(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】セパレータおよびこれを含む電気化学素子
(51)【国際特許分類】
H01M 50/489 20210101AFI20240202BHJP
H01M 50/451 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/446 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/443 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/434 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/417 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/42 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/414 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/457 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/426 20210101ALI20240202BHJP
H01M 50/429 20210101ALI20240202BHJP
【FI】
H01M50/489
H01M50/451
H01M50/446
H01M50/443 M
H01M50/434
H01M50/417
H01M50/42
H01M50/414
H01M50/457
H01M50/426
H01M50/429
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547583
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 KR2022003175
(87)【国際公開番号】W WO2022250255
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】10-2021-0068389
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519103067
【氏名又は名称】ダブル・スコープコリア カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522268535
【氏名又は名称】ダブル-スコープ チュンジュ プラント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100136799
【氏名又は名称】本田 亜希
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(74)【代理人】
【識別番号】100189474
【氏名又は名称】田村 修
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョン ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】パク テ ボグ
(72)【発明者】
【氏名】コン ソク ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】チェ クヮン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョン レ
【テーマコード(参考)】
5H021
【Fターム(参考)】
5H021CC03
5H021CC04
5H021EE03
5H021EE04
5H021EE06
5H021EE10
5H021EE11
5H021EE21
5H021HH00
5H021HH01
5H021HH05
5H021HH10
(57)【要約】
本発明の一態様は、多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層と、を含むセパレータであって、前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下であるセパレータおよびこれを含む電気化学素子を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層と、を含むセパレータであって、
前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下である、セパレータ。
【請求項2】
前記多孔性基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアクリレート、エチレンエチルアクリレートおよびこれらのうち2以上の組み合わせまたは共重合体から成る群から選ばれた1つを含む、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項3】
前記セパレータは、
前記多孔性基材の一面に設けられた第1耐熱層と、前記多孔性基材の他面に設けられた第2耐熱層と、を含み、
前記第1耐熱層の密度は、前記第2耐熱層の密度より小さい、請求項1に記載のセパレータ。
【請求項4】
前記第1耐熱層および前記第2耐熱層は、それぞれ、
前記セパレータの両面に電極が設けられた電極組立体が既定の規格によって巻き取られ折り曲げられた電池の内部および外部と対向する、請求項3に記載のセパレータ。
【請求項5】
前記第1耐熱層は、第1無機粒子と、前記第1無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第1バインダーと、を含み、
前記第1バインダーは、非水溶性高分子を含み、
前記第1バインダー中の非水溶性高分子の含有量は、40~90重量%であり、
前記第1耐熱層の密度は、1.6g/m
2以下である、請求項4に記載のセパレータ。
【請求項6】
前記第2耐熱層は、第2無機粒子と、前記第2無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第2バインダーと、を含み、
前記第2バインダーは、水溶性高分子を含み、
前記第2バインダー中の前記水溶性高分子の含有量は、70重量%以上であり、
前記第2耐熱層の密度は、1.7g/m
2以上である、請求項5に記載のセパレータ。
【請求項7】
前記第1無機粒子および前記第2無機粒子は、それぞれ、SiO
2、AlO(OH)、Mg(OH)
2、Al(OH)
3、TiO
2、BaTiO
3、Li
2O、LiF、LiOH、Li
3N、BaO、Na
2O、Li
2CO
3、CaCO
3、LiAlO
2、Al
2O
3、SiO、SnO、SnO
2、PbO
2、ZnO、P
2O
5、CuO、MoO、V
2O
5、B
2O
3、Si
3N
4、CeO
2、Mn
3O
4、Sn
2P
2O
7、Sn
2B
2O
5、Sn
2BPO
6およびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つである、請求項5または6に記載のセパレータ。
【請求項8】
前記非水溶性高分子は、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アルキルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、アクリル-スチレン共重合体、アクリル系ゴムおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つである、請求項5に記載のセパレータ。
【請求項9】
前記水溶性高分子は、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリイミド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つである、請求項6に記載のセパレータ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のセパレータを含む、電気化学素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セパレータおよびこれを含む電気化学素子に関し、より詳細には、電池の内部で部位による通気度のばらつきを最小化したセパレータおよびこれを含む電気化学素子に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウム二次電池は、スマートフォン、ノートパソコン、タブレットパソコンなど小型化、軽量化が要求される各種電気製品の電源に広く用いられており、スマートグリッド、電気自動車用中大型バッテリーまでその適用分野が拡大するにつれて、容量が大きく、寿命が長く、安定性の高いリチウム二次電池の開発が要求されている。
【0003】
上記目的を達成するための手段として、正極と負極を分離して内部短絡(Internal Short)を防止し、充放電過程でリチウムイオンの移動を円滑にする微細気孔が形成されたセパレータ(Separator)、その中でも熱誘起相分離(Thermally Induced Phase Separation)による気孔の形成に有利であり、経済的であり、セパレータに必要な物性を満足しやすいポリエチレンなどのポリオレフィンを用いた微細多孔性セパレータに関する研究開発が活発である。
【0004】
しかしながら、溶融点が135℃程度と低いポリエチレンを用いたセパレータは、電池の発熱によって溶融点以上の高温で収縮変形が起こることがある。このような変形によって短絡が発生すると、電池の熱暴走現象を起こして、発火などの安全上の問題が発生することがある。
【0005】
なお、従来に広く使用されているポリオレフィン(polyolefin)系のセパレータは、耐熱性と機械的強度が脆く、150℃の温度に1時間程度曝露されるときに熱収縮率が50~90%で発生し、セパレータの機能を損失し、外部衝撃時に内部短絡が起こる可能性が高いという問題がある。このような問題を補完するために、セパレータの表面にセラミック粒子を含む耐熱層をコートする技術が提案された。
【0006】
しかしながら、このような耐熱層は、セパレータの性能に大変重要な影響を及ぼす要素である通気度および伝導性(抵抗)と関連して相当な技術的課題を残している。すなわち、多孔性基材の表面にセラミック粒子を含む耐熱層を形成すると、セパレータの耐熱性が向上するが、前記耐熱層に含まれたセラミック粒子が多孔性基材に形成された気孔を閉鎖し、セパレータの通気度が低下し、それによって、正極と負極間のイオン移動通路が大きく減少し、結果として、二次電池の充電性能および放電性能が大きく劣化する問題がある。また、電池の内部で前記耐熱層が電解液に継続的に曝露されるにつれて、セラミック粒子が多孔性基材から部分的、継続的に脱離し、この場合、セパレータの耐熱性も徐々に低下することがある。
【0007】
上記のような問題は、円筒形および/またはポーチ型電池の内部で電極と共に層を形成して巻き取られ曲げられたセパレータにおいて曲率半径の小さい領域でさらに顕著である。具体的には、
図1を参照すると、前記多孔性基材100の両面に組成、厚さ、密度などが対称的な耐熱層210、220が形成された場合、前記セパレータの曲面領域で電池の内部と対向する一面に形成された耐熱層210には、他面に形成された耐熱層220に比べてさらに大きい荷重が印加されるので、このような曲面領域で電池の内部と対向する一面に形成された耐熱層210の密度は、平面領域に比べて増加し、他面に形成された耐熱層220の密度は、平面領域に比べて減少する。
【0008】
電池の内部、特に、前記曲面領域で前記セパレータの一面に設けられた耐熱層の密度が上記のように任意に増加すると、前記曲面領域で実現される前記セパレータの性能、例えば、通気度、イオン伝導度、抵抗などが前記平面領域を基準として測定、評価された値に比べて顕著に低下し、耐熱層に設けられた粒子状物質が不要な荷重によって任意に脱離する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述したような従来技術の問題点を解決するためのものであって、本発明の目的は、電池の内部でセパレータの曲面領域で耐熱層に印加される荷重によって通気度、イオン伝導度、抵抗が低下する問題を解決できるセパレータおよびこれを含む電気化学素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層と、を含むセパレータであって、前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下であるセパレータを提供する。
【0011】
一実施形態において、前記多孔性基材は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアクリレート、エチレンエチルアクリレートおよびこれらのうち2以上の組み合わせまたは共重合体から成る群から選ばれた1つを含んでもよい。
【0012】
一実施形態において、前記セパレータは、前記多孔性基材の一面に設けられた第1耐熱層と、前記多孔性基材の他面に設けられた第2耐熱層と、を含み、前記第1耐熱層の密度は、前記第2耐熱層の密度より小さくてもよい。
【0013】
一実施形態において、前記第1耐熱層および前記第2耐熱層は、それぞれ、前記セパレータの両面に電極が設けられた電極組立体が既定の規格によって巻き取られ折り曲げられた電池の内部および外部と対向していてもよい。
【0014】
一実施形態において、前記第1耐熱層は、第1無機粒子と、前記第1無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第1バインダーと、を含み、前記第1バインダーは、非水溶性高分子を含み、前記第1バインダー中の非水溶性高分子の含有量は、40~90重量%であり、前記第1耐熱層の密度は、1.6g/m2以下であってもよい。
【0015】
一実施形態において、前記第2耐熱層は、第2無機粒子と、前記第2無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第2バインダーと、を含み、前記第2バインダーは、水溶性高分子を含み、前記第2バインダー中の前記水溶性高分子の含有量は、70重量%以上であり、前記第2耐熱層の密度は、1.7g/m2以上であってもよい。
【0016】
一実施形態において、前記第1無機粒子および前記第2無機粒子は、それぞれ、SiO2、AlO(OH)、Mg(OH)2、Al(OH)3、TiO2、BaTiO3、Li2O、LiF、LiOH、Li3N、BaO、Na2O、Li2CO3、CaCO3、LiAlO2、Al2O3、SiO、SnO、SnO2、PbO2、ZnO、P2O5、CuO、MoO、V2O5、B2O3、Si3N4、CeO2、Mn3O4、Sn2P2O7、Sn2B2O5、Sn2BPO6およびこれらのうち2以上の組み合わせよりなる群から選択された1つであってもよい。
【0017】
一実施形態において、前記非水溶性高分子は、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アルキルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、アクリル-スチレン共重合体、アクリル系ゴムおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよい。
【0018】
一実施形態において、前記水溶性高分子は、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリイミド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよい。
【0019】
本発明の他の一態様は、前記セパレータを含む電気化学素子、好ましくは、二次電池、さらに好ましくは、リチウム二次電池またはリチウムイオン電池を提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の一態様によるセパレータは、多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層と、を含み、前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下であるので、電池の内部でセパレータの曲面領域で耐熱層に印加される荷重によって通気度、イオン伝導度、抵抗が低下する問題を適切に解決することができる。
【0021】
本発明の効果は、上記した効果に限定されるものではなく、本発明の詳細な説明または請求範囲に記載された発明の構成から推論可能なすべての効果を含むこものと理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態によるセパレータの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、添付の図面を参照して本発明を説明することとする。しかしながら、本発明は、様々な異なる形態で実現されることができ、したがって、ここで説明する実施形態に限定されるものではない。そして、図面において、本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を通じて類似の部分に対しては類似の参照符号を付けた。
【0024】
明細書全体において、任意の部分が他の部分と「連結」されているというとき、これは、「直接的に連結」されている場合だけでなく、その中間に他の部材を間に置いて「間接的に連結」されている場合も含む。また、任意の部分が或る構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに具備できることを意味する。
【0025】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明することとする。
【0026】
本発明の一態様は、多孔性基材と、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層と、を含むセパレータであって、前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下であるセパレータを提供する。
【0027】
前記多孔性基材は、平均サイズが実質的に均一な多数の気孔を含んでもよいし、このような気孔は、セパレータの抵抗特性およびイオン伝導度の改善に寄与することができる。また、気孔度が高いながらも、機械的強度が高いため、必要な厚さで前記セパレータを薄膜化することができる。
【0028】
前記多孔性基材の気孔率は、30~90体積%、好ましくは、40~80体積%、さらに好ましくは、40~70体積%であってもよい。本明細書において使用される「気孔率」という用語は、任意の多孔性物品において全体積に対して気孔が占める体積の割合を意味する。前記多孔性基材の気孔率が30体積%未満であると、通気度、イオン伝導度が低下することがあり、90体積%を超えると、引張強度、穿孔強度のような機械的物性が低下することがある。
【0029】
前記多孔性基材に含まれた気孔の平均サイズは、10~100nm、好ましくは、20~80nm、さらに好ましくは、30~60nmであってもよい。前記気孔の平均サイズが10nm未満であると、通気度、イオン伝導度が低下することがあり、100nmを超えると、引張強度、穿孔強度のような機械的物性が低下することがある。
【0030】
前記多孔性基材の厚さは、電気化学素子の薄膜化および高エネルギー密度化の観点から、5~20μm、好ましくは、5~15μm、さらに好ましくは、5~12μmであってもよい。前記多孔性基材の厚さが5μm未満であると、機械的物性が低下することがあり、20μmを超えると、通気度、イオン伝導度が低下することがある。
【0031】
前記多孔性基材は、電気絶縁性を有する高分子樹脂を含んでもよいし、前記高分子樹脂は、シャットダウン特性を考慮して熱可塑性樹脂を含んでもよい。本明細書において使用される「シャットダウン特性」という用語は、電池が過熱し、温度が高くなった場合、高分子樹脂が溶けて多孔性基材の気孔を閉鎖することによって、イオンの移動を遮断することを意味する。このような観点から、前記高分子樹脂または前記熱可塑性樹脂の融点は、200℃以下であってもよい。
【0032】
前記熱可塑性樹脂は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、エチレンビニルアセテート、エチレンブチルアクリレート、エチレンエチルアクリレートおよびこれらのうち2以上の組み合わせまたは共重合体から成る群から選ばれた1つを含んでもよいし、好ましくは、ポリエチレンおよびポリプロピレンのうち少なくとも1つを含んでもよいし、さらに好ましくは、ポリエチレンを含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0033】
前記ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE,Mw:1,000,000~7,000,000g/mol)、高分子量ポリエチレン(HMWPE,Mw:100,000~1,000,000g/mol)、高密度ポリエチレン(HDPE,Mw:100,000~1,000,000g/mol)、低密度ポリエチレン(LDPE,Mw:10,000~100,000g/mol)、均質直鎖状および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよい。
【0034】
例えば、前記ポリエチレンは、重量平均分子量Mwが250,000~450,000の高密度ポリエチレンであってもよい。前記ポリエチレンの重量平均分子量が450,000を超えると、粘度が高くなり、加工性が低下することがあり、250,000未満であると、粘度が過度に低くなり、多孔性基材を製造するときに使用される気孔形成剤、酸化防止剤などとの分散性が極度に低下し、場合によって、相分離または層分離が発生することがある。
【0035】
前記多孔性基材は、親水化処理し、前記耐熱層を形成するためのスラリーのコーティング時にスラリーの濡れ性を十分に確保することができ、これによって、前記多孔性基材と前記耐熱層の結合力を向上させることができる。親水化した前記多孔性基材の水分(H2O)に対する接触角は、15゜以下であってもよく、前記多孔性基材の表面で負の値(-)で測定されたゼータ電位の絶対値は、10mV以上、好ましくは、15mV以上、さらに好ましくは、20mV以上であってもよい。
【0036】
親水化した前記多孔性基材は、当該表面と内部気孔の表面に生成された親水性官能基、例えば、-SO3基が親水性を有するので、本質的に親水性の前記スラリーとの高い親和度(affinity)によって前記耐熱層と容易に結合することができ、また、その結合力を強化することができ、前記セパレータの耐久性が顕著に向上することができ、前記多孔性基材に含まれた親水性基および/または前記耐熱層の無機粒子の損失が最小化されるので、イオン伝導度および耐熱性を改善することができる。
【0037】
前記セパレータは、前記多孔性基材の少なくとも一面に設けられ、無機粒子を含む耐熱層を含んでもよい。前記耐熱層も、流体および/またはイオンが透過できる多数の気孔を含んでもよい。
【0038】
前記耐熱層中の前記無機粒子の含有量は、60~99重量%であってもよい。前記無機粒子の含有量が60重量%未満であると、必要なレベルの耐熱性を付与することができず、99重量%を超えると、セパレータの通気度、イオン伝導度、抵抗特性が低下することがあり、無機粒子の分散性が低下したり、スラリーコーティング時に作業性や加工性が低下することがある。
【0039】
前記無機粒子の平均粒度は、前記多孔性基材に含まれた気孔の平均サイズより大きくてもよい。前記無機粒子の平均粒度が前記多孔性基材に含まれた気孔の平均サイズ以下であると、前記無機粒子が前記多孔性基材の気孔の内部に浸透し、前記気孔を閉鎖することによって、セパレータの通気度およびイオン伝導度を顕著に低下させることができる。前記無機粒子の平均粒度は、100~1,000nm、好ましくは、200~800nm、さらに好ましくは、400~800nmであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0040】
前記耐熱層の厚さは、0.1~5μmであってもよい。前記耐熱層の厚さが0.1μm未満であると、必要なレベルの耐熱性を付与することができず、5μmを超えると、セパレータが厚膜化し、電気化学素子の小型化や集積化を阻害することができる。
【0041】
図1は、本発明の一実施形態によるセパレータの断面図である。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による前記セパレータは、前記多孔性基材100の一面に設けられた第1耐熱層210と、前記多孔性基材の他面に設けられた第2耐熱層220と、を含み、前記第1耐熱層210の密度は、前記第2耐熱層220の密度より小さくてもよい。本明細書において使用される「密度」という用語は、前記第1または第2耐熱層の面積方向に沿う単位面積当たりの重量を意味し、「面密度」とも称され、単位は、g/m
2である。
【0042】
従来のように前記多孔性基材100の両面に組成、厚さ、密度などが対称的な耐熱層210、220が形成された場合、前記セパレータの曲面領域で電池の内部と対向する一面に形成された耐熱層210には、他面に形成された耐熱層220に比べてさらに大きい荷重が印加されるので、このような曲面領域で電池の内部と対向する一面に形成された耐熱層210の密度は、平面領域に比べて増加し、他面に形成された耐熱層220の密度は、平面領域に比べて減少する。
【0043】
電池の内部、特に、前記曲面領域で前記セパレータの一面に設けられた耐熱層の密度が上記のように任意に増加すると、前記曲面領域で実現される前記セパレータの性能、例えば、通気度、イオン伝導度、抵抗などが前記平面領域を基準として測定、評価された値に比べて顕著に低下し、耐熱層に設けられた粒子状物質が不要な荷重によって任意に脱離する問題がある。
【0044】
これに対して、前記多孔性基材100の両面に設けられた前記第1耐熱層210および前記第2耐熱層220は、それぞれ、前記セパレータの両面に電極が設けられた電極組立体が既定の規格によって巻き取られ折り曲げられた電池の内部および外部と対向していてもよい。すなわち、電極組立体および/またはこれを含む電池において前記第1耐熱層210は、電極組立体および/またはこれを含む電池の内部と対向し、前記第2耐熱層220は、電極組立体および/またはこれを含む電池の外部と対向する。
【0045】
また、前記第1耐熱層210の密度が前記第2耐熱層220の密度より小さく調節することによって、電極組立体および/またはこれを含む電池の組立によって前記曲面領域で発生する前記第1耐熱層210および第2耐熱層220間の密度差を緩和することができる。
【0046】
電池組立のための電極組立体の巻き取りおよび/または折り曲げの際、前記第1耐熱層210は、電池の内部と対向するので、当該曲率半径が前記第2耐熱層220に比べて小さく、前記第1耐熱層210および前記多孔性基材100間の界面の面積が減少するにつれて、前記第2耐熱層220に比べて密度が低く設計された前記第1耐熱層210の密度が増加する。反対に、前記第2耐熱層220は、電池の外部と対向するので、当該曲率半径は、前記第1耐熱層210に比べて大きく、前記第2耐熱層220および前記多孔性基材100間の界面の面積が増加するにつれて、前記第1耐熱層210に比べて密度が高く設計された前記第2耐熱層220の密度が減少する。
【0047】
前記曲面領域で前記第2耐熱層220に比べて密度が低く設計された前記第1耐熱層210の密度が増加し、前記第1耐熱層210に比べて密度が高く設計された前記第2耐熱層220の密度が減少する場合、前記第1耐熱層210および第2耐熱層220の密度がそれらの任意の中間値に収束して、密度差を緩和することができ、これによって、巻き取りおよび/または折り曲げられ電極組立体を含む電池の内部で前記セパレータの前記曲面領域で前記第1耐熱層210に印加される荷重によって通気度、イオン伝導度、抵抗が低下する問題を適切に解決することができる。
【0048】
前記第1耐熱層210および第2耐熱層220間の密度差が緩和される場合、前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)に対する、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)の比F2/F1が1.5以下、好ましくは、1.0~1.3、さらに好ましくは、1.0~1.2、より好ましくは、1.0~1.1であってもよい。前記比F2/F1が1.5を超えると、電極組立体および/またはこれを含む電池の曲面領域で通気度、イオン伝導度、抵抗などが平面領域に比べて顕著に低下し、電池の電気化学的特性が悪化することがある。
【0049】
本明細書において使用される「曲面」という用語は、電極-セパレータ-電極を含む電極組立体の巻き取りおよび/または折り曲げによって発生する、所定の曲率半径を有する面と、所定の角度で折り曲げられた線およびその周辺部を意味し、「平面」は、セパレータのうち前記曲面を除いた領域を意味する。
【0050】
前記セパレータの平面における通気度F1(sec/100ml)は、試験片を平面上に固定した状態でガーレー式デンソメーターのような装置を用いて測定することができ、前記セパレータの曲率半径が10mmの曲面における通気度F2(sec/100ml)は、試験片を直径20mmのシリンダーにMD方向に巻き取って(wind)、一定時間放置した後、巻き出した(unwind)直後、平面上に固定した状態で同じ装置を用いて測定することができる。
【0051】
前記第1耐熱層210は、第1無機粒子と、前記第1無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第1バインダーと、を含み、前記第1バインダーは、非水溶性高分子を含み、前記第1バインダー中の非水溶性高分子の含有量は、40~90重量%、好ましくは、60~90重量%、さらに好ましくは、80~90重量%であり、前記第1耐熱層210の密度は、1.6g/m2以下、好ましくは、1.0~1.5g/m2、さらに好ましくは、1.2~1.4g/m2であってもよい。
【0052】
前記第2耐熱層220は、第2無機粒子と、前記第2無機粒子のうち少なくとも一部を既定の間隔で結合する第2バインダーと、を含み、前記第2バインダーは、水溶性高分子を含み、前記第2バインダー中の前記水溶性高分子の含有量は、70重量%以上、好ましくは、80重量%以上、さらに好ましくは、90重量%以上であり、前記第2耐熱層220の密度は、1.7g/m2以上、好ましくは、1.8~2.0g/m2、さらに好ましくは、1.85~1.95g/m2であってもよい。
【0053】
また、前記第1耐熱層210および第2耐熱層220の密度差は、0.2g/m2以上、好ましくは、0.3g/m2以上、さらに好ましくは、0.5g/m2以上、より好ましくは、0.6g/m2以上であってもよい。
【0054】
本明細書において使用される「非水溶性高分子」という用語は、水に溶解せず、水中で微細粒子の形態で分散、浮遊する性質を有する高分子を意味し、ラテックス、エマルジョンなどと称される。前記非水溶性高分子は、前記第1耐熱層210において前述した微細粒子の形態を有していてもよく、前記第1無機粒子とともに気孔を形成、維持することができる。前記非水溶性高分子の平均粒度は、50~300nmであってもよい。前記非水溶性高分子の平均粒度が50nm未満であると、セパレータの通気性およびイオン伝導度が低下することがあり、300nmを超えると、耐熱層の表面積が小さくなり、接着性および抵抗特性が低下することがある。
【0055】
一方、本明細書において使用される「水溶性高分子」という用語は、水に溶解し、粒子などで観察されない性質を有する高分子を意味する。前記水溶性高分子は、前記第2耐熱層220で溶融、融着し、前記第2無機粒子を相互結合するだけでなく、前記多孔性基材100に前記第2無機粒子を結合することができる。
【0056】
前記第1バインダーの残部は、水溶性高分子を含んでもよいし、前記第2バインダーの残部は、非水溶性高分子を含んでもよい。
【0057】
前記非水溶性高分子は、例えば、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニリデンフルオライド-ヘキサフルオロプロピレン、ポリビニリデンフルオライド-トリクロロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、エチレンビニルアセテート、ポリビニルブチラール、アクリロニトリル-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、アルキルアクリレート-アクリロニトリル共重合体、アクリル-スチレン共重合体、アクリル系ゴムおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0058】
前記水溶性高分子は、例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリイミド、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、シアノエチルプルラン、シアノエチルポリビニルアルコール、シアノエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、シアノエチルスクロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコールおよびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよい。
【0059】
前記第1無機粒子および前記第2無機粒子は、それぞれ、SiO2、AlO(OH)、Mg(OH)2、Al(OH)3、TiO2、BaTiO3、Li2O、LiF、LiOH、Li3N、BaO、Na2O、Li2CO3、CaCO3、LiAlO2、Al2O3、SiO、SnO、SnO2、PbO2、ZnO、P2O5、CuO、MoO、V2O5、B2O3、Si3N4、CeO2、Mn3O4、Sn2P2O7、Sn2B2O5、Sn2BPO6およびこれらのうち2以上の組み合わせから成る群から選ばれた1つであってもよく、好ましくは、前記第1無機粒子は、直方体状のAlO(OH)であってもよく、前記第2無機粒子は、球状のAl2O3であってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0060】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0061】
製造例1-1
アルミナ92重量部と、水溶性アクリル共重合体2重量部と、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)5重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.8g/m3である高密度スラリーを製造した。
【0062】
製造例1-2
アルミナ92重量部と、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)7重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.92g/m3である高密度スラリーを製造した。
【0063】
製造例1-3
アルミナ92重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体2重量部と、カルボキシメチルセルロース塩(CMC)5重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.74g/m3である高密度スラリーを製造した。
【0064】
製造例2-1
ベーマイト94重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体4.5重量部と、ポリビニルアルコール0.5重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.27g/m3である低密度スラリーを製造した。
【0065】
製造例2-2
ベーマイト94重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体4重量部と、ポリビニルアルコール1重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.3g/m3である低密度スラリーを製造した。
【0066】
製造例2-3
ベーマイト94重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体3重量部と、ポリビニルアルコール2重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.36g/m3である低密度スラリーを製造した。
【0067】
製造例2-4
ベーマイト94重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体2重量部と、ポリビニルアルコール3重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.41g/m3である低密度スラリーを製造した。
【0068】
製造例2-5
ベーマイト94重量部と、アクリル-アクリロニトリル共重合体1重量部と、ポリビニルアルコール4重量部と、界面活性剤0.5重量部と、分散剤(NaPO3)60.5重量部とを水に分散させて、固形分の含有量が20重量%であり、密度が1.53g/m3である低密度スラリーを製造した。
【0069】
実施例および比較例
厚さ9μmのポリエチレン多孔性基材(通気度:110秒/100ml)の両面にそれぞれ前記製造例で得た低密度および/または高密度スラリーをバーコーティング(bar coating)した後、乾燥して、前記多孔性基材の両面にそれぞれ厚さ2μmの耐熱層を含むセパレータ試験片を製造した。
【0070】
前記セパレータ試験片の両面、すなわち、外面および内面にコーティング層を形成するために使用されたスラリーを下記の表1に示した。下記の表において、セパレータの「外面」は、電池組立の際、セパレータを含む電極構造体が巻き取りおよび/または折り曲げられる場合、電池の外部と対向する面を意味し、セパレータの「内面」は、前記外面の反対面であり、電池の内部と対向する面を意味する。
【0071】
【0072】
実験例
本発明において測定した物性それぞれに対する試験方法は、下記の通りである。温度に関する別途の言及がない場合、常温(25℃)で測定した。
【0073】
前記実施例および比較例によって製造されたセパレータ試験片の物性を測定し、その結果を下記表2に示した。
-通気度(Gurley、sec/100ml):旭精工社のガーレー式デンソメーター(Densometer)EGO2-5モデルを用いて測定圧力0.025MPaで100mlの空気が直径29.8mmのセパレータ試験片を通過する時間を通じて通気度を測定した後(F1)、前記セパレータ試験片を直径20mmのシリンダーにMD方向に巻き取って(wind)、6時間放置した後、巻き出した(unwind)直後に、上記と同じ方法で通気度を測定した(F2)。
-熱収縮率(%):150℃のオーブンで1時間サイズが200×200mmのセパレータ試験片をA4用紙の間に入れて放置した後、常温冷却して、試験片の縦方向(MD)の収縮した長さを測定し、下記式によって熱収縮率を計算した。
熱収縮率(%)=(l3-l4)/l3×100
(上記式中、l3は、収縮前の試験片の縦方向長さであり、l4は、収縮後の試験片の縦方向長さである。)
【0074】
【0075】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態で容易に変形が可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施形態および実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的でないものと理解すべきである。例えば、単一型と説明されている各構成要素は、分散して実施されることもでき、同様に、分散したものと説明されている構成要素も、結合した形態で実施されることができる。
【0076】
本発明の範囲は、後述する請求範囲によって示され、請求範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈すべきである。
【符号の説明】
【0077】
100 多孔性基材
210 低密度耐熱層(第1耐熱層)
220 高密度耐熱層(第2耐熱層)
【国際調査報告】