(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】一方向過渡抑制ダイオード及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
H01L 21/329 20060101AFI20240205BHJP
H01L 29/06 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01L29/90 Z
H01L29/06 301M
H01L29/06 301V
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548784
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 CN2021122377
(87)【国際公開番号】W WO2023050387
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】202111154291.6
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523304674
【氏名又は名称】上海韋尓半導体股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WILL SEMICONDUCTOR (SHANGHAI) CO. LTD.
【住所又は居所原語表記】Floor 7, Building C, Block 1, No. 3000 Longdong Avenue, China (Shanghai) Pilot Free Trade Zone Shanghai China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉 中瑞
(72)【発明者】
【氏名】張 棟
(72)【発明者】
【氏名】胡 勇海
(72)【発明者】
【氏名】▲し▼ 瑞千
(72)【発明者】
【氏名】趙 ▲ぱん▼
(72)【発明者】
【氏名】陸 逸楓
(57)【要約】
本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオード及びプロセスを提供し、前記ダイオードは、第一の導電型の基板と、第二の導電型の第一の注入領域と、第二の注入領域とを含み、第一の注入領域は、基板の表面に設置され、第二の注入領域は、基板の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さい。基板の正面には、阻止層と絶縁層が下から上へ順に設置され、第一の注入領域は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層は、阻止層と第一の金属層との間に設置され、裏面の第二の注入領域と基板がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なり、本出願は、負サージ防止能力を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向過渡抑制ダイオードであって、第一の導電型の基板と、第二の導電型の第一の注入領域と、第二の注入領域とを含み、
第一の注入領域は、基板の表面に設置され、第二の注入領域は、基板の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、
基板の正面には、阻止層と絶縁層が下から上へ順に設置され、第一の注入領域は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層は、阻止層と第一の金属層との間に設置され、裏面の第二の注入領域と基板がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なる、ことを特徴とする一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項2】
ダイオードは、第二の導電型の第三の注入領域をさらに含み、
第二の注入領域の幅は、第三の注入領域の幅よりも大きく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項3】
第三の注入領域は、間隔をおいて設置される複数の分割注入領域である、ことを特徴とする請求項2に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項4】
ダイオードは、第一の導電型の第四の注入領域及び/又は第二の導電型の第五の注入領域をさらに含み、
第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触し、第五の注入領域は、第一の注入領域を被覆し、第五の注入領域は、第一の注入領域から予め設定される距離離間する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項5】
第一の導電型は、P型であり、第二の導電型は、N型である、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項6】
阻止層は、シリカであり、絶縁層は、リンド―プシリカである、ことを特徴とする請求項1から3、5のいずれか1項に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項7】
一方向過渡抑制ダイオードであって、第一の導電型の基板と、第二の導電型の第一の注入領域と、第二の注入領域と、溝とを含み、
第一の注入領域は、基板の表面に設置され、第二の注入領域は、基板の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、
溝は、第一の注入領域を被覆し、且つ溝の溝壁に隔離層を成長させており、溝の深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、第一の注入領域は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、裏面の第二の注入領域と基板がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なる、ことを特徴とする一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項8】
ダイオードは、第二の導電型の第三の注入領域をさらに含み、
第二の注入領域の幅は、第三の注入領域の幅よりも大きく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項7に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項9】
第三の注入領域は、間隔をおいて設置される複数の分割注入領域である、ことを特徴とする請求項8に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項10】
ダイオードは、第一の導電型の第四の注入領域をさらに含み、
第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項11】
第一の導電型は、P型であり、第二の導電型は、N型である、ことを特徴とする請求項10に記載の一方向過渡抑制ダイオード。
【請求項12】
一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスであって、請求項1から6のいずれか1項に記載のダイオードを製造するために用いられ、前記製造プロセスは、
第一の導電型の基板に阻止層を形成することと、
順に基板の表面に第一の注入領域を形成し、裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域が、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型が異なることと、
基板の表面の阻止層の上部に絶縁層を形成することと、
第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層が、阻止層と第一の金属層との間に設置され、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせることとを含む、ことを特徴とする一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項13】
基板の裏面に第二の注入領域を形成する前に、前記製造プロセスは、
基板の裏面に第二の導電型の第三の注入領域を形成することを含み、第二の注入領域の幅は、第三の注入領域の幅よりも大きく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項12に記載の一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項14】
基板の裏面に第二の注入領域を形成する前に、前記製造プロセスは、
基板の裏面に第一の導電型の第四の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触する、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項15】
基板の裏面に第二の注入領域を形成する前に、前記製造プロセスは、
基板の表面に第一の導電型の第五の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第五の注入領域は、第一の注入領域を被覆し、第五の注入領域は、第一の注入領域から予め設定される距離離間する、ことを特徴とする請求項12に記載の一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項16】
一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスであって、請求項7から11のいずれか1項に記載のダイオードを製造するために用いられ、前記製造プロセスは、
基板の表面に第一の注入領域を形成することと、
基板に溝を形成し、溝に隔離層を成長させ、溝が、第一の注入領域を被覆し、溝の深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きいことと、
基板の裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域が、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型が異なることと、
第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせることとを含む、ことを特徴とする一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項17】
基板の裏面に第二の注入領域を形成する前に、前記製造プロセスは、
基板の裏面に第二の導電型の第三の注入領域を形成することをさらに含み、第二の注入領域の幅は、第三の注入領域の幅よりも大きく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい、ことを特徴とする請求項16に記載の一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【請求項18】
基板の裏面に第二の注入領域を形成する前に、前記プロセスは、
基板の裏面に第一の導電型の第四の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触する、ことを特徴とする請求項17に記載の一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、半導体技術分野に関し、具体的に、一方向過渡抑制ダイオード及びその製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
サージとは、電気機器における通常の作動電圧を超える瞬間的な過電圧のことであり、サージの瞬間的なエネルギーは、回路を降伏するほど巨大であり、TVS(過渡抑制ダイオード)は、よく使われるサージ保護デバイスであり、回路を効果的に保護することができる。
【0003】
応用環境の日々の複雑化に伴い、回路のサージ防止能力に対する要求は、ますます高くなり、サージ防止能力を向上させるために保護デバイスの面積を増やすことができるが、コストが高くなり、集積度がますます上がるにつれて、サージ保護デバイスの面積がますます小さくなるため、面積を増やさない場合、サージ防止能力を向上させることは、特に重要となる。
【0004】
同時に、TVS信頼性は、電荷の影響を極めて受けやすい。降伏電圧の不安定は、実際的な応用における様々な問題を引き起こす。そのため、TVS信頼性を向上させ、降伏電圧の安定性を保証し、デバイスが長時間正常に作動できることを確保することも非常に重要となる。
【発明の概要】
【0005】
本出願の実施例の目的は、超低容量ESD保護デバイス及びその製造方法を提供することであり、本出願の実施例は、一方向TVSサージ防止能力及びTVSの信頼性を向上させることができる。
【0006】
第一の態様によれば、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードを提供し、前記一方向過渡抑制ダイオードは、第一の導電型の基板と、第二の導電型の第一の注入領域と、第二の注入領域とを含み、
第一の注入領域は、基板の表面に設置され、第二の注入領域は、基板の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、
基板の正面には、阻止層と絶縁層が下から上へ順に設置され、第一の注入領域は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層は、阻止層と第一の金属層との間に設置され、裏面の第二の注入領域と基板がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なることを特徴とする。
【0007】
従来技術と比べて、第一の態様による実施例は、絶縁層を阻止層と第一の金属層との間に設置し、且つ第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、絶縁層が電荷を遮蔽するために用いられ、それによってダイオードの降伏電圧が影響を受けないことを保証するとともに、基板の裏面の第二の注入領域の接合深さを比較的に浅くして、負サージ防止能力を向上させる。
【0008】
第二の態様によれば、本出願の実施例は、別の一方向過渡抑制ダイオードを提供し、前記一方向過渡抑制ダイオードは、第一の導電型の基板と、第二の導電型の第一の注入領域と、第二の注入領域と、溝とを含み、
第一の注入領域は、基板の表面に設置され、第二の注入領域は、基板の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、
溝は、第一の注入領域を被覆し、溝の溝壁に隔離層を成長させており、且つ溝の深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、第一の注入領域は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、裏面の第二の注入領域と基板がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なることを特徴とする。
【0009】
従来技術と比べて、第二の態様による実施例は、第一の注入領域の周囲で溝を設置し、溝の溝壁に隔離層を成長させており、且つ溝の深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、且つ第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、溝が電荷を遮蔽するために用いられ、それによってダイオードの降伏電圧が影響を受けないことを保証するとともに、基板の裏面の第二の注入領域の接合深さを比較的に浅くして、負サージ防止能力を向上させる。
【0010】
第三の態様によれば、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスを提供し、前記製造プロセスは、第一の態様に記載のダイオードを製造するために用いられ、前記製造プロセスは、
第一の導電型の基板に阻止層を形成することと、
順に基板の表面に第一の注入領域を形成し、裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域が、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型が異なることと、
基板の裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域が、第二の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型が異なることと、
基板の表面の阻止層の上部に絶縁層を形成することと、
第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層が、阻止層と第一の金属層との間に設置され、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせることとを含む。
【0011】
従来技術と比べて、第三の態様による実施例の有益な効果は、本出願の第一の態様の実施例による一方向過渡抑制ダイオードの有益な効果と同じである。
【0012】
第四の態様によれば、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスを提供し、前記製造プロセスは、第二の態様に記載のダイオードを製造するために用いられ、前記製造プロセスは、
基板の表面に第一の注入領域を形成することと、
基板の表面に溝を形成し、溝に隔離層を形成し、溝が、第一の注入領域を被覆し、溝の深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きいことと、
基板の裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域が、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さが、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型が異なることと、
第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせることとを含むことを特徴とする。
【0013】
従来技術と比べて、第四の態様による一方向過渡抑制ダイオードの有益な効果は、第二の態様による技術案と同じであり、ここでこれ以上説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
例示的な方法で以下の図面を参照しながら本発明の非限定的且つ非網羅的な実施方案を記述し、ここで、
【
図1】従来技術における2種類の一方向過渡抑制ダイオードの構造概略図である。
【
図2-5】は、
図1のダイオード構造概略図に対して、本出願の各実施例構造を改良する概略図である。
【
図6】従来技術における2種類の一方向過渡抑制ダイオードの構造概略図である。
【
図7-10】は、
図2のダイオード構造概略図に対して、本出願の各実施例構造を改良する概略図である。
【
図11】本出願の
図2から
図5に示す実施例の製造プロセスフローチャートである。
【
図12】本出願の
図7から
図10に示す実施例の製造プロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の上記及び他の特徴と利点をより明瞭にするために、以下では、図面を結びつけながら本発明をさらに記述する。理解すべきこととして、本明細書に記載の具体的な実施方案は、当業者に解釈する目的のためのものであり、例示的なものにすぎず、限定的なものではない。
【0016】
当業者が本発明の技術案をより良く理解するために、以下は、本発明の実施例における図面を結びつけながら、本発明の実施例における技術案を明瞭且つ完全に記述し、明らかに、記述された実施例は、ただ本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を払わない前提で得られたすべての他の実施例、いずれも本発明の保護範囲に属すべきである。
【0017】
説明すべきこととして、本発明の明細書と特許請求の範囲及び上記図面における用語である「第一の」、「第二の」などは、類似している対象を区別するものであり、必ずしも特定の順序又は前後手順を記述するためではない。理解すべきこととして、このように使用されるデータは、適切な場合に交換可能であり、ここで記述される本発明の実施例は、ここで図示又は記述されたもの以外の順序で実施されることが可能である。なお、用語である「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な「含む」を意図的にカバーするものであり、例えば一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、必ずしも明瞭にリストアップされているそれらのステップ又はユニットに限らず、明瞭にリストアップされていない又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含んでもよい。
【0018】
図1に示すように、
図1は、従来技術における一方向過渡抑制ダイオードの構造概略図であり、
図1に示す具体的な構造は、以下の通りである。
【0019】
基板11の表面と裏面には、それぞれ接合深さが同じである注入領域12と13が順次に作成され、且つ裏面の注入領域13と基板11が金属16によって繋がることで、基板11の裏面の注入領域13と基板11をショートさせ、基板11の表面の注入領域12は、金属15と繋がり、基板11の表面の注入領域12と基板11は、阻止層14で隔てられ、阻止層14は、シリカであり、基板11の表面の注入領域12は、裏面の注入領域13の導電型と同じであり、注入領域12と注入領域13の導電型は、基板12の導電型と異なり、ここで、基板11は、P型であってもよく、注入領域12と注入領域13は、いずれもN型であり、且つ基板11の表面の注入領域12と基板11との間のpn接合の接合深さは、裏面の注入領域13と基板11との間のpn接合の接合深さと同じであり、従来技術において、阻止層14上の電荷がデバイスの降伏電圧に極めて影響しやすく、且つ負サージが基板11と基板11の表面の注入領域12に形成される順方向pn接合のみによって保護されるため、そのサージ防止能力は、比較的に弱い。従来技術において、表面の注入領域12と金属層15との間に阻止層14が1層しかない。チップの生産製造中、阻止層14のインタフェースには電荷が発生しやすく、電荷は、電界を形成し、pn接合の空乏領域に対して変化することによって、降伏電圧は、ドリフトし、負サージとは、電流方向が基板11の裏面から表面に向かうサージであり、基板11の裏面から表面まで、2つの径路があり、径路1は、基板11から表面の注入領域12に至り、径路2は、裏面の注入領域13から基板11、表面の注入領域12に至り、従来技術において、裏面の注入領域13と基板11との間に形成されるpn接合が高耐圧逆バイアス接合であるため、径路2は、導通しにくくなり、電流が、径路1のみによって逃されることができるため、通流面積は、小さく、発熱は、大きく、サージ防止能力は、弱い。
【0020】
そのため、従来技術における
図1に示す構造の問題を解決するために、出願人は、以下の具体的な実施例によって従来技術における問題を解決するように検討した。
【0021】
<実施例1>
図2に示すように、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードを提供し、第一の導電型の基板21と、第二の導電型の第一の注入領域22と、第二の注入領域23とを含み、
第一の注入領域22は、基板21の表面に設置され、第二の注入領域23は、基板21の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域23と基板21との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域22と基板21との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、基板21の正面には、阻止層24と絶縁層27が下から上へ順に設置され、第一の注入領域22は、第一の金属25によって第一の電極を引き出し、絶縁層27は、阻止層24と第一の金属層25との間に設置され、裏面の第二の注入領域23と基板21がそれぞれ第二の金属26によって第二の電極を引き出すことで、基板21の裏面の第二の注入領域23と基板21とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なり、本出願の実施例において、第一の注入領域22と第二の注入領域23は、いずれも高濃度ドープである。
【0022】
本出願の実施例では、第一の導電型は、P型であり、第二の導電型は、N型であり、NPN構造を形成し、別の実施例において、第一の導電型は、N型であってもよく、第二の導電型は、P型であり、PNP構造を形成し、且つ阻止層24は、シリカであり、隔離役割と阻止役割を果たし、絶縁層27は、リンド―プシリカであり、絶縁層27の役割は、短絡を防止することであり、ダイオードデバイスの降伏電圧のドリフトは、電荷の影響を受け、リンド―プシリカには、不飽和のダングリングボンドが多く、これらのダングリングボンドは、電界を遮蔽する役割を果たすことができる。
【0023】
本出願の実施例では、第二の注入領域23の幅は、第一の注入領域22の幅よりも大きく、これは、主に正負サージ防止能力の配分問題を考慮しており、裏面の第二の注入領域23が広ければ広いほど、正サージ防止能力は、強くなり、負サージ防止能力は、弱くなる。裏面の第二の注入領域23は、表面の第一の注入領域22よりも広く、正負サージ防止能力を効果的に配分することができる。
【0024】
<実施例2>
実施例1に加え、
図3に示すように、本出願の実施例によるダイオードは、第二の導電型の第三の注入領域31をさらに含み、第二の注入領域23は、第三の注入領域31の幅よりも大きく、裏面の第二の注入領域23が基板の表面の第一の注入領域22よりも広くなるように設定するのは、裏面の第二の注入領域23が電子発射領域であるためであり、電子発射の数は、面積に関連し、面積が大きければ大きいほど、発射される電子は、多くなり、その通流能力は、強くなり、本出願の実施例において、第三の注入領域31と基板21との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域22と基板21との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、第二の注入領域23は、高濃度ドープであり、本出願の実施例において、第一の導電型は、P型であり、第二の導電型は、N型であり、基板21がP型である場合、第三の注入領域31は、N型であり、基板21がN型である場合、第三の注入領域31は、P型である。別の実施例において、第一の導電型は、N型であってもよく、第二の導電型は、P型であり、本出願の実施例において、第三の注入領域31は、表面の第一の注入領域22-基板21-裏面の第二の注入領域23のベース領域長さを短縮しており、電流拡大倍数を向上させることによって、最大通流能力を向上させた。
【0025】
本出願の実施例では、第二の注入領域23の幅は、第一の注入領域22の幅よりも大きく、これは、主に正負サージ防止能力の配分問題を考慮しており、裏面の第二の注入領域23が広ければ広いほど、正サージ防止能力は、強くなり、負サージ防止能力は、弱くなる。裏面の第二の注入領域23は、表面の第一の注入領域22よりも広く、正負サージ防止能力を効果的に配分することができる。
【0026】
<実施例3>
実施例2に加え、
図4に示すように、本出願の実施例による一方向過渡抑制ダイオードは、第一の導電型の第四の注入領域42及び/又は第二の導電型の第五の注入領域41をさらに含み、第五の注入領域41は、第一の注入領域22を被覆し、第五の注入領域41は、第一の注入領域22から予め設定される距離離間し、予め設定される距離離間することによって表面の空乏領域の境界の広がりを緩やかにすることができ、第四の注入領域42は、第二の注入領域23を被覆し、第四の注入領域42は、第二の注入領域23と接触し、第四の注入領域42が基板の裏面の第二の注入領域23と接触することで第四の注入領域42と基板の裏面の第二の注入領域23との間のpn接合が形成され、そうでなければ基板21と基板の裏面の第二の注入領域23との間のpn接合を形成する。
【0027】
本出願の実施例では、本出願の実施例による一方向過渡抑制ダイオードは、第一の導電型の第四の注入領域42又は第二の導電型の第五の注入領域41のいずれか一つの注入領域のみを含んでもよい。
【0028】
本実施例では、基板21がP型である場合、第四の注入領域42は、P型であり、第五の注入領域41は、N型であり、第四の注入領域42は、P型であり、第五の注入領域41は、N型であり、高濃度ドープである。
【0029】
本実施例では、第五の注入領域41は、基板の表面の第一の注入領域22と基板21に形成されるpn接合を実施例1と2の空乏領域エッジに対してより緩やかにすることができ、表面でなく内部で降伏が起こりやすくなり、表面に電荷が存在し、降伏が表面に発生した場合、降伏電圧は、影響を受ける。
【0030】
第四の注入領域42は、高濃度ドーピングであり、第四の注入領域42と第五の注入領域41との間に形成されるpn接合のP領域とN領域のドーピングがいずれも高濃度であるため、ツェナー降伏が極めて発生しやすく、降伏電圧は、とても低く、負サージである場合、基板の裏面の第四の注入領域42-基板21-基板の表面の第一の注入領域22という径路は、導通して電流を流すことがよりやすくなる。
【0031】
<実施例4>
実施例4は、実施例3に加え、
図5のように、第三の注入領域は、均一に間隔をおいて設置される複数の分割注入領域31-1である。
【0032】
説明すべきこととして、実施例2における第三の注入領域31は、間隔をおいて設置される複数の分割注入領域であってもよく、同時に、第五の注入領域41は、基板の表面の第一の注入領域22と基板21に形成されるpn接合を実施例2と3の空乏領域エッジに対してより緩やかにすることができる。
【0033】
本出願の実施例では、負サージである場合、基板の裏面の第四の注入領域42-基板21の表面の第一の注入領域22という径路は、導通して電流を流すことがよりやすくなり、電流は、左右の両端に集中するのではなく、より均一に分散され、導通面積は、より大きくなる。
【0034】
<実施例5>
図6に示すように、基板61には、基板61の表面と裏面は、それぞれ接合深さが同じである注入領域62と63が順次に作成され、且つ裏面の注入領域63と基板61が金属66によって繋がることで、基板61の裏面の注入領域63と基板61をショートさせ、基板61の表面の注入領域62は、金属65に繋がり、基板61の表面の注入領域62は、裏面の注入領域63の導電型と同じであり、注入領域62と注入領域63の導電型は、基板61の導電型と異なり、基板61には溝67を形成し、且つ溝67は、第一の注入領域62を被覆し、溝67の溝壁に隔離層64を成長させており、隔離層64は、シリカであり、隔離層64は、金属65と基板61とを隔離し、そうでなければ短絡(即ち電流方向は、表面金属65-基板61-裏面金属66に従う)が発生する一方、基板の表面の第一の注入領域62と基板61に形成されるpn接合の側辺を外部の環境から隔離し、pn接合が外部の環境の影響を受けることを防止することができる。ここで、基板61は、P型であってもよく、注入領域62と注入領域63は、いずれもN型であり、且つ基板61表面の注入領域62と基板61との間のpn接合の接合深さは、裏面の注入領域63と基板61との間のpn接合の接合深さと同じであり、負サージは、基板61と基板61表面の注入領域62に形成される順方向pn接合によってのみ保護され、そのサージ防止能力は、比較的に弱く、従来技術における問題を解決するために、本出願の実施例の技術案を提案した。
【0035】
図7に示すように、実施例5と実施例1とが異なる点は、基板71には、溝77が設置され、溝77は、第一の注入領域72を被覆し、且つ溝77の溝壁に隔離層74を成長させており、溝77の深さは、第一の注入領域72と基板71との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、第一の注入領域72は、基板71の表面に設置され、第二の注入領域73は、基板71の裏面に設置され、ここで、第二の注入領域72と基板71との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域72と基板71との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の注入領域72は、第一の金属によって第一の電極を引き出し、裏面の第二の注入領域73と基板71がそれぞれ第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域73と基板71とをショートさせ、第一の導電型と第二の導電型は異なる。
【0036】
本出願の実施例では、第二の注入領域73の幅は、第一の注入領域72の幅よりも大きく、これは、主に正負サージ防止能力の配分問題を考慮しており、裏面の第二の注入領域73が広ければ広いほど、正サージ防止能力は、強くなり、負サージ防止能力は、弱くなり、裏面の第二の注入領域73は、表面の第一の注入領域72よりも広く、正負サージ防止能力を効果的に配分することができる。
【0037】
<実施例6>
実施例5に加え、
図8に示すように、本出願の実施例によるダイオードは、第二の導電型の第三の注入領域81をさらに含み、第二の注入領域73は、第三の注入領域81の幅よりも大きく、且つ第三の注入領域81と基板71との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域72と基板71との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きく、第二の注入領域73は、高濃度ドープであり、本出願の実施例において、基板71がP型である場合、第三の注入領域81は、N型であり、基板71がN型である場合、第三の注入領域81は、P型であり、本出願の実施例において、第一の導電型は、P型であり、第二の導電型は、N型であり、別の実施例において、第一の導電型は、N型であってもよく、第二の導電型は、P型である。本出願の実施例において、第三の注入領域81は、表面の第一の注入領域72-基板71-裏面の第二の注入領域73のベース領域長さを短縮しており、電流拡大倍数を向上させることによって、最大通流能力を向上させた。
【0038】
本出願の実施例では、第二の注入領域73の幅は、第一の注入領域72の幅よりも大きく。これは、主に正負サージ防止能力の配分問題を考慮しており、裏面の第二の注入領域73が広ければ広いほど、正サージ防止能力は、強くなり、負サージ防止能力は、弱くなる。裏面の第二の注入領域73は、表面の第一の注入領域72よりも広く、正負サージ防止能力を効果的に配分することができる。
【0039】
<実施例7>
実施例6に加え、
図9に示すように、実施例では、ダイオードは、第二の導電型の第四の注入領域91をさらに含み、第四の注入領域91は、第二の注入領域73を被覆し、第四の注入領域91は、第二の注入領域73と接触し、第四の注入領域91は、ツェナー降伏が極めて発生しやすいpn接合を形成し、このpn接合は、第四の注入領域91と裏面の第二の注入領域73との間の接合であり、これに導通して電流を流すことがよりやすくなる。
【0040】
<実施例8>
実施例7に加え、
図10に示すように、第三の注入領域81は、均一に間隔をおいて設置される複数の分割注入領域81-1である。
【0041】
説明すべきこととして、実施例6における第三の注入領域81は、間隔をおいて設置される複数の分割注入領域であってもよい。
【0042】
本出願の実施例では、負サージである場合、基板の裏面の第二の注入領域73-基板71-基板の表面の第一の注入領域72という径路は、導通して電流を流すことがよりやすくなり、電流は、
図9に示す左右の両端に集中するのではない。
【0043】
図11に示すように、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスをさらに提供し、前記プロセスは、実施例1から4に記載の一方向過渡抑制ダイオードを製造するために用いられ、
プロセスは、具体的に、以下を含む。
【0044】
ステップS11、第一の導電型の基板に阻止層を形成する。
【0045】
ステップS12、順に基板の表面に第一の注入領域を形成し、裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域は、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型は異なる。
【0046】
ステップS13、基板の表面の阻止層の上部に絶縁層を形成する。
【0047】
ステップS14、第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、絶縁層が、阻止層と第一の金属層との間に設置され、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせる。
【0048】
説明すべきこととして、まず、基板上で1回目の酸化を行い、阻止層を形成し、表面には、第一の注入領域のパターンがリソグラフィされ、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の表面の第一の注入領域を形成し、そして基板の裏面の第二の注入領域のリソグラフィを行い、不純物注入又は予備拡散を行い、短時間の高温によってアクティブ化して、基板の裏面の第二の注入領域を形成し、その後、基板の表面に絶縁層を成長させ、最後に基板の表面と裏面にサイズに応じた接触穴を刻み、金属を堆積し、金属をエッチングし、最終的なデバイスを形成し、ステップS11からS14に基づいて上記実施例1に記載のダイオード構造を製造することができる。
【0049】
ステップS12において第二の注入領域を形成する前に、前記プロセスは、以下のステップをさらに含む。
【0050】
ステップS16、基板の裏面に第二の導電型の第三の注入領域を形成し、第三の注入領域の幅は、第二の注入領域の幅よりも小さく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい。
【0051】
説明すべきこととして、基板の表面と裏面の第一の注入領域と第二の注入領域に対し、リソグラフィとイオン注入を同時に行うことができ、つまり、基板の表面と裏面は、基板の表面の第一の注入領域及び裏面の第三の注入領域を同時にリソグラフィし、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の表面の第一の注入領域と基板の裏面の第三の注入領域を形成し、そして基板の裏面の第二の注入領域のリソグラフィを行い、不純物注入又は予備拡散を行い、短時間の高温によってアクティブ化して、裏面の第二の注入領域を形成し、ステップS11からS14とステップS15に基づいて実施例2に示すダイオード構造を得ることができる。
【0052】
本ステップは、基板の表面の第一の注入領域を作成した後、第三の注入領域を作成してから、第二の注入領域を作成してもよく、
図11において、第三の注入領域の1種類のプロセス方式のみが示されており、即ち第一の注入領域と第三の注入領域が同時に作成されることが示されている。
【0053】
リソグラフィする時に第三の注入領域が、間隔をおいて設置される複数の分割注入領域である場合、ステップS11からS14とステップS15に基づいて実施例4に示すダイオード構造を得ることができる。
【0054】
ステップS12において第二の注入領域を形成すると同時に、前記プロセスは、
基板の裏面に第一の導電型の第四の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触する。
【0055】
図11において、第三の注入領域の1種類のプロセス方式のみが示されており、即ち第二の注入領域と第四の注入領域が同時に作成されることが示されている。
【0056】
説明すべきこととして、第二の注入領域をリソグラフィすると同時に、基板の裏面の第四の注入領域を同時にリソグラフィしてから、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の裏面の第四の注入領域を形成し、本出願の実施例は、第二の注入領域を形成する前に、第四の注入領域を作成してもよい。
【0057】
ステップS12において第二の注入領域を形成する前に、前記プロセスは、
基板の表面に第一の導電型の第五の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第五の注入領域は、第一の注入領域を被覆し、第五の注入領域は、第一の注入領域から予め設定される距離離間し、ステップS11からS14とステップS16に基づいて上記実施例3に記載のダイオード構造を製造することができる。
【0058】
説明すべきこととして、第一の注入領域を形成するとともに、基板の表面の第五の注入領域をリソグラフィしてから、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の表面の第五の注入領域を形成し、このようにプロセスステップを節約し、コストを低減することができ、第五の注入領域は、第二の注入領域の前に行われてもよく、裏面の第二の注入領域の前に行われるのは、第五の注入領域の高温拡散が裏面の注入領域の深さに影響を与えることを防止するためであり、
図11において第三の注入領域の1種類のプロセス方式のみが示されており、即ち第一の注入領域と第五の注入領域が同時に作成されていることが示されている。
【0059】
図12に示すように、本出願の実施例は、一方向過渡抑制ダイオードの製造プロセスをさらに提供し、前記製造プロセスは、以下のステップを含む。
【0060】
ステップS21、順に基板の表面に第一の注入領域を形成する。
【0061】
ステップS22、基板に溝を形成し、溝に隔離層を成長させ、溝は、第一の注入領域を被覆し、溝の深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい。
【0062】
ステップS23、基板の裏面に第二の注入領域を形成し、第一の注入領域と第二の注入領域は、第一の導電型を有し、第二の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも小さく、第一の導電型と第二の導電型は異なる。
【0063】
ステップS24、第一の注入領域で第一の金属によって第一の電極を引き出し、第二の注入領域と基板で第二の金属によって第二の電極を引き出すことで、基板の裏面の第二の注入領域と基板とをショートさせる。
【0064】
説明すべきこととして、表面に第一の注入領域のパターンをリソグラフィし、第一の注入領域への不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の表面の第一の注入領域を形成した後、溝をドライエッチング又はウェットエッチングしてから、基板の裏面の第二の注入領域のリソグラフィを行い、不純物注入又は予備拡散を行い、短時間の高温によってアクティブ化して、基板の裏面の第二の注入領域を形成し、最後に基板の表面と裏面にサイズに応じた接触穴を刻み、金属を堆積し、金属をエッチングし、最終的なデバイスを形成し、ステップS21からS24に基づいて上記実施例5に記載のダイオード構造を製造することができる。
【0065】
ステップS23において第二の注入領域を形成する前に、前記プロセスは、以下のステップをさらに含む。
【0066】
ステップS25、基板の裏面に第二の導電型の第三の注入領域を形成し、第三の注入領域の幅は、第二の注入領域の幅よりも小さく、且つ第三の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さは、第一の注入領域と基板との間に形成されるpn接合の接合深さよりも大きい。
【0067】
説明すべきこととして、基板の表面と裏面の第一の注入領域と第二の注入領域に対し、リソグラフィとイオン注入を同時に行うことができ、つまり、基板の表面と裏面は、基板の表面の第一の注入領域及び裏面の第三の注入領域を同時にリソグラフィし、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の表面の第一の注入領域と基板の裏面の第三の注入領域を形成し、そして基板の裏面の第二の注入領域のリソグラフィを行い、不純物注入又は予備拡散を行い、短時間の高温によってアクティブ化して、裏面の第二の注入領域を形成し、ステップS21からS24とステップS25に基づいて実施例6に示すダイオード構造を製造することができる。
【0068】
本ステップは、基板の表面の第一の注入領域が完了した後、第三の注入領域を作成してから、第二の注入領域を作成してもよく、
図12において、第三の注入領域の1種類のプロセス方式のみが示されており、即ち第一の注入領域が完了したと同時に第三の注入領域を作成することが示されている。
【0069】
リソグラフィする時に第三の注入領域が均一に間隔をおいて設置される複数の分割注入領域である場合、ステップS21からS24とステップS25に基づいて実施例8に示すダイオード構造を得ることができる。
【0070】
ステップS23において第二の注入領域を形成すると同時に、前記プロセスは、
基板の裏面に第一の導電型の第四の注入領域を形成することをさらに含み、ここで、第四の注入領域は、第二の注入領域を被覆し、第四の注入領域は、第二の注入領域と接触する。
【0071】
図12において、第三の注入領域の1種類のプロセス方式のみが示されており、即ち第二の注入領域と第四の注入領域が同時に作成されることが示されている。
【0072】
説明すべきこととして、第二の注入領域をリソグラフィすると同時に、基板の裏面の第四の注入領域を同時にリソグラフィしてから、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の裏面の第四の注入領域を形成し、本出願の実施例は、第二の注入領域を形成する前に、第四の注入領域を作成してもよい。
【0073】
説明すべきこととして、第二の注入領域を形成する前に、第四の注入領域を作成してもよく、まず、基板の裏面の第四の注入領域をリソグラフィしてから、不純物注入又は予備拡散を行い、そして高温拡散を行って、基板の裏面の第四の注入領域を形成する。ステップS21からS24とステップS26に基づいて実施例7に示すダイオード構造を製造することができる。
【0074】
以上の実施方案の各技術的特徴は、任意の組み合わせが可能になり、記述を簡潔にするために、上記実施方案における各技術的特徴のすべての可能な組み合わせをすべて記述していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載の範囲と考えるべきである。
【0075】
実施方案を結びつけながら本発明を記述したが、当業者は、理解すべきこととして、上記の記述と図面がただ例示的であり、限定的なものではなく、本出願は、開示された実施方案に限らない。本発明の精神を逸脱しない場合、様々な改造と変形は、可能になる。
【国際調査報告】