(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】サンプル収集デバイス及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240201BHJP
G01N 33/497 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01N1/02 W
G01N33/497 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548564
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 IB2022051250
(87)【国際公開番号】W WO2022172222
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】バーリガン,マイケル アール.
(72)【発明者】
【氏名】ドンブロウスキー,アラン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ネレング,ローラ アール.
(72)【発明者】
【氏名】シャーマン,オードリー エー.
(72)【発明者】
【氏名】シッター,ブレット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ステパノヴァ,ナリーナ ワイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォール,マイケル シー.
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
【Fターム(参考)】
2G045CB22
2G045DA80
2G045HA06
2G045HA09
2G045JA08
2G052AA34
2G052AD02
2G052AD22
2G052AD46
2G052BA17
2G052DA08
2G052DA09
2G052ED11
2G052GA30
2G052JA08
(57)【要約】
サンプル収集デバイスは、マウスピース部分から空気出口部分まで延びるハウジングを含む。ハウジングは、マウスピース部分から空気出口部分への気流チャネルを画定する。マウスピース部分は、呼気気流を受容するように構成される。多孔性サンプル収集媒体は、ハウジング内に気流チャネルに沿って配置される。流体入口ポートは、ハウジングを通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体に隣接する。流体入口ポートは、多孔性サンプル収集媒体上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素は、流体入口ポートに取り付けられる。計量流体用量要素は、流体入口ポート内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプル収集デバイスであって、
呼気受容部分から空気出口部分まで延びるハウジングであって、前記呼気受容部分から前記空気出口部分への気流チャネルを画定し、前記呼気受容部分が呼気気流を受容するように構成されている、ハウジングと、
前記ハウジング内に前記気流チャネルに沿って配置された多孔性サンプル収集媒体と、
前記ハウジングを通して、前記多孔性サンプル収集媒体に隣接する開口を画定する流体入口ポートであって、前記多孔性サンプル収集媒体上に流体を導くように構成された、流体入口ポートと、
前記流体入口ポートに取り付けられた計量流体用量要素であって、前記流体入口ポート内に流体の計量容積を分注するように構成された、計量流体用量要素と、を備える、サンプル収集デバイス。
【請求項2】
前記ハウジング内に配置されて、前記多孔性サンプル収集媒体から流体を受容するように構成された、流体収集レセプタクルを更に備える、請求項1に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項3】
前記計量流体用量要素が、少なくとも第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で前記流体入口ポートに移動可能に取り付けられており、前記第2の位置が、前記第1の位置よりも前記ハウジングに近い、請求項1又は2に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項4】
前記流体入口ポートが、前記ハウジングの外面から離れるように延びる突起を備え、前記計量流体用量要素が、前記突起に取り付けられたキャップを画定する、請求項3に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項5】
前記計量流体用量要素が、流体の流体リザーバを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項6】
前記多孔性サンプル収集媒体が表面積値を画定し、前記流体リザーバが容積値を画定し、前記容積値を前記表面積値で割った値が、約10マイクロリットル/cm
2~約400マイクロリットル/cm
2の範囲内である、請求項5に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項7】
前記流体リザーバが、約50マイクロリットル~約500マイクロリットルの範囲の容積を画定する、請求項5又は6に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項8】
前記計量流体用量要素が、ねじ接続を介して前記流体入口ポートに移動可能に取り付けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項9】
前記計量流体用量要素が、前記第1の位置から前記第2の位置に移動されると、前記流体入口ポートに流体を送達する、請求項3~8のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項10】
前記多孔性サンプル収集媒体が、静荷電を有する不織布材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項11】
前記不織布材料が、疎水性である、請求項1~10のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項12】
前記流体が、水性流体、水性緩衝液、界面活性剤を含む水性流体、生理食塩水、又は界面活性剤を含む生理食塩水のうちの少なくとも1つである、請求項1~11のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項13】
前記流体入口ポートから前記多孔性サンプル収集媒体に流体を導くように構成された流体流チャネルを更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項14】
前記流体流チャネルが、毛管作用を介して流体を送達する、請求項13に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項15】
前記多孔性サンプル収集媒体からの流体を導くように構成された第2の流体流チャネルを更に備える、請求項1~14のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項16】
前記第2の流体流チャネルが、毛管作用を介して流体を送達する、請求項15に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項17】
呼気気流が、前記多孔性サンプル収集媒体を透過する、請求項1~16のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項18】
2つ以上の入口ポートを備え、各入口ポートが、対応する流体入口ポートに移動可能に取り付けられた計量流体用量要素を独立して含む、請求項1~17のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項19】
前記計量流体用量要素のうちの少なくとも1つが、前記2つ以上の入口ポートのうちの別の入口ポート内に含まれる流体とは異なる流体を含む、請求項18に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項20】
前記ハウジング内に、前記気流チャネルに沿って、前記呼気受容部分と前記多孔性サンプル収集媒体との間に固定されたプレフィルタを更に備える、請求項1~19のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイス。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載のサンプル収集デバイスと、
前記サンプル収集デバイスから流体を受容するように構成されたアッセイと、
を備える、サンプル収集システム。
【請求項22】
前記サンプル収集デバイスハウジングが、前記アッセイを受容するように構成された開口を含む、請求項21に記載のサンプル収集システム。
【請求項23】
前記アッセイがサンプル入口を含み、前記サンプル入口が、前記流体収集レセプタクルと位置合わせされている、請求項22に記載のサンプル収集システム。
【請求項24】
前記アッセイが、ウイルス又は病原体の存在を検出する、請求項21~23のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項25】
前記アッセイが、側方流アッセイである、請求項21~24のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項26】
前記アッセイが、垂直流アッセイである、請求項21~24のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項27】
前記多孔性サンプル収集媒体が、前記サンプル入口内に流体を導くように構成されている、請求項22~26のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項28】
前記多孔性サンプル収集媒体が、前記サンプル入口に接触するように構成されている、請求項22~27のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項29】
前記アッセイが、試験結果表示ウィンドウを含む、請求項21~28のいずれか一項に記載のサンプル収集システム。
【請求項30】
多孔性サンプル収集媒体を通して呼気を流すことであって、前記多孔性サンプル収集媒体が、装填された多孔性サンプル収集媒体を形成する気流チャネル内に配置されている、ことと、
前記気流チャネル内に配置された前記装填された多孔性サンプル収集媒体を通して流体の計量用量を流して、溶出液を形成することと、
前記溶出液を収集することと、
を含む、方法。
【請求項31】
前記アッセイを用いて前記溶出液を試験することを更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記流体の計量用量を流すことが、流体の50マイクロリットル~400マイクロリットルの範囲の計量用量を、前記気流チャネル内に配置された前記装填された多孔性サンプル収集媒体を通して流すことを含む、請求項30又は31に記載の方法。
【請求項33】
前記流体の計量用量を流すことが、界面活性剤を含む水性流体の計量用量を、前記気流チャネル内に配置された前記装填された多孔性サンプル収集媒体を通して流すことを含む、請求項30~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
呼気を流すことが、呼気を、多孔性不織布静電サンプル収集媒体を通して流すことを含む、請求項30~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
試験することが、ウイルス又は病原体の存在について前記溶出液を試験することを含む、請求項31~34のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サンプル収集デバイス及びシステムに関する。本開示は、バイオエアロゾル収集デバイス及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
気道、咽喉、又は鼻咽頭におけるウイルス又は他の病原体の存在について試験するために使用される診断試験には、典型的に、サンプルを得るために、鼻腔の後部、鼻腔の中鼻甲介領域、前鼻孔、又は咽喉内へのスワブの挿入を伴う。次いで、スワブを容器内に挿入し、分析するか、又は処理のために実験室に送る。他の診断試験には、唾液サンプルを収集し、次いでそれを容器内に配置することを伴う。現在利用可能な家庭用ウイルス試験(例えば、COVID-19試験)には、鼻スワブ及び試験キット(例えば、Ellume(商標)試験、Abbot(商標)BinaxNOW(商標)試験、及びLucira(商標)オールインワン試験キット)を伴う。鼻スワブサンプル又は唾液を利用する試験は、種々の診断試験と干渉する可能性がある汚染物質と競合する。結果として、これらのサンプルタイプは、RT-PCR分子試験を使用する際に、精製ステップを必要とする。
【発明の概要】
【0003】
世界中の一般人が病原体又はウイルスを排出しているかどうかを調べるために試験するのに使用することができる、安価で、使用が簡単で、信頼性の高いサンプル収集デバイスが必要とされている。このサンプル収集デバイスは、収集されたサンプル中の病原体又はウイルスの存在又は非存在を判定するために、試験デバイスと対にされ得る。
【0004】
サンプル収集デバイスは、デバイスハウジング内に、デバイスハウジングによって画定された気流チャネルに沿って配置された多孔性サンプル収集媒体を含む。流体の計量用量は、多孔性サンプル収集媒体を通過し、多孔性サンプル収集媒体に結合された病原体又はウイルスを運び去る。次いで、流体の計量用量を分析することができる。流体の計量用量は、ハウジングに取り付けられ得るか又は交換可能に取り付けられることができ、その流体の計量用量を、デバイスハウジングを通して多孔性サンプル収集媒体上へ伝達することができる。
【0005】
サンプル収集デバイス及び迅速な抗原試験の両方を単一のデバイスに含むシステムを提供することが望ましい場合がある。一体化されたデバイスは、有利には、病原体又はウイルス検出がより正確又は確実であり得るように(使用時に汚染され、次いで試験中により汚染されてしまい、試験中にバックグラウンドノイズを増加させる場合があるスワブとは異なり)、内蔵型かつ無菌であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】例示的なサンプル収集デバイス及びシステムの前面斜視概略図である。
【0007】
【
図2】
図1のサンプル収集デバイスの後面斜視概略図である。
【0008】
【
図3】
図1のサンプル収集デバイスの側面概略図である。
【0009】
【
図4】別の例示的なサンプル収集デバイスの後面斜視概略図である。
【0010】
【
図5】
図4のサンプル収集デバイスの側面概略図である。
【0011】
【
図6】
図4のサンプル収集デバイスの前面概略図である。
【0012】
【
図7】
図5のサンプル収集デバイスの断面概略図である。
【0013】
【
図8】別の例示的なサンプル収集デバイスの後面斜視概略図である。
【0014】
【
図9】
図8のサンプル収集デバイスの側面概略図である。
【0015】
【
図10】
図9のサンプル収集デバイスの断面概略図である。
【0016】
【
図11】取り外し可能なマウスピースを有する別の例示的なサンプル収集デバイスの後面斜視概略図である。
【0017】
【0018】
【0019】
【
図14】取り外し可能な流体収集レセプタクルを有する別の例示的なサンプル収集デバイスの後面斜視概略図である。
【0020】
【0021】
【0022】
定義
本明細書で使用される全ての科学用語及び技術用語は、別途明記しない限り、当該技術分野で通常使用される意味を有する。本明細書で与えられる定義は、本明細書で頻繁に用いる特定の用語の理解を助けるためのものであり、本開示の範囲の限定を意図するものではない。
【0023】
本明細書で使用される「実質的」という用語は、「著しく」と同じ意味を有し、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約98%によって後に続く用語を修飾すると理解することができる。本明細書で使用される「実質的に~ではない」という用語は、「著しく~ない」と同じ意味を有し、「実質的」の逆の意味を有すると理解することができ、すなわち、10%以下、5%以下、又は2%以下によって後に続く用語を修飾すると理解することができる。
【0024】
「約」という用語は、本明細書では、当業者によって予想される測定値の通常の変動を含むために数値とともに使用され、「約」と同じ意味を有し、記載された値の±5%などの典型的な誤差のマージンをカバーすると理解することができる。
【0025】
「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」などの用語は、単数の実体のみを指すことを意図するものではなく、具体例を例示するために用いることができる一般的な種類を含む。
【0026】
用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と互換的に用いられる。列挙に後続する「~のうちの少なくとも1つ」及び「~のうちの少なくとも1つを含む」という語句は、列挙内の項目のうちのいずれか1つ、及び、列挙内の2つ以上の項目の任意の組み合わせを指す。
【0027】
本明細書で使用されるとき、「又は」という用語は、内容がそうでない旨を特に明示しない限り、概して「及び/又は」を含む通常の意味で使用される。用語「及び/又は」は、列挙された要素のうちの1つ若しくは全て、又は列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0028】
端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含み、あるいは10以下は、10、9.4、7.6、5、4.3、2.9、1.62、0.3などを含む)。値の範囲が特定の値「まで」又は「少なくとも」特定の値である場合、その値は、その範囲内に含まれる。
【0029】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有する(having)」、「含む(include)」、「含む(including)」、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などは、オープンエンドの意味で用いられ、通常、「含むが、これらに限定されない」という意味である。「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」などは、「含む(comprising)」などに包含されることが理解されるであろう。本明細書で使用される場合、「から本質的になる」は、組成物、生成物、方法などに関する場合、その組成物、生成物、方法などの構成要素が、列挙されている構成要素と、その組成物、生成物、方法などの基本的特性及び新規の特性に対して実質的に影響を及ぼさない任意の他の構成要素とに限定されることを意味する。
【0030】
「好ましい」及び「好ましくは」という単語は、ある特定の状況においてある特定の利益を供し得る実施形態を指す。ただし、他の実施形態もまた、同じ又は他の状況下で好ましい場合がある。更には、1つ以上の好ましい実施形態の記載は、他の実施形態が有用ではないことを示唆するものではなく、特許請求の範囲を含む本開示の範囲から他の実施形態を排除することを意図するものではない。
【0031】
本明細書において言及される任意の方向、例えば、「前」、「後」、「頂部」、「底部」、「左」、「右」、「上側」、「下側」、並びに他の方向及び向きは、本明細書では、図に関する明確性のために記載されるものであり、実際のデバイス若しくはシステム、又はデバイス若しくはシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載されるようなデバイス又はシステムは、いくつかの方向及び向きで使用することができる。
【0032】
「下流」及び「上流」という用語は、デバイスを通る呼気気流の方向に基づく相対位置を指す。例えば、デバイスの最も上流の要素は、マウスピース要素であり、デバイスの最も下流の要素は、呼気出口要素である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、サンプル収集デバイス及びシステムに関する。本開示は、バイオエアロゾル収集デバイス及びシステムに関する。
【0034】
サンプル収集デバイスは、デバイスハウジング内に、デバイスハウジングによって画定された気流チャネルに沿って配置された多孔性サンプル収集媒体を含む。流体の計量用量は、多孔性サンプル収集媒体を通過し、多孔性サンプル収集媒体に結合され得る病原体又はウイルスを運び去る。次いで、流体の計量用量を分析することができる。流体の計量用量は、ハウジングに取り付けられ得、その流体の計量用量を、デバイスハウジングを通して多孔性サンプル収集媒体上へ伝達することができる。
【0035】
特に、本開示は、マウスピース又は呼気受容部分から空気出口部分まで延びるハウジングを含むサンプル収集デバイスに関する。ハウジングは、マウスピース部分から空気出口部分への気流チャネルを画定する。マウスピース又は呼気受容部分は、口又は鼻のうちの1つ以上から呼気気流を受容するように構成される。例えば、マウスピース又は呼気受容部分は、口との接触によって、又は鼻/鼻孔との接触によって、又はそれぞれ個々に若しくは集合的に接触することによって、呼吸することができる。マウスピース又は呼気受容部分によって受容される呼気気流は、口呼気又は鼻呼気の一方又は両方であり得る。本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、エアロゾルの口又は鼻からの呼気を受容することができる呼気受容部分を指すように意味する。
【0036】
多孔性サンプル収集媒体は、ハウジング内に気流チャネルに沿って配置される。流体入口ポートは、ハウジングを通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体に隣接する。流体入口ポートは、多孔性サンプル収集媒体上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素は、流体入口ポートに取り付けられる。計量流体用量要素は、流体入口ポート内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【0037】
多孔性サンプル収集媒体は、気流チャネルに沿って配置又は固定されてもよい。多孔性サンプル収集媒体は、必要に応じて、交換可能であり得、及びユーザによって交換されてもよい。例えば、ユーザは、サンプル収集デバイス内に息を吐き出し、多孔性サンプル収集媒体に呼気気流のサンプルを装填して、装填された多孔性サンプル収集媒体を形成することができる。次いで、ユーザは、装填された多孔性サンプル収集媒体を試験することができる。試験は、装填された多孔性サンプル収集媒体がサンプル収集デバイス内の所定の位置にある状態で行われてもよく、又はユーザが、装填された多孔性サンプル収集媒体を試験のためにサンプル収集デバイスから取り出してもよい。次いで、ユーザは、装填された多孔性サンプル収集媒体を装填されていない多孔性サンプル収集媒体と交換して、サンプル収集デバイスに入れることができる。多孔性サンプル収集媒体は、本明細書では平面要素を画定するものとして示されているが、多孔性サンプル収集媒体は、ハウジング内に気流チャネルに沿って配置されると、任意の形状を画定することができることが理解される。
【0038】
計量流体用量要素は、流体入口ポートに取り付けられてもよい。計量流体用量要素は、流体入口ポートに恒久的に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、計量流体用量要素は、流体入口ポートと一体であってもよい。計量流体用量要素は、流体入口ポートに取り外し可能に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、計量流体用量要素は、流体入口ポート上への交換可能な要素であってもよい。
【0039】
計量流体用量要素は、
図1~
図10に示すように、ハウジングから直角に延びてもよい。あるいは、計量流体用量要素は、任意の角度でハウジングから延びてもよい。
【0040】
計量流体用量要素は、任意の形状を画定することができる。計量流体用量要素は、計量流体用量要素がハウジングに向かって移動すると、計量流体用量要素から流体を放出する、
図1~
図10に示すようなキャップ又はエンドキャップの形状を画定することができる。
【0041】
計量流体用量要素は、変形可能であってもよく、ユーザが計量流体用量要素の変形可能な表面を圧搾すると、計量流体用量要素から流体を放出するように構成されてもよい。
【0042】
マウスピース部分及び空気出口部分は、単一のハウジングを一体に形成してもよい。あるいは、マウスピース部分及び空気出口部分の一方又は両方が、ハウジングの他の部分から取り外され得る別個の本体であってもよい。
【0043】
流体は、流体入口ポートを通して展開されて、装填された多孔性サンプル収集媒体上に印加されてもよい。流体は、装填された多孔性サンプル収集媒体の表面及び厚さを通って移動し、装填された多孔性サンプル収集媒体上に存在していた任意のウイルス又は病原体を運ぶ多孔性サンプル収集媒体から流れ出ることができる。次いで、この装填された流体が、本明細書に記載されるように、収集及び試験され得る。
【0044】
サンプル収集デバイスは、装填された多孔性サンプル収集媒体上に圧力を印加するように構成されている、押圧要素を含んでもよい。この押圧要素は、収集及び試験のために、装填された多孔性サンプル収集媒体から残りの流体を押し出すことができる。押圧要素は、計量流体用量要素に取り付けられてもよく、ここで、計量流体用量要素の移動により、装填された多孔性サンプル収集媒体上に押圧要素を作動させる。
【0045】
一実施形態によれば、サンプル収集システムは、上述のサンプル収集デバイスと、流体収集レセプタクルから流体を受容するように構成されたアッセイと、を含む。
【0046】
アッセイは、サンプル収集デバイスとは別個の要素であってもよい。アッセイは、サンプル収集デバイスに取り付けられるように構成されてもよい。サンプル収集デバイスは、アッセイの少なくとも一部を受容するためのレセプタクルを含んでもよい。サンプル収集デバイスは、アッセイ全体を受容するためのレセプタクルを含んでもよい。アッセイは、サンプル収集デバイスとの交換要素であってもよい。
【0047】
アッセイは、サンプル収集デバイスと一体であってもよい。アッセイは、サンプル収集デバイスのハウジングと一体要素を形成してもよい。
【0048】
別の実施形態によれば、方法は、多孔性サンプル収集媒体を通して呼気を流すことを含む。多孔性サンプル収集媒体は、装填された多孔性サンプル収集媒体を形成する気流チャネル内に配置される。次いで、気流チャネル内に配置された装填された多孔性サンプル収集媒体を通して流体の計量用量を流し、溶出液を形成して、溶出液を収集する。次いで、溶出液が、アッセイを用いて試験され得る。
【0049】
図1は、例示的なサンプル収集デバイス100及びシステム200の前面斜視概略図を示している。これらの図におけるハウジング110は、単に例示の目的のために透明である。
図2は、
図1のサンプル収集デバイス100の後面斜視概略図である。
図3は、
図1のサンプル収集デバイス100の側面概略図である。
【0050】
サンプル収集デバイス100は、マウスピース部分112から空気出口部分114まで延びるハウジング110を含む。ハウジング110は、マウスピース部分112から空気出口部分114への気流チャネル116を画定する。マウスピース部分112は、呼気気流115を受容するように構成される。多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。流体入口ポート130は、ハウジング110を通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体120に隣接する。流体入口ポート130は、多孔性サンプル収集媒体120上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130に取り付けられる。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【0051】
ハウジング110は、プラスチックなどの剛性材料から形成されてもよい。気流チャネル116は、マウスピース部分112の開口部から1つ以上の空気出口を有する空気出口部分114まで延びてもよい。ユーザは、マウスピース部分112の開口部内に息を吐き出し、呼気気流115は、空気出口部分114における1つ以上の空気出口を通ってサンプル収集デバイス100から出ていく。気流チャネル116は、
図1、
図2、及び
図3に示すように、ハウジング110の長手方向軸に沿って長手方向に延びてもよい。あるいは、気流チャネル116は、ハウジング110の中心長手方向軸に沿って同軸に延びてもよい。
【0052】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って固定されてもよい。呼気気流115は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を閉塞し得る。多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有し得る。
【0053】
多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する入射呼気気流115の方向と角度を形成する主平面を有するものとして示されている。この角度は、約91度~約179度の範囲、又は約100度~約160度の範囲、又は約115度~約150度の範囲、又は約125度から約145度の範囲であってもよい。
【0054】
多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された静荷電を有する不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された疎水性不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された静荷電を有する疎水性不織布材料であってもよい。
【0055】
「疎水性」という用語は、90度以上、又は約90度~約170度、又は約100度~約150度の水接触角を有する材料を指す。水接触角は、自動接触角試験機を使用して、シート状材料の表面湿潤性及び吸収性についてのASTM D5727-1997標準試験法を使用して測定される。
【0056】
多孔性サンプル収集媒体120は、ポリマー材料から形成されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、ポリオレフィンから形成されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、ポリプロピレンから形成されてもよい。1つの例示的な多孔性サンプル収集媒体120は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名FILTRETE Smart MPR 1900 Premium Allergen,Bacteria&Virus Air Filter Merv 13で市販されている。
【0057】
多孔性サンプル収集媒体は、例えば、NatureWorks LLC15305 Minnetonka Blvd Minnetonka,MN 55345からの6100Dなどの、ポリラクチド(PLA)から形成されてもよい。多孔性サンプル収集媒体において又は多孔性サンプル収集媒体として使用するための例示的な不織布濾過層材料としては、例えば、これら全てが、その全体が本明細書に組み込まれる、米国特許第7,947,142号、同第8,162,153号、同第9,139,940号、及び同第10,273,612号に記載されるものが挙げられる。
【0058】
サンプル収集媒体は、プリーツ加工されていてもよい。いくつかの実施形態では、プリーツの頻度は、媒体の0.6cm当たり約1プリーツ~媒体の2mm当たり約1プリーツである。いくつかの実施形態では、プリーツの高さは、約2mm~約4mmである。
【0059】
多孔性サンプル収集媒体120は、200~1000マイクロメートル、又は250~750マイクロメートルの範囲の(主平面に対して直交する)厚さを有し得る。多孔性サンプル収集媒体120は、約1cm2~約4cm2、又は約2cm2~約3cm2の範囲の主平面表面積を有し得る。
【0060】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110に直接固定されてもよい。
図3は、多孔性サンプル収集媒体120と接触してそれを支持する、支持要素125を示している。支持要素125は、呼気気流が支持要素125を通過することを可能にするように構成された1つ以上の開口を含む。支持要素125は、ハウジング110に固定されて、気流チャネル116内に配置されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、支持要素125に直接固定されてもよい。
【0061】
計量流体用量要素140は、流体入口ポート130に取り付けられてもよく、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で移動可能であってもよく、第2の流体消耗位置は、第1の流体装填位置よりもハウジングに近くてもよい。第1の流体装填位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を収容し、第2の流体消耗位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を流体入口130内及び多孔性サンプル収集媒体120上に送達する。
図3は、第2の流体消耗位置にある計量流体用量要素140を示している。
【0062】
計量流体用量要素140は、流体の流体リザーバを含むことができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体の流体リザーバを保持し、流体の流体リザーバを解放するように構成された容積を画定することができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体の流体リザーバを保持し、流体の流体リザーバを解放するように構成された容積内に移動するプランジャ要素(後述する)を含んでもよい。1つの例示的な計量流体用量要素140は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名CUROSで市販されている。
【0063】
流体入口ポート130は、ハウジング110の外面から延びる突起を画定することができる。計量流体用量要素140は、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で、突起に移動可能に取り付けられたキャップを画定することができる。
【0064】
多孔性サンプル収集媒体120は、主表面積値を規定し、流体リザーバ142は、容積値を規定し、容積値を表面積値で割った値は、10マイクロリットル/cm2~400マイクロリットル/cm2、又は10マイクロリットル/cm2~250マイクロリットル/cm2、又は50マイクロリットル/cm2~150マイクロリットル/cm2の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、流体リザーバ142は、50マイクロリットル~500マイクロリットルの範囲の容積を画定する。
【0065】
計量流体用量要素140は、ねじ接続を介して流体入口ポート130に移動可能に取り付けられてもよい。したがって、計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140をねじ軸の周りで回転させることによって、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で移動させることができる。
【0066】
計量流体用量要素140によって分注される流体は、水性流体であってもよい。計量流体用量要素140によって分注される流体は、水性緩衝液であってもよい。計量流体用量要素140によって分注される流体は、界面活性剤を有する水性流体であってもよい。計量流体用量要素140によって分注される流体は、生理食塩水であってもよい。計量流体用量要素140によって分注される流体は、界面活性剤を含む生理食塩水であってもよい。計量流体用量要素140によって分注される流体は、0.5重量%~2重量%の界面活性剤を含む生理食塩水であってもよい。
【0067】
サンプル収集デバイス100は、流体入口ポート130から多孔性サンプル収集媒体120に流体を導くように構成された流体流チャネルを更に含んでもよい。流体流チャネルは、毛管作用を介して多孔性サンプル収集媒体120に流体を送達することができる。
【0068】
サンプル収集デバイス100は、ハウジング110内に配置されて、多孔性サンプル収集媒体120から流体を受容するように構成された、流体収集レセプタクル150を含んでもよい。サンプル収集デバイス100は、多孔性サンプル収集媒体120からの流体を導くように構成された第2の流体流チャネルを更に含んでもよい。流体流チャネルは、毛管作用を介して流体を送達することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、サンプル収集デバイス100は、2つ、3つ、4つ、若しくは5つ、又はそれを上回る流体入口ポート130を含んでもよい。各流体入口ポート130は、対応する流体入口ポート130に移動可能に取り付けられた計量流体用量要素140を独立して含んでもよい。2つ以上の計量流体用量要素140は各々、同じ流体材料を含んでもよい。あるいは、2つ以上の計量流体用量要素140のうちの少なくとも1つは、別の計量流体用量要素140に含まれる流体材料とは異なる流体材料を含んでもよい。例えば、各計量流体用量要素140に対して独立して選択された流体は、別の計量流体用量要素140内の、別の独立して選択された流体と相互作用し、反応し、活性化し、不活性化するように選択されてもよい。
【0070】
本開示はまた、サンプル収集システム200を対象とする。サンプル収集システム200は、上述のサンプル収集デバイス100と、流体収集レセプタクル150から流体を受容するように構成されたアッセイ210と、を含む。上述のように、アッセイ210は、単一の本体を形成するサンプル収集デバイス100と一体であってもよく、又はアッセイ210は、ハウジング110から受容及び除去される交換可能な要素であってもよい。
【0071】
ハウジング110は、アッセイ210を受容するように構成された開口を含んでもよい。ハウジング110の開口117は、アッセイ210と嵌合して、ハウジング110の開口内にアッセイの少なくとも一部を受容してもよい。一実施形態では、ハウジング110の開口は、ハウジング内にアッセイ210全体を受容することができる。
【0072】
アッセイ210は、サンプル入口220を含んでもよい。サンプル入口220は、流体収集レセプタクル150と位置合わせされてもよい。多孔性サンプル収集媒体120からの流体は、流体収集レセプタクル150内に流入し、アッセイ210のサンプル入口220内に流入することができる。
【0073】
アッセイ210は、側方流アッセイ又は垂直流アッセイなどの、流動アッセイであってもよい。アッセイ210は、ウイルス又は病原体を検出することができる。アッセイ210は、ウイルス又は病原体の存在又は非存在を示すための試験結果表示ウィンドウを含んでもよい。
【0074】
アッセイは、側方流アッセイ(LFA)又は垂直流アッセイ(VFA)と呼ばれることがあり、これらは一般に、複雑な混合物中の分析物の検出及び定量化のための紙ベースのプラットフォームであり、サンプルが試験デバイス上に配置され、その結果が5~30分以内に表示される。LFAの低い開発コスト及び製造の容易さにより、迅速な試験が必要とされる複数の分野へのその適用の拡大をもたらした。LFAベースの試験は、特定の抗原及び抗体、並びに遺伝子増幅の産物の定性的及び定量的検出のために、病院、診療所、及び臨床検査室において広く使用されている。種々の生物学的サンプルが、アッセイを使用して試験され得る。
【0075】
図1は、多孔性サンプル収集媒体120がアッセイ210のサンプル入口220に隣接し得ることを示している。多孔性サンプル収集媒体120は、サンプル入口220内に流体を直接導くことができる。いくつかの実施形態では、多孔性サンプル収集媒体120は、サンプル入口220と接触していてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、サンプル入口220内に流体を直接導くことができる。
【0076】
図4は、別の例示的なサンプル収集デバイス300の後面斜視概略図である。
図5は、
図4のサンプル収集デバイス300の側面概略図である。
図6は、
図4のサンプル収集デバイス300の前面概略図である。
図7は、
図5のサンプル収集デバイス300の断面概略図である。これらの図は、明確にするために、流体入口ポート130から分解された状態の計量流体用量要素140を示している。
【0077】
この実施形態では、空気は、多孔性サンプル収集媒体120と、多孔性サンプル収集媒体120を取り囲んでいる、
図6に示されるバイパス通気孔との両方を通って流れる。多孔性サンプル収集媒体120の面積に対するバイパス通気孔の面積の比は、多孔性サンプル収集媒体120上への適切なウイルス捕捉を伴って、サンプル収集デバイス300を通る適切な空気流を得るように変更されてもよい。
【0078】
サンプル収集デバイス300は、マウスピース部分112から空気出口部分114まで延びるハウジング110を含む。ハウジング110は、マウスピース部分112から空気出口部分114への気流チャネル116を画定する。マウスピース部分112は、呼気気流115を受容するように構成される。多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。流体入口ポート130は、ハウジング110を通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体120に隣接する。流体入口ポート130は、多孔性サンプル収集媒体120上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130に取り付けられる。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【0079】
ハウジング110は、プラスチックなどの剛性材料から形成されてもよい。気流チャネル116は、マウスピース部分112の開口部から1つ以上の空気出口を有する空気出口部分114まで延びてもよい。ユーザは、マウスピース部分112の開口部内に息を吐き出し、呼気気流は、空気出口部分114における1つ以上の空気出口を通ってサンプル収集デバイス300から出ていく。気流チャネル116は、ハウジング110の長手方向軸に沿って長手方向に延びてもよい。あるいは、気流チャネル116は、ハウジング110の中心長手方向軸に沿って同軸に延びてもよい。
【0080】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って固定される。呼気気流115は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を閉塞し得る。多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有するものとして示されている。
【0081】
他の実施形態では、多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する入射呼気気流115の方向と角度を形成する主平面を有してもよい。この角度は、約91度~約179度の範囲、又は約100度~約160度の範囲、又は約115度~約150度の範囲、又は約125度から約145度の範囲であってもよい。
【0082】
多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された静荷電を有する不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された疎水性不織布材料であってもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、呼気気流115から病原体又はウイルスを濾過するように構成された静荷電を有する疎水性不織布材料であってもよい。
【0083】
多孔性サンプル収集媒体120は、本明細書に記載される材料のいずれかから形成されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110に直接固定されてもよい。
図7は、多孔性サンプル収集媒体120と接触してそれを支持する、支持要素125を示している。支持要素125は、呼気気流が支持要素125を通過することを可能にするように構成された1つ以上の開口を含む。支持要素125は、ハウジング110に固定されて、気流チャネル116内に配置されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、支持要素125に直接固定されてもよい。
【0084】
計量流体用量要素140は、少なくとも第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で流体入口ポート130に移動可能に取り付けられてもよく、第2の流体消耗位置は、第1の流体装填位置よりもハウジングに近い。第1の流体装填位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を収容し、第2の流体消耗位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を流体入口130内及び多孔性サンプル収集媒体120上に送達する。
【0085】
計量流体用量要素140は、流体リザーバ142を含むことができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積を画定することができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積内に移動するプランジャ要素145を含んでもよい。プランジャ要素145は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142から流体を解放するための開口141を含んでもよい。シール要素は、流体リザーバ142内の流体をシールするために、開口141を覆って配置されてもよい。シールは、計量流体用量要素140が第2の流体消耗位置に移動すると、流体の圧力によって破壊され得る。1つの例示的な計量流体用量要素140は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名CUROSで市販されている。
図7は、計量流体用量要素140の断面図を示している。
図1~
図6及び
図8~
図9に示す計量流体用量要素140は、
図7の断面図で本明細書に示されるこれらの要素を含む。
【0086】
流体入口ポート130は、ハウジング110の外面から離れるように延びる突起132を画定することができる。計量流体用量要素140は、少なくとも第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で突起132に移動可能に取り付けられたキャップを画定することができる。
【0087】
多孔性サンプル収集媒体120は、主表面積値を規定し、流体リザーバ142は、容積値を規定し、容積値を表面積値で割った値は、10マイクロリットル/cm2~400マイクロリットル/cm2、又は10マイクロリットル/cm2~250マイクロリットル/cm2、又は50マイクロリットル/cm2~150マイクロリットル/cm2の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、流体リザーバ142は、50マイクロリットル~500マイクロリットルの範囲の容積を画定する。
【0088】
計量流体用量要素140は、ねじ接続134を介して流体入口ポート130に移動可能に取り付けられてもよい。したがって、計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140をねじ軸の周りで回転させることによって、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で移動させることができる。
【0089】
計量流体用量要素140によって分注される流体は、本明細書に記載される任意の流体であってもよい。
【0090】
サンプル収集デバイス300は、流体入口ポート130から多孔性サンプル収集媒体120に流体を導くように構成された流体流チャネルを更に含んでもよい。流体流チャネルは、毛管作用を介して多孔性サンプル収集媒体120に流体を送達することができる。
【0091】
サンプル収集デバイス300は、ハウジング110内に配置されて、多孔性サンプル収集媒体120から流体を受容するように構成された、流体収集レセプタクル150を含んでもよい。サンプル収集デバイス300は、多孔性サンプル収集媒体120からの流体を導くように構成された第2の流体流チャネル119を更に含んでもよい。第2の流体流チャネル119は、毛管作用を介して流体を送達することができる。流体収集レセプタクル150は、サンプル収集デバイス300から流体を外に導くように構成された流体出口152を含んでもよい。
【0092】
サンプル収集デバイス300は、ハウジング110内に、気流チャネル116に沿って固定された、プレフィルタ要素160を含んでもよい。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116に沿って、マウスピース要素112と多孔性サンプル収集媒体120との間に配置されてもよい。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116に沿って、マウスピース要素112と流体入口ポート130との間に配置されてもよい。呼気気流115は、プレフィルタ要素160の厚さを通過する。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116を閉塞し得る。
【0093】
プレフィルタ要素160は、プレフィルタ要素160の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有するものとして示されている。プレフィルタ要素160は、プレフィルタ要素160を通過する呼気気流115から、より大きい粒子を濾過除去するように構成された不織布層であってもよい。プレフィルタ要素160は、静荷電を有しない不織布層であってもよい。プレフィルタ要素160は、ウイルス又は病原体を捕捉しないように構成される。プレフィルタ要素160は、ウイルス又は病原体がプレフィルタ要素160を透過することを可能にするように構成される。プレフィルタ要素160は、本明細書に示される実施形態のいずれかに組み込まれてもよい。
【0094】
いくつかの実施形態では、サンプル収集デバイス300は、2つ、3つ、4つ、若しくは5つ、又はそれを上回る流体入口ポート130を含んでもよい。各流体入口ポート130は、対応する流体入口ポート130に移動可能に取り付けられた計量流体用量要素140を独立して含んでもよい。2つ以上の計量流体用量要素140は各々、同じ流体材料を含んでもよい。あるいは、2つ以上の計量流体用量要素140のうちの少なくとも1つは、別の計量流体用量要素140に含まれる流体材料とは異なる流体材料を含んでもよい。上述のように、異なる流体は、サンプル収集デバイス300内への各流体の展開時に、相互作用又は互いに反応するように選択されてもよい。
【0095】
本開示はまた、上述したような、サンプル収集システムを対象とする。サンプル収集システムは、サンプル収集デバイス300と、流体出口152を介して流体収集レセプタクル150から流体を受容するように構成されたアッセイと、を含む。
【0096】
図8は、別の例示的なサンプル収集デバイス400の後面斜視概略図である。
図9は、
図8のサンプル収集デバイス400の側面概略図である。
図10は、
図9のサンプル収集デバイス400の断面概略図である。これらの図は、明確にするために、流体入口ポート130から分解された状態の計量流体用量要素140を示している。
【0097】
サンプル収集デバイス400は、マウスピース部分112から空気出口部分114まで延びるハウジング110を含む。ハウジング110は、マウスピース部分112から空気出口部分114への気流チャネル116を画定する。マウスピース部分112は、呼気気流115を受容するように構成される。多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。流体入口ポート130は、ハウジング110を通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体120に隣接する。流体入口ポート130は、多孔性サンプル収集媒体120上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130に移動可能に取り付けられる。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【0098】
ハウジング110は、プラスチックなどの剛性材料から形成されてもよい。気流チャネル116は、マウスピース部分112の開口部から1つ以上の空気出口を有する空気出口部分114まで延びてもよい。ユーザは、マウスピース部分112の開口部内に息を吐き出し、呼気気流は、空気出口部分114における1つ以上の空気出口を通ってサンプル収集デバイス400から出ていく。気流チャネル116は、ハウジング110の長手方向軸の少なくとも一部に沿って長手方向に延びてもよい。気流チャネル116は、ハウジング110の中心長手方向軸の少なくとも一部に沿って同軸に延びてもよい。
【0099】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。呼気気流115は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を閉塞し得る。多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有し得る。
【0100】
多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する入射呼気気流115の方向と角度を形成する主平面を有するものとして示されている。この角度は、約91度~約179度の範囲、又は約100度~約160度の範囲、又は約115度~約150度の範囲、又は約125度から約145度の範囲であってもよい。
【0101】
多孔性サンプル収集媒体120は、上述の材料のいずれかから形成されてもよい。
【0102】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110に直接固定されてもよい。
図10は、多孔性サンプル収集媒体120と接触してそれを支持する、支持要素125を示している。支持要素125は、呼気気流が支持要素125を通過することを可能にするように構成された1つ以上の開口を含む。支持要素125は、ハウジング110に固定されて、気流チャネル116内に配置されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、支持要素125に直接固定されてもよい。
【0103】
バッフル111は、ハウジング110に直接固定されてもよい。バッフル111は、ハウジング110に固定されて、気流チャネル116内に配置されてもよい。バッフル111は、マウスピース部分112から離れるように流体を導くように構成されてもよい。バッフル111はまた、呼気気流からより大きい粒子をたたき出し、ウイルス又は病原体よりも大きい粒子が多孔性サンプル収集媒体120に到達するのを防止又は低減するように構成されてもよい。バッフル111は、曲がりくねった気流経路を形成して、呼気気流からより大きい粒子をたたき出し、ウイルス又は病原体よりも大きい粒子が多孔性サンプル収集媒体120に到達するのを防止又は低減するように構成された、1つ以上の突起要素を含む。
【0104】
計量流体用量要素140は、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で流体入口ポート130に移動可能に取り付けられてもよく、第2の流体消耗位置は、第1の流体装填位置よりもハウジングに近い。第1の流体装填位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を収容し、第2の流体消耗位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を流体入口130内及び多孔性サンプル収集媒体120上に送達する。
【0105】
計量流体用量要素140は、流体リザーバ142を含むことができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積を画定することができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積内に移動するプランジャ要素145を含んでもよい。プランジャ要素145は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142から流体を解放するための開口141を含んでもよい。シール要素は、開口141を覆い、圧力又は力がシールを破裂させて、流体入口ポート130内に流体を解放するまで、流体リザーバ142内の流体をシールすることができる。1つの例示的な計量流体用量要素140は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名CUROSで市販されている。1つの例示的な計量流体用量要素140は、3M Company(St.Paul MN,U.S.A.)から、商品名CUROSで市販されている。
図10は、計量流体用量要素140の断面図を示している。
図1~
図6及び
図8~
図9に示す計量流体用量要素140は、
図7の断面図で本明細書に示されるこれらの要素を含む。
【0106】
流体入口ポート130は、ハウジング110の外面から離れるように延びる突起132を画定することができる。計量流体用量要素140は、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で突起132に移動可能に取り付けられたキャップを画定することができる。
【0107】
多孔性サンプル収集媒体120は、主表面積値を規定し、流体リザーバ142は、容積値を規定し、容積値を表面積値で割った値は、10マイクロリットル/cm2~400マイクロリットル/cm2、又は10マイクロリットル/cm2~250マイクロリットル/cm2、又は50マイクロリットル/cm2~150マイクロリットル/cm2の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、流体リザーバ142は、50マイクロリットル~500マイクロリットルの範囲の容積を画定する。
【0108】
計量流体用量要素140は、ねじ接続134を介して流体入口ポート130に移動可能に取り付けられてもよい。したがって、計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140をねじ軸の周りで回転させることによって、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で移動させることができる。
【0109】
計量流体用量要素140によって分注される流体は、本明細書に記載される任意の流体であってもよい。
【0110】
サンプル収集デバイス300は、流体入口ポート130から多孔性サンプル収集媒体120に流体を導くように構成された流体流チャネル118を更に含んでもよい。流体流チャネル118は、毛管作用を介して多孔性サンプル収集媒体120に流体を送達することができる。
【0111】
サンプル収集デバイス400は、ハウジング110内に配置されて、多孔性サンプル収集媒体120から流体を受容するように構成された、流体収集レセプタクル150を含んでもよい。サンプル収集デバイス400は、多孔性サンプル収集媒体120からの流体を導くように構成された第2の流体流チャネル119を更に含んでもよい。第2の流体流チャネル119は、毛管作用を介して流体を送達することができる。流体収集レセプタクル150は、サンプル収集デバイス400から流体を外に導くように構成された流体出口152を含んでもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、サンプル収集デバイス400は、2つ、3つ、4つ、若しくは5つ、又はそれを上回る流体入口ポート130を含んでもよい。各流体入口ポート130は、対応する流体入口ポート130に取り付けられた計量流体用量要素140を独立して含んでもよい。2つ以上の計量流体用量要素140は各々、同じ流体材料を含んでもよい。あるいは、2つ以上の計量流体用量要素140のうちの少なくとも1つは、別の計量流体用量要素140に含まれる流体材料とは異なる流体材料を含んでもよい。上述のように、異なる流体は、サンプル収集デバイス400内への各流体の展開時に、相互作用又は互いに反応するように選択されてもよい。
【0113】
本開示はまた、サンプル収集システムを対象とする。サンプル収集システムは、上述のサンプル収集デバイス400と、上述のように、流体出口152を介して流体収集レセプタクル150から流体を受容するように構成されたアッセイと、を含む。
【0114】
【0115】
図11は、取り外し可能なマウスピースを有する別の例示的なサンプル収集デバイス500の後面斜視概略図である。
図12は、
図11のサンプル収集デバイス500の側面概略図である。
図13は、
図12のサンプル収集デバイス500の断面概略図である。
図14は、取り外し可能な流体収集レセプタクルを有する別の例示的なサンプル収集デバイス500の後面斜視概略図である。
図15は、
図14のサンプル収集デバイス500の側面概略図である。
図16は、
図15のサンプル収集デバイス500の断面概略図である。
【0116】
図11~
図15は、交換可能なマウスピース部分112及び流体収集レセプタクル150を除いた、同じサンプル収集デバイス500である。ユーザは、サンプル収集デバイス500のマウスピース部分112内に息を吐き出し、次いで、マウスピース部分112を流体収集レセプタクル150と交換し、上述されるように、流体収集レセプタクル150による収集、及びその後の試験のために流体を解放する。
【0117】
サンプル収集デバイス500は、マウスピース部分112から空気出口部分114まで延びるハウジング110を含む。ハウジング110は、マウスピース部分112から空気出口部分114への気流チャネル116を画定する。マウスピース部分112は、呼気気流115を受容するように構成される。多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。流体入口ポート130は、ハウジング110を通る開口を画定し、多孔性サンプル収集媒体120に隣接する。流体入口ポート130は、多孔性サンプル収集媒体120上に流体を導くように構成される。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130に移動可能に取り付けられる。計量流体用量要素140は、流体入口ポート130内に流体の計量容積を分注するように構成される。
【0118】
ハウジング110は、プラスチックなどの剛性材料から形成されてもよい。気流チャネル116は、マウスピース部分112の開口部から1つ以上の空気出口を有する空気出口部分114まで延びてもよい。ユーザは、マウスピース部分112の開口部内に息を吐き出し、呼気気流は、空気出口部分114における1つ以上の空気出口を通ってサンプル収集デバイス500から出ていく。気流チャネル116は、ハウジング110の長手方向軸に沿って長手方向に延びてもよい。気流チャネル116は、ハウジング110の中心長手方向軸に沿って同軸に延びてもよい。
【0119】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110内に気流チャネル116に沿って配置される。呼気気流115は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。多孔性サンプル収集媒体120は、気流チャネル116を閉塞し得る。多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有し得る。
【0120】
多孔性サンプル収集媒体120は、多孔性サンプル収集媒体120の厚さを通過する入射呼気気流115の方向と角度を形成する主平面を有するものとして示されている。この角度は、約91度~約179度の範囲、又は約100度~約160度の範囲、又は約115度~約150度の範囲、又は約125度から約145度の範囲であってもよい。
【0121】
多孔性サンプル収集媒体120は、本明細書に記載される任意の材料から形成されてもよい。
【0122】
多孔性サンプル収集媒体120は、ハウジング110に直接固定されてもよい。
図13及び
図16は、多孔性サンプル収集媒体120と接触してそれを支持する、支持要素125を示している。支持要素125は、呼気気流が支持要素125を通過することを可能にするように構成された1つ以上の開口を含む。支持要素125は、ハウジング110に固定されて、気流チャネル116内に配置されてもよい。多孔性サンプル収集媒体120は、支持要素125に直接固定されてもよい。
【0123】
計量流体用量要素140は、第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で流体入口ポート130に移動可能に取り付けられたプランジャ要素145を含んでもよく、第2の流体消耗位置は、第1の流体装填位置よりもハウジングに近い。第1の流体装填位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を収容し、第2の流体消耗位置では、計量流体用量要素140は、流体の計量容積を流体入口130内及び多孔性サンプル収集媒体120上に送達する。
【0124】
計量流体用量要素140は、流体リザーバ142を含むことができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積を画定することができる。計量流体用量要素140は、計量流体用量要素140が第1の流体装填位置から第2の流体消耗位置に移動すると、流体リザーバ142を保持し、流体リザーバ142を解放するように構成された容積内に移動するプランジャ要素145を含んでもよい。
図13及び
図16は、計量流体用量要素140の断面図を示している。流体リザーバ142は、流体リザーバ142内に流体を収容するための第1のシール143及び第2のシール146を含むことができる。プランジャ145は、第1のシール143を貫通し、第2のシール146内に開口141を形成して、流体入口ポート130内に流体を解放することができる。
【0125】
流体入口ポート130は、ハウジング110の外面から離れるように延びる突起132を画定することができる。計量流体用量要素140は、少なくとも第1の流体装填位置と第2の流体消耗位置との間で突起132に移動可能に取り付けられたプランジャ要素145を含んでもよい。
【0126】
多孔性サンプル収集媒体120は、主表面積値を規定し、流体リザーバ142は、容積値を規定し、容積値を表面積値で割った値は、10マイクロリットル/cm2~400マイクロリットル/cm2、又は10マイクロリットル/cm2~250マイクロリットル/cm2、又は50マイクロリットル/cm2~150マイクロリットル/cm2の範囲内であってもよい。いくつかの実施形態では、流体リザーバ142は、50マイクロリットル~500マイクロリットルの範囲の容積を画定する。
【0127】
計量流体用量要素140によって分注される流体は、本明細書に記載される任意の流体であってもよい。
【0128】
サンプル収集デバイス500は、マウスピース112内に気流チャネル116に沿って固定された、プレフィルタ要素160を含んでもよい。あるいは、プレフィルタ要素160は、気流チャネル116に沿って、マウスピース要素112と多孔性サンプル収集媒体120との間に配置されてもよい。呼気気流115は、プレフィルタ要素160の厚さを通過する。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116を少なくとも部分的に閉塞する。プレフィルタ要素160は、気流チャネル116を閉塞し得る。
【0129】
プレフィルタ要素160は、プレフィルタ要素160の厚さを通過する呼気気流115の方向に対して直交する主平面を有するものとして示されている。プレフィルタ要素160は、プレフィルタ要素160を通過する呼気気流115から、より大きい粒子を濾過除去するように構成された不織布層であってもよい。プレフィルタ要素160は、静荷電を有しない不織布層であってもよい。プレフィルタ要素160は、ウイルス又は病原体を捕捉しないように構成される。プレフィルタ要素160は、ウイルス又は病原体がプレフィルタ要素160を透過することを可能にするように構成される。プレフィルタ要素160は、本明細書に示される実施形態のいずれかに組み込まれてもよい。
【0130】
サンプル収集デバイス500は、流体入口ポート130から多孔性サンプル収集媒体120に流体を導くように構成された流体流チャネルを更に含んでもよい。流体流チャネルは、毛管作用を介して多孔性サンプル収集媒体120に流体を送達することができる。
【0131】
サンプル収集デバイス500は、本体110内に配置されて、多孔性サンプル収集媒体120から流体を受容するように構成された、流体収集レセプタクル150を含んでもよい。サンプル収集デバイス500は、多孔性サンプル収集媒体120からの流体を導くように構成された第2の流体流チャネルを更に含んでもよい。第2の流体流チャネルは、毛管作用を介して流体を送達することができる。流体収集レセプタクル150は、サンプル収集デバイス500から流体を外に導くように構成された流体出口152を含んでもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、サンプル収集デバイス500は、2つ、3つ、4つ、若しくは5つ、又はそれを上回る流体入口ポート130を含んでもよい。各流体入口ポート130は、対応する流体入口ポート130に移動可能に取り付けられた計量流体用量要素140を独立して含んでもよい。2つ以上の計量流体用量要素140は各々、同じ流体材料を含んでもよい。あるいは、2つ以上の計量流体用量要素140のうちの少なくとも1つは、別の計量流体用量要素140に含まれる流体材料とは異なる流体材料を含んでもよい。上述のように、異なる流体は、サンプル収集デバイス500内への各流体の展開時に、相互作用又は互いに反応するように選択されてもよい。
【0133】
本開示はまた、サンプル収集システムを対象とする。サンプル収集システムは、上述のサンプル収集デバイス500と、流体出口152を介して流体収集レセプタクル150から流体を受容するように構成されたアッセイと、を含む。
【0134】
本明細書で言及した全ての参考文献及び刊行物は、これらが本開示に直接矛盾し得る場合を除き、これらの全体が参照により本開示に明示的に組み込まれる。特定の実施形態が本明細書において図示及び説明されているが、図示及び記載されている特定の実施形態は、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な代替的実施態様及び/又は等価の実施態様によって置き換えられ得ることが、当業者には理解されよう。本開示は、本明細書に記載される例示的な実施形態及び実施例によって不当に制限されるものではないこと、並びにそのような実施例及び実施形態は、本明細書に記載される特許請求の範囲によってのみ制限されることが意図される本開示の範囲内の単なる例示として示されることを理解されたい。
【国際調査報告】