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特表2024-506350ドクターロールアセンブリ、インキステーションアセンブリ及びそれらを使用する缶デコレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】ドクターロールアセンブリ、インキステーションアセンブリ及びそれらを使用する缶デコレータ
(51)【国際特許分類】
   B41F 9/10 20060101AFI20240205BHJP
   B41M 1/40 20060101ALI20240205BHJP
   B41F 31/04 20060101ALI20240205BHJP
   B41F 31/10 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
B41F9/10
B41M1/40 Z
B41F31/04
B41F31/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548620
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022015888
(87)【国際公開番号】W WO2022173881
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/174,465
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレイシャー,カール エス.
(72)【発明者】
【氏名】カジュフォズ,ブライオン エル.
【テーマコード(参考)】
2C034
2C250
2H113
【Fターム(参考)】
2C034AA10
2C250DB11
2H113AA05
2H113BB24
(57)【要約】
【解決手段】
ファウンテンロールから分配ロールにインキを移すために缶デコレータのインキステーションアセンブリに使用するためのドクターロールアセンブリである。ドクターロールアセンブリは、延設された軸部材と、回転軸を中心として回転するために、軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントとを有している。複数のセグメントは、幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、ファウンテンロールの対応する軸方向部分と分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、第1の外径より小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントとを含んでいる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファウンテンロールから分配ロールにインキを移すために缶デコレータのインキステーションアセンブリに使用されるドクターロールアセンブリであって、前記ドクターロールアセンブリは、
延設された軸部材と、
回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、
を備えるロール部を有しており、
前記複数のセグメントは、
幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、ファウンテンロールの対応する軸方向部分と分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、
前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、
を含む、ドクターロールアセンブリ。
【請求項2】
前記幾つかのインキ転移セグメントは複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は
前記幾つかのスペーサーセグメントは複数のスペーサーセグメントからなる、
の一方又は両方である、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項3】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに回転可能に結合して、前記回転軸を中心に回転するようように構成された中心シャフトを備えており、
前記複数のセグメントの各セグメントは、前記中心シャフトに取り付けられて回転する、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項4】
各インキ転移セグメントは、第1の材料から形成された中央ハブと、前記中央ハブの径方向外側に配置されており、前記中央ハブに結合されており、第2の材料から形成された外側部分とを備える、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項5】
前記延設された軸部材は、前記回転軸を中心に回転するように中心シャフトの周りに配置されて、前記中心シャフトに回転可能に結合されるように構成された中空シリンダを備えている、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項6】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに固定されて、前記回転軸に対して不動になるように構成された中心シャフトを備えており、
各インキ転移セグメントは、前記回転軸を中心に回転可能なように前記中心シャフトに回転可能に結合されている、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項7】
一対のピボットアームを更に備えており、
前記ロール部は、前記一対のピボットアームの間にて前記一対のピボットアームに結合されて、前記一対のピボットアームは、前記回転軸に平行なピボット軸を中心に前記ロール部を揺動させるように構成されている、請求項1に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項8】
前記一対のピボットアームの各ピボットアームは上側部分と下側部分とを備えており、前記上側部分は前記ロール部に結合されており、
前記下側部分は、インキステーションアセンブリに結合されるように構成されており、
前記上側部分は、前記下側部分に選択的に結合されており、前記ロール部及び前記上側部分は前記下側部分から選択的に取り外される、請求項7に記載のドクターロールアセンブリ。
【請求項9】
缶デコレータに使用されるインキステーションアセンブリであって、
インキを供給するように構成されたインキ溜めと、
前記インキ溜めに隣接して配置されて、前記インキ溜めからインキを受け取るように構成されたファウンテンロールと、
分配ロールと、
前記ファウンテンロールに隣接しており、前記分配ロールから離れている第1の位置と、前記ファウンテンロールから離れており、前記分配ロールに隣接する第2の位置との間で揺動可能なロール部を有するドクターロールアセンブリと、
を備えており、
前記ファウンテンロールは、前記ロール部が前記第1の位置に配置されている場合に、前記インキ溜めから前記ドクターロールアセンブリのロール部にインキを移すように構成されており、
前記ドクターロールアセンブリのロール部は、前記ロール部が前記第2の位置に配置されている場合に、前記ロール部から前記分配ロールにインキを移すように構成されており、
前記ロール部は、
延設された軸部材と、
回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、
を備えており、
前記複数のセグメントは、
幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、前記ファウンテンロールの対応する軸方向部分と前記分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、
前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、
を備えている、インキステーションアセンブリ。
【請求項10】
前記インキ溜めと前記ファウンテンロールの間の境界に沿って並んで配置された複数の調節可能なファウンテンキーを更に備えており、各ファウンテンキーは、前記インキ溜めから前記ファウンテンロールに渡るインキの量を調節するように構成されており、各ファウンテンキーは、その他のファウンテンキーの各々と同じファウンテンキー幅を有しており、各インキ転移セグメントは、前記ファウンテンキー幅と同じである、又は前記ファウンテンキー幅の倍数である前記回転軸に沿った軸方向長さを有する、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項11】
前記幾つかのインキ転移セグメントは複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は、
前記幾つかのスペーサーセグメントは複数のスペーサーセグメントからなる、
の一方又は両方である、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項12】
前記延設された軸部材は、前一対のピボットアームに回転可能に結合して前記回転軸を中心に回転するように構成された中心シャフトを備えており、
前記複数のセグメントの各セグメントは前記中心シャフトに取り付けられて回転する、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項13】
各インキ転移セグメントは、第1の材料から形成された中央ハブと、前記中央ハブの径方向外側に配置されており、前記中央ハブに結合されており、第2の材料から形成された外側部分とを備える、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項14】
前記延設された軸部材は、前記回転軸を中心に回転するように中心シャフトの周りに配置されて、前記中心シャフトに回転可能に結合されるように構成された中空シリンダを備えている、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項15】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに固定されて前記回転軸に対して不動になるように構成された中心シャフトを含んでおり、
各インキ転移セグメントは、前記回転軸を中心に回転可能なように前記中心シャフトに回転可能に結合されている、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項16】
前記ドクターロールアセンブリは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記ロール部を揺動させるための一対のピボットアームを更に備えており、
前記ロール部は、前記一対のピボットアームの間で前記一対のピボットアームに結合されており、
前記一対のピボットアームは、前記回転軸と平行なピボット軸を中心に前記ロール部を揺動させるように構成されており、
前記一対のピボットアームの各ピボットアームは上側部分と下側部分とを備えており、前記上側部分は前記ロール部に結合されており、
前記下側部分は、前記インキステーションアセンブリの別の部分に結合され、
前記上側部分は、前記下側部分に選択的に結合されており、前記ロール部及び前記上側部分は前記下側部分から選択的に取り外される、請求項9に記載のインキステーションアセンブリ。
【請求項17】
複数の缶に画像を付するための缶デコレータであって、
幾つかのインキステーションアセンブリと、
各インキステーションアセンブリからインキを受け取り、前記複数の缶にインキを転移するように構成された複数の画像転写セグメントを有するブランケットと、
を備えており、
各インキステーションアセンブリは、
インキを供給するように構成されたインキ溜めと、
前記インキ溜めに隣接して配置され、前記インキ溜めからインキを受け取るように構成されたファウンテンロールと、
分配ロールと、
前記ファウンテンロールに隣接しており、前記分配ロールから離れている第1の位置と、前記ファウンテンロールから離れており、前記分配ロールに隣接する第2の位置との間で揺動可能なロール部を有するドクターロールアセンブリと、
を備えており、
前記ファウンテンロールは、前記ロール部が前記第1の位置に配置されている場合に、前記インキ溜めから前記ドクターロールアセンブリのロール部にインキを移すように構成されており、
前記ドクターロールアセンブリのロール部は、前記ロール部が前記第2の位置に配置されている場合に、前記ロール部から前記分配ロールにインキを移すように構成されており、
前記ロール部は、
延設された軸部材と、
回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、
を備えており、
前記複数のセグメントは、
幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、前記ファウンテンロールの対応する軸方向部分と前記分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、
前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、
を含んでいる、缶デコレータ。
【請求項18】
前記幾つかのインキステーションアセンブリは、複数のインキステーションアセンブリからなる、請求項17に記載の缶デコレータ。
【請求項19】
前記幾つかのインキ転移セグメントは複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は、
前記幾つかのスペーサーセグメントは複数のスペーサーセグメントからなる、
の一方又は両方である、請求項17に記載の缶デコレータ。
【請求項20】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに回転可能に結合して前記回転軸を中心に回転するように構成された中心シャフトを備えており、
前記複数のセグメントの各セグメントは、前記中心シャフトに対して回転可能に取り付けられている、請求項17に記載の缶デコレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示される概念は概ね機械に関しており、より詳細には、食品・飲料包装産業で使用される缶を装飾するための缶装飾装置及び方法に関する。開示される概念はまた、缶装飾装置用のインキステーションアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
缶を装飾するための高速連続動作機械は、一般的に缶装飾装置又は単に缶デコレータと呼ばれており、一般によく知られている。
【0003】
図1~3は、例えば、一般に譲渡された米国特許出願第17/114,730号に開示されたタイプの缶デコレータ100を示しており、その内容は参照により本明細書の一部となる。図1は、複数のインキステーションアセンブリ200(8個が示されている)を含む缶装飾装置100の一部を示している。缶装飾装置100は、複数の缶300(図1では、図示を簡略化するために、1つの缶300を仮想図で簡略化して示している)の外面を装飾する(例えば、所望のインキ画像を外面に付する)ように構成されている。構成要素の中でも、缶装飾装置100(単に缶デコレータと呼ばれることもある)は、複数の画像転写セグメント104(図3では仮想線図で示されている)を有するブランケット102を含む。好ましくは、ブランケット102は、各画像転写セグメント104に関連する画像を対応する1つの缶300に転移するように構成されている。前述したように、缶デコレータ100は、複数のインキステーションアセンブリ200を更に含む。本明細書に記載及び説明される例示の缶デコレータ100は8つのインキステーションアセンブリ200を含むが、開示される発明の範囲から逸脱することなく、任意の既知の或いは適切な別の個数及び/又は構成のインキステーションアセンブリ(図示せず)を代替的に含んでよいことは理解されるであろう。更に、開示の効率及び図示の簡略化から、インキステーションアセンブリ200のうちの1つだけが本明細書に詳細に記載及び説明されることは理解されるであろう。
【0004】
図2及び図3は、インキステーションアセンブリ200の一つをより詳細に示す図である。具体的には、インキステーションアセンブリ200は、インキ400(図2に簡略化して仮想線図で示す)の供給を行うように構成されているインキ溜め202を含む。ファウンテンロール204は、インキ溜め202からインキ400を受け取る。インキキーシステムは、インキ溜め202とファウンテンロール204との間の境界に沿って並んで配置された複数の調節可能なファウンテンキー205を有しており、インキ溜め202からファウンテンロール204へと渡るインキ400の量を調節する。より詳細には、各ファウンテンキー205は、インキ溜め202からファウンテンロール204の対応する軸部へと渡るインキ400の量を調節する。図2に示す例は、8つのファウンテンキー205を含んでいるが、ファウンテンキー205の数は特定の用途によって異なってよいことを理解のこと。
【0005】
インキステーションアセンブリ200は、分配ロール206とドクターロール208とを更に含む。ドクターロール208は、ファウンテンロール204及び分配ロール206の両方と協働して、ファウンテンロール204から分配ロール206にインキ400を移す。より詳細には、ドクターロール208は、ドクターロール208がファウンテンロール204からインキ400を受け取る第1の位置と、ドクターロール208が分配ロール206にインキ400を移す第2の位置との間で、一対のピボットアーム209によって揺動する。幾つかの振動ロール210,212(2個が示されている)がインキステーションアセンブリ200の部品として更に設けられており、各ロールは、長手方向軸214,216を有している。振動ロール210,212は夫々、このような長手方向軸214,216に沿って前後に振動するように構成されている。例示的なインキステーションアセンブリ200には、2つの転移ロール218,220も含まれており、各転移ロールは、振動ロール210,212の少なくとも1つと協働する。印刷版シリンダ222は印刷版(概して符号224で示される)を含み、幾つかのフォームロール230と協働して、印刷版224とブランケット102の画像転写セグメント104とにインキ400を付する。
【0006】
缶デコレータ100によって印刷されるラベルデザインに応じて、ラベルの特定の非画像領域においてインキトレインに運ばれるインキが存在しないように、ファウンテンキー205の1又は複数が調整される必要があり得る。この領域でインキを絶対的に無くすためには、対応するインキキー205がファウンテンロール202に接触し、その領域にてファウンテンロール202からインキを全て「掻き取る(scrape)」必要がある。このような接触は、ファウンテンキー205の摩耗、ファウンテンロール202の損傷、又はそれら両方を引き起こす。また、(例えば、サーボ駆動される)遠隔操作インキキーシステムでは、これにより、ラベルのレシピの基礎となるゼロキーの設定が失われることになる。
【0007】
そのため、缶装飾装置、缶装飾方法、及びインキステーションアセンブリには改善の余地がある。
【発明の概要】
【0008】
これらの要求及びその他の要求は、缶装飾装置用インキステーションアセンブリと関連する缶装飾方法とに関する、開示される概念の実施形態によって満たされる。利点の中でもとりわけ、インキステーションアセンブリ及び方法は、単一のフォームロールを採用しており、インキの不一致と問題(例えば、限定されないが、インキ不足、インキフィルム厚さ、インキフィルム厚さの変動、画像ゴースト)とに対処する。
【0009】
開示された概念の1つの態様として、ファウンテンロールから分配ロールにインキを移すために缶デコレータのインキステーションアセンブリで使用されるドクターロールアセンブリが提供される。そのドクターロールアセンブリは、延設された軸部材と、回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、を備えるロール部を含んでおり、前記複数のセグメントは、幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、ファウンテンロールの対応する軸方向部分と分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、を含む。
【0010】
前記幾つかのインキ転移セグメントは複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は、前記幾つかのスペーサーセグメントは複数のスペーサーセグメントからなる、の一方又は両方であってよい。
【0011】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに回転可能に結合して前記回転軸を中心に回転するようように構成された中心シャフトを備えてよく、前記複数のセグメントの各セグメントは、前記中心シャフトに取り付けられて回転してよい。
【0012】
各インキ転移セグメントは、第1の材料から形成された中央ハブと、前記中央ハブの径方向外側に配置されており、前記中央ハブに結合されており、第2の材料から形成された外側部分とを備えてよい。
【0013】
前記延設された軸部材は、前記回転軸を中心に回転するように中心シャフトの周りに配置されて、前記中心シャフトに回転可能に結合されるように構成された中空シリンダを備えてよい。
【0014】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに固定されて前記回転軸に対して不動になるように構成された中心シャフトを備えてよく、各インキ転移セグメントは、前記回転軸を中心に回転可能なように、前記中心シャフトに回転可能に結合されてよい。
【0015】
ドクターロールアセンブリは、一対のピボットアームを更に備えており、前記ロール部は、前記一対のピボットアームの間にて前記一対のピボットアームに結合されて、前記一対のピボットアームは、前記回転軸に平行なピボット軸を中心に前記ロール部を揺動させるように構成されてよい。
【0016】
前記一対のピボットアームの各ピボットアームは上側部分と下側部分とを備えており、前記上側部分は前記ロール部に結合されおり、前記下側部分は、インキステーションアセンブリに結合されるように構成されており、前記上側部分は、前記下側部分に選択的に結合されており、前記ロール部及び前記上側部分は前記下側部分から選択的に取り外されてよい。
【0017】
開示される概念の別の態様では、缶デコレータで使用するためのインキステーションアセンブリが提供される。そのインキステーションアセンブリは、インキを供給するように構成されたインキ溜めと、前記インキ溜めに隣接して配置されて、前記インキ溜めからインキを受け取るように構成されたファウンテンロールと、分配ロールと、前記ファウンテンロールに隣接しており、前記分配ロールから離れている第1の位置と、前記ファウンテンロールから離れており、前記分配ロールに隣接する第2の位置との間で揺動可能なロール部を有するドクターロールアセンブリと、を備えており、前記ファウンテンロールは、前記ロール部が前記第1の位置に配置されている場合に、前記インキ溜めから前記ドクターロールアセンブリのロール部にインキを移すように構成されており、前記ドクターロールアセンブリのロール部は、前記ロール部が前記第2の位置に配置されている場合に、前記ロール部から前記分配ロールにインキを移すように構成されており、前記ロール部は、延設された軸部材と、回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、を備えており、前記複数のセグメントは、幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、前記ファウンテンロールの対応する軸方向部分と前記分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、を備えている。
【0018】
インキステーションアセンブリは、前記インキ溜めと前記ファウンテンロールの間の境界に沿って並んで配置された複数の調節可能なファウンテンキーを更に備えており、各ファウンテンキーは、前記インキ溜めから前記ファウンテンロールに渡るインキの量を調節するように構成されており、各ファウンテンキーは、その他のファウンテンキーの各々と同じファウンテンキー幅を有しており、各インキ転移セグメントは、前記ファウンテンキー幅と同じである、又は前記ファウンテンキー幅の倍数である前記回転軸に沿った軸方向長さを有してよい。
【0019】
前記幾つかのインキ転移セグメントは複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は、前記幾つかのスペーサーセグメントは複数のスペーサーセグメントからなる、の一方又は両方であってよい。
【0020】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに回転可能に結合して前記回転軸を中心に回転するように構成された中心シャフトを備えてよく、前記複数のセグメントの各セグメントは、前記中心シャフトに取り付けられて回転してよい。
【0021】
各インキ転移セグメントは、第1の材料から形成された中央ハブと、中央ハブの径方向外側に配置されており、中央ハブに結合されており、第2の材料から形成された外側部分とを備えてよい。
【0022】
前記延設された軸部材は、前記回転軸を中心に回転するように中心シャフトの周りに配置され、前記中心シャフトに回転可能に結合されるように構成された中空シリンダを備えてよい。
【0023】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに固定されて前記回転軸に対して不動になるように構成された中心シャフトを含んでよく、各インキ転移セグメントは、前記回転軸を中心に回転可能なように、前記中心シャフトに回転可能に結合されてよい。
【0024】
前記ドクターロールアセンブリは、前記第1の位置と前記第2の位置との間で前記ロール部を揺動させるための一対のピボットアームを更に備えてよく、前記ロール部は、前記一対のピボットアームの間で前記一対のピボットアームに結合されてよく、前記一対のピボットアームは、前記回転軸と平行なピボット軸を中心に前記ロール部を揺動させるように構成されてよく、前記一対のピボットアームの各ピボットアームは上側部分と下側部分とを備えてよく、前記上側部分は前記ロール部に結合されてよく、前記下側部分は、前記インキステーションアセンブリの別の部分に結合されてよく、前記上側部分は、前記下側部分に選択的に結合されており、前記ロール部及び前記上側部分は前記下側部分から選択的に取り外されてよい。
【0025】
開示された概念の更に別の態様として、複数の缶に画像を付するための缶デコレータが提供される。その缶デコレータは、幾つかのインキステーションアセンブリと、各インキステーションアセンブリからインキを受け取り、前記複数の缶にインキを転移するように構成された複数の画像転写セグメントを有するブランケットと、を備えており、各インキステーションアセンブリは、インキを供給するように構成されたインキ溜めと、前記インキ溜めに隣接して配置され、前記インキ溜めからインキを受け取るように構成されたファウンテンロールと、分配ロールと、前記ファウンテンロールに隣接しており、前記分配ロールから離れている第1の位置と、前記ファウンテンロールから離れており、前記分配ロールに隣接する第2の位置との間で揺動可能なロール部を有するドクターロールアセンブリと、を備えており、前記ファウンテンロールは、前記ロール部が前記第1の位置に配置されている場合に、前記インキ溜めから前記ドクターロールアセンブリのロール部にインキを移すように構成されており、前記ドクターロールアセンブリのロール部は、前記ロール部が前記第2の位置に配置されている場合に、前記ロール部から前記分配ロールにインキを移すように構成されており、前記ロール部は、延設された軸部材と、回転軸を中心として回転するために、前記軸部材の周りに軸方向に互いに隣接するように選択的に配置された複数のセグメントと、を備えており、前記複数のセグメントは、幾つかのインキ転移セグメントであって、各インキ転移セグメントは、前記回転軸から第1の径方向距離に配置され、前記ファウンテンロールの対応する軸方向部分と前記分配ロールの対応する軸方向部分との間でインキを移すように構成されたインキ転移面を有する、幾つかのインキ転移セグメントと、前記第1の外径よりも小さい第2の外径を有する幾つかのスペーサーセグメントと、を含んでいる。
【0026】
前記幾つかのインキステーションアセンブリは、複数のインキステーションアセンブリからなってよい。
【0027】
前記幾つかのインキ転移セグメントは、複数のインキ転移セグメントからなる、及び/又は、前記幾つかのスペーサーセグメントは、複数のスペーサーセグメントからなる、の一方又は両方であってよい。
【0028】
前記延設された軸部材は、一対のピボットアームに回転可能に結合して前記回転軸を中心に回転するように構成された中心シャフトを備えてよく、前記複数のセグメントの各セグメントは、前記中心シャフトに対して回転可能に取り付けられてよい。
【0029】
缶装飾装置と缶装飾方法も開示されている。
【0030】
開示される概念のこれらの及びその他の目的、特徴、特性と、構造の関連要素の動作方法及び機能と、製造における部品の組合せ及び経済性とは、添付の図面を参照しつつ、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討することにより、より明らかになるであろう。図面の全てが本明細書の一部を形成しており、様々な図において同様な符号は対応する部分を示している。しかしながら、図面は、例示及び説明の目的のみのために提供されており、概念の限界を定義するものとして意図されてはいないことを明確に理解のこと。
【図面の簡単な説明】
【0031】
開示されている概念は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0032】
図1図1は、缶装飾装置及びインキステーションアセンブリの一部を示す等角図である。
図2図2は、図1のインキステーションアセンブリの一つを示す等角図である。
図3図3は、図2のインキステーションアセンブリの側面図であって、隠れた構造を示すために側板の一つが取り除かれている。
図4図4は、開示される概念の例示的な実施形態に基づくドクターロールアセンブリの斜視図である。
図5図5は、図4のドクターロールアセンブリの断面図であり、当該アセンブリの中心回転軸に沿って、図4の5-5で示される方向に沿って破断されている。
図6図6は、図4のドクターロールアセンブリの側端面図である。
図7図7は、開示される概念の別の例示的な実施形態に基づく別のドクターロールアセンブリのロール部の図5と同様な断面図である。
図8図8は、開示される概念の別の例示的な実施形態に基づくドクターロールアセンブリの更に別のロール部の図5及び図7と同様な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図面に示されており、本明細書で説明される特定の要素は、開示される概念の単なる例示的な実施形態である。従って、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法、向き、及びその他の物理的特性は、開示される概念の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0034】
本明細書で使用されているように、用語「缶」は、物質(例えば、液体、食品、その他の適切な中身)を含むように構造化された、任意の既知の又は適切な容器を指し、食品缶、及びビールやソーダ缶などの飲料缶を明示的に含むが、これらに限定されない。
【0035】
本明細書で使用されているように、用語「インキトレイン」は、インキがインキステーションアセンブリを通って、特にインキ溜めからインキステーションアセンブリの様々なロールを通って印刷版シリンダまで移される経路を指す。
【0036】
本明細書では、2つ以上の部品が「結合」されているという表現は、部品が直接接続されていること、或いは、1又は複数の中間部品を介して接続されていることの何れかを意味する。
【0037】
本明細書では、用語「幾つか」は、1又は1より大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0038】
開示される概念の実施形態は、ドクターロールの選択された軸方向領域におけるインキ転移を可能にする一方で、選択された他の軸方向領域におけるインキ転移を防止する機構を設けることによって、前述したような従来のドクターロール及びインキステーションに関する問題に対処する。
【0039】
図4~6を参照すると、開示される概念の例示的な一実施形態に基づくドクターロールアセンブリ10が示されている。ドクターロールアセンブリ10は、例えば、限定ではないが、ドクターロール208及びピボットアーム209の代わりに、図1~3に関して先に説明した缶デコレータ100のインキステーションアセンブリ200に採用されてよい。しかしながら、ドクターロールアセンブリ10は、ファウンテンロールから分配ロールにインキを移すために、他のインキステーションアセンブリ及び/又は他の缶デコレータと共に使用することもできることを理解のこと。
【0040】
ドクターロールアセンブリ10は、ロール部12と一対のピボットアーム14とを含む。ロール部12は、一対のピボットアーム14に結合されており、一対のピボットアーム14の間にある。先に説明したインキステーションアセンブリ200のピボットアーム209と同様に、各ピボットアーム14は、その下側部分14Aがインキステーションの一部に結合されて、ロール部12がファウンテンロールからインキ(例えば、図2及び図3のファウンテンロール204からのインキ400)を受け取る第1の位置と、ロール部12が分配ロール(例えば、図2及び図3の分配ロール206)にインキを移す第2の位置との間で、ピボット軸16回りでドクターロールアセンブリ10のロール部12を揺動させるように構成されている。図4図6に示す例では、各ピボットアーム14は、下側部分14Aに選択的に(例えば、ねじ付き締結具又は他の適切な機構を介して)結合された上側部分14Bを含んでおり、以下で更に説明するように、ロール部12の再構成のために、上側部分14B及びロール部12をインキステーションアセンブリから取り外すことができる。
【0041】
図2及び図3に示すインキステーションアセンブリ200のドクターロール208はインキ400を転移させるためにピボットアーム209間に概ね延在している単一の連続転移面211を用いるが、これとは異なり、ドクターロールアセンブリ10のロール部12は、インキを転移するための複数の別個の転移面18を含んでおり、各転移面は、ロール部12の全長LTOTよりも短い軸方向長さL1を有する。複数の転移面18は、ピボットアーム14の間にロール部12に沿って直列に配置され、ピボット軸16に平行な回転軸20を中心としてピボットアーム14に対して回転可能である。別個の転移面18の各々は回転軸20から第1の径方向距離R1にて径方向に配置されており、そして、同様に回転軸20を中心に回転可能な個々の転移セグメント22の一部である(故に、ロール部12は、複数の転移セグメント22を含む)。図4~6に示す例示的な実施形態では、各転移セグメント22は、中央ハブ24と、中央ハブ24から径方向外側に配置されて中央ハブ24に結合された外側部分26とを含んでおり、外側部分26は転移面18を含む。中央ハブ24は、回転慣性を最小限に抑えるように機械加工された軽量材料(例えば、限定ではないが、アルミニウム)から形成され、外側部分26は、NGゴム又はインクを受容して転移するための他の好適な材料から形成される。開示された概念の例示的な一実施形態では、外側部分26は、ショアAスケールで55~60のデュロメータ硬さを有するNGゴムから形成された。しかしながら、開示された概念の範囲から逸脱することなく、他の適切な材料を採用できることを理解のこと。
【0042】
幾つかの転移セグメント22に加えて、ロール部はまた、幾つかの転移セグメント22と軸方向に直列に配置された幾つかのスペーサーセグメント28を含む。インキを転移するための外側転移面18を有する各転移セグメント22とは異なり、各スペーサーセグメント28は、単に回転軸20に沿って所定の軸方向間隔L2を維持することを目的としており、インキを転移するようには構成されておらず、また、如何なる意味においても、インキを転移することを目的とするものではない。従って、各スペーサーセグメント28は最外面(符号なし)を有しており、当該最外面は、ロール部12に隣接するロールとインキの受け渡しをしないように、第1の径方向距離R1よりも小さい第2の径方向距離R2にて回転軸20から径方向に配置されている。図4~6に示す例では、各スペーサーセグメント28は、各中央ハブ24と同じ材料で形成されており、同じ寸法を有しているが、各スペーサーセグメント28の材料及び/又は寸法は、開示した概念の範囲から逸脱することなく、中央ハブ24とは異なってよいことを理解のこと。
【0043】
図4及び図6に示す例では、各転移セグメント22と各スペーサーセグメント28とは、回転軸20を中心とする中心シャフト30周りに配置されて、選択的に結合されている。図4に示すように、各転移セグメント22とスペーサーセグメント28は、中心シャフト30に沿って軸方向に延びるキー32によって中心シャフトに固定されて回転可能にされている。加えて、各転移セグメント22は、個々の止めねじ34によって中心シャフト30に対して軸方向に不動にされている。止めねじ34は、転移セグメント22の中央ハブ24に螺合し、中心シャフト30に抗して締められる。この例では、各スペーサーセグメント28は、軸方向に隣接して配置された転移セグメント22によって、中心シャフト30に対して軸方向に拘束される。中心シャフト30は、その各端部において、軸受機構36,38(例えば、ボールベアリング又は他の適切な機構)によって、一対のピボットアーム14の一方に回転可能に結合される。軸受機構36,38は、各ピボットアーム14の上側部分14Bに収容されて、着脱自在なプレート40によってそこに固定される。このような機構により、中心シャフト30、転移セグメント22、及びスペーサーセグメント28は、互いに対して固定され、ピボットアーム14に対して回転軸20を中心に回転可能とされている。
【0044】
ロール部12は、転移セグメント22とスペーサーセグメント28のモジュール式機構であり、特定の缶装飾用途の必要に応じてインキを転移させる、又は転移させないように構成された軸方向領域を提供するために、所望に応じて容易に配置/構成することができることは、前述の説明から理解されるであろう。用途によっては、転移セグメント22及び/又はスペーサーセグメント28の一方又は両方の軸方向長さL1及び/又はL2は、インキ溜めからファウンテンロールに渡るインキ量を調節するファウンテンキー(例えば、図2のインキステーションアセンブリのファウンテンキー205など)の幅と同じであってよい。図4~6に示す例では、軸方向の長さL1及びL2の各々は、対応するファウンテンキーの幅と同じである。故に、図5の左から右へと進むと、ロール部12は、第1、第2、第5、第6、第8のファウンテンキーからのインキを移し、第3、第4、第7のファウンテンキーからのインキを移さないように構成されている。
【0045】
軸方向の長さL1及び/又はL2をファウンテンキーの幅と同じにすることの代わりに、ロール部12の隣接するセグメントが同じ種類のセグメント(即ち、転移セグメント22又はスペーサーセグメント28)である用途では、転移セグメント22及び/又はスペーサーセグメント28の一方又は両方の軸方向の長さL1及び/又はL2は、インキ溜めからファウンテンロールへ渡るインキの量を調節するファウンテンキーの幅の倍数であってよく、利用するセグメントをより少なくすることができる。例えば、図5のロール部12は、代替的に以下を用いて実現されてよい:L1の2倍の軸方向長さを有しており、第1及び第2のファウンテンキーからインキを移すように構成された第1の転移セグメント;L2の2倍の軸方向長さを有しており、第3及び第4のファウンテンキーからインキを移さないように構成された第1のスペーサーセグメント;L1の2倍の軸方向長さを有しており、第5及び第6のファウンテンキーからインキを転移するように構成された別の転移セグメント;L2の軸方向長さを有しており、第7のファウンテンキーからインキを移さないように構成された第2のスペーサーセグメント;L1の軸方向長さを有しており、第8のファウンテンキーからインキを移さないように構成された第2の転移セグメント。
【0046】
図7及び図8は、ロール部12’及びロール部12’’の他の例示的な実施形態の断面図であり、これらの実施形態は、ロール部12と同じ機能及び利点を、若干異なる方法で提供する。図7を参照すると、ロール部12’は、ロール部12のセグメント22及びセグメント28と同様に機能する複数の転移セグメント22’及びスペーサーセグメント28’を含んでいる。しかしながら、例示したロール部12とは異なり、各セグメント22’及び各セグメント28’は、中空シリンダ50に所望の軸方向順序で選択的に結合されて、配置される。セグメント22’及びセグメント28’は、中空シリンダ50で容易にスライドさせることができ、保持リング52及びロックリング54を用いて(又は他の適切な機構を介して)固定することができる。中空シリンダ50は、一対の軸受機構36’及び軸受機構38’を介して中心シャフト30’に回転可能に結合されており、中空シリンダ50と、それに結合されたセグメント22’及びセグメント28’は、中心シャフト30’の長手方向軸に対応する回転軸20を中心として概ね自由に回転できる。回転軸20を中心にピボットアーム14に対して回転するロール部12の中心シャフト30とは異なり、ロール部12’の中心シャフト30’は、ピボットアームに固定されるように構成されているので、中心シャフト30’は回転軸30を中心に回転しない。
【0047】
図8を参照すると、ロール部12’’は複数の転移セグメント22’’及びスペーサーセグメント28’’を含んでおり、それらセグメントは、ロール部12のセグメント22及びセグメント28、並びにロール部12’のセグメント22’及びセグメント28’と同様に機能する。セグメント22’’及びセグメント28’’の各々は、選択的に結合され、中心シャフト30’’に所望の軸方向順序で配置される。セグメント22’’及びセグメント28’’は、中心シャフト30’’及び中心シャフト30’’に容易にスライドさせて着脱することができ、中心シャフト30’’の協働的ねじ付き部分に螺合可能に係合するねじ付き保持部材56によってそれに固定される。各転移セグメント22’’は、軸受機構60を介して中心シャフト30’’に回転可能に結合されており、各転移セグメント22’’は、中心シャフト30’’の長手方向軸に対応する回転軸20を中心に概ね自由に回転できる。ロール部12’の中心シャフト30’と同様に、ロール部12’’の中心シャフト30’’はピボットアームに固定されるように構成されているので、中心シャフト30’’は回転軸30を中心に回転しない。図8に示す例示的なロール部12’’は、軸方向長さL1及びL2が異なる2種のスペーサーセグメント28’’を採用しており、故に、図4~6のロール部12に関して上述した代替的構成のバージョンを更に例示していることは理解されるであろう。
【0048】
従って、前述の実施例から、開示された概念は、従来技術の欠点に対処し、特定の用途又は応用のために容易にカスタマイズできるドクターロールアセンブリと、そのようなドクターロールアセンブリを利用するインキステーションアセンブリ及び缶デコレータとを提供し、それらのドクターロールアセンブリは、元々備えられているか又は容易に後付けされてよいことは理解される。
【0049】
開示された概念の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
【0050】
特許請求の範囲において、符号は特許請求の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。「備える」又は「含む」という語は、特許請求の範囲に記載されている以外の要素又は工程の存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙した装置請求項では、これらの手段の幾つかは、同一のハードウェア要素によって実現されてよい。単語の前に「ある」又は「1つ」という単語があっても、そのような要素が複数存在することを排除するものではない。幾つかの手段を列挙した装置請求項では、これらの手段の幾つかが、ハードウェアの1つの同じ要素によって具現化されてもよい。特定の要素が互いに異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの要素を組み合わせて使用することができないことを示してはいない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】