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特表2024-506136レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体
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  • 特表-レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体 図1
  • 特表-レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体 図2
  • 特表-レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体 図3
  • 特表-レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体 図4
  • 特表-レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】レーダー支持体、レドーム、および自動車のシールド、を備える組立体
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/03 20060101AFI20240202BHJP
【FI】
G01S7/03 246
G01S7/03 240
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023542556
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022051816
(87)【国際公開番号】W WO2022175045
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】2101505
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】モラン, フランソワ
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AF03
5J070AK40
(57)【要約】
レドーム(3)と、レーダー支持体(2)と、第1の横断部分(11)および第2の横断部分(12)を備えるフロントシールド(1)と、を備える組立体が開示され、外部で格子と一体であるレドームレシーバ位置(30)を備える外部通気格子(4)が、第1の横断部分(11)と第2の横断部分(12)との間に設置され、レーダー支持体が、第1のシールド部分から第2のシールド部分まで垂直に延在し、第2のシールド部分と一体である上側部分(22)と、第1のシールド部分に固定された下側部分(21)と、を備え、レーダーを収容する凹形ハウジング(23)を備える領域(20)がレドーム位置(30)に対応するように位置し、シールドの内側フェイス(100)が、支持体(22)の上側部分と協働する、シールドの横断方向および垂直方向においてレーダー支持体の位置を位置合わせするための上側中央要素(120)と、支持体の下側部分(21)と協働する、少なくとも横断方向においてレーダー支持体の位置を位置合わせするためのおよびレーダー支持体の位置の回転を防止するための少なくとも2つの下側要素(111、112)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のフロントにある組立体において、前記組立体が、レドーム(3)と、レーダー支持体(2)と、車両のフロントシールド(1)と、を備え、前記シールドが、内側フェイス(100)および外側フェイス(101)を備え、前記車両の前記フロントに取り付けられるとき、そのホイールの上に載置されている前記車両の横断方向、長手方向、および垂直方向にそれぞれ対応する横断方向、長手方向、および垂直方向に延在する、組立体であって、
前記シールドが、第1の横断部分(11)と、前記第1の横断部分の上方にある第2の横断部分(12)とを備え、前記第1の横断部分(11)と前記第2の横断部分(12)との間に、前記レドームのための設置場所(30)を備える外部通気格子(4)が設置され、前記レドームが前記格子に強固に接続される、ことと、前記レーダー支持体(2)が前記シールドの前記内側フェイス(100)の上に配置された単一部品であり、前記部品が前記第1のシールド部分(11)から前記第2のシールド部分(12)まで垂直に延在し、前記支持体が、前記第2のシールド部分(12)に強固に接続された上側部分(22)と、前記第1のシールド部分(11)に固定された下側部分(21)と、を備え、前記支持体が、前記支持体の前記上側部分と前記下側部分との間に位置して前記レーダーのための凹形シート(23)を備えた前記レーダー(20)のための着座・固定ゾーンをさらに備え、前記凹形シート(23)が、外部に配置されたレドームのための前記設置場所(30)に一致する、ことと、前記シールドの前記内側フェイス(100)が、前記支持体(22)の前記上側部分と協働する、前記シールドの前記横断方向および前記垂直方向に存在する前記レーダー支持体のための上側中央位置合わせ要素(120)と、少なくとも前記横断方向に機能し、且つ前記支持体の前記下側部分(21)と協働する、前記レーダー支持体のための少なくとも2つの下側位置合わせ・回転防止要素(111、112)と、を備える、ことと、を特徴とする、組立体。
【請求項2】
前記上側中央位置合わせ要素(120)がその前記外側表面の上に調整可能な高さのリブ(1200)を備える、ことを特徴とする、請求項1に記載の組立体。
【請求項3】
前記レーダー支持体(2)が、補強リブを備える2つの側方ストラップ(201、202)を備える単一の部品であり、前記ストラップが前記シールドの前記第1の横断部分(11)から前記第2の横断部分(12)まで延在し、前記ストラップの各下側端部が前記支持体の脚部(211、212)を形成し、前記脚部(211、212)が前記シールドの前記少なくとも2つの下側位置合わせ・回転防止要素(111、112)と協働し、前記脚部の各々が、前記支持体を前記シールドの前記第1の横断部分(11)に固定するための固定オリフィス(2110、2120)を有する、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の組立体。
【請求項4】
前記シールドの前記下側位置合わせ・回転防止(111、112)の各々が、前記支持体の前記固定脚部(211、212)のうちの一方のそれぞれの内側部分にそれぞれ接触する横方向回転防止停止部を備える、ことを特徴とする、請求項3に記載の組立体。
【請求項5】
前記ストラップの各上側端部が、前記シールドの前記第2の横断部分(12)の横方向固定スタッド(121、122)とそれぞれ協働する個別の仮保持・固定用孔(221、222)を有し、前記スタッド(121、122)が、前記支持体の位置を調整するのを可能にするためにその前記外側表面の上に調整可能な高さのリブをさらに備える、ことを特徴とする、請求項3から4までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項6】
前記シールドが前記第2の横断部分(12)の上方でそのすぐ隣に配置された第3の横断部分(13)を備え、前記第3の横断部分(13)が前記レーダー支持体(22)の前記上側部分に重なるフェイスプレート(130)を備え、前記フェイスプレートが、前記シールドの上の前記上側中央位置合わせ要素(120)の周りに配置されたオリフィス(1300)を有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項7】
前記フェイスプレート(130)が、前記レーダー支持体の前記ストラップの前記それぞれの上側端部のところにそれぞれ位置する前記仮保持・固定用孔(221、222)に重なる2つの横方向固定用孔(131、132)を備え、前記シールドの前記第2の横断部分を前記横方向固定スタッド内で固定するために前記フェイスプレートの前記横方向固定用孔の中に挿入される固定手段をさらに備え、これにより、前記レーダー支持体の前記上側部分が前記シールドの前記第2の部分と前記シールドの前記第3の部分との間に挟まれる、ことを特徴とする、請求項6または5に記載の組立体。
【請求項8】
前記レーダー支持体が、前記レーダーのための前記シート(23)の前記上側部分の境界を画定する横断棒(24)を備え、前記棒が前記レーダーを固定するための固定用孔(241、242)を有する、請求項1から7までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項9】
前記支持体(2)が、固定前に定位置で前記支持体を保持することを目的として、その前記上側部分に、前記シールドの前記内側フェイス上の2つの横方向フランジ(123、124)の上にそれぞれ載置される2つの横方向仮保持手段(223、224)を備える、ことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の組立体。
【請求項10】
レードーム(3)と、レーダー支持体(2)と、フロントシールド(1)と、を含む請求項1から9までのいずれか一項に記載の組立体を備える、自動車のフロント。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は、自動車のフロントに設置された、レーダー支持体と、レドームと、シールドと、を備える組立体に関する。本発明はさらに、このような組立体を備える自動車のフロントに関する。
【0002】
運転手支援システムがより進化してより普及していることを理由として、より多くの車両が、外部環境との安全距離の関数として車両の速度を制御することを意図された衝突防止レーダーシステムを装備するようになっている。この種類のシステムは、AEBS(Advanced Emergency Braking System)を含む。このシステムは特には横断する通行人である潜在的な障害物が検出される場合にまたは車が前方の車に過度に接近する場合に車が自動で制動するのを可能にする。AEBSは、とりわけ、検出された潜在的な障害物までの距離を測定し、上記距離が安全限界未満である場合に制動強さを増大することができる。このシステムは、車両のフロントに設置されたレーダーによって収集されたデータを受け取る。延長線上で考えると、この種類のレーダーは通常はAEBSレーダーと称される。
【0003】
このようなレーダーが車両のフロントに設置されることを理由として、これらの安全システムは衝撃に対しての非常に良好な保護能力を有さなければならない。
【0004】
従来技術では、このようなレーダーは、通常、支持体が十分な剛性を有することを保証するために車両のフロントにおいてボディ構造の要素に固定された支持体を使用して、設置される。この組立体は、必要な周波数帯域内のレーダー波に対して透過性である材料で作られた、外部に配置されるレドーム(レーダーセンサのための保護要素)をさらに備える。
【0005】
現況技術の第1の例によると、レーダー支持体が、フロント横材(エンジンコンパートメント内で2つの側方レールの間に位置する構造部品)などの車両のフロントの構造部品に直接に固定され得る。このような構成が例えば特許出願FR3056176で説明されている。
【0006】
従来技術の別の例では、レーダー支持体が車両のフロント技術(FAT:face avant technique)またはシート金属部品に固定され得る。
【0007】
従来技術のこの例の1つの欠点は、とりわけ、嵌め込みの問題であり、次元的な連なりにおいて連結の数が多いことにより幾何学的寸法によるエラーが過度に多数となる。この事例では、レドームが、ビーム幅のレーダー波を吸収するために200mmの幅および約100mmの長さのオーダーである。
【0008】
様々な知られている実施形態の別の欠点は、レドームからレーダーが離れて配置されていることを理由として幅広であるビーム幅のレーダー波をカバーするためにレドームを比較的大きくする必要があることである。このような構成は比較的高コストである。
【0009】
本発明はこれらの欠点を少なくとも部分的に解消することを意図される。本発明は、とりわけ、車両のフロントにあるレーダー支持体の新規の構成に関連する。
【0010】
この目的のため、本発明は自動車のフロントにある組立体を提案し、上記組立体が、レドームと、レーダー支持体と、車両のフロントシールドと、を備え、上記シールドが、内側フェイスおよび外側フェイスを備え、車両のフロントに取り付けられるとき、そのホイールの上に載置されている車両の横方向、長手方向、および垂直方向にそれぞれ対応する横方向、長手方向、および垂直方向に延在する。上記シールドが、第1の横断部分と、上記第1の横断部分の上方にある第2の横断部分とを備え、第1の横断部分と第2の横断部分との間に、レドームのための設置場所を備える外部通気格子が設置され、上記レドームが上記格子に強固に接続される。上記レーダー支持体がシールドの内側フェイスの上に配置された単一部片部品であり、上記部品が上記第1のシールド部分から上記第2のシールド部分まで垂直に延在し、上記支持体が、上記第2のシールド部分に強固に接続された上側部分と、上記第1のシールド部分に固定された下側部分と、を備え、上記支持体が、支持体の上記上側部分と上記下側部分との間に配置された、レーダーのための着座・固定ゾーンをさらに備える。
【0011】
本発明によると、レーダーのための上記着座・固定ゾーンが上記レーダーのための凹形シートを備え、上記シートが、外部に配置されたレドームの設置場所に一致する。
【0012】
本発明によると、シールドの内側フェイスが、上記支持体の上側部分と協働する、シールドの横方向および垂直方向に存在するレーダー支持体のための上側中央位置合わせ要素と、少なくとも上記横方向に機能するおよび支持体の下側部分と協働する、レーダー支持体のための少なくとも2つの下側位置合わせ・回転防止要素と、を備える。
【0013】
特には本発明によると、レドームが、上記通気格子内の開口部内において、格子の外側フェイスに強固に接続され、上記開口部が通気格子内にレドームのための設置場所を形成し、上記開口部がレーダーの上記シートに位置合わせされる。例えば、レドームが上記開口部の中にスナップ嵌合され、上記開口部がレドームのサイズである。
【0014】
より具体的には、本発明によると、シールドの上記第1の横断部分および上記第2の横断部分がシールドのスキンに属する。
【0015】
特には本発明によると、レーダー支持体が、シールドの横方向においてシールドの中心のところにまたはその近くに位置する。
【0016】
好適には、本発明によると、シールドの上記第1の部分と第2の部分との間に位置する上記外部通気格子が下側通気格子である。
【0017】
本発明の好適な実施形態によると、上記上側中央位置合わせ要素がその外側表面の上に調整可能な高さのリブを備える。レーダー支持体の位置を調整するためにリブの高さが調整され得る。好適には、上記上側中央位置合わせ要素が、シールドの内側フェイスに対して概して垂直である細長い要素である。特には、上記要素がシャフトである。
【0018】
有利には、本発明によると、上記支持体が、固定前に定位置で支持体を保持することを目的として、その上側部分に、シールドの内側フェイス上の2つの横方向フランジの上にそれぞれ載置される2つの横方向仮保持手段を備える。
【0019】
本発明の好適な実施形態によると、レーダー支持体が補強リブを備える2つの側方ストラップを備える単一の部品であり、上記ストラップがシールドの上記第1の横断部分から上記第2の横断部分まで延在し、上記ストラップの各下側端部が支持体の脚部を形成し、脚部がシールドの少なくとも2つの下側位置合わせ・回転防止要素と協働し、上記脚部の各々が、上記支持体をシールドの上記第1の横断部分に固定するための固定オリフィスを有する。
【0020】
好適には、シールドの上記下側位置合わせ・回転防止要素の各々が、支持体の上記固定脚部のうちの一方のそれぞれの内側部分にそれぞれ接触する横方向回転防止停止部を備える。言い換えると、上記横方向停止部が支持体の脚部の間に位置し、上記横方向停止部が好適には2つ存在し、直接に隣接する脚部の内部に接触する。好適には、シールドが上記下側回転防止位置合わせ要素のうちの2つの下側回転防止位置合わせ要素を有する。
【0021】
さらに、上記ストラップの各上側端部が、シールドの上記第2の横断部分の横方向固定スタッドとそれぞれ協働する個別の仮保持・固定用孔を有し、上記スタッドが、支持体の位置を調整するのを可能にするためにその外側表面の上に調整可能な高さのリブをさらに備える。これらのリブの高さ調整が、レーダー支持体の位置を調整するためにシールドの上記上側中央位置合わせ要素のリブの高さ調整と協働することができる。
【0022】
有利には、本発明によると、シールドが上記第2の横断部分の上方でそのすぐ隣に配置された第3の横断部分を備え、第3の横断部分がレーダー支持体の上記上側部分に重なるフェイスプレートを備え、上記フェイスプレートが、シールドの上の上記中央位置合わせ要素の周りに配置されたオリフィスを有する。
【0023】
好適には、この実施形態によると、上記フェイスプレートが、レーダー支持体の上記ストラップのそれぞれの上側端部のところにそれぞれ位置する仮保持・固定用孔に重なる2つの横方向固定用孔を備え、シールドの上記第2の横断部分を上記横方向固定スタッド内で固定するためにフェイスプレートの上記横方向固定用孔の中に挿入される固定手段をさらに備え、これにより、レーダー支持体の上側部分がシールドの上記第2の部分とシールドの上記第3の部分との間に挟まれる。フェイスプレートを強固に固定することが、レーダー支持体の上側部分をシールドに接続する。
【0024】
好適には、本発明によると、レーダー支持体をシールドに固定するための上記手段がねじである。好適には、これらの固定手段が合計4つのねじを含む。
【0025】
本発明によると、上記レーダー支持体が、レーダーのためのシートの上側部分の境界を画定する横断棒を備え、上記棒が例えばねじ留めによりレーダーを固定するための固定用孔を有する。
【0026】
本発明の1つの利点は、従来技術で通常使用されるレドームより小さいレドームが使用され得、支持体のまた特にはレーダーのための設置場所のポジショニングの正確で容易な調整により、レドームがレーダーのシートおよびひいてはレーダーに非常に近接することなる。
【0027】
有利には、上記レドームがプレート形状であり、プレートの1つの側辺の最大寸法が100mmのオーダーであり、特には90mmから130mmの間であり、またはさらには98mmから128mmの間である。
【0028】
有利には、本発明によると、レーダー支持体が強化プラスチック材料で作られ、好適にはガラス繊維強化ポリプロピレンで作られ、より好適には、25重量%から35重量%の間でガラス繊維を用いて強化される。このような材料は組立体の剛性を増大し、その振動性能を改善する。
【0029】
本発明はさらに、上で説明した組立体を有する自動車に関連する。
【0030】
本発明のさらなる細部および利点が、添付図面を参照するかたちで非限定の実施例として以下で与えられる本発明の特定の実施形態の記述に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】自動車のフロントに設置された、フロントシールド、レーダー支持体、およびレドームを備える、自動車の上記フロントの内部から見た本発明による組立体を示す45度の斜視側面図である。
図2】自動車の外部から見た、レドームを備えない、図1の上記組立体を示す45度の斜視側面図である。
図3】自動車のフロントに設置された、フロントシールド、レーダー支持体、およびレドームを備える、自動車の上記フロントの内部から見た、レドームを備えない、本発明による組立体を示す正面空間図である。
図4図3による組立体を備える自動車のフロントを示す、自動車の外部から見た、レドームを有する、平面XZの概略長手方向断面図である。
図5】車両に関連する三軸基準座標系XYZを示す図であり、この基準作業系は図を考察するのに使用される。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本説明では、前方、後方、頂部、および底部という用語は、車両の上に組立体が取り付けられるときの車両の前後方向、上下方向をそれぞれ意味する。
【0033】
図の説明で表される向きは、図5に示される車両の従来の基準座標系XYZを参照して与えられ、ここでは、車両が地面の上に載置された状態において、Xが、後方に向かうように方向付けられた、車両の前後の長手方向を表し、Yが、右側に向かうように方向付けられた、車両の横方向を表し、Zが、車両の頂部に向かうように方向付けられた、垂直方向を表す。
【0034】
図1は、その内側フェイス100から見たフロントシールド1と、レーダーのための凹形シート23を備えるレーダー支持体2と、レドーム3と、を備える本発明による組立体を有する自動車のフロントの45度の概略斜視側面図であり、レーダー自体は示されない。
【0035】
図2は、レドーム3のための設置場所を含有する下側通気格子4のところでの、その外側フェイス101から見たレーダー支持体2と、フロントシールド1と、を備える図1に示された組立体を備える自動車のフロントの45度の概略斜視側面図である。
【0036】
図3は、その内側フェイス100から見たフロントシールド1と、レーダーのための凹形シート23を備えるレーダー支持体2と、を備える自動車のフロントにある本発明による組立体の正面全体図であり、上記組立体が上側通気格子を含有するフレームのためのフェイスプレート130をさらに備え、上記フレームがシールド1の一部分を形成する。この図ではレーダーおよびレドームのいずれも示されない。図4は、外側から見たこの組立体の断面を示す。
【0037】
図1および図2を参照すると、フロントシールド1が、シールドの下側部分を形成する第1の横断部分11と、上記第1の部分より高くに位置する第2の横断部分12と、を備え、この第2の部分がシールドの中間部分12を形成する。下側通気格子4がこれらの2つの部分の間に配置され、例えば定位置にスナップ嵌合される。シールドの下側部分11および中間部分12は、より正確には、シールドスキン10に属し、シールドスキン10がシールド1の下側部分を形成する。これらの部分が、それぞれ、上記シールドスキン10の下側部分11および上側部分12を形成する。シールドスキンが、下側通気格子4を受けるための少なくとも1つの開口部を備える。
【0038】
レーダー支持体2がシールドの下側部分11に強固に接続された下側部分21と、シールドの中間部分12に強固に接続された上側部分22と、を備える単一部片部品である。上記レーダー支持体が、その上記下側部分21と上記上側部分22との間に位置する中央部分20を備える。
【0039】
支持体の上側部分22が、互いに対して実質的に垂直である2つの部分(一方の部分が実質的に垂直であり、もう一方の部分が実質的に水平である)から構成される正方形形状220により、実質的に水平方向である内側壁42を備える格子4の頂部の形状に適合し、これにより、上記水平部分が下側通気格子4の上記水平壁42のすぐ上方を通過する。
【0040】
中央支持部分20がレーダーを受けるために凹形であるシート23を備え、この凹部がレドーム3のための設置場所30に一致し、設置場所30が下側通気格子4の外側部分40の上に配置される(図2)。上記シートが、支持体の前方において、レドームのための設置場所30の境界を画定する通気格子内の開口部の方に延在し、上記開口部30の中へ突出しない、上記シート23の凹部の周縁部の境界を画定する壁230を備える。上記シート23がレーダーを固定するために横断棒24をさらに備え、この棒が凹部の上側部分の境界を画定し、レーダーが、上記横断棒24の固定オリフィス241、242内でそれぞれ固定された2つのねじによって固定される。
【0041】
レーダーのためのシート23および特にはその凹形部分が中央に配置され、相対的に小さいレドーム3の反対側に適切に配置される、ことを保証するために、シールド1がその中間部分12内に中央位置合わせシャフト120を備え、中央位置合わせシャフト120が、横方向Yにおける上記シート23のセンタリングおよび垂直方向Zにおけるレーダーのシート23の位置を調整することを目的として横方向Yおよび垂直方向Zにおける位置合わせを可能にするために、支持体の上側部分において上記支持体2内の位置合わせ用孔223と協働する。上記位置合わせシャフト120がその外側表面上にリブ1200を備え、リブ1200の高さが、レドームと共にレーダーのシートを適切に中央に配置することを目的として、シールドおよび支持体の型また特にはシールドおよび支持体の寸法に適合するように調整され得る。
【0042】
シールドの下側部分11が、特には、シールドの下側部分11に強固に接続された支持体の下側部分21において2つの固定脚部211、212の横方向の回転(+Y、-Y)を防止することによりレーダー支持体2のセンタリングを制御するために、横断方向Yにある2つの横方向位置合わせ要素111、112を備える。上記横方向要素111、112が、支持体の上記固定脚部の内側部分上にそれぞれ配置された停止部を形成する。
【0043】
さらに、上記支持体の上側部分22が、シールドの内側フェイス100の2つの横方向フランジ123、124とそれぞれ協働する2つの横方向仮保持アーム223、224を備え、支持体が固定前に配置されるとき、支持体の上記横方向保持アームがシールドの上記フランジの上に載置される。
【0044】
種々の位置合わせ要素120、11、112を使用してレーダー支持体が適切に配置されると、その結果としてレーダーのためのシート23がレドームの設置場所30の方を向くようになり、支持体がシールドの中間部分12および下側部分11に固定される。
【0045】
レーダー支持体の2つの上側横方向固定用孔221、222および横方向固定脚部211、212が、それぞれ、1組のリブによって補強された2つの側方ストラップ201、202の端部のところに位置する。これらの2つの側方ストラップが支持体の全高(方向Z)にわたって延在し、側方において上記支持体の境界を画定する。
【0046】
シールドの中間部分12の内側フェイス100が2つの横方向固定スタッド121、122を備え、横方向固定スタッド121、122の中に上記支持体2の上側部分22が例えばねじ留めによって固定され、上記固定スタッド122、122が、上記支持体の上記上側部分22内において2つの上側横方向固定用孔221、222をそれぞれ通過する。シールド1のこれらの横方向固定スタッド121、122が有利には、垂直方向Zにおいて上記中央位置合わせスタッド120と実質的に等しい高さのところで、中央位置合わせシャフト120の両側に配置される。上記横方向固定スタッドがさらに、上記位置合わせシャフト120に対して嵌め込まれるためのリブをその外側表面上に備えることができる。
【0047】
レーダー支持体が単一部品であることを理由として、その中央部分20はシールド1または通気格子4に対して直接に固定するための固定手段を有さない。結果として、支持体、および、特にはレーダーを着座させるところであるその中央部分が、このゾーンのすべての剛性から恩恵を受け、より良好な振動性能を提供する。
【0048】
図3を参照すると、シールドが、上側通気格子を受けるための上側パートを形成する上側横断部分13をさらに備える。シールドのこの上側部分が、上側通気格子(図3に示されない)を受けるように設計された少なくとも1つの開口部を有するフレームによって境界を画定される。フレームが、シールドスキン10の上側部分また言い換えるとシールドの中間部分12との接合を形成するその下側部分のところにフェイスプレート130を備える。上記フェイスプレート130が横方向Yにおいて中央に配置され、シールドの上記中間部分12のところでレーダー支持体の上側部分22に重なる。上記フェイスプレートが、フェイスプレート130を適切に中央に配置するためにYZ位置合わせシャフト120に係合され、ひていはシールドの上側部分にさらに係合され、レーダー支持体の頂部に重なる、センタリングオリフィス1300を有する。上記フェイスプレート130が、レーダー支持体の上側固定用孔221、222に位置合わせされた横方向固定用孔131、132を有する。したがって、レーダー支持体2の上側部分22が、シールドのシールドスキン10と上側横断部分13との間に挟まれる。
【0049】
これにより、特には車両Xの長手方向においてシールドの概して進行方向ゾーンに位置し、したがって衝撃の際により変形しやすい、シールドの部品の接合部のところでの、レーダー支持体の固定の剛性を向上させることができる。
【0050】
好適な実施例によると、支持体が、高い全体の剛性および良好な振動性能に寄与するために、30重量%でガラス繊維を用いて補強されたポリプロピレン(PP)で作られる。
【0051】
レドームが比較的小さい面積を有し、これにより、レーダーが、断面図(図4)で見ることができるように、レドームの中央に配置されるようにおよびレドームに非常に近接するようにシート内で固定され得る。したがって、レーダーの周波数ビーム幅が比較的小さくなり、レドームの後方で良好に保護される。例えば、レドームが約100mmの辺長を有する。例えば、レドームが、約125mm(方向Zの高さ)×100mm(方向Yの幅)の長方形である。
【0052】
本発明は、レドームに近接させてレーダーを中央に配置して固定するのを可能にする、レーダー支持体を備えるシールドの構成体を提供することによりその目標を達成する。本発明による組立体は連結をより少なくして次元的な連なりを形成し、そのゾーンの良好な剛性を保証する。
【0053】
さらに、レーダー支持体が車両ボディの構造要素に固定されない。支持体の剛性およびシールドに対してのその固定が振動に対しての最適な保護を実現し、他方でその柔軟性により最適な衝撃吸収が保証される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】