(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】機械壁
(51)【国際特許分類】
E04B 2/56 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
E04B2/56 631L
E04B2/56 631Z
E04B2/56 641G
E04B2/56 641Z
E04B2/56 643A
E04B2/56 643B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022557706
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(85)【翻訳文提出日】2022-09-21
(86)【国際出願番号】 US2021026490
(87)【国際公開番号】W WO2022169471
(87)【国際公開日】2022-08-11
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522373312
【氏名又は名称】エムダブリュ エンタープライズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】メイ ジョシュア
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002FB16
2E002FB23
2E002JA03
2E002JB04
2E002MA12
2E002MA13
2E002MA47
2E002MA48
(57)【要約】
建物または家屋を建設するための機械壁の改良。壁部分の隣接する側面は、テーパ状で、ダブテール化されており、所定の位置にロックされる。ダブテールは、隣接する壁部分に係合するために1つの部分を持ち上げる必要がある高さを低減するために、間隔が空けられている。フッタ/基部プレートには、フッタ/基部プレートに、地震保持部またはハリケーン保持部が組み込まれており、土台から壁部分まで整列して固定される。壁部分の土台への連結部は、コンクリートインサートにおいて、かぶせ水切りを有し、壁間部分は自己フラッシュすることができる。壁部分には、壁部分を位置決めするためのGPSロケータを有することができる。水道管および電気導管は、壁に組み込まれ、密閉または結合して連結される、回路を作成する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械壁であって、
フッタ/底板と、
土台を有する壁部分と、
前記フッタ/底板は、少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部を含み、
前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部はそれぞれ、前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部の対向する外面に、補完的なダブテールまたはフック連結部を有し、
前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部の頂部に固定された少なくとも1つのヘッダと、
前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部を貫通し、前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部のうちの少なくとも1つから延在する、少なくとも1つの水道管、または、
複数の連結ブレードまたはプロングを有する少なくとも1つの電気導管とを備える
ことを特徴とする機械壁。
【請求項2】
前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドおよび前記少なくとも1つの垂直雌型スタッドは、第2の機械壁を固定するための少なくとも1つのダブテールまたはフック連結部を有する
請求項1に記載の機械壁。
【請求項3】
前記フッタは、少なくとも2つの地震保持部またはハリケーン保持部を有する
請求項1に記載の機械壁。
【請求項4】
モジュール式の壁は、一方向の係合で適所に固定される
請求項1に記載の機械壁。
【請求項5】
土台への前記フッタの連結部は、コンクリートインサートにおいて、かぶせ水切りを有する
請求項1に記載の機械壁。
【請求項6】
モジュール式の壁は、前記モジュール式の壁が土台に配置された位置および場所を特定する全地球測位センサ(GPS)を有する
請求項1に記載の機械壁。
【請求項7】
前記少なくとも1つの水道管、または前記少なくとも1つの電気導管または電気回路は、接着剤、押し込み、スピンロック、または摩擦ロックにより、第2の水道管または第2の電気導管または電気回路に接合し、安全な密閉システムを提供する
請求項1に記載の機械壁。
【請求項8】
土台に固定される底部雨仕舞いをさらに含み、前記フッタ/底板は、前記底部雨仕舞いに隣接して前記フッタ/底板を固定する保持機構を含む
請求項1に記載の機械壁。
【請求項9】
前記連結ブレードは、回転可能なバレルに取り付けられ、それによって、前記複数の連結ブレードが、複数のブレークジョーに連結するように構成される
請求項1に記載の機械壁。
【請求項10】
前記少なくとも1つの垂直雌型スタッド/受け部は、前記ブレークジョーを有し、前記少なくとも1つの垂直雄型スタッドは、前記複数の連結ブレードを有する
請求項9に記載の機械壁。
【請求項11】
前記回転可能なバレルは、前記連結ブレードを前記電気導管内の導体に電気的に連結する
請求項9に記載の機械壁。
【請求項12】
前記回転可能なバレルを回転させるように構成されたシャフトまたはキーをさらに含む
請求項11に記載の機械壁。
【請求項13】
前記連結ブレードの回転を付勢して、前記連結ブレードの位置を維持するばねをさらに含む
請求項9に記載の機械壁。
【請求項14】
前記土台は、内部ロック機能を有する雌型受け部を含む
請求項1に記載の機械壁。
【請求項15】
前記フッタは、前記雌型受け部に係合するように構成された雄型ポストを含む
請求項14に記載の機械壁。
【請求項16】
前記雄型ポストは、前記雌型受け部の前記内部ロック機能に係合するように構成された少なくとも1つの歯を有する
請求項15に記載の機械壁。
【請求項17】
コンクリートが流し込まれている間、前記雌型スタッド/受け部埋め込みを適所に保持するように構成された土台型板をさらに含む
請求項14に記載の機械壁。
【請求項18】
前記少なくとも1つの歯は、前記雄型ポスト上の屈曲ヒンジに連結される
請求項16に記載の機械壁。
【請求項19】
前記屈曲ヒンジは、レバータブをさらに含み、それによって、前記少なくとも1つの歯を、前記内部ロック機能から係合解除できる
請求項18に記載の機械壁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年2月5日に出願された米国特許出願第17/168,890号に対する優先権を主張し、その全体の内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は、建物の建設の改良に関する。より具体的には、建物を建設するために使用される現在のモジュール式の壁は、土台の上に建物を迅速に組み立てる方法を生み出す。
【背景技術】
【0003】
建物の建設は、洞窟から、より近代的な建設へと進化したが、より効率的かつ迅速に建設する必要性は、依然として高い優先事項である。土台を流し込んで設置した後、ほとんどの建設の方法は、2×4の材木を、中心16インチで切断して固定し、その後、電気的連結部および水道管連結部を収容するために、材木に穴を開ける。その後、水道管および電気の配線が、穴に通して配置され、連結がなされる。スタッドの切断と釘打ち、および配線と水道管の引き回しはともに、非常に労力がかかり、建物や家屋を建設するのに多大な費用および時間をもたらす。いくつかの家屋は特注であるが、大部分の家屋は似ている。建設プロセスの加速と、建設の全体費用の削減との両方のために、いくつかの家屋の壁をプレハブして、それらをすばやく連結して固定できるようにする必要がある。
【0004】
これらの問題に対処するために、多くの特許およびまたは出版物が作成されている。この/これらの問題への対処を試みる特許およびまたは出版物の例示的な例が特定され、以下に論じられる。
【0005】
Kiyomi Toyaに1997年6月3日に発行された米国特許第5,634,315号(特許文献1)は、Building Method of Constructionと題されている。この特許は、地表面上に土台を形成し、複数の直立支持体を土台から上方に突出するように配置し、被覆パネルを前記直立支持体に固定して、土台から上方に延在させ、おのおの複合ボードのペアを有する、事前成形された複数の複合アセンブリを配置し、建物の壁、床、および天井を形成するために互いに隣接して配置された、事前成形された複数の複合アセンブリを利用することによって建物を形成することによって、建物を建設することを開示している。これは典型的な建設方法であり、水道管と電気導管が設置された、プレハブされた壁部分を含んでいない。
【0006】
Frank J.Babcockらに2001年7月10日に発行された米国特許第6,256,960号(特許文献2)は、Modular Building Construction and Components Thereofと題されている。この特許は、モジュール式建物建設およびその構成要素を開示している。建物の土台には、周囲にアンカボルトが張り巡らされている。アンカボルトの上に金属製の下部トラックが設置され、ナットとロッドカプラで固定される。細長いコネクタロッドは、カプラの上端にねじ込まれる。第1の側縁に沿った金属スタッドと、第2の側縁に沿った補完的な凹部と一体成形された、事前に製造されたモジュール式の壁パネルが、軌道に連続的に設置される。スタッドの開口側が、コネクタロッドを取り囲むように、第1のパネルが設置される。隣接する第2のパネルは、第2の側縁が、スタッドに面するように設置される。2つのパネルをともにスライドさせて、コネクタロッドを取り囲み、包囲する。この特許では、電気および水道管は、壁の外皮を取り除くことによって設置される。
【0007】
George H.Dickenson Jr.に2006年6月20日に発行された米国特許第7,062,885号(特許文献3)は、Foundation Wall,Construction Kit and Methodと題されている。この特許は、キットが、一般に、家屋などの適度な大きさの建物の土台を容易かつ効率的に建設するために使用できるプレハブされたモジュール式の構成要素およびハードウェアから構成されることを開示している。別の態様では、この発明のキットは、階段、踊り場、および/またはデッキを建設するために使用できる様々な、オプションのモジュール式の構成要素を具現化していると見なすことができる。このキットは住宅建設用であるが、電気または水道管がない外壁に限定されている。
【0008】
必要とされるものは、建物や家屋を建築するために迅速にともに接合できるプレハブされた壁部分である。プレハブされた壁部分は、水道管連結部および電気的連結部をも含んでいる必要がある。提案された機械壁は、解決策を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第5,634,315号
【特許文献2】米国特許第6,256,960号
【特許文献3】米国特許第7,062,885号
【発明の概要】
【0010】
側面がテーパ状で、ダブテール化されていることが、この機械壁の目的である。ダブテールは、隣接する壁部分に係合するために1つの部分を持ち上げる必要がある高さを低減するように、構造上の要件ごとに間隔が空けられている。ダブテールは、ダブテールスロットに入り始めると、テーパによって緩くフィットし、ダブテールが、底部でテーパすると、しっかりと確実に係合する。
【0011】
機械壁の別の目的は、フッタまたは底板に地震保持部またはハリケーン保持部を設け、土台から壁部分に揃えて固定できるようにすることである。これらの保持部は、建物または家屋が建設されている地域の建築基準法に従って間隔を空けることができる。
【0012】
機械壁の別の目的は、モジュール式の壁が、所定位置ロック機能を有することであり、それによって、壁部分をともに固定するための二次的なツールはなくなる。ロックは側面のダブテールに組み込むことができ、モジュール式の壁を迅速にロックして固定するために、ばね式または一方向の係合にすることができる。モジュール式の壁の設置とロックは、扱いにくい部分での持上ホイスト以外のツールなしで実行できる。
【0013】
壁部分の土台への連結のための機械壁の別の目的は、コンクリートインサートにおいて、かぶせ水切りを有することである。これにより、壁部分への、またはモジュール式の壁の下からの、水の浸入を防ぐ。かぶせ水切りは、モジュール式の壁の側面をわずかに上に延ばすことができ、各壁の垂直交点において雨仕舞いも提供する。
【0014】
機械壁の別の目的は、全地球測位センサ(GPS)、または、土台スリーブに連結された同様の技術を含み、これにより、設置者が、建物を組み立てる際に、設計図を参照する必要なく、各モジュール式の壁の場所と位置を迅速に発見し、配置できる。
【0015】
モジュール式の壁部分が、(回路経路を作成する)統合された電線および/または水道管または導管を有することは、機械壁のさらに別の目的である。これは、二次的なマニュアル作業のための設置を最小限に抑え、電気および水道設備の場所を、壁に沿って事前に発見できる。壁内作動電気回路機構は、電気回路を形成する作動電気コネクタを自動的に解除する機械壁パネルが適所にロックされると、この機構を作動させる、内部解除を含むことができる。
【0016】
これは、モジュール式の壁を接合し、接着剤、押し込み、スピンロック、または摩擦ロックで連結および密閉して、これらのユーティリティに安全な密閉システム/経路を提供し、設置者が、モジュール式の壁の間の連結を迅速に行うことができる電気的連結部および/または水道管連結部に関する、機械壁のさらに別の目的である。
【0017】
本発明の様々な目的、特徴、態様、および利点は、同様の数字が同様の構成要素を表す添付の図面とともに、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、内面および外面を取り除いた機械壁の斜視図である。
【
図2】
図2は、モジュール式の壁の雄側の斜視図である。
【
図3】
図3は、モジュール式の壁の雌側の斜視図である。
【
図5】
図5は、土台の雨仕舞いの端部詳細図である。
【
図6】
図6は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する斜視図である。
【
図7】
図7は、土台、型枠、およびフッタを絶縁雨仕舞いとともに示す分解斜視図である。
【
図8】
図8は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する別の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図9】
図9は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する別の好ましい実施形態の斜視図である。
【
図11】
図11は、ダブテール取付具、電気的連結部、および一方向固定システムを備えた機械壁の斜視ワイヤフレーム図である。
【
図12】
図12は、電気的連結部および一方向固定システムを有する機械壁の斜視ワイヤフレーム図である。
【
図13】
図13は、各壁の一端におけるダブテール取付具の両側の斜視図である。
【
図14】
図14は、壁部分の底部の一方向固定システムの斜視図である。
【
図15】
図15は、雄型ポスト連結部と雌型受け部連結部との両方を有する一方向固定システムの斜視図である。
【
図16】
図16は、2つの機械壁の間の電気的連結部のための両壁連結部の斜視図である。
【
図17】
図17は、2つの機械壁の間に連結された電気的連結部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書で一般的に説明され、図面に示されている本発明の構成要素は、多種多様な異なる構成で配置および設計できることが容易に理解される。したがって、図面に示される本発明のシステムおよび方法の実施形態の以下のより詳細な説明は、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の様々な実施形態の単なる代表である。本発明の例示された実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、図面において、同様の部分は全体を通して同様の数字によって示される。
【0020】
図1は、内面および外面を取り除いた機械壁20の斜視図を示す。この図は、取り除かれた内壁面と外壁面との両方を示しているが、機械壁20に少なくとも1つの外側基板面を有する壁部分を設置できると考えられる。外側基板面を取り付ける場合、隣接するパネルの雨仕舞いが必要になるか、または二次的な密閉作業が必要になる。このタイプの設置の利点は、設置者が建物または家屋の中から、水道管および電気導管のすべての接合を実行できることである。
【0021】
典型的には外面が設置されるが、乾式壁またはシートロックで覆われた、仕上げられた内面は、モジュール式の壁20の片側を等しく覆うことができる。電気および水道管のラインを連結する作業は、建物または家屋の外から実行される。内側の面から、乾式壁またはシートロックを、テクスチャリングおよび塗装により埋めることができる。このタイプの設置の利点は、電気接続ボックスおよび水道管用の開口部を、乾式壁またはシートロックに事前にカットできることである。
【0022】
この好ましい実施形態では、機械壁20部分は、幅が48インチであり、乾式壁またはシートロックの一般的な幅に対応するが、16から96インチ、または業界標準による他の幅が考えられる。幅は、設計要件に応じて、16インチよりも短く、96インチよりも長くできることも理解されたい。この実施形態はまた、中心16インチで、スタッド間隔99を有する中間スタッド31を示すが、設計要件に応じて12インチまたは24インチとすることもできる。
【0023】
機械壁20は、2×4または2×6のヘッダ30、中間スタッド31およびフッタ33、または、繰り返すが、設計要件によって決定される他の寸法で構成することができる。スタッド部材は、木材、金属、または他のスタッド用の構造的に可能な材料から作ることができる。事前に形成されたコンクリートおよび構造用の鋼製の壁パネルには、インタロック機構も埋め込まれており、本明細書で説明される。外側の垂直スタッドは、雄型ダブテール41を有する雄側スタッド40と、(この図には示されていない)補完的な雌型ダブテールを有する雌側スタッド50とを有する。対向するダブテールにより、(第2の)新しい壁部分を、機械壁20の第1の固定された壁部分の上に持ち上げることによって、モジュール式の壁20部分を迅速に組み立てることができる。モジュール式の壁は、壁と壁との連結システムのオプションとして、側面の垂直方向の滑り補正を含むことができると考えられる。(通常は中心16インチにおいて)必要な構造強度を可能にするように、垂直チャネル開口部が配置されているため、壁システムを所定の位置に設置するために、わずかな力と持ち上げしか必要とされない。ダブテールは、各連結部の基部に、オプションのテーパを付け、所定の位置にスライドすると連結部を締めるように設計できる。システムにおける天井クリアランスが不足する可能性があるため、必要に応じて、パネルシステムを持ち上げる必要をなくすために、基部機械式ロックシステムを、システムの側端で使用することもできる。
【0024】
側面には、テーパ状のダブテール連結部がある。ダブテールは、隣接する壁部分に係合するために1つの部分を持ち上げねばならないリフト間隔98の高さを低減するために、中心で3インチから18インチの間のギャップ42を有するように間隔を空けて配置されるが、18インチよりも大きいか、または3インチ未満とすることができ、ダブテール連結部間の距離は、構造上の要件および/または地域の建築基準法の要件を満たすように調整できる。ダブテールは、ダブテールスロットに入り始めると、テーパによって緩くフィットし、ダブテールが、底部でテーパすると、しっかりと確実に係合する。モジュール式の壁20の底部は、地震またはハリケーンからの保護のための保持管71を備えた底部雨仕舞い70を示している。壁システムの基部に、スナップロック連結部を作動させる機械的圧力があり、適所に迅速にロックして、設置プロセスを行うことができる。底部雨仕舞い70または型枠プレートおよび保持管71は、本明細書において他の図で示され、説明される。
【0025】
垂直スタッドは、水道管64が機械壁20を貫通する切り欠き32付きで示されている。この例は、単一の水道管64のみを示しているが、機械壁20は、温水ライン、冷水ライン、および電気的連結用のラインを有する。この図では、明確化かつ簡略化のために、水道管64のラインが1つだけ示されている。第1の管60と、隣接するモジュール式の壁20部分に接続するエンドカプラ63とがある。側管61は、シンク、トイレ、シャワー、ホースビブなどの大まかな水道管連結のために水道管64に連結する。拡張可能なカップル62により、水道管64を、拡張または収縮させて、他のモジュール式の壁20部分に接続することができる。
【0026】
モジュール式の壁を接合する電気および/または水道管の連結部は、接着剤、押し込み、スピンロック、または摩擦ロックで連結および密閉され、設置者がモジュール式の壁の間の連結を迅速に行うことができる安全な密閉システムを提供する。これは、壁部分が完全に挿入された後、曲がって元の位置に戻るカムまたはタブとして、一方向のロックまたは回転システムであると考えられるが、壁部分を取り外すためにロックを解除するためのアクセスドアまたは穴を含む場合もある。
【0027】
図2は、モジュール式の壁の雄側の斜視図を示し、
図3は、モジュール式の壁の雌側の斜視図を示す。これらの図では、底部雨仕舞い70において、フッタ33を有するモジュール式の壁の反対側を見ることができる。保持管71は、底部雨仕舞い70の底部から延在するように示されている。フッタは、モジュール式の壁部分を、底部雨仕舞い70に固定するために、各保持管71に固定または接着されるロッド34を有する。ロッドは、ネジ付き、スタッド付き、または保持管71を把持する拡張可能なボールドにすることができる。底部雨仕舞い70のリップ72は、フッタ33の1つまたは複数の側面まで延びていると理解される。
【0028】
中間スタッド31は、これらの図では、雄型ダブテール41を備えた雄側スタッド40の内側に見られる。切り欠き32は、モジュール式の壁を通り抜けることができる、水道管64および/または電気管のためのクリアランスを提供する。エンドカプラ63は、水道管および/または電気を、複数のモジュール式の壁に接続するために延長(97)できる。
【0029】
図4は、土台雨仕舞いを示し、
図5は、土台雨仕舞いの端部詳細図を示す。底部雨仕舞い70または型枠プレートは、土台に鋳込みまたは設置できると考えられる。雨仕舞い底部73は、土台と接合または密閉される。保持管71の底部は、底部雨仕舞い70または型枠プレートを土台内にさらに固定する1つまたは複数の水平または垂直に接合されたプレートを有することができる。底部雨仕舞い70の1つまたは複数の側面は、この図には示されていないフッタの底部に沿って延在することができ、底部雨仕舞い70をフッタに密閉するために開く(96)または屈曲することができる雨仕舞いリップ72を有することができる。保持管71は、フッタの底部から延びるロッドを受け入れて接合する中央開口部74を有する。
【0030】
地下または土台に組み込まれているかぶせ水切りの垂直脚の利点は、壁システムの基部における防水プロセスのためであり、壁パネルが適所に設置された場合、完全なかぶせ水切り連結を可能にする地下ロックチャネルに組み込まれた垂直リップがある。
【0031】
壁システムは、無人、自律、または遠隔操作のデリバリシステム用のセンサが組み込まれており、2点支点設置機能が可能となる(壁は最初にマニュアルで設置できる)。各パネルは、GPSセンサおよび/またはRFIDタグを有し、パネルを識別し、各パネルがどこに位置し、配置され、固定されているかを確認できる。これにより、組立て誤りがなくなり、建物や家屋を、高精度で迅速に組み立てることができる。
【0032】
パネルは中実の壁パネルとして示されているが、窓および/またはドア用の開口部を備えた壁パネルを製造および設置できると考えられる。窓枠またはガラス付き窓枠を、機械壁20に設置または事前設置できるとも考えられる。
【0033】
図6は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する斜視図を示す。この実施形態では、底部雨仕舞い70は、底部に固定されたソケット77を有する。ソケット77は、曲がったアンカ75を有するポスト76を有する。これらの構成要素は、土台にセメント固定または鋳込みされる。これは、土台に、安全なシステムを提供する。ソケット77はテーパ状になっており、そのテーパが、ソケットを、建物の土台内にさらに固定する。ソケット77は、フッタ(図示せず)上にあるロッド34の底部に固定された拡張ウェッジ36を受け入れる中央開口部74を有する。
【0034】
機械壁が組立中のとき、拡張ウェッジ36が、中央開口部74を介して挿入(95)され、拡張(94)されて、機械壁を引っ張り、土台に設置する。拡張ウェッジ36は、プラグ35が拡張ウェッジ36内に引き込まれるときに張力(93)を生成することによって拡張することができる。拡張ウェッジ36は、プラグがソケットの底部に接触すると、内部ばねによって自動的に拡張できることも考えられる。これは、操作のための工具を必要とせず、ばねは両方とも、拡張ウェッジ36をソケット77に引き込み、ロッド34に対する下向きの力は、拡張ウェッジ36をソケット77内にさらに固定する。機械壁は、ロボットまたはオートメーションで組み立てることができると考えられる。
【0035】
図7は、土台21と、絶縁雨仕舞い55を有するフッタ33との分解斜視図を示す。この図では、設置された3つの壁22が示され、機械壁20が下降(92)される。垂直スタッドおよび中間スタッド31は、フッタ/底板33に固定される。壁は、内部スタッドのない、中実構造であるとも考えられる。フッタ/底板33は、雄型枠43ボックスに固定される。雄型枠43ボックスは、ボトムロック44を有する。雄型枠43ボックスは、雄型枠43ボックス用の型枠受け部開口部54を有する雌型枠53ボックス内に押し下げられる(92)。雌型枠53ボックスの底部には、雄型枠43ボックスのロック44にロックするリテーナがある。2つの部品がともに係合しているとき、雌型枠53ボックスは、機械壁枠への水の浸入を防ぐ雨仕舞い55を有する。雨仕舞い55はまた、スタッコ、ブロック、木材サイディング、またはこけら板などであるが、これらに限定されない仕上げ材用に構成することもできる。
【0036】
図8は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する別の好ましい実施形態の斜視図を示す。この実施形態では、受け部80にスナップする一方向カップリング38を備えたカップリングロッド37がある。拡張受け部81は、カップリングロッド37が押し下げられる(92)ときに、ばね付きのボール、ピン、またはテーパ付きラッチまたはロックを、一方向カップリング38において使用する。これにより、ロッドにナットをねじ込んだり、型枠や土台にフッタを釘付けするなどの二次的な作業を必要とせずに、機械壁を土台にロックする。
【0037】
図9は、機械壁を底部雨仕舞い保持部に固定する別の好ましい実施形態の斜視図を示す。この実施形態は、歯付きロッド39上の角度の付いた歯を使用する。歯付きロッド39は、土台の穴に押し込まれるか、または押し下げられる(92)。歯は穴79にグリップし、接着剤を穴79の中または歯の上に添加して、歯付きロッド39を穴79に接着することもできる。
【0038】
図10は、組立中の機械壁20の斜視図を示す。この図は、設置され固定された3つの機械壁20と、所定の位置に下降(92)された第4の機械壁20とを有する複数の雄側スタッド40を示す。各カップリングロッド37の底部は、一方向カップリング38である。保持管71内には、機械壁20が所定の位置にもたらされたときに、機械壁20を接続して固定する受け部80がある。これは、二次的な締め付けや追加のハードウェアの固定なしで完了する。
【0039】
図11は、ダブテール取付具、電気的連結部、および一方向固定システムを有する機械壁20の斜視ワイヤフレーム図を示し、
図12は、電気的連結部および一方向固定システムを備えた機械壁20の斜視ワイヤフレーム図を示す。これらの図は、代替の固定システムと、隣接する機械壁20を接合する電気的連結部とを備えた機械壁20を示す。機械壁20の頂部には、雌型ダブテール47を有する固定された壁と、雄型ダブテール40を有する設置された機械壁20とを相互連結するダブテール取付具がある。
【0040】
土台は、各機械壁20のフッタ/底板33の底部から延びる雄型ポスト120を受け入れる複数の受け部80を有する。設置されると、雄型ポスト120は、受け部80に挿入され、雄型ポスト120を固定するために下方に「タップ」される。各機械壁20の部分は、迅速に設置され、所定の位置にロックされる。
図11において、部分が窓で示されている。各機械壁20の部分は、機械壁20が製造されるとき、すべてのドア、窓、または他の特徴とともに事前に製造される。設置されると、機械壁20の部分は、組立順序および指示に従って固定される。機械壁20を固定した後、電気(および/または水道管)連結部が整列される。これらの図において、各機械壁20の部分内の導管100は、ブレークジョーボックス110およびナイフブレードボックス130を含む。相互連結のさらなる図および説明は、本明細書の他の図に示され、説明される。
【0041】
図13は、各壁の一端におけるダブテール取付具の両側の斜視図を示す。この図の右側は設置壁22であり、この図の左側は設置中の機械壁20である。設置壁22は雌型ダブテール47を有し、設置中の機械壁20は雄型ダブテール46を有する。この図は、壁が直線状に配置されていることを示しているが、設置中の壁は、90度の角度で、または、別の角度で配置されることもでき、設置中の機械壁20は、所望の角度で設置された雄型ダブテール46を有し、雌型ダブテール47と嵌合する。雌型ダブテール47は壁に嵌め込まれ、雄型ダブテール46は、壁の平坦端面の外側に設置される。各雄型ダブテール46および雌型ダブテール47は、耳部48を有するブラケットであり、機械壁のそれぞれの側面にファスナ49で固定される。
【0042】
設置中の壁は、設置された機械壁22の上に単に持ち上げられて、ダブテール面と係合する。ダブテール連結部は1つしか示されていないが、建築基準法に基づいて複数の固定位置を提供するために、壁端の高さに沿って複数のダブテール連結部が存在する可能性がある。画像18に示されている横方向の調整軌道を含むことも考えられる。これにより、必要に応じて、雄型スタッドを調整可能にし、必要であれば、雄型スタッドと雌型スタッドとを並べることができる。
【0043】
図14は、壁部分の底部の一方向固定システムの斜視図を示し、
図15は、雄型ポスト120と雌型受け部80との両方の連結部を有する一方向固定システムの斜視図を示す。土台(または床)が注入されるか、または設置されると、受け部80が設定され、鋳込みまたは注入される。フランジ85基部または土台型板を使用して、受け部80を基部56または土台内の適所に配置および保持することができる。フランジ85は、残すか、または取り外して再利用することができる。フランジ85基部は、壁パネルシステムの設置のために、コンクリートが埋め込まれたインサートの間隔を空けるために必要な高いレベルの精度のために、コンクリートが埋め込まれたインサート間に、事前に設定された距離を作る。各受け部80は、機械壁の底部から突出する雄型ポスト120を受け入れる穴84を管87に有する。管87の内側の一方(または複数)の側には、複数のレッジ86または歯がある。レッジ86または歯は、雄型ポスト120における歯124と係合するように構成される。
【0044】
雄型ポスト120は、機械壁部分のフッタ33の底部から穴を通って延びる。フランジ122は、フッタ33を、受け部80内に保持する。フランジ122における穴123は、雄型ポスト120を形成する管の円筒壁121の内部である。管受け部は、正方形、長方形、および他の実用的な形状でも構成できる。雄型ポスト120は、管87内のレッジ86に係合するロック歯124を有する。歯124はヒンジ126上に存在し、ヒンジ126は、歯がレッジ86にラッチする際に、歯124が屈曲し、内および外(89)に移動(88)することを可能にする。特定の数の歯124およびレッジ86が示されているが、異なる数の歯124およびレッジ86を、歯124およびレッジを複数の場所に配置すること、またはレッジ86を管87の内部の周りに配置することとともに使用することができる。フランジ122の頂部を「叩く」、または圧力を加えて、機械壁を受け部80に押し付けて固定することができる。ロック歯124の構成要素は、歯124を、レッジ86から解放し、機械壁を分解、再配置、または移動するように回転または移動(88)できる、レバー125とともにさらに示される。
【0045】
図16は、2つの機械壁間の電気的連結部のための両壁の連結部の斜視図を示し、
図17は、2つの機械壁間に連結された電気的連結部の斜視図を示す。家屋を建てる際に時間のかかる作業は、壁スタッドに電気配線を通すことである。機械壁には、内部導体101を有する電気導管100が、機械壁内に予め設置されている。各連結ボックスは、固定具111または固定具132で固定されている。壁が設置されると、壁部分の各側に、壁部分を介して電力を供給する電気的連結部がある。設置された壁部分は、ホット、ニュートラル、および接地電気配線に連結する第1のブレークジョー112、第2のブレークジョー113、および第3のブレークジョー114のための3つの電気的連結部を備えたブレークジョーボックス110を有する。第1の絶縁ディバイダ115および第2の絶縁ディバイダ166は、導体間の電気的絶縁を保証する。
【0046】
ナイフブレードボックス130とともに、導体101は、各導体101が別個のブレード134に連結する絶縁体135を有する回転可能なバレル133に入る。バレル133は、回転(103)して、ブレード134を、垂直位置から水平位置に移動させる。ばね137は、ブレード134の位置を維持するために、ブレード134の回転を付勢する。水平位置では、ブレード134は、それぞれのブレークジョー112~114に係合する。キー136またはシャフト131が、バレル133に挿入され、キーを用いてシャフト131およびまたはバレル133をターン(102)させ、隣接する機械壁間の電気的連結部と係合(または、係合解除)する。
【0047】
このように、建物を建設するために使用されるモジュール式の壁の特定の実施形態が開示された。しかしながら、本明細書の発明概念から逸脱することなく、説明したもの以外の多くの修正が可能であることは、当業者に明らかである。したがって、本発明の主題は、添付の特許請求の範囲の精神以外に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
産業上の利用可能性は、建物の建設に関する。
【符号の説明】
【0049】
20 機械壁
21 土台
22 設置壁
30 ヘッダ
31 中間スタッド
32 切り欠き
33 フッタ/底板
34 ロッド
35 プラグ
36 拡張ウェッジ
37 カップリングロッド
38 一方向カップル
39 歯付きロッド
40 雄側スタッド
41 雄型ダブテール
42 ギャップ
43 雄型枠
44 ロック
46 雄型ダブテール
47 雌型ダブテール
48 耳部
49 ファスナ
50 雌側スタッド
53 雌型枠
54 型枠受け部開口部
55 雨仕舞い
56 基部
60 水道管
61 側管
62 カプラ
63 エンドカプラ
64 水道管
70 底部雨仕舞い
71 保持管
72 雨仕舞いリップ
73 雨仕舞い底部
74 中央開口部
75 アンカ
76 ポスト
77 ソケット
79 穴
80 受け部
81 拡張受け部
84 穴
85 フランジ
86 レッジ
87 管
88 移動
89 内または外
90 下降
91 設置
92 下降
93 張力
94 拡張
95 挿入
96 開く
97 延長
98 リフト間隔
99 スタッド間隔
100 導管
101 導体
102 ターン
103 回転
110 ブレークジョーボックス
111 固定具
112 第1のブレークジョー
113 第2のブレークジョー
114 第3のブレークジョー
115 第1の絶縁ディバイダ
116 第2の絶縁ディバイダ
120 雄型ポスト
121 シリンダ壁
122 フランジ
123 穴
124 歯
125 レバー
126 ヒンジ
130 ナイフブレードボックス
131 シャフト
132 固定具
133 バレル
134 ブレード
135 絶縁体
136 キー
137 ばね
【国際調査報告】