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  • 特表-木材ポリマー複合体の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】木材ポリマー複合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B27K 3/15 20060101AFI20240202BHJP
   B27K 3/36 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
B27K3/15 Z
B27K3/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547827
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022052986
(87)【国際公開番号】W WO2022171613
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】21315020.4
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523089184
【氏名又は名称】レコ ラブス エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コルディア,フランソワ-ザビエル
(72)【発明者】
【氏名】ノエル,マリオン
(72)【発明者】
【氏名】グロッセ,シャルロッテ
【テーマコード(参考)】
2B230
【Fターム(参考)】
2B230AA13
2B230AA15
2B230BA03
2B230BA17
2B230CB08
2B230CB25
2B230EB02
2B230EB05
2B230EB08
2B230EB11
2B230EB12
2B230EB13
2B230EB38
2B230EC02
2B230EC22
(57)【要約】
本発明は、木材ポリマー複合体の製造方法に関する。本発明は、木材要素の提供(1)と、乳酸水性溶液による木材要素の含浸(2)と、含浸された木材要素の内部への乳酸水性溶液の拡散を引き起こすとともに、乳酸のin-situ重合を開始するために、次の、乳酸のin-situ重合を開始させる公称温度(T)よりも高い加熱温度(T)での含浸された木材要素の熱処理(3)と、を含む方法に関する。本発明にしたがい、熱処理(3)は、加熱温度(T)の上昇および/または公称温度(T)の下降を加速させることを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
木材要素を提供すること(1)と、
乳酸水溶液を前記木材要素に含浸させること(2)と、
含浸された前記木材要素の内部への前記乳酸水性溶液の拡散を引き起こすとともに、乳酸のin-situ重合を開始させるために、次に、前記乳酸のin-situ重合が開始される公称温度(T)よりも高い加熱温度(T)で、含浸された前記木材要素を熱処理すること(3)と、を含む、木材ポリマー複合材を製造する方法において、
熱処理(3)は、前記加熱温度(T)の上昇および/または前記公称温度(T)の下降を加速させることを含む、方法。
【請求項2】
前記加熱温度(T)の上昇を加速させることは、マイクロ波放射による熱処理を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マイクロ波放射の周波数は、500MHzよりも高く、好ましくは1~3GHzの間である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マイクロ波放射による前記熱処理は140~180℃の間の温度で、2~72時間行われる、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
マイクロ波放射による前記熱処理は、マイクロ波オーブンまたはマイクロ波トンネル内で行われる、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記公称温度(T)の下降は真空条件下での熱処理によって行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
圧力は100~500mbarの間であり、好ましくは300mbar付近である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
真空下での前記熱処理は、24~72時間の間、140~180℃の温度で行われる、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記木材要素を含浸させた後かつ熱処理する前に、前記木材要素の温度を上昇させ、そして、前記熱処理中に含浸された前記木材要素が重合温度に到達するまでの時間を短縮するために、含浸された前記木材要素が予熱される(4)、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記木材要素を含浸させた後かつ熱処理する前に、含浸された前記木材要素の含水量を減少させ、そして、重合化を開始する前に水分を蒸発するのに必要なエネルギー量を低減させるために、含浸された前記木材要素が真空予備乾燥(4)される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記予備乾燥(4)は低温、好ましくは、60~80℃の間の温度で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記乳酸水性溶液の含浸(2)が真空下で行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記乳酸水性溶液は70%よりも大きい乳酸を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の方法を実施することにより得られた木材ポリマー複合体。
【請求項15】
請求項14に記載の木材ポリマー複合体からなる薄板のセットを備える建築要素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材ポリマー複合体の製造方法に関し、本方法において、木材を(特に、密度、寸法安定性、耐久性、硬度、耐摩耗性、および/または弾性率において)強化するために、木材が重合性有機剤で含浸される。かかる木質改質材は、一連の木製パネルで作られた木造建築物を製造するのに特に有用であるが、デッキ、被覆材、フローリング、建具、家具などの他の多くの木工品にも有用である。
【背景技術】
【0002】
本技術分野では、化学的改質は、化学物質が木材の体積に沿って均質に拡散できる場合にのみ効率的であるため、通常、工業的規模で化学的改質される木材種はわずかであることが理解される。ここで、化学物質の良好な拡散を十分に可能にする含浸性と均質性の両方を有しているのは、ほんのわずかな木材種である。結果として、工業的規模での木材の化学的改質は極めて特定の木材種にのみ限定されていることが知られており、必ずしも、どこにでも存在するわけではなく、用途によっては高額になりすぎる場合がある。例えば、ラジアータマツ、ハンノキ、サザンイエローパインが該当する。オウシュウアカマツおよびカエデは一定の均質的品質を示す。しかし、木材の化学的改質または含浸処理は、主にニュージーランドで栽培されたラジアータマツで構成される高浸透性の木材に依存している。
【0003】
これに関して、木材を含浸および/または化学的に改質するいくつかの技術が知られている。例えば、TITAN WOOD LIMITED社による製品ACCOYA(登録商標)は、「アセチル化反応」、すなわち木材構造への無水酢酸の含浸に基づいている。当該反応は熱によって開始される。反応により、副産物として酢酸が放出されるが、不快な臭いと酸性のため、処理において除去しなければならない。最終生成物は無水酢酸のアセチル基による水酸基のエステル化によって得られる改質木材である。
【0004】
KEBONY(登録商標)という名称の、別の既知の処理は、KEBONY AS社によって開発され、国際公開第2011/1444608号公報で開示されている。この既知の処理は、「フルフリル化反応(furfurylation reaction)」、すなわち、木材構造へのフルフリルアルコールの含浸に基づいている。当該反応も熱によって開始される。この場合、最終生成物は、ヘミセルロースおよびリグニンへのフルフリルアルコールのグラフト、ならびに木材構造中でのフルフリルアルコールの重縮合によって得られる改質木材である。
【0005】
いずれの既知の処理も、木材を強化し、それによって木材構造の目的に使用可能となる(すなわち、建築物、ただし、デッキ、被覆材、フローリング、建具、家具にも使用可)という長所を有している。しかし、上記のように、この既知の処理の欠点は、出発点として均質な木材を必要とすることであり、そのほとんどはニュージーランドから輸入され、大きな環境コストを伴う。
【0006】
研究開発の努力にもかかわらず、堅木のような他の木材種は、化学処理されるには複雑であるため、通常は化学処理されない。例えば、ヨーロッパにおいてブナ材は広く入手可能であるが、病原菌に対する耐性が低く、相対湿度変化による寸法変化が大きいため、あまり利用されていない。ブナ材は極めて多孔質で容易に含浸されることが知られているものの、かかる木材への含浸および処理は、通常、寸法的強変形を引き起こす。
【0007】
したがって、ブナ材のような堅木を化学的に改質することにより、病原体に対する抵抗性を高め、寸法を安定化させ、これを利用、価値化できるようにする方法が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を実現するために、複数の技術が開発及び試験されている。一例として、乳酸のような重合性有機剤のin-situ重合による化学的改質がある。有機剤は木材細胞壁において重合が可能である(in-situ)。この化学的改質は、含浸、および、その次の重合反応の2ステップの処理で構成される。第1のステップは、室温において真空下で乳酸水性溶液を木材構造に含浸することである。次の第2のステップは、高温(120℃よりも高温)で、換気式オーブン(ventilated oven)で、含浸した木材を熱処理することである。この加熱ステップは、溶液の、木材細胞壁への拡散を誘発するとともに、乳酸の重縮合を開始するために行われる。その結果、木材ポリマー酸性複合体が生成される。
【0009】
ただし、この科学的改質にはいくつかの欠点がある。第1に、プラスチック産業における用途の重合に十分な程度に高温に到達するために、乳酸重合には高温(通常、最大200℃)を要する。木材処理に対するかかる高温は、火災安全のための不活性または飽和蒸気雰囲気下での閉鎖型装置でのみ、可能である。第2に、木材が重縮合を妨げ、それにより、木材細胞壁における、乳酸の、ポリマーへの重合および変換を制限し、乳酸重合温度(すなわち、乳酸の重合が発生する公称温度)よりも低い温度と相まって、改質処理の効率を低下させる。
【0010】
これらの欠点を克服するために、木材を開放型装置ではなく、飽和水蒸気下の閉鎖型装置で加熱することが試みられた。しかし、乳酸のin-situ(インジツ)重合は湿度によって妨げられる。
【0011】
別の解決策として提案されたのは、温和な熱処理、すなわち160℃以下での熱処理であったが、長時間、すなわち48時間の熱処理を行うことであった。このより温和で長時間の加熱は、乳酸のin-situ重合を支援するものである。よって、上記解決策は、乳酸が、含浸した木材の特性を強化するのに十分な程度の重合に到達することを可能にする。しかし、この加熱は処理中の木材の分解を増幅するものでもあり、それによって、木材の機械的特性を低下させ、高度な重合の便益を制限することとなる。
【0012】
最後に、含浸を行わない熱処理もまたよく知られた処理である。上記処理は、一定時間(数日)、高温(180~240℃)を適用した、硬材の制御された熱分解で構成される。この処理により、木材の最も親水性の高い化合物である木材ヘミセルロースの一部を分解、除去することができる。しかし、この処理にも、熱処理によって機械的耐性が大幅に失われる、および、すべての種類の木材に適しているわけではない、という欠点があり、例えば、ブナ材はかかる熱処理に十分反応しない。
【0013】
概して、含浸を行わない木材の熱処理は、木材の機械的耐性の損失を誘発することが知られている。以上に鑑み、(木材の特性を改善する)乳酸のin-situ重合の度合いと、(木材の特性の改善を無効にする)木材の分解のリスクとの間のバランスを見つける必要がある。
【0014】
他の既存の、木材の化学的改質による解決方法が存在することも注目に値する。これらの解決方法は、主に架橋反応を含むか、または反応速度を上げるために効率的な非バイオベースの触媒を使用するものであり、その結果、長時間の熱処理が不要になる。例えば、FIBRE 7 UK LIMITED社の製品LIGNIAは、木材構造に化石由来分子の含浸と網状化を実施する。この処理により、木材の、水、湿度および火への感度を減少させ、水または火への高い抵抗力が必要な用途(例えば、ヨットのデッキ)に使用される。BASF SE社によるBELMADURという別の処理は、大容量の化石由来分子であるDMDHEU(ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素)の木材構造への含浸で構成される。DMDHEUは、水が浸透する木材構造内の空隙を占めるため、この処理により、木材の耐水性を改善させることが可能である。これらの2つの解決方法において、長時間の熱処理を実施する必要はない。ただし、これらの解決方法は重大な欠点を有している。実際のところ、いずれも石油資源を原料とする化学物質を使用している。
【0015】
結果として、費用効率の高い、かつ石油資源を使用しない方法で、木材を化学的に改質し、および、その特性を改善する方法の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
したがって、本発明の目的は、石油資源を使用しない、柔軟性がありながら費用効率の高い、および、ブナ材のような硬材の化学的改質に適した、木材の特性(病原体に対する耐性、および/または水や湿度に対する寸法安定性)を改善する木材ポリマー複合材の製造方法を提供することである。
【0017】
この目的を達成するために、本発明は木材ポリマー複合材の製造方法に関する。当該方法は、木材要素を提供すること、次いで、木材要素に乳酸水性溶液を含浸させる(染み込ませる)ことを含む。次いで、本方法は、乳酸水性溶液の含浸された木材要素の内部への拡散を引き起こすとともに、乳酸のin-situ重合を開始させるために、乳酸のin-situ重合が開始される公称温度(T)よりも高い加熱温度(T)で、含浸された木材要素を熱処理することを含む。本発明によると、熱処理は加熱温度(T)の上昇、および/または公称温度(T)の下降を加速させることを含む。
【0018】
乳酸のin-situ重合に関する既知の溶液は、より温和で長時間の熱処理を行い、それによって重合の速度を落としたが、その代わりに本発明は、反応速度を増大させ、最終重合度をより短時間で到達させるか、あるいは既に報告されている熱処理の継続時間を大幅に増大させることを提案する。加熱時間を減らすことにより、木材の加熱により誘発される木材の機械的、物理的および化学的分解を制限することが可能になる。第2の選択肢として、すでに報告されている熱処理の継続時間における最終重合度を高めることで、in-situ重合した乳酸のサイズが長くなり、加熱によって誘発される木材の分解を補うことができる。結果として、本発明は、乳酸のin-situ重合が、木材を化学的に改質するために適した技術であることを認めており、(重合のおかげによる)木材の特性の改善と、(加熱が原因の)木材特性の分解との間の適切なバランスによる、この重合反応を実施することを可能にする。そうすることにより、本発明は、木材の分解を制御するとともに、木材の特性を改善することを可能にする。
【0019】
さらに、本発明は、実際に乳酸のin-situ重合の技術を実施するので、石油資源からの化学物質の使用を回避することができる。
【0020】
加えて、本発明は熱処理の間、木材の分解を制限するため、ブナ材などの硬材の主要な障害、すなわち、浸透性が低い、または(湿度への曝露または含浸のいずれにおいても)顕著な膨潤値および収縮値を示すという事実を克服する。この障害は、かかる硬材が、ヨーロッパなど、いくつかの領域で広く利用されていること、および、比較的低価格であるにもかかわらず、化学的改質の良き候補であるとみなされなかった理由を説明している。したがって、本発明は、かかる堅木に対する乳酸のin-situ重合の使用、次いで、かかる木材種の化学的強化を可能にする。
【0021】
本発明はさらなる利点を有している。第1に、含浸処理および加熱処理は比較的単純で速いため、他の既知の処理と比較して、低コストを可能とする。第2に、本発明は、重合速度、マイクロ波放射の温度および継続時間、真空条件の圧力および継続時間、出力などの多数のパラメータを設定できるため、より高い柔軟性を提供し、その結果、製造者は、選択可能なパラメータのセットに応じて、複数の木材品質の等級を画定することができる。
【0022】
実施形態において、加熱温度の上昇の加速は、マイクロ波放射による熱処理によって実現されている。このタイプの熱処理の効果は、木材の中心部からの、温度の急上昇を開始できることである。上記は、木材の熱への曝露を低減しながら、重合速度を上げる。よって、木材成分の分解を制限することができる。
【0023】
このマイクロ波放射を伴う実施形態において、マイクロ波放射の周波数は、有利には500MHzよりも高く、1~3GHzの間であることが好ましい。また、マイクロ波放射による熱処理は、140~180℃の間の温度で、2~72時間行われることが好ましい。
【0024】
マイクロ波放射によるかかる熱処理はマイクロ波オーブンまたはマイクロ波トンネル内で行われる。
【0025】
実施形態において、公称温度の低下は、真空条件下での熱処理によって実現される。真空効果とは、圧力が化学反応の反応速度に影響を与えることであり、それによって、水分蒸発が100℃ではなく70℃前後で起こる。結果として、乳酸の重合が低温で起こり、重合速度が上がり、より短時間またはより低温での所望の木材特性への到達、あるいは、同一の時間および温度における、より高度な乳酸重合への到達のいずれかを可能にする。上記は、製造者に、重合速度を上げる一方で、処理の多くの選択肢(例えば、加熱時間の短縮、および/または加熱温度の低下)を提供する。
【0026】
この真空条件下での実施形態では、圧力は100~500mbarの間であってもよく、約300mbarであることが好ましい。真空条件下での熱処理は、24~72時間の間、140~180℃の温度で行われることが好ましい。
【0027】
これらの実施形態において、熱処理の前に、予熱処理(pre-thermal treatment)のステップを追加することが特に有利である。上記を行うために、第1の方法として、木材を含浸させた後かつ熱処理する前に、含浸させた木材要素を予熱して温度を上昇させ、熱処理中に含浸させた木材が重合温度に達するまでの時間を短縮する。この木材要素の熱準備の利点は、本発明にしたがって加熱ステップが実施される前に、木材要素がより高い温度を有することである。そうすることによって、木材の重合化にかかる時間が短縮され、熱(分解)処理への曝露がより短い時間で済むこととなる。しがたって、木材は本発明の熱処理によって、より軽度な分解で済む。マイクロ波での予熱に関して、20分から4時間、(好ましい温度勾配にしたがって)160℃に達する温度での前処理が有利である。
【0028】
その代わりに、または追加的に、第2の方法として、熱処理の前に、真空予備乾燥処理のステップを追加することが有利である。この場合、木材要素が含浸された後かつ熱処理される前に、含浸された木材要素の含水量を減少させ、次いで、重合化を開始する前に、水分を蒸発するのに必要なエネルギー量を低減するように、含浸された木材要素は予備乾燥される。ここで、含浸された木材の準備により、熱処理が発生する前に水分量を減少させることが可能になる。水分は重合化が始まる前に蒸発させなければならないため、予備乾燥が重合化をより早く開始させ、次いで、より短時間で望ましい重合化の度合いに到達することを可能にし、それにより含浸された木材の加熱(および分解)を短縮する。
【0029】
有利なことに、この、木材要素の真空予備乾燥のステップは、好適には60~80℃の間の低温で行われる。
【0030】
含浸のステップに関して、乳酸水性溶液を用いた含浸が真空下で行われることが好ましい。真空により、木材の空間から空気を除去することができる。実際、圧力が大気圧に戻るときに、液体が木材の隙間に吸い込まれる。真空のおかげで、本発明は、木材中の液体の拡散の遅さ、および、毛細管現象のみによる進行を回避する。
【0031】
さらに、適切な乳酸の含浸のために、乳酸水性溶液は、70%よりも多い乳酸を含むことが好ましい。
【0032】
最後に、本発明は、本発明にしたがった方法を実施して取得された木材ポリマー複合体にも関連する。本発明はまた、本発明にしたがった木材ポリマー複合体からなる薄板のセットを備える建築要素に関する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明の他の特徴および利点は、添付図面を参照することにより、例示目的で提供される本発明の実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
図1図1は、本発明のいくつかの実施形態にしたがって実施される異なるステップを表す図である。
図2図2は、従来技術による2ステップの処理を表す図である。
図3図3は、本発明による2ステップの処理を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
乳酸のin-situ重合に関する既知の方法
【0035】
上述のとおり、乳酸のin-situ重合による木材要素の化学的改質は、調査されるとともに論文審査のある専門誌で公表されていることから、出願日よりも以前に知られていた。かかる既知の処理の例が図2に記載されている。
【0036】
基本的に、この既知の処理は、真空下、室温で、乳酸の水性溶液を木材要素に含浸させ、その後、120~180℃の範囲の温度で、換気式オーブンで熱処理することで構成されていた。熱処理(または加熱段階)は、木材構造(すなわち、木材細胞壁)における生成物の拡散を誘発するとともに、木材構造における化学反応、すなわち、乳酸重合を開始するであろう。
【0037】
木材構造中の乳酸in-situ重合に関連して、多くの刊行物がある。これらの刊行物には、このin-situ重合の処理に関する詳細が記載されている:
- Noel et al.,2009a.,“Lactic acid/wood-based composite material. Part 1: synthesis and characterization”,Bioresource Technology,100 20),4711-4716.
- Noel et al.,2009b.,“Lactic acid/wood-based composite material. Part 2: Physical and mechanical performance”,Bioresource Technology,100(20),4717-4722.
- Noel et al.,2015,“Evaluating the extent of bio-polyester polymerization in solid wood by thermogravimetric analysis”,Journal of Wood Chemistry and Technology,35,325-336.
- Grosse et al.,2018,“Influence of water and humidity on wood modification with lactic acid”,Journal of Renewable Materials,6(3),259-269.
- Grosse et al., 2019,“Optimizing chemical wood modification with oligomeric lactic acid by screening of processing conditions”,Journal of Wood Chemistry and Technology,39,385-398.
【0038】
これらの刊行物において、乳酸重合の処理が開示されており、次いで、取得された木材ポリマー複合材の、特に以下のパラメータに関する一連の測定が行われた:抗膨潤効率(ASE)、平衡含水率(EMCt)、浸出、生物学的耐性。
【0039】
例えば、刊行物「Optimizing chemical wood modification with oligomeric lactic acid by screening of processing conditions」は、以下のin-situ重合処理を説明している。第1に、木材サンプルをブナ材(すなわち、ヨーロッパブナ)から切り出し、含浸前に一定の重量までオーブン乾燥させる。第2に、L-(+)-乳酸溶液(≧85%)を供給し、乳酸オリゴマー(OLA)を調製する。第3に、インラインの(一列に並んだ)コールドトラップと真空ポンプに連結されたマグネチック撹拌機と還流冷却器を備えた四つ口フラスコを使用して、オリゴマーポリエステルが真空下での直接重合によって合成される。次いで、この溶液が木材サンプルに含浸される(図2のステップ2)。当該溶液が減圧下(150mbar)で加熱される。重合反応と加熱温度を制御するために温度計が使用される。温度をまず、1時間の初期蒸留ステップとして90℃まで徐々に上昇させる(図2のステップ3)。最初のオリゴマー化ステップは、温度を140℃まで徐々に上げ、2.5時間かけて行われた。第5に、木材サンプルが、処理に先立って、103℃で、一定の重量までオーブン乾燥される。第6に、木材サンプルが室温で、液体オリゴマー(OLA)に浸される。容器は減圧下(150mbar)の真空オーブンに10~15分間、その後大気圧下で10~15分間入れられる。次いで、含浸されたサンプルは拭き取られ、換気式オーブンのアルミホイル上に異なる温度、異なる継続時間でセットされる。最後に、蒸気圧制御装置を備えた反応装置内で湿潤雰囲気での硬化を行う。その後、換気式オーブンで乾燥硬化を行う。
【0040】
かかるin-situ重合処理の別の例が以下に説明される。この例では、ブナ材の木片が提供される。これらの木片は130×30×300mmであり、含水量は18%である。これらのブナ材の木片は、真空/圧縮処理下において、88%の乳酸溶液で、95%の含浸収率で含浸される(図2のステップ2)。含浸は真空下(150mbarまで下がって)行われる。含浸された木材は、対流式オーブンで160℃の温度で48時間熱処理される(図2のステップ3)。この熱処理は(木材構造への乳酸の拡散により)約13%の膨潤を引き起こし、(熱処理中の木材成分の分解により)約14%の収縮を引き起こす。硬化が完了すると、木材ポリマー複合材が除去可能となる。
【0041】
この例では、結果として生じる木材ポリマー複合材は、木材ポリマーの一部を置き換える細胞壁にポリマーを含んでいる。これらのポリマーは、50%よりも大きい過酷な抽出条件(加圧下での高温クロロホルムなど)であっても、構造から抽出することができない。この材料の抗膨潤効率は、湿潤状態(23℃かつ99%相対湿度)で測定した場合、70%に達する。機械的特性においては、圧延せん断強度は平均33.6kNに達する。
【0042】
本発明による乳酸のin-situ重合
【0043】
図1および3を参照すると、木材ポリマー複合材の製造方法が開示されている。木材要素から始まり(図1のステップ1)、本発明の2つの主要なステップは、乳酸水性溶液を木材要素に含浸させること(図1および図3のステップ2)と、その後、含浸された木材要素を熱処理すること(図1および図3のステップ3)である。熱処理の前に含浸された木材を前処理する追加処理も考えうることを以下に説明する(図1のステップ4)。
【0044】
既知の方法と比較して、本発明による方法は、木材の特性(特に病原体に対する耐性と、水や湿度に対する寸法安定性)を改善するだけでなく、石油資源の使用を回避することができる。さらに、この方法は費用効率が高く、柔軟性があり、ブナ材などの硬材の化学的改質に適している。
【0045】
ステップ1:木材要素の提供
【0046】
ステップ1は強化対象の木材要素を提供するステップで構成される。例えば、本発明の実施に適した木材はヨーロッパブナ材(Fagus sylvatica、ヨーロッパブナ)またはカエデ(Acer pseudoplatanus、シカモアカエデ)であるが、他の木材種が検討されてもよい。木片は単純に材木から切り出されてもよい。含浸の前に、これらの木片は含浸前に一定の重量までオーブン乾燥されてもよい。このステップは図1に示されている。
【0047】
ステップ2:乳酸水性溶液の含浸
【0048】
ステップ2は、乳酸水性溶液を含浸させるステップで構成される。左記を行うために、乳酸水性溶液が使用される。この溶液は70%よりも多い乳酸、好適には85%よりも多い乳酸を含まなければならない。例として、かかる溶液はSigma-Aldrich社(スイス)から供給されることが可能である。このステップは図1および図3に示されている。図2図3の比較により、含浸の原理は当技術分野で知られていることが強調されている。
【0049】
好適には、木材要素への乳酸水性溶液の含浸は、真空下で行うことができる。これに関しては、任意の従来技術を使用してもよい。例えば、乳酸水溶液を容器に充填する前に、木材要素を加圧滅菌器に入れ、10~30mbarの圧力で真空にすることができる。溶液が入ると、大気圧が復元され、その後、過圧が発生し、乳酸が木材要素に含浸する。過圧は一定時間保持されることができる。含浸用溶液は、例えば国際公開第2004/011216号公報および国際公開第2011/144608号公報といった、いくつかの従来技術文献で開示されており、この点に関して、本明細書の開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
含浸の間、木材要素は乳酸水性溶液で含浸されるが、これは木材細胞の内腔が満たされることを意味する。
【0051】
ステップ3:熱処理
【0052】
ステップ3は含浸された木材要素の熱処理を、特定の加熱温度Tで、特定の継続時間Dの間、実施するステップで構成される。このステップは図1および図3に示されている。図2図3の比較により、本発明の熱処理と従来技術は異なることが強調されている。
【0053】
従来、このステップは、乳酸水性溶液の、木材細胞壁への拡散を引き起こすこと、および、乳酸の重縮合を開始することを目的としている。この開始後に、木材の加熱が維持される時間中、重縮合が発生可能である。この点に関して、加熱温度Tは、公称温度Tと呼ばれる乳酸重合温度、すなわち、乳酸の重合が開始される温度に到達しなければならない。大気において、公称温度Tは約120℃として知られている。熱処理の継続時間D、すなわち加熱温度Tが維持される時間周期により、望ましい重合程度に到達するのに十分な長さの時間周期の間、重合化を発生させることが可能となる。
【0054】
本発明にしたがって、ステップ3の熱処理は、共通して重合反応の効率を向上することを可能にする2つの独立した方法で実施される。
【0055】
本発明にしたがった熱処理の別の実施形態は、すべて、高速の重合速度のための方法である。実際、マイクロ波放射による熱処理(第1の実施形態)はin-situ温度Tの上昇を加速することにより、重合反応を加速する。真空条件下での熱処理(第2の実施形態)は特徴的温度、すなわち、上記の公称温度Tを低下させ、それにより反応速度を増加することにより、反応を加速する。先行技術の熱処理では重合反応を誘発し維持するのに多くの時間を要したのに対し、いずれの実施形態も低慣性を示すという利点がある。
【0056】
熱処理の間、乳酸水性溶液は木材要素の解剖学的構造、すなわち、木材細胞壁に拡散する。
【0057】
ステップ3の第1の実施形態:マイクロ波放射
【0058】
熱処理を実施する第1の方法は、加熱温度Tの上昇を加速するためにマイクロ波放射を使用することである。
【0059】
好適には、マイクロ波放射の周波数は500MHzよりも大きく、好適には1~3GHzの間であり、加熱温度Tは140~180℃の間であり、処理の継続時間Dは2~72時間の間である。製造者はこれらのパラメータを変更して、重合反応の速度を決定することができる。
【0060】
この実施形態では、マイクロ波放射による熱処理はマイクロ波オーブン内、またはマイクロ波トンネルのいずれかで行うことができる。実質的には、乳酸水性溶液による木材の含浸後、含浸された木材はマイクロ波オーブンまたはマイクロ波トンネルの中に挿入される。
【0061】
この第1の実施形態の詳細な例が以下に提供される。
【0062】
この例では、寸法135×41×750mm、含水率8%のブナ材サンプルが提供される。これらの木材サンプルは88%の乳酸水性溶液により、真空下で含浸される。平均含浸収率は67%である。その後、マイクロ波放射下で、放射周波数915MHzまたは2.45GHzで、多数の考え得る電力密度および加熱時間において、いくつかの熱処理が実施される。
【0063】
これらすべてのパラメータを用いて、この処理により、最終的な重量パーセントは約28%増加した(ポリマーが木材構造中で硬化した)。木材細胞壁への乳酸の拡散は、硬化段階での約6%の木材膨潤によって改善される。膨潤防止効果は、湿潤条件下(23℃、相対湿度99%)で約30%と測定されている。同じ条件で200時間曝露した場合、防湿効率は約30%である。
【0064】
この熱処理の効果は、マイクロ波放射が、材料の中心部からの温度の急速な上昇を開始することである。この温度上昇は材料の密度および含水量に依存することは当然理解されるであろう。結果的に、これらの放射は木材加熱の継続時間を短縮し、木材要素の分解が制限される。
【0065】
ステップ3の第2の実施形態:真空条件
【0066】
熱処理を実施する第2の方法は、乳酸のin-situ重合が開始される公称温度Tを下げるために、真空条件下で熱処理を行うことである。
【0067】
好適には、真空条件で発生する圧力は100~500mbarの間であり、約300mbarであることが好ましい。熱処理は、140~180℃の間の温度T、24~72時間の間の処理の継続時間Dで行われることができる。
【0068】
この実施形態では、真空条件下での熱処理は真空オーブンで行うことができる。実質的には、乳酸水性溶液による木材の含浸後、含浸された木材は、適切な圧力の真空オーブンに挿入される。
【0069】
この実施形態では、圧力は、平衡温度を変化させることによって化学反応速度に影響を与える。水の蒸発は、通常の大気圧1,013.25mbarでは100℃であるのに対し、300mbarの圧力では約70℃で起こる。つまり、乳酸重合はより低い温度、すなわち120℃ではなく約90℃で開始することになる。
【0070】
この第2の実施形態は、製造者の選択により、以下の2つの効果のうちの1つを提供することができる(製造者が選択する加熱温度と持続時間に依存する)。一方で、第2の実施形態は、開放型装置における既知の熱処理で得られる木材特性と同じ木材特性に、より短時間で、および場合によってはより低温で到達することを可能にする。他方で、製造者は、木材中の乳酸の重合度を高め、木材ポリマー複合材の最終的な特性を向上させるために、同じ製造パラメータ(例えば、温度160℃、時間48時間)で作業することを決定することができる。実際、より高い重合度は、木材ポリマー複合材の機械的特性の劣化を補う。
【0071】
この第2の実施形態の詳細な例が以下に提供される。
【0072】
この例では、寸法130×45×(250~750)mm、含水率8%のブナ材サンプルが提供される。これらの木材サンプルは88%の乳酸水性溶液により、真空下で含浸される。平均含浸収率は69%である。その後、熱処理が、真空下、以下のサイクルで実施される:800mbarで、14時間で160℃まで温度上昇し、その後、圧力を瞬間的に250mbarまで低下させ(温度は160℃に維持)、それを40時間維持した後、温度を80℃まで低下させ、圧力を2時間で1000mbarまで上昇させる。
【0073】
これらすべてのパラメータを用いて、この処理により、最終的な重量パーセントは約17%増加した(ポリマーが木材構造中で硬化した)。木材細胞壁への乳酸の拡散は、硬化段階での約5%の木材膨潤によって改善される。膨潤防止効果は、湿潤条件下(23℃、相対湿度99%)で約68%と測定されている。同じ条件で500時間曝露した場合、防湿効率は約52%である。500時間後、未処理の木材の参考サンプルは10%の膨潤値を示し、一方で処理済みサンプルは3%の膨潤を示したに過ぎない。乳酸の影響を定量化するために、いくつかのサンプルが同じ真空熱処理にさらされた。これらのサンプルは参考サンプルと同じ10%の膨潤を示し、ASE(抗膨潤能)もMEE(抗吸湿能)も示さなかった。上記の条件で処理した木材のヤング率と曲げ強さは、それぞれ16’971 MPaと83MPaと測定され、真空熱処理のみ(化学的含浸なし)に曝露されたサンプルは、それぞれ13’258MPaと77 MPaを示した。
【0074】
ステップ4:前処理
【0075】
ステップ4は含浸された木材要素の前処理で構成される。このステップは含浸の後、および、熱処理の前に発生する。この中間ステップはすべての処理の効率性を向上させるために実施される。よって、長時間の熱処理が好ましい用途にとりわけ適している。ステップ4は図1の破線による四角に示されており、中間ステップとして追加可能であることが強調されている。複数のこのような中間ステップが検討されてもよい。
【0076】
この前処理ステップの2つの実施形態を検討することができる。
【0077】
ステップ4の第1の実施形態:予熱
【0078】
第1の実施形態では、含浸された木材要素が予熱される。これにより、含浸された木材要素の温度が上昇する。また、含浸された木材要素が熱処理中に公称温度Tに到達するのに必要な時間を短縮できる。
【0079】
例えば、含浸後、マイクロ波によって含浸された木材要素の予熱が行われる。実質的には、含浸された木材要素が高速マイクロ波オーブン内に配置される。これにより、熱処理用過圧滅菌器に入れる前の、材料の急速な温度上昇が可能となる。実際、木材は金属製の過圧滅菌器よりも熱しにくい断熱材である。したがって、装置の温度を20℃から160℃に上昇させるには、加熱対象の量によっては、対流加温処理により、かなりの時間を要する。よって、含浸された木材の急速なマイクロ波予熱を実行することによる時間短縮は、この処理の効率性を高める。
【0080】
さらに、真空下でのマイクロ波放射を使用することで、温度を上昇させながら、過剰な水分を除去することができる。よって、過圧滅菌器での実際の熱処理ステップを、最良に準備された材料、すなわち、過剰水分がより少ない材料で、最高の処理効率性をもって、開始することができる。
【0081】
第2の実施形態:予備乾燥
【0082】
第2の実施形態では、含浸された木材要素が真空予備乾燥される。これにより、熱処理の前に、含浸された木材要素の含水量を減少させることができる。また、重合化が開始する前に水分を蒸発させるのに必要なエネルギー量を減少させ、それにより反応がすぐに開始することから熱処理を加速することを可能にする。
【0083】
この真空予備乾燥のステップは低温、好ましくは60℃から80℃の間の温度で行うことが好ましく、いかなる場合も、熱処理のステップ中に使用される温度Tよりも低い温度で行われる。実際のところ、真空予備乾燥には、通常の木材乾燥よりも低い温度で実施できるという有利点がある。
【0084】
予備乾燥ステップの詳細な例が以下に提供される。
【0085】
この例では、寸法130×30×300mm、含水率約18%のブナ材の木片が提供される。これらの木片は88%の乳酸水性溶液により、真空/加圧処理下で含浸される。結果としての平均含浸収率は約95%である。その後、木片は温度22.5℃、相対湿度46.5%の大気に格納される。
【0086】
その後、17日後に、木片が、乳酸溶液中の水分12%に相当する22.5%の重量減少を示すこと、および、木材の含水率は約8.5%で安定することが測定される。これは、当初木材に含まれていた含水率の約10%を失うことを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【特許文献1】国際公開第2011/1444608号公報
図1
図2
図3
【国際調査報告】