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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】保護構造を有する清掃装置
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20240201BHJP
   B08B 5/04 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A47L9/00 102Z
B08B5/04 Z
A47L9/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547345
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 FR2022050214
(87)【国際公開番号】W WO2022167766
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】21/01091
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファブリス ルノー
(72)【発明者】
【氏名】ファビアン ダヴィッド
【テーマコード(参考)】
3B006
3B116
【Fターム(参考)】
3B006KA06
3B116AB52
3B116BB72
(57)【要約】
本体(2)を含む床清掃装置(1)であって、前記本体(2)は、少なくとも部分的に外壁(4)によって区切られたケース(3)と、前記ケース(3)の外側から流体流れを受け入れるための流体入口(5)と、前記ケース(3)に配置され、前記流体入口(5)を通って受け入れられた前記流体流れに作用することを意図した少なくとも1つの手段と、を備える。前記清掃装置(1)は、前記本体(2)上に回転して移動可能に取り付けられた少なくとも2つの主車輪(10,11)を含む。前記清掃装置(1)は、前記主車輪(10、11)を保護するように構成された保護構造(20)を備え、前記保護構造は、前記ケース(3)の外側に配置され、前記外壁(4)から距離を置いて延在し、前記保護構造(20)は、各主車輪(10,11)の踏面の一部を覆う。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(2)を含む床清掃装置(1)であって、前記本体(2)は、
-少なくとも部分的に外壁(4)によって区切られたケース(3)と、
-前記ケース(3)の外側から流体流れを受け入れるための流体入口(5)と、
-前記ケース(3)に配置され、前記流体入口(5)を通って受け入れられた前記流体流れに作用することを意図した少なくとも1つの手段と、を備え、
前記清掃装置(1)は、前記本体(2)上に回転して移動可能に取り付けられた少なくとも2つの主車輪(10,11)を含み、各主車輪(10,11)は、前記清掃装置(1)が清掃される床の上で静止および転がることができるように踏面(12、13)を有し、前記主車輪は、本体(2)両側に配置され、前記清掃装置(1)は、前記主車輪(10、11)を保護するように構成された保護構造(20)を備え、前記保護構造は、前記ケース(3)の外側に配置され、前記外壁(4)から距離を置いて延在し、前記保護構造(20)は、各主車輪(10,11)の踏面(12、13)の部分(12a、13a)を覆うことを特徴とする、清掃装置(1)。
【請求項2】
前記保護構造(20)は、接続壁、接続アーム、または中間接続部品などの接続手段によって本体(2)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の清掃装置(1)。
【請求項3】
前記保護構造(20)は、ユーザによって把持することができるハンドルアセンブリを形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の清掃装置(1)。
【請求項4】
前記ハンドルアセンブリは、実質的に環状の形状またはU形状または開放リング形状の1つの単一のハンドルからなることを特徴とする、請求項3に記載の清掃装置(1)。
【請求項5】
前記保護構造(20)は、前記主車輪(10,11)の上部を覆うことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項6】
前記流体入口(5)は、前記本体(2)の前部に配置され、前記保護構造(20)は、前記主車輪(10,11)の上部を覆い、本体(2)の前方に延在して、主車輪(10,11)の前部を少なくとも部分的に覆うことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項7】
前記保護構造(20)は、前記主車輪(10,11)の前方および上方に延在する少なくとも2つの外面(22,23)を有し、前記2つの外面(22,23)は、前記主車輪(10,11)の回転軸(A10、A11)の方向に延在し、前記回転軸(A10、A11)の方向に延在するときに互いに徐々に逸れるように傾斜していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項8】
前記主車輪(10、11)は、前記本体(2)に固定された固定ハブ(18,19)の周りを回転する環状車輪であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項9】
各固定ハブ(18,19)は、球形キャップの形態の外面(18a、19a)を有することを特徴とする、請求項8に記載の清掃装置(1)。
【請求項10】
前記本体(2)、前記環状車輪(10,11)、および固定ハブ(18,19)は、概して球形の形状を有するアセンブリを形成し、前記保護構造(20)は、前記概して球形の形状の周りに部分的に延在し、前記概して球形の形状から距離を置いて延在することを特徴とする、請求項9に記載の清掃装置(1)。
【請求項11】
前記主車輪(10,11)は、全方向型の車輪であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項12】
各主車輪(10、11)は、各主車輪(10、11)の周囲に分布し、各主車輪(10、11)の踏面を形成する複数の回転ローラ(10a、11a)を備え、前記保護構造(20)はいくつかの回転ローラ(10a、11a)を覆うことを特徴とする、請求項11に記載の清掃装置(1)。
【請求項13】
前記主車輪(10,11)は、前記主車輪(10、11)が配置される水平面から測定された本体の高さ(H)の2/3よりも大きい外径を有することを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項14】
前記保護構造(20)は、各主車輪(10,11)の踏面(12、13)の部分(12a、13a)に直接面する、少なくとも1つの内部保護面(24,25)を備えることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【請求項15】
各内部保護面(24,25)は凹状であり、各主車輪(10、11)の踏面(12,13)の部分(12a、13a)の周りに湾曲していることを特徴とする、請求項14に記載の清掃装置(1)。
【請求項16】
前記清掃装置(1)は、スレッド型吸引アセンブリ(100)であり、前記本体(2)は、前記吸引アセンブリ(100)の前記流体入口(5)と流体出口との間に延在するエアロリック回路(7)を備え、前記流れに作用することを意図した少なくとも1つの手段は、
-前記エアロリック回路上に配置されたサイクロンセパレータまたはフィルタなどのゴミ分離装置(8)と、
-前記吸引アセンブリ(100)が動作しているときに前記エアロリック回路内の空気流を生成するために、電気モータと、前記電気モータに結合されたファンとを備える、前記エアロリック回路上に配置されたモータファンユニット(9)と、を備えることを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の清掃装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体流れを受け入れることを意図した流体入口を有する本体と、流体入口を通って受け入れられた流体流れに作用することを意図した本体内に配置された少なくとも1つの手段と、本体上に回転して移動可能に取り付けられ、清掃される床の上に清掃装置を移動させることを可能にする車輪と、を備える床清掃装置の分野に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、例えば、タイル、フローリング、ラミネート、ラグ、またはカーペットであり得る、清掃される表面上に存在する微粒子サイズを有するほこりおよびゴミを吸い上げることを可能にするスレッド型の家庭用掃除機に関する。
【背景技術】
【0003】
スレッド型の吸引アセンブリまたは掃除機とは、例えば、掃除機が使用されているときに車輪またはローラを使用して、地面を転がることによって移動することができる掃除機または吸引アセンブリを指す。スレッド型掃除機では、吸引ノズルは、一般に、剛性部分および可撓性部分を備える吸引チューブを介して吸引アセンブリに接続される。清掃操作中、スレッド型掃除機の使用者は、概して、チューブの剛性部分に設けられた、またはチューブに取り付けられたハンドルを介してノズルを保持する。スレッド型掃除機は、一般に、ハンドルおよびチューブの可撓性部分を介してユーザによって引っ張られ、この移動モードは、「スレッド型掃除機」という名前の由来である。スレッド型掃除機またはスレッド型吸引アセンブリは、吸引ノズル、ハンドル、もしくはユーザの動きを追跡できる、モータ駆動のホイールまたはキャスターを備えた掃除機も該当する。
【0004】
スレッド型掃除機は、例えば、タイル、フローリング、ラミネート、ラグ、またはカーペットであり得る、清掃される表面上に存在する微粒子サイズを有するほこりおよびゴミを吸い上げることを可能にする。
【0005】
特に、特許文献1から、上述の清掃装置、より具体的には、スレッド型掃除機に、本体の両側に配置された少なくとも2つの主車輪を装備し、その外径は、主車輪の踏面の直径に対応して、本体の外形寸法と比較して比較的大きいことが知られている。そのような主車輪は、例えば、主車輪が配置される水平面から測定された本体の高さの2/3よりも大きい外径を有し得る。そのような主車輪の直径は、ドアの閾値またはカーペットの端などの障害物の交差を容易にする。
【0006】
しかしながら、いくつかの障害物を克服するために非常に実用的であるが、そのような大口径の主車輪は、より具体的には、前方の衝撃、すなわち、前方の動きに続く清掃装置が、壁の角、テーブル脚、または脚のある家具(サイドボード、コーヒーテーブルなど)の下端などの前方の障害物に遭遇するときに、より大きな衝撃にさらされる。したがって、そのような前方移動中に、主車輪の1つが正面の障害物、すなわち、清掃装置の前の障害物に当たることは珍しくない。これらのショックが繰り返されると、主車輪の1つが損傷し、少なくともユーザに不快感を与える可能性がある。ユーザに引き起こされる不便は、損傷した車輪から伝達された振動、または本体が直線に軌道を維持することが不可能であること、例えば、主車輪の少なくとも1つにおける、1つまたは複数の正面衝撃に起因する主車輪の平行性の欠如に起因し得る。より深刻な損傷が発生した場合、例えば、1回または複数回の正面衝撃の後、主車輪のうちの1つが詰まったり壊れたりしたときに、清掃装置が使用不能になる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002-345693号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述の欠点を克服することを目的とする。
【0009】
本発明の元来の技術的問題は、清掃される床上で移動するときに清掃装置が遭遇する可能性のある障害物を考慮して、床清掃装置の主車輪、特に大きな直径を有する主車輪の寿命を延ばすことからなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的のために、本発明は、以下を含む本体を含む床清掃装置に関する。
【0011】
-少なくとも部分的に外壁によって区切られたケースと、
-前記ケースの外側から流体の流れを受け入れるための流体入口と、
-前記ケースに配置され、前記流体入口を通って受け入れられた前記流体流れに作用することを意図した少なくとも1つの手段と、を備える。
【0012】
清掃装置は、本体上に回転して移動可能に取り付けられた少なくとも2つの主車輪を含み、各主車輪は、清掃装置が清掃される床の上で静止および転がることができるように踏面を有し、主車輪は、本体のいずれかの側に配置される。清掃装置は、主車輪を保護するように構成された保護構造をさらに備える。保護構造は、ケースの外側に配置され、外壁から距離を置いて延在する。前記保護構造は、各主車輪の踏面の一部を覆う。
【0013】
各主車輪の踏面の一部を覆うことにより、保護構造は、主車輪と、清掃される床上でのその移動中に清掃装置が遭遇する任意の障害物との間に介在することによって、各主車輪の全部または一部を保護することを可能にする。本発明によると、保護構造は、ケースの外側に配置され、外壁から距離を置いて延在する。したがって、保護構造は、本体ケースの外壁に結合されていない。ケースの外側に配置され、外壁から一定の距離に延在することにより、保護構造は、ケースを大きくさせすぎることなく、大径の車輪を少なくとも部分的に保護することを可能にする。
【0014】
「踏面」という表現は、各主車輪の概して円形の外周を形成する円形の表面または一組の表面を指し、これは、清掃装置の動きの間に清掃される床の上で転がるようにもたらされる。したがって、保護構造は、各踏面の円形または概して円形の部分を覆う。
【0015】
装置は、単独でまたは組み合わせて考慮される、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに有し得る。
【0016】
有利には、保護構造は、90°よりも大きく、有利には90°から130°の間で構成される各踏面の角度セクタを覆う。この角度幅の保護は、清掃装置の動き中に発生するほとんどの衝撃から車輪を保護することを可能にする。
【0017】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造は、接続壁、接続アーム、または中間接続部品などの接続手段によって本体に接続される。
【0018】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造は、ユーザによって把持することができるハンドルアセンブリを形成する。したがって、この特徴によれば、保護構造は、ユーザが本体を把持および移動させるために把持することができる1つまたは複数の把持ハンドルの形態である。したがって、保護構造は、主車輪の全部または一部を保護することと、ユーザに少なくとも1つの把持面を提供することとの両方を可能にする。
【0019】
本発明の有利な特徴によれば、ハンドルアセンブリは、実質的に環状の形状または「U」の形状または開放リングの形状の1つの単一のハンドルからなる。この実質的に環状または「U」字形または開いたリング形状のハンドル形状により、保護構造は、本体を把持して移動させたいユーザに複数の把持ゾーンを提供する。次いで、保護構造は、ユーザのために特に人間工学に基づいたハンドルを形成する。
【0020】
本発明の有利な特徴によれば、ハンドルアセンブリは、実質的に平行であり、それぞれが主車輪のうちの1つの踏面の一部を覆う、少なくとも2つの別個のハンドルから構成される。言い換えれば、この特徴によれば、主車輪の保護構造は、互いに距離を置いて、メインケースの外壁から距離を置いて延在する2つのハンドルから有利に形成される。各グリップは、1つの主車輪の踏面部分を覆う。
【0021】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造は、主車輪の上部を覆う。言い換えれば、保護構造は、各主車輪の上部に位置する踏面部分を覆う。実際、主車輪の上部は、清掃装置が、コーヒーテーブルまたはサイドボードなどの主車輪の上部の高さに下端を有する脚の低い障害物の下で部分的にぶつかり、主車輪の上部と接触する可能性があるときに、衝撃にさらされる。保護構造が主車輪の上部を覆っているため、低い障害物によるこのタイプの衝突から主車輪を保護できる。
【0022】
本発明の有利な特徴によれば、流体入口は、本体の前部、すなわち、本体の前部に対応する本体の一部に配置される。有利には、前部は、本体の前端である。流体入口は、清掃機が吸引アセンブリである場合、空気入口エンドピースとも呼ばれる。保護構造は、主車輪の上部を覆い、本体の前方に延在して、主車輪の前部を少なくとも部分的に覆う。この配置のおかげで、保護構造は、コーヒーテーブルまたは脚付きサイドボードの下端などの低い障害物からの衝撃からだけでなく、清掃装置の前に来るテーブル脚または壁コーナーなどの正面の障害物からも主車輪を保護することを可能にする。
【0023】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造は、主車輪の前方および上方に延在する少なくとも2つの外面を有し、2つの外面は、主車輪の回転軸の方向に延在し、回転軸の方向に延在するときに互いに徐々に逸れるように傾斜している。これらの傾斜した外面により、障害物を回避しやすくなる。実際、保護構造の傾斜した外面と接触することによって、清掃装置がその前方移動を続けるにつれて、障害物が傾斜した外面上でスライドするようにもたらされる。
【0024】
本発明の有利な特徴によれば、主車輪は、本体に固定された固定ハブの周りを回転する環状車輪である。このタイプの主車輪は、環状車輪の形をしているため、主車輪内の内部空間を空けながら、大きな直径の主車輪を容易に作ることができる。有利には、内部空間は、各固定ハブの内部に設けられる。この構成は、例えば、清掃装置のフィルタまたはエアダクトなどの清掃装置の機能部分を有利に配置することができるように、固定ハブおよび/または本体内の容積を最適化するのに役立つ。しかしながら、このタイプの環状車輪は、例えば回転軸に取り付けられた中実の主車輪よりも壊れやすい。ケースの外側に配置され、外壁から一定の距離に延在する本発明による保護構造は、保護構造がこのタイプの環状車輪形状の主車輪を効果的に保護できるため、固定ハブの周りを回転する環状主車輪に特に適している。
【0025】
本発明の有利な特徴によれば、各固定ハブは、球形キャップの形態の外面を有する。球形キャップ形状は、ドーム形状としても知られている。各固定ハブの球形キャップ形状の外面は、保護構造に接触する正面障害物が保護構造上でスライドし、次に固定ハブの球形キャップ上でスライドすることを可能にする。次いで、清掃装置は、その軌道から逸らされ、それによって、障害物がこの同じ固定ハブに取り付けられた環状車輪に当たるのを防ぐ。
【0026】
本発明の有利な特徴によれば、本体、環状車輪、および固定ハブは、概して球形の形状を有するアセンブリを形成する。この構成によれば、保護構造は、概して球形の形状の周りに部分的に延在し、概して球形の形状から距離を置いて延在する。
【0027】
本発明の有利な特徴によれば、主車輪は、全方向型の車輪である。このタイプの車輪は、保護構造に接触する障害物をよりよく回避するために回転することによって、本体を横方向に動かすことを可能にする。このタイプの車輪は、ホロノミック車輪とも呼ばれる。しかしながら、これらの全方向型の主車輪は、従来の非全方向型主車輪よりも壊れやすい。前述の保護構造は、このタイプの主車輪を効果的に保護するのに特に適している。
【0028】
本発明の有利な特徴によれば、各主車輪は、各主車輪の周囲に分布する複数の回転ローラを備える。各車輪の周囲に分布する複数の回転ローラは、各主車輪の踏面を形成する。この構成によれば、保護構造はいくつかの回転ローラを覆う。
【0029】
本発明の有利な特徴によれば、環状車輪の回転ローラは、自由に回転することができ、回転ローラを運ぶ主車輪の回転軸に平行ではなく、好ましくは垂直ではない回転軸を有することができる。
【0030】
本発明の有利な特徴によれば、主車輪は、好ましくは本体の上部に向かって収束する傾斜した回転軸を有する。
【0031】
本発明の有利な特徴によれば、主車輪は、主車輪が配置される水平面から測定された本体の高さの2/3よりも大きい外径を有する。外径は、踏面の直径に対応する。本体の高さは、保護構造が表す可能性のある追加の高さを考慮することなく測定される。これらの大径主車輪は、ドアの閾値やカーペットの端などの低い障害物を容易に克服できる。
【0032】
本発明の有利な特徴によれば、主車輪は、清掃装置の側方車輪である。
【0033】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造は、各主車輪の踏面の部分に直接面する少なくとも1つの内部保護面を備える。言い換えれば、内部保護面、したがって保護構造は、保護面と踏面の前記部分との間に介在もしくは配置される本体の一部または部分が存在することなく、各主車輪の踏面の一部を覆い、対面する。
【0034】
本発明の有利な特徴によれば、各内部保護面は凹状であり、各主車輪の踏面の部分の周りに湾曲している。この凹面および湾曲した内側保護面は、内側保護面によって覆われた踏面の部分をよりよく保護するために、踏面の円形形状によりよく従う。
【0035】
本発明の有利な特徴によれば、各内部保護面は、主車輪の回転軸に対して半径方向に測定された、主車輪の踏面と内部保護面との間の最小距離が5cm未満、好ましくは2cm未満であるように、主車輪に近接して延在する。主車輪の踏面と内部保護面との間のこの近接性は、内部保護面によって覆われた踏面部分をよりよく保護することを可能にする。
【0036】
本発明の有利な特徴によれば、清掃装置は、本体の内側に、吸引アセンブリの流体入口と流体出口との間に延びるエアロリック回路を備えるスレッド型吸引アセンブリである。前記フローに作用することを意図した少なくとも1つの手段は、
-前記エアロリック回路上に配置されたサイクロンセパレータまたはフィルタなどのゴミ分離装置と、
-前記掃除機が動作しているときに前記エアロリック回路内の空気流れを生成するために、電気モータと、前記電気モータに結合されたファンとを備える、前記エアロリック回路上に配置されたモータファンユニットと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明の目的、態様、および利点は、添付の図面を参照して、非限定的な例として開示された本発明の特定の実施形態の以下に与えられる説明からよりよく理解されるであろう。
図1図1は、吸引アセンブリの前面4分の3の図である。
図2図2は、図1の吸引アセンブリの側面図である。
図3図3は、図1の吸引アセンブリの長手方向断面図である。
図4図4は、図1の吸引アセンブリの正面図である。
図5図5は、図1の吸引アセンブリの上面図である。
図6図6は、図1の吸引アセンブリの背面図である。
図7a図7aは、第1のステップによる障害物回避状況を示す、図1の吸引アセンブリの上面図である。
図7b図7bは、第2のステップによる障害物回避状況を示す、図1の吸引アセンブリの上面図である。
図7c図7cは、第3のステップによる障害物回避状況を示す、図1の吸引アセンブリの上面図である。
図7d図7dは、第4のステップによる障害物回避状況を示す、図1の吸引アセンブリの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明を理解するために必要な要素のみが表される。図面の読み取りを容易にするために、同じ要素は、ある図から別の図への同じ参照を有する。
【0039】
本明細書では、用語「水平」、「垂直」、「下部」、「上部」、「高さ」、「上部」、「底部」は、清掃装置または吸引アセンブリまたは本体を説明するために使用される用語であり、平らで水平である清掃される床の上に車輪によって置かれるときに、使用中の清掃装置または吸引アセンブリを指すことに留意されたい。
【0040】
図1は、本体2を含む床清掃装置1を3次元および4分の3の正面図で表し、本体2は、
-少なくとも部分的に外壁4によって区切られたケース3と、
-前記ケース3の外側から流体の流れを受け入れることを意図した流体入口5と、
-前記ケース3に配置され、前記流体入口5を通って受け入れられた前記流体流れに作用することを意図した少なくとも1つの手段、
を含む。
【0041】
清掃装置1は、本体2上に回転して移動可能に取り付けられた少なくとも2つの主車輪10、11をさらに備える。各主車輪は、踏面12、13を含み、それにより、本体2は、掃除される床の上に静止および転がることができる。主車輪10、11は、本体2の両側に配置される。より具体的には、主車輪10、11は、本体2に対して横方向の車輪である。主車輪10、11は、回転軸A10およびA11を有する。
【0042】
より具体的には、図1から図7に示される清掃装置1は、スレッド型吸引アセンブリ100である。
【0043】
吸引アセンブリ100は、本体2を含み、本体2は、吸引アセンブリ100の流体入口5と流体出口6との間に延在するエアロリック回路7を含む。スレッド型吸引アセンブリ100では、流体入口5は、接続エンドピースまたは空気入口エンドピースとしても知られており、流体出口6は、排気出口としても知られており、1つまたは複数の穴を含み得る。
【0044】
一般に、本体2は、流体流れに作用することを意図したいくつかの手段を備える。スレッド型吸引アセンブリ100において、これらの手段は、特に、(図3参照)サイクロンセパレータまたはフィルタなどのゴミ分離装置8、および吸引アセンブリが動作しているときにエアロリック回路7内の空気流を生成するために電気モータおよび電気モータに結合されたファンを含むモータファンユニット9を備える。ゴミ分離装置8およびモータファンユニット9は、吸引アセンブリ100が動作しているときに吸引された空気流によって交差するように、エアロリック回路7上に配置されている。一般に、ゴミ分離装置8は、モータファンユニット9の上流のエアロリック回路7に配置される。図1から図7の実施形態では、ゴミ分離装置8は、ゴミ収集ボウル14に配置される。ゴミ収集ボウル14は、ゴミ収集ボウル14に蓄積されたゴミをより容易に排出し、ゴミ分離装置8を清掃するために、本体2から引き離されるように取り外し可能である。より容易に取り外すことができるように、ゴミ収集ボウル14は、中央ハンドル15を備える。
【0045】
作動状態では、吸引ヘッドとしても知られる吸引ノズル(図示せず)は、通常、剛性部分および可撓性部分を一般的に含む吸引チューブ(図示せず)によって流体入口5に接続される。吸引アセンブリ100、吸引ノズル、および吸引チューブは、スレッド型掃除機を形成する。床清掃操作中、スレッド型掃除機のユーザは、概して、チューブの剛性部分に設けられた、またはチューブに取り付けられたハンドルを介してノズルを保持する。スレッド型掃除機の主車輪がモータ駆動でない場合、ハンドルおよび吸引チューブは、ユーザが主車輪10、11のおかげで、清掃される床の上を転がる吸引アセンブリ1を引っ張ることを可能にする。
【0046】
吸引ノズルおよび吸引チューブは、当業者に知られているスレッド型掃除機の一部である。これが、吸引ノズルおよび吸引チューブが図に示されておらず、この説明でより詳細に説明されていない理由である。
【0047】
吸引アセンブリ100は、本体2のケース3の外側に配置され、ケース3の外壁4から一定の距離に延在し、主車輪10、11を保護するための保護構造20をさらに備える。保護構造20は、各主車輪の踏面12、13の部分12a、13aを覆う。
【0048】
本体2、主車輪10、11、および保護構造20は、吸引アセンブリ100を形成する。
【0049】
より具体的には、保護構造20は、各踏面12、13の円形形状を有する部分12a、13aを覆う。有利には、保護構造20は、90°よりも大きく、有利には90°から130°の間で構成される各踏面の角度セクタS1を覆う。図2の例では、被覆角度セクタは約115°である。したがって、保護構造20は、清掃される床の吸引アセンブリ100の動きの間に障害物に遭遇したときに受ける可能性のある衝撃の一部から主車輪10、11を保護することを可能にする。したがって、保護構造20は、主車輪10、11を保護し、主車輪10、11の耐用年数を増加させることを可能にする。保護構造20は、主車輪10、11が図に示されるような大口径車輪である場合に特に適している。実際、大きな直径を有する主車輪10、11は、吸引アセンブリが清掃される床の上を移動するとき、より衝撃にさらされる。さらに、保護構造20は、ケース3の外側に配置され、外壁4から距離を置いて延在することによって、本体2のケース3を過大にすることなく、大口径で主車輪10、11を少なくとも部分的に保護することを可能にする。
【0050】
本発明の文脈において、各主車輪10、11の踏面12、13の直径に対応するそれらの外径が、主車輪10、11が載っている水平面から測定された本体1の高さHの2/3よりも大きい場合、主車輪10、11は大きな直径を有すると考えられる。本体2の高さHは、主車輪10、11が配置されている水平地面から測定される。本体2の高さHは、保護構造20が表す可能性のある追加の高さを考慮することなく測定される。
【0051】
図1、2、3、4および6に示されるように、保護構造20は、アーム21を接続することによって本体2に接続される。示されていない変形例では、接続アームは、保護構造を本体、特にそのケースに接続することを可能にする任意の他の手段によって置き換えられ得る。いくつかの変形例では、接続は、壁を接続することによって、または中間接続部品によって達成され得る。保護構造は、本体、例えば、本体のケースに取り付けられ得る。1つの変形例では、保護構造は、ケースの少なくとも1つの部分と共に、例えば、プラスチック材料の圧力下での注入によって、全体的または部分的に製造されてもよい。
【0052】
有利には、保護構造20は、ユーザが把持することができるハンドルアセンブリを形成する。したがって、保護構造20は、吸引アセンブリ100を持ち上げおよび移動させるためにユーザによって把持することができるハンドルアセンブリの形態である。したがって、保護構造は、主車輪10、11の全部または一部を保護することと、ユーザに少なくとも1つの把持面を提供することとの両方を可能にする。
【0053】
吸引アセンブリ内の空気入口ノズルとも呼ばれる流体入口5は、本体2の前面に対応する本体2の一部、有利には本体2の端部の上に配置される。
【0054】
図に示されるように、保護構造20によって形成されるハンドルアセンブリは、本体2の上部から流体入口5が配置されている本体2の前部まで延在する、実質的に環状の形状を有する1つの単一のハンドルから構成され得る。したがって、保護構造20は、本体2を把持して移動させたいユーザのために複数の把持領域を提供する。次いで、保護構造20は、ユーザにとって特に人間工学的である1つの単一のハンドルを形成する。
【0055】
さらに、ハンドルの実質的に環状の形状は、ハンドルの中心に中央開口部200を形成することを可能にする。環状ハンドルの半径方向内周201によって区切られるこの中央開口部は、ゴミ収集ボウル14が中央開口部200を通して引き抜かれることを可能にするのに十分な大きさである。したがって、ゴミ収集ボウル14は、ハンドルの環状形状の中心に形成された中央開口部200を介して、ユーザによって本体2を把持し、容易に引き抜くことができる。
【0056】
図に示されるように、ハンドルの形状、したがって保護構造20の形状は、必ずしも完全に環状ではなく、本体2の上部から本体2の前部に向かって実質的に楕円形または延伸され得る。好ましくは、保護ハンドルは、主車輪10、11の周りに実質的に湾曲した形状を有する。
【0057】
さらに、本体2の前面では、実質的に環状の形状を有する保護構造20は、有利には、空気入口ノズル5まで延在し、保護構造20は、空気入口ノズル5の両側に延在する。
【0058】
表されていないいくつかの変形例では、保護構造によって形成されたハンドルは、他の形状、例えば、「U」形状または開放リングのような形状を有し得る。
【0059】
より具体的には、図に示されるように、保護構造20は、主車輪10、11の上部を覆い、主車輪10、11の前部を少なくとも部分的に覆うように、本体2の前部に向かって延在する。言い換えれば、保護構造によって覆われている各踏面12、13の角セクタS1は、主車輪10、11の上から主車輪10、11の前部まで延在する(図2を参照)。この配置のおかげで、保護構造20は、脚に載り、主車輪10、11の上部と衝突する可能性のある、主車輪10、11の上部からの高さに下端を有するコーヒーテーブルまたはサイドボードの下部などの低い障害物に対する衝撃から主車輪10、11を保護することを可能にする。保護構造20はまた、前方移動中に吸引アセンブリ1によって遭遇する可能性のある、テーブル脚または壁の角などの正面の障害物による衝撃から主車輪10、11を保護することを可能にする。吸引アセンブリ100の前方移動は、吸引アセンブリ100が、例えば、床を清掃するためにユーザによって引っ張られるときの移動に対応する。
【0060】
特に図1および4に示されるように、保護構造20は、主車輪10、11の前および上に延在する少なくとも2つの外面22、23を有する。2つの外面22、23は、主車輪10、11の回転軸A10、A11の方向に延在し、回転軸A10の方向に延在することによって、A11が互いに徐々に逸れるように傾斜している。外面22、23間の傾斜角度α(図4を参照)は、保護構造に沿って可変であり得る。有利には、傾斜角αは、100度から170度の間で構成される。傾斜した外面22、23は、障害物を回避することを可能にする。実際、吸引アセンブリの前方移動中に、傾斜している外面22(23)と接触する障害物は、吸引アセンブリ100の外面22(23)がAV(図7aから図7d)を前方に移動するにつれて、傾斜している外面22(23)上でスライドし、吸引アセンブリ100の横方向の変位Lを引き起こす。したがって、傾斜している外面22、23は、吸引アセンブリ100が障害物からそれ自体をより容易に片付けることを可能にし、吸引アセンブリ100がこの障害物の後ろでブロックされたままであることを防止する。
【0061】
有利には、主車輪10、11は、本体2に固定された固定ハブ18、19の周りを回転する環状車輪である。主車輪10、11ごとに、環状形状の1つの固定ハブ18、19がある。環状車輪は、内部空間、すなわち、重要な主車輪10、11の半径方向の内部を開けながら、主車輪10、11を大きな直径で作ることを可能にする。有利には、内部空間は、各固定ハブ18、19の内部に形成される。2つの内部空間のうちの少なくとも1つにおいて、例えば、フィルタ(図示せず)または吸気パイプの全部または一部などの、吸引アセンブリ100の機能部材を配置することが可能である。
【0062】
しかしながら、このタイプの環状車輪は、例えば回転軸に取り付けられた従来の中実の車輪よりも壊れやすい。ケース3の外側に配置され、ケース3の外壁4から距離を置いて延在する本発明による保護構造20は、固定ハブ18、19の周りを回転する環状形状を有し、主車輪10、11を効果的に保護するのに特に適している。
【0063】
図に示される実施形態では、各固定ハブ18、19は、球形キャップとして形作られた外面18a、19a、すなわちドームとして形作られた外面18a、19aを有する。各固定ハブ18、19の球形キャップの形状の外面18a、19aは、保護構造20の外面22、23と接触する正面障害物が、最初に外面22、23上でスライドし、次いで、固定ハブ18(19)の外面18a(19a)に沿ってスライドし、接触することを可能にする。AVを前方に移動し続ける間、吸引アセンブリ100は、横方向の変位Lによってその軌道から逸れ、それによって障害物がこの同じ固定ハブ18(19)に取り付けられた主車輪10(11)と衝突するのを防ぐ。前部障害物とは、吸引アセンブリ100がAVを前方に移動するときに、障害物が出会い、吸引アセンブリ100と接触することである。
【0064】
図7a~図7dは、4つのステップによる障害物回避を示す。例えば、これは、吸引アセンブリ100の前に配置されたテーブル脚を回避することからなる。図7aに示される第1のステップに従って、吸引アセンブリ100は、AVを前方に移動する。障害物30は、吸引アセンブリ1の経路にあり、主車輪10、11のうちの1つの前にある。
【0065】
図7bに表される第2のステップに従って、吸引アセンブリ100は、その前方移動AVを継続し、障害物30と接触する。より具体的には、保護構造20の外面22は、最初に障害物30と接触する。したがって、保護構造20は、障害物30と主車輪10との間に介在し、それによって、障害物30が主車輪10と衝突するのを防ぐ。
【0066】
図7cに表される第3のステップによれば、吸引アセンブリ100は、その前方移動AVを継続し、外面22は、障害物20の上をスライドする。外面22の傾斜のおかげで、吸引アセンブリ100がAVを前方に移動するにつれて、転がる吸引アセンブリも横方向に移動する。
【0067】
図7dに表される第4のステップによれば、吸引アセンブリ100は、その前方移動AVを継続し、外面22は、障害物30を離れる。外面22上でスライドした後、障害物30は、外面22を越えて、固定ハブ18の外面18aと接触する。固定ハブ18の外面18aは、実質的に外面22の延長部にある吸引アセンブリ100の上面図にある。固定ハブの外面18aは、環状形状で主車輪10から突出し、本体2の残りの部分から突出し、外面18aは球面キャップとして成形されているため、外面18a上の障害物30の相対的なスライドは、一方では、AVを前方に移動させるにつれて吸引アセンブリ100を横方向に動かし続け、他方では、障害物30が主車輪10、特に環状形状の主車輪10の後部に当たるのを防ぐために、主車輪10から障害物30を取り除く効果を有する。上記の4つのステップによる障害物の回避は、保護構造20のおかげで初めて達成され、保護構造20と球形キャップとして形作られた固定ハブ18、19との組み合わせ効果によって障害物回避が改善され、主車輪10、11を環状形状で効果的に保護する。
【0068】
図に示されるように、本体2、環状車輪10、11、および固定ハブ18、19は、有利には、概して球形の形状を有するアセンブリを形成する。この構成によれば、保護構造20は、概して球形の形状の周りに部分的に延在し、概して球形の形状から距離を置いて延在する。この構成は、吸引アセンブリ100が遭遇した障害物をより容易に回避することを可能にする。
【0069】
図に示されるように、主車輪10、11は、全方向型車輪である。このタイプの車輪は、保護構造と接触する障害物30をよりよく迂回するために回転することによって、吸引アセンブリ100が横方向にLを移動することを可能にする(参照:図7a~7b)。このタイプの車輪は、ホロノミック車輪とも呼ばれる。しかしながら、全方向型のこれらの主車輪10、11は、従来の車輪、すなわち、全方向性タイプではない車輪よりも壊れやすい。前述のような保護構造20は、このタイプの主車輪10、11を効果的に保護するのに特に適している。
【0070】
全方向型の各主車輪10、11は、各主車輪10、11の周囲に分布する複数の回転ローラ10a、11aを備える。各主車輪10、11の周囲に分布する複数の回転ローラ10a、11aは、各主車輪の踏面12、13を形成する。この構成によれば、保護構造20はいくつかの回転ローラ10a、11aを覆う。
【0071】
有利には、主車輪10、11の回転ローラ10a、11aは、自由に回転することができ、それらが依存する、主車輪10、11の回転軸A10、A11に平行ではない回転軸を有することができる。有利には、図に示されるように、回転ローラ10a、11aの回転軸は、回転ローラ10a、11aを運ぶ主車輪10、11の回転軸A10、A11に垂直である。
【0072】
図5に示されるように、主車輪10、11は、互いに対して傾斜した回転軸A10、A11を有する。好ましくは、回転軸A10、A11は、本体の上部に向かって収束し、上部に180°未満の角度Pを形成する(図4参照)。
【0073】
本発明の有利な特徴によれば、保護構造20は、各主車輪10、11についての内部保護面24、25(図6を参照)を備える。各内部保護面24、25は、各主車輪10、11の踏面12、13の部分12a、13aに直接面している。
【0074】
言い換えれば、内部保護面24、25、およびしたがって保護構造20は、内部保護面24、25と踏面12、13の前記部分12a、13aとの間に介在または配置される本体2の任意の部分または一部が存在することなく、各主車輪10、11の踏面12、13の部分12a、13aを覆う。
【0075】
各内部保護面24、25は、凹状であり、各主車輪10、11の踏面12、13の部分12a、13aの周りに湾曲している。この凹状および湾曲した内部保護面24、25は、踏面12、13の円形の形状に従って、内部保護面24、25によって覆われた踏面12、13の部分をよりよく保護することを可能にする。
【0076】
有利には、各外面22、23は外部表面であり、各内部保護面24、25は内部表面である。好ましくは、内部表面および外部表面は、それらが保護ストリップまたはバンドの形態で保護構造20のそれらの間に部分を形成するように平行である(図2、3)。
【0077】
図に示されるように、各内部保護面24、25は、主車輪10、11の回転軸A10、A11に対して半径方向に測定された、主車輪10、11の踏面12、13と内部保護面24、25との間の最小距離Dが5cm未満、好ましくは2cm未満であるように、主車輪10、11に近接して延在する。図2参照)。主車輪10、11の踏面と内部保護面24、25との間のこの近接は、内部保護面24、25によって覆われた踏面12、13の部分12a、13aをよりよく保護することを可能にする。
【0078】
もちろん、本発明は、例としてのみ与えられた説明され、例示された実施形態には決して限定されない。特に様々な要素の構成に関して、または技術的等価物で置換することによって、変更は依然として可能であるが、本発明の保護の範囲から逸脱することはない。
【0079】
したがって、図示されていない変形例では、掃除機ではなく、清掃装置は、清掃されるべき床を濡らして洗浄することができる洗浄器具であるか、または清掃されるべき床に蒸気を送ることができる蒸気化器具である。
【0080】
別の代表されない変形例では、主車輪が環状タ型である代わりに、主車輪は中実であり、それぞれが本体に対して回転して移動可能に取り付けられた中央シャフトを備える。
【0081】
別の代表されない変形例では、保護構造は、実質的に平行であり、各主車輪の踏面の一部を覆う少なくとも2つの別個のハンドルで構成されるハンドルアセンブリを形成する。言い換えれば、この変形例によれば、主車輪の保護構造は、有利には、主ケースの外壁から距離を置いて延在し、それぞれが主車輪の踏面の一部を覆う2つのハンドルから形成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図7c
図7d
【国際調査報告】