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特表2024-506154加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20240202BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240202BHJP
   H05B 6/10 20060101ALI20240202BHJP
   H05B 6/36 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/20
H05B6/10 371
H05B6/36 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547298
(86)(22)【出願日】2022-10-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 KR2022016446
(87)【国際公開番号】W WO2023075401
(87)【国際公開日】2023-05-04
(31)【優先権主張番号】10-2021-0143730
(32)【優先日】2021-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソ、チャン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、チン チュル
(72)【発明者】
【氏名】チャン、チュル ホ
(72)【発明者】
【氏名】コ、キョン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ペ、ヒョン チン
(72)【発明者】
【氏名】チョン、チョン ソン
【テーマコード(参考)】
3K059
4B162
【Fターム(参考)】
3K059AA08
3K059AB23
3K059CD52
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC10
4B162AC12
4B162AC22
(57)【要約】
エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間及び収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含む加熱組立体を含むエアロゾル生成装置が提供される。螺旋形コイルは、収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、螺旋形コイルが巻かれる中心は、収容空間の外面に配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱するためのエアロゾル生成装置において、
前記エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間、及び前記収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含む加熱組立体を含み、
前記螺旋形コイルは、前記収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、前記螺旋形コイルが巻かれる中心は、前記収容空間の外面に配置される、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの螺旋形コイルは、互いに電気的に連結された複数個の螺旋形コイルを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記エアロゾル生成物品が前記収容空間に挿入されるとき、前記エアロゾル生成物品と前記螺旋形コイルとの間に配置される断熱部をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記収容空間に挿入された前記エアロゾル生成物品と前記断熱部は、互いに離隔される、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記螺旋形コイルと前記断熱部は、互いに離隔される、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記断熱部は、複数の中空状ビード(bead)を含む、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記中空状ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)、及びパーライトからなる群から選択された1種以上のセラミック物質を含む、請求項6に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
サセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱する加熱組立体において、
前記エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間と、
前記収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルと、を含み、
前記螺旋形コイルは、前記収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、前記螺旋形コイルが巻かれる中心は、前記収容空間の外面に配置される、加熱組立体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの螺旋形コイルは、互いに電気的に連結された複数個の螺旋形コイルを含む、請求項8に記載の加熱組立体。
【請求項10】
前記エアロゾル生成物品が前記収容空間に挿入されるとき、前記エアロゾル生成物品と前記螺旋形コイルとの間に配置される断熱部をさらに含む、請求項8に記載の加熱組立体。
【請求項11】
前記収容空間に挿入されるとき、前記エアロゾル生成物品と前記断熱部は、互いに離隔される、請求項10に記載の加熱組立体。
【請求項12】
前記螺旋形コイルと前記断熱部は、互いに離隔される、請求項10に記載の加熱組立体。
【請求項13】
前記断熱部は、複数の中空状ビードを含む、請求項10に記載の加熱組立体。
【請求項14】
前記中空状ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル、及びパーライトからなる群から選択された1種以上のセラミック物質を含む、請求項13に記載の加熱組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置に係り、さらに詳細には、エアロゾル生成物品に含まれたサセプタを効率的に加熱することができる加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではないエアロゾル生成物質を加熱させてエアロゾルを生成させる方法に関する需要が増加している。これにより、加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
エアロゾル生成装置がエアロゾル生成物品を加熱する方式は、電気抵抗加熱方式と誘導加熱方式とに分類されうる。誘導加熱方式のエアロゾル生成装置の場合、エアロゾル生成物品の周囲または内部に外部磁場によって発熱するサセプタが配置され、コイルによって磁場が誘導されてサセプタが熱を生成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の誘導加熱式エアロゾル生成装置は、サセプタ及びコイルを含み、サセプタがコイルで発生する磁場によって加熱されることで、エアロゾル生成物品に熱エネルギーを伝達する。
【0005】
最近、エアロゾル生成装置に別途のサセプタを配置せず、エアロゾル生成物品に含まれたサセプタを加熱する方式が活発に研究されている。しかし、従来の誘導加熱式エアロゾル生成装置に使用されるコイルの形状は、エアロゾル生成物品に含まれたサセプタを加熱するのに適しておらず、エアロゾル生成物品を効率的に加熱することができない問題がある。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成物品に含まれたサセプタを効率的に加熱することができる加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置を提供することである。
【0007】
実施例を介して解決しようとする課題が上述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は、本明細書及び添付図面から実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施例に係るサセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱するためのエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間、及び収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含む加熱組立体を含み、螺旋形コイルは、収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、螺旋形コイルが巻かれる中心は、収容空間の外面に配置される。
【0009】
他の実施例に係るサセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱する加熱組立体は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間、及び収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含み、螺旋形コイルは、収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、螺旋形コイルが巻かれる中心は、収容空間の外面に配置される。
【0010】
課題の解決手段は、上述したところに制限されず、本明細書全体において通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含む。
【発明の効果】
【0011】
実施例に係る加熱組立体及びそれを含むエアロゾル生成装置によれば、エアロゾル発生物品に含まれたサセプタを螺旋形コイルによって誘導される交流磁場によって効率的に加熱することができる。
【0012】
実施例の効果は、上述したところに限定されず、後述する構成から類推可能な効果をいずれも含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施例に係るエアロゾル生成装置にエアロゾル生成物品が挿入された例を概略的に示す断面図である。
図2】従来のエアロゾル生成装置のコイルを概略的に示す図面である。
図3】従来のエアロゾル生成装置のコイルによって生成される磁力線の方向を示す図面である。
図4】一実施例に係るエアロゾル生成装置の螺旋形コイルを概略的に示す図面である。
図5】一実施例に係るエアロゾル生成装置の螺旋形コイルによって生成される磁力線の方向を示す図面である。
図6】一実施例に係る加熱組立体の長手方向に対する断面を概略的に示す図面である。
図7】一実施例に係る加熱組立体の長手方向を横切る方向に沿う断面を概略的に示す図面である。
図8】一実施例に係る加熱組立体の断熱部を概略的に示す断面図である。
図9】エアロゾル生成物品の一例を示す図面である。
図10】一実施例に係るエアロゾル生成装置及び従来のエアロゾル生成装置の加熱性能を比較するための実験結果を示す図面である。
図11】一実施例に係るエアロゾル生成装置及び従来のエアロゾル生成装置の加熱性能を比較するための実験結果を示す図面である。
図12】一実施例に係るエアロゾル生成装置及び従来のエアロゾル生成装置の加熱性能を比較するための実験結果を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
一実施例に係るサセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱するためのエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間及び収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含む加熱組立体を含み、螺旋形コイルは、収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、螺旋形コイルが巻かれる中心は、収容空間の外面に配置される。
【0015】
前記少なくとも1つの螺旋形コイルは、互いに電気的に連結された複数個の螺旋形コイルを含みうる。
【0016】
前記収容空間に挿入された前記エアロゾル生成物品と前記螺旋形コイルとの間に配置される断熱部をさらに含んでもよい。
【0017】
前記収容空間に挿入された前記エアロゾル生成物品と前記断熱部は、互いに離隔されうる。
【0018】
前記螺旋形コイルと前記断熱部は、互いに離隔されうる。
【0019】
前記断熱部は、複数の中空状ビード(bead)を含みうる。
【0020】
前記中空状ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)、及びパーライトからなる群から選択された1種以上のセラミックを含みうる。
【0021】
他の実施例に係るサセプタを含むエアロゾル生成物品を加熱する加熱組立体は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を収容する収容空間、及び収容空間の外部に配置されて誘導磁場を発生させる少なくとも1つの螺旋形コイルを含み、螺旋形コイルは、収容空間の円周方向に沿って湾曲された板状であり、螺旋形コイルが巻かれる中心は、収容空間の外面に配置される。
【0022】
前記少なくとも1つの螺旋形コイルは、互いに電気的に連結された複数個の螺旋形コイルを含みうる。
【0023】
前記収容空間に挿入された前記エアロゾル生成物品と前記螺旋形コイルとの間に配置される断熱部をさらに含んでもよい。
【0024】
前記収容空間に挿入された前記エアロゾル生成物品と前記断熱部は、互いに離隔されうる。
【0025】
前記螺旋形コイルと前記断熱部は、互いに離隔されうる。
【0026】
前記断熱部は、複数の中空状ビードを含みうる。
【0027】
前記中空状ビードは、シリカ、アルミナ、ガラスバブル、及びパーライトからなる群から選択された1種以上のセラミックを含みうる。
【0028】
実施例で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当業者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なりうる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本開示の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0029】
明細書全体においてある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「-部」、「-モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、ハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0030】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素が用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。
【0031】
明細書全体において、「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を介してユーザの肺に直接吸入可能なエアロゾルを発生させるために、エアロゾル生成物質を用いてエアロゾルを生成する装置でもある。
【0032】
明細書全体において、「エアロゾル発生物品」は、喫煙に用いられる物品を意味する。例えば、エアロゾル発生物品は、点火されて燃焼される方式で用いられる一般燃焼式シガレットでもあり、または、エアロゾル発生装置によって加熱される方式で用いられる加熱式シガレットでもある。他の例示として、エアロゾル発生物品は、カートリッジに含有された液状が加熱される方式で用いられる物品でもある。以下、添付図面に基づいて本開示の実施例について本開示が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本開示は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0033】
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は、一実施例に係るエアロゾル生成装置100にエアロゾル生成物品200が挿入された例を概略的に示す断面図である。図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、制御部120、及び加熱組立体130を含む。但し、実施例がそれに制限されるものではなく、図1に図示される要素以外に、他の要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれうる。エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、制御部120、及び加熱組立体130の配置は変更されうる。
【0035】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、加熱組立体130に交流電流が印加されるように電力を供給し、制御部120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0036】
制御部120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部120は、バッテリ110及び加熱組立体130のみならず、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部120は、エアロゾル生成装置100の構成要素のそれぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0037】
制御部120は、少なくとも1つのプロセッサを含みうる。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとしても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解するであろう。
【0038】
エアロゾル生成装置100は、誘導加熱(induction heating)方式でエアロゾル生成物品200を加熱することで、エアロゾルを生成することができる。誘導加熱方式は交番磁場を印加して磁性体から熱を生成する方式を意味する。
【0039】
磁性体に交番磁場が印加される場合、磁性体には、渦流損(eddy current loss)及びヒステリシス損(hysteresis loss)によるエネルギー損が発生してしまう。損失されるエネルギーは、熱エネルギーとして磁性体から放出される。交番磁場の振幅または周波数が大きいほど、磁性体から多くの熱エネルギーが放出される。
【0040】
加熱組立体130は、螺旋形コイル131a、131b、収容空間132、及び断熱部133を含みうる。収容空間132は、エアロゾル生成物品200の少なくとも一部を収容することができる。収容空間132は、エアロゾル生成物品200をエアロゾル生成装置100に収容するための開口を含みうる。収容空間132の開口は、エアロゾル生成装置100の外部に向かって開放されうる。エアロゾル生成物品200は、収容空間132の開口を介して加熱組立体130に挿入されうる。
【0041】
加熱組立体130は、収容空間132に挿入されたエアロゾル生成物品200を加熱することができる。具体的に、加熱組立体130の螺旋形コイル131a、131bが磁場を発生させる場合、エアロゾル生成物品200に含まれたサセプタが発熱することで、エアロゾル生成物品200が加熱されうる。エアロゾル生成物品200に係る詳細な説明は、図9を参照して後述する。
【0042】
断熱部133は、収容空間132に挿入されたエアロゾル生成物品200と螺旋形コイル131a、131bとの間に配置され、エアロゾル生成物品200で生成された熱が外部に移動することを遮断する。断熱部133は、収容空間132の少なくとも一部を取り囲む筒状でもある。例えば、断熱部133は、エアロゾル生成物品200の形状に対応する円筒状でもある。
【0043】
断熱部133は、エアロゾル生成物品200のサセプタで発生した熱をエアロゾル生成物品200に集中させることで、加熱組立体130の加熱効率を向上させうる。のみならず、断熱部133は、エアロゾル生成装置100の予熱時間を縮めさせ、消費電力も減少させうる。
【0044】
螺旋形コイル131a、131bは、収容空間132の周囲に配置されて誘導磁場を発生させうる。螺旋形コイル131a、131bは、バッテリ110から電力を供給されうる。螺旋形コイル131a、131bに電力が供給されることにより、収容空間132の内部に磁場が形成されうる。螺旋形コイル131a、131bに交流電流が印加される場合、収容空間132の内部に形成される磁場の方向は周期的に変わる。サセプタがコイルによって形成された磁場に露出されれば、サセプタが発熱しうる。
【0045】
螺旋形コイル131a、131bによって形成された磁場の振幅または周波数変化によって加熱されるサセプタの温度が変わりうる。制御部120は、螺旋形コイル131a、131bに供給される電力を制御して螺旋形コイル131a、131bによって形成される交番磁場の振幅または周波数を調整し、それにより、サセプタの温度が制御されうる。
【0046】
一例示として、螺旋形コイル131a、131bは、銅を含むが、これに限定されない。螺旋形コイル131a、131bは、低い比抵抗を有することで、高い電流が流れるように、銀(Ag)、金(Au)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、亜鉛(Zn)、及びニッケル(Ni)のうちいずれか1つ、または少なくとも1つを含む合金を含みうる。螺旋形コイル131a、131bに係る詳細な説明は、図4及び図5を参照して後述する。
【0047】
図2及び図3は、従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置のコイル30を示す図面である。図2は、従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置のコイル30を概略的に示す図面であり、図3は、従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置のコイル30によって生成される磁力線Mの方向を示す図面である。
【0048】
図2及び図3を参照すれば、従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置に含まれるコイル30は、一般的に導線を緻密で均一に円筒状に長く巻いて作ったソレノイド(solenoid)状に具現される。ソレノイドの内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入される収容空間が形成されうる。
【0049】
従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置に含まれるコイル30は、電流の方向によってソレノイドの内部に磁力線Mが出入りする磁場が形成されうる。すなわち、収容空間の長手方向に磁力線Mが出入りし、収容されたエアロゾル生成物品200の内部には、エアロゾル生成物品200の長手方向に磁力線Mが通過しうる。ここで、収容空間の長手方向は、収容空間の長さが延びる方向またはエアロゾル生成物品200が収容空間に挿入される方向を意味する。同様に、エアロゾル生成物品200の長手方向は、エアロゾル生成物品200の長さが延びる方向、またはエアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置に挿入される方向を意味する。
【0050】
磁力線Mがエアロゾル生成物品200の長手方向にエアロゾル生成物品200を通過するので、エアロゾル生成物品200内の磁力線Mの密度は低く、それにより、サセプタが十分な熱エネルギーを放出することができない。特に、エアロゾル生成物品200に含まれたサセプタがエアロゾル生成物品200を取り囲むシート状である場合、磁力線Mがシートの広い面積に磁力線Mがほとんど通過しない。これにより、サセプタが十分に加熱されず、エアロゾル生成物品200を効率的に加熱することができない問題がある。
【0051】
図4及び図5は、一実施例に係るエアロゾル生成装置100の螺旋形コイル131a、131bを説明するための図面である。図4は、一実施例に係るエアロゾル生成装置100の螺旋形コイル131a、131bを概略的に示す図面であり、図5は、一実施例に係るエアロゾル生成装置100の螺旋形コイル131a、131bによって生成される磁力線Mの方向を示す図面である。
【0052】
図4及び図5を参照すれば、螺旋形コイル131a、131bは、収容空間132の円周方向に沿って湾曲された板状を有しうる。螺旋形コイル131a、131bの中心(すなわち、螺旋形コイル131a、131bが巻かれる中心)は、収容空間132の外面(すなわち、収容空間132によって定義される円筒状の側面)に(またはその上に)配置されうる。すなわち、螺旋形コイル131a、131bの収容空間132の長手方向に垂直切断したとき、螺旋形コイル131a、131bの断面は、湾曲された形状(すなわち、円弧状)を有しうる。螺旋形コイル131a、131bが巻かれる中心軸は、収容空間132の長手方向と交差することができる。
【0053】
電流の方向によって、螺旋形コイル131a、131bは、螺旋形コイル131a、131bが巻かれる中心近傍の領域を介して磁力線Mが出入りする形態の磁場を形成することができる。すなわち、収容空間132の長手方向を横切る方向に磁力線Mが出入りし、収容空間132に挿入されたエアロゾル生成物品200の内部には、エアロゾル生成物品200の長手方向を横切る方向に磁力線Mが通過することができる。
【0054】
従来の誘導加熱方式のエアロゾル生成装置に含まれるコイルと異なり、磁力線Mの方向がエアロゾル生成物品200の長手方向を横切る方向を有するので、エアロゾル生成物品200に含まれたサセプタを通過する磁力線Mの密度は増加し、これにより、サセプタの加熱効率が向上しうる。特に、エアロゾル生成物品200に含まれたサセプタがエアロゾル生成物品200を取り囲むシート状である場合、磁力線Mがシートの広い面積を通過するので、サセプタが十分に高い温度に加熱されうる。
【0055】
螺旋形コイル131a、131bは、複数個が配置されうる。図4及び図5に図示されたように、第1螺旋形コイル131a及び第2螺旋形コイル131bを含む2個の螺旋形コイル131a、131bが配置されうる。第1螺旋形コイル131a及び第2螺旋形コイル131bは、同一サイズと形状を有し、収容空間132の中心軸を基準に対称に配置されうる。
【0056】
第1螺旋形コイル131a及び第2螺旋形コイル131bは、螺旋形コイル131a、131bの中心軸方向から見たとき、円形を有しうる。しかし、それに制限されるものではなく、螺旋形コイル131a、131bの個数、大きさ及び形状は、必要によって変形されうる。例えば、螺旋形コイルは、螺旋形コイルの中心軸方向から見たとき、方形を有し、4個の螺旋形コイルが互いに同じ間隔で離隔されて配置されうる。
【0057】
前述したように、磁力線Mは、螺旋形コイル131a、131bの中心近傍を介して収容空間132の長手方向と交差する方向に収容空間132に出入りする。螺旋形コイル131a、131bの中心で磁束密度が高いので、エアロゾル生成物品200のうち、螺旋形コイル131a、131bの中心と隣接した部分は、相対的に高い温度に加熱されうる。このように複数個の螺旋形コイル131a、131bを配置する場合、螺旋形コイル131a、131bの中心が収容空間132の外面に複数の地点に配置されるので、収容空間132に収容されるエアロゾル生成物品200が均一に加熱されうる。
【0058】
螺旋形コイル131a、131bは、互いに電気的に連結されるように複数個が配置されうる。螺旋形コイル131a、131bが複数個配置される場合、複数個の螺旋形コイル131a、131bで生成される磁場の方向が交差して磁場の強度が相殺されないように、それぞれの螺旋形コイル131a、131bに印加される交流電流の方向を精密に制御することが要求される。しかし、複数個の螺旋形コイル131a、131bが電気的に連結される場合、複数の螺旋形コイル131a、131bに交流電流が同じ方向に流れるので、別途の制御が要求されない。
【0059】
以下、図6及び図7を参照して、加熱組立体130についてさらに詳細に説明する。
【0060】
図6及び図7は、一実施例に係る加熱組立体130の断面図である。図6は、一実施例に係る加熱組立体130の長手方向に切断した断面を概略的に示す図面であり、図7は、一実施例に係る加熱組立体130の長手方向に垂直切断した断面を概略的に示す図面である。ここで、加熱組立体130の長手方向は、加熱組立体130の長さが延びる方向を意味する。また、加熱組立体130の収容空間132にエアロゾル生成物品200が挿入される方向を意味しうる。
【0061】
図6及び図7を参照すれば、収容空間132に挿入されたエアロゾル生成物品200と断熱部133は、互いに離隔されうる。エアロゾル生成装置の作動過程でエアロゾル生成物品200のサセプタでは、高温の熱が生成される。この際、ユーザに不要に熱が伝達されるか、エアロゾル生成装置100の他の構成要素に損傷を与える。これにより、エアロゾル生成装置100の使用過程で生成された熱を遮断する必要がある。
【0062】
エアロゾル生成物品200と断熱部133との間に形成された空間には、空気層が形成されるので、エアロゾル生成物品200のサセプタで生成された熱の移動を遮断する性能が向上しうる。特に、エアロゾル生成物品200に含まれたサセプタがエアロゾル生成物品200を取り囲むシート状である場合、サセプタが断熱部133と広い面積で密着されるように配置されるために、サセプタで生成された熱によって断熱部133が劣化されうる。エアロゾル生成物品200と断熱部133とが離隔されることで、エアロゾル生成物品200のサセプタで生成された熱が断熱部133に直接伝達されることが防止されるので、断熱部133の断熱性能が低下することを防止することができる。
【0063】
また、螺旋形コイル131a、131bと断熱部133は、互いに離隔されうる。例えば、螺旋形コイル131a、131bは、全体として円筒状である断熱部133の側面と離隔して配置されうる。螺旋形コイル131a、131bと断熱部133との間に空気層が形成されるので、断熱性能が向上しうる。さらに、螺旋形コイル131a、131bに伝達される熱の量が減って螺旋形コイル131a、131bの劣化も防止することができる。
【0064】
断熱性能をさらに向上させるために、エアロゾル生成物品200と断熱部133との間、螺旋形コイル131a、131bと断熱部133との間に真空を形成することができる。
【0065】
断熱部133は、セラミック、ガラスファイバなどの断熱性能に優れた断熱材を含みうる。但し、それに制限されるものではなく、エアロゾル生成物品200のサセプタで発生した熱を遮断することができる断熱材であれば、制限なしに断熱部133に含まれうる。以下、図8を参照して、一実施例に係る加熱組立体130の断熱部133についてさらに詳細に説明する。
【0066】
図8は、一実施例に係る加熱組立体130の断熱部133を概略的に示す断面図である。
【0067】
図8を参照すれば、断熱部133は、内部に中空134aを含む複数の中空状ビード(bead)134を含みうる。複数の中空状ビード134を含む断熱部133は、中空状ビード134の内部に存在する多数の中空134aによって断熱効果が向上しうる。
【0068】
中空状ビード134は、シリカ、アルミナ、ガラスバブル(glass bubble)、及びパーライトからなる群から選択された1種以上のセラミックを含むが、それに制限されるものではなく、熱伝導性の低い他の素材が使用されうる。
【0069】
具体的に、断熱部133は、複数の中空状ビード134をパッキング(packing)して形成された構造体を含みうる。例えば、図8に図示されたように、構造体は、複数の中空状ビード134を球充填(sphere packing)することで形成されうる。球充填の方式は、例えば、体心立方構造(Body-Centered Cubic; BCC)、面心立方構造(Face-Centered Cubic; FCC)などの構造を形成するように粒子を結合させる方式が含まれるが、それに制限されるものではない。
【0070】
構造体は、複数の中空状ビード134をパッキングして焼成することで形成されうる。パッキングされた複数の中空状ビード134は、バインダ135によって固定されうる。バインダ135は、パッキングされた複数の中空状ビード134間に形成された空間を補うことで、構造体の耐久性を向上させると共に構造体の断熱性能を向上させうる。バインダ135では、耐熱性に優れた高分子が使用され、例えば、ポリイミド(polyimide;PI)でもあるが、それに制限されるものではない。
【0071】
複数の中空状ビード134をパッキングして製造された構造体は、構造体の外面に形成された防水膜を含みうる。防水膜は、エアロゾル生成物品200で生成されて液滴となるエアロゾルが中空状ビード134に吸収されることを防止し、構造体の断熱性能が低下する問題を予め防止することができる。また、防水膜は、複数の中空状ビード134間の気流を遮断することができるので、断熱性能をさらに向上させうる。
【0072】
防水膜は、例えば、ガラス膜、ポリイミドコーティング膜、撥水コーティング膜またはそれらの組合わせを含みうる。しかし、それに制限されるものではなく、防水(または、防湿)機能を備えた他種の防水膜を用いることもできる。
【0073】
一例として、防水膜は、ガラス膜でもある。構造体は、複数の中空状ビードをパッキングして焼成する1次焼成過程とガラスフリット(frit)を外面に塗布して焼成する2次焼成過程を介して製造されうる。ガラスフリットの融点が多孔性構造体の焼成温度よりも高い場合、2次焼成過程で多孔性構造体の外面が溶融される現象が発生するので、1次焼成過程の焼成温度よりも低い融点を有するガラスフリットを用いることが望ましい。例えば、1次焼成過程の焼成温度は、800℃以上であり、ガラスフリットの融点は、600℃~800℃でもある。
【0074】
構造体の優れた断熱性能と製造容易性を確保するために、中空状ビード134の直径は、75μm~500μmでもある。望ましくは、中空状ビード134の直径は、100μm~450μm、150μm~450μm、または150μm~400μmでもある。もし、中空状ビード134の直径は、75μm以上であることが望ましいが、中空状ビード134の直径が大きくなるほど、内部の中空134aの直径も増加して構造体の断熱性能が向上するためである。また、中空状ビード134の直径は、500μm以下であることが望ましいが、中空状ビード134のサイズが大きくなるほど、表面の屈曲が大きくなり、均一な厚さの防水膜を形成することが難しく、防水膜の耐久性が低下してしまうからである。
【0075】
複数の中空状ビード134を含む構造体が全体領域で均一な断熱性能を有するために、複数の中空状ビード134の直径分布は、平均直径対比で30%以内の誤差範囲を有する。望ましくは、複数の中空状ビード134の直径分布は、25%、23%、または21%以内の誤差範囲を有する。さらに望ましくは、複数の中空状ビード134の直径分布は、20%、18%、16%、14%、12%、または10%以内の誤差範囲を有する。さらに望ましくは、複数の中空状ビード134の直径分布は、8%、6%または5%以内の誤差範囲を有する。
【0076】
一実施例において、第1サイズの中空状ビード134をパッキングして初期構造体を形成し、初期構造体の外面に第2サイズの中空状ビード134をパッキングして最終構造体を形成することもできる。ここで、第2サイズは、第1サイズよりも小さい値を有する。その場合、構造体外面の空隙の大きさが小さくなるので、外部の気流を効果的に遮断することができる。また、構造体が中空134aの大きい中空状ビード134も含むので、構造体の断熱性能も向上しうる。
【0077】
図9は、エアロゾル生成物品200の一例を示す図面である。
【0078】
図9を参照すれば、エアロゾル生成物品200は、タバコロッド210及びフィルタロッド220を含む。図10には、フィルタロッド220が単一セグメントと図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド220は、複数のセグメントで構成されうる。
【0079】
例えば、フィルタロッド220は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含みうる。また、必要によって、フィルタロッド220は、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0080】
エアロゾル生成物品200は、少なくとも1枚のラッパ240によって包装されうる。ラッパ240には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成されうる。一例として、エアロゾル生成物品200は、1枚のラッパ240によって包装されうる。他の例として、エアロゾル生成物品200は、2枚以上のラッパ240によって重畳して包装されうる。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド210が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド220が包装されうる。そして、単一ラッパ245によってエアロゾル生成物品200全体が再包装されうる。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントからなっていれば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によって包装されうる。
【0081】
タバコロッド210は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうち少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド210は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド210には、メントールまたは保湿剤などの加香液がタバコロッド210に噴射されることで添加されうる。
【0082】
タバコロッド210は、多様に作製されうる。例えば、タバコロッド210は、シート(sheet)状にも、ストランド(strand)状にも作製されうる。
【0083】
また、タバコロッド210は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによって作製されうる。
【0084】
タバコロッド210は、磁場によって発熱するサセプタを含みうる。サセプタは、金属または炭素を含みうる。サセプタは、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含みうる。また、サセプタは、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック物質、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような半金属のうち少なくとも1つを含む。
【0085】
タバコロッド210に含まれるサセプタは、多様な形態を有することができる。例えば、サセプタは、シート状を有し、タバコロッド210の外部を取り囲む。他の例として、サセプタは、タバコロッド210の内部に分散されて配置されるストランドまたは微粒子の形で提供されうる。
【0086】
また、タバコロッド210は、熱伝導物質によっても取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウム箔のような金属箔でもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド210に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッド210に加えられる熱伝導率を向上させ、それにより、タバコロッド210から生成されるエアロゾルの風味が向上しうる。また、タバコロッド210を取り囲む熱伝導物質は、外部磁場によって加熱されるサセプタとしての機能が行える。
【0087】
フィルタロッド220は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド220の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド220は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド220は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド220が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0088】
フィルタロッド220は、香味が発生するようにも作製される。一例として、フィルタロッド220に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド220の内部に挿入されうる。
【0089】
また、フィルタロッド220には、少なくとも1つのカプセル230が含まれうる。ここで、カプセル230は、香味またはエアロゾルを発生させうる。例えば、カプセル230は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル230は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0090】
もし、フィルタロッド220にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によって製造されうる。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸(polylactic acid)だけで作製されうるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによって作製されうる。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却する機能が遂行可能であれば、制限なしに該当しうる。
【0091】
図示されていないが、エアロゾル生成物品200は、前端プラグをさらに含んでもよい。前端プラグは、タバコロッド210において、フィルタロッド220に反対となる一側に位置しうる。前端プラグは、タバコロッド210の外部への離脱を防止し、タバコロッド210から液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置(図1の100)に流入されることを防止しうる。
【0092】
実験例.エアロゾル生成装置の加熱性能比較
【0093】
一実施例に係るエアロゾル生成装置及び従来のエアロゾル生成装置の加熱性能を比べるために実験を進めた。
【0094】
実験には、シート状サセプタを含むエアロゾル生成物品が使用され、シート状サセプタでは、アルミニウム箔を使用した。アルミニウム箔は、エアロゾル生成物品のタバコロッドを取り囲むように配置された。図2に図示されたようなソレノイドを含むエアロゾル生成装置(以下、比較例と称する)及び図4に図示されたような螺旋形コイル131a、131bを含むエアロゾル生成装置(以下、実施例と称する)を用いてエアロゾル生成物品を加熱し、エアロゾル生成物品のアルミニウム箔の温度変化を経時的に測定した。比較例のソレノイド及び実施例の螺旋形コイルには、同一条件の交流電流を印加した。
【0095】
図10図12は、一実施例に係るエアロゾル生成装置及び従来のエアロゾル生成装置の加熱性能を比べるための実験結果を示す図面である。図10は、実施例及び比較例によるエアロゾル生成物品のアルミニウム箔の経時的な温度変化グラフを示す。図11は、実験で加熱された後の比較例によるエアロゾル生成物品の外観を示すイメージであり、図12は、実験で加熱された後の実施例によるエアロゾル生成物品の外観を示すイメージである。
【0096】
図10を参照すれば、実施例の場合、エアロゾル生成物品のアルミニウム箔が予熱区間を除いては、約200℃~250℃の温度範囲で加熱された。一方、比較例の場合、エアロゾル生成物品のアルミニウム箔が約50℃~100℃以下の温度範囲で加熱されることが確認できた。一般のエアロゾル生成物品に含まれるエアロゾル生成物質(グリセリンなど)が約140~250℃の気化温度を有する点を考慮すれば、比較例の場合、正常なエアロゾルの生成が困難であるということを確認した。
【0097】
図11及び図12を参照すれば、比較例によって加熱されたエアロゾル生成物品は、外観に変化がなかった。一方、実施例によって加熱されたエアロゾル生成物品の場合、アルミニウム箔が位置するラッパの表面に炭化が発生した。これにより、比較例のソレノイドに比べて、実施例の螺旋形コイルがエアロゾル生成物品を効果的に加熱するということを確認した。
【0098】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】