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特表2024-506021新規ヘテロアリール置換イミダゾール誘導体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】新規ヘテロアリール置換イミダゾール誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/04 20060101AFI20240201BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240201BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240201BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20240201BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 31/4545 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/02 20060101ALI20240201BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
C07D401/04
A61P31/04
C07D403/14 CSP
A61K31/496
C07D401/14
C07D405/14
A61K31/4439
A61K31/4545
A61K9/20
A61K9/48
A61K9/72
A61K9/12
A61K9/02
A61K9/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547456
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2022052812
(87)【国際公開番号】W WO2022167631
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2021/075825
(32)【優先日】2021-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188374
【弁理士】
【氏名又は名称】一宮 維幸
(72)【発明者】
【氏名】ラーナー,クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ミンミン
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ヨーンチアーン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ヨーングワーン
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,ジエンホワ
(72)【発明者】
【氏名】ヤーン,ソーン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,チェンガーン
【テーマコード(参考)】
4C063
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC25
4C063CC82
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD25
4C063EE01
4C076AA01
4C076AA11
4C076AA24
4C076AA36
4C076AA53
4C076AA93
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB15
4C076BB29
4C076CC32
4C076FF01
4C076FF11
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC38
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA16
4C086MA31
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA59
4C086MA65
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZB35
(57)【要約】
本発明は、一般式(I)を有する新規ヘテロアリール置換イミダゾール誘導体、及びその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中、A及びR~Rは本明細書に記載されるとおりである。
該化合物を含む医薬組成物、該化合物を製造するプロセス、及び医薬として該化合物を使用する方法、特に、細菌感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防のための抗生物質として該化合物を使用する方法が更に提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
は、
(i)基
【化2】
(ii)基
【化3】
及び
(iii)基
【化4】
から選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロ-C~Cアルキル、及びハロ-C~Cアルコキシから選択され、
は、C~Cアルキル及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロ-C~Cアルキル、ハロ-C~Cアルコキシ、アミノ、C~Cアルキル-NH-、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
は、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、アミノ-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化5】
から選択され、
は、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、アミノ-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化6】
から選択され、
及びR11は、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
10は、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノ-C~Cアルキル-、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロ-C~Cアルキル、ハロ-C~Cアルコキシ、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
Aは、5~14員ヘテロアリールであり、
B及びCは、それぞれ独立して、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
、X、及びYは、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
m、n、p及びqは、それぞれ独立して、0又は1であり、
及びLは、それぞれ独立して、カルボニル、-C(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
但し、Aはピラゾールではない)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
が、
(i)基
【化7】
(ii)基
【化8】
及び
(iii)基
【化9】
から選択され、
が、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、及び基
【化10】
から選択され、
が、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化11】
から選択され、
及びR11が、共に水素であり、
10が、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12が、水素、ヒドロキシ、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
13、R14、R16、及びR17が、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
15が、ヒドロキシであり、
Bが、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
Cが、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
が、カルボニル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
が、カルボニル及び-C(O)-NH-から選択され、
及びXが、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
Yが、Nであり、
m及びnが、共に1であり、
p及びqが、共に0であるか、又は
p及びqが、共に1である、
請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項3】
が、基
【化12】
であり、
が、基
【化13】
であり、
12が、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14が、共に水素であり、
Bが、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
が、カルボニル又は-C~Cアルキル-C(O)-であり、
及びYが、共にNであり、
m及びnが、共に1である、
請求項2に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項4】
が、基
【化14】
であり、
が、基
【化15】
であり、
12が、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14が、共に水素であり、
Bが、ピペリジン又はピロリジンであり、
が、カルボニル又は-CH-C(O)-であり、
及びYが、共にNであり、
m及びnが、共に1である、
請求項3に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項5】
が、ハロゲン又はC~Cアルキルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項6】
がハロゲンである、請求項5に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項7】
がクロロである、請求項6に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項8】
が、C~Cアルキルである、請求項1~7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項9】
がメチルである、請求項8に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項10】
が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
が、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
が、水素又はハロゲンである、
請求項1~9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項11】
が、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
が、水素、ハロゲン及びC~Cアルコキシから選択され、
が、水素又はハロゲンである、
請求項10に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
が、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択され、
が、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、
が、水素又はフルオロである、
請求項11に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項13】
Aが6~14員ヘテロアリールである、請求項1~12のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項14】
Aが6~9員ヘテロアリールである、請求項13に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項15】
Aが、ピリジル、インドリル、インダゾリル、ピリミジニル、及び2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルから選択される、請求項11に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項16】
Aが、ピリジル、インドリル、及びインダゾリルから選択される、請求項12に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項17】
が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
が、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-であり、
が、水素、ハロゲンである、
請求項1~13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項18】
が、
(i)基
【化16】
(ii)基
【化17】
及び
(iii)基
【化18】
から選択され、
が、ハロゲン又はC~Cアルキルであり、
が、C~Cアルキルであり、
が、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
が、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
が、水素又はハロゲンであり、
が、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、及び基
【化19】
から選択され、
が、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化20】
から選択され、
及びR11が、共に水素であり、
10が、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12が、水素、ヒドロキシ、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
13、R14、R16、及びR17が、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
15が、ヒドロキシであり、
Aが、6~9員ヘテロアリールであり、
Bが、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
Cが、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
が、カルボニル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
が、カルボニル及び-C(O)-NH-から選択され、
及びXが、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
Yが、Nであり、
m及びnが、共に1であり、
p及びqが、共に0であるか、又は
p及びqが、共に1である、
請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項19】
が、基
【化21】
であり、
が、ハロゲンであり、
が、C~Cアルキルであり;
が、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
が、水素、ハロゲン及びC~Cアルコキシから選択され、
が、水素又はハロゲンであり、
が、基
【化22】
であり、
12が、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14が、共に水素であり、
Aが、6~9員ヘテロアリールであり、
Bが、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
が、カルボニル又は-C~Cアルキル-C(O)-であり、
及びYが、共にNであり、
m及びnが、共に1である、
請求項18に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項20】
が、基
【化23】
であり、
が、クロロであり、
が、メチルであり、
が、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択され、
が、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、
が、水素又はフルオロであり、
が、基
【化24】
であり、
12が、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14が、共に水素であり、
Aが、ピリジル、インドリル、及びインダゾリルから選択され、
Bが、ピペリジン又はピロリジンであり、
が、カルボニル又は-CH-C(O)-であり、
及びYが、共にNであり、
m及びnが、共に1である、
請求項19に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項21】
前記式(I)の化合物が、
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(6-フルオロ-3-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-5-イル]イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(7-メトキシ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,6-ジクロロ-3-ピリジル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,6-ジメトキシ-3-ピリジル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
5-(5-クロロ-2-メトキシ-4-ピリジル)-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-(ジメチルアミノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
5-(5-クロロ-1H-インドール-4-イル)-N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-(1-メチルインドール-4-イル)イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
5-(4-クロロ-6-メトキシ-3-ピリジル)-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-[4-[(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-(ジフルオロメチル)-6-メトキシ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-メチル-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[[3-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]アミノ]シクロブチル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]アミノ]ピペリジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
[2-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
[2-[4-[4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]-2-メチル-ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル-トリメチル-アンモニウム;
N-[3-クロロ-4-[4-(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(1,1-ジメチルピロリジン-1-イウム-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-ピロリジン-1-イウム-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
[2-[[3-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]シクロブチル]アミノ]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
[2-[[1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-4-ピペリジル]アミノ]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
2-[3-[4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]-1-ピペリジル]-3-オキソ-プロポキシ]エチル-トリメチル-アンモニウム;
[3-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]シクロブチル]メチル-トリメチル-アンモニウム;
N-[3-クロロ-4-[[1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-ピロリジン-1-イウム-2-カルボニル]-4-ピペリジル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-N-(1,1-ジメチルピロリジン-1-イウム-3-イル)ピペリジン-4-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-メチル-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
5-[2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-3-ピリジル]-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(4-ヒドロキシピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(4-ヒドロキシ-4-ピペリジル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピロリジン-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(4-ピペリジル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-[4-[3-(アミノメチル)シクロブタンカルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[4-[[1-[3-(2-アミノエトキシ)プロパノイル]-4-ピペリジル]カルバモイル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[[1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]-4-ピペリジル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;及び
1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-N-ピロリジン-3-イル-ピペリジン-4-カルボキサミド
から選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項22】
前記式(I)の化合物が、
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-5-イル]イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;及び
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
から選択される、請求項21に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項23】
治療活性物質としての使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、治療不活性担体とを含む、医薬組成物。
【請求項25】
抗生物質としての使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項26】
院内感染及びその結果生じる疾患の処置又は予防における使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項27】
グラム陰性菌によって引き起こされる感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防における使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項28】
前記グラム陰性菌が、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種、及び大腸菌(E.coli)から選択される、請求項27に記載の使用のための化合物。
【請求項29】
前記グラム陰性菌がアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)である、請求項28に記載の使用のための化合物。
【請求項30】
エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種若しくは大腸菌(E.coli)又はそれらの組み合わせによって引き起こされる感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防における使用のための、請求項1~22のいずれか一項に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項31】
本明細書において先に記載されるとおりの発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、抗菌性を示す新規なイミダゾール置換ピラゾール誘導体に関する。本発明は、細菌感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防のために、特にアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)による感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防のために、これらの化合物を使用する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
アシネトバクター・バウマニは、グラム陰性、好気性、非発酵性の細菌であり、過去数十年にわたって、処置の選択肢が極めて限られた新たな病原体として認識されている。
【0003】
A.バウマニは、米国疾病管理予防センターによって深刻な脅威と見なされており、現在、院内感染の大部分を引き起こし、抗菌剤の活性を効果的に「エスケープする」いわゆる「ESKAPE」病原体(エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)及びエンテロバクター(Enterobacter)種、及び大腸菌(E.coli))に属している。
【0004】
A.バウマニは、抗生物質を広範囲に使用することにより、公知の全ての抗菌薬に対する耐性に関しての選択が可能となり、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症等の感染症を引き起こし得る場所である集中治療室及び外科病棟において最も頻繁に発生する。
【0005】
A.バウマニは、耐性決定因子を上方制御し、獲得する並外れた能力を有しており、院内環境での生存及び拡散を可能にする環境的持続性を示し、これが、この生物をしばしば感染症の爆発的発生原因にするとともに、地域的な医療関連の病原体としている。
【0006】
全てではないとしても、利用可能な治療的選択肢のほとんどに対して抗生物質耐性が増加しているため、多剤耐性(MDR)A.バウマニ感染症、特にカルバペネム耐性A.バウマニによって引き起こされる感染症は、処置することが極めて困難又は不可能でさえあり、集中治療室での罹患率及び滞在時間が増大しているだけでなく、死亡率も高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国感染症学会(IDSA)の抗菌薬利用可能性タスクフォース(AATF)によると、アシネトバクター・バウマニは、「充足されていない医学的ニーズと現在の抗菌薬研究開発パイプラインの間に存在するミスマッチの代表的な例」であると考えられてきたし、現在でもそうである。したがって、アシネトバクター・バウマニによって引き起こされる疾患及び感染症の処置に適した化合物を同定することに対する高い需要及び必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、アシネトバクター・バウマニの薬剤感受性及び薬剤耐性株に対して活性を示す新規化合物を提供する。
【0009】
発明の概要
第1の態様では、本発明は、式(I)の新規ヘテロアリール置換イミダゾール誘導体
【化1】
又はその薬学的に許容され得る塩(式中、A及びR~Rは本明細書に記載のとおりである)を提供する。
【0010】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩を製造する方法を提供し、当該方法は、本明細書に開示されるスキーム1~4のいずれか1つに記載のとおりである。
【0011】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の方法に従って製造される場合の、本明細書に記載の式(I)の化合物を提供する。
【0012】
更なる態様では、本発明は、治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0013】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と、治療不活性担体とを含む、医薬組成物を提供する。
【0014】
更なる態様では、本発明は、抗生物質として使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の詳細な説明
定義
本発明の特定の態様、実施形態又は実施例に関連して記載される特徴、整数、特色、化合物、化学的部分又は基は、それらと両立しない場合を除き、本明細書に記載の任意の他の態様、実施形態又は実施例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスの工程の全ては、そのような特徴及び/又は工程の少なくとも一部が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。本発明は、前述のいずれの実施形態の詳細にも限定されない。本発明は、本明細書(任意の添付の特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に開示された特徴の任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せ、又はそのように開示された任意の方法若しくはプロセスの工程の任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0016】
「アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子、例えば、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子の、一価又は多価の、例えば、一価又は二価の、直鎖又は分岐の飽和炭化水素基を指す(「C~Cアルキル」)。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1~3個の炭素原子、例えば、1、2又は3個の炭素原子を含む。アルキルのいくつかの非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、2-プロピル(イソプロピル)、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、及び2,2-ジメチルプロピルが挙げられる。アルキルの特に好ましいが非限定的な例は、メチルである。
【0017】
「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して親分子部分に結合した、上で定義されたアルキル基を指す。別段の指定がない限り、アルコキシ基は、1~6個の炭素原子を含む(「C~Cアルコキシ」)。いくつかの好ましい実施形態では、アルコキシ基は、1~4個の炭素原子を含む。更に他の実施形態では、アルコキシ基は、1~3個の炭素原子を含む。アルコキシ基のいくつかの非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、及びtert-ブトキシが挙げられる。アルコキシの特に好ましいが非限定的な例は、メトキシである。
【0018】
「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、又はヨード(I)を指す。好ましくは、「ハロゲン」又は「ハロ」という用語は、フルオロ(F)、クロロ(Cl)又はブロモ(Br)を指す。「ハロゲン」又は「ハロ」の特に好ましいが非限定的な例は、フルオロ(F)及びクロロ(Cl)である。
【0019】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、3~10個の環炭素原子の、飽和又は部分不飽和の、単環式又は二環式の炭化水素基を指す(「C~C10シクロアルキル」)。いくつかの好ましい実施形態では、シクロアルキル基は、3~8個の環炭素原子、より好ましくは3~6個の環炭素原子の飽和単環式炭化水素基である。「二環式シクロアルキル」とは、共通した2個の炭素原子を有する2つの飽和炭素環からなるシクロアルキル部分、すなわち、2つの環を分離する架橋が、単結合であるか、又は1個若しくは2個の環原子の鎖であるかのいずれかであり、スピロ環部分、すなわち、2つの環が1個の共通の環原子を介して結合されているシクロアルキル部分を指す。好ましくは、シクロアルキル基は、3~6個の環炭素原子、例えば、3、4、5又は6個の炭素原子の飽和単環式炭化水素基である。シクロアルキルのいくつかの非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、及びスピロ[2.3]ヘキサン-5-イルが挙げられる。シクロアルキルの特に好ましい、但し非限定的な例には、シクロブチルが含まれる。
【0020】
「アミノアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「アミノアルキル」は、アルキル基の1、2又は3個の水素原子がアミノ基によって置き換えられているアルキル基を指す。アミノアルキルの好ましい、但し非限定的な例は、アミノメチル及び1-アミノエチルである。
【0021】
「アミノアルコキシ」という用語は、アルコキシ基の水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置き換えられているアルコキシ基を指す。好ましくは、「アミノアルコキシ」は、アルコキシ基の1、2又は3個の水素原子がアミノ基によって置き換えられているアルコキシ基を指す。アミノアルコキシの好ましいが非限定的な例は、アミノメトキシ及び1-アミノエトキシである。
【0022】
「アルコキシアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがアルコキシ基で置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「アルコキシアルキル」は、アルキル基の1、2又は3個の水素原子がアルコキシ基によって置き換えられているアルキル基を指す。アルコキシアルキルの好ましいが非限定的な例は、2-エトキシエチルである。
【0023】
「アミノアルコキシアルキル」という用語は、アルキル基の水素原子の少なくとも1つがアミノアルコキシ基で置き換えられているアルキル基を指す。好ましくは、「アミノアルコキシアルキル」は、アルキル基の1、2又は3個の水素原子がアミノアルコキシ基によって置き換えられているアルキル基を指す。アミノアルキニルの好ましい、但し非限定的な例は、2-(2-アミノエトキシ)エチルである。
【0024】
「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3~14個の環原子、好ましくは3~10個の環原子、より好ましくは3~8個の環原子の飽和又は部分的に不飽和の単環式又は二環式、好ましくは単環式環系を指し、前記環原子の1、2、又は3個はN、O及びSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。好ましくは、前記環原子の1~2個はN及びOから選択され、残りの環原子は炭素である。「二環式ヘテロシクリル」とは、共通した2個の環原子を有する2つの環からなる複素環部分、すなわち、2つの環を分離する架橋が、単結合であるか、又は1個若しくは2個の環原子の鎖であるかのいずれかであり、スピロ環部分、すなわち、2つの環が1個の共通の環原子を介して結合されている複素環部分を指す。ヘテロシクリル基のいくつかの非限定的な例には、アゼチジン-3-イル、アゼチジン-2-イル、オキセタン-3-イル、オキセタン-2-イル、2-オキソピロリジン-1-イル、2-オキソピロリジン-3-イル、5-オキソピロリジン-2-イル、5-オキソピロリジン-3-イル、2-オキソ-1-ピペリジル、2-オキソ-3-ピペリジル、2-オキソ-4-ピペリジル、6-オキソ-2-ピペリジル、6-オキソ-3-ピペリジル、1-ピペリジニル、2-ピペリジニル、3-ピペリジニル、4-ピペリジニル、モルホリノ、モルホリン-2-イル、モルホリン-3-イル、ピロリジニル(例えば、ピロリジン-3-イル)、ピペラジニル(例えば、ピペラジン-1-イル)、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イル、又は2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イルが含まれる。ヘテロシクリルの特に好ましい、但し非限定的な例には、ピペリジル、ピペラジニル、ピロリジニル及び3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-イルが含まれる。
【0025】
「ヘテロアリール」という用語は、合計5~14環員、好ましくは、5~12環員、より好ましくは5~10環員を有する、一価又は多価の、単環式又は二環式、好ましくは二環式の環系を指し、ここで、系の少なくとも1つの環は芳香族であり、系の少なくとも1つの環は1つ以上のヘテロ原子を含む。好ましくは、「ヘテロアリール」は、O、S、及びNから独立して選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含む5~10員ヘテロアリールを指す。最も好ましくは、「ヘテロアリール」は、O及びNから独立して選択される1~2個のヘテロ原子を含む6~10員ヘテロアリールを指す。ヘテロアリールのいくつかの非限定的な例としては、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、インドール-1-イル、1H-インドール-2-イル、1H-インドール-3-イル、1H-インドール-4-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インドール-7-イル、1,2-ベンゾキサゾール-3-イル、1,2-ベンゾキサゾール-4-イル、1,2-ベンゾキサゾール-5-イル、1,2-ベンゾキサゾール-6-イル、1,2-ベンゾキサゾール-7-イル、1H-インダゾール-3-イル、1H-インダゾール-4-イル、1H-インダゾール-5-イル、1H-インダゾール-6-イル、1H-インダゾール-7-イル、イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-2-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1H-イミダゾール-5-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、チアゾール-4-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、及び2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルが挙げられる。好ましくは、「ヘテロアリール」は、ピリジル、インドリル、インダゾリル、ピリミジニル又は2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルを指す。最も好ましくは、「ヘテロアリール」は、ピリジル、インドリル、及びインダゾリルを指す。
【0026】
「ヒドロキシ」という用語は、-OH基を指す。
【0027】
「アミノ」という用語は、-NH基を指す。
【0028】
「シアノ」という用語は、-CN(ニトリル)基を指す。
【0029】
「カルボニル」という用語は、酸素原子(C=O)と共有された4つの共有結合のうちの2つを有する炭素ラジカルを指す。
【0030】
「ハロアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「ハロアルキル」とは、アルキル基の1、2又は3個の水素原子が、ハロゲン原子、最も好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルキル基を指す。ハロアルキルの特に好ましい、但し非限定的な例は、トリフルオロメチル、トリフルオロエチル、2-フルオロエチル、及び2,2-ジフルオロエチル、特にトリフルオロメチルである。
【0031】
「ハロアルコキシ」という用語は、アルコキシ基の少なくとも1個の水素原子が、ハロゲン原子、好ましくはフルオロによって置き換えられている、アルコキシ基を指す。好ましくは、「ハロアルコキシ」は、アルコキシ基の1、2又は3個の水素原子がハロゲン原子、最も好ましくはフルオロで置き換えられているアルコキシ基を指す。ハロアルコキシの特に好ましいが非限定的な例は、ジフルオロメトキシ及びトリフルオロメトキシである。
【0032】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、アルキル基の少なくとも1個の水素原子が、ヒドロキシ基によって置き換えられている、アルキル基を指す。好ましくは、「ヒドロキシアルキル」は、アルキル基の1、2又は3個の水素原子、最も好ましくは1個の水素原子がヒドロキシ基によって置き換えられているアルキル基を指す。ヒドロキシアルキルの好ましい、但し非限定的な例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(例えば2-ヒドロキシエチル)、及び3-ヒドロキシ-3-メチル-ブチルである。
【0033】
「薬学的に許容され得る塩」という用語は、生物学的に又は別様に望ましくないものではない、遊離塩基又は遊離酸の生物学的有効性及び特性を保持する塩を指す。塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、特に塩酸、及びギ酸、酢酸、2,2,2-トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、乳酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステイン等の有機酸と共に形成される。更に、これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に添加することにより調製され得る。無機塩基から誘導される塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等を含むが、これらに限定されない。有機塩基に由来する塩には、第一級、第二級、及び第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリイミン樹脂等の塩が含まれるがこれらに限定されない。式(I)の化合物の特定の薬学的に許容され得る塩は、ギ酸塩及び2,2,2-トリフルオロ酢酸塩である。
【0034】
式(I)の化合物は、数個の不斉中心を含むことができ、光学的に純粋なエナンチオマー、例えばラセミ体等のエナンチオマーの混合物、光学的に純粋なジアステレオ異性体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性のラセミ体又はジアステレオ異性のラセミ体の混合物として存在することができる。
【0035】
Cahn-Ingold-Prelog則により、不斉炭素原子は、「R」又は「S」配置のものであり得る。
【0036】
「処置」という用語は、本明細書で使用される場合、以下を含む:(1)症状、障害又は状況を抑制すること(例えば、維持処置の場合、その少なくとも1つの臨床的症状又は無症状の疾患の発症又はその再発の停止、低減又は遅延させること);及び/又は(2)状況を緩和すること(すなわち、症状、障害若しくは状況、又はその臨床的症状若しくは無症状のうちの少なくとも1つの退行を引き起こすこと)。処置される患者に対する利益は、統計的に有意であるか、又は少なくとも患者若しくは医師にとって認識可能であるかのいずれかである。しかしながら、疾患を処置するために患者に医薬が投与される場合、転帰は必ずしも有効な処置でなくともよいことが理解されるであろう。
【0037】
「予防」という用語は、本明細書で使用される場合、哺乳動物において、特に、状態、障害若しくは状況に罹患しているか又は罹患しやすいが、その状態、障害若しくは状況の臨床的症状又は無症状をまだ経験していないか又は示していないヒトにおいて発症する状態、障害又は状況の臨床的症状の出現を防止又は遅延させることを含む。
【0038】
「哺乳動物」という用語には、本明細書で使用される場合、ヒト及び非ヒトの両方が含まれ、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ネズミ、ウシ、ウマ、及びブタが含まれるが、これらに限定されない。特に好ましい実施形態では、「哺乳動物」という用語は、ヒトを指す。
【0039】
「院内感染(nosocomial infection)」という用語は、病院又はその他の医療施設で獲得される感染である院内感染(HAI)を指す。病院及び病院以外の両方の状況を強調するために、代わりに医療関連感染(HAI又はHCAI)と呼ばれることもある。このような感染は、病院、介護施設、リハビリ施設、外来診療所又はその他の臨床環境で獲得され得る。
【0040】
本発明の化合物
第1の態様では、本発明は、式(I)
【化2】
(式中、
は、
(i)基
【化3】
(ii)基
【化4】
及び
(iii)基
【化5】
から選択され、
は、水素、ハロゲン、シアノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルキル、及びハロC~Cアルコキシから選択され、
は、C~Cアルキル及びハロC~Cアルキルから選択され、
、R、及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ、アミノ、C~Cアルキル-NH-、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
は、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノC~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、アミノC~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~CアルコキシC~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化6】
から選択され、
は、ヒドロキシ-C~Cアルキル、アミノ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、アミノ-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化7】
から選択され、
及びR11は、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
10は、水素、C~Cアルキル、ヒドロキシC~Cアルキル、アミノC~Cアルキル-、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル、及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アミノ、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロC~Cアルキル、ハロC~Cアルコキシ、ヒドロキシC~Cアルキル、アミノC~Cアルキル、C~Cアルキル-NH-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル、及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキルから選択され、
Aは、5~14員ヘテロアリールであり、
B及びCは、それぞれ独立して、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
、X、及びYは、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
m、n、p及びqは、それぞれ独立して、0又は1であり、
及びLは、それぞれ独立して、カルボニル、-C(O)-C~Cアルキル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
但し、Aはピラゾールではない)
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0041】
一実施形態では、本発明は、Rが基
【化8】
であり、R、L、X、Y、m及びnが本明細書に記載のとおりである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0042】
一実施形態では、本発明は、Rが基
【化9】
であり、R、R、L、X、p及びqが本明細書に記載のとおりである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0043】
一実施形態では、本発明は、Rが基
【化10】
であり、R10及びR11が本明細書に記載のとおりである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0044】
一実施形態では、本発明は、
は、
(i)基
【化11】
(ii)基
【化12】
及び
(iii)基
【化13】
から選択され、
は、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、及び基
【化14】
から選択され、
は、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化15】
から選択され、
及びR11は、共に水素であり、
10は、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12は、水素、ヒドロキシ、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
13、R14、R16、及びR17は、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
15は、ヒドロキシであり、
Bは、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
Cは、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
は、カルボニル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
は、カルボニル及び-C(O)-NH-から選択され、
及びXが、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
Yは、Nであり、
m及びnは、共に1であり、
p及びqは、共に0であるか、又は
p及びqは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0045】
好ましい実施形態では、本発明は、
は、基
【化16】
であり、
は、基
【化17】
であり、
12は、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14は、共に水素であり、
Bは、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
は、カルボニル又は-C~Cアルキル-C(O)-であり、
及びYは、共にNであり、
m及びnは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0046】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
は、基
【化18】
であり、
は、基
【化19】
であり、
12は、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14は、共に水素であり、
Bは、ピペリジン又はピロリジンであり、
は、カルボニル又は-CH-C(O)-であり、
及びYは、共にNであり、
m及びnは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0047】
一実施形態では、本発明は、Rが、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、及び基
【化20】
から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中、R12、R13、及びR14は本明細書で定義されるとおりである。
【0048】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが、アミノ又は基
【化21】
[式中、R12、R13、X14及びDは本明細書に定義されるとおりである]である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0049】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル及び基
【化22】
から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、式中、R15、R16、及びR17は本明細書で定義されるとおりである。
【0050】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0051】
好ましい実施形態では、本発明は、R10が、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0052】
好ましい実施形態では、本発明は、R11が水素である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0053】
一実施形態では、本発明は、R12が、水素、ヒドロキシ、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0054】
好ましい実施形態では、本発明は、R12が、水素又はヒドロキシである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0055】
一実施形態では、本発明は、R13が水素及びC~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0056】
好ましい実施形態では、本発明は、R13が水素である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0057】
一実施形態では、本発明は、R14が水素及びC~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0058】
好ましい実施形態では、本発明は、R14が水素である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0059】
好ましい実施形態では、本発明は、R15がヒドロキシである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0060】
好ましい実施形態では、本発明は、R16が水素及びC~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0061】
好ましい実施形態では、本発明は、R17が水素及びC~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0062】
好ましい実施形態において、本発明は、m及びnが共に1である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0063】
好ましい実施形態において、本発明は、p及びqが共に0であるか、又はp及びqが共に1である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0064】
一実施形態では、本発明は、XがN及びCHから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0065】
好ましい実施形態では、本発明は、XがNである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0066】
好ましい実施形態では、本発明は、XがN及びCHから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0067】
好ましい実施形態では、本発明は、YがNである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0068】
一実施形態では、本発明は、Bが、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0069】
好ましい実施形態において、本発明は、Bが14員ヘテロシクロアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0070】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Bがピペリジン又はピロリジンである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0071】
好ましい実施形態において、本発明は、Cが3~14員ヘテロシクロアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0072】
一実施形態では、本発明は、Lが、カルボニル、-C~Cアルキル-C(O)-、NH-C(O)-、及び-C(O)-NHから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0073】
好ましい実施形態では、本発明は、Lがカルボニル又は-C~Cアルキル-C(O)-である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0074】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Lがカルボニル又は-CH-C(O)-である、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0075】
好ましい実施形態では、本発明は、Lが、カルボニル、及び-C(O)-NH-から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0076】
一実施形態では、本発明は、Rが、ハロゲン又はC~Cアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0077】
好ましい実施形態では、本発明は、Rがハロゲンである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0078】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rがクロロである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0079】
一実施形態では、本発明は、Rが、ハロゲン又はC~Cアルキルであり、RがC~Cアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0080】
好ましい実施形態では、本発明は、Rハロゲンであり、Rは、C~Cアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0081】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rがクロロであり、Rがメチルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0082】
好ましい実施形態では、本発明は、Rがハロ-C~Cアルキルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0083】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rはメチルである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0084】
一実施形態では、本発明は、
は、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
は、水素又はハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0085】
好ましい実施形態では、本発明は、
は、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、ハロゲン及びC~Cアルコキシから選択され、
は、水素又はハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0086】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
は、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択され、
は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、
は、水素又はフルオロである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0087】
一実施形態では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0088】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0089】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0090】
一実施形態では、本発明は、Rが水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0091】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素、ハロゲン、及びC~Cアルコキシから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0092】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素、フルオロ、及びメトキシから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0093】
好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素又はハロゲンである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0094】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Rが水素又はフルオロである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0095】
一実施形態では、本発明は、Aが6~14員ヘテロアリールである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0096】
好ましい実施形態において、本発明は、Aが6~9員ヘテロアリールである、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0097】
別の好ましい実施形態では、本発明は、Aがピリジル、インドリル、インダゾリル、ピリミジニル及び2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0098】
特に好ましい実施形態では、本発明は、Aがピリジル、インドリル、及びインダゾリルから選択される、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0099】
一実施形態では、本発明は、
Aは、6~9員ヘテロアリールであり、
は、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
は、水素又はハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0100】
好ましい実施形態では、本発明は、
Aは、Bが、6~9員ヘテロアリールであり、
は、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、ハロゲン及びC~Cアルコキシから選択され、
は、水素又はハロゲンである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0101】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
Aは、ピリジル、インドリル、及びインダゾリルから選択され、
は、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択され、
は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、
は、水素又はフルオロである、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0102】
一実施形態では、本発明は、
は、
(i)基
【化23】
(ii)基
【化24】
及び
(iii)基
【化25】
から選択され、
は、ハロゲン又はC~Cアルキルであり、
は、C~Cアルキルであり、
は、水素、ハロゲン、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、C~Cアルキル-NH-、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、C~Cアルキル、C~Cアルコキシ、ハロゲン、及び(C~Cアルキル)N-から選択され、
は、水素又はハロゲンであり、
は、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、及び基
【化26】
から選択され、
は、(C~Cアルキル)N-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-、(C~Cアルキル)-C~Cアルコキシ-C~Cアルキル、及び基
【化27】
から選択され、
及びR11は、共に水素であり、
10は、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
12は、水素、ヒドロキシ、アミノ-C~Cアルキル及び(C~Cアルキル)-C~Cアルキル-から選択され、
13、R14、R16、及びR17は、それぞれ独立して、水素及びC~Cアルキルから選択され、
15は、ヒドロキシであり、
Aは、Bが、6~9員ヘテロアリールであり、
Bは、3~14員ヘテロシクロアルキル及びC~C10シクロアルキルから選択され、
Cは、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
は、カルボニル、-C~Cアルキル-C(O)-、-NH-C(O)-、及び-C(O)-NH-から選択され、
は、カルボニル及び-C(O)-NH-から選択され、
及びXは、それぞれ独立して、N及びCHから選択され、
Yは、Nであり、
m及びnは、共に1であり、
p及びqは、共に0であるか、又は
p及びqは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0103】
好ましい実施形態では、本発明は、
は、基
【化28】
であり、
は、ハロゲンであり、
は、C~Cアルキルであり、
は、ハロゲン、(C~Cアルキル)N-、及びハロ-C~Cアルキルから選択され、
は、水素、ハロゲン及びC~Cアルコキシから選択され、
は、水素又はハロゲンであり、
は、基
【化29】
であり、
12は、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14は、共に水素であり、
Aは、Bが、6~9員ヘテロアリールであり、
Bは、3~14員ヘテロシクロアルキルであり、
は、カルボニル又は-C~Cアルキル-C(O)-であり、
及びYは、共にNであり、
m及びnは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0104】
特に好ましい実施形態では、本発明は、
は、基
【化30】
であり、
は、クロロであり、
は、メチルであり、
は、フルオロ、(メチル)N-、及びCFから選択され、
は、水素、フルオロ及びメトキシから選択され、
は、水素又はフルオロであり、
は、基
【化31】
であり、
12は、水素又はヒドロキシであり、
13及びR14は、共に水素であり、
Aは、ピリジル、インドリル、及びインダゾリルから選択され、
Bは、ピペリジン又はピロリジンであり、
は、カルボニル又は-CH-C(O)-であり、
及びYは、共にNであり、
m及びnは、共に1である、
本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0105】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の当該化合物は、以下から選択される:
実施例A1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A2
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(6-フルオロ-3-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A3
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-5-イル]イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A4
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(7-メトキシ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A5
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,6-ジクロロ-3-ピリジル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A6
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A7
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,6-ジメトキシ-3-ピリジル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A8
5-(5-クロロ-2-メトキシ-4-ピリジル)-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A9
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-(ジメチルアミノ)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A10
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-5-イル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A11
5-(5-クロロ-1H-インドール-4-イル)-N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A12
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A13
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-(1-メチルインドール-4-イル)イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A14
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A15
5-(4-クロロ-6-メトキシ-3-ピリジル)-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A16
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A17
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A18
N-[4-[4-[(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-6-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A19
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2-(ジフルオロメチル)-6-メトキシ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A20
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシン-6-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例B1
N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例C1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例C2
N-[4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-メチル-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例C3
N-[3-クロロ-4-[[3-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]アミノ]シクロブチル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例C4
N-[3-クロロ-4-[4-[[2-(ジメチルアミノ)アセチル]アミノ]ピペリジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D1
[2-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
実施例D2
[2-[4-[4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]-2-メチル-ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
実施例D3
6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル-トリメチル-アンモニウム;
実施例D4
N-[3-クロロ-4-[4-(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D5
N-[3-クロロ-4-[4-(1,1-ジメチルピロリジン-1-イウム-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D6
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-ピロリジン-1-イウム-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D7
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(1,1-ジメチルピペリジン-1-イウム-4-イル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D8
[2-[[3-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]シクロブチル]アミノ]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
実施例D9
[2-[[1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-4-ピペリジル]アミノ]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;
実施例D10
2-[3-[4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]-1-ピペリジル]-3-オキソ-プロポキシ]エチル-トリメチル-アンモニウム;
実施例D11
[3-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]シクロブチル]メチル-トリメチル-アンモニウム;
実施例D12
N-[3-クロロ-4-[[1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシ-1,1-ジメチル-ピロリジン-1-イウム-2-カルボニル]-4-ピペリジル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例D13
1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-N-(1,1-ジメチルピロリジン-1-イウム-3-イル)ピペリジン-4-カルボキサミド;
実施例E1
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例E2
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例E3
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-フルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例E4
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2-メチル-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例E5
5-[2-クロロ-6-(ジメチルアミノ)-3-ピリジル]-N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F1
N-[3-クロロ-4-[4-(4-ヒドロキシピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F2
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F3
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(4-ヒドロキシ-4-ピペリジル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F4
N-[3-クロロ-4-[4-(ピロリジン-3-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F5
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F6
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(4-ピペリジル)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F7
N-[4-[4-[3-(アミノメチル)シクロブタンカルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F8
N-[4-[[1-[3-(2-アミノエトキシ)プロパノイル]-4-ピペリジル]カルバモイル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例F9
N-[3-クロロ-4-[[1-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]-4-ピペリジル]カルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;及び
実施例F10
1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]-N-ピロリジン-3-イル-ピペリジン-4-カルボキサミド。
【0106】
好ましい実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供し、式(I)の当該化合物は、以下から選択される:
実施例A1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A3
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-1-メチル-5-[3-(トリフルオロメチル)-1H-インダゾール-5-イル]イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A14
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例A17
N-[3-クロロ-4-[4-[(2S,4R)-4-ヒドロキシピロリジン-2-カルボニル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-メトキシ-2-(トリフルオロメチル)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;
実施例E2
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;及び
実施例F2
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド。
【0107】
一実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物の薬学的に許容され得る塩、特に塩酸塩、フマル酸塩、乳酸塩(特にL-(+)-乳酸から誘導される)、酒石酸塩(特にL-(+)-酒石酸から誘導される)及びトリフルオロ酢酸塩から選択される薬学的に許容され得る塩を提供する。より更に具体的な実施形態では、本発明は、本明細書に記載の式(I)に係る化合物を提供する(すなわち、それぞれ「遊離塩基」又は「遊離酸」として)。
【0108】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、異なる原子質量又は質量数を有する原子によって置き換えられる1個以上の原子をその中に有することにより同位体標識される。このような同位体標識された(すなわち、放射性標識された)式(I)の化合物は、本開示の範囲内であると考えられる。式(I)の化合物に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素、及びヨウ素の同位体、それぞれ、例えばH、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、31P、32P、35S、18F、36Cl、123I、及び125Iが挙げられるが、これらに限定されない。特定の同位体標識された式(I)の化合物、例えば、放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物及び/又は基質の組織分布研究に有用である。放射性同位体トリチウム、すなわち、H及び炭素-14、すなわち、14Cは、それらの組込みの容易さ及び即時検出手段を考慮すると、この目的に対して特に有用である。例えば、式(I)の化合物は、所与の同位体の1、2、5、10、25、50、75、90、95、又は99%で濃縮することができる。
【0109】
より重い同位体、例えば重水素、すなわちH等による置換を行うと代謝安定性がより高くなり、例えば、インビボ半減期が長くなるか又は必要な投与量が少なくなることにより、特定の治療的利点が得られ得る。
【0110】
11C、18F、15O、及び13N等の陽電子放出同位体での置換は、基質の受容体占有を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用であり得る。同位体標識された式(I)の化合物は、一般的に、当業者に公知の従来の技法により、又は前に用いられた同位体標識されていない試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用して、以下に記述される実施例に記載されるものに類似する方法により調製され得る。
【0111】
製造方法
本発明の式(I)の化合物の調製は、逐次的又は収束的な合成経路で行うことができる。本発明の化合物の合成は、以下のスキームで示される。得られた生成物の反応及び精製を行うために必要な技能は、当業者に知られている。以下のプロセスの説明で使用される置換基及び指数は、反対の指示がない限り、本明細書で前に示される意味を有する。より詳細には、式(I)の化合物は、以下に示す方法、実施例に示す方法、又は類似の方法によって製造することができる。個々の反応工程のための適切な反応条件は、当業者に知られている。また、記載された反応に影響を及ぼす文献に記載の反応条件については、例えば、以下を参照されたい:Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations,3rd Edition,Richard C.Larock.John Wiley&Sons,New York,NY.2018)。本発明者らは、溶媒の存在下又は不存在下で反応を実施することが便利であることを見出した。用いた溶媒の性質に関しては、それが反応又は関与する試薬に悪影響を及ぼさず、かつそれが試薬を少なくともある程度溶解することができるならば、特に制限はない。記載された反応は広範囲の温度にわたって起こる可能性があり、正確な反応温度は本発明にとって重要ではない。-78℃~還流温度までの温度範囲で記載された反応を行うのが便利である。反応に要する時間もまた、多くの要因、特に反応温度及び試薬の性質に依存して、大きく変動し得る。しかしながら、0.5時間から数日の期間が、記載の中間体及び化合物を得るために通常十分であろう。反応順序はスキームに示された順序に限定されないが、出発材料及びそれらのそれぞれの反応性に応じて、反応工程の順序を自由に変更することができる。出発物質は、市販されているか、又は以下に示す方法に類似する方法、本明細書に引用された参考文献若しくは実施例に記載されている方法、又は当技術分野で公知の方法によって調製することができる。
【0112】
中間体Aは、スキーム1に従って調製され得る。ニトロ安息香酸Aの酸基をPG基で保護すると、化合物Bが得られる。ニトロ基を還元し、塩化鉄/塩化アンモニウムを用いてアミン化合物Cを得る。C及び5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボン酸と、DMSO中のHATU/DIPEA等の縮合剤とのカップリングにより、中間体Aが得られる。
【化32】
スキーム1において、PGは、アルキル基、例えばMe、Et又はiso-ブチル等の適切な保護基を表し、R及びRは本明細書で定義されるとおりである。
【0113】
中間体Dは、スキーム2に従って調製され得る。中間体Aの脱保護の後、生成物Dは、DMSOのような溶媒中、HATU/DIPEA等の縮合剤の存在下でアミンとカップリングして、中間体Bを得ることができる。中間体Bの脱保護により中間体Cが得られ、これをDMSOのような溶媒中、HATU/DIPEA等の縮合剤の存在下でカルボン酸と更に、カップリングさせて中間体Dを得ることができる。
【化33】
スキーム2において、PGは、アルキル基、例えばMe、Et又はiso-ブチル等の適切な保護基を表し、R及びRは本明細書で定義されるとおりである。更に、
1Aは、
(i)基
【化34】
(ii)基
【化35】
及び
(iii)基
【化36】
から選択され、
1Bは、
(i)基
【化37】
(ii)基
【化38】
及び
(iii)基
【化39】
から選択され、
1Cは、
(i)基
【化40】
(ii)基
【化41】
及び
(iii)基
【化42】
から選択され、
式中、X、X、Y、m、n、p、q、L、L、及びR~R11は、本明細書において定義したとおりである。
【0114】
実施例A~実施例Eは、スキーム3に従って調製することができる。中間体Dとブロン酸又はエステル(中間体E又はF)とのSuzukiカップリングは、パラジウム触媒及びホスフィン配位子を使用して達成されて、中間体J又はMを得ることができる。中間体J又はMの更なる脱保護により、実施例A~実施例Eが得られる。いくつかの場合、実施例A~Eを更に、アルキル化して、第四級アンモニウム塩類似体を得る。
【化43】
スキーム3において、PGは、アルキル基、例えばMe、Et又はiso-ブチル等の適切な保護基を表し、R~R及びAは本明細書で定義されるとおりである。更に、
1Cは、
(i)基
【化44】
(ii)基
【化45】
及び
(iii)基
【化46】
から選択され、
式中、X、X、Y、m、n、p、q、L、L、及びR~R11は、本明細書において定義したとおりである。
【0115】
実施例A~実施例Eは、スキーム4に従って調製することもできる。中間体Aとブロン酸又はエステル(中間体E又はF)とのSuzukiカップリングは、パラジウム触媒及びホスフィン配位子を使用して達成されて、中間体Oを得ることができる。中間体Oを脱保護して中間体Hを得た後、DMSO中のHATU/DIPEA等の縮合剤の存在下でアミンとカップリングさせると、中間体Gが得られる。中間体Gの脱保護により、中間体I、K又はLが得られる(場合によっては、この工程は既に実施例A~実施例Eを与えることができる。)。中間体I、K又はLを、DMSO中のHATU/DIPEA等の縮合剤を使用して酸と更に、カップリングさせて、中間体J又はMを得ることができる。中間体J又はMの最終脱保護により、実施例A~実施例Eが得られる。いくつかの場合、実施例A~Eを更に、アルキル化して、第四級アンモニウム塩類似体を得る。
【化47】
スキーム4において、PGは、アルキル基、例えばMe、Et又はiso-ブチル等の適切な保護基を表し、R~R及びAは本明細書で定義されるとおりである。更に、
1Aは、
(i)基
【化48】
(ii)基
【化49】
及び
(iii)基
【化50】
から選択され、
1Bは、
(i)基
【化51】
(ii)基
【化52】
及び
(iii)基
【化53】
から選択され、
1Cは、
(i)基
【化54】
(ii)基
【化55】
及び
(iii)基
【化56】
から選択され、
式中、X、X、Y、m、n、p、q、L、L、及びR~R11は、本明細書において定義したとおりである。
【0116】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を製造する方法を提供し、当該方法は、本明細書に開示されるスキーム1~4のいずれか1つに記載のとおりである。
【0117】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のプロセスに従って製造された場合の、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0118】
本発明の化合物の使用
実験セクションに示すように、式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、病原体により、特に細菌により、更に詳細にはアシネトバクター種により、最も詳細にはアシネトバクター・バウマニにより引き起こされた、感染症及びその結果生じる疾患、特に、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症、及び創傷感染の処置又は予防のために貴重な薬理的特性を保有する。
【0119】
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容され得る塩は、抗生物質として、特にアシネトバクター種に対する抗生物質として、より具体的にはアシネトバクター・バウマニに対する抗生物質として、最も具体的にはアシネトバクター・バウマニに対する病原体特異的抗生物質として活性を示す。
【0120】
式(I)の化合物及びそれらの薬学的に許容され得る塩は、抗生物質として、すなわち、細菌感染症の処置及び予防、特にアシネトバクター種によって引き起こされる細菌感染症の処置及び予防において、より具体的にはアシネトバクター・バウマニによって引き起こされる細菌感染症の処置及び予防において適切な抗菌薬学的成分として使用することができる。
【0121】
本発明の化合物は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種によって、最も具体的にはアシネトバクター・バウマニによって引き起こされる感染症及びその結果生じる疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症の処置又は予防のために、単独で又は他の薬物と組み合わせて使用することができる。
【0122】
一態様では、本発明は、治療活性物質としての使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0123】
更なる態様では、本発明は、抗生物質として使用するための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0124】
更なる態様では、本発明は、抗生物質としての、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0125】
更なる態様では、本発明は、院内感染及び結果として生じる疾患を処置又は予防する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む。
【0126】
特定の実施形態では、当該院内感染及びその結果生じる疾患は、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症、又はこれらの組み合わせから選択される。
【0127】
更なる態様では、本発明は、グラム陰性菌によって引き起こされる感染症及び結果として生じる疾患を処置又は予防する方法を提供し、この方法は、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む。
【0128】
一実施形態では、当該グラム陰性菌は、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種、及び大腸菌(E.coli)から選択される。
【0129】
特定の実施形態では、当該グラム陰性菌はアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)である。
【0130】
一実施形態では、当該グラム陰性菌によって引き起こされる当該感染症及びその結果生じる疾患は、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症又はこれらの組み合わせから選択される。
【0131】
更なる態様では、本発明は、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種若しくは大腸菌(E.coli)又はこれらの組み合わせによって引き起こされる感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防のための方法であって、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む、方法を提供する。
【0132】
特定の実施形態では、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種若しくは大腸菌(E.coli)、又はこれらの組み合わせによって引き起こされる当該感染症及びその結果生じる疾患は、細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症又はこれらの組み合わせから選択される。
【0133】
更なる態様では、本発明は、細菌感染症及び結果として生じる疾患を処置又は予防する方法を提供し、この方法は、上で定義した式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を哺乳動物に投与することを含む。
【0134】
一実施形態では、当該細菌感染症及び結果として生じる疾患は、菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症から選択される。
【0135】
一実施形態では、前記細菌感染及び結果として生じる疾患は、アシネトバクター(Acinetobacter)種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)によって引き起こされる。
【0136】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の方法における、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0137】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の方法における使用のための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0138】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載の方法に有用な医薬品を調製するための、本明細書に記載の式(I)の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。
【0139】
医薬組成物及び投与
一態様では、本発明は、上記で定義された式(I)の化合物又はその薬学的に許容され得る塩と1つ又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。例示的な医薬組成物は、実施例1~4に記載されている。
【0140】
更なる態様では、本発明は、病原体によって、特に細菌によって引き起こされる、より具体的にはアシネトバクター種、最も具体的にはアシネトバクター・バウマニによって引き起こされる感染症及びその結果生じる疾患、特に細菌血症、肺炎、髄膜炎、尿路感染症及び創傷感染症の処置又は予防のための、上記で定義される式(I)の化合物、又はそれらの薬学的に許容され得る塩と1又は複数の薬学的に許容され得る賦形剤とを含む医薬組成物に関する。
【0141】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、(例えば、医薬製剤の形態で)医薬として使用することができる。医薬製剤は、経口(例えば、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、硬質ゼラチンカプセル剤及び軟質ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁液の形態)、経鼻(例えば、点鼻スプレー剤の形態)、又は直腸(例えば、坐剤の形態)等で、体内に投与することができる。しかしながら、投与は、筋肉内又は静脈内(例えば、注射溶液又は注入溶液の形態)等で親的(parentally)に行うこともできる。
【0142】
式(I)の化合物及びその薬学的に許容され得る塩は、錠剤、コーティング錠、糖衣錠、及び硬質ゼラチンカプセルの製造のための薬学的に不活性な無機又は有機賦形剤で処理することができる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等は、例えば、錠剤、糖衣錠、及び硬質ゼラチンカプセルの賦形剤として使用することができる。
軟質ゼラチンカプセルのための適切な賦形剤は、例として、植物油、ワックス、油脂、半固形物及び液体ポリオール等である。
【0143】
溶液及びシロップの製造のための適切な賦形剤は、例として、水、ポリオール、サッカロース、転化糖、グルコース等である。
【0144】
注射溶液のための適切な賦形剤は、例としては、水、アルコール、ポリオール、グリセロール、植物油等である。
【0145】
坐薬のための適切な賦形剤は、例として、天然又は硬化した油、ワックス、油脂、半固体又は液体ポリオール等である。
【0146】
更に、医薬製剤は、防腐剤、可溶化剤、粘度増加物質、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、着香剤、浸透圧を変化させるための塩、緩衝剤、マスキング剤、又は酸化防止剤を含むことができる。薬学的調製物は、更に、他の治療上価値のある物質も含有し得る。
【0147】
投与量は広範に変化させることができ、当然、各特定の症例における個々の要件に適合される。一般に、経口投与の場合、約0.1mg~20mg/kg体重、好ましくは約0.5mg~4mg/kg体重(例えば、約300mg/人)の毎日の投与量を、好ましくは1~3の個々の投与量に分けて、例えば同じ量で構成し得るのが適切であろう。しかしながら、示されている場合には、本明細書で与えられる上限を超えることができることは明らかである。
【0148】
式(I)の化合物及び他の薬剤の同時投与
式(I)の化合物若しくはその塩又は本明細書に開示される化合物若しくはその薬学的に許容され得る塩は、処置のために、単独で又は他の薬剤との組み合わせで用いることができる。例えば、組み合わせ医薬製剤又は投与レジメンの2つ目の薬剤は、互いに悪影響を及ぼさないように、式(I)の化合物に対して相補的活性を有し得る。化合物は、単一の医薬組成物で一緒に、又は別々に投与することができる。一実施形態では、化合物又は薬学的に許容され得る塩は、抗生物質と、特に、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種若しくは大腸菌(E.coli)、又はこれらの組み合わせによって引き起こされた感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防のための抗生物質と、同時投与することができる。
【0149】
「同時投与」という用語は、式(I)の化合物若しくはその塩又は本明細書に開示される化合物若しくはその薬学的に許容され得る塩、及び抗生物質を含む更なる活性医薬成分の同時投与、又は任意の様式の別個の逐次投与を指す。同時投与でない場合、化合物は互いに時間的に近接して投与される。更に、化合物が同じ剤形で投与されるかどうかは問題ではなく、例えば、1つの化合物が静脈内投与されてもよく、別の化合物が経口投与されてもよい。
【0150】
典型的には、抗菌活性を有する任意の薬剤を同時投与することができる。このような薬剤の特定の実施例は、例えば国際公開第2017072062号A1、国際公開第2019185572号A1及び国際公開第2019206853号1において例示されている、カルバペネム(メロペネム)、フルオロキノロン(シプロフロキサシン)、アミノグリコシド(アミカシン)、テトラサイクリン(チゲサイクリン)、コリスチン、スルバクタム、スルバクタム+デュルロバクタム、セフィデロコル(フェトロージャ)、マクロ環状ペプチド、及びマクロライド(エリスロマイシン)である。
【0151】
一態様では、本発明は、追加の治療剤を更に含む、本明細書に記載の医薬組成物を提供する。
【0152】
一態様では、本発明は、本明細書に記載の式(I)の化合物と追加の治療薬とを含む薬学的組み合わせを提供する。
【0153】
一実施形態では、当該追加の治療剤は抗生物質製剤である。
【0154】
一実施形態では、当該追加の治療剤は、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、シュードモナス・エルジノーサ(Pseudomonas aeruginosa)、エンテロバクター(Enterobacter)種若しくは大腸菌(E.coli)、又はこれらの組み合わせによって引き起こされた感染症及びその結果生じる疾患の処置又は予防に有用な抗生物質製剤である。
【0155】
一実施形態では、当該追加の治療剤は、国際公開第2017072062号A1、国際公開第2019185572号A1及び国際公開第2019206853号A1に例示されている、カルバペネム(メロペネム)、フルオロキノロン(シプロフロキサシン)、アミノグリコシド(アミカシン)、テトラサイクリン(チゲサイクリン)、コリスチン、スルバクタム、スルバクタム+デュルロバクタム、セフィデロコル(フェトロージャ)、マクロ環状ペプチド、及びマクロライド(エリスロマイシン)から選択される抗生物質製剤である。
【実施例
【0156】
本発明は、以下の実施例を参照することによってより十分に理解される。しかしながら、特許請求の範囲は、本実施例の範囲に限定されるものと解釈されるべきではない。
【0157】
調製例がエナンチオマーの混合物として得られる場合、純粋なエナンチオマーは、本明細書に記載の方法によって、又は当業者に公知の方法、例えばキラルクロマトグラフィー(例えば、キラルSFC)若しくは結晶化等によって、分離することができる。
【0158】
特に記載のない場合、全ての反応例及び中間体は、アルゴン雰囲気下で調製した。
【0159】
本明細書では以下の略語が使用される:
ACN又はMeCN アセトニトリル
BINAP 2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフタレン
CFU コロニー形成単位
d 日
DCM ジクロロメタン
DIPEA N,N-ジイソプロピルエチルアミン
EtOAc又はEA 酢酸エチル
FA ギ酸
h(s)又はhr(s)時間
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
HPLC-UV:紫外線検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー
IC50 最大半量阻害濃度
IC90 90%阻害濃度
NaBH3CN シアノ水素化ホウ素ナトリウム
PE 石油エーテル
PdCl2(DPPF)[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)
Pd2(dba)3 トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
PG 保護基
Precat プレ触媒
分取HPLC 分取高速液体クロマトグラフィー
rt 室温
sat 飽和
SEM 2-メトキシエチル(トリメチル)シラン
FA ギ酸
TEMPO(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-イル)オキシル
TFA トリフルオロ酢酸
wt 重量
X-PHOS 2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル
【0160】
中間体A1
tert-ブチル4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾエート
工程1:tert-ブチル2-クロロ-4-ニトロ-ベンゾエート
2-クロロ-4-ニトロ-安息香酸(15.0g、74.42mmol)、N,N-ジメチルピリジン-4-アミン(2.73g、22.33mmol)及びN,N-ジエチルエタンアミン(31.12mL、223.26mmol)を含むTHF(80mL)の混合物に、THF(20mL)中のtert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(24.36g、111.63mmol)の溶液を-10℃で添加した。得られた混合物を25℃に加温し、更に14時間撹拌した。混合物を濃縮した。残渣をEA(50mL)及びHO(50mL)で処理した。混合物をEAで抽出した。合わせた有機層を濃縮した。次いで、粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-クロロ-4-ニトロ-安息香酸tert-ブチル(18.8g)を無色固体として得た。
【0161】
工程2:tert-ブチル4-アミノ-2-クロロ-ベンゾエート
エタノール(200mL)及び水(200mL)中のtert-ブチル2-クロロ-4-ニトロ-ベンゾエート(18.8g、72.96mmol)及び塩化アンモニウム(19.51g、364.81mmol)の混合物に、鉄(20.37g、364.81mmol)を添加した。混合物を25℃で14時間撹拌した。混合物をセライトでフィルタにかけた。濾液を濃縮してエタノールを除去した。混合物をEAで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、濃縮して、tert-ブチル4-アミノ-2-クロロ-ベンゾエート(16.31g)を淡黄色固体として得た。MS [M+H]:228.1.
【0162】
工程3:tert-ブチル4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾエート
5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボン酸塩酸塩(7.0g、28.99mmol)、tert-ブチル4-アミノ-2-クロロ-ベンゾエート(6.0g、26.35mmol)、HATU(13.23g、34.79mmol)及びDIPEA(16.16mL、92.77mmol)を含むDMF(15mL)の混合物を25℃で3時間撹拌した。混合物に水(10mL)を加え、EAで抽出した。合わせた有機層を濃縮した。粗製物をFCCにより精製して、tert-ブチル4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾエート(8g、19.29mmol)を白色固体として得た。MS [M+H]:414.0.
【0163】
以下の中間体を中間体A1と同様に調製した。
【表1】
【0164】
中間体B1
tert-ブチル4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボキシレート
工程1:4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-安息香酸
250mL丸底フラスコ内で、DCM(30ml)及びTFA(12ml)中のtert-ブチル4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾエート(6.5g、15.67mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、透明な溶液を真空中で濃縮して、4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-安息香酸(5.5g)を淡黄色固体として得た。MS [M+H]:357.9.
【0165】
工程2:tert-ブチル4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ内で、DMF(30mL)中の4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-安息香酸(4.17g、11.64mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(4.34g、23.3mmol)、HATU(6.64g、17.5mmol)及びDIPEA(4.51g、34.9mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。次いで混合物を水に注いだ。白色固体を回収し、真空中で乾燥させることにより、tert-ブチル4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボキシレート(5.9g)を黄色固体として得た。MS [M+H]:526.1.
【0166】
以下の中間体を中間体B1と同様に調製した。
【表2】
【0167】
中間体C1
5-ブロモ-N-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
DCM(20ml)及びTFA(15ml)中のtert-ブチル4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボキシレート(5.9g、11.2mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、溶液を濃縮し、NH.HOで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、5-ブロモ-N-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(4.6g)を黄色固体として得た。MS [M+H]:426.0.
【0168】
中間体D1
tert-ブチル(3S)-3-[2-[4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]ピロリジン-1-カルボキシレート
DMF(15ml)中の5-ブロモ-N-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル)フェニル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(3g、7.03mmol)、2-[(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]酢酸(2.42g、10.55mmol)、HATU(4.01g、10.55mmol)及びDIPEA(2.73g、21.1mmol)の混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を水に注いだ。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert-ブチル(3S)-3-[2-[4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(3.5g)を得た。MS [M+H]:636.9.
【0169】
以下の中間体を中間体D1と同様に調製した。
【表3】
【0170】
中間体E1
tert-ブチル5-フルオロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート
室温で、DCM(10ml)中の5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(240mg、919μmol)、tert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(301mg、1.38mmol)、DMAP(112mg、919μmol)及びEtN(279mg、2.76mmol)の混合物を16時間撹拌した。次いで、混合物を1N HCl、NaHCO水溶液及びNaCl水溶液で洗浄した。次いで、有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、tert-ブチル5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート(300mg)を得た。
【0171】
以下の中間体を中間体E1と同様に調製した。
【表4】
【0172】
中間体E4
tert-ブチル7-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート
工程1:tert-ブチル4-ブロモ-7-メトキシインドール-1-カルボキシレート
室温で、DCM(10ml)中の4-ブロモ-7-メトキシ-1H-インドール(1g、4.42mmol)、tert-ブトキシカルボニルtert-ブチルカーボネート(1.16g、5.31mmol)、DMAP(54mg、442μmol)及びEtN(895mg、1.23ml、8.85mmol)の混合物を16時間撹拌した。次いで、混合物を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して粗生成物を得た。残渣をフラッシュカラムにより精製して、tert-ブチル4-ブロモ-7-メトキシ-インドール-1-カルボキシレート(1.2g)を黄色油状物として得た。MS [M+H]:325.4.
【0173】
工程2:tert-ブチル7-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート
保護下で、1,4-ジオキサン(20ml)中の4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(405mg、1.59mmol)、tert-ブチル4-ブロモ-7-メトキシ-インドール-1-カルボキシレート(400mg、1.23mmol)、酢酸カリウム(361mg、3.68mmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体の混合物
(100mg、123μmol)を70℃で4時間撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、PEを添加した。黒色混合物をフィルタにかけた。濾液を真空中で濃縮して、粗tert-ブチル7-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレートを得た。MS [M+H]:374.0.
【0174】
中間体E5
tert-ブチル5-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート
工程1:tert-ブチル5-アミノ-4-ブロモ-インドール-1-カルボキシレート
アセトニトリル(30mL)中のtert-ブチル5-アミノ-1H-インドール-1-カルボキシレート(2g、8.61mmol)の溶液に、NBS(1.53g、8.61mmol)を添加し、反応物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル5-アミノ-4-ブロモ-1H-インドール-1-カルボキシレート(2.2g)を得た。MS [M+H]:311.0.
【0175】
工程2:tert-ブチル4-ブロモ-5-クロロ-インドール-1-カルボキシレート
MeCN(10mL)の亜硝酸tert-ブチル(298mg、2.89mmol)及び塩化銅(II)二水和物(493mg、2.89mmol)の溶液に、MeCN(5mL)中のtert-ブチル5-アミノ-4-ブロモ-1H-インドール-1-カルボキシレート(600mg、1.93mmol)の溶液を0Cで添加した。反応物をゆっくり80Cに加温し、2時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、フィルタにかけた。濾液を減圧中で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-ブロモ-5-クロロ-1H-インドール-1-カルボキシレート(368mg、1.11mmol)を得た。MS [M+H]:330.0
【0176】
工程3:tert-ブチル5-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート
ジオキサン(10mL)中のtert-ブチル4-ブロモ-5-クロロ-1H-インドール-1-カルボキシレート(300mg、907μmol)の溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(253mg、998μmol)、酢酸カリウム(178mg、1.81mmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(74.1mg、90.7μmol)を添加し、反応物をアルゴン雰囲気下にて80Cで12時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、フィルタにかけた。濾液を真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル5-クロロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール-1-カルボキシレート(232mg)を得た。MS [M+H]:378.2.
【0177】
中間体E6
1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール
工程1:4-ブロモ-1-メチル-インドール
DMF(15mL)中の4-ブロモ-1H-インドール(1g、5.1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(408mg、10.2mmol)を分割して0Cで添加し、反応物を30分間撹拌し、次いで、ヨウ化メチル(1.45g、638μl、10.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応物を塩化アンモニア水でクエンチし、EtOACで抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、4-ブロモ-1-メチル-インドール(1g)を得た。MS [M+H]:210.0.
【0178】
工程2:1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール
ジオキサン(10mL)中の4-ブロモ-1-メチル-1H-インドール(1000mg、4.76mmol)の溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(1.33g、5.24mmol)、酢酸カリウム(934mg、9.52mmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(389mg、476μmol)を添加し、反応物をアルゴン雰囲気下にて80Cで12時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、フィルタにかけた。濾液を真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、1-メチル-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インドール(1g)を得た。MS [M+H]:258.2.
【0179】
中間体F1
2,3,6トリフルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン
25mLマイクロ波管に、1,4-ジオキサン(15mL)中の4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(667mg、2.63mmol)、3-クロロ-2,5,6-トリフルオロピリジン(400mg、2.39mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(219mg、239μmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(228mg、478μmol)及び酢酸カリウム(703mg、7.16mmol)を加えた。バイアルに蓋をし、N保護下、100℃で3時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣を更に、精製することなく次の工程に直接使用した。
【0180】
中間体F2
N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン
工程1:5-クロロ-N,N-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン
25mLマイクロ波バイアルに、MeOH(10mL)中3,6-ジクロロ-2-(トリフルオロメチル)ピリジン(500mg、2.31mmol)及びジメチルアミン(メタノール中)(4.63mL、9.26mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、マイクロ波中100℃で3時間加熱した。粗反応混合物を真空で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。5-クロロ-N,N-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(369mg)を得た。MS [M+H]:225.0.
【0181】
工程2:N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン
5mLマイクロ波バイアルに、DMSO(5mL)中の4,4,5,5-テトラメチル-2-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1,3,2-ジオキサボロラン(452mg、1.78mmol)、5-クロロ-N,N-ジメチル-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(200mg、890μmol)、クロロ[(ジ(1-アダマンチル)-N-ブチルホスフィン)-2-(2-アミノビフェニル)]パラジウム(II)(59.5mg、89μmol)及び酢酸カリウム(262mg、2.67mmol)を添加した。バイアルに蓋をし、N下、110℃で3時間加熱した。反応混合物を50mLのHOに注ぎ、EtOAcで抽出した(3×25mL)。有機層を合わせ、飽和NaCl(1×50mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗材料をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-6-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-アミン(89mg、282μmol、収率31.6%)を得た。MS [M+H]:316.6.
【0182】
中間体F3
N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
工程1:N,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
MeOH(5mL)中の2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1g、5.48mmol)の溶液に、ジメチルアミン(メタノール中)(13.7mL、27.4mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をブラインで洗浄し、DCMで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、N,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(0.96g)を得た。MS [M+H]:192.1.
【0183】
工程2:5-ブロモ-N,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
AcOH(10mL)中のN,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(1g、5.23mmol)の溶液に、酢酸カリウム(1.54g、15.7mmol)及び臭素(836mg、270μL、5.23mmol)を添加し、反応物を80Cで20時間攪拌した。反応混合物を室温に冷却し、ブラインで洗浄し、EtOAcで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、5-ブロモ-N,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(1.03g)を得た。MS [M+H]:270.0.
【0184】
工程3:N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
ジオキサン(10mL)中の5-ブロモ-N,N-ジメチル-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(600mg、2.22mmol)の溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(621mg、2.44mmol)、酢酸カリウム(436mg、4.44mmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(181mg、222μmol)を添加し、反応物をアルゴン雰囲気下にて80Cで12時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、フィルタにかけた。濾液を真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、N,N-ジメチル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(430mg)を得た。MS [M+H]:318.2.
【0185】
中間体F4
2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン
工程1:2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン
無水MeOH(3mL)中の2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.5g、8.22mmol)の溶液にナトリウムメトキシド(3.29mL、16.4mmol)を添加し、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物をブラインで洗浄し、DCMで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.4g)を得た。MS [M+H]:179.0.
【0186】
工程2:5-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン
AcOH(40mL)中の2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.5g、8.42mmol)の溶液に、酢酸カリウム(2.48g、25.3mmol)及び臭素(1.35g、434μL、8.42mmol)を添加し、反応物を80Cで2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、ブラインで洗浄し、EtOAc中で抽出した。有機層を無水NaSO上で乾燥させ、真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(1g)を得た。MS [M+H]:257.0.
【0187】
工程3:2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン
ジオキサン(10mL)中の5-ブロモ-2-メトキシ-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(300mg、1.17mmol)の溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2ジオキサボロラン)(326mg、1.28mmol)、酢酸カリウム(229mg、2.33mmol)及び1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン錯体(95.3mg、117μmol)を添加し、反応物をアルゴン雰囲気下にて80Cで12時間撹拌した。反応混合物を、室温に冷却し、フィルタにかけた。濾液を真空で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-4-(トリフルオロメチル)ピリミジン(256mg)を得た。MS [M+H]:305.1.
【0188】
中間体F5
4-クロロ-2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン
DMSO(10mL)中の5-ブロモ-4-クロロ-2-メトキシピリジン(1100mg、5.0mmol)の溶液に、ビス(ピナコラト)ジボロン(1270mg、5.0mmol)、Pd(dppf)Cl(413mg、0.5mmol)及び酢酸カリウム(980mg、10mmol)を添加し、次いで、得られた混合物を窒素で5分間脱気し、次いで、80℃で4.0時間撹拌した。
【0189】
室温に冷却した後、混合物を水(100mL)に注ぎ、水溶液をEtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層を合わせ、水及びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して赤色油状物を得、これをフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4-クロロ-2-メトキシ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジンを灰白色固体として得た(400mg)。MS [M+H]:270.2
【0190】
以下の中間体を中間体F5と同様に調製した。
【表5】
中間体O1
tert-ブチル2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート
【0191】
工程1:tert-ブチル2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート
保護下で、25mLマイクロ波管内のtert-ブチル4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾエート(2.4g、5.79mmol)、2,3,6-トリフルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(1.5g、5.79mmol)、NaCO(1.84g、17.37mmol)及び1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(377.41mg、0.579mmol)の混合物を100℃で2時間加熱した。次いで混合物をフィルタにかけ、濃縮した。残渣をフラッシュカラムにより精製して、tert-ブチル2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート(2.1g)を黄色固体として得た。MS [M+H]:467.2.
【0192】
工程2:tert-ブチル2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート
tert-ブチル2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート(2.1g、4.5mmol)を室温でMeOH(40mL)に溶解した。次いで、メタノール中の2Mジメチルアミン(20.02g、44.98mmol)を添加した。黄色溶液を室温で1時間撹拌した。次いで、混合物をフィルタにかけ、真空中で乾燥させて、tert-ブチル2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート(1.3g)を黄色固体として得た。MS [M+H]:492.4.
【0193】
以下の中間体を中間体O1と同様に調製した。
【表6】
【0194】
中間体H1
2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸
【化57】
tert-ブチル2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾエート(1.3g、2.64mmol)をジクロロメタン(20mL)及びTFA(10mL)に室温で溶解した。次いで、溶液を1時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮して、2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸(1g)を黄色固体として得た。MS [M+H]:436.2.
【0195】
中間体I1
N-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボキシレート(600mg、0.993mmol)をジクロロメタン(9mL)及びTFA(5mL)に室温で溶解した。次いで、溶液を1時間撹拌した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、残渣をDCMに溶解した。溶液をNH.HOで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、N-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(450mg)を得た。MS [M+H]:504.1.
【0196】
以下の中間体を中間体I1と同様に調製した。
【表7】
【0197】
中間体J1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
DMF(5mL)中のN-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(400mg、0.794mmol)、2-(ジメチルアミノ)酢酸(122.78mg、1.19mmol)、HATU(603.63mg、1.59mmol)及びDIPEA(307.77mg、2.38mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次いで混合物を水に注いだ。水層をDCMで抽出した。有機層を濃縮して、粗生成物N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミドを得た。MS [M+H]:589.3.
【0198】
以下の中間体を中間体J1と同様に調製した。
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【0199】
中間体K1
N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
工程1:tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメート
DMF(6mL)中の2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸(400mg、0.918mmol)、tert-ブチルN-(6-アミノヘキシル)カルバメート(297.82mg、1.38mmol)、HATU(697.98mg、1.84mmol)及びDIPEA(355.88mg、2.75mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次いで混合物を水に注いだ。水層をDCMで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメートを得た。MS [M+H]:634.2.
【0200】
工程2:N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメート(500mg、0.788mmol)をジクロロメタン(10mL)及びTFA(5mL)に室温で溶解した。次いで、溶液を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、水を添加した。混合物をDIPEAで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミドを得た。MS [M+H]:534.3.
【0201】
中間体L1
N-[3-クロロ-4-(4-ピペリジルカルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
工程1:tert-ブチル4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート
2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸(中間体H1、240mg、0.551mmol)、1-メチルイミダゾール(158.24mg、153.63uL、1.93mmol)、4-アミノピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチルエステル(132.35mg、0.661mmol)をアセトニトリル(6mL)に溶解し、クロロ-n,n,n’,n’-テトラメチルホルムアミジニウムヘキサフルオロホスフェート(185.42mg、0.661mmol)を一度に添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を真空で除去した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、粗生成物tert-ブチル4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレートを得た。MS [M+H]:618.4.
【0202】
工程2:N-[3-クロロ-4-(4-ピペリジルカルバモイル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチル4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ピペリジン-1-カルボキシレート(320mg、0.518mmol)をジクロロメタン(4mL)及び1mLのTFA中、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して粗生成物を得て、これを精製せずに次の工程で使用した。MS [M+H]:518.1.
【0203】
以下の中間体を中間体L1と同様に調製した。
【表9】
【0204】
中間体L4
1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペリジン-4-カルボン酸
工程1:メチル1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペリジン-4-カルボキシレート
N,N-ジメチルホルムアミド(3mL)中の2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸(300mg、0.688mmol)の溶液に、イソニペコト酸メチル(98.56mg、92.98uL、0.688mmol)、o-(7-アザ-1h-ベンゾトリアゾール-1-イル)-n,n,n’,n’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(392.61mg、1.03mmol)及びTEA(139.32mg、1.376mmol)を添加し、反応物を室温で30分間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、フィルタにかけた。濾過ケークを真空中で乾燥させて、メチル1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペリジン-4-カルボキシレート(320mg)を得た。MS [M+H]:561.2
【0205】
工程2:1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペリジン-4-カルボン酸
メタノール(5mL)及び水(1mL)の混合溶媒中の1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]イソニペコチン酸メチルエステル(250mg、0.446mmol)の溶液に、反応物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸で酸性化した。混合物を水の中に注ぎ、フィルタにかけた。濾過ケークを真空中で乾燥させて、1-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペリジン-4-カルボン酸(230mg)を得た。MS [M+H]:547.2
【0206】
中間体M1
N-[4-[[1-[3-(2-アミノエトキシ)プロパノイル]-4-ピペリジル]カルバモイル]-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド
tert-ブチルN-[2-[3-[4-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]-1-ピペリジル]-3-オキソプロポキシ]エチル]カルバメート(200mg/)を4MHCl/1,4-ジオキサン(5mL)溶液に溶解し、室温で2時間撹拌した。溶媒を真空中で除去して粗生成物を得、これを分取HPLCにより精製した。MS [M+H]:633.2.
【0207】
以下の中間体を中間体M1と同様に調製した。
【表10-1】
【表10-2】
【0208】
実施例A1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
【化58】
工程1:tert-ブチル4-[2-[[4-[4-[2-[(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]カルバモイル]-3-メチル-イミダゾール-4-イル]-5-フルオロ-インドール-1-カルボキシレート
1,4-ジオキサン(10mL)及び水(1mL)中のtert-ブチル(3S)-3-[2-[4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]ピロリジン-1-カルボキシレート(400mg、627μmol)、tert-ブチル5-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)インドール-1-カルボキシレート(272mg、752μmol)、NaCO(199mg、1.88mmol)及び1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(40.86mg、0.063mmol)の混合物を、N保護下、25mLマイクロ波管内で110℃で50分間加熱した。次いで、混合物をフィルタにかけて、濾液を濃縮した。残留物をDCMに溶解した。有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-[2-[[4-[4-[2-[(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]カルバモイル]-3-メチル-イミダゾール-4-イル]-5-フルオロ-インドール-1-カルボキシレートを得た。
【0209】
工程2:N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
DCM(10mL)及びTFA(6mL)中のtert-ブチル4-[2-[[4-[4-[2-[(3S)-1-tert-ブトキシカルボニルピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]-3-クロロ-フェニル]カルバモイル]-3-メチル-イミダゾール-4-イル]-5-フルオロ-インドール-1-カルボキシレート(400mg、0.505mmol)の溶液を室温で30分間撹拌した。次いで、溶液を濃縮し、NH.HOで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して粗生成物を得た。残渣を分取HPLCにより精製して、N-[3-クロロ-4-[4-[2-[(3S)-ピロリジン-3-イル]アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-(5-フルオロ-1H-インドール-4-イル)-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸(31mg)を得た。MS [M+H]:592.3.
【0210】
以下の中間体を実施例A1と同様に調製した。
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【表11-4】
【表11-5】
【0211】
実施例B1
N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
【化59】
工程1:tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメート
DMF(6mL)中の2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]安息香酸(400mg、0.918mmol)、tert-ブチルN-(6-アミノヘキシル)カルバメート(297.82mg、1.38mmol)、HATU(697.98mg、1.84mmol)及びDIPEA(355.88mg、2.75mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次いで混合物を水に注いだ。水層をDCMで抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して、粗生成物tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメートを得た。MS [M+H]:634.2.
【0212】
工程2:N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
tert-ブチルN-[6-[[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]アミノ]ヘキシル]カルバメート(500mg、0.788mmol)をジクロロメタン(10mL)及びTFA(5mL)に室温で溶解した。次いで、溶液を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、水を添加した。混合物をDIPEAで塩基性化した。水層をDCMで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、無水NaSOで乾燥させ、真空中で濃縮して粗生成物を得た。残渣を分取HPLCにより精製し、N-[4-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-3-クロロ-フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸を得た。MS [M+H]:534.3.
【0213】
実施例C1
N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
【化60】
DMF(5mL)中のN-[3-クロロ-4-(ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(400mg、0.794mmol)、2-(ジメチルアミノ)酢酸(122.78mg、1.19mmol)、HATU(603.63mg、1.59mmol)及びDIPEA(307.77mg、2.38mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。次いで混合物を水に注いだ。水層をDCMで抽出した。有機層を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、N-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸を得た。MS [M+H]:589.3.
【0214】
以下の中間体を実施例C1と同様に調製した。
【表12】
【0215】
実施例D1
[2-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;ギ酸塩
【化61】
室温で、アセトニトリル(5mL)中のN-[3-クロロ-4-[4-[2-(ジメチルアミノ)アセチル]ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド(200mg、0.340mmol)、ヨードメタン(481.94mg、3.4mM)及びDIPEA(438.82mg、3.4mmol)の混合物を3時間撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、残渣を分取HPLCにより精製して、[2-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-イル]-2-オキソ-エチル]-トリメチル-アンモニウム;ギ酸を得た。MS [M+H]:603.3.
【0216】
以下の中間体を実施例D1と同様に調製した。
【表13-1】
【表13-2】
【表13-3】
【0217】
実施例E1
N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸塩
【化62】
工程1:tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6-トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート
25mLマイクロ波バイアルに、ジオキサン(10mL)/水(1mL)中のtert-ブチル4-[4-[4-[(5-ブロモ-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル)アミノ]-2-クロロ-ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(500mg、784μmol)、2,3,6-トリフルオロ-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(223mg、861μmol)、NaCO(249mg、2.35mmol)及び1,1’-ビス(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンパラジウムジクロリド(46.7mg、78.4μmol)を添加した。バイアルに蓋をし、マイクロ波中、N下、100℃で2時間加熱した。粗反応混合物を真空で濃縮した。粗物質をフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]
ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(275mg)を得た。MS [M-boc]:590.2.
【0218】
工程2:tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート
100mL丸底フラスコ内で、tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[1-メチル-5-(2,5,6-トリフルオロ-3-ピリジル)イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(91mg、132μmol)をMeOH(5mL)と合わせて、淡褐色の溶液を得た。メタンアミン(659μl、1.32mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空中で濃縮した。反応物を次の工程に直接使用して、tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(92.5mg)を得た。MS [M+H]:701.6.
【0219】
工程3:N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸塩
100mL丸底フラスコ内で、tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]ピペリジン-1-カルボキシレート(92.45mg、132μmol)をTHF(4mL)と合わせて、淡褐色の溶液を得た。HCl(水中)(1.1ml、13.2mmol)を添加した。反応物を室温で30分間撹拌した。粗反応混合物を真空で濃縮した。粗物質を分取HPLCにより精製して、N-[3-クロロ-4-[4-(ピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[2,5-ジフルオロ-6-(メチルアミノ)-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸塩(19mg)を得た。MS [M+H]:601.3.
【0220】
以下の中間体を実施例E1と同様に調製した。
【表14】
【0221】
実施例F1
N-[3-クロロ-4-[4-(4-ヒドロキシピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸
【化63】
100mL丸底フラスコ内で、tert-ブチル4-[4-[2-クロロ-4-[[5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボニル]アミノ]ベンゾイル]ピペラジン-1-カルボニル]-4-ヒドロキシ-ピペリジン-1-カルボキシレート(110mg、150μmol)をTHF(3mL)と合わせて、淡褐色の溶液を得た。HCl(水中)(1.25ml、15mmol)を添加した。反応物を室温で1時間撹拌した。粗反応混合物を真空で濃縮した。粗物質を分取HPLCにより精製して、N-[3-クロロ-4-[4-(4-ヒドロキシピペリジン-4-カルボニル)ピペラジン-1-カルボニル]フェニル]-5-[6-(ジメチルアミノ)-2,5-ジフルオロ-3-ピリジル]-1-メチル-イミダゾール-2-カルボキサミド;ギ酸(25mg)を得た。MS [M+H]:631.1.
【0222】
以下の中間体を実施例F1と同様に調製した。
【表15-1】
【表15-2】
【表15-3】
【0223】
アッセイ手順
抗菌剤感受性試験:
90%増殖阻害濃度(IC90)の決定
化合物のin vitro抗菌活性を以下の手順に従って決定した:
アッセイは、10ポイントのIso-Sensitestブロス培地を使用して、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)ATCC17961に対する化合物のin vitro活性を定量的に測定した。
【0224】
DMSO中のストック化合物を384ウェルマイクロタイタープレート中で段階的に2倍希釈し(例えば、最終濃度50~0.097μMの範囲)、Iso-Sensitest培地中の細菌懸濁液49μlを接種して、50ul/ウェルの最終容量/ウェルで、約5X10(5)CFU/mlの最終細胞濃度にした。マイクロタイタープレートを35±2℃でインキュベートした。
【0225】
細菌細胞の増殖は、16時間にわたって20分ごとに、λ=600nmでの光学密度の測定によって決定した。増殖阻害を細菌細胞の対数増殖中に計算し、増殖を50%(IC50)及び90%(IC90)阻害する濃度を決定した。
【0226】
表1は、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)ATCC17961株に対して得られた本発明の化合物1リットル当たりのマイクロモルでの90%増殖阻害濃度(IC90)を提供する。
【0227】
本発明の具体的な化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)ATCC17961)≦25μmol/lを呈する。
【0228】
本発明の更に具体的な化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)ATCC17961)≦5μmol/lを呈する。
【0229】
本発明の最も具体的な化合物は、IC90(アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)ATCC17961)≦1μmol/lを呈する。
【表16】
【0230】
実施例1
式(I)の化合物は、以下の組成の錠剤を製造するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用することができる。
錠剤あたり
有効成分 200mg
微結晶セルロース 155mg
コーンスターチ 25mg
タルク 25mg
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 20mg
425mg
【0231】
実施例2
式(I)の化合物は、以下の組成のカプセル剤を製造するために、有効成分として、それ自体公知の様式で使用することができる。
カプセル剤あたり
有効成分 100.0mg
コーンスターチ 20.0mg
ラクトース 95.0mg
タルク 4.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
220.0mg
【0232】
実施例3
式(I)の化合物は、以下の組成の輸液の製造のための有効成分としてそれ自体公知の方法で使用することができる。
有効成分 100mg
乳酸90% 100mg
pH4.0に調整するためにNaOH適量又はHCl適量
浸透圧を290mOsm/kgに調整するために塩化ナトリウム適量又はグルコース適量
注射用水(WFI)100mlに調整
【0233】
実施例4
式(I)の化合物は、以下の組成の輸液の製造のための有効成分としてそれ自体公知の方法で使用することができる。
有効成分 100mg
ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン 10g
pH7.4に調整するためにNaOH適量又はHCl適量
浸透圧を290mOsm/kgに調整するために塩化ナトリウム適量又はグルコース適量
注射用水(WFI)100mlになるように
【国際調査報告】