(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-13
(54)【発明の名称】インパクトリアクタ
(51)【国際特許分類】
B02C 13/14 20060101AFI20240205BHJP
B02C 13/286 20060101ALI20240205BHJP
B02C 23/16 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
B02C13/14
B02C13/286
B02C23/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549592
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-16
(86)【国際出願番号】 EP2022053815
(87)【国際公開番号】W WO2022175324
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021103764.6
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519400117
【氏名又は名称】シェーファー エレクトロテヒニク ウント ゾンダーマシーネン ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Schaefer Elektrotechnik u. Sondermaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Goellheimer Str. 13-15, 67308 Ruessingen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ラルフ シェーファー
【テーマコード(参考)】
4D065
4D067
【Fターム(参考)】
4D065AA11
4D065BB02
4D065EA05
4D065EB20
4D065ED24
4D067EE22
4D067GA20
(57)【要約】
粉砕物を粉砕するためのインパクトリアクタ(1)であって、円筒形の周壁(2)と、底面(3)と、カバー(4)とを含み、周壁(2)と底面(3)とカバー(4)とはインパクトリアクタ室(5)を取り囲んでおり、インパクトリアクタ室(5)内にはロータ(6)が配置されており、ロータ(6)にはインパクトエレメント(7)が設けられており、粉砕物をインパクトリアクタ室(5)内に供給するための少なくとも1つの供給開口(8)が設けられており、粉砕された材料および/または気体の粉砕産出物をインパクトリアクタ室(5)から取り出すための少なくとも1つの取出し開口(9)が設けられており、供給開口(8)および/または取出し開口(9)は閉鎖可能である、インパクトリアクタ(1)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉砕物を粉砕するためのインパクトリアクタ(1)であって、前記インパクトリアクタは、円筒形の周壁(2)と、底面(3)と、カバー(4)とを含み、前記周壁(2)と前記底面(3)と前記カバー(4)とはインパクトリアクタ室(5)を取り囲んでおり、前記インパクトリアクタ室(5)内にはロータ(6)が配置されており、前記ロータ(6)にはインパクトエレメント(7)が設けられており、粉砕物を前記インパクトリアクタ室(5)内に供給するための少なくとも1つの供給開口(8)が設けられており、粉砕された材料および/または気体の粉砕産出物を前記インパクトリアクタ室(5)から取り出すための少なくとも1つの取出し開口(9)が設けられており、前記供給開口(8)および/または前記取出し開口(9)は閉鎖可能である、インパクトリアクタ(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)には分級機が配属されている、請求項1記載のインパクトリアクタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)には吸引装置が配属されている、請求項1または2記載のインパクトリアクタ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)にはデフレクタホイールが配属されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項5】
複数の取出し開口(9)が設けられており、前記取出し開口(9)には、それぞれ1つのデフレクタホイールが配属されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)には、スクリーンおよび取出しフラップ(11)が配属されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)には、スクリーン、分級機および/またはデフレクタホイールが配属されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項8】
前記第1の供給開口(8)はエアロックとして形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項9】
前記エアロックは、ロータリーフィーダとして形成されている、請求項8記載のインパクトリアクタ。
【請求項10】
前記エアロックは、ピンチバルブアセンブリを有している、請求項8記載のインパクトリアクタ。
【請求項11】
前記エアロックは、少なくとも1つのスライドフィーダを有している、請求項8記載のインパクトリアクタ。
【請求項12】
前記エアロックは、ローラアセンブリを有している、請求項8記載のインパクトリアクタ。
【請求項13】
前記インパクトリアクタ室(5)内に流体噴流を導入可能な少なくとも1つの流体噴流ノズル(10)が設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの流体噴流ノズル(10)は前記周壁(2)に配属されている、請求項13記載のインパクトリアクタ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの取出し開口(9)を介して前記インパクトリアクタ室(5)から取り出された気体を、前記インパクトリアクタ室(5)に再び供給可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項16】
補助剤を導入するための別の供給開口(8)が設けられている、請求項1から15までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項17】
少なくとも前記周壁(2)は温度調節可能である、請求項1から16までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ。
【請求項18】
請求項1から17までのいずれか1項記載のインパクトリアクタ内で、化学エネルギアキュムレータ電池を粉砕するための方法であって、第1のステップで、化学エネルギアキュムレータを予備粉砕に供給し、第2のステップで、予備粉砕された前記エネルギアキュムレータを、供給開口を介して前記インパクトリアクタに供給し、インパクトエレメントが設けられたロータの影響下で粉砕し、第3のステップで、粉砕産出物を取出し開口から取り出し、取出しを、気体、粒子、および残留成分ごとに別個に行う、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉砕物を粉砕するためのインパクトリアクタであって、円筒形の周壁と、底面と、カバーとを含み、周壁と底面とカバーとはインパクトリアクタ室を取り囲んでおり、インパクトリアクタ室内にはロータが配置されており、ロータにはインパクトエレメントが設けられており、粉砕物をインパクトリアクタ室内に供給するための少なくとも1つの供給開口が設けられており、粉砕された材料をインパクトリアクタ室から取り出すための少なくとも1つの取出し開口が設けられている、インパクトリアクタに関する。
【背景技術】
【0002】
インパクトリアクタは、様々な材料から構成することができる粉砕物を、材料分離、そしてその後の再利用が可能であるように粉砕するために使用される。この場合、粉砕物は、大きな衝撃伝達を伴う衝撃負荷によって、回転するインパクトエレメントを用いて粉砕され、個々の成分に分離される。このようなインパクトリアクタは、例えば国際公開第2018/037053号に基づいて公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の根底にある課題は、粉砕物の特に良好な材料分離を可能にする、粉砕物を粉砕するためのインパクトリアクタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。有利な構成については、従属請求項が参照される。
【0005】
粉砕物を粉砕するための本発明によるインパクトリアクタは、円筒形の周壁と、底面と、カバーとを含み、周壁と底面とカバーとはインパクトリアクタ室を取り囲んでおり、インパクトリアクタ室内にはロータが配置されており、ロータにはインパクトエレメントが設けられており、粉砕物をインパクトリアクタ室内に供給するための少なくとも1つの供給開口が設けられており、粉砕された材料をインパクトリアクタ室から取り出すための少なくとも1つの取出し開口が設けられており、供給開口および/または取出し開口は閉鎖可能である。これにより、インパクトリアクタ内に、周囲空気に依存しない雰囲気を形成することができる。これは特に、化学反応性の粉砕物をインパクトリアクタ内で粉砕すべき場合に有利である。このような粉砕物は、例えば、蓄電池、特にまだ完全には放電されていないまたは熱的な前処理によって不活性化されていない蓄電池である。
【0006】
ロータは、好ましくは、1つの、または全周にわたって規則的に分配された2つのロータアームを有しており、ロータアームの自由端部には、インパクトエレメントが交換可能に配置されている。好ましくは、ロータは、2つの翼状に形成されていて、かつ同一材料で一体に形成された2つのロータアームを有しており、両ロータアームは中央で駆動軸に結合されており、この駆動軸は電動モータに接続されている。代替的に、駆動は、液圧モータを介して行われてもよい。ロータアームは、ロッド状、翼状、またはブレード状に形成されていてよい。より良好な機械的な安定性のために、ロータアームの横断面を、駆動軸に向かって拡大させることができる。
【0007】
さらに、ロータアームが、チェーンまたはケーブルから形成されていることが考えられる。インパクトエレメントは、好ましくは面状に、例えばプレート状の材料から形成されている。インパクトエレメントは、周方向で見て方形に形成されていてもよいし、滴形、またはこれに類した形状で形成されていてもよい。インパクトエレメントは、周方向に向けられたインパクト面を有している。これにより、インパクトエレメントは、インパクト工程で、粉砕物と強く接触する。インパクトエレメントは好ましくは、ねじ結合によりロータアームに取り付けられている。
【0008】
インパクトエレメントは、周縁の領域で丸み付けされていてよい。このようなことは、強力な粉砕が所望されるのではなく、単に材料複合体の分離のための衝撃伝達が必要な場合に有利である。これは例えば、電子小型機器のプラスチックケーシングであり得る。
【0009】
周壁には第1の取出し開口が配置されていてよく、この場合、第1の取出し開口はスクリーンを有している。スクリーンは、特に簡単に形成された仕分け装置であり、かつ特に堅牢である。孔直径またはメッシュ幅の選択によって、通過させることのできる粒径を規定することができる。スクリーンは、例えば、ギャップ幅またはメッシュ幅を変更するスライダによって、可変に形成することができる。これにより、粉砕された産出物のための通過可能性を、そのサイズに適合させることができる。これは連続動作中にも行うことができる。
【0010】
第1の取出し開口には分級機が配属されていてよい。分級機によって、粒子を材料流から分離することができ、この場合、分級機の構成によっては、粒子を、サイズおよび/または質量に応じて材料流から分離することもできる。
【0011】
分級機は、デフレクタホイールを有していてよい。デフレクタホイールはデフレクタホイール分級機とも呼ばれ、実質的にラジアルファンの形で形成されている。デフレクタホイールは、遠心力式風力分級機である。デフレクタホイールは、回転させることができるハブを含む。ハブには、軸方向で互いに間隔を置いて配置されたロータディスクが配置されており、これらのロータディスクには、全周にわたって分配された複数のロータブレードが配置されており、これらのロータブレードは、薄板ストリップ、または成形材から形成することができる。ロータディスクには、中央に開口が設けられており、この開口を通して空気がインパクトリアクタ室から吸い出される。この開口を、ひいてはデフレクタホイールも貫流する空気は、分級空気とも呼ばれる。インパクトリアクタ室から、粒子を含む分級空気が、ロータの外周部とロータベーンとを介してデフレクタホイールに流入する。
【0012】
デフレクタホイールの回転により、分級空気は周方向で加速され、回転もさせられる。この場合、粒子には遠心力が作用し、分離境界を超える粒子は退けられ、分級空気から分離される。したがって、分離境界を上回る直径を有する粒子は分離され、分離境界を下回る直径を有する粒子は通過させられる。分離された粒子は、これらの粒子に作用する遠心力に基づき、インパクトリアクタ室内に戻る。通過させられた粒子は、分級空気と共に吸い出される。分離境界は、実質的に、粒子の密度、デフレクタホイールの回転数、ロータディスクの直径、ならびに分級空気の体積流量および粘度から決定される。この場合、分離境界は、デフレクタホイールの構成に応じて、0.5μm以上であってよい。
【0013】
周壁には、第2の取出し開口が配属されていてよく、この場合、第2の取出し開口には第2の取出しフラップが配属されている。第1の取出し開口を介して搬出することができない材料を、第2の取出しフラップを介してインパクトリアクタ室から取り出すことができる。インパクトリアクタ室から取り出された材料は、第2の取出しフラップを介して排出ボックス内に達することができ、かつそこからさらなる用途に供給することができる。特に、排出ボックスに配属された第2の分級機においてさらなる分離を実施することが考えられる。第2の分級機は、重力式分級機、サイクロン、またはジグザグ分級機として構成されてよい。第2の分級機では、材料片を密度に応じて分離することができ、例えば金属片からプラスチック片を分離することができる。
【0014】
ロータの回転中に、第2の取出し開口の第2の取出しフラップが開放されると、排出ボックス内には過圧が生じる場合がある。過圧を減圧するために、排出ボックスには第2の開口を配属することができ、この第2の開口から意図的に気体を流出させることができる。第2の開口から粒子が排出されないようにするために、第2の開口には好ましくは、デフレクタホイールの形態のセパレータが配属されている。この場合、デフレクタホイールは、好ましくは、気体成分、および0.5μm未満の粒径を有する粒子しか通過させないように構成されている。しかしながら、予め選択されたより大きな粒径を有する粒子もデフレクタホイールを通して排出することができる。この場合、開口を介して所期のように粒子を排出することができる。
【0015】
インパクトリアクタには、第3の取出し開口が配属されていてよく、この場合、第3の取出し開口には少なくとも1つのデフレクタホイールが配属されている。この構成では、インパクトリアクタは、少なくとも2つの取出し開口を有しており、第1の取出し開口にはスクリーンおよび/または分級機が配属されており、第3の取出し開口にはデフレクタホイールが配属されている。この場合、デフレクタホイールの構成に応じて、粉砕中に放出された気体をインパクトリアクタ室から導出させる、または予め選択された粒径を有する粒子を排出させることが可能である。第3の取出し開口を介してインパクトリアクタ室内に負圧を発生させることも考えられ、このとき、デフレクタホイールは、予め選択された最大サイズを有する粒子だけを、または単に気体の成分だけを、通過させるように構成されている。これによって、粉砕中に発生する有害ガスを特に確実にインパクトリアクタ室から除去することができ、さらに有害ガスが周囲に達することを阻止することができる。
【0016】
第1の有利な構成によれば、第3の取出し開口に配属されたデフレクタホイールの回転数は可変である。好ましくは、デフレクタホイールの回転数は、3つの回転数段階から選択可能である。
【0017】
これにより例えば、デフレクタホイールが、気体成分、および0.5μm未満の粒径を有する粒子しか通過させない第1の回転数段階を設けることができる。所定の最大サイズを有する粒子、例えば0.5μm~200μmの粒径を有する粒子がデフレクタホイールを通過する第2の回転数段階が設けられていてよく、インパクトリアクタ室内を浮遊する比較的粗い粒子、例えば200μm~500μmの粒径を有する粒子が通過する第3の回転数段が設けられていてよい。これにより、粉砕プロセスの間、デフレクタホイールによって、気体および様々なサイズの物質の分離を実施することができる。
【0018】
この場合、有利な方法によれば、粉砕中、まずは、第1の回転数段階で回転し、これにより気体成分を通過させるように設定されているデフレクタホイールを介して分離を行う。この回転数段階は、特に高い回転数を有している。このステップでは、粉砕プロセスの間、まずは粉砕すべき蓄電池の放出された気体成分、例えば溶媒を、高速回転するデフレクタホイールを介して引き出すことができる。この場合、高速回転するデフレクタホイールにより、粒子が、少なくとも0.5μm超の粒径を有する粒子が、分級空気の空気流から退けられ、インパクトリアクタ室内に留まることが有利である。
【0019】
次のステップでは、デフレクタホイールの回転数が減じられ、これによりデフレクタホイールは第2の回転数段階で回転する。第2の回転数段階では、平均的な粒径を有する粒子、好ましくは、0.5μm~200μmの粒径を有する粒子の通過が行われる。第2の回転数段階は、好ましくは、気体成分が第1の回転数段階を介して引き出された後に初めて使用される。第2の回転数段階では、特に、粒状の黒色物質をインパクトリアクタ室から引き出すことができる。
【0020】
第3のステップでは、粗い粒子の通過のために、デフレクタホイールの回転数が再び減じられる。第3の回転数段階では、デフレクタホイールは好ましくは、空気流中に存在する、200μm~1mmの粒径を有する粒子を通過させるように設定されている。
【0021】
有利な構成によれば、第3の取出し開口に、気体および/または様々なサイズの粒子の分離のために、複数のデフレクタホイールを配属させることができる。第1の有利な構成によれば、2つのデフレクタホイールが設けられている。さらに有利な構成によれば、3つのデフレクタホイールが設けられている。
【0022】
第3の取出し開口に配属されたデフレクタホイールのそれぞれは、この場合、予め選択されたサイズの粒子を通過させるように構成されている。これにより例えば、気体成分、および0.5μm未満の粒径を有する粒子しか通過させない第1のデフレクタホイールを設けることができる。所定の最小サイズを有する粒子、例えば0.5μm~200μmの粒径を有する粒子を通過させる第2のデフレクタホイールが設けられていてよく、インパクトリアクタ室内を浮遊する粒子、例えば200μm~500μmの粒径を有する粒子を通過させる第3のデフレクタホイールが設けられていてよい。これにより、粉砕プロセスの間、デフレクタホイールの配置によって、気体および様々なサイズの物質の分離を実施することができる。
【0023】
この場合、有利な方法によれば、粉砕中、まずは、気体成分を通過させるように構成されている第1のデフレクタホイールを介して分離が行われる。このデフレクタホイールは、特に高い回転数で回転する。このステップでは、粉砕プロセスの間、まずは粉砕すべき蓄電池の放出された気体成分、例えば溶媒を、高速回転するデフレクタホイールを介して引き出すことができる。この場合、高速回転するデフレクタホイールにより、粒子が、少なくとも0.5μm超の粒径を有する粒子が、分級空気の空気流から分離され、インパクトリアクタ室内に留まることが有利である。
【0024】
次のステップでは、平均的な粒径を有する粒子、好ましくは、0.5μm~200μmの粒径を有する粒子の通過させるように構成されている第2のデフレクタホイールを介して分離が行われる。第2のデフレクタホイールは、好ましくは、気体成分が第1のデフレクタホイールを介して引き出された後に初めて使用される。第2のデフレクタホイールを介して、特に、活性材料とも呼ばれる粒状の黒色物質をインパクトリアクタ室から引き出すことができる。
【0025】
第3のステップでは、粗い粒子の通過が、第3のデフレクタホイールを介して行われる。第3のデフレクタホイールは好ましくは、空気流中に存在する、200μm~1mmの粒径を有する粒子が分離されるように構成されている。このために、第3のデフレクタホイールは、第2のデフレクタホイールと比較して低い回転数で回転することができる。
【0026】
デフレクタホイールは、好ましくは、順次に作動され、これにより、材料の排出はそれぞれ作動しているデフレクタホイールのみを介して行われる。デフレクタホイールを通過した材料流は、さらなる分離のために、分離装置に、例えば別の分級機、例えばサイクロンに供給されてよい。この場合、各デフレクタホイールには、それぞれ1つの後続の分離装置を配属させることができる。
【0027】
分級空気と共にインパクトリアクタ室から引き出された気体および粒子は、後続のプロセスで分級空気から分離することができる。下流の分級機、例えば、デフレクタホイールの下流の重力式分級機によって粒子を分離することができる。磁気的な構成分を、磁気的な分級機によって分離することも考えられる。粒子を含む分級空気を、スクリーン装置またはフィルタを通して案内することも考えられる。気体、例えば溶媒の分離は、気体分離によって、例えばダイヤフラム法、気体遠心分離または蒸留によって行うことができる。
【0028】
粒子と気体との分離後、分級空気は、再びインパクトリアクタ室に供給されてよい。この場合、特に、分級空気が、周壁に設けられた開口を介してインパクトリアクタ室内にもたらされることが考えられる。
【0029】
特に、粉砕後に比較的大きな面積で残る可能性があるシートは、排出フラップを介して取り出すこともでき、かつ後続の分離を行うことができる。しかしながら、デフレクタホイールを介してシートを引き出すことも考えられる。粉砕工程の間、シートは、粉砕開始時に既に放出される。したがって、ゆっくりと回転するデフレクタホイールを介してシートを引き出すことができる。化学エネルギアキュムレータは、しばしばプラスチックシートおよび金属シートの両方を有している。プラスチックシートは、粉砕工程の間、比較的大面積で残り、低密度に基づきデフレクタホイールを介して排出することができるか、または金属シートと一緒に取出し開口を介して取り出すことができる。インパクト工程により金属シートを球体化することができ、これにより下流の材料分離が容易になると有利である。
【0030】
周壁、底面、および/またはカバーは、温度調節可能であってよい。これについては、温度調節のために、周壁、底面、および/またはカバーを加熱することまたは冷却することも考えられる。温度調節は、外側に取り付けられた温度調節回路によって行うことができる。加熱作用により、より良好な粉砕が可能である場合には、加熱が有利であり得る。粉砕が発熱反応を伴う場合には、冷却が特に有利である。
【0031】
分級機は温度調節可能であってよい。これにより例えば、分級機を加熱し、これにより分級機における気体成分の凝縮を阻止することができる。代替的に、高温の媒体を分級する際に過剰な加熱を阻止するために、分級機を冷却することも考えられる。
【0032】
第1の供給開口は、エアロックとして形成されていてよい。エアロックにより、インパクトリアクタ室内に、周囲空気に依存しない雰囲気を維持しながら、粉砕物を供給することができる。
【0033】
エアロックは、ロータリーフィーダとして形成されていてよい。ロータリーフィーダは、堅牢であり、インパクトリアクタ室内に粉砕物を所望のように供給することができる。この場合、ロータリーフィーダは、供給すべき粉砕物が配置されている容積を真空化するかつ/または不活性化のために窒素で満たすように構成されていてよい。
【0034】
この場合、ロータリーフィーダは垂直に配置されていてよい。このような構成では、粉砕物の供給は、ロータリーフィーダの周囲にわたって行われる。代替的に、ロータリーフィーダは水平に配置されていてもよい。このような構成では、粉砕物の供給は、端面側で行われる。
【0035】
エアロックは、ピンチバルブアセンブリを有していてよい。ピンチバルブアセンブリは、ピンチバルブの少なくとも2つのアセンブリを含み、これにより、周囲空気とインパクトリアクタ室との交換なしに、粉砕物の供給を行うことができる。ピンチバルブアセンブリは、粉砕物が、サイズに基づき、ロータリーフィーダには適していない場合に特に有利である。3つのピンチバルブを設けることも考えられ、この場合、3つのピンチバルブは2つのチャンバを取り囲んでおり、第1のチャンバは、安全ブランクチャンバを形成しており、第2のチャンバは、真空化および/または窒素の充填のために形成されている。
【0036】
エアロックは、少なくとも1つのスライドフィーダを有していてよい。好ましくは、エアロックは、相前後して接続された2つのスライドフィーダを有している。スライドフィーダは、特に堅牢な構成部分であり、構成によっては、特に大きな粉砕物の供給が可能である。大気交換が行われることを阻止するために、スライドフィーダにシールアセンブリが設けられていてよい。
【0037】
有利なシールアセンブリは、エアベローズシールにより形成することができる。エアベローズシールにより、スライドフィーダの閉鎖状態では、密な接触が可能であるが、スライドフィーダの開放のためには負荷を減らすことができ、これによりスライドフィーダは解放されて開かれる。スライドフィーダにはさらに、クリーニング装置を備えることができる。クリーニング装置によって、粒子等が、スライドフィーダの機械的な枢着部に達することを阻止することができる。このために、例えば、スライドフィーダの少なくとも1つの表面に内側で作用する例えばクリーニングブラシが設けられていてよい。
【0038】
エアロックは、ローラアセンブリを有していてよい。好ましくは、互いに間隔を置いて配置された少なくとも2つのローラ対が設けられている。無負荷状態では、ローラ対のローラは互いに接触するので、供給開口は閉鎖されている。粉砕物を供給するために、ローラ対のローラを互いに離隔させることができ、これによって粉砕物を、ローラ対のローラの間を貫通させて搬送することができる。この場合、ローラは、粉砕物に密に当て付けられる。この構成は、特に細長い粉砕物を供給するために適している。
【0039】
周壁、底面、および/またはカバーには、少なくとも1つの流体噴流ノズルが備えられていてよい。流体噴流ノズルによって、流体噴流を、例えばエアジェットをインパクトリアクタ室内にもたらすことができる。流体噴流は、既に粉砕された粒子を局所的に加速し、これらの粒子は、流体噴流に衝突することによってさらに粉砕される。流体噴流によって加速された粒子は、円筒状の周壁、底面、またはロータに衝突する。さらに、粉砕すべき粒子は、他の粒子に衝突する。これらの両方により、粉砕物はさらに粉砕される。流体噴流のために、調整された分級空気を使用することができる。
【0040】
補助剤の導入のためにさらなる供給開口が設けられていてよい。さらなる供給開口により、粉砕物とは別個に、補助剤をインパクトリアクタ室内に供給することができる。
【0041】
補助剤は、気体、液体、および/または特に固体であってよい。例えば、別の供給開口を介して、インパクトリアクタ室を不活性にするための窒素または煙道ガスも導入することが考えられる。さらに、粉砕物を冷却し、構成によっては、粉砕物との反応によって改善された粉砕を生じさせる水を、インパクトリアクタ室内に導入することが考えられる。粉砕成果を改善するために、砂等をインパクトリアクタ室内に導入することも考えられる。
【0042】
本発明によるインパクトリアクタは、まだある程度の残留電荷を有している可能性があり、例えば熱的な前処理によって不活性化もされていない蓄電池を粉砕するために特に適している。インパクトエレメントが設けられているロータによっては、粉砕物との極めて短時間の接触だけが行われる。これにより、切断ミルのような切断粉砕装置の場合にあり得るように、火花衝撃によってインパクトエレメントの早期の摩滅が生じることを回避することができる。
【0043】
供給開口の上流には、予備粉砕のための装置が設けられていてよい。この場合、供給開口には、例えばロータ剪断機の形態の切断ミルが配属されていてよい。この場合、予備粉砕のための装置にも、閉鎖可能な供給開口が配属されていてよく、この装置を介して、粉砕されていない材料、例えば粉砕されていない蓄電池を予備粉砕することができる。これにより、様々なサイズの蓄電池を予備粉砕することができるので、インパクトリアクタには、予め規定されたサイズの粉砕物を供給することができる。この装置は、この場合、好ましくは、供給開口に直接、配属されているので、搬送距離は短い。さらに、装置を供給開口と共に1つのケーシング内に配置することができ、これにより、予備粉砕の際に放出される有害ガスを所望のように引き出すことができる。放出されたガスを、供給開口を介してインパクトリアクタ室内へと案内することができ、そこから引き出すことができる。
【0044】
予備粉砕との関連で、粉砕すべき蓄電池を、上流のプロセスで、例えば、熱処理によって不活性化することも考えられる。
【0045】
閉鎖可能な取出し開口および閉鎖可能な供給開口によって、インパクトリアクタ室の不活性化を行うことができ、これにより、急激な放電によって発生する化学反応を阻止することができる。このために、供給開口にエアロックが配属されていると特に有利である。さらに、発生した反応ガスを、上述した第3の取出し開口から取り出すことができる。インパクトリアクタ室内には、取出し開口から気体を引き出すことにより真空を生成することができる。インパクトリアクタ室に、不活性ガス、例えば窒素または煙道ガスを充填することもできる。
【0046】
上述したようなインパクトリアクタにおいて蓄電池を粉砕するための本発明による方法によれば、蓄電池を、供給開口を介してインパクトリアクタ室内に供給し、インパクトエレメントが設けられたロータによる機械的な負荷により粉砕し、粉砕された成分を取出し開口から取り出す。
【0047】
この場合、供給開口は、大気を遮断した状態で、蓄電池をインパクトリアクタ室内に供給することができるように形成することができる。このために、供給開口は、エアロックを、例えば、ロータリーフィーダを有していてよい。エアロックはさらに、不活性ガスが充填されるように、構成されていてよい。
【0048】
別の供給開口を介して、補助剤、例えば不活性ガスを、インパクトリアクタ室内に導入することができ、これによりインパクトリアクタ室に、窒素または煙道ガスのような不活性ガスを充填することができる。
【0049】
取出し開口は、インパクトリアクタ室を少なくとも部分的に排気するように形成されていてよい。これにより、粉砕工程の間に放出される気体成分、例えば溶媒を、インパクトリアクタ室から取り出すことができる。
【0050】
複数の取出し開口が設けられていてもよく、この場合、第1の取出し開口は、気体成分および粉体状の成分を取り出すために形成されており、第2の取出し開口は、粒子状の成分およびより大きな成分を取り出すために形成されている。
【0051】
第1の取出し開口および/または第2の取出し開口には、スクリーンが配属されていてよい。スクリーンを通過することができない粒子は、スクリーンによって保持される。
【0052】
第1の取出し開口および/または第2の取出し開口には、放出フラップが配属されていてよい。スクリーンを通過することができない粉砕された成分は、放出フラップから取り出すことができる。
【0053】
少なくとも1つの取出し開口には、上述したように、デフレクタホイールが配属されていてよい。
【0054】
本発明による方法は、完全には放電されておらず、まだ残留電荷を有している蓄電池の粉砕のために特に有利である。そのような蓄電池には、完全に充電することができる蓄電池も含まれる。残留電荷を含むこのような蓄電池を、インパクトリアクタに直接供給し、粉砕することができる。特に、蓄電池を事前に、例えば、熱的な前処理により、不活性化する必要はない。インパクトエレメントによる接触は、常に、極めて短時間で行われるので、早期摩耗につながるおそれのある電圧のフラッシュオーバーのリスクは減じられている。代替的に、蓄電池を予備粉砕に供給することができ、これはかさばる蓄電池の場合に特に有利である。
【0055】
粉砕により、様々な粉砕産出物が生じ、これらの粉砕産出物は、本方法によれば、互いに分離されて、別個の再利用に提供され得る。蓄電池は、たいていの場合、プラスチックまたは金属から形成されたケーシング、プラスチックまたは金属から形成されたシート、および粉末状成分(黒色物質)および溶媒を含む電解質を含んでいる。
【0056】
蓄電池の粉砕は、まずは、蓄電池のケーシングを破砕し、セル巻成体をケーシングから分離するように行われる。これは、減じられたロータ出力およびインパクトエレメントを備えたロータアームの減じられた回転数で行うことができ、これによりケーシングの構成部分は、単に開かれるだけであり、まったくまたは殆ど粉砕されない。次のステップでは、ケーシングの構成部分をまずは取り出すことができ、次いで、インパクトリアクタ内に残っている電極・セパレータアセンブリ、例えば、セル巻成体がさらに粉砕される。これは、プラスチックケーシング内に埋め込まれた電子小型機器用の蓄電池において特に有利である。
【0057】
セル巻成体を粉砕する際には、溶媒が放出されるおそれがある。取出し開口を介して負圧をかけることにより、このような溶媒をインパクトリアクタ室から引き出すことができる。この場合、取出し開口にはデフレクタホイールを配属させることができ、このデフレクタホイールは、溶媒を取り出すために高回転数で回転し、これにより気体成分または最大でも極めて小さい粒径を有する粒子のみを通過させる。
【0058】
粉砕の際に放出される、電解質の粉体成分を含む黒色物質も、取出し開口を介してインパクトリアクタ室から引き出すことができる。この場合、複数のデフレクタホイールの配置により、黒色物質のさらなる材料的な分離を行うことができる。
【0059】
蓄電池のその他の構成部分、シート、およびケーシングの金属的な構成部分、および導出プレートも、取出し開口を介して、粉砕してスクリーンを通過させるか、または取出しフラップを介して、取り出すことができる。
【0060】
本発明による方法は、燃料電池の粉砕のためにも適している。
【0061】
本発明によるインパクトリアクタのいくつかの構成を、以下に図面につき詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図1】取出し開口の後方の分級機内にデフレクタホイールを備えたインパクトリアクタを概略的に示す図である。
【
図2】取出し開口の後方の分級機内のデフレクタホイールと、カバー内の第2のデフレクタホイールとを備えたインパクトリアクタを概略的に示す図である。
【
図3】カバー内に複数のデフレクタホイールを備えたインパクトリアクタを概略的に示す図である。
【
図4】排出ボックス内にデフレクタホイールを備えたインパクトリアクタを概略的に示す図である。
【
図5】ロータリーフィーダを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【
図6】ロータリーフィーダを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【
図7】ピンチバルブアセンブリを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【
図8】ピンチバルブアセンブリを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【
図9】スライドフィーダを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【
図10】ローラアセンブリを備えた供給開口を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1は、粉砕物を粉砕するためのインパクトリアクタ1を示しており、このインパクトリアクタは、円筒形の周壁2と、底面3と、カバー4とを含み、周壁2と底面3とカバー4とは、インパクトリアクタ室5を取り囲んでおり、インパクトリアクタ室5内には、ロータ6が配置されており、ロータ6には、インパクトエレメント7が設けられており、粉砕物をインパクトリアクタ室5内に供給するための少なくとも1つの供給開口8が設けられており、粉砕された材料および気体の粉砕産出物をインパクトリアクタ室5から取り出すための少なくとも1つの取出し開口9が設けられており、供給開口8および取出し開口9は、閉鎖可能である。ロータ6は、軸を介して、インパクトリアクタ室5の外側に配置された電動モータ12に作用結合されており、回転させることができる。
【0064】
この構成では、取出しは、周壁2に形成された取出し開口9を介して行われ、取出し開口9にはスクリーンが取り付けられている。取出し開口9の下流側には、重力式分級機の形態の分級機14が接続されており、ここでは気体および固体の分離が行われる。気体は、分級機14のカバーに配置されたデフレクタホイール15を介して排出される。0.5μmよりも大きな粒径を有する粒子は、デフレクタホイールによって退けられ、分級機14の底部に配置された排出スクリュ16を介して排出される。
【0065】
インパクトリアクタ1の周壁2は、平面図で見て六角形に形成されている。代替的には、周壁2は、平面図で見て八角形に形成されていてもよい。この構成では、ロータ6の回転時に、乱流の流れ場がインパクトリアクタ室5内に形成され、これは、面状の金属片の粉砕工程および球体化工程を促進する。流れ場をさらに改善するために、周壁2には、インパクトリアクタ室5内に突入する装置13が取り付けられている。
【0066】
インパクトリアクタ1の周壁2は、温度調節可能である。このために、周壁2の外面には、管アセンブリが取り付けられている。管路を通って、周壁2を選択的に加熱または冷却する熱伝導媒体が導入可能である。代替的には、周壁2の外面に、電気的な抵抗加熱装置が取り付けられていることが考えられる。
【0067】
供給開口8は、エアロックの形態で形成されている。これにより、インパクトリアクタ室5を周囲に対して遮蔽することが可能であり、かつ粉砕中に放出されたガスが、供給開口8を介して周囲の方向に到ることを阻止することができる。さらに、インパクトリアクタ室5には不活性ガスを充填することができる。
【0068】
インパクトリアクタ1にはさらに、別の取出し開口が設けられており、この取出し開口は特に、粗く粉砕された固体およびシートの取出しのために用いられる。
【0069】
インパクトリアクタ1は、化学エネルギアキュムレータ、特に蓄電池、例えばリチウム・イオン蓄電池の形態の電気化学エネルギアキュムレータを粉砕して、粉砕物を提供するために構成されている。次いで、粉砕によって生じる粉砕産出物、特に気体および粉体は、材料的な再利用に供給することができる。
【0070】
化学エネルギアキュムレータ電池をインパクトリアクタ1において粉砕するための方法では、第1のステップで、化学エネルギアキュムレータが予備粉砕に供給される。予備粉砕は、化学エネルギアキュムレータを破砕するロータ剪断機を用いて行うことができる。ロータ剪断機は、供給開口8に直接配属されており、供給開口8と一緒にケーシング内に配置されている。
【0071】
この場合、予備粉砕の前に、特に、化学エネルギアキュムレータの不活性化を真空蒸留により行うことができる。
【0072】
第2のステップで、予備粉砕されたエネルギアキュムレータが供給開口8を介してインパクトリアクタ1へと供給され、インパクトエレメント7が設けられたロータ6の影響下で粉砕される。第3のステップで、粉砕産出物が取出し開口9から取り出され、この場合、取出しは、気体、粒子および残留成分ごとに別個に行われる。
【0073】
図2は、
図1に示されたインパクトリアクタ1の発展形態を示している。付加的に、インパクトリアクタ1のカバー4には、デフレクタホイール17が配置されている。取出し開口9を形成するこのデフレクタホイール17を介して、インパクトリアクタ室5から気体が引き出され、インパクトリアクタ室5内に負圧が形成される。デフレクタホイール17を介して、特に、粉砕時に化学エネルギアキュムレータから放出される反応ガスがインパクトリアクタ室5から引き出される。周壁2には別の取出し開口9’が設けられており、この別の取出し開口9’には別の分級機14’が接続されている。
【0074】
インパクトリアクタ室5、および取出し開口9の下流の分級機14の両方には、カバー4に設けられた開口18を介して、粉砕のための補助剤、例えば液体、気体または粉体を導入することができる。分級機周壁19も、周壁2と同様に温度調節可能である。
【0075】
図3は、
図1に示されたインパクトリアクタ1の別の代替的な構成を示している。この構成では、インパクトリアクタ1のカバー4に、取出し開口9を形成する3つのデフレクタホイール17’,17’’,17’’’が設けられている。
【0076】
第1のデフレクタホイール17’は、気体成分、および0.5μm未満の粒径を有する粒子しか通過させない。第2のデフレクタホイール17’’は、0.5μm~200μmの粒径を有する粒子を通過させ、第3のデフレクタホイール17’’’は、インパクトリアクタ室5内を浮遊する200μm超の粒子を通過させる。これにより、デフレクタホイール17’,17’’,17’’’の配置によって、気体および様々なサイズの物質の分離を実施することができる。
【0077】
粉砕中に、まず、気体成分を貫通させる第1のデフレクタホイール17’を介して分離が行われる。このデフレクタホイール17’は、特に大きな回転数で回転する。次のステップでは、平均的な粒径の粒子を通過させるために、第2のデフレクタホイール17’’を介して分離が行われる。最後に、空気流中に存在する、200μmを超える粒径を有する粒子を分離する第3のデフレクタホイール17’’’を介して通過が行われる。したがって、デフレクタホイール17’,17’’,17’’’は順次に粒子を通過させることができるが、これらの通過は同時に行われてもよい。
【0078】
代替的な構成によれば、回転数が3つの回転数段階で可変である1つのデフレクタホイール17がカバー4に配属されている。高回転数の第1の回転数段階では、まず、気体成分、および0.5μm未満の粒径を有する粒子の通過が行われる。回転数が減じられた第2の回転数段階では、0.5μm~200μmの平均的な粒径を有する粒子の通過が行われる。回転数がさらに減じられた第3の回転数段階では、200μm~500μmの粒径を有する粒子の通過が行われる。
【0079】
取出しフラップの形態の、周壁2に形成された取出し開口9を介して、より大きな粉砕産出物を取り出すことができる。この取出し開口には、
図1または
図2に示された分級機14を接続することができる。
【0080】
図4は、
図2に示されたインパクトリアクタ1の発展形態を示している。付加的に、第2の取出し開口9’の下流側に、重力式分級機の形態の分級機14’が接続されており、ここでは気体および固体の分離が行われる。気体は、分級機14’のカバーに配置されたデフレクタホイール20を介して引き出される。0.5μmよりも大きな粒径を有する粒子は、デフレクタホイール20によって退けられる。
【0081】
インパクトリアクタの周壁には流体噴流ノズル10が取り付けられており、この流体噴流ノズルを介して流体噴流をインパクトリアクタ室5内に導入することができる。流体噴流は、粉砕工程を促進する。
【0082】
図5および
図6には、上述した構成のうちの1つの構成によるインパクトリアクタ1のロータリーフィーダの形態の供給開口8が詳細に示されている。
【0083】
図7および
図8には、上述した構成のうちの1つの構成によるインパクトリアクタ1のピンチバルブアセンブリの形態の供給開口が詳細に示されている。
【0084】
図9には、上述した構成のうちの1つの構成によるインパクトリアクタ1のスライドフィーダの形態の供給開口が詳細に示されている。
【0085】
図10には、上述した構成のうちの1つの構成によるインパクトリアクタ1のローラアセンブリの形態の供給開口が詳細に示されている。
【国際調査報告】