(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】ロータリーエンコーダ
(51)【国際特許分類】
G01D 5/20 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G01D5/20 110X
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548205
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 GB2022050328
(87)【国際公開番号】W WO2022171994
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】PCT/GB2021/052562
(32)【優先日】2021-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391002306
【氏名又は名称】レニショウ パブリック リミテッド カンパニー
【氏名又は名称原語表記】RENISHAW PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ナイジェル カラザース-ワット
(72)【発明者】
【氏名】フィンレー ジョナサン エバンス
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ダミアン ハリソン
【テーマコード(参考)】
2F077
【Fターム(参考)】
2F077AA47
2F077VV02
2F077VV25
2F077VV33
(57)【要約】
回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法。ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが設けられているか、または設けることができる本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの半径方向に追従した屈曲部とを備える。方法は、i)スケール軸および回転軸が実質的に平行であるように、ロータリースケール部材を機械部品上に配置することと、ii)その後、機械部品およびロータリースケール部材の両方に接触するように、少なくとも第1の半径方向調整デバイスを配置することと、ロータリースケール部材の本体を半径方向に変位させるように、少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することと、を含む。前記屈曲部の少なくとも1つが半径方向に押し付けられた半径方向ストップ部材との相互作用の結果として生成され、ロータリースケール部材の前記半径方向の変位に反対してロータリースケール部材によって少なくとも第1の半径方向調整デバイスに付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分が、少なくとも第1の半径方向調整デバイスと機械部品との間の接触を介して機械部品に向けられ、機械部品によって反応する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法であって、前記ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供することができる本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの半径方向に追従する屈曲部とを備え、前記方法は、
i) 前記スケール軸及び回転軸が実質的に平行であるように、前記機械部品上に前記ロータリースケール部材を配置することと、
ii) その後、前記機械部品と前記ロータリースケール部材の両方に接触するように少なくとも第1の半径方向調整デバイスを配置し、前記ロータリースケール部材の前記本体を半径方向に変位させるように前記少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することと、
を含み、
前記屈曲部の少なくとも1つが、半径方向に押し付けられた半径方向ストップ部材との相互作用の結果として生成され、前記ロータリースケール部材の前記半径方向の変位に反対して前記ロータリースケール部材によって前記少なくとも第1の半径方向調整デバイスに付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分が、前記少なくとも第1の半径方向調整デバイスと前記機械部品との間の接触を介して機械部品に向けられ、機械部品によって反応する、方法。
【請求項2】
ステップi)において、前記少なくとも3つの屈曲部が非屈曲状態にある、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記機械部品に、前記屈曲部のうちの少なくとも1つに隣接して、前記半径方向ストップ部材を固定することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記半径方向ストップ部材は、半径方向調整デバイスを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも第1の半径方向調整デバイスは、前記ロータリースケール部材の前記屈曲部のうちの1つに接触するように配置され、前記少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することは、前記屈曲部の半径方向変位を引き起こし、それによって前記ロータリースケール部材の前記本体の半径方向変位を引き起こし、前記半径方向反力は、前記屈曲部材の少なくとも1つの他の屈曲部と、それが半径方向に押し付けられている半径方向ストップ部材との相互作用によって生成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
操作されている前記半径方向調整デバイスと接触している少なくとも前記屈曲部が、前記半径方向調整デバイスと前記機械部品の任意の部分との間で半径方向に圧縮されていない、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記屈曲部のうちの少なくとも1つが、前記ロータリースケール部材の前記本体と、半径方向ストップ部材/半径方向調整デバイスに接触するように構成された前記屈曲部の前記部分との間の屈曲空隙を画定する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記屈曲部と接触する前記半径方向ストップ部材/半径方向調整デバイスの前記部分が、前記屈曲空隙内に存在する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記半径方向調整デバイスは、回転可能部材であって、前記回転可能部材の回転が前記ロータリースケール部材の前記本体の前記半径方向変位の変化を引き起こすように構成された、半径方向調整デバイス軸を中心に回転可能な回転可能部材を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記半径方向調整デバイスは、テーパー部材であって、前記半径方向調整デバイス軸を中心とした前記回転可能部材の回転が、前記半径方向調整デバイス軸に沿った前記テーパー部材の前記軸方向位置を変化させ、次に、前記ロータリースケール部材の前記本体の半径方向変位の程度を制御するように構成された、テーパー部材を備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記半径方向調整デバイスの前記回転可能部材は、前記機械部品のねじ穴によって受け入れられるねじ部材を含み、前記ねじ部材の回転は、前記半径方向調整デバイス軸に沿って前記テーパー部材の前記軸方向位置を変更する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記テーパー部材および前記ねじ部材は、単一の部品である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記半径方向調整デバイスの軸が前記機械部品に対して半径方向に固定されるように、前記半径方向調整デバイスが前記機械部品に固定される、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ロータリースケール部材は、スケールを画定する前記一連のスケールフィーチャが提供される、または提供されることができる平面を含むディスクスケール部材を含み、前記スケール軸は、前記平面に対して垂直に延びる、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ロータリースケール部材と、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品とを備える装置であって、前記ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供されることが可能である本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの半径方向に追従する屈曲部とを含み、前記ロータリースケール部材は、スケール軸および回転軸が実質的に平行であるように機械部品上に配置され、前記装置は、前記機械部品と前記ロータリースケール部材の両方に接触するように配置され、前記ロータリースケール部材の前記本体を半径方向に変位させるように操作されるように構成された少なくとも第1の半径方向調整デバイスをさらに備え、前記屈曲部の少なくとも1つと半径方向に押し付けられた半径方向ストップ部材との相互作用の結果として生成され、前記ロータリースケール部材の前記半径方向の変位に反対する前記ロータリースケール部材による前記少なくとも第1の半径方向の調整デバイスは、前記少なくとも第1の半径方向の調整デバイスと前記機械部品との間の前記接触を介して前記機械部品に向けられ、前記機械部品によって反応する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリースケール部材などのロータリーエンコーダの一部を機械の回転可能な部品に取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
計測スケールは、互いに相対的に移動することができる機械の部品の位置測定に使用される。計測スケールは、典型的には、読み取りヘッドによって読み取られる一連のフィーチャ(feature)を有し、読み取りヘッドは、スケールに沿って又はスケールの周りで、その位置の測定を提供し得る。計測スケールは、機械の一方の部品に実装されてもよく、機械の他方の部品に取り付けられた適切な読み取りヘッドにより読み取られる。計測スケールの種類には、磁気スケール(スケールフィーチャが特定の磁気特性を有するフィーチャによって提供される)、静電容量スケール(フィーチャが特定の静電容量特性を有するフィーチャによって提供される)、誘導スケール(フィーチャが特定の誘導特性を有するフィーチャによって提供される)、及び、光学スケール(フィーチャが特定の光学特性を有するフィーチャによって提供される)が含まれる。光学スケールは、透過性または反射性であってもよい。光学スケール構成の例は、特許文献1および、特許文献2にも開示されている。
【0003】
回転変位を測定するために、そのようなスケールは、読み取りヘッドに関するシャフトまたは他の回転部分と共に使用して回転する部材上に設けられてもよい。特に、スケールフィーチャを有し、シャフトと共に使用中に回転する部材は、ディスクまたはリングの形態の環状本体であり得る。
【0004】
ロータリースケール部材を機械部品に取り付けるプロセス中に、ロータリースケール部材の半径方向の位置を調整できることが望ましい場合がある。特許文献3に記載されているようなロータリースケール部材の半径方向の位置を調整するための技術は既に知られているが、本発明は効果的な代替技術を提供する。
【0005】
したがって、本発明は、ロータリーエンコーダを取り付ける改良された/代替方法に関する。特に、本発明は、スケールを画定する一連の位置フィーチャが提供される本体(例えば、環状本体)と、1つまたは複数の屈曲部(言い換えれば、「ばね」)とを備えるロータリースケール部材に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0207121号明細書
【特許文献2】米国特許第4926566号明細書
【特許文献3】米国特許第9103381号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法が提供され、ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供することができる本体と、前記スケール軸の周りに間隔を置いた少なくとも3つの半径方向に追従する屈曲部を備える。方法は、i)スケール軸および回転軸が実質的に平行であるように、機械部品上にロータリースケール部材を配置することを含むことができる。この方法は、ii)機械部品およびロータリースケール部材の両方に接触するように、少なくとも第1の半径方向調整デバイスを後で配置することをさらに含むことができる。ステップii)は、ロータリースケール部材の本体を半径方向に変位させるように、少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することをさらに含むことができる。前記屈曲部の少なくとも1つが半径方向に押し付けられた半径方向ストップ部材と相互作用することによって生成された/その結果として生じる、ロータリースケール部材の前記半径方向の変位に反対してロータリースケール部材によって少なくとも第1の半径方向調整デバイスに付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分は、少なくとも第1の半径方向調整デバイスと機械部品との間の接触を介して機械部品に向けられ、機械部品によって反応することができる。
【0008】
本発明は、ロータリースケール部材の本体の半径方向の位置を調整するための効果的な方法を提供することが見出されている。例えば、本発明による方法は、ロータリースケール部材の本体の予測可能で制御された半径方向の調整を提供することができる。屈曲部(ばね)が半径方向に押し付けられて、前記半径方向変位に反対する半径方向反力を生成する半径方向ストップ部材の提供は、半径方向調整デバイスの操作によって影響される任意の半径方向変位を元に戻すことを支援するために有益であり得る。
【0009】
理解されるように、屈曲部は、(ロータリースケール部材に対して)半径方向に弾性的に柔軟である。したがって、屈曲部は、「ばね」または「半径方向ばね部材」と称され得る。
【0010】
本発明の任意選択の実施形態では、少なくとも3つの屈曲部は、ステップi)で非屈曲状態にあり得る。したがって、ロータリースケール部材が最初に機械部品上に配置されるとき、その少なくとも3つの屈曲部は、非屈曲(すなわち、緩和)状態にあり得る。これは、ステップi)が、ロータリースケール部材を機械部品のフィーチャに強制嵌合させることを含み、それによって、前記屈曲部の少なくとも1つがその緩和状態から半径方向に移動し、それによって半径方向の反力を介してロータリースケール部材を機械部品と係合させて、ロータリースケール部材の本体が部品に対して初期のデフォルトの半径方向の位置に自己位置決めされるように、部品との摩擦嵌合を形成する実施形態とは対照的であり、有利であり得る。したがって、ステップii)は、屈曲部の少なくとも1つを前記ストップ部材に対して半径方向に押し付け、それによってその非屈曲/緩和状態から離れるように変形/変位させることを含むことができる。
【0011】
理解されるように、ステップii)における本体の半径方向変位は、屈曲部の少なくとも1つが半径方向ストップ部材に対して半径方向に押される程度の変化を引き起こす可能性がある(例えば、屈曲部の少なくとも1つがその非屈曲/緩和状態から離れて変形/変位する程度の変化を引き起こす可能性がある)。
【0012】
前記ストップ部材は、機械部品の一体的な部分を含むことができる。例えば、ストップ部材は、例えば、ロータリースケール部材がステップi)で最初に配置される表面/フィーチャから突出することができる(例えば、ロータリースケール部材の軸方向位置を制御する表面/フィーチャから延びる)一体型ハブまたはシャフトを備えることができる。本発明の任意選択であるが有利な実施形態では、ストップ部材は、機械部品の一体的な部分ではない。これは、機械部品が、屈曲部が半径方向に押し付けられるフィーチャを提供する必要性を回避するため、好ましく/有利であり得る。例えば、本発明は、ロータリースケール部材が最初に位置する表面/フィーチャから延びる(例えば、ロータリースケール部材の軸方向位置を制御する表面/フィーチャから延びる)適切な突出フィーチャ(例えば、ハブまたはシャフト)を有しない機械部品に使用することができる。したがって、好ましくは、方法は、前記屈曲部のうちの少なくとも1つに隣接して、前記半径方向ストップ部材を提供すること(例えば、機械部品に配置する/固定すること)をさらに含む。したがって、ストップ部材は、例えば、機械部品に取り外し可能に固定されるように、機械部品に別個の部品であり得る。
【0013】
半径方向ストップ部材は、半径方向調整デバイスを含み得るか、または半径方向調整デバイスであり得る。したがって、1つおよび同じデバイスは、半径方向ストップ部材および半径方向調整デバイスの機能を実行することができる。理解されるように、任意の時点でどの機能を実行しているかは、それがどのように使用されているかに依存する。例えば、デバイス自体が(例えば、設置者/オペレータによって)ロータリースケール部材の本体の半径方向調整を行うように操作されている場合、それは半径方向調整デバイスの機能を実行している。しかしながら、別の瞬間には、ロータリースケール部材の本体の半径方向調整を行うために他の手段(例えば、別の半径方向調整装置)が使用される可能性があり、そのため、その瞬間の装置は単にストップ部材として機能しているに過ぎない。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はなく、ストップ部材は、ストップ部材としてのみ機能することができ、ロータリースケール部材の本体の半径方向の変位をもたらすために使用することができないように構成することができる。
【0014】
そのような変形は、ロータリースケール部材の計測性能に悪影響を及ぼす可能性があるため、一連の位置フィーチャが提供される本体/基板の少なくとも一部の著しい変形を回避することが望ましい場合がある。したがって、好ましくは、スケールが提供される本体/基板の少なくとも一部の形状およびサイズは、半径方向調整デバイスの前記操作およびロータリースケール部材の前記半径方向変位によって実質的に変更されない。むしろ、好ましくは、そのような操作/変位は、主に、少なくとも3つの屈曲部のうちの1つ以上の屈曲状態の変化を引き起こす。例えば、前記操作/変位は、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つの変位または変形の程度をその/それらの静止位置/構成から変更することができ、それによって、スケールを操作/変位によって引き起こされる任意の変形から実質的に隔離することができる。
【0015】
理解されるように、ステップi)は、スケール軸および回転軸が実質的に平行であるように、ロータリースケール部材を機械部品の基準面上に配置することを含むことができる。理解されるように、ロータリースケール部材の軸方向位置(すなわち、回転軸に沿ったロータリースケール部材の位置)は、ステップi)で機械部品によって制御/画定することができ、言い換えれば、ロータリースケール部材は、ステップi)で機械部品によって所定の軸方向位置に支持/保持することができる。基準面は、回転軸に対して垂直に延びることができる。基準面は、実質的に平坦な平面によって画定することができる。任意選択で、基準面は、ロータリースケール部材を受け入れるように構成された複数の別個の台座(例えば、半球部材などの突起)によって画定される。そのような別個の台座は、回転軸の周りに環状に間隔を置くことができ、例えば、回転軸の周りに等角に間隔を置くことができる。
【0016】
ロータリースケール部材の本体は、環状本体を含んでもよい。本体、例えば環状本体は、平面ディスクを含み得る。一連の位置フィーチャは、ロータリースケール部材(例えば、平面ディスク)の平面上に提供することができる(リングスケール/エンコーダにより一般的に関連付けられている周辺縁部とは対照的に)。したがって、ロータリースケール部材は、スケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供されることができる平面表面を含む(例えば、ディスクエンコーダのために)ディスクスケール部材(これはまた、交換可能に、スケールディスク部材と称され得る)を含むことができ、スケール軸は、平面表面に対して垂直に延びる。任意選択で、平面ディスクは、5mm以下の厚さ、例えば、3mm以下の厚さ、例えば、約1mmの厚さである。好ましくは、少なくとも3つの屈曲部は、平面ディスクと実質的に同一平面上に設けられる。これは、特にコンパクトな回転式/ディスクスケール部材を提供する。少なくとも3つの屈曲部は、ロータリースケール部材の本体とは別に形成されるが、ロータリースケール部材の本体に取り付けられる部材(例えば、ハブ)上に設けることができる。例えば、スケールフィーチャは、前記少なくとも3つの屈曲部を含む部材(例えば、ハブ)に取り付けられた(例えば、接合された)ガラスディスク基板上に形成/提供され得る。しかしながら、好ましくは、少なくとも3つの屈曲部は、ロータリースケール部材の本体上に一体的に形成される。例えば、スケールトラックが提供される、または提供することができる本体、および少なくとも3つの屈曲部は、単一の材料から形成することができる。繰り返すが、これは、特にコンパクトなロータリースケール部材を提供することを助け、半径方向の反力が本体の平面に含まれることを確実にするのを助ける。例えば、ロータリースケール部材の本体および少なくとも3つの屈曲部は、材料(例えば、金属材料)の単一のシートまたはプレートから形成(例えば、切断)することができる。
【0017】
好ましくは、本体は金属材料を含むが、理解されるように、他の材料を使用してもよい。
【0018】
少なくとも第1の半径方向調整デバイスは、ロータリースケール部材の前記屈曲部のうちの1つに接触するように配置され得る(例えば、以下により詳細に説明されるように、前記屈曲部のうちの1つの足)。したがって、少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することは、屈曲部(例えば、その足)の半径方向の変位を引き起こし、それによってロータリースケール部材の本体の半径方向の変位を引き起こし得る。(例えば、ロータリースケール部材の本体に直接接触するのではなく)屈曲部に接触して作用するように半径方向調整デバイスを配置することは、ロータリースケール部材の本体の変形を回避するのに役立つことができる。半径方向反力は、前記屈曲部の少なくとも1つの他の屈曲部(例えば、前記屈曲部の少なくとも1つの他の屈曲部の足)と、それが半径方向に押し付けられている半径方向ストップ部材との相互作用によって、またはその結果として生成され得る。
【0019】
好ましい実施形態では、調整されている半径方向調整デバイス(例えば、少なくとも屈曲部の足)と接触している少なくとも屈曲部は、半径方向調整デバイスと任意の他の部分/部材との間で(例えば、ステップii)中)、例えば、機械部品の任意の他の部分との間で半径方向に圧縮されない。したがって、半径方向屈曲部は、半径方向調整デバイスによって自由に移動/変位することができる。
【0020】
少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択ですべて)は、足部を含むことができる。前記半径方向調整デバイスおよび/またはストップ部材は、屈曲部の足部に接触するように配置/構成され得る。足部は、1つまたは複数の脚/脚部によってロータリースケール部材の本体に取り付けることができる。足および/または脚/脚部は、弾性的に可撓性/偏向性/変形可能であるように構成することができる。したがって、ロータリースケール部材の本体の半径方向の変位は、足および/または脚/脚部をその/それらの弛緩/非屈曲状態から屈曲/偏向/変形させる可能性がある。半径方向反力は、足および/または脚/脚部の屈曲/偏向/変形によって生成され得る。
【0021】
任意選択で、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択ですべて)は、半径方向および接線方向の両方に追従するように構成される。例えば、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択ですべて)は、半径方向調整デバイスまたはストップ部材が反対/係合するように構成された足部を含み得、屈曲部は、足部が(ロータリースケール部材の)本体に対して半径方向および接線方向に追従するように構成される。例えば、足部は、1つ以上の脚/脚部によって本体に取り付けられてもよい。例えば、足部は、自身の半径方向に追従し得、1つまたは複数の脚は、接線的な追従を提供し得る。半径方向および/または接線方向の追従は、関連する部分を曲げることによって(例えば、その長さに沿って足を曲げることによって、またはその(それらの)長さに沿って脚を曲げることによって)提供することができる。例えば、ロータリースケール部材は、4つの半径方向および接線方向に追従した屈曲部(例えば、スケール軸の周りに等角に離間されている)を含むことができる。
【0022】
任意選択で、少なくとも3つの屈曲部のすべては、スケールを画定する一連の位置フィーチャの半径方向外側に配置される(例えば、屈曲部は、(ロータリースケール部材の)本体の外周上に、または本体の外周に向かって配置され得る)。任意選択で、少なくとも3つの屈曲部のすべては、スケールを画定する一連の位置フィーチャの半径方向内側に配置される。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はなく、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つは、スケールを画定する一連の位置フィーチャの半径方向外側に配置され得、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つは、スケールを画定する一連の位置フィーチャの半径方向内側に配置され得る。
【0023】
ロータリースケール部材の本体は、孔を備えることができる。孔は、本体内に実質的に中央に配置することができる。少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択ですべて)は、孔の縁部/周囲/境界/円周の周りに設けることができる。したがって、少なくとも3つの屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択ですべて)は、孔の中心に向かって半径方向内側に面することができる。少なくとも3つの屈曲部は、孔を画定することができる。
【0024】
任意選択で、前記屈曲部のうちの少なくとも1つ(および任意選択でそれぞれ)は、ロータリースケール部材の本体と屈曲部の部分(例えば、足)との間の屈曲空隙を画定する。屈曲部の前記部分(例えば、前記足部)は、半径方向ストップ部材/半径方向調整装置に接触するように構成された部分であり得る。例えば、屈曲部の前記部分(例えば、前記足部)は、半径方向ストップ部材/半径方向調整デバイスに対して半径方向に押されるように構成された部分であり得る。そのような場合、屈曲部と接触する半径方向ストップ部材/半径方向調整デバイスの少なくとも一部は、(空隙の外側に位置するのとは対照的に)前記屈曲部空隙内に存在することができる。したがって、半径方向ストップ部材/半径方向調整デバイスの前記部分は、ロータリースケール部材の本体に押し付けられないように、少なくとも半径方向に空隙よりも小さい必要がある。
【0025】
半径方向調整デバイスは、回転可能部材を備えることができる。回転可能部材は、半径方向調整デバイス軸を中心に回転可能であり得る。本発明の方法/半径方向調整デバイスは、前記回転可能部材の回転がロータリースケール部材の本体の半径方向変位の変化を引き起こすように構成/配置することができる。本発明の方法/半径方向調整デバイスは、前記回転可能部材の回転が、半径方向調整デバイスが接触/作用/係合する屈曲部の少なくとも一部(例えば、その足)の半径方向変位の変化を引き起こし、それによってロータリースケール部材の本体の半径方向変位を引き起こすように構成/配置することができる。本発明の方法/半径方向調整デバイスは、前記回転可能部材の回転が、半径方向調整デバイスとロータリースケール部材との間の接触点の半径方向位置の変化を引き起こすように構成/配置することができる。ステップii)では、半径方向調整デバイス軸は、回転軸/スケール軸に実質的に平行に配置され得る。半径方向調整デバイスは、回転可能な半径方向調整デバイスと称され得る。
【0026】
半径方向調整デバイス(例えば、回転可能な半径方向調整デバイス)は、ねじ付き部材/部品を備えることができる。例えば、半径方向調整デバイスは、ボルトまたはネジを備え得る。以下でより詳細に説明するように、半径方向調整デバイスは、アンカー部を備えることができ、その場合、アンカー部は、ねじ付き部材/部品を備えることができる。アンカー部/ねじ付き部材/部品は、機械部品上の対応するねじ付き部材(例えば、ねじ穴)と係合するように構成され得る。半径方向調整デバイスの回転可能部材を半径方向調整デバイスの軸周りに回転させると、半径方向調整デバイスが軸に沿って移動し得る。例えば、半径方向調整デバイスを半径方向調整デバイス軸の周りに回転させることは、半径方向調整デバイスを軸に沿って、ロータリースケール部材が取り付けられている部分のねじ穴の中(または回転方向に応じて外)にさらに移動させることができる。機械部品がシャフトである場合、ねじ穴は、シャフトに取り付けられ得る半径方向に延びる面または突起(例えば、棚(ledge)またはフランジ)、例えば、シャフトの端部に設けられた端面に設けることができる。
【0027】
半径方向調整デバイスは、テーパー部材(例えば、ステップii)において、半径方向調整デバイス軸に沿ってテーパーする)を回転軸/スケール軸に沿って備えることができる。本発明の方法/半径方向調整デバイスは、前記半径方向調整デバイス軸を中心とした回転可能部材の回転が、半径方向調整デバイス軸に沿ったテーパー部材の軸方向位置を変化させ、次に、ロータリースケール部材の本体の半径方向変位の程度を制御するように構成/配置することができる。例えば、半径方向調整デバイスが屈曲部と接触しているこれらの実施形態では、本発明の方法/半径方向調整デバイスは、前記半径方向調整デバイス軸を中心とした回転可能部材の回転が、半径方向調整デバイス軸に沿ったテーパー部材の軸方向位置を変化させ、次に、それが接触している屈曲部の半径方向変位の程度を制御するように構成/配置することができる。そのような構成は、半径方向調整に対して非常に微細な程度の制御を提供するために有利であることが見出されている。テーパー部材は、円錐形状(まっすぐまたは湾曲した円錐形状であり得る)を備えることができる。
【0028】
半径方向調整デバイスの回転可能部材は、ねじ付き部材の回転が半径方向調整デバイス軸に沿ったテーパー部材の軸方向位置を変更するように、機械部品のねじ穴によって受け入れられるねじ付き部材を備えることができる。ねじ付き部材は、アンカー部であり得る(以下により詳細に説明される)。半径方向調整デバイスがテーパー部材およびねじ部材を含む実施形態では、テーパー部材およびねじ部材は、単一の部品(例えば、単一の材料から作られた)を含むことができる。半径方向調整デバイスは、半径方向調整ボルトを備え得る/であり得、ボルトの頭部は、テーパー部材を含む/である。
【0029】
半径方向調整デバイスは、アンカー部を備えることができる。半径方向調整デバイスは、半径方向調整デバイス軸が機械部品に対して半径方向に固定されるように、機械部品に固定することができる。アンカー部は、/前記ねじ部材を含むことができる。任意選択で、半径方向調整デバイスに付与される任意の(例えば、実質的にすべての)半径方向反力の少なくとも大部分(例えば、以下でより詳細に説明されるように、ロータリースケール部材操作部分に付与される)は、機械部品によってアンカー部を介して反応され、それによって半径方向調整デバイスを半径方向に固定された位置に保持する。
【0030】
半径方向調整デバイスは、カム部材を備え得る。カム部材は、ロータリースケール部材と接触する(例えば、屈曲部と接触する)カム部材の部分の有効半径がカム部材の回転によって制御されるように、非定半径を有することができ、および/または偏心的に取り付けられることができる。
【0031】
上述のテーパー部材、カム部材、および/または回転可能部材は、ロータリースケール部材に接触するように構成され得る。任意選択で、半径方向調整デバイスは、テーパー部材/カム部材/回転可能部材とロータリースケール部材との間に配置された中間部材を備える。中間部材は、例えば、Oリング、プラグまたはスリーブを含むことができる。中間部材は、半径方向調整デバイス(例えば、テーパー部材/カム部材/回転可能部材)が操作されるときに変形、拡張、および/または移動するように構成され得る。
【0032】
少なくとも第1の半径方向調整デバイスは、ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲操作部分)およびアンカー部を含むことができる。そのような半径方向調整デバイスは、ステップii)で、ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲部操作部分)がロータリースケール部材に接触し、(例えば、その屈曲部に対して)作用するように構成され、アンカー部が機械部品に取り付けられ、半径方向調整デバイスの操作が、ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲部操作部分)が作用するロータリースケール部材の少なくとも一部(例えば、屈曲部の少なくとも一部)の半径方向変位の変化を引き起こし、それによってロータリースケール部材の本体の半径方向変位を引き起こすように配置することができる。ロータリースケール操作部分(例えば、屈曲操作部分)に付与される任意の(例えば、実質的にすべての)半径方向反力の少なくとも大部分は、それによって半径方向調整デバイスを半径方向に固定された位置に保持するように、アンカー部を介して機械部品によって反応させることができる。上述したように、アンカー部は、半径方向調整デバイスの半径方向調整デバイス軸が機械部品に対して半径方向に固定されるように、機械部品に固定することができる。
【0033】
同様に、半径方向ストップ部材は、ロータリースケール部材係合部分(例えば、屈曲係合部分)およびアンカー部を備えることができる。そのような半径方向ストップ部材は、ステップii)で、ロータリースケール部材係合部分(例えば、屈曲係合部分)がロータリースケール部材に接触し、(例えば、その屈曲部に対して)作用するように構成され、アンカー部は、ロータリースケール部材係合部分(例えば、屈曲係合部分)に付与される任意の(例えば、実質的にすべての)半径方向力の少なくとも大部分が機械部品によってアンカー部を介して反応し、それによって半径方向ストップ部材を半径方向に固定された位置に保持するように機械部品に取り付けられるように配置することができる。
【0034】
上述の半径方向調整デバイスおよび/または半径方向ストップ部材に関して、ロータリースケール部材の操作/係合部分(例えば、屈曲操作/係合部分)およびそのアンカー部は、単一の部分(例えば、単一の部分から形成される/単一の部分として形成される)を含むことができる。ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲操作部分)およびアンカー部は、互いに対して回転可能に固定され得る。例えば、半径方向調整デバイスを回転させることは、ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲操作部分)およびアンカー部を一緒に回転させることを含み得る。任意選択で、ロータリースケール部材操作/係合部分(例えば、屈曲操作/係合部分)およびアンカー部は、接続されている/接続され得る別個の部品を含み得る。任意選択で、ロータリースケール部材操作/係合部分(例えば、屈曲操作/係合部分)は、アンカー部に対して回転可能である。例えば、半径方向調整デバイスを回転させることは、ロータリースケール部材操作部分(例えば、屈曲操作部分)をアンカー部に対して回転させることを含み得る(例えば、アンカー部は、機械部品に対して回転的に固定され得る)。
【0035】
任意選択で、ロータリースケール部材は、それを通って延びる中心軸方向開口部を含み、屈曲部は、前記中心開口部の内周/周囲の周りに配置される。本発明の有利な実施形態によれば、前記中央開口部を少なくとも途中で通って延びる機械部品の任意の部分の直径は、中央開口部の最小の可能な直径(例えば、屈曲部によって画定されるような)よりも小さくなることができる。
【0036】
本発明の有利な実施形態によれば、ロータリースケール部材は、機械部品に直接半径方向にクランプされない。したがって、本発明の有利な実施形態では、屈曲部は、機械部品に直接半径方向に押し付けられない。むしろ、本発明の有利な実施形態では、屈曲部は、機械部品に一体ではない半径方向調整部材および/または半径方向ストップ部材に対して直接半径方向に押される。
【0037】
半径方向調整デバイスを操作するステップは、手動で(例えば、人間のオペレータ/設置者を介して)または自動的に(例えば、ロボットを介して)実行することができる。理解されるように、ドライバー、または六角レンチもしくは「アレン」キーなどのツールを使用して、半径方向調整デバイスを操作することができる。
【0038】
理解されるように、ロータリースケール部材の本体は、調整された半径方向の位置に固定(fixed)/固定(secured)/維持(maintained)することができる。したがって、方法は、本体をその調整された半径方向の位置に固定(fixing)/固定(securing)することを含むことができる。したがって、方法は、固定手段を介して、例えば、1つまたは複数の機械的締結具および/または接着剤を介して、機械部品に対する本体の半径方向の位置を調整された半径方向の位置に固定(fixing)/固定(securing)することを含むことができる。例えば、その調整された半径方向の位置における部分に対する本体の半径方向の位置は、前記少なくとも1つの半径方向調整デバイスによって維持され得る。任意選択で、この方法は、少なくとも1つの半径方向調整デバイス以外の手段を介して、部品に対する本体の半径方向の位置をその調整された半径方向の位置に固定(fixing)/固定(securing)することを含む。例えば、半径方向調整デバイス以外の物質(接着剤のような)または機械式締結具を用いてもよい。この場合、少なくとも1つの半径方向調整デバイスを取り外したり、所定の位置に残したりすることができる。
【0039】
屈曲部は、単一の屈曲部として、または一般的に作用する屈曲部のクラスタ、例えば一対の屈曲部として提供することができる。好ましくは、屈曲クラスタまたは屈曲対における各屈曲部の半径方向の反力の方向及び大きさは、実質的に/名目上同じである。したがって、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つ)の屈曲部への上記の言及は、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つ)の屈曲部のクラスタ(例えば、対)への上記の言及を含む。
【0040】
屈曲部は、片持ち屈曲部/ばね部材であってもよい。これは、屈曲部がペアで提供される場合に特に好ましくてもよい。対の屈曲部材の各々は、それらの自由端が互いに近位であり、それらの固定された(または「付け根」)の端が互いに遠位であるように構成することができる。
【0041】
好ましくは、スケールを画定する一連の位置フィーチャは、本体上に一体的に形成される。これは、本体に取り付けられた別の基板上に形成されるスケールを定義する一連の位置フィーチャとは対照的である。例えば、スケールフィーチャは、ロータリースケール部材の本体の円周縁部の周りに巻かれた可撓性テープ上に形成され得る。
【0042】
好ましくは、少なくとも3つ(例えば、少なくとも4つ)の屈曲部のすべては、それらによって提供される半径方向反力の大きさが公称的に同じであるように、互いに実質的に同一である。
【0043】
屈曲部は、スケール軸に垂直な平面内で(半径方向に、および任意選択的にも接線方向に)追従性(compliant)/偏向性(deflectable)(例えば、曲げによって)であり得る。
【0044】
(例えば、手動で操作可能な)半径方向調整デバイスは、屈曲部に作用して、前記平面内の屈曲部の偏向の程度を変更し、それによって、それが取り付けられている部分に対するロータリースケール部材の半径方向位置の調整を容易にするように構成することができる。
【0045】
任意選択で、少なくとも3つの屈曲部は、スケール軸の周りに環状に離間される。任意選択で、少なくとも3つの屈曲部は、スケール軸の周りに実質的に等角に離間される。例えば、一実施形態では、ロータリースケール部材は、互いに実質的に120°離れて配置された3つ(または3つの対)の環状に離間された屈曲部を備える。
【0046】
ロータリースケール部材は、少なくとも4つの半径方向に追従した屈曲部を含み得る。したがって、任意選択で、ロータリースケール部材は、互いに実質的に90°離れて配置された4つ(または4つの対)の環状に離間された屈曲部を備える。
【0047】
スケールは、スケール軸の周りに環状に延びることができる。スケールは、スケール軸の周りに環状に連続的に延びることができる。スケールは、インクリメンタルスケールを含み得る。スケールは、1つまたは複数の参照標識を含み得る。スケールは、アブソリュートスケールを含み得る。スケールは、光学的、容量的、誘導的及び/または磁気的スケールフィーチャを含み得る。スケールは、スケールフィーチャの1つまたは複数のトラックを含むことができる。スケールディスク部材の場合、スケールフィーチャは、半径方向に延びるスケールフィーチャであり得る。例えば、スケールフィーチャは、半径方向に細長くし得、例えば、各スケールフィーチャは、(スケール軸に対して)半径方向に延びる線を含み得る。
【0048】
本発明の第2の態様によれば、ロータリースケール部材と、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品とを備える装置が提供される。ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが設けられるか、または設けることができる本体を備えることができる。ロータリースケール部材は、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの半径方向に追従した屈曲部を備えることができる。ロータリースケール部材は、スケール軸および回転軸が実質的に平行であるように、機械部品上に配置することができる。装置は、機械部品およびロータリースケール部材の両方に接触するように配置することができる少なくとも第1の半径方向調整デバイスを備えることができる。少なくとも第1の半径方向調整デバイスは、ロータリースケール部材の本体を半径方向に変位させるように操作することができる。装置は、前記屈曲部の少なくとも1つが半径方向に押し付けられた半径方向ストップ部材との相互作用の結果として生成され、ロータリースケール部材の前記半径方向の変位に反対してロータリースケール部材によって少なくとも第1の半径方向調整デバイスに付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分が、少なくとも第1の半径方向調整デバイスと機械部品との間の接触を介して機械部品に向けられ、機械部品によって反応するように構成され得る。
【0049】
本発明の第3の態様によれば、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法が提供され、ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供することができる本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの一体的な半径方向に追従した半径方向調整屈曲部とを備え、方法は、i)スケール軸と回転軸が実質的に平行であるように機械部品上にロータリースケール部材を配置することと、ii)その後、機械部品に対するロータリースケール部材の本体の半径方向の位置を調整するように少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することと、を含む。この方法は、少なくとも第1の半径方向調整デバイスが、屈曲操作部分およびアンカー部を含み、ステップii)屈曲操作部分がロータリースケール部材の半径方向調整屈曲に対して作用するように構成され、アンカー部が機械部品に取り付けられ、半径方向調整デバイスの操作が、屈曲操作部分が作用する半径方向調整屈曲の少なくとも一部の半径方向変位の変化を引き起こし、それによってロータリースケール部材の本体の半径方向変位を引き起こすことができることを特徴とし得る。屈曲操作部分に付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分は、機械部品によってアンカー部を介して反応し、それによって半径方向調整デバイスを半径方向に固定された位置に保持すし得る。
【0050】
本発明の第4の態様によれば、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法が提供され、ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連の位置フィーチャが提供されるか、または提供することができる本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの一体的な半径方向に追従した屈曲部材とを備え、前記方法は、i)前記環状ロータリースケール部材を前記機械部品の平面上に配置し、前記平面が前記回転軸に垂直に延び、前記スケール軸および回転軸が実質的に平行になるようにすること、ii)その後、機械部品に対するロータリースケール部材本体の半径方向の位置を調整するように、1つまたは複数の回転可能な半径方向調整部材を回転させることを含む。方法は、回転可能な半径方向調整部材が、屈曲係合部およびアンカー部を含み、屈曲係合部は、ロータリースケール部材の屈曲部材と当接し、アンカー部は、屈曲係合部がアンカー部によって画定される半径方向に固定された軸を中心に回転することができるように機械部品に取り付けられ、屈曲係合部の回転は、屈曲係合部が当接する屈曲部材の半径方向変位を引き起こし、それによってロータリースケール部材の本体の半径方向変位を引き起こすことを特徴とすることができる。屈曲係合部分に付与される任意の半径方向反力の少なくとも大部分は、アンカー部を介して機械部品によって反応させることができる。
【0051】
本発明のさらなる態様によれば、回転軸を中心に回転するように構成された機械部品にロータリースケール部材を取り付ける方法が提供され、ロータリースケール部材は、スケール軸の周りに延びるスケールを画定する一連のスケールフィーチャが提供されるか、または提供することができる本体と、前記スケール軸の周りに離間された少なくとも3つの半径方向に追従した屈曲部とを備え、この方法は、i)スケール軸と回転軸が実質的に平行であるようにロータリースケール部材を機械部品に配置することと、ii)その後、機械部品とロータリースケール部材の両方に接触するように少なくとも第1の半径方向調整デバイスを配置することと、ロータリースケール部材の本体を半径方向に変位させるように少なくとも第1の半径方向調整デバイスを操作することとを含む。
【0052】
理解されるように、本発明の第1の態様に関連して上述した特徴は、本発明の第2、第3、および第4の態様にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
ここで、本発明の実施形態は、以下の図面を参照して、一例としてのみ説明される。
【
図1】
図1は、スケールを読み取るように配置された読取ヘッドを備えた、シャフトに取り付けられ本開示によるディスクスケール部材の等角図である。
【
図4】単独で示される
図1のディスクスケール部材の平面図である。
【
図5】
図5は、
図4のスケールディスク部材の領域Mの詳細図である。
【
図6a】
図6aは、本発明の一実施形態による、
図2の線I-Iに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図6b】
図6bは、
図6aに示される実施形態の変形例による、
図2の線I-Iに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図7】
図7は、本開示の
図1から
図6のスケールディスク部材を設置するステップを模式的に示す図である。
【
図8a】
図8aは、本発明に従って取り付けられたスケールディスク部材の代替実施形態の等角図を示す。
【
図8b】
図8bは、本発明に従って取り付けられたスケールディスク部材の代替実施形態の等角図を示す。
【
図10a】
図10aは、本発明の一実施形態による、
図9の線I-Iに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図11】
図11は、本発明の方法で使用するのに適したスケールディスク部材の代替実施形態の平面図を示す。
【
図12a】
図12aは、
図11の線I-Iに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図12b】
図12bは、
図11の線II-IIに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図13】
図13は、本発明の方法で使用するのに適したスケールディスク部材の代替実施形態の平面図を示す。
【
図14】
図14は、
図13の線I-Iに沿う、シャフトに取り付けられたスケールディスク部材の断面図である。
【
図15】
図15は、本発明の方法で使用するのに適したスケールディスク部材の代替実施形態の平面図である。
【
図16】
図16は、異なる機械部品6’に取り付けられた
図1のスケールディスク部材の等角図である。
【
図17a】
図17aは、ディスクスケールの半径方向の位置を調整するための複数のナッジブロックの使用を含む本発明の別の代替実施形態を示す。
【
図17b】
図17bは、ディスクスケールの半径方向の位置を調整するための複数のナッジブロックの使用を含む本発明の別の代替実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1から
図3および
図6を参照すると、機械部品6(例えば、回転可能なシャフト6)および機械の構成要素12(図示せず)に取り付けられたエンコーダ装置2が示されている。機械部品6は、回転軸Aを中心に回転するように構成される。
図1から
図3(および
図6)は、以下でより詳細に説明される本発明の方法に従って取り付けられた後のエンコーダ装置2を示す。
【0055】
示されるように、この実施形態では、エンコーダ装置2は、構成が平面であり、機械のシャフト6に取り付けられたスケールディスク部材4を備える。
図4および5は、エンコーダ装置2のスケールディスク部材4を単独で示す。
【0056】
スケールディスク部材4は、その平面面の1つにスケール軸Bの周りに延びるスケール8を画定する一連の位置フィーチャが設けられた本体/基板5(この実施形態では、平面環状ディスク状本体5)と、複数の一体型屈曲部16a、16b、16c、16dとを備える。この実施形態では、スケールトラック8が設けられた本体5、および複数の屈曲部16は、単一の材料から形成される/単一の材料として形成される。単一の材料からそれらを形成することは、スケールディスクのコンパクトさを確保するのに役立つだけでなく、屈曲部16が環状本体5と同じ平面内に含まれることを確実にするのに役立つため、特に薄い平面スケールディスクにとって有利であり得る。特に、この実施形態では、スケールディスク部材4(すなわち、環状本体および屈曲部)は、厚さ約1mmの薄い材料シート、この実施形態ではステンレス鋼から形成される。文脈上、本実施形態におけるスケールディスク部材4の直径は、約55mmである。理解されるように、本開示は、そのようなサイズのディスクに限定されず、そのような寸法は、単にディスクの例として与えられている。また、ディスクは、アルミニウムまたはプラスチックなどの他の金属材料から作製することができる。さらに、代替の実施形態では、屈曲部は、スケールディスク部材の本体/基板5とは別に形成されるが、スケールディスク部材の本体/基板5に取り付けられる部材(例えば、ハブ)上に設けることができる。しかしながら、屈曲部16が本体/基板5上に一体的に形成されることが好ましい(言い換えれば、スケールトラックが設けられ、屈曲部が単一の材料から形成される本体/基板5が好ましい)ことは、これが特にコンパクトなロータリースケール部材を提供するのに役立つだけでなく、半径方向の反力が本体/基板の平面に含まれることを確実にするのに役立つためである。例えば、本体/基板および屈曲部は、材料(例えば、金属材料)の単一のシートまたはプレートから形成(例えば、切断)することができる。
【0057】
図1に示されるように、スケールトラック8は、スケール軸Bの周りに完全かつ連続的に環状に延びる。
図1に詳細には示されていないが、スケールトラック8は、スケールディスク4および読み取りヘッド10の相対的な位置/動きを決定するために読み取りヘッド10が読み取ることができる一連のフィーチャを備える。
【0058】
読み取りヘッド10は、シャフト6が回転軸Aを中心にそれに対して回転することができるように固定された機械の構成要素12に取り付けられる。
【0059】
説明した実施形態では、エンコーダ装置2は光学式エンコーダ装置であるが、必ずしもそうである必要はない。例えば、エンコーダ装置は、磁気エンコーダ装置、誘導エンコーダ装置、または静電容量エンコーダ装置であり得る。さらに、本実施形態の説明では、エンコーダ装置2は反射型光学エンコーダ装置である(読み取りヘッドからの光がスケールにより反射されて読み取りヘッドに戻り、読み取りヘッドの照明とスケール検出部がスケールの同じ側にある。)。しかしながら、これは必ずしもそうである必要はなく、エンコーダ装置は、透過型光学エンコーダであり得る(または上述のように、磁気、誘導、または容量性エンコーダ装置であり得る)。
【0060】
本実施形態では、エンコーダ装置2はインクリメンタルエンコーダ装置である。従って、本実施形態では、スケールディスク4はインクリメンタルスケールディスクであり、スケールトラック8は、スケールディスク4と読み取りヘッド10の相対的な位置/動きのカウントを提供するために読み取りヘッド10が読み取り得る一連の周期的に配置されたフィーチャを備える。インクリメンタルエンコーダ装置の分野で一般的であるように、スケールディスク装置4は、読み取りヘッドが読み取りヘッドを通過することによって読み取られ得る1つまたは複数の基準マークを含むことができ、それにより読み取りヘッドは、ディスクスケール部材上の基準位置を識別してもよい。基準標識15の例は
図4に示される。この場合、基準標識15は、インクリメンタルスケールトラック8と別のトラック17に示されるが、必ずしもそうである必要はない。基準標識15は、インクリメンタルスケールトラック8内に埋め込まれてもよい。エンコーダ装置は、アブソリュートエンコーダ装置であり得る。従って、スケールディスク4は、アブソリュートスケールディスクであってもよく、スケールディスク4上のスケールトラックは、スケールディスク及び読み取りヘッドの絶対位置が起動時にディスクスケール部材及び読み取りヘッドの相対運動を必要とせずに決定され得るように、一連の固有の絶対位置を定義するフィーチャを含む。理解されるように、アブソリュートスケールディスクはまた、1つまたは複数のインクリメンタルスケールトラックを含むことができる。
【0061】
設置者は、機械部品のスケール軸Bおよび回転軸Aが実質的に平行になるように、スケールディスク部材4を機械部品に配置することによって、スケールディスク部材4を機械部品6に取り付けることができる。この場合、スケールディスク部材4は、機械部品6の平坦な端面7によって画定される基準平面RP(
図3を参照)上に配置される。理解されるように、基準平面RPは、平面によって提供される必要はない。代わりに、例えば、基準平面RPは、スケールディスク部材4が載っている突出した台座(例えば、回転軸Aの周りに等角に配置された3つの半球)によって提供され得る。設置者がスケールディスク部材4を理想的な半径方向の位置に配置した可能性は低い。例えば、スケールディスク部材4が、スケール軸B及び回転軸Aが実質的に同軸である(またはいくつかの他の好ましい定義された関係/オフセットを有する)ように配置されることが望ましい場合があり、これは、変更されないままにすると、読み取りヘッド10によって取得された信号に誤差(例えば、偏心誤差)を引き起こす可能性がある。したがって、設置者がスケールディスク部材4の半径方向の位置を微調整することができることが望ましい場合がある。
【0062】
発明者のディスクが使用される可能性が高い用途および装置では、500μmを超える調整が必要とされる可能性は低く、調整の範囲は、数ミクロンとして小さい、またはさらには1ミクロン未満である可能性がある。微小な調整が必要な範囲だけでなく、設置者が予測可能で一貫した方法でそのような調整を行うことができる必要があることを念頭に置く必要がある。予測可能で一貫した方法でこのような調整を行うことができるということは、設置者が、非常に時間がかかり、セットアップを悪化させる可能性がある試行錯誤ベースで作業する必要がないことを意味する。以下に、スケールディスク部材4の半径方向の位置を調整するためのそのような改善された構成を実装するいくつかの異なる方法を説明する。
【0063】
図4に最も明確に示されるように、スケールディスク部材4は、その中央を通る孔14を備える。スケールディスク部材4は、4つの一体型の半径方向に準拠した屈曲部16(a、b、c、d)を含み、これらは、平面ディスクと平面に設けられ、孔14の周りに等角に離間される。屈曲部16は、半径方向(スケールディスク部材4に関して)に弾性的に対応している。したがって、屈曲部16は、「半径方向ばね部材」と称され得る。以下でより詳細に説明されるように、屈曲部は、スケールディスク部材4の半径方向の位置の調整を補助するために使用されるため、半径方向の調整屈曲部と呼ばれ得る。
【0064】
図1から
図6の例示的な実施形態では、半径方向に追従している(例えば、
図5の方向「R」に沿って)屈曲部16と同様に、それらはまた、接線追従して(例えば、
図5の方向「T」に沿って)構成される。現在記載されている実施形態では、接線追従は、特殊形状の屈曲部を提供することによって達成される。
図5に最も明確に示されるように、屈曲部16は、半径方向調整デバイス28が以下でより詳細に説明されるように係合するように構成される「台座」または「足」部18を備える。足部18は、一対の細長い屈曲脚20の間に延在し、それ自体が環状本体5から孔14内に延びる。足部18および屈曲脚20は、環状本体5と同じ材料から形成され、屈曲空隙22を画定する。
図5に示されるように、接触面24は、屈曲足18の空隙側に設けられる。
図6および7に関連して以下でより詳細に説明するように、半径方向調整デバイス28は、調整ボルト28のテーパーヘッド31が接触面24に係合して押し付け、環状本体5の半径方向の位置を調整し、したがって、その上に形成されたスケール8およびスケール軸Bの半径方向の位置を調整できるように、屈曲空隙22を通って配置することができる。説明する実施形態では、テーパーヘッド31は、円錐形状(shape)/形状(form)を有する。
【0065】
足部18は、ディスクの平面内でその長さに沿って曲がることができることにより、半径方向Rに弾性的に追従しており、足部18は、一対の屈曲脚20がその長さに沿って曲がることができることにより、ディスクの平面内で接線方向Tに弾性的に追従している。
【0066】
屈曲部16、特に屈曲足18および細長い脚20(および屈曲空隙22)は、例えば、環状本体5をエッチングおよび/または機械加工(例えば、レーザー切断)することによって形成することができる。任意選択で、環状本体5は、その屈曲部16と共に、成形、鋳造及び/または添加剤プロセスによって形成される。
【0067】
屈曲部の接線追従は任意であり、実際には、以下に説明する実施形態のいくつかの屈曲部は、接線追従になるように構成されていない。任意選択で、必要に応じて、半径方向調整デバイスは、接線追従を提供するように構成され得る。例えば、半径方向調整デバイスは、半径方向に剛性であるが、ディスクが接線方向に横方向にスライドすることを可能にするローラを備えることができる。
【0068】
次に、
図7を参照して、
図1から
図6のスケールディスク部材4を機械部品6に取り付ける方法を説明する。
図7(A)および
図7(B)に概略的に示されるように、この方法は、設置者がスケールディスク部材4を基準平面RP(
図3を参照)、この場合は機械部品/シャフト6の端面7によって画定される平面上に配置することによって開始する。プロセスのこの時点で、屈曲部16a、16b、16c、16dは、非屈曲(すなわち、緩和)状態にある。
図7(A)に示されるように、機械部品6、特にこの実施形態では端面7は、複数のねじ穴32を備え、これは、以下でより詳細に説明されるように、半径方向調整デバイス28を受け入れるためのものである。以下の説明から明らかになるように、
図1から
図7の実施形態では、半径方向調整デバイス28のそれぞれはまた、ストップ部材の機能を実行する。したがって、アイテム28は、半径方向調整デバイス/ストップ部材28と称され得るが、簡潔にするために、それらは本明細書では半径方向調整デバイス28と称されるだけである。
【0069】
図7(B)に概略的に示されるように、スケールディスク部材4の初期半径方向の位置は、回転軸A及びスケール軸Bが同軸ではなく、むしろ、スケールディスク部材4がその初期半径方向の位置に残された場合、読み取りヘッド10によって取得された信号に実質的に望ましくない偏心誤差が生じるようなかなりの量のオフセットを有するようなものである。
【0070】
したがって、スケールディスク部材4が基準面RP/端面7上に配置されると、設置者はスケールディスク部材4の半径方向の位置を確認することができる。これは、例えば、回転しているディスクの外縁にあるダイヤルテストインジケータ(DTI)を使用して、機械的に達成し得る。任意選択で、光学的方法を使用してもよい。例えば、顕微鏡を使用してスケールラインの端を見てもよい。別の例として、一対の読み取りヘッドは、スケールフィーチャを読み取るように構成されてもよく、それらの間のカウント差は、偏心の尺度を提供し得る。半径方向の位置が満足できない場合、設置者は、スケールディスク部材4の半径方向の位置を微調整することができる。
図7(C)に示されるように、これは、説明される実施形態では調整ボルト28を含む1つまたは複数の半径方向調整デバイス28の使用によって達成される。
【0071】
図6aにより詳細に示されるように、この実施形態では、半径方向調整デバイス28は、アンカー部29および屈曲操作部分31を備える半径方向調整ボルト28aを備える。説明した実施形態では、アンカー部29はねじ部29を含み、屈曲操作部分31はテーパーヘッド31を含む。
図6に示されるように、半径方向調整ボルト28aは、半径方向調整ボルト28aのねじ部29がシャフト6の端面7のねじ穴32内に受け入れられるように、第1の屈曲部16aの屈曲空隙22を通して受け入れることができる。通常のねじ込み部材に従って、半径方向調整ボルト28aは、その軸方向位置を変更するように回転させることができる。
図6aは、半径方向調整ボルト28aがねじ穴32内に配置され、その軸方向位置がテーパーヘッド31のテーパー側が第1の屈曲部16aの足部18(
図5に関連して上記)の接触面24に接触するようになるまで(例えば、時計回りに)軸Cを中心に回転する構成を示す。
図6aに示されるように、スケールディスク部材4(特にその空隙22)、機械部品6(特にそのねじ穴32)、および半径方向調整ボルト28aは、調整ボルト28のテーパーヘッド31が足部分28の接触面24のみに接触するように構成され、すなわち、テーパーヘッド31と脚20との間に隙間があり、テーパーヘッド31と空隙22の背面26との間にも隙間がある。したがって、半径方向調整ボルト28aが軸Cの周りをさらに回転してねじ穴32にさらに(
図6aの矢印Pによって示される方向に)貫通させ、半径方向調整ボルトの半径方向の位置が固定され、特にそれが回転する軸Cが半径方向に固定されるため、テーパーヘッド31は、屈曲部16aの接触面24/足部18を半径方向内側に移動させ(矢印Dによって示される方向に)、次にスケールディスク部材4の本体/基板5をそれに応じて移動させる(それによって、その上に形成されたスケール8およびスケール軸Bの半径方向の位置をそれに応じて移動させる)。そのような変位に対する任意の反力(例えば、以下でより詳細に説明されるように、摩擦および/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力に起因する)は、
図6aの矢印Rによって概略的に示されるように、半径方向調整ボルトのアンカー部32と機械部品の孔32のねじ部との間の接触を介して、機械部品6に向けられ、機械部品6によって反応される。
【0072】
図6bは、機械部品のねじ穴32の口の皿穴フィーチャが、ねじヘッド31がその裏側の皿穴フィーチャに接触するが、その正面機構には接触しないように、その半径方向の正面機構(例えば、
図6bに見られるように、その左側機構)と比較して、その半径方向の裏側機構(例えば、
図6bに見られるように、右側機構33上)がより小さいように構成されることを除いて、
図6aに示されるものと実質的に同じである代替的な実施形態を示す。したがって、半径方向調整ボルト28aが軸Cの周りを回転して、それをねじ穴32にさらに(
図6bの矢印Pによって示される方向に)貫通させると、テーパーヘッド31と皿穴フィーチャの裏側33との間の接触により、テーパーヘッド31が半径方向内側に押し込まれ、これにより、屈曲部16aの接触面24/足部18が半径方向内側に移動し(矢印Dによって示される方向に)、スケールディスク部材4の本体/基板5がそれに応じて移動する(それによって、その上に形成されたスケール8の半径方向位置とスケール軸Bがそれに応じて移動する)。そのような変位に対する任意の反力(例えば、以下でより詳細に説明されるように、摩擦に起因する、および/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力に起因する)は、
図6bの矢印Rによって概略的に図示されるように、半径方向調整ボルトのテーパーヘッド31と機械部品の穴32のマウントにおける皿穴フィーチャとの間の接触を介して、機械部品6に向けられ、機械部品6によって反応する。理解されるように、
図6aの実施形態とは対照的に、半径方向調整ボルトは、孔32内に十分な間隙を有するか、または半径方向調整ボルトがロックアップすることなく孔32内の異なる軸深さに配置されることができるように、十分に可撓性/追従性である必要がある。
【0073】
図7(C)および
図7(D)に示されるように、本発明による好ましい方法では、調整ボルト28はまた、反対側の屈曲空隙に配置され、それらのテーパーヘッド31が
図6aに関連して上述したように、足部18の接触面24に接触するように、最初に(すなわち、任意の半径方向調整アクションが行われる前に)設定される。これは、そのような構成では、それが係合している(例えば、屈曲部16a)屈曲部の接触面24/足部18を変位させるように、2つの対向する半径方向調整ボルト(例えば、ボルト28a)の「第1の」を操作するアクションが、次に、対向する屈曲部(例えば、屈曲部16c)の接触面24/足部分18を対向する「第2の」半径方向調整ボルト(例えば、ボルト28c)のテーパーヘッド31に押し込ませるために好ましい。第2の半径方向調整ボルト28cが、そのアンカー部29を介して機械部品6/端面7に半径方向に固定(fixed)/固定(anchored)されているため、それは前記推進に対して反応する。したがって、第1の半径方向調整ボルト28aが、ロータリースケール部材4の本体/基板5の半径方向の変位をもたらすように操作/回転されるとき、第2の半径方向調整ボルト28cは、半径方向ストップ部材の機能を果たす。したがって、対向する「第2の」屈曲部16cは、スケールが形成される本体/基板5の変位を容易にするように屈曲するが、同時に、変位に対する半径方向抵抗/反力を提供する。これは、第1の半径方向調整ボルト28aを軸の周りに反対方向(例えば、反時計回り)に回転させることによって、第1の屈曲部16aを操作することによって行われた変位Dのための便利な制御された方法を提供するのに役立つため、有利であり得る。第1の半径方向調整ボルト28aを反対方向(例えば、反時計回り)に回転させると、半径方向調整ボルト28aがねじ穴32から逆転し、それによって、そのテーパーヘッド31が屈曲部16aの接触面24/足部18を変位させる程度を低減し、対向する第2の半径方向調整ボルト28cによって提供される半径方向反力のため、屈曲部16aの接触面24/足部18は、後方(矢印Dによって示される方向と反対方向)に移動し、スケールディスク部材4の本体/基板5をそれに応じて後方に変位させる(すなわち、この実施形態では半径方向外向)。
【0074】
理解されるように、この実施形態では、第2の半径方向調整ボルト28cが操作/回転される場合、それもまた、ロータリースケール部材4の本体5の半径方向の変位をもたらすために使用することができる。理解されるように、第2の半径方向調整ボルト28aのそのような操作/回転の間、対向する第1の半径方向調整ボルト28aは、半径方向ストップ部材の機能を実行する。
【0075】
半径方向変位のそのような元に戻すこと/可逆性を容易にするために、ストップ部材および半径方向調整部材の両方の機能を実行できるデバイスが対向する屈曲部に対して配置される必要はない。代わりに、専用のストップ部材(すなわち、半径方向ストップ部材の唯一の機能のために構成され、半径方向調整デバイスとして使用されるように構成されていないもの)は、そのような半径方向反力を提供するように、対向する屈曲部に対して配置され得る。そのような専用のストップ部材は、例えば、機械部品6/端面7の孔32に挿入され、対向する屈曲部の接触面24/足部18に当接するようなサイズの円筒形ヘッドを有する剛性の円筒形ペグを備えることができる。専用のストップ部材が使用される例示的な実施形態が、
図11および12に関連して提供される。
【0076】
図7(C)および(D)に示されるように、対向する第1の16aおよび第2の16cの屈曲部に対して配置されている第1の28aおよび第2の28cの半径方向調整ボルト(第1の次元(X次元)で半径方向調整を行うため)と同様に、対向する第3の16bおよび第4の16dの屈曲部に対して第3の28bおよび第4の28dの半径方向調整ボルトを配置および使用する必要がある場合がある(第2の次元(Y次元)で半径方向調整を行うため)。
【0077】
そのような場合、1つの対向する半径方向調整ボルトおよび屈曲部(例えば、第1の28aおよび第2の28cボルトならびに第1の16aおよび第2の16c屈曲部を介して)を介した、1つの次元(例えば、X次元)におけるディスクスケール部材4の半径方向調整の制御および予測可能性は、他の対向する屈曲部(例えば、第3の28bおよび第4の28d屈曲部)の上述の接線追従によって改善され得る。
【0078】
特に、例えば、スケールディスク部材4の半径方向の位置が、第1の半径方向調整ボルト28aの操作によってX次元に沿って変化するとき、第3の16bおよび第4の16dの屈曲部は、X次元における環状本体4の半径方向の位置の変化に対応するために、X次元において横方向に曲げ/歪曲する(特に、第3の16bおよび第4の16dの屈曲部の屈曲脚20は、スケールディスク部材の平面内のそれらの長さに沿って曲がる)。屈曲部16のそのような屈曲は、シャフト6に対する環状本体5の半径方向の位置を、第3の28bおよび第4の28d半径方向調整ボルトと、対応する第3の16bおよび第4の16d屈曲部の足部18との間の静止摩擦を克服することを必要とせずに調整することができることを意味する。
【0079】
スケールディスク部材4が所望の半径方向位置にあるとき、それを所定の位置に固定することができる。これは、例えば、スケールディスク部材4を機械部品6/端面7にクランプおよび/または接着することによって達成され得る。例えば、1つまたは複数の補助的な留め具孔9は、スケールが設けられた本体/基板5を通って設けられ得、これを通して、クランプボルトなどの留め具を通過させ、(例えば、端面7の孔を介して)シャフトに固定して、環状本体5を所定の位置にクランプすることができる。必要に応じて、次に、半径方向調整ボルト28を取り外すことができる。
【0080】
次に、
図8から
図10を参照して、本発明の代替的な実施形態を説明する。上述の実施形態と同様に、この実施形態は、複数のねじ穴32を有する端面7を含む機械部品6に取り付けられるディスクスケール部材104を備え、これは、以下でより詳細に説明されるように、半径方向調整デバイスを受け入れるためのものである。ディスクスケール部材104は、その平面面の1つにスケール軸Bの周りに延びる光学的なインクリメンタルスケール108を画定する一連の位置フィーチャが提供される本体/基板105(この実施形態では、平面環状ディスク状本体5)を備える。前の実施形態によれば、スケールトラック108が設けられた本体105、および複数の屈曲部116は、単一の材料から形成される。スケールディスク部材104は、その中央を通る孔114と、平面ディスクと平面に設けられ、孔114の周りに等角に配置された4つの一体型の半径方向に追従した屈曲部116(a、b、c、d)とを備える。追従性のある屈曲部116(a、b、cおよびd)は、半径方向に弱化された壁セクションを提供するように、本体105内にその外周よりもその内周に近い開口/空隙122を設けることによって形成される。
【0081】
スケールディスク部材104は、機械部品のスケール軸(スケールが周囲に延びる)および回転軸が実質的に平行であり、また、屈曲部116(a、b、cおよびd)が非屈曲状態にあるように、最初に機械部品6/端面7上に配置される。
図8bおよび
図9に示されるように、この実施形態では上述の実施形態と同じ半径方向調整ボルト28の形態である半径方向調整デバイスは、次いで、機械部品7およびスケールディスク部材104と接触するように配置され、その後、制御および予測可能な方法でスケールディスク部材104の半径方向位置を調整するように操作することができる。特に、
図10aに示されるように、半径方向調整ボルト28aのねじ付きアンカー部29は、ねじ穴32内に受け入れられ、そのテーパーヘッド31が屈曲部116aに触れるまで、軸Cの周りを回転する(例えば、時計回りに)。その後、半径方向調整ボルト28aを軸Cを中心に(例えば、時計回り方向に)回転させると、半径方向調整ボルト28の半径方向の位置が固定されており、特に、それが回転される軸Cが半径方向に固定されているため、テーパーヘッド31は、屈曲部116aを半径方向外向きに変位させ(矢印Dによって示される方向に)、次いで、スケールディスク部材4の本体/基板105をそれに応じて変位させる。そのような変位に対する任意の反力(例えば、摩擦による、および/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力による)は、
図10aの矢印Rによって概略的に示されるように、半径方向調整ボルトのアンカー部32と機械部品のねじ穴32との間の接触を介して機械部品に向けられ、機械部品によって反応される。上記の実施形態と同様に、反対側の屈曲部に対して配置された適切に構成された調整ボルト28c(またはストップ部材)は、そのような変位に対して反作用/抵抗力が生成されることを意味し、それによって、半径方向調整ボルト28aを反対方向(例えば、反時計回り)に単純に回転させることによって、任意のそのような変位の容易かつ制御可能に元に戻すことを容易にする。したがって、この実施形態は、上記に記載されたものと非常によく似ているが、この実施形態では、半径方向調整デバイスは、屈曲空隙122内に受け入れられず、また、屈曲部は、実質的な接線追従を提供するように設計されていない。上述の実施形態によれば、1つまたは複数の補助的な留め具穴109は、スケールが設けられた本体/基板105を通って設けられ得、これを通して、クランプボルトなどの留め具を通過させ、(例えば、端面7の穴を介して)シャフトに固定して、環状本体105を所定の位置にクランプすることができる。
【0082】
図10bは、機械部品6が、テーパーヘッド31が係合する隆起した中央ハブ6aを含むことを除いて、
図10aに示されるものと実質的に同じである代替の実施形態を示す。さらに、実施形態では、半径方向調整デバイス28は、半径方向調整ボルト28aのテーパーヘッド31の周りに位置するスリーブ27をさらに備える。スリーブ27は、半径方向調整ボルト28aと共に回転するように構成することができ、または半径方向調整ボルト28が軸Cを中心に回転しないように構成することができる。スリーブ27は、テーパーヘッド31とは異なる材料から作製することができ、したがって、ボルト28aを軸Cの周りに回転させるときに経験される摩擦を低減するために、プラスチック材料などの材料から作製することができる。理解されるように、そのようなスリーブまたは同様の部材の提供は、
図10bの実施形態に限定されるものではなく、上記および以下に説明される他の実施形態に等しく適用可能である。さらに、理解されるように、他の実施形態では、潤滑剤は、半径方向調整デバイスと機械部品との間の接触点に配置されて、それらの間の摩擦を低減することができる。
【0083】
半径方向調整ボルト28aが軸Cの周りを回転して、それをねじ穴32にさらに(
図10bの矢印Pによって示される方向に)貫通させるとき、半径方向調整デバイス28(特にこの実施形態では、そのテーパーヘッド31/スリーブ27)と中央ハブ6aとの間の接触は、テーパーヘッド31/スリーブ27を半径方向外向きに押すことを引き起こし、これは次に、屈曲部116aを半径方向外向きに変位させ(矢印Dによって示される方向に)、これは次に、スケールディスク部材4の本体/基板105をそれに応じて変位させる。そのような変位に対する任意の反力(例えば、摩擦による、および/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力による)は、
図10bの矢印Rによって概略的に示されるように、半径方向調整デバイス28と機械部品の中央ハブ6aとの間の接触を介して、機械部品6に向けられ、機械部品6によって反応される。理解されるように、
図10aの実施形態とは対照的に、半径方向調整デバイス28は、孔32内に十分な間隙を有するか、または半径方向調整ボルトがロックアップすることなく孔32内の異なる軸深さに配置されることができるように、十分に可撓性/追従性である必要がある。
【0084】
図10cは、特に、
図10cのディスクスケール部材104が
図10a及び10bのものと同一であるという点で、
図10a及び10bの実施形態といくつかの類似点を共有する代替の実施形態を示す。
図10bの実施形態と同様に、シャフト6は、ディスクスケール部材104の孔114を通って延びる中央ハブ6aを備える。しかしながら、この実施形態では、半径方向調整部材328は、それらの両方と接触するように、中央ハブ7aと屈曲部116aとの間に圧入することができるくさび形状の部材31’を単に備える。半径方向調整部材328のくさび形状のために、それがさらに(
図10cに示される方向に)軸方向に下方に押されるほど、それは屈曲部116aを半径方向外向きに変位させ(矢印Dによって示される方向に)、次いでスケールディスク部材4の本体/基板105をそれに応じて変位させる。そのような変位に対する任意の反力(例えば、摩擦による、および/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力による)は、
図10cの矢印Rによって概略的に示されるように、半径方向調整部材328と機械部品の中央ハブ6aとの間の接触を介して、機械部品6に向けられ、機械部品6によって反応される。
【0085】
図11及び12は、ディスクスケール部材204の別の代替的な実施形態を示す。上述の実施形態と同様に、この実施形態は、半径方向調整デバイスを受け入れるための複数の孔232を有する端面7を含む機械部品6に取り付けられるディスクスケール部材204を備える。ディスクスケール部材204は、本体/基板205(この実施形態では、平面環状ディスク状本体205)を含み、スケール軸Bの周りに延びる光学的なインクリメンタルスケール8を画定する一連の位置フィーチャが、その平面の1つに提供される。スケールディスク部材204は、その中央を通る孔214と、平面ディスクと平面に設けられ、孔214の周りに等角に配置された4つの一体型の半径方向に追従した屈曲部216(a、b、c、d)とを備える。前の実施形態によれば、スケールトラック8が提供される本体205、および複数の屈曲部216は、単一の材料から形成される。この実施形態の屈曲部216は、脚部20を含まないことを除いて、(
図1から
図6の)第1の実施形態の屈曲部216と同様であり、したがって、接線方向の追従をほとんど、または実質的に提供しない。上記の実施形態によれば、1つまたは複数の補助的な留め具穴209は、スケールが設けられた本体/基板205を通って設けられ得、これを通して、クランプボルトなどの留め具を通過させ、(例えば、端面7の穴を介して)シャフトに固定して、環状本体205を所定の位置にクランプすることができる。上記の他の実施形態によれば、スケールディスク部材204は、スケールの軸(すなわち、スケールフィーチャが延びる軸)および機械部品の回転軸が実質的に平行であり、また屈曲部216(a、b、cおよびd)が非屈曲状態にあるように、最初に機械部品6/端面7上に配置される。
図12aおよび
図12bに示されるように、半径方向調整デバイス228は、次いで、機械部品6およびスケールディスク部材204と接触するように配置され、その後、制御および予測可能な方法でスケールディスク部材204の半径方向位置を調整するために使用される。
【0086】
この実施形態と共に提供される半径方向調整デバイス228a、228bは、上述の実施形態のものとは異なる。
図11および12に示されるように、半径方向調整デバイス228は、屈曲部216aの接触面24と係合するように配置され、半径方向に固定された軸Cを中心に回転するように構成されたカム部材231を備え、これにより、屈曲部216aの接触面24が変位する場合の程度は、カム部材231の回転の程度によって制御することができる。この場合、カム部材231は、アンカー部229に取り付けられた楕円形のヘッド部分231によって提供される。アンカー部は、機械部品6/端面7の孔232内に受け入れられるペグを備える。カム部材/楕円形のヘッド部分231およびアンカー部229は、単一の材料から形成され、一緒に回転するように構成され得、その場合、アンカー部229および孔232は、円形の断面形状(例えば、それらは両方とも円筒形または円錐形であり得る)を有する必要がある。あるいは、カム部材/楕円形のヘッド部分231がアンカー部229に対して回転することができるように、カム部材/楕円形のヘッド部分231をアンカー部229に取り付けることができる。そのような場合、任意選択で、アンカー部229は、孔231内で回転しないように構成され得、これは、例えば、それらに非円形の断面形状を提供することによって達成され得る。
図12aは、2つの回転位置にあるカム部材/楕円形のヘッド部分231を示し、実線は、
図11に示される位置にあるカム部材/楕円形のヘッド部分231を示し(すなわち、その短い半径が接触面24と接触している)、幻線は、カム部材/楕円形のヘッド部分231が90°回転していることを示し(すなわち、その長い半径が接触面24と接触している)、それが接触面24を引き起こし、したがって、屈曲部16が矢印Dによって示される方向に内側に半径方向に移動するようになる。他の実施形態と同様に、任意の半径方向反力(例えば、対向する屈曲部216cと係合するように取り付けられた別の半径方向調整デバイス228bに起因する)は、
図12aの矢印Rによって概略的に示されるように、アンカー部を介して機械部品6/端面7によって反応される。
【0087】
この実施形態では、対向する屈曲部216cに対して作用するように機械部品6/端面7に取り付けられる別の半径方向調整デバイスの代わりに、対向する屈曲部216cに対して作用するように専用のストップ部材250が代わりに機械部品6/端面7に取り付けられる。専用ストップ部材250は、機械部品6/端面7の孔232内に受け入れられるアンカー部252と、屈曲部216cにぴったりとフィットするように構成された円筒形の屈曲ストップ部254とを備える。
図7(C)及び
図7(D)に関連して上述した第2の半径方向調整ボルト28cと同様に、専用ストップ部材250は、半径方向調整デバイスによって引き起こされる半径方向変位に対して半径方向反力を提供し、それによって、半径方向調整デバイス228によって引き起こされる半径方向変位の容易かつ制御可能に元に戻すことを容易にする(すなわち、半径方向調整デバイス228を反対方向(例えば、反時計回り)に単純に回転させることによって達成することができる)。しかしながら、
図7(C)及び
図7(D)に関連して上述した第2の半径方向調整ボルト28cとは対照的に、専用ストップ部材250は、ディスクスケール部材の任意の半径方向変位をもたらすように構成されていない(例えば、それの任意の操作/回転は、任意の半径方向変位を引き起こさない)。
【0088】
上記の実施形態では、屈曲部16/116/216は、スケール8の半径方向内側に配置される。特に、上述の実施形態では、本体/基板5/105/205は、その中央を通る孔14/114/214を含み、屈曲部16/116/216は、孔の縁の周りに配置される。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。例えば、
図13及び14に示されるように、機械部品/シャフト306の端面307上に配置されたスケールディスク部材304が提供される。機械部品/シャフト306は、回転軸Aを中心に回転するように構成される。スケールディスク部材305は、スケール軸Bの周りに延びるスケール8を画定する一連の位置フィーチャがその平面面の1つに提供される本体/基板305と、複数の一体型屈曲部316a、316b、316cとを備える。この実施形態では、本体/基板305は、屈曲部がその周りに設けられているその中央を通って延びる孔を含まない。代わりに、屈曲部316a、316b、316cは、スケール8の半径方向外側に設けられる。屈曲部316(a、b、及びc)は、半径方向に弱められた壁セクションを提供するように、その外周に近接する本体/基板305に開口部/空隙322を提供することによって形成される。
【0089】
上述の実施形態と同様に、スケールディスク部材304は、屈曲部316(a、b、及びc)が非屈曲状態にあるように、最初に機械部品306/端面307上に配置される。その後、この実施形態では、
図1から
図10による上記実施形態と同じ半径方向調整ボルト28の形態である半径方向調整デバイスを、機械部品306およびスケールディスク部材304と接触するように機械部品306上に配置し、その後、スケールディスク部材304の半径方向位置を制御および予測可能な方法で調整するように操作することができる。特に、
図14に示されるように、半径方向調整ボルト28aのねじ付きアンカー部29は、機械部品306/端面307のねじ穴332内に受け入れられ、そのテーパーヘッド31が屈曲部316aに触れるまで、軸Cの周りを回転する(例えば、時計回りに)。その後、半径方向調整ボルト28aが軸線Cを中心にさらに回転(例えば時計回り方向に)すると、半径方向調整ボルト28aは矢印Pの方向にさらにねじ穴332内に侵入することになり、半径方向調整ボルト28の半径方向の位置は固定されており、特に回転させる軸Cは半径方向に固定されているため、テーパーヘッド31は屈曲部316aを半径方向内側に(矢印Dで示す方向に)変位させることになり、これに応じてスケールディスク部材304の本体/基板305も変位することになる。そのような変位に対する任意の反力(例えば、摩擦によるおよび/または別の半径方向調整ボルト/ストップ部材によって提供される抵抗/反力による)は、
図14の矢印Rによって概略的に示されるように、半径方向調整ボルトのアンカー部32を介して機械部品によって反応される。上記の実施形態と同様に、別の対向する屈曲部に対して配置された適切に構成された調整ボルト28c(またはストップ部材)は、そのような変位に対して反作用/抵抗力が生成されることを意味し、それによって、半径方向調整ボルト28aを反対方向(例えば、反時計回り)に単純に回転させることによって、そのような変位の容易で制御可能に元に戻すことを容易にする。
【0090】
図15は、ディスクスケール部材404の別の代替的な実施形態を示す。上述の実施形態と同様に、この実施形態は、半径方向調整デバイス28を受け入れるための複数の孔32を有する端面7を含む機械部品6に取り付けられるディスクスケール部材404を備える。ディスクスケール部材404は、本体/基板405(この実施形態では、平面環状ディスク状本体405)を含み、スケール軸の周りに延びる光学的なインクリメンタルスケール8を画定する一連の位置フィーチャが、その平面の1つに提供される。スケールディスク部材404は、その中央を通る孔414と、平面ディスクと面一に設けられ、孔414の周りに等角に配置された3つの一体型の半径方向に追従した屈曲対416(a、b、c)とを備える。したがって、スケールディスク部材は、各半径方向に追従した屈曲部が単一の屈曲部を含むのではなく、一対の片持ち屈曲部を介して提供されることを除いて、上述のものと同様である。そのような屈曲対は、例えば、上記の他の実施形態に示される単一の屈曲構造の代わりに使用することもできる。上述の実施形態によれば、スケールディスク部材404は、屈曲部416(a、b、c)が非屈曲状態にあるように、最初に機械部品6/端面7上に配置される。その後、この実施形態では、
図1から
図10による上記実施形態と同じ半径方向調整ボルト28の形態である半径方向調整デバイスは、次いで、機械部品6およびスケールディスク部材404 (この実施形態では、屈曲対416a、416c)と接触するように配置され、その後、制御され予測可能な方法でスケールディスク部材404の半径方向位置を調整するように操作されることができる。上記の実施形態によれば、1つまたは複数の補助的な留め具穴409は、スケールが設けられた本体/基板405を通って設けられ得、これを通して、クランプボルトなどの留め具を通過させ、(例えば、端面7の穴を介して)シャフトに固定して、環状本体405を所定の位置にクランプすることができる。
【0091】
図16は、
図1によるディスクスケール部材4が、中央孔14を通って延びる部品6''を有する機械部品6’に取り付けられている実施形態を示す。しかしながら、中心孔を通って延びる部品6''の直径は、屈曲部16によって画定され得る最小の可能な直径よりも小さい。上述の実施形態と同様に、スケールディスク部材4は、屈曲部16(a、b、c、d)が非屈曲状態にあるように、最初に機械部品6/端面7上に配置される。その後、この実施形態では、
図1から
図10による上記実施形態と同じ半径方向調整ボルト28の形態である半径方向調整デバイスは、次いで、機械部品6およびスケールディスク部材4(この実施形態では、屈曲部16)と接触するように配置され、その後、制御および予測可能な方法でスケールディスク部材4の半径方向位置を調整するように操作される。したがって、上記のすべての実施形態と同様に、屈曲部は、半径方向調整デバイスと機械部品の任意の部分との間で直接半径方向に圧縮されておらず、したがって、ロータリースケール部材は、屈曲部によって機械部品に直接半径方向にクランプされていない。
【0092】
上記の実施形態では、半径方向調整部材は、屈曲部、特に屈曲部の足に直接接触している。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。例えば、半径方向調整部材は、ロータリースケール部材の本体(例えば、その外周面/周囲)と接触することができ、1つまたは複数のストップ部材は、1つまたは複数の屈曲部と接触するように配置することができる。
【0093】
図17a及び
図17bは、代替の実施形態を示す。この実施形態のスケールディスク部材1300は、スケールトラック1304がその平面の1つに設けられた平面の環状本体1302と、スケールディスク1300がシャフト6に取り付けられたときにシャフト6の中央ハブ部分6aが延びることができるその中央を通る孔1306とを備える。
図15の実施形態と同様に、スケールディスク部材1300は、平面スケールディスク1300と面一に設けられ、孔1306の縁の周りに等間隔に配置された3対の半径方向に追従した片持ち式ばね部材1308a、1308b、1308cを備える。屈曲空隙1310a、1310b、1310cは、片持ち式ばね部材1308a、1308b、1308cの各対の後ろに直接設けられる。
【0094】
上記の実施形態とは対照的に、屈曲対1308は、孔1306の有効直径が、それが取り付けられるシャフト6の中央ハブ部分6aの直径よりもわずかに小さいように成形され、サイズが決められている。したがって、スケールディスク部材1300は、中央ハブ6aに強制的に取り付けられなければならず、それによって、屈曲部1308をそれぞれの屈曲空隙1310内に半径方向に偏向させる。スケールディスク部材1300が中央ハブ6aに強制的に取り付けられると、それらの間に自然/デフォルト/自動の絞り嵌めが存在する。
【0095】
図15の実施形態とは対照的に、屈曲空隙1310は、ディスクの半径方向の位置を調整することができる調整ボルトを受け入れるように構成されていない。対照的に、
図17a及び
図17bに示される実施形態では、半径方向調整デバイスは、1つ以上のナッジブロック(nudge block)1320a、1320b、1320c、及び関連するグラブねじ1326を備える。ナッジブロックは、それを通って延びるねじ穴1322と、中央ハブ6aとスケールディスク部材1300の孔1306の内縁との間のギャップに適合するのに十分な厚さを有するリップ1324の形態の当接フィーチャとを有する剛性ブロックを備える。スケールディスク部材1300の半径方向の位置を調整するために、ナッジブロック1320は、そのリップ1324がシャフト6とスケールディスク部材1300の孔1306の内縁との間の隙間に受け入れられるように配置され、次に、グラブスクリュー1326がねじ穴1322に挿入され、中央ハブ6aと係合するまでツール1328を介して締め付けられる。その時点で、グラブスクリュー1326をさらに締めると、ナッジブロックが半径方向外向きに押され、その結果、リップ1324がスケールディスク部材1300を半径方向に変位させる。そのような半径方向の変位は、屈曲部1308の屈曲状態の変化を引き起こし、したがって、屈曲部1308が中央ハブ6aに押し付けられる程度の変化を引き起こし、したがって、屈曲部1308によって生成される変位に対抗する半径方向反力の大きさは、スケールディスク部材1300のその初期半径方向位置からの半径方向の変位の程度に応じて変化する。理解されるように、この実施形態では、屈曲部1308が半径方向に押されるストップは、機械部品の一体部分、すなわち中央ハブ6aによって提供される。変位に対する半径方向反力(例えば、摩擦に起因する、および/または中央ハブ6aに押し付けられる屈曲部1308の1つまたは複数によって提供される抵抗/反力に起因する)は、次に、半径方向調整デバイスのグラブスクリュー1322と中央ハブ6aとの間の接触を介して、機械部品6に向けられ、機械部品6によって反応される。
【0096】
理解されるように、示される実施形態では、2つのナッジブロック1320a、1320bは、スケールディスク部材1320およびシャフト6と所定の位置に/係合して示される。第3のナッジブロック1320cは、スケールディスク部材1320およびシャフト6との係合から外れて示され、その様々な部分およびグラブスクリュー1326およびツール1328を例示する。所望の半径方向調整を提供するために必要なナッジブロックは1つだけである可能性がある。任意選択で、必要に応じて3つのナッジブロックを使用し得る。
【0097】
図11、13、および15の実施形態では、屈曲部の少なくとも1つが、それに対して配置された半径方向調整部材またはストップ部材を有しない構成が示されている。これは実行可能であるが、必要に応じて、それらの実施形態が屈曲部に対して配置されたそのような半径方向調整部材またはストップ部材を有することもまた実行可能である。
【0098】
上述の実施形態は、ディスクスケールタイプのロータリースケール部材に関するものであり、スケールフィーチャは、ロータリースケール部材の平面上に提供されるが、これは必ずしもそうである必要はない。代わりに、例えば、ロータリースケール部材は、スケールフィーチャが、例えば、ロータリースケール部材の外周(例えば、円筒形)縁部上の軸方向に延びる表面上に提供されるリングスケールタイプであり得る。
【0099】
上記の実施形態では、半径方向調整デバイスは、軸(軸C)を中心に回転させることによって操作される。しかしながら、必ずしもそうとは限らない。例えば、半径方向調整デバイスは、圧入デバイスを含み得る。例えば、半径方向調整デバイスは、テーパーヘッドの形態の屈曲操作部分と、細長いステムの形態(例えば、従来のゴルフティーのような)のアンカー部とを有するプランジャ部材を備えることができる。アンカー部は、機械部品6、206、306/端面7、207、307の穴32、232、332内にぴったりとフィットするように構成されて、機械部品6、206、306/端面7、207、307に対して半径方向調整デバイスを半径方向に固定することができ、半径方向調整デバイスの深さは、テーパーヘッドが屈曲部を変位させる程度を制御するように(例えば、押しまたは引っ張り力を介して)制御することができる。
【国際調査報告】