(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】仕分け装置
(51)【国際特許分類】
B65G 47/44 20060101AFI20240201BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20240201BHJP
B65G 17/10 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
B65G47/44
B65G47/46 B
B65G47/46 E
B65G47/46 H
B65G17/10 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548569
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022052959
(87)【国際公開番号】W WO2022171599
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523302016
【氏名又は名称】トリノベート ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハースター,パトリック テオドルス ヨハネス
(72)【発明者】
【氏名】シルダー,ニコラス ピーテル
【テーマコード(参考)】
3F015
【Fターム(参考)】
3F015AA06
3F015EA00
3F015FA02
3F015GA01
(57)【要約】
仕分け装置(1)は、物品を支持し且つ搬送方向(X)に搬送する為のコンベヤ(3)と、搬送方向(X)の所定の位置(A)でコンベヤ(3)から物品を選択的に搬出する為の搬出システム(10、13)と、コンベヤ(3)から搬出された物品を受け取る為の夫々の入口(6)を備えている複数の受取ユニット(2)とを備えている。複数の入口(6)は、コンベヤ(3)と平行にコンベヤ(3)から離れた位置で互いに後ろに配置され、及び入口(6)の各々は上流端(7)と、上流端(7)から搬送方向(X)に距離を置いて位置する下流端(8)とを有する。仕分け装置(1)が、搬出システム(10、13)と、夫々の受取ユニット(2)の入口(6)の上流端(7)及び下流端(8)のうちの少なくとも一方と協働する変位可能なガイド(12、12’、14、14’)を備えている。各ガイド(12、12’、14、14’)が、搬出物品を選択された受取ユニット(2)の入口(6)まで案内する為の第1の位置(12、14)を有し、第1の位置(12、14)において、ガイド(12、12’、14、14’)は、コンベヤ(3)と、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方における前記選択された受取ユニット(2)の入口(6)との間に配置され、仕分け装置(1)が、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方に隣接して位置する別の入口まで、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方に搬出物品の自由な通過を提供する為の第2の位置(12’、14’)を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕分け装置(1)であって、仕分け装置(1)は、物品を支持し且つ搬送方向(X)に搬送する為のコンベヤ(3)と、搬送方向(X)の所定の位置(A)でコンベヤ(3)から物品を選択的に搬出する為の搬出システム(10、13)と、コンベヤ(3)から搬出された物品を受け取る為の夫々の入口(6)を備えている複数の受取ユニット(2)とを備えており、ここで、複数の入口(6)は、コンベヤ(3)と平行にコンベヤ(3)から離れた位置で互いに後ろに配置され、及び入口(6)の各々は上流端(7)と、上流端(7)から搬送方向(X)に距離を置いて位置する下流端(8)とを有し、ここで、仕分け装置(1)が、搬出システム(10、13)と、夫々の受取ユニット(2)の入口(6)の上流端(7)及び下流端(8)のうちの少なくとも一方と協働する変位可能なガイド(12、12’、14、14’)を備えており、ここで、各ガイド(12、12’、14、14’)が、搬出物品を選択された受取ユニット(2)の入口(6)まで案内する為の第1の位置(12、14)を有し、第1の位置(12、14)において、ガイド(12、12’、14、14’)は、コンベヤ(3)と、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方における前記選択された受取ユニット(2)の入口(6)との間に配置され、仕分け装置(1)が、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方に隣接して位置する別の入口まで、上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方に搬出物品の自由な通過を提供する為の第2の位置(12’、14’)を有することを特徴とする、仕分け装置(1)。
【請求項2】
前記ガイド(14)が、その第1の位置において、前記選択された受取ユニット(2)の入口(6)の上流端(7)及び下流端(8)のうちの前記少なくとも一方から、前記搬送方向に見て前記選択された受取ユニット(2)の入口(6)の外側方向に延在している、請求項1に記載の仕分け装置(1)。
【請求項3】
前記搬出システム(10)が、コンベヤ(3)から搬送方向(X)の横方向に物品を選択的に搬出するように適合されており、ここで、仕分け装置(1)が、コンベヤ(3)と入口(6)との間にあるスライド面(11)を備えており、該スライド面(11)上で、搬出物品が、動作条件下でスライド面(11)上をコンベヤ(3)から入口(6)へ移動し、ここで、前記第1の位置において、複数のガイド(12)が前記夫々の下流端(8)に配置されており、及び複数のガイド(12)の各々が、移動する搬出物品を前記選択された受取ユニット(2)の入口(6)へとスライド面(11)上で案内する為に、スライド面(11)の上方に障害物を形成し、ここで、前記第2の位置において、複数のガイド(12’)の各々が、下流端(8)の下流に位置する別の入口まで、スライド面(11)上の搬出物品に自由な通過を提供する、請求項1又は2に記載の仕分け装置(1)。
【請求項4】
前記複数のガイド(12、12’)の各々が、前記第1の位置においてスライド面(11)の上方に突出し、且つ前記第2の位置においてスライド面(11)の下方にあるように又はスライド面(11)と同一平面になるように変位可能である、請求項3に記載の仕分け装置(1)。
【請求項5】
前記複数のガイドの各々がプレート(12、12’)であり、該プレート(12、12’)は、直立し、且つ前記第1の位置において搬送方向(X)に対して横方向に延在する、請求項3又は4に記載の仕分け装置(1)。
【請求項6】
プレート(12、12’)がスライド面(11)に対して旋回可能であり、ここで、プレート(12、12’)が、前記第2の位置よりも前記第1の位置においてスライド面(11)に対してより大きな角度を有する、請求項5に記載の仕分け装置(1)。
【請求項7】
プレート(12、12’)が、前記第2の位置においてスライド面(11)と同一平面である、請求項6に記載の仕分け装置(1)。
【請求項8】
前記搬出システム(10)が、コンベヤ(3)において少なくとも部分的に設けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の仕分け装置(1)。
【請求項9】
コンベヤ(3)が複数のキャリア(4)を備えており、該複数のキャリア(4)は互いに旋回可能に連結され、且つ少なくとも水平方向に、湾曲部を含む閉ループを辿る、請求項1~8のいずれか一項に記載の仕分け装置(1)。
【請求項10】
前記搬出システムが、キャリア(4)の各々において搬出機構を備えている、請求項8及び9に記載の仕分け装置(1)。
【請求項11】
キャリア(4)が、物品を支持する為のトレイを備えており、ここで、前記トレイが、物品を前記トレイから搬出する為に前記搬出機構によって傾斜可能である、又はキャリア(4)が、物品を支持する為のトレイ(9)を備えており、ここで、前記搬出機構が、前記物品をトレイ(9)から押し出す為の押圧要素(10)を備えている、又は前記キャリアが、物品を支持する為のクロスベルトを備えており、ここで、前記クロスベルトが前記搬出機構によって駆動可能である、又はキャリア(4)が、物品を支持する為の閉位置と物品を搬出する為の開位置とを有する傾斜可能なトレイ(13)を備えており、ここで、トレイ(13)が、搬送方向(X)に対して横方向に延在する旋回軸の周りを前記搬出機構によって旋回可能である、請求項10に記載の仕分け装置(1)。
【請求項12】
スライド面(11)が、前記コンベヤから入口(6)への方向に下方に傾斜している、請求項1~11のいずれか一項に記載の仕分け装置(1)。
【請求項13】
前記第1の位置において、ガイド(12)が夫々の上流端(7)に配置されており、及び前記受取ユニットの入口(6)がコンベヤ(3)の下に配置されており、ここで、前記第1の位置にある前記ガイドが、上流端(7)の上流に位置する前記近傍の入口(6)を少なくとも部分的に妨げるように配置されていてもよく、及び前記第2の位置において、上流端(7)の上流に位置する前記近傍の入口(6)まで、搬出物品の自由な通過を提供するように配置されていてもよい、請求項1又は2に記載の仕分け装置(1)。
【請求項14】
前記コンベヤが一連のキャリア(4)を備えており、各キャリア(4)には、物品を支持する為の閉位置と物品を搬出する為の開位置とを有する傾斜可能なトレイ(13)が設けられており、ここで、トレイ(13)が搬送方向(X)に対して横方向に延在する旋回軸の周りを旋回可能である、請求項13に記載の仕分け装置(1)。
【請求項15】
隣接する入口(6)の上流端(7)と下流端(8)とが一致する、請求項1~14のいずれか一項に記載の仕分け装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は仕分け装置(sorting device)に関し、該仕分け装置は、物品を支持し且つ搬送方向に搬送する為のコンベヤと、該搬送方向の所定の位置で該コンベヤから物品を選択的に搬出する為の搬出システム(discharging system)と、該コンベヤから搬出物品(discharged product)を受け取る為の夫々の入口を備えている複数の受取ユニットを備えており、ここで、複数の該入口は、該コンベヤと平行に該コンベヤから離れた位置で互いに後ろに配置され、及び該入口の各々は上流端と、該上流端から該搬送方向に距離を置いて位置する下流端とを有する。
【背景技術】
【0002】
そのような仕分け装置は、従来技術において既知である。該既知の仕分け装置は、異なる宛先に送られなければならない物品を仕分けする為に適用される。該複数の受取ユニットの各々は、或る宛先に対応しうる。高い仕分け能力を発揮する為に、該コンベヤは通常、高速で走行する。結果として、該複数の受取ユニットのうちの1つに向けられた物品が、選択された1つの該受取ユニットの該入口の上流端の上流位置において、該搬出システムによって既に搬出されている場合がある。該コンベヤを出た後、該搬出物品は、該搬送方向と該搬送方向に垂直な方向との両方に、該選択された受取ユニットの該入口に向かって移動する。該搬送方向における各入口の長さは、夫々の該搬出物品によって辿られる予想経路に基づく。パラメータ、例えば、該物品のサイズ、形状、重量及び重心、物品が配置される該コンベヤ上の位置、該コンベヤの速度、及び該コンベヤを出る物品の速度、の変動が大きくなることにより、該コンベヤと該入口との間で様々な物品によって辿られる経路の変動が大きくなる場合があり、従って、該搬送方向において、長い入口を必要とする。このことは、必要な床面積の観点から望ましくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、コンパクトな仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的の為に、本発明に従う仕分け装置は、搬出システム、及び夫々の受取ユニットの入口の上流端又は下流端のうちの少なくとも一方と協働する変位可能なガイドを備えており、各ガイドは、搬出物品を選択された受取ユニットの入口に案内する為の第1の位置を有し、ここで、各ガイドは、該コンベヤと、該選択された受取ユニットの該入口の該上流端及び該下流端のうちの少なくとも一方との間に配置され、及び各ガイドは、該上流端及び該下流端のうちの少なくとも一方に隣接して配置された別の入口まで、該搬出物品の自由な通過を提供する第2の位置を有する。
【0005】
選択された受取ユニットに物品が向けられている場合、該搬出システムは、該物品を該コンベヤから搬出する為に搬出動作を開始することができる。同時に、該搬出システムはまた、該選択された受取ユニットの入口の上流端及び下流端のうちの少なくとも一方と協働するところのガイドをその第1の位置に配置して、該搬出物品を該選択された受取ユニットの該入口まで案内することができる。
【0006】
物品は、該搬送方向の所定の位置で該コンベヤから搬出され、相対的に速やかに該コンベヤを出ると、その上流端近傍の該選択された受取ユニットの該入口に進入しうる。同じ受取ユニットに到達させる為に、該搬送方向の同じ位置で該物品の搬出動作が開始されるが、例えば該コンベヤの異なる位置に配置されている為に、該物品は更に下流で該コンベヤを出るか、及び/又は該搬送方向に垂直な方向に該コンベヤから該入口に向かって相対的に低速で該物品が移動する場合は、該物品は該入口の該下流端を通過し、該選択された受取ユニットの該入口の該下流端の下流位置、例えば該選択された受取ユニットの該入口の下流にある近傍の入口、に到達する傾向がありうる。第1の位置にある該ガイドが該選択された受取ユニットの該入口の該下流端に位置する場合は、該物品は該ガイドに衝突し、その結果、該選択された受取ユニットの対応する該入口まで強制的に移動させられる場合がある。該ガイドの第2の位置において、該ガイドが物品に対して障害物を形成しないように、該下流端の下流に位置する最寄りの入口まで、搬出物品の自由な通過を提供し、その入口に到達する為に、該物品は該最寄りの入口の上流で早々にコンベヤを出る。この場合、該搬出物品は、妨げられること無しにその第2の位置で該ガイドを通過することができる。
【0007】
その第1の位置にある該ガイドが、該選択された受取ユニットの該入口の該上流端に配置され、これにより、物品が該コンベヤを相対的に速やかに出るか、及び/又は該搬送方向に垂直な方向に該コンベヤから該入口に向かって速やかに移動する場合、該物品は該ガイドに衝突し、その結果該物品が、該選択された受取ユニットの該入口の該上流端の上流位置、例えば該選択された受取ユニットの該入口の上流にある近傍の入口に到達するのにおいてでなく、該選択された受取ユニットの対応する入口まで強制的に移動させられる可能性もある。該ガイドの第2の位置において、該ガイドは、その入口に到達するように意図された物品に対して該ガイドが障害物を形成しないように、該上流端の上流に位置する近傍の入口まで、搬出物品の自由な通過を提供する。
【0008】
変位可能なガイドは、搬出物品が受け取られ且つ所望の入口まで案内される範囲を一時的に延長できる機会を提供する。結果として、各入口の該上流端と該下流端との間の距離が最短にされることができ、従って、これらの入口を互いに近接配置することができる。このことは、該コンベヤに沿って所定の距離にわたって配置される入口の数を相対的に多くすることができ、従って有利には、設置スペースを効率的に使用できることを意味する。
【0009】
第1の位置にある該ガイドは、搬出物品が該上流端及び該下流端のうちの少なくとも一方に隣接して位置する別の入口に進入するときに障害物を形成しうる故に、物品が選択された受取ユニットまで送達された後に、該ガイドを該第1の位置から該第2の位置へと切り替えることができる。該搬出システムは、選択された受取ユニットに物品が向かうときに、該ガイドがまだ該第1の位置にある限り、近傍の受取ユニットに向かう物品を搬出しないように構成されてもよい。
【0010】
該ガイドは、該ガイドの該第1の位置において、該選択された受取ユニットの該入口の該上流端及び該下流端のうちの少なくとも一方から、該搬送方向に見て該選択された受取ユニットの該入口の外側方向に延在してもよい。例えば、該ガイドは、該上流端から該搬送方向とは反対の方向に延在していてもよい。このことは、実際には、該ガイドがその第1の位置にあると、該搬送方向において該入口が長くなることを意味する。
【0011】
特定の実施態様において、該搬出システムは、該コンベヤから該搬送方向の横方向に物品を選択的に搬出するように適合されており、ここで、該仕分け装置は、該コンベヤと該入口との間にあるスライド面を備えており、該スライド面上で、搬出物品が、動作条件下で該スライド面上を該コンベヤから該入口へ移動し、ここで、該第1の位置において、複数の該ガイドが夫々の該下流端に配置されており、及び該複数のガイドの各々が、移動する搬出物品を該選択された受取ユニットの該入口へと該スライド面上で案内する為に、該スライド面の上方に障害物を形成し、ここで、該第2の位置において、該複数のガイドの各々が、該下流端の下流に位置する別の入口まで、該スライド面上の搬出物品の自由な通過を提供する。該搬出動作を開始した後に、搬出物品が幾分遅く該コンベヤを出る場合、及び/又は該搬送方向の横方向に、搬出物品が該スライド面上を相対的に低速で移動する場合、該ガイドがその該第1の位置にあるときに、該選択された受取ユニットの該入口と協働する該ガイドに該物品が衝突する可能性があり、その結果、該物品は該選択された受取ユニットの対応する入口まで強制的に移動させられる。該物品を該選択された受取ユニットまで送達した後、該搬送方向に近傍の入口に到達すべき物品が、該ガイドの上流位置で早々に該コンベヤを出たときに該ガイドによって妨げられないように、該ガイドが該第2の位置に切り替えられてもよい。
【0012】
該複数のガイドの各々は、該ガイドの第1の位置において、該コンベヤに向かう方向に該下流端の延長部を形成してもよい。該ガイドは、該ガイドの第1の位置において、夫々の該下流端と位置合わせされていてもよい。
【0013】
該複数のガイドの各々は、該第1の位置において該スライド面の上方に突出し、且つ該第2の位置において該スライド面の下方にあるように又は該スライド面と同一平面になるように変位可能であってもよい。このことは、該ガイドの第2の位置にあるときに、物品が該ガイドで該スライド面を効率的に利用できることを意味する。
【0014】
単純な実施態様において、該複数のガイドの各々はプレートであり、該プレートは、直立し、且つその第1の位置において該搬送方向に対して横方向に延在する。
【0015】
該プレートは該スライド面に対して旋回可能であってもよく、ここで、該プレートは、その第2の位置よりもその第1の位置において該スライド面に対してより大きな角度を有する。
【0016】
代替的には、該ガイドは、該スライド面の開口部を通って昇降可能であってもよい。
【0017】
該プレートは、その第2の位置において該スライド面と同一平面であってもよい。これにより、該第2の位置にほぼ連続したスライド面を形成することができる。
【0018】
該搬出システムは、該コンベヤにおいて少なくとも部分的に設けられてもよい。このことは、該搬出システムの少なくとも一部が該コンベヤと共に移動することを意味する。該搬出システムの一部を静止させて、物品を搬出する必要があるときに、該コンベヤで該搬出システムの別の部分を駆動させることが可能である。
【0019】
実際の実施態様において、該コンベヤは複数のキャリアを備えており、該複数のキャリアは、互いに旋回可能に連結され、且つ少なくとも水平方向に、湾曲部を含む閉ループを辿る。該キャリアは、垂直方向に移動することがまた可能である。
【0020】
代替の実施態様において、該コンベヤ及び該搬出システムは、周知のスライティングシューソータ(sliding shoe sorter)によって形成されている。
【0021】
該搬出システムが該コンベヤに少なくとも部分的に設けられている場合、該搬出システムは該キャリアの各々において搬出機構を備えていてもよい。
【0022】
搬出機構の様々な実現性があり、例えば、該キャリアは、物品を支持する為のトレイを備えていてもよく、ここで、このトレイは、物品を該トレイから搬出する為に該搬出機構によって傾斜可能であり、又は該キャリアは、物品を支持する為の傾斜可能なトレイを備えていてもよい。ここで、この傾斜可能なトレイは、その下端に、物品を該トレイから搬出する該搬出機構によって開放することができるドアを有し、又は該キャリアは、物品を支持する為のトレイを備えていてもよく、該搬出機構は、該物品を該トレイから押し出す為の押圧要素を備えていてもよく、又は該キャリアは、物品を支持する為のクロスベルトを備えていてもよく、ここで、このクロスベルトは該搬出機構によって駆動可能であり、又は該キャリアは、物品を支持する為の閉位置と物品を搬出する為の開位置とを有する傾斜可能なトレイを備えていてもよく、ここで、このトレイは、所謂ボンベイソータ(bombay sorter)のように、該搬送方向に対して横方向に延在する旋回軸(pivot axis)の周りを該搬出機構によって旋回可能である。該搬出機構は、該搬送方向において、固定された位置で駆動されてもよく、この固定位置は、該夫々の受取ユニットの該入口に対応している。例えば、該搬出システムは、該キャリアが走行するフレームに取り付けられた制御可能なガイドを備えていてもよいが、該キャリアの各々は、該制御可能なガイドのうちの1つと係合して該搬出機構を選択的に駆動するときに、該制御可能なガイドと協働する係合要素を備えている。
【0023】
該スライド面は、該コンベヤを出た後に該物品を下方に押し下げる為に、該コンベヤから該入口への方向に下方に傾斜していてもよい。該物品は、該搬送方向の横方向に移動の速度を上げられてもよく、結果として、該スライド面上の湾曲した経路を辿りうる。
【0024】
代替の実施態様において、該第1の位置において、該ガイドは夫々の上流端に配置されており、及び該受取ユニットの該入口は該コンベヤの下に配置される。この場合、該物品は該コンベヤから障害なく落下する。選択された受取ユニットに物品が向かい、搬出動作を開始した後に相対的に早々に該コンベヤを出る場合は、該物品は該ガイドの第1の位置において、該選択された受取ユニットの該入口まで該物品を案内する為に適した該ガイドに衝突してもよい。
【0025】
該ガイドは、その第1の位置において、該上流端の上流に位置する近傍の入口を少なくとも部分的に妨げるように配置されていてもよく、及びその第2の位置において、該上流端の上流に位置する該近傍の入口まで、搬出物品の自由な通過を提供するように配置されていてもよい。この場合、該ガイドは、その第1の位置において、該搬送方向とは反対の方向に該上流端から延在してもよく、このことは、実際には、該入口をそれらの上流端において一時的に長くできることを意味する。該ガイドは、第1の位置において、該上流端から該搬送方向とは反対の方向に延在し、第2の位置において、該上流端から垂直方向に延在する揺動部材又は揺動プレートであってもよい。
【0026】
該コンベヤは一連のキャリアの列を備えていてもよく、各キャリアには、物品を支持する為の閉位置と物品を搬出する為の開位置とを有する傾斜可能なトレイ、例えば所謂ボンベイソータコンベヤ、が設けられており、ここで、このトレイは、該搬送方向に対して横方向に延在する旋回軸の周りを旋回可能である。
【0027】
隣接する入口の該上流端と該下流端とが一致していることが好ましく、このことはまた空間の効率的な使用につながるからである。
【0028】
実際には、該受取ユニットは夫々のシュートを備えていてもよい。
【0029】
以下、例示として、本発明の実施態様を示す概略図を参照して本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明に従う仕分け装置の1つの実施態様の平面図である。
【
図2】
図2は、
図1と同様の図であり、該仕分け装置の一部を拡大して示す。
【
図4】
図4は、
図3と同様の図であるが、異なる角度から見た図である。
【
図5】
図5は、
図4に示した部分の断面図であり、第1の位置にあるガイドを示す。
【
図6】
図6は、
図5と同様の図であり、第2の位置にあるガイドを示す。
【
図7】
図7は、
図6のVII-VII線に沿った拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図5のVIII-VIII線に沿った断面図である。
【
図9】
図9は、本発明に従う仕分け装置の代替の実施態様の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明に従う仕分け装置1の1つの実施態様を上から見た図であり、及び
図2~
図8は、その詳細な部分を示す。仕分け装置1は受取ユニット2を備えており、宛先毎に物品を仕分けし、及び制御された様式で様々な宛先に受取ユニット2を介して物品を分配するのに好適である。仕分け装置1は、物品を支持し且つ搬送方向Xに搬送する為に適したコンベヤ3を備えている。コンベヤ3は、フレーム5上を走行する複数の別個のキャリア4を備えている。キャリア4は、旋回するリンク(pivoting link)を介して相互連結されており、従って、動作条件下で閉軌道に沿って走行するキャリア4の無端列を形成する。該閉軌道は、水平方向に湾曲部を備えている。
図1において見られるように、キャリア4は該湾曲部において間隔を空けて広がり、該湾曲部を越えて該軌道の直線部分において再度接近する。
【0032】
仕分け装置1には、キャリア4の該列を駆動する駆動手段(図示せず)が設けられている。該駆動手段は、該軌道に沿って配置され、ローラと1以上のキャリア4との間の摩擦を介して、1以上の通過キャリア4と係合して駆動する駆動可能なローラを備えていてもよいが、一列に配置されたキャリア4を駆動する多数の代替手段も想定することができる。例えば、キャリア4は、駆動可能なベルト又はチェーンを介して互いに連結されていてもよい。各キャリア4は、物品を受け取り、且つ意図された位置で選択的に物品を搬出することができる。
【0033】
仕分け装置1は、仕分けされるべき物品が、任意的に手動で、キャリア4上に配置される、1以上のローディングステーション(図示せず)を備えていてもよい。受取ユニット2は、搬出物品が到達するところの夫々のシュート及びボックスを備えている。該ボックスはまた、別のタイプのコンテナ、例えばバッグ等、によって置き換えられてもよい。受取ユニット2の各々は、キャリア4から搬出物品を受け取る入口6を有する。入口6は、該軌道に沿って一列に配置され、入口6の各々は、上流端7と、上流端7から搬送方向Xに距離を置いて位置する下流端8とを有する。図示の実施態様において、隣接する入口6の上流端7と下流端8とは一致しており、隣接する入口6の間に夫々の直立壁を形成する。
【0034】
キャリア4の各々は、物品を支持する為のトレイ9と、トレイ9から物品を押し出す為の押圧要素10の形態の搬出機構とを備えている。押圧要素10は、搬送方向Xの該軌道に沿った所定の位置で、搬送方向Xの横方向にキャリア4から物品を選択的に搬出する為の搬出システムの一部である。押圧要素10は、夫々の受取ユニット2に対応する該軌道に沿った所定の位置で駆動させることができる。これらの位置のうちの2つは、
図2中で文字Aによって示されている。これらの位置Aにおいて、キャリア4の押圧要素10が移動を開始する。該搬出システムは、キャリア4の該列の下方のフレーム5に取り付けられた案内システム(guiding system)を更に備えていてもよく、案内システムは、キャリア4が位置Aのうちの1つを通過するときに、すなわち、キャリア4上の該物品を搬出する必要がある所望の受取ユニット2の入口6にキャリア4が接近するときに、キャリア4の押圧要素10を選択的に駆動させて該要素を案内することができる。
図2は、該物品が到達すべき入口に対応する入口6の上流端7の上流に位置Aが位置することを示す。
【0035】
なお、代替のコンベヤにおいて、搬出動作の開始と、物品をキャリアから取り出す速度とが調節可能であってもよい。
【0036】
仕分け装置1は、コンベヤ3と入口6との間に位置するスライド面11を更に備えている。スライド面11は、コンベヤ3から入口6への方向に下方に傾斜している。この場合、スライド面11は平坦なプレートの上面であり、この平坦なプレートがまた、受取ユニット2の該シュートに位置する。
【0037】
動作条件下で物品がキャリア4のうちの1つを出ると、物品は、選択された受取ユニット2の入口6に向かってスライド面11上を下方にスライドする。押圧要素10及び傾斜したスライド面11に起因して生じる、搬送方向Xにおけるキャリア4の速度と、横方向におけるトレイ9上の該物品の速度とにより、該物品は、スライド面11上の湾曲した経路を辿ってもよい。押圧要素10を駆動した後、物品が相対的に早々にキャリア4を出てもよく、及び/又は搬送方向Xの横方向に高速で移動する場合は、搬送方向Xに見て入口6の上流端7を越えた辺りで、該選択された受取ユニット2の入口6に進入してもよい。押圧要素10を駆動した後、物品が相対的に遅くキャリア4を出てもよく、及び/又は搬送方向Xの横方向に低速で移動する場合は、搬送方向Xに見て該選択された受取ユニット2の入口6の下流端8を通過する傾向があってもよい。
【0038】
後者の状況は、該搬出システム及び入口6の夫々の下流端8と協働するスライド面11における、旋回可能なプレート12、12’の形態の変位可能なガイドによって回避される。各プレートは、参照番号12で示されている第1の位置と、参照番号12’で示されている第2の位置とを有する。該第1の位置において、プレート12は直立して搬送方向Xに対して横方向に延在し、該選択された受取ユニット2の入口6の下流端8でスライド面11の上方に障害物を形成することにより、スライド面11上を移動する搬出物品を選択された入口6まで進ませる。該第2の位置において、プレート12’は、スライド面11上の搬出物品の自由な通過を提供する。後者の状況において、プレート12’はスライド面11と同一平面である。
【0039】
図1及び
図2は、仕分け装置1の機能を示す。各図は、コンベヤ3の連続する走行ステップを単一の図面で示す。これらの図は、2つの異なる受取ユニット2における2つの異なる状況を示す。両方の状況において、キャリア4の押圧要素10は、該搬出物品が到達されるべきユニットとして選択された、受取ユニット2に対応する入口6の各上流端7の上流にある同位置Aで駆動される。
図2の左側の状況において、該物品は、右側の状況よりも早くキャリア4を出て、目的の入口6に向かってより高速で移動する。該左の状況は、該物品の仮想経路Bで示されており、該右の状況は、該物品の仮想経路Cで示されている。仮想経路Cを辿る物品も目的の受取ユニット2に到達する為に、搬送方向Xにおける入口6の長さを相対的に短くすることができる。なお、
図2の該左側の状況において、物品の大きさや形状が類似していることを示しており、該右側の状況はまた、物品の大きさ及び形状が類似していることを示すが、実際には、それは、あらゆる種類の物品が混在していてもよい。
【0040】
目的の各入口6の上流端7にプレート12’が位置する場合、該物品が両方の状況において妨げられることなくこれらのプレート12’を通過できるように、プレート12’はそれらの第2の位置において、スライド面11と同一平面になる。これにより、該搬出システムは、該選択された受取ユニット2の入口6に物品が到達する前に、該コンベヤから早々に該物品を搬出することができる。プレート12’の該第2の位置は、例えば
図6及び
図7において示されている。
【0041】
目的の入口6の下流端8にプレート12が位置する場合、プレート12は直立し、且つ接近する該物品に対して障害物を形成して、該物品を目的の入口6に進入させる。プレート12’のこの第1の位置は、例えば
図5及び
図8に示されている。該物品を目的の入口6まで案内した後、プレート12をその第2の位置に戻すことができる。
図1~
図4は、該第1の位置において、プレート12が対応する下流端8と位置合わせされ、この場合、隣接する2つの入口6の上流端7と下流端8とが一致する為に、上流端7とも位置合わせされることを示す。
【0042】
該選択された受取ユニット2の入口6の下流端8のプレート12が該第1の位置にあるとき、該搬出システムは、搬送方向Xにおいて近傍の入口6に向けられた物品が搬出されることを回避する。
【0043】
該搬出システムは、動作条件下での、プレート12、12’の該第2の位置から該第1の位置への移動と、プレート12、12’がその下流端8に位置する入口6まで送達される該物品を支持する、キャリア4の押圧要素10の移動開始とが同期されるように適合されていてもよい。同様に、該搬出システムは、動作条件下での、プレート12、12’の該第1の位置から該第2の位置への移動と、プレート12、12’がその下流端8に位置する入口6まで該物品を送達している、キャリア4の押圧要素10の移動開始とが同期されるように適合されていてもよいが、プレート12、12’の該第1の位置から該第2の位置への移動は、例えば該物品が該選択された受取ユニットの入口6に進入したことを検出した直後に、より高速で行われてもよい。
【0044】
代替の実施態様において、キャリアの各々は、自身から物品を搬出する為の搬出機構によって、搬送方向に延在する軸を中心に傾斜可能なトレイを備えていてもよく、又は該キャリアの各々は、物品を支持する為のクロスベルトを備えていてもよく、ここで、このクロスベルトは該搬出機構によって駆動可能である。これらの実施態様において、搬送方向Xの横方向における物品の位置は、該コンベヤの該軌道に沿った同じ位置で搬出動作を開始した後に、該軌道に沿ったどの位置で該物品が該キャリアを出るかにより大きな影響を及ぼしうる。
【0045】
図9及び
図10は、本発明に従う該仕分け装置の代替の実施態様を示す。
図1~
図8に示す実施態様の各部に対応する部分には、同じ参照番号を付してある。各図は、コンベヤ3の連続する走行ステップを単一の図面で示す。この場合、コンベヤ3のキャリア4はまた、動作条件下で閉軌道に沿って走行する無端列を形成する。キャリア4の各々は、搬送方向Xに対して横方向に延在する夫々の旋回軸の周りを旋回可能であるところの傾斜可能なトレイ13を有する。トレイ13が閉位置にあるとき、トレイ13は物品を支持する為の支持面を形成する。トレイ13が開放されると、トレイ13上にある物品が搬出される。該搬出システムは、位置Aのうちの1つを通過するとき、すなわち、キャリア4上の物品が到達すべきユニットとして選択された、受取ユニット2の入口6にキャリア4が接近するときに、キャリア4のトレイ13を選択的に開閉することができる案内システムを備えていてもよい。そのようなコンベヤは、典型的には、周知のボンベイソータに使用されている。
【0046】
受取ユニット2は、コンベヤ3から搬出された物品を受け取る為の夫々の入口6を備えている。この場合、該物品は投下後に障害なく下方に落下するので、入口6はコンベヤ3の下方に配置される。隣接する2つの入口6の上流端7と下流端8とは一致している。
図9及び
図10に示す該実施態様は、該搬出システム及び各受取ユニット2の入口6の上流端7と協働する揺動部材(swing member)14、14’の形態の、変位可能なガイドを有する。揺動部材14、14’は、搬送方向(X)に対して水平且つ垂直に延在する軸を中心に旋回可能である。
【0047】
各揺動部材は、
図9及び
図10において14によって示されている第1の位置と、
図9及び
図10において14’によって示されている第2の位置とを有する。該第1の位置において、揺動部材14は、該選択された受取ユニット2の入口6まで搬出された物品を案内することができるように、コンベヤ3と該選択された受取ユニット2の入口6の上流端7との間に配置される。
図9及び
図10に示す状況において、揺動部材14は、その第1の位置において、該物品の送達先である該選択された受取ユニット2の入口6の上流端7に隣接して位置する、最寄りの入口6を部分的に妨げるように方向付けられる。物品が送達された後、揺動部材14は、上流端7に隣接して位置する最寄りの入口6まで、搬出物品の自由な通過を提供する第2の位置14’に戻ることができる。
【0048】
図9及び
図10において、搬出動作の開始が位置Aで示されている。
図9は、小型物品が搬出される状況を示し、
図10は、大型物品が搬出される状況を示す。該小型物品が該大型物品よりも早くコンベヤ3を出ていることが分かる。揺動部材14、14’が該第1の位置にある為に、該選択された受取ユニット2の入口6の上流に位置する入口6まで該小型物品が送達されることが防止される。
【0049】
該搬出システムは、動作条件下で、揺動部材14、14’の該第2の位置から該第1の位置への移動と、揺動部材14、14’がその上流端7に位置する入口6まで送達される該物品を支持する、キャリア4のトレイ13の開放開始とが同期されるように適合されていてもよい。同様に、該搬出システムは、動作条件下で、揺動部材14、14’の該第1の位置から該第2の位置への移動と、揺動部材14、14’がその上流端7に位置する入口6まで該物品を送達している、キャリア4のトレイ13の閉鎖開始とが同期されるように適合されていてもよい。
【0050】
以上のことから、本発明により、搬送方向に相対的に短い入口を設ける機会が提供されることが明らかであろう。
【0051】
本発明は、図面に示され且つ上記で述べられた実施態様に限定されず、特許請求の範囲及び技術的均等物の範囲内で異なる様式で変更されてもよい。
【国際調査報告】