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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】基板支持装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240202BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240202BHJP
   B05C 11/08 20060101ALI20240202BHJP
   B05C 13/02 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
H01L21/68 N
H01L21/304 643A
H01L21/304 648A
B05C11/08
B05C13/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023537174
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-08
(86)【国際出願番号】 CN2020136658
(87)【国際公開番号】W WO2022126403
(87)【国際公開日】2022-06-23
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510005650
【氏名又は名称】エーシーエム リサーチ (シャンハイ) インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ フォン
(72)【発明者】
【氏名】タオ シァオフォン
(72)【発明者】
【氏名】ジャア ショオナ
(72)【発明者】
【氏名】チェン フゥピン
(72)【発明者】
【氏名】フゥ ハイボー
(72)【発明者】
【氏名】リウ ヤン
【テーマコード(参考)】
4F042
5F131
5F157
【Fターム(参考)】
4F042DF10
4F042DF32
4F042EB05
4F042EB09
4F042EB12
4F042EB17
4F042EB27
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA06
5F131CA09
5F131CA12
5F131CA33
5F131CA42
5F131EA06
5F131EA24
5F131EB42
5F131EB55
5F131FA14
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB90
5F157BB11
5F157DC31
5F157DC90
(57)【要約】
本発明は、スピンチャックと複数の位置決めピンを有する基板支持装置を提供する。スピンチャックは基板を支持及び回転させるように構成されており、支持面を有する。位置決めピンは、基板が水平方向に変位することを制限するために、支持面の周縁に配置される。支持面は、第一環状領域を画定する。第一環状領域は、複数のピン領域と複数の非ピン領域とに分けられる。ピン領域と非ピン領域は、第一環状領域の周方向に交互に配置されている。各ピン領域は一つの位置決めピンに対応している。複数のベルヌーイ孔が第一環状領域に設けられており、前記第一環状領域において前記ベルヌーイ孔が、ピン領域に対して非ピン領域に対してよりも強い気流を供給するように不均一な構成を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持及び回転させるように構成されており、前記基板を支持するための、第一環状領域を画定する支持面を有するスピンチャックと、
前記スピンチャックの支持面の周縁に配置されている、前記基板が水平方向に変位することを制限する複数の位置決めピンと、を備えており、
前記第一環状領域は複数のピン領域と複数の非ピン領域に分けられており、前記複数のピン領域と前記複数の非ピン領域とは前記第一環状領域の周方向において交互に配置されており、前記ピン領域のそれぞれは一つの位置決めピンと対応しており、
複数のベルヌーイ孔が前記第一環状領域に設けられており、前記複数のベルヌーイ孔を通じて前記基板にガスが供給されてベルヌーイ効果により前記基板が吸引され、前記第一環状領域において、前記複数のベルヌーイ孔が、前記複数のピン領域に対して前記複数の非ピン領域に対してよりも強い気流を供給するように不均一な構成を有していることを特徴とする、基板支持装置。
【請求項2】
前記ピン領域の中心角θが5°~10°であることを特徴とする、請求項1に記載の前記基板支持装置。
【請求項3】
前記複数のピン領域における前記複数のベルヌーイ孔の密度または直径は、前記複数の非ピン領域における前記複数のベルヌーイ孔の密度または直径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の前記基板支持装置。
【請求項4】
前記ピン領域における前記複数のベルヌーイ孔の密度または直径は、前記複数のベルヌーイ孔及び対応する前記位置決めピン間の距離が減少するにつれて徐々に大きくなることを特徴とする、請求項3に記載の前記基板支持装置。
【請求項5】
前記第一環状領域に形成された前記複数のベルヌーイ孔の直径または密度は、前記複数のベルヌーイ孔と前記複数の位置決めピンとの距離が減少するにつれて徐々に大きくなることを特徴とする、請求項1に記載の前記基板支持装置。
【請求項6】
前記スピンチャックの支持面の周縁から上方に突出する凸リングと、
前記凸リングと前記スピンチャックの支持面によって画定される、前記基板を受け入れるための凹部と、
前記スピンチャックの支持面に画定され、前記第一環状領域の内側に位置する第二環状領域と、
前記スピンチャックの支持面と前記基板との間の高さを調整するための、前記第二環状領域に設けられなおかつ均等に分布した複数の持上げ穴と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の前記基板支持装置。
【請求項7】
前記凸リングの内径は、前記凹部の下方から上方に向かって大きくなることを特徴とする、請求項6に記載の前記基板支持装置。
【請求項8】
前記凸リングの内壁は円弧面であることを特徴とする、請求項7に記載の前記基板支持装置。
【請求項9】
前記凸リングと前記スピンチャックは互いに着脱可能にまたは一体的に固定されることを特徴とする、請求項6に記載の前記基板支持装置。
【請求項10】
前記凸リングの上面の外縁は面取りされていることを特徴とする、請求項6に記載の前記基板支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般には基板支持装置に関し、特に、基板の下面及び縁部の処理を防止可能な、ベルヌーイの定理により基板を支持するための基板支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルヌーイチャックは、通常、特に基板背面処理において、接触せずに基板を吸引支持するために使用される。これにより、チャックによる基板の汚染を軽減できる。この処理において、基板の面を処理するために、基板の裏面に処理液を噴霧する。なお、処理液は、基板の前面および縁部を処理しないように噴霧される。しかしながら、処理液は、処理中の基板が水平方向に変位することを制限するために使用される複数の位置決めピンに沿って、前記基板の前面へ流れやすい。そのため、基板の前面における位置決めピン付近にいわゆるピンマークが発生する。
【0003】
このような問題は、各位置決めピンがそれぞれノズルと関連付けられており、そのノズルを通してガスが前記位置決めピンの領域に下から噴射されることを開示している米国特許第6328846B1号明細書で言及され解決されている。なお、複数のノズルは、ガスを供給して基板を浮かせるためのガスクッションを形成する複数のベルヌーイノズルの外に距離をとって配置されている。これにより、処理流体は、位置決めピンに隣接する領域に到達する前に吹き飛ばされる。しかしながら、各位置決めピンに関連付けられたノズルはベルヌーイノズルと別に制御されているため、ベルヌーイチャックの構成及び操作がより複雑になりうる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、従来技術で述べたピンマークの問題を解決する基板支持装置を提供する。本発明の一実施形態において、基板支持装置は、基板を支持及び回転させるためのスピンチャックと、前記基板が水平方向に変位することを制限するための複数の位置決めピンと、前記基板に下方からガスを供給してクッションを形成し、ベルヌーイ効果により前記基板を浮かせて吸引するために、前記基板に下方からガスを供給してクッションを形成するための複数のベルヌーイ孔と、を備える。スピンチャック上には、第一環状領域を画定する支持面が設けられている。第一環状領域は、複数のピン領域と複数の非ピン領域とに分けられる。ピン領域と非ピン領域は、第一環状領域の周方向に交互に配置されている。各ピン領域は一つの位置決めピンに対応している。第一環状領域において、ベルヌーイ孔は、非ピン領域に対してよりもピン領域に対して強い気流を供給するように不均一な構成を有している。具体的には、位置決めピン付近におけるベルヌーイ孔の直径または密度が他の領域におけるベルヌーイ孔の直径または密度よりも大きいため、前記位置決めピン付近に供給される気流が前記他の領域よりも多くなる。その結果、位置決めピン付近の気流が強くなり、処理液が前記位置決めピンに沿って基板の縁部や下面に流れるのを防ぐ。基板の下面がさらに処理されることを避けるために、スピンチャックの周縁において凸リングが構成され、支持面の上方に凹部を形成する。凸リングは処理液の流路を変更して前記処理液が基板のいずれの面にも跳ね返らないようにさせるだけでなく、前記凸リングの内壁と、凹部に保持された前記基板の縁部との間に隙間を形成し、保護ガスを強くすることもできる。これらの構成はすべて、処理液が基板の下面に流れるリスクと前記基板の望ましくない汚染を軽減するという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本発明は、添付の図面および以下の好ましい実施形態の説明を参照することによって、当業者に明らかとなるであろう。
図1図1は、本発明の例示的な実施形態に係る基板支持装置を示す断面図である。
図2図2は、スピンチャックの一例を示す上面図である。
図3図3は、スピンチャックの別の例を示す上面図である。
図4図4は、スピンチャックの別の例を示す上面図である。
図5図5は、スピンチャックの別の例を示す上面図である。
図6図6は、本発明の例示的な実施形態に係る別の基板支持装置のスピンチャックの一例を示す上面図である。
図7図7は、前記基板支持装置を示す断面図である。
図8図8は、前記基板支持装置を示す別の断面図である。
図9図9は、わずかに上昇した基板を示す断面図である。
図10図10は、本発明の例示的な実施形態に係るさらに別の基板支持装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1を参照して、本発明の一例示的な実施形態に係る基板支持装置を示す。基板支持装置は、基板を支持及び回転させるスピンチャック100を備える。スピンチャック100は、基板001を支持するための支持面110を有する。支持面110の周縁には複数の位置決めピン130が配置されており、基板001が水平方向に変位することを制限するために、前記基板001の縁部と係合している。支持面110はスピンチャック100の上面となっており、複数の位置決めピン130によって囲まれている。少なくとも一つのノズル003を使用して、例えばSC?1、SC?2、SPM、HF、DIWなどの様々な処理液を、スピンチャック100の支持面110の上方に位置する基板001の表面に吐出する。
【0007】
図1および図2に示すように、スピンチャック100の支持面110において、第一環状領域150が画定されている。第一環状領域150には、複数のベルヌーイ孔160が設けられている。各ベルヌーイ孔160はスピンチャック100の中心軸に対して傾斜しており、基板001が支持面110に接触することなく吸引され前記スピンチャック100の支持面110の上方に浮遊できるように、前記基板001の下面にガスを供給してクッションを形成しベルヌーイ効果を発生させるのに適している。複数のベルヌーイ孔160は円形で、一つのガス供給管から不活性ガスまたは窒素を一斉に供給する。
【0008】
一般的に、スピンチャック100は回転スピンドルに搭載されており、前記回転スピンドルは駆動機構に接続されており、前記駆動機構は前記スピンチャック100と前記回転スピンドルを駆動して同時に回転させることができ、少なくとも一つのガス供給管は前記スピンチャック100に画定されたベルヌーイ孔160などの穴にガスを供給するように構成される。上記の特徴は当業者には自明であるので、本発明では繰り返さず、以下の図面にも図示しない。
【0009】
図2を参照すると、第一環状領域150は、位置決めピン130からの距離によって複数のピン領域151と複数の非ピン領域152とに分けられている。各ピン領域151は、一つの位置決めピン130に対応している。複数のベルヌーイ孔160は、複数の第一グループのベルヌーイ孔161と、複数の第二グループのベルヌーイ孔162とに分けられている。各第一グループの複数のベルヌーイ孔161が一つのピン領域151に対応しており、各第二グループの複数のベルヌーイ孔162が一つの非ピン領域152に対応している。各第一グループの複数のベルヌーイ孔161は、各第二グループの複数のベルヌーイ孔162よりも位置決めピン130に近い。ピン領域151と非ピン領域152は交互に配置されており、第一環状領域150の周方向において対称になっている。各ピン領域151の中心角θは5°~10°である。各位置決めピン130が、対応するピン領域151の中心と第一環状領域150の中心とを結ぶ線上に位置していることは注目に値する。本発明では、第一環状領域150において複数のベルヌーイ孔160の構成は不均一であるため、ピン領域151における第一グループのベルヌーイ孔161から供給される気流が非ピン領域152における第二グループのベルヌーイ孔162から供給される気流よりも強くなる。
【0010】
本発明において、第一環状領域150におけるベルヌーイ孔160の不均一な構成は、主に、前記第一環状領域150の周方向において異なる領域(例えば、ピン領域151または非ピン領域152)にある前記ベルヌーイ孔160の直径または密度の変化として具現化される。本発明において構成が不均一なベルヌーイ孔160に供給されるガスの総量が、従来のスピンチャックにおいて構成が均一なベルヌーイ孔に供給されるガスの総量と等しい場合、本発明の構成は、本発明の位置決めピン130に隣接するベルヌーイ孔160の直径または密度を変えることで、前記位置決めピン130付近の気流をより強くする。すなわち、ガス供給量を変えることなく、位置決めピン130の近傍により多くの気流を供給することにより、前記位置決めピン130付近の領域においてガスの力が局所的により強く作用する。これにより、全周にわたって、特に位置決めピン130に隣接する部分において、処理液による基板001の縁部と下面のエッチングを防止することができる。以下、不均一な構成を持つベルヌーイ孔を有するスピンチャックの具体例をいくつか紹介する。
【0011】
図2は、スピンチャック100の第一環状領域150に設けられる不均一な構成のベルヌーイ孔160を有する、基板を支持するための一例示的なスピンチャック100を示す。ピン領域151における第一グループのベルヌーイ孔161の密度は、非ピン領域152における第二グループのベルヌーイ孔162の密度よりも高い。図2に示すように、第一グループのベルヌーイ孔161の密度は複数のピン領域151の間で同じである。また、第二グループのベルヌーイ孔162の密度も複数の非ピン領域152の間で同じであるが、前記ピン領域151における第一グループのベルヌーイ孔161の密度よりも小さい。好ましくは、各第一グループのベルヌーイ孔161の密度は、ベルヌーイ孔161と対応する位置決めピン130との距離が減少するにつれて徐々に高くなるように設計することができ、非ピン領域152における第二グループのベルヌーイ孔162の密度はピン領域151における第一グループのベルヌーイ孔161の最小密度以下の値に設定される。
【0012】
図3は、スピンチャック200の第一環状領域250に設けられる不均一な構成のベルヌーイ孔260を有する、基板を支持するための別の例示的なスピンチャック200を示す。ピン領域251における第一グループのベルヌーイ孔261の直径は、非ピン領域252における第二グループのベルヌーイ孔262の直径よりも大きい。図3に示すように、第一グループのベルヌーイ孔261の直径は複数のピン領域251の間で同じである。また、第二グループのベルヌーイ孔262の直径も複数の非ピン領域252の間で同じであるが、前記ピン領域251の第一グループのベルヌーイ孔261の直径よりも小さい。好ましくは、ピン領域251における各第一グループのベルヌーイ孔261の直径は、ベルヌーイ孔261と対応する位置決めピンとの距離が減少するにつれて徐々に大きくなるように設計することができ、非ピン領域252における第二グループのベルヌーイ孔262の直径は前記ピン領域251における第一グループのベルヌーイ孔261の最小直径以下の値に設定される。
【0013】
図4は、スピンチャック300の第一環状領域350に設けられる不均一な構成のベルヌーイ孔360を有する、基板を支持するための別の例示的なスピンチャック300を示す。図4の矢印で示すように、第一環状領域350におけるベルヌーイ孔360の直径は、ベルヌーイ孔360と位置決めピン330との距離が減少するにつれて徐々に大きくなる。
【0014】
図5は、スピンチャック400の第一環状領域450に設けられる不均一な構成のベルヌーイ孔460を有する、基板を支持するための別の例示的なスピンチャック400を示す。図5の矢印で示すように、第一環状領域450におけるベルヌーイ孔460の密度は、ベルヌーイ孔460と位置決めピン430との距離が減少するにつれて徐々に高くなる。
【0015】
上述したように、ピン領域におけるベルヌーイ孔の直径または密度が非ピン領域におけるベルヌーイ孔の直径または密度よりも大きい場合でも、対応する位置決めピンに近づくにつれてベルヌーイ孔の直径または密度が徐々に大きくなる場合でも、達成すべき目標は、位置決めピン付近の領域に供給される気流を増やして他の領域に供給される気流よりも多くし、気流とガスの力がより強く位置決めピン付近の領域に作用するようにして、処理液が基板の上面から縁部、さらには下面にまで移動して望ましくないピンマークを形成することを回避することである。
【0016】
本発明における基板支持装置の別の例を以下に示す。図6および図7に示すように、基板支持装置は、基板001を支持するための支持面510を有するスピンチャック500と、前記支持面510に画定された第一環状領域550内に設けられる複数のベルヌーイ孔551とを備える。不均一な構成のベルヌーイ孔551は、上述したもの(例えば、スピンチャック(100、200、300、400等)において構成が不均一であるベルヌーイ孔など)と同じであるため、ここでは繰り返さない。同様に、複数の位置決めピン530が支持面510の周縁を取り囲んで配置されており、径方向内側に移動することによって基板001を位置決めし、径方向外側に移動することによって前記基板001を解放する。各位置決めピン530は、スピンチャック500において対応する位置決めスロット531内に配置されており、前記位置決めピン530を駆動して支持面510の径方向に沿って移動させるためのモータまたはシリンダなどの駆動装置532を接続するように構成される。
【0017】
再び図6および図7を参照すると、本実施形態の基板支持装置は、支持面510の周縁から上方に突出する凸リング570と、前記支持面510に画定された第二環状領域560内に設けられる複数の持上げ穴561とをさらに備える。複数の持上げ穴561は、第二環状領域560内に均一に分布している。第二環状領域560は第一環状領域550と同心であり、前記第一環状領域550の内側に位置する。持上げ穴561は、ガスを供給して基板001を持ち上げ、前記基板001と支持面510との間の高さを調整するために使用される。
【0018】
凸リング570はスピンチャック500の支持面510に着脱可能に装着することができるため、適切なサイズの凸リングと交換することにより、基板支持装置を200mmや300mmなどの異なるサイズの様々な基板に対応させることができる。もちろん、図7に示すように、凸リング570とスピンチャック500とを一体成形することもできる。
【0019】
図8に示すように、凸リング570の上面571は支持面510よりも高く、これにより凹部580が形成される。支持面510は、凹部580の底面として機能する。基板001がスピンチャック500の凹部580に保持されると、前記基板001と前記スピンチャック500との間に二つの隙間ができる。つまり、凸リング570の内壁572と前記基板001の縁部との間に第一隙間591が、支持面510と前記基板001の下面との間に第二隙間592がそれぞれ形成される。
【0020】
通常、シールド002は、スピンチャック500を囲むように構成され、処理液が周囲に飛散するのを防ぐ。図1に示すように、支持面110の周縁において凸リングが構成されていない場合、シールド002上に飛び散った処理液の一部がそのまま前記支持面110へ跳ね返され、基板001と支持面110との間の隙間を介して前記基板001の下面へ跳ね返り、その結果、前記基板001の下面が汚染される可能性がある。したがって、凸リング570の機能の一つは、シールド002に飛び散った処理液の流路を変更して、基板001の下面への前記処理液の跳ね返りを回避することである。図8を参照すると、処理液は、シールド002に飛び散った後、まず凸リング570の上面571へ跳ね返され、基板001のいずれの面にも接触することなく上方に跳ね返るため、前記処理液が前記基板001の処理したくない面を汚染することを回避することができる。
【0021】
図10は、スピンチャック600における別の例示的な凸リング670を示す。凸リング670の上面671の外縁は面取りされている。換言すれば、凸リング670の上面671の外縁は径方向外側にベベル672を有している。シールド002からの処理液がベベル672に飛散した後、前記処理液は再びシールド002へ跳ね返されて排出される。
【0022】
図7図9を参照されたい。凸リング570の内径は凹部580の下方から上方に向けて大きくなっているため、基板001と支持面510との間の高さを調整することによって第一隙間591を変更することができる。特に、凸リング570の内壁572は、円弧や楕円弧などの円弧形状となっており、ベルヌーイ孔551や持上げ穴561から噴霧されたガスを第一隙間591の外に導くのにも役立つ。
【0023】
図9に示すように、基板001が上昇すると、前記基板001の縁部と凸リング570の内壁572との間の第一隙間591が広がる。それにより、環状の前記第一隙間591から放出される気流が増え、ガスが基板001の全周をよりしっかりと保護する。
【0024】
以下、実施形態において基板支持装置により基板を保持する方法を説明する。
【0025】
ステップ1では、ロボットが一枚の基板をスピンチャックの上方にくるように保持し、前記基板の中心を支持面の中心に合わせる。
【0026】
ステップ2では、支持面の上方にある第一位置まで基板を持ち上げるために第一圧力のガスが持上げ穴に供給され、ロボットが離れる。基板が第一位置に配置されているとき、前記基板の下面と支持面との間の高さは凹部の高さを超えない。第一位置の高さは、第一圧力を変えることによって調整することができる。
【0027】
ステップ3では、持上げ穴に供給されているガスが遮断される前に第二圧力のガスがベルヌーイ孔に供給され、基板を浮かせるために前記基板の下にクッションを形成する。第二圧力は第一圧力よりも低いため、ガスを切り替えた後、基板はわずかに下方に移動する。
【0028】
ステップ4では、基板が所定の高さに安定的に配置されると、前記基板が水平方向に変位することを制限するために、位置決めピンを径方向内側に駆動して前記基板の縁部と係合させる。
【0029】
上記ステップの後、少なくとも一つのノズルが基板の上方に移動し、処理液を前記基板の表面に噴霧する。一方で、処理の間、保護ガスは常に基板の全周を取り囲んでいる。特にベルヌーイ孔の直径または密度が他の領域より大きいため、位置決めピン付近でより前記保護ガスが強くなる。それにより、処理液が基板の上面から前記基板の縁部および下面まで流れるのを効果的に回避できる。
【0030】
本発明の前述の記載は、例示および説明のために提示されたものである。本発明の正確な開示として限定または網羅するものではなく、上記の教示内容に鑑みて多くの修正および変形が可能であることは自明である。当業者にとって明らかな修正および変更は、特許請求の範囲において定義される本発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】