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特表2024-506235内視鏡手術で使用する操縦可能なアーム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】内視鏡手術で使用する操縦可能なアーム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20240205BHJP
   A61B 18/12 20060101ALI20240205BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B18/12
A61B17/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023538993
(86)(22)【出願日】2022-01-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 CN2022073108
(87)【国際公開番号】W WO2022161266
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】63/141,613
(32)【優先日】2021-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523234670
【氏名又は名称】ヴァージテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086461
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 和則
(72)【発明者】
【氏名】クォーク、カ ワイ
(72)【発明者】
【氏名】エー、ツォリアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャオメイ
(72)【発明者】
【氏名】オー、ジャスティン ディ-ラン
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ギィ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、カイ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB01
4C160FF56
4C160GG22
4C160KK06
4C160MM43
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN12
4C160NN13
(57)【要約】
内視鏡外科手術で使用するための操縦可能なアーム(301)。操縦可能なアーム(301)は、ニチノールの管から切り出され、管が切り込まれた構造によって可撓性と弾性を提供する。一般に、切断された管は螺旋コイル(707)を備え、そのループは管の一方の側で接触しており、管は曲げられて他方の側のループが開く。管の材質は曲げの記憶を保持することができる。これにより、管を曲げる力が取り除かれるたびに、管を曲げに対して回復するための付勢が提供される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアームであって:
近位端と遠位端を有する管状部材であって、前記遠位端は、外科用エンドエフェクタを取り付けるのに適し、前記管状部材は弾性材料で作られる、管状部材と;
前記近位端から前記管状部材の内部に延在するワイヤであって、前記ワイヤは、前記管状部材の前記遠位端および前記管状部材の側面に取り付けられ、前記管状部材は、長さ方向に曲率を有することができるワイヤと;
を有し、
前記管状部材の前記遠位端が前記ワイヤによって引っ張られると、前記曲率が変化し、そして前記弾性材料の弾性は、前記遠位端の引っ張りを解放したときに前記曲率の変化が逆転するように前記管状部材に付勢を与える、
ことを特徴とする内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項2】
前記管状部材は、前記管状部材の軸に沿って第1の側と第2の側を有し、
前記第1の側は前記第2の側よりも比較的圧縮しやすく、
前記第2の側は、前記第1の側に比べて比較的圧縮しにくく、
前記ワイヤが取り付けられる前記管状部材の側が前記第1の側であり、そして
前記ワイヤが引っ張られると、前記第1の側が圧縮されて、前記管状部材の曲率が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項3】
前記第1の側の圧縮性を提供するために、前記第1の側にギャップをさらに備え、
前記ワイヤの引っ張りにより、前記ギャップが近づき、前記第2の側が前記第1の側に向かって曲がることにより、前記管状部材の前記曲率が変化する、
ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項4】
前記ワイヤの並進を案内するために前記管状部材の内側にワイヤガイドをさらに備える、ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項5】
前記管状部材は、静止状態では湾曲しており、前記管状部材に凹面と凸面が存在し、前記管状部材の凸面が前記第1の側である、
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項6】
前記管状部材は、螺旋状ループの管状コイルであり、
前記管状部材の曲率は、前記第1の側のループの端が間隔を空けて配置されてギャップを形成し、そして前記第2の側の各ループの端は、隣接する各ループの端に当接し、ここで、前記第1の側と前記第2の側は、前記管状部材の反対側にある、
ことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項7】
前記ループは、前記操縦可能なアームの異なる部分に異なる可撓性を与えるために、前記異なる部分に沿って異なる螺旋ピッチおよび/または間隔の変化を有する、
ことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項8】
前記ループは、管に少なくとも1つの螺旋状の切り込みを入れることによって作成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項9】
前記第2の側の少なくとも1つの前記ループの縁部に少なくとも1つのスリットをさらに備える、ことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項10】
前記管状部材は、螺旋状ループの管状コイルであり、
前記操縦可能なアームはさらに、それぞれが前記管状部材の対向側に沿って配置された2つの対向する連結継手の列を有し、
各前記列の各前記連結継手は、それぞれの2つの隣接する前記ループを回転可能に接続し、
前記連結継手の対向する前記列は前記第2の側を提供し、
前記管状部材は、当該管状部材の断面の中心に位置し、そして長さに沿った軸を有し、
前記第1の側と前記第2の側は、前記管状部材の前記軸に対して互いに直交するように配置される、
ことを特徴とする請求項3に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項11】
前記管状部材は単一の材料から製造され、前記管状部材は連続構造である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項12】
前記第2の側の前記長さに取り付けられた細長いバネ片をさらに有し、
前記細長いバネ片は前記付勢を強化する、
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項13】
前記管状部材は少なくとも2つのセクションを含み、
それぞれの数のワイヤが前記近位端から前記管状部材の内側に伸長し、
各前記ワイヤは各前記セクションの前記遠位端に取り付けられており、最も遠位の前記セクションの前記遠位端は前記管状部材の遠位端であり、
各前記セクションは、前記管状部材の長手方向に曲率を有することができ、各前記セクションの前記遠位端がそれぞれの前記ワイヤによって引っ張られると、各前記セクションの曲率が変化し、 ここで
前記弾性材料の前記弾性は、各前記セクションの前記遠位端の引っ張りを解放したときに各前記セクションの曲率変化が逆転するように、前記管状部材に付勢を与える、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項14】
少なくとも2つの前記セクションのそれぞれの前記曲率の変化は、異なる平面内にある、ことを特徴とする請求項13に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項15】
前記操縦可能なアームは伝達管の遠位端に配置され、
前記伝達管には前記ワイヤが通されるチャネルが含まれ、
前記ワイヤの近位端は、前記ワイヤを引っ張るためのノブおよび/またはレバーに接続され、
前記管状部材の遠位端が前記伝達管の近位端の前記ワイヤによって引っ張られると、前記曲率が変化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項16】
前記外科用エンドエフェクタは、鉗子、ジアテルミーナイフ、注射針、縫合具である、ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム。
【請求項17】
中空管を内視鏡外科手術に使用する操縦可能なアームに作製する方法であって、以下のステップを含む方法:
a)近位端と遠位端を有する前記中空管を提供するステップであって、
前記遠位端は、外科用エンドエフェクタを取り付けるのに適し、前記中空管は弾性材料で作られている、ステップと;
b)前記中空管を円周方向および管の長さに沿って切断して、螺旋状の切り込みを入れるステップであって、前記螺旋状切り込みは、前記中空管の少なくとも片側に沿ってギャップを生成する、ステップと;
c)前記中空管の近位端にワイヤを挿入するステップと;および
d)前記ワイヤを前記中空管に取り付けるステップであって、前記取り付けは:
i)管のギャップがある側;そして
ii)前記ワイヤが前記ギャップを越えて伸長するように、前記近位端から非常に遠位にある、
ステップ。
【請求項18】
前記中空管を曲げた位置に保持するステップと;
塑性変形や熱処理によって、前記中空管に対し静止状態での曲がりを記憶させるステップと;
をさらに有する、
ことを特徴とする請求項17に記載の内視鏡外科手術に使用するための中空管を操縦可能なアームにする方法。
【請求項19】
隣接するループと結合するためのカプラを各前記ループ上に残すように前記中空管を切断するステップをさらに有する、ことを特徴とする請求項17に記載の内視鏡外科手術で使用するための中空管を操縦可能なアームに作製する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡手術器具の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
消化器(GI)がんは、世界中で最も一般的ながんである。世界保健機関(WHO)のがん統計によると、結腸直腸がんと胃がんは、世界でがん関連死亡の原因としてそれぞれ2番目と3番目に多く、2018年の死亡者数はそれぞれ86万2,000人、78万3,000人に達している。消化器がんの予後は著しく良好である。早期の消化器がんの5年生存率は世界的に90%以上である。
【0003】
消化器がんの従来の治療は切除と吻合を伴う手術であり、重大な罹患率と死亡率を伴う。
【0004】
消化器(GI)管の好ましい手術方法には、内視鏡の器具/生検チャネルを通して外科器具を導くことが含まれる。 可撓性内視鏡は、口から胃に挿入されて目標位置に到達するか、肛門から大腸に挿入されて目標位置に到達する。内視鏡の遠位端は、外科医が内視鏡の近位端の制御ハンドルを使用して操作する。 内視鏡は少なくとも1つの生検チャネルを有し、その中に、遠位先端に外科用ツールを備えた長くて可撓性の器具が内視鏡の近位端から挿入される。 最も一般的な軟性内視鏡はオリンパス製で、生検チャネルの直径は3.7mmと大きいが、2.8 mm以下の場合もある。
【0005】
Medroboticsは、手動手術器具用のチャネルを備えた半自動ロボット内視鏡を提案している(米国特許第10016187 B1(特許文献1)に記載)。 外科用器具の直径は、一対の拮抗ワイヤ(反対側の2本のワイヤが反対方向に引っ張る)によって引っ張られたときに関節動作を可能にするために、多くの別個のジョイントから組み立てられる。ジョイントを一方向に曲げるには、一方のワイヤを引っ張り、もう一方のワイヤを放すか押す必要がある。 個別のジョイントは設計と組み立てが複雑で、厚さ4mm の幅広直径が必要である。 したがって、この手術器具の主な欠点は、一般的な可撓性内視鏡の生検チャネルの中に適合しないことである。
【0006】
Endomasterは、同様のロボット手術器具を提案しているが、これも同様の欠点を有する別個の関節ベースの機構から組み立てられている(US20210186309A1(特許文献2)に記載)。
【0007】
Lumendiは、可撓性材料たとえばニッケルチタン(ニチノール)管の単一本体から製造された可撓性バックボーンを備え、接続されていない個別のスロットが管の側面に沿って切り込まれている、内視鏡手術器具を提案している(US20200305906A1(特許文献3)に記載)。真っ直ぐな管は、管の両側に取り付けられたワイヤを引っ張ることにより、どちらの方向にも曲げることができる。 この設計でも、一方のワイヤを引っ張りながら反対側のワイヤを解放するという複雑な操作が必要になる。 さらに、この手術器具は厚すぎるため、一般的な内視鏡の生検チャネルでは使用できず、独自のアクセサリシステムと併用する必要がある。
【0008】
Endotheia は、一般的な内視鏡とともに使用できる外科用器具を提案している(US10441371B2(特許文献4)に記載)。 この設計は、それぞれが事前に湾曲されている入れ子状の同心のニチノール管で構成されている。 これらの管は、一般的な内視鏡の生検チャネルを通って伸長可能な全体直径を持っている。 外科用器具を目標位置に向かって曲げるには、入れ子になった管のそれぞれを適切な程度まで延長して、必要な曲率を作る。 管を曲げるためのワイヤは必要ない。 しかし、それぞれの湾曲した管をどの程度拡張するかには複雑な計算が必要であり、ソフトウェアとロボットによる制御がむしろ必要となり、状況によっては手動でのオーバーライドが必要な場合でも、それはありそうにない。 さらに、細い管の持ち上げ力は、処置によっては弱すぎる。 また、管は鋭角に曲げることができず、十分な曲率を与えるために管を十分に長く延ばすためには、内視鏡を標的部位から比較的遠くに配置する必要がある。 その結果、内視鏡の先端にあるカメラが手術器具の遠位端から遠すぎて、手術を適切に視覚化できない場合がある。 標的部位が内視鏡の先端に近すぎる場合、器具の横方向および縦方向の到達距離が制限される場合がある。
【0009】
したがって、一般的な内視鏡での使用に適しつつ、器用な組織操作を提供し、外科医により良好な制御の可能性を提供する外科用器具を提案することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第10016187 B2(特許文献1)
【特許文献2】US20210186309 A1(特許文献2)
【特許文献3】US20200305906 A1(特許文献3)
【特許文献4】US10441371B2(特許文献4)
【発明の概要】
【0011】
第1の局面では本発明は、内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアームであって:近位端と遠位端を有する管状部材であって、遠位端は、外科用エンドエフェクタを取り付けるのに適し、管状部材は弾性材料で作られる、管状部材と;近位端から管状部材の内部に延在するワイヤであって、ワイヤは、管状部材の遠位端および管状部材の側面に取り付けられ、管状部材は、長さ方向に曲率を有することができるワイヤと;を有し、管状部材の遠位端がワイヤによって引っ張られると、曲率が変化し、そして弾性材料の弾性は、遠位端の引っ張りを解放したときに曲率の変化が逆転するように管状部材に付勢を与える、ことを特徴とする内視鏡外科手術に使用するための操縦可能なアーム、を提案する。
【0012】
有利には、本発明は、引張力を解放することにより付勢が発現し、操縦可能なアームを静止状態の形状に戻す可能性を提供する。これにより、従来技術の操縦可能な技術における第2のワイヤが余剰になる。この1線式アプローチは、一方のワイヤを引くことと他方のワイヤを解放することとの間の追加の調整を必要とする従来技術の2線式アプローチよりも容易であり、他の部品またはワイヤのための操縦可能アーム内のスペースを節約する。
【0013】
管状部材は、中身の詰まった壁を備える管である必要はなく、必要な特徴および機能を提供するループのコイルなどの任意の細長い部材であってもよい。
【0014】
好適には、管状部材は、管状部材の軸に沿って第1の側と第2の側を有し、第1の側は第2の側よりも比較的圧縮しやすく、記第2の側は、第1の側に比べて比較的圧縮しにくく、ワイヤが取り付けられる管状部材の側が第1の側であり、そしてワイヤが引っ張られると、第1の側が圧縮されて、管状部材の曲率が変化する。有利なことに、第1の側のより大きな圧縮率は、第2の側の曲げおよび屈曲に適応し、操縦可能なアーム全体が曲げおよび可撓することを可能にする。第1の側のより大きな圧縮率と第2の側のより小さな圧縮率は、第1の側と第2の側を異なる材料で作ることによって提供することができ、または構造設計によって提供することができる。
【0015】
好適には、操縦可能なアームはさらに第1の側の圧縮性を提供するために、第1の側にギャップをさらに備え、ワイヤの引っ張りにより、ギャップが近づき、第2の側が第1の側に向かって曲がることにより、管状部材の曲率が変化する。この特徴は、構造的に提供される圧縮性に関するものであり、管状部材の材料によって提供される固有の圧縮性を向上させる。
【0016】
好適には、操縦可能なアームはさらに、ワイヤの並進を案内するために管状部材の内側にワイヤガイドをさらに備える。
【0017】
好適には、管状部材は、静止状態では湾曲しており、管状部材に凹面と凸面が存在し、管状部材の凸面が第1の側である。有利には、これにより、第1の側の圧縮率がこれを可能にする程度まで、単一のワイヤで操縦可能アームを一方向の曲げから反対方向の曲げまで曲げることができ、平面を横切って操縦可能アームを揺動させる可能性がある。
【0018】
管状部材が内視鏡の生検チャネル内で使用される用途では、管状部材の湾曲により、同じ長さの湾曲しない直線状の操縦可能なアームと比較して、内視鏡の先端のカメラを標的組織の近くに配置できるという利点がある。また、湾曲によって操縦可能なアームの本体が内視鏡の視野の中心から離れた位置に配置されるため、カメラの視野が遮られることはない。
【0019】
好適には、管状部材は、螺旋状ループの管状コイルであり、管状部材の曲率は、第1の側のループの端が間隔を空けて配置されてギャップを形成し、そして第2の側の各ループの端は、隣接する各ループの端に当接し、ここで、第1の側と第2の側は、管状部材の反対側にある。当接端部は圧縮を防止し、操縦可能なアームを屈曲させるためのてこの作用を提供する。
【0020】
螺旋ループ構造の利点により、単一の元の管から操縦可能なアームを切断する可能性が得られ、経済的であり、連続構造を提供する。 これはまた、管状部材を構成する材料の剛性に依存して付勢を提供しながら、ループ構造の柔軟性を利用して操縦可能なアームを屈曲させる可能性も提供する。実施形態では、第1の側のループは、開いたり閉じたりできるリブとして説明され、第2の側は背骨として説明される。
【0021】
選択肢として、ループは、操縦可能なアームの異なる部分に異なる可撓性を与えるために、異なる部分に沿って異なる螺旋ピッチおよび/または間隔の変化を有する。
【0022】
好ましくは、遠位部分は近位部分よりも柔軟であり、操縦可能アームのより遠位部分に取り付けられたワイヤが引っ張られて、より近位部分が意図せず変形することを有利に防止する。これにより、他のより近位の部分の曲がりに影響を与えることなく、より遠位の部分の曲がりを制御できるようになり、操縦可能なアームの制御が向上する。
【0023】
好適には、ループは、管に少なくとも1つの螺旋状の切り込みを入れることによって作成される。
【0024】
好適には、操縦可能なアームはさらに第2の側の少なくとも1つのループの縁部に少なくとも1つのスリットをさらに備える。有利には、スリットにより背骨のある程度の伸縮が可能となり、可撓性が増大する。
【0025】
選択肢として、管状部材は、螺旋状ループの管状コイルであり、操縦可能なアームはさらに、それぞれが管状部材の対向側に沿って配置された2つの対向する連結継手の列を有し、各列の各連結継手は、それぞれの2つの隣接するループを回転可能に接続し、連結継手の対向する列は第2の側を提供し、管状部材は、当該管状部材の断面の中心に位置し、そして長さに沿った軸を有し、第1の側と第2の側は、管状部材の軸に対して互いに直交するように配置される。
【0026】
好適には、管状部材は単一の材料から製造され、管状部材は連続構造である(つまり、モノリシック構造のままである)。 例えば、単一の材料は単一の管である。 有利なことに、連続構造は、別個の部品を結合するために追加の接続または結合を必要とせずに、構造を構成する材料の固有の強度および剛性のみに全面的に依存する可能性を提供する。
【0027】
選択肢として、追加の構造的堅牢さを提供することにより第2の側の長さに取り付けられた細長いバネ片をさらに有し、細長いバネ片は付勢を強化する。
【0028】
好適には、管状部材は少なくとも2つのセクションを含み、それぞれの数のワイヤが近位端から管状部材の内側に伸長し、各ワイヤは各セクションの遠位端に取り付けられており、最も遠位のセクションの遠位端は管状部材の遠位端であり、各セクションは、管状部材の長手方向に曲率を有することができ、各セクションの遠位端がそれぞれのワイヤによって引っ張られると、各セクションの曲率が変化し、 ここで弾性材料の弾性は、各セクションの遠位端の引っ張りを解放したときに各セクションの曲率変化が逆転するように、管状部材に付勢を与える。
【0029】
有利なことに、各セクションは、異なる運動平面に寄与することができ、これにより、操縦可能なアームの遠位端の運動の自由度が向上する。
【0030】
好適には、少なくとも2つのセクションのそれぞれの曲率の変化は、異なる平面内にある。
【0031】
好ましくは、異なるセクションのワイヤを引っ張るときのセクション間の機械的結合効果を低減するために、操縦可能アームの近位端近くに位置するセクションがより大きくなるように、各セクションの剛性が異なる。
【0032】
一般的に、操縦可能なアームは伝達管の遠位端に配置され、伝達管にはワイヤが通されるチャネルが含まれ、ワイヤの近位端は、ワイヤを引っ張るためのノブおよび/またはレバーに接続され、管状部材の遠位端が伝達管の近位端のワイヤによって引っ張られると、曲率が変化する。
【0033】
第2の局面では本発明は中空管を内視鏡外科手術に使用する操縦可能なアームに作製する方法であって、以下のステップを含む方法を提案する:a)近位端と遠位端を有する中空管を提供するステップであって、遠位端は、外科用エンドエフェクタを取り付けるのに適し、中空管は弾性材料で作られている、ステップと;b)中空管を円周方向および管の長さに沿って切断して、螺旋状の切り込みを入れるステップであって、螺旋状切り込みは、中空管の少なくとも片側に沿ってギャップを生成する、ステップと;c)中空管の近位端にワイヤを挿入するステップと;およびd)ワイヤを中空管に取り付けるステップであって、取り付けは:i)管のギャップがある側;そしてii)ワイヤがギャップを越えて伸長するように、近位端から非常に遠位にある、ステップ。
【0034】
中空の管全体を切断して操縦可能なアームを形成すると、操縦可能なアームが連続構造を持つ可能性が得られる。
【0035】
この方法により、管の直径に合わせて材料の単一管を事前に選択し、内視鏡のチャネル寸法に合わせて操縦可能なアームの寸法を調整することができる。 対照的に、異なる部品を一緒に組み立てることに依存する従来技術の方法では、小型の操縦可能なアームを製造することはより困難である。
【0036】
好適には、方法はさらに中空管を曲げた位置に保持するステップと;塑性変形や熱処理によって、中空管に対し静止状態での曲がりを記憶させるステップと;をさらに有する。
【0037】
好適には、方法はさらに隣接するループと結合するためのカプラを各ループ上に残すように中空管を切断するステップをさらに有する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の可能な構成を示す添付図面を参照して本発明をさらに説明すると便便利である。図面中、同様の整数は同様の部材を指す。 本発明の他の実施形態も可能であり、従って、添付図面の特殊性が本発明の前述の説明の一般性に取って代わるものとして理解されるべきではない。

図1-2】比較のための従来技術を示す図である。
図3-4】図3は、本発明の一実施形態を含む装置を示す図である。図4は、内視鏡とともに使用されている図3の装置のうちの2つを示す図である。
図5】一実施形態を示す拡大図であり、図4に示す図の一部である。
図5a】鉗子を取り付けた図5の実施形態を示す図である。
図5b】電気外科用ナイフが取り付けられた図5の実施形態を示す図である。
図6図5の実施形態に対応する、プロトタイプの内視鏡のカメラによって撮影された写真である。
図7図5に見られる実施形態のより具体的な実施形態を示す図である。
図8図7の実施形態の動作の概略図である。
図9図7の実施形態の製造の概略図である。
図10図7の実施形態の一部を示す図である。
図11図7の実施形態の一部を示す図である。
図12-13】図12は、図7の実施形態に代わる実施形態を示す図である。図13は、図12の実施形態の別の角度から見た図である。
図14図12の実施形態の代替の実施形態を示す図である。
図15図12の実施形態の変形例を示す図である。
図16図7の実施形態に基づく実施形態を示す図である。
図17図16の実施形態の製造の概略図である。
図18図16の実施形態の技術図である。
図19図16の実施形態がどのように動作するかを示す概略図である。
図20】別の実施形態の動作を示す図である。
図21図20の実施形態の変形例を示す図である。
図21a図20の実施形態の別の変形例を示す図である。
図22図7の実施形態の変形例を示す図である。
図23図22の実施形態の製造の概略図である。
図24図22の実施形態がどのように動作するかを示す図である。
図25図7の実施形態における可能な特徴を示す図である。
図26図25の特徴の変形を示す図である。
図27】本発明のより一般的な実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、比較のための従来技術を示す。 従来技術は、内視鏡手術で使用できる操縦可能なアームである。 この操縦可能なアームは、入れ子状に湾曲したセグメントで構成されており、伸縮自在に伸ばすことができる。 最も薄い部分の端は最も遠くまで伸びることができ、一対の鉗子やジアテルミーナイフなどのエンドエフェクタで固定される。 各セグメントは、目標領域に到達するために、完全にまたは部分的に拡張して、操縦可能なアームの全体的な曲がりに貢献できる。 操縦可能なアームの曲げは、ワイヤを引っ張ることによって実現されるものではない。
【0040】
図2は、従来技術の別の操縦可能なアームを示す。 この操縦可能なアームは、一般に、細長い部材の側面から切り取られた一連の部分を有する細長い部材201である。 細長い部材内の2本のワイヤは、細長い部材の遠位端の両側に固定されている。 細長い部材を片側に曲げるには、作動と拮抗のワイヤのペアとして、一方のワイヤを引っ張り、もう一方のワイヤを解放する必要がある。
【0041】
図3は、内視鏡400とともに使用するための可撓性外科器具300である本発明の実施形態を示す。
【0042】
可撓性外科用器具300は、可撓性外科用器具300の長さの大部分を占める伝達管307を備える。伝達管307の遠位端303には、操縦可能なアーム301が取り付けられる。 操縦可能なアーム301の先端には、鉗子、ジアテルミーナイフ、注射針、縫合器具などの可撓性外科器具300の機能を決定する外科用エンドエフェクタ403(図4の挿入図を参照)が取り付けられている。
【0043】
図4は、2つの可撓性外科器具300が挿入された内視鏡400を示す。内視鏡400は、口または肛門を通して消化器(GI)管内に延ばすことができ、ビューを提供するため、管内の標的位置に到達するように操作されうる光学器具である。 内視鏡400は、その近位端に接続されたビデオディスプレイと、遠位端411上の広い視野を有する光源およびカメラを備え得る。カメラからビデオディスプレイへの画像伝送は、光ファイバーシステムまたはセンサーチップシステムによって提供され得る。
【0044】
消化管処置用の内視鏡400は通常1mを超える。 2つの生検チャネルを有する内視鏡400の外径は、通常、1.2cmより大きい。 最も一般的なGI内視鏡400のコアには、通常、生検チャネル405または器具チャネルと呼ばれる、2.8mm~3.7mmの直径を有し得る1つまたは2つのチャネルが設けられる。 生検チャネル405は、内視鏡400の近位端にチャネル入口413を有し、内視鏡400の遠位端411にチャネル出口を有する。可撓性外科器具300は、チャネル入口を通して生検チャネル405に挿入することができる。 図4の内視鏡400は、2つの可撓性外科器具300のそれぞれに1つずつ、2つの生検チャネル405を有する。
【0045】
図5は、図4の図面挿入物の拡大図であり、カメラ501と内視鏡400の遠位端411のキャップ401上の光源503の例示的な配置を示す。カメラ501は手術部位、操縦可能なアーム301、およびエンドエフェクタ403のライブビューを提供し、外科医が操縦可能なアーム301を操作するのをガイドする。
【0046】
図5aは、その遠位端にエンドエフェクタとしての鉗子505が設けられた操縦可能なアーム301を示す。 図5bは、操縦可能なアーム301を示しており、その遠位端にはエンドエフェクタとしてジアテルミーナイフ507が設けられている。 注射針や縫合器具などの他のエンドエフェクタを操縦可能なアーム301の遠位端に取り付けて、アームの最終的な機能を決定することができる。
【0047】
図6は、カメラ501によって撮影され得る写真であり、それぞれエンドエフェクタ403が取り付けられ、組織に対して処置を行っている2つの操縦可能なアーム301を示している。 図6の2つの操縦可能なアーム301には、可撓性の外科用器具300が生検チャネル405に挿入されるときの摩擦を低減し、電気絶縁を提供する外側シースが取り付けられている。
【0048】
好ましい実施形態では、伝達管307および操縦可能なアーム301は、一般的なGI内視鏡400によって提供されるほとんどの生検チャネル405に適合するために、2.7mm以下の外径を有する。伝達管307の長さは変えることができる。 これは設計により決定され、可撓性外科用器具300が使用される内視鏡400の長さに依存する。
【0049】
操縦可能アーム301は、伝達管307内の少なくとも1つのチャネルに通されたワイヤを引っ張ることによって移動または曲げることができる。ワイヤの一部の遠位端は、操縦可能アーム301内の異なる部分に取り付けられている。 残りのワイヤのうちの1本はエンドエフェクタ403に接続される。
【0050】
可撓性外科用器具300の近位端305から突出するワイヤ309の端部は、内視鏡400の外側に位置するアダプタ(図示せず)に結合される。アダプタは、ノブ、プーリ、またはレバー(図示せず)を備え、ワイヤの端は別々に接続されている。 各ノブ、プーリ、またはレバーの回転または移動により、それぞれのワイヤが引っ張られる。 ワイヤの近位端を引くと、操縦可能アーム301が移動または屈曲し、またはエンドエフェクタ403が作動する。アダプタは、電子部品およびソフトウェアを介してロボット的に操作され、操縦可能アーム301およびエンドエフェクタ403の動きを制御することができる。
【0051】
手術では、外科医は内視鏡400を患者の体内に挿入し、内視鏡400を消化管内の所望の位置まで誘導する。 内視鏡400の近位端から延びるワイヤ309は、アダプタによって引っ張ったり解放したりすることができる。
【0052】
図7は、操縦可能アーム301の主要部分を示しており、これは、ループまたは螺旋状の金属リボンの管状コイル707に形作られた金属管である。 操縦可能アーム301は、静止しているときに曲がるので、凸面703と凹面701を有する。凹面701では、ループの端が閉じられ、各端は隣接する各ループの対応する端に当接する。 これは、凹面側701でのループの圧縮を防止する。これにより、管状コイル707の凹面側701に背骨が形成される。凸面側703では、ループの端が間隔を置いて配置され、これにより、背骨から延びるリブが形成される。 凹面側701上のリブの端は、背骨を伸縮させるために、互いに近づけたり、遠ざけたりすることができる。 操縦可能アーム301はフレキシブルで、真っ直ぐにすることができ、あるいは反対側に曲げることもできる。 しかしながら、金属は弾性材料であり、曲げ力が取り除かれると元の形状に戻るように操縦可能アーム301に付勢を与える。
【0053】
図8は、操縦可能アーム301の関節動作の一連の概略図である。図面は、操縦可能アーム301のコアを通って延び、操縦可能アーム301の中心部またはその近くのリブに接続された操縦可能アーム301を制御するためのワイヤ309の端部を示す。 ワイヤ309は、明瞭にするために実線として示されているが、熟練した読者であれば、ワイヤ309が操縦可能なアーム301の内側にあることによって大部分が見えないことを理解するであろう。 ワイヤ309は、結び目、圧着、またはワイヤ309がリブに固定されたままであることを保証する他の手段を介してワイヤ309の遠位端で、またはその近くでリブに固定することができる。 操縦可能なアームは、ループの螺旋で作成することも、管の側面に沿って切断されたセクションを有する管で作成することもできる。
【0054】
一番左の図は、静止状態にある操縦可能アーム301を示しており、背骨が凹面になるように曲げられている(図8a)。 リブは凸面側にあり、曲がりに合わせて広がっている。 ワイヤ309が引っ張られると、リブの一部が互いに接近し、背骨が屈曲したり真っ直ぐになったりする(図8b)。 ワイヤ309をさらに引っ張ると、リブは互いにさらに近づくように引っ張られ、操縦可能アーム301の曲率が反転し、元の曲げ方向から離れる方向に曲がる(図8c)。 引っ張りを解除すると、付勢が発現し、操縦可能アーム301を静止状態の形状に戻すことができる。 この付勢により、操縦可能なアームを元の静止状態に戻すための2番目のワイヤが余剰になる。
【0055】
したがって、操縦可能アーム301は、平面内で、一方向の屈曲から別の方向の屈曲に移動することができる。 これにより、操縦可能アーム301上のエンドエフェクタ403が組織を操作できるようになる。 この1線式アプローチは、一方のワイヤを引くことと他方のワイヤを解放することとの間の追加の調整を必要とする従来技術の2線式アプローチよりも容易である。 また、第2のワイヤの存在により、操縦可能アーム301内のスペースが占有されることになる。
【0056】
図9は、操縦可能アーム301が製造される好ましい方法を概略的に示す。 まず、超弾性材料で作られた管901が用意され、この管901は、操縦可能アーム301が使用されることが予想される内視鏡400の生検チャネル405を通って送られるのに十分に小さい直径を有する。 一般に、汎用用途には直径 2.7mm 以下が好ましい。 後続の伝達管307も同様に小さな直径を有しており、生検チャネルを通ることに問題はない。 超弾性材料とは、大きな変形が可能であり、外部応力が除かれた時に、すぐに元の変形のない形状に戻ることができる材料であり、例えば、ニチノール(ニッケルチタン)や次の合金を含む: Cu-Zn、Cu-Al-Ni、 Au-Cd、Au-Cu-Zn、In-Tl。
【0057】
図9aに示すように、管901を管901の長さに沿って螺旋状に切断して、管901を管状コイル707に作製する。この切断は、例えばレーザー切断、コンピューター数値制御 (CNC) フライス加工などの精密機械加工、またはその他の手段によって行うことができる。 図9は、管901を切断するために使用されるレーザー源903を示す。
【0058】
管901の側面に他の切り込みを入れて、各ループの一部907をスライスして除去する。 これにより、管901のその側の2つの隣接するループごとにギャップ905が形成され、リブ909が形成される(図9b)。 ギャップ905により、リブ909が互いに接近し、リブ側への背骨911の曲がりに適応することができる。 また、リブ909は、背骨911の背骨側への曲がりに適応するために、さらに離れるように移動することができる(図9c)。 背骨911を形成する管901のもう一方の側は、ループ間の隙間905を最小限にして切断される。
【0059】
螺旋状の切断が、背骨911となる管901の側面を含む、管901の全周にわたって行われることに留意されたい。したがって、背骨911上のループの端も切断され、分離される。 ただし、各ループの背側の端は、隣接する各ループの端と隣接している。 当接部は、ワイヤ309を引っ張ることによって操縦可能アーム301が屈曲するときの背骨911の圧縮を防止する。
【0060】
選択肢として、他の実施形態では、管901の片側のみを切断して、全周にわたって螺旋状の切断を行わずに、リブ909を形成するギャップ905を設けることができ、その結果、背骨911を形成する管901の側は一体型のままであり、一切の切断は行われない。
【0061】
選択肢として、その後、操縦可能アーム301を所望の形状に保持し、材料にその形状を記憶させるために熱処理または塑性変形させる。
【0062】
図10および図11は、リブ909および背骨911の技術図であり、背骨911は曲がっていない状態で示されている。 図10の左側の図は、操縦可能アーム301の外観イメージを示し、図10の右側の図は、h-h でマークされた方向からの対応する断面図である。 図11の左側は、j-j 方向の断面画像であり、図11の右側は、対応する操縦可能アーム301の外観を示す。
【0063】
螺旋パターンは、螺旋ピッチ(L)、間隔の変化(M)、巻き数、カットの厚さ、カットの形状、スロットの位置とサイズを変更するために変更できる。 これらのパラメータは、背骨911の曲げのプロファイル、可動範囲、および剛性を変更するために調整することができ、外科用途の要件に従って選択することができる。 したがって、事前湾曲の範囲および形状は、器具のエンドエフェクタ403の特定の迎え角などの異なる外科的要件を満たすように変更することができる。
【0064】
操縦可能アームの剛性、柔軟性、弾力性は、ギャップとループの構造を変えることで調整できる。 たとえば、ループが厚い場合、操縦可能なアームの柔軟性は低くなり、硬くなる。 あるいは、ループが狭い場合、操縦可能なアームの柔軟性が高くなる。 ループ間のギャップのサイズ、各ギャップの幅、ギャップの傾き(螺旋ピッチ)、ギャップの近さはすべて、柔軟性と復元力に影響を与える可能性がある。 一般に、ギャップが大きくなり、ループの密度が高くなるほど、管の変形性や柔軟性が高くなる。 操縦可能アームがループのコイルではなく、管の側面に沿って管内にスライスされたギャップを有する単なる管である実施形態においても、ギャップの同じ変化は、管の可撓性の同様の変化を生じさせることができる。 したがって、遠位端をより細かく切断して、より細かいループまたはより多くの切り欠き部分を設けるだけで、遠位端でより柔軟性があり、近位端でより柔軟性が低い操縦可能なアームを製造することが可能である。 端には、細かくカットされたループやカットアウト部分が少なくなる。 有利には、これにより、操縦可能アームのより遠位部分に取り付けられたワイヤが引っ張られて、より近位部分が意図せず変形することが防止される。 これにより、遠位端が近位端よりも制御感度を失うことがなくなり、操縦可能なアームがより器用になる。
【0065】
操縦可能アーム301は、連続構造を提供する単一の金属体から製造される。 連続構造とは、別々ではあるが接続された関節間の動きではなく、実際に材料を変形させることによって一体化され、連続的に曲がるものを指す。 言い換えれば、連続構造は通常、単一の材料で作られる。 さらに、連続構造には、高い応力集中を引き起こす可能性のある鋭い折り目や折り曲げがなく、連続構造の側面は徐々に湾曲または直線になるだけである。 このようにして、材料の分子構造または元素構造は、連続構造に強度、剛性、弾性および柔軟性を与えることができる。
【0066】
連続構造は、別々の部品を操縦可能なアーム301に組み立てる必要を回避し、操縦可能な器具が複雑な個々の部品または相互接続ジョイントの労働集約的な組み立てを必要とし、部品の複雑さが結果として影響を与える可能性がある従来技術に見られる課題を克服する。 さらに、これにより、製造時間、複雑さ、およびコストも削減される。 この実施形態とは対照的に、個別の部品から構成される従来技術の操縦可能なアームは、位置の記憶を保持するために個別の部品を加熱することができないため、静止状態で曲げることができない。 さらに、連続構造で使用される材料は、手術環境で組織を後退/持ち上げるために十分な強度および剛性を操縦可能アーム301に与えることができるが、別個の部品からなる組み立てられた構造では、そうするために材料の強度を利用することができない。
【0067】
好ましくは、ワイヤ309を案内するためのアイレット2201(図22を参照)がリブの内面に設けられる。 アイレットは、ワイヤ309の軸方向の並進を可能にして背骨911の作動を促進し、また、ワイヤ309を操縦可能なアーム301の内側に対して拘束する。アイレットは、別個に製造され、操縦可能なアームと一緒に組み立てられる追加の部品として提供されてもよい。
【0068】
図12は、連結継手1201が隣接するリブ909ごとに設けられ、リブ909が径方向に広がるか滑動するのを防止し、あるいは操縦可能なアームの長軸周りのねじれを防止する第2の実施形態を示す。 図13図14は、図12 のバージョンが静止状態で曲がるように付勢されて示されていることを除いて、図12に対応している。
【0069】
連結継手1201は、操縦可能アーム301の両側に設けられているものとして図13aに示される。リブ909の縁は、湾曲部の凸面側でも凹面側でも離間している。 したがって、前述の実施形態とは異なり、背骨は、凹面側で隣接するリブによって画定されない。 代わりに、背骨は、リブ909が圧縮されるのを防止する連結継手1201によって画定され、連結継手1201が操縦可能アーム301の長さに沿って列状に配置され、連結継手1201がその周囲を中心とする枢軸を提供する。リブ909は回転することがあり、背骨はどちらかの側に曲がることがある。 換言すれば、リブ909と背骨とは、管901の軸に対して直交するように配置されている。
【0070】
連結継手1201は、ジョイントの回転面の外側での曲げまたはねじれを最小限に抑え、リブ909を形成するループが緩んだり半径方向に拡大したりするのを防ぐ。 一般に、連結継手1201は、操縦可能アーム301が曲がったときに元の形状に戻るための追加の剛性を操縦可能アーム301に提供しない。 弾性および付勢は、操縦可能アーム301を構成する材料の選択、および操縦可能アーム301が連続構造であることによって依然として提供される。
【0071】
ワイヤ309(この図には示されていない)は、操縦可能アーム301内に延在し、最も遠位のリブ909の1つの縁に固定されており、その縁はリブ909の凸面側の部分にある。 ワイヤ309を引っ張ると、それぞれの連結継手1201の周りで各リブ909を回転させ、操縦可能なアーム301を曲げることによって、リブ909を関節運動させることができる。曲げることは、単にアームの曲率を変化させることを意味する。 曲げるということは、腕を真っ直ぐな構成から曲げること、または腕を曲げた構成から真っ直ぐにすることを意味する場合がある。 背骨の凸面側のリブ909の端は閉じ、凹面側のリブ909の端は開く。 ワイヤ309をさらに引くと、屈曲が逆転し、操縦可能アーム301が反対方向に屈曲する(図示せず)。 操縦可能アーム301は、ワイヤ309の引っ張りを解除すると、記憶された形状に自然に戻る。
【0072】
この実施形態も、ニチノールの単一管を切断することによって作られる。 管の一部を切り取って、間隔をあけた螺旋状ループのコイルを作成し、これらのループは操縦可能アーム301のリブ909を形成する。しかしながら、切り欠きは各リブの片側に雄型連結継手の形状を残す。 この場合、「側面」は管全体の側面を指すのではなく、コイルの各リブ909の側面を指す。 図に示される各リブ909の下側の雄型連結継手は、隣接するリブの上側の雌型連結継手と嵌合する。 管から切断された後、操縦可能アーム301は、すべての連結継手1201が嵌合された状態で所望の曲がりに保持され、曲がりを記憶するために熱処理される。
【0073】
この実施形態のいくつかの変形例では、連結継手の背骨の周りの管の両側をそれぞれワイヤで固定することができ、1本のワイヤで管をいずれかの側に曲げることができる。 これらの変形例では、管は事前に湾曲されていてもよいし、湾曲していなくてもよい。 もちろん、あらかじめ湾曲した弾性管を使用すると、1 本のワイヤだけで管を反対側に曲げることができ、弾性による付勢によって元の形状に戻る。
【0074】
図14は、雄型連結継手1401と雌型連結継手1403を別個に示しており、嵌合されておらず、それぞれが隣接するリブ909の対向側に設けられている。雄型連結継手1401は、丸い頭がついたネックを備えており、嵌合することができる。 雌連結継手1403は、丸いギャップを画定するジョーを備える。 丸いジョーは、リブ909が関節運動することを可能にするために、丸い頭の周りを回転することができる。 連続構造の製造中に、雄型連結継手とメス型連結継手はすでに結合されており、図14は説明のみを目的としていることに注意されたい。
【0075】
有利なことに、図12の実施形態は、連続装置の利点(異なる部品を組み立てることのない一体型装置は、製造の単純さ、小型化の容易さ、管の材料および/または構造に基づいて選択可能な剛性、コンプライアンスによる固有の拮抗力を提供する)と、継手ベースの曲げセグメントの利点(軸方向の圧縮や面外曲げを最小限に抑えるための機械的拘束など)を組み合わせる。
【0076】
図15は、より単純化された設計の連結継手のバリエーションを示している。 この場合、雄型連結継手1401は、首のない単に小さく丸い頭であり、雌型連結継手1403は浅い受け台である。オスの連結継手にはネックがないため、メスの連結継手がオスの連結継手の頭を引っ掛ける必要はない。
【0077】
これまで説明した実施形態は、1つの移動面内のみで曲げたり伸ばしたりすることができる。 複数の運動面を提供するために、実施形態はモジュール式に考えることができ、より大きな操縦可能アーム301の異なる部分として同じニチノール管から異なる部分に切断することができる。したがって、図16は単一の管で作られた操縦可能アーム301を示す。 これは、図7のものと同様に、2つの管状コイル707が直列に接続されるように切断されている。2つの管状コイル707は、同じ軸を共有しているが、各部品を異なる平面で曲げることができるように角度がずれている。
【0078】
したがって、管の上部1601(図示の上部)の背骨911は一方向を向き、一方、底部1603の背骨911は異なる方向を向く。 上部1601は、1つのワイヤ309によって作動して第1の平面内で曲げて移動することができ、一方、底部部分1603は、別のワイヤ309によって作動して第2の平面内で曲げて移動することができる。 上部1601が下部1603から延在するため、下部1603を移動させると上部1601も移動する。これにより、外科医は操縦可能アーム301上でエンドエフェクタ403を方向付ける際により大きな自由度が得られる。
【0079】
実施形態における「同軸」という意味は、軸が真っ直ぐであることを必要としないことに留意されたい。 軸は、操向アーム301の屈曲形状に沿って湾曲しており、連続している。
【0080】
図17は、複数のセクションを有する操縦可能アーム301の製造方法を示す。 図17aは、最初に管901全体に沿って、およびその周囲に螺旋状の切断がどのように行われ、ループの管状コイル707を生成するかを示している。 続いて、図17bに示すように、管状コイル707の側面にさらなる切り込みを入れて、上部の各ループの一部を除去する。 これにより、ループ間にギャップ905が形成され、リブ909が形成される。このようなさらなる切断は、管の底部にも行われるが、管状コイル707の異なる側にも行われる。その結果、底部の背骨911が形成される。 したがって、上部は図17cに示すように一方向に曲がることができるが、下部は図17dに示すように別の方向に曲がることができる。 図18は、底部1603の背骨911とは異なる側にある上部1601に背骨911を設けるために切断された管の技術図である。最後に、上部1601は、所望の形状に曲げられた状態で保持され、底部1603は、別の所望の形状に曲げられた状態で保持され、全体の形状を記憶するために熱処理(図示せず)が行われる。
【0081】
上部の背骨と下部の背骨がまったく逆の方向に曲がるように管を切断することは任意であるが、これは、上部と下部の両方が同じ平面内で、反対方向であっても曲がることを意味する。 あるいは、その代わりに上部の背骨と下部の背骨は、軸に沿って角度的にオフセットされる。
【0082】
図19は、図16の実施形態がどのように動作するかを概略的に示す。 図において、操縦可能アーム301の上部1601は、停止時に図の左方向に曲がるように作られている。 下部1603は静止時に右に曲がるように作られている。 その結果、操縦可能アーム301は、逆S字のような形状を有する。操縦可能アーム301の上部1601の曲率は、操縦可能アーム301の内部に延在し、固定されている1本のワイヤ309を引っ張ることによって減少させることができる。 さらに引っ張ると、湾曲はリブ側に向かって反転することができる。
【0083】
同様に、ワイヤ309を引っ張ると、下部1603を真っ直ぐにすることができる。 ワイヤ309をさらに引っ張ると、湾曲はリブ側に向かって逆になることさえある。 この場合、ワイヤ309は、操縦可能アーム301の内部に延在し、下部の遠位部分の近くのリブの1つ、または選択肢として上部の最近位部分に固定される。 これは、上部1601の近位部分が始まるところで、下部1603の遠位部分が終わるからである。 したがって、下部1603の最も遠位のリブは、上部1601の背骨911のすぐ下のリブである。
【0084】
両方のワイヤ309を完全に引っ張ると、操縦可能アーム301の逆S字形が反転し、操縦可能アーム301の上部1601と下部1603の両方のリブがすべて閉じられる。
【0085】
図20は、前の実施形態から構成される異なる部分を含む別の実施形態を示す。 図20の実施形態を製造するには、同じ金属管の異なる部分が異なる方法で切断され、各部分が異なる平面で曲げることができる。 対応する数のワイヤが操縦可能アーム301のチャネル内に設けられ、各ワイヤ309はそれぞれのセクションの遠位端に取り付けられ、そのセクションの曲がりを制御する。
【0086】
図面の左側の図20aは、静止状態にある操縦可能アーム301を示す。 右側の図20bは、それぞれのワイヤ309の作用によって各部品が移動または曲げられるさまざまな方向を示している。
【0087】
図20の操縦可能アーム301には4つの部分2001、2003、20005、2007がある。操縦可能アーム301の第1の遠位部分2001は、図12の実施形態と同様に作られる。この第1の部分のすぐ下に第2の部分2003および第3部2005があり、それらは合わせて図16の実施形態に対応する。
【0088】
第1の部分2001と第2の部分2003は、第1の部分2001が第1の平面2009内で曲がることができる一方、第2の部分2003が第1の平面に対してある角度をなす第2の平面2011内で曲がることができるように、軸方向にオフセットされている。 第2の部分2003および第3の部分2005も、第3の部分2005が第2の平面2011に対してある角度をなす第3の平面2013内で曲がることができるように軸方向にオフセットされている。したがって、3つの部分2001、2003、2005は、異なる平面2009、2011、2013内で移動することができ、3つの動き自由度を提供する。
【0089】
図示されているように第3の部分2005の下にある第4の部分2007は、溶接、接着、または機械的などを含む様々な方法によって取り付けることができる、伝送管307上の対応するカプラに取り付けられるカプラである。 伝達管が内視鏡の近位端でねじられると、カップリングによって操縦可能なアーム301が回転できるようになり、さらにある程度の動きが追加される。
【0090】
図21は、図20の実施形態の変形例を示す。操縦可能なアームの主要セクションは、図16に示す実施形態を備え、その両端には、図12の実施形態が設けられる。近位端には、実施形態を伝送管に接続するカプラが設けられる。 したがって、この操縦可能なアーム301は、カプラから延びる4つの異なるセクションを有し、それぞれが異なる平面で曲がることができる。
【0091】
図21aに示されるさらに別の実施形態では、この実施形態は、底部にカプラを備え、その上に図12の実施形態に従って作製される第2のセクションが続き、その上に図16の次の2つのセクションの実施形態が続く。エンドエフェクタは、図16の実施形態の遠位端によって使用される。 この実施形態では、2つの部分のギャップがより大きいため、2つのセクションの部分は第2のセクションよりも柔軟である。 同様に、図15の実施形態は、可撓性の低い近位セクションに接続された、より可撓性の高い遠位セクションを有する。
【0092】
図22は、図7の実施形態における背骨911に開いたスリット2203が設けられたさらなる実施形態を示す。スリット2203は、操縦可能アーム301の全周にわたって作られるのではなく、背骨911にのみ操縦可能アーム側から切り込まれる。 好ましくは、スリット2203は、背骨911から薄い部分を除去することによって提供される。スリット2203は、構造的にニチノールの抵抗を低減し、ワイヤ309がリブ側を引っ張るときに背骨911がより容易に真っすぐになることを可能にし、その結果、 動的パフォーマンスが向上する。 この場合でも、背骨911は、スリット2203にもかかわらず、圧縮にかなり抵抗することに留意されたい。選択肢として、実施形態の遠位部分に、より多くの切り込みを入れて、遠位部分を近位部分よりも柔軟にすることができる。
【0093】
図23は、レーザー903で管901を螺旋状に切断してリブを設けるプロセスを示している。 図23aに示す螺旋状の切断は、管901の全長に沿って一度に行われるわけではない。 螺旋を管901の全長に沿って一度に切断すると、得られるループの管状コイルは薄っぺらすぎて、背骨にスリットを入れることができないであろう。 代わりに、毎回管の短いセクションだけを螺旋状に切断し、すぐに背骨となる管の側面を浅くスライスする。 その後、最初の螺旋カットが終了したところから継続して次の螺旋カットを行いる。 図23cは、管が満足に切断された後、得られた操縦可能アーム301が所望の形状に曲げられ、その形状を記憶するために熱処理される様子を示しており、背骨が凹面側にあり、リブが凸面側にある。
【0094】
図24は、図22の実施形態がどのように動作するかを示している。 図24(a)は、図22の操縦可能アーム301の休止状態を示す。図24(b)は、真っ直ぐに伸び、スリットが開いた操縦可能アーム301を示す。 図24 (c)は、背骨のスリットがさらに開いた状態で、曲げが反転されて反対側に曲がっているところを示している。
【0095】
図25は、図7の実施形態の変形例を示しており、背骨911の剛性は、背骨の内面に、硬いが湾曲した金属片などの補強要素2501を取り付けることによって強化されている。 補強要素は、最も遠位のリブ909の引っ張りが解放されたときに背骨911の形状を迅速に復元するのに役立ち、これにより、伝達応答時間が改善され、機械的ヒステリシスが低減される。 補強要素2501は、バネとして考えることができる。 補強要素は、ワイヤ309を作動させるときに背骨911を真っすぐにすることができるように十分な可撓性を有する。この実施形態では、ワイヤは、すべての場合にワイヤガイドがワイヤの移動をガイドするために提供される必要がないことを示すために、操縦可能なアームの曲線に従うように描かれていない。
【0096】
図20の実施形態における背骨911の異なるセクションには、それぞれそのような補強要素を設けることができる。
【0097】
図26は、さらに別の実施形態を示しており、補強要素のストリップ2501は、非常に可撓性材料で作られていないが、補強要素の両端にはバネ2601が設けられている。バネ2601は、補強要素の内側の適切な位置に固定されている。 バネ2601は、操縦可能アーム301が曲がるときに伸張することができる。 しかしながら、バネ2601は、操縦可能アーム301の付勢を強化し、最も遠位のリブ909の引っ張りが解放されると、記憶された形状を迅速に復元する。 これにより、伝達応答時間が改善され、機械的ヒステリシスが減少する。すなわち、ワイヤ309の引っ張りの影響が操縦可能アーム301においてより容易に見られ得る。
【0098】
操縦可能アーム301の応答性をさらに改善するために、操縦可能アーム301に接続されたすべてのワイヤ309に予め張力を与えることが好ましい。 すなわち、すべてのワイヤ309は、使用に備えてピンと張って引っ張られ、その結果、操縦可能アーム301のセクションは、ワイヤ309をさらに引っ張るとすぐに移動できるようになる。もしワイヤ309に予め張力が与えられず、たるんでいると、バックラッシュが発生する可能性があり、その結果、操縦可能アーム301がワイヤの引っ張りに応答する前に遅延が発生することになる。
【0099】
図27は、より一般的な実施形態を示しており、操縦可能アーム301は、 x でマークされた軸の一方の側でより弾性があり、 y でマークされた軸の他方の側でより剛性である中空の細長い部材2701を備える。 細長い部材は、静止時により剛性の高い側に向かって永久に曲がるように、成形、鋳型成形、または熱処理される。 中空の細長い部材の材料は、静止しているときは曲がったままであることができるが、適切な力を加えることによってまっすぐにしたり、逆に曲げたりするのに十分な弾性を有している。 前の実施形態と同様に、屈曲部の曲率および偏りにより、1本のワイヤ309を使用して操縦可能アーム301を平面上でスイングさせる可能性がもたらされる。 中空の細長い部材は、各ポリマーが中空の細長い部材の側面を形成するように共押出される2つの異なるポリマーから作製され得る。 この場合、凸面側には、操縦可能アーム301の遠位端がワイヤ309によって引っ張られたときに操縦可能アーム301が短くならないように、より剛性の高い材料を設けることができる。凹面側には、操縦可能なアーム301の屈曲に適応するためにより拡張可能な材料を設けることができる。
【0100】
これまで、前述の実施形態は、湾曲した管の側面、つまり背骨から最も遠い側面に固定されたワイヤ309を有するものとして説明および図示されてきた。 これにより、リブを引き寄せて背骨を曲げる際に、より効果的なテコの作用が得られル。 しかしながら、ワイヤが湾曲した管の背骨側に固定されることは、この説明の意図の範囲内である。
【0101】
したがって、実施形態は、外科用ツールを操作するために内視鏡400で使用するための操縦可能なアーム301を含む。 遠位端は、外科用エンドエフェクタを取り付けるのに適している。 管状部材は弾性材料で作られ、ワイヤ309は、近位端から管状部材の内部に延在する。 ワイヤは、管状部材の遠位端および管状部材の側面に取り付けられる。 管状部材は、長さ方向に曲率を有することができる。 管状部材の遠位端がワイヤによって引っ張られると、曲率が変化する。 材料の弾性は、遠位端の引っ張りを解除したときに曲率の変化が逆転するように管状部材に付勢を与える。
【0102】
以上の説明では本発明の好ましい実施形態について説明したが、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく、設計、構造、または動作の詳細において多くの変更または修正を行うことができることは、本技術の当業者には理解されるであろう。
【0103】
例えば、ループは管から切り出されたものとして述べられているが、いくつかの実施形態では、リブが湾曲した背骨の単なる延長部であり、一端が背骨に取り付けられ、他端が自由である片持ち梁の可能性がある。
【0104】
例えば、可撓性外科器具300は、経鼻内視鏡400または経尿道的切除鏡など、内視鏡400と同様の他の種類の装置とともに使用するように適合させることができる。 これらの装置が可撓性外科用器具300を挿入するための内部チャネルを有さない場合、可撓性外科用器具300用のチャネルを形成するために装置上を滑らせることができる追加のシースを作製することができる。
図1-2】
図3-4】
図5
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12-13】
図14
図15
図16
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図22
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図25
図26
図27
【国際調査報告】