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特表2024-506196標的ゾーンに向けて溶液または懸濁液の混合物を制御輸送するための改善されたインタフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】標的ゾーンに向けて溶液または懸濁液の混合物を制御輸送するための改善されたインタフェース
(51)【国際特許分類】
   G01N 30/80 20060101AFI20240202BHJP
   G01N 1/34 20060101ALI20240202BHJP
   G01N 1/02 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
G01N30/80 E
G01N1/34
G01N1/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548833
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 IB2022051190
(87)【国際公開番号】W WO2022172184
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021000003053
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523305958
【氏名又は名称】スペクトラ アナリシス インスツルメンツ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カーソン,ウィリアム ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィロビー,ロス シー.
【テーマコード(参考)】
2G052
【Fターム(参考)】
2G052AD06
2G052AD23
2G052AD52
2G052BA24
2G052CA12
2G052DA05
2G052EB01
2G052EB05
2G052ED03
2G052FD06
2G052FD18
2G052GA13
(57)【要約】
【解決手段】溶液または懸濁液中の流入混合物の流れ(352)を、標的ゾーンに向けて、好ましくは堆積表面(610)に向けて制御輸送するためのインタフェース(350)において、当該インタフェースが、混合物の流れ(352)が横断するように意図された複数の孔で穿孔された少なくとも1つの層状要素を備える穿孔された抽出バリア(402)であって、流れ(352)の断面を縮小させるように構成された圧縮領域(560)の入口に配置される、穿孔された抽出バリア(402)と、気体逆流(606)の流入口用の少なくとも1つの開口部と流体接続される圧縮領域(560)とを備え、圧縮領域(560)が、少なくとも1つの気体のための排気回路(508)と流体接続され、前記排気回路(508)が、穿孔された抽出バリア(402)と、気体逆流(606)の流入口用の開口部との間に位置することを特徴とする、インタフェース(350)である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液または懸濁液中の流入混合物の流れ(352)を、標的ゾーンに向けて、好ましくは堆積表面(610)に向けて制御輸送するためのインタフェース(350)において、前記インタフェースが、
前記混合物の流れ(352)が横断するように意図された複数の孔で穿孔された少なくとも1つの層状要素を備える穿孔された抽出バリアであって、前記流れ(352)の断面を縮小させるように構成された圧縮領域(560)の入口に位置する、穿孔された抽出バリア(402)と、
気体逆流(606)の流入口用の少なくとも1つの開口部と流体接続される前記圧縮領域(560)とを備え、
前記圧縮領域(560)が、少なくとも1つの気体のための排気回路(508)と流体接続され、前記排気回路(508)が、前記穿孔された抽出バリア(402)と、前記気体逆流(606)の流入口用の開口部との間に位置することを特徴とする、インタフェース(350)。
【請求項2】
前記圧縮領域(560)が、通過する流れ(352)の断面の電気光学的圧縮用の少なくとも1つのレンズ(502、504、601、602)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のインタフェース。
【請求項3】
前記圧縮領域(560)が、単一の電気光学圧縮レンズのみを備えることを特徴とする、請求項1~2の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項4】
圧力差が、前記穿孔された抽出バリア(602)にわたって画定/生成されることを特徴とする、請求項1~3の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項5】
前記圧縮領域(560)が、少なくとも2つの電気圧縮レンズ、好ましくは複数のレンズを備え、下流のレンズが、上流のレンズのアパーチャーに対して直径が小さなアパーチャーを有することを特徴とする、請求項1~4の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項6】
前記気体逆流(606)が、少なくとも1つの不活性ガスを含むことを特徴とする、請求項1~5の1つ以上に記載のインタフェース
【請求項7】
前記気体逆流(606)が、周囲圧力での空気を含むことを特徴とする、請求項1~6の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項8】
前記気体逆流(606)が、制御されることを特徴とする、請求項1~7の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項9】
前記圧縮領域(560)の前記排気回路(508)が、凝縮手段(536)に対して下流に位置する流量制御器(534)を備えることを特徴とする、請求項1~8の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項10】
前記圧縮領域(560)の上流に位置付けられ、かつ前記穿孔された抽出バリア(402)によって前記圧縮領域から分離される流入領域(309)をさらに備えており、前記流入領域(309)が、少なくとも1つの気体のためのさらなる排気回路(311)と流体接続され、前記さらなる排気回路(311)が、さらなる凝縮媒体(336)の上流に位置するさらなる流量制御器(334)を備えることを特徴とする、請求項1~9の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項11】
好ましくは堆積表面(610)によって画定される前記標的ゾーンを備え、
前記圧縮領域(560)の下流に位置し、
前記気体逆流(606)の流入口用の前記開口部と流体接続される
出口/堆積領域を備えることを特徴とする、請求項1~10の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項12】
前記圧縮領域(560)および前記穿孔された抽出バリア(402)の上流に位置する前記流入領域(309)において、前記混合物の流れ(352)に存在する溶質粒子を前記さらなる排気回路(311)の流入口から除去し、かつ前記流れの粒子を前記穿孔された抽出バリア(402)に向けて偏向させるように構成された偏向手段(310)を備えることを特徴とする、請求項1~11の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項13】
前記偏向手段が、前記混合物の流れ(352)に直交する電場を発生させるように構成された少なくとも1つのリペラ電極(310)を備えることを特徴とする、請求項1~12の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項14】
前記少なくとも1つのリペラ電極(310)、前記さらなる排気回路(311)の流入口、および前記穿孔された抽出バリア(402)が、互いに面していることを特徴とする、請求項13に記載のインタフェース。
【請求項15】
前記圧縮領域(560)が、
排出回路(508)との少なくとも1つの接続部に対して上流に置かれた第1のゾーン(500)と、
前記排気回路(508)との前記少なくとも1つの接続部に対して下流に位置付けられる第2のゾーン(600)であって、したがって、第2のゾーン(600)に入る流れに、前記第1のゾーン(500)に入るまたは循環する流れに対して溶媒蒸気がほとんどまたは全くない、第2のゾーン(600)と
を備えることを特徴とする、請求項1~14の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項16】
輸送される前記混合物が噴霧かつ蒸発された液体クロマトグラフィー流出物であるように、構成されることを特徴とする、請求項1~15の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項17】
輸送される前記混合物が、前記溶媒の蒸気によって運ばれる少なくとも1つの溶質成分を有する荷電液滴を含有する混合物であるように、構成されることを特徴とする、請求項1~16の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項18】
前記圧縮領域(560)が蒸気排気回路(508)の放射状蒸気排気導管(530)と流体接続され、前記蒸気排気導管が、標的ゾーンに向かう流れ方向に対して角度が付けられ、好ましくは前記流れ方向に対して垂直であることを特徴とする、請求項1~17の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項19】
前記圧縮領域(560)の出口に配置されるとともに周囲温度にある堆積表面(610)を備えることを特徴とする、請求項1~18の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項20】
前記堆積表面(610)が可動式であり、かつ分析、好ましくは化学分析に適した表面を備えることを特徴とする、請求項1~19の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項21】
前記穿孔された抽出バリア(602)が、少なくとも2つの穿孔された層状要素を備え、複数の孔が互いに重なり合い、かつ離間していることを特徴とする、請求項1~20の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項22】
前記圧縮領域(560)が、前記堆積表面(610)上に直接静電集束をもたらすように構成される単一の電気光学圧縮レンズ(504)より上に画定されるテーパ状部分を備えることを特徴とする、請求項1~21の1つ以上に記載のインタフェース。
【請求項23】
液体クロマトグラフィーデバイスを、好ましくはIR分光法型の分析器に連結するための装置において、前記装置が、
前記液体クロマトグラフィーデバイスを出る液体流からエアロゾルを生成するための手段(200)であって、前記エアロゾルが、溶媒成分、および断続的に、少なくとも1つの荷電溶質成分とを含む、手段(200)と、
前記溶質成分を脱溶媒し、かつ前記エアロゾルを蒸発させるための手段(300)と、
前記溶質成分を脱溶媒し、かつ前記エアロゾルを蒸発させるための前記手段(300)の流出口に位置する、請求項1~22の1つ以上に記載のインタフェース(350)であって、その投入において、前記少なくとも1つの溶質成分を、より濃縮され溶媒を枯渇させた形で、好ましくは堆積表面(610)上に標的ゾーンに向けて送達するように、前記溶媒の少なくとも1つの蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含有する溶液混合物を受容するインタフェース(350)と
を備えることを特徴とする、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標的ゾーンに向けて投入溶液または懸濁液混合物を制御輸送するための改善されたインタフェースに関する。そのようなインタフェースは、
該混合物の流れが横断するように意図された複数の孔を備える穿孔された抽出バリアであって、流れの断面を縮小させるように構成された圧縮領域の入口に位置する、穿孔された抽出バリアを備え、
該圧縮領域が、気体逆流の進入のための開口部と流体接続され、
該圧縮領域は、穿孔された抽出バリアと気体逆流の進入のための開口部との間に位置する排気回路と流体接続される。
【0002】
そのようなインタフェースは、溶解された溶質の時間分解能を保持しながら、流れる液体流を脱溶媒および/または集中するための方法および装置の一部であり得る。この装置は、脱溶媒および/または集中しながら、すなわち、溶離剤自体、液体クロマトグラフィー溶離剤流中の溶質の濃度を増加させ、赤外分光分析または他の表面分析もしくは堆積技術のために光学表面上に溶質を堆積させながら、時間分解能を維持する小規模自己調節噴霧乾燥器を利用する。液体溶離液は、加熱されたネブライザーを通ってポンプ輸送され、液滴および溶媒蒸気を含有する溶質を含む荷電エアロゾルを生成する。エアロゾルは、加熱されたトロイダルチャンバの内部に円周方向に方向付けられる。遠心力によって、より大きな液滴がチャンバの外径に沿って移動させられる。チャンバ表面は、液滴を膜沸騰させるために充分な温度に加熱される。膜沸騰は、液滴のチャンバ表面との接触を低減させ、それによって、溶質を液滴中に保持する。溶質温度は、液滴の蒸発冷却によって制限される。溶質粒子を含有する荷電液滴が充分に小さい場合、蒸発した溶媒気体からのストーク抵抗(stokes drag)によって溶質粒子がチャンバの中心に向けて運ばれる。
【0003】
本発明に係るインタフェースは、蒸発チャンバの出口に配置され、荷電溶質粒子が、インタフェースの入口領域と流体接続されたさらなる排気回路の溶媒蒸気排気経路から荷電粒子をはじくように働くリペラ電極によって溶媒蒸気から分離されるように構成される。
【0004】
さらなる排気回路の排気経路を通る溶媒蒸気の流れ、したがって、残りの溶媒中の溶質の濃縮は、例えば、制限部、弁、ポンプ、および/または圧力測定およびフィードバックを含む任意の手段を備え得る排気経路のコンダクタンスによって部分的に制御される。さらなる排気回路の排気経路からの溶媒蒸気は、任意選択で、低温表面で凝縮され、適切な処分のために収集リザーバの中に蓄積されることができる。
【0005】
エアロゾルは、インタフェースの抽出バリアを通して荷電溶質粒子を方向付けることによって、荷電溶質粒子でエアロゾル流からさらに濃縮される。穿孔された抽出バリアは、さらなる排気回路の溶媒蒸気排気経路の反対側に配向され、溶質の通過を可能にする少なくとも1つの孔を提示する。抽出バリアはさらに、荷電溶質粒子を含有する流れを、低減された乱流および電場の両方の影響を利用して、穿孔されたバリアの入口断面に対して実質的に低減された値まで荷電粒子ビームの断面を圧縮する、インタフェースの圧縮チャンバ/領域に選択的に送達する役割を果たす。残留溶媒蒸気は、該粒子ビームを残留溶媒蒸気からさらに分離し得る排気回路の排気導管を通って圧縮ゾーンから除去される。この排気導管は、圧縮粒子ビームに対して軸外である。さらに、排気回路の排気導管による排気溶媒蒸気のコンダクタンスおよび除去は、制限部、弁、ポンプ、ならびに/または圧力測定およびフィードバックを含む任意の手段によって制御することができる。排気導管からの溶媒蒸気は、任意選択で、低温表面で凝縮され、適切な処分のために収集リザーバの中に蓄積されることができる。断面が縮小された粒子ビームは、スキマーレンズを通して、溶質粒子が実質的に集束される最終集束ゾーン内に、好ましくは著しく縮小された光学サンプリング断面を有する可動式堆積表面上にサンプリングされる。荷電粒子堆積は周囲圧力で行われ、これによって従来技術よりも透過効率、再現性、および検出感度は著しく向上する。
【背景技術】
【0006】
流動液体クロマトグラフィー流出物流を脱溶媒和するための技術は、米国特許第8,695,813号に記載されており、DiscovIR-LC(登録商標)検出システムとして市販されており、これは、蒸発した溶媒蒸気中に懸濁した乾燥溶質粒子のエアロゾルを生成するために自己調節噴霧乾燥器を供給する熱式ネブライザーからなる。非凝縮性気体をこのエアロゾルに添加し、混合物は冷却凝縮器に流れ、凝縮により溶媒蒸気の大部分を除去する。非凝縮性気体は、拡散バリアとして作用し、凝縮器壁への溶質粒子の損失を低減し、エアロゾルとして懸濁液中の残りの溶質粒子を維持する。その後、このエアロゾルは、移送管を通して真空チャンバ内に引き込まれ、そこでエアロゾルは、空気圧で集束され、その後の赤外線検出およびスペクトル分析を伴う赤外線透過性移動基板上に堆積される。
【0007】
この先行技術の性能限界は、感度の制限、クロマトグラフィー分解能の損失、および結果の不一致または欠如である。これは、主に、溶媒蒸気中に懸濁された溶質粒子の蒸発後の取り扱いに由来する。この先行技術の解決策の性能限界は、溶媒の除去および輸送中のエアロゾルからのかなりの粒子サイズ依存性の溶質損失、高速堆積中の可変捕捉効率、および堆積中の可変拡散を伴う比較的大きい面積の堆積を含む。堆積面積が大きくなると、堆積物の厚さが薄くなり、吸光度が低くなる。大面積の堆積物はさらに、クロマトグラフィー分解能を低下させる。この従来技術の解決策は、溶媒と溶質とのいくつかの組合せについて許容可能に良好に機能するが、他の組合せについては、溶媒を含まない小さな堆積物を再現可能に生成するのに適した作動条件を見つけることは困難であり得る。
【0008】
米国特許出願第2015/0108347号は、イオンを含む溶液が、イオン化装置を分析器から分離する電極の対を通過する、ほぼ大気圧でイオンを脱溶媒和するための解決策を開示する。しかし、そこに開示された解決策は、集束領域に接近するための単一の入口スリットしか提示せず、大量の溶液を処理することを複雑にする。
【0009】
本発明の目的
本発明の目的は、そのような溶質の化学的および構造的完全性ならびに時間的分離を保持しながら、1つ以上の低揮発性溶質を含有する流動液体流を脱溶媒和するための改善された処理技術および装置を提供することである。
【0010】
本発明のさらなる目的は、液体成分および溶質成分を含む流体混合物から揮発性溶媒を連続的に除去し、その後の赤外線吸収分析または他の試料堆積用途のために、脱溶媒、濃縮、構造的に統合された溶質を表面上に堆積させる方法および装置を提供することである(図8)。
【0011】
本発明のさらなる目的は、溶媒蒸気から溶質粒子を分離している間に、溶質の損失、特にこの損失の粒径依存性を最小限に抑えることである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、厚さおよび結果として生じる赤外線吸光度を最大限にすると同時に、堆積物の表面面積、ならびに所与のサイズの表面に適合することができる別個の堆積物の数を最小限に抑えることである。
【0013】
本発明のさらなる目的は、真空圧力での捕捉で観察される溶質輸送損失を低減し、および真空堆積に関連する高速ビームの溶質粒子堆積からの反跳損失および拡散を低減することである。
【0014】
本発明のさらなる目的は、従来技術よりも感度を向上させ、再現性を改善し、様々な試料および溶媒との適合性を拡大し、複雑さ、コストおよび必要なオペレータの専門知識を低減することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、従来技術の解決策に対する代替の解決策を提供することである。
【0016】
より詳細には、本発明に係る解決策は、表面上に堆積される試料の幾何学的形状、寸法(具体的に断面)、量および位置を制御することを可能にする。
【0017】
さらに、本発明に係る解決策は、より多くの量の試料を表面のより小さな領域に堆積させることを可能にし、したがって、感度を向上させる。
【発明の概要】
【0018】
これら全ての目的は、個々に、またはそれらの任意の組み合わせで考慮され、以下の説明から生じる他の目的も含め、本発明によれば、請求項1および/または従属請求項に示される特徴を有するインタフェースによって達成される。
【0019】
具体的に、溶液または懸濁液の混合物を投入口で標的ゾーンに向けて制御輸送するための発明に係るインタフェースは、
-該混合物の流れが横断するように意図された複数の孔を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える穿孔された抽出バリアであって、流れの断面を縮小させるように構成された圧縮領域の入口に位置する、穿孔された抽出バリアを備えることを特徴とし、
-該圧縮領域が、気体逆流の進入のための開口部と流体接続され、
-該圧縮領域が、少なくとも1つの気体のための排気回路と流体接続され、該排気回路が、穿孔された抽出バリアと気体逆流の進入のための開口部との間に位置する。
【0020】
有利には、該溶液または懸濁液混合物は少なくとも1回の断続的な溶質成分を含む。
【0021】
有利には、溶液混合物は、少なくとも1つの溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含有する。
【0022】
有利には、懸濁液混合物は、少なくとも1つの気体/蒸気成分および/または少なくとも1つの液体成分を有する少なくとも1つの固形成分を含有する。
【0023】
有利には、圧縮領域は、流れの断面を縮小するために電気光学圧縮を使用するように構成された少なくとも1つのレンズを備える。
【0024】
有利には、該気体逆流は制御される。
【0025】
有利には、気体逆流の進入のための開口部は、該圧縮領域の流出口/出口に位置する。
【0026】
有利には、インタフェースは、圧縮領域の上流に配置され、該穿孔された抽出バリアによって分離された入口領域を備え、該入口領域は、凝縮手段に対して上流に位置する流量制御器(好ましくは流量制限器)を有するさらなる排気回路と流体接続される。
【0027】
有利には、圧縮領域の排気回路は、凝縮手段に対して下流に位置する流量制御器(好ましくは流量制限器、より好ましくは容積式ポンプ)を備える。
【0028】
有利には、インタフェースは、圧縮領域の下流に位置する出口/堆積領域を備え、気体逆流の入口のための該開口部は、該出口/堆積領域に流体接続され、該気体逆流は、該流れの少なくとも1つの溶質または固形成分の標的ゾーン上または標的ゾーンに向けての送達を制御するように、好ましくは堆積表面上へのその堆積を制御するように構成される。
【0029】
有利には、インタフェースは、該流体混合物蒸気を少なくとも部分的に脱溶媒和するように構成される。
【0030】
有利には、該混合物は、噴霧かつ蒸発された液体クロマトグラフィー流出物である。
【0031】
有利には、該混合物は、好ましくは少なくとも1つの溶質成分とともに、該溶媒の蒸気によって運ばれる荷電液滴および/または荷電乾燥粒子を含有する。好ましくは、該少なくとも1つの溶質成分は、クロマトグラフィー溶離液中に断続的に存在する。
【0032】
有利には、該混合物は、少なくとも1つの溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を有する荷電液滴を含有し、溶媒蒸気成分は、蒸発によって、好ましくはサイクロンチャンバ内での膜沸騰によって部分的に予め除去されている。
【0033】
有利には、インタフェースは、乾燥器、好ましくはサイクロン乾燥器の出力口に位置するように構成される。
【0034】
圧縮領域の上流に位置する入口領域および穿孔された抽出バリアの入口領域において、少なくとも1つの溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含む混合物の入口流を、さらなる排気回路に入る溶媒蒸気の大部分から離れるように方向付けるように構成された偏向手段を備える。
【0035】
有利には、該流れ偏向手段は、リペラ電極を備える。
【0036】
有利には、該流れ偏向手段は、さらなる排気回路に入る溶媒蒸気の流れに対して直交電場を生成するように構成されたリペラ電極を備える。
【0037】
有利には、リペラ電極は、溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含む混合物流を、さらなる排気回路に入る溶媒蒸気の大部分から離れるように方向付けるように構成される。
【0038】
有利には、リペラ電極は、溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含む混合物流を、穿孔された抽出バリアに向けておよび/または穿孔された抽出バリアに対応して方向付けるように構成される。
【0039】
有利には、リペラ電極は、荷電液滴または粒子を反発する電場を生成するように構成され、溶媒蒸気成分は、反発された液滴/粒子によって同伴されかつ引きずられる。
【0040】
有利には、リペラ電極は、好ましくは溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含む混合物流を、さらなる排気回路に入る溶媒蒸気の大部分から離れて、溶媒蒸気の小部分を有する穿孔された抽出バリアに向けておよび/またはそれに対応して偏向させるように構成される。
【0041】
有利には、電圧は、電場を発生させるようにリペラ電極に印加される。
【0042】
有利には、リペラ電極は、混合物流に直交する電場を発生させるように構成される。
【0043】
有利には、リペラ電極は、該さらなる排気回路の蒸気排気管の入口セクション上に位置する。
【0044】
有利には、リペラ電極は、穿孔された抽出バリアに直面している。
【0045】
有利には、該さらなる排気回路の蒸気排気管の入口、リペラ電極、および穿孔された抽出バリアは、互いに直面している。
【0046】
有利には、リペラ電極と穿孔された抽出バリアとは離間している。
【0047】
有利には、リペラ電極は、該さらなる排気回路の蒸気排気管の入口に対応して位置付ける。
【0048】
有利には、該さらなる排気回路の蒸気排気管は断熱材によって断熱される。
【0049】
有利には、該さらなる排気回路は、蒸気流を調節するための手段、および蒸気流を凝縮するための手段を備え、該流れ調節手段は、凝縮手段に対して上流に位置する。
【0050】
有利には、圧力差は、穿孔された抽出バリアにわたって画定/生成される。
【0051】
有利には、流れは、溶媒蒸気によって、好ましくは溶媒蒸気の残留小部分によって、穿孔された抽出バリアを横断し、その結果、反発電極によって操作される偏向からの溶質含有成分の濃度が高められる。有利には、穿孔された抽出バリアは、同じ層状要素上に画定された複数の孔を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える。
【0052】
有利には、穿孔された抽出バリアは、平面形状を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える。
【0053】
有利には、穿孔された抽出バリアは、円錐形状を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える。
【0054】
有利には、穿孔された抽出バリアは、半球形状を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える。
【0055】
有利には、穿孔された抽出バリアは、互いに重なり合い、および離間される少なくとも2つの穿孔された層状要素を備える。
【0056】
有利には、穿孔された抽出バリアは、互いに重なり合い、および離間された2つの穿孔された層状要素間に不活性ガスを導入するための少なくとも1つの流入口を備える。
【0057】
有利には、穿孔された抽出バリアは、絶縁要素によって分離された少なくとも2つの重なり合う穿孔された層状要素を備える。
【0058】
有利には、穿孔された抽出バリアは、互いに重なり合い、および離間された少なくとも2つの穿孔された層状要素を備える。
【0059】
有利には、穿孔された層状要素は、二重層穿孔された要素を備える。
【0060】
有利には、二重層の穿孔された要素は、電気絶縁材によって分離された第1の穿孔された層および第2の穿孔された層を備える。
【0061】
有利には、インタフェースは、各層が穿孔された要素の層間の電圧差を供給するための手段を備える。
【0062】
有利には、圧縮領域は、入ってくる混合物流が、圧縮領域の少なくとも1つの電気圧縮レンズに由来する蒸気流および電場の両方の影響下で、出力(すなわち、標的ゾーン)に向けて軸方向に方向付けられるように構成される。
【0063】
有利には、インタフェースは、圧縮領域を備え、流入する混合物流は、流れの流動軸に沿って電気光学的に圧縮され、該流れの断面を縮小させるように構成される。
【0064】
好ましくは、圧縮領域はテーパー状である。
【0065】
有利には、圧縮領域壁はテーパー状であり、それによって、流入する混合物流は、該流れの横断面積を縮小させるように流れの流動軸に沿って幾何学的に圧縮される。
【0066】
有利には、圧縮領域は、穿孔された抽出バリアの出口の直下/出口に位置する。
【0067】
有利には、圧縮領域は、穿孔された抽出バリアの出口の直下/出口に位置する、該穿孔された抽出バリアから出る流れを受容するための導管/管状/円錐形状の要素を備える。
【0068】
有利には、圧縮領域における流れの流量軸は、上流の乾燥装置/蒸発装置の出口と整列している。
【0069】
有利には、圧縮領域における流れの流量軸は、上流の乾燥装置/蒸発装置の出口に対して傾斜している。
【0070】
有利には、圧縮領域は、標的ゾーンに方向付けられた該混合物の流れのための気体逆流を受容するためのアパーチャーと流体接続され、および/またはそのアパーチャーが設けられている。
【0071】
有利には、圧縮領域は、標的ゾーンに方向付けられた該混合物の流れのための気体逆流を送るための回路と流体接続される。
【0072】
有利には、流れのための気体逆流を送るための該回路は、逆流を調節するための手段、好ましくは、弁を備える。
【0073】
有利には、流れのための気体逆流を送るための該回路は、逆流を調節するための手段、好ましくは、容量型ポンプを備える。好ましくは、逆流を調節するための手段は、2つの相、すなわち、非凝縮性気体/空気、および主に液体である凝縮溶媒蒸気を抽出するために構成されたデバイスを備える。
【0074】
有利には、該気体逆流は、溶媒蒸気を含まない。
【0075】
有利には、該気体逆流は、周囲圧力で気体を含む。
【0076】
有利には、該気体逆流は、周囲空気を含む。
【0077】
有利に、該気体逆流は、少なくとも1つの不活性ガス、好ましくは以下の気体:空気、窒素、ヘリウム、アルゴンガスのうちの少なくとも1つを含む。
【0078】
有利には、気体逆流を受容するための該アパーチャーは、調節気体供給部と流体接続される。
【0079】
有利には、圧縮領域は、流れのための気体逆流を受容するための堆積表面と流体接続され、該気体逆流は、該堆積表面を備える領域から圧縮領域に向けて、かつその中に方向付けられる。
【0080】
有利には、圧縮領域は、流れの溶媒蒸気成分および気体逆流を受容するために蒸気排気回路と流体接続される。
【0081】
有利には、圧縮領域は、蒸気排気回路の放射状蒸気排気導管と流体接続され、具体的に、該蒸気排気導管は、標的ゾーンに向かう流れ方向に対して角度が付けられ、好ましくは垂直またはほぼ垂直である。
【0082】
有利には、圧縮領域は、標的ゾーンに対して、好ましくは堆積表面に対して角度が付けられている。
【0083】
有利には、圧縮領域の蒸気排気回路は、対応する凝縮手段に対して下流に位置する流量調節手段を備える。
【0084】
有利には、蒸気排気回路の流量調節手段は、低圧領域に向かう通路制限器を備える。
【0085】
有利には、蒸気排気回路の流量調節手段は、容積式フローシンクを備える。
【0086】
有利には、蒸気排気回路の流量調節手段は、液体気体混合物を移動させることができるギアポンプなどの容積式ポンプを備える。
【0087】
有利には、圧縮領域は、蒸気排気回路との少なくとも1つの接続部に対して(流れの流れ方向に従って)上流に位置する第1のゾーン(すなわち、圧縮ゾーン)と、蒸気排気回路との該少なくとも1つの接続部に対して下流に位置する第2のゾーン(すなわち、集束ゾーン)とを備え、したがって、第2のゾーンに入る流れは、第1のゾーンに入るまたは循環する流れと比較して、溶媒蒸気が少ないまたは溶媒蒸気を含まない。
【0088】
有利には、該第1のゾーン(圧縮ゾーン)は、1つのみの電気圧縮レンズを備える。有利には、該第1のゾーン(圧縮ゾーン)は、少なくとも2つの電気圧縮レンズ、好ましくは少なくとも2つの静電レンズの一連を備え、ここで、下流のレンズは、上流のレンズのアパーチャーに対してより小さい直径を有するアパーチャーを備える。
【0089】
有利には、該第2のゾーン(集束ゾーン)は、第1のゾーン(圧縮ゾーン)を通過することによってのみ蒸気排気回路に接続される一方、該第1のゾーン(圧縮ゾーン)は、蒸気排気回路に直接接続される。
【0090】
有利には、該第2のゾーン(集束ゾーン)は、少なくとも2つのレンズの一連を備え、ここで、下流のレンズは、上流のレンズのアパーチャーに対してより小さい直径を有するアパーチャーを備える。
【0091】
有利には、第1のゾーンおよび第2のゾーンは、スキミングアパーチャー(skimming aperture)によって互いに分離される。
【0092】
有利には、圧縮領域は、流れのための逆流を送るためのアパーチャーと流体接続される。
【0093】
有利には、圧縮領域は、流れの断面を縮小するための通過アパーチャーを備えた少なくとも1つの電気圧縮レンズ、好ましくは静電レンズを備える。
【0094】
有利には、圧縮領域は、流れの流れ方向に応じて減少する断面を有する対応する通過アパーチャーを備えた少なくとも2つの電気圧縮レンズ、好ましくは複数のレンズを備える。
【0095】
有利には、該少なくとも2つのレンズは、互いに向かい合うように位置する。
【0096】
有利には、該少なくとも2つのレンズは、湾曲したまたは角度付けした管に沿って位置する。
【0097】
有利には、圧縮領域の少なくとも1つのレンズは、圧縮管の軸上の流れ中の粒子を集中させる電場を生成するための電圧供給手段に関連付けられる。
【0098】
有利には、インタフェースは、該第1/圧縮ゾーンの下流に位置する集束(第2の圧縮)ゾーンを備える。
【0099】
有利には、該集束ゾーンは、流れの断面を縮小するための通過アパーチャーが設けられた少なくとも1つの電気圧縮レンズ、好ましくは静電レンズを備える。
【0100】
有利には、該集束ゾーンは、少なくとも1つの電気圧縮レンズ、好ましくは静電レンズを備え、該レンズは、流れの断面を縮小し、溶媒を含まない、または溶媒量が減少された流れを堆積表面上に方向付けるための通過アパーチャーを備える。
【0101】
有利には、堆積表面は、圧縮領域の前、好ましくは圧縮領域の該第2のゾーンの出口の前に位置する。
【0102】
有利には、堆積表面は、周囲圧力である。
【0103】
有利には、堆積表面は、可動式である。
【0104】
有利には、堆積表面は、分析、好ましくは化学分析に適した表面である。
【0105】
有利には、堆積表面は、赤外分光分析用の光学表面である。
【0106】
有利には、インタフェースは、試料表面上の電荷を中和するための手段を備える。
【0107】
有利には、試料表面上の電荷を中和するための該手段は、堆積表面から過剰な電荷を伝導するための手段を備える。
【0108】
有利には、試料表面上の電荷を中和するための該手段は、堆積表面上に収集された荷電溶質粒子に極性と反対のイオンまたは電子を添加するための手段を備える。
【0109】
本発明は、液体流を荷電スプレー(蒸気および/または液滴のジェット)に変換/分割するためのスプレーデバイスをさらに指し、該デバイスは、
-液体流を液滴に変換/分割するための熱手段、
-液体流の液滴を荷電させるための手段であって、電圧が該手段の一方に印加され、他方が接地される、手段を備える。
【0110】
有利には、デバイスにおいて、電圧が液滴を荷電させるための手段に印加され、熱手段は接地される。
【0111】
有利には、デバイスにおいて、該荷電されたスプレーが入るブロックから液滴を荷電させるための手段を電気的に絶縁するための絶縁手段が備える。
【0112】
有利には、デバイスにおいて、電圧が熱手段に印加され、液滴を荷電させるための手段は接地される。
【0113】
有利には、デバイスにおいて、液体流を、該荷電したスプレーが入るブロックからの液滴に変換/分割するための熱手段を電気的に絶縁するための絶縁手段が備えられる。
【0114】
有利には、デバイスにおいて、液体流を液滴に変換するための熱手段は、熱式ネブライザーを備える。
【0115】
有利には、デバイスにおいて、熱手段は、荷電した液滴を下流に運ぶための溶媒蒸気を引き出すように、流れる液体流を沸騰させるように構成される。
【0116】
有利には、デバイスにおいて、液体流の液滴を荷電させるための手段は、電圧源に接続された誘導電極を備える。
【0117】
有利には、デバイスにおいて、誘導電極は、熱式ネブライザーと軸線方向にかつ熱式ネブライザーの下流に位置する。
【0118】
有利には、デバイスにおいて、液体流は、LC流出物に対応する。
【0119】
有利には、デバイスにおいて、結果として生じる/放出する荷電スプレーは、気相流体中に懸濁または同伴された液体の荷電液滴および/または荷電固体粒子のジェットを備える。
【0120】
本発明は、
-少なくとも1回の断続的な溶質成分を含む液体流からエアロゾルを生成するための手段、
-該エアロゾルを脱溶媒かつ蒸発させるための手段、
-該エアロゾルを脱溶媒かつ蒸発させるための該手段の出口に位置付けられ、該少なくとも1つの溶質を標的ゾーン上、好ましくは、堆積表面上に出力として送達するように、少なくとも1つの溶媒蒸気成分および好ましくは荷電された少なくとも1つの溶質成分を含有する溶液混合物を投入として受容する、上述の特徴の1つ以上を備えるインタフェースを備える装置をさらに指す。
【0121】
有利には、装置では、エアロゾルを生成するための手段は、上述されたようなスプレーデバイスを備える。
【0122】
有利には、装置では、該エアロゾルを脱溶媒かつ蒸発させるための手段は、サイクロン蒸発器を備える。
【0123】
本発明は、前述の請求項の1つ以上に係る上流スプレーデバイスと、該上流デバイスによって受容される荷電スプレーの溶媒/液体成分を減少させるように構成された乾燥デバイスとを備える噴霧乾燥装置をさらに指し、好ましくは、該スプレーは、気相流体中に懸濁または同伴された荷電液体/溶媒液滴および/または荷電固形粒子を含む。
【0124】
有利には、噴霧乾燥装置では、乾燥デバイスは、荷電スプレーの液体/溶媒成分を膜沸騰によって除去/減少するための蒸発手段を備え、該乾燥機は、該スプレーデバイスによって生成された荷電スプレーを投入として受容するように構成されている。
【0125】
有利には、噴霧乾燥装置において、エアロゾルジェットの溶媒を膜沸騰することによって除去/減少するための該蒸発手段は、流入するジェットを螺旋状に下方に循環させるために構成されたアセンブリを備える。
【0126】
有利には、噴霧乾燥装置において、流入するエアロゾルジェット内の溶媒を膜沸騰することによって除去/低減するための該蒸発手段は、円筒形状空洞を備えた加熱チャンバを備える。
【0127】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスのチャンバは、サイクロンチャンバとして構成される。
【0128】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスは、高速で荷電エアロゾルジェットが、チャンバの加熱された一般的にトロイダル状の空洞部の内部表面の周りに円周方向に方向付けられ、したがって、高度の渦を生成するように構成される。
【0129】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスの空洞チャンバは、一般的にトロイダル形状を有する。
【0130】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスの空洞チャンバは、該さらなる排気回路の排気管によって中央で横断される。
【0131】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスの空洞チャンバの内側表面は加熱され、好ましくは流入する流体流の液体成分の沸点を超えて加熱される。
【0132】
有利には、噴霧乾燥装置において、乾燥デバイスの空洞チャンバの内側表面は、流入する流体流の液体成分の沸点よりも少なくとも100℃高い温度に加熱されて維持される。
【0133】
有利には、噴霧乾燥装置において、上述の特徴の1つ以上に係るインタフェースは、乾燥デバイスの出口に位置する。
【0134】
本発明は、液体クロマトグラフィーを赤外分光分析に組み合わせるための装置をさらに指し、該装置は、
-時間および空間の両方において試料内に含有される個々の試料成分を単離し、該個々の成分を含有する流動流をエアロゾル発生手段に送達するための液相技術によって分離された試料溶液、
-熱気化器であって、該熱気化器内の該流動流の沸騰に由来する溶媒蒸気によって下流に運ばれる該流動流から荷電液滴の集団を発生させるように加熱された、熱気化器、
-該荷電液滴をチャンバ壁またはその近くで受容するサイクロンチャンバであって、該壁は、適切な熱エネルギーを提供して該液滴の膜蒸発を促進し、該荷電液滴を脱溶媒して溶媒枯渇荷電溶質粒子および溶媒蒸気としての実質的にすべての液滴溶媒を生成し、該溶質粒子は、該溶媒蒸気流の流れによって該チャンバの壁から離れるように方向付けられる、サイクロンチャンバ、
-該サイクロンチャンバの軸上に位置する溶媒蒸気を排気して溶媒蒸気の大部分を排気するための排気ポート、
-粒子偏向電極(リペラ電極)であって、溶媒蒸気のバルク排気流に直交し、かつ該偏向電極の反対側の表面上に位置する粒子抽出バリアに向けて該溶媒枯渇荷電溶質粒子の運動を方向付け、該荷電粒子を該抽出バリアの近くに集中させる、粒子偏向電極(リペラ電極)、
-サイクロンチャンバから該荷電溶質粒子の抽出を促進するためにサイクロンチャンバと下流圧縮領域との間に位置する穿孔抽出バリアであって、該バリアは、濃縮/乾燥粒子の流れを下流圧縮領域内に提供する、穿孔抽出バリア、
-該粒子の濃度をより完全に濃縮するために電気光学圧縮を使用して該領域の軸上で該濃縮粒子の流れを圧縮する圧縮ゾーン、
-抽出バリアを通って圧縮領域内に放出される残留溶媒蒸気に対する該濃縮粒子の濃縮を促進する電位に保持される該圧縮ゾーン内に位置する1つ以上の圧縮レンズ、
-より高度に溶媒枯渇粒子集団を集束ゾーン内に送達するために、濃縮粒子を圧縮ゾーンからスキミングするアパーチャーレンズ、
-該粒子集団を試料堆積面上に流体電気光学的に集束させるように構成された集束ゾーン、
-試料堆積領域であって、集束ゾーンに隣接して位置し、該試料堆積表面を収容し、堆積表面の時間的操作を提供し、その後の検出および化学分析のために堆積スポットまたはリボンの時間的記録を収集する、試料堆積領域、
-試料堆積面を取り囲む領域から集束ゾーンに出て行く逆流気体であって、残留溶媒蒸気が堆積領域に入るのを防止しながら、堆積面上を通過する粒子の流体力学的集束を強化する、逆流気体、
-測定される試料からの個々の成分の同一性および量を分析する赤外線分光計、
-温度、流量、電圧、ポンピングなどの最適化およびフィードバックのための制御手段、
-堆積プレート上の試料堆積の時間的記録を操作および記憶する制御手段を備える。
【0135】
好ましくは、装置は、溶媒が排気され、大気中に失われるように構成される。
【0136】
好ましくは、装置は、サイクロン領域の排気から凝縮溶媒蒸気を収集するためのリザーバをさらに備える。
【0137】
好ましくは、装置は、圧縮領域の排気から凝縮溶媒蒸気を収集するためのリザーバをさらに備える。
【0138】
好ましくは、プレートは取り外し可能であり、後の分析のために保管可能である。
【0139】
有利には、制御手段は、本質的に大気圧で凝縮する前にサイクロンからの溶媒蒸気排気を制限することによって生じる差圧による穿孔された抽出バリア流量制御を含む。
【0140】
有利には、制御手段は、凝縮性溶媒蒸気流とは無関係に非凝縮性乾燥気体流のみを調整するように、凝縮後の流量制御による乾燥気体の逆流量を含む。
【0141】
本発明はさらに、液体クロマトグラフィーを赤外分光分析と組み合わせるための方法に関し、該方法は、好ましくは順に、以下の:
-液体クロマトグラフまたは他の液相分離技術によって溶出する移動相に溶解した試料成分の溶液を送達する工程、
-該溶液からの溶離液からエアロゾル(熱)を生成し、該エアロゾル生成プロセス内で生成された気相溶媒蒸気によって脱溶媒和領域に掃引される液滴を生成する工程、
-溶媒蒸気のバルク流中に運ばれる乾燥荷電溶質粒子を生成するために該液滴の完全な蒸発を可能にする膜蒸発の条件下で、加熱された表面に向けて該液滴を方向付けることによって、熱エアロゾル生成によって生成された該液滴を脱溶媒和する工程、
-該試料枯渇溶媒蒸気を排気させ、該蒸気を低圧収集リザーバに凝縮させる工程、
-バルク溶媒蒸気流の流線に対する直交電場を使用して該溶媒蒸気のバルク流から該乾燥荷電溶質粒子を抽出し、求引性かつ透過性の抽出バリアにわたって脱溶媒和領域から低圧圧縮領域に除去される濃縮乾燥荷電溶質粒子の集団を生成する工程、
-抽出された溶質粒子の集団を該圧縮領域内で圧縮し、1つ以上の圧縮レンズを用いて流れの軸に沿って該粒子を集中およびさらに濃縮する工程、
-溶媒蒸気を凝縮および収集するために、残留溶媒蒸気を圧縮領域から低圧リザーバにさらに排気する工程、
-該圧縮された溶質粒子を圧縮領域の流れの軸上でスキミングし、該粒子を集束ゾーンに送達する工程、
-試料収集プレートの表面上に該粒子を堆積させるための1つ以上の集束レンズを用いてスキミングされた溶質粒子の集団を集束させる工程、
-少なくとも1つの集束レンズを通して不活性逆流ガスを流すことによって残留溶媒蒸気からスキミングされた粒子をさらに集束および濃縮/集中させ、溶質粒子がより高い圧力の堆積領域に押されることを可能にする工程、
-集束された溶質粒子を、FTIRによる検出および分析のために、ミクロン寸法の直径の収集スポット上に堆積させる工程、
-表面から過剰な電荷を逃すことによって、または表面上に収集された荷電溶質粒子に極性が反対のイオンもしくは電子を加えることによって、試料表面上の電荷を中和する工程、
-該試料からの溶離剤の時間的記録を物理的に保存するために、堆積表面を溶質粒子の入射集束ビームに対して位置決めする工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0142】
本発明は、添付の図面を参照しながら、純粋に例示的かつ非限定的な目的で報告されたその好ましい実施形態のいくつかにおいて、以下にさらに明確にされる。
図1】以下を含む噴霧乾燥装置/方法の機能プロセスのフロー図を示す:荷電エアロゾル生成、膜蒸発による脱溶媒和、流れの流線に対して直交場を適用することによる濃縮(すなわち、溶媒蒸気分離)、選択的抽出バリアを通る移動による溶媒枯渇荷電溶質粒子の抽出、粒子の濃縮ビームへの圧縮、および後続の検出ならびに分析のためにビームをより低い寸法の断面堆積スポット上に集束させること。
図2】本発明に係るLC-FTIRインタフェースを有する装置の好ましい実施形態を示す。装置は、溶離液を熱気化器に導入し、熱気化器は、溶媒蒸気によってトロイダル幾可学的形状フィルム蒸発器(サイクロン)に運ばれる部分的に溶媒枯渇荷電液滴を生成し、溶媒枯渇溶質粒子をサイクロンの中心軸に向けて送達する自己調節プロセスを使用して脱溶媒和を完了し、ここで、荷電粒子は、インタフェースの抽出バリアに向けて偏向され、その後、伝達され、細い粒子ビームに圧縮され、および好ましくはフーリエ変換赤外分光法検出によってその後に分析するために試料粒子収集表面上に集束される。
図3図2のインタフェースの詳細を示し、具体的に、全サイクロン蒸発器出力流が、インタフェースの抽出バリアを通る溶質濃縮荷電エアロゾル流と、サイクロン排気ラインの加熱領域における分割比制御流量制限を通る溶媒蒸気の大部分流との間で分割されることを示す。サイクロン排気溶媒蒸気は、好ましくは、流れの制限後に凝縮および収集することができる。インタフェースの圧縮領域では、静電場が、集束ゾーンから入る残留溶媒蒸気および非凝縮性逆流気体から荷電溶質粒子を隔離する。残留溶媒蒸気および非凝縮性気体は、圧縮排気を通して圧縮領域から除去される。この流れは、まず溶媒蒸気の量を最小限に抑えるために凝縮され、その後、蠕動ポンプ手段、ダイヤフラムポンプ手段、ギアポンプ手段、容積式ポンプ手段、または他の流れ調整ポンプ手段によって排気され、集束ゾーンを通る非凝縮性逆流気体速度を調整する。ポンピング手段を通る流れは、任意選択で、凝縮された溶媒蒸気を含むか、排除するか、または部分的に排除してもよい。両方の排気回路からの溶媒蒸気は凝縮され、好ましくはリザーバに収集される。溶質粒子は、圧縮ゾーンから集束ゾーンを通って周囲圧力に保持される試料収集表面に静電的に集束される。荷電粒子は、堆積領域から圧縮領域への周囲圧力またはそれに近い圧力に保持される周囲気体の逆流によってさらに集束される。
図4a】インタフェースの抽出バリアの3つの代替実施形態を示し、エアロゾル特性、サイクロン幾何学的形状、ならびにリペラと特定の抽出バリアとの間の近くを通過する試料流の流れおよび組成に対する特定の抽出バリアの幾何学的形状および複雑さの整合を示す。具体的に、図4aは抽出バリアの平面構成を示し、図4bは抽出バリアの円錐形構成を示し、および図4cは抽出バリアの半球形構成を示す。
図4b】インタフェースの抽出バリアの3つの代替実施形態を示し、エアロゾル特性、サイクロン幾何学的形状、ならびにリペラと特定の抽出バリアとの間の近くを通過する試料流の流れおよび組成に対する特定の抽出バリアの幾何学的形状および複雑さの整合を示す。具体的に、図4aは抽出バリアの平面構成を示し、図4bは抽出バリアの円錐形構成を示し、および図4cは抽出バリアの半球形構成を示す。
図4c】インタフェースの抽出バリアの3つの代替実施形態を示し、エアロゾル特性、サイクロン幾何学的形状、ならびにリペラと特定の抽出バリアとの間の近くを通過する試料流の流れおよび組成に対する特定の抽出バリアの幾何学的形状および複雑さの整合を示す。具体的に、図4aは抽出バリアの平面構成を示し、図4bは抽出バリアの円錐形構成を示し、および図4cは抽出バリアの半球形構成を示す。
図5】本発明に係るインタフェースの積層抽出バリアのさらなる実施形態を示し、2つの二重層穿孔要素を備え、荷電溶媒枯渇粒子の流れの制御および該粒子をバリアにわたって下流の圧縮領域に移動させるために該粒子に印加された電場の両方に対する強化された制御を達成する。この実施形態の特有の構成要素は、第1の層と第2の層との間にキャリアガスを添加して、バリアのサイクロン側からの溶媒蒸気が圧縮領域に流入するのをより完全に排除することであり;好都合には、積層における各層間の電圧差は、溶媒蒸気の通過を防止しながら、積層バリアにわたって荷電粒子を引き付ける。
図6a】圧縮ゾーンおよび集束ゾーンが、遠隔サンプル収集表面への送達のために構成され得る、3つの代替実施形態を示し;すなわち、図6a)は軸方向構成を示し、図6b)は均一電場拡張部を有する構成を示し、図6c)は非軸方向均一電場拡張部を有する構成を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な流れおよび電場条件下でインタフェースを通る粒子の運動を計算する。
図6b】圧縮ゾーンおよび集束ゾーンが、遠隔サンプル収集表面への送達のために構成され得る、3つの代替実施形態を示し;すなわち、図6a)は軸方向構成を示し、図6b)は均一電場拡張部を有する構成を示し、図6c)は非軸方向均一電場拡張部を有する構成を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な流れおよび電場条件下でインタフェースを通る粒子の運動を計算する。
図6c】圧縮ゾーンおよび集束ゾーンが、遠隔サンプル収集表面への送達のために構成され得る、3つの代替実施形態を示し;すなわち、図6a)は軸方向構成を示し、図6b)は均一電場拡張部を有する構成を示し、図6c)は非軸方向均一電場拡張部を有する構成を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な流れおよび電場条件下でインタフェースを通る粒子の運動を計算する。
図7a】は、熱式ネブライザー(204)から発する液滴の誘導荷電を利用する本発明の実施形態を示す。具体的に、図7aは、浮遊誘導電極を備えた接地熱式ネブライザー(204)がある第1の実施形態に関し、図7bは、接地誘導電極を備えた浮遊熱式ネブライザー(204)がある第2の実施形態に関する。
図7b】は、熱式ネブライザー(204)から発する液滴の誘導荷電を利用する本発明の実施形態を示す。具体的に、図7aは、浮遊誘導電極を備えた接地熱式ネブライザー(204)がある第1の実施形態に関し、図7bは、接地誘導電極を備えた浮遊熱式ネブライザー(204)がある第2の実施形態に関する。
図8】表面材料の時間的、空間的、および組成的制御のために標的表面上への多種多様な試料材料の堆積に使用することができる、本発明に係るインタフェースの適用空間のスキームを示す。LC-FTIRを用いた化学分析は本発明の主な目的であるが、本発明は、任意の表面への材料の正確かつ定量的な送達のための多種多様な用途を有することが意図される。
図9a】3つの異なるモデリング図に従って、3つのモデリング図を使用して、圧縮管から単一のレンズを通って試料収集表面上への粒子の集束運動を示し;すなわち、図9aは2D図を示し、図9bはポテンシャル表面の図を示し、図9cは3D図を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な電場条件下で単一レンズを通る粒子の運動を計算する。
図9b】3つの異なるモデリング図に従って、3つのモデリング図を使用して、圧縮管から単一のレンズを通って試料収集表面上への粒子の集束運動を示し;すなわち、図9aは2D図を示し、図9bはポテンシャル表面の図を示し、図9cは3D図を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な電場条件下で単一レンズを通る粒子の運動を計算する。
図9c】3つの異なるモデリング図に従って、3つのモデリング図を使用して、圧縮管から単一のレンズを通って試料収集表面上への粒子の集束運動を示し;すなわち、図9aは2D図を示し、図9bはポテンシャル表面の図を示し、図9cは3D図を示す。図面は、SIMIONバージョン8.1からの出力を使用して表示され、典型的な電場条件下で単一レンズを通る粒子の運動を計算する。
【発明を実施するための形態】
【0143】
一般的に、本発明に係る輸送インフェースは、揮発性液体溶媒成分を除去し、低揮発性溶質成分を残すことによって、低揮発性成分を含有する流動液体流(100)を処理するための新規の噴霧乾燥機システム(200)および(300)を備える、一連のプロセス工程または段階(図1)、および関連する装置構成要素からなる方法および装置において使用され得る。本発明のいくつかの用途では、低揮発性成分は、元の未処理流と同じ関係で、時間的および空間的に互いに分離される。流体流は本質的に、例えば、本発明による処理が進行するにつれて組成が変化し得る液体溶媒からなっていてもよい。流体流は、様々な溶解および/または分散した固形および/または液体成分を運ぶことができ、その各々は、典型的には、流れの短いセクション中に、しばしばそのセクション中の唯一の溶解成分として運ばれる。流れの溶媒部分は、任意の適切な液体から構成され得る。
【0144】
他の用途の中でも特に、本発明は、典型的な液体流量が毎分約0.1~2mlの範囲である高圧液体クロマトグラフ機器からの溶出液の処理に特定的にまたは主に適用され得る。全てのそのようなLC溶出液は、本発明に従って処理され得る。代替的に、そのようなLC溶出液の一部は、本発明に従って処理され得るが、別の部分は、質量分析計などの別の機器に向けられ得るか、または他の目的のために収集され得るか、または全く利用され得ない。典型的な液体クロマトグラフィー用途では、液体は、本質的に有機溶媒、または様々な濃度の1つ以上の混和性有機溶媒と混合された水からなり、さらに様々な濃度の1つ以上の添加剤を含有してもよい。水、有機溶媒、および揮発性添加剤は、存在する場合、全てが本発明に係る方法および装置によって低揮発性成分から実質的に除去または単離することができる。
【0145】
本発明に係る装置は、液体流/液滴を脱溶媒しながら、低揮発性成分(溶質)の化学的および構造的完全性ならびに時間分解能を維持する。より詳細には、本発明に係る装置は、液体流中の液滴を蒸発させ、したがって溶質の濃度を増加させるように構成される。乾燥溶質は、乾燥溶質を(抽出および濃縮ゾーン(400)の側で/その内で)抽出し、(圧縮ゾーン(500)の側で/この内で)圧縮し、(集束ゾーン(600)の側で/その内で)固体表面上に集束させるために構成されるインタフェース(350)を用いてさらに調整されるか、または固形物、粉末、もしくは液体として収集されてもよい。
【0146】
装置の投入口における液体流はクロマトグラフィー流出物であり、装置(およびインタフェース)の出口における乾燥溶質は、さらなる分析および検出(700)、具体的に、赤外分光分析のために表面上に小さなスポットまたはストライプとして堆積される。
【0147】
本開示で使用される用語「溶質」は、本明細書に、分散および懸濁、ならびに溶解固体および比較的低い蒸気圧の液体として定義され、それらを含むことが意図される。
【0148】
装置は、部分的に(具体的に投入部に)ネブライザーを備えたエアロゾル発生手段をさらに備え、本エアロゾル発生手段は、液体流を高速の荷電エアロゾルジェットに変換し、その後、本エアロゾルジェットは、サイクロンを備える脱溶媒および蒸発手段に方向付けられ、特にサイクロンのチャンバの加熱された一般的にトロイダル状の空洞部の内側表面の周りに円周方向に方向付けられ、したがって高度の渦度を生じる。
【0149】
本明細書で使用される場合、用語「エアロゾル」は、本明細書に気相および/または蒸気相流体中に懸濁または同伴された荷電液滴および/または荷電固形粒子を含むように定義される。
【0150】
ジェット速度によって提供され得る遠心力は、より大きな荷電液滴を空洞部の外径に沿って移動させる。空洞部内側表面は、典型的に流体流の液体成分の沸点より少なくとも100℃高い温度に加熱され、その表面に接近する液滴を「膜沸騰」させる。膜沸騰は、液滴から溶媒を急速に蒸発させる。膜沸騰において、新たに蒸発した溶媒蒸気の急速な放出は、加熱された表面に隣接する気体層を作り出し、これは、空洞壁との液滴接触を防止し、それによって液滴中に溶質を保持する。「膜沸騰」の現象がチャンバ空洞部内で起こることを確実にするために、空洞部の加熱された内側表面は、典型的に少なくとも100℃であり、処理される流体流の液体成分の沸点よりも高温の温度に維持されるべきである。溶質は、短い滞留時間の組み合わせと、溶媒蒸発によって冷却される液滴の内側にあることとによって、熱損傷から保護される。
【0151】
液滴が充分に小さいサイズまで蒸発すると、出ている溶媒蒸気からのストークス抗力が遠心力を超え、荷電液滴をチャンバから、例えば、円筒形状の空洞部の中心軸に沿って運ぶ。利便性上、用語「サイクロン」は、本明細書では、上述のようにチャンバ/円筒形状の空洞部アセンブリ(322)を示すために使用される。液滴がサイクロン内側表面を出た後、過熱溶媒蒸気との熱交換は、液滴をさらに乾燥させる。循環するエアロゾルは、下向きに旋回しであり、リペラ電極(310)と穿孔された抽出バリア(402)との間の薄い間隙を通って旋回する。リペラ電極(310)は、溶媒枯渇荷電溶質粒子を試料枯渇溶媒蒸気排気管(312)から静電的に方向付け、その表面に対向する穿孔された抽出バリア(402)の表面に隣接してそれらを濃縮させる。高渦度誘起表面速度は、試料粒子接触を最小限に抑える、穿孔された抽出バリア(402)に隣接する高剪断境界層を作り出す。溶媒蒸気は、穿孔されたプレートを通って流れ、穿孔されたプレートは、荷電粒子の大部分を、穿孔を通って隣接する圧縮領域(500)に引き込むように働く。圧縮領域(500)の軸は、任意選択で、サイクロン(322)に対して傾斜されてもよい。圧縮領域(500)は、任意選択で、テーパー状であるか、または流出口が流入口より小さい断面を有する円錐形状であってもよい。穿孔された抽出バリア(402)を通る流れは、穿孔細孔サイズと、サイクロン溶媒蒸気排気回路(311)(すなわち、さらなる排気回路)によって発生される高圧とによって制御され、サイクロン排気蒸気管(312)または他の溶媒蒸気流れ制限によって流れが制限され、その後、任意選択であるが好ましい溶媒蒸気凝縮が、典型的にほぼ大気圧で行われる。電場は、該穿孔された抽出バリア(402)からの荷電粒子流の反対側に位置するリペラ電極(310)に印加される電圧から生じた。例示されるように、好ましい実施形態では、リペラ(310)は、サイクロン蒸気排気回路(311)の入口に位置する。荷電溶質粒子は、圧縮管(501)の軸に沿って下方に運ばれ、好ましくは1つ以上の圧縮レンズ(502)によって発生される電場によって管の軸上で圧縮され、粒子のビームの断面を実質的に縮小し、それによって該ビームは、圧縮レンズ(504)の開口部を通して集束ゾーン(600)に送達される。圧縮された荷電粒子ビームは、集束ゾーン(600)を通って伝達され、それによって粒子は、好ましくは、1つの集束レンズ(601)またはそれ以上のレンズ(602)によって発生された電場を通して、具体的に赤外線分光計を用いる、後続の分析(700)のために試料収集表面(608)の表面上に集束される。
【0152】
本発明に係る1つの好ましい実施形態では、圧縮領域(560)は単一のレンズ(504)を備える。好都合には、圧縮領域(560)は、圧縮レンズ(504)の上に画定され、圧縮機能を提供する圧縮ウェル、好ましくはテーパー部分を備える。好都合には、圧縮レンズ(504)は、直接堆積表面(610)上に静電集束をさらに提供することができる。堆積表面/領域からの気体逆流(606)は、堆積物の集束を促進する。好ましくは、この実施形態には、単一のレンズ(504)のみが必要とされる。
【0153】
より詳細には、圧縮領域(560)は、排気回路(508)との少なくとも1つの接続部に対して(流れの流れ方向に従って)上流に位置する第1のゾーン(すなわち、圧縮ゾーン(500))と、排気回路(508)との該少なくとも1つの接続部に対して下流に位置する第2のゾーン(すなわち、集束ゾーン(600))とを備え、したがって、第2のゾーン(600)に入る流れは、第1のゾーン(500)に入るまたは循環する流れに対して溶媒蒸気が少ないか、または溶媒蒸気を含まない。
【0154】
圧縮領域(560)内のレンズ(502)、(504)および/またはレンズ(601)、(602)は、流れの断面を縮小するための手段である。好ましくは、レンズ(502)、(504)および/またはレンズ(601)、(602)の各々は、具体的に該流れの断面を縮小するために流れのための通過孔が設けられた(すなわち、電圧が印加される)荷電プレートを備える。
【0155】
圧縮ゾーン(500)は、主に、溶媒を除去するように構成される一方、集束ゾーン(600)は、気体逆流の入口のために環境に直接開放され、主に、試料堆積を制御するように構成される。
【0156】
発明を実施するための好ましい実施形態
噴霧乾燥装置(図2参照)
本発明は、図2に概略的に描写されるような装置を開示し、本図面は、さらなる処理または分析のための収集表面上への精製溶質粒子の時間的分離および収集を保持しながら、流動液体流を脱溶媒和および/または濃縮するための装置の好ましいバージョンを図示する。液相分離技術は、一般的に当技術分野においてよく知られている。好ましくは、液体試料を導入するための手段(100)は、ポンプ、試料ループを備えた注入器、試料投入シリンジおよびカラムからなる典型的な液体クロマトグラフィー(LC)システムを含む。LCシステムは、合わせた試料および溶媒(移動相)流をクロマトグラフィーカラムに送達する。
【0157】
液体試料導入手段(100)の出力は、電気的に加熱される熱式ネブライザー(204)を備えるエアロゾル発生手段(200)に流体接続される。具体的に、LC溶離液は、電気的に(具体的に抵抗的に)加熱された熱式ネブライザー(204)に接続された毛細管を通って流れる。具体的に、LC流出物(すなわち、LCから出る流動液体試料流)またはその一部は、ネブライザー(204)によって噴霧され、これは、液体流を、荷電液滴および/または荷電固体粒子を有する気体および/または溶媒蒸気を含有するエアロゾル流に変換する。
【0158】
好都合には、ネブライザー(204)は、加熱された熱式ネブライザー(204)内での溶媒沸騰によって「自己」噴霧されるエアロゾルを生成するように構成される。具体的に、膨張する溶媒蒸気は、スプレー管から発する音波または音波に近い気体流を発生し、これは、正味電荷を有する小さいサイズの液滴をもたらす、管内の液体表面の空気圧破壊を生成する。
【0159】
エアロゾル生成手段は、適切な制御手段、具体的に熱式ネブライザー(204)の制御および測定手段を備える。さらに、エアロゾル発生手段は、サイクロンブロック(302)との熱式ネブライザー(204)の機械的および流体的接続部、および/または熱式ネブライザー用の取り付け手段(例えば、ブラケット)を備える。
【0160】
エアロゾル発生手段(200)は、好ましくはサイクロンとして構成された、脱溶媒および蒸発手段(300)と流体接続される。
【0161】
具体的に、熱式ネブライザー(204)は、サイクロンチャンバ(322)の内壁を制御加熱するための手段(304)が設けられたサイクロンブロック(302)の内側チャンバ(322)に流体接続される。具体的に、ネブライザー(204)からの部分的に脱溶媒和されたサンプル液滴は、該液滴の「膜蒸発」を促進するのに充分に高い温度に保持されるサイクロンチャンバ(322)の内壁の方へ方向付けられ、これは、溶媒を蒸発させることによって提供される気体バリア上で運ばれる、サイクロンチャンバ壁に沿って液滴を浮上させることが可能になる条件である。このプロセスが持続するにつれて、溶媒は、液滴から実質的に除去され、得られる溶媒枯渇溶質粒子は、壁面から押しのけられ、バルク溶媒蒸気流によってサイクロン排気蒸気管(312)に向けて運ばれる。
【0162】
本発明に係るインタフェース(350)は、サイクロンの下流で作用し、具体的にサイクロンチャンバ(322)の出口に位置する。
【0163】
より具体的には、サイクロンチャンバ(322)の出口では、乾燥され荷電溶質粒子は、その後、バルク溶媒蒸気流がサイクロン排気管(312)に入る前に、サイクロン排気蒸気管(312)の周囲に位置するインタフェース(450)のリペラ電極(310)から発生された直交電場によって該粒子を偏向させることによって、バルク溶媒蒸気流から分離される。
【0164】
リペラ電極(310)は、荷電溶質粒子を穿孔された抽出バリア(402)の方向に偏向させるサイクロンチャンバ(322)に対する電圧に保持される。溶媒蒸気流の大部分は、サイクロン排気蒸気管(312)を通って排気される。
【0165】
分離された荷電溶質粒子は、粒子を圧縮領域(560)に運ぶ少量の溶媒蒸気の流れによって、穿孔された抽出バリア(402)の複数の孔を通って方向付けられる。
【0166】
複数の孔を有する少なくとも1つの穿孔された層状要素を備える穿孔された抽出バリア(402)を有することによって、それは、穿孔された層状要素に衝突することによる荷電粒子の損失を低減することを可能にし、したがって、電荷の損失を低減/回避する。
【0167】
より詳細には、圧縮領域(560)は、排気回路(508)との少なくとも1つの接続部に対して(流れ(352)の流れ方向に従って)上流に位置する第1のゾーン(500)(すなわち、圧縮ゾーン)と、蒸気排気回路(508)との該少なくとも1つの接続部に対して下流に位置する第2のゾーン(600)(すなわち、集束ゾーン)とを備え、したがって、第2のゾーン(600)に入る流れ(352)は、第1のゾーン(500)に入るまたは循環する流れ(352)に対して溶媒蒸気が少ないか、または溶媒蒸気を含まない。
【0168】
荷電溶質粒子は、蒸気流と、該圧縮領域(560)に設けられた圧縮レンズ(502)および(504)に印加される引力または反発電圧から導出される電場との両方の影響下で、圧縮領域(560)の圧縮管(501)の軸方向下方に方向付けられる。荷電溶質粒子は、管(501)の軸に沿って電気光学的に圧縮されて、粒子のより低い断面ビームを形成する(例えば、粒子移動度シミュレーションについては図6を参照)。管(501)は、ビーム断面をさらに縮小するために、より小さい断面出口を伴う、一般的に円錐形状であってもよい。荷電溶質粒子の圧縮ビームは、アパーチャー(506)を通して圧縮荷電粒子ビームをスキミングすることによってさらに濃縮/分離され、集束ゾーン(600)に送達される。圧縮領域(560)を通って流れる残留蒸気は、圧縮蒸気排気回路(508)を通って放射状に除去される。具体的に、残留試料枯渇溶媒蒸気は、圧縮排気回路(508)の排気導管(530)を通して排気することによって除去され、図3を参照して後により詳細に論じるように、リザーバ(538)に凝縮される。
【0169】
排気回路(508)の凝縮器(536)は、流量制御デバイス(例えば、ポンプ(532)および制限器(534)を参照)によって排気される溶媒蒸気を凝縮し、したがって、アパーチャーを通して集束ゾーン(600)の中に引き込まれる非溶媒蒸気気体の量を調節し、スキミングアパーチャー(506)の中に気体逆流(606)を生成する。集束ゾーン(600)に入る荷電溶質粒子のスキミングされたビームは、好ましくはディスク形状の試料収集表面(610)上に高度に集束されて、顕微鏡試料スポット(614)を形成する。
【0170】
溶質粒子の集束は、電場および流れの両方によって影響を受け、すなわち、逆流気体(606)の形態の流れは、試料堆積領域から出て、回転する試料収集表面(610)上への堆積の時間的記録を生成する。表面(610)の回転によって、赤外線スペクトルの検出および取得のために赤外線の光学的入射ビームの焦点を通って移動する堆積物の連続的な時間分解収集が可能になる。特定の試料スポット(614)は、収集ディスクに送達された物質の記録された時間的画像であり、液体クロマトグラフから溶出された物質のクロマトグラフ記録の構築を可能にする。ディスクは、位置、時間、および構成の両方についての将来の参照のために、任意選択で保存、記憶、および再分析することができる。
【0171】
輸送インタフェース(350)(図3参照)
本発明はさらに、溶液または懸濁液混合物を投入口で標的ゾーンに向けて制御輸送するためのインタフェース(350)に関し、該インタフェースは、
-該混合物の流れ(352)が横断するように意図された複数の孔を備える穿孔された抽出バリア(402)であって、該穿孔された抽出バリア(402)は、流れ(352)の断面を縮小するように構成された圧縮領域(560)の入口に位置し、
-該圧縮領域(560)は、気体逆流(606)の進入のための開口部と流体接続され、
-該圧縮領域(560)は、穿孔された抽出バリア(402)と気体逆流(606)の進入のための開口部との間に位置する排気回路(508)と流体接続される、穿孔された抽出バリアを備える。
【0172】
有利には、インタフェース(350)は、蒸発器手段(300)、好ましくは蒸発器の出口と、好ましくは堆積表面(610)によって画定される標的ゾーンとの間に位置する。
【0173】
有利には、蒸発器手段(300)の構造および動作は、US8695813に開示されるサイクロンの構造および動作に対応することができ、その内容は参照により本明細書に完全に組み込まれる。より詳細には、インタフェース(350)の上流に位置する蒸発器手段(300)は、蒸気排気管(312)と関連付けられ、および/またはそれを備える。
【0174】
蒸気排気管(312)は、第2の凝縮手段(336)に対して上流に位置する蒸気流を調節するための手段(334)を備えるさらなる排気回路(311)と流体接続される。
【0175】
穿孔された抽出バリア(402)は、流れ(352)の断面を縮小するように構成された圧縮領域(560)の入口に位置する。
【0176】
気体逆流(606)の進入のための開口部は、該圧縮領域(560)の流出口/出口に位置する。
【0177】
圧縮領域(560)の排気回路(508)は、凝縮器(536)に対して下流に位置する流量制御器(好ましくは、低圧フローシンク/吸引ポンプ/真空ポンプ(532)との組み合わせでのギアポンプまたは流量制限器(534)などの容積式ポンプ(532))を備える。
【0178】
インタフェース(350)は、圧縮領域(560)の上流に位置し、該穿孔された抽出バリア(402)によって分離された入口領域(309)を備え、該入口領域(309)は、第2の凝縮手段(336)に対して上流に位置する流量制御器(好ましくは流量制限器(334))を有するさらなる排気回路(311)と流体接続される。
【0179】
圧縮領域(560)および穿孔抽出バリア(402)の上流に位置する入口領域(309)には、少なくとも1つの溶媒蒸気成分および少なくとも1つの溶質成分を含む混合物の入口流(352)を、さらなる排気回路(311)に入る溶媒蒸気の大部分から遠ざけるように構成された偏向手段、特にリペラ電極(310)が備えられる。
【0180】
リペラ電極(310)は、混合物流(352)に直交する電場を発するように構成される。サイクロンチャンバ(322)の出口孔に対応して、および/またはサイクロン排気管(312)の入口に対応して、リペラ電極(310)が位置する。
【0181】
リペラ電極(310)は、該さらなる排気回路(311)の蒸気排気管(312)の入口セクションに位置し、穿孔された抽出バリア(402)に直面している。リペラ電極(310)と穿孔された抽出バリア(402)とは離間している。具体的に、該さらなる排気回路(311)の蒸気排気管(312)の入口と、リペラ電極(310)と、穿孔された抽出バリア(402)とは、互いに向かい合っている。より詳細には、穿孔された抽出バリア(402)は、リペラ電極(310)、サイクロンチャンバ(322)の出口孔、およびサイクロン排気管(312)に直面している。
【0182】
好都合には、電荷の大部分は、粒子/液滴によって運ばれる。リペラ電極(310)からの電場は、粒子および/または液滴を含有する荷電溶質を穿孔された抽出バリア(402)に向けて駆動(濃縮)させる。高剪断流および複数の穿孔は、荷電粒子のかなりの部分が、プレートに衝突することによって放電されるのではなく、穿孔を通って移動することを可能にする。具体的に、この高剪断防止粒子とプレートとの接触は、「接線流濾過」または「クロスフロー濾過」と呼ばれることがある。好ましくは、穿孔された抽出バリア(402)にわたる圧力差により、蒸気が穿孔を通って流される。荷電粒子および/または液滴は、主に、流動気体によって穿孔を通して粘性的に引きずられる。有利には、リペラ電極(310)の電場は、濃縮された混合物を、穿孔を通して運ぶ際に流れを促進する。
【0183】
圧縮領域(560)は、穿孔抽出バリア(402)の直下/出口に位置する。
【0184】
圧縮領域(560)は、穿孔された抽出バリア(402)の出口の直下/出口に位置する、該穿孔された抽出バリアから出る流れを受容するための導管/管状要素(501)を備える。
【0185】
1つの好ましい実施形態では、圧縮領域(560)は、単一のレンズ(504)のみを含んでもよい。
【0186】
圧縮領域(560)は、流れ(352)の断面を縮小するために電気光学圧縮を使用するように構成された少なくとも1つのレンズ(502)、(504)、(601)、(602)を備える。具体的に、圧縮領域(560)は、少なくとも1つのレンズ(502)、(504)、(601)、(602)を備え、各レンズは、流れ(352)のための通過孔が設けられた荷電(すなわち、電圧が印加される)プレートを備える。
【0187】
圧縮領域(560)は、流れ(352)のための逆流気体(606)を送るためのアパーチャーと流体接続される。圧縮領域(560)は、流れ(352)の断面を縮小するための通過アパーチャーが設けられた少なくとも1つの圧縮レンズを備える。
【0188】
より詳細には、圧縮領域(560)は、流れ(352)の流れ方向に従って縮小する断面を有する対応する通過アパーチャーを備えた少なくとも2つの圧縮レンズ(502)、(504)、(601)、(602)、好ましくは複数のレンズを備える。有利には、該少なくとも2つのレンズ(502)、(504)、(601)、(602)は、互いに向かい合うように位置するか、または湾曲したもしくは角度付けた管に沿って位置する。
【0189】
圧縮領域(560)の少なくとも1つのレンズ(502)、(504)、(601)、(602)は、圧縮管(501)の軸上に流れ(352)中の粒子を集中させる電場を生成するための電圧供給手段に関連付けられる。
【0190】
圧縮領域(560)は、排気回路(508)との少なくとも1つの接続部に対して(流れ(352)の流れ方向に従って)上流に位置する第1のゾーン(500)(すなわち、圧縮ゾーン)と、蒸気排気回路(508)との該少なくとも1つの接続部に対して下流に位置する第2のゾーン(600)(すなわち、集束ゾーン)とを備え、したがって、第2のゾーンに入る流れ(352)は、第1のゾーンに入るまたは循環する流れに対して溶媒蒸気が少ないか、または溶媒蒸気を含まない。
【0191】
第1のゾーン(圧縮ゾーン)(500)は、少なくとも2つのレンズ(502)および(504)の一連を備え、下流のレンズ(504)は、上流のレンズ(502)のアパーチャーに対してより小さい直径を有するアパーチャーを有する。
【0192】
第2のゾーン(集束ゾーン)(600)は、第1のゾーン(圧縮ゾーン)(500)を通過することによってのみ蒸気排気回路に接続される一方、該第1のゾーン(圧縮ゾーン)は、蒸気排気回路(508)に直接接続される。第2のゾーン(集束ゾーン)(600)は、少なくとも2つのレンズ(601)および(602)の一連を備え、下流のレンズ(602)は、上流のレンズ(601)のアパーチャーに対してより小さい直径を有するアパーチャーを有する。
【0193】
第1のゾーン(500)および第2のゾーン(600)は、スキミングアパーチャー(506)によって互いから分離される。
【0194】
第2の(集束)領域(600)は、流れ(352)の断面を縮小し、該流れを溶媒なしで堆積表面(610)に方向付けるための通過アパーチャーが設けられた少なくとも1つのレンズ(601)、(602)を備える。第2の(集束)領域(600)は、単一のレンズのみを含んでもよい。
【0195】
堆積表面(610)は、周囲圧力にあり、圧縮領域(560)の前、好ましくは圧縮領域(560)の該第2のゾーン(600)の出口の前に位置する。
【0196】
圧縮領域(560)は、標的ゾーンに方向付けられた該混合物の流れ(352)のための気体逆流(606)を送るための回路と流体接続される。より詳細には、気体流(606)は、インタフェース(350)を通過する流れ(352)に対して反対方向に方向付けられる。具体的に、流れ(352)のための気体逆流(606)を送るための該回路は、逆流を調節するための手段(608)、好ましくは、弁を備える。有利には、該気体逆流(606)は、溶媒蒸気を含まず、周囲圧力の気体および/または周囲空気および/または少なくとも1つの不活性ガス、好ましくは、以下の気体:空気、窒素、ヘリウム、アルゴンガスのうちの少なくとも1つを含むことができる。好ましくは、気体逆流(606)を受容するための該アパーチャーは、調整気体供給部(612)と流体接続される。
【0197】
圧縮領域(560)は、流れ(352)のための気体逆流(606)を受容するための堆積表面(610)と流体接続され、該気体逆流(606)は、該堆積表面(610)を備える領域から圧縮領域(560)に向けて、かつその中に方向付けられる。
【0198】
圧縮領域(560)は、流れ(352)および気体逆流(606)の溶媒蒸気成分を受容するために排気回路(508)と流体接続される。好ましくは、圧縮領域(560)は、蒸気排気回路(508)の放射状蒸気排気導管(530)と流体接続され、具体的に、該蒸気排気導管は、標的ゾーンに向けて流れ(352)方向に対して角度が付けられ、好ましくは垂直である。
【0199】
圧縮領域(560)の排気回路(508)には、対応する第1の凝縮手段(凝縮器)(536)の下流に位置する流量調整手段(534)が設けられている。好ましくは、排気回路(508)の流れ調整手段は、低圧領域に向かう通路制限器(534)を備え、および/または容積式流シンク(532)を備える。
【0200】
輸送インタフェース(350)における質量流制御部(図3参照)
本発明に係る溶液は、抽出バリア(402)の上流に位置する作用する第1の制御質量流と、抽出バリア(402)の下流に位置する作用する第2の制御質量流とを含む。
【0201】
具体的に、第1の制御質量流は、本質的に大気圧での凝縮(336)の前に溶媒蒸気排気(312)の制限(334)によって生成される差圧による、穿孔された抽出バリア(402)にわたっての流量制御を含む。凝縮(336)の前に溶媒蒸気の流れを制御することによって、サイクロンチャンバ(322)から出て排気管(312)に入る溶媒蒸気の流れが変化/制御され、したがって、抽出バリア(402)に方向付けられた溶質を有する残りの溶媒の流れが変化/制御される。
【0202】
具体的に、第2の制御質量流は、凝縮性溶媒蒸気流量とは無関係に非凝縮性乾燥気体流量のみを調整するように、凝縮(536)後の流量制御部(534)による乾燥気体の逆流量(606)を含む。
【0203】
より詳細には、非凝縮性乾燥気体の逆流(606)は、集束ゾーン(600)にわたって圧縮ゾーン(500)に入り、そこで、穿孔された抽出バリア(402)をちょうど横断した流れ(352)の残留凝縮性溶媒蒸気がさらに存在する。したがって、逆流(606)の非凝縮性乾燥気体および残留凝縮性溶媒蒸気流の両方が、圧縮領域(560)の排気管(530)に入ることができる。流れを制御することによって(例えば、流量制限器(534)が開いている容積式ポンプ(532)によって、または凝縮(536)の後に低圧流れシンクポンプ(532)とともに流量制限器(534)を使用することによって)、残留凝縮性溶媒蒸気流が流量制御手段(534)に到達する前に凝縮されるので、非凝縮性乾燥気体の逆流(606)のみが/主に変化/制御される(流量制御が凝縮前にある場合、非凝縮性乾燥気体の逆流および残留凝縮性溶媒蒸気流の両方が変動するであろうから、これは有利である)。したがって、このように、非凝縮性乾燥気体の逆流(606)は、圧縮領域(560)において排気回路(508)の排気管(530)に入る凝縮性溶媒蒸気流とは無関係に変化/制御される。排気回路(508)の排気管(530)に吸引される逆流(606)を制御することによって、集束ゾーン(600)に入り横断する気体逆流(606)も制御され、したがって、堆積表面(610)に向けて溶質の直接流を変化/制御する。
【0204】
より詳細には、図3に詳述される好ましい実施形態による物質移動の重要な構成要素は、蒸気排気回路(311)の排気管(312)に入る溶質枯渇溶媒蒸気に対する、抽出バリア(402)にわたって流れる濃縮および溶媒枯渇荷電エアロゾル流の分割比を調節することによって達成される。排気管(312)は断熱材(332)によって断熱され、溶媒蒸気が蒸気相に留まることを確実にする。サイクロン排気回路(311)内の分割比制御流量制限器(334)は、溶媒蒸気凝縮器(336)およびリザーバ(338)の前にあり、流れが全て蒸気相にあることを確実にする。溶媒蒸気を運ぶ残留エアロゾル流は、抽出バリア(402)の下流および集束ゾーン(600)の上流で除去される。穿孔された抽出バリア(402)を横断する流れ(352)中のこの溶媒蒸気および制御された溶媒を含まない気体の逆流(606)は、圧縮領域(560)から圧縮排気回路(508)を通って除去される。圧縮排気回路(508)では、実質的に凝縮された溶媒蒸気(536)が流れ、流量制御手段(534)の前にリザーバ(538)に収集される。これによって、集束ゾーン(600)を通る非凝縮性逆流気体(606)の主な流量調節が可能になる。有利には、圧縮排気回路(508)の流量調整手段は、任意選択で、より低い圧力領域への制限器(534)とすることができ、または蠕動ポンプ、ピストンポンプ、もしくはダイヤフラムポンプなどの容積式フローシンク(532)とすることができる。液体気体混合物を圧送することができるマイクロギヤポンプなどの容積式ポンプが流量制限器なしで使用される場合、凝縮液はポンプを通して圧送することができる。
【0205】
溶媒蒸気は、排気回路(311)および(508)の両方で凝縮され、対応するリザーバ(338)および(538)それぞれに収集される。
【0206】
溶媒枯渇荷電溶質粒子は、圧縮ゾーン(500)から集束ゾーン(600)を通って周囲圧力に保持される試料収集表面(610)に静電的に集束される。荷電粒子は、堆積領域から圧縮領域(560)に向けて流れる逆流気体(606)によってさらに集束される。逆流気体(606)の流れは、逆流制限器(608)によって制御される。逆流気体は、周囲気体によって、または代替として、調節および計量気体供給(612)によって供給され得る。逆流気体(606)は、空気、窒素、ヘリウム、アルゴン、および/または他の不活性ガスもしくは気体混合物であり得る。インタフェース(350)を通る動的エアロゾル源からの荷電溶質粒子の物質移動は、流量制御および静電電圧パラメータの適切な最適化によって自己調節される。
【0207】
抽出バリアの代替幾可学的形状(図4参照)
抽出バリアは、本明細書では、特定のバリアの幾何学的形状および複雑さを、エアロゾル特性、サイクロンの幾何学的形状、ならびにリペラ(310)と特定の抽出バリア(402)との間を通過する試料流(352)の流れおよび組成に適合させるための代替案を示すために例示されている。ここで、a)平面形状(403)、b)円錐形状(406)、およびc)半球形状(402)の幾何学形状を示す。バリア表面の幾何学的形状および開放性は、バルク溶媒蒸気流から溶媒枯渇溶質粒子を除去するための濃縮プロセスの重要な構成要素である。サイクロン領域におけるエアロゾルの円形運動は、気体のコンダクタンスを最小限に抑え、バリアにわたっての粒子のコンダクタンスを最大限にしながら、バリア(402)の表面に沿って偏向されたエアロゾル粒子の接線方向の流れを提供する。
【0208】
抽出バリアの代替実施形態(図5参照)
代替の抽出バリアの実施形態では、エアロゾル粒子濃縮表面は、単層バリアよりも複雑な積層要素、およびより高い流動度および電場制御度を含む。図5は、2つの二重層穿孔要素を備える積層抽出バリア(402)を示し、荷電溶媒枯渇粒子の流れの制御と、該粒子をバリアにわたって下流の圧縮領域に移動させるために該粒子に印加された電場との両方に対して強化された制御を達成する。第1の二重層要素は、第1の絶縁体(460)によって第2の有孔表面(452)から分離された第1の有孔表面(450)を備える。第2の二重層要素は、第2の絶縁体(464)によって第4の有孔表面(456)から分離された第3の有孔表面(454)を備える。2つの二重層要素は、ポート(430)を通して不活性キャリアガスを導入するのに充分な空間を層間に提供するために、第3の絶縁体(462)によってさらに分離される。不活性キャリアガス(432)は、供給(436)によって提供される。積層穿孔された抽出アセンブリ(404)は、荷電溶質粒子をバリア(404)に向けて偏向させるのに充分な電圧に保持されるリペラ(310)の反対側に位置する。
【0209】
第1の層と第2の層との間に不活性キャリアガスを導入することによって、バリアのサイクロン側からの溶媒蒸気が圧縮領域(500)に流入するのをより完全に防止することが可能になる。積層体の各層間の電圧差は、不活性(非凝縮性)キャリアガス(432)の添加によって妨害される溶媒蒸気の通過を防止しながら、各積層バリアにわたって荷電粒子を引き付ける。
【0210】
有利には、積層バリアの追加によって、下流の収集表面への溶質粒子の透過のより大きな時間的および定量的制御が導入される。例えば、不活性ガス(432)の逆流と、引力場または反発場の瞬間的制御との組み合わせは、収集表面への溶質送達を向上させ、該表面の空間的および組成的特性の精度を向上させることができる。これは、溶質堆積が複数の供給源または複数の溶液に由来し得る、図8に記載されるようなより広い堆積用途に対して多くの利益を有する。
【0211】
荷電溶質粒子の圧縮および透過(図6参照)
図6は、荷電粒子が反発器(310)から、および円形バルク溶媒流(326)から離れて偏向されるときのシミュレートされた荷電粒子軌道を例示する。等電位線(328)は、荷電粒子を、バルク流から離れて、積層バリア表面を通して、および圧縮ゾーン(500)および集束ゾーン(600)を通して下流に試料堆積のために駆動する潜在的表面の輪郭を図示する。
【0212】
圧縮領域(560)の主な機能は、穿孔された抽出バリア(402)の流出口からの濃縮溶媒枯渇荷電溶質粒子の大きな断面流量を、収集ディスク上のミクロンサイズのスポット上に該ビームを集束させるための空間的要件により適合する粒子の小さな断面ビームに変換することである。加えて、圧縮領域(560)は、圧縮領域に存在する任意の残留バックグラウンド溶媒蒸気をより完全に枯渇させる働きをし、溶質粒子をさらに乾燥させる。ここで、遠隔試料収集表面、すなわち、a)軸方向、b)均一電場拡張、c)非軸均一電場拡張への送達のために構成され得る、圧縮および集束のためのいくつかの代替実施形態を例示する。図6は、流体力学および印加電場の両方の影響下で圧縮ゾーン(560)を横断する乾燥溶質粒子の運動のコンピュータシミュレーションである。圧縮ゾーン(560)の入口で整列した粒子は、サイクロン領域から圧縮領域への穿孔されたバリアにわたって漏出する溶媒蒸気からの流れによって管内を下に押される。粒子軌道は、直径10ナノメートル(黒)および直径100ナノメートル(緑)の粒子を表す。圧縮レンズ(504)に印加される電圧は、粒子を圧縮管(501)の軸上に集中させる集束電場を生成する。圧縮された粒子ビームは、スキミングアパーチャー(506)を通ってスキミングされ、集束ゾーン(600)から発する電場の影響によって方向付けられる。粒子ビームは、試料収集表面(610)上に直径100μm未満の試料スポット(614)に集束される。
【0213】
図6bおよび図6cは、収集表面の空間的および位置的要件に適応するためにエアロゾル源領域から変位される圧縮ビームの集束を可能にする実施形態を示す。例えば、溶質堆積スポットは、光学分析条件のためにレーザ光学の代替位置を必要とし得る。これらの代替実施形態は、本発明内で隣接するプロセスを分離するための例を提供する。
【0214】
液滴の誘導荷電を使用する代替実施形態(図7参照)
本発明のさらなる実施形態は、代替の充電能力を提供するために、a)浮遊誘導電極(234)(図7a参照)を有する接地された熱式ネブライザー(204)、またはb)接地された誘導電極(234)を有するフローティング熱式ネブライザー(204)(図7b参照)を備える、熱式ネブライザー(噴霧器)(204)から発する液滴の誘導荷電を、熱気化器との軸上に誘導電極(234)を組み込むことによって利用する。
【0215】
試料源(100)は、加熱されたネブライザー(204)内で試料を送達し、電子を誘導電極(234)から液滴スプレーに向けて、または液滴自体を誘導電極(234)に向けて出るように誘導するのに充分な強度の電場を通して送達される音速でおよび軸方向に膨張するエアロゾルを生成する。電圧源(232)によってネブライザー(204)または誘導電極(234)のいずれかに電圧を印加し、スプレー内に充分な電場を作り出し、電子をストリッピングすることができる。液滴上の誘導電荷の結果として生じる極性は、ネブライザー(204)と誘導電極(234)との間の印加電圧によって生成される場によって決定される。本明細書で限定はされないが、記載される2つのモードは、接地されたネブライザー(204)(図7a参照)によって、または接地された電極(234)(図7b参照)によって行われ、電圧が対向要素に適切に印加される。第1の絶縁要素(236)は、接地されたネブライザーとして構成される(図7a参照)ときに必要とされ;逆に、第2の絶縁要素(238)は、接地された誘導電極用に構成される(図7b参照)ときに必要とされる。
【0216】
スプレー液滴上の誘導電荷は、生成された液滴上の電荷の大きさおよび極性の両方の強化された制御を提供する。この制御は、試料が経時的に変化する組成および溶液特性によって特徴付けられる場合、より均一な電荷の利点を提供する。
【0217】
本発明によるインタフェースの用途(図8参照)
表面材料の時間的、空間的、および組成的制御のための標的表面上への多種多様な試料材料の堆積に使用するための本発明の適用スペース。LC-FTIRを用いた化学分析は本発明の主な目的であるが、本発明は、材料を正確かつ定量的に任意の表面に送達するためのより広い範囲の用途を有する。この概略図は、有機、無機、および生体分子材料堆積における用途のための荷電溶質粒子の微視的堆積の有用性を例示し、これらは、分子レベルでの2Dおよび3D印刷を含む。組成、物理的空間、および時間に関して堆積されるすべての材料の制御は、3D回路または組織工学などの多次元表面の複合のエンジニアリングのためのツールを作り出す。本発明に係るインタフェースは、より広い意味において、材料の任意の配向の表面組成を生成するためのツール/デバイスである。これはまた、ここで好適とされるクロマトグラフィー源を超えて、その後の分析および診断のために任意の様々な液体流を時間モニタリングするための源まで、液体源からの材料を記録するためのツールである。
【0218】
一般的に、本発明は、投入物として提供される溶液または懸濁液混合物中の液体または溶媒成分を減少させる、好ましくは除去するように構成された輸送インタフェースに関する。
【0219】
好ましくは、投入物は、
-少なくとも1つの溶媒成分と少なくとも1つの溶質成分との溶液、または
-少なくとも1つの固形成分と少なくとも1つの液体成分および/または少なくとも1つの気体/蒸気成分との懸濁液の形態で任意の混合物を含み得る。
【0220】
したがって、本発明のインタフェースは、入口での混合物に対して液体/溶媒成分が低減または除去されたアウトプットを得ることが必要とされる全ての用途において使用することができる。
【0221】
さらに、インタフェースは、投入混合物流を出力に向けて制御輸送を行うことが必要とされる全ての用途で使用するのに適している。
【0222】
インタフェースは、(投入混合物に対して減少または除去された液体/溶媒成分を有する)出力を特定の標的、必ずしもではないが、好ましくは、堆積表面に向けて、またはその上に送達するために構成される。さらに、標的、例えば、特定の位置に向けてまたはその上に送達されるインタフェースの出力における流れは、投入口におけるよりも集中しており、すなわち、断面が縮小している。
【0223】
さらに、インタフェースは、以下:
-投入混合物の液体/溶媒成分の減少または除去、
-出力流の時間および/または量の制御
-より集束された/集中した出力流
を同時に得ることが必要とされる全ての用途で使用するのに適している。
【0224】
本発明に係るインタフェースはまた、入力として提供される試料の調整デバイスと見なすことができる。
【0225】
【表1-1】
【0226】
【表1-2】
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8
図9a
図9b
図9c
【国際調査報告】