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特表2024-506379吸入可能なイマチニブ処方物、その製造および使用
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  • 特表-吸入可能なイマチニブ処方物、その製造および使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】吸入可能なイマチニブ処方物、その製造および使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/14 20060101AFI20240205BHJP
   A61K 31/506 20060101ALI20240205BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240205BHJP
   A61P 9/12 20060101ALI20240205BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20240205BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61K9/14
A61K31/506
A61P11/00
A61P9/12
A61P37/06
A61K9/72
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548863
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 US2022016422
(87)【国際公開番号】W WO2022174181
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/149,446
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521500731
【氏名又は名称】エアロベイト セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デイク, ベン
(72)【発明者】
【氏名】ニーブン, ラルフ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA26
4C076AA53
4C076AA93
4C076AA95
4C076BB27
4C076CC07
4C076CC11
4C076CC15
4C076FF68
4C076GG02
4C086AA01
4C086AA10
4C086BC50
4C086GA07
4C086GA08
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA37
4C086MA43
4C086NA10
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZA42
4C086ZA59
4C086ZB08
(57)【要約】
本発明は、吸入可能なイマチニブ処方物、その製造および使用に関する。本発明の組成物および方法は、特殊な処方物および送達機構の使用を通じて、イマチニブに基づくPAH処置に関する問題に取り組む。特に、本発明は、PAHおよび肺心臓血管系の他の状態を処置するために使用され得る、結晶イマチニブおよび/またはその塩の吸入可能な乾燥粉末処方物を提供する。乾燥粉末処方物を調製する際には、水分は通常は避けられるが、しかし、本発明は、高湿度へのその乾燥粉末の短い曝露後の驚くべき結果を同定する。そのような曝露が、所定の体積(例えば、カプセル)中のその微細粒子用量含有量を実際に顕著に増加し得、かつ深部肺浸透のためにその粒子の空気力学的プロファイルを実際に顕著に改善し得ることを、本発明は認識する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イマチニブ粒子を微粒子化する工程;および
該微粒子化イマチニブ粒子を水分に曝露する工程
を含む、吸入可能な処方物を調製する方法。
【請求項2】
前記微粒子化粒子が室温で約50%またはそれより高い相対湿度に曝露される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記微粒子化粒子が室温で約75%またはそれより高い相対湿度に曝露される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記微粒子化粒子が室温で約80%またはそれより高い相対湿度に曝露される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記微粒子化粒子が室温で約80%と約90%との間の相対湿度に曝露される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記水分への曝露が約1時間またはそれより短い期間にわたり生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記水分への曝露が約2時間またはそれより短い期間にわたり生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記水分への曝露が約3時間またはそれより短い期間にわたり生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記水分への曝露が約3時間またはそれより長い期間にわたり生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記曝露する工程が微粒子化後に生じる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
カプセルに前記微粒子化イマチニブ粒子を充填する工程をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記曝露する工程が充填後に生じる、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記吸入可能な処方物が、前記曝露工程に供されていない等価な吸入可能な処方物と比較して高い比率の微細粒子用量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
結晶乾燥粉末イマチニブまたはその塩と少なくとも約1%の水分含有量とを含む、イマチニブまたはその塩を含む吸入可能な処方物。
【請求項15】
結晶乾燥粉末イマチニブまたはその塩と少なくとも約5%の水分含有量とを含む、請求項14に記載のイマチニブまたはその塩を含む吸入可能な処方物。
【請求項16】
結晶乾燥粉末イマチニブまたはその塩と少なくとも約10%の水分含有量とを含む、請求項15に記載のイマチニブまたはその塩を含む吸入可能な処方物。
【請求項17】
結晶乾燥粉末イマチニブまたはその塩と少なくとも約15%の水分含有量とを含む、請求項16に記載のイマチニブまたはその塩を含む吸入可能な処方物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2021年2月15日に出願された米国仮特許出願番号63/149,446の利益およびそれに対する優先権を主張し、その米国仮特許出願の内容は、本明細書における参照によってその全体が本明細書によって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、吸入可能なイマチニブ処方物、その製造および使用に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、未知の原因で肺の動脈における血圧上昇を伴う状態であり、全身性高血圧とは区別される。PAHは進行性疾患であり、この疾患において、血流に対する抵抗が肺において増加して、肺、肺血管構造および心臓に対する損傷を引き起こし、最終的には死に到り得る。症状は血管拡張薬および他の薬物療法で処置可能であるが、公知の疾患修飾療法も疾患修飾治療も存在せず、進行した症例は最終的には肺移植を必要とし得る。
イマチニブ(特にそのメシル酸塩)は、特定の型のがんを処置することにおける使用のために承認されたチロシンキナーゼインヒビターである。PAHの場合に肺動脈において高度にアップレギュレートされるチロシンキナーゼ血小板由来増殖因子レセプター(PDGFR)を阻害するイマチニブの能力は、PAHを処置することにおけるその使用への関心をもたらした。Olschewski,H、2015、Imatinib for Pulmonary Arterial Hypertension-Wonder Drug or Killer Drug?、Respiration、89:513~514(本明細書において参照によって援用される)を参照のこと。そのために、PAHを処置することにおけるイマチニブの能力を決定するために研究が行われ、患者がその処置に対して都合よく反応することが見出された。残念なことに、容認できない量の重篤な有害事象(硬膜下血腫を含む)が、この薬物に関する熱狂を鈍らせた。Frostら、2015、Long-term safety and efficacy of imatinib in pulmonary arterial hypertension、J Heart Lung Transplant、34(11):1366~75(本明細書において参照によって援用される)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Olschewski,H、2015、Imatinib for Pulmonary Arterial Hypertension-Wonder Drug or Killer Drug?、Respiration、89:513~514
【非特許文献2】Frostら、2015、Long-term safety and efficacy of imatinib in pulmonary arterial hypertension、J Heart Lung Transplant、34(11):1366~75
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
本発明の組成物および方法は、特殊な処方物および送達機構の使用を通じて、イマチニブに基づくPAH処置に関する問題に取り組む。特に、本発明は、PAHおよび肺心臓血管系の他の状態を処置するために使用され得る、結晶イマチニブおよび/またはその塩の吸入可能な乾燥粉末処方物を提供する。乾燥粉末処方物を調製する際には、水分は通常は避けられるが、しかし、本発明は、高湿度へのその乾燥粉末の短い曝露後の驚くべき結果を同定する。そのような曝露が、所定の体積(例えば、カプセル)中のその微細粒子用量含有量を実際に顕著に増加し得、かつ深部肺浸透のためにその粒子の空気力学的プロファイルを実際に顕著に改善し得ることを、本発明は認識する。
【0006】
特定の実施形態において、製粉された粉末処方物が、(室温で)約50%、60%、70%、80%、90%またはそれより高い相対湿度のレベルの湿度に30分間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、6時間、12時間、24時間、またはそれより短い期間にわたり曝露され得る。好ましい実施形態において、本発明の乾燥粉末処方物は、80%~90%の相対湿度に約3時間曝露され得る。特定の実施形態において、その湿度への曝露は、カプセル充填物用量(capsule fill dose)のうちの微細粒子用量(fine particle dose)において約10%~約20%の増加を生じ得、それにより、より小さい空気力学的半径を提供し得、固定動作条件を使用して乾燥粉末吸入器デバイスからの改善した粉末分散および脱凝集を示す。曝露は、乾燥粉末吸入器における使用のための処方物をカプセルに充填した後を含む、微粒子化プロセス後の任意の時点で起こり得る。水分含有量は、上記のとおり微粒子化後のより高い相対湿度への意図的な曝露の結果であり得る。
【0007】
そのようにして、本発明は、従来の経口経路またはIV経路ならびに湿度への曝露に供されていない吸入可能な処方物を通じて投与される等価な用量のイマチニブまたはイマチニブメシル酸塩よりも大きな肺曝露を提供する、イマチニブおよびその塩の吸入可能な処方物を提供する。したがって、比較的高い経口用量のイマチニブまたはイマチニブメシル酸塩が、本発明の処方物の吸入によって達成されるのと同じ標的肺曝露を達成するためには必要となる。したがって、本発明の吸入可能な処方物の使用は、イマチニブメシル酸塩の長期的経口投与で経験される有害事象を伴うことなく、PAHおよび肺心臓血管系の他の状態の処置のために治療量のイマチニブが肺に到達するのを可能にする。
【0008】
特定の実施形態において、本発明の化合物および方法は、完全にかまたはほとんど完全に単一の結晶形(例えば、80%よりも高いか、85%よりも高いか、90%よりも高いか、95%よりも高いか、99%よりも高いか、もしくは100%の単一の結晶形)を有する吸入可能な形態でイマチニブまたはその塩を提供し、それにより、制御され予測可能な投与および患者の反応を可能にする。特定の実施形態において、その吸入可能な処方物中のイマチニブまたはその塩のうちの95%よりも多くが、単一の結晶形で存在し得る。
【0009】
特定の実施形態において、吸入可能なイマチニブ化合物は、吸入用の乾燥粉末処方物のために望ましい粒径を達成するように乾式製粉を使用して微粒子化され得る。イマチニブまたはその適切な塩は、望ましい深部肺浸透のために粒径約0.5μm~約5μmの空気力学的質量中央径(MMAD)へ微粒子化され得る。吸入される製品は、投与され得る粉末の質量に関して制限され得、特定のイマチニブ塩が、その吸入される化合物の分子量に顕著に寄与する。したがって、特定の実施形態において、イマチニブ遊離塩基が、肺組織への活性部分の効率的な送達のために好ましいものであり得る。必要とされる場合には、種々の賦形剤またはキャリアが、適用に依存して、微粒子化の前または後にイマチニブまたはその塩へ添加され得る。例えば、キャリア、賦形剤、調整剤(conditioner)、および力制御剤(force control agent)が、ラクトース(吸入中のイマチニブの分離を増加するために種々の溶媒で調整され得る)、ステアリン酸マグネシウム、ロイシン、イソロイシン、ジロイシン、トリロイシン、レシチン、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearylphosphatidylcholine)(DSPC)もしくは他の脂質ベースのキャリア、または種々の親水性ポリマーとともに含まれ得る。当業者は、賦形剤またはキャリアが必要に応じたものであることおよび本発明の多くの実施形態が賦形剤もキャリアも必要としないことを、認識する。
【0010】
本発明の化合物および方法の別の利点は、微粒子化の後でさえ、その処方物からすべてまたはほとんどの非晶質のイマチニブを排除する能力である。上記のとおり、結晶形が薬物動態および薬物投与、ならびに物理化学的安定性にとって重要であり得るので、それゆえ、非晶質の含有物を回避することが、予測可能で効率的な治療を提供することにとって重要であり得る。少量の非晶質の含有物(例えば、0.1%(重量/重量)~0.5%(重量/重量))が、製粉された粉末において生成され得る。いかなる特定の科学的理論にも拘束されることを望まないが、上記の湿度への曝露が、この少量の新たに生成される非晶質の含有物から、より安定な結晶状態への転移を触媒すると、考えられる。
【0011】
本明細書において記載される吸入可能な処方物は肺または微小血管系の標的組織におけるイマチニブの取込みを調節し得るので、本発明の処方物は、標的組織に到達する前に薬物を全身に導入する他の投与経路によって投与されるより高用量に関連する有害事象を回避しつつ、肺循環系(pulmonary cardiovascular system)の種々の状態を処置するために使用され得る。例えば、本発明の化合物および方法は、PAHならびに肺移植片拒絶、肺静脈閉塞症(PVOD)、および他の疾患(駆出率が保たれた心不全(HFpEF)または住血吸虫症など)の二次症状である肺高血圧症を処置するために使用され得る。用量範囲は、1日につき2~4回のスケジュールにおける吸入のために1回分の投与量当たり約10mg~約100mgの間を含み得る。その後、約0.1mg~約20mgの活性イマチニブ化合物が、吸入後に肺の内部に存在し得る。
【0012】
特定の実施形態において、本発明の処方物は、遊離塩基形態のイマチニブの処理および投与を含み得る。本発明の遊離塩基イマチニブ処方物は、微粒子化後に結晶化度を保持し得、特定の他のイマチニブ塩よりも吸湿性が小さい。この差異のある吸湿性は、少量の非晶質の含有物による水の選択的吸収に寄与し得、この少量の非晶質の含有物は、後でその好ましい結晶形への転移後に脱落され得る。
【0013】
その吸入可能な処方物は、乾燥粉末の状態であり得る。一部の実施形態において、その吸入可能な処方物は、結晶イマチニブの懸濁物であり得る。そのイマチニブは、肺循環系(pulmonary cardiovascular system)の状態(例えば、肺動脈性肺高血圧症(PAH))を処置するための治療有効量で存在し得る。その塩は、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、キシナホ酸塩、フロ酸塩、トリフェニル酢酸塩、HCl、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩およびマロン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種であり得る。好ましい実施形態において、その塩は、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、マロン酸塩、イセチオン酸塩、またはクエン酸塩であり得る。その吸入可能な処方物は、1種以上のキャリア薬剤をさらに含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、湿度への曝露前および曝露後の新世代インパクターの粒度分布プロファイルを示す。
図2図2は、製粉した粉末のサンプルと対比した製粉していない粉末のサンプルに関する蒸気吸着等温線を示す。
図3図3は、噴霧乾燥したイマチニブに関する示差走査熱量測定の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(詳細な説明)
本発明は、イマチニブおよびその塩の吸入可能な処方物に関する。イマチニブとは、本明細書全体を通して使用される場合は、その塩が記載されていない限りは、その遊離塩基化合物を指す。遊離塩基としてのイマチニブは、以下の構造
【化1】
を有する。
【0016】
本明細書において記載される方法および組成物は、経口投与されるかまたはIVを通じて投与される等価な用量で得られるよりも高いイマチニブ濃度を標的肺組織において提供する。したがって、本発明の方法および組成物は、全身投与において必要されるよりも低用量による肺心臓血管系の状態(例えば、PAH)の処置を可能にし、それによって、硬膜下血腫を含む有害事象のリスク(Frostらを参照のこと)を低下させる。したがって、本発明は、従来は実際の適用のためには危険すぎた、生命を脅かす疾患のための実行可能な処置方法を提供する。
【0017】
特定の実施形態において、本発明の化合物は、イマチニブまたはその塩の処方物を含む。好ましい実施形態において、遊離塩基イマチニブが、肺心臓血管系の状態(PAHなど)を処置するために吸入用処方物中で(乾燥粉末または懸濁物のいずれかの状態で)使用される。吸入可能な処方物において使用される場合には、遊離塩基イマチニブがその望ましい特徴に起因して好ましいが、特定の塩形態もまた企図される。種々の実施形態において、適切な熱安定性および少数または単一の多形形態を示すことが見出されたイマチニブ塩としては、グリコール酸塩、イセチオン酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、およびリンゴ酸塩が挙げられる。本明細書において企図される他の塩は、キシナホ酸塩、フロ酸塩、トリフェニル酢酸塩、HCl、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、アジピン酸塩、およびクエン酸塩である。
【0018】
種々の実施形態において、微粒子化イマチニブおよびその塩は、室温で少なくとも約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%の相対湿度に約0.5時間未満、約1時間、約1.5時間、約2時間、約2.5時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約12時間、約24時間またはそれより短い期間、曝露され得る。好ましい実施形態において、本発明の乾燥粉末処方物は、80%~90%の相対湿度に約3時間曝露され得る。特定の実施形態において、その湿度への曝露は、カプセル充填物用量中の微細粒子組成において約10%~約20%の増加を生じ得、より小さい空気力学的半径を提供し得る。
【0019】
図1は、湿度への曝露を用いて調製された本発明の吸入可能な乾燥粉末処方物のいくつかの利点を示す。ジェネレーターインパクター(generator impactor)のプロファイルが、高湿度で短時間の(室温で80%~90%の相対湿度、約3時間)の調整の前および後の両方で、セラミック製粉粉末について調製された。微細粒子用量(fine particle dose)(すなわち、ステージ3-MOCレベルによって表される予測される肺用量)は、そのカプセル充填物用量の10%~20%増加される。さらに、測定された空気力学的半径は、肺浸透のために好ましい、より小さいサイズへとシフトした。特定の実施形態において、本発明の組成物は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、または15%の水分含有量を含むイマチニブまたはその塩の乾燥粉末処方物を含む。
【0020】
湿度への曝露の利点が、表1において詳述されるカプセル充填物の%として、曝露前の送達用量(N=7)および曝露後の送達用量(N=9)でさらに示される。ここでもまた、その曝露は、約3時間の室温で80%~90%の相対湿度からなった。
【表1】
【0021】
表1において示されるとおり、肺浸透のために望ましい微細粒子の割合(fine particle fraction)(FPF)が、湿度調整の後に、充填物体積、送達用量、および放出用量(emitted dose)で増加した。一般に、製粉後の粉末における見かけ上のより多量の非晶質の含有物は、不十分な空気力学的粒度分布と相関関係がある。いかなる特定の科学的理論にも拘束されることを望まないが、製粉の際に、少量の非晶質の含有物がその粉末処方物において生成され得ると、考えられる。これは、その相対湿度が80%~90%の範囲に到達する場合の重量損失によって示される。図2は、製粉した粉末のサンプルと対比した製粉していない粉末のサンプルに関する蒸気吸着等温線を示す。図2において示される約85%の相対湿度での重量損失は、製粉した粉末中の非晶質の含有物が結晶状態に変換することと一致して、転移が生じたことを示唆する。製粉した粉末における水分の取込みは、転移を示さずヒステリシスを実質的に示さない製粉していない粉末の水分の取込みよりも多い。さらに、製粉した粉末において吸着-脱離サイクルを反復した際に、転移がないことが明らかであった。これは、この事象が可逆的ではないことを示す。製粉していない物質および製粉した物質の両方について、水分の取込みは非常に少なかった。
【0022】
非晶質の含有物に吸着した水分は、より安定な結晶状態への少量の非晶質の含有物における転移をその吸着した水が触媒するのを助ける上記のレベルに相対湿度が到達するまで、重量を増加させたと考えられる。その後、その水は脱落され、相対湿度が80%~90%の範囲に到達する場合に測定される重量損失を生じる。代表的には、0.1%(重量/重量)~0.5%(重量/重量)の範囲にある非晶質の含有物のレベルが微粒子化の結果として観察されるが、一部の製粉された粉末において、「過剰製粉」状況において、またはその粉末における任意の上昇した粉砕レベルで、それらの非晶質の含有物のレベルは、より高まったものであり得る。
【0023】
特定の実施形態において、本明細書において記載される高湿度(85%~90%)への一定期間の曝露は、製粉された粉末の挙動の変化を生じることが見出された。例えば、加湿後の粉末は、ドージングガン(dosing gun)においてプラグ(plug)を形成する可能性が未処理の粉末と比較して低いものであり得る。さらに、加湿後の粉末は、Emphasys Innovatec(Brazil)から入手可能なCDA Halerを使用して、新世代インパクター(NGI)において60L/分(LPM)でより小さいNMADおよびより高い微細粒子の割合(例えば、<4.46μm)への実質的シフト(例えば、約56LPMで4kPaの低下)を示すことが、見出された。
【0024】
約25℃で漸増する相対湿度に曝露されたサンプルの動的蒸気吸着分析を使用して、重量の損失が約80%の相対湿度で認められた。脱離およびサイクル反復の後で、重量の損失は繰り返されなかった。重量の損失は、非晶質から結晶への転移から生じると考えられる。
【0025】
湿度へ粉末を12時間以上曝露し、前後の送達性能を評価し、その後で非常に低い相対湿度(例えば、<5%の相対湿度)で約24時間、粉末を脱離させるように試みた後で、加湿後の粉末の結果と比較して、送達性能の変化は何も観察されなかった。したがって、湿度処理の影響(例えば、非晶質から結晶への転移)はその湿潤条件から取り出した際に逆転しないと考えられる。
いかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、走査熱量測定研究は非晶質のイマチニブのガラス転移温度(T)が相対湿度の関数として減少することを示し、そのことは水分がその転移を促進するための触媒として作用し得る(すなわち、そのエネルギー障壁を低下し得る)ことを示すと、考えられる。周囲条件下でのTは、Tの近似値がケルビンでの融解温度の2/3であることに基づいて、約67℃であると考えられる。非晶質の含有物のガラス転移温度(T)を適切に検出するために、イマチニブのサンプルが有機溶液(エタノール)から噴霧乾燥され、高い割合の非晶質の粉末を生じた。この粉末は示差走査熱量測定に供された。その結果は図3に示されており、その結果により、67℃のTと、非晶質から結晶への転移に関連し得る約91℃で開始する顕著な発熱とが確認される。
【0026】
したがって、本明細書において記載される湿度への曝露がそのTを減少させる場合には、ここでもまたいかなる特定の理論にも拘束されることを望まないが、製造中または取扱い中に経験した温度は結晶形態への転移を駆動し得たと考えられる。
【0027】
特定の実施形態において、粉末は、瓶中のヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)カプセルまたは他のカプセルに保存され得る。カプセルの水分は約7%であり得、そのカプセル中に含まれる粉末含有物の水分よりもかなり高い。そのカプセル内の平衡相対湿度はそれに応じて高い可能性がある。したがって、粉末がカプセル充填前に上記の非晶質から結晶への転移を経験しなかった場合には、その粉末は保存中に転移し得る。そのような転移は、ほとんどの環境での保存の最初の2か月~3か月にわたって観察される送達性能の改善を説明し得る。したがって、特定の実施形態において、本発明のシステムおよび方法は、非晶質の含有物を減少させ吸入可能な性能を改善するために、患者への投与前に本発明の吸入可能な処方物を増加した相対湿度でカプセル中に保存することを含み得る。保存時間は、種々の実施形態において、少なくとも1日間、少なくとも1週間、少なくとも1か月間、少なくとも2か月間、少なくとも6か月間、またはそれより長い可能性がある。
【0028】
本発明の方法および処方物を用いて得られる別の予測されなかった結果は、本発明のイマチニブ処方物が従来のイマチニブメシル酸塩化合物よりも顕著に吸湿性が小さいことである。したがって、本発明のイマチニブ処方物は、乾燥粉末吸入により適しており、5%未満の水分含有量、4%未満、3%未満、2%未満、または好ましい実施形態においては1%未満の水分含有量を含み得る。
【0029】
本発明の処方物および方法は、米国出願公開番号2020/0360376、同2020/0360275、同2020/0360377、同2020/0360276、同2020/0360277、同2020/0375895、同2020/0360279、および同2020/0360477に記載されている処方物および方法と組み合わせて使用され得、これらの米国出願公開の各々の内容は、本明細書において参照によって援用される。
【0030】
種々の実施形態において、本発明のイマチニブ処方物は、肺循環系(pulmonary cardiovascular system)の種々の状態(例えば、PAH)を処置することにおける使用のための薬学的組成物であり得る。例えば、イマチニブは、血小板由来増殖因子レセプター(PDGFR)の強力なインヒビターである。したがって、本発明の組成物は、イマチニブに対して感受性であるPDGFRまたは他のキナーゼの阻害に関わるあらゆる疾患もしくは状態を処置するために使用され得る。
【0031】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、PAHを処置するために使用され得る。PAHまたは他の障害の処置のために、本明細書において記載される種々の実施形態にしたがう治療有効量のイマチニブの薬学的組成物が、望ましい量のイマチニブ化合物を標的肺組織に送達するために、吸入によって(例えば、乾燥粉末吸入器または噴霧器によって)送達され得る。
【0032】
PAHおよび肺循環系(pulmonary cardiovascular system)の他の状態を処置するための投薬量は、1日につき1回、2回または3回のスケジュールで吸入するために1回分の投与量当たり約10mg~約100mgの間の範囲内であり得る。その後、約0.1mg~約20mgの活性なイマチニブ化合物が、吸入後に肺に存在し得る。特定の実施形態において、約10mg~30mgのイマチニブが、肺に到達すると期待される約0.5mg~約10mgのその化合物を含む乾燥粉末吸入一回量用のカプセル中で提供され得る。吸入可能な懸濁物の実施形態において、イマチニブは、1用量中に約0.3mg/kg~約1mg/kgで存在し得、望ましい治療結果を得るために1日1回~1日4回投与され得る。
【0033】
特定の実施形態において、本発明のイマチニブ処方物は、住血吸虫症の結果としての肺高血圧症を処置するために使用され得る。例えば、Liら、2019、The ABL kinase inhibitor imatinib causes phenotypic changes and lethality in adult Schistosoma japonicum、Parasitol Res.、118(3):881~890;Grahamら、2010、Schistosomiasis-associated pulmonary hypertension:pulmonary vascular disease:the global perspective、Chest、137(6 Suppl):20S~29S(それらの各々の内容が、参照によって本明細書において援用される)を参照のこと。
【0034】
本発明のイマチニブ薬学的組成物は、臓器拒絶を防ぐために肺移植レシピエントを処置するために使用され得る。Keilら、2019、Synergism of imatinib, vatalanib and everolimus in the prevention of chronic lung allograft rejection after lung transplantation (LTx) in rats、Histol Histopathol、1:18088(本明細書において参照によって援用される)を参照のこと。
【0035】
特定の実施形態において、本明細書において記載される薬学的組成物は、肺静脈閉塞症(PVOD)を処置するために使用され得る。Satoら、2019、Beneficial Effects of Imatinib in a Patient with Suspected Pulmonary Veno-Occlusive Disease、Tohoku J Exp Med.、2019、Feb;247(2):69~73(本明細書において参照によって援用される)を参照のこと。
【0036】
イマチニブが治療効果を生じ得る肺循環系(pulmonary cardiovascular system)のあらゆる状態の処置のために、本発明の化合物および方法は、低い結晶多形および非晶質の含有量によって提供される一貫性のある予測可能な薬物動態を伴って、吸入によって標的肺組織でより高い濃度を提供するために使用され得る。標的組織における治療化合物の効率的局在化は、より少ない全身への曝露と、イマチニブメシル酸塩の長期的経口投与に関連する有害事象の回避とを可能にする。
【0037】
本発明の化合物がヒトおよび哺乳動物に医薬品として投与される場合、それらは、単独で、または例えば、0.1%~99.5%(より好ましくは0.5%~90%)の有効成分(すなわち、少なくとも1種の本発明の治療化合物および/もしくはその誘導体)を薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて含む薬学的組成物として、与えられ得る。
【0038】
各作用物質の有効投薬量は、患者の年齢、体重、性別および病歴などの代表的因子を考慮して、当業者によって容易に決定され得る。一般に、本発明の化合物の適切な一日量は、治療効果を生じるのに有効な最低用量であるその化合物の量である。そのような有効用量は、一般的には、上記の因子に依存する。
【0039】
望ましい場合、活性化合物の有効一日量は、その日を通して適切な間隔で(必要に応じて単位投薬形態で)別々に投与される2、3、4、5、6、またはそれより多くの分割投与量(sub-dose)として投与され得る。
【0040】
本発明の薬学的組成物は、「治療有効量」または「予防有効量」の1種もしくはそれより多くの本発明の化合物またはその機能的誘導体を含む。「有効量」とは、定義のセクションで本明細書で定義されるような量であり、望ましい治療結果(例えば、PAHに関連する作用の減少または防止)を達成するために必要な投薬量および期間で有効な量を指す。本発明の化合物またはその機能的誘導体の治療有効量は、対象の疾患状態、年齢、性別、および体重、ならびにその治療化合物がその対象において望ましい反応を惹起する能力などの因子にしたがって、変化し得る。治療有効量はまた、その治療剤のいかなる毒性作用にも有害作用にもその治療上有益な効果が勝る、量である。
【0041】
「予防有効量」とは、望ましい予防結果を達成するために必要な投薬量および期間で有効な量を指す。代表的には、予防用量は疾患の前または疾患の初期段階の対象において使用されるので、その予防有効量は、治療有効量よりも少ないものであり得る。予防有効量または治療有効量はまた、その化合物のいかなる毒性作用にも有害作用にもその有益な効果が勝る、量である。
【0042】
投薬レジメンは、最適な望ましい反応(例えば、治療反応または予防反応)を提供するように調整され得る。例えば、単回の吸入可能なボーラスが投与されてもよく、いくつかの分割投与量が経時的に投与されてもよく、または用量が、治療状況の緊急性によって示されるのに比例して減少もしくは増加されてもよい。本発明の薬学的組成物中にある活性成分の実際の投薬量レベルは、患者に対して毒性であることなく、特定の対象、組成物、および投与様式のために望ましい治療反応を達成するために有効である活性成分の量を得るように変化され得る。
【0043】
本明細書において使用される用語「投薬単位」とは、処置されるべき哺乳動物対象用の単位となる投与量として適している、物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる薬学的キャリアと一緒に望ましい治療効果を生じるように計算された所定量の活性化合物を含む。本発明の投薬単位形態に関する詳細は、(a)その化合物の独自の特徴と、(b)個体における感受性の処置に関するそのような活性化合物を調合する分野において固有の制限とによって、規定され、これらに直接的に依存する。
【0044】
一部の実施形態において、治療有効量は、細胞培養アッセイまたは動物モデル(通常は、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタ)のいずれかにおいて、まず評価され得る。その動物モデルはまた、望ましい濃度範囲および投与経路を達成するために使用される。その後、そのような情報は、他の対象における有用な用量および投与経路を決定するために使用され得る。一般的には、治療有効量は、対象におけるPAH症状を減少するのに十分である。一部の実施形態において、治療有効量は、対象におけるPAH症状を排除するのに十分である。
【0045】
特定の患者のための投薬量は、従来の考慮事項を使用して(例えば、適切な従来の薬理学的プロトコルによって)当業者によって決定され得る。医師は、例えば、最初に、比較的低用量を処方し得、その後、適切な反応が得られるまでその用量を増加し得る。患者に投与される用量は、その患者における有益な治療反応を経時的にもたらすため、もしくは例えば、症状を減少させるため、または適用に依存して、他の適切な活性をもたらすために、十分である。その用量は、特定の処方物の効力、および本発明の化合物もしくはその機能的誘導体の活性、安定性、または半減期、ならびに患者の状態、ならびに処置されるべき患者の体重または表面積によって、決定される。その用量の大きさはまた、特定の対象における特定のベクター、処方物などの投与に付随するあらゆる有害な副作用の存在、性質および程度によって決定される。本発明の1種もしくはそれより多くの化合物またはそれらの機能的誘導体を含む治療組成物は、必要に応じて、1種もしくはそれより多くの適切なインビトロおよび/またはインビボの疾患の動物モデル(例えば、PAHのモデル)において、当該分野において周知の方法にしたがって効力を確認し、組織代謝を確認し、投薬量を評価するために、試験される。特に、投薬量は、適切なアッセイにおいて、非処置と比較した処置の活性、安定性または他の適切な尺度(例えば、非処置細胞モデルまたは非処置動物モデルと比較した処置細胞モデルまたは処置動物モデルの比較)によってまず決定され得る。処方物は、例えば、その患者の質量および健康全般に適用された場合に、関連処方物のLD50および/または種々の濃度の本発明の化合物もしくはその機能的誘導体のなんらかの副作用の観察によって決定される速度で、投与される。投与は、一回量または分割投与量によって達成され得る。
【0046】
用語「薬学的組成物」とは、本明細書において記載される化合物と、薬学的に受容可能なキャリア、希釈剤、佐剤、賦形剤、またはビヒクル(例えば、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、矯味矯臭剤(flavoring agent)、香料(perfuming agent)、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤、および分散剤)を含む少なくとも1種の成分とを、投与様式および投薬形態の性質に依存して含む、組成物を意味する。
【0047】
用語「薬学的に受容可能なキャリア」は、本明細書において記載される任意のキャリア、希釈剤、佐剤、賦形剤、またはビヒクルを意味するために使用される。懸濁化剤の例としては、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物が挙げられる。微生物の作用の防止が、種々の抗菌剤および抗真菌剤(例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸など)によって保証され得る。等張剤(例えば、糖、塩化ナトリウムなど)を含むこともまた、望ましいものであり得る。注射可能な薬学的形態の長期的吸収が、吸収遅延剤(例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン)の使用によってもたらされ得る。適切なキャリア、希釈剤、溶媒、またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール、それらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が挙げられる。賦形剤の例としては、ラクトース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸水素カルシウムが挙げられる。崩壊剤の例としては、デンプン、アルギン酸、および特定の複合ケイ酸塩が挙げられる。滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、ならびに高分子量ポリエチレングリコールが挙げられる。
【0048】
用語「薬学的に受容可能な」とは、それが、健全な医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性も刺激もアレルギー応答なども伴わずにヒト細胞および下等動物細胞と接触して使用するために適切であり、妥当なベネフィット/リスク比に見合っていることを、意味する。
【0049】
(参照による援用)
他の文書、例えば、特許、特許出願、特許公開、雑誌、書物、論文、ウェブコンテンツの参照および引用が、本開示全体と通してなされてきた。
【0050】
そのような文書はすべて、すべての目的のために、その全体が本明細書によって参照によって本明細書において援用される。
【0051】
(等価物)
本明細書において示され記載される実施形態に加えて、本発明およびその多くのさらなる実施形態の種々の改変が、本文書の全内容(本明細書において引用される科学文献および特許文献の参照を含む)から当業者にとって明らかになる。本明細書における主題は、本発明の種々の実施形態およびそれらの等価物において本発明の実施に適合され得る、重要な情報、例証および指針を含む。
図1
図2
図3
【国際調査報告】