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特表2024-506101食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法
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  • 特表-食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-08
(54)【発明の名称】食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20240201BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20240201BHJP
   B65B 57/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
G01N21/88 J
G01N21/17 A
B65B57/00 A
B65B57/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548584
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 EP2022053497
(87)【国際公開番号】W WO2022171856
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21157016.3
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【弁理士】
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】フェヌ、ファブリツィ
(72)【発明者】
【氏名】マルトニ、ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ブレアス、アレッサンドロ
(72)【発明者】
【氏名】モッティ、エドアルド
【テーマコード(参考)】
2G051
2G059
【Fターム(参考)】
2G051AA11
2G051AB02
2G051AB20
2G051BB01
2G051CA04
2G051CB01
2G051DA06
2G059AA05
2G059BB15
2G059EE02
2G059FF01
2G059HH01
2G059KK04
(57)【要約】
板紙ベースの食品パッケージ(100)の横方向シール(102)の品質を評価するための方法(400)であって、食品パッケージ(100)が長手方向シール(104)を備え、横方向シール(102)に関連して基準インプリント(106)が設けられている、方法(400)が提供される。当該方法(400)は、カメラ(202)によって、横方向シール(102)の画像データを取り込み(S402)、画像データにおいて、基準インプリント(106)の位置を決定し(S404)、画像データにおいて、基準線(104)の位置を決定し(S406)、基準線(104)の位置に対する基準インプリント(106)の位置に基づいて、横方向シール(102)の品質測定データを決定する(S408)、ことを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板紙ベースの食品パッケージ(100)の横方向シール(102)の品質を評価するための方法(400)であって、
前記食品パッケージ(100)は、長手方向シール(108)と、横方向シール(102)と、前記横方向シール(102)に関連する基準インプリント(106)と、を備え、当該方法(400)は、
カメラ(202)によって、前記横方向シール(102)の画像データを取り込み(S402)、
前記画像データにおいて、前記基準インプリント(106)の位置を決定し(S404)、
前記画像データにおいて、基準線(104)の位置を決定し(S406)、
前記基準線(104)の位置に対する前記基準インプリント(106)の位置に基づいて、前記横方向シール(102)の品質測定データを決定する(S408)、
ことを含む方法(400)。
【請求項2】
前記基準線(104)は、前記長手方向シールの端部である、
請求項1に記載の方法(400)。
【請求項3】
前記基準インプリント(106)が、前記食品パッケージ(100)の包装材料における一連の谷及び隆起を備える、
請求項1又は2に記載の方法(400)。
【請求項4】
前記谷及び前記隆起は、前記基準線(104)に平行に延在する、
請求項3に記載の方法(400)。
【請求項5】
前記基準インプリント(106)は、少なくとも3つの谷を備える、
請求項3又は4に記載の方法(400)。
【請求項6】
前記基準インプリント(106)は、前記長手方向シール上に延在する、
請求項1~5のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項7】
前記画像データを取り込むステップ(S402)は、照明軸(B)に沿って光源(204)によって横方向シール(102)を照射するサブステップ(S410)を含み、前記照明軸(B)が、前記カメラ(202)の光軸(A)に対して、40~90度の角度(C)を有する、
請求項1~6のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項8】
前記横方向シール(102)は、赤外光によって照射される、
請求項7に記載の方法(400)。
【請求項9】
前記横方向シール(102)は、前記食品パッケージ(100)の上部又は食品パッケージ(100)の底部にある、
請求項1~8のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項10】
前記品質測定データを決定することは、前記基準線(104)と前記基準インプリント(106)の予め決定されたセクションとの間の距離を決定することを含む、
請求項1~9のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項11】
当該方法(400)は、さらに、
前記品質測定データを包装機に送信し(S412)、
前記品質測定データに基づいて、前記包装機の設定を調整する(S414)、
ことを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法(400)。
【請求項12】
食品パッケージ(100)の横方向シール(102)の品質を評価するための構成(210)であって、
前記食品パッケージ(100)は、長手方向シール(108)と、横方向シール(102)と、前記横方向シール(102)に関連する基準インプリント(106)と、を備え、当該構成(210)は、
前記横方向シール(102)の画像データを取り込むように構成されたカメラ(202)と、
画像処理装置と、を備え、
前記画像処理装置は、
前記画像データにおいて、前記基準インプリント(106)の位置を決定し、
前記画像データにおいて、基準線(104)の位置を決定し、
前記基準線(104)の位置に対する前記基準インプリント(106)の位置に基づいて、前記横方向シール(102)の品質測定データを決定する、
ように構成される、
構成(210)。
【請求項13】
当該構成(210)は、さらに、
前記カメラ(202)の光軸(A)から角度(C)をなす照明軸(B)に沿って、前記横方向シール(102)を照射するように構成された光源(204)と、
を備える、請求項12に記載の構成(220)。
【請求項14】
システム(200)であって、
食品パッケージ(100)を製造するように構成された包装機(212)と、
前記食品パッケージ(100)の横方向シール(102)の品質を評価するための、請求項12又は13に記載の構成(210)と、
を備え、
前記構成(210)は、前記品質測定データを前記包装機(212)に送信するようにさらに構成され、
前記包装機(212)は、さらに、
前記品質測定データを受信し、
前記品質測定データに基づいて設定を調整する、
ように構成される、
システム(200)。
【請求項15】
処理能力を有するデバイス上で実行されたときに、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法(400)を実施するためのプログラムコード部分を保存する、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパッケージング技術に関する。より詳細には、本発明は、食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、食品業界において、食品に欠かせない部分はパッケージである。製品のブランディングや顧客への情報提供の他に、パッケージには食品の安全性を確保するという重要な役割もある。パッケージに使用される包装材料は、輸送中にパッケージが破損しないように、強度と安定性を提供するように設計される。さらに、包装材料は、例えば、バクテリア、細菌、酸素、太陽光等から食品を保護する環境を形成できる。しかし、パッケージで重要なのは包装材料だけではない。パッケージは適切にシールされる必要がある。ロール供給式システムでは、通常、包装材料の両端が重なる部分に沿って長手方向シールを行い、チューブを形成し、その後、チューブの両端に沿って横方向のシールを行い、チューブからパッケージを形成する。
【0003】
食品パッケージの横方向シールの品質を保証するのは容易なことではない。現在、一般的な方法は、一定時間後に食品パッケージのバッチを手作業で評価することである。しかし、この方法で食品パッケージの品質を保証するにはかなりの時間がかかる。したがって、食品パッケージの横方向シールの品質を評価するための改良された方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術の上記で特定された制限の1つ以上を少なくとも部分的に克服することである。特に、食品パッケージの横方向シールの品質を評価するための改善された解決策及びその構成を提供することが目的である。
【0005】
横方向シール中にアンビルによって作成される可能性のある基準インプリント(reference imprint)を使用し、横方向シールの画像データを分析することにより、横方向シールを継続的に監視し、早い段階で対策を講じることができることが認識されている。これはまた、現在の方法と比較して、より時間効率の高いプロセスにもつながる。
【0006】
第1の態様によれば、板紙ベースの食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法であって、食品パッケージは長手方向シールを含み、横方向シールに関連して基準インプリントが設けられている、方法が提供される。本方法は、カメラにより、横方向シールの画像データを取り込み、画像データにおいて、基準インプリントの位置を決定し、画像データにおいて、基準線の位置を決定し、基準線の位置に対する基準インプリントの位置に基づいて、横方向シールの品質測定データを決定する、ことを含む。
【0007】
品質測定データは、横方向シールの品質に関する情報を与えてもよい。また、横方向シールの良し悪しを決める要因に関する情報を与えてもよい。品質測定データは、横方向シールの品質を評価するために使用できる1つ又は複数の数値であってもよい。あるいは、数値以外のものであってもよい。例えば、「良い」、「悪い」等の品質を表すラベルであってもよい。
【0008】
基準インプリントは、包装材料にあるマーク又は一連のマークとして解釈されてもよい。
【0009】
基準インプリント及び基準線は、食品パッケージ上の識別可能な特徴として解釈されてもよく、それらの互いの相対的な位置は、正しく密封された横方向シールを有する食品パッケージにおいて予め定義されている。したがって、この位置の逸脱は、食品パッケージに欠陥があることを示し得る。
【0010】
食品パッケージは、1つ以上の基準線を含んでもよい。品質測定データは、1つ以上の基準線の互いに対する相対位置及び/又は基準インプリントに対する相対位置に基づいて決定されてもよい。
【0011】
横方向シールと基準インプリントの画像データを取り込み、画像データから品質測定データを決定することで、生産ラインを中断することなく、すべての食品パッケージを連続的に評価することができる。
【0012】
基準線は長手方向シールの端であってもよい。横方向シールの重要な部分は、包装材料層の重なり量が原因となる長手方向シールと交差する部分である。したがって、長手方向シールの端を基準線として使用することは、この重要な部分の領域を品質評価の焦点にすることができるという点で有利である。さらに、長手方向シール端部に対する基準インプリントの位置は、横方向シールプロセス中に包装材料がねじれたかどうかの指標となり得る。さらに、長手方向シールの端は、包装材料の厚さが異なるため、画像データから容易に判断できる。
【0013】
基準インプリントは、包装材料中の一連の谷と隆起を備えてもよい。あるいは、基準インプリントは、包装材料中の単一のドットを含んでもよい。一連の谷と隆起のような一連のマークを有する利点は、複数のマークがある場合に、インプリント全体が画像データにおいてより容易に決定され得ることである。また、マークの品質が異なる場合があるため、複数のマークを有することで、画像データの中で最も特徴的なマークを特定し、基準となるマークの位置を決定することができる。さらに、基準インプリントを物理的なマークとすることで、基準インプリントを印刷する場合と比較して画像データ上で判断しやすいという利点もある。
【0014】
隆起及び谷は、基準線に平行に延びてもよい。この利点は、基準線と基準インプリントとの間の距離を容易に決定できることである。
【0015】
基準インプリントは、少なくとも3つの谷を備えてもよい。基準インプリントは、横方向シールに沿って6~10mm延在してもよい。
【0016】
基準インプリントは長手方向シールの上まで延在してもよい。基準インプリントが長手方向シール上に延在することの利点は、インプリントを形成するために横方向シールに加えられる追加の圧力により、長手方向シールが横方向シールと交差する重要な領域のシールを改善し得ることである。
【0017】
画像データを取り込むステップは、照明軸に沿って光源によって横方向シールを照射するサブステップを含んでもよく、照明軸は、カメラの光軸に対して40~90度の角度を形成してもよい。
【0018】
横方向シールを斜めから照射することの利点は、光によって生じる影により、基準インプリント及び/又は基準線の三次元的特徴が画像データにおいて強調できることである。
【0019】
横方向シールは、赤外光によって照射されてもよい。赤外光を使用する利点は、食品パッケージの装飾等の画像データ内の無関係な特徴の存在を低減できることである。
【0020】
横方向のシールは、食品パッケージの上部又は底部にあってもよい。
【0021】
品質測定データを決定することは、基準線と基準インプリントの予め決められたセクションとの間の距離を決定することを含んでもよい。予め決められたセクションは、例えば、基準インプリントが一連の谷及び隆起を含む場合における谷の1つであってもよい。予め決められた区間は、一連の谷と隆起を含む基準インプリントにおいて最も特徴的な谷として選択されてもよい。
【0022】
本方法は、品質測定データを包装機に送信すること、品質測定データに基づいて包装機の設定を調整すること、をさらに含んでもよい。
【0023】
品質評価に基づいて包装機の設定を調整することは、包装機が欠陥のあるパッケージを生産し始めた場合に迅速に調整できるため、食品パッケージの無駄が減るという点で有利である。
【0024】
包装機は、品質測定データに基づいて食品パッケージを廃棄してもよい。
【0025】
第2の態様によれば、食品パッケージの横方向シールの品質を評価するための構成が提供される。食品パッケージは、長手方向シールを備え、横方向シールに関連して基準インプリントが設けられている。
【0026】
本構成は、横断シールの画像データをキャプチャするように構成されたカメラと、画像データにおいて、基準インプリントの位置を決定し、画像データにおいて、基準線の位置を決定し、基準線の位置に対する基準インプリントの位置に基づいて横断シールの品質測定データを決定するように構成された画像処理装置と、を備える。
【0027】
本構成は、カメラの光軸からある角度で照明軸に沿って横方向シールを照明するように構成された光源をさらに備えてもよい。
【0028】
光源は赤外光を発してもよい。角度は40~90度であってもよい。
【0029】
第3の態様によれば、食品パッケージを製造するように構成された包装機と、第2の態様による構成とを備えるシステムが提供される。
【0030】
本構成はさらに、品質測定データを包装機に送信するように構成されてもよい。包装機は、品質測定データを受信し、品質測定データに基づいて設定を調整してもよい。
【0031】
第4の態様によれば、処理能力を有するデバイス上で実行されるときに第1の態様による方法を実施するためのプログラムコード部分を記憶した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0032】
本発明のさらに他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかになるであろう。ある態様に関して説明した同じ特徴及び利点は、明示的に別段の記載がない限り、他の態様にも適用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0033】
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1a】一例として、食品パッケージを斜視図で示す。
図1b図1aの食品パッケージの例を上面図で示す。
図1c図1aの食品パッケージの例を上面図で示す。
図1d図1aの食品パッケージの例を上面図で示す。
図2】一例として、食品パッケージの横方向シールの品質を評価するための構成を示す。
図3a】一例として、横方向シールに基準インプリントを作成するためのアンビルを示す。
図3b】一例として、横方向シールに基準インプリントを作成するためのアンビルを示す。
図4】食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法のステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1aは、一例として食品パッケージ100を示す。食品パッケージ100は、板紙ベースの包装材料から作られてもよい。図示されていないが、包装材料は、カートン層とも呼ばれる板紙層に加えて、板紙層に施された印刷を保護し、また食品パッケージ内に収容された食品と板紙層との直接接触を避けるためのプラスチック層を備えてもよい。食品パッケージ100は、ロール供給式包装機によって製造することができる。食品パッケージ100は、長手方向シール108と横方向シール102とを備える。より具体的には、食品パッケージ100は、2つの横方向シールを備え、食品パッケージの上部に1つ、食品パッケージの底部に1つ備える。長手方向シール108は、包装材料のチューブを形成するために包装機によって形成されてもよい。その後、包装材料のチューブに食品が充填されてもよい。充填されたチューブは、横方向シールによって両端がシールされ、密封された食品パッケージ100が形成される。長手方向シール108は、横方向シールの下端から上端まで食品パッケージ体100に沿って延在する。
【0036】
図1bは、図1aの食品パッケージ100の上面図である。横方向シール102は、包装材料の2つの側面を一緒に押圧することにより形成される。食品パッケージ体100には、横方向シール102に関連して基準インプリント106が設けられている。基準インプリント106は、包装機内で横方向シールを形成する際に、突起を有するアンビルを使用することにより作成されてもよい。このようなアンビルは、図3に関連してさらに示される。
【0037】
食品パッケージ100は、基準線104をさらに備える。基準線104は、品質測定データを決定するために使用されてもよい。基準線104は、ここに例示するように、長手方向シール108の端部であってもよい。あるいは、基準線104は、食品パッケージ体100の縁部と一致する印刷線であってもよい。さらに、品質測定データを決定するために、複数の基準線を組み合わせて使用してもよい。
【0038】
長手方向シール108は、包装材料の2つの端部をシールすることによって形成される。図1bにおいて、基準線104は長手方向シール108の端部、すなわち長手方向シール108の外側で包装材料の他端と重なる包装材料の端部に対応する。基準線104に平行な破線は、食品パッケージ体100の内側で重なる包装材料の端部を表す。したがって、基準線104とそれに平行な破線との間の領域は、この例では長手方向シール108を表している。
【0039】
同様に、横方向シール102に平行な破線は、横方向シール102の重なり合う材料が終わる点を表している。横方向シール102は、図1bに示されているように、この部分の一部を覆っていてもよいし、部分全体を覆っていてもよい。
【0040】
基準インプリント106は、本明細書では黒い部分として図示される一連の谷部、及び谷部の間の部分を指す隆起部を備える。換言すれば、基準インプリント106は、包装材料における物理的マークを備えてもよい。基準インプリント106は、例えば、6~10の谷を含んでもよい。基準インプリント106は、横方向シール102に沿って6~10mm延在してもよい。隆起と谷は基準線104と平行に延在してもよい。板紙をベースとする包装材料を有することにより、食品パッケージ100にインプリントを施すことができる。例えば、プラスチック層のみからなる包装材料では、同じようなインプリントを形成することはできない。別の言い方をすれば、包装材料が持つ特性を利用することで、品質管理を向上させることができる。
【0041】
あるいは、基準インプリント106は単一のマークを備えることができる。単一のマークは、谷であってもよいし、単なる点であってもよい。
【0042】
基準インプリント106は、本明細書に示されるように、長手方向シール108上に延在してもよい。
【0043】
図1bに示した基準線104の代替例を図1c及び図1dに示す。より具体的には、図1cは、基準線104が長手方向シール108の端部ではなく、食品パッケージ100上に印刷されることによって食品パッケージ100上に設けられる例を示している。この例では、基準線104は、基準インプリント106と同じ画像データに取り込むことができる食品パッケージ100上の任意の場所に印刷されてもよい。図1dでは、1本以上の基準線、この非限定的な例では2本の基準線を有することが図示されている。1つの基準線104は、横方向シール102の2つの異なる端部に設けられてもよい。一例として、2本の基準線104は、横方向シール102が正しくシールされたときに位置合わせされ、シールプロセス中にねじれなどが生じたときに位置合わせがずれるように設けられてもよい。
【0044】
追加の例として、食品パッケージ100は、図1a~dに図示されているように、ストロー穴110を含んでもよい。ストロー穴100は基準線104として使用されてもよい。したがって、品質測定データは、ストロー穴110に対する基準インプリント106の位置を決定することによって決定できる。
【0045】
図2は、食品パッケージ100の横方向シール102の品質を評価するシステム200を示す。食品パッケージ100は、図1a~dに関連して説明したような食品パッケージ100であり得る。システム200は包装機212を備える。包装機212は、食品パッケージ100を製造するように構成される。包装機212は、例えば、ロール供給式包装機である。
【0046】
システム200は、食品パッケージ100の横方向シール102の品質を評価するための構成210をさらに備える。構成210は、横方向シール102の画像データ214を取り込むように構成されたカメラ202を備える。構成部210は、画像処理装置206をさらに備える。画像処理装置206は、本明細書で例示するように、カメラ202とは別の装置として設けられてもよい。その場合、画像処理装置206とカメラ202とは互いに通信可能に構成されてもよい。あるいは、画像処理装置206をカメラ202の一部として設けることもできる。
【0047】
画像処理装置206は、画像データにおいて、基準インプリント106の位置を決定するように構成される。画像処理装置206はさらに、画像データにおいて、基準線104の位置を決定するように構成され得る。基準インプリント106及び基準線104の位置の決定は、例えばエッジ検出などのコンピュータビジョン法を用いて行うことができる。
【0048】
画像処理装置はさらに、横方向シール102の品質測定データ216を決定するように構成されてもよい。品質測定データ216は、基準線104の位置に対する基準インプリント106の位置に基づいてもよい。基準線104に対する基準インプリント106の位置に基づくことにより、例えば、包装材料がシールプロセス中にねじれたかどうかを検出することが可能である。
【0049】
構成210は、横方向シール102を照射するように構成された光源204をさらに含んでもよい。光源204は、カメラ202の光軸Aから角度Cで照明軸Bに沿って横方向シール102を照明するように構成されてもよい。角度Cは40度から90度であってもよい。照明は、例えば、影を作ることによって、基準インプリント106及び基準線104の三次元的特徴を強調する目的を果たし得る。光源204は、基準インプリント及び基準線がより容易に決定されるように、食品パッケージ100上の印刷装飾の存在を除去又は低減することを可能にする赤外光を照射してもよい。
【0050】
評価される食品パッケージは、例えば、本明細書に示されているようなコンベア208上で構成部210に連続的に供給することができる。
【0051】
構成210は、品質測定データ216を包装機212に送信するようにさらに構成されてもよい。包装機212は、品質測定データ216を受信するようにさらに構成されてもよい。受信した品質測定データに基づいて、包装機212はその設定を調整するように構成されてもよい。例えば、構成210が、製造された食品パッケージ100に欠陥のある横方向シール102があることを包装機212に伝達した場合、包装機212は、エラーを修正するために横方向シール工程の設定を調整することができる。あるいは、包装機212がそれらの食品パッケージを廃棄できるように、食品パッケージ100のどれ(もしあれば)に欠陥があるかについて構成210が伝達することができる。
【0052】
図2では、構成210は包装機212の後に設けられている。構成210は、包装機212の内部に設けられてもよいことに留意されたい。構成210は、例えば、既存の包装機又は処理ラインに設置することができる。別の例では、構成210は、食品パッケージを製造した包装機から分離されたシステムで使用されてもよい。このようなシステムでは、完成した食品パッケージを連続的に構成210に供給して、横方向シール不良のために廃棄する必要がある食品パッケージがもしあれば、廃棄することを決定できる。
【0053】
図3a及び図3bは、一例として、横方向シール及び基準インプリントを生成するための横方向シールプロセスにおいて使用され得る2つの異なるアンビルを示す。アンビル300は第1の表面302を有してもよい。包装材料は、第1の表面302に押し付けられ、横方向シールを生成することができる。さらに、アンビル300は、第2の表面304、306を有してもよい。第2の表面304、306は、包装材料に基準インプリントを形成することができる。
【0054】
第2の表面304、306は、図3aに示されるように、多数の矩形状の突出部であってもよい。あるいは、第2の表面304、306は、図3bに示されるように、例えば、円形形状を有する単一の突出部であってもよい。突出部の形状、規模及び数は、単なる例示に過ぎず、非限定的な例とみなされるべきであることに留意されたい。
【0055】
図4は、板紙ベースの食品パッケージの横方向シールの品質を評価する方法400のステップを示すフローチャートである。ここで、食品パッケージは長手方向シールを備え、横方向シールに関連して基準インプリントが設けられている。
【0056】
最初のステップS402において、横方向シールの画像データがカメラによって取り込まれてもよい。
【0057】
第2のステップS404において、画像データ中の基準インプリントの位置が決定されてもよい。
【0058】
第3のステップS406において、画像データ中の基準線の位置が決定されてもよい。
【0059】
第4のステップS408において、横方向シールの品質測定データが決定されてもよい。これは、基準線と基準インプリントの予め決められたセクションとの間の距離を決定することを含んでもよい。
【0060】
オプションとして、第1のステップS402において、光源によって横方向シールを照射するサブステップS410を含んでもよい。
【0061】
オプションとして、第5ステップS412において、品質測定データを包装機に送信してもよい。
【0062】
オプションとして、第6ステップS414において、品質測定データに基づいて包装機の設定を調整してもよい。
【0063】
特定の順序で説明された場合であっても、様々なステップを他の順序で実行し、又は複数回実行してもよい。
【0064】
以上の説明から、本発明の様々な実施形態を説明し示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲に定義される主題の範囲内で他の方法で具体化してもよい。
【0065】
本発明の様々な態様は、以下に列挙する例示的な実施形態(EEE)から理解され得る:
【0066】
EEE1.
板紙ベースのサンプル食品パッケージ100の横方向シール102の品質を評価する方法であって、前記サンプル食品パッケージ100が長手方向シール108を含み、前記横方向シール102に関連して基準インプリント106が設けられており、当該方法は、
カメラ202によって、少なくとも前記横方向シール102と前記基準インプリント106を示すサンプル画像データを取り込むステップと、
前記サンプル画像データから特徴を抽出するステップと、前記特徴は、前記サンプル画像データの空間的特徴及び/又はスペクトル的特徴であり、
決定エンジン(decision engine)に特徴量を送信するステップと、
前記決定エンジンから応答を受信するステップと、前記応答は、前記食品パッケージが品質基準内であることを示す肯定的な応答である、又は前記食品パッケージが品質基準外であることを示す否定的な応答である、
ことを含む、方法。
【0067】
「品質基準」という用語は、広く合意された業界基準であってもよいが、包装機の1台又は数台にのみ使用される一連の要件であってもよい。人工知能(AI)決定エンジンを使用する場合、品質基準は、AI決定エンジンのトレーニング時に設定されてもよい。
【0068】
取り込むステップは、カメラ202にそのような取り込みのための処理機能が備わっている場合は、カメラ202内で行ってもよい。また、決定エンジンを収容するサーバー上で行ってもよく、すなわち、画像データはカメラからサーバーに送信され、受信されると、特徴が抽出されて決定エンジンへ送信される。さらに別の方法として、複数のサーバーを用意し、1つは特徴を抽出するためのサーバー、もう1つは決定エンジンを収容するためのサーバーとすることもできる。
【0069】
EEE2.
前記決定エンジンは、人工知能(AI)決定エンジンである、
EEE1に記載の方法。
【0070】
EEE3.
前記決定エンジンは、グラフベースのデータベースを備える、
EEE1又はEEE2に記載の方法。
【0071】
EEE4.
前記基準線104が前記サンプル食品パッケージ100上に設けられ、前記サンプル画像データ中に描写される、
EEE1からEEE3のいずれか一つに記載の方法。
【0072】
EEE5.
前記基準線104は、前記長手方向シールの端部である、
EEE4に記載の方法。
【0073】
EEE6.
前記基準インプリント106が、前記食品パッケージ100の包装材料における一連の谷及び隆起を含む、
EEE1からEEE5のいずれか1つに記載の方法。
【0074】
EEE7.
前記隆起及び前記谷が前記基準線104に平行に延在する、
EEE6に記載の方法。
【0075】
EEE8.
前記基準インプリント106が少なくとも3つの谷を備える、
EEE6又はEEE7に記載の方法。
【0076】
EEE9.
前記基準インプリントは、前記長手方向シール上に延在する、
EEE1からEEE8のいずれか1つに記載の方法。
【0077】
EEE10.
前記画像データを取り込むステップは、照明軸Bに沿って光源204によって前記横方向シールを照射するサブステップを含み、前記照明軸Bは、前記カメラ202の光軸Aに対して40度から90度の角度Cを有する、
EEE1からEEE9のいずれか1つに記載の方法。
【0078】
EEE11.
前記横方向シール102が赤外光によって照射される、
EEE10に記載の方法。
【0079】
EEE12.
前記横方向シール102が、前記食品パッケージ100の上部又は前記食品パッケージ100の底部にある、
EEE1からEEE11のいずれか1つに記載の方法。
【0080】
EEE13.
板紙ベースのサンプル食品パッケージ100の横方向シール102の品質を評価するための決定エンジンをトレーニングするための方法であって、当該方法は、
品質基準内にあるとみなされた第1の複数のトレーニング食品パッケージ100を示す画像データの第1のデータセットを提供するステップと、
前記品質基準から外れていると判断された第2の複数のトレーニング食品パッケージ100を示す画像データの第2のデータセットを提供するステップと、
前記サンプル食品パッケージを示すサンプル画像データを評価するための一連のルールを形成し、それにより、サンプル食品パッケージが品質基準内であるか外であるかを示す決定エンジンを提供するステップと、
を備える、方法。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3a
図3b
図4
【国際調査報告】