0082】
従って、第1及び/又は第2の光パターンに関連して本明細書で説明される特徴は、他の圧力範囲に対応する何らかの他の追加の光パターンにも適用可能であることが理解されよう。
【0083】
本開示に従って、以下により詳細に説明するように、対応する光パターンを互いに「異なる」(すなわち、視覚的に区別できる)ようにすることができる様々な方法がある。
【0084】
強度の変化は、光の識別可能な「脈動(Pulse)」、「点滅(blinking)」、又は「閃光(flashing)」として見ることができる。例えば、第1の強度値と第2の強度値との間で変化し、第1の強度値が第2の強度値よりも高い(すなわち、「明るい」光を提示する)光パターンは、「脈動」、「点滅」、又は「閃光」であると考えられる。第1の強度値は、第2の強度値と視覚的に区別できる。
【0085】
第1及び第2の強度値は、発光デバイス(複数可)126が出力可能な最大強度の割合として定義することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の強度値は、発光デバイス126が出力可能な光の最大強度であり、本明細書では最大強度又は100%強度と呼ばれる。他の実施形態では、第1の強度値は、発光デバイス126が出力可能な最大強度よりも小さくてもよく、例えば、最大強度の95%、90%、85%、80%、75%又は70%である。
【0087】
いくつかの実施形態では、第2の強度値は0%強度を有し、換言すれば、光は提示されない(すなわち、発光デバイス126は「オフ」である)。他の実施形態では、第2の強度値は、第1の強度値よりも低い強度を有するが、0%強度よりも大きく、例えば、最大強度の20%、25%又は30%、40%又は50%である。
【0088】
発光デバイスが一定期間オフにされた組立体100は一見して動作していないように見える可能性があるため、第2の強度値が0%強度よりも大きいことで、有利には、ユーザーは、圧力ゲージ組立体100が正しく動作していることを容易に決定することができる。
【0089】
例示的な実施形態では、第1の強度値は最大強度の100%であり、第2の強度値は最大強度の50%である。別の例示的な実施形態では、第1の強度値は最大強度の75%であり、第2の強度値は最大強度の25%である。さらに別の実施形態では、第1の強度値は100%であり、第2の強度値は25%である。
【0090】
実際には、適切な強度値は、装置に使用される発光デバイス126の能力及び意図される用途(例えば、組立体100の周りの環境条件がどの程度暗いか又は明るいか)に基づいて決定されることになる。
【0091】
また、発光デバイス126が第1の強度値及び第2の強度値に保持される期間は、変化させることもできる。
例示的な実施形態では、光パターンは、強度値が第1の強度値と第2の強度値との間で切り替わる周波数(又は脈動/点滅速度)によって規定される。実施形態では、第1及び第2の光パターンは、2つの間の視覚的区別を可能にするために、互いに異なる周波数を有することができる(例えば、第1の光パターンが第2の光パターンよりも遅い周波数で脈動する又はその逆も同様である)。
【0092】
第1の強度値と第2の強度値との間の切り替えの各サイクル内で、第1の強度値はサイクルの第1の比率で保持され、第2の強度値はサイクルの第2の比率で保持されることができる。第1の比率と第2の比率は等しくてもよい(すなわち、両方とも50%)。あるいは、第1の比率は第2の比率よりも大きい場合があり、又は第2の比率は第1の比率よりも大きい場合がある。例えば、第1の比率は75%とすること、及び第2の比率は25%とすることができる。これは、各光パターンに関して第1の強度値と第2の強度値との間の脈動の視覚的外観をさらに変化させるために使用することができる。
【0093】
代替的な実施形態では、光パターンは規則的な周波数で変化せず、代わりに非規則的な様式で変化することができる。例えば、第1の強度値と第2の強度値との間の脈動は、非規則的な時間間隔又は可変周波数で発生する場合がある。さらに別の実施形態では、光パターンは、固定された第1及び第2の強度値だけでなく、様々な異なる強度値の間で変化する場合もある。これらの特徴は、より特有な又は目立つ光パターンの生成を可能にする。
【0094】
当業者には理解されるように、光パターンの強度値及びその経時的変動は、例えば、所与の時間期間の間、発光デバイス(複数可)126に供給される電圧量を制御することによって、マイクロコントローラ120によって制御することができる。
【0095】
例示的な一実施形態では、第1の光パターン又は第2の光パターンのうちの一方は、(他方の光パターンの強度が変化するのに対して)時間と共に強度が変化しない「点灯したまま」である。このような実施形態では、圧力ゲージ組立体100は、常時点灯パターンが所望の動作範囲を代表する圧力範囲を示すように構成されている。このような常時点灯パターンは、デフォルト動作状態としてより顕著に認識可能であり、このデフォルト動作状態からの逸脱をより容易に視認することができる。
【0096】
別の例示的な実施形態では、発光デバイス126は、2又は3以上の異なる色の光を発することができる。このような実施形態では、マイクロコントローラ120は、第1の光パターンの間に第2の光パターンの間とは異なる色を発するように発光デバイス126を制御する。別の実施形態では、マイクロコントローラ120は、光パターンの第1の強度値の間に光パターンの第2の強度値の間とは異なる色を発するように発光デバイス126を制御する。このような実施形態は、異なる光パターンの間の識別性を高めることができ、多数の異なる光パターンを利用する実施形態において有利であることを理解されたい。異なる色は、発光デバイス(複数可)から発することができる何らかの適切な色、例えば、緑色、青色、赤色、黄色、紫色、オレンジ色などとすることができる。
【0097】
従って、第1の光パターンは第2の光パターンと視覚的に区別できることが必要であり、上述したように、これは多くの方法で達成できることを理解できるであろう。例えば、第1の光パターンを第2の光パターンと異なるパターン又は異なる周波数で「脈動させる」こと、及び/又は、第1の光パターンと第2の光パターンとの間で強度及び色の変動を提供することである。
【0098】
いくつかの実施形態では、マイクロコントローラ120が、第1の光パターンと第2の光パターンとの間で同じ色を発するように発光デバイス126を制御することが有利な場合がある。このような実施形態は、圧力ゲージ組立体100が動作モードであることをユーザーに伝達するのを助けることができる。例えば、緑色は、一般的に、産業用途における「オン」及び動作モードと関連しており、ユーザーは、第1及び第2の光パターンの両方に対する緑色の使用から、圧力ゲージ組立体100が「オン」であり、正しく動作していることを把握することができる。
【0099】
発光デバイスによって表示される光の色は、圧力ゲージ組立体100が動作モードにないことをユーザーに伝達するためにも使用できる。
【0100】
例えば、設定モードでは、第1の圧力範囲及び第2の圧力範囲を設定することができる。例示的な実施形態では、少なくとも1つの発光デバイス126は、インタフェースデバイス130を作動させることによって圧力ゲージ組立体100が設定モードにされたときに、第1の光パターンの色又は第2の光パターンの色とは異なる色を表示するように構成されている。
【0101】
図4は、圧力ゲージ組立体100を使用して圧力を表示する方法200を概略的に示す。ステップ202は、圧力ゲージ組立体100を使用して圧力(P)を測定することを含む。ステップ204は、例えばマイクロコントローラ120を使用して圧力変換器118から出力される信号を処理し、それが示す圧力を決定することにより、圧力を評価することを含む。
【0102】
ステップ204aは、圧力が第1の圧力範囲内にあるか否かを決定することを含む。圧力が第1の圧力範囲内にある場合、圧力ゲージ組立体100内の発光デバイス(複数可)126は、第1の光パターンを表示するように動作する(ステップ206a)。
【0103】
ステップ204bは、圧力が第2の圧力範囲内にあるか否かを決定することを含む。圧力が第2の圧力範囲内にある場合、発光デバイス126は、第2の光パターンを表示するように動作する(ステップ206b)。
【0104】
一実施形態において、方法200はさらに、圧力が第3の圧力範囲内にあるか否かを決定することを含む(ステップ204c)。圧力が第3の圧力範囲内にある場合、発光デバイス126は第3の光パターンを表示するように動作する(ステップ206c)。第3の光パターンは、第1の光パターン及び第2の光パターンとは異なる(すなわち、視覚的に異なる)。同様のステップ204n、206nは、何らかの適切な番号の圧力範囲及び対応する光パターンのために繰り返すことができる。
【0105】
圧力が所定の範囲内であるか否かを決定し、発光デバイス126を動作させる上記のステップは、マイクロコントローラ120によって実行される。マイクロコントローラ120は、真空システムの動作状態に応じて、正しい圧力範囲の状態及び光パターンが表示されるのを保証するために、これらのステップを何らかの適切な頻度で繰り返すことができる。例えば、表示される圧力範囲は、1秒間に複数回、1秒間に1回、又は5秒間に1回、マイクロコントローラ120によってチェックすることができる(光パターンはそれに応じて維持又は変更される)。
【0106】
理解できるように、敏感でないシステムは、頻繁な更新を必要としない場合がある。また、理想的な動作範囲の外側の小さな及び短期的な圧力変動が不要なアラームを提示するのを避けるため、敏感でない用途では、圧力範囲を頻繁にチェックしない方が有益な場合がある。
【0107】
圧力ゲージ組立体100を使用して真空圧を測定及び表示する方法の例を以下に説明する。
【0108】
システム内の表示に必要な異なる圧力範囲は、各圧力範囲のそれぞれの境界を表すいくつかの設定点(P1、P2 ... Pn)によって規定される。
【0109】
第1の設定点(P1)及び第2の設定点(P2)が選択され、圧力範囲は以下のように規定される。
第1の圧力範囲:P≦P1
第2の圧力範囲:P1<P≦P2
第3の圧力範囲:P>P2
【0110】
第1の設定値(P1)は最大動作圧力を表し、それ以下では適切な真空が達成されたとみなされる。従って、第1の圧力範囲は、目標動作圧力を示している。一例では、P1=0.001mbar(0.1Pa)である。
【0111】
第2の設定点(P2)は、それ以上では圧力システムが適切に機能していない又は軽微なシステム漏れを示すとみなすことができる閾値圧力を示す。一例では、P2=1mbar(100Pa)である(例えば、「おおよそ」真空境界)。
【0112】
従って、第2の圧力範囲は、目標動作圧力範囲の外側の圧力範囲を示す。しかしながら、第2の圧力範囲は、動作を継続のための安全又は実用的な限界内とすることができる。対照的に、第3の範囲より上は、致命的/危険な圧力範囲、又は完全な装置/真空故障の表示をもたらす第2の範囲を超える圧力範囲を示すことができる。
【0113】
理解できるように、これらの圧力範囲及びそれによって提供される表示は、特定の用途に関して必要に応じて容易に調整することができる。
【0114】
例示的な実施形態では、光パターンは以下のパラメータによって規定される。
-強度変動頻度(F)
-第1の強度値における時間の比率(T1)
-第1の強度値(I1)
-第1の強度値における色(C1)
-第2の強度値における時間の比率(T2)
-第2強度値における強度(I2)
-第2の強度値における色(C2)
【0115】
一実施形態では、第1の圧力範囲に対応する第1の光パターンは、以下のように規定される。
F=0Hz
T1=100%
I1=最大強度の100%
C1=緑色
T2=0%
I2=最大強度の0%
C2=オフ(色なし)
【0116】
換言すれば、第1の光パターンは、時間と共に強度が変化しない常時点灯である。
【0117】
第2の圧力範囲に対応する第2の光パターンは、以下のように規定される。
F=1Hz
T1=75%
I1=最大強度の100%
C1=黄色
T2=25%
I2=最大強度の25%
C2=青色
【0118】
換言すれば、第2の光パターンは、1秒間に1回、「より明るい」黄色光と「より暗い」青色光の間で変化し、黄色光は4分の3秒間オンになり、青色光は4分の1秒間オンになる。
【0119】
第3の圧力範囲に対応する第3の光パターンは、以下のように規定される。
F=1Hz
T1=50%
I1=最大強度の100%
C1=緑色
T2=50%
I2=最大強度の50%
C2=緑色
【0120】
換言すれば、第3の光パターンは、1秒に1回、より明るい緑色光とより暗い緑色光との間で変動し、各強度レベルにおいて等しい期間(1/2秒)を費やす。
【0121】
理解できるように、上述の光パターンを利用する圧力ゲージ組立体100のユーザーは、3つの異なる光パターンを容易に区別することができ、測定された圧力が3つの圧力範囲のどれに含まれるかを決定することができる。
【0122】
このような圧力ゲージ組立体100をシステム(例えば、大規模な産業施設)の異なる領域で複数利用するシナリオでは、ユーザーは、時間と共に強度が変化する光パターンを表示する圧力ゲージ組立体100を探すことによって、システムの目標動作圧力の範囲内にない領域を容易に識別することができる。
【0123】
上述した例は、限定的なものとみなされるべきではなく、単に、本開示の範囲内で行うことができる異なる光パターンの間の潜在的な変形形態のいくつかを示す役割を果たす。周波数、タイミング、強度及び色の他の多くの組み合わせを含む光パターンが本開示の範囲内で企図されることを理解されたい。
【0124】
例えば、異なる光パターンが全て同じ色を利用する実施形態では、目標動作圧力の範囲から遠い圧力範囲に対応する光パターンは、目標動作圧力の範囲に近い圧力範囲に対応する光パターンよりも高い脈動周波数を有する。
【符号の説明】
【0125】
100 圧力ゲージ組立体
102 本体
104 側壁
106 基部
108 上部
110 チャンバ
112 フランジ
113 合わせ面
114 凹部
116 入口通路
117 フィルターエレメント
118 圧力変換器
120 マイクロコントローラ
121 制御ソフトウェア
122 圧力測定及び駆動回路
124 インタフェースコネクタ
126 発光デバイス
128 窓
128a 円形部分
128b 円筒部分
128c 湾曲部分
130 ユーザーインタフェースデバイス
200 方法
202 測定ステップ
204 評価ステップ
204a-n 決定ステップ
206a-n 表示ステップ
A 長手方向軸
【国際調査報告】