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特表2024-506206少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む組成物と、少なくとも1つの会合性ポリマー及び特定の化合物を含む組成物を適用することを含む、毛髪ケラチン繊維を着色する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む組成物と、少なくとも1つの会合性ポリマー及び特定の化合物を含む組成物を適用することを含む、毛髪ケラチン繊維を着色する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/84 20060101AFI20240202BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240202BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61K8/84
A61Q5/10
A61K8/81
A61K8/34
A61K8/19
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549088
(86)(22)【出願日】2022-03-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2022056195
(87)【国際公開番号】W WO2022189570
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】2102356
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】リンジー・メンツァー
(72)【発明者】
【氏名】クリステル・プリユ
(72)【発明者】
【氏名】ティン・ヒナーヌ・アミシェ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB052
4C083AB231
4C083AB232
4C083AC101
4C083AC102
4C083AC111
4C083AC112
4C083AC121
4C083AC122
4C083AC151
4C083AC152
4C083AC471
4C083AC472
4C083AC542
4C083AC811
4C083AC812
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD162
4C083BB21
4C083BB53
4C083CC36
4C083DD27
4C083DD41
4C083EE01
4C083EE26
(57)【要約】
本発明は、毛髪ケラチン繊維、特に毛髪を着色する方法であって、組成物A及び組成物Bを前記毛髪ケラチン繊維に適用することを含み:組成物Aが、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み、組成物Bが、少なくとも1つの会合性ポリマー;及び少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物;少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;組成物A及び/又は組成物Bが、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;及び組成物A及び組成物Bが毛髪ケラチン繊維に同時に又は連続的に適用される、方法に関する。本発明はまた、毛髪ケラチン繊維を着色するための装置にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛髪ケラチン繊維を着色する方法であって、組成物A及び組成物Bを前記毛髪ケラチン繊維に適用することを含み、
前記組成物Aが、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み、
前記組成物Bは、
-少なくとも1つの会合性ポリマー;
-少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前記会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
前記組成物A及び/又は前記組成物Bが、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;及び
前記組成物A及び前記組成物Bが前記毛髪ケラチン繊維に同時に又は連続的に適用される、方法。
【請求項2】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、下記の式(I)の化合物:
【化1】
(式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
-R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキル、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される基、並びに、1つ以上のヘテロ原子並びにアルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される1つ以上の基が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキルから選択される基を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表し;及び
-Aは、以下の化合物:
【化2】
から選択されるモノマーである)
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、下記の式(II)の化合物:
【化3】
(式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
-R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表し;
-n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは1~3の範囲の整数を表し;
-Lは、独立して、2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物を表し;
-Eは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
-Rは、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;
-Rは、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す)
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、式(II)の化合物から選択され:式中、
-X及びXが、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRが、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、ジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され;
-n及びzが、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwが1に等しく;
-L1が、C~C18の2価の脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びその混合物から選択され;
-Eが、独立して:
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R3及びR4は、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択され;
-Rが共有結合ではない場合、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
-Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択される)から選択される基を表すことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、式(II)の化合物から選択され:式中、
-X及びXが、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRが、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり;
-n及びzが、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwが1に等しく;
-Lが、C~C15シクロアルキレン基であり;
-Eが、独立して:
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
-Rが共有結合ではない場合、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
-Rが、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択される)から選択される基を表すことを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、式(II)の化合物から選択され:式中、
-X及びXが、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRが、独立して、以下の式(VI):
13-[O-CH-C(H)(R14)]- (VI)
(式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
-n及びzが、2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zが、4~10の範囲であり、及びwが1に等しく;
-Lが、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン、及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC~C15シクロアルキレン基であり;
-Eが、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択される)を表すことを特徴とする、請求項3~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、式(II)の化合物から選択され:式中、
-X及びXが、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRが、独立して、以下の式(VI):
13-[O-CH-C(H)(R14)]- (VI)
(式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
-n及びzが、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zが、4~10の範囲であり、及びwが1に等しく;
-Lが、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン、及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC~C15シクロアルキレン基、好ましくは4,4-ジシクロへキシレンメタンであり;
-Eが、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン、又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基を表す)を表すことを特徴とする、請求項3~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物が、以下の式(XII)の化合物:
【化4】
(式中、Lは、4,4-ジシクロへキシレンメタンであり、n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、Eは、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基を表す)を表し、且つr及びsは、4~30の範囲の整数を表す)
から選択されることを特徴とする、請求項3~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記(ポリ)カルボジイミド化合物の総量が、組成物Aの総質量に対して0.01質量%~40質量%、好ましくは0.1質量%~30質量%、より良好には0.5質量%~25質量%、一層より良好には2質量%~20質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記会合性ポリマーが、アニオン性会合性ポリマー、好ましくはアクリル会合性ポリマー、より優先的にはカルボン酸アクリル会合性ポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記会合性ポリマーの総量が、組成物Bの総質量に対して、0.1質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~20質量%、より優先的には0.2質量%~10質量%、より良好には0.2質量%~5質量%、さらにより優先的には0.2質量%~2質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前記会合性ポリマーとは異なる前記化合物が、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーン化合物、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から、好ましくはポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前記会合性ポリマーとは異なる前記化合物が、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択されるポリマーの粒子の水性分散物の形態であり、好ましくはアクリルポリマー粒子の水性分散物の形態であり、より優先的には皮膜形成アクリルポリマー粒子の水性分散物の形態であることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記アクリルポリマーが、以下のモノマー:
a)(メタ)アクリル酸;及び
b)C~C30、より優先的にはC~C20、より良好にはC~C10、一層詳細にはC~Cアルキル(メタ)アクリレート
に由来する1つ以上の単位を含むことを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、前記会合性ポリマーとは異なる前記化合物の総量が、前記組成物Bの総質量に対して好ましくは0.2質量%~60質量%、より優先的には1質量%~55質量%、より良好には5質量%~50質量%、一層より優先的には10質量%~45質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
組成物Bが、フェノキシエタノール、1,2-ヘキサンジオール、4-ヒドロキシアセトフェノン、エタノール、クロルフェネシン、ペンチレングリコール及びその混合物から選択される少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する前記化合物の総含有量が、組成物Bの総質量に対して、少なくとも2質量%、好ましくは少なくとも3質量%、より優先的には3質量%~30質量%の範囲、さらにより優先的には4質量%~20質量%、さらにより好ましくは5質量%~15質量%であることを特徴とする、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
着色剤の含有量が、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して0.001質量%~20質量%、好ましくは0.005質量%~15質量%の範囲であり、好ましくは前記着色剤が顔料から選択されることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
顔料の含有量が、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して、0.05質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、より良好には5質量%~15質量%の範囲にあることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
組成物A及びBの一方及び/又は他方が、好ましくは非アミノシリコーン、アミノシリコーン、及びその混合物から選択される少なくとも1つのシリコーンも含むことを特徴とする、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記シリコーンが、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~15質量%、より優先的には0.1質量%~10質量%、さらにより優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することを特徴とする、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dを前記毛髪ケラチン繊維に適用する工程も含むことを特徴とする、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
組成物D中に存在する、少なくとも1つのカルボキシル基を含む前記シリコーン化合物の総量が、組成物Dの総質量に対して0.01質量%~20質量%、より優先的には0.1質量%~15質量%、より良好には0.5質量%~10質量%の範囲であることを特徴とする、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
組成物Dが、好ましくは、C~C16アルカンから、より優先的にはイソドデカン、イソヘキサデカン、テトラデカン及び/又はその混合物から選択される1つ以上の油も含むことを特徴とする、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
毛髪ケラチン繊維を着色するための装置であって:
-第1の区画(E1)における、請求項1~9及び18~21のいずれか一項に記載の組成物A;
-第2の区画(E2)における、請求項1及び10~21のいずれか一項に記載の組成物B;
-任意選択的に、第3の区画(E3)における、請求項22~24のいずれか一項に記載の組成物D
を含む、少なくとも2つの区画を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物A及び組成物Bを毛髪ケラチン繊維に適用することを含む、毛髪ケラチン繊維を着色する方法であって、組成物Aが少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み、組成物Bが少なくとも1つの会合性ポリマー、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物を含み、組成物A及び/又は組成物Bが顔料、直接染料、及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み、組成物A及び組成物Bが毛髪ケラチン繊維に同時に又は順次適用される、方法に関する。
【0002】
本発明はまた、毛髪ケラチン繊維を着色するための装置に関する。
【0003】
ケラチン繊維、特にヒトのケラチン繊維の着色分野において、非永久的な着色を行うために直接染料若しくは顔料を用いるか、又は永久的な着色を行うために占領プレカーサーを用いる様々な技法によってケラチン繊維を着色することは、既に知られている手法である。
【背景技術】
【0004】
毛髪を着色する方法は、基本的に3種類ある:
a)「永久」着色:その作用は、本来の色を大幅に修正することが可能であり、毛髪繊維に浸透し、酸化縮合過程を介して色素を生成する酸化性染料を使用する。
b)非永久的、半永久的又は直接着色:酸化縮合過程を用いず、4~5回のシャンプー洗浄に耐え;これは、毛髪ケラチン繊維を、直接染料を含有する着色組成物を用いて着色することを含む。
c)一時着色:毛髪本来の色を修正し、1回目のシャンプー洗浄から次のシャンプー洗浄まで残存し、既に得られている色合いを増強又は補正する役割を果たす。これは、「メーキャップ」方法に関連付けることもできる。
【0005】
最後に挙げた種類の着色に関して、アゾ、トリフェニルメタン、アジン、インドアミン又はアントラキノンの性質を有する1つ以上の染料を高分子鎖にグラフトさせることにより生成する有色ポリマーを使用する手法が知られている。このような有色ポリマーは、特に、着色された色の均一性及びその耐性に関して完全に満足できるものではなく、その製造、特に再現性に関連する問題に関しては、言うまでもない。
【0006】
他の着色方法は、顔料を使用することから構成される。具体的には、毛髪ケラチン繊維の表面に顔料を使用すると、表面の顔料が繊維本来の色を隠すため、一般に、暗色の毛髪上でも認識できる着色を達成することが可能になる。しかしながら、この着色方法により得られる着色は、シャンプー洗浄に対する耐性のみならず、皮脂、汗、ブラッシング及び/又は摩擦などの外部作用物質に対する耐性も劣るという欠点がある。
【0007】
さらに、一時的な毛髪着色組成物は、特に質感、毛髪の頭部への広がりの容易さ及び/又は均一性に関して、完全に満足のいくものではない作業品質をさらに有し得る。
【0008】
したがって、毛髪に滑らかで均一な着色コーティングを得ると同時に、シャンプー洗浄、並びに毛髪を劣化させることなくブラッシング及び/又は摩擦などの毛髪が受け得る様々な攻撃因子に対して持続的なコーティングを形成するという利点を有し、前記方法の文脈で使用される組成物が、経時的な良好な安定性及び経時的な良好な貯蔵、すなわち微生物に対する良好な保護、並びに良好な作業品質を有する、毛髪ケラチン繊維を着色する方法が依然として必要とされている。
【0009】
したがって、本発明の目的は、毛髪に滑らかで均一な着色コーティングを得ると同時に、シャンプー洗浄、並びに毛髪を劣化させることなくブラッシング及び/又は摩擦などの毛髪が受け得る様々な攻撃因子に対して持続的なコーティングを形成するという利点を有し、前記方法の文脈で使用される組成物が、経時的な良好な安定性及び経時的な良好な貯蔵、すなわち微生物に対する良好な保護、並びに良好な作業品質を有する、毛髪ケラチン繊維を着色する方法を開発することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
したがって、本発明の1つの主題は、組成物A及び組成物Bを毛髪ケラチン繊維に適用することを含む、毛髪ケラチン繊維を着色する方法であって:
組成物Aが、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み、
組成物Bが、
-少なくとも1つの会合性ポリマー;
-少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bが、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;及び
組成物A及び組成物Bが毛髪ケラチン繊維に同時に又は連続的に適用される、方法である。
【0011】
本発明の1つの変形例では、組成物Cは、先に定義された少なくとも1つの組成物A及び先に定義された少なくとも1つの組成物Bの使用時に即時混合によって得られる。本変形例では、組成物Aと組成物Bとを混合することによって得られる組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用する。
【0012】
他の変形例では、先に定義した組成物A及び先に定義した組成物Bを毛髪ケラチン繊維に同時に適用する。
【0013】
他の変形例では、組成物A及び組成物Bは、毛髪ケラチン繊維に連続的に適用され、組成物Aは、場合によっては組成物Bの前に毛髪ケラチン繊維に適用され、又はその逆も同様である。
【0014】
本発明はまた、毛髪ケラチン繊維を着色するための装置であって:
-第1の区画(E1)に、先に定義された組成物A;及び
-第2の区画(E2)に、先に定義された組成物B;
-任意選択的に、第3の区画(E3)に、以下で定義する組成物D
を含む、少なくとも2つの区画を含む装置にも関する。
【0015】
この着色方法を毛髪ケラチン繊維に使用すると、あらゆるタイプの毛髪上で視認できる色に着色することが可能な有色のコーティングが、シャンプー洗浄に対する持続性を示すと同時に毛髪ケラチン繊維の物理的品質を維持する方式で毛髪上で得られる。この種のコーティングは、送風による乾燥及び汗などの毛髪が曝され得る外部攻撃因子に耐えることができる。それにより、特に滑らか且つ均一な堆積物を得ることが可能となる。
【0016】
さらに、本発明による着色方法の文脈で使用される組成物は、特に室温、又は室温~45℃の範囲の温度での貯蔵期間後に、経時的に良好な安定性を有する。本発明による着色方法の文脈で使用される組成物はまた、特に室温又は室温~55℃の範囲の温度での2ヶ月までの貯蔵期間後に、経時的に良好な貯蔵、すなわち微生物に対する良好な保護を有する。
【0017】
さらに、本発明による方法の文脈で使用される組成物は、特に質感、毛髪への広がりの容易さ及び均一性に関して良好な作業品質を有し、同時にランニングの問題を最小限に抑える。
【0018】
本発明の目的のために、「シャンプー洗浄に対する持続性を示す着色」という用語は、得られた着色が、1回のシャンプー洗浄後、好ましくは3回のシャンプー洗浄後、より優先的には5回シャンプー洗浄後も持続することを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の他の主題、特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び実施例を読むことにより一層明らかになるであろう。
【0020】
以下の本文では、別段の指定がない限り、数値範囲の境界値は、その範囲、とりわけ「~の間」及び「~から~の範囲」の表現に包含される。
【0021】
「少なくとも1つ」という用語は、1つ以上を意味する。
【0022】
本発明は、例示する実施例に限定されない。様々な実施例の特徴は、特に、例示していない変形形態内で組み合わせることができる。
【0023】
本発明の目的に関しては、特に断りのない限り、以下の通りとする:
-「アルキル」基は、例えば、1~20個の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝鎖の飽和基を指し;
-「アミノアルキル」基は、前記アルキル基がNH基を含む、先に定義したアルキル基を指し;
-「ヒドロキシアルキル」基とは、前記アルキル基がOH基を含む、先に定義したアルキル基を指し;
-「アルキレン」基は、メチレン、エチレン又はプロピレン等の直鎖又は分枝鎖の二価の飽和C~C炭化水素系基を示し;
-「シクロアルキル」又は「アリシクロアルキル」基は、1~3個の環、好ましくは2個の環を含み、3~24個の炭素原子を含み、特に3~20個の炭素原子、より詳細には3~13個の炭素原子、一層より詳細には3~12個の炭素原子、好ましくは5~10個の炭素原子を含む、環状の飽和単環式又は二環式、好ましくは単環式の炭化水素系基、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はノルボルニル、特にシクロプロピル、シクロペンチル又はシクロヘキシルを指し、シクロアルキル基は、1つ以上のメチルなどの(C~C)アルキル基で置換され得;その場合、好ましくは、シクロアルキル基は、イソボルニル基となることが理解され;
-「シクロアルキレン」基とは、先に定義した「シクロアルキル」を有する、好ましくはC~C12の2価のシクロアルキル基を指し;
-「アリール」基とは、6~14個の炭素原子、好ましくは6~12個の炭素原子を含む、単環式、二環式又は三環式の、縮合又は非縮合の不飽和芳香族炭化水素系環式基であり;好ましくは、アリール基は、6個の炭素原子を有する1つの環を含む、例えばフェニル、ナフチル、フェナントリルであり、フェニルは、アリール基が1つ以上のメチルなどの(C~C)アルキル基で置換された、好ましくはトリル、キシリル又はメチルナフチルであり得ることが理解され;好ましくは、アリール基は、フェニルを表し;
-「アリーレン」基は、先に定義した「アリール」を有する2価のアリール基であり;好ましくは、アリーレンは、フェニレンを表し;
-「複素環式」基は、1つ以上のヘテロ原子、好ましくはO、S又はNから選択される1~5個の原子を含み、3~20個の環員、好ましくは5~10個の環員を含む、飽和又は不飽和の、非芳香族又は芳香族の単環式又は多環式炭化水素系基、例えばイミダゾリル、ピロリル及びフラニルなどであり;
-「ヘテロシクロアルキレン」基は、先に定義した「複素環式」を有する2価の複素環式基であり;
-「アリールオキシ」基は、先に定義された「アリール」を有するアリールオキシを示し;
-「アルコキシ」基は、先に定義した「アルキル」を有するアルキル-オキシ基を指し;
-「アシルオキシ」基は、Rが先に定義したアルキル基である、エステル基R-C(O)-O-を指し;
-「反応性」基は、化学反応によって、他の同一又は異なる基と共有結合を形成することができる基である。
【0024】
「毛髪ケラチン繊維」という用語は、毛髪を意味する。
【0025】
本発明の目的について、「毛髪」という表現は、頭部の毛髪を意味する。これは、まつげ、眉毛及び体毛を指すものではない。
【0026】
ポリカルボジイミド化合物
本発明による着色方法の文脈で使用される本発明による組成物Aは、少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含む。
【0027】
この組成物は、組成物中に混合物として存在する少なくとも2つの異なる(ポリ)カルボジイミド化合物を含むことができる。
【0028】
「(ポリ)カルボジイミド化合物」という用語は、1つ以上のカルボジイミド基、好ましくは少なくとも2個のカルボジイミド基、より優先的には少なくとも3個のカルボジイミド基を含む化合物を意味し;特に、カルボジイミド基の数は、200を超えず、好ましくは150を超えず、より優先的には100を超えない。
【0029】
「カルボジイミド基」は、一般式-(N=C=N)-で表される2価の直鎖状3原子部分を意味する。
【0030】
本発明による(ポリ)カルボジイミド化合物は、その構造中に、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される、カルボジイミド基とは異なる1つ以上の反応性基を任意選択的に含んでいてもよい。
【0031】
カルボジイミド基以外の反応性基は、側基又は末端基であってもよい。好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される、カルボジイミド基とは異なる1つ以上の末端基、好ましくは1つ以上の末端基を含む。
【0032】
特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(I):
【化1】
(式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
-R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキル、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される基、並びに、1つ以上のヘテロ原子並びにアルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択される1つ以上の基が任意選択的に介在する炭化水素系基、好ましくはアルキルから選択される基を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表し;及び
-Aは、以下の化合物:
【化2】
から選択されるモノマーである)から選択される。
【0033】
他の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(Ia):
【化3】
(式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
-Y及びYは、独立して、飽和C~C36脂肪族基又はC~C24芳香族若しくはアルキル芳香族基から選択される二価の有機基を表し、脂肪族又は芳香族基は、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又はその組合せなどの1個以上の非ペンダントヘテロ原子を任意選択的に含み;
-Z及びZは、独立して、反応性末端基又は不活性末端基を表し;
-不活性末端基として、Z及びZは、独立して、飽和、直鎖若しくは分枝鎖若しくは環状C~C50脂肪族基、又はC~C18芳香族基を表していてもよく、前記脂肪族基及び芳香族基は、窒素、酸素、硫黄及びその組合せから選択される1~10個のヘテロ原子を任意選択的に含み、脂肪族基又は芳香族基は、部分的又は完全にフッ素化されていてもよく;この変形例では、Z及びZは、ZをYに、及びZをYに連結する結合基CGを含み、基CGは、場合により、単一共有結合、飽和C-C結合、不飽和共有結合C-C結合、アミド基、エステル基、カーボネート基、チオエステル基、エーテル基、ウレタン基、チオウレタン基又はウレア基であり;
-反応性末端基として、Z及びZは、アルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択することができ;
-Qは、カーボネート、エステル、エーテル、アミド、ウレタン若しくは尿素反復結合又はその組合せを介して結合された、飽和、直鎖若しくは分岐又は環状脂肪族基、又は芳香族基若しくはアルキル芳香族基の反復単位を含む有機ポリマー又は有機オリゴマーを表し;
-Aは、2~30個の炭素原子を含む二価の脂肪族、芳香族、アルキル芳香族又は直鎖、飽和、分岐又は環状基を表し、これらは、脂肪族鎖又は芳香族鎖中に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子又はその組合せなどの1つ以上の非ペンダントヘテロ原子を任意選択的に含んでいてもよく;
-rは、0、又は1に等しい整数を示し;
-mは、0~1000の範囲の、好ましくは0又は1に等しい整数を示し;
-m’は、0~1000の範囲の、好ましくは0又は1に等しい整数を示し;
-nは、0~1000の範囲の、好ましくは0又は1に等しい整数を示し、m+(m’*n)は2以上である)の化合物から選択される。
【0034】
好ましくはZ及びZは、独立して反応性末端基を表し;より好ましくは、Z及びZは、独立してアルコキシシリル、ヒドロキシシリル、アセトキシシリル、ビニルシリル、アクリルアルキルシリル、メタクリルアルキルシリル、クロトニルアルキルシリル、カルボキシアンヒドリドアルキルシリル、カルボキシアルキルシリル、ヒドロキシアルキルシリル、アルデヒドアルキルシリル、メルカプトアルキルシリル、ノルボルネニルシリル、アシルペンタジエニルアルキルシリル、マレイミドアルキルシリル、スルホニルアルキルシリル、(メタ)アクリルアルキル、クロトニルアルキル、アルキルエポキシド、例えばプロピルエポキシド又はブチルエポキシド及びアザシクロプロパン基から選択することができる。
【0035】
そのような(ポリ)カルボジイミド化合物は、例えば、Stahl B.V.社からPermutex XRという名称で、又はRelcaLink 10という名称で、Picassian XLという名称で販売されており、日清紡化合物から、シリーズV-02、V-02-L2、SV-02、E-02、V-10、SW-12G、E-03A、E-04DG-T、E-05、V-04、V-02B、V-04PF、V-05と共にCarbodiliteという名称で販売されている。
【0036】
好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(II):
【化4】
(式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子O、硫黄原子S又はNH基を表し;
-R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表し;
-n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは、1~3の範囲の整数を表し;
-Lは、独立して、2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物を表し;
-Eは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
-Rは、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;
-Rは、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す)
の化合物から選択される。
【0037】
「炭化水素系基」という用語は、1~300個の炭素原子、好ましくは1~250個の炭素原子、より優先的には1~200個の炭素原子を含有する、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐の基を意味する。好ましくは、炭化水素系基は、飽和直鎖基である。
【0038】
炭化水素系基は、1つ以上の環式基を含むことができる。
【0039】
炭化水素系基は、特に、O、S若しくはNから選択される1つ若しくは複数のヘテロ原子が介在し得、且つ/又は1つ若しくは複数の陽イオン、陰イオン、若しくは双性イオン、若しくはアンモニウムなどのカチオン性基、カルボキシレートなどのアニオン性基、若しくは双性イオン性基で置換され得、且つ/又は塩の形態で組み込むことができる金属イオンを含み得る。
【0040】
「ヘテロ原子」という用語は、酸素O、硫黄S又は窒素N原子に加えて、Cl、F、Br及びIなどのハロゲン原子も意味する。ヘテロ原子が炭化水素系基の鎖中に含まれる場合、このヘテロ原子は、好ましくは、酸素O、硫黄S又は窒素N原子から選択される。
【0041】
好ましくは、X及びXは、独立して、酸素原子を表す。
【0042】
好ましくは、R及びRは、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、ジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択される。
【0043】
好ましい実施形態において、R及びRは、以下の基(i)~(iv):
(i)以下の式(III):
-O-C(O)-C(R)(H)- (III)
(式中、Rは、C~Cアルキル基を表し、Rは、水素原子又はC~Cアルキル基を表し;好ましくは、Rは、メチルであり、及びRは、水素原子又はメチルである)の化合物
(ii)以下の式(IV):
-[O-CH-C(H)(R10)]- (IV)
(式中、Rは、C~Cアルキル基を表し、R10は、水素原子又はC~Cアルキル基を表し、pは、1~3の範囲の整数を表し;好ましくは、Rは、メチル、エチル又はブチルであり、R10は、水素原子又はメチルであり、及びpは、1に等しい)の化合物
(iii)以下の式(V):
(R11N-CH-C(H)(R12)- (V)
(式中、R11は、C~Cアルキル基を表し、R12は、水素原子又はC~Cアルキル基を表し;好ましくは、R11は、メチル、エチル又はブチルであり、及びR12は、水素原子又はメチルである)の化合物
(iv)以下の式(VI):
13-[O-CH-C(H)(R14)]- (VI)
(式中、R13は、C~Cアルキル基を表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基を表し、qは、4~30の範囲の整数を表し;好ましくは、R13は、メチル、エチル又はブチルであり、及びR14は、水素原子又はメチルである)の化合物から独立して選択される。
【0044】
好ましくは、R及びRは、独立して、式(VI)の化合物を表し、式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0045】
代替的な実施形態によれば、R及びRは、異なり、R又はR基の一方は、上に述べた式(IV)の化合物を表し、R又はR基の他方は、上に述べた式(VI)の化合物を表す。
【0046】
好ましくは、式(IV)において、Rは、メチル、エチル又はブチルであり、R10は、水素原子又はメチルであり、pは、1に等しい。
【0047】
好ましくは、式(VI)において、R13は、メチル、エチル又はブチルであり、R14は、水素原子又はメチルであり、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0048】
他の代替的な実施形態によれば、R及びRは、同一であり、式(VI)の化合物を表し、式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、qは、4~30の範囲の整数を表す。
【0049】
好ましくは、nは、1~20、より優先的には2~20の範囲の整数を表す。
【0050】
好ましくは、zは、1~20、より優先的には2~20の範囲の整数を表す。
【0051】
好ましくは、wは1に等しい。
【0052】
好ましくは、wは1に等しく、n+zは、4~10の範囲の整数を表す。
【0053】
好ましくは、Lは、メチレン、エチレン及びプロピレンなどの2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、シクロペンチレン、シクロヘプチレン及びシクロへキシレンなどのC~C15シクロアルキレン基、イミダゾレン、ピロレン及びフラニレンなどのC~C12ヘテロシクロアルキレン基又はフェニレンなどのC~C14アリーレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0054】
例えば、Lは、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、2,4-ビス(8-イソシアナトオクチル)-1,3-ジオクチルシクロブタン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5-ナプタチレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート及びフェニレンジイソシアネート並びにこれらの混合物から誘導される基から選択することができる。
【0055】
好ましくは、Lは、C~C15シクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物、例えば以下の式(VII):
【化5】
から選択される。
【0056】
好ましくは、L1は、以下の式(VIII):
【化6】
に対応する4,4-ジシクロへキシレンメタンである。
【0057】
他の実施形態によれば、L1がC~C14アリーレン基である場合、Lは、以下の式(IX):
【化7】
で表されるm-テトラメチルキシリレン基ではない。
【0058】
先に述べたように、Eは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の炭化水素系基を表し;
-Rは、独立して、共有結合又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する2価の飽和炭化水素系基を表し;及び
-Rは、独立して、水素原子又は1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する炭化水素系基を表す)
から選択される基を表す。
【0059】
好ましくは、R及びRは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐C~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から独立して選択される。
【0060】
より優先的には、R及びRは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、ブチレン、プロピレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基から独立して選択される。
【0061】
好ましくは、Rが共有結合ではない場合、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0062】
好ましくは、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、フェニレンなどのC~C14アリーレン基、シクロプロピレン及びシクロブチレンなどのC~C12シクロアルキレン基、メチレン及びエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基並びにこれらの混合物から選択される。
【0063】
好ましくは、Eは、-O-R-O-基を表し、式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される。
【0064】
より優先的には、Eは、-O-R-O-基を表し、式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、ブチレン、プロピレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基を表す。
【0065】
特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(X):
【化8】
(式中、Rは、独立して、1~24個の炭素原子を含有するアルキル基、3~24個の炭素原子を含有するシクロアルキル基又は6~24個の炭素原子を含有するアリール基を表し、及び
nは、2~100の範囲の整数を表す)
のα-メチルスチリルイソシアネート由来のコポリマーである。
【0066】
本実施形態における「アルキル基」という用語は、先に定義した通りである。
【0067】
本実施形態における「シクロアルキル基」という用語は、先に定義した通りである。
【0068】
本実施形態において、nは、2~50、好ましくは3~30、一層より優先的には5~10の範囲の整数を表すことができる。
【0069】
他の特定の実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(XI):
【化9】
(式中、Rは、独立して、1~24個の炭素原子を含有するアルキル基、3~24個の炭素原子を含有するシクロアルキル基又は6~24個の炭素原子を含有するアリール基を表す)
の化合物である。
【0070】
「アルキル基」、「シクロアルキル基」及び「アリール基」は、先に定義した通りである。
【0071】
好ましい実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(I)又は式(II)の化合物から選択され、式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRは、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、ジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され、好ましくは、ヒドロキシル基が除かれている、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり、より優先的には、R13がC~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14が水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、qが4~30の範囲の整数を表す、先に述べた式(VI)の化合物であり;
-n及びzが存在する場合、これらは、1~20範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは1に等しく;
-Lが存在する場合、これは、2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物、好ましくはC~C15シクロアルキレン基から選択され;
-Aが存在する場合、これは、2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物、好ましくはC~C15シクロアルキレン基から選択され;
-Eが存在する場合、これは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;
-Rが共有結合ではなく、Rが存在する場合、これは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基、及びこれらの混合物から選択され;及び
-Rが存在する場合、これは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0072】
好ましくは、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRは、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、ジアルキルアミノアルコール、ヒドロキシカルボン酸のアルキルエステル及び(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル並びにこれらの混合物から選択され;
-n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは1に等しく;
-Lは、2価のC~C18脂肪族炭化水素系基、C~C15シクロアルキレン基、C~C12ヘテロシクロアルキレン基又はC~C14アリーレン基及びこれらの混合物から選択され;
-Eは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択され;
-Rが共有結合ではない場合、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
-Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0073】
より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRは、独立して、ヒドロキシル基が除かれている、(ポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテルであり;
-n及びzは、1~20の範囲の整数を表し、ここで、n+z≧2であり、及びwは1に等しく;
-Lは、C~C15シクロアルキレン基であり;
-Eは、独立して、
- -O-R-O-;-S-R-S-;-R-N(R)-R-N(R)-R
(式中、R及びRは、独立して、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びその混合物から選択され;
-Rが共有結合ではない場合、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択され;及び
-Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)
から選択される基を表す。
【0074】
一層より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRは、独立して、以下の式(VI):
13-[O-CH-C(H)(R14)]- (VI)
(式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
-n及びzは、2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは1に等しく;
-Lは、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン、及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC~C15シクロアルキレン基であり;
-Eは、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、C~C14アリーレン基、C~C12シクロアルキレン基、直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基及びこれらの混合物から選択される)を表す。
【0075】
一層より優先的には、(ポリ)カルボジイミド化合物は、式(II)の化合物から選択され、式中、
-X及びXは、独立して、酸素原子を表し;
-R及びRは、独立して、以下の式(VI):
13-[O-CH-C(H)(R14)]- (VI)
(式中、R13は、C~Cアルキル基又はフェニル、好ましくはC~Cアルキル基、より優先的にはメチルを表し、R14は、水素原子又はC~Cアルキル基、好ましくは水素原子を表し、及びqは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物を表し;
-n及びzは、1~20、好ましくは2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、及びwは1に等しく;
-Lは、シクロペンチレン、シクロヘプチレン、シクロへキシレン、及び4,4-ジシクロへキシレンメタンなどのC~C15シクロアルキレン基、好ましくは4,4-ジシクロへキシレンメタンであり;
-Eは、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン、又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基を表す)を表す。
【0076】
好ましい実施形態によれば、(ポリ)カルボジイミド化合物は、以下の式(XII):
【化10】
(式中、L1は、4,4-ジシクロへキシレンメタンであり、n及びzは、1~20、好ましくは2~20の範囲の整数を表し、ここで、n+zは、4~10の範囲であり、Eは、-O-R-O-基(式中、Rは、1つ以上のヘテロ原子が任意選択的に介在する、メチレン、プロピレン、ブチレン又はエチレンなどの直鎖又は分岐のC~C18アルキレン基を表す)を表し、且つr及びsは、4~30の範囲の整数を表す)
の化合物である。
【0077】
本発明による組成物中Aに存在する(ポリ)カルボジイミド化合物の総量は、組成物Aの総質量に対して好ましくは0.01質量%~40質量%、より優先的には0.1質量%~30質量%、より良好には0.5質量%~25質量%、一層より良好には2質量%~20質量%の範囲である。
【0078】
本発明による組成物中Cに存在する(ポリ)カルボジイミド化合物の総量は、組成物Cの総質量に対して好ましくは0.01質量%~30質量%、より優先的には0.1質量%~25質量%、より良好には0.2質量%~20質量%、一層より良好には1質量%~10質量%の範囲である。
【0079】
非カルボン酸アニオン性増粘剤
組成物Aはまた、非カルボン酸アニオン性増粘剤を含み得る。
【0080】
本発明の目的のために、「非カルボン酸剤」という用語は、カルボン酸官能基(-COOH)又はカルボン酸エステル官能基(-COO)を含まない剤を意味する。
【0081】
本発明の目的のための「増粘剤」という語は、0.05質量%の濃度で存在する場合、それを導入した組成物の室温(25℃)及び大気圧下、剪断速度1s-1における粘度を少なくとも20cps、好ましくは少なくとも50cps上昇させる化合物を指す(粘度はHaake R600レオメータ等のコーン/プレート型粘度計を用いて測定することができる)。
【0082】
好ましくは、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、非カルボン酸アニオン性ポリマーから、より優先的にはスルホン基を有するアニオン性ポリマーから選択される。
【0083】
本発明の目的のために、「アニオン性ポリマー」という用語は、1つ以上のアニオン性又はアニオン化可能な基を含み、カチオン性基又はカチオン性基を含まないポリマーを意味する。
【0084】
有利には、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、遊離形態又は部分的若しくは完全に中和された形態の、スルホン基を有する少なくとも1つのエチレン性不飽和モノマーを含むアニオン性ポリマーから選択される。
【0085】
このポリマーは、架橋されていても又は架橋されていなくてもよい。好ましくは架橋されている。
【0086】
これらのポリマーは、会合性又は非会合性、好ましくは非会合性であり得る。
【0087】
「会合性ポリマー」とは、水性媒体中で、互いに又は他の分子と可逆的に会合することができるポリマーであることを想起されたい。
【0088】
その化学構造は、より特に、少なくとも1つの親水性ゾーン及び少なくとも1つの疎水性ゾーンを含む。
【0089】
用語「疎水性基」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10~30個の炭素原子、特に12~30個の炭素原子、より優先的には18~30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素系鎖を有する基又はポリマーを意味する。
【0090】
優先的には、炭化水素系基は、単官能基化合物に由来する。例として、疎水性基は、脂肪アルコールに由来し得、例えば、ステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールに由来し得る。また、炭化水素系ポリマー(例えばポリブタジエン)も示し得る。
【0091】
スルホン酸基を有するエチレン性不飽和モノマーは、特に、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミド(C~C22)アルキルスルホン酸、N-(C~C22)アルキル(メタ)アクリルアミド(C~C22)アルキルスルホン酸(ウンデシルアクリルアミドメタンスルホン酸など)及びまたこれらの一部又は全部が中和された形態から選択される。
【0092】
(メタ)アクリルアミド(C~C22)アルキルスルホン酸、例えばアクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-n-ブタンスルホン酸、2-アクリルアミド-2,4,4-トリメチルペンタンスルホン酸、2-メタクリルアミドドデシルスルホン酸又は2-アクリルアミド-2,6-ジメチル-3-ヘプタンスルホン酸及びまたその部分的又は完全に中和された形態がより優先的には使用される。
【0093】
より特に、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(AMPS)及びまたその部分的又は完全に中和された形態を使用する。
【0094】
2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸コポリマーの中で、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸及びアクリルアミドの部分的又は完全に中和された架橋コポリマーが挙げられ;欧州特許第503853号明細書の実施例1において記載されている生成物が特に挙げられ得、これらのポリマーに関して前記文献が参照され得る。
【0095】
SEPPIC社によってSepinov EMT 10という名称で販売されている化合物(INCI名:ヒドロキシエチルアクリレート/アクリロイルジメチルタウリン酸ナトリウムコポリマー)等の、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸又はその塩及びヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーにも言及することができる。
【0096】
会合性AMPSポリマーは、特に、C~C22n-モノアルキルアミン又はジ-n-アルキルアミンとの反応によって改変された統計的会合性AMPSポリマー、及び特許出願国際公開第00/31154号パンフレット(明細書の内容の不可欠な部分を形成する)に記載されているものなどから選択することができる。これらのポリマーは、他のエチレン性不飽和親水性モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸誘導体、例えばその1価アルコールとのエステル、又はモノ-若しくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、又はその化合物の混合物から選択されるものも含むことができる。
【0097】
この系統の好ましいポリマーは、AMPS及び少なくとも1つのエチレン性不飽和疎水性モノマーの会合性コポリマーから選択される。
【0098】
これらの同一コポリマーは、脂肪鎖を含まない1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、例えば(メタ)アクリル酸誘導体、特にモノアルコールによって得られるそのエステル又はモノ若しくはポリアルキレングリコール、(メタ)アクリルアミド、ビニルピロリドン、又はその化合物の混合物も含有し得る。
【0099】
これらのコポリマーは、欧州特許出願公開第A750899号明細書、米国特許第5089578号明細書及びYotaro Morishimaからの以下の公開資料において特に記載されている:
- Self-assembling amphiphilic polyelectrolytes and their nanostructures,Chinese Journal of Polymer Science,Vol.18,No.40,(2000),323-336;
- Micelle formation of random copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and a nonionic surfactant macromonomer in water as studied by fluorescence and dynamic light scattering,Macromolecules,Vol.33,No.10(2000),3694-3704;
- Solution properties of micelle networks formed by non-ionic moieties covalently bound to an polyelectrolyte: salt effects on rheological behavior - Langmuir, Vol.16,No.12,(2000)5324-5332;
- Stimuli responsive amphiphilic copolymers of sodium 2-(acrylamido)-2-methylpropanesulfonate and associative macromonomers - Polym.Preprint, Div. Polym.Chem.40(2),(1999),220-221。
【0100】
これらのポリマーの中でも、以下が挙げられ得る:
-ポリマーに対して15質量%~60質量%のAMPS単位と、40質量%~85質量%の(C~C16)アルキル(メタ)アクリルアミド又は(C~C16)アルキル(メタ)アクリレート単位とを含む、架橋された又は非架橋の、中和された又は非中和のコポリマー、例えば、欧州特許出願公開第A750899号明細書で説明されているもの;
-10モル%~90モル%のアクリルアミド単位と、0.1モル%~10モル%のAMPS単位と、5モル%~80モル%のn-(C~C18)アルキルアクリルアミド単位とを含むターポリマー、例えば、米国特許第5089578号明細書で説明されているもの。
【0101】
完全に中和されたAMPS及びメタクリル酸ドデシルのコポリマー並びにまたAMPS及びn-ドデシルメタクリルアミドの架橋及び非架橋のコポリマー、例えば上記のMorishima論文において記載されているものも挙げられ得る。
【0102】
好ましくは、非カルボン酸アニオン性増粘剤は、SEPPIC社によって販売されているナトリウム2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホネート/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマー(INCI名ヒドロキシエチルアクリレート/ナトリウムアクリロイルジメチルタウレートコポリマー)から選択される。
【0103】
好都合なことに、非カルボン酸アニオン性増粘剤の総量は、組成物Aの総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、より良好には0.1質量%~5質量%、一層より良好には0.1質量%~2質量%の範囲である。
【0104】
組成物B
先に示したように、本発明による着色方法は、上で定義した組成物Bを使用する。
【0105】
会合性ポリマー
本発明による着色方法の文脈で使用される本発明による組成物Bは、少なくとも1つの会合性ポリマーを含む。
【0106】
会合性ポリマーは、前述の非カルボン酸アニオン性増粘剤とは異なる。
【0107】
「会合性ポリマー」とは、水性媒体中で、互いに又は他の分子と可逆的に会合することができるポリマーであることを想起されたい。
【0108】
その化学構造は、より特に、少なくとも1つの親水性ゾーン及び少なくとも1つの疎水性ゾーンを含む。
【0109】
用語「疎水性基」は、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは10~30個の炭素原子、特に12~30個の炭素原子、より優先的には18~30個の炭素原子を含む飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の炭化水素系鎖を有する基又はポリマーを意味する。
【0110】
優先的には、炭化水素系基は、単官能基化合物に由来する。例として、疎水性基は、脂肪アルコールに由来し得、例えば、ステアリルアルコール、ドデシルアルコール又はデシルアルコールに由来し得る。また、炭化水素系ポリマー(例えばポリブタジエン)も示し得る。
【0111】
会合性ポリマーは、非イオン性、アニオン性、カチオン性又は両性であってよい。
【0112】
好ましくは、会合性ポリマーは、アニオン性会合性ポリマーから選択される。
【0113】
挙げられ得るアニオン性会合性ポリマーの中でも、次に示すものを挙げることができる:
-(a)少なくとも1個の親水性単位と、少なくとも1個の脂肪鎖アリルエーテル単位とを含むもの、より具体的には、親水性単位がアニオン性エチレン性不飽和モノマーから形成されているもの、より具体的には、ビニルカルボン酸から形成されているもの、最も具体的には、アクリル酸、又はメタクリル酸、又はこれらの混合物から形成されているもの。
【0114】
これらのアニオン性会合性ポリマーの中で、本発明によって特に好ましいものは、20質量%~60質量%のアクリル酸及び/又はメタクリル酸、5質量%~60質量%の低級(メタ)アクリル酸アルキル、2質量%~50質量%の脂肪鎖アリルエーテル及び0~1質量%の架橋剤(周知の共重合可能な不飽和ポリエチレン性モノマー、例えばフタル酸ジアリル、アリル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールジメタクリレート又はメチレンビスアクリルアミドである)から形成されるポリマーである。
【0115】
後者のポリマーの中でも、特に、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、ポリエチレングリコール(10EO)ステアリルアルコールエーテル(Steareth-10)との架橋ターポリマー、特にCiba社からSalcare SC 80(登録商標)及びSalcare SC 90(登録商標)の名称で販売されている、メタクリル酸と、アクリル酸エチルと、steareth-10アリルエーテルとの架橋ターポリマー(40/50/10)の水性30%エマルジョンが最も好ましい。
-(b)i)少なくとも1つの不飽和オレフィン性カルボン酸型の親水性単位と、ii)少なくとも1つの不飽和カルボン酸型の(C10~C30)アルキルエステル等の疎水性単位とを含むもの。
【0116】
本発明において有用な不飽和カルボン酸の(C10~C30)アルキルエステルは、例えば、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル及びアクリル酸ドデシル及び対応するメタクリレート、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸イソデシル及びメタクリル酸ドデシルを含む。
【0117】
この種類のアニオン性ポリマーは、例えば、米国特許第3915921号明細書及び米国特許第4509949号明細書によって説明及び調製される。
【0118】
この種類のアニオン性会合性ポリマーの中でも、95質量%~60質量%のアクリル酸(親水性単位)、4質量%~40質量%のC10~C30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0~6質量%の架橋重合性モノマーからなるもの又は上記されるものなど、98質量%~96質量%のアクリル酸(親水性単位)、1質量%~4質量%のC10~C30アルキルアクリレート(疎水性単位)及び0.1質量%~0.6質量%の架橋重合性モノマーからなるものがより特に使用されるであろう。
【0119】
上記の前記ポリマーの中でも、本発明によると最も特に好ましいものは、Pemulen TR1(登録商標)、Pemulen TR2(登録商標)、Carbopol 1382(登録商標)、さらにより優先的には、Pemulen TR1(登録商標)の商品名でGoodrich社によって販売されている製品、及びCoatex SX(登録商標)の名称でSEPPIC社から販売されている製品である。
【0120】
ISP社からAcrylidone LMの名称で販売されているアクリル酸/メタクリル酸ラウリル/ビニルピロリドンターポリマーも挙げることができる。
-(c)無水マレイン酸/C30~C38α-オレフィン/マレイン酸アルキルターポリマー、例えば、Newphase Technologies社からPerforma V 1608(登録商標)の商品名で販売されている製品である(無水マレイン酸/C30~C38α-オレフィン/マレイン酸イソプロピルコポリマー)。
-(d)次に示すものを含むアクリル系ターポリマー:
i)約20質量%~70質量%のα,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸[A]、
ii)約20質量%~80質量%の、[A]以外のα,β-モノエチレン性不飽和非界面活性剤モノマー、
iii)約0.5質量%~60質量%の、1つの水酸基を有する界面活性剤とモノエチレン性不飽和モノイソシアネートとの反応生成物である非イオン性モノウレタン、
例えば、欧州特許出願公開第A0173109号明細書で説明されているもの、より具体的には実施例3で説明されているターポリマー、すなわちメタクリル酸/アクリル酸メチル/ベヘニルアルコールジメチル-メタ-イソプロペニルベンジルイソシアネートエトキシル化物(40EO)のターポリマーの水性25%分散物。
-(e)モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸と、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びオキシアルキレン化脂肪アルコールのエステルと、を含むコポリマー。
【0121】
優先的には、これらの化合物は、モノマーとして、α,β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びC~Cアルコールのエステルも含む。
【0122】
この種の化合物の例として、メタクリル酸/アクリル酸エチル/オキシアルキレン化メタクリル酸ステアリルのターポリマーであるRoehm&Haas社から販売されているAculyn 22(登録商標)及びまた、Roehm&Haas社から販売されているAculyn 88を挙げることができる。
【0123】
好都合には、会合性ポリマーは、アクリル会合性ポリマー、より優先的にはカルボン酸アクリル会合性ポリマーから選択される。
【0124】
特に好ましくは、非カルボン酸アニオン性増粘剤とは異なる会合性ポリマーは、それらのモノマーの中にα、β-モノエチレン性不飽和カルボン酸及びα、β-モノエチレン性不飽和カルボン酸とオキシアルキレン化脂肪族アルコールとのエステルを含むコポリマーから選択される。
【0125】
好都合なことに、会合性ポリマーの総量は、組成物Bの総質量に対して、0.1質量%~30質量%、好ましくは0.1質量%~20質量%、より優先的には0.2質量%~10質量%、より良好には0.2質量%~5質量%、さらにより具体的には0.2質量%~2質量%の範囲である。
【0126】
好都合なことに、会合性ポリマーの総量は、組成物Cの総質量に対して0.05質量%~15質量%、好ましくは0.05質量%~10質量%、より優先的には0.1質量%~5質量%、一層より優先的には0.1質量%~1質量%の範囲である。
【0127】
少なくとも1つのカルボン酸基を含む化合物
本発明による着色方法の文脈で使用される本発明による組成物Bは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物を含む。
【0128】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる化合物は、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーン化合物、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択される。
【0129】
ポリウレタン及びアクリルポリマー:
好ましい実施形態によれば、組成物Bは、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択される少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる1つ以上の化合物を含む。
【0130】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる化合物は、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択されるポリマーの粒子の水性分散物の形態である。
【0131】
好ましくは、組成物Bは、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物の粒子の水性分散物の形態で少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる1つ以上の化合物を含む。
【0132】
したがって、本実施形態において、ポリマー粒子の水分散物に使用されるポリマーは、会合性ポリマーとは異なる。
【0133】
この分散物は、化粧用組成物を水性媒体中に分散させた単純な分散物であり得る。分散物の特定の例として、ラテックスを挙げることができる。
【0134】
ポリマー粒子の水性分散物は、ポリウレタン粒子の水性分散物から選択することができる。
【0135】
より詳細には、本発明において使用される水性分散物中に存在するポリウレタンは:
-以下の式(A):
【化11】
(式中、
-Rは、ジヒドロキシル化された化合物の2価の基を表し、
-Rは、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートの基を表し、
-Rは、1つ以上のイオン性基で任意選択的に置換された低分子量ジオールの基を表し、
-nは、1~5の範囲の整数を表し、及び
-mは、1を超える)
のプレポリマーと;
-以下の式(B):
N-R-NH (B)
(式中、Rは、1つ以上のイオン性又は潜在的イオン性基で置換されていないアルキレン又はアルキレンオキシド基を表す)
に従う少なくとも1つの鎖延長剤と;
-以下の式(C):
N-R-NH (C)
(式中、Rは、1つ以上のイオン性又は潜在的イオン性基で置換されたアルキレン基を表す)
に従う少なくとも1つの鎖延長剤と
の反応により得られる。
【0136】
本発明に従って使用することができるジヒドロキシル化された化合物の中でも、特に2個のヒドロキシル基を含有し、数平均分子量が約700~約16000、好ましくは約750~約5000である化合物を挙げることができる。高分子量のジヒドロキシル化された化合物の例としては、ポリオールポリエステル、ポリオールポリエーテル、ポリヒドロキシル化ポリカーボネート、ポリヒドロキシル化ポリアセテート、ポリヒドロキシル化ポリアクリレート、ポリヒドロキシル化アミドポリエステル、ポリヒドロキシル化ポリアルカジエン、ポリヒドロキシル化ポリチオエーテル及びこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、ヒドロキシル化された化合物は、ポリオールポリエステル、ポリオールポリエーテル、ポリヒドロキシル化ポリカーボネート及びこれらの混合物から選択される。
【0137】
本発明に従って使用することができるポリイソシアネートは、特に、分子量が約112~1000、好ましくは約140~400である有機ジイソシアネートから選択される。
【0138】
好ましくは、ポリイソシアネートは、ジイソシアネートから、より詳細には一般式R(NCO)(式中、Rは、4~18個の炭素原子を含有する2価の脂肪族炭化水素系基、5~15個の炭素原子を含有する2価の脂環式炭化水素系基、7~15個の炭素原子を含有する2価の芳香脂肪族炭化水素系基又は6~15個の炭素原子を含有する2価の芳香族炭化水素系基を表す)で表されるものから選択される。
【0139】
好ましくは、Rは、有機ジイソシアネートを表す。有機ジイソシアネートの例は、特に、以下から選択することができる:テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,3-ジイソシアナトシクロヘキサン、1,4-ジイソシアナトシクロヘキサン、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンイソシアネート(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、ビス(4-イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,3-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)メタン、トルエンジイソシアネート(TDI)の異性体、例えばトルエン2,4-ジイソシアネート、トルエン2,6-ジイソシアネート及びこれらの混合物、水素化トルエンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’-ジイソシアネート及びそのジフェニルメタン2,4-ジイソシアネート異性体と、任意選択的にジフェニルメタン2,2’-ジイソシアネート異性体との混合物、ナフタレン1,5-ジイソシアネート並びにこれらの混合物。
【0140】
好ましくは、ジイソシアネートは、脂肪族及び脂環式ジイソシアネートであり、より優先的には1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンイソシアネート及びこれらの混合物から選択される。
【0141】
本発明による「低分子量ジオール」という用語は、分子量が約62~700、好ましくは62~200であるジオールを指す。これらのジオールは、脂肪族基、脂環式基又は芳香族基を含むことができる。好ましくは、これらは、脂肪族基のみを含む。
【0142】
好ましくは、Rは、20個を超える炭素原子を含有する低分子量ジオールを表し、より優先的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、水素化ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン)及びこれらの混合物から選択される。
【0143】
低分子量ジオールは、任意選択的に、イオン性又は潜在的イオン性基を含むことができる。イオン性又は潜在的イオン性基を含有する低分子量ジオールの例は、特に、特許である米国特許第3412054号明細書に記載されている。この種の化合物は、好ましくは、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、カルボキシル基を含有するポリカプロラクトンジオール及びこれらの混合物から選択される。
【0144】
イオン性又は潜在的イオン性基を含有する低分子量ジオールが使用される場合、これらは、好ましくは、ポリウレタン分散物中にポリウレタン1グラム当たりCOOHが0.30meq未満存在する量で使用される。
【0145】
プレポリマーは、2つの群に属する連鎖延長剤を用いることにより鎖延長される。鎖延長剤の第1の群は、一般式(B)の化合物に対応する。
【0146】
式(B)の鎖延長剤は、好ましくは、アルキレンジアミン、例えばヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4-ブチレンジアミン、ピペラジン;アルキレンオキシドジアミン、例えば3-{2-[2-(3-アミノプロポキシ)エトキシ]エトキシ}プロピルアミン(ジプロピルアミンジエチレングリコール又はDPA-DEGとしても知られ、Tomah Products,Milton,Wis.から入手可能)、2-メチル-1,5-ペンタンジアミン(DuPontからのDytec A)、ヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、4,4-メチレンジ(シクロヘキシルアミン)、Tomah Products,Milton,Wis.より入手可能なDPAシリーズのエーテル-アミン、例えばジプロピルアミンプロピレングリコール、ジプロピルアミンジプロピレングリコール、ジプロピルアミントリプロピレングリコール、ジプロピルアミンポリ(プロピレングリコール)、ジプロピルアミンエチレングリコール、ジプロピルアミンポリ(エチレングリコール)、ジプロピルアミン1,3-プロパンジオール、ジプロピルアミン2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジプロピルアミン1,4-ブタンジオール、ジプロピルアミン1,3-ブタンジオール、ジプロピルアミン1,6-ヘキサンジオール及びジプロピルアミンシクロヘキサン-1,4-ジメタノール;並びにこれらの混合物から選択される。
【0147】
鎖延長剤の第2の群は、一般式(C)の化合物に対応する。この種の化合物は、好ましくは、イオン性又は潜在的イオン性基と、イソシアネート基と反応することができる2個の基とを有する。この種の化合物は、任意選択的に、イソシアネート基と反応する2個の基と、イオン性であるか又はイオン性基を形成することができる1つの基とを含むことができる。
【0148】
イオン性又は潜在的イオン性基は、好ましくは、三級若しくは四級アンモニウム基又はこの種の基に変換することができる基、カルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基及びスルホネート基から選択することができる。三級又は四級アンモニウム基の塩に変換することができる基の少なくとも一部の変換は、水と混合する前又は混合時に行うことができる。
【0149】
式(C)の鎖延長剤は、好ましくは、ジアミノスルホネート、例えばN-(2-アミノエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(ASA)のナトリウム塩、N-(2-アミノエチル)-2-アミノプロピオン酸のナトリウム塩及びこれらの混合物から選択される。
【0150】
本発明により使用することができるポリウレタンは、任意選択的に、それぞれの鎖末端に位置し、前記連鎖を停止する化合物(連鎖停止剤)も含むことができる。この種の化合物は、特に、米国特許第7445770号明細書及び/又は米国特許第7452770号明細書に記載されている。
【0151】
好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物の粘度は、23℃で2000mPa.s未満であり、より優先的には1500未満、より良好には1000未満である。一層より好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物のガラス転移温度は、0℃未満である。
【0152】
同じく好ましくは、ポリウレタン水性分散物のポリウレタン(又は活性物質若しくは固形分)含有量は、分散物の質量を基準として20質量%~60質量%、より優先的には25質量%~55質量%、一層より良好には30質量%~50質量%である。これは、水性分散物のポリウレタン含有量(固形分)が分散物の総質量に対して好ましくは20質量%~60質量%、より優先的には25質量%~55質量%、より良好には30質量%~50質量%であることを意味する。
【0153】
同じく好ましくは、ポリウレタン粒子の水性分散物のガラス転移温度(Tg)は、-25℃以下、好ましくは-35℃未満、より優先的には-40℃未満である。
【0154】
ポリウレタン粒子の平均径は、約1000nmまで、例えば約50nm~約800nm、より良好には約100nm~約500nmの範囲であり得る。これらの粒子径は、レーザー粒子径分布測定装置(例えば、Brookhaven BI90)を用いて測定することができる。
【0155】
ポリウレタン水性分散物の非限定的な例として、BayerからBaycusan(登録商標)の名称で販売されているもの、例えばBaycusan(登録商標)C1000(INCI名:ポリウレタン-34)、Baycusan(登録商標)C1001(INCI名:ポリウレタン-34)、Baycusan(登録商標)C1003(INCI名:ポリウレタン-32)、Baycusan(登録商標)C1004(INCI名:ポリウレタン-35)及びBaycusan(登録商標)C1008(INCI名:ポリウレタン-48)を挙げることができる。
【0156】
イソフタル酸/アジピン酸コポリマー/へキシレングリコール/ネオペンチルグリコール/ジメチロール酸/イソホロンジイソシアネートのポリウレタン水性分散物(INCI名:ポリウレタン-1、例えばBASFのLuviset(登録商標)PUR)、ポリカーボネートのポリウレタン、脂肪族ポリエステルのポリウレタン及び脂肪族ポリウレタン(例えば、DSMのNeorez(登録商標)シリーズ、例えばNeorez(登録商標)R989、Neorez(登録商標)及びR-2202)も挙げることができる。
【0157】
好ましい実施形態によれば、ポリウレタン粒子の水性分散物は、INCI名ポリウレタン-35を有する化合物又はINCI名ポリウレタン-34を有する化合物の粒子の水性分散物から選択することができる。
【0158】
好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる化合物は、アクリルポリマーの粒子の水性分散物の形態であり、より優先的には皮膜形成アクリルポリマー粒子の水性分散物の形態である。
【0159】
本発明の目的のために、「ポリマー」という用語は、1つ以上の単位(これらの単位は、モノマーとして知られる化合物から誘導される)の繰り返しに対応する化合物を意味する。この又はこれらの単位は、少なくとも2回、好ましくは少なくとも3回繰り返される。
【0160】
「皮膜形成性ポリマー」という用語は、単独で又は補助的な皮膜形成剤の存在下において、支持体、特にケラチン性物質上に巨視的に連続した皮膜、好ましくは凝集性皮膜を形成することができるポリマーを指す。
【0161】
本発明の目的のために、「アクリル系ポリマー」という用語は、(メタ)アクリル酸及び/若しくは(メタ)アクリル酸エステル並びに/又は(メタ)アクリル酸アミドから選択される少なくとも1つのモノマーから合成されるポリマーを意味する。
【0162】
ポリマーの(メタ)アクリル酸モノマーから誘導された単位は、任意選択的に、塩の形態、特にアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩若しくはアンモニウム塩又は有機塩基塩の形態であり得る。
【0163】
(メタ)アクリル酸エステル((メタ)アクリレートとしても知られる)は、有利には、アルキル(メタ)アクリレート、特にC~C30、好ましくはC~C20、より良好にはC~C10アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、特にC~C10アリール(メタ)アクリレート及びヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、特にC~Cヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートから選択される。
【0164】
アルキル(メタ)アクリレートの中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート及びシクロヘキシル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0165】
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの中でも、ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート及び2-ヒドロキシプロピルメタクリレートを挙げることができる。
【0166】
アリール(メタ)アクリレートの中でも、ベンジルアクリレート及びフェニルアクリレートを挙げることができる。
【0167】
特に好ましい(メタ)アクリル酸エステルは、アルキル、好ましくはC~C30、より優先的にはC~C20、一層より良好にはC~C10、一層より詳細にはC~Cアルキル(メタ)アクリレートである。
【0168】
本発明によれば、エステルのアルキル基は、フッ素化され得るか、又は更に過フッ素化され得、即ちアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている。
【0169】
(メタ)アクリル酸アミドの例としては、(メタ)アクリルアミドに加えて、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、特にN-(C~C12アルキル)(メタ)アクリルアミドも挙げることができる。N-アルキル(メタ)アクリルアミドの中でも、N-エチルアクリルアミド、N-t-ブチルアクリルアミド、N-t-オクチルアクリルアミド及びN-ウンデシルアクリルアミドを挙げることができる。
【0170】
本発明によるアクリル系ポリマーは、ホモポリマー又はコポリマー、有利にはコポリマー、より良好には(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマーであり得る。
【0171】
好ましくは、本発明によるアクリル系ポリマーは、以下のモノマー:
a)(メタ)アクリル酸;及び
b)C~C30、より優先的にはC~C20、より良好にはC~C10、一層詳細にはC~Cアルキル(メタ)アクリレート由来の1つ以上の単位を含む。
【0172】
好ましくは、アクリル系ポリマー粒子の水性分散物は、界面活性剤を含まない。
【0173】
「界面活性剤」という用語は、2つの表面間の表面張力を調整することができる任意の薬剤を指す。
【0174】
本発明によるアクリル系ポリマーの中でも、(メタ)アクリル酸とメチル又はエチル(メタ)アクリレートとのコポリマー、特にメタクリル酸とエチルアクリレートとのコポリマー、例えばLuvimer MAEの商品名でBASF社から販売されている化合物、又はFixate Superhold Polymerの商品名でLubrizol社から販売されている化合物であるポリアクリレート-2クロスポリマー、又はDaitosol 3000VP3の商品名で大東化成工業株式会社(Daito Kasei Kogyo)から販売されている化合物であるアクリレートコポリマー、又はDaitosol 3000 SLPN-PE1の商品名で大東化成工業株式会社(Daito Kasei Kogyo)から販売されている化合物であるアクリレートポリマーを挙げることができる。
【0175】
アクリル系ポリマーは、任意選択的に、(メタ)アクリル酸及び/若しくは(メタ)アクリル酸エステル並びに/又は(メタ)アクリル酸アミドモノマー以外の1つ以上の追加のモノマーを含むことができる。
【0176】
追加のモノマーとして、例えば、スチレンモノマー、特にスチレン及びα-メチルスチレン、好ましくはスチレンが挙げられるであろう。
【0177】
特に、アクリル系ポリマーは、スチレン/(メタ)アクリレートコポリマー、特に少なくとも1つのスチレンモノマーと、少なくとも1つのC~C20、好ましくはC~C10アルキル(メタ)アクリレートモノマーとを重合させることにより得られるコポリマーから選択されるポリマーであり得る。
【0178】
~C10アルキル(メタ)アクリレートモノマーは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート及び2-エチルヘキシルアクリレートから選択することができる。
【0179】
アクリル系ポリマーとしては、Joncryl 77の名称でBASF社から、Yodosol GH41Fの名称でAkzo Nobel社から及びSyntran 5760 CGの名称でInterpolymer社から販売されているスチレン/(メタ)アクリレートコポリマーを挙げることができる。
【0180】
好ましくは、組成物Bは、アクリル系ポリマー粒子の少なくとも1つの水性分散物を含む。
【0181】
より優先的には、組成物Bは、以下のモノマー:
a)(メタ)アクリル酸;及び
b)C~C30、より優先的にはC~C20、より良好にはC~C10、一層詳細にはC~Cアルキル(メタ)アクリレート由来の1つ以上の単位を含むアクリル系ポリマー粒子の少なくとも1つの水性分散物を含む。
【0182】
好ましくは、アクリル系ポリマー粒子の水性分散物のアクリル系ポリマー(又は活性物質若しくは固形分)含有量は、分散物の質量を基準として20質量%~60質量%、より優先的には22質量%~55質量%、より良好には25質量%~50質量%である。
【0183】
組成物B中に存在する、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる化合物の総量は、組成物Bの総質量に対して好ましくは0.2質量%~60質量%、より優先的には1質量%~55質量%、より良好には5質量%~50質量%、一層より優先的には10質量%~45質量%の範囲である。
【0184】
少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる化合物の総量は、組成物Cの総質量に対して好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5質量%~30質量%、より良好には1質量%~25質量%、一層より優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0185】
ポリウレタン、アクリルポリマー、及びその混合物から選択される、前述の会合性ポリマーとは異なるポリマー粒子の水性分散物の総量は、組成物Bの総質量に対して、好ましくは0.2質量%~60質量%、より優先的には1質量%~55質量%、さらにより好ましくは5質量%~50質量%、さらにより優先的には10質量%~45質量%の範囲である。
【0186】
特定の実施形態によれば、先に記載された会合性ポリマーとは異なるアクリルポリマー粒子の水性分散物の総量は、組成物Bの総質量に対して、好ましくは0.2質量%~60質量%、より優先的には1質量%~55質量%、さらに良好には5質量%~50質量%、さらにより優先的には10質量%~45質量%の範囲である。
【0187】
ポリウレタン、アクリルポリマー、及びその混合物から選択される、前述の会合性ポリマーとは異なるポリマー粒子の水性分散物の総量は、組成物Cの総質量に対して、好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5%~30質量%、さらにより好ましくは1質量%~25質量%、さらにより優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0188】
特定の実施形態によれば、先に記載された会合性ポリマーとは異なるアクリルポリマー粒子の水性分散物の総量は、組成物Cの総質量に対して、好ましくは0.1質量%~35質量%、より優先的には0.5質量%~30質量%、さらに良好には1質量%~25質量%、さらにより優先的には3質量%~25質量%の範囲である。
【0189】
少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する化合物
本発明による着色方法の文脈で使用される、本発明による組成物Bは、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物を含む。
【0190】
有利には、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する前記化合物は、芳香族又は非芳香族である。
【0191】
好ましくは、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する化合物は、500g/mol未満、より優先的には300g/mol未満、さらに良好には250g/mol未満の分子量を有するものから選択される。
【0192】
好ましくは、前記組成物Bは、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも2つの化合物を含む。
【0193】
特定の実施形態によれば、前記組成物Bが少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも2つの化合物を含む場合、少なくとも1つは芳香族化合物であり、少なくとも1つは非芳香族化合物である。
【0194】
特定の実施形態によれば、前記組成物Bは、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも3つの化合物を含む。
【0195】
好ましくは、組成物Bは、フェノキシエタノール、1,2-ヘキサンジオール、4-ヒドロキシアセトフェノン、エタノール、クロルフェネシン、ペンチレングリコール及びその混合物から選択される少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含む。
【0196】
特定の実施形態によれば、組成物Bは、フェノキシエタノール、1,2-ヘキサンジオール、4-ヒドロキシアセトフェノン、エタノール、クロルフェネシン、ペンチレングリコール及びその混合物から選択される少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも3つの化合物、好ましくは少なくとも4つの化合物を含む。
【0197】
特に好ましい実施形態によれば、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する前記化合物は、フェノキシエタノール、1,2-ヘキサンジオール、4-ヒドロキシアセトフェノン、エタノール、クロルフェネシン及びペンチレングリコールの混合物から選択される。
【0198】
他の実施形態によれば、組成物Bは、組成物Bの総質量に対して、好ましくは0.1質量%~2質量%の範囲、より優先的には0.5質量%~1.5質量%の範囲の含有量で、少なくとも1,2-ヘキサンジオールを含む。
【0199】
有利には、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する化合物の総含有量は、組成物Bの総質量に対して、少なくとも2質量%、好ましくは少なくとも3質量%、より優先的には3質量%~30質量%、さらにより優先的には4質量%~20質量%、さらにより好ましくは5質量%~15質量%である。
【0200】
着色剤
本発明による着色方法の文脈で使用される、本発明による組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料、及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む。
【0201】
好ましくは、組成物Bは、顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む。
【0202】
有利には、本発明による着色方法の文脈で使用される、本発明による組成物A及び/又は組成物Bは、1つ以上の顔料を含む。
【0203】
好ましくは、本発明による組成物Bは、1つ以上の顔料を含む。
【0204】
用語「顔料」は、ケラチン物質着色する任意の顔料を指す。これらの25℃及び大気圧(760mmHg)下における水への溶解度は、0.05質量%未満、好ましくは0.01%未満である。
【0205】
使用され得る顔料は、特に当技術分野において知られている、特にKirk-Othmer’s Encyclopedia of Chemical Technology and in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistryに記載されている有機及び/又は鉱物顔料から選択される。
【0206】
これらは、天然起源の天然物又は非天然物であり得る。
【0207】
これらの顔料は、顔料粉末又はペースト形態であり得る。それらは、コーティングされていてもコーティングされていなくてもよい。
【0208】
顔料は、例えば、鉱物顔料、有機顔料、レーキ、真珠光沢剤又は光輝フレークなどの特殊効果を有する顔料及びその混合物から選択され得る。
【0209】
顔料は、鉱物顔料であり得る。「鉱物顔料」という用語は、Ullmann’s encyclopaediaにおける無機顔料に関する章での定義を満たす任意の顔料を指す。本発明に有用な鉱物顔料の中でも、酸化鉄、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー及び酸化チタンが挙げられ得る。
【0210】
顔料は、有機顔料であり得る。「有機顔料」という用語は、Ullmann’s encyclopaediaの有機顔料に関する章の定義を満たす任意の顔料を指す。
【0211】
有機顔料は、特に、ニトロソ、ニトロ、アゾ、キサンテン、ピレン、キノレイン、キノリン、アントラキノン、トリフェニルメタン、フルオラン、フタロシアニン、金属錯体、イソインドリノン、イソインドリン、キナクリドン、ペリノン、ペリレン、ジケトピロロピロール、インジゴ、チオインジゴ、ジオキサジン、トリフェニルメタン及びキノフタロン化合物から選択することができる。
【0212】
特に、白色又は有色有機顔料は、カーマイン、カーボンブラック、アニリンブラック、アゾイエロー、キナクリドン、フタロシアニンブルー、カラーインデックスにおいてCI 42090、69800、69825、74100、74160の参照番号で分類される青色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11680、11710、19140、20040、21100、21108、47000、47005の参照番号で分類される黄色顔料、カラーインデックスにおいてCI 61565、61570、74260の参照番号で分類される緑色顔料、カラーインデックスにおいてCI 11725、45370、71105の参照番号で分類される橙色顔料、カラーインデックスにおいてCI 12085、12120、12370、12420、12490、14700、15525、15580、15620、15630、15800、15850、15865、15880、26100、45380、45410、58000、73360、73915、75470の参照番号で分類される赤色顔料、仏国特許第2679771号明細書に記載されているインドール又はフェノール誘導体の酸化重合によって得られる顔料から選択することができる。
【0213】
有機顔料の顔料ペーストの例として、Hoechst社から以下の名称で販売されている製品なども挙げることができる:
- Cosmenyl Yellow 10G:ピグメントイエロー3(CI 11710);
- Cosmenyl Yellow G:ピグメントイエロー1(CI 11680);
- Cosmenyl Orange GR:ピグメントオレンジ43(CI 71105);
- Cosmenyl Red R:ピグメントレッド4(CI 12085);
- Cosmenyl Carmine FB:ピグメントレッド5(CI 12490);
- Cosmenyl Violet RL:ピグメントバイオレット23(CI 51319);
- Cosmenyl Blue A2R;ピグメントブルー15.1(CI 74160);
- Cosmenyl Green GG:ピグメントグリーン7(CI 74260);
- Cosmenyl Black R:ピグメントブラック7(CI 77266)。
【0214】
本発明における顔料は、欧州特許第1184426号明細書に記載されているような複合顔料の形態であり得る。これらの複合顔料は、特に、無機物質の芯物質と、有機顔料を芯物質に結合させる少なくとも1つの結合剤と、芯物質の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの有機顔料とを含む粒子から構成されるものであり得る。
【0215】
有機顔料は、レーキであってもよい。「レーキ」という用語は、不溶性の粒子の上に吸着された色素を指し、そのため、そのようにして得られた複合物は、使用時にも、不溶性を残している。
【0216】
その上に色素が吸着される鉱物基材は、例えば、アルミナ、シリカ、ホウケイ酸カルシウムナトリウム又はホウケイ酸カルシウムアルミニウム及びアルミニウムである。
【0217】
染料の中でも、カルミン酸を挙げることができる。以下の名称:D&C Red 21(CI 45 380)、D&C Orange 5(CI 45 370)、D&C Red 27(CI 45 410)、D&C Orange 10(CI 45 425)、D&C Red 3(CI 45 430)、D&C Red 4(CI 15 510)、D&C Red 33(CI 17 200)、D&C Yellow 5(CI 19 140)、D&C Yellow 6(CI 15 985)、D&C Green 5(CI 61 570)、D&C Yellow 10(CI 77 002)、D&C Green 3(CI 42 053)、D&C Blue 1(CI 42 090)で知られる染料を挙げることもできる。
【0218】
レーキの例として、以下の名称:D&C Red 7(CI 15 850:1)で知られる製品が挙げられる。
【0219】
顔料は、特殊効果を有する顔料とすることもできる。「特殊効果を持った顔料」という用語は、一様でない、及び観測の条件(光、温度、観測角等)に応じて変化する着色した外観(特定の色合い、特定の精彩及び特定レベルの輝度で特徴付けられる)を一般に生み出す顔料を意味する。それによって、それらは、標準的な一様な不透明、半透明又は透明の色合いを呈する、着色した顔料とは異なる。
【0220】
特殊効果を有する顔料には、いくつつかの種類がある:蛍光又はフォトクロミック顔料などの低屈折率を有するもの及び真珠光沢剤、干渉顔料又は光輝フレークなどの高屈折率を有するもの。
【0221】
言及し得る特別な効果を有する顔料の例としては、チタン又はオキシ塩化ビスマスでコーティングされた雲母等の真珠光沢顔料、チタン及び酸化鉄でコーティングされた雲母等の着色真珠光沢顔料、酸化鉄でコーティングされた雲母、チタンでコーティングされ、特に第二鉄ブルー又は酸化クロムでコーティングされた雲母、チタンでコーティングされ、先に定義された有機顔料でコーティングされた雲母、及びオキシ塩化ビスマスに基づく真珠光沢顔料も含まれる。真珠光沢顔料として、BASFにより販売されているCellini(雲母-TiO-レーキ)、Eckartにより販売されているPrestige(雲母-TiO)、Eckartにより販売されているPrestige Bronze(雲母-Fe)、又はMerckにより販売されているColorona(雲母-TiO-Fe)といった真珠光沢剤を挙げることができる。
【0222】
金色真珠光沢剤、特にBASF社からBrilliant Gold 212G(Timica)、Gold 222C(Cloisonne)、Sparkle gold(Timica)、Gold 4504(Chromalite)及びMonarch gold 233X(Cloisonne)の名称で販売されているもの;青銅色真珠光沢剤、特にMerck社からBronze fine(17384)(Colorona)及びBronze(17353)(Colorona)の名称において且つBASF社からSuper bronze(Cloisonne)の名称で販売されているもの;橙色真珠光沢剤、特にBASF社からOrange 363C(Cloisonne)及びOrange MCR 101(Cosmica)の名称において且つMerck社からPassion orange(Colorona)及びMatte orange(17449)(Microna)の名称で販売されているもの;褐色真珠光沢剤、特にBASF社からNu-antique Copper 340XB(Cloisonne)及びBrown CL4509(Chromalite)の名称で販売されているもの;銅色味を帯びた真珠光沢剤、特にBASF社からCopper 340A(Timica)の名称で販売されているもの;赤色味を帯びた真珠光沢剤、特にMerck社からSienna fine(17386)(Colorona)の名称で販売されているもの;黄色味を帯びた真珠光沢剤、特にBASF社からYellow(4502)(Chromalite)の名称で販売されているもの;金色味を帯びた赤色真珠光沢剤、特にBASF社からSunstone G012(Gemtone)の名称で販売されているもの;桃色真珠光沢剤、特にBASF社からTan opale G005(Gemtone)の名称で販売されているもの;金色味を帯びた黒色真珠光沢剤、特にBASF社からNu antique bronze 240 AB(Timica)の名称で販売されているもの;青色真珠光沢剤、特にMerck社からMatte blue(17433)(Microna)の名称で販売されているもの;銀色味を帯びた白色真珠光沢剤、特にMerck社からXirona Silverの名称で販売されているもの;並びに金緑色~桃色~橙色に変化する真珠光沢剤、特にMerck社からIndian summer(Xirona)の名称で販売されているもの;並びにこれらの混合物も挙げられ得る。
【0223】
真珠光沢性剤の更なる例として、酸化チタンで被覆されたボロシリケート基材を含む粒子も挙げられ得る。
【0224】
酸化チタンで被覆されたガラス基材を含む粒子は、特に、Toyal社からMetashine MC1080RYの名称で販売されている。
【0225】
最後に、真珠光沢剤の例として、ポリエチレンテレフタレートグリッターフレーク、特にMeadowbrook Inventions社からSilver 1P 0.004X0.004(銀色グリッターフレーク)の名称で販売されているものも挙げることができる。合成基材、例えば、アルミナ、シリカ、カルシウムナトリウムボロシリケート、カルシウムアルミニウムボロシリケート、及びアルミニウム等をベースとする多層顔料を想定することもできる。
【0226】
特殊効果を有する顔料は、反射性粒子、即ちそのサイズ、構造、特にそれを構成している層の厚み並びに物理的及び化学的性質、並びに表面状態に起因して入射光を反射することが可能な粒子から選択することもできる。この反射は、適切であれば、メーキャップすべき支持体にそれを適用した場合、組成物又は混合物の表面に肉眼で視認することができる光輝点、即ち周囲よりも目立って輝いて見える、より明るい点を生じさせるのに十分な強度を有することができる。
【0227】
反射性粒子は、それと組み合わされる着色剤がもたらす呈色効果を大きく変化させないように、より具体的には演色性の観点でこの効果を最適化するように選択することができる。これらは、より具体的には、黄色、桃色、赤色、青銅色、橙色、褐色、金色及び/又は銅色の色彩又は色合いを有し得る。
【0228】
これらの粒子は、様々な形態を有し得、特に小板又は小球形態、特に球形態であり得る。
【0229】
反射性粒子は、その形態に関わらず、多層構造を有していても又は有していなくてもよく、多層構造の場合、例えば均一な厚みを有する、特に反射性材料の少なくとも1つの層を有し得る。
【0230】
反射性粒子が多層構造を有しない場合、これらは、金属酸化物、特に合成によって得られた酸化チタン又は酸化鉄で構成され得る。
【0231】
反射性粒子が多層構造を有する場合、これらは、例えば、反射性材料、特に少なくとも1つの金属又は金属性材料の少なくとも1つの層で少なくとも部分的に被覆された、天然又は合成基材、特に合成基材を含み得る。基材は、1つ以上の有機材料及び/又は鉱物材料から作製可能である。
【0232】
より詳細には、これは、ガラス、セラミック、グラファイト、金属酸化物、アルミナ、シリカ、シリケート、特にアルミノシリケート及びボロシリケート及び合成雲母並びにこれらの混合物から選択することができるが、この一覧に限定されるものではない。
【0233】
反射性材料は、金属又は金属性材料の層を含み得る。
【0234】
反射性粒子は、特に、特開平09-188830号公報、特開平10-158450号公報、特開平10-158541号公報、特開平07-258460号公報及び特開平05-017710号公報の文書に記載されている。
【0235】
金属層でコーティングされた鉱物基材を含む反射性粒子の更なる例として、銀でコーティングされたボロシリケート基材を含む粒子も挙げられ得る。
【0236】
小板形態の銀コーティングガラス基材の粒子は、Toyal社からMicroglass Metashine REFSX 2025 PSの名称で販売されている。ニッケル/クロム/モリブデン合金でコーティングされたガラス基材の粒子は、同社からCrystal Star GF 550及びGF 2525の名称で販売されている。
【0237】
銀、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、モリブデン、金、銅、亜鉛、スズ、マグネシウム、鋼、青銅又はチタンなどの金属基材を含む粒子も利用することができ、前記基材は、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化セリウム、酸化クロム、酸化ケイ素及びこれらの混合物などの少なくとも1種の金属酸化物の少なくとも1つの層で被覆されている。
【0238】
例として、Eckart社からVisionaireの名称で販売されている、SiOで被覆されたアルミニウム粉末、青銅粉末又は銅粉末が挙げられ得る。
【0239】
基材に結合していない、液晶(WackerからのHelicones HC)又はホログラム光輝フレーク(SpectratekからのGeometric Pigments又はSpectra f/x)などの干渉効果を示す顔料も挙げられ得る。特殊効果を持った顔料はまた、蛍光顔料(これらは、昼光において蛍光を発する物質又は紫外蛍光を生み出す物質のいずれかである)、燐光顔料、フォトクロミック顔料、サーモクロミック顔料及び、例えばQuantum Dots Corporation社より販売されている、量子ドットを含む。
【0240】
本発明に使用され得る顔料の多様性により広範囲の色を得ることが可能であり、金属効果又は干渉効果などの特定の光学効果を得ることも可能である。
【0241】
本発明による組成物に使用される顔料のサイズは、概して、10nm~200μm、好ましくは20nm~80μm、より優先的には30nm~50μmである。
【0242】
顔料は、組成物中に分散剤により分散させることができる。
【0243】
分散剤は、分散している粒子の凝集又は軟凝集を防ぐ役割を果たす。この分散剤は、分散すべき粒子の表面に対して強力な親和性を有する1種以上の官能基を有する界面活性剤、オリゴマー、ポリマー又はこれらの幾つかの混合物であり得る。特に、これらは、顔料表面に物理的又は化学的に結合し得る。これらの分散剤はまた、連続媒体と相性が良いか又は連続媒体に可溶性である少なくとも1つの官能基を含有する。特に、12-ヒドロキシステアリン酸エステル及びC8~C20脂肪酸及びグリセロール又はジグリセロールなどのポリオールのエステル、例えば、分子量が約750g/molのポリ(12-ヒドロキシステアリン酸)ステアレート、例えば、AveciaからSolsperse 21000の名称で販売されている製品、HenkelからDehymyls PGPHの商品記号で販売されているポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート(CTFA名)又は他のポリヒドロキシステアリン酸、例えば、UniqemaからArlacel P100の商品記号で販売されている製品及びその混合物が使用される。
【0244】
本発明の組成物中に使用され得る他の分散剤として、重縮合した脂肪酸の第4級アンモニウム誘導体、例えばAvecia社により販売されているSolsperse 17000並びにポリジメチルシロキサン/オキシプロピレン混合物、例えばDow Corning社によりDC2-5185及びDC2-5225 Cの商品記号で販売されているものが挙げられ得る。
【0245】
組成物中に使用することができる顔料は、有機剤で表面処理されたものであり得る。
【0246】
したがって、本発明に関連して有用である予め表面処理された顔料は、有機薬剤を用いて化学的、電子的、電気化学的、機械化学的又は機械的な性質の表面処理を、全面的又は部分的に施した顔料、例えばCosmetics and Toiletries,February 1990,Vol.105,p.53~64に記載されているようなものであり、そのような処理をした後、本発明における組成物に分散される。これらの有機剤は、例えば、ロウ、例えばカルナウバロウ及びミツロウ;脂肪酸、脂肪アルコール及びこれらの誘導体、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール及びラウリン酸並びにこれらの誘導体;アニオン性界面活性剤;レシチン;脂肪酸のナトリウム、カリウム、マグネシウム、鉄、チタン、亜鉛又はアルミニウム塩、例えばステアリン酸又はラウリン酸アルミニウム;金属アルコキシド;ポリエチレン;(メタ)アクリル酸ポリマー、例えばポリメチルメタクリレート;アクリレート単位を含むポリマー及びコポリマー;アルカノールアミン;シリコーン化合物、例えばシリコーン、特にポリジメチルシロキサン;有機フッ素化合物、例えばパーフルオロアルキルエーテル;フルオロシリコーン化合物から選択することができる。
【0247】
本組成物に有用な表面処理された顔料は、これらの化合物の混合物で処理されたものであり得、且つ/又は数回の表面処理を施されたものであり得る。
【0248】
本発明に関連して有用な表面処理された顔料は、当業者によく知られている表面処理技法に従って調製され得るか、又はそのまま商業的に入手可能なものであり得る。
【0249】
好ましくは、表面処理された顔料は、有機層で被覆されている。
【0250】
それを用いて顔料を処理するための有機薬剤は、溶媒を蒸発させるか、表面処理剤の分子間で化学反応させるか、又は表面処理剤と顔料との間で共有結合を形成させることにより、顔料上に堆積し得る。
【0251】
したがって、表面処理は、例えば、表面処理剤と顔料表面とを化学反応させ、表面処理剤と顔料又は充填剤との間に共有結合を生成することにより実施され得る。この方法は、特に米国特許第4578266号明細書に記載されている。
【0252】
顔料と共有結合する有機剤が好ましく使用されるであろう。
【0253】
表面処理剤は、表面処理される顔料の総質量の0.1質量%~50質量%、好ましくは0.5質量%~30質量%、さらにより優先的には1質量%~20質量%を占めることができる。
【0254】
好ましくは、顔料の表面処理剤は、以下の処理剤から選択される:
-PEG-シリコーン処理剤、例えばLCWにより販売されているAQ表面処理剤;
-メチコン処理剤、例えばLCWにより販売されているSI表面処理剤;
-ジメチコン処理剤、例えばLCWにより販売されているCovasil 3.05表面処理剤;
-ジメチコン/トリメチルシロキシシリケート処理剤、例えばLCWから販売されているCovasil 4.05表面処理剤;
-ミリスチン酸マグネシウム処理剤、例えばLCWにより販売されているMM表面処理剤;
-ジミリスチン酸アルミニウム処理剤、例えば三好化成株式会社により販売されているMI表面処理剤;
-ペルフルオロポリメチルイソプロピルエーテル処理剤、例えばLCWにより販売されているFHC表面処理;
-イソステアリルセバケート処理剤、例えば三好化成株式会社により販売されているHS表面処理剤;
-ペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているPF表面処理剤;
-アクリレート/ジメチコンコポリマー及びペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているFSA表面処理剤;
-ポリメチルヒドロゲノシロキサン/ペルフルオロアルキルホスフェート処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているFS01表面処理剤;
-アクリレート/ジメチコンコポリマー処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているASC表面処理剤;
-トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているITT表面処理剤;
-アクリレートコポリマー処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているAPD表面処理剤;
-ペルフルオロアルキルホスフェート/トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理剤、例えば大東化成工業株式会社により販売されているPF+ITT表面処理剤。
【0255】
本発明の特定の実施形態によれば、分散剤は、サブミクロンサイズの粒子状形態の有機又は鉱物顔料と共に存在する。
【0256】
「サブミクロン」又は「サブミクロンの」という用語は、微粉化方法により微粉化された粒子径を有し、平均粒子径が1マイクロメートル(μm)未満、特に0.1~0.9μm、好ましくは0.2~0.6μmである顔料を指す。
【0257】
一実施形態によれば、分散剤及び顔料は、質量比に応じて、1:4~4:1、特に1.5:3.5~3.5:1、又はさらに良好には1.75:3~3:1の量(分散剤:顔料)で存在する。
【0258】
したがって、分散剤は、シリコーン骨格、例えばシリコーンポリエーテルを有し、且つアミノシリコーンタイプの分散剤であり得る。好適な分散剤としては、以下が挙げられる:
-アミノシリコーン、即ち1つ以上のアミノ基を含むシリコーン、例えば、BYKによりBYK LPX 21879の名で販売されているもの、Genesee Polymersにより、GP-4、GP-6、GP-344、GP-851、GP-965、GP-967及びGP-988-1の名で販売されているもの、
-シリコーンアクリレート、例えばEvonikにより販売されている、Tego(登録商標)RC 902、Tego(登録商標)RC 922、Tego(登録商標)RC 1041及びTego(登録商標)RC 1043、
-カルボキシル基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)シリコーン、例えば信越化学工業株式会社によるX-22162及びX-22370、エポキシシリコーン、例えばGenesee PolymersによるGP-29、GP-32、GP-502、GP-504、GP-514、GP-607、GP-682、及びGP-695、又はEvonikによるTego(登録商標)RC 1401、Tego(登録商標)RC 1403、Tego(登録商標)RC 1412。
【0259】
特定の一実施形態によれば、分散剤はアミノシリコーンタイプであり、カチオン性である。
【0260】
好ましくは、顔料は、鉱物顔料、鉱物-有機混合顔料、又は有機顔料から選択される。
【0261】
本発明の一変形形態において、顔料は、有機顔料、優先的にはシリコーン化合物から選択される有機剤で表面処理された有機顔料である。本発明の他の変形形態において、顔料は、鉱物顔料である。
【0262】
直接染料
本発明による方法の文脈で使用される組成物A及び/又は組成物Bは、1つ以上の直接染料を含み得る。特に、組成物Bは、1つ以上の直接染料を含み得る。
【0263】
「直接染料」という用語は、酸化性染料以外の天然及び/又は合成染料を意味する。これらは、繊維上に表面的に拡散することになる染料である。
【0264】
これらはイオン性又は非イオン性であり得、好ましくはカチオン性又は非イオン性である。
【0265】
好適な直接染料の例としては、単独で又は混合物形態での、アゾ直接染料;(ポリ)メチン染料、例えば、シアニン、ヘミシアニン、及びスチリル;カルボニル染料;アジン染料;ニトロ(ヘテロ)アリール染料;トリ(ヘテロ)アリールメタン染料;ポルフィリン染料;フタロシアニン染料;及び天然の直接染料を挙げることができる。
【0266】
直接染料は、好ましくは、カチオン性直接染料である。以下の式(XIII)及び(XIV)のヒドラゾノカチオン性染料並びに式(XV)及び(XVI):
Het-N(Ra)-N=C(Rb)-Ar,Q- (XIII)、
Het-C(Ra)=N-N(Rb)-Ar,Q (XIV)、
Het-N=N-Ar,Q- (XV)、
Ar-N=N-Ar’’,Q- (XVI)
(式(XIII)~(XVI)中、
-Het+は、優先的には環内にカチオン性電荷を有し、優先的には少なくとも1つのメチルなどの(C~C)アルキル基で任意選択的に置換された、イミダゾリウム、インドリウム又はピリジニウムなどのカチオン性ヘテロアリール基を表し;
-Ar+は、環外にカチオン性電荷、優先的にはアンモニウム、特にトリメチルアンモニウムなどのトリ(C~C)アルキルアンモニウムを有する、フェニル又はナフチルなどのアリール基を表し;
-Arは、優先的には1つ以上の電子供与性基、例えばi)任意選択的に置換された(C~C)アルキル、ii)任意選択的に置換された(C~C)アルコキシ、iii)アルキル基がヒドロキシル基で任意選択的に置換された(ジ)(C~C)(アルキル)アミノ、iv)アリール(C~C)アルキルアミノ、v)任意選択的に置換されたN-(C~C)アルキル-N-アリール(C~C)アルキルアミノで任意選択的に置換されたアリール基、特にフェニルを表すか、又は代わりに、Arは、ジュロリジン基を表し;
-Ar’’は、任意選択的に置換された(ヘテロ)アリール基、例えば、優先的には1つ以上の(C~C)アルキル、ヒドロキシル、(ジ)(C~C)(アルキル)アミノ、(C~C)アルコキシ又はフェニル基で任意選択的に置換された、フェニル又はピラゾリルを表し;
-Ra及びRbは、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子を表すか、又は任意選択的に(優先的にはヒドロキシル基で)置換された(C~C)アルキル基を表すか;
又はさもなければ、Hetの置換基と一緒の置換基Ra及び/又はArの置換基と一緒のRbは、それらを担持する原子と一緒になって(ヘテロ)シクロアルキルを形成し;特に、Ra及びRbは、水素原子又は、ヒドロキシル基で任意選択的に置換された(C~C)アルキル基を表し;
-Q-は、ハライド又はアルキルスルフェートなどの有機又は無機アニオン性対イオンを表す)
のアゾカチオン性染料を挙げることができる。
【0267】
特に、先に定義した式(XIII)~(XVI)の環内カチオン性電荷を有するアゾ及びヒドラゾノ直接染料、より詳細には、特許出願である国際公開第95/15144号パンフレット、国際公開第95/01772号パンフレット及び欧州特許第714954号明細書に記載されている環内カチオン性電荷を有するカチオン性直接染料、優先的には以下の直接染料を挙げることができる:
【化12】
(式(XVII)及び(XVIII)中、
-Rは、メチルなどの(C~C)アルキル基を表し;
-R及びRは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はメチルなどの(C~C)アルキル基を表し;
-Rは、水素原子を表すか、又は電子供与性基、例えば任意選択的に置換された(C~C)アルキル、任意選択的に置換された(C~C)アルコキシ若しくはアルキル基が任意選択的にヒドロキシル基で置換された(ジ)(C~C)(アルキル)アミノを表し;特に、Rは、水素原子であり;
-Zは、CH基又は窒素原子、優先的にはCHを表し、
-Q-は、上記で定義されたアニオン性対イオン、特に塩化物などのハロゲン化物又はメチルスルフェート若しくはメシルなどのアルキルスルフェートである)。
【0268】
特に、式(XV)及び(XVI)の染料は、Basic Red 51、Basic Yellow 87及びBasic Orange 31又はその誘導体から選択され、Q’は、先に定義したアニオン性対イオン、特にクロリドなどのハライド又はメチルスルフェート若しくはメシルなどのアルキルスルフェートである。
【0269】
直接染料は、アニオン性直接染料から選択することができる。本発明のアニオン性直接染料は、アルカリ性物質と親和性を有することに由来して、一般に「酸」直接染料と称される染料である。「アニオン性直接染料」という用語は、その構造中に少なくとも1つのCOR又はSOR置換基(式中、Rは、水素原子或いは金属若しくはアミンに由来する陽イオン又はアンモニウムイオンを表す)を含む直接染料を意味する。アニオン性染料は、直接ニトロ酸染料、アゾ酸染料、アジン酸染料、トリアリールメタン酸染料、インドアミン酸染料、アントラキノン酸染料、インジゴイド染料及び天然酸染料から選択することができる。
【0270】
本発明に有用な酸性染料として、以下の式(XIX)、(XIX’)、(XX)、(XX’)、(XXI)、(XXI’)、(XXII)、(XXII’)、(XXIII)、(XXIV)、(XXV)及び(XXVI)の染料が挙げられる:
a)式(XIX)又は(XIX’)のジアリールアニオン性アゾ染料:
【化13】
(式(XIX)及び(XIX’)中、
-R、R、R、R10、R’、R’、R’及びR’10は、同一であるか又は異なっていてよく、水素原子又は以下:
-アルキル;
-アルコキシ、アルキルチオ;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-ニトロ、ニトロソ;
-R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
-(O)S(O)-,M(式中、Mは水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
-(O)CO-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
-R’’-S(O)-(式中、R’’は、水素原子又はアルキル、アリール、(ジ)(アルキル)アミノ若しくはアリール(アルキル)アミノ基を表し;優先的にはフェニルアミノ又はフェニル基を表す);
-R’’’-S(O)-X’-(式中、R’’’は、任意選択的に置換されたアルキル基又はアリール基を表し、X’は、先に定義された通りである);
-(ジ)(アルキル)アミノ;
-i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)S(O)-、M及びiv)アルコキシから選択される1つ以上の基で任意選択的に置換され、Mが先に定義した通りであるアリール(アルキル)アミノ;
-任意選択的に置換されているヘテロアリール;優先的にはベンゾチアゾリル基;
-シクロアルキル;特にシクロヘキシル;
-Ar-N=N-(式中、Arは、任意選択的に置換されたアリール基;優先的には、1つ以上のアルキル、(O)S(O)-,M又はフェニルアミノ基によって任意選択的に置換されたフェニルを表す)から選択されるか;又は
-2個の隣接している基であるR及びR又はR及びR又はR及びR10が一緒になって、縮合ベンゾ基A’を形成し;R’及びR’又はR’及びR’又はR’及びR’10が一緒になって、縮合ベンゾ基B’を形成し;A’及びB’は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)S(O)-,M;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X’-;viii)R°-X’-C(X)-;ix)R°-X’-C(X)-X’’-;x)Ar-N=N-、及びxi)任意選択的に置換されたアリール(アルキル)アミノ;から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されており、M、R°、X、X’、X’’及びArは、先に定義した通りであり;
-Wは、シグマ結合σ、酸素若しくは硫黄原子、又は二価ラジカルを表し、i)Rが先に定義した通りである-NR-、又はii)メチレン-C(Ra)(Rb)-を表し、Ra及びRbは、同一であっても、又は異なっていてもよく、水素原子又はアリール基を表すか、或いはRa及びRbは、それらを有する炭素原子と一緒になって、スピロシクロアルキルを形成し;優先的に、Wは硫黄原子を表すか、又はRa及びRbが一緒になってシクロヘキシルを形成し;
式(XIX)及び(XIX’)は、環A、A’、B、B’又はCのうちの1つの上に、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-,M又は1つのカルボキシレート基(O)CO-,M;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことは理解される)。
【0271】
式(XIX)の染料の例として、Acid Red 1、Acid Red 4、Acid Red 13、Acid Red 14、Acid Red 18、Acid Red 27、Acid Red 28、Acid Red 32、Acid Red 33、Acid Red 35、Acid Red 37、Acid Red 40、Acid Red 41、Acid Red 42、Acid Red 44、Pigment Red 57、Acid Red 68、Acid Red 73、Acid Red 135、Acid Red 138、Acid Red 184、Food Red 1、Food Red 13、Acid Orange 6、Acid Orange 7、Acid Orange 10、Acid Orange 19、Acid Orange 20、Acid Orange 24、Yellow 6、Acid Yellow 9、Acid Yellow 36、Acid Yellow 199、Food Yellow 3、Acid Violet 7、Acid Violet 14、Acid Blue 113、Acid Blue 117、Acid Black 1、Acid Brown 4、Acid Brown 20、Acid Black 26、Acid Black 52、Food Black 1、Food Black 2、Food Yellow 3、又はSunset Yellowを挙げることができ;
式(XIX’)の染料の例として、Acid Red 111、Acid Red 134、Acid Yellow 38を挙げることができる。
b)式(XX)及び(XX’):
【化14】
(式(XX)及び(XX’)中、
-R11、R12及びR13は、同一であっても又は異なっていてもよく、水素、又はハロゲン原子、アルキル基、又は-(O)S(O)、M(式中、Mは、先に定義した通りである)を表し;
-R14は、水素原子、アルキル基又は-C(O)O,M基(式中、Mは、先に定義した通りである)を表し;
-R15は、水素原子を表し;
-R16は、オキソ基を表し、その場合、R’16は、存在しないか、又は代わりに、R15は、R16と一緒になって二重結合を形成し;
-R17及びR18は、同一であっても又は異なっていてもよく、水素原子を表すか、又は以下:
-(O)S(O)-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
-Ar-O-S(O)-(式中、Arは、任意選択的に置換されたアリール基を表し、優先的には、1つ以上のアルキル基で任意選択的に置換されたフェニルを表す)
から選択される基を表し;
-R19及びR20は、一緒になって、二重結合又は任意選択的に置換されたベンゾ基D’のいずれかを形成し;
-R’16、R’19及びR’20は、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル基又はヒドロキシル基を表し;
-R21は、水素原子又はアルキル基又はアルコキシ基を表し;
-Ra及びRbは、同一であるか又は異なり得、先に定義した通りであり、優先的には、Raは水素原子を表し、Rbはアリール基を表し;
-Yは、ヒドロキシル基又はオキソ基のいずれかを表し;

【化15】
は、Yがオキソ基である場合は単結合を表し;Yがヒドロキシル基を表す場合は二重結合を表し;
式(XX)及び(XX’)は、環D又はEのうちの1つの上に、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-,M又は1つのカルボキシレート基-C(O)O,M;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される)のピラゾロンアニオン性アゾ染料。
【0272】
式(XX)の染料の例として、Acid Red 195、Acid Yellow 23、Acid Yellow 27、Acid Yellow 76を挙げることができ;式(XX’)の染料の例として、Acid Yellow 17を挙げることができ;
c)式(XXI)及び(XXI’)のアントラキノン染料:
【化16】
(式(XXI)及び(XXI’)中:
-R22、R23、R24、R25、R26及びR27は、同一であるか又は異なっていてもよく、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は以下:
-アルキル;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-アルコキシ、アルキルチオ;
-アルキル及び(O)S(O),Mから選択される1つ以上の基によって優先的に置換された、任意選択的に置換されたアリールオキシ又はアリールチオ(式中、Mは先に定義した通りである);
-アルキル及び(O)S(O-)-,M(式中、Mは、先に定義した通りである)から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されたアリール(アルキル)アミノ;
-(ジ)(アルキル)アミノ;
-(ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
-(O)S(O)-,M(式中、Mは先に定義した通りである)
から選択される基を表し;
-Z’は、水素原子又は基NR2829を表し(式中、R28及びR29は同一であっても又は異なっていてもよく、水素原子又は以下;
-アルキル;
-ヒドロキシエチルなどのポリヒドロキシアルキル;
-1つ以上の基、特にi)メチル、n-ドデシル、n-ブチル等のアルキル;ii)(O)S(O)-、M(式中、Mは先に定義した通りである);iii)R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°、X、X’及びX’’は、先に定義した通りであり、優先的には、R°は、アルキル基を表す)で任意選択的に置換されたアリール;
-シクロアルキル、特にシクロヘキシル;
から選択される基を表す)を表し;
-Zは、ヒドロキシル及びNR’28R’29から選択される基を表し(式中、R’28及びR’29は同一であっても又は異なっていてもよく、先に定義したR28及びR29と同じ原子又は基を表す);
式(XXI)及び(XXI’)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-,M又は1つのカルボキシレート基C(O)O,M;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される)。
【0273】
式(XXI)の染料の例として、Acid Blue 25、Acid Blue 43、Acid Blue 62、Acid Blue 78、Acid Blue 129、Acid Blue 138、Acid Blue 140、Acid Blue 251、Acid Green 25、Acid Green 41、Acid Violet 42、Acid Violet 43、Mordant Red 3;EXT Violet No.2を挙げることができ;式(XXI’)の染料の例として、Acid Black 48を挙げることができる。
d)式(XXII)及び(XXII’)のニトロ染料:
【化17】
(式(XII)及び(XII’)の式中:
-R30、R31及びR32は、同一であるか又は異なり得、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は以下:
-アルキル;
-1つ以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換されたアルコキシ、1つ以上のヒドロキシル基で任意選択的に置換されたアルキルチオ;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-ニトロ、ニトロソ;
-ポリハロアルキル;
-R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°、X、X’、及びX’’は先に定義した通りである);
-(O)S(O)-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
-(O)CO-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
-(ジ)(アルキル)アミノ;
-(ジ)(ヒドロキシアルキル)アミノ;
-ピペリジノ、ピペラジノ又はモルホリノなどのヘテロシクロアルキルから選択される基を表し;特に、R30、R31及びR32は、水素原子を表し;
-Rc及びRdは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はアルキル基を表し;
-Wは、先に定義した通りであり;Wは特に、-NH-基を表し;
-ALKは、直鎖又は分岐の2価のC~Cアルキレン基を表し;特に、ALKは-CH-CH-基を表し;
-nは、1又は2であり;
-pは、1~5(境界値を含む)の整数を表し;
-qは、1~4(境界値を含む)の整数を表し;
-uは、0又は1であり;
-nが1である場合、Jは、ニトロ又はニトロソ基;特にニトロを表し;
-nが2である場合、Jは、酸素若しくは硫黄原子又は2価の-S(O)-基を表し(式中、mは、1又は2の整数を表す);優先的には、Jは-SO-基を表し;
-M’は、水素原子又はカチオン性対イオンを表し;

【化18】
は、存在していても存在していなくてもよく、先に定義した1つ以上のR30基で任意選択的に置換されたベンゾ基を表し;
式(XXII)及び(XXII’)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-,M又は1つのカルボキシレート基-C(O)O,M;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される)。
【0274】
式(XXII)の染料の例として、Acid Brown 13及びAcid Orange 3を挙げることができ;式(XXII’)の染料の例として、Acid Yellow 1、2,4-ジニトロ-1-ナフトール-7-スルホン酸のナトリウム塩、2-ピペリジノ-5-ニトロベンゼンスルホン酸、2-(4’-N,N-2’’-ヒドロキシエチル)アミノ-2’-ニトロ)アニリンエタンスルホン酸、4-β-ヒドロキシエチルアミノ-3-ニトロベンゼンスルホン酸;EXT D&C Yellow 7を挙げることができ;
e)式(XXIII)のトリアリールメタン染料:
【化19】
(式(XXIII)中、
-R33、R34、R35及びR36は、同一であるか又は異なり得、水素原子を表すか、又はアルキル、任意選択的に置換されたアリール及び任意選択的に置換されたアリールアルキルから選択される基を表し;特に、アルキル基及び任意選択的に(O)S(O)-、M基(式中、M及びmは、先に定義した通りである)で置換されたベンジル基を表し;
-R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43及びR44は、同一であるか又は異なり得、水素原子又は以下:
-アルキル;
-アルコキシ、アルキルチオ;
-(ジ)(アルキル)アミノ;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-ニトロ、ニトロソ;
-R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
-(O)S(O)-,M(式中、Mは水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
-(O)CO-,M(式中、Mは先に定義した通りである);又は
-2個の隣接する基R41及びR42又はR42及びR43又はR43及びR44が一緒になって縮合ベンゾ基を形成し:I’;I’は、i)ニトロ;ii)ニトロソ;iii)(O)S(O)-,M;iv)ヒドロキシル;v)メルカプト;vi)(ジ)(アルキル)アミノ;vii)R°-C(X)-X’-;viii)R°-X’-C(X)-、及びix)R°-X’-C(X)-X’’-(式中、M、R°、X、X’及びX’’は、先に定義した通りである)から選択される1つ以上の基で任意選択的に置換されており;
特に、R37~R40は、水素原子を表し、R41~R44は、同一であるか又は異なり得、ヒドロキシル基又は(O)S(O)-,Mを表し;R43及びR44が一緒になってベンゾ基を形成している場合、これは、優先的には、(O)S(O)-基で置換されており;
環G、H、I又はI’の少なくとも1つは、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-又は1つのカルボキシレート基-C(O)O;優先的にはスルホネートを含むことが理解される)。
【0275】
式(XXIII)の染料の例として、Acid Blue 1、Acid Blue 3、Acid Blue 7、Acid Blue 9、Acid Violet 49、Acid Green 3、Acid Green 5及びAcid Green 50を挙げることができる。
f)式(XXIV)のキサンテン系染料:
【化20】
(式(XXIV)中:
-R45、R46、R47及びR48は、同一であるか又は異なっていてもよく、水素又はハロゲン原子を表し;
-R49、R50、R51及びR52は、同一であるか又は異なり得、水素若しくはハロゲン原子を表すか、又は以下:
-アルキル;
-アルコキシ、アルキルチオ;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-ニトロ、ニトロソ;
-(O)S(O)-,M(式中、Mは水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
-(O)CO-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
から選択される基を表し、
特に、R49、R50、R51及びR52は、水素又はハロゲン原子を表し;
-Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
-Lは、アルコキシドO、M;チオアルコキシドS、M又はNRf基(式中、Rfは、水素原子又はアルキル基を表し、Mは、先に定義し通りであり;Mは、特にナトリウム又はカリウムである)を表し;
-L’は、酸素若しくは硫黄原子又はアンモニウム基:NRfRg(式中、Rf及びRgは、同一であるか又は異なっていてもよく、水素原子を表すか、又は任意選択的に置換されたアルキル若しくはアリール基を表す)
を表し;L’は、特に、酸素原子又は1つ以上のアルキル若しくは(O)S(O)-、M基(式中、m及びMは、先に定義した通りである)で任意選択的に置換されたフェニルアミノ基を表し;
-Q及びQ’は、同一であるか又は異なっていてもよく、酸素又は硫黄原子を表し;特に、Q及びQ’は酸素原子を表し;
-Mは、先に定義した通りである)。
【0276】
式(XXIV)の染料の例として、Acid Yellow 73;Acid Red 51;Acid Red 52;Acid Red 87;Acid Red 92;Acid Red 95;Acid Violet 9を挙げることができる。
g)式(XXV)のインドール系染料:
【化21】
(式(XXV)中:
-R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59及びR60は、同一であるか又は異なっていてもよく、水素原子又は以下:
-アルキル;
-アルコキシ、アルキルチオ;
-ヒドロキシル、メルカプト;
-ニトロ、ニトロソ;
-R°-C(X)-X’-、R°-X’-C(X)-、R°-X’-C(X)-X’’-(式中、R°は、水素原子又はアルキル若しくはアリール基を表し、X、X’及びX’’は、同一であるか又は異なり得、酸素若しくは硫黄原子又はNRを表し、Rは、水素原子又はアルキル基を表す);
-(O)S(O)-,M(式中、Mは水素原子又はカチオン性対イオンを表す);
-(O)CO-,M(式中、Mは先に定義した通りである);
から選択される基を表し、
-Gは、酸素若しくは硫黄原子又はNRe基(式中、Reは、先に定義した通りである)を表し;特に、Gは、酸素原子を表し;
-Ri及びRhは、同一であるか又は異なっていてもよく、水素原子又はアルキル基を表し;
式(XXV)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O)-、M又は1つのカルボキシレート基-C(O)O、M;優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される)。
【0277】
式(XXV)の染料の例として:Acid Blue 74を挙げることができ;
h)式(XXVI)のキノリン系染料:
【化22】
(式(XXVI)中:
-R61は、水素若しくはハロゲン原子又はアルキル基を表し;
-R62、R63及びR64は、同一であるか又は異なり得、水素原子又は(O)S(O)-、M基(式中、Mは、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)を表すか;或いは、
61及びR62又はR61及びR64が一緒になって、1つ以上の(O)S(O)-、M基(式中、Mは、水素原子又はカチオン性対イオンを表す)で任意選択的に置換されたベンゾ基を形成し;
式(XXVI)は、少なくとも1つのスルホネート基(O)S(O-)-,M+、優先的にはナトリウムスルホネートを含むことが理解される)。
【0278】
式(XXVI)の染料の例として、Acid Yellow 2、Acid Yellow 3及びAcid Yellow 5を挙げることができる。
【0279】
本発明に従い使用され得る天然の直接染料の中でも、ローソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、アピゲニジン、オルセインが挙げられ得る。これらの天然染料を含有する抽出物又は煎出液、特にヘンナベースの湿布又は抽出物も使用することができる。
【0280】
好ましくは、直接染料は、アニオン性直接染料から選択される。
【0281】
着色剤は、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して0.001質量%~20質量%、好ましくは0.005質量%~15質量%の範囲の総含有量で存在してもよく、好ましくは着色剤は顔料から選択される。
【0282】
顔料は、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して0.05質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、より良好には5質量%~15質量%の総量で存在することができる。
【0283】
直接染料は、組成物の総質量に対して0.001質量%~10質量%、好ましくは組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して0.005質量%~5質量%の範囲の総含有量で存在することができる。
【0284】
着色剤は、組成物Cの総質量に対して0.001質量%~20質量%、好ましくは0.005質量%~15質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0285】
顔料は、組成物Cの総質量に対して0.05質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~15質量%、より良好には0.5質量%~10質量%の総量で存在することができる。
【0286】
直接染料は、組成物の総質量に対して0.001質量%~10質量%、好ましくは組成物Cの総質量に対して0.005質量%~5質量%の範囲の総含有量で存在することができる。
【0287】
シリコーン
組成物A及びBの一方及び/又は他方は、少なくとも1つのシリコーンも含み得る。
【0288】
シリコーンは、少なくとも1つのカルボン酸基を含有する化合物とは異なる。
【0289】
好ましくは、組成物A及びBの一方及び/又は他方は、非アミノシリコーン、アミノシリコーン及びその混合物から選択される少なくとも1つのシリコーンを含む。
【0290】
シリコーンは、25℃の大気圧(1.013×10Pa)下において固体又は液体であり得、揮発性又は不揮発性であり得る。
【0291】
使用可能なシリコーンは、本発明による組成物中に可溶又は不溶であり得、これらは、油、ワックス、樹脂又はガムの形態であり得、シリコーン油が好ましい。
【0292】
シリコーンは、特に、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicones(1968),Academic Pressに詳述されている。
【0293】
好ましくは、組成物A及びBの一方及び/又は他方は、25℃の大気圧(1.013×10Pa)下において液体である1つ以上のシリコーンを含有する。
【0294】
揮発性シリコーンは、沸点が60℃~260℃(大気圧下)であるもの、より詳細には以下から選択することができる:
i)以下のものなど、3~7個、好ましくは4~5個のケイ素原子を含む環状ポリジアルキルシロキサン、
-オクタメチルシクロテトラシロキサン及びデカメチルシクロペンタシロキサン。
【0295】
Union CarbideからVolatile Silicone 7207の名称又はRhodiaからSilbione 70045 V 2の名称でUnion CarbideからVolatile Silicone 7158の名称又はRhodiaからSilbione 70045 V 5の名称で販売されている製品について言及する;
-以下の化学構造を有するジメチルシロキサン/メチルアルキルシロキサン型の環状コポリマー:
【化23】
好ましくは、シクロメチルシロキサン。
【0296】
Union Carbide社から販売されているVolatile Silicone FZ 3109について言及する;
-環状シリコーンとケイ素系有機化合物との混合物、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサンとテトラトリメチルシリルペンタエリスリトールとの混合物(50/50)及びオクタメチルシクロテトラシロキサンと1,1’-オキシ(2,2,2’,2’,3,3’-ヘキサトリメチルシリルオキシ)ビスネオペンタンとの混合物;
ii)一般的に、25℃における粘度が5×10-6/s以下である、2~9個のケイ素原子を含有する直鎖ポリジアルキルシロキサン、例えばデカメチルテトラシロキサン。
【0297】
この分類に属する他のシリコーンは、Cosmetics and Toiletries,Vol.91,Jan.76,pp.27~32,Todd&Byers、Volatile Silicone Fluids for Cosmeticsに公開されている記事に記載されており、Toray Silicone社からSH 200の名称で販売されている製品を挙げることができる。
【0298】
不揮発性シリコーンの中でも、単独で又は混合物としての、ポリジアルキルシロキサン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリジアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、シリコーンガム及び樹脂並びにその構造内において、一般に炭化水素系基を介して結合している、好ましくはアリール基、アミン基、アルコキシ基及びポリオキシエチレン若しくはポリオキシプロピレン基から選択される1つ若しくは複数の有機官能基を含むオルガノポリシロキサン(又は有機変性ポリシロキサン若しくは代わりに有機変性シリコーン)を挙げることができる。好ましくは、不揮発性シリコーンは、任意選択でオキシエチレン化及びオキシプロピレン化されたポリジメチル/メチルシロキサンから選択される。
【0299】
有機変性シリコーンは、ポリジアリールシロキサン、特に上に述べた有機官能基で修飾されたポリジフェニルシロキサン及びポリアルキルアリールシロキサンであり得る。ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、直鎖及び/又は分岐のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0300】
有機変性シリコーンの中でも、以下を含むオルガノポリシロキサンについて言及する:
-任意選択的にC~C24アルキル基を含むポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン基;例えば、ジメチコンコポリオール、特にDow Corning社からDC 1248の名称で販売されているもの若しくはUnion Carbide社からの油であるSilwet(登録商標)L722、L7500、L77及びL711;又は(C12)アルキルメチコンコポリオール、特にDow Corning社からQ2-5200の名称で販売されているもの;
-置換又は無置換のアミン基、特にC1~C4アミノアルキル基;Genesee社からGP4 Silicone Fluid及びGP7100の名称で販売されている製品又はDow Corning社からQ2-8220及びDC929若しくはDC939の名称で販売されている製品を挙げることができる;
-チオール基;例えば、GeneseeからGP72A及びGP71の名称で販売されている製品;
-アルコキシル化された基;例えば、SWS SiliconesからSilicone Copolymer F-755の名称で販売されている製品並びにGoldschmidt社からAbil Wax(登録商標)2428、2434及び2440の名称で販売されている製品;
-ヒドロキシル化された基;例えば、ヒドロキシアルキル基を有するポリオルガノシロキサン;
-アシルオキシアルキル基;例えば、米国特許第A-4957732号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン;
-カルボン酸型のアニオン性基;例えば、欧州特許第186507号明細書に記載されているもの又はアルキルカルボン酸型のアニオン性基、例えば信越化学工業株式会社(Shin-Etsu)からの製品であるX-22-3701E又は2-ヒドロキシアルキルスルホネート型若しくは2-ヒドロキシアルキルチオスルフェート型のアニオン性基、例えば、Goldschmidt社からAbil(登録商標)S201及びAbil(登録商標)S255の名称で販売されている製品;
-ヒドロキシアシルアミノ基;例えば、欧州特許出願公開第342834号明細書に記載されているポリオルガノシロキサン;例えば、Dow Corning社からの製品であるQ2-8413。
【0301】
シリコーンは、ポリジアルキルシロキサンから選択することもでき、その中でも、主として、トリメチルシリル末端基を有するポリジメチルシロキサンについて言及する。これらのポリジアルキルシロキサンの中でも、以下の市販品について言及する:
-Rhodiaにより販売されている47及び70047シリーズのSilbione(登録商標)油又はMirasil(登録商標)油、例えば70047 V 500000油;
-Rhodia社により販売されているMirasil(登録商標)シリーズの油;
-Dow Corning社の200シリーズの油、例えば、粘度が60000mm/sの粘度であるDC200;
-General ElectricからのViscasil(登録商標)油及びGeneral ElectricからのSFシリーズの特定の油(SF 96、SF 18)。
【0302】
ジメチコノール(CTFA)の名称で知られている、ジメチルシラノール末端基を有するポリジメチルシロキサン、例えばRhodia社からの48シリーズの油も挙げることができる。
【0303】
この分類に含まれるポリジアルキルシロキサンとしては、ポリ(C1~C20)ジアルキルシロキサンである、Goldschmidt社からAbil Wax(登録商標)9800及び9801の名称で販売されている製品も挙げることができる。
【0304】
本発明に従い使用することができるより具体的な製品は、以下のものなどの混合物である:
-鎖末端にヒドロキシを有するポリジメチルシロキサン、即ちジメチコノール(CTFA)から、及びシクロメチコン(CTFA)としても知られる環状ポリジメチルシロキサンから生成する混合物、例えば、Dow Corning社から販売されている製品であるQ2-1401、
-鎖末端にヒドロキシを有するポリジメチルシロキサン、即ちジメチコノール(CTFA)から、及びジメチコン(CTFA)としても知られるポリジメチルシロキサンから生成する混合物、例えば、Dow Corning社から販売されている製品であるXiameter(登録商標)PMX-1503 Fluid。
【0305】
ポリアルキルアリールシロキサンは、特に、25℃における粘度が1×10-5~5×10-2/sの範囲にある、直鎖及び/又は分枝のポリジメチル/メチルフェニルシロキサン及びポリジメチル/ジフェニルシロキサンから選択される。
【0306】
これらのポリアルキルアリールシロキサンの中でも、以下の名称で販売されている製品について言及する:
-Rhodiaの70641シリーズのSilbione(登録商標)油;
-RhodiaからのRhodorsil(登録商標)70633及び763シリーズの油;
-Dow Corningの油Dow Corning 556 Cosmetic Grade Fluid;
-BayerからのPKシリーズのシリコーン、例えば製品PK20;
-BayerからのPN及びPHシリーズのシリコーン、例えば製品PN1000及びPH1000;
-General ElectricからのSFシリーズの特定の油、例えばSF 1023、SF 1154、SF 1250及びSF 1265。
【0307】
好ましくは、組成物A及びBの一方及び/又は他方は、少なくとも1つのアミノシリコーンを含む。「アミノシリコーン」という用語は、少なくとも1つの一級、二級若しくは三級アミン又は四級アンモニウム基を含む任意のシリコーンを指す。
【0308】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により、室温(25℃)下で、ポリスチレン換算で測定することができる。カラムは、μ styragelカラムを使用する。溶出液はTHFとし、流速を1ml/分とする。THF中に0.5質量%のシリコーンを含む溶液200μlを注入する。検出は、屈折率測定及びUV測定により行う。
【0309】
好ましくは、本発明に関連して使用することができるアミノシリコーンは、以下から選択される:
a)式(A):
【化24】
(式中、x’及びy’は、質量平均分子量(Mw)が約5000~500000となる整数である)
に対応するポリシロキサン;
b)式(B)に対応するアミノシリコーン:
R’aG3-a-Si(OSiG2)n-(OSiGbR’2-b)m-O-SiG3-a-R’a (B)
(式中、
-Gは、同一であるか又は異なり得、水素原子又はフェニル、OH、C~Cアルキル、例えばメチル若しくはC~Cアルコキシ、例えばメトキシからの基を表し、
-aは、同一であるか又は異なっていてもよく、0又は1~3の整数、特に0を表し、
-bは、0又は1、特に1を表し、
-m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
-R’は、同一であっても異なっていてもよく、式-CqH2qL(式中、qは、2~8の範囲の数であり、Lは、次の基:-N(R’’)2;-N+(R’’)3A-;-NR’’-Q-N(R’’)2;及び-NR’’-Q-N+(R’’)3A-(式中、R’’は、同一であるか又は異なり得、水素、フェニル、ベンジル又は1価の飽和炭化水素系基、例えばC~C20アルキル基を表し;Qは、式C2r(rは、2~6、好ましくは2~4の範囲の整数である)の直鎖又は分岐基を表し;A-は、化粧的に許容されるアニオン、特にハライドアニオン、例えばフルオリド、クロリド、ブロミド又はヨーダイドを表す)から選択される任意選択的に四級化されたアミン基である)。
【0310】
好ましくは、アミノシリコーンは、式(B)のアミノシリコーンから選択される。好ましくは、式(B)のアミノシリコーンは、以下の式(C)、(D)、(E)、(F)及び/又は(G)に対応するアミノシリコーンから選択される。
【0311】
第1の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、式(C):
【化25】
(式中、m及びnは、合計(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲であるような数であり、nは、場合により、0~1999、とりわけ49~149の数を示し、及びmは、場合により、1~2000、とりわけ1~10の数を示す)に対応する「トリメチルシリルアモジメチコン」として知られるシリコーンから選択される。
【0312】
第2の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(D):
【化26】
(式中、
-m及びnは、総和(n+m)が1~1000の範囲、特に50~250の範囲、より詳細には100~200の範囲となる数であり;nは、0~999、特に49~249、より詳細には125~175の数を表すことができ、mは、1~1000、特に1~10、より詳細には1~5の数を表すことができ;
-R、R及びRは、同一であるか又は異なり得、ヒドロキシル又はC~Cアルコキシ基を表し、R~R基の少なくとも1つは、アルコキシ基を表す)
のシリコーンから選択される。
【0313】
好ましくは、アルコキシ基はメトキシ基である。
【0314】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、好ましくは、0.2:1~0.4:1、好ましくは0.25:1~0.35:1の範囲であり、より詳細には0.3:1である。
【0315】
これらのシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~1000000の範囲、より詳細には3500~200000の範囲にある。
【0316】
第3の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(E):
【化27】
(式中、
-p及びqは、総和(p+q)が1~1000の範囲、特に50~350の範囲、より詳細には150~250の範囲となる数であり;pは、0~999、特に49~349、より詳細には159~239の数を表すことができ、qは、1~1000、特に1~10、より詳細には1~5の数を表すことができ;
-R及びRは、異なり、ヒドロキシル又はC~Cアルコキシ基を表し、R基又はR基の少なくとも1つは、アルコキシ基を表す)
のシリコーンから選択される。
【0317】
好ましくは、アルコキシ基はメトキシ基である。
【0318】
ヒドロキシ/アルコキシのモル比は、概して1:0.8~1:1.1の範囲、好ましくは1:0.9~1:1の範囲にあり、より詳細には1:0.95である。
【0319】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~200000、一層詳細には5000~100000、より詳細には10000~50000の範囲である。
【0320】
構造(D)又は(E)のシリコーンを含む市販品は、その組成中に、式(D)又は(E)と異なる構造を有する1つ以上の他のアミノシリコーンを含むことができる。
【0321】
構造(D)のアミノシリコーンを含有する製品は、Wacker社からBelsil(登録商標)ADM 652の名称で販売されている。
【0322】
構造(E)のアミノシリコーンを含有する製品は、WackerからFluid WR 1300(登録商標)の名称又はBelsil(登録商標)ADM LOG 1の名称で販売されている。
【0323】
これらのアミノシリコーンが使用される場合、特に有利な一実施形態は、これらを水中油型エマルジョン形態で使用することから構成される。水中油型エマルジョンは、1つ以上の界面活性剤を含み得る。界面活性剤はいかなる性質のものであってもよいが、好ましくはカチオン性及び/又は非イオン性である。エマルジョン中のシリコーン粒子の数平均粒子径は、概して、3nm~500ナノメートルの範囲である。好ましくは、特に式(E)のアミノシリコーンとして、平均粒子径が5nm~60nmの範囲(境界値を含む)、より詳細には10nm~50nmの範囲(境界値を含む)にあるマイクロエマルジョンが利用される。したがって、本発明に従い、Wacker社からFinish CT 96 E(登録商標)又はSLM 28020(登録商標)の名称で販売されている式(E)のアミノシリコーンマイクロエマルジョンを利用することができる。
【0324】
第4の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(F):
【化28】
(式中、
-m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
-Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキレン基を表す)
のシリコーンから選択される。この基は、好ましくは、直鎖である。
【0325】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、2000~1000000、更に詳細には3500~200000の範囲である。
【0326】
式(B)に対応するシリコーンは、例えば、Dow CorningからのXiameter MEM 8299 Emulsion(INCI名:アモジメチコン及びトリデセス-6及びセトリモニウムクロリド)である。
【0327】
第5の実施形態によれば、式(B)に対応するアミノシリコーンは、以下の式(G):
【化29】
(式中、
-m及びnは、総和(n+m)が1~2000、特に50~150の範囲になる数であり、nは、0~1999、特に49~149の数を表すことができ、mは、1~2000、特に1~10の数を表すことができ;
-Aは、4~8個の炭素原子、好ましくは4個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキレン基を表す)
のシリコーンから選択される。この基は、好ましくは、分岐である。
【0328】
これらのアミノシリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、500~1000000、一層より詳細には1000~200000の範囲である。
【0329】
この式に対応するシリコーンは、例えば、Dow CorningからのDC2-8566 Amino Fluidであり;
c)式(H):
【化30】
(式中、
-Rは、1~18個の炭素原子を含有する1価の炭化水素系基、特にC~C18アルキル又はC~C18アルケニル基、例えばメチルを表し;
-Rは、SiC結合を介してSiに結合している2価の炭化水素系基、特にC~C18アルキレン基又は2価のC~C18、例えばC~Cアルキレンオキシ基を表し;
-Qは、アニオン、例えばハライドイオン、とりわけクロリド又は有機酸塩、とりわけアセテートであり;
-rは、2~20、特に2~8の範囲である統計的な平均値を表し;
-sは、20~200、特に20~50の範囲である統計的な平均値を表す)
に対応するアミノシリコーンである。
【0330】
この種のアミノシリコーンは、特に、米国特許第4185087号明細書に記載されている。
-d)式(I):
【化31】
(式中、
-Rは同一であるか又は異なっていてよく、1~18個の炭素原子を含有する一価の炭化水素系基、特にC~C18アルキル基、C~C18アルケニル基又は5個若しくは6個の炭素原子を含む環、例えばメチルを表し;
-Rは、SiC結合を介してSiに結合している2価の炭化水素系基、特にC~C18アルキレン基又は2価のC~C18、例えばC~Cアルキレンオキシ基を表し;
-Rは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子、1~18個の炭素原子を含む1価の炭化水素系基、特にC~C18アルキル基、C~C18アルケニル基又は-R-NHCOR基を表し;
-Xは、アニオン、例えばハライドイオン、とりわけクロリド又は有機酸塩、とりわけアセテートであり;
-rは、2~200、特に5~100の範囲である統計的な平均値を表す)
の四級アンモニウムシリコーン。
【0331】
これらのシリコーンは、例えば、特許出願である欧州特許出願公開第A0530974号明細書に記載されている;
e)式(J):
【化32】
(式中、
-R、R、R及びRは、同一であるか又は異なり得、C~Cアルキル基又はフェニル基を表し、
-Rは、C~Cアルキル基又はヒドロキシル基を表し、
-nは、1~5の範囲の整数であり、
-mは、1~5の範囲の整数であり、
-xは、アミン数が0.01~1meq/gの範囲であるように選択される)のアミノシリコーン;
f)(AB)型のマルチブロックポリオキシアルキレン化アミノシリコーン(Aは、ポリシロキサンブロックであり、Bは、少なくとも1つのアミン基を含むポリオキシアルキレンブロックである)。
【0332】
前記シリコーンは、好ましくは、以下の一般式:
[-(SiMeO)SiMe-R-N(R’’)-R’-O(CO)(CO)-R’-N(H)-R-]
或いは
[-(SiMeO)xSiMe-R-N(R’’)-R’-O(CO)(CO)-]
(式中、
-aは、1以上、好ましくは5~200、より詳細には10~100の範囲の整数であり;
-bは、0~200、好ましくは4~100、より特定すると5~30の範囲の整数であり;
-xは、1~10000、より詳細には10~5000の範囲の整数であり;
-R’’は、水素原子又はメチルであり;
-Rは、同一であっても異なっていてもよく、任意選択で1つ以上の酸素等のヘテロ原子を含む直鎖又は分岐の2価のC~C12炭化水素系基を表し;好ましくは、Rは、エチレン基、直鎖若しくは分岐プロピレン基、直鎖若しくは分岐ブチレン基、又はCHCHCHOCHCH(OH)CH-基を表し;優先的には、Rは、CHCHCHOCHCH(OH)CH-基を表し;
-R’は、同一であっても異なっていてもよく、任意選択的に1つ以上の酸素等のヘテロ原子を含む、直鎖又は分岐の2価のC~C12炭化水素系基を表し;好ましくは、R’は、エチレン基、直鎖若しくは分岐プロピレン基、直鎖若しくは分岐ブチレン基又はCHCHCHOCHCH(OH)CH-基を表し;優先的には、R’は、-CH(CH)-CH-を表す)
で表される繰り返し単位から形成される。
【0333】
シロキサンブロックは、好ましくは、シリコーンの総質量に対して50mol%~95mol%、より特定すると70mol%~85mol%を表す。
【0334】
アミン含有量は、ジプロピレングリコール中にコポリマー30%を含む溶液において好ましくは0.02~0.5meq/g、より詳細には0.05~0.2である。
【0335】
シリコーンの質量平均分子量(Mw)は、好ましくは、5000~1000000、より詳細には10000~200000である。
【0336】
とりわけ、名称Silsoft A-843又はSilsoft A+でMomentiveによって販売されているシリコーンについて言及し得る。
g)及びその混合物。
【0337】
好ましくは、式(B)のアミノシリコーンは、式(E)に対応するアミノシリコーンから選択される。
【0338】
好ましくは、本発明による組成物は、好ましくは界面活性剤と一緒にエマルジョン又はマイクロエマルジョンの形態で導入される、INCI名アモジメチコンを有する少なくとも1つのアミノシリコーンを含む。
【0339】
好ましくは、本発明による組成物は、INCI名アモジメチコンを有する少なくとも1つのアミノシリコーンを、エマルジョン又はマイクロエマルジョンとして、INCI名トリデセス-5及びトリデセス-10を有する界面活性剤と一緒に含む。
【0340】
シリコーンは、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~15質量%、より優先的には0.1質量%~10質量%、さらにより優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0341】
シリコーンは、組成物Cの総質量に対して0.01質量%~20質量%、好ましくは0.05質量%~15質量%、より優先的には0.1質量%~10質量%、さらにより優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0342】
シリコーンは、組成物Cの総質量に対して0.01%~20%、好ましくは0.05%~15%、より優先的には0.1%~10%、さらにより優先的には0.5質量%~5質量%の範囲の総量で存在することができる。
【0343】
有機溶媒
本発明による方法の文脈で使用される組成物A及びBの一方及び/又は他方は、上記の少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する化合物とは異なる1つ以上の有機溶媒を含み得る。
【0344】
本発明による組成物A及び/又は組成物Bは、好ましくは水性である。含水量は、組成物A及び/又は組成物Bの総質量に対して、20質量%~99質量%、好ましくは50質量%~98質量%、より優先的には60質量%~95質量%の範囲であり得る。
【0345】
添加物
本発明による方法の文脈で使用される組成物A及びBの一方及び/又は他方は、通常使用される任意のアジュバント又は添加剤を含有し得る。
【0346】
使用され得る添加剤の中でも、還元剤、軟化剤、消泡剤、保湿剤、UVスクリーニング剤、ペプチド化剤、可溶化剤、香料、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤、タンパク質、ビタミン、前述のポリマー以外のポリマー、油、ワックス、及びその混合物が挙げられる。
【0347】
組成物A及びBの一方及び/又は他方は、特に、懸濁液、分散液、ゲル、エマルジョン、特に水中油型(O/W)若しくは油中水型(W/O)エマルジョン又は多相エマルジョン(W/O/W型又はポリオール/O/W型又はO/W/O型)の形態、クリーム、ムース、スティック、ベシクル、特にイオン性若しくは非イオン性脂質の分散液又は2相若しくは多相ローションの形態であり得る。
【0348】
当業者は、一般知識に基づき、適切な提供形態に加えて、それを調製するための方法を、まず使用する構成成分の性質、特にそれらの担体中での溶解性を考慮し、次に組成物に意図されている用途を考慮して選択することができる。
【0349】
組成物Dの任意の適用
本発明によるケラチン繊維を着色するための方法は、少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する工程も含み得る。
【0350】
カルボキシリック官能基を有するシリコーン化合物
「カルボキシル基」という用語は、COOH又はCOO官能基を意味し、COO基の対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び四級アンモニウムから選択することができる。
【0351】
使用可能なシリコーンは、組成物D中に可溶又は不溶であり得、これらは、油、ロウ、樹脂又はゴムの形態であり得、シリコーン油及びゴムが好ましい。
【0352】
シリコーンは、特に、Walter Noll’s Chemistry and Technology of Silicones(1968),Academic Pressに詳述されている。
【0353】
好ましくは、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下の式(XXVII):
【化33】
(式中、
-R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子を含有するアルキル基;ヒドロキシル基;1~20個の炭素原子を含有するアルコキシ基;又は6~12個の炭素原子を含有するアリール基を表し;
-R2は、独立して、基R4-COOM(R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Mは水素原子を表す);アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’3(R’は同一であっても又は異なっていてもよく、H又は1~4個の炭素原子を含むアルキルを表す);カルボキシル基COOH又は基Ra-(ORb)x-COOMを含むピロリジン基(式中、Raは、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rbは、1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、xは、1~200の範囲の整数であり;Mは水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’を表し、R’は同一であっても異なっていてもよく、H又は1~4個の炭素原子を含むアルキルを表す)を表し;
-R3は、独立して、1~20個の炭素原子を含むアルキル基;水酸基;R4-COOM基(R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基を表し、Mは水素原子を表す);アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’3(R’は同一であっても異なっていてもよく、H又は1~4個の炭素原子を含むアルキルを表す);1~20個の炭素原子を含むアルコキシ基;6~12個の炭素原子を含むアリール基又はR-(OR-COOM基(式中、Rは1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rは1~4個の炭素原子を含むアルキル基を表し、xは1~200の範囲の整数であり;Mは水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は第四級アンモニウムNR’(R’は同一でも異なっていてもよく、H又は1~4個の炭素原子を含むアルキルを表す)を表す)を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表し;
-pは、0~1000の範囲の整数を表し;
R2基及び/又はR3基の少なくとも1つは、カルボキシル基COOH又はCOOM(式中、Mは、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は四級アンモニウムNR’(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4個の炭素原子を含有するアルキルを表す)を表す)を含むことが理解される)のオルガノシロキサンから選択される。
【0354】
特に、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下の式(XXVIII):
【化34】
(式中、
-R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、より良好には1~6個の炭素原子を含有する直鎖又は分岐のアルキル基、優先的にはメチルを表し;
-R4は、独立して、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基;又は2価の基R-(OR-(式中、Rは、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rは、1~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
-Mは、独立して、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は四級アンモニウムNR’(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4個の炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表す)のオルガノシロキサン;
-以下の式(XXIX):
【化35】
(式中、
-R1は、独立して、1~10個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、より優先的にはメチルを表し;
-R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアルキレン基;又は2価の基R-(OR-(式中、Rは、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rは、1~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
-Mは、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は四級アンモニウムNR’(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4個の炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
-pは、1~1000の範囲の整数を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表す)のオルガノシロキサン;
-以下の式(XXX):
【化36】
(式中、
-R1は、独立して、1~20個の炭素原子、好ましくは1~10個の炭素原子、より良好には1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、優先的にはメチルを表し;
-R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子で任意選択的に中断されている、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキレン基;又は2価の基R-(OR-(式中、Rは、1~4個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキレン基を表し、Rは、1~4個の炭素原子を含むアルキレン基を表し、xは、1~200の範囲の整数である)を表し;
-R3は、1~20個の炭素原子を含有するアルキル基、1~20個の炭素原子を含有するアルコキシ基又は6~12個の炭素原子を含有するアリール基を表し;
-Mは、独立して、水素原子、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属又は四級アンモニウムNR’(式中、R’は、同一であるか又は異なり得、H又は1~4個の炭素原子を含有するアルキルを表す)を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表す)のオルガノシロキサン;
-以下の式(XXXI):
【化37】
(式中、
-R8は、1~6個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくはメチルを表し;
-mは、1~1000の範囲の整数を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表す)のオルガノシロキサン;
-並びにそれらの混合物
から選択することができる。
【0355】
式(XXVIII)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、Momentive社からSilform INXの商品名で販売されている化合物(INCI名:ビスカルボキシデシルジメチコン)を挙げることができる。
【0356】
式(XXIX)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル側基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、信越化学工業株式会社(Shin-Etsu)からX-22-3701Eの商品名で販売されている化合物を挙げることができる。
【0357】
式(XXX)のオルガノシロキサンの中でも、カルボキシル末端基を有するポリジメチルシロキサン(PDMS)、例えば、信越化学工業株式会社(Shin-Etsu)からX-22-3710の商品名で販売されている化合物を挙げることができる。
【0358】
式(XXXI)のオルガノシロキサンの中でも、Grant Industries社からGrandsil SiW-PCA-10の商品名で販売されている化合物(INCI名:ジメチコン(及び)PCAジメチコン(及び)ブチレングリコール(及び)デシルグルコシド)を挙げることができる。
【0359】
カルボキシル基を含むシリコーン化合物は、例えば、Chisso Corporation名義の欧州特許出願公開第186507号明細書に記載されている化合物に対応し得、これは、参照により本明細書に援用される。
【0360】
好ましくは、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、式(XXVIII)のオルガノシロキサン、式(XXIX)のオルガノポリシロキサン及びこれらの混合物から選択される。
【0361】
より優先的には、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物は、以下の式(XXIXa):
【化38】
(式中、
-R4は、硫黄原子、窒素原子、酸素原子及びその混合物から選択される少なくとも1つのヘテロ原子、又は8~12個の炭素原子で任意選択的に中断される、1~20個の炭素原子、好ましくは4~16個の炭素原子を含む直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アルキレン基を表し;
-pは、1~1000の範囲の整数を表し;
-nは、1~1000の範囲の整数を表す)
のオルガノシロキサンから選択される。
【0362】
組成物D中に存在する、少なくとも1つのカルボキシル基を含むシリコーン化合物の総量は、組成物Dの総質量に対して好ましくは0.01質量%~20質量%、より優先的には0.1質量%~15質量%、より良好には0.5質量%~10質量%の範囲である。
【0363】

組成物Dは、1つ以上の油も含むことができる。
【0364】
好ましくは、組成物Dは、1つ以上の油を含む。より優先的には、組成物Dは、アルカンから選択される1つ以上の油を含む。
【0365】
「油」という用語は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg、即ち1.013×10Pa)下で液体である脂肪質物質を意味する。
【0366】
油は、揮発性又は非揮発性であり得る。
【0367】
「揮発性油」という用語は、皮膚と接触すると、室温及び大気圧下において1時間未満で蒸発することが可能な油を指す。揮発性油は、室温で液体である化粧用揮発性油である。より詳細には、揮発性油の蒸発速度は、0.01~200mg/cm/分である(境界値を含む)(本文中で後述する蒸発速度の測定手順を参照されたい)。
【0368】
「不揮発性油」という用語は、室温及び大気圧下で皮膚又はケラチン性繊維上に残留する油を指す。より詳細には、不揮発性油の蒸発速度は、厳密に0.01mg/cm/分未満である(本文中で後述する蒸発速度の測定手順を参照されたい)。
【0369】
好ましくは、組成物は、C~C16アルカン及び/又はこれらの混合物から選択される1つ以上の油を含む。
【0370】
~C16アルカンに関して、これらは、直鎖又は分岐であり得、場合により環状である。
【0371】
特に、分岐C~C16アルカン、例えばC~C16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン又はイソヘキサデカン、例えばIsopar又はPermethylの商品名で販売されている油及びこれらの混合物について言及する。
【0372】
7~15個の炭素原子、特に9~14個の炭素原子、より詳細には11~13個の炭素原子を含む、好ましくは植物由来の直鎖アルカンについても言及する。
【0373】
本発明における使用に適した直鎖アルカンの例として、n-ヘプタン(C7)、n-オクタン(C8)、n-ノナン(C9)、n-デカン(C10)、n-ウンデカン(C11)、n-ドデカン(C12)、n-トリデカン(C13)、n-テトラデカン(C14)及びn-ペンタデカン(C15)並びにこれらの混合物、特にCognis社による特許出願である国際公開第2008/155059号パンフレットの実施例1に記載されているn-ウンデカン(C11)及びn-トリデカン(C13)の混合物を挙げることができる。
【0374】
Sasolからそれぞれ商品記号Parafol 12-97及びParafol 14-97で販売されているn-ドデカン(C12)及びn-テトラデカン(C14)に加えて、これらの混合物も挙げられ得る。
【0375】
本発明における使用に適したアルカンの例として、特許出願である国際公開第2007/068371号パンフレット及び国際公開第2008/155059号パンフレットに記載されているアルカンを挙げることができる。これらのアルカンは、脂肪アルコールから得られ、脂肪アルコール自体はヤシ核油又はパーム油から得られる。
【0376】
特定の実施形態によれば、組成物はイソドデカンを含む。この種の化合物は、例えば、Isododecaneの商品記号でIneosから販売されているイソドデカンである。
【0377】
好ましくは、組成物Dは、C~C16アルカンから、より優先的にはイソドデカン、イソヘキサデカン、テトラデカン及び/又はこれらの混合物から選択される1つ以上の油を含む。
【0378】
より優先的には、組成物Dは、イソドデカンを含む。
【0379】
組成物Dは、組成物Dの総質量に対して30質量%~99質量%、好ましくは50質量%~99質量%、より良好には70質量%~99質量%の総量で存在する1つ以上の油を含むことができる。
【0380】
組成物Dは、先に述べた顔料、直接染料及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含むことができる。
【0381】
プロトコル
先に示したように、組成物A及びBは、毛髪等の毛髪ケラチン繊維に、順次、任意の順序で、又は同時に適用し得る。
【0382】
本発明の1つの変形例によれば、組成物A及びBは、毛髪等の毛髪ケラチン繊維に任意の順序で順次適用され、すなわち、組成物Aは、組成物Bの前に毛髪ケラチン繊維に適用されてもよく、又はその逆であってもよい。
【0383】
特定の実施形態によれば、本発明は、毛髪等の毛髪ケラチン繊維を着色するための方法であって:
i)組成物A又は組成物Bの前記毛髪ケラチン繊維への適用を含み:
組成物Aは、前述の少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
組成物Bは、
-前述の少なくとも1つの会合性ポリマー;
-前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
-組成物A及びBの一方及び/又は他方は、前述の少なくとも1つのシリコーンも任意選択的に含み;
ii)組成物Aが工程i)の間に適用された場合は組成物Bの、又は組成物Bが工程i)の間に適用された場合は組成物Aの、前記毛髪ケラチン繊維への適用を含む。
【0384】
好ましくは、本発明は、毛髪等のケラチン繊維を着色するための方法であって:
i)組成物A又は組成物Bの前記毛髪ケラチン繊維への適用を含み:
組成物Aは、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
組成物Bは、
-前述の少なくとも1つの会合性ポリマー;
-前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
-組成物A及びBの一方及び/又は他方は、前述の少なくとも1つのシリコーンも任意選択的に含み;
ii)任意選択的に、前記組成物A又は組成物Bの繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
iii)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程、好ましくは乾燥工程、次いで、
iv)組成物Aが工程i)の間に適用された場合は組成物Bの、又は組成物Bが工程i)の間に適用された場合は組成物Aの、前記毛髪ケラチン繊維への適用、次いで
v)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程、好ましくは乾燥工程、次いで、
vi)前述の少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dの、前記毛髪ケラチン繊維への適用、次いで、
vii)任意選択的に、前記組成物Dの繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
viii)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水、又は乾燥工程を含む、方法である。
【0385】
本発明の別の変形によれば、好ましくは、組成物A及びBは同時に適用される。
【0386】
本実施形態によれば、組成物A及びBを使用時に即時的に混合して組成物Cを得ることができ、次いで、組成物Cを毛髪などの毛髪ケラチン繊維に適用する。
【0387】
上述の組成物C及び任意選択的な組成物Dは、湿った又は乾いた毛髪ケラチン繊維上で使用することができ、また、明るい色又は暗い色の、天然又は着色された、パーマネントウェーブ、脱色又は縮毛矯正が施されたあらゆるタイプの繊維上で使用することができる。
【0388】
好ましい実施形態によれば、組成物C及び組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に同時に適用される。
【0389】
他の好ましい実施形態によれば、組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に組成物Cを適用した後の毛髪ケラチン繊維に適用される。
【0390】
他の好ましい実施形態によれば、組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に組成物Cを適用する前の毛髪ケラチン繊維に適用される。
【0391】
好ましくは、組成物Dは、毛髪ケラチン繊維に組成物Cを適用した後の毛髪ケラチン繊維に適用される。
【0392】
本発明の特定の実施形態によれば、毛髪ケラチン繊維は、組成物C及び任意選択的な組成物Dを適用する前に洗浄される。
【0393】
好ましくは、洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程は、組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用した後、且つ組成物Dをケラチン繊維に適用する前に実施される。
【0394】
より優先的には、乾燥工程は、組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用した後、且つ組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前に実施される。
【0395】
繊維への適用は、任意の標準的な手段を介して、特に櫛、目の細かいブラシ、目の粗いブラシ、スポンジ又は指を用いて行うことができる。
【0396】
組成物C及び任意選択的な組成物Dの毛髪ケラチン繊維への適用は、一般的に、室温(15~25℃)で行われる。
【0397】
組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用した後、例えば組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前又は例えば洗浄、濯ぎ、脱水若しくは乾燥工程前に、1分間~6時間、特に1分間~2時間、より詳細には1分間~1時間、より優先的には1分間~30分間放置することができる。
【0398】
好ましくは、組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用した後、組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用する前に、放置時間は設けない。
【0399】
組成物C及び任意選択的な組成物Dを適用した後、繊維を自然乾燥させ得るか、又は例えば30℃以上の温度で乾燥させ得る。
【0400】
したがって、本発明による方法は、加熱器具を使用して毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を含むことができる。
【0401】
本発明の方法の熱を印加する工程は、フード型ドライヤー(hood)、ヘアドライヤー、ストレートアイロン、クリマゾン(Climazon)などを使用して実施することができる。
【0402】
好ましくは、本発明の方法の熱を印加する工程は、ヘアドライヤーを使用して実施される。
【0403】
本発明の方法が毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を含む場合、毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程は、組成物C及び/又は任意選択的な組成物Dを毛髪ケラチン繊維に適用した後に実施される。
【0404】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程を実施している最中に、毛束に対してコーミング、ブラッシング又は手櫛などの機械的な作用を与えることができる。
【0405】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程がフード型ドライヤー又はヘアドライヤーを使用して実施される場合、温度は、好ましくは30℃~110℃、優先的には50℃~90℃である。
【0406】
毛髪ケラチン繊維に熱を印加する工程がストレートアイロンを使用して実施される場合、温度は、好ましくは110℃~220℃、好ましくは140℃~200℃である。
【0407】
特定の変形形態において、本発明の方法は、フード型ドライヤー、ヘアドライヤー又はクリマゾン、好ましくはヘアドライヤーを使用して熱を印加する工程(b1)と、ストレートアイロン又はカールアイロン、好ましくはストレートアイロンを使用して熱を印加する工程(b2)とを含む。
【0408】
工程(b1)は工程(b2)の前に実施することができる。
【0409】
乾燥工程とも称される工程(b1)を実施する最中は、繊維を、例えば30℃以上の温度で乾燥させることができる。特定の実施形態によれば、この温度は40℃を超える。特定の実施形態によれば、この温度は45℃を超え、且つ110℃未満である。
【0410】
好ましくは、繊維を乾燥させる場合、熱の供給に加えて、空気流を用いて乾燥させる。こうして乾燥時に空気流を用いることにより、毛束の被覆の分離を改善することが可能になる。
【0411】
乾燥中、毛束に対してコーミング、ブラッシング又は手櫛などの機械的な作用を与えることができる。
【0412】
乾燥工程(b2)においてストレートアイロン又はカールアイロンを滑らせる際の温度は、好ましくは、110℃~220℃、好ましくは140℃~200℃の範囲であり得る。
【0413】
乾燥工程が終了したら、形付け工程を、例えば、ストレートアイロンを用いて実施することができ;形付け工程の温度は110~220℃、好ましくは140~200℃である。
【0414】
好ましくは、本発明は、毛髪等の毛髪ケラチン線維を着色する方法であって、組成物Aと組成物Bとを混合して組成物Cを得た後:
i)組成物Cの前記毛髪ケラチン繊維への適用を含み:
組成物Aは、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
組成物Bは、
-前述の少なくとも1つの会合性ポリマー;
-前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
組成物A及び/又は組成物Bは、顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
-組成物A及びBの一方及び/又は他方は、前述の少なくとも1つのシリコーンも任意選択的に含む、方法である。
【0415】
より優先的には、本発明は、毛髪等の毛髪ケラチン線維を着色する方法であって、組成物Aと組成物Bとを混合して組成物Cを得た後:
i)組成物Cの前記毛髪ケラチン繊維への適用を含み:
組成物Aは、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
組成物Bは、
-前述の少なくとも1つの会合性ポリマー;
-前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物、及び
-少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物を含み;
-顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
-組成物A及びBの一方及び/又は他方は、前述の少なくとも1つのシリコーンも任意選択的に含み;
ii)任意選択的に、前記組成物Cの繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
iii)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程、次いで、
iv)前述の少なくとも1つのカルボキシル基を含む少なくとも1つのシリコーン化合物を含む組成物Dの、前記毛髪ケラチン繊維への適用、次いで、
v)任意選択的に、前記組成物Dの繊維上での1分間~30分間、好ましくは1~20分間の放置時間、次いで、
vi)任意選択的に、前記繊維の洗浄、濯ぎ、脱水又は乾燥工程を含む、方法である。
【0416】
好ましくは、組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用する工程は、数回繰り返される。
【0417】
好ましい実施形態によれば、毛髪ケラチン繊維を着色する方法は、毛髪等の毛髪ケラチン繊維を着色する方法であって、使用時に少なくとも2つの組成物A及びBを即時混合して組成物Cを得ること、並びに組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用することから構成され、
-組成物Aが、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
-組成物Bが、前述の少なくとも1つの会合性ポリマー、前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物であって、好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーン化合物、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択される少なくとも1つの化合物、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物、並びに顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含む、方法である。
【0418】
組成物A及び/又は組成物Bは、任意選択的に、先に定義されたような少なくとも1つのシリコーンを含む。
【0419】
好ましくは、組成物A及びBは、好ましくは毛髪ケラチン繊維に適用する15分未満前、より優先的には適用の10分未満前、より良好には適用の5分未満前に混合される。
【0420】
組成物A及び組成物Bの質量比は、好ましくは、0.1~10、優先的には0.2~5、より良好には0.5~2、更に0.6~1.5の範囲である。特定の実施形態において、組成物A及び組成物Bの質量比は、1に等しい。
【0421】
具体的な実施形態によれば、毛髪ケラチン繊維を着色する方法は、毛髪等の毛髪ケラチン繊維を着色する方法であって、使用時に少なくとも2つの組成物A及びBを即時混合して組成物Cを得ること、並びに組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用することから構成され、
-組成物Aが、先に述べた少なくとも1つの(ポリ)カルボジイミド化合物を含み;
-組成物Bが、前述の少なくとも1つの会合性ポリマー、前述の少なくとも1つのカルボン酸基を含有する、会合性ポリマーとは異なる少なくとも1つの化合物であって、好ましくは、少なくとも1つのカルボン酸基を含むシリコーン化合物、ポリウレタン、アクリルポリマー及びその混合物から選択される少なくとも1つの化合物、少なくとも1つのヒドロキシル官能基を含有する少なくとも1つの化合物、好ましくは少なくとも2つの化合物、並びに顔料、直接染料及びその混合物から選択される少なくとも1つの着色剤を含み;
組成物A及び/又は組成物Bが、任意選択的に、先に定義されたような少なくとも1つのシリコーンを含み;及び
前述の組成物Dが、毛髪ケラチン繊維に、組成物Cを毛髪ケラチン繊維に適用する前及び/又は後に適用される、方法である。
【0422】
本発明はまた、毛髪等の毛髪ケラチン繊維を着色するための装置であって:
-第1の区画(E1)において、先に定義された本発明による組成物A;
-第2の区画(E2)において、先に定義された本発明による組成物B;
-任意選択的に、第3の区画(E3)において、先に定義した組成物Dを含む、2つの区画を含む装置にも関する。
【0423】
ここで、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、これらは、決して本発明の範囲を限定するものではない。しかしながら、実施例は、本発明の特定の特徴、変形形態及び好ましい実施形態を支持することを可能にする。
【実施例
【0424】
本発明の(ポリ)カルボジイミドは、市販の製品又は当業者にも知られている化学反応に従い合成することができる試薬から出発して、当業者に知られている合成方法を介して入手することができる。例えば、書籍であるSciences of Synthesis-Houben-Weyl Methods of Molecular Transformations,2005,Georg Thiem Verlag Kg,Rudigerstrasse 14,D-70469 Stuttgart又は米国特許第4284730号明細書又はカナダ国特許出願第2509861号明細書を挙げることができる。
【0425】
より詳細には、本発明の(ポリ)カルボジイミドを調製するための方法は、第1工程において、ジイソシアネート試薬(1):
O=C=N-L-N=C=O (1)
(式(1)中、Lは、先に定義した通りである)を、米国特許第4284730号明細書に記載されているものなどのカルボジイミド化触媒(2)、特にリン系触媒、特にホスホレンオキシド並びにホスホレンスルホキシド、ジアザ-及びオキサアザ-ホスホランから選択されるものの存在下に、好ましくは不活性雰囲気(窒素又はアルゴン)中、特に好ましくは非プロトン性の極性溶媒、例えばTHF、グリム、ジグリム、1,4-ジオキサン又はDMF中、室温~溶媒の還流温度の温度、好ましくは約140℃で反応させることにより;カルボジイミドジイソシアネート化合物(3):
O=C=N-L-(N=C=N-L-N=C=O (3)
(式(3)中、L及びnは、先に定義した通りである))を得ることを含む。触媒を失活させるために、塩化ベンゾイルなどのハロゲン化ベンゾイルを添加し得る。
【0426】
この調製方法の第2工程において「対称」(ポリ)カルボジイミドを得る場合、化合物(3)を、1モル当量(1eq.)の求核試薬R-X-Hと反応させ、次いで0.5eq.の試薬H-E-H(式中、R、X及びEは、先に定義した通りである)と反応させることにより、本発明による「対称」化合物(4):
[R-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)]-E (4)
(式(4)中、R、X、L、n及びEは、先に定義した通りである)を得る。化合物(3)から(4)を得るための一変形形態によれば、0.5eq.の試薬H-E-Hを添加した後、1eq.の試薬R-X-Hを添加することが可能である。
【0427】
この調製方法の第2工程において「非対称」(ポリ)カルボジイミドを得る場合、化合物(3)を、1モル当量(1eq.)の求核試薬R-X-Hと反応させ、次いで1eq.の試薬H-E-H(式中、R、X及びEは、先に定義した通りである)と反応させることにより、化合物(5):
-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-E-H (5)
(式(5)中、R、X、L、n及びEは、先に定義した通りである)を得る。
【0428】
(3)から化合物(5)を得るための一変形形態によれば、まず1eq.の試薬R-X-Hを添加した後、0.5eq.の試薬H-E-Hを添加することが可能である。
【0429】
第3の工程において、化合物(5)を、1eq.の化合物(6):
-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-N=C=O (6)(前記化合物(6)は、化合物(3’):O=C=N-L-(N=C=N-L-N=C=O (3’),(式(3’)中、L及びzは、先に定義した通りである)を、1eq.の求核試薬R-X-H(式中、L、R、X及びzは、先に定義した通りである)と反応させることにより予め調製されたものである)と反応させることにより、非対称化合物(7):
-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-E-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-X-R (7)
(式(7)中、R、X、L、R、X、n、z及びEは、先に定義した通りである)を得る。
【0430】
1モル当量の化合物O=C=N-L-(N=C=N-L-N=C=O (3’)を、1/wモル当量のH-E-Hと反応させ、次いで1eq.の求核試薬R-X-Hと反応させることにより、化合物(8):
H-[E-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-X-R (8)
(式(8)中、L、R、X、z及びEは先に定義した通りであり、wは1~3の整数であり;より優先的には、w=1である)を得ることも可能である。
【0431】
次いで、最終化合物(8)を、次いで、1eq.の化合物(4’):
-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-N=C=O(4’)(前記化合物(4’)は、0.5eq.の求核試薬R-X-Hを1eq.の化合物(3)と反応させることにより合成することができる)と反応させることにより、本発明の(ポリ)カルボジイミド(9):
-X-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-[E-C(O)-NH-L-(N=C=N-L-NH-C(O)-X-R (9)
(式(9)中、L、R、X、R、X、n、z、w及びEは、先に定義した通りである)を得ることができる。
【0432】
(ポリ)カルボジイミド化合物及びそれと同様に全ての反応中間体及び試薬は、当業者に知られている従来の方法、例えば、水及び水と不混和な有機溶媒を用いた抽出、沈殿、遠心分離、濾過及び/又はクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0433】
実施例1:(ポリ)カルボジイミド化合物を合成するための方法
温度計、撹拌機及び還流管を備えた500mL容の三ツ口丸底フラスコに4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート50g及び4,5-ジヒドロ-3-メチル-1-フェニル-1H-ホスホール1-オキシド0.5gを撹拌しながら装入する。
【0434】
赤外分光法により2200~2300cm-1のイソシアネート基の吸収で反応を監視しながら、反応媒体を窒素中140℃で4時間加熱した後、120℃に冷却する。
【0435】
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル5.3g及び1,4-ブタンジオール1.2gの混合物を撹拌しながら反応媒体に導入する。赤外分光法により2200~2300cm-1を監視し、イソシアネート基が完全に消失するまで温度を120℃に維持し、次いで室温に冷却する。
【0436】
室温に冷却した後、蒸留水85gを含む500mL容のガラス製ビーカーに反応媒体を激しく撹拌しながら滴下することにより、所望の生成物を半透明の黄色液体の形態で得る。
【0437】
実施例2:
以下に記載される組成物A1、B1及びB2を調製した:量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0438】
【表1】
【0439】
【表2】
【0440】
したがって、組成物A1、B1及びB2は、本発明による方法の文脈で使用される組成物である。したがって、これらの組成物は、本発明による組成物と考えられる。
【0441】
a.安定性評価
組成物の外観は、それらが調製された後、T0において観察される。
【0442】
組成物A1は、滑らかな流動ゲルの形態である。
【0443】
組成物B1及びB2は、流動性の粘性の有色ゲルの形態である。
【0444】
次いで、組成物を45℃、大気圧で2ヶ月間保存する。次いで、各組成物の安定性を目視観察によって評価する。
【0445】
組成物A1、B1及びB2の安定性は許容され得るものである。
【0446】
b.抗菌性能評価
この評価の文脈で2つの試験:「配向」試験及び「確認」試験を行う。
【0447】
測定方法:
本発明による保存剤の有効性は、組成物の抗菌保護のレベルを決定することを可能にするチャレンジ試験によって評価される。
【0448】
これは、様々な微生物(細菌、酵母及びカビ)による試験製品の人工的な汚染及び生存可能な細菌の数の経時的なモニタリングからなる。
【0449】
このため、試験開始前に清浄度制御を行わなければならない。これにより、チャレンジ試験で試験される製剤が汚染されていないこと、又は許容基準を満たすことを確認することが可能になる。したがって、複数の汚染は、チャレンジ試験の正確な進行のために回避される。
【0450】
十分に保護された製品は、導入された微生物の除染を可能にしなければならず、この除染は、微生物株、製品の種類、コンディショニング物品等の機能として多かれ少なかれ迅速である。
【0451】
製品は、試験される微生物が存在するのと同じ数の丸剤ボトルに分配される。較正された微生物懸濁液は、製品1グラム当たり10細菌の含有量を得るようにこれらのボトルのそれぞれに導入される(各微生物懸濁液は、製品に接種された正確な含有量を決定するために計数される)。
【0452】
汚染された生成物は、32.5℃±2.5℃で24時間、又は金型の場合は48時間保存する。
【0453】
製剤の保護の有効性は、限定されるが、製造中及びその使用中の両方で製品を汚染しやすい種の中から選択される微生物スペクトルで試験される。
【0454】
微生物スペクトルは、チャレンジ試験を実施するために使用される様々な微生物を組み合わせる。これは、配向試験のためのグラム陽性菌(エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis))、酵母(カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))及びカビ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))並びに確認試験のための4つの細菌(大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)及びエンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis))、酵母(カンジダ・アルビカンス(Candida albicans))及びカビ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger))を含む。
【0455】
試験の第1部:配向
これは、残りの試験を方向付け、短時間で保護が不十分な製剤を同定するためのスクリーニング試験である。
【0456】
生成物及び細菌の間の7日間の接触後、生成物中に残存する微生物を計数する目的で試料を採取する。
【0457】
本方法による検出限界:250cfu/g
【0458】
したがって、最も好ましい結果は、250細菌/g未満である(ディッシュ上に微生物コロニーが存在しない)。
【0459】
試験の第2部:確認
特殊な場合を除いて、配向試験の終了時に保持された製剤のみが確認工程を受けることができる。
【0460】
配向に関しては、生成物及び細菌の間の7日間の接触後に、生成物中に残存する微生物を、カウントするための最初の試料採取が行われる。
【0461】
確認工程と配向工程との間の主な違いは、経時的な抗菌保護の変化をモニタリングするために2つの他の試料収集:14日目の試料採取及び28日目の他の試料採取が実行されることである。
【0462】
計数を行うために行われた希釈物は、ペトリディッシュに播種される。
【0463】
生成物中に残っている細菌を計数する。
【0464】
例:4.3x10細菌/g
【0465】
本方法による検出限界:200cfu/g
【0466】
したがって、最も好ましい結果は、200細菌/g未満である(ペトリディッシュ上に微生物コロニーが存在しない)。
【0467】
経時的な抗菌保護の安定性を確認するために、本試験を45℃で2ヶ月間の加速エイジング後の製剤に対して繰り返す。
【0468】
結果は、以下の表で照合される:
【0469】
【表3】
【0470】
したがって、本発明による着色方法は、経時的な良好な安定性及び微生物に対する良好な保護、したがって経時的な良好な貯蔵を有する組成物を使用する。
【0471】
実施例3:
実施例2において上に記載した組成物A1、B1及びB2を調製した。
【0472】
次いで、2つの混合物を作製する。
【0473】
組成物A1を組成物B1と50/50比で混合することにより組成物C1を得る。
【0474】
組成物A1を組成物B2と50/50比で混合することにより組成物C2を得る。
【0475】
したがって、組成物C1及びC2は本発明に係る組成物である。
【0476】
次に、以下の組成物Dを調製した:量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0477】
【表4】
【0478】
プロトコル:
組成物C1及びC2をそれぞれ、白髪90%を含む乾いた天然の毛髪の毛束に、毛束1グラム当たり組成物0.8gの比率で適用する。
【0479】
次いで毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。
【0480】
次に、組成物Dを、組成物C1及びC2で処理して乾燥させた毛髪の前記毛束に、毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0481】
次いで毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。次に、毛束を室温及び周囲湿度で24時間保存する。
【0482】
次いで、このように着色した毛束に得られた色の、シャンプー洗浄に対する堅牢性(持続性)を評価するために、以下に記載するシャンプー洗浄手順に従い、シャンプー洗浄を数回繰り返す試験を行う。
【0483】
シャンプー洗浄プロトコル:
着色させた毛束をコーミングし、35℃の水で湿らせた後、5秒間にわたって5回手櫛で梳く。次に、毛束を2本の指間で絞って乾燥させる。
【0484】
標準的なシャンプー(Garnier Ultra Doux)を、着色した毛束に毛束1グラム当たり標準的なシャンプー0.4gの比率で均一に適用し、毛束の長手方向に沿って根元から毛先に向かって15秒間優しく揉み込む(6回)。
【0485】
次いで毛束を時計皿に置き、1分間放置する。
【0486】
次いで、毛束を指間に通しながら(15回)水で濯ぐ。次いで、次のシャンプー洗浄を行う前に、毛束を2本の指間で絞って乾燥させる。
【0487】
数回シャンプー洗浄を行う試験を終えたら、毛束をコーミングし、ヘアドライヤーで乾燥させる。
【0488】
結果:
毛束の色の持続性を、Minolta Spectrophotometer CM3600A分光測色計(D65光源、角度10°、正反射成分を含む)を使用して、CIE L*a*b*系で評価した。
【0489】
このL*a*b*系において、L*は、色の強度を表し、a*は、緑/赤色軸を示し、b*は、青/黄色軸を示す。
【0490】
着色した毛束をシャンプーする前と、次いで、上に述べた手順に従いシャンプー洗浄を5回行った後との色差ΔEにより、着色の持続性を評価する。ΔE値が低いほど、シャンプー洗浄に対する色の持続性が高い。
【0491】
ΔE値は次式に従い求められる:
【数1】
【0492】
この式中、L*a*b*は、毛髪の着色後、シャンプー洗浄を実施した後に測定した値を表し、L*a*b*は、毛髪の着色後の、シャンプー洗浄を行う前に測定した値を表す。
【0493】
【表5】
【0494】
組成物(C1及びC2)+Dのそれぞれで処理し、5回のシャンプー洗浄で洗浄した毛束は、低いΔE値を有する。したがって、組成物(C1及びC2)+Dを用いて得られた毛髪ケラチン繊維の有色のコーティングは、シャンプー洗浄に対し良好な持続性を示す。
【0495】
さらに、毛髪上の滑らかで均一な色のコーティングが観察される。
【0496】
実施例4:
以下に記載される組成物A2、B3及びB4を調製した:量は、得られた出発物質のg/100gとして表される。
【0497】
【表6】
【0498】
【表7】
【0499】
したがって、組成物A2及びB3は、本発明による方法の文脈で使用される組成物である。したがって、これらの組成物は、本発明による組成物と考えられる。組成物B4は比較組成物である。
【0500】
組成物の外観は、それらが調製された後、T0において観察される。
【0501】
組成物A2は、滑らかな流動ゲルの形態である。
【0502】
組成物B3は、流動性の粘性ゲルの形態である。
【0503】
組成物B4は、非常に厚いゲルの形態である。
【0504】
次いで、組成物を55℃、大気圧で10日間保存する。次いで、各組成物の安定性を目視観察によって評価する。
【0505】
組成物B4は、多くの粒子を含む非常に脆い乾燥ゲルの形態であったことが分かる。
【0506】
したがって、組成物B4の安定性は不十分であり、許容され得るものではない。
【0507】
一方、組成物B3の安定性は許容され得るものである。組成物A2の安定性も許容され得るものである。
【0508】
実施例5:
実施例4において上に記載した組成物A2、及びB3を調製した。
【0509】
組成物A2を組成物B3と50/50の質量比で混合して、毛髪着色組成物C3を得る。
【0510】
したがって、組成物C3は本発明に係る組成物である。
【0511】
次に、実施例3で上述した組成物Dを使用する。
【0512】
プロトコル:
組成物C3を、白髪90%を含む乾燥した天然の毛髪の毛束に、毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0513】
次いで毛束を、ヘアドライヤーを用いて乾燥させた後、コーミングする。
【0514】
次に、組成物Dを、組成物C3で処理して乾燥させた毛髪の前記毛束に、毛束1グラム当たり組成物0.5gの比率で適用する。
【0515】
次いで、毛束を室温で24時間放置する。
【0516】
次いで、このように着色した毛束に得られた色の、シャンプー洗浄に対する堅牢性(持続性)を評価するために、以下に記載するシャンプー洗浄手順に従い、シャンプー洗浄を数回繰り返す試験を行う。
【0517】
シャンプー洗浄プロトコル:
着色させた毛束をコーミングし、35℃の水で湿らせた後、5秒間にわたって5回手櫛で梳く。次に、毛束を2本の指間で絞って乾燥させる。
【0518】
標準的なシャンプー(Garnier Ultra Doux)を、着色した毛束に毛束1グラム当たり標準的なシャンプー0.4gの比率で均一に適用し、毛束の長手方向に沿って根元から毛先に向かって15秒間優しく揉み込む(6回)。
【0519】
次いで毛束を時計皿に置き、1分間放置する。
【0520】
次いで、毛束を指間に通しながら(15回)水で濯ぐ。次いで、次のシャンプー洗浄を行う前に、毛束を2本の指間で絞って乾燥させる。
【0521】
数回シャンプー洗浄を行う試験を終えたら、毛束をコーミングし、ヘアドライヤーで乾燥させる。
【0522】
結果:
【0523】
【表8】
【0524】
組成物C3+Dで処理し、5回のシャンプー洗浄で洗浄した毛束は、低いΔE値を有する。したがって、組成物C3+Dを用いて得られた有色のコーティングは、シャンプー洗浄に対し良好な持続性を示す。
【0525】
さらに、毛髪上の滑らかで均一な色のコーティングが観察される。
【国際調査報告】