(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 7/08 20060101AFI20240202BHJP
H02K 5/173 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
H02K7/08 Z
H02K5/173 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540700
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-07-03
(86)【国際出願番号】 KR2022002325
(87)【国際公開番号】W WO2022177309
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】10-2021-0021013
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(72)【発明者】
【氏名】ク チュ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム チェ ヨン
【テーマコード(参考)】
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605BB10
5H605CC02
5H605CC04
5H605CC10
5H605EB10
5H605EB16
5H605GG01
5H607AA00
5H607BB01
5H607BB07
5H607BB14
5H607CC01
5H607DD03
5H607DD09
5H607DD16
5H607GG01
5H607GG08
5H607JJ06
(57)【要約】
実施例はシャフト、前記シャフトに結合されたロータ、前記ロータに対応するように配置されるステータ、および前記ステータを収容するハウジングを含み、前記シャフトを支持する第1ベアリングおよび前記第1ベアリングを支持するベアリングハウジングを含み、前記第1ベアリングは前記シャフトに向かって配置される第1内面および第1内面の反対側に向かって配置される第1外面を含み、前記第1内面は前記シャフトとスライディング可能に配置され、前記第1外面は前記ベアリングハウジングに固定されるモータを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトに結合されたロータと、
前記ロータに対応するように配置されるステータと、
前記ステータを収容するハウジングと、
前記ハウジングの上部に結合するベアリングハウジングと、
前記ベアリングハウジングに結合する第1ベアリングと、を含み、
前記第1ベアリングは前記シャフトに向かって配置される第1内面および第1内面の反対側に向かって配置される第1外面を含み、
前記第1内面は前記シャフトとスライディング可能に配置され、
前記第1外面は前記ベアリングハウジングに固定される、モータ。
【請求項2】
前記第1内面と前記シャフトの外周面の間にはクリアランスが形成される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1ベアリングは前記ロータに向かって配置される第1下面を含み、
前記ベアリングハウジングは前記第1外面および前記第1下面と接触する、請求項1に記載のモータ。
【請求項4】
前記ベアリングハウジングは前記第1ベアリングが配置される第1ベアリングポケット部を含み、
前記第1ベアリングポケット部は、前記第1外面と接触する第1部および前記第1下面と接触する第2部を含む、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1ベアリングは前記第1下面の反対側に向かって配置される第1上面を含み、
前記第1上面は前記第1ベアリングポケット部と接触しない、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記第2部は前記シャフトが通過するホールを含み、
前記ホールの直径は前記第1ベアリングの直径より小さく前記シャフトの直径より大きい、請求項4に記載のモータ。
【請求項7】
前記シャフトを支持する第2ベアリングを含み、
前記第2ベアリングは前記ハウジングに配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項8】
前記第2ベアリングは前記シャフトに向かって配置される第2内面および前記第2内面の反対側に向かって配置される第2外面を含み、
前記第2内面は前記シャフトに固定され、
前記第2外面は前記ハウジングに固定される、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記シャフトは軸方向に配置される第1パートおよび第2パートを含み、
前記第1パートは前記第2パートの直径より大きい、請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記第1ベアリングは前記第1パートの半径方向に配置され、
前記第2ベアリングは前記第2パートの半径方向に配置される、請求項9に記載のモータ。
【請求項11】
シャフトと、
前記シャフトに結合されたロータと、
前記ロータに対応するように配置されるステータと、
前記ステータを収容するハウジングと、
前記ハウジングの上部に結合するベアリングハウジングと、
前記ベアリングハウジングに結合する第1ベアリングと、
前記ハウジングに結合する第2ベアリングと、を含み、
前記第1ベアリングは前記シャフトの外周面と所定のギャップを有するように配置され、
前記第2ベアリングは前記シャフトの外周面と接触する、モータ。
【請求項12】
前記シャフトは軸方向に配置される第1パートおよび第2パートを含み、
前記第1ベアリングは前記第1パートの半径方向に配置され、
前記第2ベアリングは前記第2パートの半径方向に配置され、
前記第1パートの直径と前記第2パートの直径は異なる、請求項11に記載のモータ。
【請求項13】
前記第2パートは前記第1パートと結合する上部領域と前記上部領域の下部に配置される下部領域を含み、
前記第2パートに段が形成されるように前記上部領域の外周面の直径は前記下部領域の内周面の直径より大きく形成され、
前記下部領域の外側には前記第2ベアリングが配置される、請求項12に記載のモータ。
【請求項14】
前記段は前記第2ベアリングの内輪を支持する、請求項13に記載のモータ。
【請求項15】
前記ロータの上部は前記第1パートと接触し、
前記ロータの下部は前記上部領域と接触する、請求項13に記載のモータ。
【請求項16】
前記第2ベアリングは前記シャフトに向かって配置される第2内面と前記内面の反対側に配置される第2外面を含み、
前記第2内面は前記第2パートと軸方向にオーバーラップされ、
前記第2外面は前記ロータと軸方向にオーバーラップされる、請求項12に記載のモータ。
【請求項17】
前記第1パートは第1端部を含み、
前記第2パートは第2端部を含み、
前記第1端部と前記第2端部は半径方向にオーバーラップされる、請求項12に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施例はモータに関する。
【背景技術】
【0002】
モータはロータとステータを含む。この時、ロータとステータの電気的相互作用によってロータが回転する。そして、モータはシャフトを支持するベアリングを含む。
【0003】
このようなベアリングは高速で駆動するシャフトの軸方向の流動に連動され得る。これによって、ベアリングの支持力が低減され、モータの駆動安定性が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施例はシャフトの流動に対するベアリングの駆動安定性を確保したモータを提供する。
【0005】
実施例が解決しようとする課題は以上で言及された課題に限定されず、ここで言及されていないさらに他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施例は、シャフトと、前記シャフトに結合されたロータと、前記ロータに対応するように配置されるステータと、前記ステータを収容するハウジングを含み、前記シャフトを支持する第1ベアリングおよび前記第1ベアリングを支持するベアリングハウジングを含み、前記第1ベアリングは前記シャフトに向かって配置される第1内面および第1内面の反対側に向かって配置される第1外面を含み、前記第1内面は前記シャフトとスライディング可能に配置され、前記第1外面は前記ベアリングハウジングに固定されるモータを提供することができる。
【発明の効果】
【0007】
実施例はシャフトの下部を固定してシャフトの軸方向および半経方向の流動を阻止し、シャフトを上部ベアリングとスライディングフィット(Sliding fit)で締結してシャフトの流動により上部ベアリングが連動することを最小化することができる。
【0008】
これに伴い、シャフトの軸方向および半径方向の流動を減らし、流動に対する上部ベアリングの駆動安定性を確保することができる。
【0009】
また、ワッシャ(Washer)、グリス(Grease)を削除して原価を削減し、組立不良問題を解決することができる。
【0010】
実施例の多様かつ有益な長所と効果は前述した内容に限定されず、実施例の具体的な実施形態を説明する過程でより容易に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】シャフト、第1ベアリングおよびベアリングハウジングの断面図である。
【
図3】シャフト、第2ベアリングおよびハウジングの断面図である。
【
図4】シャフト、第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングが結合された構造を概略的に示した図面である。
【
図5a】シャフトの軸方向移動による第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングの位置変化を説明するための図面である。
【
図5b】シャフトの軸方向移動による第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングの位置変化を説明するための図面である。
【
図8a】実施例に係るモータの組立過程を説明するための斜視図である。
【
図8b】実施例に係るモータの組立過程を説明するための斜視図である。
【
図8c】実施例に係るモータの組立過程を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0013】
シャフトの長さ方向(上下方向)と平行な方向を軸方向といい、シャフトを中心に軸方向と垂直な方向を半径方向といい、シャフトを中心に半径方向の半径を有する円に沿って行く方向を円周方向と呼ぶ。
【0014】
図1は、本発明の一実施例に係るモータの断面図である。
図1でX方向は半径方向を意味し得、Y方向は軸方向を意味し得る。そして、
図1に図示された図面符号「C」は前記シャフト100の回転中心を示し得る。
【0015】
図1を参照すると、モータはシャフト100、ロータ200、ステータ300、ハウジング400、ベアリング500およびベアリングハウジング600を含むことができる。
【0016】
以下、内側とは、ハウジング400からモータの中心Cであるシャフト100に向かう方向を示し、外側とは、シャフト100からハウジング400に向かう方向である内側の反対方向を示す。
【0017】
シャフト100は一側が開放された中空状の部材であり得る。シャフト100は外径が異なる部分が軸方向に沿って区分されて配置され得る。シャフト100は第1パート110および第2パート120を含むことができる。第1パート110および第2パート120は軸方向に配置され得る。一方、シャフト100は一つの部材であってもよい。
【0018】
シャフト100はロータ200に結合され得る。電流の供給を通じてロータ200とステータ300に電磁的相互作用が発生するとロータ200が回転し、これに連動してシャフト100が回転する。シャフト100は車両の操向装置と連結されて動力を伝達することができる。
【0019】
ロータ200はステータ300と電気的相互作用を通じて回転する。ロータ200はステータ300の内側に配置され得る。ロータ200はロータコアとロータコアに配置されるロータマグネットを含むことができる。
【0020】
ステータ300はロータ200の外側に配置される。ステータ300はステータコア310と、コイル320と、ステータコア310に装着されるインシュレーター330を含むことができる。コイル320はインシュレーター330に巻かれ得る。インシュレーター330はコイル320とステータコア310の間に配置される。コイルはロータマグネットと電気的相互作用を誘発する。
【0021】
ハウジング400はステータ300の外側に配置され得る。ハウジング400は一側が開放された円筒状の部材であり得る。ハウジング400の形状や材質は多様に変形され得るが、高温でもよく耐え得る金属材質が選択され得る。
【0022】
ベアリング500はシャフト100を支持することができる。ベアリング500は第1ベアリング510と第2ベアリング520を含むことができる。第1ベアリング510と第2ベアリング520は軸方向に離隔配置され得る。この時、第1ベアリング510はベアリングハウジング600に配置され得る。そして、第2ベアリング520はハウジング400に配置され得る。
【0023】
ベアリングハウジング600はベアリング500を支持することができる。そして、ベアリングハウジング600はハウジング400と結合され得る。また、ベアリングハウジング600にはシャフト100が通過するホールが形成され得る。
【0024】
図2はシャフト、第1ベアリングおよびベアリングハウジングの断面図であり、
図3はシャフト、第2ベアリングおよびハウジングの断面図である。
【0025】
図2を参照すると、シャフト100は第1パート110および第2パート120を含むことができる。第1パート110と第2パート120は外周面の直径D1、D2が互いに異なり得る。第2パート120の外周面の直径D2は第1パート110の外周面の直径D1より小さくてもよい。前記第2パート120は前記第1パート110と結合する上部領域と前記上部領域の下部に配置される下部領域を含むことができる。そして、前記下部領域の外側には前記第2ベアリング520が配置され得る。この時、前記上部領域の外周面と前記下部領域の外周面の直径が異なり得る。詳細には、前記上部領域の外周面の直径は前記下部領域の外周面の直径より大きく形成され得る。それにより、前記第2パート120は段122を含むことができる。そして、前記段は前記第2ベアリング520の内輪の上部に配置されて前記第2ベアリング520を支持することができる。ここで、前記上部領域は前記第2パート120の第1領域と呼ばれ得、前記下部領域は前記第2パート120の第2領域と呼ばれ得る。
【0026】
第1パート110は第2パート120と結合される第1端部111を含むことができる。そして、第2パート120は第1端部111と結合される第2端部121を含むことができる。この時、第1端部111と第2端部121は半径方向にオーバーラップされ得る。
図2に図示された通り、第1端部111の外側に第2端部121が配置され得る。そして、前記第1端部111と第2端部121の結合によって、前記シャフト100には半径方向に凹んで溝が形成され得る。
【0027】
そして、第1パート110および第2パート120はロータ200と半径方向にオーバーラップされ得る。詳細には、前記ロータ200の上部は第1パート110と接触するように配置され、前記ロータ200の下部は第2パート120の上部領域と接触するように配置され得る。
【0028】
第1パート110と第2パート120は別途のものであり得る。ここで、第1パート110と第2パート120は一体に形成されてもよい。
【0029】
第1ベアリング510は第1パート110に配置され得る。そして、第1ベアリング510は第1パート110を支持することができる。また、第1ベアリング510はベアリングハウジング600により支持され得る。
【0030】
第1ベアリング510は第1パート110の外側に配置され得る。第1ベアリング510は第1パート110の外周面にスライディング可能に配置され得る。すなわち、第1ベアリング510はシャフト100にスライディングフィット(Sliding fit)方式で締結され得る。この時、第1ベアリング510の内周面の直径は第1パート110の直径D1より大きくてもよい。
【0031】
ベアリングハウジング600はプレート部610および第1ベアリングポケット部620を含むことができる。
【0032】
プレート部610はステータ300と軸方向に離隔され得る。プレート部610はハウジング400と結合され得る。そして、プレート部610には軸方向に貫通するように円形のホールが形成され得る。
【0033】
第1ベアリングポケット部620はプレート部610の内側に配置され得る。
【0034】
第1ベアリングポケット部620には第1ベアリング510が配置され得る。第1ベアリング510は第1ベアリングポケット部620に固定設置され得る。第1ベアリング510の外周面は第1ベアリングポケット部620の内周面と同一であり得る。第1ベアリング510は第1ベアリングポケット部620に圧入され得る。
【0035】
図3を参照すると、第2ベアリング520は第2パート120に配置され得る。
【0036】
第2ベアリング520は第2パート120の外周面に固定され得る。これにより、シャフト100は第2ベアリング520の内側に圧入され得る。この時、第2ベアリング520の内周面の直径D4は第2パート120の直径D2と同一であり得る。第2ベアリング520の内周面の直径は第1ベアリング510の内周面の直径より小さくてもよい。
【0037】
ハウジング400はボディ410、底面420および第2ベアリングポケット部430を含むことができる。
【0038】
ボディ410は円筒状であり得る。ボディ410の内側にはステータ300が配置され得る。ボディ410はベアリングハウジング600と結合され得る。底面420はボディ410から内側に向かって延長され得る。底面420はステータ300と軸方向に離隔され得る。そして、第2ベアリングポケット部430は底面420の内側に配置され得る。第2ベアリングポケット部430には第2ベアリング520が配置され得る。
【0039】
第2ベアリング520は第2ベアリングポケット部430に固定され得る。第2ベアリング520の外周面は第2ベアリングポケット部430の内周面と同一であり得る。第2ベアリング520は第2ベアリングポケット部430に圧入され得る。
【0040】
図4は、シャフト、第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングが結合された構造を概略的に示した図面である。
【0041】
図4を参照すると、第1ベアリング510はシャフト100にスライディングフィット(Sliding fit)方式で締結され得る。
【0042】
第1ベアリング510は第1内面511と第1外面512を含むことができる。第1内面511は第1パート110に向かって配置され得る。この時、第1内面511と第1パート110の間にはクリアランスGが形成され得る。そして、第1外面512はベアリングハウジング600に向かって配置され得る。第1外面512はベアリングハウジング600とクリアランスなしに接触され得る。第1ベアリング510はベアリングハウジング600に圧入され得る。ここで、前記クリアランスGはギャップと呼ばれ得る。
【0043】
このような第1ベアリング510はシャフト100とはクリアランスを置いて配置され、ベアリングハウジング600とは固定されるため、シャフト100の軸方向の流動に対して連動せず軸方向位置が固定され得る。
【0044】
第2ベアリング520はシャフト100およびハウジング400と圧入によって締結され得る。
【0045】
第2ベアリング520は第2内面521と第2外面522を含むことができる。ここで、前記第2内面521は前記第2ベアリング520の内輪の内側面であり得、前記第2外面522は前記第2ベアリング520の外輪の外側面であり得る。第2内面521は第2パート120に向かって配置され得る。第2内面521と第2パート120はクリアランスなしに接触され得る。それにより、前記第2内面521は前記第2パート120の上部領域と軸方向にオーバーラップされ得る。そして、第2外面522はベアリングハウジング600に向かって配置され得る。この時、第2外面522は前記第2パート120の上部領域と軸方向にオーバーラップされなくてもよい。すなわち、前記第2外面522は前記第2パート120の上部領域と半径方向に離隔するように配置され、ロータ200と軸方向にオーバーラップされ得る。前記第2外面522はベアリングハウジング600とクリアランスなしに接触され得る。第2ベアリング520はハウジング400に圧入され得る。また、第2パート120は第2ベアリング520に圧入され得る。
【0046】
このような第2ベアリング520はシャフト100およびハウジング400と堅固に固定されてシャフト100の流動を効果的に阻止することができる。
【0047】
このような実施例に係るモータは、シャフト100の下部を下部ベアリングである第2ベアリング520を通じて堅固に固定してシャフト100の軸方向および半経方向の流動を低減することができる。そして、シャフト100の上部を上部ベアリングである第1ベアリング510とスライディングフィット(Sliding fit)で締結して、シャフト100の流動により前記上部ベアリングが流動することを最小化することができる。これに伴い、シャフト100の軸方向および半径方向の流動を減らし、流動に対する前記上部ベアリングの駆動安定性を確保することができる。
【0048】
図5aおよび
図5bは、シャフトの軸方向移動による第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングの位置変化を説明するための図面である。ここで、
図5aはシャフトの第1方向移動による第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングの位置変化を説明するための図面であり、
図5bはシャフトの第2方向移動による第1ベアリング、第2ベアリング、ハウジングおよびベアリングハウジングの位置変化を説明するための図面である。
【0049】
図5aを参照すると、シャフト100の軸方向の流動によって、第1方向P1に力が加えられ得る。第1方向P1はハウジング400からベアリングハウジング600に向かう方向を意味する。すなわち、シャフト100に第1方向P1に加えられる力はシャフト100をハウジング400から引っ張る力であり得る。
【0050】
第2内面521はシャフト100に沿って第1方向P1に移動され得る。一方、第2外面522はハウジング400に固定され得る。この時、第2ベアリング520は第2外面522とハウジング400の固定力を利用してシャフト100の軸方向の流動を阻止することができる。
【0051】
第1内面511は第1パート110とクリアランスGを置いて配置され得る。第1内面511はシャフト100と分離され得る。これによって、シャフト100が第1方向P1に流動しても第1内面511は位置を維持することができる。第1ベアリング510はシャフト100の流動にかかわらず軸方向位置を維持することができる。
【0052】
図5bを参照すると、シャフト100は軸方向の流動によって第2方向P2に力が加えられ得る。第2方向P2はベアリングハウジング600からハウジング400に向かう方向を意味する。すなわち、シャフト100に第2方向P2に加えられる力はシャフト100をハウジング400に押す力であり得る。
【0053】
第2内面521はシャフト100に沿って第2方向P2に移動され得る。ただし、第2ベアリング520の第2下面がハウジング400のベアリングポケット部430によって支持されることによって、第2内面521は第2方向P2移動が制限され得る。そして、第2外面522はハウジング400に固定され得る。このような第2ベアリング520はハウジング400に堅固に固定されてシャフト100の軸方向の流動を阻止することができる。
【0054】
一方、第1内面511はクリアランスGにより第1パート110と分離され得る。これによって、シャフト100が第2方向P2に流動しても第1内面511は位置を維持することができる。第1ベアリング510はシャフト100の流動にかかわらず軸方向位置を維持することができる。
【0055】
図6はベアリングハウジングの斜視図であり、
図7はベアリングハウジングの平面図である。
【0056】
図6および
図7を参照すると、ベアリングハウジング600はプレート部610および第1ベアリングポケット部620を含むことができる。
【0057】
プレート部610はハウジング400と結合され得る。プレート部610はステータ300と軸方向に離隔され得る。プレート部610の内側には第1ベアリングポケット部620が配置され得る。
【0058】
第1ベアリングポケット部620の直径D3は第1ベアリングの直径と同一であり得る。第1ベアリング510は第1ベアリングポケット部620に圧入され得る。第1ベアリングポケット部620はロータ200の反対側に向かって開放され得る。第1ベアリングポケット部620には第1ベアリング510が配置され得る。第1ベアリングポケット部620にはシャフト100が通過するホール620Hが形成され得る。この時、ホール620Hの直径D4は第1ベアリングポケット部620の直径D3より小さくシャフト100の直径より大きくてもよい。
【0059】
第1ベアリングポケット部620は第1部621および第2部622を含むことができる。
【0060】
第1部621はプレート部610からロータ200側に向かって延長され得る。第1部621は第1ベアリング510の第1外面512と接触され得る。第1部621は第1ベアリング510と半径方向にオーバーラップされ得る。
【0061】
第2部622は第1部621から内側に向かって延長され得る。第2部622は第1ベアリング510の第1下面を支持することができる。第2部622は第1ベアリング510を軸方向に支持することができる。
図4に図示された通り、第2部622は第1ベアリング510の外輪の下部を軸方向に支持することができる。第2部622は第1ベアリング510とロータ200の間に配置され得る。第2部622はホール620Hを含むことができる。そして、第1ベアリングポケット部620はロータ200の反対側に向かって開放されるように形成されるため、前記第1下面の反対側に配置される第1上面は第1ベアリングポケット部620と接触しない。
【0062】
図8a~
図8cは、本発明の一実施例に係るモータの組立過程を説明するための斜視図である。
図8aは実施例に係るモータの組立時のシャフト、ハウジング、およびシャフトの組立過程を示す図面であり、
図8bは実施例に係るモータの組立時の第1ベアリングとベアリングハウジングの組立過程を示す図面であり、
図8cは実施例に係るモータの組立時のハウジングとベアリングハウジングの組立過程を示す図面である。
【0063】
図8aを参照すると、第2ベアリング520およびシャフト100はハウジング400に順次圧入され得る。優先的に、第2ベアリング520はハウジング400に第2方向P2に圧入され得る。そして、シャフト100を第2ベアリング520の内側に圧入することができる。それにより、第2ベアリング520およびシャフト100はハウジング400に固定され得る。
【0064】
一方、
図8bのように、第1ベアリング510はベアリングハウジング600に圧入され得る。この時、第1ベアリング510はベアリングポケット部620に第2方向P2に圧入され得る。それにより、第1ベアリング510はベアリングハウジング600に固定され得る。
【0065】
図8cのように、第1ベアリング510が固定されたベアリングハウジング600はハウジング400に結合され得る。この時、第1ベアリング510はシャフト100とスライディングフィット(Sliding fit)で結合され得る。
【0066】
このような本発明に係るモータは、シャフト100の下部を固定してシャフト100の軸方向および半経方向の流動を阻止し、シャフト100の上部を前記上部ベアリングとスライディングフィット(Sliding fit)で締結してシャフト100の流動により上部ベアリングが連動することを最小化することができる。
【0067】
以下では、比較例および実施例に係るモータのシャフト100の流動距離を測定して本発明の効果をさらに詳細に説明する。
【0068】
表1は比較例と実施例に係るモータの第1および第2ベアリング、ベアリングハウジングシャフトおよびハウジングの間のクリアランスを表す。そして、表2は比較例と実施例に係るモータのシャフトに軸方向に力が加えられた時、シャフトの流動距離を測定した結果である。
【0069】
比較例1および比較例2は第1ベアリングとシャフトが圧入結合され、第2ベアリングとシャフトがスライディング結合された構造である。そして、実施例は第1ベアリングとシャフトがスライディングフィット(Sliding fit)で結合され、第2ベアリングとシャフトが圧入結合された構造である。
【0070】
そして、比較例1および実施例1はシャフトに第1方向P1に200Nの力が加えられ、比較例2および実施例2はシャフトに第2方向P2に7000Nの力が加えられた。ここで、第1方向P1の力はシャフトをハウジングから引っ張る力であり、第2方向P2の力はシャフトをハウジングに押す力である。
【0071】
【0072】
【0073】
表1および2を参照すると、実施例1は比較例1と同一方向に同一の大きさの力が加えられたが、軸方向の流動距離が500μmから10μmに低減したし、半経方向の流動距離が55μmから25μmに低減したことを確認することができる。また、実施例2は比較例2と同一方向に同一の大きさの力が加えられたが、軸方向の流動距離が500μmから10μmに低減したし、半経方向の流動距離が55μmから25μmに低減したことを確認することができる。このように、実施例はシャフトに引っ張る力と押す力が加えられた時のいずれにおいてもシャフトの流動を低減することができる。
【0074】
前述された実施例にはインナーロータ型モータを例にして説明したが、これに限定されない。本発明はアウターロータ型モータにも適用可能である。また、車両用または家電用などの多様な機器に利用することができる。
【0075】
前記では本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正および変更できることが理解できるであろう。
【符号の説明】
【0076】
100:シャフト
200:ロータ
300:ステータ
400:ハウジング
500:ベアリング
600:ベアリングハウジング
【国際調査報告】