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特表2024-506060使いやすく磁気保持機能を備えた安全な電気ソケットとプラグシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】使いやすく磁気保持機能を備えた安全な電気ソケットとプラグシステム
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/629 20060101AFI20240201BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20240201BHJP
   H01R 13/44 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
H01R13/629
H01R13/639 A
H01R13/44 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547910
(86)(22)【出願日】2021-12-28
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 IT2021050431
(87)【国際公開番号】W WO2022168130
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021000002765
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521157661
【氏名又は名称】ウニヴェルシタ・デッリ・ストゥーディ・ディ・フィレンツェ
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITA’ DEGLI STUDI DI FIRENZE
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】ティッツァ, ミケーレ マルコ
(72)【発明者】
【氏名】リナルディ, アレッサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】レアッティ, アルベルト
【テーマコード(参考)】
5E021
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA03
5E021FA08
5E021FA14
5E021FB21
5E021FC36
5E021HA01
5E021HC12
5E021HC27
5E021HC28
5E087EE09
5E087FF03
5E087FF07
5E087LL23
5E087RR17
(57)【要約】
ソケット(20,120)/プラグ(10,110)を備えたシステム(1,100)は、プラグ(10,110)が挿入されていないとき、ソケット(10,120)の電気的な相接点(32,132)と中性接点(33,133)へのアクセスを防止し、相と相、中性と中性の接続を確実にするように設計されている。ソケット(20,120)の内部には接点ホルダ(30)があり、プラグ(10,110)が挿入されると、プラグ(10,110)上の対応する電気相(13,113)及び中性相(14,114)接点と接続するために、電気相(32,132)及び中性相(33,133)接点を横方向に移動させるために、構造後部分(24,124)に設けられた傾斜ガイド(25)と相互作用する。プラグ(10)は、ソケット(20)の前部分(23)にある対応する空洞(21)に挿入される円筒体(11)から構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソケット(20、120)/プラグ(10、110)を備えるシステム(1、100)であって、プラグ(10、110)がソケット(20、120)に挿入されていないとき、ソケット(20、120)の電気的な相接点(32、132)及び電気的な中性接点(33、133)へのアクセスを防止するように設計され、相間及び中性点間の接続を確実にするように設計されたシステム(1、100)において;
前記ソケット(20,120)の内部には接点ホルダ要素(30)があり、前記プラグ(10,110)の挿入に伴い、前記接点ホルダ要素(30)は前記ソケット(20,120)の構造後部分(24,124)にある傾斜ガイド(25)と相互作用し、電気的な相接点(32,132)および電気的な中性接点(33、133)の横移動を引き起こし、前記プラグ(10、110)上に存在し、対応する電気的な相接点(13,113)と電気的な中性接点(14,114)との好適な接続を形成する、
前記プラグ(10)は、
円筒体(11)であって、ソケット(20)の前部分(23)に設けられた対応する空洞(21)に挿入され、内部に空洞(12)を有する円筒体(11)と、
第一相接点(13)であって、前記円筒体(11)の外面に配置される第一相接点と、
第二中性接点(14)であって、前記空洞(12)の内面に配置された第二中性接点(14)と、
第三アース接点(15)であって、前記空洞(12)の内側に軸方向に配置された第三アース接点(15)と、を備える、ソケット(20、120)/プラグ(10、110)システム(1、100)。
【請求項2】
前記ソケット(20)は、
前記前部分(23)と;
前記構造後部(24)と;
前記接点ホルダ要素(30)であって、前記前部分(23)と前記構造後部分(24)との間に挿入される接点ホルダ要素(30)とを備える、請求項1に記載のソケット(20、120)/プラグ(10、110)システム(1、100)。
【請求項3】
前記前部分(23)が、
前部分(23a)であって、前記ソケット(20)の前記空洞(21)を規定し、前記プラグ(10)の前記空洞(12)に嵌合する突起(22)を備える前部分と、
後部分(23b)であって、前記前部分(23a)から分離され、前記プラグ(10)が前記ソケット(20)に挿入されると、前記前部分(23)の前記後部分(23b)が、前記接点担持要素(30)と共に後退し、前記ソケット(20)の前記電気接点(32,33)を露出させ、前記後退が弾性手段(31)の変形を引き起こす後部分と、を備える、請求項2に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項4】
前記前部分(23)の側面には、縁部(23c)に沿って配置された第1の開口部(23d)のペアが形成されており、この開口部を通して第1のペアの相電気接点(32)が現れる、請求項3に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項5】
前記前部分(23)の側面には、第2の開口部(23e)のペアが形成されており、この開口部(23e)に、前記接点ホルダ(30)の一部を形成する可撓性ロッド(35a)の頂部に位置する歯(35)がスナップ挿入される、請求項3に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項6】
前記接点ホルダ要素(30)はベース(36)を備え、その上の第1(37)と第2(38)の支持部のペアは横方向にスライドし、それぞれ前記相接点(32)と前記中性接点(33)のために、前記相接点(32)を前記ソケット(20)の軸に近接させ、前記中性接点(33)を前記ソケット(20)の軸から離隔させ、その結果、前記相接点(32)と前記中性接点(33)は対応するプラグ(10)のそれぞれの相接点(13)および中性接点(14)に接続し、前記スライドは前記支持部(37)上に存在するガイド(37a)と傾斜ガイド(25)の第1のシステムとの相互作用、及び前記支持部(38)上に存在するガイド(38a)と傾斜ガイド(25)の第2のシステムとの相互作用に起因し、前記傾斜ガイドは前記ソケットの構造後部分(24)に存在し、前記ソケット(20)へプラグ(10)を挿入することにより、前記ソケット(20)の前部分(23)の底部(23b)が引っ込んだ時、それに伴って、前記接点ホルダ要素(30)は弾性要素(31)の動作を終了させる、請求項1から5のいずれかに記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項7】
可撓性ロッド(35a)が前記ベース(36)に接続され、その端部には前記歯(35)が形成されており、前記歯(35)はソケット(20)の前部分(23)の側面に設けられた前記開口部(23e)に容易に入り込むことができ、しかし、適度な応力で外れて弱いロックをもたらし、クローズホジションのソケット(20)のメンテナンス性の向上に好適であり、前記弾性要素(31)と協働して、しかし、プラグ(10)を差し込んだ際に、それらが開放されることは避けられている、請求項6に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項8】
前記プラグ(10)の内部と前記ソケット(20)に磁気的手段(16、26、27)が備えられ、プラグ(10)をソケット(20)の内部に保持するように相互作用する、請求項1から7の少なくとも1項に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項9】
前記磁気的手段は、前記プラグ(10)内部の第1の磁石または電磁石(16)と、ソケット(20)内部の第2および第3の磁石または電磁石(26、27)を備える請求項8に記載のソケット(20)/プラグ(10)システム(1)。
【請求項10】
前記プラグ(110)およびソケット(120)が矩形形状を有する、請求項1から9の少なくとも1項に記載のソケット(120)/プラグ(110)システム(100)。
【請求項11】
前記接点(113)は前記プラグ(110)の相に接続されるように設計され、前記接点(132)は前記ソケット(120)の相に接続されるように設計され、これらの接点は対角線上に対向する位置に配置され、
前記接点(114)は前記プラグ(110)の中性に接続されるように設計され、前記接点(133)は前記ソケット(120)の中性に接続されるように設計され、対角線上に対向して配置され、
これにより、可能な挿入方向のどちらにおいても、相と相の接続と中性と中性の接続が常に保証される請求項10に記載のソケット(120)/プラグ(110)システム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気ソケットとプラグシステム、より詳しくは電源モジュールとそれに関連するプラグに関し、プラグが挿入されていないときにソケットの電気接点へのアクセスを防止するための手段と、プラグをソケットに挿入したままにするための磁気保持手段を備える。
特殊な形状のため、挿入方向があらかじめ決められておらず、運動や感覚に障害のあるユーザ(例えば視覚障害者)でも、使いやすさと安全性を確保することができる。
【背景技術】
【0002】
現在のソケットにはいくつかの欠点がある。第一に、電線につまずくと、電気的接続が破壊されるリスクが生じ、それはショートや、ソケットの保護機能を失うリスクを伴う。これは、つまずいた際、電線にかかる牽引力がソケットの抜き差し方向に対して強い横方向成分を持つために起こる。
【0003】
第二に、相(phase)と中性(neutral)が最適な方法で接続されているかどうか、つまり、ソケットの相とプラグの相、ソケットの中性とプラグの中性が接続されているかどうかを理解することができない。この接続を確実にする装置もあるが、溝付きカップリングを使用するため、特に運動障害や感覚障害のあるユーザーには挿入が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2014/213093号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/261078号
【特許文献3】中国特許出願公開第101714732号
【特許文献4】中国特許出願公開第108242621号
【特許文献5】中国特許出願公開第108206394号
【特許文献6】欧州特許出願公開第2357708号
【特許文献7】英国特許出願公開第2472233号
【特許文献8】米国特許出願公開第2020/166202号
【特許文献9】国特許出願公開第5759069号 これらは、請求項1のプリアンブルによるソケット/プラグシステムを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前述の欠点を解決できる装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下の説明から明らかになるように、本発明の前述の目的及びその他の目的及び利点は、請求項1に記載のソケット/プラグシステムによって達成される。この請求項1では、
- プラグがソケットに挿入されていないとき、相と中性の電気接点へのアクセスが防止される;
- 相間及び中性点間の接続が確保される。このソケット/プラグシステムは、ソケット内部に接点ホルダがあり、プラグ挿入後、この接点ホルダはソケットの構造後部分の傾斜したガイドと相互作用する。これにより、相と中性の電気接点を横方向に移動させ、プラグ上の対応する相と中性の電気接点との接続を形成する。本発明の好ましい実施形態及び非自明な変形は、従属請求項の主題を形成する。
【0007】
特に、本発明によるソケット/プラグシステムは、プラグの磁気的保持を提供する。プラグの磁気的保持はプラグを定位置に保持することを確実にする。しかし、電線につまずいた場合に人や電気接続部への損傷を回避することができる。プラグの抜き差し方向と一致しない電線を引っ張ることによっても、プラグの磁気的保持は増加することがないためである。
【0008】
プラグもソケットも円筒形である。そのため、従来のソケットのように挿入方向を探す必要がなく、身体の不自由な人でも使いやすい。この円筒形は、接続の特殊な配置によって形成されるが、この技術の接続、すなわち、相と相、中性と中性の接続を保証する。
電流の通過に関しては、ソケットがプラグを受け入れ、最初にアース接続が作動する。プラグがリミットスイッチに近づいた時のみ、相と中性の接続が開放され、電流が流れるようになる。従って、プラグが挿入されるまで、ソケットの接続は(接地極を除いて)アクセスできない。
ソケットの総寸法は、"Schuko "と呼ばれるソケットのパワーモジュールと同等であるため、上市するのに過度な変形を必要としない。
【0009】
好ましい実施形態によれば、ソケット内部に存在する磁石は、電磁コイルに置き換えられる。この電磁コイルはスイッチの使用により、電磁保持フィールドを実現する。この電磁保持フィールドは、スイッチの使用により電流が遮断されると非活性化され、いかなる種類の拘束もなくソケットを解放することができる。磁石を使用することで、機械的な拘束による問題と、張力による接点の磨耗とを、上記のつまずきに関する問題と同様に解消することができる。
添付の請求項の記載はすべて、本明細書の詳細な説明の記載の一部を構成することを理解されたい。
添付の請求項の記載から明らかなように、本発明の技術的範囲から逸脱することなく、記載されたものに対して無数の変形および変更(例えば、形状、寸法、配置、および同等の機能を有する部品に関するもの)が可能であることは、直ちに明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明は、添付の図面を参照して非限定的な例として提供される、いくつかの好ましい実施形態によってより良く説明される:
図1図1は本発明による電気ソケット及びプラグシステムを示す;
図2図2(a、b)は本発明によるプラグを3つの直交図および1つの透視図で示す;
図3図3(a、b)は本発明によるソケットをそれぞれ閉じた状態および開いた状態で示す断面図である;
図4図4はソケットの内部要素を3つの直交図及び1つの透視図で示す;
図5図5はソケットの内部要素を3つの直交図及び1つの透視図で示す;
図6図6はソケットの内部要素を3つの直交図及び1つの透視図で示す;
図7図7は本発明による電気ソケット及びプラグシステムの変形例を示す。
図8図8(a、b)はそれぞれ、図7の変形例によるプラグとソケットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、電気接点が隠されている構成を「オープン」と呼び、電気接点が隠されていない構成を「クローズ」と呼ぶ。
図1図2図3および図4を参照すると、(1)は本発明によるプラグ(10)/ソケット(20)システムを示している。
プラグ(10)は、図2の2つの直交図および透視図に従って示されている。このプラグ(10)は、ハンドル(11a)が設けられた円筒体(11)を含む。この円筒体(11)は、ソケット(20)に設けられた対応する空洞(21)に嵌合する。さらに、前記円筒体(11)の内部には、ソケット(20)に存在する突起(22)を収容するのに適した空洞(12)(図2b)がある。
円筒体(11)の外面には、位相用の第一接点(13)があり、空洞(12)の内面には、中性用の第二接点(14)と、軸方向位置には、アース用の第三接点(15)がある。
空洞(12)の底面には、外部からはアクセスできないが、第一の磁石(16)がある。この第一の磁石(16)はソケット(20)に存在する第二及び第三の磁石(26,27)と相互作用する。そのため、ソケット(20)に挿入されたプラグ(10)が所定の位置に保持される。
前記接点(13,14,15)が存在する側とは反対側からは、三極電気ケーブル(17)が突出している。三極電気ケーブル(17)内の三本のケーブルは、既知のタイプの端子(図示せず)で三個の接点(13)(14)(15)に接続される。
【0012】
図3では、ソケット(20)が断面で示されている。特に、図3aは、プラグ(10)が挿入されていないとき、ソケット(20)が「クローズ」状態、すなわち電気接点が隠れた状態で示されている。図3bは、プラグ(10)が挿入されたときのソケット(20)の「オープン」状態、すなわち電気接点が隠された状態を示している。
ソケット(20)は、図4に詳細に示す前部分(23)と、構造後部分(24)と、接点ホルダ要素(30)から構成される。接点ホルダ要素(30)は前記前部分(23)と前記構造後部分(24)の間に挿入される。
前部分(23)は、空洞(21)と、ソケット(20)の空洞(12)に嵌合する突起(22)とを特定する。前部分(23)は、前記突起(22)を含む前部分(23a)と、破線(23c)で区切られた後部分(23b)の2つの部分からなり、プラグ(10)がソケット(20)に挿入されると、前記前部分(23)の底部(23b)が、前記接点ホルダ要素(30)と共に引っ込み、ソケット(20)の電気接点を覆い隠し、前記引っ込みが、図3bに明確に示されているように、弾性部材(31)の変形を引き起こす。
前部分(23)及び突起(22)の内部には、第2及び第3の環状磁石(26,27)がそれぞれ収容されており、プラグ(10)の内部に収容された前記第一の磁石(16)と相互作用するように意図されているため、プラグ(10)がソケット(20)に挿入された際にその位置を保持する。
【0013】
ソケット(20)の構造部分(24)は、傾斜ガイドの第一システム(25)と、第一システムと直交する傾斜ガイドの第二システムを備え、このため図3の図面には現れていない。これらのガイドシステムの機能については後述する。
ソケット(20)の前部分(23)と構造部(24)の間には、図5及び図6にそれぞれ「クローズ」及び「オープン」状態で示されている接点ホルダ要素(30)が収容されている。
構造要素(24)の背面には端子台(28)があり、電気接点(32,33,34)と電気的に接続されている。
接点ホルダ要素(30)に存在する電気接点は、図5および図6により明確に示されている:
- 相用接点(32)の第1のペア;
- 中性用の第2の接点(33);
- アース用軸方向接点(34)。
【0014】
図4は、フロント部(23)を三面図と斜視図で示しており、プラグ(10)の挿入により後退する破線で描かれた底部(23b)が強調されている。
前部分(23)の側面には、第1の開口部(23d)のペアが形成され、縁部(23c)に沿って配置される。その結果、第1の電気接点(32)が出現する。フロントパネル(23)の側面は、第2の開口部(23e)のペアを備える。開口部(23e)には歯(35)が所定の位置にスナップ止めされる。この歯(35)は前記接点ホルダ(30)の一部を形成する可撓性ロッド(35a)の上部に配置される。
【0015】
接点ホルダ要素(30)はベース(36)を含み、このベース(36)上を第1(37)と第2(38)の支持部のペアが、それぞれ位相接点(32)および中性接点(33)に対して横方向にスライドする。また、前記ベース(36)には、可撓性ロッド(35a)が接続されており、その端部には、歯(35)が形成される。これらの歯(35)は、ソケット(20)の前部分(23)の側面に設けられた開口部(23e)に容易に入ることができるが、弱いロックがかかることで、適度な応力で抜くことができるような形状となっている。この弱いロックは、ソケット(20)の閉位置での保持を向上させ、弾性要素(31)と連動するが、プラグ(10)の挿入に伴う開口を妨げない。
【0016】
歯(35)によるロックは、穏やかではあるが、接点の不用意な露出を避けるためというよりは、空洞(21)内に物を入れて不注意に電圧のかかった接点にアクセスすることを避けるために不可欠である。言い換えれば、歯(35)は安全装置であり、これがなければソケット(20)は最低限の安全要件を満たすことができない。
【0017】
第一支持部(37)には傾斜ガイド(37a)が形成され、ソケット(20)の構造体(24)上に存在する傾斜ガイドの第一システム(25)と係合する。係合の効果は、接点ホルダ(30)の引込みに伴う位相接点(32)の第一支持部(37)の横方向変位である。
同様に、傾斜ガイド(38a)は、ソケット(20)の構造体(24)上に存在する傾斜ガイドの第2システム(図示せず)と係合する支持部(38)上に形成される。この場合も、前記係合の効果は、接点ホルダ(30)の引き込みを伴う中性接点(33)の第二支持部(38)の横方向変位である。
【0018】
実際には、プラグ(10)がソケット(20)に挿入されると、前部分(23)の底部(23b)が後退し、それと共に接点ホルダ(30)も後退し、弾性要素(31)の弾性反応に打ち勝ち、同時に歯(35)が開口部(23e)から出る。接点ホルダ要素(30)の後退により、ソケット(20)の構造体(24)上に存在する第1及び第2の傾斜ガイドシステム(25)は、相接点(32)の支持部(37)及び中性接点(33)の支持部(38)の傾斜ガイド(37a)(38a)と相互作用し、これらの支持部(37a)(38a)は、矢印で示すように横方向に移動して開口部に出てくる。特に、相接点(32)の支持部(37)はソケット(20)の軸に近づき、一方、中性接点(33)の支持部(38)は、プラグ(10)の相接点(13)と中性接点(14)にそれぞれ接触するように、ソケット(20)から離れる。
同時に、プラグ(10)のアース接点(15)はソケット(20)のアース接点(34)に挿入される。この状態では、プラグ(10)の第一の磁石(16)はソケット(20)の第二及び第三の磁石(26,27)に十分に接近し、プラグ(10)をソケット(20)内に確実にロックする。
【0019】
図7及び図8には、本発明によるプラグ(110)/ソケット(120)システム(100)の変形例が示されている。
プラグ(110)は、ハンドル(112)を備えた本体(111)を有する。本体(111)は、ソケット(120)に形成された対応する空洞(121)に嵌合する。
プラグ本体(111)の外面には、第1の相用電気接点(113)のペアと第2の中性用電気接点(114)のペアがある。
さらに、本体(111)の内部には、ソケット(120)のアース接点(134)と接続するアース接点(115)が軸方向に配置されている。
接点(113,114,115)がある側とは反対側からは、3極の電気ケーブル(117)が突出している。3極ケーブル(117)内の3本のケーブルは、既知のタイプの端子(図示せず)で3つの接点(113)、(114)、(115)に接続される。
【0020】
ソケット(120)は、空洞(121)がある前部分(123)と、構造後部分(124)と、相(132)、中性(133)、アース(134)接点から構成される。
図8bは、ソケット(120)を閉じた状態を示し、図8cは、同じソケット(120)を開いた状態を示し、この状態では、相(132)、中性(133)、アース(134)接点が見える。
プラグ(110)の相接点(113)とソケット(120)の相接点(132)は対角線上の対向位置に配置され、プラグ(110)の中性接点(114)とソケット(120)の中性接点(133)も同様である。このようにして、可能な挿入方向の両方において、相間および中性点間の接続が常に確保される。
ソケット(120)の内部には、接点ホルダ要素(図示せず)があり、接点ホルダ要素はソケット(20)の対応する接点ホルダ(30)と同じ機能を持つ。この場合にも、接点ホルダ要素には、相接点と中性接点(133)用の支持部が設けられている。中性接点(133)はプラグ(110)の挿入後、後退し、接点の支持部の横方向の動きにより、プラグ(110)の対応する接点と電気接続を行う。この横方向への移動は、コンタクトホルダ支持部(図示せず)にある傾斜ガイドと、ソケット(120)の構造背面部(124)にある対応する傾斜ガイド(図示せず)との相互作用によって引き起こされる。
【0021】
最後に、この変形例においても、好ましくは磁気保持システムが存在する。
ソケット(20)および(120)の総寸法は、それぞれ「Schuko」およびイタリアの市販ソケットの電源モジュールと同等であるため、商品化が容易になる。
【符号の説明】
【0022】
1,100 システム
10,110 プラグ
11 円筒体
12 空洞
13 第一相接点
14 第ニ中性接点
15 第三アース接点
20,120 ソケット
21 空洞
23 前部分
24,124 構造後部分
25 傾斜ガイド
30 ホルダ要素
32,132 相接点
33,133 中性接点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】