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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】前立腺を触診するための装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/00 20060101AFI20240202BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20240202BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A61B10/00 T
A61B8/12
A61B5/00 101L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549107
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 ES2022070074
(87)【国際公開番号】W WO2022171924
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】P202130115
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523309048
【氏名又は名称】フンダシオン パラ ラ インベスティガシオン デル オスピタル ウニベルシタリオ イ ポリテクニコ ラ フェ デ ラ コムニダ バレンシアナ
(71)【出願人】
【識別番号】523307996
【氏名又は名称】ウニベルシタット ポリテクニカ デ バレンシア
(71)【出願人】
【識別番号】523309059
【氏名又は名称】アソシアシオン インスティテュート デ ビオメカニカ デ バレンシア
(71)【出願人】
【識別番号】511000083
【氏名又は名称】コンセホ スペリオール デ インベスティガシオネス シエンティフィカス(セエセイセ)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS(CSIC)
【住所又は居所原語表記】C/Serrano,117,E-28006 Madrid,Spain
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ベラ ドノソ,セサル ダビド
(72)【発明者】
【氏名】ボロナート トルモ,フランシスコ デ パウラ
(72)【発明者】
【氏名】ヒメネス ゴンサレス,ノエ
(72)【発明者】
【氏名】カマレナ フェメニア,フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】アティエンサ ビセンテ,カルロス マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】モラガ マエストロ,ラモン
【テーマコード(参考)】
4C117
4C601
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XB09
4C117XD29
4C117XE27
4C117XE46
4C601BB16
4C601BB23
4C601BB27
4C601EE30
4C601FE07
4C601FF20
4C601GA20
4C601GB05
4C601GB10
4C601LL26
(57)【要約】
収集した情報を客観的で再現性のある有用な情報に変換する、前立腺の直腸面の触診のためのシステムから成る。本システムは、硬直した領域を特定すること、周辺領域全体に達することを可能にし、これまで主観的で信頼性できなかった前立腺癌の診断方法を客観的なものに変える。これら全てが短時間で、直腸検査よりも積極的でなく客観的な方法で実施される。装置は、ハンドル(1)及び走査ロッド(3)を有するマニュアル電子機器で構成され、高さが異なる少なくとも2つの同心の力/圧力センサと、分析/制御のための外部装置への接続により、得られた分析すべきデータ及び分析すべき前立腺の解剖学的構造をリアルタイムで可視化することを可能にする超音波イメージングシステムを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前立腺触診のための装置であって、当該装置を取り扱うためのハンドル及びプローブを含み、当該装置は、
(a)2つの同心の力/圧力センサであって、該2つの同心の力/圧力センサは、高さが異なる2つの同心の圧子に作用するとともに走査ロッドの遠位端の近くに位置する、2つの同心の力/圧力センサと、
(b)前記走査ロッド内に位置する超音波イメージングシステムであって、該超音波イメージングシステムは、測定が有効になるように、癌領域内で及び癌領域の近くに前記圧力センサを正確に位置決めするために、センサ位置及び前立腺の解剖学的構造の可視化を可能にする、超音波イメージングシステムと、
(c)分析/制御のための外部装置への接続により、前記センサ及び前記超音波イメージングシステムの両方のための制御電子機器と、
を含む、前立腺触診のための装置。
【請求項2】
前記ハンドルは、前記装置のセンサの読み取りを有効にするためのプッシュボタンと、異なる圧力レベルを表示するための目盛りと、インジケータライトを備える、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【請求項3】
前記力/圧力センサは2つの同心の圧子の形態を有し、中央の圧子は外側又は外周の圧子よりも高く、外側の圧子はレバーにより、内側の圧子は円筒により内部圧力センサにそれぞれリンクされている、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【請求項4】
前記超音波イメージングシステムは、相対位相が異なる送信機/受信機のセットで具現化され、該セットは中央周波数が少なくとも2MHzで、帯域幅が少なくとも50%である少なくとも8つの要素を含み、前立腺の断面を観察することができるような方法で焦点を合わせ、該セットは、無線通信モジュール又はコンピュータ、タブレット、スマートフォン又は超音波情報の可視化を可能にする他のコンピュータ装置とのUSB接続に関連する電子機器を含む、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【請求項5】
複数対の圧力/力センサを含む、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【請求項6】
前記圧子を覆うシースを含む、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【請求項7】
前記走査ロッドの内部に収納システムを含む、請求項1に記載の前立腺触診のための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前立腺癌検診方法としての前立腺を触診するための装置を開示する。本発明の目的は前立腺癌を検出することを目的として、前立腺の直腸面の触診を可能にし、硬直した領域及び腺の限界を特定する装置を提供することである。
【0002】
前立腺の硬直(例えば、脂肪層の変形によって決定される硬直及び全体的な軟組織層によって決定される硬直)を特徴づけるために、本装置は、直腸により、前立腺の直腸面上の点で力及び変形を測定するように構成されている。
【0003】
本発明は、組織の硬直を評価するための客観的且つ再現性のある指標を提供する、前立腺の直腸面の触診を行うための装置及び方法を開示する。
【0004】
現在、前立腺癌のための最も一般的な診断手技は直腸指診である。これは手動での手順であるため、検査は主観的となり、信頼性がない。加えて、前立腺尖部に指が達しないことが多く、組織の硬直の評価が部分的なものとなる。
【0005】
本発明で開示する方法及び装置は、完全に客観的で、あまり積極的ではない方法で硬直した領域の特定を可能にし、直腸指診と同様の試験時間で末梢領域全体に到達できる。本発明の装置は、試験の間に前立腺の解剖学的構造を可視化することを可能にする超音波イメージングシステムも有する。
【0006】
本発明は、前立腺癌の治療に専念する産業に加えて、医療診断装置の製造分野に関する。
【背景技術】
【0007】
前立腺は、男性の膀胱の下に位置し、精液を作る腺である。癌は早期に発見されるほど治療しやすいため、癌検診は症状が出る前に行われる検査である。
【0008】
スペイン及び世界で診断された癌の絶対数は、おそらく人口の寿命の増加と関連して何十年にわたって増加が続いており、前立腺癌は、現在男性の中で最も頻度が高い癌である。
【0009】
この点で、前立腺癌の検診方法として用いられている検査の1つは直腸指診である。前立腺癌の18%では、前立腺特異抗原(PSA)と呼ばれる血液マーカーの変化を伴わない直腸指診異常のみが認められる。
【0010】
医師は手袋をはめ、潤滑剤を塗った指を直腸に挿入して前立腺を触診し、触診した領域の硬直に応じて診断を決定する。
【0011】
しかしながら、この方法には多くの問題がある。
-最初に、最大の問題は、触診領域の硬直の分析が医師が自身の指でかけることができる圧力による医師の主観に基づくため、客観性に欠けることであり、信頼性の低い診断につながり得る。
-指の長さ、患者の大きさ及び検査者の経験によって検査の質が制限される。
-これは、検査者及び患者にとって心理的に不愉快な技術である。したがって、非常に不愉快であまり得られるものが少ないこの側面を低減することが望ましい。
【0012】
この課題を解消する試みとして、力/圧力センサを含む前立腺触診のための装置が知られている。米国特許出願公開第2007/293792号には、前立腺に隣接する直腸壁を介して前立腺の硬直を測定するように構成された力/圧力センサを含む直腸プローブが開示されている。
【0013】
力/圧力センサは、前立腺圧力、硬直及び/又は前立腺腫瘍を検出するのに十分な大きさであることが理想的である。腫瘍によって感知装置に加えられる力は、良性前立腺によって支持される隣接する直腸壁組織によって加えられる力よりも通常大きい。
【0014】
この装置では、力/圧力センサがプローブに強固に取り付けられ、力センサによって測定された力が加えられた力に対応することを保証する。
【0015】
前立腺組織の外観により、圧力/力センサの適用は誤った測定値をもたらし得る。なぜなら、互いに対して異なる測定値を得ることは良好な診断を行う上で重要であるため、小さなひだと一致し得るからである、
他方、これらの装置は前立腺の解剖学的構造を視覚化する手段を含まないため、走査された特定の領域を正確に知ることはできず、走査されているのが前立腺であればなおさらである。
【0016】
前立腺硬化を客観的に検出できる装置はあるが、それはせん断波エラストグラフィーのための特別なプローブ及び特定のソフトウェアを備えた高度な超音波装置である。
【0017】
このような機器の使用は、専門病院での診察では実現可能で有用であるが、それらは高価で、サイズが大きく、携帯性が限られているため、患者が最初に来院するプライマリケアでの患者の初期検診には適していない。この文脈では、直腸指診の訓練をほとんど受けていない医師は、特定の患者が泌尿器科診察を正当化する条件を備えているかどうかを判断しなければならず、それは偽陰性につながる可能性があり、特定の遅れや偽陽性による病理の合併症を引き起こし、専門診察を崩壊させ、長い待機リストが生じる。
【0018】
同様の状況は、米国特許第6511427号、米国特許第8016777号又は米国特許出願公開第2002/143275号に開示されているような種類の他の装置にも見られる。
【0019】
端的に言えば、現在までのところ、装置自体で収集された情報を客観的で再現性のある有用な情報に変換し、全てが装置内にあり、使いやすく低コストの前立腺の直腸面の触診のためのシステムは存在しないと結論付けることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
開示の前立腺を触診するための装置は、上記の課題を完全に満足のいく形で解決し、前立腺癌を示唆する硬結を検出することを目的として、前立腺の直腸面の触診を可能にし、腺の末梢領域の硬直した領域を特定する。
【0021】
この目的のために、本発明の装置は、経直腸走査ロッドに結合される、装置の取扱いのためのハンドルを備えた携帯型電子機器の形態をとる。
【0022】
制御電子機器は、対応するプッシュボタンを介して、得られた測定結果を示す一連のインジケーターと共にハンドルに統合される。
【0023】
走査ロッドは、その遠位端の近くに高さの異なる2つの同心円状の圧子を有し、中央の圧子は外側又は周囲の圧子よりも高く、この圧子により走査ポイントに圧力が加えられ、レバー(外側圧子)及びシリンダ(内側圧子)によってそれぞれの内側圧力センサにリンクされている。
【0024】
これらの要素は、直腸を介して前立腺の特定の点で、同期した力及び変形を生体内で測定することを可能にする。
【0025】
本発明の別の特徴によれば、装置は、圧力センサを正確に位置決めできるだけでなく、前立腺の解剖学的構造の特定及び可視化を可能にする超音波イメージングシステムが組み込まれている。
【0026】
超音波イメージングシステムは、横方向焦点を有し、少なくとも8個の圧電エミッタ/レシーバ素子と、少なくとも50%の帯域幅と、2MHzを超える中心周波数のフェーズドアレイの使用に基づき、前立腺のセクタースライスを観察できる。
【0027】
経直腸超音波イメージングシステムの放射素子の配置は、ステムの円筒形状に適合し、組織に接触するように湾曲し、それらのサイズ及び数並びにそれらの間の分離距離は、圧力センサラインの正しい配置を妨げないように最適化され、最良の画像解像度及び最大の開口並びに被写界深度を得られることが好ましい。
【0028】
経直腸超音波イメージングシステムは、超音波情報の可視化を可能にするコンピュータ、タブレット、スマートフォン又は他のコンピュータ装置で使用することを可能にする無線通信モジュール又は有線通信インターフェイスに関連する電子機器を有する。この経直腸超音波イメージングシステムは、リアルタイムで検査を行う医療スタッフに前立腺の視覚的な参照を提供する。
【0029】
経直腸超音波の同時実行は、頻繁な前立腺結石によって引き起こされ得るか、そうでなければ硬直が高まった領域に関連する偽陽性を除外することを可能にする。
【0030】
あるいは、超音波イメージングシステムは、電子解剖学的画像アドレッシングのための放射素子の2次元配列で構成され得るか又は機械的で低コストの解剖学的セクター画像アドレッシングのためにハンドルからの機械的回転を可能にする1次元配置で構成され得る。このようにして、硬直センサの同じ位置から異なる前立腺スライスの画像を取得し、走査を改善し、偽陽性を除外するために、硬直センサ及びプローブは経直腸的超音波画像と整列されないことがある。
【0031】
あるいは、圧力センサの領域と、それに接触する組織とが超音波画像に含まれるように、超音波画像システムはステム内の位置に位置し得る。その場合、ステムの内部は、音響インピーダンス整合層を用いて適切な超音波伝搬を可能にする弾性及び密度を有する媒体を含む。この規定は、圧力センサと組織との間の接触の品質に関する追加情報を提供し、該情報はセンサと組織との間の正確な物理的接触を確実にするために用いられる。
【0032】
加えて、この構成は、エコー源情報と圧力センサからの情報との相関を可能にする。
【0033】
あるいは、圧力センサと組織との間の結合の品質管理のための専用の超音波イメージングシステムがあってもよい。
【0034】
このように、装置は患者の肛門を通して導入され、その探索ステムによって探索されるため、前立腺癌を示唆する硬結領域を検出するために前立腺の直腸側がそれを通してマップされる。
【0035】
任意で、より大きな領域を同時に触診することによって装置の使用を簡素化するために、センサの数を増やすことができる。
【0036】
この構造に基づいて、装置で収集された情報を客観的で再現性のある有用な情報に変換する前立腺の直腸面の触診システムが実現され、現在、多くの場合、手動による処置の間に指が前立腺尖部にほとんど達することがない周辺領域全体に到達することによって、硬直した領域を識別することを可能にし、これまで主観的で信頼性の低い前立腺癌の診断手技を客観的な手技に変換する。これら全てを短時間で、直腸指診検査よりも積極的でなく且つ客観的な方法で行われる。
【0037】
加えて、検査を行う医療従事者は、直腸への装置の挿入及び取り出す間に腸壁と圧子の接触を避けなければならない。
【0038】
この目的のために、操作を容易にするために、
1.圧子を覆い、評価すべき領域に達した後に取り外されるシース、又は
2.挿入の間に圧子をステム本体内に収納し、評価する領域に達したときにハンドル内の制御システムによって圧子を取り出すことを可能にするステム内部の収納システム
という2つの代替システムを装置に組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
以下の説明を補足し且つ本発明の特徴をよりよく理解するのを助けるために、本発明の実用的な実施の好ましい実施例にしたがって、以下に記載する方法に従って、て、本説明の不可欠な部分として一式の図面が添付されている。図面では限定ではなく例示を目的として以下は図示されている。
図1図1は、本発明の目的に係る前立腺を触診するための装置の斜視図を示す。
図2図2は、装置のハンドルに位置する制御インターフェイスの拡大した詳細を示す。
図3図3は、支持ベースとベースの端部にあるヒンジ付きレバー(図中では持ち上げられている)によって形成される機械アセンブリ内に位置する圧力センサの位置を示す。左側のセンサ(図中の10)は内側圧子から直接力を受信し、内側センサ(図中の11)は、第2の圧子が位置するレバーの中央のサポートを介して、外側圧子から間接的に力を受信する。
図4図4は、その遠位端で走査ロッド(3)に挿入され、円形キャップ(4)によって閉じられた、その作業位置に取り付けられた圧子及びセンサベースアセンブリを示す。アセンブリはセンサ(12)のための支持ベースを有する。外側圧子(5)はレバー(13)と一体化され、その端部がベースにヒンジ留めされ、中央支持体(14)によって対応するセンサ(11)に力を伝達する。内側圧子(6)は全体の高さが大きい外側圧子(5)の内部を通り、対応するセンサ(10)に力を伝達する。
【発明を実施するための形態】
【0040】
上記の図面に鑑み、開示の前立腺触診のための装置は、その操作のためのハンドル(1)を備えた携帯型電子機器及びプローブ(3)とで構成されていることが分かる。
【0041】
より具体的には、図2に示すように、制御電子機器はハンドルに一体化され、アクセスするためのカバー(2)を備え、制御電子機器は装置を管理(オン又はオフ、読み取り値の有効化又は削除)するための押しボタン(7)と、異なる圧力レベル(9)を表示する目盛り(8)とを有し、測定結果、機器の電源オン又はバッテリーの充電状態を示すインジケータライト(10)を含み得る。
【0042】
再び図1に戻って、走査ロッド(3)の遠位端(4)の近くには、高さが異なる2つの同心円状の圧子(5-6)があり、中央の圧子は外側又は周囲の圧子よりも高く、後者の直径約5ミリメートルであり、後者は直径約5ミリメートルの要素であり、それにより圧力が探査点に適用され、レバー(外側圧子)及びシリンダ(内側圧子)によってそれぞれの内側圧力/力センサにリンクされている。
【0043】
前立腺の解剖学的構造に加えて、測定を行う際に装置が位置する厳密な点を視覚化することができるようにするために、装置は「フェーズドアレイ」又は位相エミッタ、すなわち、少なくとも2MHzの中心周波数を有する少なくとも8つの要素を含む、セットの放射パターンを変更するために各エミッタに供給される信号の相対位相が意図的に変更される一式のエミッタの使用に基づき、前立腺の断面の可視化を可能にする超音波イメージングシステムと、超音波情報の視覚化を可能にするコンピュータ、タブレット、スマートフォン又は他のコンピュータ装置と共に用いることを可能にする無線通信モジュール又は有線接続に関連する電子機器とを含むことを意図している。
【0044】
図3及び図4に示すように、中央支持体(11)及び外側圧子(5)を有するレバー機構(13)と、同心円状の円筒状内側圧子(6)とにより、2つの圧子(5、6)によって加えられた力を2つのセンサ(10、11)に同時に伝達することができる。
【0045】
加えて、上記に示すように、検査を行う医療従事者は、直腸における装置の挿入及び取り出しの間に腸壁と圧子との接触を避けなければならない。
【0046】
この目的のために、
1.圧子を覆い、評価すべき領域に達した後に取り外されるシース、又は
2.挿入の間に圧子をステム本体内に収納し、評価する領域に達したときにハンドル内の制御システムによって圧子を取り出すことを可能にするステム内部の収納システム
という2つの代替システムを装置に組み込むことができる。
【0047】
最後に、上述したように、より大きな表面積を同時に触診することによって装置の使用を簡素化するために、任意で、圧力センサの数を増やすことができる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】