(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】ロボットハンドヘルド手術器具システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 34/20 20160101AFI20240205BHJP
A61B 34/30 20160101ALI20240205BHJP
【FI】
A61B34/20
A61B34/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544117
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-20
(86)【国際出願番号】 US2022013115
(87)【国際公開番号】W WO2022159574
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507280594
【氏名又は名称】マコ サージカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】ボズング,ティモシー,ジェイ.
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AA22
4C130AB01
4C130AD05
(57)【要約】
本教示は、概して、手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステムを含み、ハンドヘルド手術ロボットシステムが、ハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に可動に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が手術ツールを支持するように構成されている、ツール支持体と、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、複数のアクチュエータが、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、複数のアクチュエータと通信する制御装置と、制御装置を複数のアクチュエータのそれぞれと接続するフレキシブル回路であって、フレキシブル回路が、ツール支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させられる間に制御装置と複数のアクチュエータおよび/または入力モジュールとの間の接続を維持するように配置されている、フレキシブル回路と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドヘルド手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
ツールを整列させるために前記ツールを前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるために前記ツール支持体を移動させるために前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータと通信している、制御装置と、
を備え、
前記ハンドヘルド部分が入力モジュールを含み、前記入力モジュールが、
トリガと、
トリガ位置を表す信号を出力するセンサであって、前記制御装置と通信している、センサと、
を含み、
前記ロボットハンドヘルド手術器具がさらに、
前記制御装置を前記入力モジュールに接続するフレキシブル回路と、
前記フレキシブル回路に張力を加えるように構成された付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動する間に前記フレキシブル回路に張力を加えるように構成された前記付勢部材を備える前記張力アセンブリによって前記フレキシブル回路がガイドされるように、前記フレキシブル回路が前記入力モジュールと接続されている、張力アセンブリと、
を備える、ロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項2】
前記張力アセンブリが、ルーティング部材を含む、請求項1に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項3】
前記ルーティング部材が、前記張力アセンブリに対して静止している、請求項2に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項4】
前記ルーティング部材が、ローラ部材である、請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項5】
前記フレキシブル回路が、プリント回路である、請求項1から4のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項6】
前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に向かう方向に移動させられるときに前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路におけるたるみを吸収し、かつ前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分から離れるように移動させられるとき前記フレキシブル回路が移動するためにより多くの利用可能な長さを有するように前記フレキシブル回路が前記付勢部材の力よりも大きな力を加えるように、前記付勢部材が、前記フレキシブル回路に対して力を加える、請求項1から5のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項7】
前記フレキシブル回路が、前記ルーティング部材の周囲にルーティングされておりかつ前記付勢部材と接触して配置されている、請求項3に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項8】
前記センサが、ホール効果センサである、請求項1から7のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項9】
前記入力モジュールと接続された前記フレキシブル回路が、調整ループを含み、前記調整ループが、ホームに位置において前記ツール支持体の長手方向ピボット軸線を中心に前記フレキシブル回路を配置し、前記調整ループが、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対してピッチ自由度において移動させられるときに拡張および収縮するように構成されている、請求項1から8のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項10】
手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、前記ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含む、ツール支持体と、
前記ツールを前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるために前記ツール支持体を移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、少なくとも1つのアクチュエータが、前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを相互接続しており、各アクチュエータがモータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび前記複数のアクチュエータの各モータと通信している、制御装置と、
前記ハンドヘルド部分に取り付けられた入力モジュールであって、
前記ハンドヘルド部分に対して可動なトリガと、
トリガ位置を表す信号を出力するトリガセンサと、
を含む、入力モジュールと、
前記制御装置から前記トリガセンサへ延びるフレキシブル導体と、
付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記ハンドヘルド部分と前記ツール支持体との間の前記フレキシブル導体におけるたるみを減じるために前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動する間に前記フレキシブル導体に対する張力を制御するように位置決めされている、張力アセンブリと、
を備える、ハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項11】
前記フレキシブル導体が、複数の回路リードを含むフレキシブル回路である、請求項10に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項12】
ツール支持体の一部が前記ハンドヘルド部分に向かう方向へ移動させられるときに前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路を緊張させ、かつ前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分から離れるように移動させられるとき、前記フレキシブル回路が移動するためのより多くの利用可能な長さを有するように前記アクチュエータアセンブリが前記付勢部材の力よりも大きな力を加えるように、前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路に対して力を加える、請求項11に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項13】
前記張力アセンブリが、ハウジングと、前記ハウジングに可動に結合された張力部材とを含み、前記張力部材が、前記ツール支持体と前記トリガセンサとの間で前記フレキシブル回路と接触することによって前記フレキシブル回路の一部に荷重を加えるように構成されている、請求項11に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項14】
前記張力部材がスイングアームであり、前記スイングアームが、第1の端部および第2の端部を含み、前記第1の端部が前記ハウジングと旋回可能に接続されている、請求項13に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項15】
前記付勢部材が、前記ハウジングと前記スイングアームとの間に位置決めされている、請求項14に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項16】
前記第2の端部における前記スイングアームが、ルーティング部材を含み、前記ルーティング部材が、前記スイングアームのピボット接続部とは反対に配置されている、請求項14または15に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項17】
前記ルーティング部材が、前記フレキシブル回路における抗力を減じるために前記スイングアームに対して回転可能である、請求項16に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項18】
前記フレキシブル導体が、前記付勢部材が前記スイングアームを介して前記フレキシブル導体に力を加えるように前記ルーティング部材の周囲にルーティングされている、請求項16または17に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項19】
前記張力アセンブリが、前記ハウジング内にガイド部材を含み、前記ガイド部材が、前記スイングアームの移動に対して同心の湾曲を有する、請求項18に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項20】
前記付勢部材が、前記スイングアームの移動中に前記付勢部材をガイドするために前記ガイド部材の周囲に配置されている、請求項19に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項21】
前記張力アセンブリが、複数のルーティング部材を含み、前記複数のルーティング部材が、少なくとも1つの固定されたルーティング部材と、前記付勢部材に結合された少なくとも1つの張力部材とを含む、請求項16から20のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項22】
前記複数のルーティング部材が、その周囲に前記フレキシブル導体がルーティングされている非線形経路を形成している、請求項21に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項23】
前記非線形経路が、前記複数の自由度の間で移動しながら変化させられる、請求項22に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項24】
前記少なくとも1つの固定されたルーティング部材が、前記フレキシブル導体における抗力を減じるために軸線を中心に回転するローラ部材である、請求項22または23に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項25】
前記センサが、ホール効果センサである、請求項10から24のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項26】
前記フレキシブル導体が、調整ループを含み、前記調整ループが、ホーム位置において前記ツール支持体の長手方向ピボット軸線を中心に前記フレキシブル導体を配置し、前記調整ループが、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対してピッチ自由度において移動させられるときに拡張および収縮するように構成されている、請求項10から25のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項27】
センサに磁気分離を提供するための構成要素を含む、手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含み、前記ツール駆動モータが前記ツール支持体に取り付けられている、ツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、前記複数のアクチュエータの各アクチュエータが、アクチュエータハウジングと、前記アクチュエータハウジングに可動に結合されたリードねじとを含み、前記アクチュエータハウジングおよび前記リードねじのうちの一方が磁石を含み、前記アクチュエータハウジングおよび前記リードねじのうちの他方が、前記アクチュエータの位置を検出するためのアクチュエータセンサを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するリンク機構であって、前記リンク機構の少なくとも1つの構成要素が強磁性材料から形成されている、リンク機構と、
前記ハンドヘルド部分に取り付けられた入力モジュールであって、前記ハンドヘルド部分に対して可動なトリガを含む、入力モジュールと、
を備え、
前記ハンドヘルド部分および前記トリガのうちの一方がトリガ磁石を含み、前記ハンドヘルド部分および前記トリガのうちの他方が、トリガ位置を表す信号を出力するように構成されたトリガセンサを含む、ハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項28】
前記リンク機構の前記強磁性材料が、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および100よりも大きい最大相対透過性を有する、請求項27に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項29】
前記リンク機構が、シャフトと、前記シャフトを受容するように構成されたスリーブと、を備え、前記リンク機構が、前記シャフトが前記スリーブに対して軸方向にスライドすることを可能にするように構成されており、前記シャフトが、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および100よりも大きい最大相対透過性を有する強磁性材料から形成されている、請求項27に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項30】
前記リンク機構が、少なくとも1つの自由度において前記ハンドヘルド部分に対する前記ツール支持体の移動を制約するように構成された形式で前記ツール支持体および前記ハンドヘルド部分に結合されている、請求項27から29のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項31】
前記アクチュエータのハウジングの少なくとも1つの構成要素が、強磁性材料から形成されている、請求項27から30のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項32】
前記アクチュエータハウジングが、キャニスタと、前記キャニスタに結合されたキャップとを含み、前記キャニスタが強磁性材料から形成されている、請求項31に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項33】
前記キャニスタの前記強磁性材料が、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および100よりも大きい最大相対透過性を有する、請求項32に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項34】
前記アクチュエータが、ホール効果センサである、請求項33に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項35】
取外し可能なアクセサリをさらに備え、前記取外し可能なアクセサリが、磁界を使用して前記ツール支持体および前記ハンドヘルド部分のうちの一方に結合されている、請求項27から34のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項36】
前記取外し可能なアクセサリが、平面整列装置である、請求項35に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項37】
前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの一部が、前記リンク機構の遠位にあり、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの一部が、前記リンク機構の近位にある、請求項27に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項38】
前記トリガが前記トリガ磁石を備え、前記ハンドヘルド部分が前記トリガセンサを含む、請求項27に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項39】
前記トリガセンサが、ホール効果センサである、請求項27に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項40】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータセンサ、前記ツール駆動モータおよび前記トリガセンサと通信する制御装置をさらに備える、請求項27から39のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
ジグを適切に整列させかつ固定し、患者から組織を切除するために使用される手術ツールの位置および/または向きを追跡するために、ナビゲーションシステム(トラッキングシステムとも呼ばれる)を使用することができる。追跡システムは、通常、ツールおよび切除される組織に関連した1つまたは複数のトラッカを使用する。次いで、切除される組織の所望の切断経路に対するツールの現在位置を決定するために、ディスプレイがユーザによって見られることができる。ディスプレイは、ツールの進行を視覚化するためにユーザが組織および手術部位から目を離すことを必要とする形式で配置され得る。これは、手術部位に集中することからユーザを逸らす可能性がある。また、ユーザがツールを所望の形式で配置することが困難であり得る。
【0002】
ロボット支援手術は、通常、6つの自由度(DOF)において動くことができるロボットアームを備える大型ロボットに依存する。これらの大型ロボットは、手術室において運転および操作することが面倒であり得る。
【0003】
これらの課題のうちの1つまたは複数を解決するためのシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本教示は、概して、手術ツールのためのハンドヘルド手術ロボットシステムであって、ハンドヘルド手術ロボットシステムは、ハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に可動に結合されたブレード支持体であって、ブレード支持体が、ソーブレードを支持するように構成されている、ブレード支持体と、ブレード支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、複数のアクチュエータが、複数の自由度においてハンドヘルド部分に対してブレード支持体を移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、ブレード支持体における制御装置であって、制御装置が複数のアクチュエータと通信している、制御装置と、制御装置を複数のアクチュエータのそれぞれに接続する複数のフレキシブル回路と、を備え、これにより、ブレード支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させられる間、フレキシブル回路が、制御装置と複数のアクチュエータとの間の接続を維持するように構成されている、ハンドヘルド手術ロボットシステムを含む。
【0005】
本教示の別の態様は、器具であって、ユーザによって保持されるためのハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含む、ツール支持体と、ツールを整列させるためにツールをハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためにツール支持体を移動させるためにツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含む、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体と接続された制御装置であって、制御装置が、ツール駆動モータおよび複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信する、制御装置と、ハンドヘルド部分内に配置された入力モジュールであって、入力モジュールが、トリガと、センサに対するトリガの距離または位置を表す信号を出力するセンサであって、出力信号を制御装置に送信するセンサと、を含む、入力モジュールと、制御装置を複数のアクチュエータおよび入力モジュールに接続する複数のフレキシブル回路であって、複数のフレキシブル回路が、ツール支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させられる間、制御装置と複数のアクチュエータと入力モジュールとの間の接続を維持するように構成されている、複数のフレキシブル回路と、を備え、入力モジュールと接続された対応するフレキシブル回路が、ツール支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動する間、フレキシブル回路に張力を加えるために付勢部材を含む張力アセンブリによってガイドされている、器具を含む。
【0006】
別の態様において、センサに磁気分離を提供するための構成要素を含む、手術を行うためのツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット手術器具が提供される。ロボット器具は、ユーザによって保持されるためのハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されるツール支持体であって、ツール支持体が、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含み、ツール駆動モータが、ツール支持体に取り付けられている、ツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリと、を含んでよい。アクチュエータアセンブリは、複数のアクチュエータを含んでよく、複数のアクチュエータの各アクチュエータは、アクチュエータハウジングと、アクチュエータハウジングに可動に結合されたリードねじと、を含み、アクチュエータハウジングおよびリードねじのうちの一方が、磁石を含み、アクチュエータハウジングおよびリードねじのうちの他方が、アクチュエータの位置を検出するためのアクチュエータセンサを含む。器具は、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するリンク機構を含んでよく、リンク機構の少なくとも1つの構成要素は、強磁性材料から形成されている。器具は、ハンドヘルド部分に取り付けられた入力モジュールであって、入力モジュールが、ハンドヘルド部分に対して可動なトリガを含む、入力モジュールをさらに含んでよく、ハンドヘルド部分およびトリガのうちの一方が、トリガ磁石を含み、ハンドヘルド部分およびトリガのうちの他方が、トリガ位置を表す信号を出力するように構成されたトリガセンサを含む。
【0007】
さらに別の態様において、ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法が提供される。ロボット器具は、ユーザによって保持されるためのハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが複数のアクチュエータを含む、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体またはハンドヘルド部分に取り付けられた制御装置と、信号を出力するセンサであって、センサが、ハンドヘルド部分およびツール支持体のうちの他方(制御装置とは反対)に結合されており、センサが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されている、センサと、付勢部材を含む張力アセンブリと、を含んでよく、方法が、複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて複数のアクチュエータによってハンドヘルド部分に対してツール支持体を移動させることと、アクチュエータアセンブリが複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動する間、張力アセンブリによってフレキシブル導体に張力を加えることと、を含む。
【0008】
本開示の利点は、容易に認められるであろう。なぜならば、本開示の利点は、添付の図面に関連して検討された場合に以下の詳細な説明を参照することによってより理解されるからである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】人工膝関節を受容するために大腿骨および脛骨に1つまたは複数の平面を切断するために使用されるロボット器具の斜視図である。
【
図3A】ロボット器具の様々なピッチ配向の図である。
【
図3B】ロボット器具の様々なピッチ配向の図である。
【
図3C】ロボット器具の様々なピッチ配向の図である。
【
図4A】ロボット器具の様々なロール配向の図である。
【
図4B】ロボット器具の様々なロール配向の図である。
【
図4C】ロボット器具の様々なロール配向の図である。
【
図5A】ロボット器具の様々なz軸並進位置の図である。
【
図5B】ロボット器具の様々なz軸並進位置の図である。
【
図5C】ロボット器具の様々なz軸並進位置の図である。
【
図6】ハンドヘルド部分に対するツール支持体の1つの特定のポーズを示すロボット器具の正面斜視図である。
【
図7】制御システムのブロック図であり、様々なソフトウェアモジュールも示している。
【
図9】ツール支持体の本体および複数のアクチュエータへの関連するジョイント接続を示す分解図である。
【
図10】ロボット器具が使用される様々な領域を示す。
【
図12】フレキシブル回路アセンブリを備えるロボット器具の斜視図である。
【
図13】フレキシブル回路アセンブリを備えるロボット器具の斜視図である。
【
図17】ロボット器具に配置されたフレキシブル回路アセンブリの側面図である。
【
図18】アクチュエータフレキシブル回路配列を表示する。
【
図19】アクチュエータフレキシブル回路配列を表示する。
【
図20】フレキシブル回路アセンブリを備えるロボット器具の別の例の斜視図である。
【
図21】フレキシブル回路アセンブリを備えるロボット器具の別の例の斜視図である。
【
図24】アクチュエータアセンブリおよびアクチュエータフレキシブル回路の一部を示す。
【
図25】アクチュエータアセンブリおよびアクチュエータフレキシブル回路の一部を示す。
【
図26】ツール支持体からアクチュエータへのフレキシブル回路経路の斜視図である。
【
図27】フレキシブル回路を備えるツール支持体の底面図を示す。
【
図28】フレキシブル回路を備えるツール支持体の部分的な底面図を示す。
【
図29】フレキシブル回路を備えるツール支持体の部分的な底面図を示す。
【
図33】フレキシブル回路アセンブリの斜視図を表示する。
【
図34A】アクチュエータアセンブリおよび入力ガイドアセンブリの一部を示す。
【
図34B】アクチュエータアセンブリおよび入力ガイドアセンブリの一部を示す。
【
図35A】入力装置フレックスガイドアセンブリを示す。
【
図35B】入力装置フレックスガイドアセンブリの分解図を示す。
【
図36】入力装置アセンブリを含むアクチュエータアセンブリおよびフレキシブル回路アセンブリの斜視図である。
【
図37】入力装置アセンブリを含むアクチュエータアセンブリおよびフレキシブル回路アセンブリの斜視図である。
【
図38】入力装置フレキシブル回路のセグメントを示す。
【
図39】入力装置アセンブリおよび張力アセンブリを示す。
【
図40】入力装置アセンブリおよび張力アセンブリを示す。
【
図43】器具内の
図42の張力アセンブリの部分的な断面図を示す。
【
図47】器具の一部における
図40の張力アセンブリの部分的な概略図を示す。
【
図48】器具における入力装置を備える
図40の張力アセンブリを示す。
【
図49A】器具における入力装置を備える
図42の張力アセンブリの斜視図を示す。
【
図49B】器具における入力装置を備える
図42の張力アセンブリの斜視図を示す。
【
図50A】フレキシブル回路を備える器具と一体化された
図42の張力アセンブリの異なる断面図を示す。
【
図50B】フレキシブル回路を備える器具と一体化された
図42の張力アセンブリの異なる断面図を示す。
【
図50C】フレキシブル回路を備える器具と一体化された
図42の張力アセンブリの異なる断面図を示す。
【
図50D】フレキシブル回路を備える器具と一体化された
図42の張力アセンブリの異なる断面図を示す。
【
図50E】フレキシブル回路を備える器具と一体化された
図42の張力アセンブリの異なる断面図を示す。
【
図51】本明細書の教示と一貫したロボット器具の1つの構成を示す。
【
図52】本明細書の教示と一貫したロボット器具の1つの構成を示す。
【
図53】本明細書の教示と一貫したロボット器具の1つの構成を示す。
【
図54】本明細書の教示と一貫した入力装置アセンブリの1つの構成を示す。
【
図55】本明細書の教示と一貫したロボット器具の1つの構成を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔概要〕
図1を参照すると、ロボットシステム10が示されている。患者12が人工膝関節インプラントIMを受容することができるように患者12の大腿骨Fおよび脛骨Tの部分を切除するために患者12に人工膝関節全置換術を行うロボットシステム10が示されている。ロボットシステム10は、硬組織/軟組織除去を必要とする手順またはその他の形式の治療を含む、その他のタイプの手術手順を行うために使用されてよい。例えば、治療は、組織を切断する、組織を凝固させる、組織を焼灼する、組織をステープルで固定する、組織を縫合する等を含んでよい。幾つかの例において、手術手順は、膝手術、股関節手術、肩関節手術、脊椎手術および/または足関節手術を含み、膝インプラント、股関節インプラント、肩関節インプラント、脊椎インプラントおよび/または足関節インプラントなどの手術インプラントによって置換される組織を除去することを含んでよい。本明細書に開示されるロボットシステム10および技術は、外科的または非外科的なその他の手順を行うために使用されてよく、ロボットシステムが利用される工業的用途またはその他の用途において使用されてよい。
【0011】
図1および
図2を参照すると、ロボットシステム10は器具14を含む。幾つかの例において、ユーザは、(
図1に示したように)器具14を手で保持し、支持する。幾つかの例において、ユーザは、器具が少なくとも部分的にまたは完全に、受動的アーム(例えば、ロッキングジョイントを備えるリンクアーム、重量釣り合いアーム)、能動的アームおよび/または同様のものなどの補助装置によって支持されながら、器具14を手で保持してよい。
図1および
図2に最も良く示したように、器具14は、ユーザおよび/または補助装置によって手で掴まれるおよび/または支持されるためのハンドヘルド部分16を備える。
【0012】
器具14は、手順の間にツールの重量がユーザの手のみによって支持されるように、例えば、材料の物理的除去を行いながら人間のユーザによって保持されるように構成されたガイドアームを用いることなくユーザによって自由に移動および支持されてよい。言い換えれば、器具14は、ユーザの手が重力に抗して器具14を支持するように保持されるように構成されてよい。器具14は、8lbs.以下、6lbs.以下、5lbs.以下または3lbs.以下の重量であってよい。器具14は、ANSI/AAMI HE75:2009に対応する重量を有してよい。器具14は、ツール20を受容するためのツール支持体18も備える。幾つかの例において、ツール20がソーブレード302である場合、ツール支持体18はブレード支持体と呼ばれてよい。器具14を操作する方法は、ユーザが、受動的アームまたはロボットアームからのいかなる支援もなく器具14の重量を吊るすことを含んでよい。代替的に、ユーザが器具の全重量を支持しなくてもよいように、器具14の重量は、釣り合った受動的アーム、補助装置または能動的なロボットアームの使用により支持されてよい。このような場合、ユーザは、器具14と相互作用しかつ/または器具14を案内するために、ハンドヘルド部分16を依然として掴んでよい。受動的アームおよびKang他への米国特許第9,060,794号の内容は、引用により本明細書に組み込まれる。さらに、ロボットシステム10は、幾つかの例において、直列に2つ以上のジョイントを有するロボットアームを有さなくてよい。
【0013】
ツール20は、さらに以下で説明されるロボットシステム10のある操作において解剖学的構造と相互作用するためにツール支持体18に結合する。ツール20は、エンドエフェクタと呼ばれてもよい。必要なときに新たな/異なるツール20を取り付けることができるように、ツール20はツール支持体18から取外し可能であってよい。ツール20は、ツール支持体18に永久に固定されていてもよい。ツール20は、患者12の組織と接触するように設計されたエネルギアプリケータを備えてよい。幾つかの例において、ツール20は、
図1および
図2に示したようなソーブレード、またはその他のタイプの切断アクセサリであってよい。このような例において、ツール支持体は、ブレード支持体と呼ばれてよい。ブレード支持体が言及されたあらゆる例において、「ツール支持体」という用語が代用されてもよく、またその逆であってもよいことが認められるべきである。しかしながら、引用により本明細書に組み込まれる、Bozungへの米国特許第9,707,043号の内容などのその他のツールが検討されてもよい。幾つかの例において、ツール20は、ドリルビット、ドライバ、超音波振動チップ、バー、ステープラ等であってよい。ツール20は、引用により本明細書に組み込まれるWalen他への米国特許第9,820,753号または米国特許第10,687,823号に示されるようなブレードの振動を生じるためのブレードアセンブリおよび駆動モータを備えてよい。代替的な回転駆動モータが考えられる。このような駆動構成要素は、駆動モータDMからの回転運動をツール20の振動に変換するために駆動モータDMに結合されたトランスミッションTMを備えてよい。
【0014】
2020年7月15日に出願された、「Robotic Handheld Surgical Instrument Systems and Methods」という名称のPCT/US2020/042128に記載されたシステムおよび方法も、引用により本明細書に組み込まれる。
【0015】
ユーザがハンドヘルド部分16を保持する間、ツール20を所望の位置および/または向き(例えば、切除の間の大腿骨Fおよび/または脛骨Tに対する所望のポーズ)に配置することを支援するロボット運動を提供するために、1つまたは複数のアクチュエータ21,22,23を含むアクチュエータアセンブリ400が、ツール支持体18をハンドヘルド部分16に対して3つの自由度において移動させる。アクチュエータアセンブリ400は、並列、直列、またはその組合せにおいて配置されたアクチュエータ21,22,23を含んでよい。幾つかの例において、アクチュエータ21,22,23は、ハンドヘルド部分16に対して3つ以上の自由度においてツール支持体18を移動させる。幾つかの例において、アクチュエータアセンブリ400は、ピッチおよびz軸並進などの少なくとも2つの自由度においてツール支持体18をハンドヘルド部分16に対して移動させるように構成されている。幾つかの例において、本明細書に示したように、アクチュエータ21,22,23は、ツール支持体18および関連するツール支持体座標系TCSを、ハンドヘルド部分16およびその関連するベース座標系BCSに対して3つの自由度においてのみ移動させる。例えば、ツール支持体18およびそのツール支持体座標系TCSは、ピッチ運動を提供するためにそのy軸を中心に回転し、ロール運動を提供するためにx軸を中心に回転し、z軸並進運動を提供するためにベース座標系BCSのz軸と一致する軸Zに沿って並進してよい。ピッチ、ロールおよびz軸並進における許容された運動は、
図2ならびに
図3A~
図3C、
図4A~
図4Cおよび
図5A~
図5Cの概略図における矢印によってそれぞれ示されている。
図6は、器具14の運動範囲内のツール支持体18のポーズおよびハンドヘルド部分16のポーズの一例を提供する。幾つかの例において、図示されていないが、アクチュエータは、ツール支持体18をハンドヘルド部分16に対して4つ以上の自由度において移動させてよい。
【0016】
再び
図2を参照すると、受動的リンク機構26を有する制約アセンブリ24は、1つまたは複数の自由度においてハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の移動を制約するために使用されてよい。制約アセンブリ24は、本明細書に記載されているように運動を制約するためにあらゆる適切なリンク(例えば、あらゆる適切な形状または構成を有する1つまたは複数のリンク)を含んでよい。
図2に示された例において、制約アセンブリ24は、ヨー運動を制約するためにベース座標系BCSのz軸を中心とする回転を制約し、x軸並進を制約するためにベース座標系BCSのx軸方向における並進を制約し、y軸並進を制約するためにベース座標系BCSのy軸方向における並進を制約することによって、ツール支持体座標系TCSの運動を制限するために動作する。アクチュエータ21,22,23および制約アセンブリ24は、以下にさらに記載されるある状況において、物理的ソー切断ガイドなどの物理的切断ガイドの機能を有効に真似るように制御される。
【0017】
図7を参照すると、器具14の1つまたは複数の態様を制御するために、制御装置28またはその他のタイプの制御ユニットが設けられている。器具制御装置28は、器具14の動作およびハンドヘルド部分16に対するツール支持体18(およびツール20)の運動を指示する1つまたは複数のコンピュータまたはあらゆるその他の適切な形式の制御装置を含んでよい。制御装置28は、中央処理ユニット(CPU)および/またはその他のプロセッサ、メモリ、およびストレージ(図示せず)を有してよい。制御装置28には、以下に記載するようにソフトウェアがロードされる。プロセッサは、器具14の動作を制御するために1つまたは複数のプロセッサを含むことができる。プロセッサは、あらゆるタイプのマイクロプロセッサ、マルチプロセッサおよび/またはマルチコア処理システムであることができる。器具制御装置28は、追加的または代替的に、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、および/またはその他の適切なハードウェア、ソフトウェア、または本明細書に記載された機能を実行することができるファームウェアを含んでよい。プロセッサという用語は、あらゆる実施形態を1つのプロセッサに限定することは意図されていない。器具14は、1つまたは複数のディスプレイおよび/または入力装置(例えば、トリガ、プッシュボタン、フットスイッチ、キーボード、マウス、マイクロフォン(音声作動)、ジェスチャ制御装置、タッチスクリーンなど)を備えるユーザインターフェースUIも含んでよい。
【0018】
制御システム60は、1つまたは複数のソフトウェアプログラムおよびソフトウェアモジュールをさらに含む。ソフトウェアモジュールは、ロボットシステム10の制御を支援するためにデータを処理するために、ナビゲーション制御装置36、器具制御装置28またはその両方において動作する1つまたは複数のプログラムの一部であってよい。ソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールは、制御装置28,36の1つまたは複数のプロセッサ70によって実行されるための、ナビゲーション制御装置36、器具制御装置28またはその両方における非一時的メモリ64に記憶されたコンピュータ可読命令を含む。メモリ64は、RAM、不揮発性メモリなどのあらゆる適切な構成のメモリであってよく、ローカルでまたはリモートデータベースから実装されてよい。追加的に、ユーザに指示するおよび/またはユーザと通信するためのソフトウェアモジュールは、1つまたは複数のプログラムの一部を形成してよく、ナビゲーション制御装置36、器具制御装置28またはその両方におけるメモリ64に記憶された命令を含んでよい。ユーザは、ソフトウェアモジュールと通信するために、ナビゲーションユーザインターフェースUIまたはその他のユーザインターフェースUIの入力装置のいずれかと相互作用してよい。ユーザインターフェースソフトウェアは、ナビゲーション制御装置36および/または器具制御装置28とは別個の装置において動作してよい。
【0019】
器具制御装置28は、ツール20(例えば、切断運動を制御するツール20の駆動モータDM)への電力を制御するおよび/またはハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の動きを制御する(例えば、アクチュエータ21,22,23を制御する)ことなどによって、ツール20の動作の1つまたは複数の態様を制御する。器具制御装置28またはその他の態様のシステムは、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18およびツール20の状態(例えば、位置および/または向き)を制御する。器具制御装置28またはその他の態様のシステムは、アクチュエータ21,22,23によって生じるハンドヘルド部分16および/または解剖学的構造に対するツール20の運動の速度(線速度または角速度)、加速度またはその他の導関数を制御することができる。
【0020】
図2に示したように、器具制御装置28は、ツール支持体18、および/またはハンドヘルド部分16またはそれらの組合せに取り付けられた制御ハウジング29を含んでよく、1つまたは複数の制御基板31(例えば、1つまたは複数のプリント回路基板および関連する電子部品)が制御ハウジング29内に配置されている。制御基板31は、アクチュエータ21,22,23および(例えば、モータ制御装置を介して)駆動モータDMを制御するためのマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ドライバ、メモリ、センサまたはその他の電子部品を含んでよい。システムは、制御盤31/器具制御装置28とデータおよび電力通信するオフボード制御コンソール33も含んでよい。本明細書に記載されたセンサS、アクチュエータ21,22,23および/または駆動モータDMは、制御盤31または器具制御装置28に信号を供給してよく、制御盤31または器具制御装置28は、処理のためにコンソール33にデータ信号を送信し、コンソール33は再び、アクチュエータ21,22,23および/または駆動モータMに電力を供給しかつこれらを制御するために、制御盤31/器具制御装置へ制御命令(例えば、電流命令、トルク命令、速度命令、角度命令、位置命令、またはそれらの組合せ、ならびに様々な制御および構成パラメータ)を供給してよい。処理が制御ハウジングの制御基板において実行されてもよいと考えられる。幾つかの例において、制御アルゴリズムの処理は、コンソールと制御ハウジングとの間で分配されてよい。1つの例において、位置制御および速度制御計算はコンソールにおいてなされてよく、電流制御は、制御ハウスに配置されたフィールドプログラマブルゲートアレイにおいてなされてよい。もちろん、別個の制御ハウジングは不要であること、および/または処理をあらゆる数の異なるロケーションにおいて実行することができることが考えられる。
【0021】
幾つかのバージョンにおいて、コンソール33は、アクチュエータ21,22,23および駆動モータMに電力を供給しかつこれらを制御するための1つのコンソールを含んでよい。幾つかのバージョンにおいて、コンソール33は、アクチュエータ21,22,23に電力を供給しかつこれらを制御するための1つのコンソールと、駆動モータMに電力を供給しかつこれを制御するための別個のコンソールとを含んでよい。駆動モータDMに電力を供給しかつこれを制御するための1つのこのようなコンソールは、参照により本明細書に組み込まれる、「Control Console to which Powered Surgical Handpieces are Connected,the Console Configured to Simultaneously Energize more than one and less than all of the Handpieces」という名称の、2004年9月30日に出願された米国特許第7,422,582号に記載されたものと同様であってよい。フレキシブル回路としても知られる、フレキシブル回路FCとして示されたフレキシブル導体が、アクチュエータ21,22,23および/またはその他の構成要素を器具制御装置28に相互接続してよい。例えば、フレキシブル回路FCは、アクチュエータ21,22,23と制御基板31との間に設けられてよい。その他の形式の接続、有線または無線が、追加的にまたは代替的に、構成要素の間に存在してよい。
【0022】
再び
図1を簡単に参照すると、ロボットシステム10は、ナビゲーションシステム32をさらに含む。ナビゲーションシステム32の一例は、参照により本明細書に組み込まれる、「Navigation System Including Optical and Non-Optical Sensors」という名称の、2013年9月24日に出願された米国特許第9,008,757号に記載されている。ナビゲーションシステム32は、様々な物体の動きを追跡する。このような物体は、例えば、器具14、ツール20、解剖学的構造、例えば、大腿骨Fおよび脛骨Tを含む。ナビゲーションシステム32は、(ナビゲーション)ローカライザ座標系LCLZに対する各物体の状態情報を収集するためにこれらの物体を追跡する。本明細書において使用される場合、物体の状態は、追跡される物体の位置および/または向き(例えば、その座標系)または位置および向きの均等物/派生物を規定するデータを含むが、これに限定されない。例えば、状態は、物体のポーズであってよく、かつ/または線速度データ、角速度データ等を含んでよい。
【0023】
ナビゲーションシステム32は、ナビゲーション制御装置36および/またはその他のタイプの制御ユニットを収容するカートアセンブリ34を含んでよい。ナビゲーションユーザインターフェースUIは、ナビゲーション制御装置36と動作通信している。ナビゲーションユーザインターフェースUIは1つまたは複数のディスプレイ38を含む。ナビゲーションシステム32は、1つまたは複数のディスプレイ38を使用するユーザに対し、追跡される物体の相対的状態のグラフィック描写を表示することができる。ナビゲーションユーザインターフェースUIは、ナビゲーション制御装置36に情報を入力するためにまたはさもなければナビゲーション制御装置36のある態様を選択/制御するために1つまたは複数の入力装置をさらに含む。このような入力装置は、インタラクティブタッチスクリーンディスプレイを含む。しかしながら、入力装置は、プッシュボタン、ポインタ、フットスイッチ、キーボード、マウス、マイクロフォン(音声作動)、ジェスチャ制御装置等のうちのいずれか1つまたは複数を含んでよい。幾つかの例において、ユーザは、ポインタに配置されたボタンを使用してよく、これにより、ユーザインターフェースUIのアイコンおよびメニューを介してナビゲートし、選択を行い、ロボットシステム10を構成しかつ/またはワークフローを通じて前進する。
【0024】
ナビゲーションシステム32は、ナビゲーション制御装置36に結合されたローカライザ44も含む。1つの例において、ローカライザ44は、光学ローカライザであり、カメラユニット46を含む。カメラユニット46は、1つまたは複数の光センサ50を収容する外側ケーシング48を有する。ローカライザ44は、自己のローカライザ制御装置49を含んでよく、ビデオカメラVCをさらに含んでよい。
【0025】
ナビゲーションシステム32は、1つまたは複数のトラッカを含む。幾つかの例において、トラッカは、ポインタトラッカPT、ツールトラッカ52、第1の患者トラッカ54、および第2の患者トラッカ56を含む。
図1の例示された例において、ツールトラッカ52は、器具14にしっかりと取り付けられており、第1の患者トラッカ54は、患者12の大腿骨Fにしっかりと取り付けられており、第2の患者トラッカ56は、患者12の脛骨Tにしっかりと取り付けられている。この例において、患者トラッカ54,56は、骨のセクションにしっかりと取り付けられている。トラッカ52,54,56およびポインタトラッカは、それぞれの物体(例えば、骨、ツール)およびナビゲーションシステム32に手動で、自動でまたはその組合せにより登録される。幾つかの例において、ポインタトラッカPTは、ポインタ57にしっかりと固定されており、解剖学的構造を、ローカライザ座標系LCLZを含む1つまたは複数の座標系に登録するために使用されかつ/またはその他の較正および/または登録機能のために使用される。1つの例において、ポインタ57は、トラッカ54,56が取り付けられた骨に患者トラッカ54,56をそれぞれ登録し、ツールトラッカ52(および選択的に53)をツール支持体18、ツール20、ハンドヘルド部分16またはそれらの組合せに登録するために使用されてよい。幾つかの例において、ポインタトラッカPTは、トラッカ座標系に対してトラッカ52に器具14のTCPを登録するために使用されてよい。このように、ローカライザ44が位置を移動させられると、器具14の登録が、ツールトラッカ52に対して位置決めされる。しかしながら、トラッカ52,54,56の登録のその他の手段が考えられ、ポインタトラッカPTと一緒にまたは別個に実装されてよい。その他のトラッカロケーションも考えられる。
【0026】
本明細書を通じて、「トラッカに対する骨」または「トラッカに対する器具TCP」など、すなわちLCTZ座標系に対してではなく「トラッカ座標系」に対する、様々な変形が説明される。ローカライザ座標系は、登録および骨準備の間、中間座標系として使用されてよい。なぜならば、全ての追跡される物体はLCTZに対して測定されるからである。登録の間、最終的に、様々なローカライザ参照ポーズが数学的に組み合わされ、登録結果は「トラッカに関して」記憶され、これにより、カメラ(すなわちLCTZ)が移動しても、登録は依然として有効である。
【0027】
ツールトラッカ52は、器具14のあらゆる適切な構成要素に取り付けられてよく、幾つかのバージョンにおいては、ハンドヘルド部分16、ツール支持体18、ツール20へ直接に、またはそれらの組合せに取り付けられてよい。トラッカ52,54,56,PTは、ファスナ、クランプ等、あらゆる適切な形式でそれぞれの構成要素に固定されてよい。例えば、トラッカ52,54,56,PTは、関連する物体に対するそのそれぞれのトラッカの関係(測定値)を決定するための適切な(補助的な)方法が存在する限り、剛性に固定されてよい、柔軟に接続されてよい(光ファイバ)、または物理的に接続されなくてよい(超音波)。トラッカ52,54,56,PTのうちのいずれか1つまたは複数は、能動的マーカ58を含んでよい。能動的マーカ58は、発光ダイオード(LED)を含んでよい。代替的に、トラッカ52,54,56,PTは、カメラユニット46から放出された光を反射する、反射器などの受動的マーカを有してよい。本明細書に具体的に記載されていないプリントされたマーカまたはその他の適切なマーカが利用されてもよい。
【0028】
物体を追跡するために様々な座標系が用いられてよい。例えば、座標系は、ローカライザ座標系LCLZ、ツール支持体座標系TCS、ベース座標系BCS、各トラッカ52,54,56,PTに関連した座標系、解剖学的構造に関連した1つまたは複数の座標系、解剖学的構造の術前および/または術中の画像(例えば、CT画像、MRI画像など)および/またはモデル(例えば2Dまたは3Dモデル)に関連した1つまたは複数の座標系、例えば、インプラント座標系、およびTCP(ツール中心点)座標系を含んでよい。幾つかの例において、ロボットシステム10は、標的骨の2Dまたは3Dモデルを形成するために術前および/または術中イメージングに依存しない。むしろ、ロボットシステムは、イメージレスシステムにおいて使用されてよく、このイメージレスシステムは、標的解剖学的構造を登録するためにポインタトラッカPTを使用し、様々な解剖学的ランドマークを捕捉し、様々な解剖学的ランドマークは次いで制御システム60によって処理され、捕捉されたデータと一致するように公称骨モデルをモーフィングする。その他の例において、患者の標的領域を画像化し、次いで、2Dおよび/または3D画像を標的骨の3Dモデルに変換するために、術前および術中イメージングが使用される。ロボットシステム10が、標的手術領域の3Dモデルを生成する際に画像化手順とイメージレス手順との組合せを使用し得ることも考えられる。1つの例示的なシステムは、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第8,617,174号に記載されている。様々な座標系における座標は、座標系の間の関係を確立するとき、例えば、登録、較正、幾何学的関係、測定などを介して、変換を使用して他の座標系に変換されてよい。
【0029】
図2に示したように、幾つかの例において、TCPは、ツール20の遠位端部に規定されたTCP座標系の所定の基準点または原点である。ツール20の幾何学的構造は、TCP座標系および/またはツール支持体座標系TCSに関して規定されてよい。ツール20は、TCP座標系および/またはツール支持体座標系TCSに対して規定され、器具14、ナビゲーションシステム32、器具制御装置28、またはそれらの組合せの制御ハウジング29における制御基板31の不揮発性メモリに記憶された、1つまたは複数の幾何学的特徴、例えば、外周、円周、半径、直径、幅、長さ、高さ、体積、面積、表面/平面、(いずれか1つまたは複数の軸線に沿った)モーションエンベロープの範囲等を含んでよい。ツール中心点(TCP)は、一例において、ツール20において規定された所定の基準点および対応する座標系である。TCPは、他の座標系に対する既知の、または計算されることができる(すなわち必ずしも静的ではない)ポーズを有する。TCP座標系は、TCPのポーズを規定する原点および軸線群(例えば、x軸、y軸、z軸)を含む。TCPを追跡することによって(またはTCPのポーズを知ることによって)ロボットシステム10は、TCPのポーズおよびTCPと器具14の特徴との間の既知の位置関係に基づいて器具14の位置および向きを計算してよい。幾つかの例において、ツール20は、(例えば、ソーブレードのための)ブレード平面を有し、ブレード平面は、例示の簡便性および容易さのために説明されるが、ツール20を特定の形式に制限することは意図されていない。ツール20を仮想的に表すために、ポイント、その他のプリミティブ、メッシュ、その他の3Dモデル等を使用することができる。TCP座標系の原点は、ツール20のバー25の球中心またはソーブレード27の遠位端部に配置されてよく、これにより、TCP座標系は、ツール200の遠位先端における原点に対して追跡される。代替的に、TCPは、複数の追跡点を使用して追跡されてよい。TCPは、ツール20の構成に応じて様々な形式で規定されてよい。器具は、ジョイント/モータエンコーダ、またはあらゆるその他の非エンコーダ位置検出方法を使用してよく、したがって、制御システム60は、ハンドヘルド部分16およびBCSに対するTCPのポーズおよび/または位置を決定してよい。ツール支持体18は、TCPポーズを決定するためにジョイント測定を使用してよいおよび/またはTCPポーズを直接測定するための技術を使用することができる。ツール20の制御は、中心点に限定されない。例えば、ツール20を表すために、あらゆる適切なプリミティブ、メッシュ等を使用することができる。座標系とは反対に、TCPは代替的にポイントとして規定されてよいことが認められるべきである。TCP座標系は、ソーブレードまたはその他のツールのポーズを決定すると、ツールの所要の基準点または幾何学的態様を計算することを可能にする。
【0030】
TCP座標系、ツール支持体座標系TCSおよびツールトラッカ52の座標系は、ツール20の構成に応じて様々な形式で規定されてよい。例えば、ポインタ57は、以下のためにツール支持体18および/またはツール20において較正ディボットCDと共に使用されてよい:ツールトラッカ52の座標系に対するツール支持体座標系TCSのポーズを登録(較正)する;ツールトラッカ52の座標系に対するTCP座標系のポーズを決定する;および/またはツール支持体座標系TCSに対するTCP座標系のポーズを決定する。1つまたは複数の追加的なトラッカ/マーカを直接ツール20に取り付けかつ固定することなどによって、TCP座標系のポーズを直接測定するためにその他の技術を使用することができる。幾つかのバージョンにおいて、トラッカ/マーカは、ハンドヘルド部分16、ツール支持体18またはその両方に取り付けられかつ固定されてもよい。ハンドヘルド部分がトラッカを含む例において、ローカライザ座標系LCLZに対するハンドヘルド部分のポーズは、直接測定されてよい。さらにその他の代替例において、TCPは、中間ツール支持体座標系TCSを使用して、ツールトラッカに対して規定されてよい。
【0031】
ツール支持体18は、アクチュエータ21,22,23を介してハンドヘルド部分16に対して複数の自由度において可動であるので、器具14は、ベース座標系BCSに対するTCP座標系および/またはツール支持体座標系TCSのポーズを測定するために、エンコーダ、ホール効果センサ(アナログまたはデジタル出力を有する)、トランスデューサおよび/またはあらゆるその他の位置検出方法などの、アクチュエータセンサを使用してよい。1つの例示的な構成において、器具14は、さらに以下で説明するように、ベース座標系BCSに対するTCP座標系および/またはツール支持体座標系TCSのポーズを決定するために、アクチュエータ21,22,23の作動を測定するアクチュエータセンサからの測定値を使用してよい。アクチュエータセンサの代わりに、装置のジョイントのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数のジョイント角度を決定するためにエンコーダを含んでよい。これらの「ジョイントセンサ」は、「ジョイント角度」を生成してよく、説明されたアクチュエータセンサと同様の形式で1つまたは複数のフレックス回路を使用して制御装置に結合されてよい。ジョイント角度は、アクチュエータセンサに関して説明したように、TCP座標系、ベース座標系BCSおよびツール支持体座標系TCSのポーズの決定を容易にし得る。
【0032】
ローカライザ44は、それぞれそこに取り付けられた物体の状態にそれぞれ対応する、各トラッカ52,54,56,PTの状態を決定するためにトラッカ52,54,56,PT(例えば、その座標系)を監視する。ローカライザ44は、トラッカ52,54,56,PTおよび関連する物体(ツール、患者、ツール支持体およびハンドヘルド部分など)の状態を決定するために公知の技術を実行してよい。ローカライザ44は、ナビゲーション制御装置36にトラッカ52,54,56,PTの状態を提供する。幾つかの例において、ナビゲーション制御装置36は、トラッカ52,54,56、PTの状態を決定し、トラッカ52,54,56、PTの状態を器具制御装置28またはコンソールに通信する。
【0033】
ナビゲーション制御装置36は、1つまたは複数のコンピュータまたはあらゆるその他の適切な形式の制御装置を含んでよい。ナビゲーション制御装置36は、中央処理装置(CPU)および/またはその他のプロセッサ、メモリおよびストレージ(図示せず)を有する。プロセッサは、あらゆるタイプのプロセッサ、マイクロプロセッサまたはマルチプロセッサシステムであることができる。ナビゲーション制御装置36は、ソフトウェアがロードされる。ソフトウェアは、例えば、ローカライザ44から受け取られた信号を、追跡される物体の位置および/または向きを表すデータに変換する。ナビゲーション制御装置36は、追加的または代替的に、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、および/または本明細書に記載の機能を行うことができるその他の適切なハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアを含んでよい。プロセッサという用語は、1つのプロセッサにあらゆる実施形態を限定することは意図されていない。
【0034】
ナビゲーションシステム32の一例は、物体状態を決定するために示されているが、ナビゲーションシステム32は、器具14、ツール20および/または患者12を追跡するためのあらゆるその他の適切な構成を有してよい。別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザ44は、超音波ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーション制御装置36に結合された超音波撮像装置を含んでよい。超音波撮像装置は、前記物体、例えば、器具14、ツール20および/または患者12のうちのいずれかを撮像し、超音波画像に基づいてナビゲーション制御装置36への状態信号を生成する。超音波画像は、2D、3Dまたは両方の組合せであってよい。ナビゲーション制御装置36は、物体の状態を決定するためにほぼリアルタイムで画像を処理してよい。超音波撮像装置は、あらゆる適切な構成を有してよく、
図1に示されたカメラユニット46とは異なってもよい。
【0035】
別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザ44は、無線周波数(RF)ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーション制御装置36に結合されたRFトランシーバを含んでよい。器具14、ツール20および/または患者12は、それらに取り付けられたRFエミッタまたはトランスポンダを含んでよい。RFエミッタまたはトランスポンダは、受動的であるかまたは能動的にエネルギを供給されてよい。RFトランシーバは、RF追跡信号を送信し、RFエミッタから受信されたRF信号に基づいてナビゲーション制御装置36への状態信号を生成する。ナビゲーション制御装置36は、受信したRF信号を分析し、それに対して相対的状態を関連付けてよい。RF信号は、あらゆる適切な周波数のものであってよい。RFトランシーバは、RF信号を有効に使用して物体を追跡するためにあらゆる適切な位置に位置決めされてよい。さらに、RFエミッタまたはトランスポンダは、
図1に示されたトラッカ52,54,56,PTとは大幅に異なってよいあらゆる適切な構造的構成を有してよい。
【0036】
さらに別の例において、ナビゲーションシステム32および/またはローカライザ44は、電磁気ベースである。例えば、ナビゲーションシステム32は、ナビゲーション制御装置36に結合されたEMトランシーバを含んでよい。器具14、ツール20および/または患者12は、あらゆる適切な磁気トラッカ、電磁トラッカ、誘導トラッカ等の、それらに取り付けられたEM構成要素を含んでよい。トラッカは、受動的であるかまたは能動的にエネルギを供給されてよい。EMトランシーバは、EMフィールドを生成し、トラッカから受信したEM信号に基づいてナビゲーション制御装置36への状態信号を生成する。ナビゲーション制御装置36は、受信したEM信号を分析し、それらに相対的状態を関連付けてよい。やはり、このようなナビゲーションシステム32の例は、
図1に示したナビゲーションシステム32の構成とは異なる構造的構成を有してよい。
【0037】
ナビゲーションシステム32は、本明細書に具体的に列挙されていないあらゆるその他の適切な構成要素または構造を有してよい。さらに、示されたナビゲーションシステム32に関して上記で説明した技術、方法および/または構成要素のうちのいずれも、本明細書に説明されたナビゲーションシステム32の他の例のいずれかのために実施または提供されてよい。例えば、ナビゲーションシステム32は、慣性トラッキングのみまたはトラッキング技術のあらゆる組合せを利用してよく、追加的または代替的に、光ファイバベーストラッキング、マシンビジョントラッキング等を含んでよい。
【0038】
図7を参照すると、ロボットシステム10は、他の構成要素の中でも特に器具制御装置28およびナビゲーション制御装置36を含む制御システム29,60を含む。制御システム60は、さらに、1つまたは複数のソフトウェアプログラムおよびソフトウェアモジュールを含む。ソフトウェアモジュールは、ロボットシステム10の制御を補助するためにデータを処理するために、器具制御装置28、ナビゲーション制御装置36またはそれらの組合せにおいて動作する1つまたは複数のプログラムの一部であってよい。ソフトウェアプログラムおよび/またはモジュールは、制御装置28の1つまたは複数のプロセッサ70によって実行されるために、器具制御装置28、ナビゲーション制御装置36またはそれらの組合せにおけるメモリ64に記憶されたコンピュータ可読命令を含む。メモリ64は、非一時的メモリ、RAM、不揮発性メモリ等の、あらゆる適切な構成のメモリであってよく、ローカルでまたはリモートデータベースから実施されてよい。加えて、ユーザに指示するおよび/またはユーザと通信するためのソフトウェアモジュールは、1つまたは複数のプログラムの一部を形成してよく、器具制御装置28、ナビゲーション制御装置36またはそれらの組合せにおけるメモリ64に記憶された命令を含んでよい。ユーザは、ソフトウェアモジュールを通信するために、ナビゲーションユーザインターフェースUIまたはその他のユーザインターフェースUIの入力装置のいずれかと相互作用してよい。ユーザインターフェースソフトウェアは、器具制御装置28および/またはナビゲーション制御装置36とは別個の装置において動作してよい。器具14は、電力/データ接続を介して器具制御装置28と通信してよい。電力/データ接続は、
図7にBUS/COMM接続37として示されたように、ナビゲーションシステム32によって生成されかつ器具制御装置28へ送信された位置および向きデータに基づいて器具14を制御するために使用される入力および出力のための経路を提供してよい。全体を通じて説明された処理ステップのそれぞれは、コンソール、器具制御装置またはナビゲーション制御装置において実行されてよいまたはこれらの可能なロケーションのそれぞれに分散させられてよいと考えられる。さらに別の構成において、全体を通じて説明された処理のいずれも、リモートサーバ上などのその他のロケーションにおいて提供することができる。
【0039】
制御システム60は、本明細書に記載された機能および方法を行うのに適した入力、出力および処理装置のあらゆる適切な構成を含んでよい。制御システム60は、器具制御装置28、ナビゲーション制御装置36またはそれらの組合せを含んでよく、かつ/またはこれらの制御装置のうちの1つのみ、または追加的な制御装置を含んでよい。制御装置は、
図7にBUS/COMM接続37として1つの例において示された有線バスまたは通信ネットワークを介して、無線通信を介して、またはそれ以外の方式で通信してよい。制御システム60は、コントローラと呼ばれてもよい。制御システム60は、1つまたは複数のマイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、ディスクリート回路、センサ、ディスプレイ、ユーザインターフェース、インジケータ、および/または本明細書に記載の機能を実行することができるその他の適切なハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアを含んでよい。
【0040】
〔器具〕
1つの例示的な構成において、器具14は、
図8および
図9に最も良く示されている。器具14は、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分16と、ツール20を支持するためにハンドヘルド部分16に可動に結合されたツール支持体18と、ツール支持体18をハンドヘルド部分16に対して少なくとも3つの自由度において移動させるためにツール支持体18とハンドヘルド部分16とを動作的に相互接続する複数のアクチュエータ21,22,23を備えるアクチュエータアセンブリ400と、ツール支持体18とハンドヘルド部分16とを動作的に相互接続するリンク機構26を有する制約アセンブリ24と、を含む。幾つかの場合、リンク機構26は、受動的リンク機構と呼ばれるが、必ずしも全ての想定される構成において受動的であるわけではない。
【0041】
ハンドヘルド部分16は、ユーザが器具14を操作、案内および/または把持することができるようにユーザによって掴まれるためのグリップ72を含む。ハンドヘルド部分16は、保持するためのユーザの手のためのグリップ、濡れているおよび/または血液が付いているときにユーザの手が滑るのを防止するためのテクスチャードまたは混合された材料のコーティングなど、人間工学的特徴を備えて構成されてよい。ハンドヘルド部分16は、様々な異なる手のサイズを有するユーザに対応するために、ユーザの手および/または指の輪郭と一致するような輪郭を有するテーパを含んでよい。ハンドヘルド部分16は、1つまたは複数のファスナ、接着剤、溶接等によってグリップ72が取り付けられたベース74も含む。示されたバージョンにおいて、ベース74は、ほぼ中空の円筒形状を有するスリーブ76を含む。ジョイント支持体77,78,79はスリーブ76から延びている。アクチュエータ21,22,23は、さらに以下で説明するジョイントを介してジョイント支持体77,78,79においてベース74に可動に結合されてよい。
【0042】
ツール支持体18は、1つまたは複数の取付位置82においてツール支持体18に固定された1つまたは複数のトラッカマウントを介してツールトラッカ52が固定されるまたは取外し可能に取り付けられることができるツール支持体本体80を含む。1つの例において、ツールトラッカ52はツール支持体18と一体化されている。別の例において、ツールトラッカ52は、1つまたは複数の取付位置82において取外し可能に取り付けられている。ツール20は、示されたバージョンにおいてツール支持体18に取外し可能に結合されている。特に、ツール支持体18は、引用により本明細書に組み込まれる、Walen他への米国特許第9,820,753に記載されたような、ツール20が取り付けられるヘッド84などの、ツールカプラを含む。ヘッド84は、ソーブレードの振動スタイルおよび矢状スタイルソーブレードを利用するように構成されてよい。ツール20の作動を駆動する駆動モータDMは、(例えば、幾つかのバージョンにおいてソーブレードの振動を駆動するために)ツール支持体本体80に配置されている。ツール20は、引用により本明細書に組み込まれる、Walen他への米国特許第9,820,753号に開示された形式でヘッド84に取り付けられかつヘッド84から解放されてよい。
図9に最もよく示したように、ツール支持体18は、さらに以下で説明されるように、アクチュエータ21,22,23がジョイントを介してツール支持体18に可動に結合される複数のアクチュエータマウント86,88,90も含む。アクチュエータマウント86,88,90は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して少なくとも3つの自由度において動くことができるようにアクチュエータ21,22,23を取り付けるのに適したブラケット等を含んでよい。
【0043】
アクチュエータ21,22,23は、示されたバージョンにおいて、ベース74とツール支持体本体80との間に延びる電気的リニアアクチュエータを含む。作動させられると、アクチュエータ21,22,23の有効長は、アクチュエータ21,22,23の対応する軸線に沿ってツール支持体本体80とベース74との間の距離を変化させるように、変化する。したがって、制御システム60は、有効長を変化させかつツール支持体18を少なくとも3つの自由度においてハンドヘルド部分16に対して標的ポーズへ移動させるために、制御システム60によって、それぞれ各アクチュエータ21,22,23に与えられた個々の入力に応答して、調和した形式で働くようにアクチュエータ21,22,23に命令する。示されたバージョンにおいて、3つのアクチュエータ21,22,23が提供されており、第1、第2および第3のアクチュエータ21,22,23または前方アクチュエータ21,22および後方アクチュエータ23と呼ばれてよい。第1、第2および第3のアクチュエータ21,22,23は、第1の作動軸線AA1、第2の作動軸線AA2および第3の作動軸線AA3(
図9参照)に沿って有効長を調整可能である。第1、第2および第3のアクチュエータ21,22,23は、前に説明したように、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18のピッチ配向、ロール配向およびz軸並進のうちの1つまたは複数を調整するために有効長が独立して調整可能である。より多くのアクチュエータが幾つかの例において提供されてよい。アクチュエータは、幾つかの例においてロータリアクチュエータを含んでよい。アクチュエータ21,22,23は、あらゆる適切なサイズまたは形状の1つまたは複数のリンクを有するリンク機構を含んでよい。アクチュエータ21,22,23は、2つ以上の自由度においてハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の移動を可能にするのに適したあらゆる構成を有してよい。例えば、幾つかのバージョンにおいて、1つの前方アクチュエータおよび2つの後方アクチュエータ、またはアクチュエータのその他の配列が存在してよい。
【0044】
このバージョンにおいて、アクチュエータ21,22,23は、複数の能動ジョイントを介してベース74およびツール支持体本体80に結合されている。能動ジョイントは、アクチュエータマウント86,88,90においてアクチュエータ21,22,23をツール支持体本体80に結合する第1の能動ジョイント92のセットを含む。1つのバージョンにおいて、
図9に示したように、第1の能動ジョイント92は、能動Uジョイントを含む。Uジョイントは、第1のピボットピン94およびジョイントブロック96を含む。第1のピボットピン94は、ジョイントブロック96における貫通孔98を介してジョイントブロック96をアクチュエータマウント86,88,90に回転可能に接続している。止めねじ100は、第1のピボットピン94をアクチュエータマウント86,88,90に固定してよい。Uジョイントは、第2のピボットピン104も含んでよい。ジョイントブロック96は、第2のピボットピン104を収容するためのクロスボア102を有する。第2のピボットピン104は、第1のピボットピン94を収容するための貫通孔103を有し、これにより、第1のピボットピン94、ジョイントブロック96および第2のピボットピン104は、Uジョイントのクロスを形成する。各Uジョイントの第1のピボットピン94および第2のピボットピン104は、交差する回転軸PAを規定する。第2のピボットピン104は、アクチュエータ21,22,23のピボットヨーク106をジョイントブロック96に回転可能に接続する。その結果、アクチュエータ21,22,23は、ツール支持体本体80に対して2つの自由度において移動することができる。ピンを収容するスロットを備えるボールを含む能動球状ジョイントなどの、その他のタイプの能動ジョイントも考えられる。
【0045】
図9を参照すると、能動ジョイントは、前方の2つのアクチュエータ21,22をハンドヘルド部分16のベース74に結合する第2の能動ジョイント108のセットも含む。示されたバージョンにおいて、第2の能動ジョイント108は、ジョイント支持体77,78において支持されている。第2の能動ジョイント108のそれぞれは、スイベル軸SAを中心にハンドヘルド部分16のベース74に対して旋回するように配置されたスイベルヨーク110を含む。各スイベルヨーク110は、スイベルヘッド112と、ジョイント支持体77,78のうちの1つにおいてベース74に回転可能に係合するようにスイベルヘッド112から延びたポスト114とを有する。ナット115は、それぞれのスイベルヨーク110がそれぞれのジョイント支持体77,78に対して自由に回転することを可能にしながら、ポスト114をベース74に捕捉するためにポスト114の一方の端部に螺合可能に接続される。
【0046】
第2の能動ジョイント108のそれぞれは、スイベルヨーク110のうちの1つに回転可能に結合されたキャリア116を含む。キャリア116は、さらに以下で説明するように、前方の2つのアクチュエータ21,22のリードねじ150を受容するために、雌ねじ山付きの貫通孔117を有する。各キャリア116は、対向したトラニオン118も含み、トラニオン118は、キャリア116が、スイベルヨーク110におけるポケットに定着されることによって回転軸PA(
図9参照)を中心にスイベルヨーク110に対して回転することを可能にする。幾つかのバージョンにおいて、第2の能動ジョイント108のそれぞれのために、スイベル軸SAは、1つの頂点を規定するように回転軸PAと交差し、頂点を中心にアクチュエータ21,22は2つの自由度において移動する。
【0047】
カバーがスイベルヘッド112に固定され、ポケットのうちの1つを規定するのに対し、スイベルヘッド112は他のポケットを規定する。組立て中、キャリアはまずトラニオンのうちの1つがスイベルヘッド112におけるポケットに配置されるように位置決めされ、次いで、カバーが、他方のトラニオンの上に固定され、これにより、キャリアは、カバーとスイベルヘッド112との間に捕捉され、トラニオンおよびポケットを介してスイベルヨーク110に対して回転することができる。スイベルヨーク110および関連するキャリアの構成、すなわちスイベル軸SAを中心として旋回しかつピボット軸PAを中心に回転するためのキャリアの能力により、第2の能動ジョイント108は、ベース74に対する前方の2つのアクチュエータ21,22の移動の2つの自由度を可能にする。前方の2つのアクチュエータ21,22とベース74との間のその他のジョイント配列も可能である。
【0048】
能動ジョイントは、後方(第3の)アクチュエータ23をハンドヘルド部分16のベース74に結合する第3の能動ジョイント124も含む。示されたバージョンにおいて、第3の能動ジョイント124は、ジョイント支持体79において支持されている。第3の能動ジョイント124は、ベース74のジョイント支持体79に固定されたピボットハウジング126を含む。
【0049】
第3の能動ジョイント124は、トラニオンを介してピボットハウジング126に回転可能に結合されたキャリアを含む。ポケットを有するファスナは、トラニオンに係合するために貫通孔を介してピボットハウジング126のそれぞれの側に取り付けられる。ファスナは、組立て後にポケットに配置されるトラニオンを介してキャリアが回転することができるように配置される。キャリアは、さらに以下で説明するように、後方アクチュエータ23のリードねじ150を受容するために、雌ねじ山付き貫通孔を有する。ピボットハウジング126および関連するキャリアの構成、すなわちピボット軸PAを中心に回転するだけ(例えば、旋回しない)の関連するキャリアの能力により、第3の能動ジョイント124は、ベース74に対する後方アクチュエータ23の移動の1つの自由度のみを可能にする。後方アクチュエータ23とベース74との間のその他のジョイント配列も可能である。
【0050】
図11を参照すると、各アクチュエータ21,22,23は、ハウジング134を含む。ハウジング134は、キャニスタ136と、キャニスタ136に螺合可能に接続されたキャップ138とを含む。第1の能動ジョイント92の一部を形成するピボットヨーク106は、ハウジング134およびピボットヨーク106が第1の能動ジョイント92を介してツール支持体18に対して一緒に移動することができるようにハウジング134に固定されている。キャップ138は、ピボットヨーク106をキャニスタ136に固定するためにピボットヨーク106の環状の肩部140を捕捉する。
【0051】
幾つかのバージョンにおいて、ピボットヨーク106およびキャニスタ136は、所定の相対的向きにおいて各ピボットヨーク106をそれぞれのキャニスタ136に整列させるための1つまたは複数の整列特徴を含む。このような整列特徴は、結合部分、キー/キー溝等を含んでよい。組立て中、ピボットヨーク106は、まず、所定の相対的な向きにおいてキャニスタ136に固定されてよく、次いで、キャップ138は、所定の相対的な向きにおいてピボットヨーク106をキャニスタ136に捕捉するために(例えば、結合する雄ねじ山および雌ねじ山を介して)キャニスタ136に螺合させられてよい。この所定の関係は、フレキシブル回路FCをルーティングおよび/または整列させ、キャニスタ136に対するピボットヨーク106のローリングを防止する際に、および/またはその他の目的のために有用であり得る。
【0052】
各アクチュエータ21,22,23は、各ハウジング134に配置されたアクチュエータモータ142も含む。アクチュエータモータ142は、ハウジング134に配置されたケーシング144と、ケーシング144内に配置されたモータ巻線アセンブリ146とを有する。モータ巻線アセンブリ146は、上記に記載したような、止めねじSS(
図11参照)またはその他の整列特徴などを介して、キャニスタ136に対する所定の相対的向きで整列させられてもよい。各アクチュエータモータ142は、リードねじ150に固定されたロータ148も有する。リードねじ150は、1つまたは複数のブッシングおよび/または軸受151によってハウジング134において回転するように支持されている。ロータ148および関連するリードねじ150は、アクチュエータモータ142の選択的な通電時にハウジング134に対して回転するように構成されている。リードねじ150は、バックドライビングを防止するために微細なピッチおよびリード角度を有する(すなわち、リードねじ150は、自己ロッキングである)。その結果、ツール20に加えられる荷重は、アクチュエータモータ142を容易にバックドライブしない。幾つかの例において、リードねじ150は、0.02~0.03インチ/回転のリードを生じる8~36のクラス3ねじ山を有する。その他のねじ山タイプ/サイズが使用されてもよい。
【0053】
各アクチュエータ21,22,23は、別個のモータ制御装置によって制御されてよい。モータ制御装置は、各アクチュエータ21,22,23を与えられた標的位置へ個々に方向付けるために、それぞれアクチュエータ21,22,23に別個に配線されてよい。幾つかの例において、モータ制御装置は、比例積分微分(PID)制御装置である。幾つかの例において、モータ制御装置は、器具制御装置28と一体化されることができるまたは器具制御装置28の一部を形成することができる。例示を容易にするために、モータ制御装置は、本明細書では器具制御装置28の一部として説明される。
【0054】
電源は、コンソール33を介してアクチュエータモータ142に、例えば、32VDC電力信号を提供する。32VDC信号は、器具制御装置28を通じてアクチュエータモータ142に適用される。器具制御装置28は、アクチュエータモータ142を選択的に作動させるために各アクチュエータモータ142に電力信号を選択的に提供する。アクチュエータモータ142のこの選択的な作動は、ツール20を位置決めするものである。アクチュエータモータ142は、ブラシレスDCサーボモータ、その他の形式のDCモータ等を含むあらゆる適切なタイプのモータであってよい。電源は、器具制御装置28の内部の構成要素にエネルギ供給するために器具制御装置28にも電力を供給する。電源は、例えば、12VDC、24VDC、40VDCなどのその他のタイプの電力信号を提供することができることが認められるべきである。
【0055】
1つまたは複数のアクチュエータセンサAS(
図11参照)は、器具制御装置28へ再び信号を送信し、これにより、器具制御装置28は、関連するアクチュエータ21,22,23の現在の位置(すなわち、測定された位置)を決定することができ、またはこれはコンソール33において行うことができる。1つまたは複数のセンサASは、位置センサであってよい。これらの信号のレベルは、関連するローラ148の回転位置に関して変化してよい。1つの実装形態において、アクチュエータセンサASは、高い分解能において与えられたターン内でロータ148の回転位置を分解してよい。これらのアクチュエータセンサASは、ロータ148からのまたはリードねじ150に配置されたその他の磁石(例えば、
図11における2極磁石AM)からの感知された磁界に基づいてアナログおよび/またはデジタル信号を出力するホール効果センサであってよい。ホール効果センサに通電するための低電圧信号、例えば、5VDCは、ホール効果センサが関連付けられたアクチュエータモータ142に関連付けられたモータ制御装置から供給されてよい。幾つかの例において、2つのホール効果センサが、ロータ位置を感知するためにロータ148の周囲に互いに90度の間隔を置いてハウジング134に配置されており、これにより、器具制御装置28はまたはコンソールは、ロータ148の位置を決定しかつロータ148の増分回転をカウントすることができる(1つのこのようなアクチュエータセンサASおよびアクチュエータ磁石AMが
図11に示されている)。幾つかのバージョンにおいて、ホール効果センサは、増分カウントを表すデジタル信号を出力する。様々なタイプのモータおよびセンサ配列が可能である。幾つかの例において、アクチュエータモータ142は、ブラシレスDCサーボモータであり、2つ以上の内部ホール効果センサは、ロータ148の周囲に互いに90度、120度またはあらゆるその他の適切な間隔を置いて配置されてよい。アクチュエータセンサASは、アブソリュートエンコーダまたはインクリメンタルエンコーダを含んでもよく、これらは、ロータ148の回転位置を検出しかつロータ148の回転数をカウントするために使用されてよい。その他のタイプのエンコーダが、1つまたは複数のセンサとして使用されてもよい。センサは、ハウジング、ナット、ねじなど、調節されるときに各アクチュエータの位置を決定するのに適したアクチュエータおよびその周囲の構成要素におけるあらゆる適切な位置に配置されてよい。さらに別の構成において、センサレスモータ制御が利用されてよい。このような実装において、各ロータの位置は、モータの逆起電力および/またはインダクタンスを測定することによって決定されてよい。1つの適切な例は、引用によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,422,582号に見られる場合がある。
【0056】
幾つかの例において、ホール効果センサからの出力信号は、器具制御装置28またはコンソールへ送信される。器具制御装置28は、受信した信号を、それらのレベルの変化について監視する。これらの信号に基づいて、器具制御装置28は、ロータ位置を決定する。ロータ位置は、初期位置またはホーム位置からのロータ148の回転の度数であると考えられてよい。ロータ148は、360°の回転を複数回行うことができる。したがって、ロータ位置は、360°を超えることができる。カウントと呼ばれるスカラー値は、ホーム位置からのロータ位置を表す。ロータ148は、時計回りおよび反時計回り方向に回転する。複数の信号(アナログまたはデジタル)の信号レベルが、規定された状態変化を生じるたびに、器具制御装置28は、ロータ位置の変化を示すためにカウントを増加または減少させる。ロータ148の完全な360°の回転ごとに、器具制御装置28は、固定されたカウント数だけカウントの値を増加または減少させる。幾つかの例において、カウントは、ロータ148の360°の回転ごとに100~3000だけ増大または減少させられる。幾つかの例において、ロータ位置を監視するためにインクリメンタルエンコーダが使用される場合など、ロータ148の360°の回転ごとに1024の位置(カウント)が存在する。器具制御装置28の内部には、各アクチュエータ21,22,23に関連したカウンタが設けられている。カウンタは、増加または減少させられた累積カウント数と等しい値を記憶する。カウント値は、正、ゼロまたは負であることができる。幾つかのバージョンにおいて、カウント値は、ロータ148の増分移動を規定する。したがって、アクチュエータ21,22,23のロータ148は、まず、ホーム位置(以下でさらに説明する)と呼ばれる既知の位置へ移動させられてよく、その後、ロータ148の現在位置を規定するためにカウント値が使用される。
【0057】
前に説明したように、キャリア116は、リードねじ150を螺合可能に受容するための雌ねじ山付き貫通孔117を有し、これにより、複数のアクチュエータ21,22,23のうちの対応する1つの有効長を調節し、これにより、器具制御装置28によって測定されるカウントを変化させるために、各リードねじ150が、キャリア116のうちの対応する1つに対して回転することができる。各ハウジング134および対応するキャリア116は、リードねじ150をキャリア116に対して回転させるために少なくとも1つの自由度における相対移動が制約されている。より具体的には、関連する能動軸線AA1,AA2,AA3を中心に回転することができないピボットヨーク106(すなわち、ピボットヨーク106は、第1の能動ジョイント92の構成によりこのような回転運動が制限されている)、および関連する能動軸線AA1,AA2,AA3を中心に回転することができないキャリア116(すなわち、キャリア116は、第2の能動ジョイント108および第3の能動ジョイント124の構成によりこのような回転運動が制限されている)により、リードねじ150は、キャリア116に対して回転することができる。
【0058】
リードねじ150に形成されたねじ山付きファスナおよび肩部などのストッパ152が、リードねじ150に固定されている。ストッパ152は、各リードねじ150の移動の端部においてキャリア116に当接するようにサイズ決めされている。
【0059】
前に説明したように、アクチュエータ21,22,23は、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の移動を可能にするために有効長が能動的に調整可能である。この有効長の1つの例は、
図11の第3のアクチュエータ23において「EL」で示されている。ここで、有効長ELは、関連するキャリア116の中心から、関連する第1の能動ジョイント92の中心まで測定される。各アクチュエータ21,22,23が調整されるので、リードねじ150がどれだけ関連するキャリア116内へねじ込まれるかまたは関連するキャリア116から外へねじ出されるかを変化させ、これにより、関連するキャリア116の中心から関連する第1の能動ジョイント92の中心までの距離を変化させることによって、有効長ELが変化する。アクチュエータ21,22,23は、有効長ELの最小値と最大値との間で調整可能である。各アクチュエータ21,22,23の有効長ELは、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の様々な移動を生じさせるように変化する能動軸線AA1,AA2,AA3に沿ったツール支持体18とハンドヘルド部分16との間の距離を示すためにあらゆる適切な形式で表す/測定することができる。
【0060】
制約アセンブリ24は、アクチュエータ21,22,23によって提供される移動を制約するためにアクチュエータ21,22,23と協調して働く。アクチュエータ21,22,23は3つの自由度において移動を提供するのに対し、制約アセンブリ24は3つの自由度において移動を制約する。示されたバージョンにおいて、制約アセンブリ24は、受動リンク機構26と、受動リンク機構26をツール支持体18に結合する受動リンク機構ジョイント156とを含む。
【0061】
1つのバージョンにおいて、
図14および
図16に示したように、受動リンク機構ジョイント156は、受動リンク機構Uジョイントを含む。Uジョイントは、第1のピボットピン158およびジョイントブロック160を含む。第1のピボットピン158は、ジョイントブロック160を、ジョイントブロック160における貫通孔164を介してツール支持体本体80の受動リンク機構マウント162に回転可能に接続する。止めねじ166は、第1のピボットピン158を受動リンク機構マウント162に固定してよい。Uジョイントは、第2のピボットピン170も含む。ジョイントブロック160は、第2のピボットピン170を受容するためのクロスボア168を有する。第2のピボットピン170は、受動リンク機構26の受動リンク機構ピボットヨーク172をジョイントブロック160に回転可能に接続する。第2のピボットピン170は、第1のピボットピン158を受容するための貫通孔171を有し、これにより、第1のピボットピン158、ジョイントブロック160および第2のピボットピン170は、Uジョイントのクロスを形成している。第1のピボットピン158および第2のピボットピン170は、交差するピボット軸PAを規定している(
図11参照)。その結果、受動リンク機構26は、ツール支持体本体80に対して2つの自由度において移動することができる。ピンを受容するスロットを備えるボールを含む受動的リンク機構球形ジョイント107などの、その他のタイプの受動的リンク機構ジョイントも考えられる(例えば、
図20および
図21を参照)。
【0062】
受動リンク機構26は、受動リンク機構ピボットヨーク172に固定されたシャフト174を含む。受動リンク機構26は、制約軸線CAに沿ってシャフト174を受容するように構成された、ベース74のスリーブ76も含む。受動リンク機構26は、シャフト174がスリーブ76に対して制約軸線CAに沿って軸方向に摺動することを許容し、アクチュエータ21,22,23のうちの1つまたは複数の作動中、制約軸線CAに対して半径方向のシャフト174の移動を制約するように構成されている。
【0063】
受動リンク機構26は、制約軸線CAを中心とするスリーブ76に対するシャフト174の回転を制約するためにキー176をさらに含む。キー176は、
図11に最も良く示されている。キー176は、シャフト174をスリーブ76に回転方向でロックするために、シャフト174およびスリーブ76における対向するキー溝178,180に嵌合する。一体的なキー/スロット配列等の、シャフト174およびスリーブ76の相対回転を防止するためのその他の配列も考えられる。受動リンク機構26は、アクチュエータ21,22,23から独立してツール支持体18およびハンドヘルド部分16を動作可能に相互接続する。受動リンク機構は、アクチュエータ21,22,23の1つはまた複数の作動中、制約軸線CAに沿って有効長ELを受動的に調整可能である。スリーブ76、シャフト174およびキー176は、受動リンク機構26のためのリンクの1つの組合せを表す。あらゆる適切な形式で接続されたリンクのその他のサイズ、形状および数が、受動リンク機構26のために使用されてよい。
【0064】
示されたバージョンにおいて、受動リンク機構ジョイント156は、ツール支持体18に対して2つのピボット軸PAを中心に回転することができる。その他の構成が可能である。
【0065】
また、示されたバージョンにおいて、第1の能動ジョイント92および受動リンク機構ジョイント156は、共通平面に配置されたピボット軸PAを規定する。非平行なピボット軸PA、異なる平面に配置された平行なピボット軸PA、それらの組合せ、および/またはその他の構成も考えられる。
【0066】
幾つかのバージョンにおいて、ツール支持体18のヘッド84は、ツール20がツール支持体18に結合されているとき、ツール20が共通平面に対して平行なツール平面TP(例えば、ブレード平面)に配置されるように配置される。幾つかの例において、ツール平面TPは、共通平面CPから、2.0インチ以下、1.0インチ以下、0.8インチ以下、または0,5インチ以下だけ間隔を空けられている。
【0067】
示されたバージョンにおいて、アクチュエータ21,22,23は、それらのホーム位置を含めて、アクチュエータ21,22,23の全ての位置において能動軸線AA1,AA2,AA3が制約軸線CAに対して傾斜した構成になるように配置されている。軸線AA1,AA2,AA3を傾斜させることは、よりスリムでよりコンパクトなベース74および関連するグリップ72を可能にする形式でアクチュエータ配列を概してテーパさせる。能動軸線AA1,AA2,AA3が制約軸線CAに対して傾斜していない構成にあるものを含むその他の構成が考えられる。このような構成は、ホーム位置においてアクチュエータ軸線AA1,AA2,AA3が互いに平行である構成を含んでよい。
【0068】
アクチュエータ、能動ジョイントおよび制約アセンブリの更なる構成が可能である。説明された制御技術が、言及されていないその他の機械的構成、特に1つまたは複数の自由度においてハンドヘルド部分に対してツールまたはソーブレードを制御するための構成に適用されてよいと考えられる。幾つかのバージョンにおいて、制約アセンブリは不在であってよく、器具14のツール支持体18は、ハンドヘルド部分16に対して追加的な自由度において移動することができてよい。例えば、器具は、リニアアクチュエータ、ロータリアクチュエータまたはその組合せを含んでよい。器具は、並列または直列に配置された2、3、4、5、6以上の異なるアクチュエータを含んでよい。
【0069】
〔フレキシブル回路〕
上述のように、フレキシブル回路FCは、アクチュエータ21,22,23および/またはその他の構成要素を器具制御装置28に相互接続する。例えば、
図12および
図13は、アクチュエータ21,22,23と、制御ハウジング29における制御盤31との間に設けられたフレキシブル回路FCと共に示されている。上述のように、制御盤31は、器具制御装置28と接続されており、器具制御装置28の一部である。フレキシブル回路FCは、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して複数の自由度において移動させられるときにアクチュエータ21,22,23と制御盤31との間の接続を維持するために柔軟であるように構成されている。
【0070】
一例におけるフレキシブル回路FCのルーティングが、
図12~
図18に示されている。
図14および
図15は、器具14の残りから隔離されたフレキシブル回路FCおよび制御ハウジング29(制御盤31を保持する)を示す。
図14および
図15に示したように、フレキシブル回路FCは、フレキシブル回路アセンブリ210の一部を形成している。フレキシブル回路アセンブリ210は、一体に形成されたまたは互いに取り付けられ得る別個の部分として形成された複数の柔軟な細長い部分(またはレッグ)を含んでよい。柔軟な細長い部分は、ポリイミド、透明な伝導性ポリエステルフィルム等の1つまたは複数の柔軟なプラスチック基板を含んでよい。
【0071】
フレキシブル回路アセンブリ210は、柔軟なプラスチック基板に取り付けられたおよび/または埋め込まれた導体を含む。フレキシブル回路FCは、視覚的インジケータ201,202,203と器具制御装置との間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の導体を含んでよい。フレキシブル回路は、アクチュエータ21,22,23と器具制御装置28との間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の導体も含んでよい。特に、柔軟な細長い部分は、アクチュエータフレキシブル回路230,232,234を形成している。
図14および
図15に見られるように、回路リード240は、それぞれアクチュエータ21,22,23に接続するためにアクチュエータフレキシブル回路230,232,234の端部に配置されている。アクチュエータフレキシブル回路230,232,234は、器具制御装置28からそれぞれのアクチュエータ21,22,23のアクチュエータモータ142へ電力を送信するための導体を含んでよい。アクチュエータフレキシブル回路230,232,234は、アクチュエータセンサASと器具制御装置28との間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の導体も含んでよい。さらに、フレキシブル回路は、トリガ(以下でさらに説明する)などの入力装置と器具制御装置28との間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の導体を含んでよい。
【0072】
各フレキシブル回路は、それぞれ独立して、異なる厚さおよび幅を示してよい。各フレキシブル回路の寸法は、互いに同じであっても、異なってもよい。幾つかの例において、各フレキシブル回路FCの幅は、フレキシブル回路FCの厚さよりも大幅に大きい。幅は、フレキシブル回路の厚さの少なくとも3倍大きい、少なくとも5倍大きい、少なくとも8倍大きい、またはさらには少なくとも10倍大きくてよい。フレキシブル回路の幅に対する厚さの比は、フレキシブル回路の幅に沿った曲げとは反対に、フレキシブル回路の長さに沿った曲げの傾向につながる。加えて、幅に対する厚さの比は、z軸を中心とする回転および/またはねじれの傾向を提供し得る。
【0073】
図16~
図18を参照すると、フレキシブル回路支持体212は、アクチュエータ21,22まで延びるフレキシブル回路アセンブリ210のアクチュエータフレキシブル回路230,232のうちの1つまたは複数、すなわち、フレキシブル回路のうちの1つまたは複数をツール支持体18に取り付けるために、1つまたは複数の取付け部材214を介してツール支持体18に取り付けられている。特に、2つのアクチュエータフレキシブル回路230,232は、フレックスガイド250における取付け部材214によってフレキシブル回路支持体212に接続されている。取付け部材214は、フレックスガイド250の表面に対してまたは隣接してアクチュエータフレキシブル回路230,232を抑制するために機能する。取付け部材214は、示された位置にアクチュエータフレキシブル回路230,232を保持するために、ファスナ、例えば、ねじ、接着剤等、またはあらゆるその他の適切な形式の取付け部材を含んでよい。別の例において、フレキシブル回路アセンブリ210は、接着剤などの代替的な固定手段によって、フレキシブル回路支持体212、フレックスガイド250、ツール支持体18、ハンドヘルド部分16またはそれらの組合せに取り付けられてよい。
【0074】
一例において、
図16および
図17に示したように、フレキシブル回路支持体212は、取付け部材214を受容するための1つまたは複数の取付け位置216を規定する本体を含む。取付け部材214によって捕捉されたアクチュエータフレキシブル回路230,232は、開口220を含み、この開口220を通じて、取付け部材214はアクチュエータフレキシブル回路230,232を本体に固定する(
図14に示された開口220を参照)。フレックスガイド250は、動作中にアクチュエータ21,22が移動するときにアクチュエータフレキシブル回路における応力を低減する形式でこれらのアクチュエータフレキシブル回路230,232をガイドするために、フレキシブル回路アセンブリ210のアクチュエータフレキシブル回路230,232を受容するようにサイズ決めされた一対の切欠き218も規定している。
【0075】
図9および
図11を参照して上述したように、アクチュエータ21,22,23は、アクチュエータ21,22,23のハウジング134がアクチュエータマウント86,88,90においてツール支持体18にピボットヨーク106を介して接続されるように、本教示において配置されかつ組み立てられている。上述のように、各アクチュエータ21,22,23は、それぞれのハウジング134内に配置されたアクチュエータモータ142を含む。アクチュエータモータ142は、リードねじ150に接続されており、リードねじ150を回転させる。リードねじ150は、第2の能動ジョイント108(アクチュエータ21,22に対応する)および第3の能動ジョイント124(アクチュエータ23に対応する)においてハンドヘルド部分16に接続されている。リードねじ150は、ハウジング134およびアクチュエータモータ142に対して回転させられ、それぞれ第2の能動ジョイントおよび第3の能動ジョイントにねじにより出し入れされ、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の移動を容易にする。アクチュエータ21,22,23は、ハウジング134のキャップ138によって形成されたピボットヨーク106によってアクチュエータマウント86,88,90に取り付けられているので、アクチュエータ21,22,23は、ツール支持体18のアクチュエータマウント86,88,90に対して2つの自由度(ピッチおよびロール)においてのみ移動させられる。したがって、特に
図12~
図19に見られるフレキシブル回路FCは、接続点238において各アクチュエータ21,22,23のハウジング134に沿って接続されており、これにより、アクチュエータフレキシブル回路230,232は、アクチュエータ21,22,23がツール支持体18に対して移動するときに同じ2つの自由度(例えば、ピッチおよびロール)において移動するためにツール支持体18のフレックスガイド250と各アクチュエータ21,22との間に十分な材料長さのみを必要とする。アクチュエータ21,22のハウジング134は、アクチュエータ21,22とベース74との間に配置されたそれぞれのフレキシブル回路接続部238を有する。同様に、フレキシブル回路アセンブリ210のアクチュエータフレキシブル回路234は、アクチュエータ21,22,23がツール支持体18に対して移動するときに同じ2つの自由度(例えば、ピッチおよびロール)において移動するためにツール支持体18とアクチュエータ23との間に十分な材料長さのみを必要とする。アクチュエータ21,22と同様に、アクチュエータ23のフレキシブル回路接続部238は、アクチュエータ23とベース74との間に配置されている。言い換えれば、アクチュエータフレックス接続部238は、ベース74に面している。
【0076】
図12~
図19に示したように、幾つかの例において、フレキシブル回路支持体212は、フレキシブル回路230,232の接続を妥協することなくおよび/またはフレキシブル回路230,232を裂断させることなくアクチュエータ21,22およびハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の運動範囲を通じてフレキシブル回路アセンブリ210を移動させることを容易にすることを助けるために、アクチュエータフレキシブル回路230,232のセグメント236をフレックスガイド250とアクチュエータフレックス接続部238との間に位置決めするように構成されている。
図17~
図19を見ると、フレキシブル回路支持体212は、ロール自由度、ピッチ自由度またはその両方におけるアクチュエータフレキシブル回路230,232の変形を制御するために、フレックスガイド250をアクチュエータ21,22のピボット軸線PAに沿って有利には位置決めしてよく、アクチュエータフレキシブル回路230,232を長手方向軸線LAに沿ってそれぞれアクチュエータ21,22のピボット軸線PAの中心点と軸方向で整列させる。より具体的には、この形式でのフレックスガイド250の位置決めは、フレキシブル回路の一体性を妥協する可能性がある鋭い曲げを回避するために、より大きな長さにわたってフレキシブル回路230,232のロール自由度およびピッチ自由度における変化を分散させる。
【0077】
加えて、アクチュエータフレキシブル回路230,232は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにツール支持体18とアクチュエータ21,22との間のフレキシブル回路230,232の接続を維持することを補助するために、フレックスガイド250と、アクチュエータ21,22との接続部238との間のセグメント236において追加的な材料を含んでよい。アクチュエータフレキシブル回路230,232のセグメント236は、フレックスガイド250を通ってアクチュエータフレックス接続部238へルーティングされており、湾曲したベンドとして形成されてよい。フレックスガイド250は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるとき、特に少なくともロール方向およびピッチ方向において、運動範囲を通じてアクチュエータフレキシブル回路230,232を支持する。
【0078】
同様に、フレキシブル回路アセンブリ210のアクチュエータフレキシブル回路234は、第3のアクチュエータ23まで延びており、第3のアクチュエータ23と接続されている。
図14、
図15および
図17に示したように、アクチュエータフレキシブル回路234は、ツール支持体18上の制御ハウジング29および制御盤31から第3のアクチュエータ23へルーティングされている。上記のように、アクチュエータ23のフレキシブル回路接続部238は、アクチュエータ23とベース74との間に配置されている。アクチュエータフレキシブル回路234は、フレキシブル回路234に損傷を生じることなくツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにアクチュエータフレキシブル回路234が運動範囲を通じて移動することを可能にするために長さを最適化しながら、ツール支持体のアーティキュレーションの間のフレキシブル回路のバインディングを回避するために必要とされる材料の量を最小限にするようにルーティングされている。
【0079】
アクチュエータフレキシブル回路234は、アクチュエータ23の周囲を取り囲むようにラップセクションを含んでよく、フレキシブル回路ループ244を形成している。フレキシブル回路ループ244は、バインディングおよびスナッピングなしにツール支持体18が複数の自由度においてハンドヘルド部分16に対して移動させられる間、アクチュエータ23との接続を維持するために十分な長さをアクチュエータフレキシブル回路234に提供してよい。フレキシブル回路ループ244は、アクチュエータ23がホーム位置にある間、アクチュエータ23の長手方向軸線と軸方向で整列させられてよい。
図12~
図14、
図18および
図20に示したように、幾つかの例において、フレキシブル回路ループ244は、アクチュエータ23の周囲に回転の少なくとも270度だけラッピングされている。その他の例において、アクチュエータフレキシブル回路234のラッピングされたセクションは、アクチュエータ23の周囲に少なくとも1と4分の3回転だけルーティングされている。アクチュエータ23の周囲にアクチュエータフレキシブル回路234をラッピングするその他の例が考えられる。リードねじ150の周囲ではなく、アクチュエータ23のハウジング134の周囲にループを配置することによって、フレキシブル回路234とアクチュエータ23との間の干渉が最小限に抑制される。
【0080】
図20~
図40は、フレキシブル回路アセンブリ310の代替的な構成を備える器具14の代替的な構成を示す。代替的な構成は、上記で前に説明した構成と実質的に類似であってよい。
図20および
図21は、器具14の斜視図を示す。この構成において、入力装置298は、ハンドヘルド部分16に配置されている。入力装置298は、この図ではトリガアセンブリとして構成されている。この構成における入力装置298は、ユーザが器具制御装置28へ作動信号を選択的に送信することを可能にするためにグリップ72に配置されている。
【0081】
図20および
図21は、代替的なフレキシブル回路アセンブリ310を含む器具14の斜視図を示す。上記のように、回路FCは、アクチュエータ21,22,23および/またはその他の構成要素を器具制御装置28に相互接続している。例えば、
図24~
図26は、フレキシブル回路FCがアクチュエータ21,22,23と制御ハウジング29における制御盤31との間に設けられるように示されている。フレキシブル回路FCは、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して複数の自由度において移動させられるときにアクチュエータ21,22,23と制御盤31との間の接続を維持するように構成されている。
【0082】
一例におけるフレキシブル回路FCのルーティングが、
図22~
図29に示されている。
図22~
図25は、器具14の残りから隔離されたフレキシブル回路FCおよび制御ハウジング29(制御盤31を保持する)を示す。
図22~
図23に示すように、フレキシブル回路FCは、フレキシブル回路アセンブリ310の一部を形成している。フレキシブル回路アセンブリ310は、一体に形成されたまたは互いに取り付けられ得る別個の部分として形成された複数のアクチュエータフレキシブル回路(またはレッグ)330,332,334を含んでよい。アクチュエータフレキシブル回路330,332,334は、ポリイミド、透明伝導性ポリエステルフィルム等の1つまたは複数のフレキシブルプラスチック基板を含んでよい。
【0083】
フレキシブル回路アセンブリ310は、フレキシブルプラスチック基板に取り付けられたおよび/または埋め込まれた導体を含む。導体は、アクチュエータ21,22,23と、制御盤31のうちの1つまたは複数との間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の回路を含んでよい。回路リード(図示せず)が、それぞれアクチュエータ21,22,23に接続するためにフレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332,334の端部に配置されている。導体は、アクチュエータセンサASと、制御盤31のうちの1つまたは複数(またはアクチュエータセンサASはアクチュエータ21,22,23の一部であると考えられてよい)および/またはトリガセンサなどの器具において利用されるその他のセンサとの間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の回路も含んでよい。導体は、トリガアセンブリ(以下でさらに説明する)などの入力装置298の間でデータおよび/または電力を送信するための1つまたは複数の回路を含んでよい。
【0084】
フレキシブル回路は、各アクチュエータのモータまで延びるフレキシブル回路の第1の部分と、各アクチュエータのエンコーダ/センサまで延びる別の部分との間で分離されてよく、第1および第2の部分は、選択的に、制御装置/制御盤のうちの1つまたは複数へ戻るメインフレックスとして接合されていることが理解されるべきである。部分的に分割されたフレキシブル回路構成は、全ての異なるアクチュエータフレキシブル回路および/または入力装置/トリガアセンブリまで延びるフレキシブル回路など、器具を通じて使用されるその他のフレキシブル回路のために使用することができる。
【0085】
図24~
図32を参照すると、フレキシブル回路アセンブリ310は、ツール支持体18を通じてアクチュエータ21,22,23および入力装置298へルーティングされている。アクチュエータ21,22まで延びるフレキシブル回路アセンブリ310のアクチュエータフレキシブル回路330,332は、フレックスガイド350を通じてルーティングされている。
図24~
図26に示したように、一例において、フレックスガイド350は、ツール支持体18に取り付けられており、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときに2つ以上の自由度における変形を最小限にするために有利にはアクチュエータ21,22に対してアクチュエータフレキシブル回路330,332を位置決めするように構成されている。
【0086】
上述のように、特に
図24~
図26および
図36~
図37に見られるフレキシブル回路FCは、フレックス接続部338において各アクチュエータ21,22,23のハウジング134に沿って接続されており、これにより、フレキシブル回路アセンブリ310のアクチュエータフレキシブル回路330,332は、アクチュエータ21,22,23がツール支持体18に対して移動するときに同じ2つの自由度(例えば、ピッチおよびロール)において移動するためにツール支持体18のフレックスガイド350と各アクチュエータ21,22との間の十分な材料長さのみを必要とする。アクチュエータ21,22は、アクチュエータ21,22とベース74との間に配置されたそれぞれのフレキシブル回路接続部238を有する。同様に、フレキシブル回路アセンブリ310のアクチュエータフレキシブル回路334は、アクチュエータ21,22,23がツール支持体18に対して移動するときに同じ2つの自由度(例えば、ピッチおよびロール)において移動するためにツール支持体18とアクチュエータ23との間の十分な材料長さを必要とする。アクチュエータ21,22のように、アクチュエータ23のフレキシブル回路接続部338は、アクチュエータ23とベース74との間に配置されている。言い換えれば、アクチュエータフレックス接続部338は、ベース74に面している。
【0087】
フレックスガイド350は、動作中にアクチュエータ21,22が移動するときフレキシブルアクチュエータフレキシブル回路における応力を減じる形式でこれらのフレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332をルーティングするように構成されている。
図26~
図29は、フレックスガイド350を通じて捕捉されたアクチュエータフレキシブル回路330,332を示す。
図20~
図29に示したように、幾つかの例において、フレックスガイド350は、アクチュエータ21,22に対して相対的に斜めの形式で位置決めされている。フレックスガイド350は、フレキシブル回路FCを接続破壊および/または裂断させることなくアクチュエータ21,22およびハンドヘルド部分16に対してツール支持体18の運動範囲を通じてフレキシブル回路アセンブリ310を移動させることを容易にすることを助けるために、アクチュエータフレキシブル回路330,332のセグメント336をフレックスガイド350とアクチュエータフレックス接続部338との間に位置決めするように構成されている。
図28~
図30を見ると、フレックスガイド350は、アクチュエータ21,22のピボット軸線PAに対して斜めに位置決めされてよく、ロール自由度、ピッチ自由度またはその両方におけるアクチュエータフレキシブル回路330,332の変形を最小限にするために、アクチュエータフレキシブル回路330,332をアクチュエータ21,22のピボット軸線PAの中心点とそれぞれ整列させている。
【0088】
図31および
図32を参照すると、フレックスガイド350のうちの1つまたは複数はそれぞれ、ピッチおよびロール移動の間にフレキシブル回路アセンブリ310のフレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332の回転のスパンを規定するプロフィルを含む。プロフィルは、アクチュエータフレキシブル回路330,332の幅よりも幅広になるように構成されていてよく、これにより、フレックスガイド350は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにアクチュエータフレキシブル回路330,332の幅にわたって支持を提供する。フレックスガイド350にはそれぞれ、上面358と底面360との間にチャネル356が形成されている。上面358および底面360の両方は、同じプロフィルまたは異なるプロフィルを有してよい。チャネル356のプロフィルは、チャネル356の異なるセクションにおいて、変化する高さを含んでよい。例えば、
図32において、チャネル356は、上面358から延びる突出部362および底面360から延びる突出部364を備えて成形されている。各突出部362,364は、突出部362,364からチャネル356の各側へ傾斜した面を形成している。各突出部362,364から、チャネル356の高さは、傾斜した面に沿ってそれぞれの側へ横方向に進みながら増大している。例えば、第1の高さH1は、第1の突出部362と第2の突出部364との間の高さであってよく、第2の高さH2は、チャネル356の上面358と底面360との間の距離であってよく、これにより、作動中、アクチュエータフレキシブル回路330,332は、ハンドヘルド部分16が最大運動範囲を有するとき(例えば、アクチュエータ21,22,23がそれぞれのホーム位置にあるとき)第1の高さH1と接触してよい。アクチュエータフレキシブル回路330,332は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられる間、突出部362,364を中心に旋回するように構成されており、アクチュエータフレキシブル回路330,332の幅にわたって支持を提供し、電気接続を維持しながら破断または裂断を防止する。フレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332の厚さは、チャネル356の上部突出部362と底部突出部364との間の距離よりも小さく、アクチュエータフレキシブル回路330,332がフレックスガイド350のチャネル356を通過することを可能にしている。
【0089】
図30~
図32に最も良く見られるように、フレックスガイド350は、ベース352およびカバー354を備えた二部設計として構成されてよい。ベース352は、ツール支持体18と接続されてよく、カバー354は、ベース352と接続するように構成されてよい。幾つかの例において、カバー354は、スナップばめ接続においてベースと接続されてよい。その他の構成において、カバー354は、摩擦ばめ接続、プレスばめ接続、スリップばめ接続またはあらゆるその他のタイプの機械的取り付け接続においてベース352と接続されてよい。
図26、
図27および
図33に見られるように、フレックスガイドのベース352およびカバー354は、フレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332を包囲しかつガイドするように構成されており、アクチュエータフレキシブル回路330,332をツール支持体18とアクチュエータ21,22との間の所望の関係において位置決めする。幾つかの例において、ベース352およびカバー354はそれぞれ、ベース352およびカバー354が接続されたときにフレックスガイド350のプロフィルおよびチャネル356を規定する自己のプロフィルを有する。
【0090】
アクチュエータフレキシブル回路330,332は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときツール支持体18とアクチュエータ21,22との間のフレキシブル回路FCの接続を維持することを補助するために、フレックスガイド350と、アクチュエータ21,22との接続部338との間のセグメント336において追加的な材料を含んでよい。フレキシブルアクチュエータフレキシブル回路330,332のセグメント336は、フレックスガイド350を通じてアクチュエータフレックス接続部338へルーティングされており、湾曲したベンドとして形成されてよい。フレックスガイド350は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるとき、特に少なくともロール方向およびピッチ方向において、運動範囲を通じてアクチュエータフレキシブル回路330,332を支持する。
【0091】
図34A~
図35Bを参照すると、入力装置フレキシブル回路370は、入力フレックスガイドアセンブリ340からルーティングされている。入力フレックスガイドアセンブリ340は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにフレキシブル回路370をガイドし、張力アセンブリ266,410は、複数のアクチュエータ21,22,23が作動させられるとき調節する。入力フレックスガイドアセンブリ340は、受動的リンク機構マウント162に結合および固定されてよい。入力フレックスガイドアセンブリ340は、入力装置フレキシブル回路370がピボット軸線PAのすぐ下方においてハンドヘルド部分の中央平面に整列させられることを可能にするために機能してよい。入力フレックスガイドアセンブリ340は、張力アセンブリ266,410が高さおよびピッチの両方(以下でさらに説明される)を補償するように、入力装置フレキシブル回路370をガイドおよびルーティングする。加えて、入力フレックスガイドアセンブリ340は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対してロールさせられるときにループ372の角度および/またはきつさを促進する。入力フレックスガイドアセンブリは張力アセンブリから独立して利用されてよく、その逆でもあることが認められるべきである。
【0092】
図35Aおよび
図34Bは、入力フレックスガイドアセンブリ340の改良された図を示す。
図35Aは、ツール支持体18から隔離された入力フレックスガイドアセンブリ340を示し、入力装置フレキシブル回路370を透視図で示す。入力装置フレキシブル回路370は、フレックスガイドベース341の下側と、入力フレックスガイドルーティング部材342の上側とをルーティングされている。入力フレックスガイドアセンブリ340は、フレックスガイドベース341の取付けセクション343において受動的リンク機構マウント162と接続している。
【0093】
同様に、フレキシブル回路FCのアクチュエータフレキシブル回路334は、第3のアクチュエータ23まで延びており、第3のアクチュエータ23と接続されている。
図22および
図26~
図29に示したように、アクチュエータフレキシブル回路334は、ツール支持体18における制御ハウジング29および制御盤31から第3のアクチュエータ23までルーティングされている。上記のように、アクチュエータ23のフレキシブル回路接続部338は、アクチュエータ23とベース(図示せず)との間に配置されている。フレキシブル回路アセンブリ310のアクチュエータフレキシブル回路334は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにアクチュエータフレキシブル回路334が運動範囲を通じて移動することを可能にするために長さを最適化しながら必要とされる材料の量を最小限にするようにルーティングされている。
【0094】
アクチュエータフレキシブル回路334は、アクチュエータ23の周囲を取り囲むようにラッピングされたセクションを含んでよく、フレキシブル回路ループ344を形成されている。フレキシブル回路ループ344は、バインディングおよびスナッピングなしにツール支持体18が複数の自由度においてハンドヘルド部分16に対して移動させられる間、アクチュエータ23との接続を維持するために十分な長さをアクチュエータフレキシブル回路334に提供してよい。フレキシブル回路ループ344は、軸方向でアクチュエータ23と整列させられてよい。
図26および
図27に最も良く見られるように、幾つかの例において、フレキシブル回路ループ344は、アクチュエータ23の周囲に回転の少なくとも4分の3だけラッピングされている。その他の例において、アクチュエータフレキシブル回路334のラッピングされたセクションは、アクチュエータ23の注意に少なくとも1つ4分の3だけルーティングされている。アクチュエータ23の周囲にアクチュエータフレキシブル回路334をラッピングするその他の例が考えられる。
【0095】
ここで
図33を参照すると、フレキシブル回路アセンブリ310は、フレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370(入力装置部分とも呼ばれる)を含む。
図22~
図25および
図36~
図37におけるような幾つかの例において、入力装置フレキシブル回路370は、器具制御装置28のc部分、この例では、制御ハウジング29に配置された制御盤31から、トリガアセンブリなどの入力装置298まで延びている。アクチュエータ21,22,23と接続されかつ主に2つの自由度(ピッチおよびロール)において移動するアクチュエータフレキシブル回路330,332,334とは異なり、入力装置フレキシブル回路370は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して、ピッチ、ロールおよびz軸並進方向(ハンドヘルド部分16に対する高さ)などにおいて移動させられるとき、3つ以上の自由度のために調整しなければならない。
【0096】
入力装置フレキシブル回路370は、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18のロール移動を補償するために調整ループ372を利用する。調整ループは、
図23~
図25、
図33および
図39に最も良く見られるように、ホーム位置において(例えば、アクチュエータ21,22,23が最大行程を有するとき)ツール支持体18の長手方向ピボット軸線PAを中心に配置されている。調整ループ372は、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対してロール自由度において移動させられるとき拡張および収縮するように構成されている。幾つかの例において、移動範囲を促進するために、調整ループ372は、各アクチュエータがホーム位置、すなわち、リードねじ150を中心とする中央位置にあるとき、少なくとも1と4分の3回転だけツール支持体18の長手方向ピボット軸線を包囲するフレキシブル回路の長さであってよい。その他の例において、調整ループ372は、4分の3回転と完全な3回転との間でツール支持体18の長手方向ピボット軸線の周囲にラッピングされてよい。しかしながら、その他の配列が考えられる。
【0097】
調整ループ372は、第1のエルボセクション374および第2のエルボセクション376などの1つまたは複数のエルボセクションを介して入力装置フレキシブル回路370の残りと接続されている。
図33~
図38を参照すると、第1のエルボセクション374は、調整ループ372を、ツール支持体18から調整ループ372まで延びるフレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370のセグメント378に接続している。第2のエルボセクション376は、調整ループ372を、ハンドヘルド部分16から調整ループ372まで延びるフレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370のセグメント380に接続している。各エルボセクション374,376は、90度の角度で調整ループ372と接続しており、2つの平面的セグメントを形成しているが、エルボ374,376は、70~130度の角度を有するベンドなど、考えられるその他の角度および構成を有してよい。幾つかの例は、2つ以上の平面的エルボ374,376を含んでよい。エルボセクション374,376は、ツール支持体18がピッチ移動においてハンドヘルド部分16に対して移動させられるとき、入力装置298とツール支持体18との間の接続を維持するためにフレキシブル回路の変形の位置を制御するように構成されてよく、入力装置フレキシブル回路370を破壊なしに曲げることを可能にし、トリガアセンブリ298またはその他の入力装置との接続を維持する。
【0098】
図39~
図41は、ここではトリガアセンブリとして示された入力装置298を含む入力モジュールアセンブリ260と接続された入力装置フレキシブル回路370を示す。入力モジュールは、入力モジュールアセンブリ260を通じてルーティングされかつ1つまたは複数のファスナ382によってベース74に固定されたフレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370と接続されている。入力モジュールアセンブリ260は、ハンドヘルド部分16内に配置されているが、例示のために、ハンドヘルド部分16およびグリップ72の大部分は、
図36~
図42には示されていない。
【0099】
図36、
図37、
図39および
図40は、入力モジュールアセンブリ260(互換的にトリガアセンブリ)を示す。幾つかの例において、入力モジュールアセンブリ260は、入力装置298(トリガとして示されている)および付勢部材300、磁石TMおよびセンサSなどの関連する構成要素を含む。トリガ298は、入力モジュールアセンブリ260のトリガセンサTSがセンサに対するトリガ298の相対的位置を確かめることができるように位置決めされており、これにより、ユーザ入力は、ツール20を選択的に作動させるために制御盤31および器具制御装置28へ送信されてよい。
【0100】
入力モジュールアセンブリ260は、トリガセンサTSと通信するトリガ298を含む。トリガセンサTSは、磁石TMの位置情報を電気信号の形式で制御盤31へ送信するためにフレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370と接続されている。入力モジュールアセンブリ260は、1つまたは複数のトリガセンサTSに対して(トリガ磁石TMを介して)トリガ298の部分を監視するために入力装置フレキシブル回路370と動作可能に接続された1つまたは複数のトリガセンサTSを含む。幾つかの例において、
図39および
図40に示したように、入力モジュールアセンブリ260は、トリガセンサTSによって感知されるように構成されたトリガ磁石TMを備えるトリガ298を含む。トリガセンサTSは、ホール効果センサとして構成されてよいが、その他のタイプのセンサおよび感知方法が考えられる。さらに、入力装置は、幾つかの実装形態においてトリガを含んでよいと考えられ、これにより、トリガセンサおよびトリガ磁石を含むと称されるが、幾つかの実装形態において、別の可動な構成要素がトリガと置き換えられてよく、トリガおよびトリガセンサに関して説明したようにセンサおよび磁石を利用してよい。
【0101】
ハンドヘルド部分16は、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18の可変位置に応じて、ハンドヘルド部分16とツール支持体18との間に配置された入力装置フレキシブル回路370の長さを選択的に調整するための張力アセンブリ266,410を含んでよい。張力アセンブリは、器具が複数の自由度において移動させられる間、入力装置フレキシブル回路370をガイドし、入力モジュールアセンブリ260との入力装置フレキシブル回路370の接続を維持する。言い換えれば、張力アセンブリ266,410は、ツール支持体18とハンドヘルド部分16とが複数のアクチュエータによって互いに対して移動させられるとき、ハンドヘルド部分16とツール支持体18との間で利用可能な入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380の長さを制御するために機能してよい。張力アセンブリ266は、器具がその運動範囲を通じて移動しながらねじれおよび挟み込みを回避するためにあらゆるたるみが入力装置フレキシブル回路370において吸収されるように、コンタクトを通じて入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380に対して力を加える。加えて、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられ、より多くの利用可能なフレキシブル回路長さ380を必要とするとき、張力アセンブリ266,410は、入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380が通過することを可能にし、器具14の完全な移動範囲のために追加的な長さを提供する。上述のように、入力フレックスガイドアセンブリ340は、入力装置フレキシブル回路370を張力アセンブリ266,410へガイドおよびルーティングする。入力フレックスガイドアセンブリ340は、張力アセンブリ266,410が入力装置フレキシブル回路370の利用可能な長さを調整するときに高さおよびピッチの両方を補償するためにツール支持体18が移動させられるとき、入力装置フレキシブル回路370に支持を提供する。
図39~
図40および
図42~
図43に見られるように、張力アセンブリ266,410は、ハウジング264,412内に配置されている。ツール支持体上など、代替的な位置も考えられる。
【0102】
図39~
図41に見られる一例において、張力アセンブリ266は、ルーティング部材268および付勢部材270を含む。付勢部材270は、張力部材と呼ばれてもよい。幾つかの例において、ルーティング部材268は、静止しているまたは付勢部材に固定されており、フレキシブル回路アセンブリ310の入力装置フレキシブル回路370がルーティング部材268の周囲でスライドすることを可能にする。その他の例において、ルーティング部材268は、入力装置フレキシブル回路370がルーティング部材268の周囲を滑るようにローラ部材として構成されている。
【0103】
図41に最も良く見られるように、張力アセンブリ266の付勢部材270は、入力装置フレキシブル回路370に対して力を加えるために使用され、これにより、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に向かう方向へ移動させられると、付勢部材270が入力装置フレキシブル回路370に力を加え、ルーティング部材268の周囲の入力装置フレキシブル回路370の余分な材料を孔272内へ押し込み、入力装置フレキシブル回路370の部分380のたるみを吸収する。ツール支持体18がハンドヘルド部分16から離れるように移動させられると、入力装置の細長い部分380は、付勢部材270の力よりも大きな力を加え、付勢部材270を押し下げ、ルーティング部材268の周囲をロールし、入力装置フレキシブル回路370の余分な長さが、ハンドヘルド部分16に対するツール支持体18のz軸並進を補償することを可能にする。この構成において、ルーティング部材は、非線形経路を形成するように配置されており、この非線形経路の周囲にフレキシブル導体またはフレキシブル回路がルーティングされている。
【0104】
ある例において、張力アセンブリ266は、器具14のその他の構成要素のためのフレキシブル回路FCのために使用されてよい。例えば、張力アセンブリ266は、ある実装形態におけるアクチュエータフレキシブル回路330,332,334のために、トリガ以外の入力装置のために、および力センサ、ジャイロスコープ、変位センサ、温度センサ、慣性センサ等の、アクチュエータまたはトリガの位置以外の器具の特性を感知するために使用されるセンサのために使用されてよい。
【0105】
張力アセンブリ410の別の例が、
図42~
図50Eに示されている。入力モジュールアセンブリ260は、張力アセンブリ410を含む。張力アセンブリ410は、付勢部材416と接続されたスイングアーム424を備えるハウジング412を含み、付勢部材416はスイングアーム424とハウジング412との間に配置されている。張力アセンブリ410は、器具14が複数の自由度において移動させられるとき、フレキシブル回路370の入力装置部分380に張力を加えるために機能してよい。張力アセンブリ410は、ツール支持体18およびハンドヘルド部分16が、入力装置フレキシブル回路370の入力部分380の全長が必要とされないポーズにあるとき、ハンドヘルド部分16とツール支持体18との間に配置された入力装置フレキシブル回路370の入力部分380の追加的な長さを吸収するために機能してよい。
【0106】
張力アセンブリ410のハウジング412は、張力アセンブリ410の移動エレメントを保持し、入力装置フレキシブル回路370を入力装置センサSへルーティングするためにハウジングに形成された領域430,432を提供するために機能する。ハウジング412は、2つの部分で形成され、ファスナ428を使用して一緒に固定されてよい。
図44に最も良く見られるように、張力アセンブリ410が分解図で示されている。ハウジング412は、それぞれ付勢部材416およびガイド部材418を受容するように成形された取付け領域419,420を備えて形成されている。スイングアーム424が、ツール移動中に入力装置フレキシブル回路370の管理を補助するために移動することを可能にするために、ハウジング412は、スイングアーム424の取付け位置436の反対側に、スイングアーム424の運動範囲に対応する開口426を形成している。
【0107】
スイングアーム424は、ピボットピン422、ピボット接続によって、張力アセンブリ410のハウジング412と旋回可能に接続されている。スイングアーム424は、付勢部材416と通信しており、付勢部材416は、ツール支持体18の移動中に入力装置フレキシブル回路370に張力を加えるためにスイングアームに力を提供する。スイングアーム424は、張力部材と呼ばれてもよい。スイングアーム424は、ローラピン415によってスイングアーム424に結合されたルーティング部材414を含み、ルーティング部材は、ピボット接続とは反対のスイングアームの端部に配置されている。ローラピン215は、ローラ軸マウント434においてスイングアーム424に接続されている。スイングアーム424は、ルーティング部材414が入力装置フレキシブル回路370と相互作用するときに、ハウジング412の開口426に沿ってピボットピン422を中心に移動する。
【0108】
ルーティング部材414は、スイングアーム424の一方の端部と接続されている。
図42~
図45および
図47~
図50Eに示された幾つかの構成において、ルーティング部材414は、器具移動中に張力アセンブリ410が入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380の利用可能な長さを増減させるときに入力装置フレキシブル回路370における抗力を減じるためにローラピン415を中心に回転可能である。その他の例において、ルーティング部材414は、スイングアーム424に対して静止していてよい。入力装置フレキシブル回路370は、スイングアーム424がルーティング部材414を介して入力装置フレキシブル回路370に力を加えるように、ルーティング部材414の周囲にルーティングされている。
【0109】
張力アセンブリ410は、ハウジング412内にガイド部材418を含む。ガイド部材418は、スイングアーム424の移動およびハウジング412における開口426の形状に対して同心の湾曲を有する。例えば、スイングアーム424は、ピボットピン422において取り付けられ、ピボットピン422は、スイングアーム424の長さに対応する半径を有する円の少なくとも一部の中心点を形成する。ガイド部材418は、スイングアーム424の一部がガイド部材418に沿って乗り上げるように位置決めされている。ガイド部材418は、ピボットピン422を中心に旋回する時にスイングアーム424が形成する半径と同心の形状を有し、これにより、スイングアーム424は、ハウジング412内でガイド部材418に沿って乗り上げる。幾つかの例において、ガイド部材418は、ガイドマウント420においてハウジング412に保持されている。少なくとも
図43および
図44に見られるように、スイングアーム424は、ガイド部材418の周囲に配置されており、ガイド部材418は、ハウジング412とスイングアーム424との間に付勢部材416のための経路を提供している。付勢部材416は、ハウジング412と、張力アセンブリ410のスイングアーム424との間に配置されている。付勢部材416は、入力装置部分380までの長さの変化を可能にし、かつ複数の自由度におけるツール移動中に入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380に存在するあらゆるたるみを減じるために、入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380に力を加えるためにスイングアーム424に力を加えるように機能してよい。幾つかの例において、付勢部材416は、スイングアーム424の運動範囲全体を通じて少なくとも部分的に圧縮されてよい。付勢部材416は、コイルばねとして示されているが、トーションばねなどのその他の適切な付勢部材が考えられる。
【0110】
幾つかの例において、張力アセンブリ410は、ハンドヘルド部分16において器具14に接続されており、制約アセンブリ24に取り付けられており、入力センサTSに隣接している(
図47)。
図48および
図49A~
図49Bは、張力アセンブリ410を通じた入力装置フレキシブル回路370のルーティングを示す。入力装置フレキシブル回路370は、ハウジング412の上部を通り、ルーティング部材414の周囲を、センサSに接続するハウジング412のルーティング領域430,432に沿って、ルーティングされている。その他の例において、張力アセンブリ410は、ツール支持体18に接続されてよい。言い換えれば、張力アセンブリ410は、ツール支持体18またはハンドヘルド部分16のいずれかに接続されており、器具制御装置28は、ツール支持体18またはハンドヘルド部分16のうちの他方に配置されている。
【0111】
図50A~
図50Eを参照すると、ツール支持体18が複数の自由度を通じてハンドヘルド部分16に対して移動させられるときにフレキシブル回路370の張力を調整する張力アセンブリ410が示されている。
図50Aは、上昇させられたツール支持体18を示し、アクチュエータ21,23がハンドヘルド部分16から離れるように調整されており、付勢部材416を克服するための十分な力で入力装置フレキシブル回路370を上方へ引っ張っている。スイングアーム424は、アクチュエータ21,23と同じ方向に引っ張られる。
図50A~
図50Eに示した例において、示されていないが、アクチュエータ22は、アクチュエータ21と同じ位置にあると仮定され、両アクチュエータ21,22は互いに同調して働く。言い換えれば、
図48A~
図48Eは、ツール支持体18のロール条件を示していない。
【0112】
図50Bは、ハンドヘルド部分16に対するピッチアップ条件にあるツール支持体18を示す。フロントアクチュエータ21は実質的に拡張されているので、入力装置フレキシブル回路370は同じ方向に引っ張られ、付勢部材416の力を克服し、スイングアーム424を同じ方向に引っ張る。
【0113】
図50Cは、ピッチダウン構成におけるツール支持体18を示し、アクチュエータ23がハンドヘルド部分16から離れるように拡張されながらアクチュエータ21をハンドヘルド部分16の近くにもたらしており、これにより、入力装置フレキシブル回路370の入力装置部分380は、ツール支持体18の移動を提供するためにフレキシブル回路部分380の利用可能な長さを増大させる。このポーズにおいて、付勢部材416は、部分的に圧縮され、スイングアーム424に対して力を加え、入力装置フレキシブル回路370に張力を与え、これにより、入力装置フレキシブル回路370におけるあらゆるたるみが吸収され、ねじれおよび挟み込みを回避する。
【0114】
同様に、
図50Dは、アクチュエータ21,23がそれぞれのホーム位置にある、最大運動範囲を有する位置におけるツール支持体18を示す。このポーズにおいて、付勢部材416は、部分的に圧縮された状態にあり、スイングアーム424は、入力装置フレキシブル回路370に張力を加えている。
【0115】
図50Eは、アクチュエータ21,23が収縮された、ハンドヘルド部分16に近いツール支持体18を示す。このポーズにおいて、スイングアーム424は完全に拡張させられており、付勢部材416は拡張状態にある。
図50A~
図50Eに見られるように、張力アセンブリ410が入力装置フレキシブル回路370を調整およびルーティングするとき、ツール支持体18がハンドヘルド部分16に対して移動させられながら、入力装置フレキシブル回路370が非線形経路に沿って移動する。
【0116】
図51~
図54を参照すると、入力装置配列398,498の代替的な構成が考えられる。
図51および
図52に示された例において、入力装置398は、ハンドヘルド部分16と取外し可能に接続されたアセンブリとして構成されている。入力装置398は、入力装置398の位置を監視するためのハンドスイッチアセンブリ402内のトリガおよび対応するセンサ/エンコーダ(図示せず)を含む。幾つかの例において、ハンドスイッチアセンブリ402は、滅菌可能であるように構成されている。その他の例において、ハンドスイッチアセンブリ402は、使い捨てであるように構成されている。ハンドスイッチアセンブリ402は、ハンドスイッチアセンブリをハンドヘルド部分16に固定するための1つまたは複数のロッキング部材を含んでよい。幾つかの例において、ハンドスイッチアセンブリ402は、器具14からハンドスイッチアセンブリ402を取り外すための解放ボタンを必要とし得る。
【0117】
ハンドスイッチアセンブリ402は、ハンドヘルド部分16上をスライドし、制御ハウジング29、コンソール33またはその両方と接続する接続ケーブル404を含む。制御ハウジング29、コンソール33またはその両方と直接に接続することによって、入力装置398の位置を監視するために、ツール支持体からハンドヘルド部分16内へのフレキシブル回路は必要とされない。
【0118】
図55に示された1つの例において、器具は、前述のように構成されているが、接続ケーブル504は、内部でルーティングワイヤおよび/またはフレキシブル回路FCに関連したクリアランス問題を回避するためにツール支持体18とハンドヘルド部分16との間の器具14の外側にルーティングされてよい。接続ケーブル504は、制御ハウジング29、コンソール33またはその両方と接続されてよい。
【0119】
図54に示された別の構成において、ハンドスイッチアセンブリ502は、ハンドヘルド部分16内に一体化された入力装置398の移動を監視する外部センサTSとして示されている。外部エンコード(トリガセンサ)TSは、トリガの端部に配置されたトリガ磁石TMの位置を読み取り、制御盤31、コンソール33またはその両方へ信号を送信する。幾つかの例において、ハンドスイッチアセンブリは、使い捨て構成要素であるように構成されてよい。追加的なボタンおよび機能が外部装置に追加されてもよいと考えられる。例えば、ボタンまたはスイッチは、操作モードの間で循環するように構成されてよい。
【0120】
再び
図11および
図37を参照すると、強磁性材料から形成されたリンク機構の使用は、ロボットハンドヘルド器具において利用される様々なセンサ、特にトリガセンサのための有利な磁気分離を提供してよいと考えられる。制御装置は、手術ソーなどのツールを移動させるために駆動モータを制御するためにトリガセンサによって提供される入力信号を利用するので、トリガセンサの不注意な作動は、駆動モータの不注意な作動を生じる可能性があり、これは、ツールの意図しない動作を生じる。このツールの意図しない動作は、問題である可能性がある。一般的に、トリガセンサは、磁界の存在によってトリガされるホール効果センサである。器具は、複数の構成要素の部分として複数の磁石を含み得るので、トリガ以外の構成要素からの磁界は、トリガセンサとして機能するホール交換センサに影響し得る。磁界を生じ得る器具の構成要素のうちの幾つかは、これらに限定されないが、アクチュエータアセンブリにおいて使用される複数のアクチュエータ、ハンドヘルド部分および/またはツール支持体に取外し可能に取り付けられた1つまたは複数の取外し可能なアクセサリ506を含む。
【0121】
有利な磁気分離をトリガセンサに提供することに加えて、器具の構成は、アクチュエータの位置を決定するために使用されるアクチュエータセンサなどの、器具に含まれるその他のセンサのための磁気分離をさらに提供してよい。例えば、特定のアクチュエータ以外の構成要素に含まれた磁石によって生成された磁界の存在はアクチュエータセンサに影響し得ると考えられる。これらの構成要素は、トリガアセンブリの一部として含まれた磁石、1つまたは複数の磁石を含むその他のアクチュエータ、またはハンドヘルド部分および/またはツール支持体に取外し可能に取り付けられた1つまたは複数の取外し可能なアクセサリ506であってよい。
【0122】
より具体的には、リンク機構は、複数の構成要素を含んでよく、リンク機構の少なくとも1つの構成要素は、強磁性材料から形成されている。
図11に関して説明したように、リンク機構26は、シャフト174と、軸線に沿ってシャフト174を受容するように構成されたスリーブ76とを含んでよい。リンク機構は、シャフト174をスリーブ76に対して軸線に沿って軸方向にスライドさせるように構成されている。ある構成において、リンク機構は、複数のアクチュエータのうちの1つまたは複数の作動中に制約軸線に対して半径方向でのシャフトの移動を制約するように構成されている。より一般的には、リンク機構は、1つ、2つまたは3つの自由度などの少なくとも1つの自由度におけるハンドヘルド部分に対するツール支持体の移動を制約するように構成された形式でツール支持体およびハンドヘルド部分に結合されてよい。
【0123】
リンク機構の構成要素の強磁性材料は、0.5テスラよりも大きい飽和磁化を有する。代替的に、受動的リンク機構の構成要素の強磁性材料は、0.6、0.7、0.8または0.9テスラよりも大きい飽和磁化を有してよい。このレベルの飽和磁化は、飽和なしに浮遊磁場を吸収する能力を提供する。代替的に、または飽和磁化特性に加えて、リンク機構の構成要素の強磁性材料は、100よりも大きな最大相対透過性を有する。代替的に、リンク機構の構成要素の強磁性材料は、300、500、1000、1500または2000よりも大きい最大相対透過性を有してよい。リンク機構がシャフトと、シャフトを受容するように構成されたスリーブ76とを含む1つの構成において、シャフトは、0.5テスラよりも大きな飽和磁化および100よりも大きな最大相対透過性を有する磁性材料から形成されている。例示的な強磁性材料は、17-4ステンレス鋼、純鉄、非晶質鋼、ナノ結晶鋼、ミューメタル、パーマロイまたはパーメンジュールである。すなわち、シャフトは17-4ステンレス鋼から形成されると考えられる。スリーブ76は必ずしも強磁性材料から形成されなくてもよいが、ある実施形態では強磁性材料から形成されてよい。1つの構成において、スリーブ76は、アルミニウム-シリコン-青銅合金642から形成されてよい。リンク機構における強磁性材料は、ツール支持体からハンドヘルド部分へ延びる磁束経路を生成し、これにより、有利な磁気分離を提供する。
【0124】
アクチュエータアセンブリの複数のアクチュエータのうちの1つまたは複数の構成は、器具に含まれた1つまたは複数のセンサにさらに磁気分離を提供し得ると考えられる。このような実装形態において、アクチュエータハウジングの少なくとも1つの構成要素は、強磁性材料から形成されている。再び
図11を参照すると、各アクチュエータはハウジング134を含む。ハウジングは、キャニスタ136と、キャニスタ136に螺合されたキャップ138とを含んでよい。キャップ138は、ピボットヨークをキャニスタに固定するためにピボットヨークの環状肩部を捕捉してよいが、キャップは、代替的な形式で構成されてもよい。リードねじ150は、ハウジング134に可動に結合されている。キャニスタ136は、強磁性材料から形成されてよいのに対し、リードねじ150およびキャップ138は必ずしも強磁性材料から形成される必要はない。例えば、キャニスタ136は、17-4析出硬化ステンレス鋼(強磁性材料)から形成されてよいのに対し、キャップ138は、303ステンレス鋼(非強磁性)から形成されてよく、リードねじは、ナイトロニック60(非磁性ステンレス鋼合金)から形成されてよい。キャニスタ136は、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および/または100よりも大きい相対最大透過性を有する強磁性材料から形成されてよい。
【0125】
図55に示したように、ハンドヘルドロボット器具は、磁界を使用してハンドヘルド部分16またはツール支持体18の一方に取外し可能に固定された1つまたは複数の取外し可能なアクセサリ506を含んでよい。取外し可能なアクセサリ506は、計画された仮想オブジェクトに対する器具の位置決めを容易にするための平面整列装置であってよい。取外し可能なアクセサリ506は、磁石508または強磁性部材510を含んでよく、ハンドヘルド部分16および/またはツール支持体18は、強磁性部材510または磁石508を含んでよく、取外し可能なアクセサリ506および器具のうちの少なくとも一方が磁石508を含むと理解される。取外し可能なアクセサリ506の使用による追加的な磁界の存在は、磁気分離を提供するための記載の技術が存在しない場合に上述のセンサにさらに影響する傾向を有し得る。
【0126】
物体の位置および向きの組合せが物体のポーズと呼ばれることが理解されるべきである。本開示を通じて、ポーズという用語は、本明細書に記載された概念の適切な代替例を達成するために1つまたは複数の自由度における位置および/または向きによって置き換えられてよく、その逆であってもよいと考えられる。言い換えれば、ポーズという用語のあらゆる使用は位置と置き換えることができ、位置という用語のあらゆる使用はポーズと置き換えられてよい。
【0127】
フレキシブル回路および/またはフレキシブル導体は、様々な形態を取ってよい。ある構成において、フレキシブル導体は、複数の導体のワイヤまたはリボンであってよい。その他の構成において、フレキシブル導体は、フレキシブルプリント回路基板の形態を取ってよい。全体を通じて記載されるフレキシブル回路は、それぞれ独立して、剛性パネルなどの1つまたは複数の剛性部分を含んでよい。したがって、本開示を通じて、フレキシブル回路のあらゆる例がフレキシブル導体によって置き換えられると考えられる。
【0128】
フレキシブル回路は、ポリイミド、PEEK、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、透明伝導性ポリエステル、フルオロポリマーまたはそれらの混合物などの、プラスチック基板上の1つまたは複数の電子装置を含むことができる。フレキシブル回路は、フォトリソグラフィ技術を使用して形成することができる。フレキシブル回路構成は、より軽量かつ小型であってよく、よりコンパクトでかつ軽量のハンドヘルドロボット器具を容易にする。フレキシブル回路は、片面または両面であることができる。フレキシブル回路は金属箔を含んでよく、回線経路はエッチングされる。
【0129】
複数の実施形態が、前記説明に記載されている。しかしながら、本明細書において説明された実施形態は、網羅的であることまたは発明をあらゆる特定の形式に限定することは意図されていない。使用された用語は、限定ではなく説明の言葉の性質であることが意図されている。上記の教示を考慮して、多くの修正および変更化可能であり、発明は、具体的に説明されたもの以外の形式で実施されてよい。
【0130】
I.手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステムであって、ハンドヘルド手術ロボットシステムが、ハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に可動に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が、手術ツールを支持するように構成されておりかつツール駆動モータをさらに含む、ツール支持体と、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、複数のアクチュエータが、1つまたは複数の自由度においてハンドヘルド部分に対してツール支持体を移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、ツール支持体上の制御装置であって、制御装置が、ツール駆動モータおよび複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信しており、複数のフレキシブル回路が、器具制御装置を複数のアクチュエータのそれぞれと接続しており、ツール支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させられる間、複数のフレキシブル回路が、器具制御装置と複数のアクチュエータとの間の接続を維持する、制御装置と、を備える、ハンドヘルド手術ロボットシステム。
【0131】
II.複数のフレキシブル回路のそれぞれが、幅および厚さを有し、幅が、厚さよりも少なくとも8倍大きい、条項Iに記載のシステム。
【0132】
III.複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、長手方向軸線を有し、複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、複数のアクチュエータのうちの1つにおける結合点から延びておりかつ1つまたは複数の自由度における少なくとも1つのフレキシブル回路の変形を最小限にするためにツール支持体およびハンドヘルド部分のうちの1つにおけるフレックスガイドに係合し、選択的に、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つが、ピボット軸線においてツール支持体に結合されており、フレックスガイドは、少なくとも1つのフレキシブル回路の長手方向軸線がピボット軸線の中心点と整列させられるように位置決めされている、条項IまたはIIに記載のシステム。
【0133】
IV.複数のフレキシブル回路が、ツール支持体と接続された各アクチュエータの一部において複数のアクチュエータと接続されている、条項IからIIIのいずれか1項に記載のシステム。
【0134】
V.複数のフレキシブル回路が、第1のフレキシブル回路を含み、複数のアクチュエータが、第1のアクチュエータを含み、第1のアクチュエータが、リードねじと、モータと、ハウジングとを含み、モータがハウジング内に配置されており、リードねじがハンドヘルド部分に接続されており、ハウジングがツール支持体に接続されており、第1のフレキシブル回路がハウジングから器具制御装置まで延びている、条項IVに記載のシステム。
【0135】
VI.第1のアクチュエータのハウジングが、コネクタを含み、第1のフレキシブル回路が、コネクタによってハウジングにルーティングされかつハウジングに結合されている、条項Vに記載のシステム。
【0136】
VII.第1のフレキシブル回路が、第1のアクチュエータの周囲を取り囲むようにラッピングされた長さを含み、第1のフレキシブル回路の長さが、少なくとも4分の3回転においてラッピングされており、第1のアクチュエータの周囲を取り囲むようにラッピングされた長さが、ツール支持体がバインディングおよびスナッピングなしに複数の自由度においてハンドヘルド部分に対して移動させられる間に第1のアクチュエータとの接続を維持するために十分な長さを第1のフレキシブル回路に提供する、条項VIに記載のシステム。
【0137】
VIII.第1のフレキシブル回路が、少なくとも1と4分の3回転において第1のアクチュエータの周囲を取り囲むようにラッピングされている、条項VIIに記載のシステム。
【0138】
IX.第1のフレキシブル回路が、2つ以上の平面的なエルボを含む、条項VIIに記載のシステム。
【0139】
X.第1のフレキシブル回路によって形成されたループが、軸方向で第1のアクチュエータと整列させられている、条項VIIに記載のシステム。
【0140】
XI.複数のフレキシブル回路が、フレキシブル回路のロール移動がツール支持体の移動から分離されるようにツール支持体と複数のアクチュエータとの間に配置されている、条項IからXのいずれか1項に記載のシステム。
【0141】
XII.ハンドヘルドロボット器具であって、ユーザによって保持されるように構成されたハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が、ツールの運動を駆動するように構成されたツール駆動モータを備える、ツール支持体と、ツールを整列させるためにハンドヘルド部分に対して複数の自由度においてツールを移動させるためにツール支持体を移動させるためにツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含み、複数のアクチュエータが、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含む、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、制御装置が、ツール駆動モータおよび複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、第1のアクチュエータから制御装置まで延びる第1のフレキシブル回路および第2のアクチュエータから制御装置まで延びる第2のフレキシブル回路を含む複数のフレキシブル回路であって、ツール支持体が、フレックスガイドを含み、ツール支持体が複数の自由度において移動している間に少なくとも1つのフレキシブル回路をガイドおよびルーティングするために、フレキシブル回路のうちの少なくとも1つがフレックスガイドに接続されている、複数のフレキシブル回路と、を備える、ハンドヘルドロボット器具。
【0142】
XIII.複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、幅および厚さを有し、幅が、厚さよりも少なくとも10倍大きい、条項XXIIに記載の器具。
【0143】
XIV.複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、長手方向軸線を有し、複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、複数のアクチュエータのうちの1つにおいて結合点から延びておりかつツール支持体上のフレックスガイドに係合しており、選択的に、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つが、ピボット軸線においてツール支持体に結合されており、フレックスガイドが、ロール自由度、ピッチ自由度またはその両方における少なくとも1つのフレキシブル回路の変形を最小限にするために少なくとも1つのフレキシブル回路の長手方向軸線がピボット軸線の中心点と整列させられるように位置決めされている、条項XXIIまたはXXIIIに記載の器具。
【0144】
XV.フレックスガイドが、上面および底面を含むチャネルを画定している、条項XXIIIまたはXIVに記載の器具。
【0145】
XVI.フレックスガイドが、ピッチおよびロール移動中のフレキシブル回路の回転のスパンを規定するプロフィルを備えて形成されている、条項XVに記載の器具。
【0146】
XVII.複数のフレキシブル回路の幅が、フレックスガイドの幅よりも狭く、これにより、フレックスガイドが、移動中にフレキシブル回路の幅にわたって支持を提供する、条項XVIに記載の器具。
【0147】
XVIII.フレックスガイドが、上面および底面を含むチャネルを画定しており、上面および底面が、フレキシブル回路の回転のスパンを規定するフレックスガイドのプロフィルを形成している、条項XVIIに記載の器具。
【0148】
XIX.上面および底面が、同じプロフィルを有する、条項XVIIIに記載の器具。
【0149】
XX.上面および底面が、異なるプロフィルを有する、条項XVIIIまたはXIXに記載の器具。
【0150】
XXI.プロフィルが、第1の高さおよび第2の高さを有する部分を含み、第1の高さが第2の高さとは異なり、ハンドヘルド部分が最大移動範囲にある間、第1の高さがフレキシブル回路に係合する、条項XXに記載の器具。
【0151】
XXII.上面および底面がそれぞれ、チャネルの長さだけ延びる突出部を有し、突出部からチャネルの各側まで傾斜面を形成しており、突出部が、底面から上面に向かって、および上面から底面に向かって延びている、条項XVIIIからXXIのいずれか1項に記載の器具。
【0152】
XXIII.フレキシブル回路の厚さが、フレキシブル回路がチャネルを通過することを可能にするために、上面の突出部と底面の突出部との間の距離よりも小さい、条項XXIIに記載の器具。
【0153】
XXIV.ツール支持体が複数の自由度において移動させられる間、フレキシブル回路の中心セクションが、上面の突出部および底面の突出部を中心に旋回する、条項XXIIIに記載の器具。
【0154】
XXV.手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、ロボット器具が、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを備える、ツール支持体と、ツールを整列させるためにツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるように構成された、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが、少なくとも1つのアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含む、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、制御装置が、ツール駆動モータおよび各アクチュエータと電気通信している、制御装置と、信号を出力するように構成されたセンサであって、センサが、ハンドヘルド部分に取り付けられており、センサが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されている、センサと、付勢部材を含む張力アセンブリであって、張力アセンブリが、アクチュエータアセンブリがツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度のうちの1つにおいて移動させる間、フレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、を備える、手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具。
【0155】
XXVI.ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法であって、ロボット器具が、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが複数のアクチュエータを含み、複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つが、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続している、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体に取り付けられた制御装置と、信号を出力するセンサであって、センサがハンドヘルド部分に取り付けられており、センサが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されている、センサと、付勢部材を含む張力アセンブリと、を備え、方法が、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数のアクチュエータによって複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させることと、アクチュエータアセンブリが複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動する間に張力アセンブリによってフレキシブル導体を緊張させることと、を含む、ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法。
【0156】
XXVII.手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、ロボット器具が、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含む、アクチュエータアセンブリと、ハンドヘルド部分に取り付けられた制御装置であって、制御装置が、フレキシブル導体を使用して複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータであって、ツール駆動モータが、ツール支持体に取り付けられており、ツール駆動モータが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されている、ツール駆動モータと、付勢部材を含む張力アセンブリであって、張力アセンブリが、アクチュエータアセンブリがツール支持体を複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいてハンドヘルド部分に対して移動させる間、駆動モータまたはアクチュエータのうちの1つまたは複数のフレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、を備える、手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具。
【0157】
XXVIII.手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、ロボット器具が、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためにツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータがモータを含む、アクチュエータアセンブリと、複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信する制御装置であって、制御装置が、ハンドヘルド部分またはツール支持体のいずれかに取り付けられている、制御装置と、信号を出力するセンサであって、センサが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されており、センサが、ハンドヘルド部分またはツール支持体の他方に取り付けられている、センサと、付勢部材を含む張力アセンブリであって、張力アセンブリが、アクチュエータアセンブリがツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させる間にフレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、を備える、手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具。
【0158】
XXIX.センサがツール支持体に取り付けられており、制御装置がハンドヘルド部分に取り付けられている、条項XXVIIIに記載の器具。
【0159】
XXX.センサがハンドヘルド部分に取り付けられており、制御装置がツール支持体に取り付けられており、センサが、入力信号を感知するように構成されている、条項XXIXに記載の器具。
【0160】
XXXI.張力アセンブリがハンドヘルド部分に結合されている、条項XXVIIIに記載の器具。
【0161】
XXXII.手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステムであって、ハンドヘルド手術ロボットシステムが、ハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に可動に結合されたツール支持体であって、ツール支持体が、手術ツールを支持するように構成されておりかつさらにツール駆動モータを備える、ツール支持体と、ツール支持体とハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、複数のアクチュエータが、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、ハンドヘルド部分に配置された制御装置であって、制御装置が、ツール駆動モータおよび複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、器具制御装置を複数のアクチュエータのそれぞれに接続する複数のフレキシブル回路であって、複数のフレキシブル回路が、ツール支持体がハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させられる間、制御装置と複数のアクチュエータとの間の接続を維持し、複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが長手方向軸線を有し、複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つが、複数のアクチュエータのうちの1つにおける結合点から延びておりかつ1つまたは複数の自由度における少なくとも1つのフレキシブル回路の変形を最小限にするためにツール支持体またはハンドヘルド部分におけるフレックスガイドに係合している、複数のフレキシブル回路と、を備える、手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステム。
【0162】
XXXIII.ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法であって、ロボット器具が、ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、アクチュエータアセンブリが複数のアクチュエータを含む、アクチュエータアセンブリと、ツール支持体またはハンドヘルド部分に取り付けられた制御装置と、信号を出力するセンサであって、センサが、ハンドヘルド部分およびツール支持体のうちの他方(制御装置とは反対)に結合されており、センサが、フレキシブル導体を使用して制御装置に接続されている、センサと、付勢部材を含む張力アセンブリと、を備え、方法が、ツール支持体をハンドヘルド部分に対して複数のアクチュエータによって複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させることと、アクチュエータアセンブリが複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動する間、フレキシブル導体を張力アセンブリによって緊張させることと、を含む、ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドヘルド手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
ツールを整列させるために前記ツールを前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるために前記ツール支持体を移動させるために前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータと通信している、制御装置と、
を備え、
前記ハンドヘルド部分が入力モジュールを含み、前記入力モジュールが、
トリガと、
トリガ位置を表す信号を出力するセンサであって、前記制御装置と通信している、センサと、を含み、
前記ロボットハンドヘルド手術器具がさらに、
前記制御装置を前記入力モジュールに接続するフレキシブル回路と、
前記フレキシブル回路に張力を加えるように構成された付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動する間に前記フレキシブル回路に張力を加えるように構成された前記付勢部材を備える前記張力アセンブリによって前記フレキシブル回路がガイドされるように、前記フレキシブル回路が前記入力モジュールと接続されている、張力アセンブリと、
を備える、ロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項2】
前記張力アセンブリが、ルーティング部材を含む、請求項1に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項3】
前記ルーティング部材が、前記張力アセンブリに対して静止している、請求項2に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項4】
前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に向かう方向に移動させられるときに前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路におけるたるみを吸収し、かつ前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分から離れるように移動させられるとき前記フレキシブル回路が移動するためにより多くの利用可能な長さを有するように前記フレキシブル回路が前記付勢部材の力よりも大きな力を加えるように、前記付勢部材が、前記フレキシブル回路に対して力を加える、請求項1から3のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項5】
前記フレキシブル回路が、前記ルーティング部材の周囲にルーティングされておりかつ前記付勢部材と接触して配置されている、請求項3に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項6】
前記入力モジュールと接続された前記フレキシブル回路が、調整ループを含み、前記調整ループが、ホームに位置において前記ツール支持体の長手方向ピボット軸線を中心に前記フレキシブル回路を配置し、前記調整ループが、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対してピッチ自由度において移動させられるときに拡張および収縮するように構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のロボットハンドヘルド手術器具。
【請求項7】
手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、前記ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含む、ツール支持体と、
前記ツールを前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるために前記ツール支持体を移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、少なくとも1つのアクチュエータが、前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを相互接続しており、各アクチュエータがモータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび前記複数のアクチュエータの各モータと通信している、制御装置と、
前記ハンドヘルド部分に取り付けられた入力モジュールであって、
前記ハンドヘルド部分に対して可動なトリガと、
トリガ位置を表す信号を出力するトリガセンサと、
を含む、入力モジュールと、
前記制御装置から前記トリガセンサへ延びるフレキシブル導体と、
付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記ハンドヘルド部分と前記ツール支持体との間の前記フレキシブル導体におけるたるみを減じるために前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動する間に前記フレキシブル導体に対する張力を制御するように位置決めされている、張力アセンブリと、
を備える、ハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項8】
前記フレキシブル導体が、複数の回路リードを含むフレキシブル回路である、請求項7に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項9】
ツール支持体の一部が前記ハンドヘルド部分に向かう方向へ移動させられるときに前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路を緊張させ、かつ前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分から離れるように移動させられるとき、前記フレキシブル回路が移動するためのより多くの利用可能な長さを有するように前記アクチュエータアセンブリが前記付勢部材の力よりも大きな力を加えるように、前記張力アセンブリが前記フレキシブル回路に対して力を加える、請求項8に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項10】
前記張力アセンブリが、ハウジングと、前記ハウジングに可動に結合された張力部材と、を含み、前記張力部材が、前記ツール支持体と前記トリガセンサとの間で前記フレキシブル回路と接触することによって前記フレキシブル回路の一部に荷重を加えるように構成されている、請求項8に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項11】
前記張力部材がスイングアームであり、前記スイングアームが、第1の端部および第2の端部を含み、前記第1の端部が前記ハウジングと旋回可能に接続され、前記付勢部材が、前記ハウジングと前記スイングアームとの間に位置決めされている、請求項10に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項12】
前記第2の端部における前記スイングアームが、ルーティング部材を含み、前記ルーティング部材が、前記スイングアームのピボット接続部とは反対に配置され、前記ルーティング部材が、前記フレキシブル回路における抗力を減じるために前記スイングアームに対して回転可能である、請求項11に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項13】
前記フレキシブル導体が、前記付勢部材が前記スイングアームを介して前記フレキシブル導体に力を加えるように前記ルーティング部材の周囲にルーティングされている、請求項12に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項14】
前記張力アセンブリが、前記ハウジング内にガイド部材を含み、前記ガイド部材が、前記スイングアームの移動に対して同心の湾曲を有する、請求項13に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項15】
前記付勢部材が、前記スイングアームの移動中に前記付勢部材をガイドするために前記ガイド部材の周囲に配置されている、請求項14に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項16】
前記張力アセンブリが、複数のルーティング部材を含み、前記複数のルーティング部材が、少なくとも1つの固定されたルーティング部材と、前記付勢部材に結合された少なくとも1つの張力部材と、を含む、請求項12から15のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項17】
前記フレキシブル導体が、調整ループを含み、前記調整ループが、ホーム位置において前記ツール支持体の長手方向ピボット軸線を中心に前記フレキシブル導体を配置し、前記調整ループが、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対してピッチ自由度において移動させられるときに拡張および収縮するように構成されている、請求項7から16のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項18】
センサに磁気分離を提供するための構成要素を含む、手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット手術器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを含み、前記ツール駆動モータが前記ツール支持体に取り付けられている、ツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、アクチュエータハウジングと、前記アクチュエータハウジングに可動に結合されたリードねじと、を含み、前記アクチュエータハウジングおよび前記リードねじのうちの一方が磁石を含み、前記アクチュエータハウジングおよび前記リードねじのうちの他方が、前記アクチュエータの位置を検出するためのアクチュエータセンサを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するリンク機構であって、前記リンク機構の少なくとも1つの構成要素が強磁性材料から形成されている、リンク機構と、
前記ハンドヘルド部分に取り付けられた入力モジュールであって、前記ハンドヘルド部分に対して可動なトリガを含む、入力モジュールと、
を備え、
前記ハンドヘルド部分および前記トリガのうちの一方がトリガ磁石を含み、前記ハンドヘルド部分および前記トリガのうちの他方が、トリガ位置を表す信号を出力するように構成されたトリガセンサを含む、ハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項19】
前記リンク機構の前記強磁性材料が、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および100よりも大きい最大相対透過性を有する、請求項18に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項20】
前記リンク機構が、シャフトと、前記シャフトを受容するように構成されたスリーブと、を備え、前記リンク機構が、前記シャフトが前記スリーブに対して軸方向にスライドすることを可能にするように構成されており、前記シャフトが、0.5テスラよりも大きい飽和磁化および100よりも大きい最大相対透過性を有する強磁性材料から形成されている、請求項18に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項21】
前記リンク機構が、少なくとも1つの自由度において前記ハンドヘルド部分に対する前記ツール支持体の移動を制約するように構成された形式で前記ツール支持体および前記ハンドヘルド部分に結合されている、請求項18から20のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項22】
取外し可能なアクセサリをさらに備え、前記取外し可能なアクセサリが、磁界を使用して前記ツール支持体および前記ハンドヘルド部分のうちの一方に結合されている、請求項18から21のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項23】
前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの一部が、前記リンク機構の遠位にあり、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つの一部が、前記リンク機構の近位にある、請求項18に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項24】
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータセンサ、前記ツール駆動モータおよび前記トリガセンサと通信する制御装置をさらに備える、請求項18から23のいずれか1項に記載のハンドヘルドロボット手術器具。
【請求項25】
手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステムであって、
ハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に可動に結合されたツール支持体であって、前記手術ツールを支持するように構成されかつツール駆動モータをさらに備える、ツール支持体と、
前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して1つまたは複数の自由度において移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、
前記ツール支持体上の制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび前記複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、
前記制御装置を前記複数のアクチュエータのそれぞれと接続する複数のフレキシブル回路であって、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動させられる間、前記器具制御装置と前記複数のアクチュエータとの間の接続を維持する、フレキシブル回路と、
を備える、ハンドヘルド手術ロボットシステム。
【請求項26】
ハンドヘルドロボット器具であって、
ユーザによって保持されるように構成されたハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツールの運動を駆動するように構成されたツール駆動モータを備える、ツール支持体と、
前記ツールを前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させて前記ツールを整列させるために、前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続して前記ツール支持体を移動させる、アクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含み、前記複数のアクチュエータが第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび前記複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、
前記第1のアクチュエータから前記制御装置へ延びる第1のフレキシブル回路および前記第2のアクチュエータから前記制御装置へ延びる第2のフレキシブル回路を含む複数のフレキシブル回路であって、前記ツール支持体がフレックスガイドを含み、前記複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つのフレキシブル回路が、前記ツール支持体が前記複数の自由度において移動している間、前記少なくとも1つのフレキシブル回路をガイドおよびルーティングするように、前記フレックスガイドに接続されている、複数のフレキシブル回路と、
を備える、ハンドヘルドロボット器具。
【請求項27】
手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体であって、ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータを備える、ツール支持体と、
前記ツールを整列させるために前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるように構成された、前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、少なくとも1つのアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび各アクチュエータと電気通信している、制御装置と、
信号を出力するように構成されたセンサであって、前記ハンドヘルド部分に取り付けられ、フレキシブル導体を使用して前記制御装置に接続されている、センサと、
付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させる間、前記フレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、
を備える、ハンドヘルドロボット器具。
【請求項28】
ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法であって、
前記ハンドヘルドロボット器具が、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、前記複数のアクチュエータのうちの少なくとも1つのアクチュエータが、前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続している、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体に取り付けられた制御装置と、
信号を出力するセンサであって、前記ハンドヘルド部分に取り付けられ、フレキシブル導体を使用して前記制御装置に接続されている、センサと、
付勢部材を含む張力アセンブリと、
を備え、
前記方法が、
前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて前記複数のアクチュエータを用いて前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して移動させることと、
前記アクチュエータアセンブリが前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動する間、前記張力アセンブリによって前記フレキシブル導体を緊張させることと、
を含む、方法。
【請求項29】
手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータが、モータおよび位置センサを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ハンドヘルド部分に取り付けられた制御装置であって、フレキシブル導体を使用して前記複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信している、制御装置と、
ツールの運動を駆動するためのツール駆動モータであって、前記ツール支持体に取り付けられ、フレキシブル導体を使用して前記制御装置に接続されている、ツール駆動モータと、
付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させる間、前記駆動モータまたはアクチュエータのうちの前記1つまたは複数の前記フレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、
を備える、ハンドヘルドロボット器具。
【請求項30】
手術を行うためにツールと共に使用するためのハンドヘルドロボット器具であって、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるために前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続するアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含み、各アクチュエータがモータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信する制御装置であって、前記ハンドヘルド部分または前記ツール支持体のいずれかに取り付けられている、制御装置と、
信号を出力するセンサであって、フレキシブル導体を使用して前記制御装置に接続され、前記ハンドヘルド部分または前記ツール支持体のうちの他方に取り付けられている、センサと、
付勢部材を含む張力アセンブリであって、前記アクチュエータアセンブリが前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させる間、前記フレキシブル導体に張力を加えるように構成されている、張力アセンブリと、
を備える、ハンドヘルドロボット器具。
【請求項31】
手術ツールを支持するためのハンドヘルド手術ロボットシステムであって、
ハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に可動に結合されたツール支持体であって、前記手術ツールを支持するように構成され、かつ、ツール駆動モータをさらに備える、ツール支持体と、
前記ツール支持体と前記ハンドヘルド部分とを動作可能に相互接続する複数のアクチュエータであって、前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるように構成されている、複数のアクチュエータと、
前記ハンドヘルド部分に配置された制御装置であって、前記ツール駆動モータおよび前記複数のアクチュエータの各アクチュエータと通信する、制御装置と、
前記制御装置を前記複数のアクチュエータのそれぞれと接続する複数のフレキシブル回路であって、前記ツール支持体が前記ハンドヘルド部分に対して前記複数の自由度において移動させられる間、前記制御装置と前記複数のアクチュエータとの間の接続を維持し、前記複数のフレキシブル回路のうちの少なくとも1つのフレキシブル回路が長手方向軸線を有し、前記少なくとも1つのフレキシブル回路が、前記複数のアクチュエータのうちの1つにおける結合点から延び、かつ、1つまたは複数の自由度における前記少なくとも1つのフレキシブル回路の変形を最小限にするために前記ツール支持体または前記ハンドヘルド部分におけるフレックスガイドと係合する、複数のフレキシブル回路と、
を備える、ハンドヘルド手術ロボットシステム。
【請求項32】
ハンドヘルドロボット器具の2つの部分の間の電気接続を維持する方法であって、
前記ハンドヘルドロボット器具が、
ユーザによって保持されるハンドヘルド部分と、
前記ハンドヘルド部分に結合されたツール支持体と、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して複数の自由度において移動させるためのアクチュエータアセンブリであって、複数のアクチュエータを含む、アクチュエータアセンブリと、
前記ツール支持体および前記ハンドヘルド部分のうちの一方に取り付けられた制御装置と、
信号を出力するセンサであって、前記ハンドヘルド部分および前記ツール支持体のうちの他方(制御装置と異なる方)に結合され、フレキシブル導体を使用して前記制御装置に接続されている、センサと、
付勢部材を含む張力アセンブリと、
を備え、
前記方法が、
前記ツール支持体を前記ハンドヘルド部分に対して前記複数のアクチュエータによって前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動させることと、
前記アクチュエータアセンブリが前記複数の自由度のうちの少なくとも1つにおいて移動する間、前記張力アセンブリによって前記フレキシブル導体を緊張させることと、
を含む、方法。
【国際調査報告】