(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】抗眩暈組成物及びその医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4453 20060101AFI20240205BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K31/4453
A61P1/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525964
(86)(22)【出願日】2021-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 IN2021050886
(87)【国際公開番号】W WO2022091118
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202021047025
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】324000841
【氏名又は名称】アメライズ ファーマシューティカルズ プライベート リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィアス,ニラヴ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC21
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA22
4C086MA23
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA43
4C086MA52
4C086NA14
4C086ZA14
(57)【要約】
本発明は、眩暈、眩暈に関連する疾患、又はそれらに関連する症状の治療又は予防のためのレボクロペラスチンの使用に関する。更に、本発明は、レボクロペラスチン及び1以上の医薬賦形剤を含む経口医薬組成物、並びにその調製プロセスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトの対象における眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防の方法であって、前記方法が、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を前記対象に投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法が、前記対象に、末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト、体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療のための、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が10~1000mgの1日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が10~100mgの1日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が約10~80mgの1日の用量で投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が約60~90mgを1日1回、又は約30~45mgを1日2回、又は約20~30mgが1日3回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が約70~120mgを1日1回、又は約35~60mgを1日2回、又は約25~40mgが1日3回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が約90~160mgを1日1回、又は約45~80mgを1日に2回、又は約30~55mgを1日3回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
約20~36mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が1日3回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
約30~55mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩が1日3回投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
レボクロペラスチンが標準治療療法より短い治療の期間投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記標準治療療法が、ベタヒスチン16mg錠剤1日3回、又はベタヒスチン16mg錠剤1日3回及びアセタゾラミド125mg錠剤1日2回、又はシンナリジン25mg錠剤1日3回の1以上から選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
レボクロペラスチン又は薬学的に許容される塩を医薬組成物中において投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記医薬組成物が経口組成物である、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記経口組成物が、錠剤、カプセル、顆粒,粉末剤、溶液、シロップ、乳剤又は懸濁剤組成物である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ヒトの対象における眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防の方法であって、前記方法が、使用される標準治療療法より短い期間、前記対象に治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
前記方法が、前記対象に、末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト、体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療のための、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防における使用のための、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含むことを特徴とする医薬組成物。
【請求項19】
前記医薬組成物が経口組成物である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記経口組成物が、錠剤、カプセル、顆粒,粉末剤、溶液、シロップ、乳剤、又は懸濁剤組成物である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物が、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療に使用される標準治療療法と比較して短い期間内で、眩暈又は眩暈に関連する疾患又は自律神経随伴症状の治療を提供する、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項22】
組成物が、末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト、体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療に用いられる、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項23】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、錠剤組成物であって、前記錠剤組成物の全重量に対して、1~5%のレボクロペラスチン、20~80%の希釈剤、1~10%の崩壊剤、0.5~5%の結合剤、0.2~2%の滑沢剤、0~2%の流動化助剤、及び0~5%の界面活性剤を含む錠剤組成物であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項24】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、溶液組成物であって、前記溶液組成物の全重量に対して、1~5%のレボクロペラスチン、1~10%の酸化防止剤、及び0.01~10%の防腐剤を含み、緩衝剤を更に含み、任意に香料及び甘味料を含む溶液組成物であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項25】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、レボクロペラスチン、界面活性剤、結合剤、ポリマー、希釈剤、及び溶媒を含むハードゲルカプセル組成物であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項26】
レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物であって、前記医薬組成物が、レボクロペラスチン、可溶化剤、安定剤、滑沢剤、及び任意に他の賦形剤を含むソフトゲルカプセル組成物であることを特徴とする医薬組成物。
【請求項27】
ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防におけるレボクロペラスチンの使用。
【請求項28】
末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト、体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療における、請求項27に記載のレボクロペラスチンの使用。
【請求項29】
レボクロペラスチンを標準治療療法より短い治療の期間使用する、請求項27に記載のレボクロペラスチンの使用。
【請求項30】
ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防における使用のための医薬組成物の調製におけるレボクロペラスチンの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レボクロペラスチンを用いた、眩暈(vertigo)及び/又は眩暈の1以上の症状又は眩暈に関連する疾患の治療方法に関する。本発明は、更に、眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の治療又は予防のための、レボクロペラスチンを含む組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
レボクロペラスチン(I)は、DL-クロペラスチンの左旋性異性体である。レボクロペラスチンは、咳の強さと頻度を減らすのに用いられる。レボクロペラスチンの抗ヒスタミン特性、抗セロトニン特性、及び筋弛緩特性は、咳、気管支痙攣、及び関連症状の治療における全体的な有効性に寄与する。
【0003】
【0004】
末梢性眩暈は、前庭神経系で生じる平衡神経系の急激な機能障害に起因する中枢神経系の情報統合機構の異常であり、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌、及び頻拍等の諸症状を伴う。末梢性眩暈患者の割合は増加している。
【0005】
末梢性眩暈の最も一般的な原因は、良性発作性頭位性末梢性眩暈症(BPPV)、前庭神経炎、メニエール病等の耳の疾患又は内耳の感染症である。BPPVは、内耳の管にカルシウムが蓄積し、20秒間~1分間続く短い眩暈感(Dizziness)を引き起こすことがある。通常、頭部への外傷又は特定の体位で頭部を動かすことによってもたらされる。前庭神経炎は、内耳の感染によって引き起こされ、体のバランス感覚を助ける神経の周囲に炎症を引き起こす。その結果、重篤な末梢性眩暈の発作が1日以上続き、難聴を伴うこともある。メニエール病(MD)は、内耳の障害であり、世界が回転しているような感覚(末梢性眩暈)、耳の中で鳴り響くこと(耳鳴)、難聴、耳の充満感等のエピソードによって特徴づけられる。
【0006】
メクリジン、ジフェンヒドラミン、スコポラミン、ジアゼパム、ロラゼパム、ベタヒスチン、及びシンナリジンは、末梢性眩暈に一般的に使用される治療薬であり、現在の抗末梢性眩暈薬物は眠気を引き起こす。更に、末梢性眩暈患者では、より早い作用の発現も好ましい。
【0007】
眠気を回避し、より短い期間で自律神経症状を緩和し、より早い作用の発現を提供する、効果的な眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療に対するニーズが存在する。末梢性眩暈に苦しむ主要な患者には、吐き気、嘔吐、発汗、頻拍等の自律神経随伴症状及び末梢性眩暈を緩和できる効果的な治療を必要とする。本発明は、患者に鎮静剤を投与することなく、短時間で迅速な緩和を提供することにより、最良の患者のコンプライアンスを提供する。
本発明の目的
【0008】
本発明の第1の目的は、レボクロペラスチンを用いて、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防を提供することである。
【0009】
本発明の他の目的は、レボクロペラスチンを用いて、末梢性眩暈の1以上の症状のための治療及び迅速な緩和を提供することである。
【0010】
本発明の他の目的は、眩暈又は眩暈に関連する臨床徴候及び症状の治療のためにレボクロペラスチンを使用することである。
【0011】
本発明の他の目的は、使用される標準治療療法と比較して短い期間内に、眩暈、又は眩暈に関連する臨床徴候及び症状又は自律神経随伴症状、又は眩暈に関連する疾患の治療のためにレボクロペラスチンを使用することである。
【0012】
本発明の他の目的は、使用される標準治療療法と比較して短い期間内に、眩暈、又はそれに関連する臨床兆候及び症状、又は自律神経随伴症状の治療に使用するための医薬組成物を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、レボクロペラスチンの医薬組成物、及び眩暈の1以上の症状の治療又は予防のためのその使用を提供することである。
【発明の概要】
【0014】
本発明の一実施形態は、眩暈の治療及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のためにレボクロペラスチンを使用することである。
【0015】
本発明の他の実施形態は、末梢性眩暈及び末梢性眩暈の臨床兆候及び症状の治療のためにレボクロペラスチンを使用することである。
【0016】
本発明の他の実施形態は、眩暈及び/又は眩暈の1以上の症状の治療のための、治療的有効用量のレボクロペラスチンの投与である。
【0017】
本発明の他の実施形態は、末梢性眩暈の治療のための治療的有効用量のレボクロペラスチンの投与である。
【0018】
本発明の他の実施形態は、既存の標準治療と比較して眩暈症状の迅速な緩和のためのレボクロペラスチンの使用であり、また、関連する自律神経随伴症状の迅速な緩和であり、ひいては、眩暈患者の治療及びこれらの患者のコンプライアンスの向上に大きく貢献する。
【0019】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する1以上の症状の治療における使用のためのレボクロペラスチンを含む新規の医薬組成物である。
【0020】
本発明の他の実施形態は、使用される標準治療療法と比較して短い期間内に、眩暈又は眩暈に関連する1以上の症状又はそれに関連する自律神経随伴症状又は疾患の治療のためにレボクロペラスチンを使用することである。
【0021】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象における眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防の方法であって、前記方法が、使用される標準治療療法より短い期間、前記対象に治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0022】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療に使用される標準治療療法と比較して短い期間内で、眩暈又は眩暈に関連する疾患又は自律神経随伴症状の治療における使用のための医薬組成物である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に説明される例を含む上記の本発明の一般的及び更に具体的な実施形態は、例示的なものであり、本発明の範囲を明示的又は具体的に開示された実施形態のみに限定するものではなく、また、当業者にとって明らかで自明な変形形態及び/又はその修正も本発明の範囲に含まれる。
【0024】
特に定義されていない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明の分野の当業者によって通常理解される意味を有するものとする。
【0025】
本発明の分野において一般的に使用され日常的に実践されている、及び/又は当業者によって容易に理解されるプロセス、方法、及び技術については、簡潔にするために詳細には記載しない。
【0026】
本明細書全体で使用されている「レボクロペラスチン」という用語には、遊離塩基形態及びその薬学的に許容される塩;無水形態、溶媒和物、水和物、及びその共結晶形態;並びにそれらの結晶性及び非晶質の多形形態を含む。
【0027】
「患者又は対象」という用語は、何らかの疾患状態にあるヒトを意味する。
【0028】
発明の目的における「医薬組成物」という用語は、錠剤、カプセル剤、溶液、及び懸濁液の形態の組成物を意味する。前記医薬組成物は、レボクロペラスチン及びより薬学的に許容される賦形剤の1つを含む。
【0029】
本発明の一実施形態は、眩暈の治療及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のためのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0030】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の治療及び/又は予防のためのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩の使用である。眩暈関連疾患とは、メニエール病及び浮動性眩暈(Giddiness)を含むが、これらに限定されない。
【0031】
本発明の他の実施形態は、末梢性眩暈の治療のために、レボクロペラスチンを使用することである。
【0032】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療及び/又は眩暈の1以上の症状の予防において、使用のための薬学的に許容される組成物の調製における、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩の使用である。
【0033】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のための、治療的有効用量でのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩の投与である。
【0034】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象における眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防の方法であって、前記方法は、対象に、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0035】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象に、末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚(Lift sensation)、ブラックアウト(黒くらみ;ブラックアウト)、体位の変化(横臥)、頭を下げること(bowing)、起床(Getting up)、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療方法であって、前記方法が、前記対象に、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0036】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防においてレボクロペラスチンを使用することである。
【0037】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防における使用のための医薬組成物の調製において、レボクロペラスチンを使用することである。
【0038】
レボクロペラスチンは、5~1000mgの1日の用量、好ましくは約5~500mgの1日の用量、より好ましくは約5~200mgの1日の用量、又はより好ましくは約5~160mgの1日の用量で、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防に使用されることができる。
【0039】
レボクロペラスチンの1日の投与量は、単回用量又は複数に分けられた用量で、投与されることができる。
【0040】
レボクロペラスチンの1日の投与量が、約5~80mgを1日1回、又は約5~40mgを1日2回、又は約3~30mgを1日3回投与されることができる。
【0041】
レボクロペラスチンの1日の投与量が、約60~90mgを1日1回、又は約30~45mgを1日2回、又は約20~30mgを1日3回投与されることができる。
【0042】
レボクロペラスチンの1日の投与量が、約70~120mgを1日1回、又は約35~60mgを1日2回、又は約25~40mgを1日3回投与されることができる。
【0043】
レボクロペラスチンの1日の投与量が、約90~160mgを1日1回、又は約45~80mgを1日に2回、又は約30~55mgを1日3回投与されることができる。
【0044】
実際のレボクロペラスチンの投与量は、使用されるその薬学的に許容される塩に応じて算出・調整されることができる。例えば、35.4mgのレボクロペラスチンフェンジゾアート(Levocloperastine Fendizoate)は、20mgのレボクロペラスチンHClに相当する。
【0045】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日3回、約20~36mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0046】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日2回、約30~55mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0047】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日1回、約60~110mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0048】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日3回、約30~55mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0049】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日2回、約45~85mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0050】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療又は及び/又は眩暈の1以上の症状の予防のために、1日1回、約90~160mgのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0051】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防のためのレボクロペラスチンの使用であり、患者の眩暈症状のスケールは、0~5である。
【0052】
眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防におけるレボクロペラスチンの有効性は、主要な効力エンドポイントとしてのMVSスコアに基づく眩暈症状の改善、調査者によって評価される5点の言語評価スケール(非常に改善された、改善された、僅かに改善された、改善されない、悪化した)によるNVI及びIGAスコアに基づいて評価される末梢性眩暈に関連した生活の質(QoL)の改善、カテゴリー的3点スケール(はい/いいえ/時々)におけるTHIによって主観的に評価された耳鳴りの重症度の改善、主観的な5点のVAS(0:存在しない、1:低程度(moderate)、2:中程度、3:強い、4:非常に強い)によって評価された強度に基づく4つの自律神経随伴症状(吐き気、嘔吐、発汗、及び頻拍)の改善として、評価されてきた。
【0053】
MVSスコアは、眩暈症状の重症度を測定するための12項目の複合スコアであり、6つの(非誘発性;unprovoked)眩暈症状(起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト)及び6つの誘発因子[体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、車/電車の運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動]の結果による眩暈の平均強度として定義される。12の単一症状のそれぞれの強度は、5点のVAS(0=存在しない、1=低程度、2=中程度、3=強い、4=非常に強い)によって患者によって評価される。眩暈強度の尺度となる平均MVSは、12の眩暈症状全てのスコアを加算し、12で割ることによって算出される。スケールは患者によって直接評価される。
【0054】
NVIは、28項目のアンケートで、各質問には5点のリッカートスケール(1:なし;2:まれに;3:時々;4:かなり頻繁;5:常に)があり、合計スコアは28点~140点の範囲である。スコアが高いほど機能障害が大きいことを示す。空間知覚、注意、時間知覚、記憶、感情、視覚/動眼、運動の7つの認知領域を評価する。スケールは、患者によって評価される。
【0055】
耳鳴りの重症度の測定方法は、カテゴリー的3点スケール(はい/いいえ/時々)における、THIの25項目の質問による主観的評価である。合計スコアは、全ての回答の合計を反映し、100の最大スコアは、日常機能に最も大きな影響を与えていることを示す。
【0056】
レボクロペラスチンのCNS活性は選択性が高い;そのため、鎮静等の中枢性の副作用を回避する。レボクロペラスチンは、治療用量の450倍までの用量で、臨床的に関連のある鎮静を誘発しなかった。レボクロペラスチンは、より早い作用の発現を提供し、また、騒乱や興奮等の有害事象も回避する。レボクロペラスチンによる治療は、いかなる鎮静作用も伴わないため、眩暈に関連する症状が覆い隠されることはなく、驚くべきことに、レボクロペラスチンは、鎮静特性がなくても、眩暈及び眩暈に関連する自律神経随伴症状の改善を示する。
【0057】
レボクロペラスチンは、使用される標準治療療法と比較して短い期間内に、眩暈、又は末梢性眩暈、又は眩暈に関連する疾患、又は自律神経随伴症状の治療を提供する。レボクロペラスチンは、治療の標準と比較してより短い治療期間でMVSスコアの同等の改善を達成する。自律神経随伴症状重症度の同等の改善は、約28日間の治療後の標準治療によって達成されるが、レボクロペラスチンは、約7日間という短い治療期間のみで達成される、即ち、治療期間を標準治療の約1/4に著しく短縮する。レボクロペラスチンは、眩暈又はその症状の迅速な緩和と、それに伴う自律神経随伴症状の重症度の改善をもたらす。
【0058】
レボクロペラスチンの臨床的に関連する鎮静作用を引き起こすことなく、治療のより速い作用の発現及びより短い期間は、より良好な患者のコンプライアンス、よい良好な治療アドヒアランス、患者における制限された運動/運動制限を助ける。
【0059】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象における、眩暈の治療、及び/又は眩暈の1以上の症状又は自律神経随伴症状又は眩暈に関連する疾患の予防の方法であって、前記方法は、使用される標準治療療法より短い期間、対象に、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む。
【0060】
本発明の他の実施形態は、使用される標準治療療法より短い期間、末梢性眩暈、メニエール病、耳鳴り、難聴、浮動性眩暈、動作及び体位の異常感覚、眼振、平衡障害、眩暈感、頭部偏位、吐き気、嘔吐、発汗、唾液分泌及び頻拍、起立障害及び歩行不安定、ふらつき、回転感覚、転倒傾向、上昇感覚、ブラックアウト、体位の変化(横臥)、頭を下げること、起床、運転、頭部運動(傾き、ねじり)、眼球運動、又はそれに関連する1以上の症状又は疾患の治療のために、治療的有効量のレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を使用することである。
【0061】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療に使用される標準治療療法と比較して短い期間内で、眩暈又は眩暈に関連する疾患又は自律神経随伴症状の治療における使用のための医薬組成物である。
【0062】
本発明の他の実施形態は、ヒトの対象において、眩暈の治療及び/又は眩暈又は眩暈に関連する疾患の1以上の症状の予防における使用のためのレボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含む医薬組成物である。
【0063】
レボクロペラスチンの薬学的に許容される組成物は、経口、頬側、舌下、経皮、静脈内、腹腔内、筋肉内、又は皮下投与に好適であることができる。
【0064】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防における使用のためのレボクロペラスチンを含む経口医薬組成物である。
【0065】
本発明の他の実施形態は、末梢性眩暈又は末梢性眩暈に関連する疾患の治療又は予防における使用のためのレボクロペラスチンを含む経口医薬組成物である。
【0066】
本発明の他の実施形態は、眩暈の治療及び/又は眩暈の1以上の症状の予防における使用のためのレボクロペラスチンを含む医薬組成物である。
【0067】
眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防における使用のための医薬剤形は、固体又は液体の経口剤形であることができるが、これらに限定されない。固体経口剤形は、錠剤、カプセル、顆粒、又は粉末剤であることができるが、これらに限定されず、液体経口組成物は、溶液、シロップ、懸濁剤、又は乳剤であることができるが、これらに限定されない。
【0068】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防のために、レボクロペラスチンを使用することであり、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療又は予防のために使用される医薬組成物は、レボクロペラスチン及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含み、前記組成物は、液体剤形の形態であり、前記液体剤形は、小児患者及び成人患者への投与に使用される。
【0069】
本発明の他の実施形態は、眩暈又は眩暈に関連する疾患の治療のためのレボクロペラスチンが、経口又は非経口投与に好適な従来の薬学的に許容される担体又は希釈剤と共に、混合物中に使用されることである。
【0070】
本発明の他の実施形態は、レボクロペラスチン及び1以上の薬学的に許容される賦形剤の安定経口医薬組成物であり、前記組成物は、錠剤、カプセル、溶液、シロップ、又懸濁剤剤形である。
【0071】
本発明の他の実施形態は、レボクロペラスチン及び1以上の薬学的に許容される賦形剤の安定経口医薬組成物であり、前記薬学的に許容される賦形剤は、希釈剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、抗接着剤(anti-adherent)、可塑剤、着色料、乳白剤、キレート剤、流動化助剤(Glidant)、香料剤、甘味料、コーティング剤、湿潤剤、緩衝剤、懸濁化剤、防腐剤,界面活性剤、粘度改変剤、浸透圧調節剤、防塵剤、吸着剤、酸化防止剤、湿潤剤、溶媒、ポリマー,ソフトゲルカプセル、ハードゲルカプセル、又はそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
【0072】
希釈剤又は充填剤(賦形剤、filler)は、ラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、マンニトール、無水リン酸水素カルシウム、結晶セルロース、ケイ化MCC、コーンスターチ、スクロース又は他の糖又は糖誘導体、低置換度HPC、アルファ化デンプン又はそれらの混合物、より好ましくは、マンニトール及び結晶セルロースを含む群から選択されるが、これらに限定されない。賦形剤又は充填剤は、組成物の全重量の約20重量%~約80重量%の濃度で存在することができる。
【0073】
結合剤は、アルファ化デンプン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポビドン、コポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができるが、これらに限定されない。結合剤は、組成物の全重量の約0.5重量%~約5重量%の濃度で存在することができる。
【0074】
崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン,デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルファ化デンプン、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができるが、これらに限定されない。崩壊剤は、組成物の全重量の約1重量%~約10重量%の濃度で存在することができる。
【0075】
滑沢剤は、寒天、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリン、硬化植物油、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ナトリウムステアリル、ソルビトール、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。滑沢剤は、組成物の全重量の約0.2重量%~約2重量%の濃度で存在することができる。
【0076】
可塑剤は、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸アセチルトリエチル、安息香酸ベンジル、クロロブタノール,酢酸フタル酸セルロース適合性(compatible)、デキストリン、フタル酸ジブチル、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジメチル、グリセリン、グリセリンモノステアラート、ヒプロメロースフタラート適合性、マンニトール、流動パラフィン及びラノリンアルコール、ワセリン及びラノリンアルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール,ピロリドン、ソルビトール、トリアセチン、クエン酸トリブチル、クエン酸トリエチル,パルミチン酸、ポリメタクリレート適合性、ポリビニルアセテートフタレート、ステアリン酸、トリエタノールアミン、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0077】
着色料は、赤色3号(エリスロシン)、赤色40号(アルラレッドAC)、黄色5号(タートラジン)、黄色6号(サンセットイエロー)、青色1号(ブリリアントブルー)、青色2号(インジゴチン)、緑色3号(ファストグリーン)、酸化鉄、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0078】
乳白剤は、モノステアリン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、セレシン、二酸化チタン、酢酸亜鉛、着色料、パルミトステアリン酸エチレングリコール、オクチルドデカノール、ステアリン酸亜鉛、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0079】
キレート剤は、酢酸カルシウム、ヒドロキシプロピルベータデクス、クエン酸カリウム、クエン酸、クエン酸一水和物、エデト酸ニナトリウム、エデト酸、リンゴ酸、ペンテト酸、リン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、2塩基性リン酸ナトリウム、1塩基性リン酸ナトリウム、酒石酸、クエン酸カリウム、フマル酸、マルトール、ペンテト酸、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0080】
流動化助剤は、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウム,デンプン、タルク、3塩基性リン酸カルシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ポリエチレングリコール、カルナウバロウ、又はこれらの混合物を含む群から選択されることができる。流動化助剤は、組成物の全重量の約0重量%~約2重量%の濃度で存在することができる。
【0081】
香料剤は、アジピン酸、乳酸n‐ブチル、製菓用砂糖、クエン酸一水和物、セバシン酸ジブチル、安息香酸デナトニウム、酢酸エチル、乳酸エチル、エチルマルトール、エチルバニリン、エチルセルロース、フルクトース、フマル酸、ロイシン、リンゴ酸、マルトール、メントール、メチオニン、グルタミン酸ナトリウム、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸トリエチル、酒石酸、タウマチン、チモール、トレハロース、バニラ、リン酸、プロピオン酸、プロピオン酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0082】
甘味料は、アセスルファムカリウム、アリターム、アスパルテーム、ブドウ糖、エリスリトール、フルクトース、ブドウ糖液、グリセリン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マルチトール、マルチトール溶液、マルトース、マンニトール、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、シクラミン酸ナトリウム、ソルビトール、スクラロース、スクロース、圧縮性砂糖、製菓用砂糖、タガトース、タウマチン、トレハロース、キシリトール、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0083】
抗接着剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ロイシン、コロイド状二酸化ケイ素、タルク、スターチ、微結晶セルロース、ロイシン、又はそれらの混合物からなる群から選択されることができる。
【0084】
ポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルセルロース及びその誘導体、ポリソルベート、Soluplus(登録商標)(ポリビニルカプロラクタム-ポリ酢酸ビニル-ポリエチレン)、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、タルク、酸化チタン、シメチコン、ユードラギット、精製水、及び着色剤を含む群から選択されることができる。ポリマーは、フィルムコーティング材料において、
又は賦形剤として使用されることができ、組成物の全重量の約1重量%~約5重量%の濃度で存在することができる。
【0085】
界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム及びドクサートナトリウム等のアニオン性界面活性剤;セトリミド等のカチオン性界面活性剤;N-ドデシル-N,N-ジメチルベタイン等の両性界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポロクサマー、中鎖トリグリセリド、ポリオキシルグリセリド、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、及びこれらの組合せ等の非イオン性界面活性剤を含む群から選択されることができる。界面活性剤は、組成物の全重量の約0重量%~約5重量%の濃度で存在することができる。
【0086】
防塵剤は食用油である。
【0087】
吸着剤は、骨ゼラチン(Bone Gelatin)(タイプB)、皮ゼラチン(Skin Gelatin)(タイプA)又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。ゼラチンは、懸濁化剤としても機能する。
【0088】
可溶化剤又は乳化剤又は分散剤は、Tween80、Labrasol、HPMC、DOSS、カプロイル909、ラブラファック、ラブラフィル、ペセオール(peceol)、トランスクトール、カプムル(Capmul)MCM、カプムルPG-12、Captex355、ゲルシア(gelucire)、レシチン(Lecithine)、ビタミンE TOPS又は他の許容される可溶化剤、乳化剤、又は分散剤を含む群から選択されることができる。
【0089】
溶媒は、精製水、注射用水、芳香水(Arometic water)、アルコール、グリセロール、プロピレングリコールUSP、エーテル(ジエチルエーテル)、ポリエチレングリコール及び誘導体、ジエチレングリコールモノメチルエーテル及びその誘導体、ジメチルアセトアミド、不揮発油形態植物源又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0090】
湿潤剤は、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、塩化セチルピリジニウム、ドクサートナトリウム、グリシン、グリコフロール、ヒプロメロース、ポロクサマー、リン脂質、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンステアラート、ラウリル硫酸ナトリウム、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪酸エステル)、トリカプリリン又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0091】
緩衝剤は、アジピン酸、アンモニア溶液、ホウ酸、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、リン酸カルシウム(3塩基性)、クエン酸一水和物、2塩基性リン酸ナトリウム、ジエタノールアミン、グリシン、マレイン酸、リンゴ酸、メチオニン、グルタミン酸ナトリウム、モノエタノールアミン、グルタミン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム二水和物、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(2塩基性)、リン酸ナトリウム(1塩基性)、プロピオン酸、リン酸、炭酸水素ナトリウム、トリエタノールアミン、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0092】
懸濁化剤は、アカシア、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボマー、ステアリン酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、セラトニア、コロイド状二酸化ケイ素、デキストリン、ゼラチン、グアーガム、疎水性コロイド状シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、カオリン、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルチトール溶液、中鎖トリグリセリド、メチルセルロース、リン脂質、ポリカルボフィル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルギン酸カリウム、ポビドン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、アルギン酸ナトリウム、サポー石、ゴマ油、ソルビタンエステル(ソルビタン脂肪酸エステル)、スクロース、トラガント、ビタミンEポリエチレングリコールスクシナート、キサンタンガム、セラトニア、ヘクトライト、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0093】
粘度改変剤は、アカシア、寒天、アルギン酸、ベントナイト、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラゲナン、セラトニア、セトステアリルアルコール、キトサン、コロイド状二酸化ケイ素、シクロメチコン、エチルセルロース、ゼラチン、グリセリン、ベヘン酸グリセリル、グアーガム、ヘクトライト、疎水性コロイド状シリカ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒプロメロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マルトデキストリン、メチルセルロース、ミリスチルアルコール、ポリデキストロース、ポリ(メチルビニルエーテル/無水マレイン酸)、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコールエステル、サポー石、アルギン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、スターチ、スルホブチルエーテルb-シクロデキストリン、トラガント、キサンタンガム、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0094】
防腐剤は、アルコール、ベンザルコニウム塩化物、ベンゼトニウム塩化物、安息香酸、ベンジルアルコール、ホウ酸、ブロノポール、ブチレングリコール、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルパラベン、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、セトリミド、セチルピリジニウム塩化物、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クエン酸一水和物、クレゾール、ジメチルエーテル、エチルパラベン、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素(Imidurea)、イソプロピルアルコール、乳酸、メチルパラベン、モノチオグリセロール、ペンテト酸、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀、硝酸フェニル水銀、安息香酸カリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、プロピオン酸、プロピレングリコール、没食子酸プロピル、プロピルパラベン、プロピルパラベンナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ソルビン酸、二酸化硫黄、チメロサール、スルホブチルエーテルb-シクロデキストリン、キシリトール、エデト酸、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0095】
酸化防止剤は、α/β/δ/γトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシトルエン、クエン酸一水和物、エリトルビン酸、オレイン酸エチル、フマル酸、リンゴ酸、メチオニン、ピロ亜硫酸ナトリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化硫黄、チモール、ビタミンEポリエチレングリコールスクシナート、モノチオグリセロール(Monothoglycerol)、リン酸、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0096】
浸透圧調節剤は、ブドウ糖、グリセリン、ヒドロキシプロピルベータデクス、マンニトール、塩化カリウム、塩化ナトリウム、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0097】
湿潤剤は、アルギン酸アンモニウム、ブチレングリコール、シクロメチコン、グリセリン、ポリデキストロース、プロピレングリコール、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ソルビトール、又はそれらの混合物を含む群から選択されることができる。
【0098】
Dicom DC SP(登録商標)、エフメルトタイプC(登録商標)は、賦形剤として用いられる。
【0099】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、医薬組成物は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含み、組成物が、前記錠剤組成物の全重量に対して、1~5%のレボクロペラスチン、20~80%の希釈剤、1~10%の崩壊剤、0.5~5%の結合剤、0.2~2%の滑沢剤、0~2%の流動化助剤、及び0~5%の界面活性剤を含む錠剤組成物である。
【0100】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、医薬組成物は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含み、組成物が、前記溶液組成物の全重量に対して、1~5%のレボクロペラスチン、1~10%の酸化防止剤、及び0.01~10%の防腐剤を含み、緩衝剤を更に含み、任意に香料及び甘味料を含む溶液組成物である。
【0101】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含み、組成物が、レボクロペラスチン、界面活性剤、結合剤、ポリマー、希釈剤、及び溶媒を含むハードゲルカプセル組成物である。
【0102】
本発明の他の実施形態では、医薬組成物は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩を含み、前記組成物が、レボクロペラスチン、可溶化剤、安定剤、滑沢剤、及び任意に他の賦形剤を含むソフトゲルカプセル組成物である。
【0103】
本明細書に記載された医薬組成物は、湿式造粒、乾式造粒、及び直接圧縮等の当業者によく知られた従来の技術によって調製されることができる。
【0104】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記プロセスは、以下の工程を含む。
1)レボクロペラスチン又はその塩を希釈剤及び崩壊剤と混合し、混合物を得る。
2)撹拌しながら結合剤を溶媒中に分散させ、結合剤溶液を得る。
3)造粒機において、工程1で得られた混合物を結合剤溶液と共に造粒し、湿った顆粒を得る。湿った顆粒を乾燥させる。
4)乾燥させた顆粒を分類し、望ましい量の滑沢剤を添加し、滑沢な顆粒を得る。
5)工程6の滑沢な顆粒を圧縮し、圧縮した錠剤を得る。
6)任意に、コーティング溶液を用いて、圧縮した錠剤をコーティングする。
【0105】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記プロセスは、以下の工程を含む。
1)レボクロペラスチン又はその塩を希釈剤及び崩壊剤と混合し、混合物を得る。
2)撹拌しながら結合剤を溶媒中に分散させ、結合剤溶液を得る。
3)造粒機において、工程1で得られた混合物を結合剤溶液と共に造粒し、湿った顆粒を得る。湿った顆粒を乾燥させる。
4)乾燥させた顆粒を分類し、望ましい量の滑沢剤を添加し、滑沢な顆粒を得る。
5)滑沢な顆粒を好適なサイズのカプセルに充填する。
【0106】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記プロセスは、以下の工程を含む。
1)レボクロペラスチン又はその塩を希釈剤及び崩壊剤と混合し、混合物を得る。
2)得られた混合物に残りの賦形剤を混合する。
3)工程1の混合物に工程2の混合物を混合する。
4)乾燥した混合物を圧縮し、錠剤を得る、又はカプセルに充填する。
5)任意に、圧縮した錠剤をコーティングする。
【0107】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記レボクロペラスチンは、好適な薬学的に許容される賦形剤と混合され、ソフトゲルカプセルに充填される。
【0108】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物の調製プロセスを提供し、前記レボクロペラスチン又は薬学的に許容される塩は、サイズ縮小プロセスを経て、緩衝剤、懸濁化剤、酸化防止剤、防腐剤、共溶媒、防腐剤、甘味料、又は香料剤が添加され、懸濁剤剤形を得る。
【0109】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物を提供し、前記組成物の含有量均一性は、95%~105%である。
【0110】
好ましい実施形態の1つでは、本発明は、レボクロペラスチン又はその薬学的に許容される塩、及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物を提供し、900mlの精製水中で50rpmの回転でのパドル法を用いた溶解試験に、組成物を供したとき、レボクロペラスチンの溶解速度が45分で90%以上である。
【0111】
更に他の実施形態では、本発明は、レボクロペラスチン及び1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む安定医薬組成物を提供し、前記組成物は、錠剤、カプセル、溶液、又は懸濁剤の形態であり、前記組成物は、眩暈、末梢性眩暈、メニエール病、及び浮動性眩暈の治療のために、成人だけでなく小児患者において、単回用量又は複数に分けられた用量の投与処方として、用いられることができる。
【0112】
実施例
【0113】
1以上の一般的又は特定の実施形態は、以下の実施例で更に詳細に説明されているが、本発明の範囲を具体的に開示された実施形態のみに限定することは、いかなる意味においても意図されていない。本発明の範囲から逸脱することなく、一定の変更及び修正がなされることがあることは、本発明の教示に照らして、当業者にとっては容易に明らかである。
【0114】
実施例-1:レボクロペラスチン錠剤
錠剤の調製プロセス
1.レボクロペラスチンを希釈剤及び崩壊剤と混合し、混合物を得た。
2.撹拌しながら結合剤を溶媒中に分散させ、結合剤溶液を得た。
3.造粒機において、工程1で得られた混合物を結合剤溶液と共に造粒した。
4.湿った顆粒を流動層乾燥機で乾燥し、乾燥させた顆粒を篩にかけた。
5.顆粒を滑沢剤と混合し、錠剤に圧縮し、フィルムコーティング剤を溶媒に溶解して調製したコーティング溶液でコーティングした。
【0115】
実施例-2:レボクロペラスチンハードゲルカプセル
カプセルの調製プロセス
1.レボクロペラスチンフェンジゾアートをラクトース一水和物、トウモロコシデンプン、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、及びケイ化MCCと混合し、混合物を得た。
2.撹拌しながらポリビニルピロリドンを溶媒中に分散させ、結合剤溶液を得た。
3.造粒機において、工程1で得られた混合物を結合剤溶液と共に造粒した。
4.湿った顆粒を流動層乾燥機で乾燥し、乾燥させた顆粒を篩にかけた。
5.顆粒をラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80と混合し、カプセルに充填した。
【0116】
実施例-3:レボクロペラスチンソフトゲルカプセル
上記表のレボクロペラスチンフェンジゾアート及び賦形剤を混合し、ソフトゲルカプセルに充填した。
【0117】
実施例-4:レボクロペラスチン溶液
溶液の調製プロセス
1.精製水をSS容器に入れる。
2.防腐剤、緩衝剤、甘味料、及び酸化防止剤を添加し、均一な混合物になるように撹拌する。
3.レボクロペラスチン、香料剤、及び共溶媒を添加し、均一な混合物になるように撹拌する。
4.精製水で最終的な体積に補う。
【0118】
実施例-5:レボクロペラスチン懸濁剤
懸濁剤の調製プロセス
1.精製水の60%をSS容器に入れる。
2.防腐剤、緩衝剤、甘味料、酸化防止剤、懸濁化剤、及び凝集剤を添加し、均一な混合物になるように撹拌する。
3.レボクロペラスチンを添加し、均一な混合物になるように撹拌する。
4.香料剤及び共溶媒を添加し、均一な混合物になるように撹拌する。
5.精製水で最終的な体積に補う。
【0119】
実施例-6:レボクロペラスチンカプセル
カプセルの調製プロセス:湿式造粒法
1.ジメチルアセトアミド及びSoluplus(登録商標)をガラス容器内で撹拌した。
2.レボクロペラスチンフェンジゾアートを添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
3.Dicom DC SP(登録商標)を#40の篩にかけて、上記の混合物に添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
4.混合物を造粒機で造粒した。
5.顆粒を50℃の熱風オーブンで乾燥した。
6.乾燥した顆粒を#40の篩にかけて、タルク粉末(#80の篩にかけて)及びステアリン酸マグネシウム(#80の篩にかけて)と混合した。
7.得られた混合物をサイズ「0」のカプセルに充填した。
【0120】
実施例-7:レボクロペラスチンカプセル
カプセルの調製プロセス:乾燥混合法
Dicom DC SP(登録商標)(#40の篩にかけて)、レボクロペラスチンフェンジゾアート(#40の篩にかけて)、タルク粉末(#80の篩にかけて)、及びステアリン酸マグネシウム(#80の篩にかけて)をブレンダー中で均一な混合物になるように混合し、サイズ「0」のカプセルに充填した。
【0121】
実施例-8:レボクロペラスチン錠剤
錠剤の調製プロセス:乾燥混合法
エフメルトタイプC(登録商標)(#40の篩にかけて)、レボクロペラスチンフェンジゾアート(#40の篩にかけて)、クロスカルメロースナトリウム(#40の篩にかけて)、及びステアリン酸マグネシウム(#80の篩にかけて)をブレンダー中で均一な混合物になるように混合し、8/32又は9/32凹型パンチにおいて圧縮した。
【0122】
実施例-9:レボクロペラスチンHCl溶液(20mg/0.1mL)
レボクロペラスチンHCl溶液の調製プロセス
1.精製水の全必要量の約20%をガラス容器に取り、ポリエチレングリコール300、ポリプロピレングリコールを添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
2.レボクロペラスチンHClを添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
3.グリセリン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースE15を添加し、均一な混合物になるように撹拌した。.
4.精製水で最終的な体積に補った。
【0123】
実施例-10:レボクロペラスチンHCl溶液(20mg/0.1mL)
レボクロペラスチンHCl溶液の調製プロセス
1.精製水の全必要量の約10%をガラス容器に取り、ポリエチレングリコール400、ポリプロピレングリコール、脱水アルコール、及びM-ポリエチレングリコール350を添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
2.レボクロペラスチンHClを添加し、均一な混合物になるように撹拌した。
3.最終体積を精製水で補った。
4.0.45μナイロンフィルターで溶液を濾過した。
【0124】
実施例-11:末梢性眩暈の治療:
本研究は、末梢性眩暈患者を対象とした非盲検、二治療群、実薬対照、臨床試験として計画された。本試験では、以下に記載されるように、スクリーニングフェーズ、無作為化フェーズ、治療フェーズを含んだ。
・スクリーニングフェーズ(来院1):-14~-1日
・ベースライン来院及び無作為化の日(来院2):0/1日目
・治療フェーズ:1日目~28日目
・治療の終了(来院4):29日目±2日
【0125】
上記の適格性基準を満たす末梢性眩暈の患者が特定され、最終候補患者は無作為化前14日以内にスクリーニングを受けた。合計16人の患者が、被験薬と実対照薬を3:1の比率で無作為に割り当てられた(被験薬が12人、実対照薬が4人)。被験薬はレボクロペラスチン20mgを1日3回、28日間経口投与された。調査者の単独裁量及び医学的判断により、実薬対照薬(標準治療)は、患者によって服用された。標準治療は、ベタヒスチン16mg錠剤を1日3回、又はベタヒスチン16mg錠剤を1日3回及びアセタゾラミド125mg錠剤を1日2回、又はシンナリジン25mg錠剤を1日3回、患者に投与したことを含む。
【0126】
MVSスコア:ベースラインスコアからのMVSスコアの平均変化を、2つの治療群間で比較した。ベースラインデータからの絶対データと平均変化を表1に示す。
【表1】
【0127】
レボクロペラスチンは、他の副次的評価項目、NVIスコア、THI重症度、及びIGAも評価しながら、主要有効性評価項目、即ちMVSスコア及び同様の傾向に関して、標準治療と比較して同等に有効であることが分かる。
【0128】
更に、ベースラインスコアからの自律神経随伴症状の複合スコアの平均変化を2つの治療群間で比較した。ベースラインデータからの絶対データと平均変化を以下の表2に示す。
【0129】
【0130】
研究データは、レボクロペラスチンは既存の標準治療療法と比較して、より迅速かつ顕著に自律神経随伴症状を制御できることを確認している。両方の治療法が臨床的改善を示したが、レボクロペラスチンは、標準治療よりも自律神経随伴症状の緩和に統計的に優れている。
更に、表1と表2に統計的に示されているように、より短い期間内に薬物が標準治療よりも優れた作用を示している。本研究では、全ての患者で望ましい反応と良好な忍容性が示されている。レボクロペラスチンは、標準治療と比較して同等の有効性が認められている。
【国際調査報告】