(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】熱伝達組成物、方法、及びシステム
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20240205BHJP
C10M 105/38 20060101ALI20240205BHJP
C10M 107/24 20060101ALI20240205BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240205BHJP
C10N 40/30 20060101ALN20240205BHJP
【FI】
C09K5/04 E ZAB
C09K5/04 F ZHV
C10M105/38
C10M107/24
F25B1/00 396Z
C10N40:30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545781
(86)(22)【出願日】2022-02-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 US2022070508
(87)【国際公開番号】W WO2022170339
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】セティ、アンキット
(72)【発明者】
【氏名】ガオ、カイミ
(72)【発明者】
【氏名】モッタ、サミュエル ヤナ
【テーマコード(参考)】
4H104
【Fターム(参考)】
4H104BA04A
4H104BA07A
4H104BB34A
4H104BB41A
4H104CB02A
4H104CB14A
4H104CJ02A
4H104DA02A
4H104PA20
(57)【要約】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒組成物であって、各化合物が以下の相対百分率:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒組成物、並びに空調、冷房用途、及びヒートポンプ用途を含む熱交換システムにおける冷媒の使用、並びに加熱及び冷却用途のための冷媒R-410A又はR1234yfの代用としてのそのような組成物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率で存在する、冷媒:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)。
【請求項2】
約21.5重量%の前記ジフルオロメタン(HFC-32)、
約70.5重量%の前記2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
約8.0重量%の前記フルオロエタン(HFC-161)を含む、請求項1に記載の冷媒。
【請求項3】
少なくとも約99.5重量%の前記3つの化合物を含む、請求項2に記載の冷媒。
【請求項4】
前記3つの化合物から本質的になる、請求項2に記載の冷媒。
【請求項5】
前記3つの化合物からなる、請求項2に記載の冷媒。
【請求項6】
少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率で存在する、冷媒:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の冷媒を含む、熱伝達組成物。
【請求項8】
冷媒液体を蒸発させて冷媒蒸気を生成することと、前記冷媒蒸気の少なくとも一部を圧縮機で圧縮することと、冷媒蒸気を凝縮することと、を含む種類の熱を伝達するための方法であって、前記方法が、
(a)請求項1~6のいずれか一項に記載の冷媒を含む、熱伝達組成物を提供することと、
(b)前記冷媒を約-40℃~約+10℃の温度で蒸発させることと、を含む、方法。
【請求項9】
前記熱伝達組成物が、安定化剤を更に含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記熱伝達組成物が、POE潤滑剤及びPVE潤滑剤から選択される潤滑剤を更に含み、前記蒸発工程が、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、及び低温冷房から選択されるシステムにおいて行われる、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年2月3日に出願された米国仮特許出願第63/145,437号に関する優先権の利益に関し、かつそれを主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、冷房(refrigeration)用途において有用性を有し、住宅用空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調システムにおいて特に有益である組成物、方法、及びシステムに関し、特定の態様では、(1)R-410Aとともに使用するために設計されたシステムを含む、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調システム、商用空調冷却器、住宅用空気-水(air-to-water)ヒートポンプ温水システム、中温冷房、及び低温冷房におけるR-410、及び特にR-410Aの代用又は改造として、並びに(2)HFO-1234yfとともに使用するために設計されたシステムを含む、モバイル空調及びモバイルヒートポンプにおけるHFO-1234yfの代用として、を含む、様々な加熱及び冷却用途のための冷媒R-410A及び/又はHFO-1234yfの代用としての冷媒組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
産業用、商用、及び家庭用の使用について、冷媒液体を使用した機械冷房システム、並びにヒートポンプ、冷却器、及び空調機などの関連する熱伝達装置が当該技術分野で周知である。いくつかのフルオロカーボン系流体が、空調、ヒートポンプ、及び冷房システムなどのシステムにおける作動流体としてのものを含む、多くの住宅用、商用、及び産業用途において幅広い使用を見出されている。従来これらの用途で使用されている、いくつかのハイドロフルオロカーボン(hydrofluorocarbon、「HFC」)系組成物の使用に関連する、比較的高い地球温暖化係数を含む、ある特定の疑われる環境問題のために、150未満の地球温暖化係数(global warming potential、「GWP」)を有する流体を使用することがますます望ましくなっている。
【0004】
多くの用途において一般的に使用されている冷媒は、R-410A(約44:52:4の重量パーセントで、ペンタフルオロエタン(HFC-125)及びジフルオロメタン(HFC-32)の重量で50:50のブレンド)である。R-404Aは、推定で2088のGWPを有する。
【0005】
しかしながら、一般に、熱伝達流体に関しては、R-410Aの任意の可能性のある150未満のGWPの代替物がまた、とりわけ優れた熱伝達特性、化学的安定性、低毒性又は無毒性、不燃性、及び潤滑剤相溶性などの、最も幅広く使用されているHFC系流体の多くに存在するこれらの性質も有しなければならないことが重要であると考えられている。加えて、システムの必要な修正又は再設計を最小限に抑えるために、150未満のGWPの代用は、非モバイルシステムにおけるR-410Aの動作条件、及びモバイルシステムにおけるHFO-1234yfに十分に匹敵することが望ましい。
【0006】
使用効率に関しては、冷媒の熱力学性能又はエネルギー効率の喪失は、電気エネルギーの需要の増加の結果として化石燃料の使用量の増加がもたらされることにより、二次的な環境影響を有し得ることに留意することが重要である。換言すれば、150未満のGWPを有する提案された新規の冷媒は、使用効率などの提案された新規の流体の別の特性が、同程度の冷房を得るためにより高い燃料燃焼を必要とすることなどにより、環境排出の間接的な増加をもたらす場合、それでも、それが取って代わる流体ほど環境に優しくない可能性がある。したがって、代用の選択は、予想可能な結果をもたらし得ない、複雑で困難な取り組みであることがわかる。
【0007】
更に、HFC冷媒とともに現在用いられる、従来の蒸発圧縮技術に、主な技術的変更を加えることなく、HFC冷媒代替物が効果的であることが、一般に望ましいと考えられている。
【0008】
蒸気圧縮式熱伝達システム中を循環する潤滑剤がその意図される潤滑機能を行うために圧縮機に戻されることが、システム効率の維持及び圧縮機の適切かつ確実な働きについて重要である。そうでなければ、潤滑剤が堆積し、熱伝達部品中を含む、システムのコイル及びパイプの中に留まる可能性がある。更に、潤滑剤が蒸発器の内面に堆積すると、蒸発器の熱交換効率が低下し、それによりシステムの効率が低減される。これらの理由から、多くのシステムにおいて、冷媒が、少なくともシステムの動作温度範囲システムにわたって、用いられる潤滑剤と混和性であることが望ましい。
【0009】
R-410Aは現在、ポリオールエステル(polyol ester、POE)潤滑油とともに一般的に使用されているため、提案されたR-410A代用冷媒は、システムの温度範囲、及びシステムに存在する潤滑剤の濃度にわたって、特に、凝縮器又は蒸発器の動作温度範囲にわたって、POE潤滑剤と混和性であることが望ましい。
【0010】
HFO-1234yfは現在、ポリアルキレングリコール(polyalkylene glycol、PAG)潤滑油とともに一般的に使用されているため、提案されたHFO-1234yf代用冷媒は、システムの温度範囲、及びシステムに存在する潤滑剤の濃度にわたって、特に、凝縮器又は蒸発器の動作温度範囲にわたって、例えば、PAG潤滑剤、PVE潤滑剤、及びPVE潤滑剤を含む、そのようなシステムに使用され得る潤滑剤と混和性であることが望ましい。
【0011】
したがって、出願人らは、R-410Aとともに使用するために設計された、又はそれとともに使用するのに適した、特に住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおけるものを含む、加熱及び冷却のシステム及び方法において非常に有利である組成物、及び特に熱伝達組成物の必要性を理解するようになった。
【発明の概要】
【0012】
出願人らは、本発明の組成物が、そのようなシステムでの冷却用途において、R-410Aに対して冷却効率及び能力の非常に近い一致を有し、好ましくは、過度に高くない勾配も有する、わずかに可燃性(すなわち、ANSI/ASHRAE 34-2019,Designation and Safety Classification of Refrigerantsに従って2L分類を有する)で、非毒性の流体である、R-410Aの150未満のGWPの代替品及び/又は代用の必要性を、例外的かつ予想外の方法で満たすことを見出した。本明細書で使用される場合、「150未満のGWP」という用語は、150以下のGWP(以下に記載されるように測定される)を有する冷媒を指すために便宜上使用される。
【0013】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒1」と称される。
【0014】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
18.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~72.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
6.0重量%~9.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒3」と称される。
【0015】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
約21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
約70.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
約8.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒4」と称される。
【0016】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒5」と称される。
【0017】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
70.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
8.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒6」と称される。
【0018】
本発明は、少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
71.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
7.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒7」と称される。
【0019】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒8」と称される。
【0020】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
18.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~72.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
6.0重量%~9.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒9」と称される。
【0021】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
約21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
約70.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
約8.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒10」と称される。
【0022】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒11」と称される。
【0023】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
70.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
8.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒12」と称される。
【0024】
本発明は、少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
71.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
7.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒13」と称される。
【0025】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒14」と称される。
【0026】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
18.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~72.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
6.0重量%~9.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒15」と称される。
【0027】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
約21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
約70.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
約8.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒16」と称される。
【0028】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒17」と称される。
【0029】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
70.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
8.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒18」と称される。
【0030】
本発明は、以下の3つの化合物から本質的になる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
71.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
7.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒19」と称される。
【0031】
本発明は、以下の3つの化合物からなる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒20」と称される。
【0032】
本発明は、以下の3つの化合物からなる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
18.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~72.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
6.0重量%~9.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒21」と称される。
【0033】
本発明は、以下の3つの化合物からなる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
約21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
約70.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
約8.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒22」と称される。
【0034】
本発明は、以下の3つの化合物の冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒23」と称される。
【0035】
本発明は、以下の3つの化合物からなる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
70.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
8.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒24」と称される。
【0036】
本発明は、以下の3つの化合物からなる冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
71.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
7.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)で存在する、冷媒に関する。本段落に記載する冷媒は場合により、便宜上「冷媒25」と称される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】空調、低温冷房、及び中温冷房にて有用な、例示的な熱伝達システムの概略図である。
【
図2】低温及び中温冷房にて有用であり、蒸気注入器を含む、例示的な熱伝達システムの概略図である。
【
図3】低温及び中温冷房にて有用であり、液体注入器を含む、例示的な熱伝達システムの概略図である。
【
図4】低温及び中温冷房にて有用であり、吸引ライン/液体ライン熱交換器を含む、例示的な熱伝達システムの概略図である。
【
図5】低温及び中温冷房にて有用であり、蒸気注入器及び油分離器を含む、例示的な熱伝達システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
定義:
本発明の目的では、重量%にて表現される量に関係する用語「約」とは、構成成分の量が、±2重量%の量で変動し得ることを意味する。
【0039】
本発明の目的では、摂氏度(℃)の温度に関する「約」という用語は、規定温度が±5℃の量で変動し得ることを意味する。
【0040】
「能力」という用語は、冷房システムにおいて冷媒によってBTU/時間で提供される冷却の量である。これは、冷媒が蒸発器を通る際の冷媒のBTU/lbでのエンタルピーの変化を、冷媒の質量流量で乗じることによって実験的に決定される。エンタルピーは、冷媒の圧力及び温度の測定から決定することができる。冷房システムの能力は、冷却される領域を特定の温度に維持する能力に関連する。冷媒の能力は、冷媒が提供する冷却又は加熱の量を表し、冷媒の所与の体積流量に対する熱量を送出する圧縮機のある程度の性能を提供する。換言すれば、特定の圧縮機を考慮すると、より高い能力を有する冷媒は、より多くの冷却又は加熱力を供給するであろう。
【0041】
「成績係数」という語句(以下「COP」)は、冷媒の蒸発又は凝縮を伴う特定の加熱又は冷却サイクルにおいて冷媒の相対的な熱力学的効率を表すのに特に有用な、広く受け入れられている冷媒性能の尺度である。冷蔵工学では、この用語は、蒸気の圧縮時に圧縮機によって印加されるエネルギーに対する有効な冷蔵又は冷却能力の比率を表し、したがって冷媒などの熱伝達流体の所与の体積流量に対する熱量を送出する所与の圧縮機の能力を表す。換言すれば、特定の圧縮機を考慮すると、より高いCOPを有する冷媒は、より多くの冷却又は加熱力を供給するであろう。特定の運転条件における冷媒のCOPを推定するための1つの手段は、標準的な冷蔵サイクル分析技術を用いた冷媒の熱力学的特性からのものである(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、R.C.Downing,FLUOROCARBON REFRIGERANTS HANDBOOK,Chapter 3,Prentice-Hall,1988を参照されたい)。
【0042】
「吐出温度」という語句は、圧縮機の出口における冷媒の温度を指す。低い吐出温度の利点は、好ましくは圧縮機部品を保護するように設計されたシステムの熱防御面を作動させることなく既存の設備の使用を可能にし、吐出温度を下げるための液体注入などの高価な制御装置の使用を回避することである。
【0043】
語句「地球温暖化係数」(以下「GWP」)は、様々な気体の地球温暖化への影響を比較することを可能にするために開発された。具体的には、ある気体の1トンの放出が、二酸化炭素の1トンの放出に対して相対的に、所与の期間にわたってどのくらいのエネルギーを吸収するかの尺度である。GWPが大きいほど、所与の気体は、CO2と比較して、その期間にわたって地球をより一層温めることになる。GWPに通常使用される期間は、100年である。GWPは、アナリストが異なる気体の放出推定値を合計することを可能にする、一般的な尺度を提供する。例えば、http://www.protocolodemontreal.org.br/site/images/publicacoes/setor_manufatura_equipamentos_refrigeracao_arcondicionado/Como_calcular_el_Potencial_de_Calentamiento_Atmosferico_en_las_mezclas_de_refrigerantes.pdfを参照のこと。
【0044】
「職業曝露限界(Occupational Exposure Limit、OEL)」という用語は、ASHRAE Standard 34-2016 Designation and Safety Classification of Refrigerantsに従って決定される。
【0045】
「質量流量」という用語は、単位時間当たりの導管を通過する冷媒の質量である。
【0046】
本明細書で使用する場合、用語「代用」とは、別の冷媒とともに用いるために設計されている、又は一般にともに用いられる、又は、ともに用いるのが好適な、熱伝達システムにおける、本発明の組成物の使用を意味する。例えば、本発明の冷媒又は熱伝達組成物が、R-404Aとともに用いられるように設計された熱伝達システムにて用いられるとき、本発明の冷媒又は熱伝達組成物は、当該システムにおけるR-404Aの代用である。したがって、用語「代用」とは、R-404Aとともに用いるように設計された、一般的にともに用いられる、又は、ともに用いるのに好適な新規及び既存のシステムの両方において、本発明の冷媒及び熱伝達組成物を使用することを含むことが理解されるであろう。「熱力学的グライド」という語句は、一定圧力での蒸発器又は凝縮器における相変化プロセス中に様々な温度を有する非共沸冷媒混合物に適用される。
【0047】
用語「低温冷房システム」とは、約20℃~約60℃の凝縮温度、及び、約-45℃から最大-12℃(この温度を含む)の蒸発温度にて作動する熱伝達システムを意味する。
【0048】
用語「中温冷房システム」とは、約20℃~約60℃の凝縮温度、及び、約-12℃~約0℃の蒸発温度にて作動する熱伝達システムを意味する。
【0049】
用語「中温冷房システム」とは、約20℃~約60℃の凝縮温度、及び、約-12℃~約0℃の蒸発温度にて作動する熱伝達システムを意味する。
【0050】
本明細書で使用する場合、用語「住宅用空調」とは、約20℃~約70℃の凝縮温度及び約0℃~約20℃の蒸発温度で作動する、空気を調整(冷却又は加熱)する熱伝達システムを指す。
【0051】
本明細書で使用する場合、用語「住宅用空気-水ヒートポンプ」とは、室外空気から住宅内の水に熱を伝達し、その水が住宅内の空気を調整するために使用され、約20℃~約70℃の凝縮温度及び約-20℃~約3℃の蒸発温度で作動する熱伝達システムを指す。
【0052】
本明細書で使用する場合、用語「空冷式冷却器」とは、プロセス水(典型的には建物の内部を冷却又は加熱するために使用される)へ又はプロセス水から熱を伝達し、周囲空気から熱を遮断又は吸収し、約20℃~約70℃の凝縮温度及び約0℃~約10℃の蒸発温度で作動する熱伝達システムを指す。
【0053】
本明細書で使用する場合、用語「スーパーマーケット冷房」とは、冷却又は冷凍食品を、製品表示ケース及び保存冷蔵庫の両方にて維持するために用いる、商用冷房システムを意味する。
【0054】
本明細書で使用する場合、用語「輸送冷房」とは、冷却又は冷凍製品の、トラック、トレーラー、バン、一貫輸送式コンテナ、及びボックスによる輸送において使用される冷房システムを意味する。この用語は、約100総トン数(gross ton、GT)を超える、商人用、海軍用、及び釣り容器(長さが約24mを超える)における、冷房及び空調の使用もまた含む。
【0055】
本明細書で使用する場合、用語「HFO-1234yf」及び「R-1234yf」は各々、2,3,3,3-テトラフルオロプロペンを意味する。
【0056】
本明細書で使用する場合、用語「HFC-32」及び「R-32」は各々、ジフルオロメタンを意味する。
【0057】
本明細書で使用する場合、用語「HFC-161」及び「R-161」は各々、フルオロエタンを意味する。
【0058】
用語「R-410A」は、50重量%のR-32及び50重量%のR-125からなる冷媒のブレンドを意味する。
【0059】
用語「R-410B」は、45重量%のR-32及び55重量%のR-125からなる冷媒のブレンドを意味する。
【0060】
用語「R-410」は、R-410A又はR-410Bのいずれかを意味する。
【0061】
本明細書で使用する場合、用語「R-454B」は、68.9重量%のR-32及び31.1重量%のR-1234yfのブレンドを含む冷媒を意味する。
【0062】
定義された用語の群への本明細書における言及は、全てのそのような定義された用語を含み、接尾辞指定を有する全てのそのような用語を含む。
【0063】
冷媒及び熱伝達組成物
出願人らは、本明細書に記載した冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒が、以下を含む非常に有利な特性を提供することができることを見出した:熱伝達特性、低毒性又は無毒性、微燃性、ほぼゼロのオゾン層破壊係数(ozone depletion potential、「ODP」)、並びに住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて使用される動作温度及び濃度範囲にわたるPOE及び/又はPVE潤滑剤との混和性を含む、潤滑剤適合性。
【0064】
冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒の特定の利点は、それらが微燃性であることである。冷媒の可燃性が、ある特定の重要な熱伝達用途において考慮される特性であり得ること、及び2Lとして分類される冷媒が、可燃性であると考えられる冷媒よりも有利であり得ることが多いことが、当業者によって理解されるであろう。したがって、優れた熱伝達特性、低毒性又は無毒性、ほぼゼロのODP、並びに住宅用空調、可変冷媒流代用空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて使用される動作温度及び濃度範囲にわたるPOE及び/又はPVE潤滑剤との混和性を含む、潤滑剤適合性を有し、使用時に不燃性を維持する、410Aのとして使用され得る冷媒組成物を提供することが、当技術分野において望まれている。この望ましい利点は、本発明の冷媒によって達成され、満たされ得る。
【0065】
冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒の別の特定の利点は、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて、R-410Aの能力及びCOPとの優れた一致を示すことであり、これは、特にR-410Aシステムに対する改造用途における優れた性能という予想外の利点を提供する。
【0066】
出願人らは、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒組成物が、特に低いGWPを含む、達成するのが困難な特性の組み合わせを達成することができることを見出した。したがって、本発明の組成物は、150以下、及び好ましくは147以下のGWPを有する。
【0067】
更に、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒組成物は、低いODPを有する。したがって、本発明の組成物は、0.05以下、好ましくは0.02以下、より好ましくは約ゼロのODPを有する。
【0068】
更に、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒組成物は、許容可能な毒性を示し、好ましくは約400より大きいOELを有する。当業者が認識しているように、約400より大きいOELを有する不燃性冷媒は、ASHRAE規格34のうちの、望ましい「クラスA」に分類されている冷媒をもたらすため、有利である。
【0069】
出願人らは、本明細書に記載した冷媒1~25の各々を含む熱伝達組成物を含む、本発明の熱伝達組成物が、以下を含む非常に有利な特性を提供することができることを見出した:熱伝達特性、使用条件下での化学的安定性、低毒性又は無毒性、不燃性、ほぼゼロのオゾン層破壊係数(「ODP」)、並びに住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて使用される動作温度及び濃度範囲にわたるPOE及び/又はPVE潤滑剤との混和性を含む、潤滑剤適合性、並びに以前のR-410Aシステムを含む、住宅用空調、可変冷媒流代用空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおける、特にR-410Aのとしての150未満のGWP。
【0070】
熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の任意の冷媒から本質的になることができる。
【0071】
本発明の熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の任意の冷媒からなることができる。
【0072】
本発明の熱伝達組成物は、ある特定の機能性を増強させるか、又はそれを組成物に提供する目的で他の構成成分を含んでもよい。そのような他の構成成分には、潤滑剤、染料、可溶化剤、相溶化剤、安定化剤、抗酸化剤、腐食抑制剤、極圧添加剤、及び耐摩耗剤のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0073】
潤滑剤
本発明の熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本明細書に記載した冷媒を含む。出願人らは、潤滑剤、特にPOE及び/又はPVE潤滑剤、並びに本明細書に記載した冷媒1~25の各々を含む熱伝達組成物を含む、本発明の熱伝達組成物が、冷媒に関して本明細書で特定した有利な特性に加えて、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて使用される動作温度及び濃度範囲にわたるPOE及び/又はPVE潤滑剤との混和性を含む、優れた冷媒/潤滑剤適合性を含む非常に有利な特性を、特にトラック及びバスの空調並びに冷却器システムを含むそのようなシステムにおけるR-410の代用として提供することができることを見出した。
【0074】
本発明の熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本明細書に記載した冷媒を含む。出願人らは、潤滑剤、及び特にPAG潤滑剤、並びに本明細書に記載した冷媒1~25の各々を含む熱伝達組成物を含む、本発明の熱伝達組成物が、冷媒に関して本明細書で特定した有利な特性に加えて、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、低温冷房、モバイル空調、及びモバイルヒートポンプにおいて使用される動作温度及び濃度範囲にわたるPAG潤滑剤との混和性を含む、優れた冷媒/潤滑剤適合性を含む非常に有利な特性を、特に自動車、トラック、及びバスの空調並びに冷却器システムを含むそのようなシステムにおけるR-1234yfの代用として提供することができることを見出した。
【0075】
一般に、潤滑剤を含む本発明の熱伝達組成物は、熱伝達組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.1重量%~約5重量%、又は0.1重量%~約1重量%、又は0.1重量%~約0.5重量%の量で潤滑剤を含む。
【0076】
本発明の冷房機械に使用されている、ポリオールエステル(POE)、ポリアルキレングリコール(PAG)、シリコーンオイル、鉱物油、アルキルベンゼン(alkylbenzene、AB)、ポリビニルエーテル(polyvinyl ether、PVE)、ポリエーテル(polyether、PE)、及びポリ(α-オレフィン)(poly(alpha-olefin)、PAO)などの一般的に使用される冷媒潤滑剤が、本発明の冷媒組成物とともに使用され得る。
【0077】
好ましくは、潤滑剤は、PAG、POE、及びPVEから選択される。
【0078】
潤滑剤はPOEであるのが好ましい。
【0079】
潤滑剤はPVEであるのが好ましい。
【0080】
潤滑剤はPAGであるのが好ましい。
【0081】
一般に、POE潤滑剤を含む本発明の熱伝達組成物は、熱伝達組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.1重量%~約5重量%、又は0.1重量%~約1重量%、又は0.1重量%~約0.5重量%の量でPOE潤滑剤を含む。
【0082】
本発明の熱伝達組成物市販にて使用するのに好ましいPOEとしては、Emery 2917(登録商標)及びHatcol 2370(登録商標)として入手可能なジペラルゴン酸ネオペンチルグリコール、並びにCPI Fluid Engineeringによって商品名Emkarate RL32-3MAF及びEmkarate RL68Hとして販売されているものなどのペンタエリスリトール誘導体が挙げられる。Emkarate RL32-3MAF及びEmkarate RL68Hは、以下で特定される特性を有する好ましいPOE潤滑剤である。
【0083】
【0084】
一般に、PVE潤滑剤を含む本発明の熱伝達組成物は、熱伝達組成物の重量に基づいて、好ましくは約0.1重量%~約5重量%、又は0.1重量%~約1重量%、又は0.1重量%~約0.5重量%の量でPVE潤滑剤を含む。
【0085】
本発明の熱伝達組成物で使用するのに好ましい市販のポリビニルエーテルとしては、出光から、FVC32D及びFVC68Dの商標名にて販売されている潤滑剤が挙げられる。
【0086】
本発明の熱伝達組成物に使用するのに好ましい市販のPAG潤滑剤としては、Nippon-Denso ND oil-8、ND oil-12;Idemitsu PS-D1;Sanden SP-10の商品名で販売されている潤滑剤が挙げられる。
【0087】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1及びPOE潤滑剤を含む。
【0088】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒2及びPOE潤滑剤を含む。
【0089】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒3及びPOE潤滑剤を含む。
【0090】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒4及びPOE潤滑剤を含む。
【0091】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒5及びPOE潤滑剤を含む。
【0092】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒6及びPOE潤滑剤を含む。
【0093】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒7及びPOE潤滑剤を含む。
【0094】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒8及びPOE潤滑剤を含む。
【0095】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒9及びPOE潤滑剤を含む。
【0096】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒10及びPOE潤滑剤を含む。
【0097】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒11及びPOE潤滑剤を含む。
【0098】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒12及びPOE潤滑剤を含む。
【0099】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒13及びPOE潤滑剤を含む。
【0100】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒14及びPOE潤滑剤を含む。
【0101】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒15及びPOE潤滑剤を含む。
【0102】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒16及びPOE潤滑剤を含む。
【0103】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒17及びPOE潤滑剤を含む。
【0104】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒18及びPOE潤滑剤を含む。
【0105】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒19及びPOE潤滑剤を含む。
【0106】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒20及びPOE潤滑剤を含む。
【0107】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒21及びPOE潤滑剤を含む。
【0108】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒22及びPOE潤滑剤を含む。
【0109】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒23及びPOE潤滑剤を含む。
【0110】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒24及びPOE潤滑剤を含む。
【0111】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒25及びPOE潤滑剤を含む。
【0112】
ASTM D445に従って測定された40℃での粘度が約30~約70であるPOEから本質的になる潤滑剤は、本明細書において潤滑剤1と呼ばれる。
【0113】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1及び潤滑剤1を含む。
【0114】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒2及び潤滑剤1を含む。
【0115】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒3及び潤滑剤1を含む。
【0116】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒4及び潤滑剤1を含む。
【0117】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒5及び潤滑剤1を含む。
【0118】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒6及び潤滑剤1を含む。
【0119】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒7及び潤滑剤1を含む。
【0120】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒8及び潤滑剤1を含む。
【0121】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒9及び潤滑剤1を含む。
【0122】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒10及び潤滑剤1を含む。
【0123】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒11及び潤滑剤1を含む。
【0124】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒12及び潤滑剤1を含む。
【0125】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒13及び潤滑剤1を含む。
【0126】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒14及び潤滑剤1を含む。
【0127】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒15及び潤滑剤1を含む。
【0128】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒16及び潤滑剤1を含む。
【0129】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒17及び潤滑剤1を含む。
【0130】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒18及び潤滑剤1を含む。
【0131】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒19及び潤滑剤1を含む。
【0132】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒20及び潤滑剤1を含む。
【0133】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒21及び潤滑剤1を含む。
【0134】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒22及び潤滑剤1を含む。
【0135】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒23及び潤滑剤1を含む。
【0136】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒24及び潤滑剤1を含む。
【0137】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒25及び潤滑剤1を含む。
【0138】
ASTM D445に従い測定すると、40℃にて約30~約70の粘度を有するPOEから本質的になり、熱伝達組成物の約0.1重量%~約1重量%の量で存在する潤滑剤は、本明細書においては潤滑剤2として呼ばれる。
【0139】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1及び潤滑剤2を含む。
【0140】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒2及び潤滑剤2を含む。
【0141】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒3及び潤滑剤2を含む。
【0142】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒4及び潤滑剤2を含む。
【0143】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒5及び潤滑剤2を含む。
【0144】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒6及び潤滑剤2を含む。
【0145】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒7及び潤滑剤2を含む。
【0146】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒8及び潤滑剤2を含む。
【0147】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒9及び潤滑剤2を含む。
【0148】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒10及び潤滑剤2を含む。
【0149】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒11及び潤滑剤2を含む。
【0150】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒12及び潤滑剤2を含む。
【0151】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒13及び潤滑剤2を含む。
【0152】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒14及び潤滑剤2を含む。
【0153】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒15及び潤滑剤2を含む。
【0154】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒16及び潤滑剤2を含む。
【0155】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒17及び潤滑剤2を含む。
【0156】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒18及び潤滑剤2を含む。
【0157】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒19及び潤滑剤2を含む。
【0158】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒20及び潤滑剤2を含む。
【0159】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒21及び潤滑剤2を含む。
【0160】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒22及び潤滑剤2を含む。
【0161】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒23及び潤滑剤2を含む。
【0162】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒24及び潤滑剤2を含む。
【0163】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒25及び潤滑剤2を含む。
【0164】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒、及び約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約0.1%~約0.5%の潤滑剤を含み、当該割合は、熱伝達組成物中の潤滑剤の重量に基づく。
【0165】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒、及び約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%、又は約0.1%~約0.5%のPOE潤滑剤を含み、当該割合は、熱伝達組成物中の潤滑剤の重量に基づく。
【0166】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒、及び約0.1%~約5%、又は約0.1%~約1%の潤滑剤1を含み、当該割合は、熱伝達組成物中の潤滑剤の重量に基づく。
【0167】
ASTM D445に従い測定すると、40℃にて約30~約70の粘度を有するPOEから本質的になり、熱伝達組成物の約0.1重量%~約0.5重量%の量で存在する潤滑剤は、本明細書においては潤滑剤3と称される。
【0168】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒、及び潤滑剤3を含む。
【0169】
ASTM D445に従い測定すると、40℃にて約30~約70の粘度を有するPOEから本質的になり、熱伝達組成物の約0.1重量%~約0.5重量%の量で存在する潤滑剤は、本明細書においては潤滑剤4として呼ばれる。
【0170】
好ましい熱伝達組成物は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒、及び潤滑剤4を含む。
【0171】
本発明の新規及び基本的な特徴から逸脱することなく、本明細書に含まれる教示を考慮して、本明細書において言及されていない他の添加剤もまた含まれ得る。
【0172】
また、参照によりその開示全体が組み込まれている米国特許第6,516,837号に開示されるように、油溶性を補助するために、界面活性剤及び可溶化剤の組み合わせが本発明の組成物に添加されてもよい。
【0173】
方法、使用、及びシステム
本明細書に開示した冷媒及び熱伝達組成物は、モバイル空調(自動車、バス、列車、及び飛行機における空調を含み、内燃機関、電源、及びハイブリッド電源を有するそのような車両におけるシステムを含む);住宅用空調(特に住宅用空調、及び特にダクトスプリット型、ダクトレススプリット型、ウィンドウ型、及びポータブル型空調システムを含む)を含む固定空調;産業用空調(冷却器システムを含む);商用空調システム(特に冷却器システム、パッケージ式ルーフトップユニット、及び可変冷媒流(variable refrigerant flow、VRF)システム)を含む空調用途において使用するために提供される。
【0174】
本明細書に開示した冷媒及び熱伝達組成物は、モバイルヒートポンプ(電気及びハイブリッド車両ヒートポンプを含む);住宅用ヒートポンプ(空気住宅用空気-水ヒートポンプ/温水システムを含む);並びに商用の空気熱源、水熱源、又は土壌熱源ヒートポンプシステムを含むヒートポンプにおいて使用するために提供される。
【0175】
本明細書に開示した冷媒及び熱伝達組成物は、ポジティブ容積式冷却器(positive displacement chiller)、空冷式又は水冷式直接膨張冷却器(モジュール式であり得るか、又は従来の方法で単独でパッケージ化され得る)を含む冷却器において使用するために提供される。
【0176】
本明細書で開示した冷媒及び熱伝達組成物は、低温商用冷房システム(低温スーパーマーケット冷房システムを含む)及び低温輸送システムを含む、低温冷房システムを含む、熱伝達用途において使用するために提供される。
【0177】
本明細書で開示した冷媒及び熱伝達組成物は、中温商用冷房システム(中温スーパーマーケット冷房システム及び中温輸送システムを含む)を含む、中温冷房システムにおいて使用するために提供される。
【0178】
本発明の組成物は、新規及び既存の熱伝達システムなどの、R-410A冷媒とともに用いるのに好適なシステムで用いることができる。
【0179】
本発明の熱伝達組成物のいずれかへの任意の言及は、本明細書に記載される熱伝達組成物の各々いずれかを指す。したがって、本発明の組成物の使用又は用途についての上記及び以下の議論に関して、熱伝達組成物は、本明細書に記載した冷媒のいずれかを、(i)冷媒1~25の各々、(ii)冷媒1~25の各々、及び任意の添加剤の任意の組み合わせ、(iii)冷媒1~25の各々、並びにPOE潤滑剤及び潤滑剤1~3を含む任意の潤滑剤の任意の組み合わせ、並びに(iv)並びに冷媒1~25の各々及びPAGの任意の組み合わせを含む、本明細書で論じる潤滑剤と組み合わせて含むことができる、又はそれらから本質的になることができる、又はそれらからなることができる。
【0180】
圧縮機を含む本発明の熱伝達システム、及びシステム内の圧縮機用潤滑剤に関して、システムは、システム内の潤滑剤充填量が、約5重量%~60重量%、又は約10重量%~約60重量%、又は約20重量%~約50重量%、又は約20重量%~約40重量%、又は約20重量%~約30重量%、又は約30重量%~約50重量%、又は約30重量%~約40重量%であるように、冷媒及び潤滑剤の充填量を含むことができる。本明細書で使用するとき、用語「潤滑剤充填量」は、システム内に含まれる潤滑剤及び冷媒の合計の割合として、システム内に含まれる潤滑剤の総重量を指す。このようなシステムはまた、熱伝達組成物の約5重量%~約10重量%、又は約8重量%の潤滑剤充填量を含み得る。
【0181】
例示的な熱伝達システム
以下に詳細に記述するとおり、本発明の好ましいシステムは、熱伝達組成物の冷媒及び関連する構成成分が、既知の方法でシステムを通って流れ、冷房サイクルを完了することができるように、配管、弁、及び制御システムを使用して全てが流体連通した、圧縮機、凝縮器、膨張装置、及び蒸発器を含む。このような基本的なシステムの例示的概略図を
図1に示す。特に、
図1に概略的に示すシステムは圧縮機10を示し、これは、圧縮された冷媒蒸気を凝縮器20に提供する。圧縮された冷媒蒸気は凝縮して液体冷媒を生成し、これが次に、低温圧力にて冷媒を生成する膨張装置40に向けられ、次に蒸発器50に提供される。蒸発器50内で、液体冷媒は体からの熱、又は冷却された流体を吸収することにより冷媒蒸気を生成し、これが次に、圧縮機の吸引ラインに提供される。
【0182】
図2に示す冷房システムは、熱交換器30及びバイパス膨張バルブ25を含む蒸気注入システムを含むことを除いて、
図1に関連して上述したものと同じである。バイパス膨張装置25は、凝縮器出口にて、冷媒流の一部を装置を通して迂回させることにより、液体冷媒を熱交換器30に減圧にて、かつそれ故低温にて、熱交換器30に提供する。次いで、この比較的冷たい液体冷媒は、熱を、凝縮器からの比較的高温の残りの液体と交換する。この操作により、主要膨張装置40及び蒸発器50に過冷却液体が生成され、比較的冷たい冷媒蒸気が圧縮機10に戻される。このようにして、冷却した冷媒蒸気を、圧縮機の吸引側に注入することが、圧縮機の吐出温度を許容される限度に維持する役割を果たし、このことは特に、高圧縮比を利用する低温システムにおいて有利であることができる。
【0183】
図3に示す冷房システムは、バイパスバルブ26を含む液体注入システムを含むことを除いて、
図1に関連して上述したものと同じである。バイパスバルブ26は、凝縮器を出る液体冷媒の一部を、圧縮機、好ましくは、圧縮機10内の液体注入ポートに迂回させる。このようにして、液体冷媒を、圧縮機の吸引側に注入することが、圧縮機の吐出温度を許容される限度に維持する役割を果たし、このことは特に、高圧縮比を利用する低温システムにおいて有利であることができる。
【0184】
図4に示す冷房システムは、液体ライン/吸引ライン熱交換器35を含むことを除いて、
図1に関連して上述したものと同じである。バルブ25は、凝縮器出口から液体ライン/吸引ライン熱交換器への冷媒流の一部、及び任意選択的に全てを迂回させ、ここで、熱は、液体冷媒から蒸発器50を出る冷媒蒸気に伝達され、熱交換器35を出る更に冷却された液体冷媒は、膨張装置40及び蒸発器50に方向付けられる。
【0185】
図5に示す冷房システムは、圧縮機10の出口に接続されたオイルセパレータ60を含むことを除いて、
図1に関連して上述したものと同じである。当業者に知られているように、ある程度の量の圧縮機潤滑剤は典型的には、圧縮機排出冷媒蒸気に運搬され、オイルセパレータが、潤滑剤液体を冷媒蒸気から切り離す手段を提供するように含められ、潤滑剤油含有量が減少した、得られた冷媒蒸気が凝縮器入口に進み、次いで液体潤滑剤が、潤滑剤レシーバなどの圧縮機を潤滑化させるのに使用するために、潤滑剤リザーバに戻される。好ましい実施形態では、オイルセパレータは、好ましくは、フィルタ又は中実コアの形態の、本明細書に記載した封鎖材料を含む。
【0186】
当業者により、
図2~
図5の各々に個別に示す、異なる装置/構成オプションを、任意の用途に有利とみなされるように組み合わせる、及びともに使用することができることが理解されよう。
【0187】
住宅用空調システム
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0188】
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、封鎖材料1~6の各々を含む封鎖材料と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0189】
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、安定化剤1~17の各々を含む安定化剤と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0190】
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、安定化剤1~17の各々を含む安定化剤と、封鎖材料1~6の各々を含む封鎖材料と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0191】
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1と、POE潤滑剤と、安定化剤1~17の各々を含む安定化剤と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0192】
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1と、POE潤滑剤と、安定化剤1と、封鎖材料1~6から選択される封鎖材料と、を含む、住宅用空調システムを含む。
【0193】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約-20℃~約20℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、住宅用空調冷房システムを含む。
【0194】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約0℃~約20℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、冷却モードで作動する住宅用空調冷房システムを含む。
【0195】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約0℃~約10℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、冷却モードで作動する住宅用空調冷房システムを含む。
【0196】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約7℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、冷却モードで作動する住宅用空調冷房システムを含む。
【0197】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約-20℃~約3℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、加熱モードで作動する住宅用空調冷房システムを含む。
【0198】
本発明に従った熱伝達システムは、圧縮機、約0.5℃の蒸発器動作温度を有する蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25のいずれかと、POE潤滑剤と、安定化剤1~17のいずれかと、を含む、加熱モードで作動する住宅用空調冷房システムを含む。
【0199】
冷却モードで作動する本明細書に記載した住宅用空調システムの各々について、凝縮器は、約40℃~約70℃の範囲の凝縮温度で作動することが好ましい。
【0200】
加熱モードで作動する本明細書に記載した住宅用空調システムの各々について、凝縮器は、約35℃~約50℃の範囲の凝縮温度で作動することが好ましい。
【0201】
冷却モードで作動する本明細書に記載した住宅用空調システムの各々について、システムは、例えば夏季に、冷気(当該空気は、例えば、約10℃~約17℃、特に約12℃の温度を有する)を建物に提供することが好ましい。
【0202】
加熱モードで、すなわちヒートポンプとして作動する本明細書に記載した住宅用空調システムの各々について、システムは、冬季に、温風(供給される温風は、例えば約18℃~約24℃、特に約21℃の温度を有する)を建物に提供することが好ましい。これは通常、冷却モードで作動する住宅用空調システムと同じシステムである。しかしながら、ヒートポンプモードで作動している間、冷媒流が反転し、室内コイルが凝縮器になり、室外コイルが蒸発器になる。
【0203】
空冷冷却器システム
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、を含む、空冷式冷却器システムを含む。
【0204】
商用空調システムで作動することを含む、本明細書に記載した冷却器システムの各々について、冷却器は、好ましくは、例えば約5℃~約10℃、特に約7℃の温度の冷水を、オフィス及び病院などの大きな建物に提供することが好ましい。用途に応じて、冷却器システムは、一年中稼働していてもよい。冷却器システムは、空冷式又は水冷式であり得る。空冷式システムでは、凝縮器は、熱を周囲空気と交換する(すなわち、排熱する)。水冷式システムでは、凝縮器は、熱を、例えば冷却塔又は湖、海、及び他の天然資源からの水と熱を交換する(すなわち、排熱する)。
【0205】
本明細書に記載した冷却器システムの各々について、凝縮器は、約40℃~約70℃の範囲の凝縮温度で作動することが好ましい。
【0206】
住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、を含む、住宅用空気-水ヒートポンプを含む。
【0207】
本明細書に記載した住宅用空気-水ヒートポンプの各々について、システムは、冬季に、温水(水は、例えば、約50℃又は約55℃の温度を有することが好ましい)を、床暖房又は同様の用途のために建物に提供することが好ましい。
【0208】
本明細書に記載した住宅用空気-水ヒートポンプの各々について、凝縮器は、約50℃~約90℃の範囲の凝縮温度で作動することが好ましい。
【0209】
低温システム
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、を含む、低温熱伝達システムを含む。
【0210】
中温システム
本発明に従った熱伝達システムは、互いに流体連通した圧縮機、蒸発器、凝縮器、及び膨張装置と、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒と、POE潤滑剤、PVE潤滑剤、及び潤滑剤1~3の各々を含む潤滑剤と、を含む、中温熱伝達システムを含む。
【0211】
冷却方法
本発明は、冷却を提供するための方法であって、
(a)約-40℃~約+10℃の温度にて、冷却される本体又は物品又は流体の近傍で、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約20℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む方法を提供する。
【0212】
特定の冷却方法を以下により詳細に記載する。
【0213】
住宅用空調
本発明は、冷却モードで住宅用空調を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約0℃~約10℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約40℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0214】
本発明は、冷却モードで住宅用空調を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約0℃~約10℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気、及び約10℃~約17℃の温度の冷気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約40℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0215】
冷却器
本発明は、冷却モードで空調を提供する冷水を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約0℃~約10℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約40℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0216】
低温冷却方法
本発明は、熱伝達のための低温冷房方法も含み、当該方法は、
(a)約-40℃~約-12℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約20℃~約60℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0217】
中温冷却方法
本発明は、熱伝達のための中温冷房方法も含み、当該方法は、
(a)-12℃~約0℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約20℃~約60℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0218】
加熱方法
本発明は、加熱を提供するための方法であって、
(a)約-30℃~約+5℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を、加熱される本体又は物品又は流体の近傍で当該圧縮機から凝縮して(当該凝縮は、約40℃~約70℃の温度にて起こる)、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0219】
特定の加熱方法を以下により詳細に記載する。
【0220】
住宅用空調
本発明は、加熱モードで住宅用空調を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約-20℃~約3℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約40℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0221】
本発明は、加熱モードで住宅用空調を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約0.5℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約40℃~約70℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気、及び約18℃~約24℃の温度の熱気を生成することと、を含む。
【0222】
住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム
本発明は、住宅用空気-水ヒートポンプにおいて加熱を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約-30℃~約5℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約50℃~約90℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0223】
本発明は、住宅用空気-水ヒートポンプにおいて加熱を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約-20℃~約3℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約50℃~約90℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気を生成することと、を含む。
【0224】
本発明は、住宅用空気-水ヒートポンプにおいて加熱を提供する方法を含み、当該方法は、
(a)約-30℃~約5℃の温度にて、本発明に従った冷媒(冷媒1~25の各々から選択される任意の冷媒を含む)を蒸発させて、冷媒蒸気を生成することと、
(b)当該冷媒蒸気を圧縮して、約135℃未満の吐出温度にて冷媒を生成することと、
(c)冷媒を当該圧縮機から、約50℃~約90℃の温度にて凝縮して、冷媒蒸気、及び約50℃~約55℃の温度の温水を生成することと、を含む。
【0225】
使用
住宅用空調
本発明は、住宅用空調における、冷媒1を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0226】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒2を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0227】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒3を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0228】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒4を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0229】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒5を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0230】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒6を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0231】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒7を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0232】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒8を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0233】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒9を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0234】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒10を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0235】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒11を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0236】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒12を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0237】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒13を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0238】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒14を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0239】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒15を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0240】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒16を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0241】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒17を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0242】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒18を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0243】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒19を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0244】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒20を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0245】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒21を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0246】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒22を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0247】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒23を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0248】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒24を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0249】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒25を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0250】
冷却器
本発明は、冷却器における、冷媒1を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0251】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒2を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0252】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒3を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0253】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒4を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0254】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒5を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0255】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒6を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0256】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒7を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0257】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒8を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0258】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒9を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0259】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒10を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0260】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒11を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0261】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒12を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0262】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒13を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0263】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒14を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0264】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒15を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0265】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒16を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0266】
したがって、本発明は、住宅用空調における、冷媒17を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0267】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒18を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0268】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒19を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0269】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒20を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0270】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒21を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0271】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒21を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0272】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒22を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0273】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒23を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0274】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒24を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0275】
したがって、本発明は、冷却器における、冷媒25を含む熱伝達組成物の使用を含む。
【0276】
低温冷房
本発明は、低温冷房システムにおける、冷媒1~25の各々を含む本発明の任意の冷媒を含む、熱伝達組成物の使用を含む。
【0277】
中温冷房
本発明は、中温冷房システムにおける、冷媒1~25の各々を含む本発明の任意の冷媒を含む、熱伝達組成物の使用を含む。
【0278】
改造及び代用
したがって、本発明の熱伝達組成物及び冷媒(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての熱伝達組成物を含む)は、改造の冷媒/熱伝達組成物として、又は代用の冷媒/熱伝達組成物として使用され得る。
【0279】
本発明はそれ故、既存のシステムの実質的な、工学的変更を必要とすることなく、特に、凝縮器、蒸発器、及び/又は膨張バルブを変更することなく、R-410冷媒を含有するように設計された、既存の熱伝達システムを改造する方法を含む。
【0280】
本発明はそれ故、既存のシステムの実質的な、工学的変更を必要とすることなく、特に、凝縮器、蒸発器、及び/又は膨張バルブを変更することなく、R-410A冷媒を含有するように設計された、既存の熱伝達システムを改造する方法を含む。
【0281】
したがって、本発明はまた、既存のシステムの実質的な工学的変更を必要とすることなく、特に、凝縮器、蒸発器、及び/又は膨張バルブを変更することなく、R-410Aの改造として、特に、低温冷房システムにおけるR-410Aの改造として、本発明の冷媒又は熱伝達組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての熱伝達組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0282】
したがって、本発明はまた、既存のシステムの実質的な工学的変更を必要とすることなく、特に、凝縮器、蒸発器、及び/又は膨張バルブを変更することなく、中温冷房システムにおけるR-410Aの代用として、本発明の冷媒又は熱伝達組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての熱伝達組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0283】
したがって、本発明はまた、低温冷房システムにおけるR-410Aの代用として、本発明の冷媒又は伝熱組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての伝熱組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0284】
したがって、本発明はまた、中温冷房システムにおけるR-410Aの代用として、本発明の冷媒又は伝熱組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての伝熱組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0285】
したがって、本発明はまた、R-410AAの代用として、及び特に、低温冷房システムにおけるR-410Aの代用として、本発明の冷媒又は熱伝達組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての熱伝達組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0286】
したがって、本発明はまた、R-410Aの代用として、及び特に、中温冷房システムにおけるR-410Aの代用として、本発明の冷媒又は伝熱組成物(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての伝熱組成物を含む)を使用する方法も含む。
【0287】
システム、方法、及び使用のための装置
一般的に使用される圧縮機の例としては、本発明の目的では、往復動式、回転式(ローリングピストン及び回転弁を含む)、スクロール式、ねじ式、及び遠心式圧縮機が挙げられる。したがって、本発明は、往復動式、回転式(ローリングピストン及び回転弁を含む)、スクロール式、ねじ式、又は遠心式圧縮機を含む熱伝達システムにおける使用のための、冷媒1~25の各々を含む冷媒、及び/又は冷媒1~25のいずれか1つを含有するものを含む、本明細書に記載した熱伝達組成物、の各々及びいずれかを提供する。
【0288】
一般的に使用される膨張装置の例としては、本発明の目的では、キャピラリーチューブ、固定オリフィス、温度膨張バルブ、及び電子膨張バルブが挙げられる。したがって、本発明は、キャピラリーチューブ、固定オリフィス、温度膨張バルブ、又は電子膨張バルブを含む熱伝達システムにおける使用のための、本明細書に記載した、冷媒1~25の各々を含む冷媒、及び/又は冷媒1~25のいずれか1つを含有するものを含む熱伝達組成物、の各々及びいずれかを提供する。
【0289】
本発明の目的では、蒸発器及び凝縮器は、フィンチューブ型熱交換器、マイクロチャネル熱交換器、シェルアンドチューブ式、プレート式熱交換器、及びチューブインチューブ式(tube-in-tube)熱交換器から各々独立して選択することができる。したがって、本発明は、蒸発器及び凝縮器が、フィンチューブ型熱交換器、マイクロチャネル熱交換器、シェルアンドチューブ式、プレート式熱交換器、又はチューブインチューブ式熱交換器を一緒に形成する熱伝達システムにおける使用のための、本明細書に記載した冷媒及び/又は熱伝達組成物の各々及びいずれかを提供する。
【0290】
本発明の熱伝達組成物は、加熱及び冷却用途に使用することができる。本発明の特定の特徴では、熱伝達組成物は、熱伝達組成物を凝縮することと、その後冷却される物品又は本体の付近で当該組成物を蒸発させることとを含む冷却方法に使用することができる。
【0291】
本発明の熱伝達組成物は、以下の各々における使用を含む、低温冷房システムでの使用のために提供される:
-低温の商用冷蔵庫、
-低温の商用冷凍庫、
-製氷機、
-自販機、
-低温輸送冷房システム、
-産業用冷凍庫、
-産業用冷蔵庫、及び
-低温冷却器。
【0292】
本発明の熱伝達組成物は、中温冷房システムにおける使用のために提供され、中温冷房システムは、好ましくは、冷蔵庫又はボトルクーラーなどにおいて食べ物又は飲み物を冷やすために使用される。システムは通常、食べ物又は飲み物を冷やすための空気-冷媒蒸発器、往復動式、スクロール式、又はねじ式、又は回転式圧縮機、熱を周囲空気と交換するための空気-冷媒凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。
【0293】
本発明の熱伝達組成物は、低温冷房システムにおける使用のために提供され、当該低温冷房システムは、好ましくは、冷凍庫又は製氷機において使用される。システムは通常、食べ物又は飲み物を冷やすための空気-冷媒蒸発器、往復動式、スクロール式、又は回転式圧縮機、熱を周囲空気と交換するための空気-冷媒凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。
【0294】
冷媒1~25のいずれか1つを含有する熱伝達組成物を含む、本明細書で記載した熱伝達組成物の各々は特に、往復動式、回転式(ローリングピストン若しくは回転弁)、又はスクロール式圧縮機を備える低温システムで使用するために提供される。
【0295】
冷媒1~25のいずれか1つを含有する熱伝達組成物を含む、本明細書で記載した熱伝達組成物の各々は特に、往復動式、回転式(ローリングピストン若しくは回転弁)、又はスクロール式圧縮機を備える中温システムで使用するために提供される。
【0296】
したがって、本発明の熱伝達組成物及び冷媒(冷媒1~25の各々、及び冷媒1~25を含有する全ての熱伝達組成物を含む)は、冷媒R-410Aの代用の冷媒/熱伝達組成物として使用され得る。
【0297】
本発明はそれ故、R-410A冷媒とともに使用するために設計された、又はそうするのが好適な、熱伝達システムにおける冷媒の交換方法を含む。
【0298】
熱伝達組成物が、幹であるR-410Aの150未満のGWPの代用として使用されるか、又はR-410A冷媒を含有するように設計されたか、若しくは含有する使用に好適である、熱伝達システムにて使用されるか、又はR-410A冷媒とともに使用するのに好適である熱伝達システムにて使用されるとき、熱伝達組成物が、本発明の冷媒から本質的になることができることが理解されよう。
【0299】
本発明の組成物は、R-410Aの望ましい特性の多くを示すが、150未満のGWPを有すると同時に、R-410Aに実質的に類似する、又は実質的に一致する動作特性、すなわち能力及び効率(capacity and efficiency、COP)を有する。これにより、例えば凝縮器、蒸発器、及び/又は膨張バルブの大きなシステム変更を一切必要とすることなく、既存の熱伝達システムにおいて特許請求される組成物がR-410Aに代わることが可能となる。したがって、組成物は、R-410Aとともに使用されているか、又はそれとの使用に好適である直接的な代用として使用され得る。
【0300】
冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒はそれ故、R-410Aと比較して操作特性を示すのが好ましく、組成物の効率(COP)は、熱伝達システムにおけるR-410Aの効率の95%~105%であり、この点において、本発明の組成物はR-410A冷媒を置き換えることができる。
【0301】
冷媒1~22の各々を含む本発明の冷媒はそれ故、R-410Aと比較して操作特性示すのが好ましく、組成物の能力は、熱伝達システムにおけるR-410Aの能力の97%~103%であり、この点において、本発明の組成物はR-410A冷媒を置き換えることができる。
【0302】
冷媒1~22の各々を含む本発明の冷媒はそれ故、R-410Aと比較して操作特性示すのが好ましく、組成物の能力は、熱伝達システムにおけるR-410Aの能力の97%~103%であり、効率(COP)は、熱伝達システムにおけるR-410Aの効率に等しい、又はこれを上回り、この点において、本発明の組成物はR-410A冷媒を置き換えることができる。
【0303】
好ましくは、冷媒1~22の各々を含む本発明の冷媒は、R-410Aと比較して操作特性を示すのが好ましく、組成物の効率(COP)は、熱伝達システムにおけるR-410Aの効率の100%~105%であり、この点において、本発明の組成物はR-410A冷媒を置き換えることができる。
【0304】
熱伝達システムの信頼性を維持するために、本発明の組成物がR-410Aと比較して以下の特性を更に示すことが好ましい:
-吐出温度は、R-410Aの吐出温度よりも10℃以上高くなく、かつ
-圧縮機圧力比は、R-410Aの圧縮機圧力比の95~105%である。
【0305】
本発明の組成物は、R-410A冷媒に代わるために使用される。
【0306】
本発明の組成物は、冷房システムにおいてR-410Aに代わるために代替的に提供される。したがって、冷媒1~25のいずれか1つを含む熱伝達組成物を含む、本明細書に記載した熱伝達組成物の各々を使用して、本明細書にて開示したシステムのいずれか1つにおいて、R-410Aを置き換えることができる。
【0307】
本発明は、冷媒1~25の各々を含む本発明の冷媒の中温又は低温冷房システムにおける使用に関し、冷媒は、
(a)当該システムにおいて、R-410Aの効率の約95%~約105%の効率(COP)を有し、かつ、
(b)微燃性である。
【実施例】
【0308】
以下の表Aで特定される冷媒組成物を、本明細書に記載のとおりに分析した。各組成物を熱力学的分析に供して、様々な冷房システムにおいてR-410Aの動作特性と一致するその能力を測定した。組成物中に使用されている構成成分の様々な二成分対の特性について収集した実験データを使用して分析を実施した。HFO-1234yf、HFC-32、及びHFC-161の各々を含む一連の二成分対にて、各構成成分の蒸気/液体平衡挙動を決定及び研究した。実験評価において各二成分対の組成を一連の相対百分率にわたって変化させ、各二成分対の混合パラメータを実験的に得られたデータに回帰させた。二成分対の蒸気/液体平衡挙動データは、National Institute of Science and Technology(NIST)Reference Fluid Thermodynamic and Transport Properties Databaseソフトウェア(Refprop 9.1 NIST Standard Database 2013)で入手可能であり、実施例に使用した。分析を行うために選択したパラメータは、全ての冷媒について同じ圧縮機容積、全ての冷媒について同じ動作条件、全ての冷媒について同じ圧縮機等イソトロピー効率及び体積効率であった。各実施例では、測定された気液平衡データを使用してシミュレーションを行った。各実施例についてシミュレーション結果を報告する。
【0309】
【0310】
実施例1-住宅用空調システム(冷却)
夏季に冷気(約12℃)を建物に供給するために使用される住宅用空調システムについて試験する。典型的なシステムの種類としては、ダクトスプリット型、ダクトレススプリット型、ウィンドウ型、及びポータブル型空調システムが挙げられる。システムは通常、空気-冷媒蒸発器(室内コイル)、圧縮機、空気-冷媒凝縮器(室外コイル)、及び膨張装置を有する。蒸発器及び凝縮器は一般的に、フィンチューブ式又はマイクロチャネル熱交換器である。圧縮機は一般的に、往復動式、回転式(ローリングピストン若しくは回転弁)、又はスクロール式圧縮機である。膨張装置は一般的に、キャピラリーチューブ、温度膨張バルブ又は電子膨張バルブである。冷媒蒸発温度は一般的に、約0~約10℃の範囲内である一方、凝縮温度は、約40~約70℃の範囲内である。
【0311】
冷媒A1、A2、及びA3を、上述したような住宅用空調システムのシミュレーションにおいて使用し、性能結果を以下の表1に報告する。動作条件は、以下のとおりであった:凝縮温度=46℃(対応する室外周囲温度=35℃)、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=7℃(対応する室内周囲温度=26.7℃)、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、及び吸引ライン中の温度上昇=5.5℃。
【0312】
【表3】
-表1は、R410Aシステムと比較した住宅用空調システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃以下の蒸発器勾配を示す。
【0313】
実施例2-可変冷媒流空調システム(冷却)
可変冷媒流空調システム(VRF)は、夏季に冷気(約12℃)を建物に供給するために一般的に使用される。VRFは典型的には、単にオン/オフ動作を実行するのではなく、可変モータ速度、したがって可変冷媒流を支持するために、圧縮機にDCインバータを追加する空調機インバータとともに取り付けられる。様々な速度で作動することによって、VRFユニットは、必要とされるレートでのみ作動し、負荷条件において実質的なエネルギー節約を可能にする。圧縮機は通常、回転式又はスクロール式圧縮機である。膨張装置は通常、温度膨張バルブ又は電子膨張バルブである。冷媒蒸発温度は一般的に、約0~約10℃の範囲内である一方、凝縮温度は一般的に、約40~約70℃の範囲内である。
【0314】
夏季に冷気(約12℃)を建物に供給するために使用されるVRFについて試験する。冷媒A1、A2、及びA3を、上述したようなVRFのシミュレーションにおいて使用し、性能結果を以下の表2に報告する。動作条件は、以下のとおりであった:凝縮温度=46℃(対応する室外周囲温度=35℃)、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=7℃(対応する室内周囲温度=26.7℃)、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、及び吸引ライン中の温度上昇=5.5℃。
【0315】
【表4】
-表2は、R410Aシステムと比較した可変冷媒流空調システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃以下の蒸発器勾配を示す。
【0316】
実施例3-住宅用ヒートポンプシステム(加熱)
住宅用ヒートポンプシステムは、冬季に温風(21℃)を建物に供給するために使用され、典型的には、住宅用空調システムと同じシステムで構成されている。しかしながら、システムがヒートポンプモードで作動している場合、冷媒流が反転し、室内コイルが凝縮器になり、室外コイルが蒸発器になる。典型的なシステムの種類は、ダクトスプリット型及びダクトレススプリット型ヒートポンプシステムである。蒸発器及び凝縮器は典型的には、フィンチューブ式又はマイクロチャネル熱交換器であり、圧縮機は典型的には、往復動式又は回転式(ローリングピストン若しくは回転弁)、又はスクロール式圧縮機である。膨張装置は一般的に、キャピラリーチューブ、温度膨張バルブ又は電子膨張バルブである。冷媒蒸発温度は一般的に、約-30~約5℃の範囲内である一方、凝縮温度は、約35~約50℃の範囲内である。
【0317】
冷媒A1、A2、及びA3を、上述したような住宅用空調システムのシミュレーションにおいて使用し、性能結果は、以下の表3にある。動作条件は以下のとおりであった:凝縮温度=41℃、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=0.5℃、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、及び吸引ライン中の温度上昇=5.5℃。
【0318】
【表5】
-表3は、R410Aシステムと比較した住宅用ヒートポンプシステムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃以下の蒸発器勾配を示す。
【0319】
実施例4-商用空調システム-冷却器
商用空調システム(冷却器)は一般的に、オフィス、病院などの大きな建物に冷水(約7℃)を供給するために使用される。用途に応じて、冷却器システムは、通年稼働している場合がある。冷却器システムは、空冷式又は水冷式であり得る。空冷式冷却器は通常、冷水を供給するためのプレート、チューブインチューブ式、又はシェルインチューブ式蒸発器、往復動式又はスクロール式圧縮機、熱を周囲空気と交換するための丸管プレートフィン又はマイクロチャネル凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。水冷式システムは通常、冷水を供給するためのシェルアンドチューブ式蒸発器、往復動式又はスクロール式圧縮機、熱を冷却塔又は湖、海、及び他の天然源からの水と交換するためのシェルアンドチューブ式凝縮器、並びに温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。冷媒蒸発温度は一般的に、約0~約10℃の範囲内である一方、凝縮温度は、約40~約70℃の範囲内である。
【0320】
大きな建物(オフィス及び病院の建物など)に冷水(7℃)を供給するために使用される商用空調システム(冷却器)について試験し、性能結果を表4に報告する。動作条件は以下のとおりであった:凝縮温度=46℃、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=4.5℃、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、及び吸引ライン中の温度上昇=2℃。
【0321】
【表6】
-表4は、R410Aシステムと比較した商用空冷式冷却器システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃未満の蒸発器勾配を示す。
【0322】
実施例5-住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム
住宅用空気-水ヒートポンプ温水システムは典型的には、冬季に床暖房又は同様の用途のために温水(約55℃)を建物に供給するために使用される。温水システムは通常、熱を周囲空気と交換するためのフィン付又はマイクロチャネル蒸発器、往復動式、回転式、又はスクロール式圧縮機、水を加熱するためのプレート、チューブインチューブ式、又はシェルアンドチューブ式凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。冷媒蒸発温度は典型的には、約-30~約5℃の範囲内である一方、凝縮温度は典型的には、約50~約90℃の範囲内である。
【0323】
冬季に床暖房又は同様の用途のために温水(55℃)を建物に供給するために使用される住宅用空気-水ヒートポンプ温水システムについて、冷媒A1、A2、及びA3を用いて試験し、性能結果を表5に報告する。動作条件は、以下のとおりであった:凝縮温度=60℃(対応する室内出口水温=50℃)、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=0.5℃(対応する室外周囲温度=8.3℃)、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、及び吸引ライン中の温度上昇=2℃。
【0324】
【表7】
-表5は、R410Aシステムと比較した住宅用空気-水ヒートポンプ温水システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃未満の蒸発器勾配を示す。
【0325】
実施例6-中温冷房システム
中温冷房システムは、冷蔵庫及びボトルクーラーなどにおいて食べ物又は飲み物を冷やすために使用される。システムは通常、食べ物又は飲み物を冷やすための空気-冷媒蒸発器、往復動式、スクロール式、又はねじ式圧縮機、熱を周囲空気と交換するための空気-冷媒凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。冷媒蒸発温度は、約-12~約0℃の範囲内である一方、凝縮温度は、約20~約70℃の範囲内である。
【0326】
冷蔵庫及びボトルクーラーなどにおいて食品又は飲料を冷却するために使用される中温冷房システムについて、冷媒A1、A2を用いて試験し、性能結果を表6に報告する。動作条件は以下のとおりであった:凝縮温度=40.6℃、凝縮器過冷却=5.5℃、蒸発温度=-6.7℃、蒸発器過熱=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、吸引ラインにおける過熱度=15℃。
【0327】
【表8】
-表6は、R410Aシステムと比較した中温冷房システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃未満の蒸発器勾配を示す。
【0328】
実施例7-低温冷房システム
低温冷房システムは、食べ物を冷凍するために、例えば冷凍庫又はアイスクリーム製造機において使用される。システムは通常、空気-冷媒蒸発器、往復動式、スクロール式、又はねじ式圧縮機、熱を周囲空気と交換するための空気-冷媒凝縮器、及び温度膨張バルブ又は電子膨張バルブを有する。冷媒蒸発温度は、約-40~約-12℃の範囲内である一方、凝縮温度は、約20~約70℃の範囲内である。
【0329】
アイスクリーム機及び冷凍庫などにおいて食品を冷凍するために使用される低温冷房システムについて、冷媒A1、A2、及びA3を使用して試験し、性能結果は表7にある。動作条件は以下のとおりであった:凝縮温度=40.6℃、凝縮器過冷却=1℃、蒸発温度=-31.6℃、蒸発器出口における過熱度=5.5℃、等イソトロピー効率=70%、体積効率:100%、吸引ラインにおける過熱度=30.6℃。
【0330】
【表9】
-表13は、R410Aシステムと比較した低温冷房システムの熱力学的性能を示す。
-新たなシステムでは、圧縮機容積は、増加して能力を補うことができる。
-組成物A1~A3は、5.0℃未満の蒸発器勾配を示す。
【0331】
実施例8-モバイルACシステム冷却
内燃機関車両、及びハイブリッド電気車両、及び電気車両のためのモバイル空調(mobile air conditioning、MAC)システムは、自動車、トラック、バス、飛行機、列車、及び他の形態の輸送機関の乗客に快適な冷却を提供する。蒸発器は典型的には、客室のダッシュボード内に取り付けられる。動作条件は、車両が季節、標高、及び場所などの変化に曝露されると大きく変化し得る。周囲条件は、-40℃~45℃の範囲であり、客室冷却は、15℃~45℃の必要がある。
【0332】
システムが内部熱交換器を含まない以下の例では、以下の動作条件が使用される:
1.凝縮温度=45℃
2.凝縮器過冷却=3K
3.蒸発温度=5℃
4.蒸発器過熱=5K
5.等イソトロピー効率=70%
6.体積効率=100%
7.吸引ラインにおける温度上昇=5K
【0333】
【表10】
-組成物A1~A3は、5.0℃未満の蒸発器勾配を示す。
【0334】
吸引ライン液体ライン熱交換器を有するシステムの動作条件:
1.凝縮温度=45℃
2.凝縮器過冷却=0K
3.蒸発温度=5℃
4.蒸発器過熱=0K
5.断等イソトロピー効率=70%
6.体積効率=100%
7.吸引ラインにおける温度上昇=0K
8.吸引ライン液体ライン熱交換器有効性:50%
【0335】
【0336】
実施例9-モバイルACシステム-加熱モード
ハイブリッド電気車両及び電気車両のためのモバイル空調(MAC)システムは、自動車、トラック、及びバスを含むそのような車両の客室の暖房を提供するために必要とされることが多い。そのようなシステムにおいてR-1234yfを置き換えるために本発明の冷媒を使用することは、有益な結果を提供する。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約98.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率で存在する、冷媒:
16.5重量%~21.5重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
68.5重量%~80.5重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
3.0重量%~10.0重量%のフルオロエタン(HFC-161)。
【請求項2】
少なくとも約99.5重量%の以下の3つの化合物を含む冷媒であって、各化合物が以下の相対百分率で存在する、冷媒:
21.5重量%+0.5/-2重量%のジフルオロメタン(HFC-32)、
69.5重量%+/-2重量%の2,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234yf)、及び
9.0重量%+0.5/-2重量%のフルオロエタン(HFC-161)。
【請求項3】
冷媒液体を蒸発させて冷媒蒸気を生成することと、前記冷媒蒸気の少なくとも一部を圧縮機で圧縮することと、冷媒蒸気を凝縮することと、を含む種類の熱を伝達するための方法であって、前記方法が、
(a)請求項1又は2に記載の冷媒を含む、熱伝達組成物を提供することと、
(b)前記冷媒を約-40℃~約+10℃の温度で蒸発させることであって、前記熱伝達組成物が、POE潤滑剤及びPVE潤滑剤から選択される潤滑剤を更に含み、前記蒸発工程が、住宅用空調、可変冷媒流空調、住宅用ヒートポンプ、商用空調冷却器、住宅用空気-水ヒートポンプ温水システム、中温冷房、及び低温冷房から選択されるシステムにおいて行われる、蒸発させることと、を含む、方法。
【国際調査報告】