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特表2024-506005ウエハー再配線デュアル検証構造、製造方法および検証方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ウエハー再配線デュアル検証構造、製造方法および検証方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547315
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 CN2021132278
(87)【国際公開番号】W WO2022213613
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202110381030.1
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521536442
【氏名又は名称】チップモア テクノロジー コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CHIPMORE TECHNOLOGY CORPORATION LIMITED
【住所又は居所原語表記】No. 166 FengLi St, Suzhou Industrial Park Suzhou, Jiangsu 215024, China
(71)【出願人】
【識別番号】523243719
【氏名又は名称】ホーフェイ チップモア テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HEFEI CHIPMORE TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Integrated Free Trade Zone, Hefei New & Hi tech Industrial Development Zone Heifei, Anhui 230000 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ホァン ウェンジエ
(57)【要約】
本発明は、ウエハー再配線デュアル検証構造、製造方法および検証方法を開示し、ウエハー再配線デュアル検証構造は、基板、複数のボンディングパッドおよびパッシベーション層を有するベアチップと、複数の再配線モジュールとを備え、隣接する2つの再配線モジュール間にギャップ部が形成される。誘電体モジュールが再配線モジュール上に配置され、誘電体モジュールに傾斜面が設けられ、電気メッキ層は傾斜面上に配置される。本発明は、同一ウエハーと1セットの製造工程で異なる再配線モジュールに対して機能検証を行うことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板、前記基板上に設けられた複数のボンディングパッドおよびパッシベーション層を有し、パッシベーション層には、ボンディングパッドに対向して配置されて対応の前記ボンディングパッドを外部に露出させる複数のパッシベーション層開口が設けられたベアチップと、
前記パッシベーション層の上に配置されて対応のボンディングパッドに接続され、隣接する2つの再配線モジュール間にギャップ部が形成される複数の再配線モジュールと、
前記再配線モジュールの上に配置され、前記ギャップ部の方向に傾斜した傾斜面を有する誘電体モジュールと、
前記誘電体モジュールの傾斜面上に設けられた電気メッキ層と、を備える、ことを特徴とするウエハー再配線デュアル検証構造。
【請求項2】
前記誘電体モジュールは、前記ギャップ部に近い側の前記再配線モジュールの上面に設けられ、前記傾斜面の一端が前記ギャップ部まで延伸する、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー再配線デュアル検証構造。
【請求項3】
前記誘電体モジュール上の傾斜面と水平面間の角度が45°以上である、ことを特徴とする請求項2に記載のウエハー再配線デュアル検証構造。
【請求項4】
前記誘電体モジュールは、再配線モジュールの上に設けられた感光性高分子有機材料からなり、具体的には、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリベンゾシクロブテンを含むが、これらに限定されない、ことを特徴とする請求項1に記載のウエハー再配線デュアル検証構造。
【請求項5】
前記誘電体モジュールは、感光性高分子有機材料の加熱・硬化・収縮により形成される、ことを特徴とする請求項4に記載のウエハー再配線デュアル検証構造。
【請求項6】
請求項1に記載のウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法であって、
ベアチップを用意するステップと、
前記ベアチップを再配線した後、前記ベアチップの上に複数の再配線モジュールを形成し、各再配線モジュールはいずれも対応のボンディングパッドに接続され、隣接する2つの再配線モジュール間にギャップ部が形成されるステップと、
前記再配線モジュールと前記ギャップ部を誘電体層で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を前記再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュールを形成するステップと、
誘電体モジュール上にギャップ部に向かって傾斜した傾斜面を形成するステップと、
傾斜面上に電気メッキ層を形成するステップと、を含む、ことを特徴とするウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法。
【請求項7】
「傾斜面上に電気メッキ層を形成するステップ」は具体的に、
誘電体モジュールの上面、一部の再配線モジュールの上面およびギャップ部の上面を上部金属層で覆うこと、
上部金属層の上を上部フォトレジスト層で覆うこと、
一部の上部フォトレジスト層を除去して上部ペインを形成し、一部の傾斜面が前記上部ペインから外部に露出すること、
前記上部ペイン内に電気メッキ層を形成すること、および、
残りの上部フォトレジスト層および電気メッキ層の被覆範囲以外の上部金属層を除去すること、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法。
【請求項8】
「前記ベアチップを再配線した後、前記ベアチップの上に複数の再配線モジュールを形成するステップ」は、
前記ベアチップの上に下部金属層を形成し、下部金属層の上に下部フォトレジスト層を形成すること、
一部の下部フォトレジスト層を除去して複数の下部ペインを形成し、各下部ペイン内に、対応のボンディングパッドが該下部ペインから外部に露出すること、
前記下部ペイン内に金属層を電気メッキして再配線モジュールを形成すること、および、
残りの下部フォトレジスト層および再配線モジュール被覆領域以外の下部金属層を除去すること、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法。
【請求項9】
「前記再配線モジュールおよび前記ギャップ部上を誘電体層で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を前記再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュールに形成するステップ」は、
塗布によって前記再配線モジュールおよび前記ギャップ部の上に誘電体層を形成すること、
露光現像により予設位置以外の誘電体層を除去すること、および、
高温硬化により予設位置の誘電体層を硬化・収縮させて誘電体モジュールを形成し、硬化収縮過程で前記傾斜面を形成すること、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載のウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法。
【請求項10】
請求項1に記載のウエハー再配線デュアル検証構造の検証方法であって、
各再配線モジュールを個別に機能検証を実行するステップと、
電気メッキ層を溶融し、溶融した電気メッキ層を傾斜面に沿ってギャップ部に流入させ、隣接する2つの再配線モジュールを接続して新しい配線構造を形成するステップと、
一体的に接続された再配線モジュール上の新しい配線構造に対して機能検証を実行するステップと、を含む、ウエハー再配線デュアル検証構造の検証方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップパッケージングの技術分野に関し、特に、ウエハー再配線デュアル検証構造、製造方法および検証方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現代電子製品の核心部品であるチップの設計・生産過程は非常に複雑であるだけでなく、周期が長くコストがかかるため、IC設計では、しばしば同一チップ上に異なる機能モジュールを計画し、再配線によって表面配線またはパッケージング方法を変更して、製品の多様な応用を実現し、コストを最小化して利益を獲得する。
【0003】
通常、プロジェクトのエンジニアリング段階において、多様な応用はチップの様々な再配線を必要とするため、チップをデュアル検証する必要もある。先行技術では、上記チップのデュアル検証方法は、一般的に異なるフレーム、異なるデバイスで行われ、同時に複数のソリューションは複数のウエハー、複数のプロセス、複数の導通、および複数のカスタマイズを意味し、人力、資源および設計コストの無駄が増加するだけでなく、検証データの対照にも影響を及ぼす。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、先行技術の欠点を解決するために、同一ウエハー上で、1セットの製造工程で異なる形態の再配線モジュールに対して機能検証を実行することができるウエハー再配線デュアル検証構造を提供することである。
【0005】
本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造は、基板、前記基板上に配置された複数のボンディングパッドおよびパッシベーション層を有し、パッシベーション層上にボンディングパッドに対向して配置されて対応の前記ボンディングパッドを外部に露出させる複数のパッシベーション層開口が設けられるベアチップと、
前記パッシベーション層の上に設けられて対応のボンディングパッドに接続され、隣接する2つの再配線モジュール間にギャップ部が形成された複数の再配線モジュールと、
前記再配線モジュールの上に設けられ、前記ギャップ部の方向に向かって傾斜した傾斜面を有する誘電体モジュールと、
誘電体モジュールの傾斜面上に設けられた電気メッキ層と、を備える。
【0006】
さらに、前記誘電体モジュールは、前記再配線モジュールの上面の前記ギャップ部に近い側に設けられ、前記傾斜面の一端が前記ギャップ部まで延伸する。
【0007】
さらに、前記誘電体モジュール上の傾斜面と水平面間の角度が45°以上である。
【0008】
さらに、前記誘電体モジュールは、再配線モジュールの上に設けられた感光性高分子有機材料からなり、具体的には、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミド、ポリベンゾシクロブテンを含むが、これらに限定されない。
【0009】
さらに、前記誘電体モジュールは、感光性高分子有機材料の加熱・硬化・収縮により形成される。
【0010】
前記ウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法は、
ベアチップを用意するステップと、
前記ベアチップを再配線した後、前記ベアチップの上に複数の再配線モジュールを形成し、各再配線モジュールはいずれも対応のボンディングパッドに接続され、隣接する2つの再配線モジュール間にギャップ部が形成されるステップと、
前記再配線モジュールと前記ギャップ部を誘電体層で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を前記再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュールに形成するステップと、
誘電体モジュール上にギャップ部に向かって傾斜した傾斜面を形成するステップと、
傾斜面上に電気メッキ層を形成するステップと、を含む。
【0011】
さらに、「傾斜面上に電気メッキ層を形成するステップ」は具体的に、
誘電体モジュールの上面、一部の再配線モジュールの上面およびギャップ部の上面を上部金属層で覆うこと、
上部金属層の上を上部フォトレジスト層で覆うこと、
一部の上部フォトレジスト層を除去して上部ペインを形成し、一部の傾斜面を前記上部ペインから外部に露出させること、
前記上部ペイン内に電気メッキ層を形成すること、および、
残りの上部フォトレジスト層および電気メッキ層の被覆範囲以外の上部金属層を除去すること、を含む。
【0012】
さらに、「前記ベアチップを再配線した後、前記ベアチップの上に複数の再配線モジュールを形成するステップ」は、
前記ベアチップの上に下部金属層を形成し、下部金属層の上に下部フォトレジスト層を形成すること、
一部の下部フォトレジスト層を除去して複数の下部ペインを形成し、各下部ペイン内に、対応のボンディングパッドを該下部ペインから外部に露出させること、
前記下部ペイン内に金属層を電気メッキして再配線モジュールを形成すること、および、
残りの下部フォトレジスト層および再配線モジュール被覆領域以外の下部金属層を除去すること、を含む。
【0013】
さらに、「前記再配線モジュールおよび前記ギャップ部上を誘電体層で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を前記再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュールに形成するステップ」は、
塗布によって前記再配線モジュールおよび前記ギャップ部の上に誘電体層を形成すること、
露光現像により予設位置以外の誘電体層を除去すること、および、
高温硬化により予設位置の誘電体層を硬化・収縮させて誘電体モジュールを形成し、硬化収縮過程で前記傾斜面を形成すること、を含む。
【0014】
前記ウエハー再配線デュアル検証構造の検証方法は、
各再配線モジュールを個別に機能検証を実行するステップと、
電気メッキ層を溶融させ、溶融した電気メッキ層を傾斜面に沿ってギャップ部に流入させ、隣接する2つの再配線モジュールを接続して新しい配線構造を形成するステップと、
一体的に接続された再配線モジュール上の新しい配線構造に対して機能検証を実行するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0015】
先行技術と比較すると、本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造は、再配線モジュールの上に誘電体層を形成し、誘電体層上に隣接する2つの再配線モジュール間のギャップ部に向かって傾斜した傾斜面を設け、傾斜面上に電気メッキ層を設け、電気メッキ層を溶融させ、溶融した電気メッキ層を傾斜面に沿ってギャップ部に流入させて最終的に冷却して隣接する2つの再配線モジュールを接続する導通層を形成することにより、同一ウエハーで、1セットの製造工程で異なる形態の再配線モジュールに対して機能検証を実行することができる。異なるフレーム、異なるデバイスで検証する必要のある先行技術のデュアル検証法と比較すると、人力、資源および設計コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の模式図である。
図2】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図3】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図4】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図5】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図6】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図7】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図8】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図9】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図10】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図11】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図12】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図13】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図14】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図15】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の成形方法を順に示すフローチャートである。
図16】本発明の実施例で開示するウエハー再配線デュアル検証構造の電気メッキ層50が溶融した後の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈する目的でのみ使用され、本発明の限定として理解されない。
【0018】
本発明の実施例は、図1に示すように、ウエハー再配線デュアル検証構造を開示し、ベアチップ10と、ベアチップ10の上に設けられた複数の再配線モジュール20と、再配線モジュール20の上に設けられた誘電体モジュール40と電気メッキ層50とを備える。隣接する2つの再配線モジュール20間にギャップ部200が形成され、誘電体モジュール40にギャップ部200の方向に向かって傾斜した傾斜面401が設けられ、電気メッキ層50は傾斜面401上に設けられる。
【0019】
初期状態下で、電気メッキ層50は傾斜面401上に固着した状態であり、このとき、隣接する2つの再配線モジュール20はギャップ部200によって分離され、各再配線モジュール20を個別に機能検証する。個々の再配線モジュール20の機能検証が終了した後、電気メッキ層50を溶融させ、溶融後の電気メッキ層50を傾斜面401に沿ってギャップ部200に移動させて最終的に冷却してギャップ部200内で凝固し、隣接する2つの再配線モジュール20を連通する金属導通層500を形成し、金属導通層500は隣接する2つの再配線モジュール20を接続して新しい回路構造を形成することにより、同一フレームおよびデバイスで異なる回路構造設計のチップを機能検証することができる。
【0020】
具体的に、ベアチップ10は、基板101、基板101上に設けられた複数のボンディングパッド102、およびパッシベーション層103を有し、パッシベーション層103上に、ボンディングパッド102に対向して配置されて対応のボンディングパッド102を外部に露出させる複数のパッシベーション層開口104が設けられる。基板101はウエハー本体であり、ボンディングパッド102はウエハー本体の上に設けられた金属層であり、該金属層の材料はアルミニウム、銅などの金属および合金を含むが、これらに限定されない。
【0021】
パッシベーション層103はベアチップ10の表面の保護層として使用され、その材料は窒化ケイ素、酸化ケイ素などの無機薄膜材料、またはポリイミドなどの誘電特性の良好な感光性有機高分子材料を含むが、これらに限定されない。パッシベーション層103は基板101を覆い、パッシベーション層開口104はボンディングパッド102を外部に露出させる開口として機能し、一部のパッシベーション層103がボンディングパッド102を覆うように、パッシベーション層開口104の寸法は一般にボンディングパッド102の寸法以下であり、パッシベーション層103はボンディングパッド102のエッジ位置を覆う。
【0022】
複数の再配線モジュール20はパッシベーション層103の上に設けられて対応のボンディングパッド102に接続され、再配線モジュール20は、ボンディングパッド102に接続されて固定された金属配線であり、ボンディングパッド102を拡張してボンディングパッド102の接続点を最適化する作用を果たす。隣接する2つの再配線モジュール20間にギャップ部200が形成される。再配線モジュール20は、電気メッキプロセスによってパッシベーション層103の上に形成された金属配線であり、再配線モジュール20の材料は、銅、ニッケル、スズ、銀、金、アルミニウムなどの金属またはそれらを順に積層してなる組み合わせ層、例えば銅-ニッケル‐金などを含むが、これらに限定されない。
【0023】
なお、再配線モジュール20を形成するために、再配線モジュール20を形成する前に、まずパッシベーション層103の上に下部金属層30を敷設し、下部金属層30を再配線モジュール20の形成のためのベースとし、一部の下部金属層30はボンディングパッド102を覆う。本実施例では、下部金属層30は接着層/バリア層+シード層を順に積層してなる組み合わせ層であり、接着層/バリア層の材料はチタン、チタン‐タングステンなどの他のチタンの金属合金または化合物を含むが、これらに限定されなく、シード層の材料は銅、金などの金属を含むが、これらに限定されない。再配線モジュール20は、電気メッキプロセスによって下部金属層30の上に成形される。
【0024】
各再配線モジュール20はそれぞれ独立した経路を形成し、各再配線モジュール20を個別に機能検証する必要がある。同時に、隣接する2つの再配線モジュール20を導通させて一体の再配線モジュールを形成し、全体の再配線モジュールによって新しい経路を形成するので、隣接する2つの再配線モジュール20を接続した後の一体の再配線モジュールを機能検証する必要もある。なお、ここでのデュアル検証構造は主に隣接する2つの再配線モジュール20を簡単に接続して新しい経路を形成可能な再配線モジュールに適用可能である。先行技術では、このような再配線モジュールを機能検証するとき、個別の2つのウエハー上にそれぞれ2セットの再配線モジュールを準備し、2つの再配線モジュールを個別に機能検証した後、新しいウエハー上で2セットの再配線モジュールを合成して新しい一体の再配線モジュールを形成し、その後機能検証する必要がある。このようなデュアル検証法は、一般に異なるフレーム、異なるデバイスで行われ、同時に複数のソリューションは複数のウエハー、複数のプロセス、複数の導通、および複数のカスタマイズを意味し、人力、資源および設計コストの無駄が増加するだけでなく、検証データの対照にも影響を及ぼす。
【0025】
本発明の実施例では、再配線モジュール20上に誘電体モジュール40を形成し、誘電体モジュール40上にギャップ部200の方向に向かって傾斜した傾斜面401を形成する。誘電体モジュール40は再配線モジュール20の上面のギャップ部200に近い側に形成され、傾斜面401の一端がギャップ部200まで延伸する。傾斜面401上に電気メッキ層50が形成される。電気メッキ層50の材料はスズ成分などの低融点金属である。電気メッキ層50は高温で溶融した後傾斜面401に沿ってギャップ部200の方向に流れ、最終的に冷却してギャップ部200内で凝固し、隣接する2つの再配線モジュール20を接続する金属導通層500を形成する。ギャップ部200に電気メッキ層50を形成する前に、各再配線モジュール20は独立したユニットであり、独立した機能を有し、ギャップ部200に電気メッキ層50を形成した後、2つの再配線モジュール20は1つのユニットとして形成し、独立した機能を有する。
【0026】
本実施例では、誘電体モジュール40に電気メッキ層50を容易に形成するために、電気メッキ層50と誘電体モジュール40間に上部金属層60がさらに設けられ、上部金属層60は電気メッキ層50の形成のためのベースとして使用され、上部金属層60は接着層/バリア層+シード層を順に積層してなる組み合わせ層であり、接着層/バリア層材料はチタン、チタンタングステンなどの他のチタンの金属合金または化合物を含むが、これらに限定されなく、シード層の材料は銅、金などの金属を含むが、これらに限定されない。電気メッキ層50の厚さは一般に3~30μmであり、電気メッキ層50の体積は、溶融後のスズ成分がギャップ部200内に充填されて両側の再配線モジュール20を接続して導通を形成できるように設定される。
【0027】
誘電体モジュール40は、再配線モジュール20の上に設けられた誘電体層400を高温で硬化・収縮させて形成され、傾斜面401は、誘電体層400が高温硬化過程で自動的に収縮して形成される。誘電体層400の材料は感光性高分子有機材料であり、具体的に、その材料は、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、ポリイミド、ポリベンゾシクロブテン(BCB)を含むが、これらに限定されない。誘電体モジュール40上の電気メッキ層50のギャップ部200の方向へのより良好な流動を実現するために、誘電体モジュール40上の傾斜面401と水平面間がなす角度は45°以上である。誘電体モジュール40に形成された傾斜面401の傾斜角度は45°以上である。高温硬化収縮前の誘電体層400の厚さは10~40μmである。上記の厚さの誘電体層400は高温硬化収縮した後形成された誘電体モジュール40の傾斜面401の一端がギャップ部200まで延伸することができ、同時に形成された傾斜面401の傾斜角度は45°以上であり、誘電体モジュール40が成形された後の厚さ範囲は5~20μmである。
【0028】
初期状態下で、電気メッキ層50は傾斜面401に固着した状態であり、各再配線モジュール20を個別に機能検証し、各個別の再配線モジュール20を個別に検証した後、電気メッキ層50を溶融させ、溶融後の電気メッキ層50が傾斜面401に沿ってギャップ部200の方向に向かって流動し、電気メッキ層50はギャップ部200内で凝固した後隣接する2つの再配線モジュール20を接続する導通部品を形成し、2つの独立した再配線モジュール20を積層して全体の再配線モジュールを形成し、該全体の再配線モジュールは元のデバイス上で新しい機能検証を実行することができるため、先行技術の検証方法と比較すると、人力、資源および設計コストを削減することができる。
【0029】
本発明の別の実施例は、上記のウエハー再配線デュアル検証構造の製造方法をさらに開示し、この方法は、以下のステップを含む。
【0030】
S100:図2に示すように、ベアチップ10を用意し、ベアチップ10は、基板101と、基板101の上面に形成されたボンディングパッド102およびパッシベーション層103を有し、ボンディングパッド102をパッシベーション層103上のパッシベーション層開口104から外部に露出させる。
S200:図6および図7に示すように、ベアチップ10を再配線した後、ベアチップ10の上に複数の再配線モジュール20を形成し、各再配線モジュール20はいずれも対応のボンディングパッド102に接続され、隣接する2つの再配線モジュール20間にギャップ部200が形成される。
S300:図8図10に示すように、再配線モジュール20とギャップ部200の上を誘電体層400で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュール40に形成する。
S400:誘電体モジュール40上にギャップ部200に向かって傾斜した傾斜面401を形成する。
S500:図11図15に示すように、傾斜面401上に電気メッキ層50を形成する。
【0031】
ここで、「S200:ベアチップ10を再配線した後、ベアチップ10の上に複数の再配線モジュール20を形成し、各再配線モジュール20はいずれも対応のボンディングパッド102に接続され、隣接する2つの再配線モジュール20間にギャップ部200が形成されるステップ」は具体的に、
S201:図3に示すように、ベアチップ10の上に下部金属層30を形成し、下部金属層30の上に下部フォトレジスト層70を形成すること(図4に示す)、
S202:図5に示すように、一部の下部フォトレジスト層70を除去して複数の下部ペイン700を形成し、各下部ペイン700内で対応のボンディングパッド102が該下部ペインから外部に露出すること、
S203:図6に示すように、下部ペイン700内で金属層を電気メッキして再配線モジュール20を形成すること、および、
S204:図7に示すように、残りの下部フォトレジスト層70および再配線モジュールの被覆領域以外の下部金属層30を除去することを含む。
【0032】
S300:「再配線模20とギャップ部200の上を誘電体層400で覆い、予設位置以外の誘電体層の一部を除去し、予設位置に残った誘電体層を再配線モジュールの上に位置する誘電体モジュール40に形成するステップ」は具体的に、
S301:図8に示すように、塗布によって再配線モジュール20とギャップ部200の上に誘電体層400を形成し、誘電体層400の厚さ範囲は10~40μmであること、
S302:図9に示すように、露光現像によって予設位置以外の誘電体層を除去すること、および、
S303:図10に示すように、高温硬化によって予設位置の誘電体層を硬化および収縮させて誘電体モジュールを形成し、傾斜面401は硬化収縮過程で形成されることを含む。もちろん、別の実施例では、誘電体モジュールに傾斜面401を設けてもよい。
【0033】
S500:「傾斜面401に電気メッキ層50を設けるステップ」は具体的に、
S501:図11に示すように、誘電体モジュール40の上および一部の誘電体モジュール40の上に上部金属層60を形成し、上部金属層60の上に上部フォトレジスト層80を形成すること(図12に示す)、
S502:図13に示すように、一部の上部フォトレジスト層80を除去して複数の上部ペイン800を形成し、各誘電体モジュール40の上にいずれも一部の上部フォトレジスト層80が除去されて上部ペイン800を形成し、上部ペイン800は、誘電体モジュール40を外部に露出させるために使用されること、
S503:図14に示すように、上部ペイン800内で金属層を電気メッキして電気メッキ層50を形成すること、および、
S504:図15に示すように、残りの上部フォトレジスト層80および電気メッキ層50の被覆領域以外の上部金属層80を除去することを含む。
【0034】
本発明のもう1つの実施例では、上記のウエハー再配線デュアル検証構造の検証方法をさらに開示し、この方法は、
図15に示すように、各再配線モジュール20を個別に機能検証するステップと、
電気メッキ層50を溶融させ、溶融後の電気メッキ層50を傾斜面に沿ってギャップ部200に流入させ、隣接する2つの再配線モジュール20を接続して新しい配線構造を形成するステップと(図16に示す)、
一体的に接続された再配線モジュール20上の新しい配線構造に対して機能検証を実行するステップと、を含む。
【0035】
以上、添付図面に示される実施例を参照して本発明の構造、特徴および作用効果を詳細に説明したが、上記は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明の実施範囲は添付図面によって限定されるものではなく、明細書および添付図面の精神から逸脱することなく、本発明の概念に基づいてなされた変更や修正などの等価の実施例は、すべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0036】
10 ベアチップ
101 基板
102 ボンディングパッド
103 パッシベーション層
104 パッシベーション層開口
20 再配線モジュール
200 ギャップ部
30 下部金属層
40 誘電体モジュール
400 誘電体層
401 傾斜面
50 電気メッキ層
500 金属導通層
60 上部金属層
70 下部フォトレジスト層
700 下部ペイン
80 上部フォトレジスト層
800 上部ペイン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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【国際調査報告】