(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】液体フロー帯電デバイスおよびフローセル
(51)【国際特許分類】
G01N 15/1409 20240101AFI20240205BHJP
G01N 15/1429 20240101ALI20240205BHJP
【FI】
G01N15/14 A
G01N15/14 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544285
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 CN2021127870
(87)【国際公開番号】W WO2022156304
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】202120180099.3
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521273743
【氏名又は名称】ベックマン コールター バイオテクノロジー (スージョウ) カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ, ルイフェン
(72)【発明者】
【氏名】シ, ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, ジンジャン
(57)【要約】
本開示は、フローセルのための液体フロー帯電デバイスと、液体フロー帯電デバイスを備える、フローセルとに関する。液体フロー帯電デバイスは、第1の電極と、第2の電極とを備える。第1の電極は、フローセルのフローチャネルアセンブリを通して流動する、液体フローに電気的に接続される。第2の電極は、液体フローの半径方向外側における所定の位置に位置し、液体フローを囲繞する、円筒形の内周面を有する。液体フロー帯電デバイスは、帯電効率、安定した帯電性能、および安全性の向上を改良している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローセルのための液体フロー帯電デバイスであって、
前記フローセルのフローチャネルアセンブリを通して流動する液体フローに電気的に接続される第1の電極と、
前記液体フローの半径方向外側における所定の位置に位置し、前記液体フローを囲繞する円筒形の内周面を有する第2の電極と
を備える、液体フロー帯電デバイス。
【請求項2】
前記第1の電極は、接地され、前記第2の電極は、帯電制御デバイスに電気的に接続される、請求項1に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項3】
前記第1の電極は、不活性金属材料から成る、または不活性金属層が、伝導性金属層上に配列される、請求項2に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項4】
前記第1の電極は、金材料から成る、または金鍍着層が、伝導性金属層上に配列される、請求項2に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項5】
光ビームが通過するための孔が、前記第2の電極の側壁上に配列される、請求項1に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項6】
前記孔は、前記液体フローのフロー方向における伸長形状を有する、請求項5に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項7】
前記第2の電極は、伝導性金属層と、前記伝導性金属層の表面上に位置する保護層とを備える、請求項1-6のいずれか1項に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項8】
前記保護層は、酸化物層、非金属層、および/または絶縁層を含む、請求項7に記載の液体フロー帯電デバイス。
【請求項9】
フローセルであって、請求項1-8のいずれか1項に記載の液体フロー帯電デバイスを備える、フローセル。
【請求項10】
前記第1の電極は、前記フローセルのフローチャネルアセンブリの脱泡ポート内に位置する、請求項9に記載のフローセル。
【請求項11】
前記第1の電極は、前記フローセルのケーシングの接地端子に電気的に接続される、請求項10に記載のフローセル。
【請求項12】
前記第2の電極は、ばねおよび/またはポゴピンを介して帯電制御デバイスに電気的に接続される、請求項9-11のいずれか1項に記載のフローセル。
【請求項13】
前記フローセルはさらに、前記第2の電極を収容、配設、または固定するための固定部材を備える、前記固定部材は、非金属材料から成る、または保護層が、前記金属材料の表面上に配列される、請求項12に記載のフローセル。
【請求項14】
前記固定部材が保護層を有する場合、前記保護層は、絶縁層または非金属材料層を含む、請求項13に記載のフローセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フローセルのための液体フロー帯電デバイスと、液体フロー帯電デバイスを含むフローセル、例えば、フローサイトメータのフローセルとに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願
本節の内容は、必ずしも先行技術を成すわけではない、本開示に関連する背景情報を提供するにすぎない。
【0003】
フロー選別器は、多くの場合、ミクロソームまたは細胞等のサンプルを分析および選別するために使用される。フロー選別器は、フローセルを含み、サンプルおよびシース流体が、フローセルのフローチャネルアセンブリ内に収束し、フローチャネルアセンブリのノズルを通して排出される。サンプルおよびシース流体の排出された液体フローは、液滴に分離される直前に帯電される必要がある。このように、分離された液滴は、帯電され、帯電された液滴は、偏向プレート間に発生された高電圧電場を通して通過するときに偏向され、それによって、サンプルを含有する液滴を選別する。
【0004】
既存のフローセルの液体フロー帯電デバイスの帯電電極は、シース流体フローが帯電状態になるように、シース流体フローと直接接触する。本場合には、安全性を確実にするために、シース流体フローと接触している各構成要素の部品が、絶縁される必要があり、そのため、フローセルの設計は、複雑な状態になり、製造の困難度が、増加される。シース流体は、帯電されるため、液体フロー帯電デバイスは、比較的に大きい帯電電力と、比較的に複雑な構造とを有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本節は、本開示の全範囲または本開示の全ての特徴の包括的開示ではなく、本開示の一般的概要を提供する。
【0006】
本開示の目的は、上記の問題の少なくとも一部を緩和または排除し得る、フローセルのための液体フロー帯電デバイスを提供することである。
【0007】
本開示の別の目的は、単純化された構造を有し、液体フローを安定して帯電させ得る、液体フロー帯電デバイスを含む、フローセルを提供することである。
【0008】
本開示のある側面によると、フローセルのための液体フロー帯電デバイスが、提供される。液体フロー帯電デバイスは、第1の電極と、第2の電極とを含む。第1の電極は、フローセルのフローチャネルアセンブリを通して流動する、液体フローに電気的に接続される。第2の電極は、液体フローの半径方向外側における所定の位置に位置し、液体フローを囲繞する、円筒形の内周面を有する。
【0009】
本開示による液体フロー帯電デバイスは、円筒形の内周面を有し、したがって、拡大された電極面積を有し、それによって、帯電効率を改良し、帯電性能をより安定したものにする。
【0010】
本開示によるいくつかの実施例では、第1の電極は、接地され、第2の電極は、帯電制御デバイスに電気的に接続される。第2の電極は、液体フローと直接接触しておらず、そのため、液滴と接触する全ての部品の伝導性または安全性要件は、低減され、したがって、部品の構造を単純化することができる。
【0011】
本開示によるいくつかの実施例では、第1の電極は、不活性金属材料から成る、または不活性金属層が、伝導性金属層上に配列される。例えば、第1の電極は、金材料から成る、または金鍍着層が、伝導性金属層上に配列される。不活性金属材料または不活性金属層は、第1の電極を酸化または腐食から保護することができる。
【0012】
本開示によるいくつかの実施例では、光ビームが通過するための孔が、第2の電極の側壁上に配列される。随意に、孔は、液体フローのフロー方向における伸長形状を有する。電極面積を確実にする場合には、構造は、フローセルの動作を促進するために必要に応じて変更されることができる。
【0013】
本開示によるいくつかの実施例では、第2の電極は、伝導性金属層と、伝導性金属層の表面上に位置する、保護層とを含む。例えば、保護層は、酸化物層、非金属層、および/または絶縁層を含む。保護層は、例えば、酸化または腐食を回避するため、感電のリスクを防止すること等のために、第2の電極のための保護を提供することができる。
【0014】
本開示による別の側面では、上記の液体フロー帯電デバイスを含む、フローセルが、提供される。フローセルは、上記の液体フロー帯電デバイスと同一の技術的効果を及ぼし得る。
【0015】
本開示によるいくつかの実施例では、第1の電極は、フローセルのフローチャネルアセンブリの脱泡ポート内に位置する。第1の電極は、フローセルのケーシングの接地端子に電気的に接続される。
【0016】
本開示によるいくつかの実施例では、第2の電極は、ばねを介して帯電制御デバイスに電気的に接続される。柔軟な電気接続が、ばねによって提供されることができる。
【0017】
本開示によるいくつかの実施例では、フローセルはさらに、第2の電極を収容、配設、または固定するための固定部材を含み、保護層が、固定部材の表面上に配列される。例えば、固定部材の保護層は、絶縁層を含む。第2の電極と接触する固定部材が保護層を具備することのみが、必要であり、したがって、フローセル全体の安全性が、単純な構造に伴って改良され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
以下の説明を通して、付随の図面を参照することによって、本開示の1つまたはそれを上回る実施形態の特徴および利点が、付随の図面において理解することがより容易な状態になるであろう。
【0019】
【
図1】
図1は、本開示のある実施形態による、フローセルの概略3次元図である。
【
図3】
図3は、本開示のある実施形態による、帯電デバイスの概略図である。
【
図4】
図4は、本開示のある実施形態による、帯電電極のある実施例を示す。
【
図5】
図5は、本開示のある実施形態による、帯電電極を配設するための固定部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
詳細な説明
本開示は、例示的実施形態を通して、付随の図面を参照して下記に詳細に説明されるであろう。いくつかの付随の図面では、類似の参照番号は、類似の部分および構成要素を示す。本開示の以下の詳細な説明は、例証的目的のためのものにすぎず、本開示およびその用途または使用を限定するものでは決してない。本明細書に説明される実施形態は、包括的ではなく、いくつかの可能性として考えられる実施形態のうちの一部にすぎない。例示的実施形態は、多くの異なる形態において実装され得、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。いくつかの例示的実施形態では、周知のプロセス、周知のデバイス構造、および周知の技術は、詳細に説明されない場合がある。
【0021】
図1は、本開示のある実施形態による、フローセル1の概略3次元図である。
図2は、
図1のフローセル1の概略断面図である。フローセル1の構造は、
図1および
図2を参照して下記に説明されるであろう。
【0022】
フロー選別器等の器具は、サンプルの物理的または化学的性質を検出することによってサンプルを選別する、器具である。選別されるサンプルは、生物の細胞、染色体、および同等物を含み得る。フローセル1は、概して、フロー選別器等の器具の重要な部分であり、種々の処理流体およびサンプルがその中に収束され、そこから放出されることを可能にするように構成される。
【0023】
図1および
図2に示されるように、フローセル1は、フローチャネルアセンブリ10と、フローチャネルアセンブリ10を支持または配設するように構成される、フレーム20とを含む。シース流体およびサンプルが、個別のポートを介してフローチャネルアセンブリ10内に収束され、次いで、サンプルを選別するように、所定のモード(単列配列のモード等)において、ノズルを介して排出される。
【0024】
フローチャネルアセンブリ10は、上部カバー11と、フローチャネル主本体12と、ガラスセル13と、ノズル14とを含む。
【0025】
上部カバー11は、フローチャネル主本体12の上部表面を被覆し、サンプルを導入するためのサンプルポート11aを具備する。サンプルラインSLが、サンプルポート11aに接続され、サンプルをフローチャネル主本体12の中に供給する。
【0026】
フローチャネル主本体12は、脱泡ポート12aと、シース流体ポート12bとを具備する。シース流体は、シース流体ポート12bを介してフローチャネル主本体12の中に供給され得る。脱泡ポート12aは、真空デバイス(図示せず)に接続され、したがって、フローチャネル主本体12内の流体は、脱泡のために真空下で引き出されることができる。フローチャネル主本体12の中に供給されたシース流体は、サンプルと収束し、サンプルは、シース流体内に包まれる。
【0027】
ガラスセル13が、フローチャネル主本体12の出口側に位置する。ガラスセル13は、光を透過することが可能である、要素であり、光学要素とも称され得る。サンプルが、ガラスセル13を通して通過すると、サンプルの物理的または化学的性質が、光学デバイス(図示せず)を用いて検出され得る。ガラスセル13は、必要性に従って、随意の要素となり得る。
【0028】
ノズル14が、ガラスセル13の出口側に位置し、例えば、単列配列においてサンプルを排出するように構成される。(シース流体と、サンプルとを含む)排出された液体フローは、発振器の作用下で、漸進的に液滴に分離される。通常、各液滴は、サンプルを選別するためにサンプルを含有する。排出された液体フローは、帯電された液滴が、高電圧電場を通して通過し、対応するコンテナの中に落下するときに偏向され、したがって、選別を実現するように、液滴に分離されようとしているときに帯電される。本目標を達成するために、フローセル1はさらに、ノズル14から排出された液体フローを帯電させるための、液体フロー帯電デバイスを含む。
【0029】
図3は、本開示のある実施形態による、液体フロー帯電デバイス100の概略図である。液体フロー帯電デバイス100は、
図3を参照して下記に説明されるであろう。
【0030】
図3に示されるように、液体フロー帯電デバイス100は、第1の電極110と、第2の電極120とを含む。第1の電極110は、フローチャネルアセンブリ10を通して流動する、液体フローFFに電気的に接続される。第2の電極120は、液体フローFFの半径方向外側に位置し、それによって、容量性帯電デバイスを形成する。
【0031】
図1および
図2を参照すると、第1の電極110は、第1の電極110がフローチャネル主本体12内のシース流体と直接接触し得るように、脱泡ポート12a内に配列されてもよい。すなわち、第1の電極110は、フローチャネル主本体12内のシース流体に電気的に接続されてもよい。
【0032】
第1の電極110は、接地されてもよく、したがって、時として、カソードプレートと称される。例えば、第1の電極110は、フローセル1のケーシング(図示せず)の接地端子に電気的に接続される。このように、第1の電極110は、不活性金属材料から成り、それによって、酸化または腐食が生じないように防止してもよい。不活性金属材料のある実施例は、金材料である。代替として、第1の電極110は、伝導性金属材料から成ってもよく、金が、伝導性金属材料上に鍍着される。すなわち、第1の電極110は、伝導性金属層を含み、金鍍着層が、伝導性金属層の表面上に位置する。金鍍着層はまた、酸化または腐食を良好に回避することもできる。
【0033】
本開示による第1の電極の構造および材料が、本明細書に例証および説明される具体的実施例に限定されず、実際の必要性に従って変更され得ることを理解されたい。
【0034】
第2の電極120が、(
図2に示されるように)ノズル14の下に配列され、固定部材30によって保持される。
図3を参照すると、第2の電極120は、液体フローFFが貫通孔122を通して流動するような、貫通孔122を有する。貫通孔122のサイズ(例えば、液体フローFFからの半径方向距離)は、液滴の飛散等の要因に従って設定されることができる。第2の電極120は、円筒形の内周面121を有する。円筒形の内周面121と液体フローFFとの間に発生される静電容量は、液滴の帯電量が最大限化される、すなわち、帯電効率が改良されるように、最大である。帯電効率が、改良されるにつれて、液滴バイアス角の必要性を充足するために、より低い電圧が、使用されることができる。これは、液滴中のサンプルの活性度をより良好に維持することができる。
【0035】
加えて、円筒形の内周面121と液体フローFFとの間の距離は、一定であり、したがって、第2の電極120と液体フローFFとの間の距離は、液滴が第2の電極120に飛散しないように回避し、それによって、帯電静電容量をさらに最大限化する場合には、最小限化されることができる。
【0036】
第2の電極120は、金属材料から成り、帯電制御デバイス(図示せず)に電気的に接続され、そのため、これは、時として、アノードプレート(帯電プレートとも称され得る)と称される。
図3に示されるように、第2の電極120は、ばね124を介して帯電制御デバイスに接続され、それによって、第2の電極の柔軟な接続を達成してもよい。ばね124は、堅い伝導性要素128およびポゴピン126を介して帯電制御デバイスに接続されてもよい。
【0037】
ばね124は、標準的な構造部材であり、カスタマイズを要求せず、そのため、処理プロセスは、単純化されることができ、コストは、より低くなる。ばね124は、第2の電極120の電気接続を実現するためにワイヤを置換するために使用され得る。ばね124は、弾性的に変形されることができ、そのため、これは、第2の電極120と堅い伝導性要素128との間の位置変更に適合し、それによって、第2の電極120と堅い伝導性要素128との間の相対位置要件を低減させることができる。加えて、ばね124は、液体フロー帯電デバイスが、電子的要素を導入することなく、伝導性構造部材から構成され、設計をより容易かつより単純にし得るように、構造部材として使用される。
【0038】
ポゴピン126を通して、第2の電極120および固定部材30が、有利には、フレーム20の中に挿入され、それから取り外されることができる。加えて、ポゴピン126は、信頼性がある電気接触を確実にすることができる。
【0039】
本開示による第2の電極の構造および材料が、
図3に示され、上記に説明される、具体的実施例に限定されず、実際の必要性に従って変更され得ることを理解されたい。例えば、第2の電極120の外周面は、その周辺構造に従って変動し得る。
【0040】
図4は、本開示のある実施形態による、帯電電極120のある実施例を示す。
図4に示されるように、光ビームが通過するための孔123が、第2の電極120の側壁上に配列される。孔123は、液体フローFFのフロー方向における伸長形状を有し得る。孔123の配列は、サンプルの光学検出を実施するために光ビームが通過することを促進することができる。
【0041】
金属材料から成る伝導性金属層に加えて、第2の電極120はさらに、伝導性金属層の表面上に配列される、保護層125を含んでもよい。保護層125は、第2の電極プレート120が酸化、腐食しないように、または感電リスクを防止し、それによって、帯電の安定性および安全性を改良するように構成される。
【0042】
例えば、保護層125は、酸化物層、非金属層、および/または絶縁層を含む。保護層125を通して、シース流体等の塩溶液が第2の電極120まで飛散される場合でも、伝導性塩溶液は、第2の電極プレート120の伝導性金属層から分離され、それによって、酸化または腐食を回避することができる。
【0043】
図5は、本開示のある実施形態による、第2の電極120を配設するための固定部材30の概略図である。
図5に示されるように、第2の電極120は、固定部材30内に収容、配設、または固定される。固定部材30は、第2の電極120とともにフレーム20の中に挿入されることができる。固定部材30は、第2の電極120と直接接触する部分であり、したがって、固定部材30は、非金属材料から成ってもよい。代替として、固定部材30は、金属材料から成ってもよく、保護層32、例えば、絶縁層または非金属材料層は、金属材料の表面全体上に配列され、したがって、フローセル1全体の安全性を改良する。
【0044】
本開示は、例示的実施形態を参照して説明されているが、本開示が、本文において説明および例証される具体的な実施形態に限定されないことを理解されたい。本請求項によって定義される範囲から逸脱することなく、当業者は、例示的実施形態に対して種々の変更を行うことができる。矛盾が存在しない限り、種々の実施形態における特徴は、相互と組み合わせられることができる。代替として、実施形態におけるある特徴はまた、省略されてもよい。
【国際調査報告】