IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エクスマー オフショア カンパニーの特許一覧

特表2024-506222オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法
<>
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図1
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2A
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2B
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2C
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2D
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2E
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2F
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2G
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図2H
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図3
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図4
  • 特表-オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-09
(54)【発明の名称】オフショアプラットフォーム用のトラスシステム及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/44 20060101AFI20240202BHJP
   B63B 35/34 20060101ALN20240202BHJP
【FI】
B63B35/44 C
B63B35/34 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023573014
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2022015852
(87)【国際公開番号】W WO2022173854
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/147,636
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523304962
【氏名又は名称】エクスマー オフショア カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】リー, ジョンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン, アイミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン, ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ダシルヴァ, オットー
(57)【要約】
トラスシステムは、複数のビームを含み得る。複数のビームの各ビームは、同一平面で様々な断面サイズを有し得る。加えて、複数のビームは、必要な強度レベルでの構造重量を低減して最適な設計を達成し得るような幾何学的配置を有し得る。
【選択図】図5

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフショア船のトップサイドトラスシステム用下部デッキであって、上記下部デッキは、
4つの象限に配分される複数のビームを含み、上記複数のビームは、上記下部デッキの平面のX軸に平行な方向、上記平面のY軸に平行な方向、並びに上記X軸及び上記Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなした方向に延在し、各象限は、
一定の又は変化する断面を有する第1のビームセット、
一定の又は変化する断面を有する第2のビームセット、
一定の又は変化する断面を有する第3のビームセット、及び
一定の又は変化する断面を有する第4のビームセットを含む、下部デッキ。
【請求項2】
上記4つの象限は、上記下部デッキの縦軸及び上記下部デッキの横軸について対称である、請求項1に記載の下部デッキ。
【請求項3】
各象限はさらに、
上記第1のビームセットからの少なくとも4本のビーム、
上記第2のビームセットからの少なくとも9本のビーム、
上記第3のビームセットからの少なくとも13本のビーム、及び
上記第4のビームセットからの少なくとも4本のビームを含む、請求項1に記載の下部デッキ。
【請求項4】
対応する象限のコーナーから、上記第1のビームセットの第1のビームが上記X軸に延在するとともに上記第1のビームセットの第2のビームが上記第1のビームから鋭角をなして延在し、上記第1のビームセットの第3のビームが上記Y軸に延在するとともに上記第1のビームセットの第4のビームが上記第3のビームから鋭角をなして延在し、
上記X軸に延在する上記第1のビームセットの上記第1のビームから、上記第2のビームセットの2本のビームが上記X軸にさらに延在し、上記第3のビームセットの4本のビームが上記Y軸にさらに延在し、
上記Y軸に延在する上記第1のビームセットの上記第3のビームから、上記第2のビームセットの2本のビームが上記Y軸にさらに延在し、上記第3のビームセットの4本のビームが上記X軸にさらに延在し、
上記第1のビームから鋭角をなす上記第2のビームの遠位端から、上記第2のビームセットのビームが、上記第3のビームから鋭角をなす上記第4のビームの遠位端に垂直に延在し、
上記第2のビーム及び上記第4のビームの各遠位端から、上記第2のビームセットからのビームが、その遠位端にある上記第3のビームセットからのビームとともに上記角度をなした方向にさらに延在し、
上記第3のビームセットからのビームが、上記角度をなした方向にさらに延在する上記第2のビームセットからの上記ビームの上記遠位端にある上記第3のビームセットからの上記ビームから垂直な方向に延在する、請求項3に記載の下部デッキ。
【請求項5】
各象限は、上記Y軸に一直線に延在する上記第4のビームセットからのビーム、上記第3のビームセットからのビーム、上記第2のビームセットからのビーム、及び上記第4のビームセットからのビームからなる第1のセットと、上記X軸に一直線に延在する上記第4のビームセットからのビーム、上記第3のビームセットからのビーム、上記第2のビームセットからのビーム、及び上記第4のビームセットからのビームからなる第2のセットとを共有する、請求項4に記載の下部デッキ。
【請求項6】
各象限はさらに、
上記第1のビームセットからの少なくとも4本のビーム、
上記第2のビームセットからの少なくとも8本のビーム、
上記第3のビームセットからの少なくとも7本のビーム、及び
上記第4のビームセットからの少なくとも12本のビームを含む、請求項1に記載の下部デッキ。
【請求項7】
対応する象限のコーナーから、上記第1のビームセットの第1のビームが上記X軸に延在するとともに上記第1のビームセットの第2のビームが上記第1のビームから鋭角をなして延在し、上記第1のビームセットの第3のビームが上記Y軸に延在するとともに上記第1のビームセットの第4のビームが上記第3のビームから鋭角をなして延在し、
上記X軸に延在する上記第1のビームセットの上記第1のビームから、上記第3のビームセットのビーム及び上記第2のビームセットのビームが上記X軸にさらに延在し、上記第4のビームセットのビーム、上記第3のビームセットのビーム、上記第2のビームセットのビーム、及び上記第4のビームセットのビームが上記Y軸にさらに延在し、
上記Y軸に延在する上記第1のビームセットの上記第3のビームから、上記第3のビームセットのビーム及び上記第2のビームセットのビームが上記X軸にさらに延在し、上記第4のビームセットのビーム、上記第3のビームセットのビーム、上記第2のビームセットのビーム、及び上記第4のビームセットのビームが上記Y軸にさらに延在し、
上記第1のビームから鋭角をなす上記第2のビームの遠位端から、上記第3のビームセットのビームが、上記第3のビームから鋭角をなす上記第4のビームの遠位端に垂直に延在し、
上記第2のビーム及び上記第4のビームの各遠位端から、上記第2のビームセットからの4本のビームが、上記第2のビーム及び上記第4のビームから角度をなした方向に延在し、
上記第3のビームセットからの2本のビームが、上記第2のビーム及び上記第4のビームから上記角度をなした方向に延在する上記第2のビームセットからの上記ビームから延在する、請求項6に記載の下部デッキ。
【請求項8】
各象限は、上記Y軸に一直線に延在する上記第4のビームセットからの4本のビームからなる第1のセットと、上記X軸に一直線に延在する上記第4のビームセットからの4本のビームからなる第2のセットとを共有する、請求項7に記載の下部デッキ。
【請求項9】
1つ又は複数の支柱である支持部材がその上に配置されたベースと、
上記1つ又は複数の支柱の支持によって支持されるトップサイドトラスシステムによって形成されるデッキとを含み、上記トップサイドトラスシステムは、
上部デッキと、
下部デッキと、
上記上部デッキを上記下部デッキに相互接続する管状部材とを含み、
上記下部デッキは、
一定の又は変化する断面を有する第1のビームセット、
一定の又は変化する断面を有する第2のビームセット、
一定の又は変化する断面を有する第3のビームセット、及び
一定の又は変化する断面を有する第4のビームセット
を含む1つ又は複数の象限を有し、
上記トップサイドトラスシステムの対応するコーナービーム部材は、上記1つ又は複数の支柱の上部に固定される、オフショア船。
【請求項10】
上記オフショア船はセミサブマーシブルである、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項11】
上記ベースはポンツーンベースである、請求項10に記載のオフショア船。
【請求項12】
上記1つ又は複数の支柱の支持はさらに、
6つの側面を有する柱を含み、
上記柱の第1の側面及び上記柱の第2の側面は、互いに対して第1の角度で配置され、
上記柱の上記第2の側面及び上記柱の第3の側面は、互いに対して第2の角度で配置され、
上記柱の上記第3の側面及び上記柱の第4の側面は、互いに対して第3の角度で配置され、
上記柱の上記第4の側面及び上記柱の第5の側面は、互いに対して第4の角度で配置され、
上記柱の上記第5の側面及び上記柱の第6の側面は、互いに対して第5の角度で配置され、
上記柱の上記第6の側面及び上記柱の上記第1の側面は、互いに対して第6の角度で配置され、
上記ポンツーンベースは、上記柱の下端に配置される、請求項11に記載のオフショア船。
【請求項13】
上記1つ又は複数の支柱の支持はさらに、
5つの側面を有する柱を含み、
上記柱の第1の側面及び上記柱の第2の側面は、互いに対して第1の角度で配置され、
上記柱の上記第2の側面及び上記柱の第3の側面は、互いに対して第2の角度で配置され、
上記柱の上記第3の側面及び上記柱の第4の側面は、互いに対して第3の角度で配置され、
上記柱の上記第4の側面及び上記柱の第5の側面は、互いに対して第4の角度で配置され、
上記柱の上記第5の側面及び上記柱の上記第1の側面は、互いに対して第5の角度で配置され、
上記ポンツーンベースは、上記柱の下端に配置され、
上記柱の少なくとも1つの側面は、上記少なくとも1つの側面が、上記柱の長さの少なくとも一部に沿って外側又は内側にフレア状であるようなテーパー位置を含む、請求項11に記載のオフショア船。
【請求項14】
上記上部デッキは、第5のビームセット及び第6のビームセットを有する周縁を含み、上記第5のビームセットは主要なトラス列を形成し、上記第6のビームセットは、水平方向又は横方向に配向されている、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項15】
上記管状部材は、上記下部デッキの上方に一定距離で上記上部デッキを離間させるように角度をなしている、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項16】
上記下部デッキは、上記トップサイドトラスシステムの上記対応するコーナービーム部材内を横断しない、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項17】
上記下部デッキの対応するコーナービーム端が、上記対応するコーナービーム部材から一定距離を空けて4本の上記支柱の上記上部に固定される、請求項16に記載のオフショア船。
【請求項18】
上記下部デッキは対角線軸について対称である、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項19】
上記1つ又は複数の象限はさらに、
上記第1のビームセットからの少なくとも4本のビーム、
上記第2のビームセットからの少なくとも9本のビーム、
上記第3のビームセットからの少なくとも13本のビーム、及び
上記第4のビームセットからの少なくとも4本のビームを含む、請求項9に記載のオフショア船。
【請求項20】
上記1つ又は複数の象限はさらに、
上記第1のビームセットからの少なくとも4本のビーム、
上記第2のビームセットからの少なくとも8本のビーム、
上記第3のビームセットからの少なくとも7本のビーム、及び
上記第4のビームセットからの少なくとも12本のビームを含む、請求項9に記載のオフショア船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示される実施形態は、一般に、オフショアプラットフォーム用のトラスシステムに関する。より具体的には、本明細書に開示される実施形態は、構造重量と構造強度との間のバランスをとるように構造材を最適に配分するためのトラスシステムの幾何学的配置に関する。
【背景技術】
【0002】
油田操業では、プラットフォーム補給船(PSV)、オフショアバージ、アンカーハンドリング船、建設支援船(CSV)、掘削船、坑井介入船、砕氷船、クレーン船、ケーブル敷設船、地震探査船、及び消防船等のオフショア船が、炭化水素の探査、炭化水素の掘削及び生産、炭化水素の保持及び輸送、安全プラットフォーム、並びに重量物吊り上げクレーン等を含むものの、これらに限定されない様々な作業に一般的に使用されている。
【0003】
典型的には、オフショア船は、機器積載量及び環境荷重を運ぶためのトップサイド構造を有し得る。さらに、水域内でオフショア船を安定させるために、ペンシル柱(pencil columns)又はロケット柱(rocket columns)等の安定柱をオフショア船に取り付け得る。トップサイド構造は、デッキを形成するためのトラスシステムであり得る。積載量を最大化するためには、トラスシステムの構造重量を低減する必要がある一方で、過酷な環境に対してトラスシステムの構造強度基準を満たさなければならない。オフショア環境では、重量及び強度の両方の要件を満たすために、構造材を効率よく配分することが不可欠である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本概要は、以下の詳細な説明にさらに記載する概念の一部を紹介するために提供される。本概要は、特許請求される主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図したものではなく、また、特許請求される主題の範囲を限定する助けとなるものとして使用されることを意図したものでもない。
【0005】
一態様では、本明細書に開示される実施形態は、トラスシステムに関する。トラスシステムは、複数のビームを含み得る。複数のビームの各ビームは、同一平面で様々な断面サイズを有し得る。加えて、複数のビームは、必要な強度レベルでの構造重量を低減して最適な設計を達成し得るような幾何学的配置を有し得る。
【0006】
別の態様では、本明細書に開示される実施形態は、オフショア船のトップサイドトラスシステム用下部デッキに関する。下部デッキは、4つの象限に配分される複数のビームを含み得る。複数のビームは、下部デッキの平面のX軸に平行な方向、該平面のY軸に平行な方向、並びにX軸及びY軸から鋭角又は鈍角の角度をなした方向に延在し得る。各象限は、一定の又は変化する断面を有する第1のビームセット、一定の又は変化する断面を有する第2のビームセット、一定の又は変化する断面を有する第3のビームセット、及び一定の又は変化する断面を有する第4のビームセットを含む。
【0007】
さらに別の態様では、本明細書に開示される実施形態は、オフショア船に関する。オフショア船は、1つ又は複数の支柱である支持部材がその上に配置されたベースと、1つ又は複数の支柱の支持によって支持されるトップサイドトラスシステムによって形成されるデッキとを含む。トップサイドトラスシステムは、上部デッキと、下部デッキと、上部デッキを下部デッキに相互接続する管状部材とを含む。下部デッキは、一定の又は変化する断面を有する第1のビームセット、一定の又は変化する断面を有する第2のビームセット、一定の又は変化する断面を有する第3のビームセット、及び一定の又は変化する断面を有する第4のビームセットを含む1つ又は複数の象限を有し得る。加えて、トップサイドトラスシステムの対応するコーナービーム部材は、1つ又は複数の支柱の上部に固定される。
【0008】
本開示の他の態様及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う典型的なオフショア環境におけるオフショア船の側面図である。
図2A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う図1のオフショア船の斜視図である。
図2B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う図2Aのオフショア船の上面図である。
図2C】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図2D】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図2E】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図2F】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図2G】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図2H】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う支柱の様々な上面図である。
図3】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う図2Aのトラスシステムの斜視図である。
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うトラスシステムの上面図である。
図5】本開示の1つ又は複数の実施形態に従うトラスシステムの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付の図面を参照しながら本開示の具体的な実施形態を詳細に説明する。様々な図中の同様の要素は、一貫性のために同様の参照番号で表示され得る。さらに、以下の本開示の実施形態の詳細な説明では、発明がより十分に理解されるように、多くの具体的な詳細を記載する。しかしながら、当業者には、本明細書に開示される実施形態がこのような具体的な詳細なしでも実施され得ることが明らかであろう。他の場合では、記載が不必要に複雑にならないように、周知の特徴については詳細に記載しなかった。
【0011】
さらに、当業者であれば分かるように、第1の要素からその上に配置された第2の要素を説明する際、配置とは、第1の要素を第2の要素上に直接配置すること、又は第1の要素を第2の要素上に間接的に配置することのいずれかであり得ることが理解される。例えば、第1の要素と第2の要素とを互いに直接接触させる等によって、第1の要素を第2の要素上に直接配置してもよいし、あるいは、第3の要素及び/又は追加の要素を第1の要素と第2の要素との間に配置する等によって、第1の要素を第2の要素上に間接的に配置してもよい。本明細書で使用する「に取り付け」又は「結合」若しくは「に結合」又は「接続」若しくは「に接続」という用語は、直接又は間接的な接続のいずれかの確立を示し得るが、それとして明示的に言及されない限りどちらにも限定されない。さらに、本明細書に開示される実施形態は、浮き船に関連するオフショア船を指す用語を用いて説明されるものの、オフショア構造物(すなわち、任意のプラットフォーム又はセミサブマーシブル)を指すいかなる用語も本開示の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。可能な限り、共通の又は同じ要素を特定するのに、同様の又は同一の参照番号を図面では使用する。図面は必ずしも縮尺どおりではなく、図面の一定の特徴及び一定の図が、明確化のために縮尺が誇張されて示されることもある。
【0012】
一態様では、本明細書に開示される実施形態は、一般に、オフショア船のトップサイド構造用トラスシステムに関する。トラスシステムは、互いに相互接続された複数のビームによって形成され得る。より具体的には、ビームの幾何配置は、トラスシステムの構造重量及びトラスシステムの構造強度が最適化されるような配置であり得る。1つ又は複数の実施形態では、トラスシステムは、オフショア船の柱上に配置され得る。他の実施形態では、トラスシステムは、油井やぐら等のオンショア構造物とともに使用されるように設計され得る。さらに、トラスシステムは、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の海上又は陸上環境で使用されるように設計され得る。さらに、本明細書に記載される様々な実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、リグ現場の準備、掘削、完成、放棄等のオフショアの石油・ガス操業の様々な段階において、さらに、改修リグ、フラッキング設備、坑井試験設備、石油・ガス生産設備等の他の環境においても使用され得ることが理解されるべきである。実施形態は単に有用な適用例として記載されるに過ぎず、本明細書の実施形態のいかなる具体的な詳細にも限定されない。
【0013】
図1を参照すると、典型的な海上環境におけるオフショア船113の側面図が示される。例えば、オフショア船113は、石油・ガス操業用のセミサブマーシブル構造であり得る。デッキ101は水面111の上方に位置している。デッキ101は、典型的には、掘削、生産、又は他の操業に使用されるため、操業機器、人員、及び操業ギアがその上に配置され得る。海洋波浪荷重、プラットフォームの動き、及びトップサイド積載量に起因して、オフショア船113の典型的な設計荷重条件は、垂直曲げモーメント、横方向せん断、プライスクイーズ(pry-squeeze)、ピッチコネクトモーメント、及び横方向加速度であり得る。デッキ101は、トップサイドトラスシステム100によって形成される。トップサイドトラスシステム100は、2つ以上のデッキレベル(100A、100B)を含む。例えば、上部デッキ100Bは、管状部材100Cによって下部デッキ100Aに相互接続される。
【0014】
1つ又は複数の実施形態では、トップサイドトラスシステム100は、1つ又は複数の支柱によって支持され得る。本例で示すように、トップサイドトラスシステム100は、支柱106A及び106B上に配置されているため、水面111の大波から遠ざけられている。支柱106A及び106Bは、トップサイドトラスシステム100を支持するために使用されるが、貯蔵庫としても機能し得る。加えて、支柱106A及び106Bは、バラストされ得る。ポンツーンベース105等のベースは、支柱106A及び106Bがその上に配置されている。ポンツーンベース105は、側面視、平面視、又はその両方から見て実質的に長方形の形状であり得る。幾つかの実施形態では、トップサイドトラスシステム100、1つ又は複数の支柱、及びポンツーンベース105は、オフショア船113を形成する1つの一体化されたシステムであり得る。
【0015】
オフショア船113は、バラストされたポンツーン又はバラストされた柱から浮力を得る。そのため、バラスト構造物(バラストされたポンツーン又はバラストされた柱、又はその両方)は、オフショア船113を安定させるために、水若しくは任意の他のバラスト材が充填され得るか(バラスト)、又は水若しくは任意の他のバラスト材を放出し得る(デバラスト)。図示するように、セミサブマーシブル113は、アンカーライン107A及び107Bによって海底109に係留される。アンカーライン107A及び107Bは、ワイヤー、チェーン、又はセミサブマーシブルを海底109に対して適切な位置に保つであろう当技術分野で既知の任意の他の係留装置であり得る。さらに、アンカーラインは、本例で示すような2本のみのラインに限定されなくてもよい。オフショア船113は、任意の本数のアンカーラインによって係留され得る。
【0016】
幾つかの実施形態では、水深が浅い海上環境で使用する場合、オフショア船113は、アンカーライン107A及び107Bを使用せずに海底109に配置されるように適合され得る。この場合、ポンツーンベース105は、海底109に配置され得て、ポンツーンベース105及び最終的にはオフショア船113を海底109に固定するための固定部(図示せず)を使用して海底109に固定され得る。
【0017】
図2Aを参照すると、オフショア船113の斜視図が示される。オフショア船113は、ポンツーンベース105から上方に延在する4本の支柱106A~106Dを含み得る。トップサイドトラスシステム100は、4本の支柱106A~106Dの各々についてトップサイドトラスシステム100の対応するコーナービーム部材108を介して、4本の支柱106A~106D上に配置されている。例えば、対応するコーナービーム部材108の管状部材が、4本の支柱106A~106Dの上部に固定され得る。対応するコーナービーム部材108は、上部デッキ100Bを下部デッキ100Aに相互接続する管状部材100Cと同様の管状部材で作製され得る。幾つかの実施形態では、下部デッキ100Aの対応するコーナービーム端100ABもまた、対応するコーナービーム部材108から一定距離を空けて4本の支柱106A~106Dの上部に固定される。
【0018】
1つ又は複数の実施形態では、支柱106A~106D及びポンツーンベース105が、オフショア船113の船体を形成する。図1に示すように、支柱106A~106Dは、ポンツーンベース105上に配置されている。さらに、この場合、ポンツーンベース105は、略長方形、三角形、及び/又は多角形の形状であり得て、支柱106A~106Dは、ポンツーンベース105のコーナー付近、又はポンツーンベース105に沿った任意の位置に配置され得る。当業者であれば、支柱106A~106Dはポンツーンベース105に対して任意の他の配置に配置され得るため、支柱106A~106Dの位置はポンツーンベース105のコーナーに限定されないことが分かるであろう。加えて、当業者であれば、任意の本数の支柱が存在し得るため、支柱の本数は、図示するような4本の支柱106A~106Dに限定されないことが分かるであろう。オフショア船113の非限定的な例が米国特許第9,145,190号に記載され得るが、その教示の全てが本明細書において引用により援用される。さらに、本明細書で開示するオフショア船113は、当技術分野の任意のセミサブマーシブルであり得ることも企図される。
【0019】
引き続き図2Aを参照して、1つ又は複数の実施形態では、支柱106A~106Dの各々は、支柱106A~106Dに沿った垂直位置を図示するための線114を含み、ここで、支柱106A~106Dの側面は、丸みを帯びた縁にわたって結合するが、次第に四角い縁にわたって結合するように移行し得る。加えて、領域115は、丸みを帯びたコーナーが次第に四角いコーナーに移行し得る支柱106A~106Dの移行領域を表す。本例では、移行領域は、支柱106A~106Dの一部に沿って延在し、柱106A~106Dとポンツーンベース105との間の接続部で終端している。
【0020】
図2Bを参照すると、オフショア船113の上面図が示される。図2Bに示すように、ポンツーンベース105は、略長方形、三角形、及び/又は多角形の形状であり得る。加えて、ポンツーンベース105の1つ又は複数のコーナー209は、(図示するように)面取りされ得る。あるいは、ポンツーンベース105は、1つ又は複数の四角いコーナー、1つ又は複数の丸みを帯びたコーナー、又はその任意の組合せ若しくは代替物(図示せず)を有し得る。さらに、また同様に、ポンツーンベース105の内側211は、内側の面取りしたコーナー209に対応していてもいなくてもよい1つ又は複数の面取りしたコーナー213を有し得る。あるいは、ポンツーンベース105の内側211は、1つ又は複数の四角いコーナー、1つ又は複数の丸みを帯びたコーナー、又はその任意の組合せ若しくは代替物(図示せず)を有し得る。
【0021】
1つ又は複数の実施形態では、支柱106A~106Dの断面215は、5つの側面を有し得る。支柱106A~106Dの1つ又は複数のコーナー217A、217B、及び217Cは、図示するように、四角いものであり得る。加えて、支柱106A~106Dの1つ又は複数の縁219A、219B、及び219Cは、図示するように、丸みを帯びたものであり得る。この特定の例では、支柱106A~106Dの1つ又は複数の縁219A、219B、及び219Cは、支柱の一方の垂直端において丸みを帯びており、支柱106A~106Dの反対側の端において四角くなっている。さらに、断面223に対応する1つ又は複数の側面221A、221B、221C、221D、及び221Eは、それぞれ支柱の側面を表す。あるいは、コーナー又は縁は、面取りしたもの、丸みを帯びたもの、四角いもの、又はその任意の組合せ若しくは代替物であり得る。
【0022】
引き続き図2Bを参照して、トップサイドトラスシステム100は外形として図示されている。これは、トップサイドトラスシステム100が、ポンツーンベース105上の支柱106A~106Dによってどのように支持されているかを分かり易くするための例示目的に過ぎない。図2Bに示すように、トップサイドトラスシステム100のコーナービーム部材108は、支柱106A~106D上で支持されている。
【0023】
図2C図2Hを参照すると、1本の支柱の上面図が示される。図2Cでは、支柱301の1つ又は複数の側面303A、303B、303C、303Dが、図示するように、互いに対して配置され得る。具体的には、第1の側面303Aは、第2の側面303Bに対して第1の角度で配置され得る。第2の側面は、第3の側面303Cに対して第2の角度で配置され得る。第3の側面303Cは、第4の側面303Dに対して第3の角度で配置され得る。本例では、第1及び第2の角度は実質的に直角であり得る。さらに、第3の角度は実質的に鈍角であり得る。鈍角の一例は、図示するように、実質的に135度であり得る。しかしながら、鈍角は、90度超180度未満の角度の間の任意の角度であり得る。加えて、鈍角は、91度~179度の間、100度~170度の間、110度~160度の間、120度~150度の間、又は130度~140度の間の任意の角度であり得る。第4の側面303Dは、第5の側面303Eに対して第4の角度で配置され得る。第5の側面303Eは、第1の側面303Aに対して第5の角度で配置され得る。本例では、第4の角度は実質的に鈍角であり得て、第5の角度は実質的に直角であり得る。本例では、支柱301の1つ又は複数の側面303A、303B、303C、303Dは、丸みを帯びたコーナーにより結合され得る。あるいは、支柱301の1つ又は複数の側面303A、303B、303C、303Dは、面取りしたコーナー、四角いコーナー、又はその任意の代替物により結合され得る。しかしながら、当業者であれば、支柱のコーナー及び対応する側面は上記の配置に限定されないことが分かるであろう。
【0024】
図2Dでは、1つ又は複数の側面403A、403B、及び403Cは、支柱401の少なくとも一部に沿って外側に延在し得る。図示されるように、外側延在部又は「フレア」は、支柱401のベースにおける追加の支持のために設けられ得る。加えて、当業者であれば、延在部が内側であり得る(図示せず)ことが分かるであろう。
【0025】
図2Eでは、1つ又は複数の側面503A、503B、及び503Cは、支柱501の一端から開始して他端まで外側(又は内側)に延在し得る。本例では、支柱501の長さの一部に沿って図2Dと同様なテーパー位置は存在しない。特に、フレアは支柱501の全長に及んでいる。したがって、テーパー位置は支柱の一端又は両端にあり得て、フレアは支柱501の全体に沿って延在し得る。さらに、本例では、側面503Bはフレア状でなくてもよい。したがって、フレアは任意の数の側面に存在してもよいし、全く存在しなくてもよい。
【0026】
図2Fでは、支柱601の1つ又は複数の側面603A、603B、及び603Cは、ベースにおいてフレア状であり得る。本例では、側面603Bもフレア状である。当業者であれば、テーパー位置は支柱601の長さに沿った任意の位置にあり得ることが分かるであろう。
【0027】
図2Gでは、支柱701の1つ又は複数の側面703A、703B、及び703Cは、ベースにおいてフレア状であり得る。本例では、支柱701の長さの任意の部分に沿って図2Fの上記のものと同様なテーパー位置は存在しない。特に、フレアは支柱701の全長に及んでいる。したがって、テーパー位置は支柱の一端又は両端にあり得て、フレアは支柱701の全体に沿って延在し得る。さらに、本例では、側面703Bはフレア状であってもなくてもよい。したがって、フレアは任意の数の側面に存在してもよいし、全く存在しなくてもよい。
【0028】
図2Hでは、支柱801は、1つ又は複数の面取りした側面803A及び803Bを有する。支柱801の1つ又は複数の面取りした側面803A及び803Bは、ポンツーン構造に対して内側又は外側に限定されなくてもよい。加えて、また図2Hに示すように、支柱801の断面は、支柱801の1つ又は複数の側面に対応する1つ又は複数の縁805A、805B、805C、805D、805E、及び805Fを含み得る。縁805A、805B、805C、805D、805E、及び805Fは、図2Hに示すように配置され得る。特に、第1の縁805Aは、縁805Bに対して第1の角度で配置され得る。縁805Bは、縁805Cに対して第2の角度で配置され得る。縁805Cは、縁805Dに対して第3の角度で配置され得る。縁805Dは、縁805Eに対して第4の角度で配置され得る。縁805Eは、縁805Fに対して第5の角度で配置され得る。縁805Fは、縁805Aに対して第6の角度で配置され得る。加えて、縁805C及び805Fは面取りしたものであり得て、支柱801の面取りした側面803A及び803Bに対応し得る。本例では、第2及び第5の角度は実質的に直角であり得て、第1、第3、第4、及び第6の角度は実質的に鈍角であり得る。鈍角の一例は、図示するように、実質的に135度であり得る。しかしながら、鈍角は、90度超180度未満の角度の間の任意の角度であり得る。加えて、鈍角は、91度~179度の間、100度~170度の間、110度~160度の間、120度~150度の間、又は130度~140度の間の任意の角度であり得る。当業者であれば、6側面柱は、上記の多側面柱の任意の実施形態に対して本明細書に開示する任意の特徴又は全ての特徴を含んでいてもいなくてもよいことが分かるであろう。例えば、1つ又は複数の実施形態では、6側面柱は、1つ又は複数の移行領域、1つ又は複数のテーパー位置、及びフレアのうちの1つ又は複数を含み得る。加えて、1つ又は複数の実施形態では、6側面柱は、丸みを帯びた縁又はコーナー、四角い縁又はコーナー、及び面取りした縁又はコーナーのうちの1つ又は複数を含み得る。当業者には理解されるように、上述の特徴は例として提供され、本明細書における実施形態は上記の特徴に限定されるべきではない。
【0029】
ここで図3を参照すると、トップサイドトラスシステム100の斜視図が示される。トップサイドトラスシステム100の上部デッキ100Bは、掘削、生産、又は他の操業に使用される機器を直接支持するため、操業機器、人員、及び操業ギアがその上に配置され得る。機器を支持するために、上部デッキ100Bは、その内部又は上に機器が収まる複数のビーム(例えば、鋼製Iビーム)によって形成され得る。周縁は、略正方形、長方形、及び/又は多角形の形状であり得る。上部デッキ100Bは、第1のビームセット110及び第2のビームセット112を含む。第1のビームセット110は主要なトラス列を形成している。第2のビームセット112は、水平方向又は横方向に配向され得る。
【0030】
1つ又は複数の実施形態では、管状部材100Cは、下部デッキ100Aから一定距離で上部デッキ100Bを離間させる。管状部材100Cは、上部デッキ100Bを下部デッキ100A上に支持するために角度をなし得る。加えて、コーナービーム部材108は、トップサイドトラスシステム100を支柱(図2A図2H中の106A~106Dを参照)に接続する。幾つかの実施形態では、下部デッキ100Aはコーナービーム部材108内を横断しない。加えて、下部デッキ100Aは、各コーナービーム部材108について2つの対応するコーナービーム端100ABを含み得る。各コーナービーム端100ABもまた、各コーナービーム部材108から一定距離を空けて4本の支柱(図2A図2H中の106A~106Dを参照)の上部に固定される。
【0031】
1つ又は複数の実施形態では、下部デッキ100Aの概念設計段階において、支配的な荷重ケースは、下部デッキ100A及び上部デッキ100B上の質量の慣性荷重と組み合わされた単純化された環境荷重であり得る。上部デッキ100B及び下部デッキ100Aは、デッキ内部の様々な形状の空隙及び材料分布を決定して支配的な荷重ケースに対処するために最適化され得る。
【0032】
図4及び図5の配置を参照して、下部デッキ100Aは、平面Pに配置された複数のビーム(101a~104l)によって形成され得る。平面Pは、下部デッキ100Aがその内部に置かれる平面であり得る。例えば、平面Pは、ポンツーンベース(図1図2B中の105を参照)と実質的に平行であり得る。複数のビーム(101a~104l)は、構造支持操作において多種多様なビームを使用し得る。当業者であれば、下部デッキ100Aが、どのように性能の増大、非生産時間(NPT)の短縮、並びに機器寿命及びメインテナンスの向上を達成可能となり得るかが分かるであろう。
【0033】
1つ又は複数の実施形態では、下部デッキ100Aの複数のビーム(101a~104l)は、第1のビームセット(101a~101d)、第2のビームセット(102a~102i)、第3のビームセット(103a~103m)、及び第4のビームセット(104a~104l)を含み得る。各セットは、同じ断面又は変化する断面を有し得る。船のサイズ、形状、及び配置(並びにその使用法)に応じて、異なるサイズ、数、及び/又は種類のビームが使用され得ることが理解される。加えて、第1のビームセット(101a~101d)、第2のビームセット(102a~102i)、第3のビームセット(103a~103m)、及び第4のビームセット(104a~104l)は、それらの端で、中間点で、又はビーム(101a~104l)の任意の長さに沿って互いに接続され得る。例えば、2本のビーム間の接続点は、端と端、及び/又は、一方のビームの端と他方のビームの中間点であり得る。さらに、1本のビームが、2本のビームの対応する中間点で2本のビームに接続され得る。さらに、1本のビームが、2本のビームに、一方のビームの対応する中間点で他方のビームの端に接続され得ることも企図される。当業者であれば、複数のビーム(101a~104l)に対する荷重要件を満たすために、接続点がどのように調整され得るかが分かるであろう。
【0034】
図4において、複数のビーム(101a~104d)は、構造重量と構造強度との間のバランスをとるように構造材を最適に配分するための第1の幾何配置を有し得る。第1のビームセット(101a~101d)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第2のビームセット(102a~102i)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第3のビームセット(103a~103m)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第4のビームセット(104a~104d)は、平面PのX軸Xに平行に及び平面PのY軸Yに平行に延在するビームを有するように配置され得る。
【0035】
1つ又は複数の実施形態では、下部デッキ100Aの図4の配置は、同様の設計の1つ又は複数の象限を含み得る。例えば、下部デッキ100Aは、点線のボックス500A~500Dで表されるように4つの象限を有し得る。下部デッキ100Aはまた、コーナーからコーナーまで対角線状に延在する対称線について対称であり得る。例えば、各象限500A~500Dは、同じ幾何配置で、第1のビームセット(101a~101d)、第2のビームセット(102a~102i)、第3のビームセット(103a~103m)、及び第4のビームセット(104a~104d)からの同じ数のビームを含む。具体的には、各象限500A~500Dは、第1のビームセット(101a~101d)からの4本のビーム、第2のビームセット(102a~102i)からの9本のビーム、第3のビームセット(103a~103m)からの13本のビーム、及び第4のビームセット(104a~104d)からの4本のビームを有している。さらに、象限500A~500Dが縦軸Lo及び横軸LAについて対称であることも企図される。あるいは、下部デッキ100Aは、幾つかの局所では非対称であり得る。
【0036】
各象限500A~500Dにおいて、コーナービーム部材108から、第1のビームセット(101a~101d)の4本のビームは、第1のビーム101aがX軸Xに延在するとともに第2のビーム101bが第1のビーム101aから鋭角をなし、第3のビーム101cがY軸Yに延在するとともに第4のビーム101dが第3のビーム101cから鋭角をなしている幾何配置を有している。X軸Xに延在する第1のビームセットの第1のビーム101aから、第2のビームセット(102a~102i)の2本のビーム102a~102bがX軸Xにさらに延在し、第3のビームセット(103a~103m)の4本のビーム103a~103dがY軸Yにさらに延在する。Y軸Yに延在する第1のビームセット(101a~101d)の第3のビーム101cから、第2のビームセット(102a~102i)の2本のビーム102c~102dがY軸Yにさらに延在し、第3のビームセット(103a~103m)の4本のビーム103e~103hがX軸Xにさらに延在する。第1のビーム101aから鋭角をなす第2のビーム101bの遠位端から、第2のビームセット(102a~102i)のビーム102eが、第3のビーム101cから鋭角をなす第4のビーム101dの遠位端に垂直に延在する。さらに、第2のビーム101b及び第4のビーム101dの各遠位端から、第2のビームセット(102a~102i)からのビーム102f~102gが、ビーム102f~102gの遠位端にある第3のビームセット(103a~103m)からのビーム103i~103jとともに上記角度をなした方向にさらに延在する。加えて、第3のビームセット(103a~103m)からのビーム103kが、ビーム102eの遠位端にあるビーム103iからビーム103jまで垂直な方向に延在する。
【0037】
幾つかの実施形態では、各象限500A~500Dは、Y軸Yに一直線に延在する第4のビームセット(104a~104d)からのビーム104a、第3のビームセット(103a~103m)からのビーム103l、第2のビームセット(102a~102i)からのビーム102h、及び第4のビームセット104からのビーム104bからなる第1のセットと、X軸Xに一直線に延在する第4のビームセット(104a~104d)からのビーム104c、第3のビームセット(103a~103m)からのビーム103m、第2のビームセット(102a~102i)からのビーム102i、及び第4のビームセット(104a~104d)からのビーム104dからなる第2のセットとを共有している。
【0038】
図5において、複数のビーム(101a~104l)は、構造重量と構造強度との間のバランスをとるように構造材を最適に配分するための第2の幾何配置を有し得る。第1のビームセット(101a~101d)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第2のビームセット(102a~102h)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第3のビームセット(103a~103g)は、平面PのX軸Xに平行に、平面PのY軸Yに平行に、及びX軸、Y軸から鋭角又は鈍角の角度をなして延在するビームを有するように配置され得る。第4のビームセット(104a~104l)は、平面PのX軸Xに平行に及び平面PのY軸Yに平行に延在するビームを有するように配置され得る。
【0039】
1つ又は複数の実施形態では、下部デッキ100Aの図5の配置は、点線のボックス600A~600Dで表されるように、4つの対称的な象限を含み得る。例えば、各象限600A~600Dは、同じ幾何配置で、第1のビームセット(101a~101d)、第2のビームセット(102a~102h)、第3のビームセット(103a~103g)、及び第4のビームセット(104a~104l)からの同じ数のビームを含む。具体的には、各象限600A~600Dは、第1のビームセット(101a~101d)からの4本のビーム、第2のビームセット(102a~102h)からの8本のビーム、第3のビームセット(103a~103g)からの7本のビーム、及び第4のビームセット(104a~104l)からの12本のビームを有している。さらに、象限600A~600Dが縦軸Lo及び横軸LAについて対称であることも企図される。あるいは、下部デッキ100Aは、幾つかの局所では非対称であり得る。
【0040】
各象限600A~600Dにおいて、コーナービーム部材108から、第1のビームセット(101a~101d)の4本のビームは、第1のビーム101aがX軸Xに延在するとともに第2のビーム101bが第1のビーム101aから鋭角をなし、第3のビーム101cがY軸Yに延在するとともに第4のビーム101dが第3のビーム101cから鋭角をなしている幾何配置を有している。X軸Xに延在する第1のビームセット(101a~101d)の第1のビーム101aから、第3のビームセット(103a~103g)のビーム103a及び第2のビームセット(102a~102h)のビーム102aがX軸Xにさらに延在し、第4のビームセット(104a~104l)のビーム104a、第3のビームセット(103a~103g)のビーム103b、第2のビームセット(102a~102h)のビーム102b、及び第4のビームセット(104a~104l)のビーム104bがY軸Yにさらに延在する。Y軸Yに延在する第1のビームセット(101a~101d)の第3のビーム101cから、第3のビームセット(103a~103g)のビーム103c及び第2のビームセット(102a~102h)のビーム102cがX軸Xにさらに延在し、第4のビームセット(104a~104l)のビーム104c、第3のビームセット(103a~103g)のビーム103d、第2のビームセット(102a~102h)のビーム102d、及び第4のビームセット(104a~104l)のビーム104dがY軸Yにさらに延在する。第1のビーム101aから鋭角をなす第2のビーム101bの遠位端から、第3のビームセット(103a~103g)のビーム103eが、第3のビーム101cから鋭角をなす第4のビーム101dの遠位端に垂直に延在する。さらに、第2のビーム101b及び第4のビーム101dの各遠位端から、第2のビームセット(102a~102h)からのビーム102e~102hが、第2のビーム101b及び第4のビーム101dから角度をなした方向に延在する。加えて、第3のビームセット(103a~103g)からのビーム103f~103gが、ビーム103eと平行になるようにビーム102fからビーム102hまで延在する。
【0041】
幾つかの実施形態では、各象限600A~600Dは、Y軸Yに一直線に延在する第4のビームセット(104a~104l)からの4本のビーム104e~104hからなる第1のセットと、X軸Xに一直線に延在する第4のビームセット(104a~104l)からの4本のビーム104i~104lからなる第2のセットとを共有している。
【0042】
図5及び図6中の幾何配置に基づき、1つ又は複数の実施形態では、下部デッキ100Aで使用される様々な機器が、第1のビームセット(101a~101d)、第2のビームセット(102a~102h)、第3のビームセット(103a~103g)、及び第4のビームセット(104a~104l)に沿った任意の箇所で接続され得る。様々な機器は、石油・ガス操業を実施するための任意の機器であり得る。
【0043】
上記の利益に加えて、最適化された下部デッキ配置は、コストの削減、製品エンジニアリングの最小化、組立て時間の短縮、ハードウェアコストの削減、重量及び筐体の削減、並びにその他の多くの利点とともに、オフショア船における全体的な効率及び性能を向上させ得る。さらに、最適化された下部デッキ配置は、操業利用を維持又は向上させ、機器寿命及びメインテナンスを向上させ、現場の安全を向上させるとともに、下部デッキの構造重量を低減する等の更なる利点を提供し得る。なお、最適化された下部デッキ配置は、任意のオンショア及びオフショアの石油・ガス操業に使用され得ることに留意されたい。
【0044】
限られた数の実施形態に関して本開示を説明したが、本開示の恩恵を受ける当業者であれば、本明細書に記載されるような本開示の範囲を逸脱することなく他の実施形態を考案し得ることが分かるであろう。したがって、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3
図4
図5
【国際調査報告】