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特表2024-506211スポーツ飛翔体のための軌道ガイダンス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】スポーツ飛翔体のための軌道ガイダンス
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/06 20060101AFI20240202BHJP
   A63B 69/00 20060101ALI20240202BHJP
【FI】
A63B71/06 R
A63B71/06 U
A63B69/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549113
(86)(22)【出願日】2022-02-11
(85)【翻訳文提出日】2023-08-18
(86)【国際出願番号】 GB2022050372
(87)【国際公開番号】W WO2022172020
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】2102007.8
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523309130
【氏名又は名称】リベイロ ギレルメ キレリ コレア ロシャ
(71)【出願人】
【識別番号】523309141
【氏名又は名称】リベイロ ロドリゴ キレリ コレア ロシャ
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リベイロ ギレルメ キレリ コレア ロシャ
(72)【発明者】
【氏名】リベイロ ロドリゴ キレリ コレア ロシャ
(57)【要約】
局所的環境(例えば、大気)条件を示す情報を取得する(1301)ための手段と、局所的環境条件を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測する(1500)ための手段と、予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせる(1600)ための手段と、を備えた装置(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所的風況を示す情報を提供するように構成された手持ち可搬型風速計を備えた装置であって、
前記局所的風況を示す情報を取得するための手段と、
前記局所的風況を示す前記情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するための手段と、
前記予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせる手段と、
を更に備える装置。
【請求項2】
前記スポーツ飛翔体についてのベース軌道情報を取得するための手段を備え、
前記ベース軌道情報は、少なくとも1つの変数を含み、
前記予測された軌道は、前記ベース軌道情報に依存し、
前記ガイダンスは、前記予測された軌道に対する前記局所的風況の影響に依存している、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ベース軌道情報は、ヒューマンマシンインタフェースからのユーザ入力に依存する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ベース軌道情報は、前記スポーツ飛翔体の打ち出しのために指示されたスポーツ器具の特徴に依存し、前記特徴は変数である、請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記特徴はロフトを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記スポーツ器具はゴルフクラブを含み、前記装置は、ゴルフクラブ種別のユーザ選択に基づき、前記特徴を取得するように構成される、請求項4または5に記載の装置。
【請求項7】
選択可能なゴルフクラブ種別は、1つ以上のウッド、および/または1つ以上のアイアン、および/または1つ以上のウェッジ、および/または1つ以上のハイブリッドを含む、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ベース軌道情報は、指示されたユーザ能力に依存し、前記指示されたユーザ能力は変数である、請求項2~7の何れか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記指示されたユーザ能力は、前記ユーザに対応付けられた着弾距離を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記指示されたユーザ能力は、前記ベース軌道情報の別の変数に対応付けられる、請求項8または9に記載の装置。
【請求項11】
前記別の変数は、前記スポーツ飛翔体の打ち出しのためのスポーツ器具の特徴に対応付けられる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記指示されたユーザ能力は、ヒューマンマシンインタフェースを介して入力されたユーザ情報に基づく、請求項9~11の何れか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記ベース軌道情報を取得するための手段は、
請求項4~7の何れか一項に記載の前記スポーツ器具の前記指示された特徴に基づき、打ち出し角度を決定する副手段、および/または、
請求項8~12の何れか一項に記載の前記指示されたユーザ能力に基づき、打ち出し速度を決定する副手段、
を含む、請求項4~7の何れか一項および請求項8~12の何れか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記指示されたユーザ能力に応じて前記打ち出し速度を決定する副手段は、検索アルゴリズムに基づく、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
局所的風況を示す前記情報は、局所的風況を示し、場合によっては、前記局所的風況は、風角度および/または風速を含む、請求項1~14の何れか一項に記載の装置。
【請求項16】
空間目標を決定するための手段を備え、前記ガイダンスは、前記予測された軌道に対する前記局所的風況の影響に基づき、前記空間目標に対する少なくとも1つの空間オフセットを示すように構成される、請求項1~15の何れか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記空間目標は、前記ベース軌道情報に依存する推定空間目標を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記空間目標は、センサ情報および/またはデータベース情報および/またはユーザ入力に応じて設定された空間目標を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つの空間オフセットは、着弾距離オフセットおよび/または横方向オフセットを含む、請求項16、17、または18に記載の装置。
【請求項20】
前記手持ち可搬型風速計は、風センサを備えた第1の回転可能部分を備え、前記手持ち可搬型風速計は、第1の手で握られるように構成された第2部分を備え、前記第2部分が第1の手で握られているときに、前記回転可能部分が第2の手、前記第1の手の他の指、または方位アクチュエータ、のうちの1つによって回転される、請求項1~19の何れか一項に記載の装置。
【請求項21】
前記装置は、前記回転可能部分を前記第2部分に対して開始角度から終端角度まで回転させるために前記方位アクチュエータを制御する手段を備え、前記終端角度は前記開始角度と同じであるか、または異なり、前記開始角度と前記終端角度との間に1つ以上の中間休止角度が存在し、前記装置は、前記局所的風況を示す前記情報のサンプルの捕捉を前記1つ以上の中間休止角度の各々について開始するように構成される、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記方位アクチュエータは前記回転可能部分によって支持され、前記回転可能部分を前記第2部分に対して回転させるために、前記方位アクチュエータの出力手段は前記第2部分に係合している、請求項20または21に記載の装置。
【請求項23】
前記予測された軌道は、局所的大気温度を示す温度データ、局所的大気圧を示す圧力データ、または局所的大気湿度を示す湿度データ、のうちの1つ以上に依存している、請求項1~22の何れか一項に記載の装置。
【請求項24】
前記手持ち可搬型風速計は、前記温度データを取得するように構成された温度センサ、前記圧力データを取得するように構成された圧力センサ、または前記湿度データを取得するように構成された湿度センサ、のうちの1つ以上を備える、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記手持ち可搬型風速計は、局所的風況を示す前記情報を感知するための風速計を備える、および/または前記手持ち可搬型風速計は、風角度の判定を可能にするための方位センサを備える、請求項1~24の何れか一項に記載の装置。
【請求項26】
前記方位センサは非接触センサを備える、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記装置は、局所的風況を示す前記情報の感知をトリガするように構成された、場合によっては、前記風速計の基準方向を設定するように更に構成された、入力手段を備える、請求項1~26の何れか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記手持ち可搬型風速計は、前記入力手段を備え、更には、前記入力手段のユーザによる作動を検出するように構成された非接触センサを備える、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記入力手段は、手持ち可搬型電子デバイスのヒューマンマシンインタフェースを備え、前記ヒューマンマシンインタフェースは前記手持ち可搬型風速計から分離している、請求項1~28の何れか一項に記載の装置。
【請求項30】
装置であって、
局所的風況を示す情報を取得するための手段と、
前記局所的風況を示す前記情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体またはスポーツ船舶の軌道を予測するための手段と、
前記予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるための手段と、
を備えた装置。
【請求項31】
方法であって、
局所的風況を示す情報を手持ち可搬型風速計から取得するステップと、
前記局所的風況を示す前記情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するステップと、
前記予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップと、
を含む方法。
【請求項32】
コンピュータプログラムであって、コンピュータ上で実行されると、
局所的風況を示す情報を手持ち可搬型風速計から取得させるステップと、
前記局所的風況を示す前記情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測させるステップと、
前記予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップと、
を実施するコンピュータプログラム。
【請求項33】
装置であって、
スポーツ飛翔体についてのベース軌道情報を取得するための手段であって、前記ベース軌道情報は、前記スポーツ飛翔体の打ち出しのために指示されたスポーツ器具の特徴に依存し、前記特徴は変数であり、前記ベース軌道情報を取得するための手段は、前記スポーツ器具の前記指示された特徴に基づき、打ち出し角度を決定する副手段を含み、前記ベース軌道情報は、指示されたユーザ能力に更に依存し、前記指示されたユーザ能力は変数であり、前記指示されたユーザ能力は、ユーザに対応付けられた着弾距離を含み、前記ベース軌道情報を取得するための手段は、前記指示されたユーザ能力に基づき、打ち出し速度を決定する副手段を含む、手段と、
局所的環境条件を示す情報を取得する手段と、
前記局所的環境条件を示す前記情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測する手段であって、前記予測された軌道は前記ベース軌道情報に依存している、手段と、
前記予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせる手段であって、前記ガイダンスは、前記予測された軌道に対する前記局所的環境条件の影響に依存している、手段と、
を備えた装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の複数の実施形態は、スポーツ飛翔体のための風に応じた軌道ガイダンスに関する。一部の実施形態は、ゴルフボールのための風に応じた軌道ガイダンスに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ、アーチェリー、および投擲など、飛翔体を使用するアウトドアスポーツは、局所的大気条件および環境の影響を受ける。風は重要因子である。風は、ショットの軌道を著しく変化させ得るので、得られるスコアに著しく影響し得る。
【0003】
草の葉を空中に放り上げて、木々やゴルフフラグなど、自分の周囲がどのように動いているかを観察するゴルフプレーヤもいる。このプレーヤは、その後、自分のショットの予測軌道に対する風の影響を相殺しようと試みる。そのような風の観察は役に立つが、これら方策では風挙動の全般的な感触が得られるだけであり、風を精確に相殺することは困難である。
【0004】
プレーヤが風速計を持参する場合、風速計は意図されている軌道を考慮に入れないので、風速計に表示された指示は、あまり役に立たない。例えば、長距離ショットは短距離ショットより大きく逸れる。加えて、風が1人のプレーヤのショットに及ぼす影響は、別のプレーヤのショットに及ぼす影響とは異なり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、独立請求項に規定されている。
【0006】
必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、局所的風況を示す情報を提供するように構成された手持ち可搬型風速計を備えた装置が提供される。本装置は、
局所的風況を示す情報を取得するための手段と、
局所的風況を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するための手段と、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるための手段と、
を更に備える。
【0007】
少なくとも一部の例において、環境条件は大気条件を含む。一部の例において、予測された軌道は、ユーザ、および/または選択されたスポーツ器具、に依存している。
【0008】
本装置は、電子装置とすることができる。本装置は、スポーツ飛翔体軌道ガイダンス装置とすることができる。
【0009】
必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、装置が提供される。本装置は、
局所的環境条件を示す情報を取得するための手段と、
局所的環境条件を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体またはスポーツ船舶の軌道を予測するための手段と、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるための手段と、
を備える。
【0010】
必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、方法が提供される。本方法は、
局所的風況を示す情報を手持ち可搬型風速計から取得するステップと、
局所的風況を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するステップと、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップと、
を含む。
【0011】
必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、コンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されると、
局所的風況を示す情報を手持ち可搬型風速計から取得させるステップと、
局所的風況を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測させるステップと、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップと、
を実施する。
【0012】
必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、方法が提供される。本方法は、
スポーツ飛翔体のためのベース軌道情報を取得するステップであって、このベース軌道情報は、スポーツ飛翔体の打ち出しのために指示されたスポーツ器具の特徴に依存し、この特徴は変数であり、ベース軌道情報を取得するステップは、スポーツ器具の指示された特徴に基づき、打ち出し角度を決定するサブステップを含み、ベース軌道情報は、指示されたユーザ能力に更に依存し、指示されたユーザ能力は変数であり、指示されたユーザ能力は、ユーザに対応付けられた着弾距離を含み、ベース軌道情報を取得するステップは、指示されたユーザ能力に基づき、打ち出し速度を決定するサブステップを含む、ステップと、
局所的環境条件を示す情報を取得するステップと、
局所的環境条件を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するステップであって、予測された軌道はベース軌道情報に依存している、ステップと、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップであって、このガイダンスは、予測された軌道に対する局所的環境条件の影響に依存している、ステップと、
を含む。必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、上記方法を実施するための手段を備えた装置が提供される。必ずしも全ての例ではないが、さまざまな例によると、コンピュータプログラムが提供される。このコンピュータプログラムは、コンピュータ上で実行されると、上記方法を実施させる。
【0013】
次に、添付の図面を参照して、一部の例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】装置の一例を示す。
図1B】非一時的コンピュータ可読記憶媒体の一例を示す。
図2】装置の一例を示す。
図3】装置の一例を示す。
図4】ユーザ能力を指示するためのユーザインタフェースの一例を示す。
図5】空間目標までの距離を指示するためのユーザインタフェースの一例を示す。
図6】スポーツ器具を指示するためのユーザインタフェースの一例を示す。
図7】風速計を空間目標に向ける例を示す。
図8】風感知のトリガ例を示す。
図9】風角度の感知を可能にする一例を示す。
図10】予測された風に応じたゴルフボールの一軌道例を示す。
図11A】ガイダンスをレンダリングするためのユーザインタフェースの例を示す。
図11B】ガイダンスをレンダリングするためのユーザインタフェースの例を示す。
図12】ショットを打っているゴルファの一例を示す。
図13】局所的風況を示す情報を取得する方法の一例を示す。
図14】打ち出し速度を決定する方法の一例を示す。
図15】軌道を予測し、ガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせる方法の一例を示す。
図16A】入力手段を備えた風速計と、入力手段用の非接触センサの一例を示す。
図16B】入力手段を備えた風速計と、入力手段用の非接触センサの一例を示す。
図17A】方位アクチュエータを備えた風速計の一例を示す。
図17B】方位アクチュエータを備えた風速計の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1Aは、本願明細書に記載の方法のうちの1つ以上を制御するための手段を備えた装置1の一例を示す。この手段は、少なくとも1つのプロセッサ10を備えた制御装置(例えばチップセット)と、コンピュータプログラムコード14を含む少なくとも1つのメモリ12とを備えることができる。少なくとも1つのメモリ12とコンピュータプログラムコード14とは、少なくとも1つのプロセッサ10によって、少なくとも、
局所的環境条件示す情報を取得するステップと、
局所的環境条件を示す情報を含む情報に応じて、スポーツ飛翔体の軌道を予測するステップと、
予測された軌道に基づき、ユーザに対するガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップと、
を装置1に実施させるように構成される。
【0016】
図1Bは、コンピュータプログラム14を備えた非一時的コンピュータ可読記憶媒体16を示す。
【0017】
図2は、装置1が第1デバイス20と第2デバイス30とを備えたシステム2である一非限定例を示す。上記手段は、デバイス20、30の一方または両方に常駐可能である。
【0018】
第1デバイス20は、便利なヒューマンマシンインタフェースおよび/または計算リソースを備えた何れか適したデバイスを備えることができる。必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、第1デバイス20は、スマートフォン、タブレット、またはラップトップなどの手持ち可搬型電子デバイスを備える。本願明細書に記載の一部の方法は、例えば、第1デバイス20によって実行可能なソフトウェアアプリケーションによって制御可能である。
【0019】
第2デバイス30は、局所的風況を示す情報(「風情報」)の送信を含む、第1デバイス20との信号40のやり取りを行うように構成された風速計を備えることができる。風速計30は、手持ち可搬型風速計であり得る。
【0020】
別の実施形態においては、全ての機能が風速計30に常駐する。更に別の実施形態において、装置1は第1デバイス20を備え、風速計30を備えない。
【0021】
図3は、図2の装置1の機能例を模式的に示す。
【0022】
図3において、第1デバイス20は、制御装置10、12、14と、風速計30との通信を可能にするように構成された通信インタフェース22とを備える。
【0023】
通信インタフェース22は、有線または無線インタフェースを備えることができる。通信インタフェース22は、送信機、受信機、または送受信機などの無線インタフェースを備えることができる。通信インタフェース22は、無線パーソナルエリアネットワークプロトコル(例えば、Bluetooth(商標)ベース、ZigBee(商標)、等々)、無線ローカルエリアネットワークプロトコル(例えば、Wi-Fi)、またはセルラーネットワーク(例えば、CDMA、GSM、LTE、等々)などの無線プロトコルを使用して通信するように構成可能である。
【0024】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、制御装置のメモリ12は、複数のパラメータ、すなわち、ユーザが狙っている目標、目標からプレーヤまでの距離、またはプレーヤからの目標の方向を示す情報、のうちの1つ以上の決定を可能にするために、データベースを備える。このデータベースは、装置1のローカルメモリ12に格納され得る。あるいは、このデータベースは、装置1からアクセス可能な遠隔サーバに格納される。スポーツがゴルフの場合、データベースは、ホール位置、ティーイングエリア位置および/または境界、グリーン位置および/または境界、ラフ位置および/または境界、またはフェアウェイ位置および/または境界、のうちの1つ以上を示すゴルフコースデータベースとすることができる。
【0025】
第1デバイス20は、本願明細書に記載の機能の制御を可能にするための何れか適切なヒューマンマシンインタフェース(HMI)24を備えることができる。HMI24は、1つ以上の入力手段28と1つ以上の出力手段26とを備えることができる。
【0026】
HMI24の出力手段26(出力デバイス)は、グラフィカルユーザインタフェースをレンダリングするように構成されたディスプレイ、オーディオ出力トランスデューサ、触覚フィードバックトランスデューサ、および/またはこれらに類するもの、を備えることができる。
【0027】
HMI24の入力手段28(入力デバイス)は、タッチセンサ、ボタン、ダイヤルまたはスライダ、および/またはこれらに類するもの、を備えることができる。一部の例において、HMI24は、入力および出力機能を提供するタッチ検知ディスプレイを備える。
【0028】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、第1デバイス20は、位置センサ29を備えることができる。位置センサ29は、全地球測位システムセンサまたは同様のものを備えることができる。
【0029】
図3は、風速計30の例示的機能も模式的に示している。風速計30は、第1デバイス20の通信インタフェース22に対応する通信インタフェース22を備える。
【0030】
風速計30は、場合によっては、第1デバイス20の制御装置に加え、またはその代わりに、制御装置(不図示)を備えることができる。
【0031】
風速計30は、風センサ36を含む1つ以上のセンサを備えることができる。少なくとも一部の例において、風センサ36は、風速の測定に特に適合化された風速計を備える。必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、風速計は、熱線風速計を備える。その理由は、このようなセンサは、小型化可能であり、短い長さ目盛で突風を精確に検出できるからである。これにより、必要であれば、局所的風況の精確な統計学的特性評価が可能になる。
【0032】
他の複数の例において、風センサ36は、機械式/回転型風速計、超音波風速計、またはこれらに類するものなど、異なる技術を備えることができる。
【0033】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、風速計30は、風の角度(風の方向)の判定を可能にするように構成された方位センサを備える。方位センサの一例は、風の角度の判定を可能にする方向情報を提供するように構成された慣性運動センサである。慣性運動センサは、加速度計32および/またはジャイロスコープ34を備えることができる。慣性運動センサは、必要とされる精度、分解能、または誤差に応じて、3軸、6軸、または9軸センサとして構成可能である。方位センサの他の例として、磁気センサ、光センサ、または機械式センサが挙げられる。必ずしも全ての例ではないが、一部の例においては、ドリフトを減らすために、磁力計が慣性運動センサと共に含まれる。
【0034】
制御装置は、最大風速の方向を判定するために、風情報を方向情報に関連付けることができる。
【0035】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、風速計30は、ユーザによって作動されたときに1つ以上のセンサによる感知のトリガなどの機能を提供するように構成された入力手段(例えばボタン)などのHMI24Bを備える。他の複数の例において、風速計30は、第1デバイス20のHMI24(例えばタッチスクリーン)の特徴を有する更に先進的なHMI24を有することができる。
【0036】
図4図12は、さまざまな機能をコンテキスト化するために、非限定的な一使用事例を示す。この使用事例はゴルフに関するが、複数の態様を他のアウトドア飛翔体スポーツに適用可能である。ただし、このような特徴が不適合な場合は除く。
【0037】
図4図12に示されているように、必ずしも全ての例においてではないが、軌道をより精確に予測して精確なガイダンスを提供するために、ユーザ固有の、および/またはスポーツ器具固有の、情報に風情報が有利に組み合わされる。
【0038】
ベース軌道情報(例えば、打ち出し角度、打ち出し速度)および軌道ずれ情報(例えば、風速、風の角度、想定/測定されたスピン)の知識があると、軌道を精確に推定できる。ユーザは、打ち出し角度または速度が何であるかを知らないこともある。その理由は、これらの測定が困難であり得ることによる。図4および図6は、ベース軌道情報の推定を可能にするために、ユーザが知っている可能性が高い情報(例えば、ユーザが使用しているスポーツ器具の種類、および/または、距離など、ユーザの能力)をユーザが入力するためのユーザインタフェース(UI)の例40、60を提供する。次に、図7図9は、局所的風況を示すための風速計30の作動方法を示す。実測値が得られない場合は、スピンを想定できる。最後に、図10図11A、および図11Bは、予測された軌道とユーザに対するガイダンスの適切な提示方法とを示す。これらUIは、装置1上で実行されるアプリケーションによって制御可能である。
【0039】
要約すると、軌道の予測は、1)風などの環境情報を考慮に入れる前に、ベース軌道情報(例えば、打ち出し角度および打ち出し速度)を取得することと、2)局所的環境条件(例えば、公称風速およびその角度)を示す情報に応じて、最終的な予測軌道を決定することと、に分けることができる。この予測の詳細については、後述する。
【0040】
図4は、打ち出し速度などのベース軌道情報の決定を少なくとも部分的に可能にするユーザ固有の情報をユーザが入力できるように構成されたUI40の一例を提供する。この例において、ユーザ固有の情報は、ユーザ能力を示す。ユーザ能力は、パフォーマンスメトリックなどの変数とすることができる。
【0041】
ゴルフの例において、ユーザ能力は、ユーザに対応付けられた着弾距離、すなわち、ユーザが飛翔体を送ることができるダウンレンジ、を含むことができる。多くのゴルフプレーヤは、ゴルフ練習場での練習に時間を費やしているので、自分の着弾距離を知っている可能性が高い。通常、ゴルフ練習場には距離が示されているので、ユーザは、平均着弾距離など、自分の着弾距離についての統計情報を集めることができる。他のスポーツの場合、この変数は異なり得る。
【0042】
UI40は、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を備えることができる。図4のUI40は、物理的な、またはレンダリングされた、数字キーパッドまたは数字スクローラなど、何れか適切な入力手段46を備えることができる。この例において、数字キーパッドは、タッチスクリーン上にレンダリングされている。
【0043】
UI40は、指示されたユーザ能力をレンダリングした値44など、何れか適した出力を備えることができる。この例では、90ヤード(またはメートル)の着弾距離が表示されている。
【0044】
UI40は、提供され得る測定単位(例えば、メートルまたはヤード)を選択するための入力手段(不図示)を備えることができる。
【0045】
あるいは、スコア、または技能レベル、またはこれに類するもの、などによって、ユーザの能力を質的にも規定できることを理解されるであろう。装置1は、それを、着弾距離などの、処理可能な定量的データに変換することもできる。更に、ユーザの能力は、例えば、手首装着型ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートバンド、等々)からの加速度計データに基づき、間接的に定量化することもできる。
【0046】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、UI40は、指示されたユーザ能力を、特定の特徴を有するスポーツ器具種別など、別の変数に対応付けることも可能にし得る。この例において、UI40は、ゴルフクラブ種別の選択を可能にする入力手段42を備えている。この例示的使用事例において、ユーザは、アイアン「3i」を選択してから、着弾距離を入力したので、入力された着弾距離は、アイアン3iの着弾距離として記憶される。UI40は、選択されたゴルフクラブ種別をレンダリングする。
【0047】
このようにスポーツ器具との対応付けを行うことは有利である。その理由は、ユーザの着弾距離は、同じスポーツのための異なるスポーツ器具種別に必ずしも適用され得ないからである。例えば、異なる種類のゴルフクラブは、異なるロフトを有する。ロフトとは、地面に対するゴルフクラブのフェースの角度を云う。ロフトが小さいゴルフクラブは、ほぼ垂直のフェースを有する。他方、ロフトが大きいクラブは、より高く、より短い軌道をゴルフボールに与えるために、垂直線からのずれが大きい。したがって、ユーザの着弾距離は、ロフトに依存することになる。ゴルフクラブの他の特徴として、さまざまなシャフトの長さ、および/または重量、挙げられる。
【0048】
一部の例において、製造者が異なれば、同じクラブ種別でもロフト角が異なる。例えば、1つの製造者からの7番アイアンは28.5度のロフト角を有し、別の製造者からの7番アイアンは29.5度のロフト角を有し得る。
【0049】
ユーザ能力が指示されたら、この指示は、後で取り出して、ベース軌道情報、例えば打ち出し速度、の決定に使用できるように、ローカルおよび/またはリモート不揮発性メモリ12に記憶され得る。具体的な一方法1400を、図14に関連付けて、後述する。
【0050】
図4のGUI40は、図2図3に示されているデバイス20、30のうちの一方のHMI24、24Bによって、または別のデバイスによって、レンダリング可能である。
【0051】
ユーザは、ゴルフコース、またはスポーツをするための相当する開催地、を訪れたとき、図5以降に示されているUIなど、1つ以上の更なるUIにナビゲートし得る。
【0052】
図5は、ゴルフのグリーン、またはホール/フラグ付きホール、またはその間のウェイポイント、などの空間目標までの着弾距離の表示54をレンダリングするように構成された任意使用の例示的UI50(例えば、GUI)を示す。このUIは、着弾距離を飛距離として表示し得る。このUIは、ユーザのショットの準備、および必要な着弾距離に適したロフトを有するゴルフクラブなど、適切な特徴を有するスポーツ器具の選択、を助けるために有用なガイダンスをユーザに提供する。
【0053】
一部の例において、空間目標がウェイポイントの場合、図5は、ウェイポイントまでの第1着弾距離と、このウェイポイントから次の空間目標(例えばホール)までの第2着弾距離とを同時に示すことができる。図5には、2つのショットの連鎖が表されている。
【0054】
必ずしも全ての例ではないが、この例において、図5の着弾距離表示54は、位置の特徴、すなわち、ティーイングエリア、フェアウェイ、ラフ、グリーン、ホール、のうちの1つ以上のグラフィカル表現52(例えば、衛星画像、地理情報システム地図、等々)に重ね合わされる、または一緒に表示される。これにより、より状況に応じた情報をユーザに提供し易くなる。
【0055】
図5のUI50の生成を可能にするために、位置センサ29からの情報を使用して、ユーザの位置を判定できる。例えば、装置1は、ゴルフコースデータベースなどのローカル/リモートデータベースに対するクエリを生成するために、ユーザの位置を使用し得る。これにより、複数のパラメータ、すなわち、ユーザがプレーしている「ホール」、ホールからプレーヤまでの距離、またはプレーヤからのホールの方向を示す情報、のうちの1つ上の決定が可能になる。
【0056】
図5における空間目標までの着弾距離は、位置センサ29によって感知されたユーザの位置から、または、ゴルフコースデータベースから分かる既知のティーイングエリア位置から、の着弾距離とすることができる。
【0057】
一部の例において、空間目標までの着弾距離は、後述する軌道モデルへの入力とすることができる。他の複数の実施形態において、軌道の予測には、ユーザの空間目標について知る必要がない。
【0058】
一部の例において、空間目標までの着弾距離を使用すると、提案されるスポーツ器具の選択(例えば、ゴルフクラブの提案)を装置1からユーザに提供できる。装置1は、個々のスポーツ器具が個々の着弾距離に対応付けて記憶されているデータにアクセスするように構成可能である。実際の着弾距離に最も近い着弾距離を有するスポーツ器具を、HMI24などを介して、提案可能である。
【0059】
図5のGUI50のレンダリングは、図2図3に示されているデバイス20、30のうちの一方のHMI24または24Bによって、または別のデバイスによって、行うこともできる。
【0060】
ユーザが自分のスポーツ器具(例えばゴルフクラブ)を決定したら、このユーザは、その後、図6に示されているUI60など、別のUIにナビゲートし得る。
【0061】
UI60(例えば、GUI)は、ベース軌道情報の決定を少なくとも部分的に可能にするスポーツ器具固有の情報をユーザが入力できるように構成されている。この例において、UI60は、ユーザが使用すると決めたスポーツ器具種別をユーザが指示できる入力手段64を提供する。
【0062】
ゴルフの例において、スポーツ器具種別は、ゴルフクラブ種別を含むことができる。上記のように、さまざまなゴルフクラブ種別は、それぞれ異なるロフトなど、それぞれ異なる特徴を備えている。他のスポーツの場合は、特徴が異なり得る。
【0063】
図6のUI60は、複数の物理的な、またはレンダリングされた、選択可能な印またはスクローラなど、スポーツ器具種別を選択するための何れか適切な入力手段64を備えることができる。この例において、入力手段64は、ゴルフクラブ種別の一覧をスクロールするための「プラス」および「マイナス」の印を有するスクローラを備えている。
【0064】
UI60は、現在選択されているスポーツ器具種別、図6ではピッチングウェッジ(Pw)、をレンダリングする出力手段62を備えている。
【0065】
図6には、プレーヤのバッグに存在し得る選択可能な14のゴルフクラブ種別を列挙したキーが付属している。
a)Dr(1番ウッド/ドライバ)、3w(3番ウッド)、5w(5番ウッド)などのウッド。ウッドは、一般に、1番ウッドから9番ウッドに及び得る。
b)3i(3番アイアン)、4i(4番アイアン)、5i(5番アイアン)、6i(6番アイアン)、7i(7番アイアン)、8i(8番アイアン)、9i(9番アイアン)を含むアイアン。アイアンは、一般に、1番アイアンから9番アイアンに及び得る。
c)Pw(ピッチングウェッジ)、Sw(サンドウェッジ)、Lw(ロブウェッジ)、およびGw(ギャップウェッジ)を含むウェッジ。
【0066】
上記の3カテゴリa)~c)、および/または上に列挙されていないゴルフクラブ種別、のうちの任意の数のゴルフクラブ種別から任意の数のゴルフクラブ種別を選択可能であることを理解されるであろう。上に示されていない更なるゴルフクラブカテゴリは、ハイブリッドである。ハイブリッドは、一般に、1番ハイブリッドから9番ハイブリッドに及ぶ。規則によるとプレーヤが1つの試合に持ち込めるゴルフクラブの数は通常最大14本であるが、14を超える選択可能なゴルフクラブ種別が存在し得ることを理解されるであろう。
【0067】
一部の例において、スポーツ器具種別が選択されたら、そのスポーツ器具種別に対応付けて指示されているユーザ能力(例えば着弾距離)を、例えば、その指示をメモリ12から取り出すことによって、取得するように、装置1を構成できる。例えば、ゴルフクラブ種別Pwが選択された場合は、そのゴルフクラブ種別についてユーザが以前入力した着弾距離を取得するように、装置1を構成し得る。
【0068】
選択されたスポーツ器具種別についてのユーザ能力が欠けている場合、装置1は、ユーザ能力が分かっている最も近いスポーツ器具種別についてのユーザ能力を取得し得る、または他のスポーツ器具種別について分かっている能力から補間または補外できる。例えば、補間は、より大きなロフトのゴルフクラブについての能力とより小さなロフトのゴルフクラブについての能力との間で行える。3iクラブについての着弾距離が180mであり、5iクラブについての着弾距離が160mである場合、これらの値の間の4iの着弾距離、例えば170mなど、を補間によって予測できる。補外は、定量化された傾向/相関の延長である。加えて、または代わりに、装置1は、欠けている情報を入力させるためのプロンプトをレンダリングし得る。
【0069】
ユーザについての十分なユーザ能力情報を受け取る前に、装置1は、少なくとも一部のクラブ種別について、デフォルト着弾距離などのデフォルト値を利用できる。デフォルト値は、一般的なプレーヤに基づかせることもできる。
【0070】
1つの例において、ユーザは、そのユーザ能力情報を提供するために、単一の代表値を入力できる。別の例において、ユーザは、ショット毎のデータを入力できる。装置1は、このデータを使用して、選択されたスポーツ器具についての統計メトリックス(例えば、平均/中央値)を更新し得る。
【0071】
ゴルフクラブ種別が選択されたら、ロフトが分かるので、打ち出し角度などのベース軌道情報を決定できる。一部の例においては、選択されたゴルフクラブに対応付けられた、所定の(例えば、デフォルトの)スピン値など、軌道ずれ情報を取得できる。
【0072】
別の実施形態において、ユーザは、打ち出し角度などの軌道モデル入力パラメータを直接入力する、または定性情報を入力するが、図示のようなゴルフクラブ種別の選択の方がユーザにとってより直観的である。
【0073】
図6のGUIは、図2および図3に示されているデバイス20、30のうちの一方のHMI24または24Bによって、または別のデバイスによって、レンダリング可能である。
【0074】
次に、ユーザは、局所的風況を示す情報の取得を望み得る。少なくとも一部の例において、ユーザは、図2図3に関して説明したような風速計30を有する。他の複数の例において、この情報は、ユーザ入力から、または別の風速計30から、または遠隔サーバから、取得可能である。一部の例において、複数の風速計30をユーザ/ティーイングエリアの間の複数の異なる位置に設けることもできる。
【0075】
図7は、局所的風況を風速計30によって測定するための第1段階を示す。ユーザは、感知を始動させる前に、風速計30を空間目標Tの方向に向ける。これにより、精確な基準方向の設定が可能になる。
【0076】
風速計30を空間目標Tに精確に向け易くするために、風速計30は、ビューファインダなどのガイド70を備え得る。図7のビューファインダは、風速計30の筐体を貫通する、ユーザが見通せる、アパーチャを備えることができる。ユーザがビューファインダ/アパーチャ70を通して空間目標T(例えばフラグ)を見ることができたら、風速計30は位置合わせされている。風速計36はアパーチャ70の中に配置可能であるので、風速計36は保護するように覆われ、入ってくる風は、アパーチャ70と同軸の方向にほぼ制約される。
【0077】
他の複数の例において、ビューファインダは、アパーチャから分離可能である、および/またはアパーチャが設けられない(例えば、風速計が覆われない)。
【0078】
図8に示されているように、ユーザは、感知をトリガするために、および/または(必要であれば)風速計30の基準方向を(ゼロ)に設定するために、風速計30のHMI24B(または第1デバイス20のHMI24)を作動させ得る。ユーザは、図7に示されている方向に風速計30を依然として向け続け得る。
【0079】
基準方向を空間目標Tの方向に設定することによって、磁北など他の基準方向に比べ、ユーザが装置をより直観的に使用できるという利点がある。ユーザは、装置を使用する度に、磁北を見つける必要がなくなる。代わりに、ユーザは、目標に向けるだけでよい。これは、基準ウインドフレームを、地球の磁場ではなく、目標方向にリンクさせたユーザにとっても、より直観的である。
【0080】
図9に示されているように、ユーザは、場合によっては、風速と風速計方位とを連続的に測定(サンプリング)しながら、360円形度にわたってスイープするために、風速計30を回転させ得る。これにより、公称(例えば、最大)風速および角度の感知が可能になる。具体的な一方法1300を、図13に関連付けて、後述する。
【0081】
必ずしも全ての例ではないが、図9の例において、本デバイスは、第1の回転可能部分90と、片手で握るように構成された第2部分92とを備える。第2部分92を片手で握りながら、回転可能部分90をもう一方の手または同じ手の他の指で回転させる。方位センサ32、34は、ジャイロスコープ、または、回転可能部分90を回転させているときに回転可能部分90と第2部分92との間の角度を基準にして角度を測定するように構成された、別の適したセンサ、を備えることができる。
【0082】
あるいは、方位センサ32、34により、ユーザは、その手で風速計30を回転させずに、風速計30を不動に保持しながら、物理的に回転することによってスイープを実施できる。
【0083】
一部の例において、この回転は、さまざまな方位についての時間平均風速を取得するために低速化可能である、および/または、この回転は、さまざまな方位についてのアンサンブル平均風速を取得するために、繰り返し可能である。
【0084】
軌道を予測するための情報が収集されたら、軌道予測を実施できる。一具体例を、図15に関連付けて、後述する。
【0085】
図10は、風、ユーザ、およびそのユーザの器具を考慮に入れた後の予測軌道がどのように見えるかをグラフで示す。風を考慮に入れる前の、所与の打ち出し角度および打ち出し速度についてのユーザの着弾距離をxおよびyとし、風を考慮に入れた後のユーザの飛距離をxおよびyとすることができる。図10の例において、x<xは向かい風を示し、yがyの左であるのは、ユーザの右からの横風を示している。
【0086】
上の例において、x、yは、実際の空間目標(例えばホール)の位置の知識なしに、推定空間目標の位置を表すことができる。推定空間目標は、指定されたユーザが選択されたスポーツ器具種別で飛翔体を打ち出した場合に、飛翔体が(風なしに)最初に地面に当たる位置を示している。
【0087】
この例において、軌道モデルは、最初の衝突点のみを考えており、以降のバウンド/転がり挙動をモデル化していない。別の例において、軌道モデルは、以降のバウンド/転がり挙動を更に考慮する。
【0088】
あるいは、x、yは、設定された空間目標の位置を表すこともできる。図5に関して説明されているように、ホール/ウェイポイントの識別、距離、および/または方向は、ゴルフコースデータベースからの応答に基づき、既知であり得る。
【0089】
図10のグラフは、ガイダンスを提示するために最も直観的な方法ではあり得ないので、代わりに、図11Aまたは図11BのUI110A、110Bに示されているように、より直観的にガイダンスを提示し得る。
【0090】
図11AのUI110A(例えば、GUI)は、空間目標x、yに当てるために風を相殺するために必要なオフセット方向の1つ以上の指示112、114を提供するように構成されている。他方、図11BのUI110Bは、飛翔体が着地する位置の表示116を提供するように構成されているので、ユーザは必要なオフセット量が分かる。一部の例においては、両方の表示110A、110Bの提示が可能である。
【0091】
図11AのUI110Aは、横方向のオフセット114および別個の着弾距離オフセット112として、ガイダンスを提示する。あるいは、対角線オフセットがレンダリングされる。一部の例において、レンダリングデバイス(例えば、第1デバイス20)の測定方向(例えば、慣性計測)に応じて、ガイダンスの方向を提示できる。デバイス20を回転させると(例えば、ユーザが面する方向)、レンダリングされたオフセットインジケータ(例えば矢印)は、軌道モデルによって出力された必要なオフセットにインジケータ自体を再アライメントすることもできる。
【0092】
図示の例において、矢印または同様の方向インジケータ(記号またはテキスト)は、風を相殺するために必要なオフセット方向を示す。
【0093】
横方向のオフセット114は、左または右を指す/示す。左は、基準方向に対して右方への横風を相殺するために、ショットを左方に向けるべきであることを示す。右は、左方への横風を相殺するために、ショットを右方に向けるべきであることを示す。
【0094】
着弾距離オフセット112は、上または下を指す/示すことができる。上は、向かい風を相殺するために、空間目標Tのダウンレンジに向けてショットすべきであることを示し、下は、追い風を相殺するために、空間目標Tのアップレンジに向けてショットすべきであることを示す。
【0095】
一部の例において、図11Aにおけるガイダンスは、オフセットの距離を示すための数字または他の数量子(例えばメートル、ヤード、等々)を含むことができる。図11Aは、空間目標Tより7メートル先、且つ空間目標より3メートル左、を狙ってショットすべきであることを示している。
【0096】
図11BのUI110Bは、空間目標Tの表示と、ユーザが風を相殺せずに空間目標Tを狙った場合の飛翔体の予想着地位置の表示116Aとを提供している。表示116Aは、飛翔体の着弾距離が短く、右に寄り過ぎていることを示している。代わりに、または加えて、風を考慮した後に飛翔体が空間目標Tに着地するように、ユーザが、空間目標Tの代わりに、狙うべき位置を指示する表示116Bが示され得る。
【0097】
フラグが図11Bに示されているが、空間目標は、上記のような推定空間目標を表すこともできる。飛翔体着地箇所と空間目標との間の相対的位置は、表示されるオフセットとして機能するので、ユーザはそのショットを如何に補正すべきかが分かる。図11Bにおいて、ユーザは、より力強いショットを打ち(または、より長いクラブを選択し)、僅かに左方を狙うはずである。
【0098】
図示のように、図11BのUI110Bは、場合によっては、飛翔体が空間目標からどれだけ遠くに着地するかの空間オフセットの表示118を提供することができる。表示118は、空間目標を中心とした同心円などの距離マーカを備え得る。距離マーカ118は、ダーツボードリングまたはブルズアイリングと口語的に称され得る。空間目標Tから各距離マーカまでの距離を表示できる(例えば5m、10m、15m、…)。あるいは、UI110Bは、UI110Aに表示されているものと同様の種類の数字/矢印を、その他の表示と共に配置して、表示し得る(T,116)。
【0099】
図11A/11BのGUI110A/110Bは、図2図3に示されているデバイス20、30のうちの一方のHMI24または24Bによって、または別のデバイスによって、レンダリングすることもできる。
【0100】
図12は、選択されたゴルフクラブ120で、図4図9の段階を記載の順番で(または異なる順番で)、ゴルフボール122を打っているゴルファを示している。これら段階は異なる順番での実施も可能であるが、少なくとも有用であるのは、ショットを打つときに風の知識が古びていないように、関連するUI40、50、60の使用後に風を感知すれることである。一部の例において、ユーザが、スポーツ器具および/またはユーザ能力を選択する前に、風感知をトリガしようとした場合、装置1は風の測定を開始しないか廃棄して、欠けている選択を提供させるためのプロンプトをレンダリングし得る。あるいは、ユーザは最初に風を測定しようとし、その後にそのスポーツ器具を選択しようとし得る。
【0101】
図13は、風速および風角度を含む局所的環境条件を測定するための、コンピュータによって実施される一例示的方法1300を示す。測定を可能にするために、風速計30は移動(例えば、回転)され得る。
【0102】
方法1300は、ブロック1301において、風速計の方位および風速に関するセンサ入力を取得するステップを含む。
【0103】
風速計の方位に関するセンサ入力を取得するステップは、
-サブブロック1302において、ジャイロスコープおよび加速度計センサデータなどの方位センサデータを取得するサブステップと、
-サブブロック1306において、風速計30の方位を決定するために、方位センサデータを処理するサブステップと、
-サブブロック1310において、優勢な風向の決定を可能にするために、風速計30の方位角度を以降の計算のために提供するサブステップと、
を含むことができる。
【0104】
風速に関するセンサ入力を取得するステップは、
-サブブロック1304において、例えば、風速計30の風センサ36から、風センサデータを取得するサブステップと、
-サブブロック1308において、現在の風速を決定するために、風センサデータを処理するサブステップと、
-サブブロック1312において、現在の風速を以降の計算のために提供するサブステップと、
を含むことができる。
【0105】
非限定的な一具現例において、ユーザは、方法1300を開始するために、HMI24、24B(例えばスキャンボタン)を作動させる。その後、ユーザは風速計30を回転させるので、風センサ36は一範囲内の方向をスイープする。このスイープに基づき、測定された最大風速が「現在の風速」として出力され得る。優勢な風向を決定するために、測定された最大風速についての風速計30の方位が使用され得る。風センサ36は、風センサ36を順方向に吹き抜ける風と反対方向に吹く風とを区別するために、準指向性であり得る。優勢な風向は、風速計30の方向に対応し得る。風が吹いて来る方向を取得するには、180度減算する。
【0106】
一部の例において、測定中に同じ、または異なる、HMI24、24Bを作動させると、測定が停止する。
【0107】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、ブロック1301は、風以外の局所的環境条件に関するセンサ入力を取得するステップを含む。このステップは、
-サブブロック13030において、局所的大気温度を示す温度データを、例えば、装置1の温度センサから、または、ユーザの感知された位置に基づく、天候サーバルックアップから、取得するサブステップ、および/または、
-サブブロック13032において、局所的大気圧を示す圧力データを、例えば、装置1の圧力センサから、または天候サーバルックアップから、取得するサブステップ、および/または、
-サブブロック13034において、局所的大気湿度を示す湿度データを、例えば、装置1の湿度センサから、または天候サーバルックアップから、取得するサブステップ、
-サブブロック13036において、局所的大気状態情報を決定するために、温度/圧力/湿度データを処理するサブステップ、および、
-サブブロック13038において、局所的大気状態情報を以降の計算のために提供するサブステップ、
を含む。この情報は、ベクトルではなく、スカラーとして扱われ得るので、方位依存であり得る。ただし、これらの測定は、スキャン開始(例えば、スキャンボタンの押下)に応じて、したがって風センサの回転中に、行われ得る。
【0108】
図14は、ユーザ固有の、および器具固有の、情報に基づき、スポーツ飛翔体の打ち出し速度などのベース軌道情報を決定するための、コンピュータによって実施される一例示的方法1400を示す。方法1400は、装置1の制御下で実施され得る。方法1400の諸機能は、集中化、非集中化、または分散化、が可能である。
【0109】
方法1400は、ブロック1402において、指示された(例えば選択された)スポーツ器具について指示されたユーザ能力を取得するステップを含む。例えば、ゴルファの個人的なクラブの着弾距離を取得できる。または、選択されたスポーツ器具について所定の(例えばユーザによるオーバーライドが可能なデフォルト)着弾距離を使用することもできる。指示されたスポーツ器具に基づき、ロフトを取得できる。一使用事例において、着弾距離は、図4に示されているユーザ入力に基づく。指示されるスポーツ器具は、図6に示されているユーザ入力に基づく。例えば、選択されたPwクラブについて90メートルの着弾距離を取得できる。
【0110】
その後、方法1400は、
-ブロック1404において、スポーツ器具(例えばデフォルトの着弾距離、ロフト)およびユーザ能力(例えば、選択されたクラブについてのユーザの着弾距離)に応じて、打ち出し速度および打ち出し角度などの初期打ち出し変数を1つ以上決定するステップと、
-ブロック1406において、初期打ち出し変数を出力するステップと、
を含む。
【0111】
この着弾距離は、無風状態での平均ボール飛距離として見做され得る。初期打ち出し速度を決定するステップは、適した逆算手法を含む。少なくとも一部の例においては、この逆算を行うために、検索アルゴリズムなどの最適化機能が使用される。適した検索アルゴリズムの一例は、黄金分割探索アルゴリズムである。ただし、他の最適化および検索アルゴリズムを使用することもできる。他のアルゴリズムとして、勾配法、包括法、または他の何れか適した方法、を挙げることができる。
【0112】
この検索アルゴリズムは、ユーザが特定した着弾距離に一致する打ち出し速度が特定されるまで、軌道モデルを複数回実行できる。この検索アルゴリズムの段階では、風が無視され得る。
【0113】
図6に関連して先に説明したように、打ち出し角度は、選択可能な1つ以上のスポーツ器具種別に固有の所定値とすることができる。打ち出し角度および打ち出し速度は、風修正が行われていない軌道についてのベース軌道情報を提供する。
【0114】
必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、方法1400は、飛翔体のスピンに関するスピン情報などの軌道ずれ情報を更に出力する。この理由は、スピンはその軌道に影響し得るので、初期打ち出し変数であることによる。ゴルフの場合、スピン情報は、飛行中のゴルフボールを直線放物線軌道から逸らせ得る、バックスピン情報および/またはサイドスピン情報を含み得る。一部の例において、スピン情報は、選択可能な1つ以上のゴルフクラブに固有の所定値とすることができる。軌道モデルは、打ち出し速度をより精確に設定するために、軌道の決定時にスピン情報を処理し得る。
【0115】
スピン情報は、ユーザ固有および器具固有の両方とすることができる。選択された器具に基づき、スピンの所定の(例えばユーザが上書き可能なデフォルト)値を求めることもできる。一部の例において、ユーザ固有のスピン情報は、ユーザによって入力可能である。一部のゴルフ練習場は初期打ち出しスピン(バックスピンおよび/またはサイドスピン)の推定を可能にするセンサを有するので、ユーザは自分のスピンを知っている場合もある。このセンサは、ティーイングエリアの地面に向けられたカメラとすることができる。装置1は、ユーザがユーザ固有のスピン情報を、選択可能な複数のゴルフクラブについての単一値として、および/または個々のゴルフクラブに固有の値として、入力および保存できるように、構成され得る。
【0116】
上記のゴルフ練習場のカメラは、打ち出し速度および/または打ち出し角度の直接測定も可能にし得る。装置1は、ユーザが、想定を含む逆算が必要になる着弾距離を提供するのではなく、速度/角度を直接提供できるように構成され得る。
【0117】
図15は、コンピュータによって実施される、スポーツ飛翔体の軌道を予測する一例示的方法1500を示す。方法1500は、装置1の制御下で実施され得る。方法1500の諸機能は、集中化、非集中化、または分散化、が可能である。
【0118】
方法1500は、ブロック1501および1502において、使用されるスポーツ器具(飛翔体打ち出し器)の指示を取得するステップを含む。一使用事例において、指示されるスポーツ器具は、図6に示されているユーザ入力に基づく。これにより、ブロック1406の初期打ち出し変数(打ち出し速度/打ち出し角度/スピン)が取得される。
【0119】
方法1500は、局所的環境条件を取得するステップを含む。図15において、これは、サブブロック1312および1310において風速および風向をそれぞれ取得するサブステップを含むので、予測された軌道に対する局所的風況の影響を定量化できる。図15において、これは、温度/圧力/湿度など、その他の大気条件をサブブロック13038から取得するサブステップを含むことができる。
【0120】
その後、方法1500は、ブロック1506において、入力1310、1312、1406、13038に基づき、軌道モデルを実行させるステップを含む。一部の例においては、スピン情報も使用される。
【0121】
少なくとも一部の例においては、スピン、較正された定数、または乱気流のような影響について実験的に導出させた定数、のうちの1つ以上など、飛翔体固有の較正/情報を考慮に入れることによって、軌道モデルが当該スポーツに更に合わせられる。
【0122】
その後、方法1500は、ブロック1508、1510において、少なくとも1つの空間オフセット(例えば、着弾距離オフセット「前方着弾距離(range forward)」、および横方向オフセット「斜め着弾距離(range across)」)など、軌道モデルの出力を提供するステップを含む。
【0123】
その後、方法1500は、ブロック1600において、軌道モデルの出力に基づき、ガイダンスを少なくとも部分的にレンダリングさせるステップを含む。一使用事例において、このガイダンスは、図11Aおよび/または図11Bに示されているようなガイダンス、または異なる形態のガイダンス、とすることができる。このガイダンスは、上記のように可視ガイダンス、および/または可聴ガイダンス、および/または触覚ガイダンス、とすることができる。
【0124】
ゴルフボール固有の最適化(例えば、スピン、定数)が行われた、ブロック1506のための一例示的軌道モデルを以下に示す。x、y、およびz方向におけるボール加速度は、次のように定義可能である。
【0125】
【数1】
【0126】
式中、u=(u,u,u)は、ゴルフボールに対して得られた空気速度であり、そのx、y、およびz成分で構成される。xは、プレーヤからフラグへの正の方向であり、yは、プレーヤの右(または左)腕の正の方向であり、zは上方に正であり、Cは抵抗係数であり、Cは揚力係数であり、αは、鉛直線と回転軸との間の角度であって、空気力学的係数に対するスピンの影響を表し、gは、重力加速度であり、ρは、温度/圧力/湿度が測定される場合は変数とすることもできる空気密度であり、Aは、ボールの正面エリア(例えば、規定サイズ半径が約4.3×10-4mの円)であり、mは、ゴルフボールの質量である。
【0127】
風速場
【0128】
【数2】
【0129】
は、その速度成分をボール速度成分v=(v,v,v)から減算することによって、常に課せられる。
【0130】
【数3】
【0131】
式中、
【0132】
【数4】
【0133】
更に、
【0134】
【数5】
【0135】
ゴルフの場合、ωおよびωは、それぞれサイドスピンおよびバックスピンであり、constant1は約14とすることができ、constant2は約10とすることができる。これら定数は、他の同様のスポーツについては異なり得る。さまざまな風モデルを複数のスポーツについて使用できる(例えば、銃弾についてのマッハ効果、銃弾/矢についてのスピン安定化)。ディンプルがないボールは、異なる定数およびスピン特性を有し得る。アーチェリーまたはジャベリンなど、細長い/フィンによって誘導される飛翔体を有するスポーツの場合、1つ以上の軸線を中心としたスピンを無視することもできる。
【0136】
以下の式13においては、初期ボール速度および風速を一次オイラー陽解数値法、ルンゲクッタ法、または他の何れか適した関数、などの反復関数に適用できる。このような関数は、何れの時点においても、ボールの位置、速度、および加速度に近似でき、ボールが高さゼロに達するや否や最終着弾距離を出力できる。
f([vwind],θwind,φwind,|v|,θlaunch,φlaunch) 式13
【0137】
式中、θは、球面座標系の横軸に対する方位角であり、φは、縦軸に対する極角であり、φwindおよびθlaunchは、軌道モデルにおいてゼロに設定され得る。図10は、式1~3によって計算された風修正後の軌道の一例を提供する。
【0138】
風速および打ち出し速度の両方について得られた速度および角度をそれぞれのデカルト成分に変えるために、座標変換を採用できる。これは、以下のフォーマットで行うことができる。
xy=|V|cosφ 式14
=Vxycosθ 式15
=Vxysinθ 式16
=|V|sinφ 式17
【0139】
式中、Vxyは、水平面における速度成分である。
【0140】
この軌道モデルは、単一の風速計30が使用された場合は、風速場が一定であると想定できる。または、空間的に分散された複数の風速計からの測定値を統合することによって、1つの風速場を求めることができる。
【0141】
式4~6の風速場は三次元であるが、より単純な具現例では、風速場は、z軸を省くなど、より少ない次元を有することもできる。
【0142】
計算コストが高い数値乱流モデルの必要性を回避するために、この軌道モデルにおいては乱流効果が定数であると想定できる。
【0143】
軌道モデルの一変形例は、対数則モデルなどの大気境界層近似に基づく可変風速場を含むことができる。一変形例では、温度、周囲圧力、および/または湿度がサーバまたはローカルセンサから得られる場合は、これらを考慮に入れることができる。
【0144】
方法1300、1400、1500は、装置1の制御下で実施可能である。この方法の諸機能は、実装に応じて、集中化、非集中化、または分散化、が可能である。
【0145】
制御装置は、制御回路として実装され得る。制御装置は、ハードウェアのみで具現化され得る、または、ファームウェアを含むソフトウェアのみの態様をいくつか有し得る、またはハードウェアとソフトウェア(ファームウェアを含む)との組み合わせとすることができる。
【0146】
図1Bに示されているように、制御装置1は、ハードウェア機能を有効化する複数の命令を使用して、例えば、コンピュータプログラム14の実行可能命令を汎用または専用プロセッサ10で使用することによって、具現化され得る。このようなプロセッサ10によって実行される命令は、コンピュータ可読記憶媒体(ディスク、メモリ、等々)に記憶され得る。
【0147】
プロセッサ10は、メモリ12に対して読み書きを行うように構成される。プロセッサ10は、出力インタフェースと入力インタフェースとを更に備え得る。プロセッサ10によって出力されるデータおよび/またはコマンドは、出力インタフェースを介して出力され、プロセッサ10に入力されるデータおよび/またはコマンドは、入力インタフェースを介して入力される。
【0148】
メモリ12は、コンピュータプログラム命令(コンピュータプログラムコード)を含むコンピュータプログラム14を記憶する。コンピュータプログラム14は、プロセッサ10に読み込まれると、装置1の動作を制御する。コンピュータプログラム14のコンピュータプログラム命令は、図示の方法を装置1に実施させるロジックおよびルーチンを提供する。プロセッサ10は、メモリ12から読み出すことによって、コンピュータプログラム14を読み込んで実行できる。
【0149】
図1Bに示されているように、コンピュータプログラム14は、何れか適した配送機構16を介して装置1に到達し得る。配送機構16は、例えば、機械可読媒体、コンピュータ可読媒体、非一時的コンピュータ可読記憶媒体、コンピュータプログラム製品、メモリデバイス、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)またはデジタル多用途ディスク(DVD)などの記録媒体、または固体メモリ、コンピュータプログラム14を備えた、または有形に具現化する、製品であり得る、あるいは、コンピュータプログラム14は、例えば、無線接続を介して無線(OTA)で、または物理的接続(例えば、ケーブル、ドッキングステーション、等々)を介して直接、配送され得る。配送機構は、コンピュータプログラム14を確実に転送するように構成された信号であり得る。装置1は、コンピュータプログラム14をコンピュータデータ信号として伝播または送信し得る。
【0150】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータプログラム、非一時的コンピュータ可読媒体、コンピュータプログラム製品、または機械可読媒体に含まれ得る。必ずしも全ての例ではないが、一部の例において、複数のコンピュータプログラム命令は、複数のコンピュータプログラムにわたって分散され得る。
【0151】
メモリ12は、単一の構成要素/回路として図示されているが、1つ以上の個別構成要素/回路として具現化され得る、あるいは、これらのうちの一部または全てが統合化/取り外し可能であり得る、および/または永久/半永久/動的/キャッシュ記憶装置を提供し得る。
【0152】
プロセッサ10は、単一の構成要素/回路として図示されているが、1つ以上の個別構成要素/回路として実装され得る。これらのうちの一部または全てが統合化/取り外し可能であり得る。プロセッサ10は、シングルコアまたはマルチコアプロセッサであり得る。
【0153】
「コンピュータ可読記憶媒体」、「コンピュータプログラム製品」、「有形に具現化されたコンピュータプログラム」等々、または「制御装置」、「コンピュータ」、「プロセッサ」等々、への言及は、シングル/マルチプロセッサアーキテクチャおよびシーケンシャル(フォンノイマン型)/パラレルアーキテクチャなど、さまざまなアーキテクチャを有するコンピュータを含むだけでなく、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け回路(ASIC)、信号処理デバイス、および他の処理回路など、特化された回路も含むことを理解されたい。コンピュータプログラム、命令、コード、等々への言及は、プロセッサのための命令であるか、固定機能デバイス、ゲートアレイ、またはプログラマブルロジックデバイス、等々のための構成設定であるかに拘わらず、例えば、ハードウェアデバイスのプログラマブルコンテンツなど、プログラマブルプロセッサまたはファームウェアのためのソフトウェアを含むことを理解されたい。
【0154】
図3図13図15に示されているブロックは、一方法の複数のステップ、および/またはコンピュータプログラム14の複数のコードセクションを表し得る。これらブロックについての特定の順番の説明は、これらブロックについて必須または好適な順番があることを必ずしも示唆するものではなく、これらブロックの順番および配置は可変であり得る。更に、一部のブロックの省略も可能であり得る。
【0155】
構造上の一特徴を説明してきたが、構造上のこの特徴の1つ以上の機能の説明が明示的であるか非明示的であるかに拘わらず、この特徴は、構造上のこの1つ以上の機能を実施するための手段に置き換えられ得る。
【0156】
用語「を備える(comprise)」は、本文献においては、排他的意味ではなく、包含的意味で使用されている。すなわち、Yを備えたXへの言及が示しているのは、Xは単一のYを備え得る、または複数のYを備え得る、ことである。「を備える(comprise)」を排他的意味で使用することが意図されている場合は、「を1つだけ備えた(comprising only one)」に言及することによって、または「から成る(consisting of)を使用することによって、文脈で明確にする。
【0157】
本願明細書においては、さまざまな例に言及している。1つの例に関する複数の特徴または機能の説明が示しているのは、それらの特徴または機能がその例に存在することである。本文中での用語「例(example)」または「例えば(for example)」または「…できる(can)」または「…得る(may)」の使用は、明示的に説明されているか否かに拘わらず、そのような特徴または機能が一例として説明されているか否かに拘わらず、少なくとも説明されている例に存在することと、他の複数の例の全てまたは一部に存在可能であるが、必ずしも存在しないこととを示している。したがって「例(example)」、「例えば(for example)」、「…できる(can)」、または「…得る(may)」は、一クラスの複数の例における特定のインスタンスに言及している。このインスタンスの1つの特性は、そのインスタンスのみの特性、またはそのクラスの特性、またはそのクラス内の、全てのインスタンスではないが、一部のインスタンスを含む、そのクラスの1つのサブクラスの特性、であり得る。したがって、暗示的に開示されているのは、1つの例に言及して、しかし別の例には言及せずに、説明されている1つの特徴は、可能であれば、その他の例において有効な組み合わせの一部として使用可能であるが、その他の例では必ずしも使用される必要はないことである。
【0158】
さまざまな例に言及して複数の例が先行段落に説明されているが、特許請求の範囲から逸脱せずに、これらの例を変更できることを理解されたい。例えば、局所的環境条件は、局所的温度/圧力/湿度条件など、局所的風況以外とすることができる。
【0159】
本開示の諸態様は、プレーヤが特定の目標を狙う他のスポーツにも適用可能である。以下に複数の例を示す。
【0160】
スポーツの一例は、射撃(例えば、アーチェリー、ガンシューティングスポーツ)である。この軌道モデルは、飛翔体(矢/銃弾)の空気力学的特性をモデリングするように構成可能である。目標は、静止目標または可動目標とすることができる。目標は、ブルズアイ標的、クレー標的、シルエット標的、またはこれらに類するもの、とすることができる。予測された軌道に基づくガイダンスは、目標の修正および/または照準器の設定を含むことができる。
【0161】
シューティングの場合、選択可能なスポーツ器具種別は、銃種別を含むことができる。銃種別は、軌道モデルへの入力として使用するための、個々の銃口速度、および/またはそれらに対応付けられた飛翔体のスピン、を有することができる。選択された銃種別が発砲するように構成された飛翔体種別をモデリングするように、軌道モデルを構成できる。風の偏向がモデリングされていると、飛翔体の形状および/または重量など、空気力学的特性を考慮に入れることができる。銃種別の選択に基づき、飛翔体種別を別個に選択可能である、または自動的に決定可能である。ガンシューティングの場合、通常、銃口速度はユーザに依存しないので、ユーザ能力情報(着弾距離)が考慮され得ない。
【0162】
アーチェリーの場合、選択可能なスポーツ器具種別は、複数の異なる弓および/または複数の異なる矢を区別し得る。選択可能なさまざまな弓は、リカーブボウ、ロングボウ、コンパウンドボウ、および/またはクロスボウを含むことができる。選択可能な弓は、軌道モデルへの入力として使用するための、個々の矢速度、および/またはこれらに対応付けられた照準器種別、を有することができる。選択された弓種別が射るように構成された矢種別をモデリングするように、軌道モデルを構成できる。風の偏向がモデリングされていると、矢の形状および/または重量および/またはスピンなどの空気力学的特性を考慮に入れることができる。矢種別は、別個に選択可能である、または、弓種別の選択に基づき、自動的に決定可能である。
【0163】
アーチェリーは、発射精度の助けとなる照準器を有する。照準器の設定は、基準点を鉛直軸および水平軸にもたらし、さまざまな着弾距離および風の設定についての較正を可能にする。発射速度は、使用される弓種別(選択可能なスポーツ器具)と選択された引く力(一種のユーザ能力情報)とから直接推定および固定可能である。これは、弾性ポテンシャルエネルギーから運動エネルギーへの変換計算によって行うことができる。矢の選択は、飛翔体の質量および空気力学的特性に影響することになる。初期発射高さは、(ユーザによって入力され得る)ユーザの肩の高さから、またはその固有の基準発射高さについての更なる測定から、直接近似可能である。その後、この初期発射角度は、達成される着弾距離に特定の鉛直照準器設定を関連付ける検索アルゴリズムを使用して、逆算可能である。鉛直照準器の設定と達成される着弾距離とは、ユーザが入力することもできる。無風状態でのさまざまな飛距離についての較正後、所望の着弾距離に応じて、特定の照準器設定についての推定を補間できる。さまざまな照準器は、それぞれ異なる測定単位を有するので、これらを考慮に入れることができる。上記の発射角度および発射速度は、風の中の軌道モデルについての初期状態を提供し、照準器の設定のためのさまざまな条件下でのガイダンスの提供を可能にする。このガイダンスは、標的の修正(例えば、図11A図11Bと同様)および/または推奨される照準器設定を含むことができる。
【0164】
別のスポーツ例は、セーリングである。飛翔体の軌道ではなく、スポーツ船舶(ボート)の軌道を計画できる。船舶の流体力学的および/または空気力学的特性をさまざまな風向についてモデリングするように、軌道モデルを構成できる。目標は、浮標または同様のマーカを含むことができる。予測された軌道に基づくガイダンスは、推奨される帆角調整および/または推奨される舵角調整を含むことができる。
【0165】
前述の諸特徴は、上に明記されている組み合わせ以外の組み合わせでも使用され得る。
【0166】
特定の特徴に言及して諸機能を説明してきたが、それら機能は、説明の有無に拘わらず、他の特徴によっても実施可能である。
【0167】
特定の例に言及して諸特徴を説明してきたが、それら特徴は、説明の有無に拘わらず、他の複数の例にも存在し得る。
【0168】
本文献において、用語「1つの(a)」または「その(the)」は、排他的意味ではなく、包含的意味で使用されている。すなわち、「1つの/そのYを備えたX」への言及は、文脈で別様に明確に示されていない限り、Xは単一のYを備え得ること、または複数のYを備え得ることを示している。排他的意味で冠詞「a」または「the」を使用しようと意図している場合は、文脈で明確にされる。状況によっては「少なくとも1つの(at least one)」または「1つ以上の(one or more)」は、包括的意味を強調するために使用され得るが、これらの表現の不在は、何れかの排他的意味を暗示するものとして解釈されるべきではない。
【0169】
一請求項における一特徴(または複数の特徴の組み合わせ)の存在は、その特徴(または複数の特徴の組み合わせ)自体への、更にはほぼ同じ技術的効果(相当する特徴)を達成する諸特徴への、言及である。相当する特徴として、例えば、ほぼ同じ結果をほぼ同じ方法で達成する、特徴の変形例が挙げられる。相当する特徴として、例えば、ほぼ同じ結果を達成するために、ほぼ同じ機能をほぼ同じ方法で実施する特徴が挙げられる。
【0170】
本願明細書においては、さまざまな例への言及が、それらの例の特徴を説明する形容詞または形容詞句を使用して、行われている。一例に関する一特徴のこのような説明が示しているのは、その特徴が厳密に説明どおりに一部の例に存在し、更には、ほぼ説明どおりに他の例にも存在することである。
【0171】
上記明細書においては重要と考えられる特徴に注目させようと努めているが、本出願者は、強調されているか否かに拘わらず、上で言及している、および/または図面に示されている、特許性のある何れの特徴または特徴の何れの組み合わせに関しても、特許請求の範囲によって保護を求め得ることを理解されたい。
【0172】
図16A図17Bは、一例示的風速計30の断面を示す。
【0173】
必ずしも全ての例ではないが、これらの図において、回転可能部分90の下部は内部筐体であり、第2部分92は外部筐体である。回転可能部分90は、第2部分92の中にある。回転可能部分90の外径は、第2部分92の内径より小さい。回転可能部分90は円筒状であり、第2部分92も円筒状である。したがって、第2部分92が片手で握られているときに、回転可能部分90は第2部分92の中で回転できる。これにより、風センサの回転がもたらされる。回転可能部分90の最上部に風センサが存在する。この最上部は、第2部分92の最上部より上に突出している。
【0174】
この構造は、第2部分92に対して回転可能部分90を回転させるための方位アクチュエータ1700の追加を可能にする。この自動回転は、手動回転に頼るより、より確実な風測定を可能にする。
【0175】
方位アクチュエータ1700は回転可能部分90の中に収容され、回転可能部分90によって支持されている。方位アクチュエータ1700は、直流モータなどの電気モータを備え得る。
【0176】
方位アクチュエータ1700が回転可能部分90を第2部分92に対して回転させることができるように、方位アクチュエータ1700の出力手段1702は第2部分92に係合している。この係合は、図17A図17Bの断面図に示されているように、歯車機構を介し得る。
【0177】
図示のように、図示の歯車機構は、内歯車1704を第2部分92の中に備えることができる。方位アクチュエータ1700の出力手段1702は歯付きホイールであり、方位アクチュエータ1700の出力手段1702の回転に伴い、内歯車1704に沿って走行する。これにより、回転可能部分90が回転する。
【0178】
さまざまな電子部品が回転可能部分90の中に収容され得る。これは、方位アクチュエータ1700と、センサ(単数または複数)をインタフェース22に接続する回路と、を少なくとも含む。この回路は、局所的環境条件を示す情報の取得をトリガするように構成され得る。更に、温度、圧力、および湿度センサが、回転可能部分90の中など、風速計30の中に収容され得る。
【0179】
図16A図17Bの風速計30が、局所的環境条件を示す情報の取得をトリガする入力手段24B(例えば、とりわけ、摺動ボタン、ばねボタン、他のボタン、トリガ、タッチスクリーンボタン)を備える場合、入力手段24Bは風速計30の第2部分92によって支持され得る。図16A図16Bは、回転可能部分90の中に収容された回路に入力手段24Bを作動的に結合するために、回転可能部分90の中に収容された非接触センサ1600を示している。有線接続は、第2部分92に対する回転可能部分90の回転を妨げるので、非接触センサ1600の使用は、有線/導電接続が不要であることを意味する。図示の非接触センサ1600は、ホール効果センサを備えることができる。ホール効果センサ1600は、入力手段24Bに接続された磁石1602への近接を検出するように構成され得るので、入力手段24Bが作動されると、磁石1602は、ホール効果センサ1600に向かって(または離れる方向に)検出可能に移動する。図示の具現例において、ホール効果センサ1600は回転可能部分90に接続され、磁石1602は第2部分92に接続されている。一代替具現例において、磁石1602は第2部分92に接続され、ホール効果センサ1600は回転可能部分90に接続される。
【0180】
一部の例において、装置は、方位アクチュエータ1700によってデバイスの回転を開始させ、更には、(ユーザが入力手段24Bを摺動させたときに)磁石1602からの磁場の検出を停止(または検出を開始)させるホール効果センサ1600に応じて、局所的環境条件を示す情報の取得を開始させるように、構成される。
【0181】
一部の例において、装置の制御装置は、回転可能部分90を第2部分92に対して開始角度から、開始角度と同じ、または異なる、終端角度まで、その間の1つ以上の中間休止角度を介して、回転させるために、方位アクチュエータ1700を制御するように構成される。各中間休止角度において、回転は停止(または減速)され、装置は、局所的風況を示す情報のサンプルの捕捉を開始する。一部の例においては、複数の中間休止角度が存在する。一部の例においては、少なくとも3つの中間休止角度が存在する。一部の例において、方位アクチュエータ1700は、360度の回転中に少なくとも4回(90度以下の増分で)停止するように設定される。4つのサンプルは、精確な風向の判定を可能にする。一部の例においては、精度を高めるために、中間休止角度の数を増やすことができるが、その代償として、スキャン時間が長くなる。
【0182】
一部の例において、風速計30の方位センサは、非接触センサを備える。この非接触センサは、上記の非接触センサ1600または異なる非接触センサを備え得る。一具現例においては、ホール効果センサが回転可能部分90に接続され、1つ以上の磁石(例えば、1602)が第2部分92に接続される。あるいは、ホール効果センサは第2部分92に接続され、磁石(単数または複数)は回転可能部分90に接続される。ホール効果センサは、磁石の近接の検出に応じて、回転可能部分90が既知の角度だけ回転したことを検出できる。
【0183】
一部の例においては、風速計30の回転を制御するために、方位アクチュエータ1700が開ループ制御装置によって制御されるが、方位センサ1600は、回転可能部分90が必要な終端角度(例えば、360度)に達したことを検出し、終端角度において制御装置が方位アクチュエータ1700を停止させるように構成される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
【国際調査報告】