(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】内容物吐出容器
(51)【国際特許分類】
B65D 47/18 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
B65D47/18 100
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547217
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 KR2021019404
(87)【国際公開番号】W WO2022169097
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0015309
(32)【優先日】2021-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン グ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HB01
3E084HD01
3E084HD04
3E084KB02
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD01
3E084LD29
(57)【要約】
本発明の一実施の形態によって、内容物吐出容器が提供される。前記内容物吐出容器は、内容物が内側に収容される容器本体と;前記容器本体の上部に着脱自在に結合され、前記容器本体の内容物を吸入及び吐出する点滴器と;を含み、前記点滴器は、前記容器本体の上部に着脱自在に結合される第1のキャップと;前記第1のキャップの内側に結合され、少なくとも一部が前記容器本体の内側に収容されて内容物を吸入するピペット部と;押圧によって前記ピペット部の内部圧力を変化させて内容物を吐出させる押圧部と、前記点滴器の脱着によって前記押圧部と一体に昇降し、前記押圧部を前記第1のキャップの外側に突出させる昇降部と、前記押圧部と前記昇降部との間に配置され、前記押圧部に対して弾性力を提供する弾性部と、を有するボタン部と;を含み、前記ボタン部は、前記弾性部によって前記押圧部の下端部と前記昇降部の下端部とが第1の離間距離を維持する状態で昇降することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物吐出容器であって、
内容物が内側に収容される容器本体と、
前記容器本体の上部に着脱自在に結合され、前記容器本体の内容物を吸入及び吐出する点滴器と、
を含み、
前記点滴器は、
前記容器本体の上部に着脱自在に結合される第1のキャップと、
前記第1のキャップの内側に結合され、少なくとも一部が前記容器本体の内側に収容されて内容物を吸入するピペット部と、
押圧によって前記ピペット部の内部圧力を変化させて内容物を吐出させる押圧部と、前記点滴器の脱着によって前記押圧部と一体に昇降し、前記押圧部を前記第1のキャップの外側に突出させる昇降部と、前記押圧部と前記昇降部との間に配置され、前記押圧部に対して弾性力を提供する弾性部と、を有するボタン部と、
を含み、
前記ボタン部は、前記弾性部によって前記押圧部の下端部と前記昇降部の下端部とが第1の離間距離を維持する状態で昇降する、内容物吐出容器。
【請求項2】
前記押圧部、前記昇降部、及び前記弾性部は、同種の材質で形成される、請求項1に記載の内容物吐出容器。
【請求項3】
前記点滴器の分離によって、前記押圧部が前記第1のキャップの上方に突出しており、前記押圧部を押圧することによって、前記弾性部が圧縮されて前記押圧部の下端部と前記昇降部の下端部との間が第2の離間距離に変化する、請求項1に記載の内容物吐出容器。
【請求項4】
前記昇降部の上端部は、前記押圧部の内側に挿入され、前記昇降部の上端外周面には、第1の係止突起が外側に突出形成され、前記押圧部の下端内周面には、第2の係止突起が内側に突出形成され、前記押圧部に対する押圧解除時、前記第1の係止突起が前記第2の係止突起に係止されることで、前記押圧部の離脱が防止される、請求項1に記載の内容物吐出容器。
【請求項5】
前記昇降部には、下端外周面に沿って支持枠が外側に突出形成され、
前記弾性部は、ベローズ(bellows)タイプで形成されて前記昇降部の外周面を囲むように前記支持枠の上側に載置される、請求項1に記載の内容物吐出容器。
ことができる。
【請求項6】
前記押圧部の下端には上部よりも内径が拡張される延長部が形成され、前記弾性部の上端が前記延長部の内周面と前記昇降部の外周面と間の離隔空間に収容される、請求項5に記載の内容物吐出容器。
【請求項7】
前記昇降部には、少なくとも一つの昇降突起が形成され、前記第1のキャップには前記昇降突起がそれぞれ挿入される少なくとも一つのガイド溝が外周面に沿って貫通形成されており、
前記昇降突起が前記ガイド溝に沿って移動することで前記ボタン部が上昇または下降する、請求項1に記載の内容物吐出容器。
【請求項8】
前記点滴器は、
前記第1のキャップを囲むように結合され、前記ボタン部と一体に回転する第2のキャップをさらに含み、
前記第2のキャップを第1の方向に、もしくは前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることで前記点滴器が脱着可能である、請求項7に記載の内容物吐出容器。
【請求項9】
前記内容物を吐出するための前記押圧部に対する使用者の押圧時、前記弾性部が前記押圧部に対して弾性力を提供するように、前記昇降部は、前記昇降突起及び前記ガイド溝によって支持される、請求項8に記載の内容物吐出容器。
【請求項10】
前記第2のキャップの内面には上下方向に垂直溝が形成されており、
前記ガイド溝を通過した前記昇降突起の端部が前記垂直溝に結合されることで、前記第2のキャップの回転力が前記ボタン部に伝達される、請求項8に記載の内容物吐出容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容物吐出容器に関し、具体的に、内容物を定量だけ引き出して使用可能な内容物吐出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、一度に少量を使用し、正確に定量を使用することが好ましい、化粧品などの液体状態の内容物を使用する方法として、従来は毎回使用ごとにそれぞれ使用すべき分量だけをカプセルなどの形態で個別包装する方式が用いられた。しかし、このような個別包装方式は、使用者が内容物を使用した後にも比較的多い量がカプセル内に残存するようになるので、極めて非効率的であるという問題点があった。
【0003】
このような個別包装方式の問題点を克服するために、内容物を容器に貯蔵した後、ピペット構造の引き出し手段を使用するか、押圧ポンプを引き出し手段として利用する構成が考案された。
【0004】
しかし、従来の単純なピペット構造の引き出し手段の場合、ゴムなどからなる圧搾部を使用者が押す程度によって、吸入されて引き出される量が変動されるので、使用する度に正確に一定量を引き出しにくいという問題点がある。
【0005】
押圧ポンプを利用する場合にも、ノズルに対する使用者の押圧程度や、ノズルに残存する内容物などによって引き出される内容物の用量が変わることができるという問題点があり、また、押圧ポンプは、繰り返しポンピング動作のために内部に弾性力を提供する金属材質のばねが含まれるが、これにより、全体的な製造コストが高くなり、これを他の構成と分離して廃棄しなければならないので、リサイクルが容易ではないという問題点があった。
【0006】
したがって、これらの問題点を解決するための技術が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記問題点を解決するためになされたものであり、点滴器の分離によって簡易に内容物を一定量引き出して使用し得る内容物吐出容器を提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、前記問題点を解決するためのものであって、弾性部を含むボタン部を容器の他の部分と同種の材質で形成することにより、廃棄及びリサイクルが容易な内容物吐出容器を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に局限されず、言及されていないまた他の技術的課題は下記記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施の形態によって、内容物吐出容器が提供される。前記内容物吐出容器は、内容物が内側に収容される容器本体と;前記容器本体の上部に着脱自在に結合され、前記容器本体の内容物を吸入及び吐出する点滴器と;を含み、前記点滴器は、前記容器本体の上部に着脱自在に結合される第1のキャップと;前記第1のキャップの内側に結合され、少なくとも一部が前記容器本体の内側に収容されて内容物を吸入するピペット部と;押圧によって前記ピペット部の内部圧力を変化させて内容物を吐出させる押圧部と、前記点滴器の脱着によって前記押圧部と一体に昇降し、前記押圧部を前記第1のキャップの外側に突出させる昇降部と、前記押圧部と前記昇降部との間に配置され、前記押圧部に対して弾性力を提供する弾性部と、を有するボタン部と;を含み、前記ボタン部は、前記弾性部によって前記押圧部の下端部と前記昇降部の下端部とが第1の離間距離を維持する状態で昇降することができる。
【0011】
望ましくは、前記押圧部、前記昇降部、及び前記弾性部は、同種の材質で形成されることができる。
【0012】
また、望ましくは、前記点滴器の分離によって、前記押圧部が前記第1のキャップの上方に突出しており、前記押圧部を押圧することによって、前記弾性部が圧縮されて前記押圧部の下端部と前記昇降部の下端部との間が第2の離間距離に変化することができる。
【0013】
また、望ましくは、前記昇降部の上端部は、前記押圧部の内側に挿入され、前記昇降部の上端外周面には、第1の係止突起が外側に突出形成され、前記押圧部の下端内周面には、第2の係止突起が内側に突出形成され、前記押圧部に対する押圧解除時、前記第1の係止突起が前記第2の係止突起に係止されることで、前記押圧部の離脱が防止されることができる。
【0014】
また、望ましくは、前記昇降部には、下端外周面に沿って支持枠が外側に突出形成され、前記弾性部は、ベローズ(bellows)タイプで形成されて前記昇降部の外周面を囲むように前記支持枠の上側に載置されることができる。
【0015】
また、望ましくは、前記押圧部の下端には上部よりも内径が拡張される延長部が形成され、前記弾性部の上端が前記延長部の内周面と前記昇降部の外周面と間の離隔空間に収容されることができる。
【0016】
また、望ましくは、前記昇降部には、少なくとも一つの昇降突起が形成され、前記第1のキャップには前記昇降突起がそれぞれ挿入される少なくとも一つのガイド溝が外周面に沿って貫通形成されており、前記昇降突起が前記ガイド溝に沿って移動することで前記ボタン部が上昇または下降することができる。
【0017】
また、望ましくは、前記点滴器は、前記第1のキャップを囲むように結合され、前記ボタン部と一体に回転する第2のキャップをさらに含み、前記第2のキャップを第1の方向に、もしくは前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることで前記点滴器が脱着可能である。
【0018】
また、望ましくは、前記内容物を吐出するための前記押圧部に対する使用者の押圧時、前記弾性部が前記押圧部に対して弾性力を提供するように、前記昇降部は、前記昇降突起及び前記ガイド溝によって支持されることができる。
【0019】
また、望ましくは、前記第2のキャップの内面には上下方向に垂直溝が形成されており、前記ガイド溝を通過した前記昇降突起の端部が前記垂直溝に結合されることで、前記第2のキャップの回転力が前記ボタン部に伝達されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、点滴器を着脱する動作によって簡易に内容物を一定量引き出すことができるので、使い勝手が向上する。
【0021】
また、本発明によれば、ボタン部を他の構成と同種の材質で構成することで、容器を一体にして廃棄及びリサイクルを行うことができるから環境にやさしい。
【0022】
また、本発明によれば、弾性部が点滴器の分離時にのみ圧縮変形されるように具現することにより、容器の保管及び携帯時に弾性部の復元力が減少されることを防止することができる。
【0023】
本発明の詳細な説明で引用される図面をより十分に理解するために、各図面の簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の断面図である。
【
図3】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の第1のキャップを説明するための斜視図である。
【
図5】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器のボタン部を説明するための断面図である。
【
図6】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の第1のキャップと容器本体との結合関係を示す図である。
【
図7】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器のボタン部と第2のキャップとの結合関係を示す図である。
【
図8】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の例示的動作を示す図である。
【
図9】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の例示的動作を示す図である。
【
図10】本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の使用例示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して、本発明による実施形態を説明する。各図面の構成要素に符号を付するにおいて、同じ構成要素に対しては、たとえ他の図面上に表示されても、なるべく同一の符号を付してあることに留意しなければならない。また、本発明の実施形態を説明するにおいて、関連した公知構成または機能に対する具体的な説明が、本発明の実施形態に対する理解を妨げると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。また、以下で本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定または制限されることなく、当業者によって変形されて多様に実施されることができる。なお、以下で記載する上下左右の方向は、便宜上図面を基準としたものであり、当該方向に本発明の権利範囲が必ず限定されるものではない。
【0026】
明細書全体に亘って、ある部分が他の部分と「連結」されていると言うとき、これは「直接的に連結」されている場合だけではなく、その中間に他の素子を介在して「間接的に連結」されている場合も含む。明細書全体に亘って、ある部分がある構成要素を「含む」とされるとき、これは別段に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。また、本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使うことができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものに過ぎず、その用語によって当該構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の斜視図であり、
図2は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の断面図であり、
図3は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の分解斜視図であり、
図4は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の第1のキャップを説明するための斜視図であり、
図5は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器のボタン部を説明するための断面図であり、
図6は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の第1のキャップと容器本体との結合関係を示す図であり、
図7は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器のボタン部と第2のキャップとの結合関係を示す図である。
【0028】
図1~
図7を参照すれば、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器1000は、容器本体100と、点滴器200と、を含むことができる。
【0029】
容器本体100は、内容物を収容する収容空間を提供することができる。容器本体100に収容された内容物は、点滴器200のピペット部220によって吸入及び吐出されて使用者によって使われることができる。ここで、内容物は液体またはゲル状の流体であって、化粧品、医薬品または歯磨きのような医薬外品などであることができるが、これらに限定されるものではなく、ピペット部220を介して吸入及び排出できるすべての種類の物質を包括することができる。また、容器本体100がボトル(bottle)タイプで示されているが、これは例示的なものであって、チューブ(tube)などの様々なタイプの容器本体100が適用されることができる。
【0030】
容器本体100の上部中央には、端部が開口された排出部110が形成されることができる。このような排出部110にピペット部220が挿入され、点滴器200が着脱自在に結合されることができる。このために、排出部110の外面にはねじ結合のためのねじ山が形成されることができる。
【0031】
排出部110の内側にワイパー130が結合されることができる。ワイパー130は、ピペット部220が容器本体100から引き出される場合、ピペット部220の外周面に付いた内容物を取り除く機能を遂行することができる。ワイパー130にはピペット部220が通過するように貫通孔(不図示)が形成されることができる。
【0032】
点滴器200は、容器本体100の上部(特に、排出部110)に着脱自在に結合され、容器本体100に貯蔵された内容物を定量吸入して外部へ吐出することができる。点滴器200は、第1のキャップ210、ピペット部220、シールキャップ230、ボタン部240、250、260、結合部270、及び第2のキャップ280を含むことができる。
【0033】
第1のキャップ210は、他の構成を支持し、後述するボタン部240、250、260の上昇及び下降動作を案内するための構成であって、容器本体100の排出部110に着脱自在にねじ結合されることができる。このために、第1のキャップ210の下端内周面には、排出部110のねじ山に対応するねじ山が形成されることができる。
【0034】
第1のキャップ210の内側には、シリンダー部211が形成されることができる。シリンダー部211は、ピペット部220と連通し、内部圧力変化に応じて、ピペット部220の内側へ内容物を吸入させるか、吸入された内容物を外部へ吐出させることができる。
【0035】
また、第1のキャップ210にはシリンダー部211の周縁に沿って、シリンダー部211を少なくとも部分的に囲む縁部212が離間して形成され、かかる縁部212の外周面に沿ってガイド溝213が所定の長さに貫通形成されることができる。ガイド溝213にはボタン部240、250、260の昇降突起252が挿入されて移動し、これによって、ガイド溝213はボタン部240、250、260の上昇または下降を案内することができる。
【0036】
シリンダー部211と縁部212の離間した隙間を介してボタン部240、250、260が収容される収容空間214が形成されることができる。例えば、ボタン部(特に、昇降部250)は収容空間214内に外側からシリンダー部211を囲む形態で収容されることができる。
【0037】
一実施の形態において、シリンダー部211には少なくとも一つの離間突起215が上下方向に延長形成され、外周面に沿って一定した間隔で隔てて配置されることができる。離間突起215は、昇降部250の内周面をシリンダー部211から一定した距離だけ離隔させることができる。昇降部250の内周面がシリンダー部211に密着される場合、摩擦力によって昇降部250の昇降が円滑ではないことがあるが、このような離間突起215がシリンダー部211と昇降部250との間の接触面積を減らすことで相互間の摩擦力を減少させることができる。また、離間突起215は、昇降部250を内側から支持することにより、昇降部250の側方向の遊動を防止することができる。
【0038】
第1のキャップ210の内側下端部には少なくとも一つの抑止突起216、217が形成されていることができる。抑止突起216、217は、容器本体100の上面に形成された抑止爪120に係止されることで、第1のキャップ210が意図しない外力によって第1の方向に任意に回転して分離されたり、第1の方向とは反対の第2の方向に過度に回転されたりすることを防止することができる。
【0039】
一実施の形態において、抑止突起216、217は異なる高さを有する第1の突起216と第2の突起217とを含む一対で構成されることができる。この時、1以上の対の抑止突起216、217が第1のキャップ210の内側下端部の相異なる位置に形成され、これに対応して、抑止爪120また容器本体100の上面における異なる位置に形成されるように具現されてもよい。
【0040】
第1の突起216は、第1のキャップ210の第2の方向の回転を制限することができる。例えば、後述するように、第2のキャップ280と一緒に第1のキャップ210が第2の方向に回転すると、第1のキャップ210が容器本体100の排出部110と結合されるようになるが、ねじ結合の過程で第1のキャップ210の下端部が容器本体100の上面と次第に近接するようになることができる。第1のキャップ210の下端部が所定の距離だけ近接する場合、第1のキャップ210の第1の突起216の一側に形成された垂直面が容器本体100の抑止爪120の垂直面と密着するようになり、これによって、第1のキャップ210の第2の方向の回転を制限することができる。これは、第1のキャップ210に対して回転力を提供するボタン部240、250、260の昇降突起252に過度な力が加わることで、ボタン部240、250、260が破損することを防止するためである。
【0041】
第2の突起217は、第1の突起216から隔てて形成されて第1のキャップ210の第1の方向の回転を制限することができる。例えば、第1のキャップ210が容器本体100の排出部110と完全に結合された状態で、抑止爪120は、第1の突起216と第2の突起217との間に位置することができる。この時、第2の突起217は端部が緩やかな曲面で形成されて、抑止爪120の斜面と接触されて第1の方向に一定以上の回転力が印加される場合に限って、第1のキャップ210が第1の方向に回転可能に構成されることができる。これによって、第1のキャップ210が意図しない外力によって第1の方向に任意に回転して分離されることを防止し得るようになる。
【0042】
ピペット部220は、下端部が開口されることで吐出孔(不図示)が形成されており、上端部は第1のキャップ210のシリンダー部211と連通してシリンダー部211の圧力変化に応じて容器本体100に収容された内容物を吸入及び吐出することができる。
【0043】
例えば、ピペット部220は、容器本体100と点滴器200との結合時には、排出部110を介して容器本体100内側に少なくとも一部が収容されることができる。その以後、点滴器200を分離するための回転操作によってシリンダー部211の内部に負圧が形成されると、容器本体100から内容物を吸入することができる。また、ピペット部220は、容器本体100から点滴器200が完全に分離されれば、容器本体100から引き出されてボタン部240、250、260の押圧によってシリンダー部211の内部に陽圧が形成されると、吸入された内容物を外部に吐出するように構成されることができる。
【0044】
シールキャップ230は、シリンダー部の211内側に配置されて、シリンダー部211の内周面に密着した状態で上昇または下降することにより、シリンダー部211の内部圧力を変化させることができる。例えば、シールキャップ230は、ボタン部240、250、260のロッド部261と結合して、点滴器200の分離及び結合のための回転操作によってボタン部240、250、260とともに上昇または下降するように構成されることができる。
【0045】
ボタン部240、250、260は、第1のキャップ210の内側上部にシリンダー部211を囲むように収容され、点滴器200の分離または結合過程で第2のキャップ280と一緒に回転することで昇降することができる。また、ボタン部240、250、260は、点滴器200の分離時、少なくとも一部が第1のキャップ210の外部に突出していることができ、使用者の押圧によって、ピペット部220に吸入された内容物を吐出させることができる。
【0046】
ボタン部240、250、260は、弾性部240、昇降部250、及び押圧部260を含むことができる。
【0047】
弾性部240は、昇降部250と押圧部260との間に配置されて、押圧部260に対して上方に弾性力を提供することができる。
【0048】
弾性部240は、昇降部250の外周面を囲むように結合され、下端は昇降部250によって支持され、上端は押圧部260によって支持されることができる。押圧部260が使用者によって押圧されれば、弾性部240が圧縮変形されながら押圧部260が下降し、再び押圧解除されれば、弾性部240の弾性力によって押圧部260は元の位置に戻ることができる。
【0049】
一実施の形態において、弾性部240は、ベローズ(bellows)タイプで形成されることができる。ただし、これに限定されるものではなく、本発明の実施形態によって、様々な形態の弾性変形可能な部材が適用可能である。
【0050】
昇降部250は、内側に中空が形成されるように上下が貫通されており、押圧部260の下側に配置されて点滴器200の着脱によって弾性部240及び押圧部260と一体に昇降することで、押圧部260を第1のキャップ210の外側に突出させることができる。
【0051】
昇降部250には下端外周面に沿って支持枠251が外側に突出形成されることができる。支持枠251は弾性部240の下端を支持するためのものであって、弾性部240の内側に昇降部250が挿入されることによって、弾性部240の下端が支持枠251の上方に載置されることができる。
【0052】
一実施の形態において、支持枠251の上面には少なくとも一つの収容溝254が形成されることができる。例えば、収容溝254は、支持枠251と昇降突起252との連結部位にそれぞれ凹んで形成されており、弾性部240の下端を固定する役割を果たすことができる。すなわち、弾性部240の下端が支持枠251に載置される時、収容溝524の内側に弾性部240の下端縁の少なくとも一部が収容されることで、弾性部240の下端が支持枠521に固定されることができる。また、特に、弾性部240がベローズタイプで構成される場合、弾性部240の繰り返し使用にもこのような収容溝254によって弾性部240の下端が外側へ変形されることが防止されることにより、弾性部240の性能を維持して使用期間を増やすことができる。
【0053】
昇降部250には、点滴器200を容器本体100と分離または結合させるとともに、昇降または下降のための少なくても一つの昇降突起252が形成されてもよい。一実施の形態において、昇降突起252は、支持枠251の外周面で外側に突出形成されることができる。例えば、昇降突起252は支持枠251の対向する両側にそれぞれ形成されてもよい。
【0054】
昇降突起252は、第1のキャップ210に形成される少なくとも一つのガイド溝213にそれぞれ挿入され、使用者が点滴器200を分離または結合するために第2のキャップ280を第1の方向に、もしくは前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転させると、ガイド溝213に沿って移動することでボタン部240、250、260を一体に上昇または下降させることができる。
【0055】
昇降部250は、上部が押圧部260の内側に挿入されることで押圧部260と結合され、少なくとも一領域が押圧部260の内周面に密着して押圧部260の昇降をガイドすることができる。
【0056】
昇降部250には、押圧部260の離脱を防止する第1の係止突起253が形成されることができる。例えば、第1の係止突起253は、昇降部250の上端外周面に沿って突出形成されることができる。押圧部260が下降後に押圧が解除されて上昇される時、第1の係止突起253が押圧部260の内周面に形成された第2の係止突起262に係止されることで、押圧部260が昇降部250から離脱されることを防止することができる。
【0057】
押圧部260は、点滴器200の分離過程で外部へ少なくとも一部が露出して、これと結合されたシールキャップ230を上昇させてピペット部220の内部へ容器本体100の内容物を吸入させることができる。また、点滴器200が完全に分離された後、使用者によって押圧されることで、ピペット部220の内容物を吐出させることができる。
【0058】
押圧部260の内側上面からロッド部261が下側に延長形成されることができる。このようなロッド部261の端部がシールキャップ230に嵌合されることで、シールキャップ230と押圧部260とが結合されることができる。
【0059】
押圧部260には、押圧部260の下端内周面に沿って少なくとも一つの第2の係止突起262が突出形成されることができる。第2の係止突起262は、押圧部260の上昇時、昇降部250の外周面に形成された第1の係止突起253に係止されることで押圧部260が昇降部250から離脱されることを防止することができる。
【0060】
押圧部260の下端には、上部よりも内径が拡張される延長部263がさらに形成されてもよい。延長部263は、弾性部240の上端を収容及び支持する役割を果たすことができる。例えば、昇降部250が押圧部260の下側に挿入される場合、延長部263の拡張された内径によって、昇降部250の外周面と延長部263との間には離間空間が形成され、このような離間空間に弾性部240上端が収容されることができる。また、延長部263は、弾性部240の上端縁を外側から支持し、弾性部240の繰り返し使用によって、弾性部240の上端が変形されることを防止することができる。
【0061】
一実施の形態において、押圧部260の内側には弾性部240の上端を上方から支持する段差面264がさらに形成されることができる。例えば、段差面264は、延長部263の内径が拡張されることによって延長部263の内側上端に形成され、このような段差面264に弾性部240の上端が密着することができる。使用者が押圧部260を押圧すると、段差面264を介して押圧による外力が弾性部240に伝達することができる。
【0062】
一実施の形態において、弾性部240、昇降部250、及び押圧部260は、互いに同種の材質で形成されることができる。例えば、弾性部240、昇降部250、及び押圧部260は、それぞれ内容物吐出容器1000の他の構成と同種の合成樹脂(または、プラスチック)系列の素材で構成されることができる。これによって、容器を廃棄する際に、ボタン部(特に、弾性部240)を他の構成と別途分離して廃棄する必要がなくて、環境にやさしいという長所がある。
【0063】
一実施の形態で、押圧部260の下端部と昇降部250の下端部との間の距離は、弾性部240を圧縮したか否かによって変わることができる。例えば、押圧部260が使用者によって押圧されない状態で、押圧部260の下端部と昇降部250の下端部とは、弾性部240の弾性力によって第1の離間距離を維持することができる。このような第1の離間距離は、ボタン部240、250、260の上昇及び下降時にそのまま維持されることができる。すなわち、点滴器200を分離または結合するために、第2のキャップ280を第1の方向に、もしくは前記第1の方向とは反対の第2の方向に回転すると、ボタン部240、250、260は、押圧部260の下端部と昇降部250との下端部の間の第1の離間距離を維持しながら、第1のキャップ210の内部から上昇するか、第1のキャップ210の内側に下降することができる。なお、点滴器200の分離によって押圧部260が外部に突出した状態で使用者が押圧部260を押圧すれば、弾性部240が圧縮されることで、押圧部260が下降して押圧部260の下端部と昇降部250の下端部との間が第2の離間距離に変化し、これによって、ピペット部220内部の内容物が外部に吐出されることができる。
【0064】
結合部270は、ピペット部220をシリンダー部211と連通されるように第1のキャップ210に結合させると同時に、シリンダー部211の下部を密閉させることができる。例えば、結合部270は、中央部分に貫通孔(不図示)が形成されてピペット部220の上端部がこれに挿入されて固定されることができ、このような状態で結合部270がシリンダー部211の内側に嵌合されることで、ピペット部220の上端部をシリンダー部211と連通させることができる。
【0065】
第2のキャップ280は、第1のキャップ210を囲むように結合されて使用者の操作によって回転することができる。このような第2のキャップ280と一緒にボタン部240、250、260及び/または第1のキャップ210が回転することで、点滴器200が容器本体100と分離または結合されるようになる。
【0066】
第2のキャップ280の内面には、上下方向に所定の長さの垂直溝281が形成されていることができる。第1のキャップ210のガイド溝213を通過した昇降突起252の端部がこのような垂直溝281に結合されることで、第2のキャップ280に対する回転力がボタン部240、250、260に伝達され、これを通じて、ボタン部240、250、260は、第2のキャップ280と一緒に回転することができる。また、第2のキャップ280の上端部には、内側へのボタン部240、250、260の離脱を制限する環状の係止突起282が形成されることができる。
【0067】
図8~
図9は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の例示的動作を示す図である。より具体的に、
図8~
図9は、点滴器の分離動作に対応してボタン部が上昇されることで内容物がピペット部に吸入される動作を示している。
【0068】
ここで、
図8に示されているように、第1のキャップ210に形成されるガイド溝213は、第2の回転方向の側端部に水平方向に形成される第1の溝213aと、第1の溝213aから第1の方向に上向きに傾斜した第2の溝213bと、第1の回転方向の側端部に水平方向に形成される第3の溝213cとを含むことができる。
【0069】
実施形態によって、ガイド溝213は、第2の溝213b及び/または第3の溝213cの一領域から第1のキャップ210の上端部まで切開(又は貫通)されてボタン部240、250、260と第1のキャップ210との組み立てまたは分離を容易にする第4の溝213dがさらに形成されることができる。また、実施形態によって、第1の溝213aおよび第3の溝213cの一領域には、使用者が一定以上の回転力を加える場合にのみ昇降突起252の離脱ができるように、少なくとも一つの係止爪(不図示)が形成されることができる。
【0070】
まず、
図8a及び
図9aを参照すれば、点滴器200が容器本体100と完全に結合された状態では、ボタン部240、250、260の昇降突起252は第1の溝213aに位置し、弾性部240が収容空間214の下部に載置される。この時、シールキャップ230は、シリンダー部211の内側下部にピペット部220の上端部に隣接するように配置されることができる。また、弾性部240が圧縮されないことにより、ボタン部240、250、260における押圧部260及び昇降部250の下端部の間の距離が第1の離間距離を維持する。
【0071】
次いで、
図8b及び
図9bを参照すれば、使用者が点滴器200の分離のために第2のキャップ280を第1の方向に回転する場合、ボタン部240、250、260が第2のキャップ280と一緒に第1の方向に回転するようになる。この時、第1のキャップ210は停止状態を維持し、昇降突起252が第1のキャップ210の第1の溝213aを離脱して、第2の溝213bに沿って第1の方向に上向き移動されてボタン部240、250、260とシールキャップ230が一緒に上昇するようになる。
【0072】
これに伴い、シリンダー部211及びピペット部220の内部に圧力変化が発生し、容器本体100に収容された内容物がピペット部220に吸入される。なお、この場合、押圧部260は徐々に第2のキャップ280の外部に突出するようになる。ボタン部240、250、260の上昇過程においても、押圧部260の下端部と昇降部250の下端部との間は第1の離間距離を維持する。
【0073】
第2のキャップ280を使用者が引き続き第1の方向に回転すると、昇降突起252は第2の溝213bの最後まで上向き移動した後、第3の溝213cの内側に収容される。その後、昇降突起252は、第3の溝213cの端面に接触してこれを押圧することで回転力を第1のキャップ210に伝達するようになり、第1のキャップ210が第2のキャップ280と一緒に第1の方向に回転して、容器本体100の排出部110から分離(すなわち、ねじ結合の解除)される。
【0074】
このとき、第3の溝213cに収容された昇降突起252によって昇降部250が支持されるので、弾性部240は押圧部260に対して上方に弾性力を提供することができる。使用者が押圧部260を押圧すれば、弾性部240が圧縮されて押圧部260の下端部と昇降部250の下端部との間が第2の離間距離に変化し、ピペット部220に吸入された内容物が外部へ吐出される。
【0075】
一方、使用者が点滴器200の結合のために第2のキャップ280を第2の方向に回転する場合、昇降突起252は、前記と逆に動作して、第3の溝213cから第2の溝213bを経て第1の溝213aに収容され、このような過程でボタン部240、250、260及びシールキャップ230が再び下降されることができる。その以降、昇降突起252は、第1の溝213aの端面に接触してこれを押圧することで回転力を第1のキャップ210に伝達するようになり、第1のキャップ210が第2のキャップ280と一緒に第2の方向に回転して、容器本体100の排出部110にねじ結合される。ボタン部240、250、260の下降過程でも、押圧部260の下端部と昇降部250の下端部との間は第1の離間距離を維持する。
【0076】
このように、昇降突起252がガイド溝213に沿って移動するように具現することで、ボタン部240、250、260の上昇または下降をより安定的に遂行し、外力によって押圧部260が押圧されて内容物が意図しないように吐出されることを防止し得るようになる。
【0077】
図10は、本発明の一実施の形態による内容物吐出容器の使用例示を示す図である。
【0078】
図10a及び
図10bを参照すれば、点滴器200が容器本体100と完全に結合された状態で、使用者は第2のキャップ280を第1の方向に回転し、押圧部260を外部へ突出させるとともに、ピペット部220の内部へ内容物を吸入し、第1のキャップ210のねじ結合を解除することができる。
【0079】
次いで、
図10cを参照すれば、使用者はピペット部220を容器本体100から引き出し、押圧部260を押圧することで、ピペット部220に吸入された内容物を適用部位に吐出させることができる。
【0080】
一方、内容物の使用を済ませると、使用者はピペット部220を容器本体100に再び挿入し、第2のキャップ280を第2の方向に回転して、押圧部260を第2のキャップ280内側に収容させて、第1のキャップ210を容器本体100の排出部110にねじ結合させることができる。
【0081】
以上のように図面および明細書に最適の実施形態を開示した。ここで、特定の用語が使われたが、これらは単に本発明を説明するための目的で使われたものであり、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を限定するために使われたものではない。それゆえ、本技術分野における通常の知識を持つ者であれば、これから多様な変形及び均等な他の実施形態が可能であることを理解できるはずである。したがって、本発明の真正な技術的保護範囲は、添付された特許請求の範囲の技術的思想によって定められなければならない。
【符号の説明】
【0082】
100 容器本体
110 排出部
120 抑止爪
130 ワイパー
200 点滴器
210 第1のキャップ
211 シリンダー部
212 縁部
213 ガイド溝
213a 第1の溝
213b 第2の溝
213c 第3の溝
213d 第4の溝
214 収容空間
215 離間突起
216 抑止突起
216 第1の突起
217 第2の突起
220 ピペット部
230 シールキャップ
240 弾性部
250 昇降部
251 支持枠
252 昇降突起
253 第1の係止突起
254 収容溝
260 押圧部
261 ロッド部
262 第2の係止突起
263 延長部
264 段差面
270 結合部
280 第2のキャップ
281 垂直溝
282 係止突起
521 支持枠
524 収容溝
1000 内容物吐出容器
【国際調査報告】