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特表2024-506430スライシングマイクロLEDウェハおよびスライシングマイクロLEDチップ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】スライシングマイクロLEDウェハおよびスライシングマイクロLEDチップ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20240206BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20240206BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240206BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H01L33/00 H
H01L33/08
H01L33/62
G09F9/33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022578839
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-02-07
(86)【国際出願番号】 IB2022050444
(87)【国際公開番号】W WO2022157643
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】17/155,518
(32)【優先日】2021-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520510771
【氏名又は名称】ジェイド バード ディスプレイ(シャンハイ) リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュイ, チュンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】リ, チーミン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5F241
【Fターム(参考)】
5C094BA26
5C094CA19
5C094CA24
5C094DA13
5F142AA82
5F142BA32
5F142CB12
5F142CB13
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142DB24
5F142EA34
5F142FA32
5F142GA02
5F241CA35
5F241CA39
5F241CA40
5F241CA64
5F241CA76
5F241CA77
5F241CA91
5F241CB29
5F241CB33
5F241FF06
(57)【要約】
スライシングマイクロ発光ダイオード(LED)ウェハは、ドライバ回路基板と、ドライバ回路基板上に形成された複数のマイクロLEDであって、ドライバ回路基板上に横並びに配置された複数のエピタキシャル層スライスからなる、複数のマイクロLEDと、複数のエピタキシャル層スライスの底部で、ドライバ回路基板の上面上に形成され、マイクロLEDとドライバ回路基板とを接合するための接合層とを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライシングマイクロ発光ダイオード(LED)ウェハであって、
ドライバ回路基板と、
前記ドライバ回路基板上に形成された複数のマイクロLEDであって、前記ドライバ回路基板上に横並びに配置された複数のエピタキシャル層スライスからなる、複数のマイクロLEDと、
前記複数のエピタキシャル層スライスの底部でかつ前記ドライバ回路基板の上面上に形成された、前記マイクロLEDと前記ドライバ回路基板とを接合するための接合層と
を備えるスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項2】
前記エピタキシャル層スライスの各々はマイクロLEDのアレイを含む、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項3】
1つのエピタキシャル層スライスが1つの色の光を放出し、隣接するエピタキシャル層スライスは異なる色の光を放出する、請求項2に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項4】
同じスライシングされたエピタキシャル層内の前記マイクロLEDは同じ色の光を放出する、請求項3に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項5】
前記エピタキシャル層スライスは、第1の色のエピタキシャル層スライス、第2の色のエピタキシャル層スライス、および第3の色のエピタキシャル層スライスを含み、
前記第1の色のエピタキシャル層スライス、前記第2の色のエピタキシャル層スライス、および前記第3の色のエピタキシャル層スライスは、ディスプレイパネルを形成するように横並びに配置される、請求項3に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項6】
前記エピタキシャル層スライスは、第1の色のエピタキシャル層スライスおよび第2の色のエピタキシャル層スライスを含み、
前記第1の色のエピタキシャル層スライスおよび前記第2の色のエピタキシャル層スライスは、ディスプレイパネルを形成するように横並びに配置される、請求項3に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項7】
各マイクロLEDは、赤色LED、緑色LED、または青色LEDである、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項8】
ピクセルが、マイクロLEDのアレイ、または1つのマイクロLEDによって形成される、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項9】
前記マイクロLEDのうちの隣接するマイクロLED間のスペースは、隣接するエピタキシャル層スライス間のスペースよりも小さい、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項10】
前記隣接するエピタキシャル層スライス間の前記距離は300μmよりも大きい、請求項9に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項11】
前記エピタキシャル層スライスの各々の形状は長方形である、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項12】
前記エピタキシャル層スライスはアレイ状に配置される、請求項12に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項13】
前記接合層は、前記エピタキシャル層スライスのうちの対応するエピタキシャル層スライスの底部に各々形成された複数のエピタキシャル予備接合層スライスから形成され、各エピタキシャル予備接合層スライスの形状は、対応するエピタキシャル層スライスの形状と同じである、請求項11に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項14】
前記複数のエピタキシャル予備接合層スライスはアレイ状に配置される、請求項13に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項15】
前記複数のエピタキシャル予備接合層スライスのアレイ形状は、前記複数のエピタキシャル層スライスのアレイ形状と同じである、請求項14に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項16】
前記複数のエピタキシャル層スライスの厚さは同じである、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項17】
前記接合層は、前記エピタキシャル層スライスのうちの対応するエピタキシャル層スライスの底部に各々形成された複数のエピタキシャル予備接合層スライスと、前記ドライバ回路基板の上面におけるドライバ回路予備接合層とから形成される、請求項1に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項18】
各エピタキシャル予備接合層スライスの形状は、対応するエピタキシャル層スライスの形状と同じである、請求項12に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【請求項19】
前記ドライバ回路予備接合層は連続膜である、請求項13に記載のスライシングマイクロLEDウェハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般的にマイクロ発光ダイオード(LED)チップに関し、より詳細には、スライシングマイクロLEDウェハからなるマイクロLEDチップに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)は、一種の半導体ダイオードであって、電気エネルギーを光エネルギーに変換し、LEDに含まれる発光層の材料に応じて異なる色を有する光を放出することができる。
【0003】
LEDチップを形成するプロセスは、発光層として使用される複数のエピタキシャル層を基板上に積層することと、その後にエピタキシャル層の積層から複数のLEDを形成することとを含む。このようなプロセスは、複雑な製造プロセスおよび高い製造コストを要する場合がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の1つの実施形態によれば、スライシングマイクロ発光ダイオード(LED)ウェハが提供される。このスライシングマイクロLEDウェハは、ドライバ回路基板と、ドライバ回路基板上に形成された複数のマイクロLEDであって、ドライバ回路基板上に横並びに配置された複数のエピタキシャル層スライスからなる、複数のマイクロLEDと、複数のエピタキシャル層スライスの底部で、ドライバ回路基板の上面上に形成され、マイクロLEDとドライバ回路基板とを接合するための接合層とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A-1C】本開示の一実施形態による、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハの概略断面図である。
図1D-1F】本開示の一実施形態による、それぞれ図1A図1B、および図1Cに示した第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハの概略上面図である。
図2A-2C】本開示の一実施形態による、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層が形成された後の、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハの概略断面図である。
図3A-3C】本開示の一実施形態による、それぞれスライシング後の第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハの概略断面図である。
図3D-3F】本開示の一実施形態による、それぞれ図3A図3B、および図3Cに示した第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハの概略上面図である。
図4A-4C】本開示の一実施形態による、それぞれ第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハの概略断面図である。
図5A-5C】本開示の一実施形態による、それぞれ第1のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、第2のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、および第3のエピタキシャルウェハスライスのサブセットを用いて形成された第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハの概略断面図である。
図6】本開示の一実施形態による、第1のドライバ回路ウェハの上面上の第1のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、第2のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、および第3のエピタキシャルウェハスライスのサブセットの配置を示す概略図である。
図7A-7C】本開示の一実施形態による、それぞれ第1のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、第2のエピタキシャルウェハスライスのサブセット、および第3のエピタキシャルウェハスライスのサブセットと接合された第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハの概略断面図である。
図8A-8C】本開示の一実施形態による、それぞれ第1、第2、および第3のスライシングウェハの概略断面図である。
図9】本開示の一実施形態による、図8Aの第1のスライシングウェハの概略上面図である。
図10】本開示の一実施形態による、スライシングマイクロLEDウェハの概略上面図である。
図11A】本開示の一実施形態による、図10に示したスライシングマイクロLEDウェハからなるマイクロLEDチップの概略上面図である。
図11B】本開示の一実施形態による、図11AのマイクロLEDチップの概略断面図である。
図12】本開示のそのような一実施形態による、スライシングマイクロLEDウェハの概略上面図である。
図13】本開示の一実施形態による、図12に示したスライシングマイクロLEDウェハからなるマイクロLEDチップの概略上面図である。
図14】本開示の一実施形態による、ディスプレイシステムの概略図である。
図15】比較例による、マイクロLEDチップの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、本実施形態について詳細に説明し、それらの例は添付の図面に示される。可能な限り、同じ参照番号は図面全体を通じて同一または同様の部分を指すために使用される。
【0007】
本開示の実施形態によれば、ドライバ回路ウェハ上に複数のエピタキシャル層スライスを接合することによってスライシングウェハが形成される。その後、スライシングウェハは、複数のマイクロ発光ダイオード(LED)チップを形成するために処理される。
【0008】
図1A図10Bは、本開示の一実施形態による、マイクロ発光ダイオード(LED)チップを形成するプロセスにおいて形成される構造体を概略的に示す。
【0009】
まず、図1A図1Fに示すように、第1のエピタキシャルウェハ100、第2のエピタキシャルウェハ200、および第3のエピタキシャルウェハ300が形成される。図1A図1B、および図1Cは、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300の断面図を概略的に示す。図1D図1E、および図1Fは、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300の上面図を概略的に示す。
【0010】
図1Aおよび図1Dに示すように、第1のエピタキシャルウェハ100は、第1の成長基板110と、第1の成長基板110上にエピタキシャル成長させた第1のエピタキシャル層120とを含む。図1Bおよび図1Eに示すように、第2のエピタキシャルウェハ200は、第2の成長基板210と、第2の成長基板210上にエピタキシャル成長させた第2のエピタキシャル層220とを含む。図1Cおよび図1Fに示すように、第3のエピタキシャルウェハ300は、第3の成長基板310と、第3の成長基板310上にエピタキシャル成長させた第3のエピタキシャル層320とを含む。
【0011】
第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320は、同じサイズおよび同じ形状を有し得る。第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320の各々は、発光ダイオードを形成するのに適したエピタキシャル構造体を含む。例えば、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320の各々は、LEDエピ構造層、VCSEL(垂直キャビティ面発光レーザ)エピ構造層、または光検出器エピ構造層などのような光電子デバイスエピ構造層を含み得る。
【0012】
第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320の各々は、電圧が印加されると、特定の色を有する光を放出することができる。例えば、第1のエピタキシャル層120は赤色の光を放出することができ、第2のエピタキシャル層220は緑色の光を放出することができ、第3のエピタキシャル層320は青色の光を放出することができる。他の例として、第1のエピタキシャル層120は黄色の光を放出することができ、第2のエピタキシャル層220は橙色の光を放出することができ、第3のエピタキシャル層320はシアン色の光を放出することができる。本開示は、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320によって放出される光の色を限定しない。
【0013】
第1、第2、および第3の成長基板110、210、および310の各々は、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320のエピタキシャル成長に適した任意の基板であり得る。例えば、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320のいずれか1つがGaN系材料を含む場合、対応する成長基板110、210、または310は、パターニングされたサファイア基板などのサファイア基板であることができるか、またはSiC基板であることができる。他の例として、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320のいずれか1つがInP系材料を含む場合、対応する成長基板110、210、または310は、InP基板であることができる。さらなる例として、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320のいずれか1つがGaAs系材料を含む場合、対応する成長基板110、210、または310は、GaAs基板であることができる。
【0014】
次に、図2A図2B、および図2Cに示すように、第1のエピタキシャル予備接合層130、第2のエピタキシャル予備接合層230、および第3のエピタキシャル予備接合層330が、それぞれ第1のエピタキシャルウェハ100、第2のエピタキシャルウェハ200、および第3のエピタキシャルウェハ300の上に形成される。具体的には、図2A図2B、および図2Cは、第1のエピタキシャル予備接合層130、第2のエピタキシャル予備接合層230、および第3のエピタキシャル予備接合層330が形成された後の、それぞれ第1のエピタキシャルウェハ100、第2のエピタキシャルウェハ200、および第3のエピタキシャルウェハ300の断面図である。図2Aに示すように、第1のエピタキシャル予備接合層130は、第1のエピタキシャル層120の上に形成される。図2Bに示すように、第2のエピタキシャル予備接合層230は、第2のエピタキシャル層220の上に形成される。図2Cに示すように、第3のエピタキシャル予備接合層330は、第1のエピタキシャル層320の上に形成される。
【0015】
第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330の各々は、例えば、Sn、Au、Ni、Pd、もしくはCu、またはその合金などの1つまたは複数の接合材料を含む接合材料サブ層を含み得る。接合材料サブ層はまた、1つまたは複数の接合材料の複数の層を有する多層構造体を含んでもよい。いくつかの実装形態では、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330の各々はまた、接合材料サブ層と、下にある第1、第2、または第3のエピタキシャル層120、220、または320との間に形成された接着サブ層および/または接合拡散障壁サブ層を含み得る。接着サブ層は、接合材料サブ層と第1、第2、または第3のエピタキシャル層120、220、または320との間の接着を向上させるように構成される。接合拡散障壁サブ層は、第1、第2、または第3のエピタキシャル層120、220、または320内への接合材料の拡散を防止または低減するように構成される。
【0016】
図3A図3Fに示すように、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300の各々はスライスへとスライシングされる。図3A図3B、および図3Cは、それぞれスライシング後の第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300の断面図を概略的に示す。図3D図3E、および図3Fは、それぞれスライシング後の第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300の上面図を概略的に示す。
【0017】
図3Aおよび図3Dに示すように、第1のエピタキシャルウェハ100は、第1のエピタキシャルウェハ100の上面100a上に配置された互いに平行な複数の第1のスライシングライン101に沿ってスライシングされる。第1のスライシングライン101は、互いに等間隔に離間してもよく、そうでなくてもよい。第1のエピタキシャルウェハ100のスライシングは、レーザ切削、ワイヤソーもしくはダイヤモンド被覆内径ソーによる切削、または劈開によって実行され得る。結果として、第1のエピタキシャルウェハ100は、複数の第1のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)にスライシングされる。より詳細には、第1の成長基板110は複数の第1の成長基板スライス112(112-1、112-2、...112-15)にスライシングされ、第1のエピタキシャル層120は複数の第1のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-2、...122-15)にスライシングされ、第1のエピタキシャル予備接合層130は複数の第1のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)にスライシングされる。したがって、第1のエピタキシャルウェハスライス102の各々は、複数の第1の成長基板スライス112のうちの1つ、複数の第1のエピタキシャル層スライス122のうちの1つ、および複数の第1のエピタキシャル予備接合層スライス132のうちの1つを含む。図3Aおよび図3Dは、第1のエピタキシャルウェハ100が15個の第1のエピタキシャルウェハスライス102にスライシングされることを例示しているが、本開示はそのようには限定されない。第1のエピタキシャルウェハスライス102の数は、実際の応用に従って調節され得る。
【0018】
図3Bおよび図3Eに示すように、第2のエピタキシャルウェハ200は、第2のエピタキシャルウェハ200の上面200a上に配置された互いに平行な複数の第2のスライシングライン201に沿ってスライシングされる。第2のスライシングライン201は、互いに等間隔に離間してもよく、そうでなくてもよい。第2のエピタキシャルウェハ200に対する第2のスライシングライン201の位置および第2のスライシングライン201間の間隔は、それぞれ第1のエピタキシャルウェハ100に対する第1のスライシングライン101の位置および第1のスライシングライン101間の間隔と同じである。第2のエピタキシャルウェハ200のスライシングは、第1のエピタキシャルウェハ100のスライシングと同様に実行され得る。結果として、第2のエピタキシャルウェハ200は、複数の第2のエピタキシャルウェハスライス202(202-1、202-2、...202-15)にスライシングされる。より詳細には、第2の成長基板210は複数の第2の成長基板スライス212(212-1、212-2、...212-15)にスライシングされ、第2のエピタキシャル層220は複数の第2のエピタキシャル層スライス222(222-1、222-2、...222-15)にスライシングされ、第2のエピタキシャル予備接合層230は複数の第2のエピタキシャル予備接合層スライス232(232-1、232-2、...232-15)にスライシングされる。したがって、第2のエピタキシャルウェハスライス202の各々は、複数の第2の成長基板スライス212のうちの1つ、複数の第2のエピタキシャル層スライス222のうちの1つ、および複数の第2のエピタキシャル予備接合層スライス232のうちの1つを含む。図3Bおよび図3Eは、第2のエピタキシャルウェハ200が15個の第2のエピタキシャルウェハスライス202にスライシングされることを例示しているが、本開示はそのようには限定されない。第2のエピタキシャルウェハスライス202の数は、実際の応用に従って調節され得る。
【0019】
図3Cおよび図3Fに示すように、第3のエピタキシャルウェハ300は、第3のエピタキシャルウェハ200の上面300a上に配置された互いに平行な複数の第3のスライシングライン301に沿ってスライシングされる。第3のスライシングライン301は、互いに等間隔に離間してもよく、そうでなくてもよい。第3のエピタキシャルウェハ300に対する第3のスライシングライン301の位置および第2のスライシングライン201間の間隔は、それぞれ第1のエピタキシャルウェハ100に対する第1のスライシングライン101の位置および第1のスライシングライン101間の間隔と同じである。第3のエピタキシャルウェハ300のスライシングは、第1のエピタキシャルウェハ100のスライシングと同様に実行され得る。結果として、第3のエピタキシャルウェハ300は、複数の第3のエピタキシャルウェハスライス302(302-1、302-2、...302-15)にスライシングされる。より詳細には、第3の成長基板310は複数の第3の成長基板スライス312(312-1、312-2、...312-15)にスライシングされ、第3のエピタキシャル層320は複数の第3のエピタキシャル層スライス322(322-1、322-2、...322-15)にスライシングされ、第3のエピタキシャル予備接合層330は複数の第3のエピタキシャル予備接合層スライス332(332-1、332-2、...332-15)にスライシングされる。したがって、第3のエピタキシャルウェハスライス302の各々は、複数の第3の成長基板スライス312のうちの1つ、複数の第3のエピタキシャル層スライス322のうちの1つ、および複数の第3のエピタキシャル予備接合層スライス332のうちの1つを含む。図3Cおよび図3Fは、第3のエピタキシャルウェハ300が15個の第3のエピタキシャルウェハスライス302にスライシングされることを例示しているが、本開示はそのようには限定されない。第3のエピタキシャルウェハスライス302の数は、実際の応用に従って調節され得る。
【0020】
図1A図3Fに示した実施形態では、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330は、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300がスライシングされる前に形成される。いくつかの代替実施形態では、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330は、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300がスライシングされた後に形成されてもよい。すなわち、エピタキシャル予備接合層は、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302の各々の上に形成される。
【0021】
図4A図4B、および図4Cに示すように、第1のドライバ回路ウェハ400、第2のドライバ回路ウェハ500、および第3のドライバ回路ウェハ600が形成される。図4A図4B、および図4Cは、それぞれ第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハ400、500、および600の断面図を概略的に示す。
【0022】
具体的には、図4Aに示すように、第1のドライバ回路ウェハ400は、第1のドライバ回路基板410と、第1のドライバ回路基板410上に形成された第1のドライバ回路440と、第1のドライバ回路440を含む第1のドライバ回路基板410の上に形成された第1のドライバ回路予備接合層430とを含む。図4Bに示すように、第2のドライバ回路ウェハ500は、第2のドライバ回路基板510と、第2のドライバ回路基板510上に形成された第2のドライバ回路540と、第2のドライバ回路540を含む第2のドライバ回路基板510の上に形成された第2のドライバ回路予備接合層530とを含む。図4Cに示すように、第3のドライバ回路ウェハ600は、第3のドライバ回路基板610と、第3のドライバ回路基板610上に形成された第3のドライバ回路640と、第3のドライバ回路640を含む第3のドライバ回路基板610の上に形成された第3のドライバ回路予備接合層630とを含む。
【0023】
第1、第2、および第3のドライバ回路基板410、510、および610の各々は、アモルファス半導体基板、多結晶半導体基板、または単結晶半導体基板などの半導体基板を含み得る。例えば、第1、第2、および第3のドライバ回路基板410、510、および610の各々は、単結晶シリコン(Si)半導体または単結晶III-V化合物半導体基板を含み得る。いくつかの実装形態では、第1、第2、および第3のドライバ回路基板410、510、および610の各々は、半導体基板の上に形成された二酸化ケイ素(SiO)層などの1つまたは複数の誘電体層(図示せず)を含んでもよい。第1、第2、または第3のドライバ回路440、540、または640の配線および/または接点が、1つまたは複数の誘電体層の中または上に形成され得る。
【0024】
形成されるべきマイクロLEDチップのタイプに応じて、第1、第2、および第3のドライバ回路440、540、および640の各々は異なるタイプのデバイスを含んでもよい。例えば、第1、第2、および第3のドライバ回路440、540、および640の各々は、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、薄膜トランジスタ(TFT)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)、金属半導体FET(MESFET)、もしくは金属絶縁体半導体FET(MISFET)、または上に列挙したいずれかのタイプのデバイスの2つ以上を含む集積回路などの単一の半導体デバイスを含み得る。
【0025】
図4A図4B、および図4Cにおいて、第1、第2、および第3のドライバ回路440、540、及び640の各々は、単一のブロックとして図式的に示されている。しかし、第1、第2、および第3のドライバ回路440、540、または640の各々は、接点および異なる材料層などの複数の構成要素を含み得る。さらに、本開示の実施形態によるマイクロLEDチップはまた、配線、隔離層、および/またはパッシベーション層などの他の構成要素を含み、他の構成要素は、第1、第2、もしくは第3のドライバ回路ウェハ400、500、もしくは600、および/または第1、第2、もしくは第3のエピタキシャルウェハ100、200、もしくは300の一部であっても、または追加的な構成要素であってもよい。これらの他の構成要素は、本開示の図面に明示的に示されない。
【0026】
第1、第2、および第3のドライバ回路予備接合層430、530、および630の各々は、例えば、Sn、Au、Ni、Pd、もしくはCu、またはその合金などの1つまたは複数の接合材料を含む接合材料サブ層を含み得る。接合材料サブ層はまた、1つまたは複数の接合材料の複数の層を有する多層構造体を含んでもよい。いくつかの実装形態では、第1、第2、および第3のドライバ回路予備接合層430、530、および630の各々はまた、接合材料サブ層と、下にある第1、第2、または第3のドライバ回路基板410、510、または610との間に形成された接着サブ層および/または接合拡散障壁サブ層を含み得る。接着サブ層は、接合材料サブ層と下にある第1、第2、または第3のドライバ回路基板410、510、または610との間の接着を向上させるように構成される。接合拡散障壁サブ層は、第1、第2、または第3のドライバ回路基板410、510、または610内への接合材料の拡散を防止または低減するように構成される。
【0027】
図5A図5B、および図5Cは、本開示の一実施形態による、それぞれ第1のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)のサブセット、第2のエピタキシャルウェハスライス202(202-1、202-2、...202-15)のサブセット、および第3のエピタキシャルウェハスライス302(302-1、302-2、...302-15)のサブセットを用いて形成された第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハ400、500、および600の断面図を概略的に示す。図5A図5B、および図5Cに示すように、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)、202(202-1、202-2、...202-15)、および302(302-1、302-2、...302-15)は、第1、第2、および第3のドライバ回路予備接合層430、530、および630に面する第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)、232(232-1、232-2、...232-15)、および332(332-1、332-2、...332-15)を用いて、第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハ400、500、および600の上に選択的に転写され、それらと位置合わせされる。
【0028】
具体的には、図5Aは第1のドライバ回路ウェハ400の断面図を概略的に示し、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)がその上に配置されている。図5Bは第2のドライバ回路ウェハ500の断面図を概略的に示し、第1のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット102(102-3、102-6、102-9、102-12、102-15)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット202(202-1、202-4、202-7、202-10、202-13)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット302(302-2、302-5、302-8、302-11、302-14)がその上に配置されている。図5Cは第3のドライバ回路ウェハ600の断面図を概略的に示し、第1のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット102(102-2、102-5、102-8、102-11、102-14)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット202(202-3、202-6、202-9、202-12、202-15)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット302(302-1、302-4、302-7、302-10、302-13)がその上に配置されている。第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302の第2のサブセットまたは第3のサブセットを第2のドライバ回路ウェハ500または第3のドライバ回路ウェハ600上に転写するプロセスは、第1のドライバ回路ウェハ400上のものと同様であるため、詳細な説明は以下では第1のドライバ回路ウェハについてのみ提供される。
【0029】
図6は、本開示の一実施形態による、第1のドライバ回路ウェハ400上に第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)を転写するプロセスを概略的に示す。特に、図6の上の行の3個のウェハは、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300を表し、図6の左下のウェハは、転写プロセスの前の第1のドライバ回路ウェハ400を表し、図6の右下のウェハは、第1のドライバ回路ウェハ400を表し、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)がその上に配置されている。図6では、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)、202(202-1、202-2、...202-15)、および302(302-1、302-2、...302-15)を区別する目的のために、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)、232(232-1、232-2、...232-15)、および332(332-1、332-2、...332-15)は図示されていない。
【0030】
図6に示すように、第1のエピタキシャルウェハスライス102の第1のサブセットは、第1のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)のうちの3個ごとに1つを含む。すなわち、第1のエピタキシャルウェハスライス102の第1のサブセットは、(図6において見た場合の)左から開始して、複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの1番目102-1、複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの4番目102-4、複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの7番目102-7、複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの10番目102-10、および複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの13番目102-13を含む。同様に、第2のエピタキシャルウェハスライス202(202-1、202-2、...202-15)の第1のサブセットは、第2のエピタキシャルウェハスライス202のうちの3個ごとに1つを含む。すなわち、第2のエピタキシャルウェハスライス202の第1のサブセットは、(図6において見た場合の)左から開始して、複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの2番目202-2、複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの5番目202-5、複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの8番目202-8、複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの11番目202-11、および複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの14番目202-14を含む。同様に、第3のエピタキシャルウェハスライス302(302-1、302-2、...302-15)の第1のサブセットは、第3のエピタキシャルウェハスライス302のうちの3個ごとに1つを含む。すなわち、第3のエピタキシャルウェハスライス302の第1のサブセットは、(図6において見た場合の)左から開始して、複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの3番目302-3、複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの6番目302-6、複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの9番目302-9、複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの12番目302-12、および複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの15番目302-15を含む。
【0031】
第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)は、互いに連続的に追従し後続されて、第1のドライバ回路ウェハ400の上に交互に配置されるように、それぞれ点線611、612、...615、621、622、...625、631、632、...635に沿って転写される。例えば、複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの1番目102-1は、線611に沿って転写されて第1のドライバ回路ウェハ400上の最も左の位置に配置され、複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの2番目202-2に隣接し、これは線621に沿って転写され、複数の第3のエピタキシャルウェハスライスのうちの3番目302-3に隣接し、これは線631に沿って転写され、などとなる。第1のドライバ回路ウェハ400に対するエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、または302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)の各々の位置は、その元のエピタキシャルウェハ100、200、または300に対するエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、または302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)の位置と同じである。例えば、第1のドライバ回路ウェハ400に対する複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの1番目102-1の位置は、第1のエピタキシャルウェハ100に対する複数の第1のエピタキシャルウェハスライスのうちの1番目102-1の位置と同じであり、第1のドライバ回路ウェハ400に対する複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの2番目202-2の位置は、第2のエピタキシャルウェハ200に対する複数の第2のエピタキシャルウェハスライスのうちの2番目202-2の位置と同じであり、などとなる。
【0032】
図7A図7B、および図7Cは、本開示の一実施形態による、それぞれ第1のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)のサブセット、第2のエピタキシャルウェハスライス202(202-1、202-2、...202-15)のサブセット、および第3のエピタキシャルウェハスライス302(302-1、302-2、...302-15)のサブセットと接合された第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハ400、500、および600の断面図を概略的に示す。図7A図7B、および図7Cに示すように、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)、202(202-1、202-2、...202-15)、および302(302-1、302-2、...302-15)は、予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)、232(232-1、232-2、...232-15)、332(332-1、332-2、...332-15)ならびに予備接合層430、530、および630を通じて第1、第2、および第3のドライバ回路ウェハ400、500、および600と接合される。
【0033】
具体的には、図7Aは、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)と接合された第1のドライバ回路ウェハ400の断面図を概略的に示す。図7Aに示すように、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)が第1のドライバ回路ウェハ400の上に交互に配置された後、パターニングされていない接合層450を形成するために、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)内の第1のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-4、132-7、132-10、132-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)内の第2のエピタキシャル予備接合層スライス232(232-2、232-5、232-8、232-11、232-14)、第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)内の第3のエピタキシャル予備接合層スライス332(332-3、332-6、332-9、332-12、332-15)、および第1のドライバ回路ウェハ400上の第1のドライバ回路予備接合層430を接合するための接合プロセスが実施される。
【0034】
いくつかの実施形態では、接合プロセスは、第1のドライバ回路ウェハ400の第1のドライバ回路予備接合層430に対して、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)を押圧することを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、接合プロセスは、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-4、132-7、132-10、132-13)、232(232-2、232-5、232-8、232-11、232-14)、および332(332-3、332-6、332-9、332-12、332-15)、ならびに第1のドライバ回路予備接合層430が互いに溶接されて接合層450を形成するように、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-4、132-7、132-10、132-13)、232(232-2、232-5、232-8、232-11、232-14)、および332(332-3、332-6、332-9、332-12、332-15)の少なくとも一部分、ならびに第1のドライバ回路予備接合層430の少なくとも一部分が溶融するような高温に加熱することをさらに含む。接合プロセスが実施される温度は、使用される接合材料に依存し、例えば、Au-Sn合金が接合材料として使用される場合、約230℃から350℃よりも高温までにわたり得る。第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-4、132-7、132-10、132-13)、232(232-2、232-5、232-8、232-11、232-14)、および332(332-3、332-6、332-9、332-12、332-15)、ならびに第1のドライバ回路予備接合層430を一緒に接合することができる限り、他の接合技術も適用され得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300をスライシングする前もしくは後、または第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)、202(202-1、202-2、...202-15)、および302(302-1、302-2、...302-15)が第1、第2、および第3のドライバ回路基板400、500、および600の上に転写された後に、第1、第2、および第3の成長基板110、210、および310または第1、第2、および第3の成長基板スライス112(112-1、112-2、...112-15)、212(212-1、212-2、...212-15)、および312(312-1、312-2、...312-15)は薄化され得る。薄化は、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-2、...102-15)、202(202-1、202-2、...202-15)、および302(302-1、302-2、...302-15)の厚さが同じになり、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-2、...122-15)、222(222-1、222-2、...222-15)、および322(322-1、322-2、...322-15)の厚さが同じになるように実行され得る。結果として、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)が接合プロセス中に第1のドライバ回路ウェハ400の第1のドライバ回路予備接合層430に対して押圧されると、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302は均一な押圧力を受けることができる。
【0037】
同様に、図7Bは、第1のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット102(102-3、102-6、102-9、102-12、102-15)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット202(202-1、202-4、202-7、202-10、202-13)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット302(302-2、302-5、302-8、302-11、302-14)と接合された第2のドライバ回路ウェハ500の断面図を概略的に示す。図7Bに示すように、パターニングされていない接合層550を形成するために、第1のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット102(102-3、102-6、102-9、102-12、102-15)内の第1のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-3、132-6、132-9、132-12、132-15)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット202(202-1、202-4、202-7、202-10、202-13)内の第2のエピタキシャル予備接合層スライス232(232-1、232-4、232-7、232-10、232-13)、第3のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット302(302-2、302-5、302-8、302-11、302-14)内の第3のエピタキシャル予備接合層スライス332(332-2、332-5、332-8、332-11、332-14)、および第2のドライバ回路ウェハ500上の第2のドライバ回路予備接合層530を接合するための接合プロセスが実施される。
【0038】
図7Cは、第1のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット102(102-2、102-5、102-8、102-11、102-14)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット202(202-3、202-6、202-9、202-12、202-15)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット302(302-1、301-4、302-7、302-10、302-13)と接合された第3のドライバ回路ウェハ400の断面図を概略的に示す。図7Cに示すように、パターニングされていない接合層650を形成するために、第1のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット102(102-2、102-5、102-8、102-11、102-14)内の第1のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-2、132-5、132-8、132-11、132-14)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット202(202-3、202-6、202-9、202-12、202-15)内の第2のエピタキシャル予備接合層スライス232(232-3、232-6、232-9、232-12、232-15)、第3のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット302(302-1、301-4、302-7、302-10、302-13)内の第3のエピタキシャル予備接合層スライス332(332-1、331-4、332-7、332-10、332-13)、および第3のドライバ回路ウェハ600上の第3のドライバ回路予備接合層630を接合するための接合プロセスが実施される。
【0039】
第2のドライバ回路ウェハ500および第3のドライバ回路ウェハ600に対して実行される接合プロセスは、第1のドライバ回路ウェハ400に対して実行されるものと同様であるため、これらのプロセスの詳細な説明は繰り返さない。
【0040】
図8A図8B、および図8Cは、本開示の一実施形態による、それぞれ第1、第2、および第3のスライシングウェハ700、800、および900の断面図を概略的に示す。本明細書において使用される場合、「スライシングウェハ」は、その上のエピタキシャル層のスライスを用いて形成されたウェハを指す。図8A図8B、および図8Cに示すように、成長基板スライス112(112-1、112-2、...112-15)、212(212-1、212-2、...212-15)、および312(312-1、312-2、...312-15)は、それぞれ第1のスライシングウェハ700、第2のスライシングウェハ800、および第3のスライシングウェハ900を形成するために、図7A図7B、および図7Cに示したウェハから除去されている。
【0041】
特に、図8Aに示すように、第1のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)内の第1の成長基板スライス112(112-1、111-4、111-7、112-10、112-13)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)内の第2の成長基板スライス212(212-2、212-5、212-8、212-11、212-14)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第1のサブセット302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)内の第3の成長基板スライス312(312-3、312-6、312-9、312-12、312-15)は、第1のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-4、122-7、122-10、122-13)、第2のエピタキシャル層スライス222(222-2、222-5、222-8、222-11、222-14)、および第3のエピタキシャル層スライス322(322-3、322-6、322-9、322-12、322-15)を露出させるために除去されている。第1の成長基板スライス112(112-1、112-4、112-7、112-10、112-13)、第2の成長基板スライス212(212-2、212-5、212-8、212-11、212-14)、および第3の成長基板スライス312(312-3、312-6、312-9、312-12、312-15)は、レーザリフトオフ、化学機械研磨(CMP)、またはウェットエッチングなどの任意の好適な物理的または化学的基板除去技術を使用して除去され得る。
【0042】
同様に、図8Bに示すように、第1のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット102(102-3、102-6、102-9、102-12、102-15)内の第1の成長基板スライス112(112-3、112-6、112-9、112-12、112-15)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット202(202-1、202-4、202-7、202-10、202-13)内の第2の成長基板スライス212(212-1、212-4、212-7、212-10、212-13)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第2のサブセット302(302-2、302-5、302-8、302-11、302-14)内の第3の成長基板スライス312(312-2、312-5、312-8、312-11、312-14)は除去される。
【0043】
図8Cに示すように、第1のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット102(102-2、102-5、102-8、102-11、102-14)内の第1の成長基板スライス112(112-2、112-5、112-8、112-11、112-14)、第2のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット202(202-3、202-6、202-9、202-12、202-15)内の第2の成長基板スライス212(212-3、212-6、212-9、212-12、212-15)、および第3のエピタキシャルウェハスライスの第3のサブセット302(302-1、301-4、302-7、302-10、302-13)内の第3の成長基板スライス312(312-1、312-4、312-7、312-10、312-13)は除去される。
【0044】
第2のドライバ回路ウェハ500および第3のドライバ回路ウェハ600に対して実行される成長基板スライスに対して使用され得る除去プロセスは、第1のドライバ回路ウェハ400に対して実行されるものと同様であるため、これらのプロセスの詳細な説明は繰り返さない。
【0045】
成長基板スライス112、212、および312が除去された後、残りのスライシングウェハ700、800、および900は、マイクロLEDチップを形成するプロセス中に形成される中間生成物である。第1、第2、および第3のスライシングウェハ700、800、および900の構造および処理は互いに同様である。それゆえに、以下の説明は第1のスライシングウェハ700に注目する。
【0046】
図9は、第1のスライシングウェハ700の上面図を概略的に示す。図8Aおよび図9に示すように、第1のスライシングウェハ700は、第1のドライバ回路基板410と、第1のドライバ回路基板410上に形成された第1のドライバ回路440とを有する第1のドライバ回路ウェハ400と、第1のドライバ回路ウェハ400の上に形成された接合層450と、パターニングされていない接合層450の上にそれぞれ交互に形成された第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-4、122-7、122-10、122-13)、222(222-2、222-5、222-8、222-11、222-14)、および322(322-3、322-6、322-9、322-12、322-15)とを含む。第1のスライシングウェハ700はエピタキシャル成長基板を含まないゆえに、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-4、122-7、122-10、122-13)、222(222-2、222-5、222-8、222-11、222-14)、および322(322-3、322-6、322-9、322-12、322-15)は環境に露出する。
【0047】
第1のスライシングウェハ700が形成された後、複数の第1、第2、および第3のエピタキシャル層セグメント、ならびに複数の接合層セグメントを形成するために、第1のスライシングウェハ700上に形成された複数の第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122、222、および322、ならびに接合層450に対してパターニングプロセスが実行される。パターニングプロセスは、フォトリソグラフィおよびエッチングプロセスを使用することによって実行され得る。パターニングプロセスの後、複数のマイクロLEDを含むスライシングマイクロLEDウェハを形成するために、第1、第2、および第3のエピタキシャル層セグメント上に、例えば、電極、インターコネクト、絶縁層、接点、および/またはパッシベーション層を形成するための半導体製造プロセスが実行され得る。本明細書において使用される場合、「スライシングマイクロLEDウェハ」は、複数のマイクロLEDを用いて形成されスライシングウェハから形成されるウェハを指す。
【0048】
図10は、本開示の一実施形態による、図8Aおよび図9に示した第1のスライシングウェハ700からなるスライシングマイクロLEDウェハ1000の上面図を概略的に示す。ウェハ700からなるスライシングマイクロLEDウェハ1000は例示である。スライシングマイクロLEDウェハは、同様にスライシングウェハ800および900からなることができる。
【0049】
スライシングマイクロLEDウェハ1000は、ドライバ回路基板410、ならびに複数のマイクロLED1011、1012、および1013を含む。図10には示していないが、スライシングマイクロLEDウェハ1000はまた、(図8Aに示した断面図に示す)接合層450を含む。接合層450は、マイクロLED1011、1012、または1013とドライバ回路基板410とを接合するために、エピタキシャルウェハスライス1001、1002、および1003の底部で、ドライバ回路基板410の上面上に形成される。
【0050】
複数のマイクロLED1011、1012、および1013は、ドライバ回路基板410上にアレイ状に横並びに配置された複数のエピタキシャル層スライス1001、1002、および1003からなる。エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の各々は、第1、第2、または第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、または302からなる。エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の各々の形状は長方形である。隣接するエピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の間のスペースは、例えば、300μmよりも大きい。
【0051】
いくつかの実装形態では、接合層450は、エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003のうちの対応するものの底部に各々形成された複数のエピタキシャル予備接合層スライスから形成され得る。各エピタキシャル予備接合層スライスの形状は、対応するエピタキシャル層スライス1001、1002、または1003の形状と同じである。複数のエピタキシャル予備接合層スライスはアレイ状に配置され得る。複数のエピタキシャル予備接合層スライスのアレイ形状は、複数のエピタキシャル層スライス1001、1002、および1003のアレイ形状と同じである。
【0052】
いくつかの実装形態では、例えば、図4Aおよび図5Aに示した実施形態では、接合層450は、エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003のうちの対応するものの底部に各々形成された複数のエピタキシャル予備接合層スライスと、ドライバ回路基板410の上面における第1のドライバ回路予備接合層430とから形成され得る。第1のドライバ回路予備接合層430は連続膜である。
【0053】
上記のように、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320の各々は、電圧が印加されると、特定の色を有する光を放出することができる。それゆえに、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122、222、および322からなる第1、第2、および第3のマイクロLED1011、1012、および1013の各々は、赤色LED、緑色LED、または青色LEDであり得る。
【0054】
エピタキシャルウェハスライス1001、1002、および1003の各々は、マイクロLED1011、1012、または1013のアレイを形成する。例えば、図10に示す実施形態では、エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の各々は、マイクロLED1011、1012、または1013の単一の列を形成する。特に、第1のエピタキシャル層スライス1001は第1のマイクロLED1011の単一の列を形成し、第2のエピタキシャル層スライス1002は第2のマイクロLED1012の単一の列を形成し、第3のエピタキシャル層スライス1003は第3のマイクロLED1013の単一の列を形成する。他の実施形態では、例えば、図11および図12に示す実施形態(以下でより詳細に説明する)では、エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の各々は、マイクロLED1011、1012、または1013の複数の列を形成する。
【0055】
第1、第2、および第3のマイクロLED1011、1012、および1013は、複数のマイクロLEDチップ1010を構成する。各マイクロLEDチップ1010は、行方向に配置された3個のマイクロLEDを含む。各マイクロLED1011、1012、または1013は、1つのマイクロLEDチップ1010のピクセルを構成する。例えば、第1のマイクロLED1011はマイクロLEDチップ1010の赤色ピクセルを構成し、第2のマイクロLED1012はマイクロLEDチップ1010の緑色ピクセルを構成し、第3のマイクロLED1013はマイクロLEDチップ1010の青色ピクセルを構成する。
【0056】
マイクロLEDチップ1010がスライシングマイクロLEDウェハ1000から形成された後、各個別のマイクロLEDチップ1010はスライシングマイクロLEDウェハ1000から切り離されてパッケージされ得る。図11Aは、本開示の一実施形態に従って、マイクロLEDチップ1010のうちの1つの上面図を概略的に示す。図11Bは、マイクロLEDチップ1010の断面図を概略的に示す。
【0057】
図11Aおよび図11Bに示すように、マイクロLEDチップ1010は第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、第3のマイクロLED1013、ならびに電力およびデータを受け取るための1つまたは複数の接点パッド1014を含む。第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、第3のマイクロLED1013は、第1のドライバ回路基板410上に横並びに配置される。隣接するLED間のスペースd1は、例えば、300μmよりも大きい。
【0058】
第1のマイクロLED1011は、少なくとも、第1の接合層セグメント1021と、第1の接合層セグメント1021の上に配設された第1のエピタキシャル層セグメント1031とを含む。第2のマイクロLED1012は、少なくとも、第2の接合層セグメント1022と、第2の接合層セグメント1022の上に配設された第2のエピタキシャル層セグメント1032とを含む。第3のマイクロLED1013は、少なくとも、第3の接合層セグメント1023と、第3の接合層セグメント1023の上に配設された第3のエピタキシャル層セグメント1033とを含む。
【0059】
マイクロLEDチップ1010はまた、絶縁層1040と、第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013を被覆する透明導電層1050とを含む。絶縁層1040は、第1のエピタキシャル層セグメント1031、第2のエピタキシャル層セグメント1032、および第3のエピタキシャル層セグメント1033の上面の一部分を露出させる開口部1042とともに形成される。透明導電層1050は、絶縁層1040を被覆し、絶縁層1040の開口部1042に形成されることにより、開口部1052を介して第1のエピタキシャル層セグメント1031、第2のエピタキシャル層セグメント1032、および第3のエピタキシャル層セグメント1033の露出した上面と接触する。
【0060】
マイクロLEDチップ1010は、第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013の各々の側に配置された光隔離壁1060をさらに含む。第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013によって放出される光を隔離するために、光隔離壁1060の高さは、第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013の各々以上であり得る。
【0061】
さらに、マイクロLEDチップ1010は、第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、第3のマイクロLED1013、絶縁層1040、透明導電層1050、および光隔離壁1060のすべてを被覆する透明絶縁層1070を含む。加えて、第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013の各々の上にマイクロレンズ1080が形成される。
【0062】
図10に示す実施形態では、エピタキシャル層スライス1001、1002、および1003の各々は、マイクロLED1011、1012、または1013の単一の列を形成する。いくつかの代替実施形態では、エピタキシャル層スライスの各々は、マイクロLEDの複数の列を形成してもよい。図12は、本開示のそのような一実施形態による、図8Aおよび図9に示した第1のスライシングウェハ700からなるスライシングマイクロLEDウェハ1200の上面図を概略的に示す。図13は、スライシングマイクロLEDウェハ1200からなる複数のマイクロLEDチップ1210のうちの1つの上面図を概略的に示す。ウェハ700からなるスライシングマイクロLEDウェハ1200は例示である。スライシングマイクロLEDウェハは、同様にスライシングウェハ800および900からなることができる。
【0063】
図12に示すように、スライシングマイクロLEDウェハ1200は、ドライバ回路基板410と、ドライバ回路基板410上に形成された複数の第1、第2、および第3のマイクロLEDアレイ1211、1212、および1213とを含む。複数のマイクロLEDアレイ1211、1212、および1213は、ドライバ回路基板410上にアレイ状に横並びに配置された複数のエピタキシャル層スライス1201、1202、および1203からなる。エピタキシャル層スライス1201、1202、および1203は、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302からなる。各マイクロLEDアレイ1211、1212、または1213は、マイクロLEDの2つ以上の行および2つ以上の列を含む。隣接するエピタキシャル層スライス1201、1202、および1203の間のスペースは、例えば、300μmよりも大きい。
【0064】
第1、第2、および第3のマイクロLEDアレイ1211、1212、および1213は、複数のマイクロLEDチップ1210を構成する。図12に示すように、マイクロLEDチップ1210は、複数の第1のマイクロLED1221を含む第1のマイクロLEDアレイ1211と、複数の第2のマイクロLED1222を含む第2のマイクロLEDアレイ1212と、複数の第3のマイクロLED1223を含む第3のマイクロLEDアレイ1213と、電力およびデータを受け取るための1つまたは複数の接点パッド1214とを含む。第1のマイクロLED1221、第2のマイクロLED1222、および第3のマイクロLED1223の構造は、それぞれ第1のマイクロLED1011、第2のマイクロLED1012、および第3のマイクロLED1013の構造と同様であるゆえに、その構造の詳細な説明は繰り返さない。
【0065】
各マイクロLEDアレイ1211、1212、または1213は、マイクロLEDチップ1210のピクセルを構成する。例えば、第1のマイクロLEDアレイ1211はマイクロLEDチップ1210の赤色ピクセルを構成し、第2のマイクロLEDアレイ1212はマイクロLEDチップ1210の緑色ピクセルを構成し、第3のマイクロLEDアレイ1213はマイクロLEDチップ1210の青色ピクセルを構成する。
【0066】
図13に示すように、隣接するマイクロLEDアレイ間のスペースd2は、例えば、300μmよりも大きい。隣接するLED間のスペースd3は、隣接するLEDアレイ間の距離d2よりも小さくてもよい。
【0067】
前述の実施形態では、接合層450は、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330、ならびに第1のドライバ回路予備接合層430から形成される。いくつかの代替実施形態では、接合層450は、予備接合層の単層から形成されてもよい。
【0068】
例えば、接合層450は、第1のドライバ回路予備接合層430の単層から形成されてもよい。すなわち、図2A図2Cに示したプロセスは、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハ100、200、および300がそれぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330を含まないように省略されてもよい。その結果、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302は、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132、232、および332を含まない。この場合、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302が第1のドライバ回路ウェハ400上に選択的に配置されると、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122、222、および322は第1のドライバ回路予備接合層430に直接接触する。その後、接合プロセスが実行される。接合プロセスの結果として、第1のドライバ回路予備接合層430の少なくとも一部分が高温で溶融して、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122、222、および322を第1のドライバ回路基板410と接合する。
【0069】
他の例として、接合層450は、エピタキシャル予備接合層の単層から形成されてもよい。すなわち、第1のドライバ回路ウェハ400は、第1のドライバ回路予備接合層430なしで形成されてもよい。この場合、第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102(102-1、102-4、102-7、102-10、102-13)、202(202-2、202-5、202-8、202-11、202-14)、および302(302-3、302-6、302-9、302-12、302-15)が第1のドライバ回路ウェハ400上に選択的に配置されると、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)、232(232-1、232-2、...232-15)、および332(332-1、332-2、...332-15)は第1のドライバ回路基板410に直接接触する。その後、接合プロセスが実行される。接合プロセスの結果として、第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層スライス132(132-1、132-2、...132-15)、232(232-1、232-2、...232-15)、および332(332-1、332-2、...332-15)の少なくとも一部分が高温で溶融して、第1、第2、および第3のエピタキシャル層スライス122(122-1、122-4、122-7、122-10、122-13)、222(222-2、222-5、222-8、222-11、222-14)、および322(322-3、322-6、322-9、322-12、322-15)を第1のドライバ回路基板410と接合する。
【0070】
接合層450が、横並びに配置された第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330の単層、または第1のドライバ回路予備接合層430の単層から形成される場合、接合層450は比較的薄く形成されてもよい。予備接合層の単層から形成される接合層450の厚さは、約0.1μm~2.0μmの範囲にあってもよい。例えば、接合層450の厚さは、0.2μm、0.3μm、0.4μm、または0.5μmであり得る。
【0071】
図14は、本開示の一実施形態による、ディスプレイシステム1400を概略的に示す。ディスプレイシステム1400は、ディスプレイパネル1410、光結合システム1420、およびディスプレイインタフェース1430を含む。
【0072】
ディスプレイパネル1410は、図13に示したマイクロLEDチップ1210を含む。マイクロLEDチップ1210内の第1、第2、および第3のマイクロLEDアレイ1211、1212、および1213の各々は、画像を表すそれぞれの色の光を放出する。すなわち、第1のマイクロLEDアレイ1211は第1の色の画像を表す第1の色の光を放出し、第2のマイクロLEDアレイ1212は第2の色の画像を表す第2の色の光を放出し、第3のマイクロLEDアレイ1213は第3の色の画像を表す第3の色の光を放出する。
【0073】
上記のように、第1、第2、および第3のマイクロLEDアレイ1211、1212、および1213は、それぞれエピタキシャル層スライス1201、1202、および1203からなり、エピタキシャル層スライス1201、1202、および1203は、それぞれ第1、第2、および第3のエピタキシャルウェハスライス102、202、および302からなる。以下に、エピタキシャル層スライス1201、1202、および1203は、第1の色のエピタキシャル層スライス1201、第2の色のエピタキシャル層スライス1202、および第3の色のエピタキシャル層スライス1203とも呼ばれる。
【0074】
異なる色の光が光結合システム1420を透過し、光結合システム1420は異なる色の光を結合し、結合光をディスプレイインタフェース1430に投射する。結果として、第1、第2、および第3の色の画像を結合した結合画像がディスプレイインタフェース1430に表示される。光結合システム1420は、光結合プリズムのグループであり得る。
【0075】
図15は、比較例による、マイクロLEDチップ1500の断面図を概略的に示す。図15の比較例に示すように、マイクロLEDチップ1500は、ドライバ回路基板1590上に横並びに配置された第1のマイクロLED1500-A、第2のマイクロLED1500-B、および第3のマイクロLED1500-Cを含む。第1の色のマイクロLED1500-Aは、図15において見た場合の下から上への順番で、第1の金属層1501の第1のセグメント1501-1および第1のエピタキシャル層1502の第1のセグメント1502-1を含む。第2のマイクロLED1500-Bは、図15において見た場合の下から上への順番で、第1の金属層1501の第2のセグメント1501-2、第1のエピタキシャル層1502の第2のセグメント1502-2、第2の金属層1503の第1のセグメント1503-1、および第2のエピタキシャル層1504の第1のセグメント1504-1、ならびに第1の金属層1501の第2のセグメント1501-2と第2の金属層1503の第1のセグメント1503-1とを接続する少なくとも1つの第1の電気コネクタ1507を含む。第3のマイクロLED1500-Cは、図15において見た場合の下から上への順番で、第1の金属層1501の第3のセグメント1501-3、第1のエピタキシャル層1502の第3のセグメント1502-3、第2の金属層1503の第2のセグメント1503-2、第2のエピタキシャル層1504の第2のセグメント1504-2、第3の金属層1505、および第3のエピタキシャル層1506、ならびに第1の金属層1501の第3のセグメント1501-3、第2の金属層1503の第2のセグメント1503-2、および第3の金属層1505を電気的に接続する少なくとも1つの第2の電気コネクタ1508を含む。
【0076】
図11Bに示したマイクロLEDチップ1010と同様に、マイクロLEDチップ1500はまた、第1のマイクロLED1500-A、第2のマイクロLED1500-B、および第3のマイクロLED1500-Cを被覆する絶縁層1510および透明導電層1520、第1のマイクロLED1500-Aと第2のマイクロLED1500-Bとの間および第2のマイクロLED1500-Bと第3のマイクロLED1500-Cとの間に配置された光隔離壁1550、透明絶縁層1530、ならびに第1のマイクロLED1500-A、第2のマイクロLED1500-B、および第3のマイクロLED1500-Cの各々の上に形成されたマイクロレンズ1560を含む。
【0077】
マイクロLEDチップ1500を製造するためには、まずドライバ回路基板1590が、第1の金属層1501を接合層として使用することにより、第1の成長基板および第1のエピタキシャル層1502を含む第1のエピタキシャルウェハと接合された後、第1の成長基板をエッチバックすることにより第1のエピタキシャル層1502を露出させる。次に、第1の金属層1501および第1のエピタキシャル層1502とともに形成された基板1590は、第2の金属層1503を接合層として使用することにより、第2の成長基板および第2のエピタキシャル層1504を含む第2のエピタキシャルウェハと接合された後、第2の成長基板をエッチバックすることにより第2のエピタキシャル層1504を露出させる。第1の金属層1501、第1のエピタキシャル層1502、第2の金属層1503、および第2のエピタキシャル層1504とともに形成された基板1590は、第3の成長基板および第3のエピタキシャル層1506を含む第3のエピタキシャルウェハと接合された後、第3の成長基板をエッチバックすることにより第3のエピタキシャル層1506を露出させる。その後、第1、第2、および第3のマイクロLED1500-A、1500-B、および1500-Cを形成するために、第1の金属層1501、第1のエピタキシャル層1502、第2の金属層1503、および第2のエピタキシャル層1504は選択的にエッチングされる。
【0078】
したがって、比較例のマイクロLEDチップ1500を製造するプロセスは、ドライバ回路基板1590とエピタキシャルウェハとを接合するいくつかのステップ、およびエピタキシャルウェハ内のエピタキシャル成長基板をエッチバックするいくつかのステップを伴う。このため、マイクロLEDチップ1500を製造するプロセスは比較的複雑であり、結果として得られるマイクロLEDチップ1500は比較的厚い。加えて、第1、第2、および第3のマイクロLED1500-A、1500-B、および1500-Cを形成するために、第1の金属層1501、第1のエピタキシャル層1502、第2の金属層1503、および第2のエピタキシャル層1504は選択的にエッチングされるときに、第1、第2、および第3のエピタキシャル層1502、1504、および1506の表面はエッチングによって損傷され得るため、マイクロLEDチップ1500の品質を低下させる可能性がある。
【0079】
図15に示した比較例とは異なり、本出願の前述の実施形態に従ったマイクロLEDチップ1010または1210を製造するプロセスでは、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320が第1、第2、および第3のエピタキシャル成長基板110、210、および310の上に成長させた後、第1、第2、および第3のエピタキシャル層120、220、および320はスライシングされ、第1のドライバ回路ウェハ400(または同様に第2のドライバウェハ500もしくは第3のドライバウェハ600)の上に選択的に転写されてこれと接合される。第1、第2、および第3のエピタキシャル予備接合層130、230、および330を第1のドライバ回路ウェハ400(または同様に第2のドライバウェハ500および第3のドライバウェハ600)と接合するために単一の接合プロセスが使用されるため、マイクロLEDチップ1010または1210を製造するためのプロセスは比較例のプロセスよりも複雑でなく、結果として得られるマイクロLEDチップ1010または1210は比較的薄い。
【0080】
本発明の他の実施形態は、ここに開示された本発明の明細書および実施を考慮することから当業者には明らかであろう。本明細書および例は単なる例示とみなされることが意図され、本発明の真の範囲および思想は添付の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】