(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】脂質関連障害の処置のための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/403 20060101AFI20240205BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240205BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240205BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240205BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240205BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240205BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240205BHJP
A61K 47/18 20170101ALI20240205BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240205BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240205BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240205BHJP
A61K 31/5575 20060101ALI20240205BHJP
A61K 31/203 20060101ALI20240205BHJP
A61K 31/517 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K31/403
A61P3/00
A61P43/00 121
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/20
A61K47/12
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/14
A61K45/00
A61K31/5575
A61K31/203
A61K31/517
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517276
(86)(22)【出願日】2021-09-15
(85)【翻訳文提出日】2023-05-15
(86)【国際出願番号】 IB2021000640
(87)【国際公開番号】W WO2022058795
(87)【国際公開日】2022-03-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522087350
【氏名又は名称】ラジエル セラピューティクス エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブローグランド,エラン
(72)【発明者】
【氏名】ブルメンフェルド,アロン
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ヴェレッド,シャロン
(72)【発明者】
【氏名】ゲータ,ラケーリ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076BB16
4C076DD37
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD46
4C076DD49
4C076DD51
4C076DD52
4C076DD55
4C076DD57
4C076DD60
4C076DD69
4C076EE23
4C076FF11
4C084AA19
4C084NA05
4C084ZB112
4C084ZB212
4C084ZC211
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC12
4C086BC45
4C086DA03
4C086GA07
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA05
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZC21
4C086ZC75
4C206AA01
4C206AA02
4C206DA12
4C206KA01
4C206MA02
4C206MA04
4C206NA05
4C206ZC21
4C206ZC75
(57)【要約】
本開示は、脂質関連障害の処置のための方法を提供する。いくつかの実施形態では、本方法は、本明細書に提供される医薬組成物の複数回の注射を投与することを含む、必要とするものの脂肪組織の量を減少させる方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法であって、前記方法は、前記対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪部分内に医薬組成物の複数回の注射を投与する工程を含み、前記医薬組成物は、式(I)
【化1】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、前記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む、方法。
【請求項2】
前記複数回の注射は、前記対象の頤下部の脂肪部分に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数回の注射は、特定のグリッドパターンで提供される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象の脂肪部分への前記複数回の注射のそれぞれは、前記対象の脂肪部分の異なる位置で提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記対象の脂肪部分への前記複数回の注射のそれぞれは、前記対象の腕部、大腿部、臀部、または頤下部に提供される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記複数回の注射は、20~60回の注射を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記複数回の注射は、40~50回の注射を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
グリッドのサイズは20ポイントよりも大きい、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
グリッドのサイズは40ポイントよりも大きい、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
各注射の量は約25~約250マイクロリットルである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
各注射の量は約25~約150マイクロリットルである、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
各注射の量は約50~約100マイクロリットルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約20~約100ミリグラムである、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約40~約70ミリグラムである、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約50ミリグラムである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、500ミリグラム未満である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、400ミリグラム未満である、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、300ミリグラム未満である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約0.5ミリグラム~約480ミリグラムである、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約1ミリグラム~約360ミリグラムである、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約5ミリグラム~約240ミリグラムである、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約10ミリグラム~約180ミリグラムである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約20ミリグラム~約120ミリグラムである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約40ミリグラム~約80ミリグラムである、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
各注射は、約1ミリグラム~約25ミリグラムの式(I)の化合物を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
各注射は、約2.5ミリグラム~約15ミリグラムの式(I)の化合物を含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
各注射は、約5ミリグラム~約10ミリグラムの式(I)の化合物を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
R
9は、少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されるC
1-9アルキルである、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも1つの第四級アミノ基は、式(V)
【化2】
のものであり、
式中、R
14、R
15、およびR
16はそれぞれ独立して、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、またはC
2-9アルキニルである、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも1つの第四級アミノ基は、一般式(V’)
【化3】
を有し、
式中、Xは負電荷を帯びたイオンである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
XはClである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
R
14、R
15、およびR
16のそれぞれは独立して、C
1-9アルキルである、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
R
14、R
15、およびR
16のそれぞれは独立して、メチルである、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
R
1、R
2、R
3、およびR
4の少なくとも1つはハロゲンである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
R
5、R
6、R
7、およびR
8の少なくとも1つはハロゲンである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
R
1、R
2、R
3、およびR
4の少なくとも1つはハロゲンであり、ならびに、R
5、R
6、R
7、およびR
8の少なくとも1つはハロゲンである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記ハロゲンはブロモである、請求項34~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
R
1、R
2、R
3、およびR
4の少なくとも1つはOHである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
R
5、R
6、R
7、およびR
8の少なくとも1つはOHである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
R
1、R
2、R
3、およびR
4の少なくとも1つはニトロであり、ならびに、R
5、R
6、R
7、およびR
8の少なくとも1つはニトロである、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
式(I)の化合物は、
3-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウム、
5-(9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム、
5-(2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム、または
5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム
である、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
式(I)の少なくとも1つの化合物は、式(1)
【化4】
の構造によって表される、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
式(I)の化合物は、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドである、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む、請求項1~43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記医薬組成物は、約15重量%~約30重量%の水を含む、請求項1~44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記医薬組成物は、約15重量%~約25重量%の水を含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記医薬組成物は、約20重量%~約30重量%の水を含む、請求項1~46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記医薬組成物は、約23重量%~約27重量%の水を含む、請求項1~47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記医薬組成物は、約24重量%~約26重量%の水を含む、請求項1~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記医薬組成物は、約25重量%の水を含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記医薬組成物は、1つを超える薬学的に許容可能な賦形剤を含む、請求項1~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、アルコール類、脂肪酸、イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、エステル類、抗酸化剤、アミノ酸、およびアミノエステル類からなる群から選択される、請求項1~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、プロピレングリコール、ポリオキシル硬化ヒマシ油、エタノール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ドクセート、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタン酸塩、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホナート、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、2-[4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、ポリエトキシル化牛脂アミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸(heneisosylic acid)、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、カルボセリン酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘントリアコンチル酸、ラッセル酸、プシリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、ヘプタトリアコンチル酸、オクタトリアコンチル酸、ノナトリアコンチル酸、テトラトリアコンチル酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノレン酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサノールペンタエン酸、セルボン酸、ニシン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸からなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、プロピレングリコール、ポリオキシル硬化ヒマシ油、エタノール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、2-[4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80からなる群から選択される、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記医薬組成物は、少なくとも約0.1重量%の式(I)の化合物を含む、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記医薬組成物は、約0.1重量%~約10重量%の式(I)の化合物を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載に記載の方法。
【請求項58】
前記医薬組成物は、約1重量%~約5重量%の式(I)の化合物を含む、請求項1~57のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
付加的な活性薬剤をさらに含む、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
前記付加的な活性薬剤は、抗炎症剤、抗線維化剤、プロスタグランジンE2、レチン酸、またはハロフジノンである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記医薬組成物は、非経口注射のために製剤化される、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項62】
前記医薬組成物は、皮下注射のために製剤化される、請求項1~61のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記医薬組成物は、局所投与のために製剤化される、請求項1~60のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
脂肪組織の量を減少させることは、前記脂肪組織の体積を減少させることを含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
脂肪組織の量を減少させることは、前記脂肪組織の厚みを減少させることを含む、請求項1~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
脂肪組織の量を減少させることは、頤下の脂肪の体積を減少させることを含む、請求項1~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
脂肪組織の量を減少させることは、頤下の脂肪の厚みを減少させることを含む、請求項1~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法における使用のための医薬組成物であって、前記医薬組成物は、式(I)
【化5】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1または複数の置換基により任意選択で置換され、
R
9はC
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、前記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含み、
前記医薬組成物は、前記対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪部分への複数回の注射による投与に適した単位剤形である、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年9月16日に出願された、米国仮特許出願第63/079,195の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
多くの過体重の個体にとって、頤下の脂肪は審美的な問題を象徴するものである。局所的な脂肪沈着物は腕部、大腿部、腹部、および臀部を含む身体の多くの部分に存在するが、頤下の脂肪はその目立つ位置のせいで特に顕著である。最近まで、頤下の脂肪の処置は、脂肪吸引、脂肪切除、および完全な頚部再建術などの侵襲性の外科手術に制限されてきた。外科手術は、患者にとって不十分な結果、不快感、および回復時間が長引く可能性だけでなく麻酔、感染、出血、痣、および瘢痕化の危険性と関連している。したがって、頤下の脂肪の処置のための非外科的な代替手段のニーズが存在する。
【0003】
頤下部は、脂肪減少の注射処置の理想的な解剖学的領域を表す。最近、いくつかの処置法が開発されており、脂肪減少の「非侵襲性の」処置として承認された。Kybellaは、デオキシコール酸ナトリウム注射による認可された頤下脂肪の処置である。しかしながら、面倒な処置レジメン(4週間の間隔で分けられる4~6つの治療)と、治療後に毎回繰り返す腫れおよび痣などの有害事象のために、頤下脂肪の新たな処置の開発のニーズが残っている。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法が本明細書に提供され、方法は、対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪部分内に医薬組成物の複数回の注射を投与する工程を含み、医薬組成物は、式(I)
【0005】
【化1】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルである。
【0006】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、複数回の注射は、対象の臀部、腕部、または大腿部の脂肪部分に投与される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は対象の臀部の脂肪部分に投与される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は対象の腕部の脂肪部分に投与される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は対象の大腿部の脂肪部分に投与される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、対象の腹部の脂肪部分に投与される。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数回の注射は、対象の頤下部の脂肪部分に投与される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、特定のグリッドパターンで提供される。いくつかの実施形態では、対象の脂肪部分への複数回の注射のそれぞれは、対象の脂肪部分の異なる位置で提供される。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、20~60回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、40~50回の注射を含む。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは20ポイントよりも大きい。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは40ポイントよりも大きい。
【0009】
いくつかの実施形態では、各注射の量は約25~約250マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約25~約150マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約50~約100マイクロリットルである。
【0010】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約20~約100ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約40~約70ミリグラム間にある。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約50ミリグラムである。
【0011】
いくつかの実施形態では、座位当たり(per sitting)の患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、500ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、400ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、300ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約0.5ミリグラム~約480ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約1ミリグラム~約360ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約5ミリグラム~約240ミリグラムある。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約10ミリグラム~約180ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約20ミリグラム~約120ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約40ミリグラム~約80ミリグラムである。
【0012】
いくつかの実施形態では、各注射は、約1ミリグラム~約25ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約2.5ミリグラム~約15ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約5ミリグラム~約10ミリグラムの式(I)の化合物を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたC1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第四級アミノ基は式(V)
【0014】
【化2】
のものであり、
式中、R
14、R
15、およびR
16はそれぞれ独立して、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、およびC
2-9アルキニルから選択される。いくつかの実施形態では、R
14、R
15、およびR
16はそれぞれ独立してメチルである。
【0015】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのアンモニウム基は式(V’)
【0016】
【化3】
の基であり、
式中、Xは負電荷を帯びたイオンである。いくつかの実施形態では、Xは、ハロゲン、例えばClである。いくつかの実施形態では、R
14、R
15、およびR
16はそれぞれ独立してC
1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
14、R
15、およびR
16はそれぞれ独立してメチルである。
【0017】
R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはハロゲンであり、ならびに、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはブロモである。
【0018】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはOHである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはOHである。
【0019】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはニトロであり、ならびに、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはニトロである。
【0020】
いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、
【0021】
【0022】
【化4-2】
からなる群から選択された少なくとも1つの活性薬剤またはその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドである。
【0024】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15重量%~約30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15重量%~約25重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約20重量%~約30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約23重量%~約27重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約24重量%~約26重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25重量%の水を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つを超える薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、アルコール類、脂肪酸、イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、エステル類、抗酸化剤、アミノ酸、およびアミノエステル類からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、プロピレングリコール、ポリオキシル硬化ヒマシ油、エタノール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ドクセート、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタン酸、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン 、コカミドプロピルベタイン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、2-[4―(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、ポリエトキシル化牛脂アミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸(heneisosylic acid)、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、カルボセリン酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘントリアコンチル酸、ラッセル酸、プシリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、ヘプタトリアコンチル酸、オクタトリアコンチル酸、ノナトリアコンチル酸、テトラトリアコンチル酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサノールペンタエン酸、セルボン酸、ニシン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、プロピレングリコール、ポリオキシル硬化ヒマシ油、エタノール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、2-[4―(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、およびポリソルベート80からなる群から選択される。
【0026】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約0.1重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1重量%~約10重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1重量%~約5重量%の式(I)の化合物を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、付加的な活性薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、付加的な活性薬剤は、抗炎症剤、抗線維化剤、プロスタグランジンE2、レチン酸、またはハロフジノンである。
【0028】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口注射のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮下注射のために製剤化されるいくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与のために製剤化される。
【0029】
いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法における使用のための医薬組成物であって、医薬組成物は、式(I)
【0030】
【化5】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、上記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含み、
上記医薬組成物は、対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪部分への複数回の注射による投与に適した単位剤形である、医薬組成物を提供する。
【0031】
参照による援用
本明細書で言及されるすべての刊行物、特許、および特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に援用されるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に援用される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の特許請求の範囲で説明される。本発明の特徴と利点は、本発明の原理が用いられる例示的な実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(“Figure”および“FIG.”)」とも称される)とを参照することにより、より良く理解されるであろう。
【0033】
【
図1】5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの様々な製剤に関する分布研究において使用される注射部位および分析部位の図解の描写を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本開示は、対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪の部分内に医薬組成物の複数回の注射を投与することによって、必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法を提供し、医薬組成物は、式(I)の治療有効量の化合物または1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、対象の頤下部の脂肪部分に注射される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、注射部位対注射部位または血漿に隣接した領域で式(I)の化合物の高度な曝露を維持し、したがって、注射に隣接した非脂肪組織での望ましくない副作用および/または全身性副作用の可能性を最小限に抑える。
【0035】
定義
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が属する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0036】
本明細書で使用するとき、「a」、「an」、および「the」という単数形は、文脈が明確に指定していない限り、複数の参照を含む。
【0037】
本明細書で使用するとき、「約」という用語は、明示された量を含む、明示された量の10%以内の量を意味する。
【0038】
「Cx-y」という用語は、アルキル、アルキニル、またはアルケニルなどの化学部分と併用するとき、鎖の中にx~y個の炭素を含む基を含むことを意味する。例えば、「C1-6アルキル」という用語は、1~6個の炭素を含む直鎖アルキル基および分岐鎖アルキル基を含む、置換または非置換の飽和炭化水素基を指す。-Cx-yアルキレン-という用語は、アルキレン鎖中のx~y個の炭素を有する置換または非置換のアルキレン鎖を指す。例えば、-C1-6アルキレン-は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、およびヘキシレンから選択されてもよく、これらのうちのいずれか1つは任意選択で置換される。
【0039】
「アルキル」は、直鎖アルキルおよび分岐鎖アルキル基を含む、置換または非置換の飽和炭化水素基を指す。アルキル基は、1~8個の炭素原子(C1-8アルキル)または1~6個の炭素原子(C1-6アルキル)などの、1~12個の炭素原子(例えばC1-12アルキル)を含んでもよい。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、およびデシルなどが挙げられる。アルキル基は単結合によって分子の残りに結合する。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、アルキル基は、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0040】
「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンによって置換されるアルキル基を指す。例示的なハロアルキル基としては、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,2-ジフルオロエチル、3-ブロモ-2-フルオロプロピル、および、1,2-ジブロモエチルが挙げられる。
【0041】
「アルケニル」は、少なくとも1つの二重結合を含有している直鎖または分岐鎖のアルケニル基を含む、置換または非置換の炭化水素基を指す。アルケニル基は、2~12個の炭素原子(例えばC2-12アルケニル)を含有してもよい。例示的なアルケニル基としては、エテニル(すなわちビニル)、プロプ-1-エニル、ブト-1-エニル、ペンタ-1-エニル、ペンタ-1,4-ジエニルなどが挙げられる。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、アルケニル基は、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0042】
「アルキニル」は、少なくとも1つの三重結合を含有している直鎖または分岐鎖のアルキニル基を含む、置換または非置換の炭化水素基を指す。アルキニル基は2~12個の炭素原子(例えばC2-12アルキニル)を含有してもよい。例示的なアルキニル基としては、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニルなどが挙げられる。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、アルキニル基は、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0043】
「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、および「ヘテロアルキニル」は、それぞれが炭素以外の原子から選択された1つ以上の骨格鎖原子を有する、置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、およびアルキニル基を指す。炭素以外の原子から選択された例示的な骨格鎖原子は、例えば、O、N、P、Si、S、またはその組合せを含み、窒素、リン、および硫黄の原子は、任意選択で酸化されてもよく、窒素ヘテロ原子は任意選択で四級化されてもよい。もし与えられる場合、数の範囲は合計の鎖の長さを指す。例えば、3員~8員のヘテロアルキルは3~8個の原子の鎖長を有する。分子の残りに対する接続は、ヘテロアルキル鎖、ヘテロアルケニル鎖、またはヘテロアルキニル鎖中のヘテロ原子または炭素のいずれかを介するものであってもよい。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、ヘテロアルキル基、ヘテロアルケニル基、またはヘテロアルキニル基は、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0044】
「アリール」は、環を形成する原子の各々が炭素原子である芳香族環を指す。アリール基は任意選択で置換可能である。アリール基の例としては、フェニルおよびナフチルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アリールはフェニルである。構造によっては、アリール基はモノラジカルまたはジラジカル(すなわちアリーレン基)であり得る。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、「アリール」という用語または(「アラルキル」中などの)「ar-」という接頭語は、任意選択で置換されるアリールラジカルを含むことを意味する。
【0045】
「ヘテロアリール」は、ヘテロ原子がそれぞれ独立して、N、O、およびSから選択され得る、少なくとも1つのヘテロ原子を含む3員~12員の芳香族環を指す。本明細書で使用するとき、ヘテロアリール環は、単環式または二環式、および融合または架橋された環系から選択されてもよく、環系における環の少なくとも1つは芳香族であり、すなわち、ヒュッケル理論に従った環状の非局在化(4n+2)π-電子系を含有する。ヘテロアリール中のヘテロ原子は任意選択で酸化されてもよい。1つ以上の窒素原子は、存在する場合、任意選択で四級化される。ヘテロアリールは、ヘテロアリールの炭素原子または窒素原子などの、原子価が許容する、ヘテロアリールのいずれかの原子を介して分子の残りに結合される場合もある。ヘテロアリールの例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンズインドリル、1,3-ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、1,4-ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6、7-ジヒドロ5Hシクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル、およびチオフェニル(すなわちチエニル)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、ヘテロアリールは、本明細書に記載される置換基などの1つ以上の置換基によって任意選択で置換される。
【0046】
「シクロアルキル」という用語は、単環式または多環式の非芳香族ラジカルを指し、環を形成する原子(すなわち骨格原子)の各々は炭素原子である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、飽和されているか、または部分的に不飽和である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは、スピロ環状化合物または架橋化合物である。いくつかの実施形態では、シクロアルキルは芳香族環で縮合され得る(その場合、シクロアルキルは非芳香族環炭素原子を介して結合する)。シクロアルキル基は、3~10個の環原子を有する基を含む。代表的なシクロアルキルとしては、限定されないが、3~10個の炭素原子、3~8個の炭素原子、3~6個の炭素原子、または3~5個の炭素原子を有するシクロアルキルが挙げられる。単環式のシクロアルキルラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、および、シクロオクチルが挙げられる。多環式のラジカルとしては、例えば、アダマンチル、1,2-ジヒドロナフタレニル、1,4-ジヒドロナフタレニル、テトライニル(tetrainyl)、デカリニル、3,4-ジヒドロナフタレニル-1(2H)-オン、スピロ[2.2]ペンチル、ノルボルニル、および二環式[1.1.1]ペンチルが挙げられる。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、シクロアルキル基は任意選択で置換されてもよい。
【0047】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、窒素、酸素、および硫黄から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含むシクロアルキル基を指す。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、ヘテロシクロアルキルラジカルは、単環式、または二環式の環系であってもよく、これは、縮合した(アリール環またはヘテロアリール環と縮合したときに、ヘテロシクロアルキルは、非芳香族環原子を介して結合される)または架橋された環系を含んでもよい。ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素、または硫黄の原子は、任意選択で酸化されてもよい。窒素原子は、任意選択で四級化されてもよい。ヘテロシクロアルキルは、部分的または完全に飽和されてもよい。ヘテロシクロアルキルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、デカヒドロキノリル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルという用語はさらに、単糖類、二糖類、およびオリゴ糖類を含むがこれらに限定されない炭水化物のすべての環形を含む。別段の定めのない限り、ヘテロシクロアルキルは環に2~12個の炭素を有する。ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数を参照する際、ヘテロシクロアルキル中の炭素原子の数は、ヘテロシクロアルキルを構成する(ヘテロ原子を含む)原子(すなわち、ヘテロシクロアルキル環の骨格原子)の総数と同じではないことが理解される。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、ヘテロシクロアルキル基は任意選択で置換されてもよい。
【0048】
「置換された」という用語は、構造の1つ以上の炭素またはヘテロ原子上で水素を置き換える置換基を持つ部分を指す。「置換」または「~で置換される」は、そのような置換が置換された原子および置換基の許容された原子価に従うものであり、かつ、置換の結果、例えば、再構成、環化、除去などによる変形を自発的に受けない、安定した化合物がもたらされるという、暗黙の条件を含んでいる。本明細書で使用するとき、「置換される」という用語は、有機化合物の許容可能な置換基をすべて含むものと企図される。広範囲の態様では、許容可能な置換基は、有機化合物の非環式および環式の、分岐および未分岐の、炭環式および複素環式の、芳香族および非芳香族の置換基を含む。許容可能な置換基は、適切な有機化合物に対して1つ以上であり、かつ、同じものまたは異なるものであり得る。本開示の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/または、ヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載される有機化合物の任意の許容可能な置換基を有し得る。置換基は、本明細書に記載されるあらゆる置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボニル(カルボキシル、アルコキシカルボニル、ホルミル、またはアシルなど)、チオカルボニル(チオエステル、チオアセテート、またはチオホルメートなど)、アルコキシル、ホスホリル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、アミノ、アミド、アミジン、イミン、シアノ、ニトロ、アジド、スルフヒドリル、アルキルチオ、サルフェート、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、スルホニル、ヘテロシクリル、アラルキル、炭素環、複素環、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族部分、およびヘテロ芳香族部分を含み得る。
【0049】
置換基は、適切な場合、それ自体で置換され得ることが当業者によって理解される。「非置換の」と具体的に明記されていない限り、本明細書中の化学部分への言及は、置換された変異体を含むものと理解される。例えば、「ヘテロアリール」基または部分に対する言及は、置換および非置換の変異体の両方を暗黙に含んでいる。
【0050】
置換基がそれらの従来の式によって特定され、左から右に書かれる場合に、これらは、右から左に構造を書くことに起因する化学的に同一の置換基を等しく包含し、例えば、-CH2O-は-OCH2-に等しい。
【0051】
「任意選択の」または「任意選択で」とは、後に記載される事象または状況が生じるまたは生じない場合があることを意味するとともに、この記載が、事象または状況が生じる場合の例、および生じない場合の例を含むことを意味する。例えば、「任意選択で置換したアリール」は、アリール基が置換されるまたは置換されない場合があることを意味するとともに、この記載は、置換されたアリール基および置換を有さないアリール基の両方を含むことを意味する。
【0052】
本開示の化合物は、これらの化合物、同じタイプの活性を有する上記化合物の薬学的に許容可能な塩、および活性代謝物の結晶形態ならびに非晶質形態を含んでおり、例えば、上記化合物の多形、擬似多形、溶媒和物、水和物、非溶媒和多形(無水物を含む)、配座多形、および非晶質形態の他に、これらの混合物を含む。
【0053】
本明細書に記載された化合物がその天然の同位体存在度を示すこともあれば、1つ以上の原子が、同じ原子番号であるが自然界で主に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する特定の同位体において人為的に富化されることもある。本開示の化合物の同位体の変形はすべて、放射性であるか否かにかかわらず、本開示の範囲内に包含される。例えば、水素は、1H(プロチウム)、2H(重水素)、および3H(トリチウム)と示される、3つの自然発生同位体を有している。プロチウムは、自然界において最も豊富な水素の同位体である。重水素の富化は、増加したインビボ半減期および/または暴露などの、特定の治療上の利点をもたらし得るか、または、薬物排泄および代謝のインビボでの経路を調査するのに有用な化合物を提供し得る。同位体的に富化された化合物は、当業者に周知の従来技術によって調製され得る。
【0054】
「異性体」は、同じ分子式を有する異なる化合物である。「立体異性体」は、原子が空間配置される方法においてのみ異なる、異性体である。「エナンチオマー」は、互いの重ね合わせることができない鏡像である一対の立体異性体である。一対のエナンチオマーの1:1の混合物は、「ラセミ」混合物である。「(±)」という用語は、適切な場合にラセミ混合物を表すために使用される。「ジアステレオ異性体」または「ジアステレオマー」は、少なくとも2つの不斉原子を持つが、互いの鏡像ではない、立体異性体である。絶対立体化学は、Cahn-Ingold-PrelogのR-Sシステムに従って指定される。化合物が純粋なエナンチオマーである場合、各不斉炭素の立体化学は一方のRまたはSによって指定され得る。絶対配置が分かっていない分解された化合物は、ナトリウムD線の波長で面偏光を回転させる方向(右旋性または左旋性)によって、(+)または(-)と指定され得る。本明細書に記載される特定の化合物は、1つ以上の不斉中心を含んでおり、ゆえに、エナンチオマー、ジアステレオマー、および他の立体異性型を生じさせることができ、その不斉中心は、絶対立体化学に関して、(R)-または(S)-として定義され得る。本願の化学的実体、医薬組成物、および方法は、ラセミ混合物、光学上純粋な形態、ジアステレオマーの混合物、および中間の混合物を含む、そのようなすべての起こり得る立体異性体を含むことを意味する。光学的に活性な(R)-および(S)-異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使用して調製可能であるか、あるいは従来の技術を使用して分割可能である。化合物の光学活性は、限定されないが、キラルクロマトグラフィーおよび偏光分析を含むあらゆる適切な方法を介して分析することができ、他の異性体を上回る1つの立体異性体の優位の程度が判定され得る。
【0055】
炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有する化学的実体は、Z-形態またはE-形態(あるいは、シス-形態またはトランス-形態)で存在し得る。さらに、いくつかの化学的実体は様々な互変異性型で存在し得る。別段の定めがない限り、本明細書に記載される化学的実体は、同様にZ-、E-、および互変異性の形態をすべて含むように意図される。
【0056】
本明細書に記載される化学的実体および中間体の単離および精製は、必要に応じて、例えば、濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、または厚層クロマトグラフィー、あるいはこれらの手順の組合せなどのあらゆる適切な分離または精製の手順によって実施することが可能である。適切な分離および単離の手順の具体的な例示は、以下の本明細書の実施例を参照することによって有することができる。しかしながら、他の同等の分離または単離の手順も使用することができる。
【0057】
立体化学が特定されない場合、本明細書に記載される特定の小分子は、可能な場合に、異性体、例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマー、ラセミ体を含むエナンチオマーの混合物、ジアステレオマーの混合物、およびそれらの他の混合物を、それらが日常的な実験により当業者が製造できる程度、含んでいるが、これらに限定されない。これらの状況では、単一エナンチオマーまたはジアステレオマー、すなわち、光学活性形態は、不斉合成によって、またはラセミ体あるいはジアステレオマーの混合物の分割によって得ることができる。ラセミ体またはジアステレオマーの混合物の分割は、可能であれば、従来の方法、例えば、分割剤の存在下での結晶化、あるいは、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)カラムを用いたクロマトグラフィーによって、達成することができる。さらに、2つのエナンチオマーのうちの一方に富む2つのエナンチオマーの混合物を精製して、再結晶化および/またはトリチュレーションにより主要なエナンチオマーのさらに光学的に富化された形態を提供することができる。さらに、そのような特定の小分子は、炭素-炭素二重結合または炭素-窒素二重結合を有するある小分子のZ形態およびE形態(またはシス形態およびトランス形態)を含む。本明細書に記載されるある小分子が様々な互変異性体で存在する場合、「ある小分子」という用語は、ある小分子のすべての互変異性体を含むように意図されている。
【0058】
本明細書で使用するとき、「薬学的に許容可能な賦形剤」または「薬学的に許容可能な担体」という語句は、液体または固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、またはカプセル化材料などの、薬学的に許容可能な材料、組成物、またはビヒクルを意味する。各担体は、製剤の他の成分に適合可能であり、かつ患者に有害ではないという意味で、「許容可能」でなければならない。薬学的に許容可能な担体として機能することができる材料のいくつかの例は、(1)ラクトース、グルコース、およびスクロースなどの糖類、(2)トウモロコシデンプンやジャガイモデンプンなどのデンプン、(3)カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロースなどのセルロースとその誘導体、(4)粉末状トラガント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)カカオ脂および坐剤用ワックスなどの賦形剤、(9)ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびダイズ油などの油、(10)プロピレングリコールなどのグリコール、(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール、(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル、(13)寒天、(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、(15)アルギン酸、(16)パイロジェンフリー水、(17)等張の生理食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)リン酸緩衝液、および(21)医薬製剤において使用される他の非毒性適合物質、を含む。
【0059】
「有効量」または「治療有効量」という用語は、限定されないが、以下に定義されるような疾患の処置を含む、意図される用途に影響を及ぼすのに十分な、本明細書に記載される化合物の量を指す。治療有効量は、意図される処置用途(インビボ)、または処置される対象および疾患の状態、例えば、対象の体重と年齢、疾患の状態の重症度、投与方法などに依存して変動してもよく、これらは当業者により容易に決定され得る。この用語は、標的細胞における特定の反応、例えば、血小板粘着および/または細胞移動の減少を誘発する用量にも適用される。特定の用量は、選択される特別な化合物、その後に続く投薬レジメン、それが他の化合物と組み合わせて投与されるか否か、投与のタイミング、それが投与される組織、およびそれが運ばれる物理的な送達系に依存して変動する。
【0060】
本明細書で使用するとき、「処置(treatment)」または「処置すること(treating)」は、治療的な利点および/または予防的な利点を含むがこれらに限定されない疾患、障害、または医学的状態に関する有益なまたは所望の結果を得るための方法を指す。治療的な利点は、例えば、処置されている基礎障害の根絶または寛解を含み得る。同様に、治療的な利点は、例えば、対象が依然として基礎障害による影響を受ける可能性があるにもかかわらず、対象の改善が観察されるように、基礎障害に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶または寛解を含み得る。特定の実施形態では、予防的な利点に関して、組成物は、疾患の診断が行われていなくても、特定の疾患を進行させるリスクのある対象に、または、疾患の1つ以上の生理学的症状を報告する対象に、投与される。
【0061】
「治療効果」は、その用語を本明細書で使用するとき、上記のような治療的な利点および/または予防的な利点を包含する。予防効果は、疾患または疾病の出現を遅らせるか排除すること、疾患または疾病の症状の発症を遅らせるか排除すること、疾患または疾病の進行を遅らせるか、停止させるか、あるいは撤回させること、もしくはこれらのいずれかの組合せを含んでいる。
【0062】
「共投与」、「~と組み合わせて投与される」という用語、およびそれらの文法上の同等物は、ヒトを含む動物への2つ以上の薬剤の投与を包含しており、それにより、薬剤および/またはその代謝物の両方が同時に対象に存在する。共投与は、別々の組成物における同時投与、別々の組成物における異なる時間での投与、または両方の薬剤が中に存在する組成物における投与を含む。
【0063】
化合物
一態様では、式(I)
【0064】
【化6】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と、
が本明細書に提供され、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9はC
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルから選択され、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、上記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-SR10、-S(=O)R10、-S(=O)2R10、-NR11R12、-C(=O)NR11R12、-S(=O)NR11R12、-S(=O)2NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-NR13C(=O)R10、-NR13C(=O)NR11R12、-NR13S(=O)2R10、-NR13S(=O)2NR11R12、-C(=S)R10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR13N(=O)、-ON(=O)、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、およびC2-5アルキニルから選択され、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-SR10、-S(=O)R10、-S(=O)2R10、-NR11R12、-C(=O)NR11R12、-S(=O)NR11R12、-S(=O)2NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-NR13C(=O)R10、-NR13C(=O)NR11R12、-NR13S(=O)2R10、-NR13S(=O)2NR11R12、-C(=S)R10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR13N(=O)、および-ON(=O)から選択された1つ以上の置換基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-S(=O)2R10、-NR11R12、-C(=O)NR11R12、-S(=O)2NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-NR13C(=O)R10、-NR13C(=O)NR11R12、-NR13S(=O)2R10、-NR13S(=O)2NR11R12、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、およびC2-5アルキニルから選択され、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-S(=O)2R10、-NR11R12、-C(=O)NR11R12、-S(=O)2NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-NR13C(=O)R10、-NR13C(=O)NR11R12、-NR13S(=O)2R10、および-NR13S(=O)2NR11R12から選択された1つ以上の置換基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、およびC1-5アルキルから選択され、アルキルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、-S(=O)2R10、-NR11R12、-C(=O)NR11R12、-S(=O)2NR11R12、-C(=O)R10、-C(=O)OR10、-NR13C(=O)R10、-NR13C(=O)NR11R12、-NR13S(=O)2R10、および-NR13S(=O)2NR11R12から選択された1つ以上の置換基で任意選択で置換される。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、およびR8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO2、-OR10、および-NR11R12から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R7はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R8はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはハロゲンであり、ならびに、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1はハロゲンであり、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1はハロゲンであり、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1はハロゲンであり、R7はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R1はハロゲンであり、R8はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R7はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R8はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R7はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R8はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R5はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R6はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R7はハロゲンである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R8はハロゲンである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはブロモである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはクロロである。いくつかの実施形態では、ハロゲンはフルオロである。
【0067】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはOHである。いくつかの実施形態では、R1はOHである。いくつかの実施形態では、R2はOHである。いくつかの実施形態では、R3はOHである。いくつかの実施形態では、R4はOHである。いくつかの実施形態では、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはOHである。いくつかの実施形態では、R5はOHである。いくつかの実施形態では、R6はOHである。いくつかの実施形態では、R7はOHである。いくつかの実施形態では、R8はOHである。
【0068】
いくつかの実施形態では、R1、R2、R3、およびR4の少なくとも1つはニトロであり、ならびに、R5、R6、R7、およびR8の少なくとも1つはニトロである。いくつかの実施形態では、R1はニトロであり、R5はニトロである。いくつかの実施形態では、R1はニトロであり、R6はニトロである。いくつかの実施形態では、R1はニトロであり、R7はニトロである。いくつかの実施形態では、R1はニトロであり、R8はニトロである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R5はニトロである。いくつかの実施形態では、R2はニトロであり、R6はニトロである。いくつかの実施形態では、R2はハロゲンであり、R7はニトロである。いくつかの実施形態では、R2はニトロであり、R8はニトロである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R5はニトロである。いくつかの実施形態では、R3はニトロであり、R6はニトロである。いくつかの実施形態では、R3はハロゲンであり、R7はニトロである。いくつかの実施形態では、R3はニトロであり、R8はニトロである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R5はニトロである。いくつかの実施形態では、R4はニトロであり、R6はニトロである。いくつかの実施形態では、R4はハロゲンであり、R7はニトロである。いくつかの実施形態では、R4はニトロであり、R8はニトロである。
【0069】
いくつかの実施形態では、R9は、C1-9アルキル、C2-9アルケニル、C2-9アルキニル、および3員~10員のヘテロシクロアルキルから選択され、R9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つのホスホニウム基で置換されたC2-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R9は、少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたC2-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つのホスホニウム基で置換されたC2-9アルキニルである。いくつかの実施形態では、R9は、少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたC2-9アルキニルである。いくつかの実施形態では、R9は3員~10員のヘテロシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R9はピペラジニルである。いくつかの実施形態では、R9はピリジニルである。いくつかの実施形態では、R9はピペリジニルである。いくつかの実施形態では、R9はモルホリニルである。いくつかの実施形態では、R9はチオモルホリニルである。いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つのホスホニウム基で置換されたC1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたC1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたプロピルである。いくつかの実施形態では、R9は少なくとも1つの第四級アミノ基で置換されたペンチルである。
【0070】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第四級アミノ基は式(V)
【0071】
【0072】
式中、R14、R15、およびR16はそれぞれ独立して、C1-9アルキル、C2-9アルケニル、およびC2-9アルキニルから選択される。いくつかの実施形態では、R14、R15、およびR16はそれぞれ独立して、C2-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R14、R15、およびR16はそれぞれ独立して、C2-9アルキニルである。いくつかの実施形態では、R14、R15、およびR16はそれぞれ独立して、C1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R14、R15、およびR16はそれぞれメチルである。
【0073】
いくつかの実施形態では、式(V)は、式(V’)
【0074】
【化8】
の構造によって表されるように、対イオンをさらに含み、
式中、
【0075】
【化9】
は本明細書に定義されるような負電荷を帯びた対イオンである。いくつかの実施形態では、Xはハロゲン、例えば、Cl、Br、F、Iである。一実施形態では、Xはハロゲン化物、例えばClである。
【0076】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのホスホニウム基は式(VI)
【0077】
【化10】
のものであり、
式中、R
17、R
18、およびR
19はそれぞれ独立して、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、およびC
2-9アルキニルから選択される。いくつかの実施形態では、R
17、R
18、およびR
19はそれぞれ独立して、C
2-9アルケニルである。いくつかの実施形態では、R
17、R
18、およびR
19はそれぞれ独立して、C
2-9アルキニルである。いくつかの実施形態では、R
17、R
18、およびR
19はそれぞれ独立して、C
1-9アルキルである。いくつかの実施形態では、R
17、R
18、およびR
19はそれぞれメチルである。
【0078】
いくつかの実施形態では、式(VI)は、式(VI’)
【0079】
【化11】
の構造によって表されるように、対イオンをさらに含み、
式中、
【0080】
【化12】
は本明細書に定義されるような負電荷を帯びた対イオンである。いくつかの実施形態では、Xはハロゲン、例えば、Cl、Br、F、Iである。一実施形態では、Xはハロゲン化物、例えばClである。
【0081】
いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC2-5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC2-5アルキニルである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC1-5ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC1-5ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R10はそれぞれ独立してC3-6シクロアルキルである。
【0082】
いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択され、または、R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよい。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC2-5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC2-5アルキニルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC1-5ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC1-5ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12はそれぞれ独立してC3-6シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、R11およびR12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成する。
【0083】
いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C2-5アルケニル、C2-5アルキニル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、C1-5ヘテロアルキル、C1-5ハロアルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立して、H、C1-5アルキル、およびC3-6シクロアルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれHである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC1-5アルキルである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC2-5アルケニルである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC2-5アルキニルである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC1-5ヘテロアルキルである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC1-5ハロアルキルである。いくつかの実施形態では、R13はそれぞれ独立してC3-6シクロアルキルである。
【0084】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、
3-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウム、
5-(9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム、
5-(2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム、および
5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウム
から選択される。
【0085】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、3-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、3-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルプロパン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(2-ヒドロキシ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。
【0087】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は薬学的に許容可能な塩形態である。「塩」または「薬学的に許容可能な塩」という用語は、様々な有機および無機の対イオンから誘導した塩類を指す。式(I)の化合物が正電荷を1つ以上含んでいる場合、対イオンは、中性分子を生成して、対応する負電荷を1つ以上有する。式(I)の化合物が正電荷を1つ以上含んでいる場合、対イオンは、中性分子を生成して、対応する正電荷を1つ以上有する。
【0088】
薬学的に許容可能な酸付加塩は、無機酸および有機酸、ならびにそれらの対応する対イオンを用いて形成され得る。塩が由来し得る無機酸は、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などを含んでいる。例えば、塩は、塩化物アニオンおよび臭化物アニオンなどのハロゲン対アニオンである対アニオンを含み得る。塩が由来し得る有機酸は、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などを含む。薬学的に許容可能な塩基付加塩は、無機塩基および有機塩基、ならびにそれらの対応する対イオンを用いて形成され得る。塩が由来し得る無機塩基は、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどを含んでいる。塩が由来し得る有機塩基は、例えば、一級アミン、二級アミン、および三級アミン、自然発生の置換されたアミンを含む置換されたアミン、環状アミン、塩基性イオン交換樹脂など、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを含んでいる。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な塩基付加塩は、アンモニウム、ホスホニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム、およびマグネシウムの塩から選択される。
【0089】
いくつかの実施形態では、化合物(I)は無機酸との塩の形態である。いくつかの実施形態では、化合物(I)は塩酸(すなわち、対イオンは塩化物(Cl-)である)との塩の形態である。
【0090】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(1)
【0091】
【化13】
の構造によって表される、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムである。
【0092】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(1A)
【0093】
【化14】
の構造によって表される、5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドである。
【0094】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(2)
【0095】
【0096】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(3)
【0097】
【0098】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物は、式(4)
【0099】
【0100】
本明細書中のあらゆる化合物が精製され得る。本明細書中の化合物は、少なくとも1%純粋、少なくとも2%純粋、少なくとも3%純粋、少なくとも4%純粋、少なくとも5%純粋、少なくとも6%純粋、少なくとも7%純粋、少なくとも8%純粋、少なくとも9%純粋、少なくとも10%純粋、少なくとも11%純粋、少なくとも12%純粋、少なくとも13%純粋、少なくとも14%純粋、少なくとも15%純粋、少なくとも16%純粋、少なくとも17%純粋、少なくとも18%純粋、少なくとも19%純粋、少なくとも20%純粋、少なくとも21%純粋、少なくとも22%純粋、少なくとも23%純粋、少なくとも24%純粋、少なくとも25%純粋、少なくとも26%純粋、少なくとも27%純粋、少なくとも28%純粋、少なくとも29%純粋、少なくとも30%純粋、少なくとも31%純粋、少なくとも32%純粋、少なくとも33%純粋、少なくとも34%純粋、少なくとも35%純粋、少なくとも36%純粋、少なくとも37%純粋、少なくとも38%純粋、少なくとも39%純粋、少なくとも40%純粋、少なくとも41%純粋、少なくとも42%純粋、少なくとも43%純粋、少なくとも44%純粋、少なくとも45%純粋、少なくとも46%純粋、少なくとも47%純粋、少なくとも48%純粋、少なくとも49%純粋、少なくとも50%純粋、少なくとも51%純粋、少なくとも52%純粋、少なくとも53%純粋、少なくとも54%純粋、少なくとも55%純粋、少なくとも56%純粋、少なくとも57%純粋、少なくとも58%純粋、少なくとも59%純粋、少なくとも60%純粋、少なくとも61%純粋、少なくとも62%純粋、少なくとも63%純粋、少なくとも64%純粋、少なくとも65%純粋、少なくとも66%純粋、少なくとも67%純粋、少なくとも68%純粋、少なくとも69%純粋、少なくとも70%純粋、少なくとも71%純粋、少なくとも72%純粋、少なくとも73%純粋、少なくとも74%純粋、少なくとも75%純粋、少なくとも76%純粋、少なくとも77%純粋、少なくとも78%純粋、少なくとも79%純粋、少なくとも80%純粋、少なくとも81%純粋、少なくとも82%純粋、少なくとも83%純粋、少なくとも84%純粋、少なくとも85%純粋、少なくとも86%純粋、少なくとも87%純粋、少なくとも88%純粋、少なくとも89%純粋、少なくとも90%純粋、少なくとも91%純粋、少なくとも92%純粋、少なくとも93%純粋、少なくとも94%純粋、少なくとも95%純粋、少なくとも96%純粋、少なくとも97%純粋、少なくとも98%純粋、少なくとも99%純粋、少なくとも99.1%純粋、少なくとも99.2%純粋、少なくとも99.3%純粋、少なくとも99.4%純粋、少なくとも99.5%純粋、少なくとも99.6%純粋、少なくとも99.7%純粋、少なくとも99.8%純粋、または少なくとも99.9%純粋であり得る。
【0101】
医薬組成物
本開示の組成物は、あらゆる適切な医薬製剤で製剤化され得る。本開示の医薬組成物は、典型的には、有効成分(例えば、式(I)の化合物、あるいはその薬学的に許容可能な塩および/または配位化合物)、および不活性の固体希釈剤および充填剤、希釈剤、無菌液剤、ならびに様々な有機溶剤、浸透促進剤、可溶化剤、およびアジュバントを含むが、これらに限定されない1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤または担体を含有している。本開示の組成物は、あらゆる適切な医薬製剤で製剤化され得る。
【0102】
医薬組成物は、投与経路に依存し得るあらゆる適切な形態で提供されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に開示される医薬組成物は、対象への投与のための剤形で製剤化され得る。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口投与、局所投与、経皮投与、皮下投与、および/または腹腔内投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は単位投与量として製剤化される。
【0103】
投与される各化合物の量は、処置される哺乳動物、障害または疾病の重症度、投与速度、化合物の体内動態、および処方医師の裁量に依存することになる。しかし、有効投与量は、単回投与または分割投与で、1日当たり体重1kg当たり約0.001~約100mgの範囲であってもよい。いくつかの例では、前述の範囲の下限を下回る投与量レベルは十分以上であり得るが、他の場合では、多量の投与量を、例えば一日分の複数の少量の投与量に分割することによって、このような多量の投与量が、いかなる有害な副作用も引き起こすことなく採用され得る。いくつかの実施形態では、有効投与量は、パルス投与(すなわち、数日連続して化合物を投与し、その後、数日連続して投与を休ませる)で提供されてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、組成物は1つ以上の単位用量で提供される。例えば、組成物は、1、2、3、4、5、6、7、14、30、60、またはそれ以上の用量で投与することができる。そのような量は、例えば、1日に1回、2回、または3回以上投与される個々の用量で、毎日投与することができる。しかし、本明細書に記載される1日当たりの投与量は、1日分の投与量を毎日欠かさず投与することを要求するものと解釈されてはならない。例えば、投与量はより低い頻度で投与される可能性があり、例えば、一日置きから月に一度、またはそれ以上で投与される注射などである。
【0105】
単位用量は、同時にまたは連続的に投与することができる。本組成物は、長期の処置期間にわたって投与することができる。例示的に、処置期間は、少なくとも約1か月、例えば、少なくとも約3か月、少なくとも約6か月、または少なくとも約1年であり得る。場合によっては、投与は、対象の生涯の実質的に残りの期間、継続することがあり得る。
【0106】
いくつかの実施形態では、式(I)の化合物を含む医薬組成物は、式(I)の化合物を含む医薬組成物と同時にまたは連続的に、1つ以上の第2の薬剤(例えば、1、2、3、4、5、またはそれ以上の第2の薬剤)を投与することを含む治療レジメンの一部として、投与され得る。連続投与される場合、式(I)の化合物を含む医薬組成物は、1つ以上の第2の薬剤の前または後に投与され得る。同時に投与される場合、式(I)の化合物を含む医薬組成物および1つ以上の第2の薬剤は、同じ経路(例えば、同じ場所への注射)、異なる経路(例えば、静脈内注入を受けながら錠剤を服用)、または同じ組合せの一部として(例えば、式(I)の化合物を含む医薬組成物と1つ以上の第2の薬剤とを含む溶液)、投与され得る。
【0107】
本発明にかかる併用処置は、広範な投与量範囲にわたって有効であり得る。例えば、成人のヒトの処置において、1日当たり0.01~1000mg、0.5~100mg、1~50mg、および1日当たり5~40mgの投与量が、使用され得る投与量の例である。正確な投与量は、選択される薬剤、投与経路、化合物が投与される形態、処置される対象、処置される対象の体重、ならびに主治医の優先度および経験に左右される。
【0108】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は1つ以上の界面活性剤を含む。本開示の医薬組成物と剤形を形成するために使用され得る界面活性剤には、親水性界面活性剤、親油性界面活性剤、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、親水性界面活性剤の混合物が採用されてもよく、親油性界面活性剤の混合物が採用されてもよく、または少なくとも1つの親水性界面活性剤と少なくとも1つの親油性界面活性剤との混合物が採用されてもよい。
【0109】
適切な親水性界面活性剤は一般的に少なくとも10のHLB値を有し、一方、適切な親油性界面活性剤は一般的に約10未満のHLB値を有し得る。非イオン性の両親媒性化合物の相対的な親水性および疎水性を特徴解析するために使用される経験的なパラメータは、親水性-親油性バランス(「HLB」値)である。低いHLB値を有する界面活性剤は、親油性または疎水性が高く、油の中でより大きな可溶性を有する一方で、高いHLB値を有する界面活性剤は親水性が高く、水溶液中でより大きな可溶性を有する。親水性界面活性剤は一般的に、HLBスケールが一般的に適用可能でない陰イオン、陽イオン、または両性イオンの化合物と同様に、約10よりも大きなHLB値を有する化合物であると考えられる。同様に、親油性(すなわち、疎水性)の界面活性剤は、約10以下のHLB値を有する化合物である。しかし、界面活性剤のHLB値は、産業用、製薬用、および化粧用のエマルジョンの製剤化を可能にするために一般的に使用される大まかな規準にすぎない。
【0110】
親水性界面活性剤は、イオン性または非イオン性であり得る。適切なイオン性界面活性剤には、アルキルアンモニウム塩、フシジン酸塩、アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドの脂肪酸誘導体、アミノ酸、オリゴペプチド、およびポリペプチドのグリセリド誘導体、レシチンおよび水素化レシチン、リゾレシチンおよび水素化リゾレシチン、リン脂質およびその誘導体、リゾリン脂質およびその誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、硫酸アルキルの塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシルラクチレート、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノアセチル化およびジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化したモノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0111】
前述の群内で、イオン性界面活性剤には、例として、レシチン、リゾレシチン、リン脂質、リゾリン脂質およびその誘導体、カルニチン脂肪酸エステル塩、硫酸アルキルの塩、脂肪酸塩、ドクサートナトリウム、アシルラクチレート、モノグリセリドおよびジグリセリドのモノアセチル化およびジアセチル化酒石酸エステル、スクシニル化したモノグリセリドおよびジグリセリド、モノグリセリドおよびジグリセリドのクエン酸エステル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0112】
イオン性界面活性剤は、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルセリン、PEG-ホスファチジルエタノールアミン、PVP-ホスファチジルエタノールアミン、脂肪酸のラクチルエステル、ステアロイル-2-ラクチレート、ステアロイルラクチラート、スクシニル化モノグリセリド、モノグリセリド/ジグリセリドのモノアセチル化/ジアセチル化酒石酸エステル、モノグリセリド/ジグリセリドのクエン酸エステル、コリルサルコシン、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル硫酸、テラセシル硫酸、ドクサート、ラウロイルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ミリストイルカルニチン、ならびにこれらの塩および混合物のイオン化された形態であり得る。
【0113】
親水性の非イオン性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルマルトシド、アルキルチオグルコシド、ラウリルマクロゴルグリセリド、ポリエチレングリコールアルキルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェノールなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリエチレングリコール脂肪酸モノエステルおよびポリエチレングリコール脂肪酸ジエステルなどのポリオキシアルキレンアルキルフェノール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルなどのポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸、およびステロールの群の少なくとも1つのメンバーを有するポリオールの親水性エステル交換反応生成物、ポリオキシエチレンステロール、その誘導体、およびアナログ、ポリオキシエチル化したビタミンおよびその誘導体、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ならびにこれらの混合物、トリグリセリド、植物油、および硬化植物油の群の少なくとも1つのメンバーを有するポリオールのポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステルおよび親水性エステル交換反応生成物が挙げられ得るが、これらに限定されない。ポリオールは、グリセロール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、またはサッカライドであり得る。
【0114】
他の親水性非イオン界面活性剤には、限定されないが、ラウリン酸PEG-10、ラウリン酸PEG-12、ラウリン酸PEG-20、ラウリン酸PEG-32、ジラウリン酸PEG-32、オレイン酸PEG-12、オレイン酸PEG-15、オレイン酸PEG-20、ジオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-32、オレイン酸PEG-200、オレイン酸PEG-400、ステアリン酸PEG-15、ジステアリン酸PEG-32、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-100、ジラウリン酸PEG-20、トリオレイン酸PEG-25グリセリル、ジオレイン酸PEG-32、ラウリン酸PEG-20グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ステアリン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-20グリセリル、オレイン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-30グリセリル、ラウリン酸PEG-40グリセリル、PEG-40パーム核油、PEG-50硬化ヒマシ油、PEG-40ヒマシ油、PEG-35ヒマシ油、PEG-60ヒマシ油、PEG-40硬化ヒマシ油、PEG-60硬化ヒマシ油、PEG-60コーン油、PEG-6カプリン酸/カプリル酸グリセリド、PEG-8カプリン酸/カプリル酸グリセリド、ポリグリセリル-10ラウリン酸、PEG-30コレステロール、PEG-25フィトステロール、PEG-30ダイズステロール、トリオレイン酸PEG-20、オレイン酸PEG-40ソルビタン、ラウリン酸PEG-80ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート80、POE-9ラウリルエーテル、POE-23ラウリルエーテル、POE-10オレイルエーテル、POE-20オレイルエーテル、POE-20ステアリルエーテル、トコフェリルPEG-100コハク酸、PEG-24コレステロール、オレイン酸ポリグルセリル-10、ポリソルベート40、ポリソルベート60、モノステアリン酸スクロース、モノラウリン酸スクロース、モノパルミチン酸スクロース、PEG10-100ノニルフェノールシリーズ、PEG15-100オクチルフェノールシリーズ、およびポロキサマーが挙げられる。
【0115】
適切な親油性界面活性剤には、ほんの一例として、脂肪族アルコール、グリセロール脂肪酸エステル、アセチル化グリセロール脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、ポリオキシエチル化ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、糖エーテル、モノグリセリドおよびジグリセリドの乳酸誘導体、グリセリド、植物油、硬化植物油、脂肪酸、およびステロールの群の少なくとも1つのメンバーを有するポリオールの疎水性エステル交換反応生成物、脂溶性ビタミン/ビタミン誘導体、ならびにこれらの混合物が挙げられる。この群内では、好ましい親油性界面活性剤は、グリセロール脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、およびこれらの混合物を含むか、または、植物油、硬化植物油、およびトリグリセリドの群の少なくとも1つのメンバーを有するポリオールの疎水性エステル交換反応生成物である。
【0116】
一実施形態では、組成物は、本開示の化合物の良好な可溶化および/または溶解を確実にし、本開示の化合物の沈殿を最小限に抑えるために可溶化剤を含み得る。これは、注射において特に重要になり得る。可溶化剤はさらに、親水性薬物および/または他の成分、例えば、界面活性剤の溶解度を高めるために、または組成物を安定したもしくは均質な溶液または分散液として維持するために、添加されてもよい。
【0117】
適切な可溶化剤の例としては、アルコールおよびポリオール、例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオールおよびその異性体、グリセロール、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、トランスクトール、ジメチルイソソルビド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、シクロデキストリンおよびシクロデキストリン誘導体、テトラヒドロフルフリルアルコールPEGエーテル(グリコフロール)またはメトキシPEGなど、約200~約6000の平均分子量を有するポリエチレングリコールのエーテル、アミドおよび他の窒素含有化合物、例えば、2-ピロリドン、2-ピペリドン、ε-カプロラクタム、N-アルキルピロリドン、N-ヒドロキシアルキルピロリドン、N-アルキルピペリドン、N-アルキルカプロラクタム、ジメチルアセトアミド、およびポリビニルピロリドン、プロピオン酸エチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、酪酸エチル、トリアセチン、モノ酢酸プロピレングリコール、ジ酢酸プロピレングリコール、ε-カプロラクトンおよびその異性体、δ-バレロラクトンおよびその異性体、β-ブチロラクトンおよびその異性体などのエステル、ならびに、ジメチルアセトアミド、ジメチルイソソルビド、N-メチルピロリドン、モノオクタノイン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、および水などの当該技術分野で既知の他の可溶化剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0118】
可溶化剤の混合物も使用され得る。例としては、トリアセチン、クエン酸トリエチル、オレイン酸エチル、カプリル酸エチル、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルシクロデキストリン、エタノール、ポリエチレングリコール200-100、グリコフロール、トランスクトール、プロピレングリコール、およびジメチルイソソルビドが挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましい可溶化剤としては、ソルビトール、グリセロール、トリアセチン、エチルアルコール、PEG-400、グリコフロール、およびプロピレングリコールが挙げられる。
【0119】
含まれ得る可溶化剤の量は、特に限定されない。所与の可溶化剤の量は、当業者によって容易に決定され得る生物学的に許容可能な量に限定されてもよい。状況によっては、例えば、薬物の濃度を最大にするために、生物学的に許容可能な量をはるかに超える量の可溶化剤を含むことが有利なこともあり、過剰な可溶化剤は、蒸留または蒸発などの従来の技術を使用して、患者に組成物を提供する前に取り除かれる。可溶化剤は、存在する場合、薬物および他の賦形剤の合計重量に基づいて、10重量%、25重量%、50重量%、100重量%、または最大約200重量%の重量比にあり得る。必要に応じて、5%、2%、1%、またはさらに少ない量など非常に少量の可溶化剤も使用され得る。典型的には、可溶化剤は、約1重量%~約100重量%、より典型的には約5重量%~約25重量%で存在してもよい。
【0120】
組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な添加剤および賦形剤をさらに含み得る。そのような添加剤および賦形剤としては、粘着除去剤(detackifier)、消泡剤、緩衝剤、ポリマー、抗酸化剤、保存料、キレート剤、粘度調整剤、等張化剤(tonicifier)、香味剤、着色剤、臭気剤、乳白剤、懸濁化剤、結合剤、充填剤、可塑剤、潤滑剤、およびそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0121】
加えて、加工を容易にするため、安定性を高めるため、または他の理由のために、酸または塩基が組成物に組み込まれてもよい。薬学的に許容可能な塩基の例としては、アミノ酸、アミノ酸エステル、水酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ヒドロカルサイト(hydrocalcite)、水酸化マグネシウムアルミニウム、ジイソプロピルエチルアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリメチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)などが挙げられる。さらに、適切なのは、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸など、薬学的に許容可能な酸の塩である塩基である。多塩基酸の塩、例えば、リン酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、およびリン酸二水素ナトリウムも使用することができる。塩基が塩である場合、カチオンは、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などのあらゆる都合がよく薬学的に許容可能なカチオンであり得る。例として、ナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウム、およびアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0122】
適切な酸は、薬学的に許容可能な有機酸または無機酸である。適切な無機酸の例として、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、ホウ酸、リン酸などが挙げられる。適切な有機酸の例として、酢酸、アクリル酸、アジピン酸、アルギン酸、アルカンスルホン酸、アミノ酸、アスコルビン酸、安息香酸、ホウ酸、酪酸、炭酸、クエン酸、脂肪酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、ヒドロキノスルホン酸、イソアスコルビン酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、パラ-ブロモフェニルスルホン酸、プロピオン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、タンニン酸、酒石酸、チオグリコール酸、トルエンスルホン酸、尿酸などが挙げられる。
【0123】
本明細書中の一態様では、医薬組成物が提供され、該医薬組成物は、式(I)
【0124】
【化18】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、上記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15重量%~約30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15重量%~約25重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約20重量%~約30重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約23重量%~約27重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約24重量%~約26重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約11重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約12重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約13重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約14重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約15重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約16重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約17重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約18重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約19重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約20重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約21重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約22重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約23重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約24重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約25重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約26重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約27重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約28重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約29重量%の水を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約30重量%の水を含む。
【0126】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つを超える薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、アルコール類、脂肪酸、イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、エステル類、抗酸化剤、アミノ酸、およびアミノエステル類から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ドクセート、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、パーフルオロノナン酸、パーフルオロオクタン酸、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]-1-プロパンスルホン酸、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル、ノナエチレングリコール、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、2-[4―(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、ポリエトキシル化牛脂アミン、コカミドモノエタノールアミン、コカミドジエタノールアミン、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、オクチルグルコシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシル酸、アラキジン酸、ヘンイコシル酸(heneisosylic acid)、ベヘン酸、トリコシル酸、リグノセリン酸、ペンタコシル酸、セロチン酸、カルボセリン酸、モンタン酸、ノナコシル酸、メリシン酸、ヘントリアコンチル酸、ラッセル酸、プシリン酸、ゲダ酸、セロプラスチン酸、ヘキサトリアコンチル酸、ヘプタトリアコンチル酸、オクタトリアコンチル酸、ノナトリアコンチル酸、テトラトリアコンチル酸、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、 エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ-γ-リノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサノールペンタエン酸、セルボン酸、ニシン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ラウリルグルコシド、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ミレス硫酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、2-[4―(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール、ポリオキシル-35ヒマシ油、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、トリラウリン酸グリセロール、モノラウリン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、トレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ビタミンE、アスコルビン酸パルミテート、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸トリエチル、およびクエン酸から選択される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤は、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ベンジルアルコール、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80から選択される。
【0127】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも約0.1重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1重量%~約10重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1重量%~約5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.1重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.2重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.3重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.4重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.6重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.7重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.8重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約0.9重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約1.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約2重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約2.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約3重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約3.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約4重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約4.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約5.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約6重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約6.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約7重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約7.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約8重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約8.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約9重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約9.5重量%の式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、約10重量%の式(I)の化合物を含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、付加的な活性薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、追加の活性薬剤は、抗炎症剤、抗線維化剤、プロスタグランジンE2、レチン酸、およびハロフジノンから選択される。
【0129】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、非経口注射のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、皮下注射のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、局所投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、経皮投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、腹腔内投与のために製剤化される。
【0130】
注射用の医薬組成物
いくつかの実施形態では、本開示は、式(I)の化合物および注射に適した医薬賦形剤を含む注射用医薬組成物を提供する。組成物中の薬剤の成分および量は、本明細書に記載されている通りである。
【0131】
本開示の新規な組成物が注射による投与のために組み込まれ得る形態として、ゴマ油、トウモロコシ油、綿実油、またはピーナッツ油を有する水性または油性の懸濁液またはエマルジョン、ならびに、エリキシル、マンニトール、デキストロース、または無菌水溶液、および同様の医薬ビヒクルが挙げられる。
【0132】
生理食塩水中の水溶液も従来から注射に用いられる。エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど(およびそれらの適切な混合物)、シクロデキストリン誘導体、および植物油も採用され得る。適切な流動性は、例えば、分散の場合に要求される粒径を維持するためにレシチンなどのコーティングを使用することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持可能である。微生物の作用の予防は、様々な抗菌剤と抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによって引き起こされる場合がある。
【0133】
無菌の注入可能な溶液は、適切な溶媒中で要求される量の本開示の化合物を、上に列挙されるような様々な他の成分に組み入れ、その後、必要に応じて濾過滅菌することにより、調製される。一般的に、分散剤は、様々な滅菌された有効成分を、塩基性分散媒体および上に列挙されたものからの必要な他の成分を含有する無菌のビヒクルに組み入れることにより、調製される。無菌の注射用溶液を調製するための無菌の粉末の場合には、特定の望ましい調製方法は、真空乾燥および冷凍乾燥の技術であり、これにより、以前に滅菌濾過された溶液からの任意の付加的な所望の成分に加えて、有効成分の粉末が得られる。
【0134】
また、本発明はキットを提供する。キットは、式(I)の化合物および1つ以上の追加の薬剤を含む医薬組成物を、使用説明書、臨床試験の議論、副作用のリストなどを含むことができる書面と共に、適切な包装で含んでもよい。このようなキットはさらに、科学文献の参考文献、添付文書資料、臨床試験結果、および/またはこれらの概要などの情報を含んでもよく、これらは、組成物の活性および/または利点を表示または設定し、および/または投薬、投与、副作用、薬理相互作用、あるいは医療従事者にとって有用な他の情報を記載する。このような情報は、様々な研究、例えば、インビボモデルを含む実験動物を使用する研究、およびヒト臨床試験に基づく研究の結果に基づき得る。キットはさらに別の薬剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明の化合物および薬剤は、キット内の別々の容器に別々の組成物として提供される。いくつかの実施形態では、本発明の化合物および薬剤は、キット内の容器内の単一組成物として提供される。使用される適切な包装および追加の物品(例えば、液体調製物用の計量カップ、空気への露出を最小限に抑えるためのホイル包装など)は、当該技術分野で知られており、キットに含まれていてもよい。本明細書に記載されるキットは、医師、看護師、薬剤師、薬局員(formulary officials)などを含む医療提供者に提供され、販売され、および/または宣伝されてもよい。キットも実施形態によっては消費者に直接販売され得る。
【0135】
使用方法
一態様では、必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法が本明細書に提供され、上記の方法は、対象の腕部、大腿部、臀部、または頤下部の脂肪部分内に医薬組成物の複数回の注射を投与する工程を含み、医薬組成物は、式(I)
【0136】
【化19】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、上記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含む。
【0137】
いくつかの実施形態では、本開示は、必要とする対象の脂肪組織の量を減少させる方法における使用のための医薬組成物であって、医薬組成物は、式(I)
【0138】
【化20】
の治療有効量の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩と、
1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤と
を含み、
式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、およびR
8はそれぞれ独立して、H、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、-ON(=O)、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、またはC
2-5アルキニルであり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルはそれぞれ独立して、ハロゲン、-CN、-NO
2、-OR
10、-SR
10、-S(=O)R
10、-S(=O)
2R
10、-NR
11R
12、-C(=O)NR
11R
12、-S(=O)NR
11R
12、-S(=O)
2NR
11R
12、-C(=O)R
10、-C(=O)OR
10、-NR
13C(=O)R
10、-NR
13C(=O)NR
11R
12、-NR
13S(=O)
2R
10、-NR
13S(=O)
2NR
11R
12、-C(=S)R
10、-N(=O)、-SN(=O)、-NR
13N(=O)、および-ON(=O)からなる群から選択される1つ以上の置換基により任意選択で置換され、
R
9は、C
1-9アルキル、C
2-9アルケニル、C
2-9アルキニル、または3員~10員のヘテロシクロアルキルであり、R
9は少なくとも1つの第四級アミノ基またはホスホニウム基で置換され、
R
10はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
R
11およびR
12はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、あるいは、R
11およびR
12は、それらが結合している窒素原子と一体となって、任意選択で置換される3員~10員のヘテロシクロアルキルを形成してもよく、ならびに、
R
13はそれぞれ独立して、H、C
1-5アルキル、C
2-5アルケニル、C
2-5アルキニル、C
1-5ヘテロアルキル、C
1-5ハロアルキル、またはC
3-6シクロアルキルであり、
任意選択で、上記医薬組成物は、約10重量%~約30重量%の水を含み、
上記医薬組成物は、対象の腕部、大腿部、臀部、腹部、または頤下部の脂肪部分への複数回の注射による投与に適した単位剤形である、医薬組成物を提供する。
【0139】
いくつかの実施形態では、複数回の注射は所定のパターンに従って投与される。いくつかの実施形態では、所定のパターン(ポイントを用いたグリッドなど)は、少なくとも0.5センチメートル、1センチメートル、2センチメートル、3センチメートル、4センチメートル、5センチメートルの間隔で間を置いた注射を提供する。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、特定のグリッドパターンで提供される。いくつかの実施形態では、対象の脂肪部分への複数回の注射のそれぞれは、対象の脂肪部分の同じ位置で提供される。いくつかの実施形態では、対象の脂肪部分への複数回の注射のそれぞれは、対象の脂肪部分の異なる位置で提供される。
【0140】
いくつかの実施形態では、複数回の注射は、20~60回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、40~50回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約20回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約25回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約30回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約35回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約40回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約45回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約50回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約55回の注射を含む。いくつかの実施形態では、複数回の注射は、約60回の注射を含む。
【0141】
投与は、注射用または規則的に間隔を置かれた用量用のポイントを含むグリッドを用いたグリッドパターンで行うことができる。そのようなグリッドは、正方形または長方形の形状である場合がある。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは20ポイントよりも大きい。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは40ポイントよりも大きい。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約15ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約20ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約25ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約30ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約35ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約40ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約45ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約50ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約55ポイントである。いくつかの実施形態では、グリッドのサイズは約60ポイントである。
【0142】
いくつかの実施形態では、各注射の量は約25~約250マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約25~約150マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約50~約100マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約25マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約50マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約75マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約100マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約125マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約150マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約175マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約200マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約225マイクロリットルである。いくつかの実施形態では、各注射の量は約250マイクロリットルである。
【0143】
いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約20~約100ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約40~約70ミリグラム間にある。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約10ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約20ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約30ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約40ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約50ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約60ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約70ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約80ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約90ミリグラムである。いくつかの実施形態では、医薬組成物中の式(I)の化合物の濃度は、1ミリリットル当たり約100ミリグラムである。
【0144】
いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、500ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、400ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、300ミリグラム未満である。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約0.5ミリグラム~約480ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約1ミリグラム~約360ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約5ミリグラム~約240ミリグラムある。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約10ミリグラム~約180ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約20ミリグラム~約120ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約40ミリグラム~約80ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約5ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約10ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約20ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約30ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約40ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約50ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約60ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約70ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約80ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約90ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約100ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約110ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約120ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約130ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約140ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約150ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約160ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約170ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約180ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約190ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約200ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約210ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約220ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約230ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約240ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約250ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約260ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約270ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約280ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約290ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約300ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約310ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約320ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約330ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約340ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約350ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約360ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約370ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約380ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約390ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約400ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約410ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約420ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約430ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約440ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約450ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約460ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約470ミリグラムである。いくつかの実施形態では、座位当たりの患者1人当たりの式(I)の化合物の合計用量は、約480ミリグラムである。
【0145】
いくつかの実施形態では、各注射は、約1ミリグラム~約25ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約2.5ミリグラム~約15ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約5ミリグラム~約10ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約1ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約2.5ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約5ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約10ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約15ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約20ミリグラムの式(I)の化合物を含む。いくつかの実施形態では、各注射は、約25ミリグラムの式(I)の化合物を含む。
【実施例】
【0146】
実施例1:様々な製剤中の5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの分布研究
【0147】
5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリド(化合物1A)の異なる3つの製剤を以下の表1に従って調製した。
【0148】
【0149】
各製剤を、1つの注射部位につき計80mgの合計用量に対してそれぞれ5mgの5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドを含む一連の16回の脂肪内注射によって、別々のブタに投与した。立方体状の脂肪を切除、凍結、および分析して、注射部位、注射部位に隣接した組織内、および血漿内での5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの濃度を、注射後2時間、6時間、1日、3日、および7日間隔で決定した。注射部位および分析部位が
図1に表される。得られた曲線下面積(AUC)データは以下の表2、3、および4に要約され、注射部位対隣接領域および注射部位対血漿のAUC比率は以下の表5に要約される。
【0150】
【0151】
【0152】
【0153】
【0154】
製剤3と比較して、製剤1および2は、注射部位対注射部位に隣接した領域での5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの曝露のより大きな比率を表し、したがって、注射に隣接した非脂肪組織における望ましくない副作用の可能性を最小限に抑える。さらに、製剤2および3と比較して、製剤1は、注射部位対血漿での5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの曝露のより大きな比率を表し、したがって、好ましくない全身性副作用の可能性を最小限に抑える。
【0155】
実施例2:ヒト対象への5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの投薬後の頤下脂肪の減少
【0156】
カリパスを用いて測定された、頤下の皮下脂肪厚が1.5cmを越える患者28名を、コホート1(患者12名)およびコホート2(対象16名)の2つのコホートに分けた。コホート1では、対象8名に水、プロピレングリコール、および界面活性剤を含むビヒクル中の5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリド(化合物1A)の溶液を1mL当たり50mg注射して、患者4名にビヒクルのみを含むプラセボ溶液を注射した。コホート2では、患者6名にビヒクルのみを含むプラセボ溶液を投薬して、患者10名に水、プロピレングリコール、および界面活性剤を含むビヒクル中の5-(3,6-ジブロモ-9H-カルバゾール-9-イル)-N,N,N-トリメチルペンタン-1-アミニウムクロリドの溶液を1mL当たり50mg注射した。以下の表6に示されるように、コホートによって投薬を決定する。
【0157】
【0158】
最大の化合物用量は、コホート1については患者1人当たり120mg(注射1回当たり2.5mgで計48回の注射)であり、コホート2については患者1人当たり240mg(注射1回当たり5mgで計48回の注射)であった。注射を、注射される皮膚表面に対して90°の角度で、行の間の距離が1cmであり、列の間の距離も1cmであった頤下の領域形のグリッドで間を置いて行った。注射後28日目にコホート1の安全性を評価した後、コホート2対象の処置を開始した。
【0159】
有効性結果
このフェーズ2a研究で提示されたMRIデータによって、頤下の脂肪を減少させることにおける化合物1Aの有効性が実証された。この有効性は、頤下の厚みおよび体積の両方の変化により明白であった。有効性は、化合物1Aの高用量、低用量、およびプラセボそれぞれで-22.2%±14.9(P<0.05対プラセボ群)、-10.6%±14.5(P=0.55対プラセボ群、NS)、および-0.4%±13.9の体積減少と共に、明らかな用量反応関係によってさらに裏付けられた。
【0160】
客観的なMRI評価は医師の印象(Physician Impression)スケールに裏付けられ、このスケールは医師による包括的評価(Physician Global Assessment)(PGS)アンケートに類似している。改善についての医師評価は、28日目、56日目、および84日目の処置後の経過観察来院時に頤下の脂肪についての医師の包括的評価を使用することにより実施した。その評価は、各来院時点で対象の頤下の脂肪面積と、治験薬の注射前、ベースライン来院時に撮影した2D画像との比較に基づき、医師によって行われた。その評価では、28日目、56日目、および84日目の各経過観察対ベースラインでの頤下の脂肪状態の改善を評価した。評価において使用される改善スケールは、(i)0:完全に明瞭(頤下の脂肪体積の証拠なし、100%改善)、(ii)1:ほぼ明瞭(非常に顕著なクリアランス(≧90%~<100%)、痕跡のみ残っている)(iii)2:著しい改善(顕著な改善(≧75%~<90%)、頤下の脂肪の何らかの証拠が残っている)、(iv)3:中等度の改善(僅かな~著しい改善の中間(≧50%~<75%))、(v)4:僅かな改善(何らかの改善(≧25%~<50%)、頤下の脂肪の顕著な証拠が残っている)、(vi)5:変化なし(頤下の脂肪がベースライン状態から変化していない(±25%)))、および(vii)6:悪化(頤下の脂肪がベースライン評価よりも≧25%以上悪化している)である。
【0161】
医師の印象スケールデータによって、28日目と比較して、56日目および84日に明白な改善が示され、このことから、頤下の脂肪に対する化合物1Aの効果が、化合物の投与後数週間向上し得ること、および積み重なり得ることが示唆される。84日目には、プラセボ対象はいずれも自身のSMFにおいて何らかの変化を実証しなかった。対照的に、同じ時点で、化合物1Aで処置された18名の対象のうち1名を除いたすべてが、処置後84日目に頤下の脂肪における改善を実証した。
【0162】
また、対象を、注射前のベースライン来院時に、および28日目、56日目、および84日目の処置後の経過観察来院時にFace-Qアンケートによって評価した。アンケートは、各時点で撮影した2D画像の比較、および治験薬の注射前、ベースライン来院時に撮影した画像との比較の後に、対象によって記入された。各研究来院対ベースラインの画像の比較は、コンピュータ上に来院日の画像対ベースライン画像を表示することによって行った。FACE-Qアンケートには、頤の可視性と関係する10個の質問のリストおよび質問ごとの対象の自身の頤から得られる満足感の程度が含まれていた。スコアの合計がより高いほど、よりよい結果を反映する。生のスケール(raw scale)を変換する換算表は、スコア0(最悪)~100(最良)までのスコアへを合計した。
【0163】
対象のFace-Qアンケートの結果は、さらに化合物1Aに対する対象の満足感を実証した。低用量および高用量の化合物1Aの両方で処置された対象は、平均の対象満足度スコアにおいてそれぞれ2.4倍および2.5倍の増加を示した。プラセボで処置された対象は、ベースラインに対して84日目に満足度スコアの増加を実証しなかった。
【0164】
頤下の脂肪体積は、注射前および注射後84日目に磁気共鳴画像(MRI)によって決定した。上に記載されたように、治療有効性は、注射後28日目、56日目、および84日目に医師の包括的評価(PGS)アンケートによって評価した。上に記載されたように、患者満足度は、注射前および注射後28日目、56日目、および84日目にFACE-Qアンケートを使用して評価した。
【0165】
結論
化合物1Aの低用量および高用量(それぞれ80mgおよび158.5mgの平均用量)は、安全であってバイタルサインにおいて臨床的に有意な変化なしで良好な忍容性を示した。最も一般的に報告されるAEは、痣、硬結、浮腫、疼痛、および紅斑であり、それらはすべて、化合物1Aおよびプラセボの処置群で同様の発生率で報告された。浮腫および硬結は、特に注射後の最初の24時間で、プラセボと比較して、化合物1Aの高用量群においてより高い重症度で報告された。AEはすべて一時的で、処置を必要としなかった。
【0166】
客観的なMRIデータ、医師の印象スケール、および対象FACEQスケールに基づいて、化合物1Aが頤下の脂肪の減少に効果的であったことが結論付けられた。この結論は、頤下の脂肪体積および頤下の厚みの両方の変化によって裏付けられる。これらの結果の頑健性は、化合物1Aの高用量によって大きな効果を示す用量反応に裏付けられる。
【0167】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され記載されているが、このような実施形態が、ほんの一例として提供されることは当業者に明白となるであろう。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義するものであり、この特許請求の範囲とその等価物の範囲内の方法と構造はそれにより包含されることが、意図されている。
【国際調査報告】