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特表2024-506406熱交換器、熱交換器の動作方法、熱交換器の製造方法、復熱器として熱交換器を有するガス冷凍機、ガス処理装置および空気調和装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】熱交換器、熱交換器の動作方法、熱交換器の製造方法、復熱器として熱交換器を有するガス冷凍機、ガス処理装置および空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/04 20060101AFI20240205BHJP
   F28F 3/06 20060101ALI20240205BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
F28F3/04 A
F28F3/06 Z
F28F3/08 311
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549542
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2022054002
(87)【国際公開番号】W WO2022175411
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021201532.8
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523159889
【氏名又は名称】ヨストエアテック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】JustAirTech GmbH
【住所又は居所原語表記】Hohenlindener Strasse 1, 81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100134119
【弁理士】
【氏名又は名称】奥町 哲行
(72)【発明者】
【氏名】セドラック・ホルガー
(57)【要約】
第1の流体の第1の流れ方向に沿って第1の横断方向に延在する第1の流体についての第1の数のチャネル(101a、101b、101c)であって、第1の横断方向が第1の流れ方向に沿って変化する、第1の数のチャネルと、第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在する第2の流体についての第2の数のチャネル(102a、102b、102c)であって、第2の横断方向が第2の流れ方向に沿って変化する、第2の数のチャネルと、第1の数のチャネルおよび第2の数のチャネルが熱的相互作用し、第1または第2の流れ方向に対する熱交換器の第1の位置において、第1の横断方向または第2の横断方向が、第1または第2の流れ方向に対する熱交換器の第2の位置における第1または第2の横断方向とは異なるように構成された壁構造(200a~200e、202a~202d)と、を備える、熱交換器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器であって、
第1の流体の第1の流れ方向に沿って第1の横断方向に延在する前記第1の流体についての第1の数のチャネル(101a、101b、101c)であって、前記第1の横断方向が前記第1の流れ方向に沿って変化する、第1の数のチャネルと、
第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在する前記第2の流体についての第2の数のチャネル(102a、102b、102c)であって、前記第2の横断方向が前記第2の流れ方向に沿って変化する、第2の数のチャネルと、
前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが熱的相互作用し、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第1の位置において、前記第1の横断方向または前記第2の横断方向が、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第2の位置における第1または第2の横断方向とは異なるように構成された壁構造(200a~200e、202a~202d)と、を備える、熱交換器。
【請求項2】
前記第2の数のチャネルのうちの1つのチャネル(102b)が前記第1の数のチャネルのうちの2つのチャネル(101a、101b)の間に配置されるように、前記第1の数のチャネルが前記第2の数のチャネルと交互配置され、または
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記熱交換器の前記第1の位置における前記第1の横断方向および前記第2の横断方向が同じであり、前記熱交換器の前記第2の位置における前記第1の横断方向および前記第2の横断方向が同じであり、前記熱交換器の前記第1の位置における前記第1の横断方向および前記第2の横断方向とは異なるように構成される、
請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが、前記第1の流れ方向が前記第2の流れ方向と反対になるように構成される、逆流熱交換器として構成される、請求項1または2に記載の熱交換器。
【請求項4】
少なくとも5つの第1のチャネルおよび少なくとも5つの第2のチャネルが配置された体積を備え、
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルを互いに流体的に接続し、前記第2の数のチャネルを互いに流体的に接続し、前記第1の数のチャネルの前記チャネルを前記第2の数のチャネルの前記チャネルから流体的に分離するように構成され、
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが、前記第1および第2の横断方向に前記第1の位置において前記体積を完全に貫通するように、且つ前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが、前記第1および第2の横断方向に前記第2の位置において前記体積を完全に貫通するように構成され、前記第1の位置の前記第1および第2の横断方向が、前記第2の位置の前記第1および第2の横断方向とは異なる、
請求項1から3のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項5】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の位置における前記第1の横断方向が前記第2の位置における前記第1の横断方向に対して60°から120°の角度をなすように、または、前記第1の位置における前記第2の横断方向が前記第2の位置における前記第2の横断方向に対して60°から120°の角度をなすように、且つ前記第1の位置が前記第2の位置から0.5mmから2cmの距離だけ離間されるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項6】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1または第2の横断方向に沿って前記第1の数のチャネルと前記第2の数のチャネルとを分離する平行領域を前記第1の位置に有し、前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記他の第1または第2の横断方向に沿って前記第1の数のチャネルと前記第2の数のチャネルとを分離する平行領域を前記第2の位置に有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルのうちの第1のチャネルをいくつかの第1の部分チャネルに分割し、前記第1の数のチャネルのうちの第2のチャネルをいくつかの第2の部分チャネルに分割するように、前記第1の横断方向に沿った前記第1の数のチャネルについての流れ分割部分(301、302、303、304)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1または前記第2の位置に前記第1または第2の数のチャネルのチャネルを形成するように、前記第1または前記第2の流体が流れる1つまたは複数の他の部分チャネルと部分チャネルを結合するための流れ結合部分を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項9】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルを分割するための前記流れ分割部分が、部分チャネルを前記第2の数のチャネルのチャネルに結合するための前記流れ結合部分を表すように構成される、請求項7または8に記載の熱交換器。
【請求項10】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルのチャネルが水平な横断方向を有する前記第1の位置と、前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルのチャネルが垂直な横断方向を有する前記第2の位置との間で、前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が菱形に構成され、それにより、流れ分割部分によって形成された部分チャネルが、垂直方向および水平方向の両方で、前記部分チャネルを通って同じ流体が流れる別の部分チャネルに隣接する、請求項1から9のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項11】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルまたは前記第2の数のチャネルのチャネルを、それぞれが異なる長さの側面を有する正方形または菱形を含むいくつかの部分チャネルに分割するように構成される、請求項7から10のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項12】
流れ方向における流れ分割部分または流れ結合部分が、前記第1または第2の数のチャネルのチャネルの底壁の隆起部を徐々に増加させること、または前記第1または第2の数のチャネルのチャネルの上壁の陥凹部を徐々に増加させることを含み、前記チャネルを前記部分チャネルに切断するために、隆起部および陥凹部とが、前記隆起部または陥凹部の始点間の中央領域において交わる、請求項7から11のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項13】
前記第1の横断方向に対して、前記第1の数のチャネルのチャネルの流れ分割部分が前記第2の数のチャネルのチャネルの2つの流れ分割部分の間に配置されるように、前記第1の数のチャネルの前記流れ分割部分が、前記第2の数のチャネルの流れ分割部分に対してオフセットされている、請求項7から12のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項14】
前記第1の横断方向に対して、前記第1の数のチャネルのチャネルの流れ結合部分が前記第2の数のチャネルのチャネルの2つの流れ結合部分の間に配置されるように、前記第1の数のチャネルの前記流れ結合部分が、前記第2の数のチャネルの流れ結合部分に対してオフセットされている、請求項8から13のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項15】
第1の収集領域(711)と、
第2の収集領域(731)と、を備え、
前記第1の数のチャネルの入力が、前記第1の収集領域(711)に接続され、前記第2の数のチャネルの入力が、前記第2の収集領域(731)に接続され、前記第1の収集領域(711)が、前記第2の収集領域(731)から流体的に分離されている、
請求項1から14のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項16】
前記第1の数のチャネルの出力に接続された第3の収集領域(721)と、前記第2の数のチャネルの出力に接続された第4の収集領域(741)と、をさらに備え、前記第3の収集領域(721)および前記第4の収集領域(741)が互いに流体的に分離されている、
請求項15に記載の熱交換器。
【請求項17】
前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが、第1の体積を含む第1の段を表し、
前記熱交換器が、第2の体積を含むさらなる第1の数のチャネルおよびさらなる第2の数のチャネルを有する第2の段を備え、
前記第1の体積が前記第2の体積と同じであり、前記第2の段の前記さらなる第1の数が前記第1の段の前記第1の数よりも大きいか、または前記第2の段の前記さらなる第2の数のチャネルが前記第2の段の前記第2の数のチャネルよりも大きいか、または
前記第1の体積が前記第2の体積よりも大きく、前記さらなる第2の数が前記第1の数よりも大きく、前記さらなる第2の数が前記第1の数に等しい、
請求項1から16のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項18】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルが外側から内側に体積内に延在し、前記第2の数のチャネルが前記体積内で内側から外側に延在するように構成され、前記第1の方向が、前記体積の円周に平行になるように曲げられ、前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルを有する第1の部分と、さらなる第1の数のチャネルおよびさらなる第2の数のチャネルを有する第2の部分との間のインターフェース(760、770)において、前記さらなる第2の数が前記第1の数よりも小さく、前記インターフェースにおける前記さらなる第1の数の前記チャネルの寸法が、前記インターフェースにおける前記第1の数のチャネルの寸法よりも大きい、請求項1から17のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項19】
前記第1の数のチャネルの前記チャネルが、前記第1の流れ方向において外側から内側に向かって先細になり、前記第2の数のチャネルの前記チャネルが、前記流れ方向において内側から外側に向かって増加する、請求項1から18のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項20】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルのチャネルと前記第2の数のチャネルの隣接するチャネルとの間に0.01mmから1mmの厚さを有するように構成されるか、または前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記熱交換器の体積の5から40%の部分、好ましくは前記熱交換器の体積の15から20%の部分を含むように構成されるか、または前記壁構造(200a~200e、202a~202d)がプラスチックから形成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項21】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1の数のチャネルまたは前記第2の数のチャネルが、前記熱交換器の動作方向に垂直な1つまたは複数の領域を含むように構成され、前記領域が、前記熱交換器を通って前記上部から前記底部まで延在し、凝縮液放散手段が、1つまたは複数の垂直領域の下方に構成され、前記1つまたは複数の垂直領域に存在する凝縮液を放散させる、請求項1から20のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項22】
前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記第1または第2の流れ方向に沿った全周期を含むように構成され、それにより、全周期後の位置において、前記壁構造(200a~200e、202a~202d)が、前記周期の開始時と同じように構成される、請求項1から21のいずれか一項に記載の熱交換器。
【請求項23】
少なくとも2つの周期を有するように構成される、請求項22に記載の熱交換器。
【請求項24】
ガス冷凍機であって、
冷却されるべきガスについての入力(2)と、
請求項1から23のいずれか一項に記載の熱交換器を備える復熱器(10)と、
圧縮機入力(41)を有する圧縮機(40)であって、前記圧縮機入力(41)が第1の復熱器出力(12)に結合される、圧縮機と、
さらなる熱交換器(60)と、
タービン(70)と、
ガス出力(5)と、を備え、
前記圧縮機入力(41)が、吸込壁(31)によって制限され、前記圧縮機(40)から離れるように延在する吸込領域(30)に接続され、前記復熱器(10)が、前記吸込領域(30)の周りに少なくとも部分的に延在し、前記吸込壁(31)によって制限される、ガス冷凍機。
【請求項25】
前記復熱器(10)が、第1の復熱器入力(11、710)と、第1の復熱器出力(12、720)と、第2の復熱器入力(13、731)と、第2の復熱器出力(14、740)とを備え、
前記第1の流体についての前記第1の数のチャネル(101a、101b、101c)の前記チャネルが、前記第1の復熱器入力(11、710)と前記第1の復熱器出力(12、720)との間に延在し、
前記第2の流体についての前記第2の数のチャネル(102a、102b、102c)の前記チャネルが、前記第2の復熱器入力(13、730)と前記第2の復熱器出力(14、740)との間に延在し、前記第1の復熱器出力(12、720)が、前記吸込領域(30)に通じている、請求項24に記載のガス冷凍機。
【請求項26】
ガス処理装置であって、
圧縮機入力(41)および圧縮機出力(42)を有する圧縮機(40)と、
第1の熱交換器入力(11)、第1の熱交換器出力(12)、第2の熱交換器入力(13)および第2の熱交換器出力(14)を備える請求項1から23のいずれか一項に記載の熱交換器(10)と、
タービン入力(71)およびタービン出力(72)を有するタービン(70)と、を備え、前記圧縮機出力(42)が、前記第2の熱交換器入力(13)に接続され、前記第2の熱交換器出力(14)が、前記タービン入力(71)に接続される、装置。
【請求項27】
前記圧縮機入力(41)および前記第1の熱交換器入力(11)をガス供給部(1102a、1102b)に結合するための入力インターフェース、または前記タービン出力(72)および前記第1の熱交換器出力(12)をガス排気部(1202a、1202b)に結合するための出力インターフェース(200)をさらに備える、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記入力インターフェース(1000)が、入力側において、出口空気入力(1102a)および新鮮空気入力(1102b)を備え、出力側において、第1の入力インターフェース出力(1104)および第2の入力インターフェース出力(106)を備え、前記入力インターフェース(1000)が、前記入力インターフェースの前記入力側を前記入力インターフェースの前記出力側に結合するように構成され、または
前記出力インターフェース(200)が、入力側において、第1の出力インターフェース入力(204)および第2の出力インターフェース入力(206)を備え、前記出力インターフェース(200)の出力側において、入口空気チャネル(1202a)および排気空気チャネル(1202b)を備え、前記出力インターフェース(200)が、前記出力インターフェース(200)の前記入力側を前記出力インターフェースの前記出力側に結合するように構成される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
入力インターフェース(1000)が、前記圧縮機入力(41)を前記ガス供給部の新鮮ガスチャネル(1102b)に接続し、前記第1の熱交換器入力(11)を前記ガス供給部の出口ガスチャネル(1102a)に接続するように構成され、または
出力インターフェース(200)が、前記タービン出力(72)を前記ガス排気部の入口ガスチャネル(1202a)に接続し、前記第1の熱交換器出力(12)を前記ガス排気部の排気ガスチャネル(1202b)に接続するように構成される、冷房運転のために構成された、請求項26から28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
入力インターフェース(1000)が、前記圧縮機入力(41)を前記ガス供給部の出口ガスチャネル(1102a)に接続し、前記第1の熱交換器入力(11)を前記ガス供給部の新鮮ガスチャネル(1102b)に接続するように構成され、または
出力インターフェース(200)が、前記タービン出力(72)を前記ガス排気部の排気ガスチャネルに接続し、前記第1の熱交換器出力を前記ガス排気部の入口ガスチャネル(1202a)に接続するように構成される、暖房運転のために構成された、請求項26から28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項31】
前記第1の流体についての前記第1の数のチャネル(101a、101b、101c)の前記チャネルが、前記第1の熱交換器入力(11、710)と前記第1の熱交換器出力(12、720)との間に延在し、
前記第2の流体についての前記第2の数のチャネル(102a、102b、102c)の前記チャネルが、前記第2の熱交換器入力(13、730)と前記第2の熱交換器出力(14、740)との間に延在する、
請求項25から30のいずれか一項に記載の装置。
【請求項32】
空気調和装置であって、
部屋出口空気端子(508)と、
部屋入口空気端子(510)と、
請求項26から31のいずれか一項に記載の装置と、を備え、前記部屋出口空気端子(508)がガス供給部に結合され、前記部屋入口空気端子(508)がガス排気部に結合される、空気調和装置。
【請求項33】
第1の流体の第1の流れ方向に沿って第1の横断方向に延在する前記第1の流体についての第1の数のチャネル(101a、101b、101c)であって、前記第1の横断方向が前記第1の流れ方向に沿って変化する、第1の数のチャネルと、第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在する前記第2の流体についての第2の数のチャネル(102a、102b、102c)であって、前記第2の横断方向が前記第2の流れ方向に沿って変化する、第2の数のチャネルと、を有する熱交換器の製造方法であって、
前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが熱的相互作用し、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第1の位置において、前記第1の横断方向または前記第2の横断方向が、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第2の位置における第1または第2の横断方向とは異なるように、壁構造(200a~200e、202a~202d)を形成することを含む、方法。
【請求項34】
第1の流体の第1の流れ方向に沿って第1の横断方向に延在する前記第1の流体についての第1の数のチャネル(101a、101b、101c)であって、前記第1の横断方向が前記第1の流れ方向に沿って変化する、第1の数のチャネルと、第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在する前記第2の流体についての第2の数のチャネル(102a、102b、102c)であって、前記第2の横断方向が前記第2の流れ方向に沿って変化する、第2の数のチャネルと、前記第1の数のチャネルおよび前記第2の数のチャネルが熱的相互作用し、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第1の位置において、前記第1の横断方向または前記第2の横断方向が、前記第1または第2の流れ方向に対する前記熱交換器の第2の位置における第1または第2の横断方向と異なるように構成された壁構造(200a~200e、202a~202d)と、を有する熱交換器の動作方法であって、
前記第1の流体を前記第1の流れ方向に沿って前記第1の数のチャネル(101a、101b、101c)の前記第1のチャネルを通して誘導することと、
前記第2の流体を前記第2の流れ方向に沿って前記第2の数のチャネル(102a、102b、102c)の前記第1のチャネルを通って誘導することと、を含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱力学プラントに関し、特に、例えばガス冷凍機用の復熱器として使用されることができる空気-空気熱交換プロセス用の熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
空気-空気熱交換器またはガス-ガス熱交換器は、空気またはガス流から異なる空気またはガス流に熱エネルギーを伝達する必要がある用途において必要とされる。そのような熱交換器は、例えば、建物からの出口空気流が建物内への入口空気と相互作用させられる熱回収プラントにおいて使用され、それにより、出口空気は、入口空気のために冷却され、または入口空気は、排気のために加熱される。これにより、熱損失が防止され、同時に空気交換が得られる、すなわち使用済み空気が放散されて新鮮な空気が供給される。そのような熱交換器は、例えば、第1の数の板状チャネルを横切って熱力学的装置の出口空気側などの一次側で空気流が誘導されるとともに、他方の空気流が、2つの空気流またはガス流が直接相互作用することなく第2の数の板状チャネルを介して二次側、すなわち熱力学的装置の入口空気側で誘導される、すなわち混合することができないプレート熱交換器として構成される。一方、より高温の出口空気流は、その熱エネルギーを板状チャネルの壁に放散し、加熱されるべき入口空気流は、その壁から熱エネルギーを吸収する。これにより、2つの流れが分子的に混合することなく、出口空気流の入口空気流への連続的な熱交換が行われる。
【0003】
そのような熱交換器の重要な態様は、熱交換器の効率、すなわち効率的な熱エネルギーが一方側から他方側にどの程度もたらされるかである。伝達される熱エネルギーの割合は、典型的には熱交換器の体積の増加とともに増加するため、効率は、熱交換器の体積を伴う。しかしながら、一方では、体積に関して、熱交換器の可能なサイズに対して限界があり、他方では、熱交換器のサイズが大きくなると、熱交換器の流れ抵抗が増加するためである。したがって、可能な限り最良のガス-ガス熱交換器は、一方では高い効率を有し、他方では低い流れ抵抗を有するべきであり、その結果、熱交換器は、一方では良好な程度の熱伝達を有し、他方では中程度の体積、すなわち可能な限り小さい体積によって構成されることができる。
【0004】
そのような熱交換器の利用分野は、ガス冷凍機や冷気冷凍機の復熱器としての利用である。冷気冷凍機は公知であり、例えば宇宙工学において使用されている。刊行物「High-capacity turbo-Brayton cryocoolers for space applications」、M.Zagarolaら、Cryogenics 46(2006)、ページ169から175において、クライオクーラーが開示されている。圧縮機は、閉鎖システム内を循環するガスを圧縮する。圧縮ガスは、熱交換器によって冷却される。冷却されたガスは、そのように冷却されたガスをタービンに供給する復熱器に供給される。タービンからは低温ガスが排出され、熱交換器を介して熱を吸収したり、冷却効果を得たりする。冷却効果を提供する熱交換器を出るガスであって、その入口でのガスよりもやはり高温のガスもまた、再び加熱されるために復熱器に供給される。
【0005】
サイクルの温度エントロピー図は公知である。等エントロピー圧縮は、圧縮機によって行われる。等圧熱除去は、熱放散のために熱交換器によって行われる。等圧熱除去も復熱器によって行われる。次いで、タービン内で等エントロピー膨張が行われる。熱交換器の冷却効果は、ここでも、等圧熱供給を提示する。
【0006】
様々な他の実装における他の冷気冷凍機は、2013年6月21日にフリードリヒスハーフェンにおけるHistorikertagung(historian convention)2013において開催されたI.Ebingerによる「Luft als Kaltemittel-Geschichte der Kaltluftkaltemaschine」という講演において提示されている。
【0007】
冷却および加熱に使用されるヒートポンプと比較して、ガス冷凍機は、液体冷媒のエネルギー集約的な循環が防止または回避されることができるという利点を有する。さらに、ガス冷凍機は、一方では連続蒸発を必要とせず、他方では連続凝縮を必要としない。関連するサイクルでは、異なる凝集状態間のいかなる移行もなしにガスのみが循環する。さらに、真空に近い非常に低い圧力がヒートポンプに必要とされ、特に気候にとって問題のある冷媒を省く場合、これらの圧力は、特に機器に関して、動作中の生成、取り扱いおよび保守にかなりの費用をもたらす可能性がある。しかしながら、冷気冷凍機の用途は限られている。
【0008】
ガス冷凍機はまた、参照により本明細書に組み込まれる、未公開のドイツ特許出願第102020213544.4号に記載されている。このガス冷凍機では、復熱器としてガス熱交換器が使用されている。さらに、上述した「冷凍機」では、熱源側およびヒートシンク側の双方と復熱器とに、ガス-ガス熱交換器が使用されている。特に復熱器としての使用において、熱交換器の効率は、システム全体の効率に大きく寄与する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】ドイツ特許出願第102020213544.4号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】「High-capacity turbo-Brayton cryocoolers for space applications」、M.Zagarolaら、Cryogenics 46(2006)、ページ169から175
【非特許文献2】I.Ebingerによる「Luft als Kaltemittel-Geschichte der Kaltluftkaltemaschine」
【発明の概要】
【0011】
本発明の目的は、改善された熱交換器の概念を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の熱交換器、請求項33に記載の熱交換器の動作方法、請求項34に記載の熱交換器の製造方法、請求項24に記載のガス冷凍機、請求項26に記載のガス処理装置または請求項32に記載の空気調和装置によって解決される。
【0012】
本発明は、フラクタル熱交換器とも呼ばれる熱交換器に、第1の流体の第1の流れ方向に沿って第1の横断方向に延在する第1の流体についての第1の数のチャネルと、第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在する第2の流体についての第2の数のチャネルとを有する壁構造を設けることによって効率の向上が得られるという知見に基づいており、壁構造は、壁構造が流れ方向に沿った横断方向に第1の流体についての第1の数のチャネルに対して変化するように、および/または壁構造が第2の流れ方向に沿った第2の流体の第2の流れ方向を横断する第2の横断方向に第2の数のチャネルに対して変化するように構成される。
【0013】
特に、壁構造は、第1の数のチャネルおよび第2の数のチャネルが熱的相互作用にあるという効果を有する。さらに、壁構造は、第1または第2の流れ方向に対する熱交換器の第1の位置において、第1の横断方向または第2の横断方向が、第1または第2の流れ方向に対する熱交換器の第2の位置におけるそれぞれの第1または第2の横断方向とは異なるように構成される。換言すれば、流れ方向に沿ったチャネル延在部は変化し、好ましくは連続的に変化するため、好ましい実施形態では、流れの乱流をもたらす可能性がある、流れ方向に沿った鋭い縁部が生じない。
【0014】
好ましくは、壁構造は、チャネルの横断方向がある位置から異なる位置に、例えば水平方向から垂直方向に変化し、その後、さらなるコースの間に再び水平方向に「戻り」、次いで再び垂直方向に変化するように構成される。実施形態に応じて、これは、横断方向を記述するベクトルが連続的に「回転」する、すなわち流れ方向に沿って水平方向から連続的に角度を増加させることで得られ、これは、45°の角度から90°の角度に連続的に移行することを意味し、横断方向は、垂直方向、すなわち熱交換器の開始時にまたは熱交換器の流れ方向などに対して前の位置において横断方向に対して垂直である。
【0015】
その上、熱交換器は、好ましくは、第1の流体についてのチャネルの数が、比較的大きい、好ましくは直方体形状の熱交換器の全幅にわたって、または円筒形熱交換器の円周の全体または大部分の周りに延在するように構成され、これは、チャネルが横断方向または円周方向において低い高さを有するが大きい幅を有するように、第2の流体についての第2の数のチャネルにも当てはまる。これにより、低い流れ抵抗が得られる。他方では、壁構造は、チャネルがそれらの横断方向を例えば90°変化させたときに、チャネルが例えば直方体形状または円筒形の体積の高さ全体にわたって延在するようにさらに構成され、その結果、チャネルは、やはり比較的狭く、幅はやはり小さい寸法を有するが、第2の位置において横断方向に、または再び比較的長い。そのような特に平坦であるが広いチャネルは、隣接する壁構造を介して行われる熱交換に特に有利であるが、他の寸法が高いために低い流れ抵抗しか提供しない。
【0016】
壁構造は、好ましくは、第1の数のチャネルおよび第2の数のチャネルが、第1および第2の横断方向に第1の位置における体積を完全に通って延在し、第1の数のチャネルおよび第2の数のチャネルが、第1および第2の横断方向に第2の位置における体積を完全に通って延在するように構成され、第1の位置における第1および第2の横断方向は、第2の位置における第1および第2の横断方向とは異なる。第1の位置では、2つの横断方向は垂直であり、直方体形状の体積の場合、第2の位置では水平とすることができる。円筒形の体積の場合、2つの横断方向は、第1の位置において垂直とすることができ、第2の位置において円周方向に構成されることができ、各チャネルは、半径を有し、全円筒形の場合は円形状に、または円筒扇形の場合は扇形状に延びる。球形体積の場合、最初の2つの横断方向は、球の経度のような第1の位置および球の緯度のような第2の位置を通る。水平方向に沿って直方体形状の体積を「曲げる」ことにより、円筒形の体積が得られ、次いで円筒形の体積が垂直方向に沿って曲げられると、円形の体積が得られる。体積は、少なくとも5つの第1および第2のチャネル、好ましい実施形態では少なくとも50の第1および50の第2チャネル、特に好ましい実施形態では少なくとも100の第1および100の第2チャネルを含む。しかしながら、全てのチャネルは、同じものが再び体積全体を通って、すなわち、第2の位置における第1の位置において、および、数が周期の数に依存するさらなる第1または第2の位置における流れ方向に沿って常に延在するため、小さい流れ抵抗を有する。
【0017】
好ましい実施形態におけるチャネルの連続的な分割および結合は、第1の流体と第2の流体との間の非常に効率的な熱伝達に有用な寄与をさらに提供する。
【0018】
したがって、好ましい実施形態では、チャネルの水平横断方向からチャネルの垂直横断方向への移行時に、比較的広く、したがって流れ抵抗がほとんどないチャネルを異なる部分チャネルに「分割」するために、複数の分割部分がチャネルに設けられることが達成される。これにより、第1の数のチャネルから第2の数のチャネルへの良好な熱伝達を得るために、チャネル内の可能な限り多くの領域に壁構造が設けられることが保証される。一方向に比較的長く延在するチャネルにもかかわらず、チャネル内を流れる流体が壁構造と接触していないか、または壁構造から比較的離れているチャネル内の非常に小さい領域のみが依然として得られる。個々の部分チャネルは、分割部分による生成後に再び結合されるが、ここでは異なる横断方向、すなわち例えば垂直横断方向を有するチャネルに結合される。これは、流体が、エネルギーを放散させるために分割部分によって比較的短い流れ部分において壁構造と接続されただけであり、その後再び「大きな」チャネルに結合され、その結果、流れ抵抗が低いままであるという事実をもたらす。分割部分は、いかなる問題のある変形もなしに熱交換器に高圧を提供することができるという点で、熱交換器の著しい安定性をもたらすという利点をさらに有する。これは、分割または結合部分のさらなる支持効果によるものである。
【0019】
この大きな、ここでは例えば垂直チャネルは、さらなるコースにおいて再び分割され、個々の部分チャネルは、流体の流れ方向に沿って再び結合され、再び大きなやはり水平チャネルになる。したがって、熱交換器の開始時、すなわち流体が熱交換器に導入されるときに特定の数のチャネルが存在し、これらのチャネルは、好ましくは、他の流体が熱を放散するために流れるか、または熱伝達が行われる他の数のチャネルと交互配置される。同時に、熱交換器に沿って、すなわち、個々の領域内のチャネルの連続的な分割および結合により、第1の数のチャネルの全ての個々のチャネルが「短絡」される。これはまた、「短絡」された第2の数のチャネルにも当てはまり、その結果、最適な熱伝達は、1つの数のチャネルから他の数のチャネルへの熱交換器の例えば直方体形状または円筒形の体積全体にわたって可能な限り均等に分布した壁構造にわたって低い流れ抵抗でペースをとる。
【0020】
例えば、通常のプレート熱交換器では、これは当てはまらない。そこでは、同じ流体、すなわち例えば出口空気流体または代替的に入口流体がそれを通って流れる場合であっても、全てのチャネルは、熱交換器を横切るそれらの全経路において互いに分離している。
【0021】
好ましくは、熱交換器に沿った第1の流体の全てのチャネルは連続的に短絡されるが、他の流体、例えば出口空気流体が流れる第2の数のチャネルのチャネルと直接接続されない。
【0022】
実施形態に応じて、熱交換器は、流れ方向が熱交換器の第1の端部から熱交換器の第2の端部に向けられ、横断方向がこの流れ方向に垂直な方向であるように、長手方向、例えば直方体形状または長方形の熱交換器として構成される。他の実施形態では、熱交換器は、回転対称熱交換器として、または流れ方向が半径方向、すなわち円筒形本体の外側から内側にある熱交換器として構成され、そのような場合、一次入口は、シリンダの外側で起こり、一次出口は、シリンダの内側で起こり、二次入口および二次出口もまた、シリンダの外側または内側で起こる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、熱交換器の第1の位置または熱交換器の第2の位置または熱交換器の第1の位置と第2の位置との間の任意の位置が考慮されるかどうかにかかわらず、常に第1の数のチャネルの2つのチャネルの間に第2の数のチャネルの正確に1つまたは少なくとも1つのチャネルが位置するように、第1の数のチャネルと第2の数のチャネルとが交互配置される。好ましくは、熱交換器は、熱交換器の各位置において、いくつかのチャネルにおける流体の第1の流れ方向が第2の流れ方向、すなわち第2のいくつかのチャネルにおける第2の流体の流れ方向と反対であるように、逆流熱交換器としてさらに構成される。実装に応じて、流体は、水などの液体または空気などの気体とすることができる。
【0024】
熱交換器を逆流熱交換器として実装することは、一方では一次入力および一次出力、ならびに他方では二次入力および二次出力が、熱交換器がガス冷凍機の復熱器として使用されるときに、空気-空気熱交換器の場合にはそれぞれのガス端子または空気端子、あるいはガス冷凍機の場合にはそれぞれの空気端子によって占有または接続されるという点で得られる。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、壁構造は、壁構造の領域が、適切な円形コイルと比較して「切断」されたコイルと見なすことができるように構成され、それにより、長方形の全体パターンに適合する。さらに、完成した熱交換器では、これらの個々の「領域」は、材料に関して分離しておらず、例えば特定の三次元印刷方法によって得られることができるように一体的に構成されるか、または接着、はんだ付けなどによって得られることができるような接続手段によって気密に接続される。
【0026】
全体として、熱交換器は、その構造に起因してフラクタル熱交換器とも呼ばれ、熱交換器の全体積にわたる熱伝達効果の最適な均一な分布に起因して、高い効率を有する低い流れ抵抗をさらに特徴とする透明で論理的に一貫した実装を提供する。
【0027】
本発明の熱交換器の用途は、特に復熱器または復熱器と圧縮機との間の接続部における導管による損失を防止するために特にコンパクトに構成された復熱器および/またはガス冷凍機における熱交換器としての使用である。この目的のために、復熱器または熱交換器は、圧縮機の吸込領域の周りに延在するように配置され、吸込領域は、吸気壁によって復熱器から分離されている。一方では吸込領域を有する圧縮機と他方では復熱器との間のこの一体化された配置は、復熱器を通って復熱器の一次側に存在するガスを吸い込むために最適な流れ条件を有するコンパクトなセットアップが達成されることができるという事実をもたらす。さらに、復熱器の効果は、ガス冷凍機全体の効率にとって重要であり、このため、復熱器は、吸込領域の周りに少なくとも部分的に、好ましくは完全に延在するように配置される。これは、圧縮機入力から離れるように延在し、吸気壁によって復熱器から分離された吸込領域全体にわたって、実質的な量のガスが全ての側から復熱器から吸い込まれることを保証する。したがって、復熱器は、かなりの体積を占める可能性があるが、圧縮機が復熱器と直接一体化されているため、コンパクトな設計が依然として達成される。一方、この実装はまた、復熱器内の一次側と熱的相互作用しなければならない復熱器内の二次側に十分な空間が残り、一次側を流れる高温ガスの流れおよび二次側を流れる高温ガスの流れが熱的に良好に相互作用することを可能にする。
【0028】
好ましい実施形態では、直接流または逆流の原理が復熱器において使用されて、この構成要素において特に良好な効率を達成する。本発明のさらに好ましい実施形態では、復熱器の一次側への第1の入力は、ガスまたは空気の入力を表し、その結果、ガス冷凍機は、開放システムにおいて動作可能である。次いで、タービン出力またはガス出口はまた、例えば冷却された空気またはより一般的には冷却されたガスが導入される空間に導かれる。あるいは、一方ではガス入力、他方ではガス出力は、配管システムおよび熱交換器を介して冷却されるシステムに接続されてもよい。そして、本発明にかかるガス冷凍機は、閉鎖システムである。
【0029】
好ましくは、ガス冷凍機全体は、典型的には少なくともその「内部」において回転対称であり、直立形状および直径よりも大きい高さを有する、すなわち細長直立形状としてハウジング内に設置される。このハウジングは、ガス入力ならびにガス出力および復熱器、圧縮機およびタービン、好ましくは熱交換器も収容する。
【0030】
好ましくは、動作中、圧縮機は、タービンの上方に配置される。やはり好ましくは、圧縮機は、ラジアルホイールを備え、タービンは、タービンホイールを備え、圧縮機ホイールおよびタービンホイールは、共通の軸上に配置され、この軸は、駆動モータのステータと相互作用する駆動モータのロータをさらに備える。好ましくは、ロータは、圧縮機ホイールとタービンホイールとの間に配置される。
【0031】
さらに他の実施形態では、復熱器は、ガスエンジンの体積の外側領域に配置され、圧縮機入力は、ガスエンジンの体積の内側領域に配置され、吸込領域もまた、体積の内側領域に位置する。好ましくは、吸込領域は、吸気壁が連続的に、すなわち好ましくは縁部なしに形成されるように、第1の端部から第2の端部まで連続的に増加する開口部領域を有する。より小さい開口部領域を有する端部は、圧縮機入力に接続され、より大きい開口部領域を有する端部は、圧縮機動作が、吸込領域内に吸込効果を形成し、吸込領域は、吸込領域に流体的に結合された復熱器の一次出力を介して、復熱器を通って、ガス入口として直接形成されるか、またはハウジング内のガス出口に接続される復熱器の一次入力まで延在する。
【0032】
やはり好ましくは、圧縮機の誘導チャンバは、ガスエンジンの体積の中心から外側に圧縮ガスを誘導するように構成され、圧縮ガスは、熱交換器の一次入力に直接供給される。熱交換器を通って、加熱されたガスは、外部から内部に流れ、そこから復熱器の二次入力または第2の入力に入り、復熱器は、好ましくは体積の内側に位置し、吸込領域の周り、特に吸気壁の周りに延在するが、吸込領域から流体的に分離される。二次入力に供給されたガスは、復熱器の二次側で内側から外側に流れ、したがって、熱的に特に好ましい逆流原理を可能にし、次いで、復熱器に対して外側から、好ましくはタービンの吸込領域に流れ、ガスは、外側から内側に流れ、タービンホイールを通って空気出力に緩和され、空気出力は、好ましくはガス冷凍機の下部に大きな表面として形成される。一方、ガス入力は、ガス冷凍機の側方上部領域に、ガス入口または復熱器への一次入口を形成する対応するガスチャネルに接続された複数の穿孔によって形成される。
【0033】
好ましくは、ガス冷凍機を制御および動作させるために必要な電子機器は、タービン吸込領域の下方の領域、すなわち空気出口に隣接する領域に配置され、その結果、冷却された空気は、タービン出力壁を介して電子要素に冷却効果を提供することができる。
【0034】
さらにまた、冷気冷凍機のセットアップは、技術的に複雑ではなく、したがって、例えばヒートポンプと比較した場合にエラーが生じにくい。さらに、回路内で相当量の液冷媒を移動させるための作業が不要となるため、より高い効率が期待されることができる。
【0035】
本発明の一態様は、吸込領域の周りに少なくとも部分的に復熱器を配置することに関する。
【0036】
本発明の別の態様は、例えば直径よりも大きい高さを有する細長形状を有する円筒形であってもよい単一のハウジング内の復熱器、圧縮機、熱交換器、およびタービンの配置に関する。
【0037】
本発明の別の態様は、圧縮機がタービンの上方に配置されてガス冷凍機内のガスの最適な流れ効果を達成する特別な実装に関する。
【0038】
本発明の別の態様は、供給される駆動エネルギーを可能な限り節約するために、タービンから圧縮機への動力の最適且つ効率的な伝達を生み出すために、圧縮機ホイールおよびタービンホイールをエンジンのロータも位置する軸上に配置することに関する。
【0039】
本発明の別の態様は、ガス冷凍機において効率的な流れ誘導を達成するかどうかにかかわらず、圧縮機およびタービンを有する回転対称復熱器であって、その回転軸が復熱器の軸と一致する、回転対称復熱器の実装に関する。
【0040】
本発明の別の態様は、熱エネルギーの効率的な変換を伴う省スペースのガス冷凍機を実現するためのガス冷凍機における熱交換器の好ましい配置および設計に関する。
【0041】
本発明の別の態様は、例えば圧縮機ホイールとタービンホイールとの間のガス冷凍機の冷却領域に、または復熱器出力からタービンへの、または特に冷却タービン出力の近くのガスの経路上のタービン入力の境界と熱的相互作用する電子アセンブリを配置することに関する。
【0042】
本発明の熱交換器のさらに好ましい用途は、ガスを処理するための単純且つ同時に堅牢な手段を得るための圧縮機-熱交換器-タービンの組み合わせにおける使用であり、熱交換器は、ガス-ガス熱交換器として構成され、その一次側で圧縮機出力とタービン入力との間に結合される。復熱器とも呼ばれることができるガス-ガス熱交換器の一次側には、実装に応じて異なるガス流が供給されることができる。
【0043】
好ましい実施形態では、圧縮機ガス-ガス熱交換器タービンの組み合わせは、入力インターフェースおよび出力インターフェースを備え、入力インターフェースは、一次側の圧縮機入力および熱交換器入力をガス供給部に結合するように構成される。次いで、出力インターフェースは、タービン出力および熱交換器の一次側の熱交換器出力をガス排気部に結合するように構成される。
【0044】
実装に応じて、入力インターフェースおよび出力インターフェースは、しっかりと「配線される」、すなわち、ガス処理装置を「夏季運転」に配置するためにしっかりと設置されることができ、処理装置の冷却力が強調される。入力インターフェースおよび/または出力インターフェースの別の実装では、ガス処理装置は、「冬季運転」に配置されて「しっかりと配線され」、そこで暖房、すなわち装置の暖房効果が強調される。
【0045】
また別の実施形態では、入力インターフェースおよび出力インターフェースの両方は、手動または自動で検出されることができる制御信号に応じて、ガス処理装置の入力側およびガス処理装置の出力側を冷房運転または暖房運転にするように制御可能に構成される。部屋についての入口空気の温度検出または目標温度検出などの環境状況の検出は、温度センサまたは流量センサまたは両方のセンサを使用して自動的に行うことができ、あるいは手動で、または建物の制御などのより大きな制御に応じて導出されることができる。
【0046】
実装に応じて、入力インターフェースまたは出力インターフェースは、2つの入力および2つの出力を有する双方向スイッチとして設定されることができ、入力から出力への2つの接続間で切り替えを行うことができる。あるいは、インターフェースはまた、制御信号に応じて入力を2つの出力のうちの一方に接続するための個々のスイッチング素子からなることもできる。
【0047】
好ましい実施形態では、ガス処理装置は、特定の圧縮機タービンの組み合わせを有するように構成され、圧縮機ホイールおよびタービンホイールは、1つの軸上に配置され、圧縮機ホイールとタービンホイールとの間に駆動モータが配置され、特に、駆動モータのロータは、タービンホイールおよび圧縮機ホイールも配置される同じ軸上に配置される。
【0048】
本発明の好ましい実施形態では、さらに、ガス-ガス熱交換器である熱交換器は、復熱器として構成され、さらに好ましくは逆流原理が使用され、一次側を形成する複数の、特に大量の流路が、二次側を形成する複数の、特に多数の流路と熱的相互作用する。さらに、熱交換器は、復熱器の中心に第1の復熱器出力を有する回転対称形状を有することが好ましい。
【0049】
本発明の好ましい実施形態では、ガス処理装置は、入力および/または出力インターフェースを介して空気調和装置に結合され、特に、出口空気端子、入口空気端子、ならびに場合によっては排気端子および新鮮空気端子も提供する空気調和装置に結合される。空気調和装置は、典型的には、出口空気の少なくとも一部を部屋から、典型的には排気として外部に放散させるが、例えば、部屋内の暖房のために、すなわち、冬季運転では、末端エネルギーが出口空気から引き出され、熱交換器を介して入口空気に伝達されるという点で、ガス処理装置によって補完される。このようにして、室内の冷却のためにも、供給された新鮮な空気からエネルギーが引き出され、排気を介して既に高温の出口空気を介してシステムから除去される。圧縮機/タービンの組み合わせでは、比較的「高温」の新鮮な空気が使用されて、出口空気からさらに高温の排気を生成することができ、その結果、入口空気は、依然として十分な冷却力を室内にもたらすことができる。
【0050】
特に好ましい実施形態では、空気調和装置は、部屋出口空気を出口空気流と再供給流とに分割する分割部を有する。再供給流は、好ましくは処理装置によって処理され、例えば湿度に関して補正され、酸素によって消毒または富化されるが、典型的には熱的に補正されず、すなわちその温度に関して補正されない。この処理された空気流は、同時に、ガス処理装置から空気調和された新鮮な空気を受け取る結合部に供給され、この新鮮な空気は、その後、実装に応じて、部屋が冷却されるとき、すなわち、部屋入口空気が部屋出口空気よりも冷たいとき、または部屋が加熱されるとき、すなわち、部屋が加熱されるとき、すなわち、部屋入口空気が部屋出口空気よりも温かいときに冷たい。
【0051】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1a】流れ方向に沿った第1の位置における熱交換器の断面図である。
図1b】流れ方向に沿った第2の位置における熱交換器の断面図である。
図1c】流れ方向に沿った第3の位置における熱交換器の断面図である。
図1d】流れ方向に沿った第4の位置における熱交換器の断面図である。
図1e】流れ方向に沿った第5の位置における熱交換器の断面図である。
図2a】流れ方向に沿った第6の位置における熱交換器の断面図である。
図2b】流れ方向に沿った第7の位置における熱交換器の断面図である。
図2c】流れ方向に沿った第8の位置における熱交換器の断面図である。
図2d】流れ方向に沿った第9位置における熱交換器の断面図である。
図3a図1aから図2dの位置の説明を伴う熱交換器の断面の斜視図である。
図3b図3aの図の平面図である。
図4a図3bの図の「半分」の平面図である。
図4b図4aの平面図の斜視図である。
図5a図4aの半分の「非切断」図の平面図である。
図5b図5aの平面図の斜視図である。
図5c図5aのコイルの平面図の「切断」図である。
図5d図5cの「切断コイル」の斜視図である。
図6a】実施形態にかかる熱交換器の斜視図である。
図6b図6aの熱交換器のさらなる図である。
図7a】半径方向の流れ方向を有する円筒形熱交換器の平面図である。
図7b】体積内のチャネルが水平である横断方向を有する位置における図7aの熱交換器の断面図である。
図7c】逆流原理における一次入力、一次出力、二次入力および二次出力を有する熱交換器の全体図である。
図8a図2aに対する位置にあるが、図2bよりも多数の垂直チャネルを有する熱交換器の代替的な実装である。
図8b図2bの熱交換器に対する位置にある図8aの熱交換器の図である。
図9a図1eのようなより多くの水平チャネルおよび垂直チャネルを有する図2aの熱交換器の代替的な実装である。
図9b図2dのようなより多数の水平チャネルを有する図2bの位置における熱交換器の図である。
図10】本発明の実施形態にかかるガス冷凍機の基本図である。
図11a】本発明の熱交換器を復熱器として有する完全に一体化されたガス冷凍機の断面図である。
図11b】電子アセンブリの代替的な構成を有する本発明のさらなる実施形態にかかる完全に一体化されたガス冷凍機の断面図である。
図12a】二次側に収集室を有する好ましい復熱器の断面の概略図である。
図12b】二次側に収集室を有する好ましい復熱器の概略平面図である。
図13】実施形態にかかるガス処理装置である。
図14】実施形態にかかる「夏季運転」のためのガス処理装置である。
図15】「冬季運転」のためのさらなる実施形態にかかるガス処理装置である。
図16a】入力インターフェースまたは出力インターフェースの実装である。
図16b】夏季または冬季運転時にインターフェースを構成するための制御テーブルである。
図17a】ガス処理装置の代替的な実装である。
図17b図7aのスイッチを制御するための制御テーブルである。
図17c】双方向スイッチとしての入力または出力インターフェースの実装である。
図18a】ガス処理装置に結合されることができる空気調和装置の実施形態である。
図18b】ガス処理装置に結合されることができる空気調和装置のさらなる実施形態である。
図19a】好ましい圧縮機-タービンの組み合わせの斜視図である。
図19b図19aの好ましい圧縮機-タービンの組み合わせの側面図である。
図20a】二次側および一次側に収集室を有する好ましい熱交換器/復熱器の断面の概略図である。
図20b】一次側および二次側に収集室を有する好ましい復熱器の概略平面図である。
図20c】実施形態にかかるガス処理装置の代替的な実装である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1aは、第1の流体の第1の流れ方向に沿って延在し、さらに第1の横断方向に延在する第1の流体についての第1の数のチャネル101a、101b、101cを有する熱交換器の断面図または「開始図」を示している。第1の流れ方向は、図面平面内または図面平面外である。第1の横断方向は、壁構造200a、200b、200c、200dおよび200eと平行に延在している。したがって、第1の流れ方向は、図1aの座標系のz方向の方向、または座標系に示すように第1の流れ方向が図面平面外であり、正のz方向が図面平面内にある場合のz方向と反対の方向のいずれかである。第1の横断方向は、好ましくはx方向であるが、y方向とすることもできる。
【0054】
第2の数のチャネルは、チャネル102a、102b、102cを含み、第2の数のチャネルは、第2の流体のために作用し、第2の数のチャネルは、第2の流体の第2の流れ方向に沿って第2の横断方向に延在している。第2の横断方向はまた、チャネルが平行に交互配置されて構成される場合、第1の横断方向と同じ横断方向であることが好ましい。しかしながら、チャネル間に一定でない壁厚またはいくつかの壁を有する代替的な実装が構成されることができ、例えば、第1の横断方向は、例えば+30°であるx-y方向に延在し、第2のチャネルは、例えば-30°だけ横断方向に延在する。しかしながら、図1aに示されるようなチャネルの平行且つ対称的な配向が好ましく、他の数の1つのチャネルが常に1つの数の2つのチャネルの間に配置されるように、チャネルは交互配置される。特に、例えば図1aに示すように、一方の数の正確に1つのチャネルが他方の数の正確に2つのチャネルの間に配置され、チャネル102bがチャネル101aと101bの間に配置される。
【0055】
本発明によれば、図1aから図2dに示す例示的な断面に基づいて図3aの概要に示すように異なる位置において熱交換器を通る断面を、例えば図1bにおける301、302、303および304に示すように、互いに並んで配置された4つの個々の領域によって示す、図1aから図2dの組み合わせから分かるように、第1の横断方向は、第1の流れ方向に沿って変化し、第2の横断方向もまた、第2の流れ方向に沿って変化する。さらに、図1aから図2dには点が描かれており、その周りに矢印が、個々の壁構造領域が熱交換器の延在部に沿ってそれぞれの流れ方向に、またはそれぞれの流れ方向とは反対に延在するそれぞれの螺旋の回転軸を表すように示されている。個々の部分領域301、302、303、304の「回転点」の周りに描かれている図1bおよび図1aから図2dの矢印は、第1または第2の流体の流れ方向に沿った壁部分の回転方向を表し、したがって、例えば領域302を通る螺旋の正の方向または領域301の螺旋のような負の方向のそれぞれの螺旋の回転方向を表す。しかしながら、完成した熱交換器では何も「回転」していないことに留意されたい。回転方向は、好ましい実施形態において壁構造が流れ方向に沿ってどのように構成されるかを示すにすぎない。
【0056】
壁構造200aから200eは、x方向またはy方向に沿って配向された第1の横断方向または第2の横断方向が、第1または第2の流れ方向に対して熱交換器の第1の位置(図1a)に存在するように構成される。好ましくは、この実施形態では、2つの横断方向は、第1の位置において、例えば図1aのx方向において同じ方法で構成される。
【0057】
図1cに示す第1および第2の流れ方向に対する熱交換器の第2の位置では、第1および第2の横断方向は、もはやx方向ではなくy方向に向けられている。チャネルは、もはや図1aのように水平に延在せず、図1cのように垂直に延在する。図1aの壁構造200aから200eは、ここでは垂直壁構造202a、202b、202c、202dになっている。さらに、第1の数のチャネルについての2つの流体領域「1」および第2の数のチャネルについての2つの流体領域「2」は、互いに連続的に分離され、図1cに示すように構成される。第1の数のチャネルのチャネルは、壁構造202aに対して左側、壁構造202bと202cとの間、および壁構造202dに対して右側に形成され、第2の数のチャネルは、壁構造202cと202dとの間、および壁構造202aと202bとの間に形成される。図1aから図2dは、例えばチャネルの数当たり10から100個のチャネル、またはそれぞれの用途に必要なさらに多い数および長さもしくは半径を有する、はるかに大きくすることができる熱交換器の一部の断面を表すにすぎないことに留意されたい。
【0058】
図1bは、水平チャネルの形成と垂直チャネルの形成との間、すなわち図1aの断面と図1cの断面との間の「移行」を示している。このために、個々の領域301、302、303、304は、図1aのそれらの位置から、例えばそれぞれの回転方向に回転されるが、これらの領域は、連続的に「接触」する。これは、要素301、302が両方とも図1aから開始して上部に向かって回転し、要素303および304が図1aから開始して下部に回転することを意味する。これにより、第2の数のチャネルのチャネル102bは、部分チャネル103a、103bに「分割」されるが、ここでは菱形である図1aに示す壁構造は、分割部分を形成して、連続した水平チャネル102bから2つの部分チャネル103a、103bを形成する。したがって、例えば、上記の図1aのチャネル101aは、図1bの個々の壁構造領域が熱交換器の長さに沿って「変化」するという点で、部分チャネル104a、104b、104に再び分割される。図1bと図1cとを比較すると、図1bに「2」によって示される第2流体の隣接する部分チャネルと、図1bに「1」によって示される第1の流体についての各部分領域とが結合していることが分かる。これは、図1cの202aから202dに示される壁構造の完全な垂直配向が得られるまで、個々の壁構造領域301から304がそれに応じて「さらに回転」されることで達成される。
【0059】
領域301から304のさらなる「回転」、およびより太い点によって示されるそれぞれの回転軸の周りにもはや個別に示されない明らかに壁構造の他の全ての部分領域によって、図1dに示すような状況が得られ、ここで、垂直チャネルは、再び水平部分チャネルが得られるように、図1eにおいて再び水平に結合する構造を分割することによって、再び垂直部分チャネルに分割される。
【0060】
しかしながら、図1eと図1aとを比較すると、個々のチャネルの「占有」が変化したことが明らかになる。第1の流体が図1aにあった場合、第2の流体は、ここでは図1eにあり、その逆も同様である。図1eの壁構造領域200aおよび200bでは、第2の数のチャネルのチャネルが現在位置しているが、図1aでは、第1の数のチャネルのチャネルがこれらの構造領域の間に位置している。
【0061】
第1または第2の流れ方向に沿った熱交換器のさらなる展開が図2aに示されている。したがって、それぞれの垂直チャネルは、既に垂直部分チャネルが「接触」しているがまだ結合されていないように、個々の垂直部分チャネルに再び分割される。この結合は、図2aから図2bへの移行部において行われ、ここでも図1eの表現と同様に、個々の構造の「占有」は、図1cの占有とは反対である。したがって、図2bでは、例えば、第1の流体についての第1の数のチャネルのチャネルは、「1」によって示されるように構造202dと202cとの間にあり、図1cでは、第2の流体についての第2の数のチャネルのチャネルは、これらの2つの構造の間に存在していた。
【0062】
再び、図2cに示すように、図2bの垂直チャネルは、個々の垂直部分領域に分割され、ここでは同じ流体領域の部分領域は、既に水平に接触しているが、まだ結合されていない。この結合は、図2cと図2dとの間の移行部において同様に行われ、個々の領域の「占有」は、図1aと同様である。
【0063】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、熱交換器は、第1または第2の流れ方向に周期Tを有する。開始状況は、周期が開始する図1aに示されている。図1bから図2dは、それぞれ、当該周期の1/8を示す。周期を360°とすると、各部分画像から次の部分画像に向かって45°、または8分の1周期の角度が「掃引」される。熱交換器の斜視図が図6aおよび図6bに示されており、熱交換器についての「フレーム」600は、熱交換器の壁領域とすることができる。しかしながら、図6aおよび図6bには、実際の実装では閉鎖された開口部によって上部(および底部)のフレームが開かれていることが示されている。実装に応じて、図6aおよび図6bの熱交換器は、フレーム600なしでも、著しく大きな熱交換器構造の部分として機能することができる。
【0064】
図6aには、図1aと同じ壁構造が示されている。さらに、それぞれの流体によって占有される個々の水平チャネルが示されている。特に、「1」によって示されるチャネルは、第1の流体によって占有され、「2」によって示されるチャネルは、第2の流体によって占有される。流れ方向は、図6aに示されている画像平面内または画像平面外で生じる。好ましくは、熱交換器は、「1」によって示されるチャネルでは流体が図面平面内に流入し、「2」によって示されるチャネルでは流体が図面平面から流出するように、逆流熱交換器として使用される。さらに、図6aに示す実施形態では、垂直チャネルのそれぞれの配置は、フレーム600の上部に表された開口部によって示されている。したがって、602に示される熱交換器のそれぞれの流れ方向におけるまたは反対の位置は、図1cの位置、すなわち、4分の1周期後または90°の回転後である。したがって、604に示される位置は、図2bの状況を示している。熱交換器の流れ方向における位置602と位置604との間は位置603であり、ここでも図1eに示すように、チャネルは、図6aのように水平に構成されるが、高さに対して個々の構造200aから200eの異なる占有率を有する。しかしながら、図1aから図2dに基づいて示されるように、構造200aから200eは、明らかに連続的に延在せず、それに応じて変化することに留意されたい。位置603には、同様に、図6aの前面、すなわち位置601と同じ水平方向の壁がある。壁構造の連続的な変化により、第2の流体は、位置603において200aと200bとの間を流れ、第1の流体は流れない。
【0065】
図6aは、図6aの僅かに拡大した図を示している。特に、4つの要素301、302、303、304は、図1aおよび図1bに概略的に示されているように個々の「回転点」の周りの「回転」を示すように、図1bに関して概略的に示されており、図6bでは、熱交換器の実際の「内部」の状況、すなわち回転または1/8周期の位置における状況について示されている。
【0066】
図6aおよび図6bのワークピースによって全周期が示されているが、これは、図6aに605によって示されている後方断面側に再び水平チャネルが存在し、図6aに示されているように、第1および第2の流体によって再び占有されているためである。
【0067】
図7aおよび図7bは、図7aおよび図7bの熱交換器が逆流熱交換器として構成されている場合に、図6aとは反対に、流れ方向が半径方向、すなわち一方の流体については外側から内側に、他方の流体については内側から外側にある円筒として構成されていない熱交換器の平面図を示している。
【0068】
図7bは、図7aに示す位置に沿った概略断面図を示している。しかしながら、図7bの断面は、流れ方向を示すにすぎないことに留意されたい。チャネルの延在部は、まさに図1aから図2dに示されているように、または図8aから図9bに基づいて示されているように流れ方向に沿っている。したがって、流れ方向に沿って、チャネルは、図7aの熱交換器の蓋700または熱交換器の床702に平行な水平延在部から垂直チャネルに変化する。水平横断方向に延在するチャネルから横断方向に延在する垂直チャネルへのこの連続的な前後変化は、図7bには示されていない。
【0069】
その上、角度領域当たりのチャネルの数が外側から内側または内側から外側にどのように変化することができるかが図7aに示されている。角度領域当たりの特定のインターフェースでは、より多くのチャネルがより少ないチャネルに、またはその逆に変換されて、流体が半径方向に熱交換器を通って流れるときに熱交換器の直径が外側から内側に減少するという事実に状況を適合させることができる。したがって、図7aに示す半径方向および円周方向の線は、蓋700が配置されているときには見られないが、熱交換器が蓋なしであると考えられるか、または熱交換器の高さの任意の他の位置で「切り開かれる」と考えられるときに見ることができる。チャネルの変化する横断方向のために、個々のチャネルを象徴する図7aの半径方向線は、水平方向に延在するチャネルと垂直方向に延在するチャネルとの間で連続的な変化が起こるため、見ることができない。したがって、平面図では、図7aの線は、半径方向の流れ方向に動作するチャネルを概略的に示しているにすぎない。
【0070】
さらに、垂直チャネルは、凝縮水などの凝縮液体の放散が容易に得られることができるという利点を有する。上から下まで熱交換器全体を垂直に通過する1周期内に2つの領域が存在するため、典型的には分割部分において小さな液滴として凝縮される凝縮水は、単に下に向かって流出する。壁構造は、好ましくは、第1の数のチャネルまたは第2の数のチャネルが熱交換器の動作方向に1つまたは複数の垂直領域を有するように構成され、垂直領域は、熱交換器を通って上から下に延在し、凝縮液放散手段は、1つまたは複数の垂直領域内に存在する凝縮液を放散させるために1つまたは複数の垂直領域の下方に構成される。一実装では、この放散手段は、好ましくは2つの圧力領域のそれぞれについて、熱交換器の下端にある収集パンなどの水収集手段と、ポンプまたは水を放散させるための別の手段とを含む。これにより、凝縮水の簡単な取り扱いおよび早期の放散が得られることができ、熱交換器内の着氷または凝縮液に関する他の問題が防止されることができる。
【0071】
図7cは、一次入力P.IN710、一次出力P.OUT720、二次入力S.IN730および二次出力S.OUT740を有する熱交換器の概略図を示している。入力および出力710から740は、図7cの熱交換器において逆流状況が支配的になるように占有され、これは、一次側の流体、例えば出口空気流体が左から右に流れ、二次側の流体、例えば入口空気流体が右から左に流れることを意味する。
【0072】
図7aおよび図7cに示す円筒形熱交換器では、流体は、逆流方向に、外側から一次側に、すなわち一次入力710から内側に向かって一次出力720に流れ、二次側は二次入力730から外側に向かって二次出力740に流れる。第1の収集領域711は、一次入力に結合され、一次流体は、第1の数のチャネル101a、101b、101cに分配される。一次収集領域711は、典型的には外側の熱交換器の周りに延在し、図7aにも示されている。一次出力側には、(後に図10を参照して示されるように)熱交換器の中央ボアによって形成されることができる第3の収集領域721もあり、ここで、第1の流体または一次側流体は、熱交換器構造を通過した後、個々のチャネルによって収集され、一次出力720を介して誘導される。その上、二次側では、領域721内の矢印端とは反対に、図7aの矢印によって示されるように、第2の収集領域731内の上向きの流れがある。さらに、出力側では、第4の収集領域741においても、図7bの断面図に示され、図7aの平面図においても矢印端によって示されているように、下向きの流れである。第2の収集領域731は、第2の流体をチャネル102c、102bおよび102a内に誘導するように構成され、それにより、第1および第2の流体は、逆流における収集領域の間の領域において熱交換器壁構造を通って流れる。
【0073】
実施形態に応じて、例えば、一次側および二次側が他の方向とは異なる方向に供給され、入力/出力が熱交換器の異なる他の位置に配置される場合、収集領域内の方向は異なることができる。さらに、収集領域711、721、731、741は、それぞれのチャネルによる接続とは別に、互いに流体的に分離されていることに留意されたい。いずれの場合も、収集領域711および収集領域721はまた、それぞれのチャネルを介して接続され、収集領域731および741もまた、それぞれのチャネルによってのみ接続される。一方、収集領域711は、短絡が発生しないように、収集領域741および収集領域721にも当てはまる壁構造によって収集領域731によって流体的に完全に分離される。
【0074】
本発明のさらなる態様は、垂直および水平チャネルが連続的に交互になる(横断方向、すなわち流れ方向に対して横断方向に)という事実により、流れ方向に沿ったチャネルの数が容易に変更されることができることである。極端な場合、水平および/または垂直チャネルの数は、約90°の周期後、すなわち水平チャネルから垂直チャネルへの変更が行われたときに、変更される、すなわち、単一の第1のチャネルおよび単一の第2のチャネルから収集領域内の1つまたは複数のチャネルだけ増加する。例えば、図8aおよび図9aに基づいて示されるような壁構造のより小さな分割によって、チャネルの段階的な小型化が得られることができる。より多数のチャネルのためのチャネルのこの段階的な小型化は、「接続」が容易な収集領域を実装するのに有利である。熱交換器は、インターフェース、すなわち熱交換器の端部に単一の第1のチャネルおよび単一の第2のチャネルしか存在しない場合に、特に良好に接続されることができる。次いで、例えば図6aを参照すると、第1のチャネルは、上半分を含み、第2のチャネルは、下半分を含む。熱伝達効率を高めるために、「回転される」部分領域の数、したがってチャネル数は、例えば、整数比である必要がない任意の比で、90°の後または180°の後にのみ増加する。これにより、体積単位当たりのチャネルの数は、良好な熱伝達係数を提供する非常に小さなチャネルに容易に接続されることができる非常に大きなチャネルから到達するように増加する。これは、本発明のパターンから外れるいかなる特定の手段もなしに得られることができる。したがって、端子における収集領域は、基本的に構造内のチャネル部分と同じように構成されるが、それらの数が少ないことを支持してより大きな体積を有するチャネル部分も表すにすぎない。
【0075】
これに関連して、図8aは、図1eの状況から始めて、図2aの状況の代わりに垂直チャネルの数を増加させるべきである場合に生じる状況を例示的に示している。そのために、これは、図2aと図8aとの比較から、分割部分が水平方向に増加していることが分かる。これは、図2bと比較して図8bに見られるようにより狭い垂直チャネルをもたらすが、より多数の垂直チャネルが好ましい。これは、図2aに示す菱形の分割構造が水平方向に2倍または一般に増加しているという点で単純に得られる。「滑らかな」構造が水平構造200aから200dまたは垂直構造202aから200dとのインターフェースに存在するため、数を2倍にするのではなく、任意の他の比、すなわち任意の不均一または分数比でそれを増加(または減少)させることが容易に可能である。図8bの状況が維持される場合、この構造は、水平チャネルの数は同じままであるが、垂直チャネルの数が増加するという効果を有する。
【0076】
水平チャネルの数も増加するために、手順は、図9aに示されるようになる。ここで、図9aを図2aと比較すると、例えば図1eに示すように、水平方向および垂直方向に菱形構造が増加し、より多くの水平チャネルが得られる。さらに、図9aは、図8bの状況から開始して「継続」した場合の状況を示している。したがって、図9aは、垂直チャネルとのインターフェースについても、より小さな断片に分割された構造を得るために、螺旋状またはヘリカル状の個々の要素のそれぞれの「回転軸」の増加により距離が減少する状況を示している。
【0077】
明らかに、図8aから図9bに基づいて示された手順は、例えば熱交換器内の出力端子に向かう方向に進む場合、すなわち単純な収集領域を有する単純な端子が得られる場合、小規模な構造からより大規模な構造に到達するために異なる方向に実行されることもできる。
【0078】
図7aは、例えば、760において示されるように、熱交換器の外側領域の5つのチャネルの角度要素α当たりのチャネル数が、熱交換器の内側領域の4つのチャネルに減少する状況をさらに示している。この実装は、水平または垂直の「インターフェース」、すなわち、一般に、チャネルが水平または垂直に延びる熱交換器のそれぞれの位置において実行されることができる。しかしながら、770において、3つのチャネルを有する角度要素βから2つのチャネルへの移行が実行される状況が示されている。例えば、9個のチャネルから11個のチャネルなどへの任意の移行、すなわち任意の比率が実行されることができ、チャネルの数は、熱交換器を通る流れがどのように起こるかに応じて流れ方向に増減されることができることは明らかである。
【0079】
以下では、熱交換器の壁構造の好ましい実装が図3aから図5dに基づいて説明される。以下に示すように、熱交換器の壁構造は、流れ方向に沿って螺旋またはヘリカル形状を有する個々の領域によって生成されることができ、または流れ方向に沿って特定の形状に「展開」することができるが、熱交換器の好ましい製造は、ラピッドプロトタイピングまたは3D印刷によって行われることに留意されたい。実施形態に応じて、個々の部分領域自体は、個別に製造され、次いで、例えば、接着、はんだ付け、または個々の部品もしくは部品群を接続する任意の他の方法によって接続されることができる。したがって、製造モードは、3D印刷に限定されないが、3D印刷が好ましい。
【0080】
図3aは、要素301、302、303、304によって示される図1aから図2dの熱交換器の断面を示している。流れ方向に沿ったこれらの要素の展開は、3次元図の図3aに示されており、各図のどの断面が図3aの熱交換器の流れ方向に沿った各位置に対応するかが示されている。周期継続時間Tは、図1aから図2dの展開に対応し、この周期後に同じ周期または特定の周期継続時間もしくは周期の形態で熱交換器の別の実装が再び続くことができるが、例えば、図8aから図9bに基づいて示されるように、より多いまたはより少ない数の水平および/または垂直チャネルを有する。
【0081】
ミリメートル単位の実際の長さ、例えば周期の長さは任意に調整されることができるため、本発明の実装は、実施形態にかかる任意の方法でサイズに応じてスケーリングされることができることに留意されたい。10cm未満、好ましくは2cm未満の周期の長さは、小規模な構造を得るために好ましいものであり、特に、壁構造は、第1の流体から第2の流体への良好な熱伝達を得るために比較的薄いことを特徴とする。しかしながら、壁構造の熱伝導率だけでは、例えばプレート熱交換器では、チャネルが連続的に分割されて再び結合され、チャネルの位置が連続的に変化するため、それほど重要ではないことに留意されたい。これにより、流体と接触している壁構造の面積が大きいことに起因して、および体積を横切る流体との壁構造の均一な接触に起因して、流体から壁構造への良好な熱伝達が得られる。この効率的な熱伝達は、壁構造自体が金属などの特に良好な熱伝達係数を有するかどうか、または壁構造が、例えばアルミニウムよりも低い熱伝達係数を有する効率的且つ経済的な生産の理由でプラスチック製であるかどうかとは無関係である。壁構造に起因して、構造化による熱伝達と比較した実際の材料係数の寄与が低減され、その結果、妥当な体積で良好な効率が得られる。
【0082】
図3bは、4つの個々の領域301、302、303、304の平面図を示し、図1aから図2dにおけるそれぞれの回転および角度表示は、図3bの平面図の0°から360°の各回転角度に対応する。図4aは、図3bの図の半分を示し、図4bは、図4aの平面図および同様に図3aの半分の斜視図を示している。
【0083】
図5aから図5dは、図3aの4つの構造または図4bの2つの構造の個々の構造の形成を示している。開始点は、図5aの平面図に示すように円形である。螺旋として展開された円形は、図5bにおいて斜視的に示されている。しかしながら、個々の要素が長方形であることから、円形は、図5aから開始して長方形に「切断」され、したがって、図5bと同様に螺旋として「繰り出される」とき、円形は、図5dに示されるような斜視形状である。図3aは、図5dに示すような4つのそのような螺旋またはヘリカル構造を示しており、これは、図1aが、例えば、互いに重ねて構築された、または互いに取り付けられた図5dの多くのそのような構造から構成された熱交換器の断面図を表す理由である。
【0084】
これらの構造から、これらは単に緩やかな移行であることは明らかであり、比較的大きなチャネルへの流れの連続的な分割にもかかわらず、好ましくは熱交換器内の乱流ガス流の可能性を最小限に抑えて、依然として小さな流れ抵抗が得られる。
【0085】
壁構造の寸法に関して、壁構造は、第1の数のチャネルのチャネルと第2の数のチャネルの隣接するチャネルとの間に0.01mmおよび1mmの厚さを有するように、または熱交換器の体積の5から40%の割合、好ましくは熱交換器の体積の15から20%の割合を含むように構成される。
【0086】
実施形態では、熱交換器は、少なくとも2つの周期を有するように構成される。好ましくは、熱交換器の体積リットル当たり10,0000から1000万の領域において、多くの周期が使用される。特に好ましい寸法は、体積リットル当たり100,000から300,000周期の範囲である。
【0087】
実装では、チャネルの数は、100万を超える範囲または100,000から200万の範囲など、より高い範囲の領域に設定されることができる。ここで、周期の数は、特に低い流れ抵抗が意図される場合、上限の範囲または5から8の範囲で調整されることができる。
【0088】
上述した熱交換器は、空気-空気熱交換器またはガス-ガス熱交換器として説明したが、この熱交換器は、液体-ガス熱交換器または液体-液体熱交換器として動作されることもできる。液体熱交換器としての動作では、それぞれの液体が流れる構造は、液体の粘度に応じて異なる寸法にされるが、本発明の壁構造のサイズに依存しない形状のために適用状況に応じて容易に適合させることができる。
【0089】
その上、本発明の熱交換器はまた、ガス冷凍機の形態の復熱器として、または空気熱回収装置の熱交換器として、あるいは例えばプレート熱交換器または他の熱交換器が逆流または平行流において使用される任意の他の用途など、非常に効率的な熱交換器が必要とされる任意の用途にも使用されることができる。
【0090】
ガス冷凍機の好ましい実装が、図10から図12bに基づいて以下に示される。
図10は、冷却されるべきガス、すなわち「高温」ガスのためのガス入力2と、冷却されるための、すなわち「低温」ガスのためのガス出力5とを有するガス冷凍機を示している。本発明の好ましい実施形態では、ガスは、オフィス、データセンタ、工場などの室内空気などの通常の空気である。そのような場合、ガス冷凍機は、ある地点でガス入力2を介して室内に空気を吸い込み、室内の別の地点で冷却された空気を室内に排出することによって、開ループとして動作されることができる。
【0091】
しかしながら、本発明は、ガス出力5が熱交換器の一次側に接続され、ガス入力2も熱交換器の一次側に接続されるが、「高温」端に接続され、この熱交換器の二次側が熱源に接続される閉鎖システムとして実装されることもできる。
【0092】
ガス冷凍機は、第1の復熱器入力11、第1の復熱器出力12、第2の復熱器入力13、および第2の復熱器出力14を有する復熱器10をさらに備える。第1の復熱器入力11から第1の復熱器出力12への経路は、復熱器の一次側を表し、第2の復熱器入力13から第2の復熱器出力14への経路は、復熱器の二次側を表す。
【0093】
さらにまた、圧縮機40には、圧縮機入力41および圧縮機出力42が設けられる。圧縮機入力41は、吸気壁31によって境界付けられた吸込領域30を介して第1の復熱器出力12に結合されている。さらに、復熱器熱交換器と区別するためにさらなる熱交換器と呼ばれることもある熱交換器60には、熱交換器入力61および熱交換器出力62が設けられる。第1の熱交換器入力61および第1の熱交換器出力62は、熱交換器60の一次側を形成する。第2の熱交換器入力63および第2の熱交換器出力64は、熱交換器60の二次側を形成する。二次側は、例えば、ガス冷凍機が冷房に使用される場合には屋根に配置されてもよく、またはガス冷凍機が暖房に使用される場合には床暖房システムであってもよいヒートシンク80に結合され、ポンプ90が二次側にさらに設けられ、これは、ヒートシンク80と第2の熱交換器入力63との間に配置されることが好ましい。図1に示すように、第1の熱交換器入力61は、圧縮機出力42に接続され、第1の熱交換器出力62は、第2の復熱器入力13、すなわち復熱器の二次側に接続される。さらにまた、タービン入力71およびタービン出力72を有するタービン70が設けられる。タービン入力71は、復熱器10の第2の出力14、すなわち復熱器の二次側の出力に接続されることが好ましく、ガス出力5は、タービン出力72と同一であるか、またはタービン出力に結合される。
【0094】
図10に示すように、圧縮機入力41は、吸気壁31によって復熱器から分離され、復熱器によって境界付けられた吸込領域30に接続されている。吸込領域30は、圧縮機40から離れるように延在し、復熱器10は、吸込領域の周りに少なくとも部分的に延在するように構成される。吸込領域30は、吸気壁31によって境界付けられ、吸気壁31はまた、復熱器の境界でもある。吸気壁31には、復熱器10の第2の出力12に存在するガスが吸込領域30に流入するのを可能にするための開口部が設けられている。したがって、吸気壁に設けられた開口部は、第1の復熱器出力31を表す。吸気壁は、吸込領域30と第2の復熱器入力13および第2の復熱器出力14の両方との間に(また、復熱器内の設けられた経路を介してガスによってのみアクセス可能である第1の復熱器入力11に関して)流体分離を提供するようにさらに構成される。
【0095】
図10または図11aから図12bの復熱器10は、図7aおよび図7bにおいて説明された実装と同様の本発明の熱交換器として構成される。第1の流体についての図1aの複数の第1のチャネル101a、101b、101cは、図10図11a、図11bまたは図12aのチャネル15であり、第2の流体についての図1aの複数の第2のチャネル101a、101b、101cは、図1aの102a、102b、102cのチャネル16である。
【0096】
図7aの実施形態とは対照的に、復熱器10は、図12bに示すように第1の収集領域711なしで構成され、この外部収集領域は形成されず、設けられた穿孔を介して外部から空気が吸い込まれるため、図12bの第1の収集領域は、冷却されるべき空気が吸い込まれる第1の復熱器入力11を取り囲む空間となる。復熱器10の中央の吸込領域は、図7bの第3の収集領域721に対応する。第2の収集領域731および図7bは、例えば図10または図12aの収集領域18に対応する。図7bの第4の収集領域741は、図10または図12aの収集領域17に対応する。
【0097】
さらに、第1の復熱器入力11は、第1の入力P.IN710に対応する。第1の復熱器出力(12)は、出力P.OUT720に対応する。第2の復熱器入力13は、入力S.IN730に対応し、第2の復熱器出力14は、図7aまたは図7bの出力S.OUT740に対応する。そうでなければ、復熱器10は、図7aおよび図7bに関連して示されるように構成される。すなわち、図1aから図9に説明されるように、チャネルは、全周にわたって交互に水平に延在し、次いで全高に沿って延在し、次いで再び全周にわたって延在する。
【0098】
さらに、復熱器10は、気管などの大規模な構造から、その端部に肺胞が配置される小規模な構造に分岐する気管支構造に類似しているという意味において、図8aから図9bに基づいて記載されるように、収集領域がチャネルの数を犠牲にしてチャネルの連続的または段階的な増加によって得られるように構成されることが好ましい。これにより、それ自体と同様のフラクタル実装によって、一方では、透明で論理的な実装が得られ、これは、熱交換器の全体積にわたる熱伝達効果の最適な均一な分布に起因して、同時に高い効率を有する低い流れ抵抗をさらに特徴とする。
【0099】
好ましい実施形態では、復熱器10は、例えば図11aに示すように、吸込領域30の周りに完全に延在する。しかしながら、特定の実施形態では、復熱器が360°の全角度範囲の一部のみ吸込領域の周りに延在することで十分である。したがって、例えばガス冷凍機が部屋の隅に取り付けられる場合、吸込領域30の周りに僅か90°だけ延在する復熱器の配置は、この点で有利であり得る。実装に応じて、吸込領域の周りの他のより大きいまたはより小さい延在部も復熱器について考えられる。しかしながら、復熱器が吸込領域の周りに完全に、すなわち360°延在する実装は、特に効率的である。
【0100】
ここで、復熱器が平面視で円形断面を有することがさらに好ましい。平面図における三角形、正方形、五角形または他の多角形の断面などの他の断面も考えられるが、これは、平面図におけるそのような断面を有するこれらの復熱器もまた、好ましくは全ての側面から高効率で復熱効果を達成するために、対応するガスチャネルを用いて容易に設計されることができるためである。
【0101】
本発明の好ましい実施形態では、ガス冷凍機全体は、例えば、図11aの100に示すように、ハウジング内に収容される。ガス入力2は、図11aのハウジング100の上側領域に位置し、ハウジングまたは上側ハウジング壁は、復熱器壁と同一になるように形成される。したがって、ガス入力2は、ハウジング壁の穿孔11によって表される第1の復熱器入力を同時に表す。図11aに示すように、復熱器は、ハウジングの高さの30から60%の間など、ハウジング100全体の高さのかなりの部分を占めることが好ましい。さらにまた、ガス冷凍機の全ての構成要素、すなわち圧縮機40および復熱器10の両方、ならびに熱交換器60およびタービン70は、図11aの例示的な特にコンパクトな実装に示されるように、ハウジング100内に配置される。熱交換器60の二次側の接続部63、64、ならびに空気入口2および空気出口5のみが外部にアクセス可能である。さらに、外部からさらにアクセス可能な対応する接続部101を有する電子アセンブリ102は、好ましくは、タービンの下方、タービン入力71の下方、またはタービン出力72の隣に配置される。他の全ての要素ならびに入力および出力などは、コンパクトな実装では外部からアクセスできない。したがって、図11aの特にコンパクトセットアップのガス冷凍機は、空気入口2、空気出口5、熱交換器60の二次側のための接続部63、64、および電子アセンブリ102のための電力/信号接続部101のみを有する。
【0102】
電子アセンブリ102は、好ましくは、圧縮機40の駆動モータに電力を供給するために、またはガス冷凍機の要素に制御データを供給するために、またはガス冷凍機の要素からセンサデータを取得するために使用され、電子アセンブリを冷却するように構成された、または適切なガス冷凍機の領域に配置される。
【0103】
指摘したように、ガス冷凍機は、冷却に使用されることができる。この場合、ガス入力は、冷却対象の部屋に直接または熱交換器を介して冷却対象領域に接続され、熱交換器60または熱交換器の二次側63、64は、建物の屋根の換気装置または冷却対象領域の外側の換気装置などのヒートシンク80に接続される。
【0104】
一方、ガス冷凍機が建物または暖房対象領域を暖房するために使用される場合、熱交換器の二次側63、64は、例えば、床暖房システム(FHS)、または床暖房以外の暖房能力を有し得る任意の加熱回路に接続される。この場合、ガス入力2は、直接システムが使用される場合には高温ガスの供給部に、またはその一次側で熱源に接続された熱交換器に接続され、その二次側は、ガス入力2およびガス出力5によって形成される。特に、図10に示されていないこの熱交換器の二次入力は、ガス入力2であり、二次出力は、図10に示されていないこの熱交換器のガス出口5である。
【0105】
図11aを参照して、ガス冷凍機の設計のための特に好ましい実施形態を以下に示す。
一実装では、図11aに示すように、圧縮機40は、ガス冷凍機の動作方向においてタービン70の上流に配置される。これは、冷却対象領域内の高温空気が上方から下方に吸い込まれることができ、低温空気が冷却対象領域内に下方に排出されるという利点を有する。これは、例えば、低温空気が床または部屋の下部に集まりやすく、高温空気が部屋の上部に集まる傾向があるという物理的特性を考慮している。
【0106】
さらにまた、図11aに示す実施形態では、圧縮機は、圧縮機ホイールを備え、タービンもまた、タービンホイールを備える。好ましくは、両方のホイールは、同一の軸43上に配置される。さらにまた、駆動モータのロータ44が軸43上に配置されて、タービンによって達成される駆動力を超えて依然として必要とされる追加の駆動力を提供する。ロータ44は、ここでは、図11aには示されていない駆動モータのステータと協働する。
【0107】
さらに、図11aに示すように、ロータ44は、圧縮機ホイールとタービンホイールとの間に配置されることが好ましい。
【0108】
好ましくは、復熱器は、圧縮機入力41に接続された吸込領域30が復熱器の内側領域に配置されることができるように、ガス冷凍機の体積の外側領域に配置される。次に、図の左側および右側の両方に空気入口2の概略断面図が示されている図11aに示すように、空気が全ての側から引き込まれる。したがって、復熱器10は、吸込領域30を形成する中央開口部を有する中央領域を有する体積形状を備え、吸気壁は、第1の端部から第2の端部まで延在し、第2の端部は、カバー32によって覆われる。したがって、空気またはガスは、上方から吸込領域に流入せず、復熱器の一次領域を通って側方からのみ流入する。圧縮機入力41における第1の端部からカバープレート32による第2の端部への拡大は、ほぼ放物線または双曲線の形状を有する連続的な拡大であり、これは、吸込領域内の最適な流れパターンを確保し、上部から下部までの吸込領域において最低の流れ抵抗を形成する層流を可能な限り確保するためである。圧縮機入力41に近い復熱器におけるより長いガスチャネルに起因する僅かに大きい流れ抵抗は、圧縮機入力41からより遠く離れた僅かに短いガスチャネルによって補償され、その結果、吸込領域に沿って下から上までの全領域について流れ抵抗のほぼ等しい条件をもたらし、その結果、復熱器は、その全体積にわたって等しく効率的に流れる。
【0109】
好ましくは、復熱器10は回転対称であり、復熱器10の対称軸は、圧縮機の軸またはタービンの軸または吸込領域の軸および/またはハウジングの軸と一致する。
【0110】
一実施形態では、復熱器は、図12aの概略図に一態様として示されている逆流熱交換器として実装される。例えば図11aの復熱器の「左半分」または「右半分」を表す図12aの例では、第1の復熱器入力11から第1の復熱器出力12まで第1のガスチャネル15が存在する。さらに、図12aの左側の第1の収集空間17と図12aの右側の第2の収集空間18との間に延在する第2のガスチャネル16が存在する。第2のガスチャネル16は、第1のガスチャネル15と熱的相互作用する。実装に応じて、すなわち復熱器の二次側がどのように占有されるかに応じて、ガスチャネル16内の流れ方向は、ガスチャネル15内の流れと同じ方向である。次に、図12aの左下の左接続部は、第2の復熱器入力13であり、右接続部は、復熱器出力14である。一方、好ましくは、流路15および16内の流れ方向が互いに反対である逆流によって復熱器を動作させる場合、図12aの左側の入力は、第2の復熱器出力14であり、図12aの右側の接続部は、第2の復熱器入力13である。
【0111】
熱的相互作用は、ガスチャネル15と16との間、すなわちガスチャネル15と対応するガスチャネル16との間に配置された復熱器の材料を介して起こり、すなわち、緩和のためにタービンにもたらされる復熱器の二次領域を流れるガスを冷却することを犠牲にして、吸い込まれた高温ガスを加熱する。
【0112】
復熱器は、図12aに示す実施形態では、左接続部4を介して供給されるガスを下から上に様々なガスチャネルに分配するための収集空間17を含む。これに対応して、チャネルを通って流れたガスは、他方の側において第2の収集空間18によって収集され、第2の接続部を介して引き出される。一方、占有率が異なる場合、すなわち真の逆流の場合、収集空間18は、個々のガスチャネル16へのガスの分配を保証し、収集空間17は、タービン緩和効果により下側接続部を介して抽出する目的で、個々のチャネルから排出されたガスの収集を引き起こす。
【0113】
好ましい実施形態では、小型ガス冷凍機が配置されるハウジングは、回転対称または円筒形であり、0.5から1.5メートルの直径および1.0から2.5メートルの高さを有する。特に、70から90センチメートル、特に80センチメートルの直径を有するサイズが好ましく、170から190センチメートル、好ましくは180cmの高さが、好ましくは直接空気冷却として実装される、例えばコンピュータ室のための既に顕著な冷却を生み出すために好ましい。さらにまた、最適な流れ分布を確保するために、タービン出力72から放物線状または双曲線状に延びるガス出口5への拡大が提供され、それにより、タービン出力72における高速から空気出口5における適合された減速速度への流れ条件の良好な適合が達成され、その結果、冷却によって過剰なノイズが生成されない。
【0114】
好ましくは、ハウジングは、細長形状を有し、ガス入口は、ガス冷凍機の動作方向またはハウジングの壁に対してハウジングの上側領域に複数の穿孔によって形成される。さらにまた、ガス出口は、ハウジングの下部領域または底部の開口部によって形成され、領域の底部の開口部は、上部領域、すなわち空気入口におけるハウジングの断面積の少なくとも50%に対応する。ガス出口の開口部を可能な限り大きくすることにより、ガス出口での低い空気速度、したがって快適な騒音挙動、およびまた空気の動きが少ないだけの室内での快適な「ドラフト」挙動が達成される。
【0115】
好ましくは、圧縮機40は、吸込領域においてガス冷凍機の動作方向に上から下への空気の移動を達成するように配置される。次いで、圧縮機40は、下から上への流れの偏向をもたらし、ここでは圧縮機の誘導チャンバ45を好適に使用し、これは、圧縮機ホイールから誘導チャンバ45への移行時に既に本質的に90°の偏向を達成する。次の90°は、圧縮されたガスを誘導チャンバの出力において、圧縮機出力42でもある熱交換器入力61を介して下から上に供給することによって達成される。次いで、第2の熱交換器において、ガスは、復熱器13の入力と一致する熱交換器出力62に向かって外側から内側に移動する。次いで、ガスは、図12aを参照して示されているように、最初に復熱器において下から上に、次に対応するガスチャネルの出力において上から下に移動し、最後に第2の復熱器出力14においてタービン入力71に入る。タービン入力71は、やはり流れに関して最適に、外側領域、すなわち熱交換器の外側において、第2の復熱器出力に接続され、その結果、ガスが、著しい損失を被ることなく、タービン70に入り、タービン内で緩和し、それに応じてタービンを駆動し、緩和プロセスを通じて熱を失うように、可能な限り少ないガス偏向が達成される。
【0116】
図11aまたは図11bに示す好ましい実施形態では、タービン出力は、ハウジングの底部に配置される。これは、ガス冷凍機がデータセンタの「二重」床の冷却入口領域に配置されることを可能にする。空気チャネルは、この冷却入口領域からコンピュータラックなどの冷却対象領域に延在する。したがって、ガス冷凍機は、(中央)冷却入口から延在する二重床または床内空気チャネルの既存のインフラストラクチャに冷気を供給するコンパクトな手段を提供する。
【0117】
ガス冷凍機の底部にタービン出力を配置することは、凝縮した水分が重力によってユニットから下方に落下し、水分からのエンジンの保護を詳述する必要なく容易に収集および排出されることができるという点でさらに有利である。
【0118】
図12bは、二次側に収集空間を有する好ましい復熱器10の概略平面図を示している。図11aまたは図11bの平面図は概略図である。実施形態では、ガス冷凍機は、閉鎖された蓋によって上部が完全に閉鎖されている。しかしながら、図12bは、蓋が透明である場合の状況を示している。中央には、吸気壁31によって囲まれた吸込領域30が示されている。一方、内側収集空間18についての境界18aおよび外側収集空間17についての境界17aは、吸込領域30の周りに延在する。ガス流は、矢印50によって示されるように、外側から内側へ、すなわち第1の復熱器入力11から第1の復熱器出力12へと生じる。そして、領域30内の矢印端51によって示されるように、吸込領域31内を下方にガスが流れる。次いで、ガスは圧縮され、熱交換器60を通って流れ、第2の復熱器入力13に流入する。そこから、収集チャンバ18内の矢印によって示されるように、それは底部から上部に流れる。次いで、ガスは、矢印端53によって示されるように、復熱器を通って収集チャンバ17内へと外向きに流れ、下方に流れる。次いで、収集チャンバ17から、ガスは、第2の復熱器出力14を介してタービン入力71に入る。
【0119】
実装に応じて、ガス流の短絡が本質的に起こらないように、一方のライン15および他方のライン16が復熱器10内で互いに分離されている限り、流れ方向が異なるように設計されることもできることに留意されたい。同様に、収集空間17、18は、ライン15から分離される。図示の実施形態では、収集空間17、18は、第2の復熱器入力13を第2の復熱器出力14に接続するライン16に関連付けられている。あるいは、実装は、収集空間が第1の復熱器入力および第1の復熱器出力に関連付けられ、第2の入力および第2の復熱器出力が収集空間からガス分離されるようなものであってもよい。
【0120】
好ましくは、熱交換器60は、ディスク状体積を有し、熱交換器入力は、ディスク状体積の外側に位置し、熱交換器出力は、ディスク状体積の内側に位置する。さらにまた、熱交換器入力は、好ましくは、熱交換器の底部に配置され、熱交換器出力は、ディスク状体積の上部に配置される。他の実施形態では、熱交換器入力61の断面が熱交換器出力62の断面よりも大きくなるように形成された断面楔状の熱交換器を形成することが好ましい。これは、図11aのように幾分環状に形成されるが、図11bのリング断面の外側境界が内側境界よりも大きくなる、好ましくは回転対称熱交換器をもたらし、熱交換器は、例えば図11aのように水平に配置される必要はなく、下から上に斜めに配置されることができる。
【0121】
排熱をヒートシンク80に運ぶ水/グリコール混合物などの液体は、好ましくは、熱交換器の二次側を流れ、その入力は、ライン63を表し、その出力は、ライン64を表す。例えば、屋根上に換気装置を有する液体/空気熱交換器であってもよいヒートシンク80内で冷却された媒体は、図11aにも示されるように、ポンプ90によって熱交換器60の二次側の入力63にフィードバックされる。そのため、熱交換器40において、ガスが流れる領域には、できるだけ効率よくガスから熱を除去して熱放散するための螺旋状の液ラインが存在することが好ましい。
【0122】
好ましくは、吸込領域は、圧縮機入力から10cmを超える、好ましくは60cmを超える距離だけ延在する。さらにまた、ガスチャネルは、全ての側面の体積にわたって実質的に均一に分布するように配置され、したがって、可能な限り多くの空気を可能な限り効率的に低抵抗で吸込領域に供給することができる。
【0123】
本発明にかかるガス冷凍機の動作方法では、ガス冷凍機は、具体的には復熱器内に突出する吸込領域30を介して吸込が達成されるように動作される。
【0124】
図10から図12bには示されていないが、復熱器はまた、他の熱交換器技術、すなわち、例えば逆流で動作せず、ガスチャネルが互いに平行ではないか、またはハウジング方向に対して垂直にもしくは水平動作方向に配置されている熱交換器を用いて実装されることもできる。
【0125】
また、圧縮機およびタービンは、必ずしも同じ軸上に位置する必要はなく、圧縮機を駆動するためにタービンによって放出されたエネルギーを使用するために他の手段をとることができる。
【0126】
さらにまた、熱交換器は、必ずしも復熱器とタービンとの間または復熱器と圧縮機との間のハウジング内に配置される必要はない。熱交換器はまた、外部に接続されることもできるが、ハウジング内に配置された構成がコンパクトな設計に好ましい。
【0127】
さらにまた、圧縮機およびタービンは、必ずしもラジアルホイールとして実装される必要はないが、これは、図11aの電子アセンブリ102を介して圧縮機の回転数を連続的に制御することによって良好な出力調整を達成することができるため好ましい。
【0128】
実施形態に応じて、圧縮機は、ラジアルホイールと、ガス流の180°の偏向を達成する誘導経路または誘導チャンバ45とを有するターボ圧縮機として、図11aに示すように設計されることができる。しかしながら、特に効率的な設定を依然として達成するために、例えば誘導チャンバの異なる形状を介して、またはラジアルホイールの異なる形状を介して、他のガスルーティング手段が達成されることもでき、これは良好な効率をもたらす。
【0129】
図11bは、図11aに対する電子アセンブリ102の代替的な配置を有する、本発明のさらなる実施形態にかかる完全に一体化されたガス冷凍機の断面図を示している。図11aでは、電子アセンブリは、タービン出力に隣接する冷却領域に取り付けられているが、図11bでは、圧縮機ホイール40aの基部とタービンホイール70の基部との間のいわゆる「エンジン室」に配置されている。特に、タービン入力71の上側境界71a上のアセンブリ102の配置は、この領域が熱交換器から到来するガスによって十分に冷却されるため、有利である。したがって、モータから失われた熱またはアセンブリ内の電子機器もしくはセンサからのいかなる廃熱も、タービン70を通って容易に放散される。
【0130】
好ましくは、ガス冷凍機に電力および/または制御信号を電気的に供給するための電子アセンブリ102は、中央に開口部を有し、ディスク状であり、圧縮機40の駆動モータのステータの周りに延在し、またはステータと一体的に形成され、さらに例示的には、圧縮機40の圧縮機ホイールの基部とタービンのタービンホイールの基部との間の領域に配置される。
【0131】
図1bには環状アセンブリが断面で示されているが、アセンブリは、エンジンケーシング内に収容され、タービン70の入力71の境界71aと熱的相互作用している、例えば境界71aに取り付けられている限り、任意の方法で形成され得る。この点に関して、例えば図11bに示すように、復熱器出力14の横方向境界14aを通り、適切な位置においてハウジング100を通って、エンジン用の動力101aおよびデータ101b用の供給ラインをルーティングすることがさらに好ましい。
【0132】
以下では、復熱器としての本発明のフラクタル熱交換器および/または熱交換器としての本発明のフラクタル熱交換器を有する本発明のガス冷凍機の例示的な実装が示される。
【0133】
1.ガス冷凍機であって、冷却されるべきガスについての入力(2)と、上述したおよび以下の特許請求の範囲に記載の熱交換器を備える復熱器(10)と、圧縮機入力(41)を有する圧縮機(40)であって、圧縮機入力(41)が第1の復熱器出力(12)に結合される、圧縮機と、さらなる熱交換器(60)と、タービン(70)と、ガス出力(5)と、を備え、圧縮機入力(41)が、吸込壁(31)によって制限され、圧縮機(40)から離れるように延在する吸込領域(30)に接続され、復熱器(10)が、吸込領域(30)の周りに少なくとも部分的に延在し、吸込壁(31)によって制限される、ガス冷凍機。
【0134】
2.復熱器(10)が、第1の復熱器入力(11)、第1の復熱器出力(12)、第2の復熱器入力(13)および第2の復熱器出力(14)を備えるか、または圧縮機が、圧縮機入力(41)および圧縮機出力(42)を備え、または
さらなる熱交換器(60)が、一次側に第1の熱交換器入力(61)および第1の熱交換器出力(62)を備え、二次側に第2の熱交換器入力(63)および第2の熱交換器出力(64)を備え、第1の熱交換器入力(61)が、圧縮機出力(42)に結合され、第1の熱交換器出力(62)が、第2の復熱器入力(13)に結合され、または
タービン(70)が、タービン入力(71)およびタービン出力(72)を備え、タービン入力(71)が、第2の復熱器出力(14)に接続され、ガス出力(5)が、タービン出力(72)に結合される、実施例1に記載のガス冷凍機。
【0135】
3.冷却されるべきガスについての入力(2)が壁内に配置され、ガス出力(5)が壁内に配置されたハウジング(100)を備え、復熱器(10)、圧縮機(40)、タービン(70)、またはさらなる熱交換器(60)が、ハウジング(100)内に配置されている、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0136】
4.圧縮機(40)が、動作方向においてタービン(70)の上方に配置され、または
ガス冷凍機のハウジング(100)の第1の部分において高温ガスの吸込が行われ、ガス冷凍機のハウジング(100)の第2の部分において高温ガスよりも低温のガスの放散が行われるように構成され、第1の部分が、動作方向において第2の部分の上方に配置されている、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0137】
5.圧縮機(40)が圧縮機ホイール(40)を備え、タービン(70)がタービンホイールを備え、圧縮機ホイールとタービンホイールとが共通の軸上に配置され、駆動モータのステータと協働する駆動モータのロータ(44)が軸上に配置され、または圧縮機ホイール(40)が駆動モータのロータ(44)よりも大きい直径またはタービン(70)のタービンホイールよりも大きい直径を備える、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0138】
6.ロータ(44)が、圧縮機ホイール(40)とタービンホイール(70)との間に配置され、または、圧縮機ホイール(40)、第1の軸部分(43)、ロータ(44)、第2の軸部分(43)、およびタービンホイール(70)が、一体的に形成され、または、第1の軸受部分が、圧縮機ホイール(40)上に形成され、第2の軸受部分が、タービンホイール(70)上に形成され、または、ロータ(44)が、アルミニウムなどの非強磁性材料から形成され、強磁性材料のフィードバック要素が、ロータ(44)の周りに配置され、磁石が、フィードバック要素上に配置される、実施例5に記載のガス冷凍機。
【0139】
7.復熱器(10)が、ガス冷凍機の体積の外側領域に配置され、圧縮機入力(41)が、ガス冷凍機の体積の内側領域に配置される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0140】
8.復熱器(10)が、吸込領域(30)を形成する中央領域に配置された中央開口部を含む体積形状を有し、吸込壁(31)が、圧縮機入力(41)を形成する中央開口部の第1の端部からカバー(32)によって閉鎖された第2の端部まで延在する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0141】
9.吸込領域(30)が、第1の端部から第2の端部まで連続的に増加する開口部領域を含み、吸込壁(31)が、連続的にまたはステップなしで形成される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0142】
10.復熱器(10)が回転対称であり、復熱器(10)の対称軸が、圧縮機(40)の軸またはタービン(70)の軸またはガス出力(5)の軸またはガス入力(2)の軸または吸込領域(30)の軸に本質的に対応する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0143】
11.復熱器(10)が逆流熱交換器を備える、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0144】
12.ガスが、冷却されるべきガスについてのための入力(2)を通って外部から内部に移動し、逆流熱交換器によって出力されたガスが、内部から外部に移動する、実施例11に記載のガス冷凍機。
【0145】
13.ハウジング(100)が、側壁と、底壁または蓋壁とを備え、冷却されるべきガスについての入力(2)が、側壁に配置され、ガス出力(5)が、底壁または上壁に配置され、または
ガス出力(5)が、動作方向においてガス冷凍機の底部に形成され、ガス冷凍機がセットアップされることができる部屋の床の冷却ガス入口上に配置されることができるように形成され、または
ガス出力(5)が、動作方向においてガス冷凍機の底部に形成され、さらに、ガス出力(5)に蓄積した凝縮液を収集するための湿度収集装置が設けられている、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0146】
14.ハウジング(100)が、回転対称もしくは円筒形であるか、または0.5mから1.5mの直径もしくは1.0mから2.5mの高さを有する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0147】
15.タービン出力(72)が、ガス出口(5)よりも小さい開口部領域を備え、開口部領域が、タービン出力(72)からガス出力(5)まで連続的に拡大する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0148】
16.ハウジング(100)が長手形状を有し、冷却されるべきガスについての入力(2)が、ガス冷凍機の動作方向に対してハウジング(100)の上側領域または復熱器(10)の壁に複数の穿孔を備え、ガス出力(5)が、ハウジング(100)の底部領域に、上側領域におけるハウジング(100)の断面積の少なくとも50%である開口部領域を有する開口部を備える、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0149】
17.圧縮機(40)が、ガスを吸込領域(30)を介して圧縮機入力(41)内に上から下へと移動させ、出力側誘導室(45)によって圧縮されたガスを下からさらなる熱交換器へと供給するように構成される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0150】
18.さらなる熱交換器(60)が、楔状またはディスク状体積を有し、熱交換器入力(61)が、楔状またはディスク状体積の外側に配置され、熱交換器出力(62)が、楔状またはディスク状体積の内側に配置され、または、熱交換器入力(61)が、楔状またはディスク状体積の底部に配置され、熱交換器出力(62)が、楔状またはディスク状体積の上部に配置される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0151】
19.復熱器(10)が、外側領域に逆流熱交換器構造を有し、内側領域において吸込領域(30)に接続する体積を備え、第1の復熱器入力(11)が、外側領域の外側に配置され、第1の復熱器出力(12)が、内側領域に配置されてガスを吸込領域(30)に誘導し、第2の復熱器入力(13)もまた、内側領域に配置され、第2の復熱器出力(14)もまた、外側領域に配置され、
第1の復熱器入力(11)および第2の復熱器出力(14)が、復熱器(10)において流体的に分離され、第1の復熱器出力(12)および第2の復熱器入力(13)が、復熱器(10)において流体的に分離される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0152】
20.復熱器(10)が、第1の復熱器入力(11)から第1の復熱器出力(12)まで互いに接続された第1のガスチャネル(15)と、第2の復熱器入力(13)と第2の復熱器出力(14)との間で互いに接続された第2のガスチャネル(16)とを備え、
第1のガスチャネル(15)および第2のガスチャネル(16)が、熱的相互作用で配置され、復熱器(10)が、第2の復熱器入力において、一方側で第2のガスチャネル(16)を接続し、内側領域に沿って延在し、第2の復熱器入力(12)を形成する第1の収集領域(18)と、異なる側で第2のガスチャネルを接続し、外側領域の縁部領域に沿って延在し、第2の復熱器出力(14)を形成する第2の収集領域(17)とを備え、吸込壁(31)が、第1の収集領域(18)を制限し、第1の収集領域(18)を吸込領域(30)から分離する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0153】
21.さらなる熱交換器(60)が、復熱器(10)と圧縮機(40)との間に配置される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0154】
22.タービン入力(71)が、接続領域を介して第2の復熱器出力(14)に接続され、接続領域が、さらなる熱交換器(60)の周りに延在する、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0155】
23.さらなる熱交換器(60)がガス-液体交換器であり、ガスが流れる体積内に導電性構造を備え、これを介して液体が流れることができ、液体構造が、さらなる熱交換器(60)の二次入力(63)および二次出力(64)に結合される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0156】
24.ハウジング(100)が、さらなる熱交換器(60)からの液体出口(64)と、さらなる熱交換器(60)への液体入口(63)とを備える、実施例23に記載のガス冷凍機。
【0157】
25.液体入口および液体出口がヒートシンク(80)に接続され、ポンプ(90)がヒートシンク(80)と周期的に配置される、実施例(24)に記載のガス冷凍機。
【0158】
26.復熱器(10)が、吸込領域(30)を完全に囲む体積を備え、吸込領域(30)および復熱器(10)の体積が、圧縮機入力(41)から10cmを超える距離だけ離れるように延在し、冷却されるべきガスについての入力(2)が、第1のガスチャネル(15)からの第1の端部によって形成され、第1のガスチャネルの第2の端部が吸込領域(30)に通じ、第1のガスチャネル(15)が、ガスをいくつかの側から吸込領域(30)に誘導するために体積にわたって分配される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0159】
27.冷却されるべきガスについての入力(2)が冷却対象領域に配置され、ガス出力(5)が冷却対象領域に配置されて冷却対象領域から高温ガスを吸い込み、冷却対象領域に低温ガスを出力する、開放システムとして形成された先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0160】
28.圧縮機の駆動モータにエネルギーを供給するための、またはガス冷凍機の要素に制御データを提供するための、またはガス冷凍機の要素からセンサデータを検出するための電子アセンブリ(102)が、電子アセンブリを冷却するように構成されたガス冷凍機の領域に配置され、または
ガス冷凍機にエネルギーおよび/または制御信号を電気供給するための電子アセンブリ(102)が、タービン出力(72)およびガス出力(5)とガス出力(5)の外側のハウジング壁との間の領域に配置され、または、ガス冷凍機にエネルギーおよび/または制御信号を電気供給するための電子アセンブリ(102)が、圧縮機(40)の圧縮機ホイールの基部とタービンのタービンホイールの基部との間の領域に配置され、または、ガス冷凍機にエネルギーおよび/または制御信号を電気供給するための電子アセンブリ(102)が、タービン(70)のタービン入力(71)の制限要素(71a)に配置され、電子アセンブリが、さらに、タービン(70)のタービン入力(71)の外側に配置され、または、
ガス冷凍機にエネルギーおよび/または制御信号を供給するための電子アセンブリ(102)が、中央に開口部を備え、ディスク状であり、圧縮機(40)の駆動モータのステータの周りに延在し、またはステータと一体的に形成され、例えば、圧縮機(40)の圧縮機ホイールの基部とタービン(70)のタービンホイールの基部との間の領域に配置される、先行する実施例のいずれか一項に記載のガス冷凍機。
【0161】
図13は、本発明の実施形態にかかるガス処理装置1600を示している。ガス処理装置1600は、圧縮機入力41および圧縮機出力42を有する圧縮機40を含む。さらに、装置は、以下で復熱器と呼ばれ、第1の熱交換器入力11と、第1の熱交換器出力12と、第2の熱交換器入力13と、第2の熱交換器出力14とを備える熱交換器10を含む。熱交換器10は、入力11および出力12によって形成される一次側、ならびに入力13および出力14によって形成される二次側の両方で、同じタイプのガス、例えば空気が使用されるという点で、ガス-ガス熱交換器として構成される。しかしながら、ガスが圧縮機、熱交換器の二次回路およびタービンの組み合わせで使用され、熱交換器の一次側に異なるガスが流れるかどうかとは無関係に、熱交換器は、依然としてガス-ガス熱交換器として構成される。
【0162】
本発明の代替的な実施形態では、熱交換器は、液体-ガス熱交換器または固体-ガス熱交換器として構成されることもできる。次いで、好ましくはガス供給部または液体供給部でもある材料供給部に結合する少なくとも1つの入力インターフェースもしくは出力インターフェースまたは両方のインターフェースが提供される。両方の場合において、入力または出力インターフェースは、切り替え可能とすることができるかまたはしっかりと配線されることができるだけでなく、それぞれのインターフェースはまた、材料供給部からの熱エネルギーを熱交換器にもたらすための、または熱エネルギーを熱交換器10から放散させるための熱交換器を含むことができる。
【0163】
本発明の好ましい実施形態では、ガス処理装置1600は、入力インターフェース1000もしくは出力インターフェース200または両方のインターフェースによって補完される。入力インターフェース1000は、圧縮機入力41および熱交換器入力11を、好ましくは出口空気チャネル1102aおよび新鮮空気チャネル1102bからなるガス供給部である材料供給部に結合するように構成される。さらに、出力インターフェース200は、タービン出力72および第1の熱交換器出力12を、好ましくは入口空気チャネル1202aおよび排気空気チャネル1202bを含むガス排気である材料排気に結合するように構成される。特に、入力インターフェースは、入力側の出口空気入力またはチャネル1102aと、同じく入力側の新鮮空気入力1102とを備える。さらに、入力インターフェース1000は、入力インターフェース1000の出力側に第1の入力インターフェース出力1104および第2の入力インターフェース出力106を備える。さらに、出力インターフェース200は、好ましくは、出力側に入口空気出力1202aおよび排気出力1202bを備え、出力インターフェース200の入力側に第1の出力インターフェース入力206および第2の出力インターフェース入力204を備える。
【0164】
図13に示すように、ガス処理装置1600では、圧縮機出力42は、第2の熱交換器入力13に接続される。さらに、第2の熱交換器出力14は、タービン入力71に接続される。本発明の好ましい実施形態では、タービン出力72は、第1の出力インターフェース入力206に接続される。さらに、第1の熱交換器出力12は、第2の出力インターフェース入力204に接続される。さらに、第1の入力インターフェース出力1104は、第1の熱交換器入力11に接続され、第2の入力インターフェース出力106は、圧縮機入力41に接続される。上述した接続は、ガスが入力インターフェース出力1104から、例えば熱交換器10の第1の一次側熱交換器入力11に直接流れるように、ガスチャネルと異なるガスチャネルとの直接接続である。
【0165】
その上、入力インターフェース1000は、入力インターフェース1000の入力側を入力インターフェース1000の出力側に結合するように構成される。その上、出力インターフェースは、出力インターフェース200の入力側を出力インターフェース200の出力側に結合するように構成される。
【0166】
実装に応じて、この結合は、例えば図14または図15に示されるような固定結合であってもよく、または例えば図16aまたは図17aに示されるように、入力インターフェース1000および出力インターフェース200に対して切り替え可能な結合であってもよく、例えば図17cおよび図16aに示されるようなスイッチが使用されて、一方の結合から他方の結合へのそれぞれの切り替えを実行することができる。これにより、例えば、図14に示すように冷房運転や夏季運転、図15に示すように暖房運転や冬季運転が得られる。代替的または追加的に、固定結合または切り替え可能な結合は、さらなる熱交換器を介して実行されることができる。
【0167】
さらに、図13は、入力インターフェースまたは出力インターフェースが制御信号1302、1304に応じて制御されることができる実装を示しており、装置は、制御入力を取得し、制御信号1302、1304を提供するように構成された制御装置300を備え、制御装置300は、手動入力またはセンサ制御入力によって制御信号を取得するように構成される。
【0168】
好ましくは、制御装置300は、制御信号1302、1304によって入力インターフェース1000または出力インターフェース200を、ガス排気用の入口ガスチャネル1202用のガスを冷却するための夏季運転に設定し、制御信号1302、1304によって入力インターフェース1000または出力インターフェース200を、入口ガスチャネル1202a用のガスを加熱するための冬季運転に設定するように構成される。制御装置は、例えば、図16bの制御テーブル1301または図17bの制御テーブル1303をメモリに記憶しておき、それに応じて使用することができる。
【0169】
ガス処理装置1600の図14の実施形態では、入力インターフェース1000は、新鮮空気チャネル1102bと圧縮機入力41との間の固定接続として構成される。これは、第2の入力インターフェース出力106と新鮮空気チャネル1102bとの間に直接接続があることを意味する。したがって、出口空気チャネル1102aはまた、第1の熱交換器入力11または第2の入力インターフェース出力1104に直接接続される。
【0170】
図14に示すように、一方では出力インターフェース入力206と入口空気チャネル1202aとの間、および第2の熱交換器入力12または出力インターフェース入力204と排気出力1202bとの間にそれぞれの直接接続がさらに存在する。
【0171】
さらに、図14は、装置1600と、部屋出口空気チャネル508および部屋入口空気チャネル510を介して部屋400に結合された空気調和装置との結合を示している。図18aまたは図18bにおいてより詳細に説明される空気調和装置500は、場合によっては空気を部屋から吸い出して入力インターフェース100に送り込む送風機を備える分割部502と、任意の処理部504と、好ましくは、部屋入口空気チャネル510内の部屋入口空気を部屋に吸い込み、入口端子1202aからそれぞれの入口空気を吸い込む送風機を備える結合部506とを含む。
【0172】
さらに、図14は、ガス処理装置の冷却効果を説明するために異なる例示的な温度値を含む。50℃の比較的熱い新鮮な空気は、新鮮な空気の入力を介して圧縮機40によって吸い込まれる。夏季の非常に暑い地域においても、日陰すなわち外気が50℃を超えることはほとんどない。圧縮機40は、例えば、図14には示されていないが、圧縮機の誘導室の出力の空気が90℃の温度を有する効果を有する回転速度または圧縮比になるように構成される。この90℃の温度は、熱伝達および一次側との熱結合により、熱交換器10において第2の熱交換器出力14において28℃に低下する。約28℃の温度を有する高圧下にある冷却された空気は、元の圧力比に対する緩和が得られるという事実に起因して、タービン70内で例えば5℃の温度に緩和される。
【0173】
次いで、5℃の冷気は、入口空気チャネル1202aに供給され、部屋400内の冷却目的に使用されることができる。熱交換器10の一次側は、入力側に、例えば25℃の温度を有する部屋からの熱い空気を含み、この温度は、熱交換器10の効果によって約87℃の温度に上昇し、このとき非常に熱い空気は、排気空気チャネル1202bを介して外部、例えば建物の影側または屋根に放散される。外気温が非常に高く50℃付近であっても、87℃の排気は依然として環境空気よりもかなり高温であり、したがって、排気を介して放散されたエネルギーは、環境によって容易に受け取られることができ、追加のヒートシンクは、必要とされないことが示されている。二次側入力と二次側出力または一次側入力と二次側出力との間に存在する熱交換器10については、典型的な3℃の熱交換器温度差が想定されている。
【0174】
空気調和装置の結合部506によって結合部506内の処理部504の出力に5℃の冷気を混合することによって、例えば、18℃の冷気が容易に生成されることができ、これは、冷却目的で、例えば、会議室、部屋、ホールなどの建物内の部屋である部屋400、またはデータセンタなどの「機能室」に供給されることができる。
【0175】
図15は、ガス処理装置1600の代替的な実装を示しており、ここでは、暖房効果が部屋400内で得られることになる冬季運転に切り替えられている。ここでも、室内が寒すぎる、すなわち、例えば18℃の温度を有する空気が室内から引き出され、分割部502に供給されることが想定される。分割部502は、圧縮機40に接続された出口空気チャネル1102aに供給する。圧縮機は、18℃の高温空気を受け取り、その圧縮効果により空気の温度を例えば48℃まで上昇させる。熱交換器10の効果により、この48℃の高温空気は、約-27℃まで冷却される。圧縮機出力42に存在する依然として非常に高い圧力にある-27℃の低温空気は、タービン70を介して緩和され、例えば-57℃の温度に冷却される。この非常に低温の空気は、排気出力を介して環境に放散され、これは、図15に示す実施形態では、既に-30℃の非常に低温である。環境空気は、新鮮空気チャネル1102bを介して熱交換器10の一次側入力11に供給され、熱交換器の効果により45℃の温度に加熱される。45℃の高温空気は、結合部508を介して処理部504の出力において18℃の高温空気と混合され、最終的な効果において、例えば、部屋入口空気チャネル510において25℃の温度を達成する。
【0176】
冷却のための図14および加熱のための図15に示される温度例は、極端な例である。したがって、例えば、図14の例は、50℃という極めて高い外気温であっても、冷却効果が得られやすく、87℃の高温の排気が生成されることができ、ヒートシンクとして環境に供給されやすいことを示している。
【0177】
同じことが図15に示す温度例にも当てはまり、-30℃の非常に低温の外部温度が想定され、-57℃の非常に低温の排気が、例えば-30℃の低温環境に容易に放散されることができる本発明の圧縮機-熱交換器-タービンの組み合わせによって生成されることができる。換言すれば、-30℃の低温の入口空気であっても、十分な熱源として機能し、熱交換器10を介して45℃の温度までの新気温度の上昇が得られ、これは加熱に容易に十分である。
【0178】
図14および図15に示す実施形態では、空気調和装置と分割部502および結合部506との中間接続が示されているが、分割部502と結合部506との中間接続がなくても、例えば、図15に示す45℃の高温空気が直接室内に供給されるとき、または図14に示すように、5℃の低温空気が直接室内に供給されるとき、室内の冷房または暖房が可能であることが容易に分かる。空気の常に一部のみが排気となり、処理部504での処理後に別の部分が再び送り込まれる既存の空気調和プラントとの互換性のために、本発明によれば、図18aを参照して以下により詳細に説明するように、要素502、504、506の使用が好ましい。
【0179】
暖房のために図14よりも外気温が高いか、または冷房のために図15よりも外気温が低い場合、圧縮機およびタービンの要件が緩和されることに留意されたい。これらの緩和された要件、または現在の温度が他の方向においてより極端になると、圧縮機およびタービンの回転速度を減少または増加させることによって、より緊張した要件が実装されることができる。
【0180】
図18aは、両方とも空気調和対象の部屋400に接続された部屋出口空気チャネル508および部屋入口空気チャネル510を有する空気調和装置500の詳細を示している。空気調和装置500は、分割部502と、任意の処理部504と、結合部506とを備える。分割部は、部屋出口空気チャネル508内の空気流を出口空気チャネル1102aと再供給流512とに分割し、出口空気チャネル1102内に存在する出口空気は、特定の処理または空気調和後の排気となる。
【0181】
チャネル1102aを介して最終的に排気空気にならないチャネル508内の部屋出口空気の部分は、その温度が通常変更されないが、酸素富化、湿度富化、または湿度枯渇などの処理部504内の他の空気質パラメータに関してのみ処理されることができる再供給流512を表す。さらなる処理プロセスは、細菌またはウイルスなどの塵埃または生物学的粒子の再供給流を消毒すること、または再供給流を濾過することである。図18aに点線で示されるように、処理部508は、橋架または省略されることもできる。
【0182】
結合部506では、温度が変更された新鮮な空気に基づく入口空気チャネル1202aにおける入口空気は、そのまままたは処理後の再給気流と合流され、部屋入口空気チャネル510を介して部屋400に供給される。このために、結合部506は、好ましくは、送風機、例えば図8cの506を含み、送風機は、入口空気チャネル1202aを介して入口空気を吸い込む、すなわち図20cに対して熱交換器の一次側を通して入口空気を吸い込むために使用されることができる。同時に、送風機も分割部502内に存在することができ、送風機は、部屋400から部屋出口空気を引き出し、出口空気チャネル1102aに空気を供給して、例えば、夏季運転中に、排気として熱交換器10を通って環境内に空気を輸送する。
【0183】
図18bは、ガスを処理しながら装置に結合されることができる空気調和装置のさらなる実施形態を示している。図18bの装置は、図18aの装置と同様である。しかしながら、処理部505は、分割部502と結合部506との間ではなく、結合部506と部屋400の空気入口との間の部屋入口空気の流れ方向に位置している。これにより、図18aの実施形態とは逆に、部屋出口空気だけでなく、空気調和された新鮮な空気である端子1202aからの入口空気も処理される。例えば、発生する可能性があるように、新鮮な空気が、例えば、農業プラントの近くで臭気汚染されている場合、特徴504は、この臭気汚染を除去することができる。図18aとは対照的に、図18aの処理部504は、図18bの場合よりも少ないガス流を処理しなければならないが、それは、図18aでは出口空気の一部のみが処理されて部屋400に戻されるとともに、図18bではガス流全体が処理されなければならないためである。好ましい実施形態における分割部502は、出口空気流の50%超、好ましくは70%超または80%超を供給流512に転向させるため、この点は特に重要ではない。さらに、端子1102aおよび1202aにおいて結合部506の後に処理部504を配置するとき、同じ圧力が支配的である、すなわち、全く同じ圧力領域が支配的であることが有利であることが示されている。したがって、送風機またはファンなしで、例えば受動的に分割部502を実装することが好ましい。その場合、図17aに21によって示される任意のファンLが存在することになり、これは、そうでなければ点線22によって概略的に示されるように存在する必要はない。処理された空気を室内に吹き込むと同時に、供給流512が処理部504内のファンによって吸い込まれ、空気調和された新鮮な空気が結合部506に引き込まれるように受動的分割部502を優先させるために、好ましくはファンも存在する処理部の代替的な配置も、図14または図15において使用されることができる。あるいは、ファンL21は、端子A4の前に熱交換器の出力に配置されることもできる。しかしながら、図17aにおける配置は、ここではガス流が熱交換器を通って押圧され、端子A4における配置のように吸い込まれないため好ましい。
【0184】
さらに、部屋400は、家、オフィス、オフィススペースなどの任意の部屋とすることができるが、車または回転式乾燥機の内部とすることができることに留意されたい。例えばレストランの部分的に開いた外側の部屋など、完全に分割されていない部屋であっても、冷房または暖房など、本発明にしたがって空気調和されることができる。
【0185】
本発明は、ガス処理装置による空気調和に加えて、例えば夏季の冷房運転のために特に入口空気を除湿するなど、通常行われるべき作業が簡単に行われることができるため、さらに特に有利である。図14に示す例示的な温度に関して、露点は、タービンの出口パイプに発生する。ここで、霧形成が起こる。制御された除湿は、形成された液滴の所望の部分を捕捉し、それを凝縮された液体排出位置に放散する液滴キャッチャがタービン70の出口流に配置されるという点で、簡単に行われることができる。
【0186】
一方、図5に示すような冬季の暖房運転のような空気加湿は、熱交換器10の出力12、すなわち45°などのガスが比較的高温である結合部の前に、例えばフロータ構造によって液体によって自動的に補充されることができる開放水領域が配置されるという点で、簡単に得られることができる。温度に対して乾燥しすぎている熱交換器から流出するガスのために、液体は、開放水領域から容易に蒸発する。あるいは、水がこの場所に噴霧されることもでき、これもまた、あまり手間をかけずに可能である。
【0187】
液体、例えば水を作動媒体として使用するヒートポンプを使用することによって部屋出口空気流からの熱回収が行われる既存の空気調和装置とは対照的に、ガスを処理するための本発明の装置は、作動媒体として液体を全く使用せずに完全に動作するが、作動媒体としてガスを使用するにすぎないことに留意されたい。したがって、本発明のガス処理装置は、水の循環に起因する、または(必要な圧力が非常に小さいために)高価なおよびエネルギー集約的な水の蒸発に起因する全ての損失が陳腐化するため、特に効率的で省エネルギーな方法で実装されることができる。本発明によれば、熱交換器がガス-ガス熱交換器として実装されるように、熱交換器の一次回路および熱交換器の二次回路の両方にガスのみが使用される。装置全体では、作動媒体としての液体の使用に伴う全ての困難が廃止されるように、作動媒体としてガスのみが使用される。作動媒体として液体を使用する場合のそのような問題のある高価な実装は、例えば、水などの環境に優しい液体が使用される場合であっても、例えば低温で水を蒸発させるために必要な手段においても、液体の貯蔵および密封である。
【0188】
図16aは、例えば図17cに概略的に示されるような双方向スイッチとしての入力インターフェース1000または出力インターフェース200の実装を示している。図17cのスイッチ1700を回転させることにより、一方では端子A1の端子A4への接続、他方では端子A2の端子A3への接続が得られることができ、スイッチ1700の現在の「スイッチ位置」が示すように、出口空気は、図16aの1104に示す端子A1に接続され、新鮮な空気は、端子A3に接続される。スイッチ1700を90°回転させると、新鮮空気チャネルは、端子A1に接続され、出口空気チャネルは、端子A3に接続される。
【0189】
出力インターフェースの実装も同様であり、ここでは図17cの下部のラベリングが関連する。スイッチ1700の現在位置では、入口空気1202aは、端子A2に接続され、排気空気1202bは、端子A4に接続される。スイッチ1700を90°回転させると、入口空気は、端子A4に接続され、排気は、端子A2に接続される。
【0190】
図16bは、図14に例示する夏季運転において、出口空気が端子A1に接続され、新鮮な空気が端子A3に接続され、入口空気が端子A2に接続され、排気が端子A4に接続されることを示す各制御テーブルを示している。しかしながら、図15にかかる本発明のガス処理装置が冬季運転において構成される場合、出口空気は、端子A3に接続され、新鮮な空気は、端子A1に接続され、入口空気は、端子A4に接続され、排気は、端子A2に接続される。
【0191】
図17aは、入力インターフェースおよび出力インターフェースの代替的な実装を示しており、入力インターフェースは、図16aの双方向スイッチとは対照的に、それぞれ2つの個別のスイッチによって実装される。入力インターフェースは、端子A3用の第1のスイッチ1000aと、端子A1用の第2のスイッチ1000bとを含む。
【0192】
出力インターフェースは、端子A2用の第1のスイッチ200aと、端子A4用の第2のスイッチ200bとを含む。第1のスイッチ1000aは、新鮮空気端子308と、出口空気端子320とを有する。第2のスイッチ1000bは、出口空気端子108と、新鮮空気端子120とを有する。端子108および端子320は、別個の端子とすることができ、または全て同じ出口空気端子または出口空気チャネルに戻ることができる。新鮮空気端子120および新鮮空気端子308は、同様に異なる端子とすることができ、または同じ新鮮空気チャネルに戻ることができる。
【0193】
スイッチの制御は、第1の制御信号C1についての制御信号1302bを介して、且つ制御端子C3を介した第2の制御信号1302aを介して行われる。
【0194】
出力インターフェース200は、第1のスイッチ200aおよび第2のスイッチ200bを介して同様に実装される。出力インターフェースは、第1のスイッチの場合、入口空気チャネル208および排気空気チャネル220を含み、第2のスイッチの場合、排気空気チャネル400および入口空気チャネル420を含む。排気空気チャネル220および排気空気チャネル400は、異なる流路とすることができ、または同一の排気空気チャネルとすることができる。同じことが、別々に構成されることができ、または共通の入口空気チャネルに導くことができる入口空気チャネル420および入口空気チャネル208にも当てはまる。制御は、第2のスイッチについての、すなわち制御信号C2についての制御信号1304aを介して、および制御端子C4についての第2の制御信号1304bを介して同様に行われる。
【0195】
図17bは、個々の制御端子C1、C2、C3、C4がどのように調整されて、夏季運転または冬季運転のいずれかを得るか、すなわち、例えば図14にかかる室内の冷房または図15にかかる室内の暖房のいずれかを得るかを示すさらなる制御テーブル303を示している。
【0196】
図20cは、やはりタービン70、圧縮機40、および熱交換器10を備える、ガス処理装置のさらに好ましい実装を示している。しかしながら、図20cは、回転対称熱交換器としての熱交換器10の特定の実施形態を断面で示している。ここで、ガスは、収集室17を介して異なる収集室18と連通する二次入力13の圧縮機出力42に供給され、次いで、ガスは、収集室を介して第2の熱交換器出力14およびタービン入力71に供給される。同時に、第1の熱交換器入力11には、他の収集室17の周囲の外側に延在する一次側収集室19aを介して、端子A1を介してガスが供給される。ガスは、入力A1を介して、一次側または第1の熱交換器出力12に入力された第1の熱交換器から個々のチャネルに流れ、壁31によって制限された吸込領域30に収集され、吸込領域30は、第2の一次側収集室19bとして機能する。そこで吸い込まれたガスは、例えば図18aの結合部506において、送風機を介して部屋入口空気チャネルに導入される。あるいは、図20cには示されていない送風機が端子A1の「上方」に配置されることができ、この送風機は、そして、分割部502内に存在することができ、出力インターフェース配線に応じて、一次入力からのガスを一次出力12または吸込領域30に、そしてそこから端子A4に、そこからさらに部屋または環境に運ぶ。
【0197】
図20bは、同じく二次側に収集室を有する好ましい復熱器10の概略平面図を示している。実施形態では、装置は、閉鎖された蓋によって上部に向かって完全に閉鎖されている。しかしながら、図20bは、蓋が透明である場合の状況を示している。中央には、吸込壁31によって制限される吸込領域30が示されている。吸込領域30の周囲には、内側収集領域18についての制限18aおよび外側収集室17についての制限17aが延在する。ガス流は、矢印50によって示されるように外側から内側に向かって、すなわち第1の一次側復熱器入力11から第1の復熱器出力12まで発生する。次に、吸込領域31内のガスは、領域30内の矢印端51によって示されるように底部に向かって流れる。さらに、ガスは、二次側で圧縮機出力42から第2の復熱器入力30に流入する。そこから、収集室18内の矢印によって示されるように、底部から上部に流れる。復熱器10を通って、ガスは、再び収集室17内の外部に流れ、そこから矢印端53によって示されるように底部に流れる。収集室17から、ガスは、復熱器出力14を介してタービン入力71に到達する。
【0198】
ガス流の短絡が本質的に起こらないように、復熱器10において一方でライン15および他方でライン16が別個である限り、流れ方向は、実装に応じて異なるように構成されることができることに留意されたい。同様に、収集室17、18は、ライン15から分離されている。図示の実施形態では、収集室17、18は、第2の復熱器入力13を第2の復熱器出力14に接続するライン16に割り当てられる。あるいは、実装はまた、収集室が第1の復熱器入力および第1の復熱器出力に割り当てられ、第2の入力および第2の復熱器出力がガスに関して収集室から分離されるようにすることもできる。
【0199】
図20aは、図20cまたは図20bとは反対に回転対称に構成されていない熱交換器の概略図をさらに示しているが、例えば、ガスが第1の復熱器入力11を介して第1の一次側収集室19aに流入し、チャネル15を介して第1の復熱器出力12に流入し、特に第2の一次側収集室19bに流入し、そこから第2の熱交換器出力12を介して復熱器10を出る、円筒形または直方体形に構成された熱交換器の概略図をさらに示している。二次側は、第2の復熱器入力12を含み、これを介してガスは、収集室18から他の収集室17にチャネル16を通って流れ、そこから第2の復熱器出力14を介して復熱器10または熱交換器を出る。これにより、2つのチャネル間の熱的相互作用が得られるが、これらはガスに関して互いに分離される。同様に、第1の一次側収集室19aと第2の一次側収集室19bとが二次側収集室17、18からのガスに対してそれに応じて分離され、その結果、短絡しない熱交換器をもたらす。
【0200】
しかしながら、同時に、図20aは、図20bの平面図に示されているような回転対称熱交換器の少なくとも一部の説明にも役立ち、外側から見て、上から、図20aの収集室19aが、二次側収集室17をドット状にさらに内側に、また、さらなる二次側収集室18の内側に示されており、特に吸込領域30または中央領域は、一次側のさらなる収集室19bを表す。しかしながら、図20bは、少なくとも熱交換器10に対して図20cが実際のセットアップ方向を示すときに、第1の復熱器出力12が、図20bの底部に向けられた通路51によって示されるように、および図20cに概略的に示されるように、図面平面に対して底部にある場合を示している。機能については、作動媒体として液体を有するヒートポンプの実装と比較して、重力はガスにとって決定的ではないため、セットアップ方向は無関係である。これは、作動媒体として液体を有するヒートポンプと比較して、特にセットアップ方向がガスと比較して高い重量および高密度のために重要な役割を果たすことから、本発明の別の利点を示すが、これは、本発明の場合ではなく、本発明の適用において大幅に大きな柔軟性を可能にする。
【0201】
好ましくは、復熱器は、長手方向シリンダ方向に10cmを超える、好ましくは60cmを超える距離だけ延在する。さらに、ガスチャネルは、体積全体にわたって本質的に全ての側に均等に分布するように配置され、したがって、吸込領域への抵抗をほとんど伴わずに一次側入力11から可能な限り効率的に多くの空気を誘導することができる。
【0202】
本発明にかかる装置の動作方法では、装置は、熱交換器内でガス-ガス動作が得られるように動作される。
【0203】
装置の製造方法では、個々の要素は、特定の圧縮機-熱交換器-タービン構成が得られるように構成および配置される。
【0204】
図13から図20cには示されていないが、復熱器10は、他の熱交換器技術、すなわち、例えば逆流では動作せず、ガスチャネルが互いに平行ではないか、またはハウジング方向に垂直にもしくは水平動作方向に配置されていない熱交換器を用いて実装されることもできる。
【0205】
圧縮機およびタービンはまた、必ずしも同じ軸上に配置される必要はないが、圧縮機を駆動するためにタービンによって放出されたエネルギーを使用するために他の手段をとることができる。
【0206】
その上、圧縮機およびタービンは必ずしもラジアルホイールとして実装される必要はないが、これは好ましく、図19bの電子アセンブリ102を介した圧縮機の連続的な回転速度制御によって、良好な動力適合が得られることができる。
【0207】
実施形態に応じて、圧縮機は、ラジアルホイールと、ガス流の180°の偏向を得る誘導経路または誘導室とを備えたターボ圧縮機として構成されることができる。しかしながら、他のガス誘導手段は、誘導室の異なる形状を介して、例えばラジアルホイールの異なる形態を介して得られることができ、良好な効率をもたらす依然として特に効率的な構造を得ることができる。
【0208】
図19aは、好ましい圧縮機-タービンの組み合わせの斜視図を示し、図19bは、図19aの好ましい圧縮機-タービンの組み合わせの側面図を示している。組み合わせは、好ましくは、モノリシックユニットまたは同じ材料から一体的に構成される。これは、圧縮機ホイール40aが配置される上部または第1の軸受領域40bを含む。圧縮機ホイール40aは、軸43としても示される第1の中間領域43aに移行する。この軸領域43aは、ロータ44内に再び移行し、ロータは、さらなる中間領域43bに再び移行する。同じことの後に、底部軸受部分70bを介して懸架されることができるタービンホイール70aが続く。軸受領域用のサスペンションは、第1の軸受領域40b用の図10または図20cの吸込領域30の壁に配置され、タービンホイール70a用の軸受領域70bは、タービン出力72のサスペンションに取り付けられる。好ましくは、転がり軸受または玉軸受が軸受として使用される。
【0209】
好ましい実施形態では、組み合わせは、アルミニウムまたはプラスチックなどの材料から形成され、ロータ44は、図19aまたは図19bに示されていないステータとモータギャップを形成するために、磁石が例えば接着剤によって取り付けられる強磁性フィードバックリングによって取り囲まれる。
【0210】
図19bにさらに示すように、組み合わせは、圧縮機ホイール40aの直径がロータ44の直径よりも大きく、ロータ44の直径(好ましくはフィードバック44aおよび磁石44bなし)がタービンホイール70aの直径と同じかまたはそれよりも大きくなるように寸法決めされる。これにより、フィードバックリング44aをタービンホイール70a上に押し付けることができ、フィードバックリングをその円周においてロータ44に取り付けることができる。
【0211】
図19bは、電子アセンブリ102の例示的な好ましい構成を示している。ここで、電子アセンブリは、圧縮機ホイール40aの基部とタービンホイール70aの基部との間のいわゆる「機械室」に配置される。特に、急速に回転するタービンホイールから離間したタービン入力71の上側制限71a上のアセンブリ102の配置は、この領域が熱交換器から到来するガスによって十分に調整されるために有利である。これにより、アセンブリ内の電子機器またはセンサ技術のモータ損失熱または廃熱は、タービン70を介して容易に放散される。
【0212】
好ましくは、エネルギーおよび/または制御信号を装置に供給するための電子アセンブリ102は、中央に開口部を有し、ディスク状であり、圧縮機40用の駆動モータのステータの周りに延在し、またはステータと一体化され、さらに例示的には、圧縮機40の圧縮機ホイール4aの基部とタービンのタービンホイール71aの基部との間の領域に配置される。
【0213】
図19bは、リング状アセンブリを断面で示しているが、アセンブリは、機械室に組み込まれ、タービン70の入力71の制限71aと熱的相互作用する、すなわち、例えば制限71aに取り付けられる限り、任意の形態を有することができる。ここで、復熱器出力14の横方向制限14aおよびそれぞれの位置のハウジング100を介して、エネルギー101aおよびモータのデータ101b用の供給ラインを誘導することがさらに好ましい。
【0214】
以下では、本発明のガス処理装置および本発明の空気調和装置の例示的な実装が、本発明のフラクタル熱交換器とともに示されている。
【0215】
1.圧縮機入力(41)および圧縮機出力(42)を有する圧縮機(40)と、第1の熱交換器入力(11)、第1の熱交換器出力(12)、第2の熱交換器入力(13)および第2の熱交換器出力(14)を有する熱交換器(10)であって、ガス-ガス熱交換器として構成される熱交換器と、タービン入力(71)およびタービン出力(72)を有するタービン(70)と、を備え、圧縮機出力(42)が、第2の熱交換器入力(13)に接続され、第2の熱交換器出力(14)が、タービン入力(71)に接続される、ガス処理装置。
【0216】
2.圧縮機入力(41)および第1の熱交換器入力(11)をガス供給部(1102a、1102b)と結合するための入力インターフェース、またはタービン出力(72)および第1の熱交換器出力(12)をガス排気部(1202a、1202b)と結合するための出力インターフェース(200)をさらに備える、実施例1に記載の装置。
【0217】
3.入力インターフェース(1000)が、入力側において、出口空気入力(1102a)および新鮮空気入力(1102b)を備え、出力側において、第1の入力インターフェース出力(1104)および第2の入力インターフェース出力(106)を備え、入力インターフェース(1000)が、入力インターフェースの入力側を入力インターフェースの出力側に結合するように構成され、または出力インターフェース(200)が、入力側において、第1の出力インターフェース入力(204)および第2の出力インターフェース入力(206)を備え、出力インターフェース(200)の出力側において、入口空気チャネル(1202a)および排気空気チャネル(1203b)を備え、出力インターフェース(200)が、出力インターフェース(200)の入力側を出力インターフェースの出力側に結合するように構成される、実施例2に記載の装置。
【0218】
4.入力インターフェース(1000)が、圧縮機入力(41)をガス供給部の新鮮空気チャネル(1102b)に接続し、第1の熱交換器入力(11)をガス供給部の出口ガスチャネル(1102a)に接続するように構成されるか、または出力インターフェース(200)が、タービン出力(72)をガス排気部の入口ガスチャネル(1202a)に接続し、第1の熱交換器出力(12)をガス排気部の排気ガスチャネル(1202b)に接続するように構成される、冷房運転のために構成された先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0219】
5.入力インターフェース(1000)が、圧縮機入力(41)をガス供給部の出口ガスチャネル(1102a)に接続し、第1の熱交換器入力(11)をガス供給部の新鮮ガスチャネル(1102b)に接続するように構成されるか、または出力インターフェース(200)が、タービン出力(72)をガス排気部の排気ガスチャネルに接続し、第1の熱交換器出力をガス排気部の入口ガスチャネル(1202a)に接続するように構成される、暖房運転のために構成された実施例1から3のいずれか一項に記載の装置。
【0220】
6.入力インターフェース(1000)または出力インターフェース(200)が、制御信号(1302、1304)に応じて制御可能であり、装置が、制御入力を取得し、制御入力に応答して制御信号(1302、1304)を提供するように構成された制御装置(300)を備え、制御装置(300)が、手動入力またはセンサ制御入力によって制御信号(1302、1304)を取得するように構成される、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0221】
7.制御装置(300)が、制御信号(1302、1304)によって入力インターフェース(1000)または出力インターフェース(200)を、排気ガスの入口ガスチャネル(1202a)用のガスを冷却するための夏季運転に設定し、制御信号(1302、1304)によって入力インターフェース(1000)または出力インターフェース(200)を、入口ガスチャネル(1202a)用のガスを加熱するための冬季運転に設定するように構成される、実施例6に記載の装置。
【0222】
8.入力インターフェース(1000)が、ガス供給のための出口ガス入力および新鮮ガス入力を備える双方向スイッチを備えるとともに、第1の熱交換器入力に接続された第1の入力インターフェース出力と、圧縮機入力(41)に接続された第2の入力インターフェース出力とを備え、双方向スイッチが、出口ガス入力を第1の入力インターフェース出力または第2の入力インターフェース出力のいずれかに接続し、新鮮ガスを第2の入力インターフェース出力または第1の入力インターフェース出力のいずれかに接続するように構成される、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0223】
9.出力インターフェース(200)が、ガス排気部についての入口ガス出力および排気ガス出口を備える双方向スイッチを備え、双方向スイッチが、入口ガス出力をタービン出力(72)に接続し、排気ガス出力を第1の熱交換器出力(12)に接続するように、またはタービン出力(72)の排気ガス出力(1202b)および入口ガス出力を第1の熱交換器出力に接続するように構成される、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0224】
10.入力インターフェース(1000)が、第1のスイッチ(1000b)または第2のスイッチ(1000a)を備え、第1のスイッチが、第1の熱交換器入力に接続された出力(A1)を備え、第1のスイッチ(1000b)が、ガス供給部の出口ガスチャネルに接続された第1の入力と、ガス供給部の新鮮ガスチャネルに接続された第2の入力とを備え、第1のスイッチ(1000b)が、制御信号(1302b)によって、第1の入力または第2の入力のいずれかを出力に接続するように制御可能であるか、または第2のスイッチ(1000a)が、圧縮機入力に接続された出力(A3)を備え、第1のスイッチ(1000b)が、ガス供給部の出口ガスチャネルに接続された第1の入力と、ガス供給部の新鮮ガスチャネルに接続された第2の入力とを備え、第1のスイッチ(1000b)が、第1の入力または第2の入力のいずれかを出力に接続するように制御信号(1302a)によって制御可能である、実施例1から7または9のいずれか一項に記載の装置。
【0225】
11.出力インターフェース(200)が、第1のスイッチ(200a)または第2のスイッチ(200b)を備え、第1のスイッチ(200a)が、タービン出力に接続された入力(A2)を備え、第1のスイッチ(200a)が、ガス排気部の入口ガスチャネルに接続された第1の出力を備えるとともに、ガス排気部の排気ガスチャネルに接続された第2の出力を備え、第1のスイッチ(200a)が、第1の出力または第2の出力のいずれかを入力に接続するように制御信号(1304a)によって制御可能であるか、または第2のスイッチ(200b)が、第2の熱交換器出力に接続された入力(A4)を備え、第2のスイッチ(200b)が、ガス排気部の入口ガスチャネルに接続された第1の出力を備えるとともに、ガス排気部の排気ガスチャネルに接続された第2の出力を備え、第1のスイッチ(200a)が、第1の出力または第2の出力のいずれかを入力に接続するように制御信号(1304b)によって制御可能である、実施例1から7、9、10のいずれか一項に記載の装置。
【0226】
12.入口ガスが入口空気であり、出口ガスが出口空気であり、新鮮ガスが新鮮空気であり、排気ガスが排気空気であるか、または冷房運転のために構成され、且つ液滴捕捉装置がタービン(70)の出口流に配置されて出口流から凝縮液滴を除去して放散させるか、または暖房運転のために構成され、且つ加湿装置が第1の熱交換器出力(12)に配置されて、第1の熱交換器出力(12)において液体をガス流と接触させて蒸発させるか、またはファン(21)が第1の熱交換器入力(11)に配置されてガスを第1の交換器入力(11)に押し込むか、またはファンが第1の熱交換器出力(12)に配置されて第1の熱交換器出力(12)からガスを吸い込む、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0227】
13.空気調和装置が、出口空気端子(1102a)と、入口空気端子(1202a)と、排気端子と、新鮮空気端子とを備え、ガス処理装置が、入力インターフェース(1000)または出力インターフェース(200)を介して空気調和装置に結合されることができる、空気調和装置に結合されるように構成された実施例12に記載の装置。
【0228】
14.圧縮機(40)が、動作方向においてタービン(70)の上方に配置されて構成されている、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0229】
15.圧縮機(40)が圧縮機ホイール(40a)を備え、タービン(70)がタービンホイール(70a)を備え、圧縮機ホイールおよびタービンホイール(70a)が共通の軸上に配置され、駆動モータのロータ(44)が、駆動モータのステータと相互作用する軸上に配置され、または圧縮機ホイール(40a)が、駆動モータのロータ(44)よりも大きい直径、またはタービン(40)のタービンホイール(70a)よりも大きい直径を有する、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0230】
16.ロータ(44)が圧縮機ホイール(40a)とタービンホイール(70a)との間に配置されるか、または、圧縮機ホイール(40a)、第1の軸部分(43a)、ロータ(44)、第2の軸部分(43b)、およびタービンホイール(70a)が一体的に構成されるか、または、第1の軸受部分(40b)が、圧縮機ホイール(40a)に形成され、第2の軸受部分(70b)が、タービンホイール(70a)に形成されるか、または、ロータ(44)が、アルミニウムなどの非強磁性材料から形成され、強磁性フィードバック要素(44a)が、ロータ(44)の周りに配置され、磁石(44b)が、フィードバック要素(44a)上に配置される、実施例15に記載の装置。
【0231】
17.熱交換器(10)が、吸込領域(30)を形成する中央領域に配置された中央開口部を含む体積形状を有し、吸込壁(31)が、中央開口部の第1の端部からカバー(32)によって閉鎖された第2の端部まで延在する、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0232】
18.熱交換器(10)が回転対称であり、熱交換器(10)の対称軸が、圧縮機(40)の軸またはタービン(70)の軸またはガス出力(5)もしくはガス入力(2)の軸または吸込領域(30)の軸に本質的に対応する、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0233】
19.熱交換器(10)が、逆流熱交換器を備える、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0234】
20.熱交換器(10)内のガスが、外部から出力された第1の熱交換器に入力された第1の熱交換器から内部に移動し、ガスが、内部から出力された第2の熱交換器に入力された第2の熱交換器から外部に移動する、実施例19に記載の装置。
【0235】
21.熱交換器(10)が、外側領域に逆流熱交換器構造を備える体積を備え、内側領域の吸込領域(30)に接続され、第1の熱交換器入力(11)が、外側領域に外側に配置され、第1の熱交換器出力(12)が、内側領域に配置されてガスを吸込領域(30)に誘導し、第2の熱交換器入力(13)もまた、内側領域に配置され、第2の熱交換器出力(14)もまた、外側領域に配置され、第1の熱交換器入力(11)および第2の熱交換器出力(14)が、熱交換器(10)において流体的に分離され、第1の熱交換器出力(12)および第2の熱交換器入力(13)が、熱交換器(10)において流体的に分離される、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0236】
22.熱交換器(10)が、第1の熱交換器入力(11)から第1の熱交換器出力(12)まで接続された第1のガスチャネル(15)と、第2の熱交換器入力(13)と第2の熱交換器出力(14)との間の第2の接続されたガスチャネル(16)とを備え、第1のガスチャネル(15)および第2のガスチャネル(16)が、熱的相互作用で配置され、熱交換器(10)が、第2の熱交換器入力と、一方側で第2のガスチャネル(16)を接続し、内側領域に沿って延在し、第2の熱交換器入力(12)を形成する第1の収集領域(18)と、異なる側で第2のガスチャネルを接続し、外側領域の縁部領域に沿って延在し、第2の熱交換器出力(14)を形成する第2の収集領域(17)とを備え、吸込壁(31)が、第1の収集領域を制限し、第1の収集領域(18)を吸込領域(30)から分離する、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0237】
23.圧縮機(40)の駆動モータにエネルギーを供給するための、または制御データを装置の要素に供給するための、または装置の要素からのセンサデータを検出するための電子アセンブリ(102)が、電子アセンブリを冷却するように構成された装置の領域に配置され、または、エネルギーおよび/または制御信号を装置に電気供給するための電子アセンブリ(102)が、タービン出力(72)およびガス出力(5)と、ガス出力(5)の外側のハウジング(100)のハウジング壁との間の領域に配置され、または、エネルギーおよび/または制御信号を装置に電気供給するための電子アセンブリ(102)が、圧縮機(40)の圧縮機ホイール(40a)の基部とタービンのタービンホイール(70a)の基部との間の領域に配置され、または、装置にエネルギーおよび/または制御信号を供給するための電子アセンブリ(102)が、タービン(70)のタービン入力(71)の制限要素(71a)に配置され、電子アセンブリが、タービン(70)のタービン入力(71)の外側にさらに配置され、または、装置にエネルギーおよび/または制御信号を供給するための電子アセンブリ(102)が、中央に開口部を備え、ディスク状であり、圧縮機(40)の駆動モータのステータの周りに延在するか、またはステータと一体化され、例えば、圧縮機(40)の圧縮機ホイール(40a)の基部とタービン(70)のタービンホイール(70a)の基部との間の領域に配置される、先行する実施例のいずれか一項に記載の装置。
【0238】
24.空気調和装置であって、部屋出口空気端子(508)と、部屋入口空気端子(510)と、請求項1から23のいずれか一項に記載の装置と、を備え、部屋出口空気端子(508)がガス供給部に結合され、部屋入口空気端子(508)がガス排気部に結合される、空気調和装置。
【0239】
25.部屋出口空気端子(508)からの空気を出口空気チャネル(1102a)についての出口空気流と供給流(512)とに分割するための分割部(502)と、供給流(512)をレンダリングするための処理部(504)と、処理部(504)の出力を入口空気チャネル(1202a)からの入口空気流と結合して部屋入口空気端子(510)に空気を供給するための結合部(506)であって、装置のガス供給部が、出口空気チャネル(1102a)から出口空気流を受け取るように構成され、ガス排気部が、入口空気チャネル(1202a)についての入口空気流を提供するように構成される、結合部と、を備えるか、または部屋出口空気端子(508)からの空気を出口空気チャネル(1102a)についての出口空気流と供給流(512)とに分割するための分割部(502)と、供給流(512)を入口空気チャネル(1202a)からの入口空気流と結合して結合空気流を得るための結合部(506)と、結合空気流をレンダリングして、部屋入口空気端子(510)に供給されるレンダリングされた空気流を得るための処理部(504)と、を備え、装置のガス供給部が、出口空気チャネル(1102a)からの出口空気流を受け取るように構成され、ガス排気部が、入口空気チャネル(1202a)に入口空気流を提供するように構成される、実施例24に記載の空気調和装置。
【0240】
26.処理部(504)が、酸素、湿度または消毒に関して供給流を処理するように構成される、実施例25に記載の空気調和装置。
【0241】
27.分割部(502)または結合部(506)が、部屋の温度または部屋入口空気端子(510)の目標温度に応じて、出口空気流の空気量と供給流の空気量との比、または処理部(504)の出力の空気量と入口空気流の空気量との比を調整するように制御可能である、実施例25または26のいずれか一項に記載の空気調和装置。
【0242】
28.結合部(506)が、入口空気チャネル(1202a)内の入口空気流を吸い込む送風機(506a)を備え、または分割部(502)が、出口空気流を出口空気チャネル(1102a)に送り込む送風機を備え、または分割部(502)が、装置の圧縮機(40)の効果により、部屋出口空気端子(508)を介して空気を部屋から分割部(502)および圧縮機入力(41)に移動させる流れ制御を備える、例25から27のいずれか一項に記載の空気調和装置。
【0243】
29.圧縮機入力(41)および圧縮機出力(42)を有する圧縮機(40)と、第1の熱交換器入力(11)と、第1の熱交換器出力(12)と、第2の熱交換器入力(13)と、第2の熱交換器出力(14)とを有する熱交換器(10)と、タービン入力(71)およびタービン出力(72)を有するタービン(70)とを備えるガス処理装置の動作方法であって、圧縮機出力(42)から第2の熱交換器入力(13)に圧縮ガスを供給することと、第2の熱交換器出力(14)からタービン入力(71)にガスを供給し、タービン(70)内のガスを緩和することと、を含む、方法。
【0244】
30.圧縮機入力(41)および圧縮機出力(42)を有する圧縮機(40)と、第1の熱交換器入力(11)、第1の熱交換器出力(12)、第2の熱交換器入力(13)および第2の熱交換器出力(14)を有する熱交換器(10)と、タービン入力(71)およびタービン出力(72)を有するタービン(70)とを備えるガス処理装置の製造方法であって、圧縮機出力(42)を第2の熱交換器入力(13)に接続することと、第2の熱交換器出力(14)をタービン入力(71)に接続することと、を含む、方法。
【0245】
いくつかの態様が装置の文脈で説明されたが、これらの態様は、対応する方法の説明も表し、装置のブロックまたは装置もまた、それぞれの方法ステップまたは方法ステップの特徴に対応することは明らかである。同様に、方法ステップの文脈で説明された態様はまた、対応する装置の対応するブロックまたは詳細または特徴の説明も表す。方法ステップの一部または全ては、マイクロプロセッサ、プログラマブルコンピュータ、または電子回路などのハードウェア装置によって(またはハードウェア装置を使用して)実行されてもよい。いくつかの実施形態では、最も重要な方法ステップの一部またはいくつかは、そのような装置によって実行されてもよい。

図1a-1b】
図1c
図1d
図1e
図2a
図2b
図2c
図2d
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図7a-7b】
図7c
図8a
図8b
図9a
図9b
図10
図11a
図11b
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16a
図16b
図17a
図17b
図17c
図18a
図18b
図19a
図19b
図20a
図20b
図20c
【国際調査報告】