(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】経口固体用量製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4985 20060101AFI20240201BHJP
A61P 13/02 20060101ALI20240201BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240201BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240201BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240201BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
A61K31/4985
A61P13/02 105
A61P31/04
A61P43/00 111
A61K9/20
A61K47/36
A61K47/38
A61K47/26
A61K47/02
A61K47/32
A61K47/04
A61K47/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547366
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2022052564
(87)【国際公開番号】W WO2022167515
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513032275
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、ディベロップメント、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY DEVELOPMENT LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブグラ,チャンダン
(72)【発明者】
【氏名】ボルカル,シャルヴァリ
(72)【発明者】
【氏名】パン,レナン
(72)【発明者】
【氏名】オウ,ヨーン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC32
4C076CC41
4C076CC43
4C076DD24
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4C076DD27
4C076DD28C
4C076DD38
4C076DD41C
4C076EE16B
4C076EE30
4C076EE31
4C076EE32B
4C076EE36B
4C076EE38
4C076FF04
4C076FF06
4C076FF09
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086GA14
4C086GA15
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA35
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA82
4C086ZB35
4C086ZC20
(57)【要約】
ゲポチダシン、例えばメシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物又はゲポチダシン無水物を含む新規の医薬組成物が開示される。本発明は、ゲポチダシンを含む医薬組成物を作製する方法、及びそのような医薬組成物を使用して細菌感染症を処置する方法も提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲポチダシン及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、約45重量%~75重量%のゲポチダシン(遊離塩基として測定)を含む、医薬組成物。
【請求項2】
ゲポチダシンが結晶形態である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
結晶形態が、メシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物又はゲポチダシン無水物である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
結晶形態が、メシル酸ゲポチダシン二水和物である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
メシル酸ゲポチダシン二水和物が、Cu K
α線を使用して測定された場合に、約9.0、11.5、13.4、14.3、14.9、15.5、17.6、18.6、及び20.7°2θからなる群から選択される、少なくとも3つ又は少なくとも4つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
メシル酸ゲポチダシン二水和物が、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項7】
約60重量%~90重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含む、請求項4から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
医薬組成物が約60重量%~80重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含み、1つ以上の賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、及び流動促進剤を含む、請求項4から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約20重量%~25重量%の希釈剤、
約4重量%~10重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%~2重量%の流動促進剤
を含む、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
希釈剤が、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
流動促進剤が、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、
請求項8又は9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
1つ以上の賦形剤が滑沢剤をさらに含む、請求項7から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
滑沢剤が、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
滑沢剤が約0.5重量%~5重量%を構成する、請求項11又は12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
結晶形態がゲポチダシン無水物である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項15】
ゲポチダシン無水物が、Cu K
α線を使用して測定された場合に、約8.8、10.8、11.7、12.8、13.2、14.4、16.3、19.9、20.8、及び25.0°2θからなる群から選択される、少なくとも3つ又は少なくとも4つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ゲポチダシン無水物が、
図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項17】
錠剤の形態である、請求項1から16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
それを必要とするヒトにおける細菌感染症を処置する方法であって、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、方法。
【請求項19】
細菌感染症が単純性尿路感染症又は淋菌による感染症である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
細菌感染症が単純性尿路感染症であり、医薬組成物が1日2回ゲポチダシン1500mg(遊離塩基として測定)の用量で5日間投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
細菌感染症が淋菌による感染症であり、医薬組成物がゲポチダシン3000mg(遊離塩基として測定)の用量で投与され、次いで10~12時間後に3000mgの第2の用量が投与される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
治療における使用のための、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
単純性尿路感染症又は淋菌による感染症を処置することにおける使用のための、請求項1から17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
連邦政府による資金提供を受けた研究の記載
本発明は、アメリカ国防脅威削減局により認可された契約第HDTRA1-07-9-0002のもとで、米国政府の援助によりなされた。米国政府は本発明において一定の権利を有しうる。
【背景技術】
【0002】
(2R)-2-({4-[(3,4-ジヒドロ-2H-ピラノ[2,3-c]ピリジン-6-イルメチル)アミノ]-1-ピペリジニル}メチル)-1,2-ジヒドロ-3H,8H-2a,5,8a-トリアザアセナフチレン-3,8-ジオン(以下では「ゲポチダシン」)は、独自の機構により細菌DNAジャイレース及びトポイソメラーゼIVを選択的に阻害し、これは現在承認されているヒト治療薬剤では活用されていない。
【0003】
国際特許出願公開WO2008/128942は、ゲポチダシンを含む、抗菌剤として使用可能な一連の化合物について記載する。ゲポチダシンのモノHCl塩が、その全体にわたって参照により本明細書に組み込まれるWO2008/128942の実施例39において調製された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本出願はゲポチダシンの結晶形態を含む新規の医薬組成物に関する。ゲポチダシンは式(I)の構造を有する。
【0006】
【0007】
本発明は、ゲポチダシン、例えばゲポチダシンの結晶形態、例えばメシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物、及びゲポチダシン無水物を含む新規の医薬組成物を提供する。本発明は、ゲポチダシン、例えばゲポチダシンの結晶形態を含む医薬組成物を作製する方法、及びゲポチダシンを含む医薬組成物を使用して細菌感染症を処置する方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のX線粉末回折パターンを示す図である。
【
図2】メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のラマンスペクトルを示す図である。
【
図3】メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)の示差走査熱量測定トレースを示す図である。
【
図4】メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)の熱重量分析トレースを示す図である。
【
図5】ゲポチダシン無水物のX線粉末回折パターンを示す図である。
【
図6】ゲポチダシン無水物のラマンスペクトルを示す図である。
【
図7】ゲポチダシン無水物の示差走査熱量測定トレースを示す図である。
【
図8】ゲポチダシン無水物の熱重量分析トレースを示す図である。
【
図9】メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のX線粉末回折パターンを示す図である。
【
図10】ゲポチダシン無水物のX線粉末回折パターンを示す図である。
【
図11】メシル酸ゲポチダシン二水和物を含む錠剤の製造方法を示す図である。
【
図12】製剤E(丸)及び製剤F(四角)の打錠性(tabletability)プロファイルを示す図である。
【
図13】製剤E(丸)及び製剤F(四角)の錠剤の引張強度の関数としての崩壊時間の比較を示す図である。
【
図14】メシル酸ゲポチダシン無水物のX線粉末回折パターンを示す図である。
【
図15】メシル酸ゲポチダシン無水物のX線粉末回折パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本出願はゲポチダシンを含む医薬組成物を対象としている。一部の実施形態において、組成物中のゲポチダシンは結晶のゲポチダシン、例えばメシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)、メシル酸ゲポチダシン無水物又はゲポチダシン無水物(遊離塩基)である。
【0010】
国際特許出願公開WO2021/219637は、メシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物、メシル酸ゲポチダシン一水和物、及びゲポチダシン無水物(遊離塩基)を含む、ゲポチダシンの特定の結晶形態について記載する。
【0011】
一部の実施形態において、本発明の医薬組成物は結晶ゲポチダシンを含む。
【0012】
このように、一実施形態において本発明は、ゲポチダシンの結晶形態及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、結晶形態が、メシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物又はゲポチダシン無水物であり、医薬組成物が約45重量%~75重量%のゲポチダシン(遊離塩基として測定)を含む、医薬組成物を提供する。
【0013】
一実施形態において、本発明は、ゲポチダシンの結晶形態及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、結晶形態がメシル酸ゲポチダシン二水和物又はゲポチダシン無水物であり、医薬組成物が約45重量%~75重量%のゲポチダシン(遊離塩基として測定)を含む、医薬組成物を提供する。
【0014】
1.メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)
一部の実施形態において、医薬組成物中のゲポチダシンの結晶形態はメシル酸ゲポチダシン二水和物(すなわち形態1)である。メシル酸ゲポチダシン二水和物は、以下の構造により表されうる。
【0015】
【0016】
一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約9.0、11.5、13.4、14.3、14.9、15.5、17.6、18.6、及び20.7°2θからなる群から選択される、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、又は少なくとも9つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。本明細書で使用される場合、用語「約」が数のリスト前にあれば、該用語は列挙される数の各々に適用される。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約13.4、15.5、17.6、及び18.6°2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約13.4、15.5、17.6、及び18.6°2θの4つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約13.4、17.6、及び18.6°2θの3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0017】
一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図1と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図9と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0018】
一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、約1154、1269、1306、1518、1584、1637及び1676cm
-1でのピークからなる群から選択される位置における、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は少なくとも7つのピークを含むラマンスペクトルを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図2と実質的に一致するラマンスペクトルを特徴とする。
【0019】
さらなる実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図3と実質的に一致する示差走査熱量測定トレース及び/又は
図4と実質的に一致する熱重量分析トレースを特徴とする。
【0020】
別の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、以下の単位格子パラメーター:
a=6.9255(5)Å、b=15.4500(12)Å、c=25.7918(19)Å、α=β=γ=90°、
V=2759.7(4)Å3、Z'=1、
空間群P212121、
分子/単位格子4、
密度(計算値)1.398g/cm3、
ここでZ'は非対称単位あたりの分子の数である、
をもたらす単結晶XRDを特徴とする。
【0021】
2.ゲポチダシン無水物
一部の実施形態において、医薬組成物中のゲポチダシンの結晶形態はゲポチダシン無水物(すなわち遊離塩基)である。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約8.8、10.8、11.7、12.8、13.2、14.4、16.3、19.9、20.8、及び25.0からなる群から選択される、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、又は少なくとも9つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約8.8、13.2、14.4、及び20.8からなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約8.8、13.2、14.4、及び20.8の4つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約8.8、13.2、及び14.4の3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0022】
一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、
図5と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、
図10と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0023】
一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、約1099、1143、1289、1344、1476、1516、1612、及び1687cm
-1でのピークからなる群から選択される位置における、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、又は少なくとも8つのピークを含むラマンスペクトルを特徴とする。一実施形態において、ゲポチダシン無水物は、
図6と実質的に一致するラマンスペクトルを特徴とする。
【0024】
さらなる実施形態において、ゲポチダシン無水物は、
図7と実質的に一致する示差走査熱量測定トレース及び/又は
図8と実質的に一致する熱重量分析トレースを特徴とする。
【0025】
別の実施形態において、ゲポチダシン無水物は、以下の単位格子パラメーター:a=8.44022(16)Å、b=6.42442(12)Å、c=20.2774(5)Å、α=γ=90°、β=96.778(2)°、V=1091.83(4)Å3、Z'=1、
空間群P21、
薬物分子/単位格子2、
密度(計算値)1.364g/cm3、
ここでZ'は非対称単位あたりの薬物分子の数である、
をもたらす単結晶XRDを特徴とする。
【0026】
メシル酸ゲポチダシン無水物
一部の実施形態において、ゲポチダシンの結晶形態はメシル酸ゲポチダシン無水物である。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約7.1、9.7、12.1、14.2、15.2、17.3、及び20.2からなる群から選択される、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、又は少なくとも7つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約7.1、9.7、15.2、及び17.3からなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約7.1、9.7、15.2、及び17.3の4つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約9.7、15.2、及び17.3の3つの回折角を含むXRPDパターンを特徴とする。
【0027】
一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、
図14と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、
図15と実質的に一致するXRPDパターンを特徴とする。
【0028】
なおさらなる実施形態において、当業者が理解するように、具体的なゲポチダシン多形は、前述の実施形態を特徴づける分析データの2つ以上のセットの任意の組合せを特徴とする。例えば、一実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図1又は
図9と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン、
図2と実質的に一致するラマンスペクトル、
図3と実質的に一致する示差走査熱量測定トレース、及び
図4と実質的に一致する熱重量分析トレースを特徴とする。
【0029】
別の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン及び
図2と実質的に一致するラマンスペクトルを特徴とする。別の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン及び
図3と実質的に一致する示差走査熱量測定トレースを特徴とする。別の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターン及び
図4と実質的に一致する熱重量分析トレースを特徴とする。
【0030】
XRPDパターンが指定された値の±0.2°2θ以内の回折角を含んでいる場合、XRPDパターンは、本明細書で指定された「約」値の回折角(°2θで表される)を含むと理解されるはずである。さらに、X線粉末回折(XRPD)パターンを得るのに関与する、利用される器具、湿度、温度、粉末結晶の方位、及び他のパラメーターが、回折パターンにおける線の出現、強度、及び位置のある程度の変動を引き起こしうることが、当業者に周知であり、理解される。用語「XRPD」は、用語「PXRD」と交換可能に本明細書で使用される。
【0031】
本明細書で提供される
図1、5、9、又は10のX線粉末回折パターンと「実質的に一致する」X線粉末回折パターンは、
図1、5、9、又は10のXRPDパターンをもたらした化合物と同じ結晶形態を有する化合物を表すと当業者により考えられるXRPDパターンである。すなわち、XRPDパターンは、
図1、5、9、若しくは10のXRPDパターンと同一であってもよく、又はそれよりも、ある程度異なっていてもよい。そのようなXRPDパターンは、本明細書で提示される回折パターンのうちのいずれか1つの線の各々を必ずしも示していなくてもよく、及び/又はデータを得るのに関与する条件の差から生じる前記線の出現、強度、若しくは位置の移動のわずかな変化を示してもよい。当業者は、結晶化合物の試料が、本明細書で開示される形態と同じ形態、又は異なる形態を有するかどうかを、それらのXRPDパターンの比較により決定することができる。例えば当業者は、ゲポチダシンを含有する試料のXRPDパターンを
図1と重ね合わせ、当技術分野における専門技術及び知識を使用して、試料のXRPDパターンがメシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のXRPDパターンと実質的に一致するかどうかを容易に決定することができる。XRPDパターンが
図1と実質的に一致する場合、試料形態は形態1と同じ形態を有するものと容易に且つ正確に特定されうる。
【0032】
本出願はゲポチダシンを含む高薬物負荷経口固体製剤を提供する。一部の実施形態において、本出願は、ゲポチダシンの結晶形態を含む高薬物負荷経口固体製剤を提供する。提案されているゲポチダシンの臨床的経口用量は、尿路感染症(UTI)の処置には1日2回1500mgであり、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)による感染症(例えば単純性淋病又は泌尿生殖器淋病(urogenital gonorrhea))の処置には1日2回3000mgである。このような高い1日用量には高薬物負荷経口固体製剤が必要となる。薬物負荷が高いということは、妥当な錠剤重量で賦形剤の量が少ないということであり、その結果、原薬特性のばらつきを埋め合わせる賦形剤が非常に少ない状態で、崩壊/溶解挙動、圧縮特性、流動挙動のばらつきを含むライフサイクルにわたる原薬のばらつきに対して薬物製品がより敏感になる。
【0033】
一部の実施形態において、本出願の高負荷製剤は錠剤である。一部の実施形態において、本出願の高負荷製剤はカプセル剤である。一部の実施形態において、高負荷錠剤製剤中のゲポチダシンは、約45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、若しくは75重量%(遊離塩基として測定)、又は任意の2つの先行する値の間の範囲の量で存在する。一部の実施形態において、ゲポチダシンは、約45重量%~75重量%、約45重量%~70重量%、約45重量%~65重量%、約45重量%~60重量%、約50重量%~75重量%、約50重量%~70重量%、約50重量%~65重量%、約50重量%~60重量%、又は約50重量%~55重量%の範囲で存在する。本明細書で使用される場合、用語「約」が数のリスト前にあれば、該用語は列挙される数の各々に適用される。
【0034】
特に指示しない限り、重量パーセンテージは、組成物(すなわち錠剤)の重量に対する活性成分(すなわちゲポチダシン遊離塩基、メシル酸ゲポチダシン無水物又はメシル酸ゲポチダシン二水和物)の重量を使用して計算される。例えば、メシル酸ゲポチダシン二水和物約971mgを含有する錠剤1400mgの場合、メシル酸ゲポチダシン二水和物の重量パーセンテージは約69.4%であり、ゲポチダシンの重量パーセンテージ(遊離塩基として測定)は約53.6%である。
【0035】
一態様において、高負荷製剤はメシル酸ゲポチダシン二水和物を含み、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、若しくは90重量%、又は任意の2つの先行する値の間の範囲の量で存在する。一部の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は、約60重量%~90重量%、約60重量%~80重量%、約65重量%~85重量%、約65重量%~75重量%の範囲で存在する。一部の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン二水和物は約70重量%の量で存在する。
【0036】
別の態様において、高負荷製剤はゲポチダシン無水物を含み、ゲポチダシン無水物は、約50重量%、55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、若しくは85重量%、又は任意の2つの先行する値の間の範囲の量で存在する。一部の実施形態において、ゲポチダシン無水物は、約50重量%~85重量%、約50重量%~80重量%、約50重量%~75重量%、約50重量%~70重量%、約50重量%~65重量%、約55重量%~70重量%、約55重量%~65重量%、又は約60重量%~65重量%の範囲で存在する。一部の実施形態において、ゲポチダシン無水物は約63重量%の量で存在する。
【0037】
一態様において、高負荷製剤はメシル酸ゲポチダシン無水物を含み、メシル酸ゲポチダシン無水物は、約60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、80重量%、85重量%、若しくは90重量%、又は任意の2つの先行する値の間の範囲の量である。一部の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は、約60重量%~90重量%、約60重量%~80重量%、約65重量%~85重量%、約65重量%~75重量%の範囲で存在する。一部の実施形態において、メシル酸ゲポチダシン無水物は約70重量%の量で存在する。
【0038】
一実施形態において、高負荷製剤は、メシル酸ゲポチダシン二水和物、希釈剤、崩壊剤、及び流動促進剤を含む。別の実施形態において、高負荷製剤は、メシル酸ゲポチダシン二水和物、希釈剤、崩壊剤、流動促進剤、及び滑沢剤を含む。
【0039】
一実施形態において、高負荷製剤は、ゲポチダシン無水物、希釈剤、及び崩壊剤を含む。別の実施形態において、高負荷製剤は、ゲポチダシン無水物、希釈剤、崩壊剤、及び滑沢剤を含む。
【0040】
一実施形態において、高負荷製剤は、メシル酸ゲポチダシン無水物、希釈剤、及び崩壊剤を含む。別の実施形態において、高負荷製剤は、メシル酸ゲポチダシン無水物、希釈剤、崩壊剤、及び滑沢剤を含む。
【0041】
好適な希釈剤(すなわちフィラー)は、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン(例えばトウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及びα化デンプン)、セルロース及びその誘導体(例えば微結晶性セルロース)、硫酸カルシウム、並びにリン酸水素カルシウムを含む。一実施形態において、希釈剤は、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、希釈剤は微結晶性セルロースである。一実施形態において、希釈剤は組成物の約20重量%~25重量%の量で存在する。
【0042】
好適な崩壊剤は、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムを含む。一実施形態において、崩壊剤は、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。一実施形態において、崩壊剤は組成物の約4重量%~10重量%の量で存在する。
【0043】
好適な滑沢剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、及びタルクを含む。一実施形態において、滑沢剤は、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、滑沢剤はステアリン酸マグネシウムである。一実施形態において、滑沢剤は組成物の約0.5重量%~5重量%、又は0.5重量%~2重量%の量で存在する。
【0044】
流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素(すなわちシリカ)を含む。特定の滑沢剤は流動促進剤として使用可能であり、例えばタルク、及びステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、及びフマル酸ステアリルナトリウムなどがある。一実施形態において、流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される。一実施形態において、流動促進剤はコロイド状二酸化ケイ素である。一実施形態において、流動促進剤は組成物の約0.5重量%~2重量%の量で存在する。
【0045】
1)メシル酸ゲポチダシン二水和物の製剤
一部の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約20重量%~25重量%の希釈剤、
約4重量%~10重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%~2重量%の流動促進剤
を含む。
【0046】
一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約20重量%~25重量%の微結晶性セルロース、
約4重量%~10重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約0.5重量%~2重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0047】
一部の実施形態において、医薬組成物は、約0.5重量%~5重量%の滑沢剤、又は約0.5重量%~2重量%の滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムをさらに含む。
【0048】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、及び
約1重量%の流動促進剤
を含む。
【0049】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の微結晶性セルロース、
約6重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0050】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%の流動促進剤
を含む。
【0051】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の微結晶性セルロース、
約6重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0052】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、
約1重量%の流動促進剤、及び
約1.4重量%の滑沢剤
を含む。
【0053】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の微結晶性セルロース、
約6重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約1重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約1.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0054】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約1.9重量%の滑沢剤
を含む。
【0055】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の微結晶性セルロース、
約6重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約1.9重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0056】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
メシル酸ゲポチダシン二水和物約971mg、
微結晶性セルロース約311mg、
クロスカルメロースナトリウム約84mg、
コロイド状二酸化ケイ素約14mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約19.5mg
を含む。
【0057】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
メシル酸ゲポチダシン二水和物約971mg、
微結晶性セルロース約311mg、
クロスカルメロースナトリウム約84mg、
コロイド状二酸化ケイ素約7mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約26.5mg
を含む。
【0058】
別の態様において、医薬組成物は、約60重量%~80重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、顆粒内賦形剤、及び顆粒外賦形剤を含む。一部の実施形態において、顆粒内賦形剤は、
約4重量%~8重量%の希釈剤、
約1重量%~5重量%の崩壊剤、及び
約0.1重量%~1重量%の流動促進剤
を含む。
【0059】
一部の実施形態において、顆粒内賦形剤は、
約4重量%~8重量%の微結晶性セルロース、
約1重量%~5重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約0.1重量%~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0060】
一部の実施形態において、顆粒外賦形剤は、
約10重量%~20重量%の希釈剤、
約1重量%~5重量%の崩壊剤、及び
約0.1重量%~1重量%の流動促進剤
を含む。
【0061】
一部の実施形態において、顆粒外賦形剤は、
約10重量%~20重量%の微結晶性セルロース、
約1重量%~5重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約0.1重量%~1重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0062】
一部の実施形態において、顆粒外賦形剤は、
約10重量%~20重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含む。
【0063】
一部の実施形態において、顆粒外賦形剤は、
約10重量%~20重量%の微結晶性セルロース、及び
約1重量%~5重量%のクロスカルメロースナトリウム
を含む。
【0064】
一部の実施形態において、顆粒内賦形剤は約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含み、顆粒外賦形剤は約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含む。顆粒内賦形剤及び顆粒外賦形剤の各賦形剤は、独立して選択されうる。例えば、顆粒内賦形剤の希釈剤は、顆粒外賦形剤の希釈剤と同じであっても異なっていてもよい。
【0065】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約5重量%~7重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、
約0.4重量%~0.6重量%の流動促進剤、及び
約0.2重量%~0.6重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約14重量%~18重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、
約0.4重量%~0.6重量%の流動促進剤、及び
約0.5重量%~1.5重量%の滑沢剤
を含む。
【0066】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約5重量%~7重量%の微結晶性セルロース、
約2重量%~4重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.4重量%~0.6重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.2重量%~0.6重量%のステアリン酸マグネシウム
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約14重量%~18重量%の微結晶性セルロース、
約2重量%~4重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.4重量%~0.6重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.5重量%~1.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0067】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約6重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約0.4重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約16重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約1重量%の滑沢剤
を含む。
【0068】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約6重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約0.4重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約16重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、及び
約1.5重量%の滑沢剤
を含む。
【0069】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約6重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約16重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約1重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0070】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約6重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のクロスカルメロースナトリウム、
約0.5重量%のコロイド状二酸化ケイ素、及び
約0.4重量%のステアリン酸マグネシウム
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約16重量%の微結晶性セルロース、
約3重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約1.5重量%のステアリン酸マグネシウム
を含む。
【0071】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
メシル酸ゲポチダシン二水和物約971mg
を含み、
顆粒内賦形剤は、
微結晶性セルロース約84.5mg、
クロスカルメロースナトリウム約42mg、
コロイド状二酸化ケイ素約7mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約5.5mg
を含み、
顆粒外賦形剤は、
微結晶性セルロース約227mg、
クロスカルメロースナトリウム約42mg、
コロイド状二酸化ケイ素約7mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約14mg
を含む。
【0072】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
メシル酸ゲポチダシン二水和物約971mg
を含み、
顆粒内賦形剤は、
微結晶性セルロース約84.5mg、
クロスカルメロースナトリウム約42mg、
コロイド状二酸化ケイ素約7mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約5.5mg
を含み、
顆粒外賦形剤は、
微結晶性セルロース約227mg、
クロスカルメロースナトリウム約42mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約21mg
を含む。
【0073】
2)ゲポチダシン無水物の製剤
一部の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、
約60重量%~65重量%のゲポチダシン無水物、
約25重量%~35重量%の希釈剤、及び
約4重量%~8重量%の崩壊剤
を含む。
【0074】
一部の実施形態において、医薬組成物は、約0.5重量%~5重量%の滑沢剤をさらに含む。
【0075】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約63重量%のゲポチダシン無水物、
約31重量%の希釈剤、及び
約5重量%の崩壊剤
を含む。
【0076】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約63重量%のゲポチダシン無水物、
約31重量%の希釈剤、
約5重量%の崩壊剤、及び
約1重量%の滑沢剤
を含む。
【0077】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
ゲポチダシン無水物約750mg、
微結晶性セルロース約375mg、
クロスカルメロースナトリウム約64mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約11mg
を含む。
【0078】
一部の実施形態において、医薬組成物は、約55重量%~70重量%のゲポチダシン無水物、顆粒内賦形剤、及び顆粒外賦形剤を含む。一部の実施形態において、顆粒内賦形剤は、
約10重量%~15重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含む。
【0079】
一部の実施形態において、顆粒外賦形剤は、
約15重量%~20重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含む。
【0080】
一部の実施形態において、顆粒内賦形剤は約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含み、顆粒外賦形剤は約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含む。
【0081】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約60重量%~65重量%のゲポチダシン無水物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約11重量%~15重量%の希釈剤、
約1重量%~4重量%の崩壊剤、及び
約0.2重量%~0.6重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約16重量%~20重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、及び
約0.3重量%~0.7重量%の滑沢剤
を含む。
【0082】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
約63重量%のゲポチダシン無水物
を含み、
顆粒内賦形剤は、
約13重量%の希釈剤、
約2.3重量%の崩壊剤、及び
約0.4重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤は、
約18重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%の滑沢剤
を含む。
【0083】
一部の実施形態において、医薬組成物は、
ゲポチダシン無水物約750mg
を含み、
顆粒内賦形剤は、
微結晶性セルロース約155mg、
クロスカルメロースナトリウム約28mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約4.7mg
を含み、
顆粒外賦形剤は、
微結晶性セルロース約221mg、
クロスカルメロースナトリウム約36mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約6mg
を含む。
【0084】
一部の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は錠剤である。一部の実施形態において、錠剤はフィルムでコーティングされている。
【0085】
3)メシル酸ゲポチダシン無水物の製剤
一部の実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン無水物、
約20重量%~25重量%の希釈剤、
約4重量%~10重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%~2重量%の流動促進剤
を含む。
【0086】
一実施形態において、本明細書で開示される医薬組成物は、
約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン無水物、
約20重量%~25重量%の微結晶性セルロース、
約4重量%~10重量%のクロスカルメロースナトリウム、及び
約0.5重量%~2重量%のコロイド状二酸化ケイ素
を含む。
【0087】
3.使用及び処置方法
本出願は、それを必要とするヒトにおける細菌感染症を処置する方法であって、有効量のゲポチダシンを含む医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、方法を提供する。細菌感染症は、グラム陰性及びグラム陽性生物の両方を含む広範な生物により引き起こされる可能性があり、感染症は、上気道及び/又は下気道感染症、皮膚及び軟部組織感染症、尿路感染症、並びに淋病を含むがこれらに限定されない。一部の実施形態において、感染症は尿路感染症である。一部の実施形態において、感染症は淋病である。ゲポチダシンを使用することにより細菌感染症を処置する方法は、全てそれらの全体にわたって参照により本明細書に組み込まれる、WO2008/128942、WO2016/027249及びWO2020/201833において開示される。
【0088】
一部の実施形態において、感染症は、大腸菌(Escherichia coli)(E. coli)、腐性ブドウ球菌(Staphylococcus saprophyticus)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter koseri)、又は肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)(K. pneumoniae)により引き起こされる尿路感染症である。一部の実施形態において、感染症はE. coliにより引き起こされる尿路感染症である。別の実施形態において、感染症は淋菌(Neisseria gonorrhoeae)により引き起こされる淋病である。
【0089】
本明細書で使用される場合、用語「処置」は、指定される状態を緩和すること、状態の1つ以上の症状を取り除くこと又は低減させること、状態の進行をゆっくりにすること又は取り除くこと、及び以前に罹患した又は診断された患者又は対象における状態の再発を防止すること又は遅らせることを指す。
【0090】
本明細書で使用される場合、用語「有効量」は、例えば研究者又は臨床医により求められる、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的応答を引き出す薬物又は薬剤の量を意味する。別途明示されない限り、薬物又は薬剤の量は遊離塩基化合物の量を指し、対応する薬学的に許容可能な塩の量は指さない。
【0091】
一実施形態において、本出願は、尿路感染症(UTI)を処置する方法であって、それを必要とするヒト対象における治療有効量で本明細書で開示される医薬組成物を投与するステップを含み、ゲポチダシンが1日2回1500mg、6~12時間空けて投与される、方法を提供する。
【0092】
特に、本出願の医薬組成物は単位用量として提示され、好ましくは1日1~5回、例えば所望の効果を実現するため1日1回又は2回投与される。一実施形態において、ゲポチダシンは、3、4、5、6又は7日間のいずれかの連続で投与される。一実施形態において、本出願の任意の態様において、ゲポチダシンは5日間連続で投与される。
【0093】
別の実施形態において、本出願は、淋菌による感染症を処置する方法であって、それを必要とするヒト対象における治療有効量で本明細書で開示される医薬組成物を投与するステップを含み、ゲポチダシンが各3000mgで2回、6~12時間空けて投与される、方法を提供する。
【0094】
別の実施形態において、本出願は、淋病を処置する方法であって、それを必要とするヒト対象における治療有効量で本明細書で開示される医薬組成物を投与するステップを含み、ゲポチダシンが各3000mgで2回、6~12時間空けて投与される、方法を提供する。
【0095】
本発明は以下の条項により例示される。
【0096】
1. ゲポチダシン及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、約45重量%~75重量%のゲポチダシン(遊離塩基として測定)を含む、医薬組成物。
【0097】
1a. ゲポチダシンの結晶形態及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物であって、結晶形態がメシル酸ゲポチダシン二水和物又はゲポチダシン無水物であり、医薬組成物が約45重量%~75重量%のゲポチダシン(遊離塩基として測定)を含む、医薬組成物。
【0098】
2. ゲポチダシンが結晶形態である、条項1に記載の医薬組成物。
【0099】
3. 結晶形態が、メシル酸ゲポチダシン二水和物、メシル酸ゲポチダシン無水物又はゲポチダシン無水物である、条項2に記載の医薬組成物。
【0100】
4. 結晶形態がメシル酸ゲポチダシン二水和物である、条項1a又は3に記載の医薬組成物。
【0101】
5. メシル酸ゲポチダシン二水和物が、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約9.0、11.5、13.4、14.3、14.9、15.5、17.6、18.6、及び20.7°2θからなる群から選択される、少なくとも3つ又は少なくとも4つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、条項4に記載の医薬組成物。
【0102】
6. メシル酸ゲポチダシン二水和物が、
図1と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、条項4に記載の医薬組成物。
【0103】
7. 約60重量%~90重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含む、条項4から6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0104】
8. 医薬組成物が約60重量%~80重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含み、1つ以上の賦形剤が、希釈剤、崩壊剤、及び流動促進剤を含む、条項4から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0105】
9. 約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約20重量%~25重量%の希釈剤、
約4重量%~10重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%~2重量%の流動促進剤
を含む、条項8に記載の医薬組成物。
【0106】
10. 希釈剤が、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
流動促進剤が、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、
条項8又は9に記載の医薬組成物。
【0107】
11. 1つ以上の賦形剤が滑沢剤をさらに含む、条項7から10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0108】
12. 滑沢剤が、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から選択される、条項11に記載の医薬組成物。
【0109】
13. 滑沢剤が約0.5重量%~5重量%を構成する、条項11又は12に記載の医薬組成物。
【0110】
13. 約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、及び
約1重量%の流動促進剤
を含む、条項9に記載の医薬組成物。
【0111】
14. 約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、
約1重量%の流動促進剤、及び
約1.4重量%の滑沢剤
を含む、条項9に記載の医薬組成物。
【0112】
15. 約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、
約22重量%の希釈剤、
約6重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約1.9重量%の滑沢剤
を含む、条項9に記載の医薬組成物。
【0113】
16. 医薬組成物が、約60重量%~80重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物、顆粒内賦形剤、及び顆粒外賦形剤を含み、
顆粒内賦形剤が、
約4重量%~8重量%の希釈剤、
約1重量%~5重量%の崩壊剤、及び
約0.1重量%~1重量%の流動促進剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約10重量%~20重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含む、条項4から7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0114】
17. 顆粒外賦形剤が約0.1重量%~1重量%の流動促進剤をさらに含む、条項16に記載の医薬組成物。
【0115】
18. 前記希釈剤のそれぞれが、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択され、
前記崩壊剤のそれぞれが、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択され、
前記流動促進剤のそれぞれが、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される、条項16条項17に記載の医薬組成物。
【0116】
19. 顆粒内賦形剤が約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含み、顆粒外賦形剤が約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含む、条項16から18のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0117】
20. 前記滑沢剤のそれぞれが、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される、条項19に記載の医薬組成物。
【0118】
21. 約65重量%~75重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含み、
顆粒内賦形剤が、
約5重量%~7重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、
約0.4重量%~0.6重量%の流動促進剤、及び
約0.2重量%~0.6重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約14重量%~18重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、
約0.4重量%~0.6重量%の流動促進剤、及び
約0.5重量%~1.5重量%の滑沢剤
を含む、条項16から20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0119】
22. 約70重量%のメシル酸ゲポチダシン二水和物を含み、
顆粒内賦形剤が、
約6重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約0.4重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約16重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、
約0.5重量%の流動促進剤、及び
約1重量%の滑沢剤
を含む、条項21に記載の医薬組成物。
【0120】
23. 結晶形態がゲポチダシン無水物である、条項1a又は3に記載の医薬組成物。
【0121】
24. ゲポチダシン無水物が、Cu Kα線を使用して測定された場合に、約8.8、10.8、11.7、12.8、13.2、14.4、16.3、19.9、20.8、及び25.0°2θからなる群から選択される、少なくとも3つ又は少なくとも4つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、条項23に記載の医薬組成物。
【0122】
25. ゲポチダシン無水物が、
図4と実質的に一致するX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、条項23に記載の医薬組成物。
【0123】
26. 約50重量%~75重量%のゲポチダシン無水物を含む、条項23から25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0124】
27. 医薬組成物が約55重量%~70重量%のゲポチダシン無水物を含み、1つ以上の賦形剤が希釈剤及び崩壊剤を含む、条項23から26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0125】
28. 1つ以上の賦形剤が滑沢剤をさらに含む、条項26に記載の医薬組成物。
【0126】
29. 希釈剤が、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
崩壊剤が、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、条項27に記載の医薬組成物。
【0127】
30. 1つ以上の賦形剤が、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から選択される滑沢剤をさらに含む、条項23から29のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0128】
31. 約60重量%~65重量%のゲポチダシン無水物、
約25重量%~35重量%の希釈剤、及び
約4重量%~8重量%の崩壊剤
を含む、条項27から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0129】
32. 1つ以上の賦形剤が約0.5重量%~5重量%の滑沢剤をさらに含む、条項27から31のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0130】
33. 約63重量%のゲポチダシン無水物、
約31重量%の希釈剤、及び
約5重量%の崩壊剤
を含む、条項31に記載の医薬組成物。
【0131】
34. 約63重量%のゲポチダシン無水物、
約31重量%の希釈剤、
約5重量%の崩壊剤、及び
約1重量%の滑沢剤
を含む、条項31に記載の医薬組成物。
【0132】
35. ゲポチダシン無水物約750mg、
微結晶性セルロース約375mg、
クロスカルメロースナトリウム約64mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約11mg
を含む、条項27に記載の医薬組成物。
【0133】
36. 医薬組成物が、約55重量%~70重量%のゲポチダシン無水物、顆粒内賦形剤、及び顆粒外賦形剤を含み、
顆粒内賦形剤が、
約10重量%~15重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約15重量%~20重量%の希釈剤、及び
約1重量%~5重量%の崩壊剤
を含む、条項26から30のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0134】
37. 前記希釈剤のそれぞれが、微結晶性セルロース、ラクトース、スクロース、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、デンプン、セルロース、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、及びそれらの組合せからなる群から選択され、
前記崩壊剤のそれぞれが、クロスポビドン、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロース、クロスカルメロースナトリウム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、条項36に記載の医薬組成物。
【0135】
38. 顆粒内賦形剤が約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含み、顆粒外賦形剤が約0.1重量%~3重量%の滑沢剤をさらに含む、条項36又は37に記載の医薬組成物。
【0136】
39. 前記滑沢剤のそれぞれが、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルク、及びそれらの組合せからなる群から独立して選択される、条項38に記載の医薬組成物。
【0137】
40. 約60重量%~65重量%のゲポチダシン無水物を含み、
顆粒内賦形剤が、
約11重量%~15重量%の希釈剤、
約1重量%~4重量%の崩壊剤、及び
約0.2重量%~0.6重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約16重量%~20重量%の希釈剤、
約2重量%~4重量%の崩壊剤、及び
約0.3重量%~0.7重量%の滑沢剤
を含む、条項36から39のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0138】
41. 約63重量%のゲポチダシン無水物を含み、
顆粒内賦形剤が、
約13重量%の希釈剤、
約2.3重量%の崩壊剤、及び
約0.4重量%の滑沢剤
を含み、
顆粒外賦形剤が、
約18重量%の希釈剤、
約3重量%の崩壊剤、及び
約0.5重量%の滑沢剤
を含む、条項40に記載の医薬組成物。
【0139】
42. ゲポチダシン無水物約750mgを含み、
顆粒内賦形剤が、
微結晶性セルロース約155mg、
クロスカルメロースナトリウム約28mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約4.7mg
を含み、
顆粒外賦形剤が、
微結晶性セルロース約221mg、
クロスカルメロースナトリウム約36mg、及び
ステアリン酸マグネシウム約6mg
を含む、条項36に記載の医薬組成物。
【0140】
43. 錠剤の形態である、条項1から42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0141】
44. 錠剤がフィルムでコーティングされている、条項43に記載の医薬組成物。
【0142】
45. それを必要とするヒトにおける細菌感染症を処置する方法であって、条項1から44のいずれか一項に記載の医薬組成物をヒトに投与するステップを含む、方法。
【0143】
46. 細菌感染症が単純性尿路感染症又は淋菌による感染症である、条項45に記載の方法。
【0144】
47. 細菌感染症が単純性尿路感染症であり、医薬組成物が1日2回ゲポチダシン1500mg(遊離塩基として測定)の用量で5日間投与される、条項45に記載の方法。
【0145】
48. 細菌感染症が淋菌による感染症であり、医薬組成物がゲポチダシン3000mg(遊離塩基として測定)の用量で投与され、次いで10~12時間後に3000mgの第2の用量が投与される、条項45に記載の方法。
【0146】
49. 治療における使用のための、条項1から42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0147】
50. 単純性尿路感染症又は淋菌による感染症を処置することにおける使用のための、条項1から42のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【0148】
以下に示される実施例は本発明の例示であり、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定することは意図されない。
【実施例】
【0149】
実験
以下の実施例は本発明を例示する。これらの実施例は本発明の範囲を限定することを意図するのではなく、本発明の化合物、組成物、及び方法を調製し使用するための、当業者への手引きを提供することを意図する。本発明の具体的な実施形態が記載されるが、当業者は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、各種変更及び改変がなされてもよいことを理解するものである。別途明記されない限り、試薬は市販のものであるか又は文献における手順に従って調製される。
【0150】
[実施例1]
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)
[実施例1a]-調製方法1
アセトン(5ml)をゲポチダシン(294.14mg)に添加した。スラリーに、メタンスルホン酸(3M水溶液、1当量)を60分の期間にわたって添加した。スラリーを50℃に3時間加熱し、20℃に徐冷し、20℃で5時間撹拌したままにし、5℃にさらに冷却した。スラリーを5℃で一晩撹拌した。結晶固体を真空下で濾過し、アセトンで洗浄し、60℃の真空オーブン中で乾燥して、結晶メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)を72.9%収率で得た。
【0151】
[実施例1b]-調製方法2
ゲポチダシン(32.00kg)及びメタンスルホン酸(7.00kg、1.02eq)を、2-プロパノール304L及び水16.1kg中で74~80℃に加熱した。溶液を濾過して結晶化容器に入れ、59~63℃に冷却した。5%v/v水性2-プロパノール(2-プロパノール1.194kg及び水0.080L)中に懸濁させた形態1二水和物(0.318kg)を添加し、混合物を58~64℃で2時間熟成させた。混合物を15~25℃に冷却し、生じたスラリーを湿式粉砕した。スラリーを55~61℃に加熱し、15~25℃に冷却した。メシル酸ゲポチダシン二水和物を濾過により単離し、5%v/v水性2-プロパノール(2×2-プロパノール106L及び2×水5.6kg)で2回洗浄し、真空下で約40℃で乾燥して、メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)(38.505kg)を結晶固体として得た。
【0152】
[実施例1c]-XRPD
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のX線粉末回折(XRPD)パターンが
図1に示され、回折角及びd間隔の要約が以下の表1で示される。XRPD分析を、PANalytical X'Pert Pro回折計において、Siゼロバックグラウンドウェハー上で実施した。取得条件は、Cu K
α線、発生装置電圧45kV、発生装置電流:40mA、ステップサイズ0.03°2θを含んだ。
【0153】
【0154】
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)の別の試料のXRPDパターンが
図9に示される(表2を参照のこと)。XRPD分析を、PANalytical Empyrean回折計において、Siゼロバックグラウンドウェハー上で実施した。取得条件は、Cu K
α線、発生装置電圧45kV、発生装置電流:40mA、ステップサイズ0.03°2θを含んだ。
【0155】
【0156】
[実施例1d]-ラマンスペクトル
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のラマンスペクトルを、Nicolet NXR9650又はThermo Electron NXR 960分光計において、Nd:YVO4レーザー(λ=1064nm)由来の励起により4cm
-1分解能で記録した。メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のラマンスペクトルが
図2に示され、主要ピークが455、492、558、525、590、628、667、752、775、823、940、993、1037、1109、1154、1216、1269、1306、1346、1392、1424、1472、1518、1584、1637、1676、2929、3005及び3046cm
-1で観察される。
【0157】
[実施例1e]-DSC
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のDSCを、40mL/分N
2パージ下で、オートサンプラー及び冷蔵機能付き冷却システムを備えるTA Instruments Q2000示差走査熱量計を用いて実施した。圧着したAlパンにおいて、15℃/分で試料のDSCサーモグラムを得た。形態1のDSCサーモグラムは、広い吸熱、その後の開始温度約129℃での急な吸熱、その後の開始温度約195℃での吸熱を呈する(
図3)。当業者は、吸熱の開始温度が実験条件に応じて変動しうることを認識するものである。
【0158】
[実施例1f]-TGA
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)の熱重量分析(TGA)サーモグラムを、TA Instruments Q50熱重量分析装置で、60mL/分N
2流下及び加熱速度10℃/分で記録した。メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)のTGAサーモグラムは、30~130℃で約6%(2.0eq)の損失を呈する(
図4)。
【0159】
[実施例1g]-単結晶構造
メシル酸ゲポチダシン二水和物の単結晶を、メシル酸ゲポチダシンの水/2-プロパノール溶液から徐冷により調製した。
【0160】
単結晶データを、Incoatec microfocus 3.0 CuKα Sourceを使用してBruker D8 Ventureシステムで収集した。データ収集及び単位格子インデクシングをAPEX3 v2017.3-0スイート(Bruker AXS Inc.、2017)で実施し、測定された強度データの処理をSAINT V8.38Aソフトウェアパッケージ(Bruker AXS Inc.、2017)を用いて実施した。構造を、SHELXT-2018/2ソフトウェアパッケージ(Sheldrick、2018)を使用して直接法により解明した。導き出された原子パラメーター(座標及び温度因子)を、SHELXL-2018/3(Sheldrick、2018)でフルマトリックス最小二乗法により精密化した。ヘテロ原子における位置を除いて、自由に精密化された理想的な位置に水素を導入した。
【0161】
単結晶X線データを低温(-123℃)で測定した。単結晶を、以下の単位格子パラメーター:a=6.9255(5)Å、b=15.4500(12)Å、c=25.7918(19)Å、α=β=γ=90°、
V=2759.7(4)Å3、Z'=1、
空間群P212121、
分子/単位格子4、
密度(計算値)1.398g/cm3、
ここでZ'は非対称単位あたりの分子の数である、
を有するメシル酸塩二水和物構造として確認した。
【0162】
[実施例1h]-溶解度
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)の溶解度を、模擬胃液pH1.6(SGF)、空腹状態の模擬腸液pH6.5(FaSSIF)及び満腹状態の模擬腸液pH6.5(FeSSIF)中で、周囲室温(20~25℃)で決定した。以下の表3を参照のこと。
【0163】
【0164】
[実施例2]
ゲポチダシン無水物
[実施例2a]-調製方法1
ゲポチダシン(52g)及び1-プロパノール(440mL)を90℃に加熱した。1-プロパノール40mLを透明溶液に添加し、組み合わされた内容物を90℃に再加熱した。透明溶液を76℃に冷却し、1時間撹拌したままにした。スラリーを0℃に冷却し、一晩撹拌したままにした。スラリーを濾過し、冷却した1-プロパノールで洗浄し、50℃でおよそ6時間真空下で乾燥して、結晶固体(47.8g)としてのゲポチダシン無水物を得た。
【0165】
[実施例2b]-調製方法2
ゲポチダシン無水物の調製を、以下の工程による規模で実施した:
n-プロパノール(12体積)をゲポチダシン(1.0当量)に添加し、混合物を95±3℃に加熱して完全な溶解を成す。塊を95±3℃で濾過し、n-プロパノール(0.1体積)でフィルターを洗浄する。濾液を採取し95±3℃に再び加熱して完全な溶解を確実にする。塊を77±2℃に冷却する。種スラリー(2.5体積n-プロパノール中に懸濁された1.0%w/w)を添加し、77±2℃で少なくとも1時間撹拌する。スラリーの塊を0±2℃にさらに冷却し、1時間撹拌する。物質を濾過し、ケーキをn-プロパノール(2体積)で洗浄する。物質を50±2℃で真空下で乾燥する。
【0166】
[実施例2c]-XRPD
ゲポチダシン無水物のX線粉末回折(XRPD)パターンが
図5に示され、回折角及びd間隔の要約が以下の表4で示される。XRPD分析を、PANalytical X'Pert Pro回折計において、Siゼロバックグラウンドウェハー上で実施した。取得条件は、Cu K
α線、発生装置電圧45kV、発生装置電流:40mA、ステップサイズ0.02°2θを含んだ。
【0167】
【0168】
ゲポチダシン無水物の別の試料のXRPDパターンが
図10(表5を参照のこと)に示される。XRPD分析を、PANalytical X'Pert Pro回折計において、Siゼロバックグラウンドウェハー上で実施した。取得条件は、Cu K
α線、発生装置電圧45kV、発生装置電流:40mA、ステップサイズ0.02°2θを含んだ。
【0169】
【0170】
[実施例2d]-ラマンスペクトル
ゲポチダシン無水物のラマンスペクトルを、Nicolet NXR9650又はThermo Electron NXR 960分光計において、Nd:YVO4レーザー(λ=1064nm)由来の励起により4cm
-1分解能で記録した。本物質のラマンスペクトルが
図6に示され、主要ピークが453、471、586、630、656、748、825、985、1099、1143、1289、1344、1391、1429、1476、1516、1572、1612、1647、1687、2927及び3051cm
-1で観察される。
【0171】
[実施例2e]-DSC
ゲポチダシン無水物のDSCを、40mL/分N
2パージ下で、オートサンプラー及び冷蔵機能付き冷却システムを備えるTA Instruments Q2000示差走査熱量計を用いて実施した。圧着したAlパンにおいて、10℃/分で試料のDSCサーモグラムを得た。ゲポチダシン無水物のDSCサーモグラムは、開始温度約196℃での単一の吸熱を呈する(
図7)。当業者は、吸熱の開始温度が実験条件に応じて変動しうることを認識するものである。
【0172】
[実施例2f]-TGA
ゲポチダシン無水物の熱重量分析(TGA)サーモグラムを、TA Instruments Q50熱重量分析装置で、25mL/分N
2流下及び加熱速度10℃/分で記録した。無水物のTGAサーモグラムは、25~200℃で約0.25%の損失を呈する(
図8)。
【0173】
[実施例2g]-単結晶構造
ゲポチダシン無水物の単結晶を、1-プロパノール溶液から種晶添加ありの徐冷により調製した。
【0174】
単結晶データを、Nova X-ray CuKα Sourceを使用してOxford Diffraction Xcalibur A Novaシステムで収集した。データ収集及び単位格子インデクシングをCrysAlisPro 1.171.37.34iスイート(Agilent Technologies、2014)で実施し、測定された強度データの処理もCrysAlisPro 1.171.37.34i(Agilent Technologies、2014)ソフトウェアパッケージを用いて実施した。構造を、SHELXT-2018/2(Sheldrick、2018)ソフトウェアパッケージを使用して直接法により解明した。導き出された原子パラメーター(座標及び温度因子)を、SHELXL-2018/3(Sheldrick、2018)でフルマトリックス最小二乗法により精密化した。ヘテロ原子における位置を除いて、自由に精密化された理想的な位置に水素を導入した。
【0175】
単結晶X線データを低温(-123℃)で測定した。単結晶を、以下の単位格子パラメーター:a=8.44022(16)Å、b=6.42442(12)Å、c=20.2774(5)Å、α=γ=90°、β=96.778(2)°、V=1091.83(4)Å3、Z'=1、
空間群P21、
薬物分子/単位格子2、
密度(計算値)1.364g/cm3、
ここでZ'は非対称単位あたりの薬物分子の数である、
を有する遊離塩基無水物構造として確認した。
【0176】
ゲポチダシン無水物は、ジクロロメタン及びトリフルオロエタノール(>100mg/mL)を除いて、一般的な溶媒及び水では低~中度の溶解度(<20mg/mL)を呈する。
【0177】
[実施例3]
ゲポチダシンメシル酸塩のカプセル製剤
メシル酸ゲポチダシン二水和物のカプセル剤(ゲポチダシン遊離塩基100mg及び500mgを含有する)を表6に従って調製し、ヒト初回投与(first time in human)(FTIH)臨床試験及び第2相臨床試験に使用した。
【0178】
【0179】
ブレンドしたメシル酸ゲポチダシン二水和物をローラー圧縮により乾式造粒し、それからサイズ4(100mg)及びサイズ00(500mg)カプセルにカプセル化した。第1相単回用量経口試験で胃腸刺激が認められたが、これは食物摂取により緩和され、曝露への影響は見られなかった。カプセル剤は全ての保存条件で24カ月間安定であった。
【0180】
[実施例4]
ゲポチダシンメシル酸塩の錠剤製剤
経口相対生物学的利用能試験(RBA試験1)を実施して、表7に提示されるゲポチダシン750mg(遊離塩基として測定)を含有するメシル酸ゲポチダシン二水和物の錠剤製剤(製剤B)を、表6に提示される参照製剤A(500mgカプセル剤)と比較した。参照カプセル製剤及び試験錠剤製剤の両方がメシル酸ゲポチダシン二水和物を利用し、ローラー圧縮造粒法を使用して製造された。メシル酸ゲポチダシン二水和物は流動性に乏しいことが判明し、合理的な流動性能を有する製剤化方法を提供するために、初めは製剤Bの組成が開発された。
【0181】
1500mgの単回用量では、製剤B(2×750mg)の生物学的利用能は、製剤A(3×500mg)の生物学的利用能と同等であることが判明した。また錠剤及び参照カプセル剤の両方でゲポチダシンの急速な吸収が認められた。
【0182】
【0183】
[実施例5]
ゲポチダシン遊離塩基の錠剤製剤
第2の経口相対生物学的利用能試験(RBA試験2)を実施して、表8に提示されるゲポチダシン錠剤750mgの2つの製剤を、表6に提示される参照製剤Aと比較した。どちらの錠剤製剤もゲポチダシン遊離塩基(ゲポチダシン無水物)を利用した。製剤Cはローラー圧縮(RC)法を使用して製造し、製剤Dは高剪断湿式造粒(HSWG)法を使用して製造した。
【0184】
【0185】
AVICEL PH101(微結晶性セルロース)、AVICEL PH105(微結晶性セルロース)又はラクトースとのゲポチダシン遊離塩基ブレンドを調製して、圧縮性を比較した。微結晶性セルロースを含有する2つのブレンドは、ラクトースを含有するブレンドよりも良好に圧縮した。
【0186】
HSWGにより調製された錠剤は、薬物充填量を増加させることにより、ピル負担(pill burden)又は錠剤のサイズを小さくすることができる。これらの錠剤は製造可能性の基準を満たした。相対生物学的利用能のデータを収集し、2つの異なる錠剤製剤(製剤C及び製剤D)を評価した。遊離塩基のRC及びHSWG錠剤を、参照メシル酸塩カプセル剤(製剤A)に対して評価した。RC錠剤のAUC及びCmax、並びにHSWG錠剤のAUCは、参照カプセル剤のそれらと同等であることが決定されたが、HSWG錠剤のCmaxは、参照カプセル剤のCmaxよりも高いことが決定された。
【0187】
ゲポチダシン無水物の溶解度は、メシル酸ゲポチダシン二水和物の溶解度よりも低いが、RBA試験2の結果からも示されるように、ゲポチダシン無水物は溶解度の観点から開発上許容可能であることが判明した。しかし、製剤開発中に、ゲポチダシン遊離塩基原薬の特定のバッチから調製された製剤Cの錠剤に崩壊の問題があり、それはこれらのバッチの合成経路に起因する可能性があることが判明した。したがって、製剤の堅牢性を改善するため、ゲポチダシンの新しい製剤をさらに研究した。
【0188】
[実施例6]
ゲポチダシンメシル酸塩の改良型錠剤製剤
上述したように、メシル酸ゲポチダシン二水和物は流動性に乏しいことが判明した。メシル酸ゲポチダシン二水和物の打錠方法の流動性能をさらに改善するために研究を実施した。例えば、顆粒内ブレンドに流動促進剤を加えると、流動性の改善に役立つことが判明した。製剤Eの錠剤(表9を参照のこと)を、
図11に示される方法により調製した。
【0189】
【0190】
顆粒外ブレンドにステアリン酸マグネシウムを追加した別の錠剤製剤(表9、製剤F)を調製した。製剤Fの打錠方法は、錠剤Eのそれと比較して、同様の流動性を有することが観察された。
【0191】
図12のデータは、製剤E(丸)及び製剤F(四角)の打錠性プロファイルを示す。データは、(a)どちらの製剤も許容可能な打錠性プロファイルを示し、(b)追加のステアリン酸マグネシウムは打錠性プロファイルに影響を与えないことを示す。ステアリン酸マグネシウムを1.5%w/wレベルまで追加しても、錠剤の崩壊及び溶解のいずれにも影響しない。例えば、
図13は、製剤E(丸)及び製剤F(四角)の錠剤の引張強度の関数としての崩壊時間の比較を示す。
【0192】
経口ゲポチダシンメシル酸塩750mg錠剤(製剤E)を評価するために、ゲポチダシンについて成人及び青年研究を実施した。1,500mgの単回用量及び3,000mgの2回用量を6又は12時間空けて投与したデータは、それぞれ進行中の急性単純性尿路感染症(ゲポチダシン1,500mg1日2回、5日間;NCT04020341及びNCT04187144)及び泌尿生殖器淋病(10~12時間空けたゲポチダシン3,000mgの2回用量;NCT04010539)の第3相試験での用量選択を確認した。
【0193】
ゲポチダシンメシル酸塩カプセル剤及び錠剤(製剤A及び製剤B)、2つのゲポチダシン遊離塩基錠剤(製剤C及び製剤D)、並びに改良型ゲポチダシンメシル酸塩錠剤(製剤E)の血漿中及び尿中の薬物動態データを収集し、分析した。ゲポチダシンの様々な錠剤製剤及びカプセル製剤の投与後、全体として、同様の全身性の血漿中及び尿中曝露が観察された。
【0194】
[実施例7]
メシル酸ゲポチダシン無水物
[実施例7a]-調製
メシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)(894mg)をイソプロピルアルコール(IPA)(5.4ml)中に懸濁させ、61℃に加熱した。生じた固体をラマンによりin-situで、XRPDにより湿ったスラリーとして分析した。
【0195】
別の調製において、スパチュラ1杯(<20mg)のメシル酸ゲポチダシン二水和物(形態1)をIPA(<1.5ml)中に懸濁させた。懸濁液をヒートガンを用いて加熱して、大部分の固体を溶解させ、次いで放置して室温に徐冷した。生じた結晶を濾過し、DSC、TGA、及びXRPDにより分析した。この形態は周囲条件下では不安定であり、ゆえに得られる分析は相純粋無水物試料についてでない可能性があることに留意されたい。
【0196】
[実施例7b]-単結晶構造
メシル酸ゲポチダシン無水物の単結晶を、2-プロパノール溶液から徐冷により調製した。
【0197】
単結晶データを、Incoatec microfocus 3.0 CuKα Sourceを使用してBruker D8 Ventureシステムで収集した。データ収集及び単位格子インデクシングをAPEX3 v2017.3-0スイート(Bruker AXS Inc.、2017)で実施し、測定された強度データの処理をSAINT V8.38A(Bruker AXS Inc.、2017)ソフトウェアパッケージを用いて実施した。構造を、SHELXT-2018/2(Sheldrick、2018)ソフトウェアパッケージを使用して直接法により解明した。導き出された原子パラメーター(座標及び温度因子)を、SHELXL-2018/3(Sheldrick、2018)でフルマトリックス最小二乗法により精密化した。ヘテロ原子における位置を除いて、自由に精密化された理想的な位置に水素を導入した。
【0198】
単結晶X線データを低温(-123℃)で測定した。単結晶を、以下の単位格子パラメーター:a=12.3921(7)Å、b=7.0262(4)Å、c=14.6536(9)Å、α=γ=90°、β=95.0077(13)°、V=1271.01(13)Å3、Z'=1、
空間群P21、
薬物分子/単位格子2、
密度(計算値)1.423g/cm3、
ここでZ'は非対称単位あたりの薬物分子の数である、
を有するメシル酸塩無水物構造として確認した。
【0199】
本発明が上文で例示される態様又は実施形態に限定されず、例示される態様又は実施形態及び以下の特許請求の範囲内の改変全てに対して、権利が留保されることが理解されるはずである。
【0200】
本明細書で引用される学術誌、特許、及び他の出版物に対する各種参照は現行技術を含み、全体が示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【国際調査報告】