(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置用の断熱材及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240201BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240201BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547281
(86)(22)【出願日】2022-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 KR2022010941
(87)【国際公開番号】W WO2023008869
(87)【国際公開日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0100146
(32)【優先日】2021-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0190409
(32)【優先日】2021-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チョン ソン
(72)【発明者】
【氏名】コ、キョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ペ、ヒョン チン
(72)【発明者】
【氏名】ソ、チャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】チュン、チン チュル
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC10
4B162AC12
(57)【要約】
エアロゾル生成装置用の断熱材は、断熱シート及び断熱シートの少なくとも一面に配置された防水フィルムを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置用の断熱材において、
断熱シートと、
前記断熱シートの少なくとも一面に配置された防水フィルムと、を含む、エアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項2】
前記断熱シートは、断熱性繊維からなる多孔性構造を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項3】
前記断熱シートは、ポリイミド繊維を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項4】
前記断熱シートの厚さは、0.05mm~1mmである、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項5】
前記断熱シートの一面に配置された第1防水フィルム及び前記断熱シートの他面に配置された第2防水フィルムを含み、
前記第1防水フィルム及び前記第2防水フィルムは、前記断熱シートが外部に露出されないように接着された、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項6】
前記防水フィルムは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置用の断熱材。
【請求項7】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成物品を収容する収容空間と、
前記収容空間に収容される前記エアロゾル生成物品を加熱するヒータと、
前記ヒータの外側に配置されて前記ヒータから発生する熱が前記収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材と、を含み、
前記断熱材は、断熱シート及び前記断熱シートの少なくとも一面に配置された放水フィルムを含む、エアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記断熱材は、前記ヒータの長手方向の端部と接触する、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記断熱材は、前記ヒータと前記エアロゾル生成装置の外部ハウジングとの間に配置され、
前記ヒータと前記断熱材は、互いに離隔されて配置される、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記断熱シートは、断熱性繊維からなる多孔性構造を含む、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
前記断熱シートは、ポリイミド繊維を含む、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項12】
前記断熱シートの厚さは、0.05mm~1mmである、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項13】
前記断熱シートの一面に配置された第1防水フィルム及び前記断熱シートの他面に配置された第2防水フィルムを含み、
前記第1防水フィルム及び前記第2防水フィルムは、前記断熱シートが外部に露出されないように接着された、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項14】
前記第1防水フィルム及び前記第2防水フィルムは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の材料を含む、請求項13に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置用の断熱材及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、エアロゾル生成物質を加熱させてエアロゾルを生成させる方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
一部加熱式エアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置のヒータから発生する熱が外部に移動することを遮断し、エネルギー効率を高めるための方策として断熱材が適用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のエアロゾル生成装置には、セラクウール(cerakwool)、エアロゲル(aerogel)などを含む断熱材が適用される。このような断熱材は、エアロゾル生成装置の内部で液滴化された副流煙を吸収することによって熱伝導率が徐々に高くなり、結局、断熱材としての機能を喪失する問題がある。
【0005】
実施例を介して解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、優れた断熱効果を有すると共に、エアロゾル生成装置内部の液滴化された副流煙を吸収することにより、断熱性能が低下する問題を防止することができるエアロゾル生成装置用の断熱材及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材は、断熱シート、及び断熱シートの少なくとも一面に配置された防水フィルムを含む。
【0008】
他の実施例に係るエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品が挿入される収容空間、収容空間に収容されるエアロゾル生成物品を加熱するヒータ、及びヒータの外側に配置されてヒータから発生する熱が収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材を含み、断熱材は、断熱シート及び断熱シートの少なくとも一面に配置された断熱フィルムを含む。
【0009】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本明細書全体において通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含む。
【発明の効果】
【0010】
実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材及びそれを含むエアロゾル生成装置によれば、優れた断熱効果を有することができる。また、エアロゾル生成装置内部の液滴化された副流煙が断熱材に吸収される問題を予め防止し、優れた断熱性能を持続的に保持することができる。
【0011】
実施例の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の例を概略的に示す断面図である。
【
図2】一実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材を含むエアロゾル生成装置の例を概略的に示す断面図である。
【
図3】
図2に図示された実施例に係るエアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を示す断面図である。
【
図4】他の実施例によるエアロゾル生成装置用の断熱材を含むエアロゾル生成装置の例を概略的に示す断面図である。
【
図5A】一実施例によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
【
図5B】一実施例によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
【
図5C】一実施例によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の外面を顕微鏡を介して確認したイメージである。
【
図6】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の断熱性能を測定するための経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。
【
図7】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の断熱性能を測定するための経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。
【
図8】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の断熱性能を測定するための経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。
【
図9A】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の表面にグリセリン液滴を滴下した直後のイメージである。
【
図9B】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の表面にグリセリン液滴を滴下した直後のイメージである。
【
図10A】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の表面にグリセリン液滴を滴下し、1時間後に撮影したイメージである。
【
図10B】一実施例に係るエアロゾル生成装置用断熱材の表面にグリセリン液滴を滴下し、1時間後に撮影したイメージである。
【
図11】エアロゾル生成物品の一例を概略的に示す図面である。
【
図12】エアロゾル生成物品の他の例を概略的に示す図面である。
【
図13】エアロゾル生成物品のさらに他の例を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材は、断熱シート、及び断熱シートの少なくとも一面に配置された防水フィルムを含む。
【0014】
前記断熱シートは、断熱性繊維からなる多孔性構造を含む。
【0015】
前記断熱シートは、ポリイミド繊維を含む。
【0016】
前記断熱シートの厚さは、0.05mm~1mmでもある。
【0017】
前記断熱シートの一面に配置された第1防水フィルム及び前記断熱シートの他面に配置された第2防水フィルムを含み、前記第1防水フィルム及び前記第2防水フィルムは、前記断熱シートが外部に露出されないように接着されうる。
【0018】
前記防水フィルムは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の材料を含む。
【0019】
他の実施例に係るエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品を収容する収容空間、収容空間に収容されるエアロゾル生成物品を加熱するヒータ、及びヒータの外側に配置されてヒータから発生する熱が収容空間の外部に移動することを遮断する断熱材を含み、断熱材は、断熱シート及び断熱シートの少なくとも一面に配置された断熱フィルムを含む。
【0020】
前記断熱材は、前記ヒータの長手方向の端部と接触することができる。
【0021】
前記断熱材は、前記ヒータと前記エアロゾル生成装置の外部ハウジングとの間に配置され、前記ヒータと前記断熱材は、互いに離隔されて配置されうる。
【0022】
前記断熱シートは、断熱性繊維からなる多孔性構造を含む。
【0023】
前記断熱シートは、ポリイミド繊維を含む。
【0024】
前記断熱シートの厚さは、0.05mm~1mmでもある。
【0025】
前記断熱シートの一面に配置された第1防水フィルム及び前記断熱シートの他面に配置された第2防水フィルムを含み、前記第1防水フィルム及び前記第2防水フィルムは、前記断熱シートが外部に露出されないように接着されうる。
【0026】
前記防水フィルムは、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の材料を含みうる。
【0027】
実施例で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なりうる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0028】
明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0029】
また、明細書に記載の「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0030】
本明細書において使用されたように、「少なくともいずれか1つの」のような表現が配列された構成要素の前にあるとき、配列されたそれぞれの構成ではない全体構成要素を修飾する。
【0031】
例えば、「a、b、及びcのうち少なくともいずれか1つ」という表現は、a、b、c、またはaとb、aとc、bとc、または、aとbとcを含むものと解釈せねばならない。
【0032】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素が用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0033】
明細書全体において、「エアロゾル生成装置」は、ユーザの口を介してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。
【0034】
明細書全体において、「エアロゾル生成物品」は、喫煙に用いられる物品を意味する。例えば、エアロゾル生成物品は、点火されて燃焼される方式として用いられる一般の燃焼式シガレットでもあり、または、エアロゾル生成装置によって加熱される方式として用いられる加熱式シガレットでもある。他の例示として、エアロゾル生成物品は、カートリッジに含有された液体が加熱される方式として用いられる物品でもある。以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0035】
図1は、一実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材10の例を概略的に示す断面図である。
【0036】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置用の断熱材10は、断熱シート11及び防水フィルム12を含む。但し、それに制限されるものではない。例えば、
図1に図示される要素以外に他の要素がエアロゾル生成装置用の断熱材10にさらに含まれうる。
図1は、平面シート形状のエアロゾル生成装置用の断熱材10の断面図を図示している。しかし、これは、例示に過ぎず、エアロゾル生成装置用の断熱材10は、断熱材10が配置される位置、断熱材10の用途、エアロゾル生成装置のヒータの種類、エアロゾル生成装置のヒータの形状などによって適切な他の形状に選択されうる。例えば、エアロゾル生成装置用の断熱材10は、筒状、円筒状、チューブ状、シート状などの形状のうちから選択されうるが、それに制限されるものではない。
【0037】
断熱シート11は、断熱性繊維を含みうる。断熱性繊維は、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の材料を含みうる。但し、それに制限されるものではなく、一定レベル以上の温度(例えば、300℃以上)で耐熱性を有し、熱伝導性の低い物質であれば、制限なしに使用されうる。
【0038】
断熱シート11は、熱の移動を遮断する役割を行う。例えば、断熱シート11は、エアロゾル生成装置用の断熱材10に含まれてエアロゾル生成装置のヒータから発生する熱の移動を遮断することができる。
【0039】
断熱シート11は、断熱性繊維からなる多孔性構造を含みうる。例えば、多孔性構造は、断熱性繊維を用いて織物を製織することで具現されうる。断熱性繊維を用いて製織された織物は、断熱性繊維間に形成された微細気孔によって優れた断熱性を有することができる。
【0040】
一例として、断熱シート11は、ポリイミド(PI)繊維で製織した織物であるポリイミドペーパー(paper)を含みうる。但し、これは、例示に過ぎず、断熱シート11に含まれる断熱性繊維の種類及び形成される多孔性構造は、適切に変更されうる。
【0041】
断熱シート11は、約0.05mm~約1mmの厚さを有することができる。断熱性繊維を用いて製織された織物を含む断熱材10は、薄く製造されうるので、柔軟な特性に基づいて製造される断熱材10の適用範囲を拡大することができる。断熱シート11が、約0.05mm未満の厚さを有する場合、断熱シート11の断熱性と耐久性が不十分でもある。また、断熱シート11が、約1mmを超過する厚さを有する場合、断熱シート11の柔軟性が低下し、断熱材10の体積が過度に増加してしまう。これにより、エアロゾル生成装置に適用されうる範囲が縮小されうる。
【0042】
例えば、断熱性繊維を用いて製織された織物を含む断熱材10は、後述するエアロゾル生成装置のエアロゾル生成物品を収容する収容空間を取り囲むチューブ状を有することができる。他の例として、断熱性繊維を用いて製織された織物を含む断熱材10は、エアロゾル生成装置のヒータとヒータを支持する部品間に配置されるガスケットとしても適用されうる。ガスケットとして適用される断熱シート11の場合、断熱材10の十分な柔軟性を確保するために、比較的薄い厚さを有する必要がある。したがって、断熱シート11の厚さは、約0.06mm~約0.5mm、または約0.08mm~約0.4mmの厚さを有することができる。
【0043】
断熱シート11の少なくとも一面には、防水フィルム12が形成されうる。防水フィルム12は、外部から侵透する湿気(例えば、液滴化された副流煙)と空気を遮断して断熱シート11の断熱性能を保存することができる。
図1には、断熱シート11の両面に防水フィルム12が配置されるように図示されているが、それに制限されるものではなく、断熱シート11の一面にのみ防水フィルム12が配置され、一面に対向する他面には、防水フィルム12が配置されない。
【0044】
ここで、防水フィルム12は、断熱シート11と防水フィルム12とを密着させる多様な方法によって断熱シート11上に配置されうる。例えば、防水フィルム12は、接着性物質を用いて断熱シート11に付着されうる。他の例として、断熱シート11と防水フィルム12との間に真空を形成することができる。他の例として、断熱シート11の表面を防水フィルム12にコーティングすることができる。
【0045】
防水フィルム12は、断熱シート11が外部に露出されないように配置されうる。例えば、断熱シート11の一面に第1防水フィルム12-1が配置され、単一シートの一面に対向する他面に第2防水フィルム12-1が配置され、第1防水フィルム12-1及び第2防水フィルム12-2は、断熱シート11が外部に露出されないように接着されうる。
図1に例示されたように、断熱シート11の両面にそれぞれ配置された第1防水フィルム12-1及び第2防水フィルム12-2の縁部13-1、13-2が閉鎖されうる。これにより、断熱シート11が外部に露出されないので、外部の湿気または空気の侵透が防止されうる。
【0046】
防水フィルム12は、接着力及び耐熱性がある物質を使用することができる。例えば、防水フィルム12は、200℃以上の温度で耐熱性を有し、接着性を有する高分子材料を含みうる。例えば、防水フィルム12は、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニルサルファイド(PPS)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなる群から選択された1種以上の高分子材料を含みうる。
【0047】
例えば、防水フィルム12は、ポリイミドフィルムを含みうる。ポリイミドフィルムは、水分吸収を遮断し、耐熱性に優れる。したがって、ポリイミドフィルムは、エアロゾル生成装置のヒータに付着される断熱材10として適してもいる。
【0048】
防水フィルム12は、断熱シート11に接着力及び耐熱性がある物質の塗料をコーティングすることで、形成されうる。その場合、フィルムの熱融着または圧着する工程なしに断熱シート11に塗料をコーティングした後、塗料を乾燥させて断熱材を製造することができる。これにより、製造工程を単純化し、製造コストを節減することができる。一例として、防水フィルム12は、断熱シート11にポリイミドワニス(varnish)をコーティングして形成されうる。しかし、実施例がそれに制限されるものではなく、塗料の種類は、断熱シート11の種類、断熱材10の用途などを考慮して適切に選択することができる。
【0049】
ここで、ワニスは、フィルム形成のために使用する塗料の一種を意味する。
【0050】
また、防水フィルム12が塗料によるコーティングで形成される場合、防水フィルム12を断熱シート11に付着する場合に比べて、フィルムの厚さが薄くもなり、断熱シート11に対する防水フィルム12の接着力が向上しうる。防水フィルム12が薄い厚さに形成されることにより、断熱材10の体積が減少すると共に、柔軟性が向上しうる。したがって、エアロゾル生成装置の内部にいおいて空間活用度が改善され、断熱材10の用途が多様にもなる。
【0051】
例えば、断熱材10は、エアロゾル生成装置の内部に位置する部品間に配置されるガスケットとして使用されうる。また、断熱材10は、内部に中空が形成されたチューブ状のヒータの長手方向の端部を取り囲むように配置され、ヒータの端部が外部に露出されることを遮断することができる。エアロゾル生成物品で生成された主流煙は、ユーザの端部を介して吸入される。一方、エアロゾル生成物品の上流側端部では副流煙が発生する。副流煙は、ユーザによって吸入されず、エアロゾル生成装置の内部で液滴化されうる。液滴化された副流煙は、エアロゾル生成装置内に設けられた断熱材の内部に吸収されて断熱材の断熱性能を低下させる問題が発生してしまう。実施例によるエアロゾル生成装置用の断熱材10は、防水フィルム12が断熱シート11の表面に配置されて液滴化された副流煙の吸収を防止することができるので、断熱材10の性能を保持することができる。また、エアロゾル生成装置の断熱材10を介してヒータの熱がエアロゾル生成物品に効果的に集中されることで、生成されるエアロゾルの喫味感が向上し、ヒータの予熱時間と消費電力が減少しうる。
【0052】
図2は、一実施例に係るエアロゾル生成装置用の断熱材10を含むエアロゾル生成装置100の例を概略的に示す断面図である。
【0053】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、ヒータ130、及びエアロゾル生成装置用の断熱材10を含む。但し、それに制限されるものではなく、
図2に図示される要素以外に他の要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれうる。エアロゾル生成装置100の設計によってバッテリ110、制御部120、及びヒータ130の配置は変更されうる。
【0054】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130に交流電流が印加されるように電力を供給し、制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0055】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部120は、バッテリ110及びヒータ130のみならず、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成要素のそれぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断する。
【0056】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0057】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によって加熱されうる。例えば、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200の外部に位置しうる。したがって、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0058】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0059】
例えば、ヒータ130管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0060】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、複数個のヒータ130のうち、一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、ヒータ130の形状は、
図2に図示された形状に限定されず、多様な形状にも作製されうる。
【0061】
一方、他の例として、ヒータ130は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ130には、エアロゾル生成物品200を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、エアロゾル生成物品200は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含みうる。誘導加熱方式は、外部磁場によって発熱する磁性体に周期的に方向が変わる交番磁場(alternating magnetic field)を印加して磁性体を発熱させる方式を意味することができる。
【0062】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損が発生し、損失されるエネルギーが熱エネルギーとして磁性体から放出されうる。磁性体に印加される交番磁場の振幅または周波数が大きいほど磁性体から多くの熱エネルギーが放出されうる。エアロゾル生成装置100は、磁性体に交番磁場を印加することで磁性体から熱エネルギーを放出させ、磁性体から放出される熱エネルギーをエアロゾル生成物品200に伝達することができる。
【0063】
外部磁場によって発熱する磁性体は、サセプタ(susceptor)でもある。サセプタは、切片、薄片またはストリップなどの形状によってエアロゾル生成装置100に具備されうる。例えば、エアロゾル生成装置100の内部に配置されるヒータ130の少なくとも一部がサセプタ物質からなりうる。
【0064】
サセプタ物質の少なくとも一部は、強磁性体(ferromagnetic substance)でもって形成される。例えば、サセプタ物質は、金属または炭素を含みうる。サセプタ物質は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含みうる。また、サセプタ物質は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0065】
エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200を収容することができる。エアロゾル生成装置100には、エアロゾル生成物品200を収容するための収容空間102が形成されうる。エアロゾル生成物品200を収容するための空間には、ヒータ130が配置されうる。例えば、ヒータ130は、内部にエアロゾル生成物品200を収容するための円筒状の収容空間102を有することができる。したがって、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に収容される場合、エアロゾル生成物品200は、ヒータ130の収容空間102に収容されうる。
【0066】
ヒータ130は、エアロゾル生成装置100に収容されたエアロゾル生成物品200の外側面の少なくとも一部を取り囲みうる。例えば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品200に含まれたタバコ媒質を取り囲む。それにより、ヒータ130からタバコ媒質に熱がさらに効率的に伝達されうる。
【0067】
ヒータ130は、エアロゾル生成装置100に収容されたエアロゾル生成物品200を加熱することができる。前述したように、ヒータ130は、誘導加熱方式でエアロゾル生成物品200を加熱することができる。
【0068】
ヒータ130は、外部磁場によって発熱するサセプタ物質を含み、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130に交番磁場を印加することができる。
【0069】
図2には図示されていないが、コイルは、エアロゾル生成装置100に備えられうる。コイルは、ヒータ130に交番磁場を印加することができる。エアロゾル生成装置100からコイルに電力が供給される場合、コイル内部に磁場が形成されうる。コイルに交流電流が印加される場合、コイル内部に形成される磁場の方向は、持続的に変更されうる。ヒータ130がコイル内部に位置して周期的に方向が変わる交番磁場に露出される場合、ヒータ130が発熱し、ヒータ130の収容空間102に収容されたエアロゾル生成物品200が加熱されうる。
【0070】
コイルは、ヒータ130の外側面に沿って巻線されうる。また、コイルは、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101の内面に沿って巻線されうる。コイルが巻線されて形成される内部空間にヒータ130が位置しうる。コイルに電力が供給される場合、コイルによって生成される交番磁場がヒータ130に印加されうる。
【0071】
コイルは、エアロゾル生成装置100の長手方向に延びる。コイルは、長手方向に沿って適した長さに延びうる。例えば、コイルは、ヒータ130の長さに対応する長さに延び、またはヒータ130の長さよりも長い長さに延びる。
【0072】
コイルは、ヒータ130に交番磁場を印加するのに適した位置に配置されうる。例えば、コイルは、ヒータ130に対応する位置に配置されうる。そのようなコイルの大きさ及び配置によってコイルの交番磁場がヒータ130に印加される効率が向上しうる。
【0073】
コイルによって形成される交番磁場の振幅または周波数が変更される場合、ヒータ130がエアロゾル生成物品200を加熱する程度も変更されうる。コイルによる磁場の振幅または周波数は、コイルに印加される電力によって変更されうるので、エアロゾル生成装置100は、コイルに印加される電力を調整することで、エアロゾル生成物品200の加熱を制御することができる。例えば、エアロゾル生成装置100は、コイルに印加される交流電流の振幅及び周波数を制御することができる。
【0074】
一例示として、コイルは、ソレノイド(solenoid)によっても具現される。コイルは、エアロゾル生成装置100の外部ハウジング101の内面に沿って巻線されるソレノイドでもあり、ソレノイドの内部空間にヒータ130及びエアロゾル生成物品200が位置しうる。ソレノイドを構成する導線の材質は、銅(Cu)でもある。但し、それに制限されるものではなく、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、及びニッケル(Ni)のうちいずれか1つ、または少なくとも1つを含む合金がソレノイドを構成する導線の材質にもなる。
【0075】
図2には図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、蒸気化器をさらに含む。蒸気化器は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器によって生成されたエアロゾルがエアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0076】
例えば、蒸気化器は、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素を含むが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置100に含まれうる。
【0077】
液体保存部は、液状組成物を保存しうる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器から/に脱/付着されるように作製され、蒸気化器と一体として作製されうる。
【0078】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含みうる。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または、風味を提供する成分を含みうる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されたもおのでもあるが、それに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含みうる。
【0079】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達する。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によって配置されうる。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0080】
例えば、蒸気化器は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それに限定されない。
図3は、
図2に図示された実施例に係るエアロゾル生成装置100にエアロゾル生成物品200が挿入された例を示す断面図である。
【0081】
図3を参照すれば、断熱材10は、ヒータ130の外側に配置され、ヒータ130で発生する熱が収容空間102の外部に移動することを遮断することができる。断熱材10は、外部ハウジング101とヒータ130との間に配置され、エアロゾル生成装置100の熱損失を防止することができる。
図3には、チューブ状ヒータ130の外側にチューブ状断熱材10が配置された例示が図示されているが、それに制限されるものではない。断熱材10は、ヒータ130で発生した熱が収容空間102の外部に移動することを遮断することができる形態であれば、制限されることなく適用されうる。
【0082】
断熱材10は、ヒータ130によって発生した熱をエアロゾル生成物品200に集中させることで、ヒータ130の加熱効率を向上させ、エアロゾル生成物品200の喫味感も向上させうる。
【0083】
また、断熱材10は、エアロゾル生成装置100の予熱時間を短縮させ、消費電力を低減させうる。
【0084】
断熱材10は、ヒータ130とエアロゾル生成装置100の外部ハウジング101と間に配置され、ヒータ130と断熱材10は、互いに離隔されて配置されうる。ヒータ130と断熱材10との間の空間には、空気層が形成されるので、ヒータ130で生成された熱の移動を遮断する性能が向上しうる。一般に、ヒータ130がエアロゾル生成物品200の外面を取り囲む円筒状である場合、ヒータ130の広い面積がエアロゾル生成装置100の外部ハウジング101と隣接して配置されるので、ヒータ130で生成された熱がエアロゾル生成装置100の外部に容易に伝達され、ユーザが熱感を感じるか、他の構成要素に悪影響を与える恐れがある。実施例によれば、ヒータ130と断熱材10とが互いに離隔されることで、ヒータ130で生成された熱が断熱材10に直接伝達されず、断熱性能がさらに向上しうる。
【0085】
図4は、他の実施例によるエアロゾル生成装置用の断熱材10を含むエアロゾル生成装置100の例を概略的に示す断面図である。
【0086】
図4を参照すれば、断熱材10は、ヒータ130の長手方向の端部と接触する。
図4に図示されたように、断熱材10は、環状を有し、チューブ状ヒータ130の長手方向の端部に接触してヒータ130の端部が外部に露出されることを遮断することができる。
【0087】
ヒータ130の端部は、ヒータ130がエアロゾル生成装置100内で位置を保持するようにエアロゾル生成装置100の内部の他の構成要素によって支持されうる。断熱材10は、ヒータ130の端部及びヒータ130の端部を支持する構成要素間に配置され、ヒータ130からヒータ130の端部を支持する構成要素に移動する熱を遮断する役割が行える。
【0088】
ここで、ヒータ130の端部と接触する断熱材10は、断熱性繊維からなる多孔性構造を含みうる。断熱性繊維を含む断熱材10は、柔軟な特性に基づいて狭い面積を有するヒータ130の端部と効果的に接触を保持することができる。また、断熱材10の防水フィルム12は、断熱シート11に接着力及び耐熱性のある物質の塗料(すなわち、コーティング物質)をコーティングすることで形成されうる。断熱シート11に塗料をコーティングして防水フィルム12を形成する場合、防水フィルム12が薄い厚さに形成され、これにより、断熱材10の柔軟性がさらに向上しうる。
【0089】
実施例1.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(断面防水フィルム、厚さ0.170mm、内径9.0mm)
【0090】
0.150mmの厚さを有するポリイミドペーパーの一面にポリイミドワニス(防水フィルム)を塗布した後、130℃の温度で10分間乾燥し、0.170mmの厚さを有するシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を製造した。製造されたシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を直径9.0mmのチューブ状に1回巻き取り、接着剤で固定した。
図5A及び
図5Bは、実施例1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材のイメージを示す図面である。
図5Aは、実施例1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の外面を長手方向に対して垂直方向視イメージであり、
図5Bは、エアロゾル生成装置用の断熱材を長手方向に対して平行方向視イメージである。また、
図5Cは、実施例1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の外面を顕微鏡を介して確認したイメージである。
【0091】
図5Aないし
図5Cを参照すれば、エアロゾル生成装置用の断熱材は、ポリイミド繊維が重なった状態で多孔性構造をなしており、優れた柔軟性を有することを確認することができる。
【0092】
実施例2.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(両面防水フィルム、厚さ0.200mm、内径9.0mm)
【0093】
0.150mmの厚さを有するポリイミドペーパーの両面にポリイミドワニスを塗布して0.200mmの厚さを有するシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を製造したことを除き、実施例1と同様の方式で実施してチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材を製造した。
【0094】
実施例3.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(両面防水フィルム、厚さ0.400mm、内径9.0mm)
【0095】
0.150mmの厚さを有するポリイミドペーパーの両面にポリイミドワニスを塗布して製造された0.200mmの厚さを有するシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を、直径9.0mmのチューブ状に2回巻き取ったことを除き、実施例1と同様の方式で実施してチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材(チューブの壁の厚さ0.400mm)を製造した。
【0096】
実施例4.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(両面防水フィルム、厚さ0.200mm、内径9.2mm)
【0097】
0.150mmの厚さを有するポリイミドペーパーの両面にポリイミドワニスを塗布して0.200mmの厚さを有するシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を直径9.2mmのチューブ状に製造したことを除き、実施例1と同様の方式で実施してチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材を製造した。
【0098】
実施例5.エアロゾル生成装置用断熱材の製造(両面防水フィルム、厚さ0.400mm、内径9.2mm)
【0099】
0.150mmの厚さを有するポリイミドペーパーの両面にポリイミドワニスを塗布して製造された0.200mmの厚さを有するシート状のエアロゾル生成装置用の断熱材を、直径9.2mmのチューブ状に2回巻き取ったことを除き、実施例1と同様の方式で実施してチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材を製造した。
【0100】
実験例1.エアロゾル生成装置用断熱材の断熱効果測定
【0101】
実施例1及び実施例2によって製造されたチューブ状のエアロゾル生成装置用断熱材の内面に電気抵抗性チューブ状フィルムヒータ(0.700±0.035Ω)を設置し、フィルムヒータの内面には、SUSパイプを設置して断熱効果測定用モジュールを製造した。チューブ状フィルムヒータに2.5Vの電圧を印加して平均飽和温度が290℃になるように加熱し、SUSパイプの温度変化を経時的に測定した。
【0102】
図6は、実験例1によって測定された経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。
図6のグラフは、断熱効果測定用モジュールに使用されたエアロゾル生成装置用断熱材の種類によって書き入れた。比較例は、エアロゾル生成装置用の断熱材が使用されないモジュールを意味する。実施例1の測定は、2回行い、実施例1-1、実施例1-2に註記し、実施例2の測定は、3回行い、実施例2-1、実施例2-2、実施例2-3と書き入れた。
【0103】
図6を参照すれば、比較例の飽和温度は、約298℃と測定され、一方、実施例1の平均飽和温度は、約325℃、実施例2の平均飽和温度は、約330℃と測定された。したがって、断熱材を含む実施例の平均飽和温度が断熱材を含まない比較例よりも高く、断熱効果に優れるということが確認できた。また、防水フィルムが一面にのみコーティングされた断熱材を使用した実施例1と防水フィルムが両面にコーティングされた断熱材を使用した実施例2の断熱効果は、類似したレベルであるということが確認できた。
【0104】
実験例2.断熱材の厚さによる断熱性能比較
【0105】
実施例2及び実施例3によって製造されたチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材を使用したことを除き、実験例1と同様の方式で実験を進めた。
【0106】
図7は、実験例2によって測定された経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。実験例1と同様に、
図7のグラフは、断熱効果測定用モジュールに使用されたエアロゾル生成装置用断熱材の種類によって書き入れた。実施例2の測定は、3回行い、実施例2-1、実施例2-2、実施例2-3と書き入れ、実施例3の測定も3回行い、実施例3-1、実施例3-2、実施例3-3と書き入れた。
【0107】
図7を参照すれば、実施例2の平均飽和温度は、約330℃と測定され、一方、実施例3の平均飽和温度は、約343℃と測定された。したがって断熱材の厚さが増加することによって断熱性能が向上するということが確認できた。
【0108】
実験例3.断熱材の内径による断熱性能比較
【0109】
実施例2ないし実施例5によって製造されたチューブ状のエアロゾル生成装置用の断熱材を使用したことを除き、実験例1と同様の方式で実験を進めた。
【0110】
図8は、実験例3によって測定された経時的な温度変化を測定した結果を示すグラフである。実験例1と同様に、
図8のグラフは、断熱効果測定用モジュールに使用されたエアロゾル生成装置用断熱材の種類によって書き入れた。
【0111】
図8を参照すれば、実施例2の平均飽和温度は、約330℃、実施例3の平均飽和温度は、約343℃、実施例4の平均飽和温度は、約320℃、実施例5の平均飽和温度は、約336℃と測定された。したがって、断熱材の内径が増加するほど断熱効果が低下するということが確認できた。
【0112】
実験例4.断熱材の防水性能実験
【0113】
実施例1によって製造されたエアロゾル生成装置用断熱材の表面にグリセリン(glycerin)液滴を滴下して断熱材の防水性能を確認した。
【0114】
図9A及び
図9Bは、実験例4によってグリセリン液滴を断熱材の表面に滴下した直後のイメージであり、
図10A及び
図10Bは、グリセリン液滴を断熱材の表面に滴下した後、1時間経過後のイメージである。
【0115】
図9Aないし
図10Bを参照すれば、断熱材の表面に滴下されたグリセリン液滴が1時間経過時点で断熱材に吸収されず、形態を保持していることが確認できた。したがって、断熱材が優れた防水能を有するということが確認できた。
【0116】
以下、
図11ないし
図13を参照し、一実施例によるエアロゾル生成装置に使用されるエアロゾル生成物品の例を図面を参照して説明する。
【0117】
図11は、エアロゾル生成物品200の一例を概略的に示す図面である。
【0118】
図11を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。
図11には、フィルタロッド220が単一セグメントと図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されうる。例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含みうる。また、必要によって、フィルタロッド220には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含みうる。
【0119】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2枚以上のラッパ240によって重畳して包装されうる。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド210が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245によってエアロゾル生成物品200全体が再包装されうる。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントからなっていれば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によって包装されうる。
【0120】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含みうる。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド210に噴射されることで添加されうる。
【0121】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)状にも、ストランド(strand)状にも作製されうる。また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによって作製されうる。また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれうる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウム箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達する熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ味を向上させうる。
【0122】
また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図示されていないが、タバコロッド210は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0123】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0124】
フィルタロッド220は、香味が発生するようにも作製される。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されうる。
【0125】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれうる。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0126】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造されうる。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されうるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによって作製されうる。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却する機能が遂行可能であれば、制限なしに該当しうる。
【0127】
図12は、エアロゾル生成物品200の他の例を概略的に示す図面である。
【0128】
図12を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、前端プラグ250をさらに含んでもよい。前端プラグ250は、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置する。前端プラグ250は、タバコロッド210の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド210から液状化されたエアロゾルのエアロゾル生成装置への流入を防止することができる。
【0129】
フィルタロッド220は、第1セグメント221及び第2セグメント222を含みうる。ここで、第1セグメント221は、
図11のフィルタロッド220の第1セグメントに対応し、第2セグメント222は、
図11のフィルタロッド220の第2セグメントに対応しうる。
【0130】
エアロゾル生成物品200の直径及び全長は、
図11のエアロゾル生成物品200の直径及び全長に対応しうる。例えば、前端プラグ250の長さは、約7mm、タバコロッド210の長さは、約15mm、第1セグメント221の長さは、約12mm、第2セグメント222の長さは、約14mmでもあるが、それに限定されない。
【0131】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。例えば、第1ラッパ241によって前端プラグ250が包装され、第2ラッパ242によってタバコロッド210が包装され、第3ラッパ243によって第1セグメント221が包装され、第4ラッパ244によって第2セグメント222が包装されうる。そして、第5ラッパ245によってエアロゾル生成物品200全体が再包装されうる。
【0132】
また、第5ラッパ245には、少なくとも1つの穿孔246が形成されうる。例えば、穿孔246は、タバコロッド210を取り囲む領域に形成されうるが、それに制限されない。穿孔246は、ヒータによって形成された熱をタバコロッド210の内部に伝達する役割が行える。
【0133】
また、第2セグメント222には、少なくとも1つのカプセル230が含まれうる。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0134】
図13は、エアロゾル生成物品200のさらに他の例を概略的に示す図面である。
【0135】
図13を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、第1部分260、第2部分270、第3部分280、及び第4部分290を含みうる。具体的に、第1部分260、第2部分270、第3部分280、及び第4部分290は、それぞれエアロゾル生成要素、タバコ要素、冷却要素、及びフィルタ要素を含みうる。一例として、第1部分260は、エアロゾル生成物質を含み、第2部分270は、タバコ物質及び保湿剤を含み、第3部分280は、第1部分260及び第2部分270を通過する気流を冷却させ、第4部分290は、フィルタ物質を含みうる。
【0136】
図13を参照すれば、第1部分260、第2部分270、第3部分280、及び第4部分290は、エアロゾル生成物品200の長手方向を基準に順次に整列されうる。ここで、エアロゾル生成物品200の長手方向は、エアロゾル生成物品200の長さが延びる方向でもある。例えば、エアロゾル生成物品200の長手方向は、第1部分260から第4部分290に向かう方向でもある。これにより、第1部分260及び第2部分270のうち少なくとも1つで発生するエアロゾルが第1部分260、第2部分270、第3部分280、及び第4部分290を順次に通過して気流を形成し、これにより、喫煙者は、第4部分290からエアロゾルを吸い込むことができる。
【0137】
第1部分260は、エアロゾル生成要素を含みうる。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含み、メントールまたは保湿剤などの加香液を含みうる。ここで、エアロゾル生成要素は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含みうる。
【0138】
第1部分260は、巻縮されたシートを含み、エアロゾル生成要素は、巻縮されたシートに含浸された状態で第1部分260に含まれうる。また、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質及び加香液は、巻縮されたシートに吸収された状態で第1部分260に含まれうる。
【0139】
巻縮されたシートは、高分子素材で構成されたシートでもある。例えば、高分子素材は、紙、酢酸セルロース(cellulose acetate)、リヨセル(lyocell)、ポリ乳酸(polylactic acid)のうち、少なくとも1つを含む。例えば、巻縮されたシートは、高温に加熱されても熱による異臭が発生しない紙シートでもある。但し、それに制限されるものではない。
【0140】
第1部分260は、エアロゾル生成物品200の末端から約7~20mm地点まで延び、第2部分270は、第1部分260の終了地点から約7~20mm地点まで延びる。但し、そのような数値範囲に必ずしも制限されるものではなく、第1部分260及び第2部分270それぞれが延びる長さは、通常の技術者が容易に変更可能な範囲で適切に調節されうる。
【0141】
第2部分270は、タバコ要素を含みうる。タバコ要素は、特定形態のタバコ物質でもある。例えば、タバコ要素は、タバコ刻みタバコ、タバコ粒子(particle)、タバコシート(sheet)、タバコビード(beads)、タバコ顆粒(granule)、タバコ粉末(powder)、またはタバコ抽出物の形態を有することができる。また、タバコ物質は、例えば、タバコ葉、タバコ葉脈、膨化タバコ、切断された刻みタバコ、板状葉刻みタバコ、及び再構成タバコのうち、1種以上を含んでもよい。
【0142】
第3部分280は、第1部分260及び第2部分270を通過する気流を冷却させうる。第3部分280は、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造され、冷却機能を有することができる。例えば、第3部分280は、ポリ乳酸(PLA)繊維によって作製されうるが、それに限定されない。または、第3部分280は、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによって作製されうる。しかし、第3部分280は、上述した例示に限定されず、エアロゾルが冷却する機能を遂行する物質は、制限なしに該当しうる。
【0143】
例えば、第3部分280は、中空を含むチューブフィルタまたは紙管フィルタでもある。
【0144】
第4部分290は、フィルタ物質を含みうる。例えば、第4部分290は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、第4部分290の形状には、制限がない。例えば、第4部分290は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また第4部分290は、リセス状ロッドでもある。もし、第4部分290が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0145】
第4部分290は、香味が発生するようにも作製される。一例として、第4部分290に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維が第4部分290の内部に挿入されうる。
【0146】
エアロゾル生成物品200は、第1部分260ないし第4部分290のうち少なくとも一部を覆い包むラッパ240を含みうる。また、エアロゾル生成物品200は、第1部分260ないし第4部分290をいずれも覆い包むラッパ240を含みうる。ラッパ240は、エアロゾル生成物品200の最外郭に位置され、ラッパ240は、単一ラッパでもあるが、複数枚のラッパの組合わせでもある。
【0147】
一例として、エアロゾル生成物品200の第1部分260は、エアロゾル生成物質を含む巻縮されたシワシートを含み、第2部分270は、タバコ物質として板状葉刻みタバコ及び保湿剤としてグリセリンを含み、第3部分280は、紙管を含み、第4部分290は、酢酸セルロース繊維を含むが、それに必ずしも制限されるものではない。
【0148】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
【国際調査報告】