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特表2024-506128安全ベルト構成要素用の張力デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】安全ベルト構成要素用の張力デバイス
(51)【国際特許分類】
   B60R 22/195 20060101AFI20240202BHJP
   F15B 15/19 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
B60R22/195 102
F15B15/19
B60R22/195 104
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023539082
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2022050337
(87)【国際公開番号】W WO2022152650
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】102021100437.3
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503358097
【氏名又は名称】オートリブ ディベロップメント エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】フォルマー、サスキア
(72)【発明者】
【氏名】ガイェック、アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】レグデ、ディートマー
【テーマコード(参考)】
3D018
3H081
【Fターム(参考)】
3D018MA05
3H081AA03
3H081BB06
3H081CC18
3H081HH08
(57)【要約】
【解決手段】
本発明は、加圧ガスを発生させるためのガス発生器と、加圧ガスによって駆動させることができるピストンと、ピストンに接続されており、かつ張力移動に設定される安全ベルト構成要素(3)に接続可能である、テンションケーブル(4)と、ピストンを受容及び誘導するためのテンショナーチューブ(5)と、ケーブルガイドを形成し、ガス発生器を受容するレセプタクル(2)及びレセプタクル(2)と流体接続された圧力チャンバが形成されている、ガイドブロック(1)と、を備える、安全ベルト構成要素用の張力デバイスであって、ガイドブロック(1)が、テンショナチューブ(5)に接続されており、テンションケーブル(4)が、テンショナチューブ(5)から圧力チャンバ(3)を通ってピストン移動方向(6)に直線的に延び、無負荷張力移動の際に安全ベルト構成要素(3)の運動エネルギーを吸収する少なくとも1つの減衰要素(9.1、9.2、9.3)が形成されている、張力デバイスに関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全ベルト構成要素用の張力デバイスであって、
-加圧ガスを発生させるためのガス発生器と、
-前記加圧ガスによって駆動させることができるピストンと、
-前記ピストンに接続されており、かつ張力移動に設定される安全ベルト構成要素(3)に接続可能である、テンションケーブル(4)と、
-前記ピストンを受容及び誘導するためのテンショナチューブ(5)と、
-ケーブルガイドを形成し、前記ガス発生器を受容するレセプタクル(2)及び前記レセプタクル(2)に流体接続された圧力チャンバが形成されている、ガイドブロック(1)と、を備え、
前記ガイドブロック(1)が、前記テンショナチューブ(5)に接続されており、前記テンションケーブル(4)が、前記テンショナチューブ(5)から前記圧力チャンバ(3)を通ってピストン移動方向(6)に直線的に延び、
無負荷張力移動の際に前記安全ベルト構成要素(3)の運動エネルギーを吸収する、少なくとも1つの減衰要素(9.1、9.2、9.3)が形成されることを特徴とする、張力デバイス。
【請求項2】
少なくとも1つの減衰要素(9.1、9.2、9.3)が、吸収のために変形及び/又は破砕する突出部の形態である、請求項1に記載の張力デバイス。
【請求項3】
1つの減衰要素(9.1)が、前記張力デバイスのハウジング(10)上の突出部によって形成される、請求項2に記載の張力デバイス。
【請求項4】
前記突出部が、前記テンションケーブル(4)を取り囲むカラーとして形成される、請求項3に記載の張力デバイス。
【請求項5】
前記張力デバイスが、ホルダ(11)を有し、前記ホルダ(11)が、少なくとも1つの減衰要素(9.2)を形成し、前記減衰要素(9.2)が、少なくとも部分的に前記ガイドブロック(1)に当接する、請求項1~4のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項6】
前記減衰要素(9.2)が、突出部の形態であり、前記ガイドブロック(1)に当接する、請求項5に記載の張力デバイス。
【請求項7】
前記張力デバイスが、前記ガイドブロック(1)に挿入され、前記テンションケーブル(4)の非意図的な移動に対抗する、少なくとも1つの抵抗要素(8)を有し、減衰要素(9.3)が、前記ガイドブロック(1)を越えて突出する前記抵抗要素(8)の一部によって形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項8】
特に請求項1~7のいずれか一項に記載の安全ベルト構成要素のための張力デバイスであって、
-加圧ガスを発生させるためのガス発生器と、
-前記加圧ガスによって駆動させることができるピストンと、
-前記ピストンに接続されており、かつ張力移動に設定されるシートベルト構成要素に接続可能である、テンションケーブル(4)と、
-前記ピストンを受容及び誘導するためのテンショナチューブ(5)と、
-ケーブルガイドを形成し、前記ガス発生器を受容するレセプタクル(2)及び前記レセプタクル(2)に流体接続された圧力チャンバが形成されている、ガイドブロック(1)と、
-少なくとも1つの抵抗要素(8)であって、前記ガイドブロック(1)に挿入され、前記テンションケーブル(4)の非意図的な移動に対抗する、少なくとも1つの抵抗要素(8)と、を備え、
前記ガイドブロック(1)が、前記テンショナチューブ(5)に接続されており、前記テンションケーブル(4)が、前記テンショナチューブ(5)から前記圧力チャンバ(3)を通ってピストン移動方向(6)に直線的に延び、
前記張力デバイスが、ホルダ(11)を有し、前記ホルダ(11)が、前記抵抗要素(8)を前記ガイドブロック(1)内に固定することを特徴とする、張力デバイス。
【請求項9】
前記ホルダ(11)が、ブッシング(12)によって前記ガイドブロック(1)に形状ロック式に締結されている、請求項8に記載の張力デバイス。
【請求項10】
前記ホルダ(11)が、リベット接続によって前記ブッシング(12)に接続されている、請求項9に記載の張力デバイス。
【請求項11】
前記抵抗要素(8)が、前記ホルダ(11)を前記ガイドブロック(1)に締結することによって、前記抵抗要素(8)が前記テンションケーブル(4)の非意図的な移動に対抗する動作位置に設定される、請求項8~10のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項12】
前記ガイドブロック(1)が、リニアガイド(7)を形成し、前記リニアガイド(7)が、前記圧力チャンバ(3)に隣接し、前記テンションケーブル(4)が、前記テンショナチューブ(5)とは反対側で前記ピストン移動方向(6)に平行に前記ガイドブロック(1)から導出され得るように設計される、請求項1~11のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【請求項13】
前記テンションケーブル(4)の非意図的な移動に対抗する少なくとも1つの抵抗要素(8)が、前記リニアガイド(7)内に挿入される、請求項1~12のいずれか一項に記載の張力デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全ベルト構成要素用の張力デバイスであって、加圧ガスを発生させるためのガス発生器と、加圧ガスによって駆動可能なピストンと、ピストンに接続されており、かつ張力移動に設定される安全ベルト構成要素に接続可能である、テンションケーブルと、ピストンを受容及び誘導するためのテンショナチューブと、ケーブルガイドを形成し、ガス発生器を受容するレセプタクル及びレセプタクルに流体接続された圧力チャンバが形成されている、ガイドブロックと、を備え、ガイドブロックが、テンショナチューブに接続されており、テンションケーブルが、テンショナチューブから圧力チャンバを通ってピストン移動方向に直線的に延びる、安全ベルト構成要素用の張力デバイスに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
そのような張力デバイスは、例えば、ガイドブロックがケーブル偏向を形成するドイツ特許出願公開第10 2015 111 083(B4)号から知られている。その結果、テンションケーブルは、安全ベルト構成要素が圧力チャンバから張力を受けて、ガイドブロック内の偏向ガイドによってピストン移動方向を横切る方向に偏向される。ガイドブロックによるテンションケーブルのそのような偏向は、張力デバイスが車両シートの横に隣接して装着され、ピストン移動方向が車両の長手方向軸に平行に配向され、一方、テンションケーブルが、一般に、安全構成要素としてベルトバックル又は安全ベルトの端部取り付け具を引っ張るために使用されるので、これまで必要であった。ここで、テンションケーブルが、ガイドブロックを通って直線的に、又はテンショナチューブ内の直線配向に対してオフセットして平行に延びることが考慮される。しかしながら、ガイドブロックのそのような設計の場合には、無負荷張力プロセスの場合に、テンションケーブルに接続された安全ベルト構成要素が、制動されていないガイドブロックに当たり、その結果、ガイドブロックが損傷する可能性があるという問題が生じる。損傷が、ガイドブロックによって形成された圧力チャンバがもはや閉鎖されないようなものである場合、火炎は、このために意図されていない点で圧力チャンバから漏れる可能性がある。
【0003】
したがって、本発明が取り組む課題は、従来技術に関して説明した欠点を少なくとも部分的に解消することであり、特に、無負荷張力プロセスの場合であっても火炎の漏出が防止される張力デバイスを提供することである。
【0004】
この課題に対する1つの可能な解決策は、独立請求項1の特徴を有する張力デバイスによって与えられる。別の張力デバイス及び張力デバイスの有利な発展形態は、従属請求項及び明細書に記載されている。有利な発展形態の個々の特徴は、技術的に合理的な方法で互いに組み合わせることができる。
【0005】
この課題は、安全ベルト構成要素のために設けられ、加圧ガスを発生させるためのガス発生器を有することができる張力デバイスによって解決される。張力デバイスはまた、加圧ガスによって駆動させることができるピストンを有することができ、ピストンにはテンションケーブルが接続されており、テンションケーブルは、張力移動に設定される安全ベルト構成要素(ベルトバックル若しくは端部取り付け具など)に接続可能であるか、又は接続される。張力デバイスはまた、テンショナチューブを備えることができ、テンショナチューブの中にピストンが受容され、テンショナチューブは、張力移動中にピストンを誘導する。張力デバイスは、ガス発生器を受容するレセプタクルと、レセプタクルに流体接続された圧力チャンバと、が形成されている、一体型又は多部品型のガイドブロックを有することもできる。ガイドブロックは、特に、テンショナチューブに接続され、特に、テンションケーブルがテンショナチューブから圧力チャンバを通ってピストン移動方向に直線的に延びるように設計される。ガイドブロックは、テンションケーブルが、ピストン移動方向に対して横方向にガイドブロックから出るか、又は直線的なピストン移動方向と位置合わせされた状態で平行に、若しくはそれに対してオフセットして平行にガイドブロックから出るように設計することができる。したがって、ガイドブロックは、リニアガイドを形成し、このリニアガイドは、圧力チャンバに隣接し、テンションケーブルが、テンショナチューブとは反対側でピストン移動方向に平行にガイドブロックから導出され得るように設計される。テンションケーブルの非意図的な移動に対抗する、以下で更に説明される少なくとも1つの抵抗要素が、リニアガイドに挿入され得る。
【0006】
張力デバイスは、特に、ガイドブロックを少なくとも部分的に取り囲み、テンションケーブルに沿ってガイドブロックを通って圧力チャンバから噴出する火炎が抑制されるように設計された(火炎保護)ハウジングを有することができる。
【0007】
張力デバイスはまた、少なくとも1つの抵抗要素を有することができ、この抵抗要素は、特にガイドブロックに挿入され、テンションケーブルの非意図的な移動に対抗する。そのような抵抗要素は、例えば、テンションケーブルに面する表面上にリブを有し、テンションケーブルとの静止摩擦を増加させる。特に、テンションケーブルが完全に直線的に、又は圧力チャンバから平行にオフセットされてガイドブロックを通って延びる場合、そのような抵抗要素は、通常の使用中にテンションケーブルがガイドブロックを通って非意図的に移動しないことを確実にすることができる。これに対して、張力プロセスが行われる場合、抵抗要素は比較的低い動摩擦のみを付与する。このような抵抗要素は、特に、テンションケーブルの移動方向に対して横方向にガイドブロック内に設置される。しかし、これはまた、ガイドブロックと抵抗要素との間に隙間が残ることを意味し、この隙間を通って火炎が通常の張力プロセス中に漏れる可能性がある。前述した(火炎保護)ハウジングによって、火炎の更なる漏出を防止することができ、又は少なくとも最小限に抑えることができる。
【0008】
ガイドブロックは一般に開口部を有し、この開口部は好ましくは円形であり、及び/又は特にケーブルの延在方向に対して横方向に延在し、この開口部を用いて張力デバイスを自動車に締結することができる。例えば、締結手段(ねじ、特に、任意選択的にカラーを有する予荷重ねじ、又はボルトなど)は、開口部を通して供給することができる。張力デバイスの自動車への締結をより安定化させるために、ブッシングをガイドブロック開口部に挿入することができ、それを通して締結手段(ねじ又はボルト)が供給される。
【0009】
特に、これに関連して、張力デバイスの機械的安定性を更に改善するために、張力デバイスがケージの一種として安定化ホルダを有することを提供することができる。ホルダは、特に金属材料から作製することができ、好ましくはU字型の断面を有する。更に、ホルダは、特に2つの穴を有し、これらの穴は、組み立てが行われた後、ガイドブロックの開口部と関連付けられて、開口部及びホルダの穴が、互いに位置合わせされるようにする。したがって、特に金属製のホルダは、ガイドブロックを少なくとも部分的に取り囲む。ホルダを張力デバイスに締結するために、ホルダは、ガイドブロックの開口部を通して供給されるブッシングにリベット留めすることができる。
【0010】
ここで、張力デバイスが、少なくとも1つの減衰要素を有し、減衰要素が、無負荷張力移動の場合に安全ベルト構成要素の運動エネルギーを少なくとも部分的に吸収することが提供され得る。
【0011】
例えば、安全ベルト構成要素は、特にテンションケーブルの一端に、直接又は締結要素によって締結することができる。減衰要素は、安全ベルト構成要素自体又は締結要素が、無負荷張力プロセス中に張力デバイスの別の要素に当たる場合(したがって、ガス発生器のトリガ後に安全ベルト構成要素が(ほとんど)反力なしで加速される)、安全ベルト構成要素の運動エネルギーが、減衰要素の意図された変形又は破砕によって少なくとも部分的に吸収されるように設計及び配列される。したがって、圧力チャンバを形成するガイドブロックの領域が損傷することを防止することが可能であり、したがって、火炎が、このために意図されていない点で、圧力チャンバから漏れることはできない。
【0012】
減衰要素は、特に、張力デバイスの一部に形成され、無負荷張力プロセス中に安全ベルト構成要素の運動エネルギーに起因して変形又は破砕(して外れる)される突出部によって実現される。
【0013】
したがって、減衰要素を実現する突出部は、特に(火炎保護)ハウジング、ホルダ、及び/又は抵抗要素上に形成することができる。
【0014】
減衰要素が張力デバイスのハウジングに形成される場合、突出部は、特に、テンションケーブルを取り囲むカラーとして形成される。換言すれば、テンションケーブルは、ハウジングが突出部としてケーブルに沿って延在する隆起部を有する点でハウジングを通って誘導される。この突出部は、テンションケーブルを特に完全に取り囲む。したがって、この場合、突出部は、安全ベルト構成要素又はその締結要素が張力デバイスの他の構成要素と最初に接触する点に形成される。
【0015】
減衰要素がホルダに形成される場合、この減衰要素は、特に、ガイドブロックに当接するホルダの部分に形成される。特に、ホルダは2つの突出部を有し、これらの突出部は、テンションケーブルの2つの対向する側部のいずれかに1つずつ、ガイドブロックに当接する。少なくとも1つの突出部は、ホルダの他の部分が変形中に圧力チャンバに向かって又はテンショナチューブに向かって移動することができるように、突出部が変形することができるように配向される。
【0016】
減衰要素が抵抗要素上に形成される場合、減衰要素は、特に、抵抗要素がガイドブロックを越えて突起するという事実によって実現される。したがって、抵抗要素は、特にテンションケーブルに沿ってガイドブロックの外側輪郭を越えて延在する。無負荷張力プロセスの後、安全ベルト構成要素又はその締結要素が張力デバイスに当たると、抵抗要素が変形する。
【0017】
張力デバイスが抵抗要素を有する場合、独立した発明は、上述の解決策とは独立して、張力デバイスが、抵抗要素をガイドブロックに固定するホルダを有するという事実に見られる。この場合、特に、ホルダがブッシングによって形状ロック式にガイドブロックに締結され、ホルダがリベット接続によってブッシングに接続されることが提供される。
【0018】
抵抗要素がホルダによって固定されるので、ガイドブロックに挿入される抵抗要素を張力デバイスの構成部品として確実に装着するために追加の構成を行う必要がない。加えて、これは、抵抗要素がテンションケーブルの非意図的な移動に適切に対抗する位置に抵抗要素が保持されることを可能にする。
【0019】
この点に関して、特に、ホルダをガイドブロックに締結する(特にリベット留めする)ことによって、抵抗要素は、抵抗要素がテンションケーブルの非意図的な移動に対抗する動作位置にもたらされることが提供される。したがって、ホルダ及び抵抗要素は、リベット締め作業の前に、抵抗要素が非意図的な移動を防止するのに十分な力をテンションケーブルにまだ加えず、リベット締め作業の後に、非意図的な移動を防止するのに十分な力がテンションケーブルに加えられるように、抵抗要素がテンションケーブルに向かってシフトされるように設計される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明及び技術的環境について、図を参照して例として以下に説明する。以下が概略的に図示されている。
図1図1は、張力デバイスの部分分解図を示す。
図2図2は、ハウジングのない張力デバイスを示す。
図3図3は、張力デバイスの抵抗要素を示す。
図4図4は、張力デバイスのホルダを示す。
図5図5は、張力デバイスのハウジングを示す。
図6図6は、ハウジング及びホルダなしの張力デバイスを示す。
図7図7は、ホルダが締結される前の、抵抗要素を有する張力デバイスのガイドブロックを示す。
図8図8は、ホルダがリベット留めされた後の図7の図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1の分解図に示される張力デバイスは、ガス発生器(図示せず)のためのレセプタクル2を有するガイドブロック1を備える。ガイドブロック1には、ガス発生器で発生したガスが流入する圧力チャンバ(図示せず)が形成されている。
【0022】
ガイドブロック1はまた、テンションケーブル4のためのリニアガイド7を形成する。安全ベルト構成要素3は、テンションケーブル4に締結される。リニアガイド7を通って誘導されるテンションケーブル4は、圧力チャンバを通ってテンショナチューブ5に入り、テンショナチューブ5内でテンションケーブル4はピストン(図示せず)に接続される。ガス発生器のトリガにより、ピストンは、テンショナチューブ5内でピストン移動方向6に加速され、その結果、テンションケーブル4がガイドブロック1を通って引っ張られる。
【0023】
加えて、リニアガイド7に抵抗要素8を挿入する。組み立てが完了すると、抵抗要素8は、テンションケーブル4がガイドブロック1を通って不用意に移動しないことを確実にする。
【0024】
張力デバイスはまた、図4に詳細に示され、金属シートから製造され、U字形断面を有するホルダ11を備える。ホルダ11は、2つの突出部を有し、これらの突出部は各々、減衰要素9.2を形成し、装着された位置において、ガイドブロック1に当接する(特に図2及び図6参照)。ホルダ11は、その2つの脚部に、ブッシング12への接続に役立つ穴を有する。したがって、ブッシング12は、ガイドブロック1の開口部及びホルダ11の穴を通して押し込まれ、ブッシング12は、締結のためにホルダ9にリベット留めされる。
【0025】
ホルダ11及び抵抗要素8は、ホルダ11が締結される前に、抵抗要素8がガイドブロック1を越えて横方向に突起するように設計される(図7参照)。
【0026】
リベット留め中、抵抗要素8は、ホルダ11によってテンションケーブル4に押し付けられ、したがって、抵抗要素8は、テンションケーブル4が非意図的に移動しないように固定される動作位置にある(図8参照)。
【0027】
張力デバイスはまた、装着された位置においてガイドブロック1を部分的に取り囲む(火炎保護)ハウジング10と、ホルダ11と、を備える。ハウジング10(特に図5参照)は、減衰要素9.1としてカラーを有し、このカラーは、ハウジング10から突出し、テンションケーブル4を取り囲む。
【0028】
図6から、減衰要素9.3を形成する抵抗要素8の一部がガイドブロック1を越えて突出していることも分かる。
【0029】
張力デバイスがトリガされ、乗員がいない結果として、安全ベルト構成要素3がほとんど反力なしで加速される場合、安全ベルト構成要素3は、ほとんど制動されずにハウジング10上の減衰要素9.1に当たり、減衰要素9.1は、直ちに変形する。続いて、ガイドブロック1を越えて突出する抵抗要素8の減衰要素9.3も変形される。更に、ホルダ11の減衰要素9.2はまた、ホルダ11が安全ベルト構成要素3によってガイドブロック1に押し付けられるときに変形される。
【符号の説明】
【0030】
1 ガイドブロック
2 レセプタクル
3 安全ベルト構成要素
4 テンションケーブル
5 テンショナチューブ
6 ピストン移動方向
7 リニアガイド
8 抵抗要素
9.1 減衰要素
9.2 減衰要素
9.3 減衰要素
10 ハウジング
11 ホルダ
12 ブッシング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】