(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】水及び魚介類分流器
(51)【国際特許分類】
A01K 63/02 20060101AFI20240202BHJP
A01K 63/04 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A01K63/02 A
A01K63/04 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023541500
(86)(22)【出願日】2022-01-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2022050201
(87)【国際公開番号】W WO2022148808
(87)【国際公開日】2022-07-14
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523255826
【氏名又は名称】エムエムシー ファースト プロセス エイエス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウルケ、ヤン ペッテル
(72)【発明者】
【氏名】ゲルセス、リーフ ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】モルク、 カール - ヨハン
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA01
2B104AA16
2B104BA16
2B104CA09
2B104CE01
2B104EA01
2B104EB19
2B104EB23
2B104EB26
(57)【要約】
流動性のあるマスを第1のロケーションから第2の複数のロケーションのうちの選択された1つにルーティングするための水及び魚介類分流器1。分流器1は、マス・ムーバを介して第1の端部8、8’において互いに連通している第1の管5と第2の曲管5’とを有する。第2の曲管5’は、第2の端部9’を円12’に沿って変位させるように第1の端部8’の周りを回転可能である。第1の導管10が第1のロケーションと連通しており、複数の第2の導管10’が第2の複数のロケーションのうちのそれぞれの1つと連通しており、導管の端部は、第2の曲管5’の第2の端部9’によって描かれる円12’に沿って配置される。第1の導管及び第2の導管は第1の管及び第2の管を通して流体接続され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロケーションから第2の複数のロケーションのうちの選択された1つに前記水及び魚介類をルーティングするための水及び魚介類分流器(1)であって、前記分流器(1)は第1の管(5)と第2の曲管(5’)とマス・ムーバとを備え、前記第1の管(5)と前記第2の管(5’)とが前記マス・ムーバを介して第1のそれぞれの端部(8、8’)において互いに連通しており、前記第2の曲管(5’)が前記第1の端部(8’)の軸の周りを回転可能であり、前記回転が、前記第2の曲管(5’)の第2の端部(9’)を円(12’)に沿って変位させ、少なくとも1つの第1の導管(10)が前記第1のロケーションと連通しており、複数の第2の導管(10’)が前記第2の複数のロケーションのうちのそれぞれの1つと連通しており、前記第2の導管(10’)が、前記第2の曲管(5’)の前記第2の端部(9’)によって描かれる前記円(12’)に沿って配置されたそれぞれの端部を有し、前記第2の曲管(5’)の前記第2の端部(9’)が、選択された第2の導管端部と整合したときに、前記第2の曲管(5’)が前記第2の導管(10’)のうちのそれぞれの選択された1つに接続可能である、水及び魚介類分流器(1)。
【請求項2】
前記第1の管(5)は、前記第1の管(5)の第2の端部(9)が円(12)を描くように、前記第1の端部(8)の軸の周りを回転可能である曲管であり、前記第1の曲管(5)の前記第2の端部(9)が、選択された第1の導管端部と整合したときに、前記第1の管(5)の前記第2の端部(8)が、前記円(12)に沿って配置されたそれぞれの端部を有する複数の第1の導管(10)のうちのそれぞれの1つに接続可能である、請求項1に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項3】
前記マス・ムーバが、入口端部から出口端部までらせん形状で延在する少なくとも1つの導管を有するコイル・ポンプ・タイプのポンプである、請求項1又は2に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの曲管が前記管の回転のためのモータに結合された、請求項1から3までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの曲管が、押し込まれて前記選択された導管と結合することができる、前記第2の端部にある摺動可能な外側セクションを有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項6】
前記少なくとも1つの曲管が、前記外側端部にフレキシブルな外側セクションを有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項7】
前記水及び魚介類分流器が、前記第1の導管から前記第2の導管まで一様な内部断面を有する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項8】
すべての曲がり角が少なくとも135度である、請求項1から7までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は水及び魚介類分流器(flow distributor)に関する。分流器は、特に、異なるロケーション間の流動性物質、特に、タンク間又は貯蔵庫(pen)間の、水及び活魚の移送及び分配のために適応される。
【背景技術】
【0002】
水及びバイオマスが分配されるとき、流れは、流れがどの供給源から取られるべきかと、意図される送り先とに応じて、異なる管を通して送られ得る。旧来、管は供給源から送り先まで敷設されている。しかしながら、このため、供給源又は送り先、或いは両方が変わった場合、新しい管を敷設するか、又は既設の管を並べ替える必要がある。
【0003】
その結果、様々な分岐を接続することを可能にし、弁の設定に応じて分岐を選定することができる弁が開発された。1つのそのような実例がノルウェー特許第344973号に示されている。
【0004】
水及び活魚の移送のための弁を設計するときの主要な課題は、魚がそれによって捕捉されるか又は損傷し得る、鋭い曲がり及び特徴を回避しなければならないことである。その上、弁は、選定することができる管の選択範囲が限られている。通常、入口は1つのみ、出口は3つ又は4つまでであるか、或いは入口は3つ又は4つ、出口は1つのみである可能性がある。より多い入口又は出口が望まれる場合、いくつかの弁を直列に配置しなければならない。
【0005】
気送(pneumatic dispatch)の分野からは、より広い範囲の入口及び出口を可能にする、知られている解決策がある。そのようなシステムは、しかしながら、水を移送するのに好適でない。
【0006】
気送システムのいくつかの実例が、米国特許出願公開第20140356080(A1)号、ドイツ特許第19712251(C1)号、米国特許第3868071(A)号、欧州特許出願公開第2233414(A1)号、米国特許第6074136(A)号、中国特許110217596(A)号及び米国特許出願公開第2012051848号において見つけられる。
【0007】
米国特許第4252479(A)号は、気送システムを記載していないが、粒状物質の移送のための空気圧装置(pneumatic arrangement)を記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】ノルウェー特許第344973号
【特許文献2】米国特許出願公開第20140356080(A1)号
【特許文献3】ドイツ特許第19712251(C1)号
【特許文献4】米国特許第3868071(A)号
【特許文献5】欧州特許出願公開第2233414(A1)号
【特許文献6】米国特許第6074136(A)号
【特許文献7】中国特許110217596(A)号
【特許文献8】米国特許出願公開第2012051848号
【特許文献9】米国特許第4252479(A)号
【特許文献10】ノルウェー特許第330892号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主要な目的は、移送される品物が捕捉されるか又は損傷し得る鋭い曲がりと障害物とを回避し、多数の入口及び出口の間で選択することができる水及び魚介類分流器を提供することである。これは請求項1に記載の特徴によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従属クレームは本発明の好ましい実施例を定義する。
【0011】
分流器は、特に、参照により本明細書に組み込まれるノルウェー特許第330892号に示されているような、ポンプと一緒に動作するのに好適である。
【0012】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明についてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は本発明の分流器1の原理スケッチを示す。分流器は入口側2と出口側3とを有する。2つの側は、この実例では、原則として同等であるが、鏡像として示されている。入口側2と出口側3とは、4において直接接続され得るが、以下で説明するポンプ又は他のマス・ムーバ(mass mover)を通しても接続され得る。入口側2と出口側3とは異なることもある。たとえば、入口側2は、4において、或いはポンプ又はマス・ムーバを通して出口側3に接続された、ただ1つの管を備え得る。
【0015】
入口側2は、第1の曲がり(bend)5aと、直線管ピース5bと、第2の曲がり5cとからなる曲管(bent pipe)5を備える。曲がり5aと曲がり5cと管ピース5bとは一体の管であり得る。曲がりは、図示の実例では、約135度の角度を有する。しかしながら、曲がり角(bend angle)は、これと異なり得るが、鋭角すぎるべきでない。90度に近い曲がり角は回避するべきである。
【0016】
曲管5の2つの端部8、9は異なる軸に配置される。内側端部8の軸の周りの曲管の回転は外側端部9を円12に沿って変位させる。外側端部9は、それによって、曲管5の回転中の外側端部9の動きの円12と一致する円に配置されたいくつかの入口管10のうちの1つと整合して配置することができる。曲管5を入口管10のうちの選択された1つに整合するまで回転することによって、流れが選択された入口管10から曲管5を通って出口側3に向かって導かれ得るように、曲管5を選択された入口管10に接続することができる。
【0017】
出口側3は入口側と同様に設計される。出口側3は、内側端部8’と外側端部9’とをもつ、第1の曲がり5a’と直線管5b’と第2の曲がり5c’とを備える曲管5’を有する。曲管5を内側端部8’の軸の周りに回転することによって、外側端部9’は円12’を描くことになり、また、外側端部9’は、円12’に沿ってそれの端部が配置された複数の出口管10’のうちの選択された1つに接続することができる。
【0018】
示されている実施例では、12個の入口管10と12個の出口管10’とがある。したがって、合計12×12=144個の異なる流れルートが可能である。両方向に流れることが可能である場合、合計2×144=288個の流れルートが可能である。
【0019】
図2~
図5は、ポンプ11など、マス・ムーバと組み合わせた、本発明による分流器の異なる図を示す。
【0020】
図2は分流器及びマス・ムーバの側面図を示す。この場合、マス・ムーバは、アルキメデス・スクリューの原理に従って作動するが、入口端部から出口端部までらせん形状に配置されたホース(図示せず)をもつ、ポンプ11である。ホースの回転はホースの内部のマスを入口端部から出口端部まで変位させる。マスが液体である場合、ポンプ中により多い液体を引き込む吸引力が入口端部において生成される。このタイプのポンプはコイル・ポンプと称されることもあり、原理は上述のノルウェー特許第330892号に示されている。この原理に従うポンプは本出願人によってRID Fish Pumpとして販売されている。
【0021】
このタイプのポンプはマスを入口から出口まで穏やかに移動させる。このタイプのポンプは、したがって、活魚など、損傷しやすい物体を移動させるのに理想的である。
【0022】
図2は複数の入口管10と複数の出口管10’とを示す。この構成では、合計8×8=64個の流れルートが可能であるが、ポンプ11が両方向にポンピングすることが可能であるときは、これの2倍の128個になる。
【0023】
図3は分流器構成を一方の端部からの等角投影図で示し、
図4は構成を反対端部からの等角投影図で示す。
【0024】
管5及び管5’は、ポンプ11へのそれらの結合部の周りに手動で又はモータ(図示せず)によって回転され得る。選択された管10又は管10’への接続は、外側端部9、9’に摺動可能な外側セクションを及び管間にシールを有することか、又は外側端部10、10’に短いホースなどのフレキシブルなセクションを有することによって行われ得る。外側端部9、9’及び管10、10’の端部はまた、フランジ又はクイック接続カップリングを有し得る。
【0025】
図5は、曲管5、5’が選択された管10、10’に接続された、分流器を平面図で示す。
【0026】
説明した実施例は、回転可能な管5及び管5’からある距離まで互いに近接して配置され、次いで2つの比較的鋭い曲がりを通して外側に曲げられた、入口管10と出口管10’とを有するが、管10、10’は回転可能な管5、5’に向かって異なる方向から延在し得る。それらはまた、異なる成形された曲がりを通るか、又は全く曲げられないことがある。唯一の要件は、管10、10’が、回転可能な管5、管5’の外側端部が回転されたときに描くそれぞれの円12、円12’に沿ったそれらの端部を有することである。
【0027】
回転可能な管5、5’が描く円12、12’は異なる直径であり得る。直径は、取り付けられる入口管10又は出口管10’がいくつあるかに依存する。
【0028】
分流器は、入口導管から出口導管までの全体長さに沿って一様な断面をもつように設計され得る。135度よりも小さい角度をもつなど、鋭い曲がりは回避され得る。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のロケーションから
複数の第2のロケーションのうちの選択された1つに水及び魚介類をルーティングするための水及び魚介類分流器(1)であって、前記分流器(1)は第1の管(5)と第2の曲管(5’)とマス・ムーバとを備え、前記第1の管(5)と前記第2の管(5’)とが前記マス・ムーバを介して第1のそれぞれの端部(8、8’)において互いに連通しており、前記第2の曲管(5’)が前記第1の端部(8’)の軸の周りを回転可能であり、前記回転が、前記第2の曲管(5’)の第2の端部(9’)を円(12’)に沿って変位させ、少なくとも1つの第1の導管(10)が前記第1のロケーションと連通しており、複数の第2の導管(10’)が前記第2の複数のロケーションのうちのそれぞれの1つと連通しており、前記第2の導管(10’)が、前記第2の曲管(5’)の前記第2の端部(9’)によって描かれる前記円(12’)に沿って配置されたそれぞれの端部を有し、前記第2の曲管(5’)の前記第2の端部(9’)が、選択された第2の導管端部と整合したときに、前記第2の曲管(5’)が前記第2の導管(10’)のうちのそれぞれの選択された1つに接続可能であ
り、前記マス・ムーバは入口端部から出口端部までらせん形状で延在する少なくとも1つの導管を有するコイル・ポンプ・タイプのポンプである水及び魚介類分流器(1)。
【請求項2】
前記第1の管(5)は、前記第1の管(5)の第2の端部(9)が円(12)を描くように、前記第1の端部(8)の軸の周りを回転可能である曲管であり、前記第1の曲管(5)の前記第2の端部(9)が、選択された第1の導管端部と整合したときに、前記第1の管(5)の前記第2の端部(8)が、前記円(12)に沿って配置されたそれぞれの端部を有する複数の第1の導管(10)のうちのそれぞれの1つに接続可能である、請求項1に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの曲管が前記管の回転のためのモータに結合された、請求項1
または請求項2に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの曲管が、押し込まれて前記選択された導管と結合することができる、前記第2の端部にある摺動可能な外側セクションを有する、請求項1から
3までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項5】
前記少なくとも1つの曲管が、前記外側端部にフレキシブルな外側セクションを有する、請求項1から
4までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項6】
前記水及び魚介類分流器が、前記第1の導管から前記第2の導管まで一様な内部断面を有する、請求項1から
5までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【請求項7】
すべての曲がり角が少なくとも135度である、請求項1から
6までのいずれか一項に記載の水及び魚介類分流器。
【国際調査報告】