IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロレアルの特許一覧

特表2024-506432皮膚引き締め化粧品組成物及び使用方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】皮膚引き締め化粧品組成物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20240206BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20240206BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20240206BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20240206BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20240206BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240206BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61K8/81
A61K8/25
A61K8/89
A61K8/891
A61K8/31
A61Q19/08
A61Q1/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023505987
(86)(22)【出願日】2021-07-22
(85)【翻訳文提出日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2021042700
(87)【国際公開番号】W WO2022026282
(87)【国際公開日】2022-02-03
(31)【優先権主張番号】2009373
(32)【優先日】2020-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】63/059,460
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファーラン, アレクサンドラ ジェーン エリサ
(72)【発明者】
【氏名】サイニー, プラブジョット ケー.
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB131
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB221
4C083AB222
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB362
4C083AB371
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB441
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC021
4C083AC022
4C083AC112
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC421
4C083AC912
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD041
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD091
4C083AD092
4C083AD111
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD261
4C083AD391
4C083BB11
4C083BB23
4C083CC02
4C083CC11
4C083DD30
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE11
(57)【要約】
皮膚の外観に即時かつ劇的な改善をもたらすために皮膚に適用される皮膚引き締め組成物。皮膚引き締め組成物は、典型的には、アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%以上の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;約0.5から約20重量%の無機増粘剤;約1から約15重量%のシリコーンエラストマー;及び約30から約85重量%の揮発性炭化水素油を含み、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。加えて、皮膚引き締め組成物では、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から10:1であり、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:2から8:1でありうる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%以上の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- 約0.5から約20重量%の無機増粘剤
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から10:1であり;
- 約1から約15重量%のシリコーンエラストマー;
- 約30から約85重量%の揮発性炭化水素油
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:2から8:1であり、全ての重量パーセントが皮膚引き締め組成物の全重量に基づく、皮膚引き締め組成物。
【請求項2】
無機増粘剤が、シリル化シリカ、ヒュームドシリカ、ゼオライト、天然粘土、合成粘土、カオリン、ヘクトライト、有機変性ヘクトライト、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(及び)ジステアルジモニウムヘクトライト(及び)プロピレンカーボネート、活性白土、ジステアルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-18ヘクトライト、ベンザルコニウムベントナイト、及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項3】
シリコーンエラストマーが、非乳化シリコーンエラストマー、乳化シリコーンエラストマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項4】
無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:1から7:1である、請求項1に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項5】
無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から8:1である、請求項1に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項6】
- 約0.1から約20重量%の不揮発性脂肪族化合物を更に含み、一又は複数種の不揮発性脂肪族化合物が、ポリオレフィン(ペトロラタム)、ワックス、スクアラン、スクアレン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリブテン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、ジメチコン、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項7】
- 約0.01から約20重量%の無機顔料を更に含み、無機顔料が、二酸化チタン、マイカ、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項8】
- 約0.1から約20重量%のソフトフォーカス粉末を更に含み、ソフトフォーカス粉末が、タルク、マイカ、セルロース、ナイロン-12、雲母チタン、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、被覆されていても被覆されていなくてもよいシリカ、ヒュームドシリカ、ポリアミド、メチルメタクリレートクロスポリマー、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、ナイロン-12蛍光増白剤塩(及び)ポリビニルアルコールクロスポリマー、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から5の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項9】
- 約0.1から10重量%の分散剤を更に含む、請求項1から5の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項10】
請求項1から5の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物を皮膚に適用することを含む、皮膚の外観を改善するための方法。
【請求項11】
皮膚の外観を改善する方法が、
- 皮膚の小じわの出現を減らすこと;
- 皮膚のしわの出現を減らすこと;
- 皮膚の色合いを改善し、及び/又は皮膚の色合いの均一性を改善すること;
- 皮膚の柔らかさ及び/又は滑らかさを改善すること;
- 目の下のたるみの出現を減らすこと;
- 目の周り及び/又は目の下のくまの出現を減らすこと;
- 毛穴及び/又は瘢痕の出現を減らすこと;及び/又は
- 皮膚の輝き、明るさ、及び/又は艶を増加させること
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- ポリアミド-8、水素化スチレン/イソプレンコポリマー、ナイロン-611/ジメチコンコポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、VP/エイコセンコポリマー、ヒュームドシリカ、疎水性変性シリカ、シリル化シリカ、粘土、及びそれらの組み合わせから選択される、約1から約35重量%の増粘剤
を含み、ここで、増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が、1:2から10:1であり;
- 約0.5から約20重量%のフィラー;
- 約20から約85重量%の揮発性炭化水素
を含み、全ての重量パーセントが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づく、皮膚引き締め組成物。
【請求項13】
フィラーが、シリル化シリカ、ナイロン-12、セルロース、メタクリレートクロスポリマー、シリコーン粉末、及びそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項14】
フィラーが疎水性シリカを含む、請求項13に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項15】
疎水性シリカがシリル化シリカである、請求項14に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項16】
揮発性炭化水素が、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、イソヘキシル、イソデシル、ネオペンタノエート、及びそれらの混合物から選択される、請求項12に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項17】
- 約1から約10重量%の非イオン性界面活性剤を更に含み、非イオン性界面活性剤が、ジメチコン(及び)peg/ppg-18/18ジメチコン、ラウリルpeg-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルpeg/ppg-10/1ジメチコン、peg-30ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-4ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、及びそれらの混合物から選択される、請求項12から16の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項18】
- 約1から約10重量%の分散剤を更に含み、分散剤が、オリオキシエチレングリコールエーテル、POE/PEGエーテル又はエステル、ポリオキシプロピレングリコールエーテル、PPGエーテル又はエステル、糖エーテル又はエステル、グリセロール又はポリグリセロールエーテル又はエステル、及びエトキシル化グリセリドエステル、ポリヒドロキシステアリン酸、及びそれらの混合物から選択される、請求項12から16の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項19】
- 約0.01から約20重量%の無機顔料を更に含み、無機顔料が、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、及びそれらの混合物から選択される、請求項12から16の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【請求項20】
増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:2から8:1である、請求項12から16の何れか一項に記載の皮膚引き締め組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
この出願は、出典明示によりその全体がここに援用される2020年7月31日出願の米国仮出願第63/059460号と2020年9月16日出願の仏国特許出願第2009373号の利益を主張する。
【0002】
[開示の分野]
本開示は、例えば、しわ、目の下のたるみ、毛穴、並びに皮膚の欠陥、例えば瘢痕、シミ(及び不均一な皮膚の色合い)、目のくま、及び荒れの出現を減らすことによって皮膚の外観に即時かつ劇的な改善をもたらすために皮膚に適用される皮膚引き締め組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚は加齢と共にコラーゲンやエラスチンの生成が減少する。例えば、20歳を過ぎると、人(ヒト)の皮膚では毎年コラーゲンの生成が約1%少なくなる。その結果、皮膚は薄くなり、ダメージを受けやすくなる。必然的に、しわ、目尻のしわ、年齢によるシミ、目の下のたるみなどが形成され始める。
【0004】
消費者はしばしば、このような年齢に関連した皮膚の欠陥の外観を、好ましくは即時の結果をもって、改善することを望んでいる。しわを隠したり減らしたりすることに特化した多くの消費者向け製品と方法が利用可能である。一部の製品及び方法は簡単で安価であり、例えば、メイクアップ、特にプライマー又はカラーファンデーションを適用して皮膚をカバーする(それにより、しわをカバーし及び/又は埋めて、より滑らかな外観をもたらす)。外科的フェイスリフト及びボトックス(登録商標)注射など、遥かに高価で過激な方法もまた、しわの出現を減らすために使用される。しかしながら、多くの消費者は、そのような過激な美容処置を受ける余裕がないか、又は受けることを望まない。皮膚に潤いを与えてよりしなやかにし、しわの出現を減らすように処方された数多くのローション及びクリームがある。これらの製品の一部には、時間の経過と共に皮膚の修復と若返りを助ける有効成分、例えばナイアシンアミドが含まれている。しかし、残念なことに、これらの製品と方法の全てに欠点がある。
【0005】
メイクアップ製品は目に見えることが多く、提供される質感の利点は最小限であり、皮膚に対して長期的な持続効果はない。メイクアップの除去後には、皮膚はメイクアップ適用前と同じ外観になる。一般的なスキンケア製品は、皮膚に慢性、急性、又はその両方の効果を与える場合がある。水分付与と視覚的効果は一般的な急性の利点であるが、これらの利点は時間の経過と共に直ぐに失われる。
【0006】
既存の製品及び方法の欠点を伴わないで皮膚の外観を改善する新規なカテゴリーの製品を開発する試みがなされてきた。そのような製品ファミリーの一つは、一般に「粘着収縮性被膜形成ポリマー」として分類できる。被膜形成ポリマーは、皮膚に適用されると、柔らかい粘着性の連続した被覆を残す化学組成物である。被膜形成ポリマーの選択された群はまた皮膚に粘着性で収縮性である。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、例えば、しわ、目の下のたるみ、毛穴、並びに皮膚の欠陥、例えば瘢痕、シミ(及び不均一な皮膚の色合い)、目のくま、及び荒れの出現を減らすことによって皮膚の外観に即時かつ劇的な改善をもたらすための皮膚引き締め組成物に関する。
【0008】
皮膚引き締め組成物は、驚くべきことに増強された耐皮脂性を有する独特の組成を有する。場合によっては、皮膚引き締め組成物は改善された長く持続する残留性をもたらした。例えば、皮膚引き締め組成物の幾つかの実施態様は、最大約5時間、最大約6時間、最大約7時間、又は最大約8時間、軟化、粘着性/べとつき、軟化、その引き締め特性の低下、クラッキング、剥がれ、及び/又は白色化を伴わないで使用者の皮膚に留まることができる。場合によっては、皮膚引き締め組成物は、増強された香り特性を有しうる。増強された香り特性に加えて、皮膚引き締め組成物は、使用者の皮膚上に被膜を形成した後、優れた透明度、ヘイズ、及び艶(光沢)特性を望ましくは示しうる。
【0009】
本開示の一態様に係る皮膚引き締め組成物は、典型的には、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%以上の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- 約0.5から約20重量%の無機増粘剤
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から10:1であり;
- 約1から約15重量%のシリコーンエラストマー;
- 約30から約85重量%の揮発性炭化水素油
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:2から8:1であり、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【0010】
適切な無機増粘剤の非限定的な例には、シリル化シリカ、ヒュームドシリカ、ゼオライト、天然粘土、合成粘土、カオリン、ヘクトライト、有機変性ヘクトライト、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(及び)ジステアルジモニウムヘクトライト(及び)プロピレンカーボネート、活性白土、ジステアルコニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-18ヘクトライト、ベンザルコニウムベントナイト、又はそれらの混合物が含まれる。
【0011】
皮膚引き締め組成物は、非乳化シリコーンエラストマー、乳化シリコーンエラストマー、及びそれらの混合物から選択されるシリコーンエラストマーを含みうる。好ましくは、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:2から8:1、1:1から5:1、又は1:1から4:1である。加えて、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から10:1又は1:1から7:1である。少なくとも一例では、皮膚引き締め組成物は無水である。
【0012】
追加的又は代替的に、皮膚引き締め組成物は、約0.1から約20重量%の不揮発性脂肪族化合物を含み、ここで、一又は複数種の不揮発性脂肪族化合物は、ポリオレフィン(ペトロラタム)、ワックス、スクアラン、スクアレン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリブテン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、ジメチコン、及びそれらの混合物から選択される。
【0013】
皮膚引き締め組成物は、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、イソヘキシル、イソデシル、ネオペンタノエート、及びそれらの混合物から選択される揮発性炭化水素を含みうる。追加的又は代替的に、皮膚引き締め組成物は、約1から約10重量%の非イオン性界面活性剤を含みうる。皮膚引き締め組成物は非イオン性界面活性剤を含みうる。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ジメチコン(及び)peg/ppg-18/18ジメチコン、ラウリルpeg-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルpeg/ppg-10/1ジメチコン、peg-30ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-4ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、及びそれらの混合物から選択される。
【0014】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、約1から約10重量%の分散剤を含みうる。分散剤は、オリオキシエチレングリコールエーテル、POE/PEGエーテル又はエステル、ポリオキシプロピレングリコールエーテル、PPGエーテル又はエステル、糖エーテル又はエステル、グリセロール又はポリグリセロールエーテル又はエステル、及びエトキシル化グリセリドエステル、ポリヒドロキシステアリン酸、並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0015】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、約0.01から約20重量%の無機顔料を有し、ここで、無機顔料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、マイカ、及びそれらの混合物から選択される。
【0016】
約0.1から約20重量%のソフト粉末が皮膚引き締め組成物に含められうる。適切なソフト粉末には、タルク、マイカ、雲母チタン、アルミナ、ケイ酸アルミニウム、被覆されていても又はされていなくてもよいシリカ、ヒュームドシリカ、ポリアミド、メチルメタクリレートクロスポリマー、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、ナイロン-12、セルロース、ナイロン-12蛍光増白剤塩(及び)ポリビニルアルコールクロスポリマー、及びそれらの混合物が含まれる。
【0017】
本開示の別の態様によれば、皮膚引き締め組成物は、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- ポリアミド-8、水素化スチレン/イソプレンコポリマー、ナイロン-611/ジメチコンコポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、VP/エイコセンコポリマー、ヒュームドシリカ、疎水性変性シリカ、シリル化シリカ、粘土、及びそれらの組み合わせから選択される、約1から約35重量%の増粘剤
を含み得、ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:2から10:1であり;
- 約0.5から約20重量%のフィラー;
- 約20から約85重量%の揮発性炭化水素油
を含み得、ここで、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【0018】
皮膚引き締め組成物は無水でありうる。場合によっては、皮膚引き締め組成物のフィラーは、シリル化シリカ、ヒュームドシリカ、シリカ、ナイロン-12、セルロース、メチルメタクリレートクロスポリマー、シリコーン粉末、及びそれらの混合物から選択されることになる。例えば、フィラーはシリル化シリカでありうる。
【0019】
皮膚引き締め組成物は、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、イソヘキシル、イソデシル、ネオペンタノエート、及びそれらの混合物から選択される揮発性炭化水素を含みうる。加えて又は代替的に、皮膚引き締め組成物は、約1から約10重量%の非イオン性界面活性剤を含みうる。好ましくは、非イオン性界面活性剤は、ジメチコン(及び)peg/ppg-18/18ジメチコン、ラウリルpeg-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルpeg/ppg-10/1ジメチコン、peg-30ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-4ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、及びそれらの混合物から選択される。
【0020】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、約1から約10重量%の分散剤を含みうる。分散剤は、オリオキシエチレングリコールエーテル、POE/PEGエーテル又はエステル、ポリオキシプロピレングリコールエーテル、PPGエーテル又はエステル、糖エーテル又はエステル、グリセロール又はポリグリセロールエーテル又はエステル、及びエトキシル化グリセリドエステル、ポリヒドロキシステアリン酸、並びにそれらの混合物から選択されうる。
【0021】
無機顔料が皮膚引き締め組成物に含められうる。無機顔料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、及びそれらの混合物から選択されうる。
【0022】
本開示のまた更なる態様に係る皮膚の外観を改善するための方法は、本開示の皮膚引き締め組成物を皮膚に適用することを含む。皮膚の外観を改善するための方法は、
- 皮膚の小じわの出現を減らすこと;
- 皮膚のしわの出現を減らすこと;
- 皮膚の色合いを改善し、及び/又は皮膚の色合いの均一性を改善すること;
- 皮膚の柔らかさ及び/又は滑らかさを改善すること;
- 目の下のたるみの出現を減らすこと;
- 目の周り及び/又は目の下のくまの出現を減らすこと;
- 毛穴及び/又は瘢痕の出現を減らすこと;及び/又は
- 皮膚の輝き、明るさ、及び/又は艶(光沢)を増加させること
を含みうる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、例えば、しわ、目の下のたるみ、毛穴、並びに皮膚の欠陥、例えば瘢痕、シミ(及び不均一な皮膚の色合い)、目のくま、及び荒れの出現を減らすことによって皮膚の外観に即時かつ劇的な改善をもたらすための皮膚引き締め組成物に関する。本発明者は、本開示の所定の皮膚引き締め組成物が、使用者の皮膚上に被膜を形成した後、優れた透明度、ヘイズ、及び艶特性をまた示したことを発見した。他の製品とは異なり、皮膚に形成された被膜は特に長く持続し、乾燥、白色化、クラッキング、又は剥がれが発生しにくい。代わりに、それらは柔軟性 (弾力性)、耐久性、及び快適さを維持する。更に、組成物(及び得られる被膜)は、下にある皮膚に潤いを与え、皮膚を保護する。
【0024】
皮膚引き締め組成物は、増強された耐皮脂性を有するように処方されうる。場合によっては、皮膚引き締め組成物は改善された長く持続する残留性をもたらした。例えば、皮膚引き締め組成物の幾つかの実施態様は、最大約5時間、最大約6時間、最大約7時間、又は最大約8時間、軟化、粘着性/べとつき、その引き締め特性の低下、クラッキング、剥がれ、及び/又は白色化を伴わないで使用者の皮膚に留まりうる。
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、驚くべき香り特性を有する独特の組成を有する。ある種の成分が化学臭及び/又は樹脂臭をもたらすことが予想されたが、本開示の所定の実施態様では自然な香り特性が得られたことは驚くべきことであった。例えば、本開示の所定の実施態様では、しばしば化学臭が付随する樹脂臭の低減がもたらされる。一例では、皮膚引き締め組成物は、増強された天然の香り及び/又は低減された化学臭を示す。
【0025】
本開示の一態様に係る皮膚引き締め組成物は、典型的には、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%以上の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- 約0.5から約20重量%の無機増粘剤
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:1から10:1であり;
- 約1から約15重量%のシリコーンエラストマー;
- 約30から約85重量%の揮発性炭化水素油
を含み、ここで、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比が1:2から8:1であり、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【0026】
無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比(被膜形成ポリマー:無機増粘剤)は、1:1から10:1である。しかしながら、比率は、1:1(例えば、1.1:1又は1.2:1)より大きく10:1までであり得、すなわち、疎水性被膜形成ポリマーの全量は無機増粘剤の全量よりも多い。場合によっては、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の比率(被膜形成ポリマー:無機増粘剤)は、1:1から8:1、1:1から7.5:1、1:1から7:1、1:1から6.5:1、1:1から6:1、1:1から5.5:1、1:1から5:1、1:1から4.5:1、1:1から4:1、1:1から3.5:1、1:1から3:1、1:1から2.5:1、1:1から2:1、又はその任意の範囲及び部分的範囲である。
【0027】
無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比(シリコーンエラストマー:無機増粘剤)は、1:2から8:1である。しかしながら、比率は、1:2(例えば、1.1:2又は1.2:2)より大きく8:1までであり得、すなわち、シリコーンエラストマーの全量は無機増粘剤の全量よりも多い。場合によっては、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の比率は、1:1から4:1、1:1から3.5:1、1:1から3:1、1.1:1から4:1、1.1から3.5:1、1.1:1から3:1、1.2:1から4:1、1.2:1から3.5:1、又は1.2:1から3:1、又はその任意の範囲及び部分的範囲である。
【0028】
本開示の別の態様によれば、皮膚引き締め組成物は、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- ポリアミド-8、水素化スチレン/イソプレンコポリマー、ナイロン-611/ジメチコンコポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、VP/エイコセンコポリマー、ヒュームドシリカ、疎水性変性シリカ、シリル化シリカ、粘土、及びそれらの組み合わせから選択される、約1から約35重量%の増粘剤
を含み得、ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比が1:2から10:1であり;
- 約0.5から約20重量%のフィラー;
- 約20から約85重量%の揮発性炭化水素油
を含み得、ここで、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【0029】
場合によっては、少なくとも一種の増粘剤に対する少なくとも一種の疎水性被膜形成ポリマーの重量比は、1:2から8:1である。好ましくは、少なくとも一種の増粘剤に対する少なくとも一種の疎水性被膜形成ポリマーの重量比は、1:2から8:1、1:1.5から8:1、1:1から8:1、1:2から7.5:1、1:2から7:1、1:2から6.5:1、1:2から6:1、1:2から5.5:1、1:2から5:1、1:2から4.5:1、1:2から4:1、1.2から3.5:1、1:2から3:1、1:2から2.5:1、1:2から2:1、又はその任意の範囲及び部分的範囲である。
【0030】
加えて、本組成物の独特で驚くべき態様は、水性組成物又は無水(若しくは本質的に無水の)組成物として処方されるその能力である。場合によっては、皮膚引き締め組成物は、無水又は本質的に無水(又は実質的に無水)である。「本質的に無水」又は「実質的に無水」という用語は、組成物が5重量%未満の水を含むことを意味する。それにもかかわらず、組成物は、約4重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満の水、約0.05重量%未満の水、又は0.01重量%未満の水しか含まない場合がある。
【0031】
皮膚引き締め組成物が水性組成物である場合、皮膚引き締め組成物中の水の全量は変わりうるが、典型的には皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて5から約40重量%である。水の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、5から約35重量%、5から約30重量%、5から約25重量%、5から約20重量%、約6から約40重量%、約6から約35重量%、約6から約30重量%、約6から約25重量%、約6から約20重量%、約8から約40重量%、約8から約35重量%、約8から約30重量%、約8から約25重量%、又は約8から約20重量%でありうる。
【0032】
皮膚引き締め組成物は、クリーム、ゲル、ローション、美容液、ペーストなどの形態でありうる。皮膚引き締め組成物が水を含む場合、それらはエマルジョン、例えば、油中水型エマルジョン又は水中油型エマルジョンの形態でありうる。場合によっては、油中水型エマルジョンが好ましい。
【0033】
皮膚引き締め組成物の粘度は変化しうる。それにもかかわらず、場合によっては、粘度は25℃において約0.1Pa・sから約10000Pa・sであり、剪断速度は25℃において1s-1である。粘度測定は、例えば、40mm/2度の標準スチールコーンプレートと共に、TA Instruments Rheometer、Model Discovery HR-3(TA Instruments,New Castle DE)を使用し、25℃における30秒間の0.1ラジアン/秒のコンディショニングステップの後、25℃において剪断速度を0.01s-1から1000s-1にランピングすることからなるフロー手順を用いて実施することができる。場合によっては、粘度は、約0.1Pa・sから約8000Pa・s、約0.1Pa・sから約5000Pa・s、約0.1Pa・sから約2000Pa・s、約1Pa・sから10000Pa・s、約1Pa・sから約8000Pa・s、約1Pa・sから約5000Pa・s、約1Pa・sから約2000Pa・s、約1Pa・sから約1000Pa・s、約25Pa・sから約10000Pa・s、約25Pa・sから約8000Pa・s、約25Pa・sから約5000Pa・s、約25Pa・sから約2000Pa.s、又は約25Pa・sから約1000Pa・sである。
【0034】
以下に列挙されるもののような適切な成分を、他の成分の特定の組み合わせ、皮膚引き締め組成物の形態、及び/又は処方物の使用法に応じて、皮膚引き締め組成物のための処方に含めてもよく又はそれから除外してもよい。
【0035】
[被膜形成ポリマー]
皮膚引き締め組成物は、少なくともアクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む一又は複数種の被膜形成ポリマーを、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて典型的には約5から約45重量%又はそれ以上の量で含む。例えば、被膜形成ポリマーは、皮膚引き締め組成物中に、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約5から約45重量%、約6から約45重量%、約8から約45重量%、約10から約45重量%、約12から約45重量%;約5から約45重量%;約5から約40重量%、約6から約40重量%、約8から約40重量%、約10から約40重量%、約12から約40重量%;約5から約35重量%、約6から約35重量%、約8から約35重量%、約10から約35重量%、約12から約35重量%;約5から約35重量%;約5から約30重量%、約6から約30重量%、約8から約30重量%、約10から約30重量%、約12から約30重量%;約5から約25重量%、約6から約25重量%、約8から約25重量%、約10から約25重量%、約12から約25重量%;約5から約20重量%、約6から約20重量%、約8から約20重量%、約10から約20重量%、約12から約20重量%;約5から約18重量%、約6から約18重量%、約8から約18重量%、約10から約18重量%、約12から約18重量%、約5から約16重量%、約6から約16重量%、約8から約16重量%、約10から約16重量%、約12から約16重量%、約5から約14重量%、約6から約14重量%、約8から約14重量%、約10から約14重量%、約12から約14重量%(その全ての範囲及び部分的範囲を含む)の量で存在しうる。
【0036】
場合によっては、被膜形成ポリマーの全量は、実質的にアクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーである。例えば、被膜形成ポリマーは、アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーから本質的になりうるか又はそれからなりうる。他の例では、皮膚引き締め組成物は、被膜形成ポリマーについて上に列挙した量の何れかでアクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含みうる。
【0037】
被膜形成ポリマーは、アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーに加えて、一又は複数種の被膜形成ポリマーを含みうる。「被膜形成ポリマー」という用語は、それ自体で、又は補助被膜形成剤の存在下で、支持体上、特にケラチン物質上に巨視的に連続した沈着物、好ましくは粘着性沈着物、更に好ましくは、その粘着性及び機械的特性が、例えば該沈着物が例えばテフロン被覆若しくはシリコーン被覆表面などの非粘着性表面上に注ぐことによって調製される場合に、該沈着物が分離可能であり、切り離されて操作可能でありうるような沈着物を形成することができるポリマーを意味する。
【0038】
「疎水性被膜形成ポリマー」という用語は、水に対する親和性がないか又は制限された被膜形成ポリマーを意味し、この点で、水性媒体中の溶質の形態の処方物には向かない。特に、「疎水性ポリマー」という用語は、25℃において1重量%未満の水への溶解度を有するポリマーを意味する。
【0039】
追加の被膜形成ポリマーは、あらゆる目的のためにその全体がここに援用されるPCT/EP2020/068143に記載の被膜形成ポリマーの何れかを含みうるか、又はそれらから選択されうる。
【0040】
PCT/EP2020/068143に記載されているように、追加の被膜形成ポリマーは、好ましくは無水媒体中に少なくとも一種の安定剤で表面安定化された少なくとも一種のポリマーの一又は複数の粒子を含む油分散液で存在しうる。例えば、水性分散液は、炭化水素系の液体脂肪物質を含みうる。分散液は、一般に球状であり、無水媒体中に少なくとも一種の表面安定化ポリマーを含む粒子から構成されうる。場合によっては、油性分散液は、該分散液に含まれるポリマーの全重量に対して、60重量%から98重量%、特に75重量%から96重量%の、以下に検討されるようなモノマーa)からc)を含む。分散液(A)のポリマー粒子i)は、好ましくは、5から500nmの範囲、特に10から400nmの範囲、より好ましくは20から300nmの範囲の数平均粒径を有する。最終粒径は、好ましくは100nmより大きい。特に、数平均粒径は、100nmから500nmの範囲であり、より特定的には150nmから400nmの範囲であり、更により特定的には160nmから300nmの範囲である。
【0041】
被膜形成ポリマー又はその粒子は、次の一又は複数種から選択されうる:
a)(C~C)アルキル(C~C18)(アルキル)アクリレートのエチレン系ホモポリマー、好ましくは(C~C18)アルキル(メタ)アクリレートエチレン系ホモポリマー;
b)(C~C)アルキル(C~C18)(アルキル)アクリレート、好ましくは(C~C18)アルキル(メタ)アクリレートと、(C~C18)(アルキル)アクリル酸とのエチレン系コポリマー、好ましくは(メタ)アクリル酸エチレン系コポリマー;及び
c)(C~C)アルキル(C~C18)(アルキル)アクリレートのエチレン系コポリマー、好ましくは(C~C18)アルキル(メタ)アクリレートエチレン系コポリマー。
【0042】
本発明の少なくとも一の好ましい実施態様では、被膜形成ポリマーは、以下の式(I)による構造を有する同一のモノマーの重合から得られるエチレン系アクリレートホモポリマーである。
{式(I)中、
- Rは、水素原子又はメチルなどの(C~C)アルキル基を表し、
- R’は、メチル又はエチルなどの(C~C18)アルキル基を表し、好ましくは、式(I)のモノマーは、メチルアクリレートなどのC~C18アルキルアクリレートである}。
【0043】
本発明の別の実施態様によれば、被膜形成ポリマーは、
- 先に記載された式(I)の少なくとも一つのモノマー、好ましくはメチルアクリレート及びエチルアクリレートなどのC~Cアルキルアクリレートと;
- 以下に提供される、式(II)のモノマー
の重合から得られるエチレン性アクリレートコポリマーb)でありうる。
{式(II)中、Rは先に記載の通りであり、特に式(II)のモノマーはアクリル酸である。アクリル酸の量は、粒子i)のモノマーの重量に対して0.1重量%から15重量%の範囲であり、粒子i)のポリマーは、特に、アクリル酸と、特にメチル(メタ)アクリレート及びエチル(メタ)アクリレートから選択される一つ又は複数のC~Cアルキル(メタ)アクリレートモノマーとの共重合から誘導されるコポリマーである}。
【0044】
本発明の別の好ましい実施態様によれば、粒子i)を構成するポリマーは、
- 先に記載した式(I)の少なくとも二種の異なるモノマー、好ましくはメチルアクリレート、エチルアクリレート、及びステアリルアクリレートなどのC~C18アルキルアクリレートと;
- 任意選択的に、先に記載した式(II)のモノマー
の重合から得られるエチレン系アクリレートコポリマーb)である。
【0045】
本発明の特定の実施態様によれば、粒子i)のポリマーは、C~C18アルキル(メタ)アクリレートモノマーから誘導されるポリマーである。モノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート及びtert-ブチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートから好ましくは選択され、より優先的にはメチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレートから選択される。
【0046】
有利には、C~Cアルキルアクリレートモノマーが使用される。優先的には、モノマーはメチルアクリレート及びエチルアクリレートから選択される。C~C18アルキルメタクリレートモノマーもまた特に使用される。優先的には、モノマーは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びステアリルメタクリレートから選択され、より特定的にはステアリルメタクリレートである。
【0047】
更に別の例では、被膜形成ポリマーは、被膜形成ポリマーの全重量に基づいて、2重量%から40重量%、特に4重量%から25重量%、とりわけ5重量%から20重量%の、上に開示したグループd)又はe)に含まれる(C~C22)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートモノマーを含む。
【0048】
別の例によれば、粒子i)は、b1)(C~C)アルキル(C~C18)(アルキル)アクリレートと、b2)一つ又は複数のカルボキシル、無水物、リン酸、スルホン酸及び/又はベンジルなどのアリール基を含むエチレン性モノマーとのb)エチレン系コポリマーを含む。エチレン性モノマーは、以下に記載される(1)、(2)、(3)、(4)及び(5)から選択される一つ又は複数のカルボキシル、無水物、リン酸、スルホン酸、及び/又はアリール基を含みうる:
(1)R(R)C=C(R)-Acid{式中、R、R及びRは水素原子又はCOH、HPO若しくはSOH基を表し、Acidはカルボキシル、リン酸又はスルホン酸、好ましくはカルボキシルを表し、R、R、及びRは同時に水素原子を表すことはできないと理解される};
(2)HC=C(R)-C(O)-N(R’)-Alk-Acid{式中、R及びR’は同一でも異なっていてもよく、水素原子又は(C~C)アルキル基を表し;Alkは、先に記載のAcid及びヒドロキシルから選択される少なくとも一つの基で置換されていてもよい(C~C)アルキレン基を表し;Acidは先に記載した通りであり、好ましくはカルボキシル又はスルホン酸である};
(3)Ar-(R)C=C(R)-R{式中、R、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は(C~C)アルキル基を表し、Arは、少なくとも一つの酸基COH、HPO、又はSOHで置換されていてもよく、好ましくはCOH又はSOH基で置換された、アリール基、好ましくはベンジルを表す};
(4)式(4a)及び(4b)の無水マレイン酸:
{式(4a)及び(4b)中、R、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は(C~C)アルキル基を表し;好ましくは、R、R、及びRは水素原子を表す。優先的には、本発明のエチレン性不飽和無水物モノマーは式(4b)のものであり、より優先的には無水マレイン酸である};及び
(5)HC=C(R)-C(O)-O-H{式中、Rは水素原子又はメチルなどの(C~C)アルキル基を表す}。
【0049】
好ましくは、b2)は(C~C)(アルキル)アクリル酸であり、例えば、b)は(C~C)アルキル(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸とのコポリマーでありうる。一例では、b2)は、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、アクリルアミドグリコール酸、及びそれらの塩から選択され;好ましくは、b2)はアクリル酸を表す。
【0050】
被膜形成ポリマー又はその粒子は、例えば(C~C22)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートのエチレン系ホモポリマー、特に(C~C18)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートのエチレン系ホモポリマー、好ましくは(C~C22)アルキル(メタ)アクリレートのエチレン系ホモポリマー、より優先的には(C~C18)アルキル(メタ)アクリレートのエチレン系ホモポリマーなどの安定剤を含む分散体でありうる。(C~C22)アルキル基又は(C~C18)アルキル基は直鎖状又は分岐状でありうる。少なくとも一例では、安定剤ii)は式HC=C(R)-C(O)-O-R”{式中、Rは水素原子又はメチルなどの(C~C)アルキル基を表し、R”は(C~C22)アルキル、好ましくは(C~C18)アルキル基を表す}のモノマーの重合から得られるd)エチレン系ホモポリマーから選択されるエチレン系ポリマーからなる。R”は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニルを表しうる。R”は、或いは、直鎖状(C~C22)アルキル、好ましくは直鎖状(C~C18)アルキル基を表しうる。本発明の別の特定の実施態様によれば、安定剤ii)は、e)(C~C22)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートと(C~C)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートのエチレン系コポリマー、特に(C~C18)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートと(C~C)アルキル(C~C)(アルキル)アクリレートのコポリマー、好ましくは(C~C18)アルキル(メタ)アクリレートと(C~C)アルキル(メタ)アクリレートのコポリマーから選択される。
【0051】
安定剤ii)は、式(III)及び(IV)のエチレン系コポリマーe)から選択されうる:
{式(III)及び(IV)中、
- Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又はメチルなどの(C~C)アルキル基を表し、
- R’は、同一でも異なっていてもよく、メチル又はエチルなどの(C~C)アルキル基を表し、
- R”は、(C~C22)アルキル、好ましくは(C10~C20)アルキル、特に(C2n)アルキル基を表し、nは5、6、7、8、9又は10に等しい整数である。好ましくは、R”はイソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニルを表す。}
【0052】
優先的には、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル及びベヘニル(メタ)アクリレート及びC~Cアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはメチル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーから誘導されるコポリマーから選択される。より優先的には、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル及びヘキサデシル(メタ)アクリレート及びC~Cアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはメチル(メタ)アクリレート又はエチル(メタ)アクリレートから選択されるモノマーから誘導されるコポリマーから選択される。特に、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレートホモポリマー、及びイソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレートとC~Cアルキル(メタ))アクリレートの統計的コポリマーで、好ましくは、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレート/C~Cアルキル(メタ)アクリレートの重量比が4.5より大きい状態で存在する統計的コポリマーから選択されうる。前記重量比は、5から15、好ましくは5.5から12の範囲でありうる。
【0053】
別の例によれば、安定剤ii)は、上に記載された式(IV)のモノマーと上に記載された式(III)の二種の異なるモノマーとの重合から誘導されるエチレン系コポリマーe)から選択される。一例では、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル及びベヘニル(メタ)アクリレートから選択される一種のモノマーと、二種の異なるC~Cアルキル(メタ)アクリレート、好ましくはメチルアクリレート及びエチルアクリレートとの重合から誘導されるコポリマーから選択される。特に、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレート/C~Cアルキル(メタ)アクリレートの重量比は4より大きい。有利には、前記重量比は5から15の範囲であり、より優先的には前記重量比は5.5から11の範囲である。少なくとも一つの他の例では、安定剤ii)は、先の請求項に記載した式(III)のモノマーと、先に記載した式(IV)の二種の異なるモノマーの重合から誘導されたエチレン系コポリマーe)から選択される。例えば、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル及びベヘニル(メタ)アクリレートから選択される二種の異なるモノマーと、一種のC~Cアルキル(メタ)アクリレートモノマー、好ましくはメチルアクリレート及びエチルアクリレートとの重合から誘導されるコポリマーから選択され得;特に、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレート/C~Cアルキル(メタ)アクリレートの重量比は4より大きい。前記重量比は、4.5から10又は5から8の範囲でありうる。
【0054】
一例では、安定剤ii)は、イソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル及びベヘニル(メタ)アクリレートから選択される二種の異なるモノマーと、一種のC~Cアルキル(メタ)アクリレートモノマー、好ましくはメチルアクリレート及びエチルアクリレートとの重合から誘導されるコポリマーから選択され;特に、分散体(A)中のイソデシル、ラウリル、ステアリル、ヘキサデシル又はベヘニル(メタ)アクリレート/C~Cアルキル(メタ)アクリレートの重量比は1未満である。特に、分散体(A)において、前記重量比は0.05から0.5の範囲であり得、より優先的には、前記重量比は0.08から0.2の範囲である。特定の例によれば、安定剤ii)は、分散体(A)中に存在するポリマーの重量に対して、2重量%から40重量%、特に3重量%から30重量%、好ましくは4重量%から25重量%の範囲の含有量で存在しうる。好ましくは、安定剤ii)及び粒子i)は、1000から1000000g/モルの間、特に5000から500000g/モルの間、更になお好ましくは10000から300000g/モルの間の数平均分子量(Mn)を有する。
【0055】
追加的又は代替的に、被膜形成ポリマーは、アクリル酸/イソブチルアクリレート/イソボルニルアクリレートコポリマー、トリメチルシロキシシリケート、アクリレート/イソボルニルアクリレートコポリマー、ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネンコポリマー、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマー、アクリレート/ポリメチルシロキシメタクリレートコポリマー、C30~45アルキルジメチルシリルポリプロピルシルセキキサン、トリメチルシルセスキキサン、ポリプロピルシルセスキキサン、アクリレート/ジメチコンコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、VA/マレイン酸ブチル/イソボルニルアクリレートコポリマー、アクリレート/t-ブチルアクリルアミドコポリマー、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、トリアコンタニルPVPコポリマー、アクリレート/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、及びそれらの組み合わせから選択されうる。場合によっては、少なくとも一種の被膜形成ポリマーは、アクリル酸/イソブチルアクリレート/イソボルニルアクリレートコポリマー、トリメチルシロキシシリケート、アクリレート/イソボルニルアクリレートコポリマー、ノルボルネン/トリス(トリメチルシロキシ)シリルノルボルネンコポリマー、アクリレート/ポリメチルシロキシメタクリレートコポリマー、及びそれらの組み合わせの一又は複数種を含む。
【0056】
被膜形成ポリマーは、疎水性被膜形成ポリマーでありうる。「疎水性被膜形成ポリマー」という用語は、水に対する親和性がないか又は制限された被膜形成ポリマーを意味し、この点で、水性媒体中の溶質の形態の処方物には向かない。特に、「疎水性ポリマー」という用語は、25℃において1重量%未満の水への溶解度を有するポリマーを意味する。
【0057】
被膜形成ポリマーは、次から選択することができ、任意選択的に疎水性である:
- 有機溶媒媒体に可溶性である被膜形成ポリマー、特に脂溶性ポリマー;これは、ポリマーが有機媒体に可溶性又は混和性であり、媒体中に取り込まれたときに単一の均一相を形成することを意味する;及び
- 有機溶媒媒体に分散性である被膜形成ポリマーで、これは、ポリマーが有機媒体中に不溶性相を形成し、この媒体中にひとたび取り込まれるとポリマーが安定性及び/又は適合性を維持することを意味する。特に、そのようなポリマーは、ポリマー粒子の非水性分散液、好ましくはシリコーン油又は炭化水素系油中の分散液の形態であり得;一実施態様では、非水性ポリマー分散液は、少なくとも一種の安定剤でその表面が安定化されたポリマー粒子を含み;これらの非水性分散液は、しばしばNADと呼ばれる。
【0058】
挙げることができる疎水性被膜形成ポリマーには、エチレン単位を有する化合物のホモポリマー及びコポリマー、アクリルポリマー及びコポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリシロキサンを含むモノマーでグラフト化された非シリコーン有機主鎖を有するポリマーなどのシリコーンポリマー、及びポリイソプレンが含まれる。
【0059】
場合によっては、有用な疎水性被膜形成ポリマーには、ポリマー粒子の非水性分散液の形態の脂質分散性被膜形成ポリマー、ブロックエチレン系コポリマー、少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマー、シリコーンアクリレートコポリマー、及びそれらの混合物、好ましくは、ポリマー粒子の非水性分散液(NAD)の形態の脂質分散性被膜形成ポリマーが含まれる。
【0060】
[NADとしても知られる、ポリマー粒子の非水性分散液の形態の脂質分散性被膜形成ポリマー]
使用されうる疎水性被膜形成ポリマーの非水性分散液には、液体油相中のグラフト化エチレン系ポリマー、好ましくはアクリルポリマーの粒子の分散液、例えば、液体脂肪相中に分散された表面安定化粒子の形態の分散液が含まれる。表面安定化ポリマー粒子の分散液は、その全体が出典明示によりここに援用される文献である国際公開第04/055081号に記載されているように製造することができる。
【0061】
[ブロックエチレン系コポリマー]
被膜形成ポリマーは、40℃以上のガラス転移温度(T)を有し、モノマーから調製されたホモポリマーが40℃以上のガラス転移温度を有するようなものである一又は複数の第一のモノマーから完全に又は部分的に誘導されている少なくとも第一のブロックと、20℃以下のガラス転移温度を有し、モノマーから調製されたホモポリマーが20℃以下のガラス転移温度を有するようばものである一又は複数の第二のモノマーから完全に又は部分的に誘導されている少なくとも第二のブロックを含み、前記第一のブロックと前記第二のブロックが、第一のブロックの前記第一の構成モノマーの少なくとも一つと第二のブロックの前記第二の構成モノマーの少なくとも一つとを含む統計的中間セグメントを介して一緒に連結された、ブロックエチレン系コポリマーであり得、前記ブロックコポリマーは、2より大きい多分散指数Iを有する。本発明での使用に適したこのタイプのポリマーは、その全体が出典明示によりここに援用される文献である欧州特許出願公開第1411069号に記載されている。非限定的な例には、Chimex社によって販売されている製品MEXOMER PAS(イソドデカン中50%に希釈されたアクリル酸/イソブチルアクリレート/イソボルニルアクリレートコポリマー)が含まれる。
【0062】
[少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位を含むビニルポリマー]
疎水性被膜形成ポリマーは、少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む少なくとも一種のビニルポリマーでありうる。ビニルポリマーは、典型的には、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するカルボシロキサンデンドリマー系単位を含む、主鎖と少なくとも一つの側鎖を有する。その全体が出典明示によりここに援用される出願である国際公開第03/045337号及び欧州特許出願公開第963751号に記載されているような少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー単位を含むビニルポリマーである。
【0063】
「カルボシロキサンデンドリマー構造」という用語は、高分子量の分岐基を有する分子構造であり、該構造は、主鎖への結合から始まって放射方向に高い規則性を有する。そのようなカルボシロキサンデンドリマー構造は、その全体が出典明示によりここに援用される、公開された日本特許出願である特開平9-171154号に、高度に分岐したシロキサン-シリルアルキレンコポリマーの形態で記載されている。
【0064】
少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位を有するビニルポリマーは、カルボシロキサンデンドリマー構造を含む分子側鎖を有し、
(A)0から99.9重量部のビニルモノマー;及び
(B)100から0.1重量部の、一般式:
{上式中、Yはラジカル重合性有機基を表し、Rはアリール基又は1から10の炭素原子を含むアルキル基を表し、Xは、i=1のとき、式:
(式中、Rは前記と同義であり、Rは2から10の炭素原子を含むアルキレン基を表し、Rは1から10の炭素原子を含むアルキル基を表し、Xi+1は水素原子、1から10の炭素原子を含むアルキル基、アリール基、又はi=i+1である上で定義されたシリルアルキル基を表し;iは前記シリルアルキル基の世代を表す1から10の整数であり、a’は0から3の整数である)によって表されるシリルアルキル基を表す}
によって表される、ラジカル重合性有機基を含むカルボシロキサンデンドリマー
の重合から誘導され得、
ここで、(A)成分に含まれる前記ラジカル重合性有機基は、
メタクリル基又はアクリル基を含み、式:
(上式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは1から10の炭素原子を含むアルキレン基を表す)によって表される有機基;及びスチリル基を含み、式:
(上式中、Rは水素原子又はアルキル基を表し、Rは1から10の炭素原子を含むアルキル基を表し、Rは1から10の炭素原子を含むアルキレン基を表し、bは0から4の整数であり、cは、cが0である場合、-(R-が結合を表すような、0又は1である)によって表される有機基
から選択される。
【0065】
ビニルポリマー中の成分(A)であるビニル系モノマーは、ラジカル重合性ビニル基を含むビニル系モノマーである。
【0066】
次はこのビニル系モノマーの例である:メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート又は類似の低級アルキルのメタクリレート;グリシジルメタクリレート;ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、n-ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート又は類似の高級メタクリレート;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル又は類似の低級脂肪酸のビニルエステル;カプロン酸ビニル、2-エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル又は類似の高級脂肪酸のエステル;スチレン、ビニルトルエン、ベンジルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ビニルピロリドン又は類似のビニル芳香族モノマー;メタクリルアミド、N-メチロールメタクリルアミド、N-メトキシメチル-メタクリルアミド、イソブトキシメトキシメタクリルアミド、N,N-ジメチルメタクリルアミド、又はアミド基を含むビニル系の同様のモノマー;ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアルコールメタクリレート、又はヒドロキシル基を含むビニル系の同様のモノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、又はカルボン酸基を含むビニル系の同様のモノマー;テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ブトキシエチルメタクリレート、エトキシジエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2-エチルヘキシルビニルエーテル、又はエーテル結合を有するビニル系の類似のモノマー;メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、その分子末端の一つにメタクリル基を含むポリジメチルシロキサン、その分子末端の一つにスチリル基を含むポリジメチルシロキサン、又は不飽和基を含む類似のシリコーン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;無水コハク酸;メタクリルグリシジルエーテル;メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸又はフマル酸のアルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミンの有機塩;スチレンスルホン酸基等のスルホン酸基を含むラジカル重合性不飽和モノマー;2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリド等のメタクリル酸から誘導された第四級アンモニウム塩;並びにジエチルアミンのメタクリル酸エステルなどの第三級アミン基を含むアルコールのメタクリル酸エステル。
【0067】
ある場合には、ビニル系の多官能性モノマーが任意選択的に含まれていてもよい。次はそのような化合物の例である:トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリチルトリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、二末端にジビニルベンゼン基を有するスチリル基でキャップされたポリジメチルシロキサン、又は不飽和基を有する類似のシリコーン化合物。
【0068】
化粧品のための出発物質混合物の調製を容易にするために、カルボシロキサンデンドリマーを有するビニルポリマーの数平均分子量は、3000g/モルから2000000g/モル、好ましくは5000g/モルから800000g/モルの範囲内から選択されうる。それは、液体、ガム、ペースト、固体、粉末、又は任意の他の形態でありうる。好ましい形態は、シリコーン油又は有機油などの溶媒中の分散液又は粉末の希釈物からなる溶液である。
【0069】
一実施態様によれば、本開示の意味でグラフト化されたビニルポリマーは、特にシリコーン油及び炭化水素系油、及びそれらの混合物から選択される、好ましくは揮発性である油又は油の混合物で運ばれうる。任意選択的に使用されうる非限定的なシリコーン油は、シクロペンタシロキサンである。同様に、使用されうる非限定的な炭化水素系油はイソドデカンである。
【0070】
少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位でグラフト化されたビニルポリマーには、Dow Corning社によってTIB4-100、TIB4-101、TIB4-120、TIB4-130、TIB4-200、FA4002ID(TIB4-202)、TIB4-220及びFA4001CM(TIB4-230)の名称で販売されているポリマーが含まれる。
【0071】
場合によっては、少なくとも一つのカルボシロキサンデンドリマー系単位でグラフト化されたビニルポリマーは、アクリレート/ポリトリメチルシロキシメタクリレートコポリマーであり、例えば、Dow Corning FA4002ID Silicone Acrylateの名称でイソドデカンで販売されている製品である。
【0072】
[シリコーンアクリレートコポリマー]
場合によっては、被膜形成ポリマーの一又は複数種は、カルボキシレート基及びポリジメチルシロキサン基を含む少なくとも一種のコポリマーを含む。「カルボキシレート基及びポリジメチルシロキサン基を含むコポリマー」という用語は、(a)一又は複数種のカルボキシル(酸又はエステル)モノマーと、(b)一又は複数種のポリジメチルシロキサン(PDMS)鎖から得られるコポリマーを意味する。「カルボキシルモノマー」という用語は、カルボン酸モノマー及びカルボン酸エステルモノマーの両方を意味する。
【0073】
モノマー(a)は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、それらのエステル及びこれらのモノマーの混合物から選択されうる。挙げることができるエステルには、次のモノマーが含まれる:アクリレート、メタクリレート、マレエート、フマレート、イタコネート及び/又はクロトネート。本発明の少なくとも一実施態様によれば、エステル形態のモノマーは、より特定的には、直鎖状又は分岐状、好ましくはC~C24、より好ましくはC~C22のアルキルアクリレート及びメタクリレートから選択され、アルキル基は、好ましくはメチル、エチル、ステアリル、ブチル及び2-エチルヘキシル基、及びそれらの混合物から選択される。従って、場合によっては、コポリマーは、アクリル酸及びメタクリル酸、並びにメチル、エチル、ステアリル、ブチル又は2-エチルヘキシルアクリレート又はメタクリレート、並びにそれらの混合物から選択される少なくとも一つの基をカルボキシレート基として含む。
【0074】
「ポリジメチルシロキサン」(オルガノポリシロキサンとしても知られ、PDMSと略記される)という用語は、適切に官能化されたシランの重合及び/又は重縮合によって得られる、可変分子量の直鎖状構造の任意の有機ケイ素ポリマー又はオリゴマーであって、そのケイ素原子が酸素原子を介して一緒に連結されている(シロキサン結合≡Si-O-Si≡)主要単位の繰り返しから本質的になり、炭素原子を介して前記ケイ素原子に直接連結されているトリメチル基を含むものを示す。コポリマーを得るために使用されうるPDMS鎖は、好ましくは鎖の末端の少なくとも一つに位置する、少なくとも一つの重合性ラジカル基を含み得、すなわち、PDMSは、例えば、重合性ラジカル基を鎖の二つの末端上に、又は一つの重合性ラジカル基を鎖の一つの末端上に且つ一つのトリメチルシリル末端基を鎖の他方の末端上に含みうる。重合性ラジカル基は、特にアクリル又はメタクリル基、特にCH=CR-CO-O-R基{式中、Rは、水素又はメチル基を表し、Rは、-CH-、-(CH(式中、n=3、5、8又は10である)、-CH-CH(CH)-CH-、-CH-CH-O-CH-CH-、-CH-CH-O-CH-CH-CH(CH)-CH-、-CH-CH.2-O-CH-、又は-CH-O-CH-CH-CH-を表す}でありうる。
【0075】
コポリマーは、一般に、通常の重合及びグラフト化法に従って、例えば、(A)(例えば、鎖の末端の一方又は両末端上に)少なくとも一つの重合性ラジカル基を含むPDMSと、(B)少なくとも一種のカルボキシルモノマーとのフリーラジカル重合によって得られる。得られたコポリマーは、約3000g/モルから200000g/モル、好ましくは約5000g/モルから100000g/モルの範囲の分子量を有しうる。コポリマーは、その天然の形態でも、或いは2から8個の炭素原子を含む低級アルコール、例えばイソプロピルアルコール、又は油、例えば揮発性シリコーン油(例えば、シクロペンタシロキサン)などの溶媒中に分散された形態であってもよい。
【0076】
挙げることができる追加のコポリマーには、アクリル酸とポリジメチルシロキサングラフトを含むステアリルアクリレートのコポリマー、ポリジメチルシロキサングラフトを含むステアリルメタクリレートのコポリマー、アクリル酸とポリジメチルシロキサングラフトを含むステアリルメタクリレートのコポリマー、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート及びポリジメチルシロキサングラフトを含むステアリルメタクリレートのコポリマーが含まれる。特に、信越社からKP-561(CTFA名:アクリレート/ジメチコン)の名称で販売されているコポリマー、コポリマーがイソプロピルアルコール中に60重量%で分散されているKP-541(CTFA名:アクリレート/ジメチコン及びイソプロピルアルコール)、及びコポリマーがシクロペンタシロキサンに30%で分散されているKP-545(CTFA名:アクリレート/ジメチコン及びシクロペンタシロキサン)をまた挙げることができる。信越社からKP-550の商品名で販売されている、イソドデカンに溶解したポリアクリル酸とジメチルポリシロキサンとのグラフトコポリマーをまた挙げることができる。
【0077】
[粘着性ポリマー]
皮膚引き締め組成物は、粘着性ポリマーである一又は複数種の被膜形成ポリマーを含みうる。様々な実施態様では、少なくとも一種の粘着性ポリマーは、非晶質、結晶質、又は半結晶質でありうる。場合によっては、様々な実施態様によれば、粘着性ポリマーは、約50℃超、約75℃超、又は約100℃超など、約25℃を超えるTを有しうる。更なる例では、粘着性ポリマーは、約0℃未満、約-25℃未満、又は約-50℃未満など、約25℃未満のTを有しうる。
【0078】
約25℃を超えるTを有する粘着性ポリマーの非限定的な例として、出典明示によりここに援用される国際公開第2015/091513号に記載されているものなど、参照を容易にするために、ここでは「油分散液」と呼ばれる、非水性分散液中で安定化されたC~Cアルキル(メタクリレート)ポリマーのポリマー粒子を挙げることができる。例として、C~Cアルキル(メタ)アクリレートモノマーは、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート及びtert-ブチル(メタ)アクリラートから選択されうる。例えば、ポリマーは、メチルアクリレート及び/又はエチルアクリレートポリマーでありうる。
【0079】
ポリマーは、また、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、スチレンスルホン酸、ビニル安息香酸、ビニルリン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸又はアクリルアミドグリコール酸、及びそれらの塩などの、少なくとも一つのカルボン酸、リン酸又はスルホン酸官能基を含むエチレン性不飽和酸モノマーから特に選択される、エチレン性不飽和酸モノマー又はその無水物を含みうる。例えば、エチレン性不飽和酸モノマーは、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸から選択されうる。
【0080】
[増粘剤]
皮膚引き締め組成物は、少なくとも一種の増粘剤を含む。本開示の少なくとも一態様によれば、増粘剤は無機増粘剤である。本開示の別の態様によれば、増粘剤は、ポリアミド-8、水素化スチレン/イソプレンコポリマー、ナイロン-611/ジメチコンクロスポリマー、ジメチコーン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコンクロスポリマー、及びそれらの混合物を含むか又はそれらから選択することができる。例えば、増粘剤は、ポリアミド-8、水素化スチレン/イソプレンコポリマー、及びそれらの混合物を含むか又はそれらから選択される。
【0081】
皮膚引き締め組成物中の増粘剤の量は、典型的には、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.5から約35重量%の範囲である。例えば、皮膚引き締め組成物は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約1から約35重量%、約2から約35重量%、約3から約35重量%、約4から約35重量%、約5から約35重量%、約6から約35重量%、約8から約35重量%、約10から約35重量%、約14から約35重量%、約18から約35重量%、約22から約35重量%;約1から約25重量%、約2から約25重量%、約3から約25重量%、約4から約25重量%、約6から約25重量%、約8から約25重量%、約10から約25重量%、約14から約25重量%、約18から約25重量%;約1から約20重量%、約2から約20重量%、約3から約20重量%、約4から約20重量%、約6から約20重量%、約8から約20重量%、約10から約20重量%、約14から約20重量%;約1から約15重量%、約2から約15重量%、約3から約15重量%、約4から約15重量%、約6から約15重量%、約8から約15重量%、約10から約15重量%の量で増粘剤を含み得、全ての範囲及び部分的範囲を含む。
【0082】
増粘剤の非限定的な例を以下に提供する。
【0083】
[無機増粘剤]
無機増粘剤は、皮膚引き締め組成物の粘度を増粘し又は変更する無機系化合物である。無機増粘剤の非限定的な例には、シリル化シリカ、ヒュームドシリカ、ゼオライト、天然粘土、合成粘土、カオリン、ヘクトライト、有機変性ヘクトライト(例えば、INCI:テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル(及び)ジステアルジモニウムヘクトライト(及び)炭酸プロピレン)、活性白土(例えば、ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-18ヘクトライト、及びベンザルコニウムベントナイト)、及びこれらの混合物が含まれる。
【0084】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、変性されていてもよいシリカ、変性されていてもよい粘土、及びそれらの混合物から選択される一又は複数種の無機増粘剤を含みうる。無機増粘剤は、変性されていてもよいシリカ、変性されていてもよい粘土、及びそれらの混合物から選択されうる。場合によっては、無機増粘剤は、親油性(有機親和性)粘土、特に変性ヘクトライト;疎水性処理ヒュームドシリカ;疎水性シリカエアロゲル、及びそれらの混合物(例えば、ジステアルジモニウムヘクトライト、シリル化シリカ、又はそれらの混合物)から選択される。
【0085】
無機増粘剤は、シリル化シリカ、ヒュームドシリカ、ゼオライト、天然粘土、合成粘土、カオリン、ヘクトライト、有機変性ヘクトライト(例えば、INCI:30ペンタエリスリチルテトライソステアレート(及び)ジステアルジモニウムヘクトライト(及び)炭酸プロピレン)、活性白土(例えば、ジステアルジモニウムヘクトライト、ステアラルコニウムヘクトライト、クオタニウム-18ベントナイト、クオタニウム-18ヘクトライト、及びベンザルコニウムベントナイト)から選択されうる。
【0086】
[変性されていてもよいシリカ]
変性されていてもよいシリカには、任意選択的に疎水性表面処理が施されたヒュームドシリカが含まれ、その粒径は1μm未満でありうる。具体的には、シリカの表面に存在するシラノール基の数を減少させる化学反応によって、シリカの表面を化学的に変性させることが可能である。特に、シラノール基を疎水性基で置き換えることができ、その場合、疎水性シリカが得られる。疎水性基は、次の基でありうる:
- 特にヒュームドシリカをヘキサメチルジシラザンの存在下で処理することによって得られるトリメチルシロキシル基。このように処理されたシリカは、CTFA(6版、1995)によれば「シリル化シリカ」として知られている。それらは、例えば、Degussa社からAerosil R812の参照名で、Cabot社からCab-O-Sil TS-53の参照名で販売されている。
- 特にヒュームドシリカをポリジメチルシロキサン又はジメチルジクロロシランの存在下で処理することによって得られるジメチルシリルオキシル又はポリジメチルシロキサン基。このように処理されたシリカは、CTFA(6版、1995)によれば「ジメチルシリル化シリカ」として知られている。それらは、例えば、Degussa社によりAerosil R972及びAerosil R974の参照名で、Cabot社によりCab-O-Sil TS-610及びCab-O-Sil TS-720の参照名で販売されている。
【0087】
特に、疎水性ヒュームドシリカは、ナノメートルからマイクロメートル、例えば約5から200nmの範囲の粒径を有しうる。
【0088】
変性されていてもよいシリカは、例えば、シリカエアロゲル粒子でありうる。シリカエアロゲルは、シリカゲルの液体成分を空気で置き換えることによって(乾燥することによって)得られる多孔質材料である。それらは、一般に、液体媒体中でゾルゲル法によって合成され、通常は超臨界流体による抽出によって乾燥され、最も一般的に使用されるものは超臨界COである。この種の乾燥は、細孔及び材料の収縮を回避することを可能にする。ゾル-ゲル法と様々な乾燥法は、Brinker C J.及びScherer G.W.,Sol-Gel Science:New York:Academic Press,1990に詳細に記載されている。
【0089】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、500から1500m/g、好ましくは600から1200m/g、より良好には600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(S)と、1から1500μm、より良好には1から1000μm、好ましくは1から100μm、特に1から30μm、より好ましくは5から25μm、更に良好には5から20μm、更により良好には5から15μmの範囲である体積平均径(D[0.5])として表される粒径を有しうる。場合によっては、疎水性シリカエアロゲル粒子は、1から30μm、好ましくは5から25μm、より良好には5から20μm、更により良好には5から15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表される粒径を有する。
【0090】
疎水性シリカエアロゲル粒子は、600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(S)と、5から20μm、更により良好には5から15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表される粒径を有しうる。疎水性シリカエアロゲル粒子は、5から60m/cm、好ましくは10から50m/cm、より好ましくは15から40m/cmの範囲の単位体積当たりの比表面積Sを有しうる。
【0091】
「疎水性シリカ」という用語は、OH基をシリル基Si-Rn、例えばトリメチルシリル基で官能化するように、シリル化剤、例えば、アルキルクロロシランなどのハロゲン化シラン、シロキサン、特にヘキサメチルジシロキサンなどのジメチルシロキサン、又はシラザンで、その表面が処理された任意のシリカを意味する。場合によっては、トリメチルシリル基で表面変性された疎水性シリカエアロゲル粒子を使用することが特に有用である。Cabot社によってAerogel TLD201、Aerogel OGD201、Aerogel TLD203、Enova Aerogel MT1100及びEnova Aerogel MT1200の参照名で販売されているエアロゲルを挙げることができる。特に有用なエアロゲルには、好ましくはシリルシリカ(INCI名:シリル化シリカ)の疎水性シリカエアロゲルが含まれる。
【0092】
[変性されていてもよい粘土]
粘土は、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カリウム及びリチウムカチオン、並びにそれらの混合物から選択されうるカチオンを含むケイ酸塩である。このような材料の例には、限定されないが、スメクタイト族、及びバーミキュライト、スチブンサイト、及びクロライト族の粘土が含まれる。これらの粘土は、天然由来又は合成由来でありうる。
【0093】
特に、スメクタイト、例えばサポナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ベントナイト又はバイデライト、特に(ラポナイトとしても知られる)合成ヘクトライト、例えばラポナイトXLS、ラポナイトXLG、ラポナイトRD、ラポナイトRDS及びラポナイトXL21の名称でRockwood Additives社によって販売されている製品(これらの製品はケイ酸ナトリウムマグネシウム、特にケイ酸ナトリウムリチウムマグネシウムである);ベントナイト、例えばRheoxによってBentone HCの名称で販売されている製品;特に水和されたケイ酸アルミニウムマグネシウム、例えばVanderbilt社によってVeegum Ultra、Veegum HS又はVeegum DGTの名称で販売されている製品、或いはまたケイ酸カルシウム、特にMicro-Cel Cの名称で同社によって販売されている合成形態のものを挙げることができる。
【0094】
場合によっては、有機親和性粘土が好ましく、より特定的には、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、及びセピオライト、並びにそれらの混合物などの変性粘土が好ましい。粘土は、変性されていてもよいベントナイト又は変性されていてもよいヘクトライトでありうる。粘土は、第四級アミン、第三級アミン、アミンアセテート、イミダゾリン、アミン石鹸、脂肪硫酸塩、アルキルアリールスルホネート及びアミン酸化物、並びにそれらの混合物から選択される化合物で変性されうる。
【0095】
第四級アミン、より特定的にはC10からC22脂肪酸アンモニウムハロゲン化物(例えば塩化物)で変性されたヘクトライト、例えばジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたヘクトライト(CTFA名:ジステアルジモニウムヘクトライト)、例えば、Elementis社によってBentone 38V、Bentone 38V CG又はBentone EW CEの名称で販売されている製品、又はBentone 27Vなどのステアラルコニウムヘクトライトを挙げることができる。場合によっては、粘土は好ましくはジステアルジモニウムヘクトライトである。
【0096】
クオタニウム-18ベントナイト、例えばElementis社によりBentone34、United Catalyst社によりTixogel VP、及びSouthern Clay社によりClaytone 40の名称で販売されているもの;ステアラルコニウムベントナイト、例えばUnited Catalyst社によりTixogel LG、及びSouthern Clay社によりClaytone AF及びClaytone APAの名称で販売されているもの;或いはクオタニウム-18/ベンザルコニウムベントナイト、例えばSouthern Clay社によりClaytone HTの名称で販売されているものをまた挙げることができる。場合によっては、粘土は有機親和性変性粘土、特に有機親和性変性ヘクトライト、特にジステアリルジメチルアンモニウムクロリドで変性されたもの(CTFA名:ジステアルジモニウムヘクトライト)から選択されることが好ましい。
【0097】
[非無機増粘剤]
非無機増粘剤は、存在する場合、親油性又は親水性であり得、すなわち、それらは油性相又は無水組成物を増粘させるのに適切でありうるか、又は水性相若しくは水性組成物を増粘させるのに適切でありうる。無水組成物については、親油性増粘剤又は無水(例えば、油性)組成物を増粘させる増粘剤が有用である。同様に、水性組成物については、親水性増粘剤が有用である。
【0098】
無水組成物を増粘させるのに有用な非無機増粘剤の非限定的な例には、C12~22アルキルアクリレート/ヒドロキシエチルアクリレートコポリマー(INTELIMER)、Crodaによって販売されているOLEOCRAFT LP-10-PA-(MV)のようなエチレンジアミン/ステアリル二量体ジリノレートコポリマー、Crodaによって販売されているOLEOCRAFT LP-20-PA-(MV)のようなポリアミド-8、Air Products & Chemicalsによって販売されているINTELIMER IPA 13-6又はINTELIMER IPA 13-1 NGポリマーのようなポリC10~C30アルキルアクリレート、Dow Corningによって販売されているDow Corning 2-8179 Gellantのようなナイロン-611/ジメチコンコポリマー、又はChiba Flour Millingによって販売されているRHEOPEARL KL2-ORなどのパルミチン酸デキストリンが含まれる。
【0099】
無水組成物を増粘するのに有用な非無機増粘剤の追加の非限定的な例には、KRATONの商品名で現在入手可能なもの、特に水素化スチレン/イソプレン線状ジブロックコポリマーを含む、スチレンとイソプレン、ブタジエン、エチレン/プロピレン又はエチレン/ブチレンとのブロックコポリマーなどの増粘ポリマーが含まれる。増粘ポリマーの関連カテゴリーは、商品名KRISTALEXのものなど、αメチルスチレン及びスチレンのポリマーを含む。更に別の増粘ポリマーは、N-HANCE AGの商品名で入手可能なアルキル置換ガラクトマンナンを含む。無水組成物を増粘するのに有用な非無機増粘剤には、商品名Antaron WP-660のトリアコンタニルポリビニルピロリドンなど、少なくとも25のメチレン単位を含むポリエチレンを有するビニルピロリドンなどの増粘ポリマーもまた含まれうる。
【0100】
水性組成物を増粘するために任意選択的に含められうる非無機増粘剤の非限定的な例には、キサンタンガム、グアーガム、ビオサッカリドガム、セルロース、アカシアセネカガム、スクレロチウムガム、アガロース、ペクチン、ゲランガム、ヒアルロン酸が含まれる。加えて、一又は複数種の非無機増粘剤は、例えば、ポリアクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム、アクリロイルジメチルタウリン酸アンモニウム/VPコポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリレートコポリマー、ポリアクリルアミド、カルボマー、及びアクリレート/C10~30アルキルアクリレートクロスポリマーなどの高分子増粘剤でありうる。
【0101】
様々な種類の非無機増粘剤の追加の非限定的な例には、以下のものが含まれる。
[カルボン酸ポリマー]
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、並びにこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステルから誘導された一又は複数種のモノマーを含む架橋化合物であり、架橋剤は二つ以上の炭素-炭素二重結合を含み、多価アルコールから誘導される。
【0102】
ここで有用な市販のカルボン酸ポリマーの例には、スクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーであるカルボマーが含まれる。カルボマーは、B.F.GoodrichからCarbopol.RTM.900シリーズとして入手可能である(例えば、Carbopol(登録商標)954)。加えて、他のカルボン酸ポリマー剤には、Ultrez(登録商標)10(B.F.Goodrich)、及びアクリル酸、メタクリル酸、又はそれらの短鎖(すなわち、C1~4アルコール)エステルの一つの一又は複数種のモノマーとのC10~30アルキルアクリレートのコポリマーが含まれ、ここで、架橋剤はスクロース又はペンタエリトリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られており、B.F.GoodrichからCarbopol.RTM.1342、Carbopol(登録商標)1382、Pemulen TR-1、及びPemulen TR-2として市販されている。換言すれば、ここで有用なカルボン酸ポリマー増粘剤の例は、カルボマー、アクリレート/C10~C30アルキルアクリレートクロスポリマー、及びそれらの混合物から選択されるものである。
【0103】
[架橋ポリアクリレートポリマー]
本開示の組成物は、カチオン性及び非イオン性ポリマーの両方を含む増粘剤又はゲル化剤として有用な架橋ポリアクリレートポリマーを任意選択的に含みうる。有用な架橋された非イオン性ポリアクリレートポリマー及び架橋されたカチオン性ポリアクリレートポリマーの例は、全てがその全体について出典明示によりここに援用される、米国特許第5100660号、米国特許第4849484号、米国特許第4835206号、米国特許第4628078号、米国特許第4599379号及び欧州特許出願公開第228868号に記載されているものである。
【0104】
[ポリアクリルアミドポリマー]
本開示の組成物は、ポリアクリルアミドポリマー、特に置換分岐又は非分岐ポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを任意選択的に含みうる。これらのポリアクリルアミドポリマーの中には、Seppic社からSepigel305の商品名で入手可能な、ポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス-7というCTFA名が与えられた非イオン性ポリマーがある。
【0105】
ここで有用な他のポリアクリルアミドポリマーには、アクリルアミド及び置換アクリルアミドとアクリル酸及び置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマーが含まれる。これらのマルチブロックコポリマーの市販の例には、Lipo Chemicals社のHypan SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが含まれる。
【0106】
組成物はまたUnited Giardian製のLubrajel(登録商標)と呼ばれる製品範囲によって例示されるタイプの増粘及びテクスチャリングゲルを含みうる。これらのゲルは、保湿、増粘、安定化特性を有する。
【0107】
[多糖類]
多種多様な多糖類がここで有用でありうる。「多糖類」とは、繰り返し糖(すなわち炭水化物)単位の主鎖を含むゲル化剤を指す。多糖類ゲル化剤の非限定的な例には、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネートカルボキシレート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶性セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが含まれる。ここでまた有用なものはアルキル置換セルロースである。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中で好ましいものは、セチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースのエーテルであるセチルヒドロキシエチルセルロースというCTFA名が与えられた物質である。この物質は、Aqualon社からNatrosol(登録商標)CS Plusの商品名で販売されている。
【0108】
他の有用な多糖類には、3単位ごとに(1-6)結合グルコースを有する(1-3)結合グルコース単位の直鎖を含むスクレログルカンが含まれ、その市販の例は、Michel Mercier Products社からCS11によって提供されるClearogel(商標)である。
【0109】
[ガム]
ここで有用な他の増粘及びゲル化剤には、主に天然源に由来する物質が含まれる。これらの増粘及び/又はゲル化剤の非限定的な例には、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、含水シリカ、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤガム、ケルプ、ローカストビーンガム、ナットウガム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントガム、キサンタンガム、及びそれらの混合物から選択されるものなどのガムが含まれる。
【0110】
水溶性天然ポリマーの非限定的な例には、アラビアガム、トラガカントガム、カラヤガム、グアーガム、ゲランガム、タラガム、ローカストビーンガム、タマリンドガム、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カラギーナン、ファーセレラン、寒天、高メトキシペクチン、低メトキシペクチン、キサンチン、キトサン、デンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦、米、サツマイモ、タピオカ由来のデンプン、α-デンプン、水溶性デンプン)、発酵多糖類(例えば、キサンタンガム、プルラン、カルシラン(carciran)、デキストラン)、ポリアンテス種(Polyantes sp.)に属する植物のカルス由来の酸性ヘテロ多糖類(例えば、塊茎状多糖類)、タンパク質(例えば、カゼインナトリウム、ゼラチン、アルブミン)、コンドロイチン硫酸、及びヒアルロン酸が含まれる。
【0111】
水溶性合成ポリマーの非限定的な例には、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸グリセリンエステル、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルスルホン、マレイン酸コポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリジアリルアミン、ポリエチレンイミン、水溶性セルロース誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム塩)、及びデンプン誘導体(例えば、酸化デンプン、ジアルデヒドデンプン、デキストリン、ブリティッシュガム、アセチルデンプン、リン酸デンプン、カルボキシメチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、ヒドロキシプロピルデンプン)が含まれる。
【0112】
[シリコーンエラストマー]
シリコーンエラストマーは、非乳化シリコーンエラストマー、乳化シリコーンエラストマー、又はそれらの混合物でありうる。非乳化シリコーンエラストマーには、限定されないが、ポリオキシアルキレン又はポリグリセロール化鎖などの親水性鎖を含まないオルガノポリシロキサンエラストマーが含まれる。他方、乳化シリコーンエラストマーには、限定されないが、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー及びポリグリセロール化シリコーンエラストマーが含まれる。
【0113】
皮膚引き締め組成物中のシリコーンエラストマーの全量は変わりうるが、典型的には、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて約1から約15重量%である。場合によっては、シリコーンエラストマーの全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約1から約15重量%、約1から約10重量%、約2から約40重量%、約2から約35重量%、約2から約30重量%、約2から約25重量%、約2から約20重量%、約2から約15重量%、又は約2から約10重量%でありうる。
【0114】
[非乳化シリコーンエラストマー]
「非乳化」シリコーンエラストマーという用語は、ポリオキシアルキレン又はポリグリセロール化鎖などの親水性鎖を含まないオルガノポリシロキサンエラストマーを定義する。
【0115】
非乳化シリコーンエラストマーには、特に白金触媒の存在下での、ケイ素に結合した少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含むジオルガノポリシロキサンとの架橋付加反応によって;又は、特に有機スズの存在下での、ヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素化架橋縮合反応によって;又は、ヒドロキシル末端基を含むジオルガノポリシロキサンと、加水分解性オルガノポリシランとの架橋縮合反応によって;又は特にオルガノペルオキシド触媒の存在下での、オルガノポリシロキサンの熱架橋によって;又は、ガンマ線、紫外線又は電子線などの高エネルギー線によるオルガノポリシロキサンの架橋によって、得ることができるエラストマー架橋オルガノポリシロキサンが含まれる。
【0116】
非乳化シリコーンエラストマーの非限定的な例は、ジメチコンクロスポリマーである。場合によっては、非乳化シリコーンエラストマーは、架橋シリコーン、例えば、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコン)クロスポリマー、アルキル(C30~45)セテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマー、及びそれらの混合物である。場合によっては、ジメチコンクロスポリマーが特に好ましい。
【0117】
場合によっては、エラストマー架橋オルガノポリシロキサンは、例えば、その全体が出典明示によりここに援用される特許出願EP295886に記載されているように、特に白金触媒の存在下(C2)での、それぞれケイ素に結合した少なくとも二つの水素を含むジオルガノポリシロキサン(A2)と、ケイ素に結合した少なくとも二つのエチレン性不飽和基を含むジオルガノポリシロキサン(B2)との架橋付加反応によって得られる。
【0118】
場合によっては、オルガノポリシロキサンは、白金触媒の存在下での、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応によって得ることができる。
【0119】
化合物(A2)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のための基礎反応物であり、架橋は、触媒(C2)の存在下での化合物(A2)の化合物(B2)との付加反応によって実施される。化合物(A2)は、少なくとも二つの低級(例えばC~C)アルケニル基を含むジオルガノポリシロキサンであり得;低級アルケニル基は、ビニル、アリル及びプロペニル基から選択されうる。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子上のどの位置に位置していてもよいが、オルガノポリシロキサン分子の末端に位置していることが好ましい。オルガノポリシロキサン(A2)は、分岐鎖、直鎖、環状、網状構造の何れであってもよいが、直鎖構造が好ましい。化合物(A2)は、液体状態からガム状態までの範囲の粘度を有しうる。好ましくは、化合物(A2)は、25℃において少なくとも100センチストークの粘度を有する。
【0120】
オルガノポリシロキサン(A2)は、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチル-シロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルポリシロキサン、ジメチルビニル-シロキシ末端基を含むジメチル-シロキサン-メチルフェニルシロキサンのコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンのコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチル-シロキサン-メチルビニルシロキサンのコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル-フェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンのコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むメチル(3,3,3-トリフルオロ-プロピル)ポリシロキサン、及びジメチルビニルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル-(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンのコポリマーから選択されうる。
【0121】
化合物(B2)は、特に、各分子中にケイ素に結合した少なくとも2つの水素を含むオルガノポリシロキサンであり、従って化合物(A2)の架橋剤である。
【0122】
場合によっては、化合物(A2)の1分子当たりのエチレン基の数と、化合物(B2)の1分子当たりのケイ素に結合した水素原子の数との合計は、少なくとも4である。
【0123】
化合物(B2)は、任意の分子構造、特に直鎖又は分岐鎖構造、又は環状構造でありうる。化合物(B2)は、特に化合物(A)との良好な混和性を有するように、25℃において1から50000センチストークの範囲の粘度を有しうる。化合物(B2)は、化合物(B2)中のケイ素に結合した水素原子の全量と化合物(A2)中の全エチレン性不飽和基の全量との間の分子比が1/1から20/1の範囲内にあるような量で添加されることが有利である。
【0124】
化合物(B2)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンのコポリマー、及びジメチル-シロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環状コポリマーから選択されうる。
【0125】
化合物(C2)は架橋反応触媒であり、特にクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒色、又は担体担持白金である。
【0126】
触媒(C2)は、化合物(A2)及び(B2)の全量1000重量部当たり、清浄な白金金属として、好ましくは0.1から1000重量部、より好ましくは1から100重量部で添加される。
【0127】
他の有機基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル又はオクチルなどのアルキル基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基;フェニル、トリル又はキシリルなどのアリール基;フェニルエチルなどの置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基などの置換一価炭化水素系基が、上記のようなオルガノポリシロキサン(A2)及び(B2)中のケイ素に結合されてもよい。
【0128】
本発明に係る非乳化シリコーンエラストマーは、ゲルを形成するように少なくとも一種の炭化水素系油及び/又は一種のシリコーン油と混合することができる。これらのゲルにおいて、非乳化エラストマーはしばしば非球状粒子の形態である。
【0129】
使用されうる非乳化エラストマーには、DOWからDOWSIL EL-8048の名称で販売されているもの(INCI:イソドデカン(及び)ジメチコンクロスポリマー)、信越社製のKSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-41、KSG-42、KSG-43、KSG-44、USG-105及びUSG-106、Dow Corning社製のDC9040、DC9041、DC9509、DC9505、DC9506、DC5930、DC9350、DC9045及びDC9043、及びGrant Industries社製のGransil、及びGeneral Electric社製のSFE839が含まれる。
【0130】
皮膚引き締め組成物中の非乳化シリコーンエラストマーの全量は、存在する場合、変わりうるが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1から約20重量%である。場合によっては、皮膚引き締め組成物中の非乳化シリコーンエラストマーの全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約1から約20重量%、約1から約15重量%、約1から約10重量%、又は約1から約5重量%である。
【0131】
[乳化シリコーンエラストマー]
「乳化シリコーンエラストマー」という用語は、少なくとも一つの親水性鎖を含むシリコーンエラストマーを意味することを意図している。例えば、乳化シリコーンエラストマーは、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー、ポリグリセロール化シリコーンエラストマー、及びそれらの混合物から選択されうる。
【0132】
[ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマー]
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ケイ素に結合した少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレンとの架橋付加反応によって得ることができる架橋オルガノポリシロキサンでありうる。特に、ポリオキシアルキレン化架橋オルガノポリシロキサンは、例えば、その全体が出典明示によりここに援用される米国特許第5236986号及び米国特許第5412004号に記載されているように、特に白金触媒の存在下(C1)での、それぞれがケイ素に結合した少なくとも二つの水素を含むジオルガノポリシロキサン(A1)と、少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有するポリオキシアルキレン(B1)の架橋付加反応によって得ることができる。
【0133】
オルガノポリシロキサンは、白金触媒の存在下での、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むポリオキシアルキレン(特にポリオキシエチレン及び/又はポリオキシプロピレン)とトリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサンとの反応によって得ることができる。
【0134】
化合物(A1)のケイ素原子に結合した有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリルなどの1から18個の炭素原子を含むアルキル基;2-フェニル-エチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基;フェニル、トリル又はキシリルなどのアリール基;フェニルエチルなどの置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基などの置換一価炭化水素系基でありうる。
【0135】
化合物(A1)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンのコポリマー、環状ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサンコポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチルシロキサンのコポリマーから選択されうる。
【0136】
化合物(C1)は架橋反応触媒であり、特にクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒色、又は担体担持白金である。
【0137】
場合によっては、ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、ポリシロキサンのSi-H結合と反応するジビニル化合物、特に少なくとも二つのビニル基を有するポリオキシアルキレンから形成されうる。
【0138】
ポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーは、しばしば、ゲルを形成するように、少なくとも一種の炭化水素系油及び/又は一種のシリコーン油と混合される。これらのゲルにおいて、ポリオキシアルキレン化エラストマーは、非球状粒子の形態でありうる。ポリオキシアルキレン化エラストマーは、特に、その全体が出典明示によりここに援用される米国特許第5236986号、米国特許第5412004号、米国特許第5837793号及び米国特許第5811487号に記載されている。更に、有用なポリオキシアルキレン化シリコーンエラストマーには、限定されないが、信越社からKSG-21、KSG-20、KSG-30、KSG-31、KSG-32、KSG-33、KSG-210、KSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340及びX-226146の名称で販売されているもの、Dow Corning社製のDC9010及びDC9011が含まれる。
【0139】
[ポリグリセロール化シリコーンエラストマー]
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、典型的には、ケイ素に結合した少なくとも一つの水素を含むジオルガノポリシロキサンとエチレン性不飽和基を有するポリグリセロール化化合物の、しばしば白金触媒の存在下で実施される架橋付加反応によって得ることができる架橋エラストマーオルガノポリシロキサンである。例えば、場合によっては、架橋エラストマーオルガノポリシロキサンは、(A)それぞれケイ素に結合した少なくとも二つの水素を含むジオルガノポリシロキサンと、(B)少なくとも二つのエチレン性不飽和基を有するグリセロール化化合物との、(C)白金触媒の存在下での架橋付加反応によって得られる。場合によっては、オルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端基を含むポリグリセロール化化合物と、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサンとの、白金触媒の存在下での反応によって得ることができる。
【0140】
化合物(A)は、エラストマーオルガノポリシロキサンの形成のための基本反応物であり、架橋は、触媒(C)の存在下での化合物(A)の化合物(B)との付加反応によって実施される。化合物(A)は、例えば、各分子中において異なるケイ素原子に結合した少なくとも2個の水素原子を含むオルガノポリシロキサンでありうる。化合物(A)は、任意の分子構造、特に直鎖又は分岐鎖構造又は環状構造を有しうる。更に、化合物(A)は、特に化合物(B)との良好な混和性を有するように、25℃において1から50000センチストークの範囲の粘度を有しうる。
【0141】
化合物(A)のケイ素原子に結合した有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、デシル、ドデシル(又はラウリル)、ミリスチル、セチル又はステアリルなどの1から18個の炭素原子を含むアルキル基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピルなどの置換アルキル基;フェニル、トリル又はキシリルなどのアリール基;フェニルエチルなどの置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基などの置換一価炭化水素系基でありうる。場合によっては、前記有機基がメチル、フェニル及びラウリル基から選択されることが好ましい。
【0142】
従って、化合物(A)は、トリメチルシロキシ末端基を含むメチルヒドロゲノポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル-ヒドロゲノシロキサンのコポリマー、ジメチルシロキサン-メチルヒドロゲノシロキサン環状コポリマー、及びトリメチルシロキシ末端基を含むジメチルシロキサン-メチル-ヒドロゲノシロキサン-ラウリルメチルシロキサンのコポリマーから選択されうる。
【0143】
化合物(B)は、以下の式(B’)に対応するポリグリセロール化化合物でありうる:
(上式中、mは2から6の範囲の整数であり、nは2から200の範囲の整数であり、好ましくは2から100の範囲、好ましくは2から50の範囲であり、好ましくはnは2から20の範囲、好ましくは2から10の範囲、優先的には2から5の範囲であり、特に3に等しく;Glyは次のものを示す:
【0144】
多くの場合、化合物(B)の1分子当たりのエチレン基の数と、化合物(A)の1分子当たりのケイ素原子に結合した水素原子の数の合計は、少なくとも4である。
【0145】
化合物(A)は、化合物(A)中のケイ素原子に結合した水素原子の全量と化合物(B)中の全エチレン性不飽和基の全量との間の分子比が1/1から20/1の範囲内であるような量で添加されることが有利でありうる。
【0146】
化合物(C)は架橋反応触媒であり、特にクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒色、又は担体担持白金である。触媒(C)は、化合物(A)及び(B)の全量の1000重量部当たり、清浄な白金金属として、好ましくは0.1から1000重量部、より好ましくは1から100重量部で添加される。
【0147】
ポリグリセロール化シリコーンエラストマーは、多くの場合、ゲルを形成するように、少なくとも一種の炭化水素系油及び/又は一種のシリコーン油と混合される。これらのゲルにおいて、ポリグリセロール化エラストマーはしばしば非球状粒子の形態である。そのようなエラストマーは、特にその全体が出典明示によりここに援用される特許出願である国際公開第2004/024798号に記載されている。ポリグリセロール化シリコーンエラストマーとしては、KSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830及びKSG-840の名称で信越社から販売されているものを挙げることができる。
【0148】
皮膚引き締め組成物中の乳化シリコーンエラストマーの全量は、存在する場合、変わりうるが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1から約20重量%である。場合によっては、皮膚引き締め組成物中の乳化シリコーンエラストマーの全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約1から約20重量%、約1から約15重量%、約1から約10重量%、又は約1から約5重量%である。
【0149】
[揮発性炭化水素油]
「揮発性炭化水素」という用語は、周囲温度(25℃)、常圧(1気圧)において揮発性である炭化水素であり、例えば、イソドデカン、イソヘキサデカンを含みうる。揮発性炭化水素は、油の形態でありうる。「油」という用語は、周囲温度(25℃)及び常圧(1気圧)において液体であり、25℃において水中に少なくとも1重量%の割合で導入された場合に、水に溶解しないか、又は水中に導入された油の重量に対して10重量%未満のレベルまで溶解できる化合物を意味すると理解される。「炭化水素油」という用語は、水素及び炭素原子を含み、ケイ素原子を含まない油である。
【0150】
適切な揮発性炭化水素には、限定されないが、8から16個の炭素原子を有するもの及びそれらの混合物、特に分岐CからC16アルカン、例えばCからC16イソアルカン(イソパラフィンとしても知られる)、イソドデカン、イソデカン、イソヘキサデカン、及び例えば、ISOPAR又はPERMETHYLの商品名で販売されている油、ネオペンタン酸イソヘキシル又はイソデシルなどのCからC16分岐エステル及びそれらの混合物が含まれる。好ましくは、揮発性炭化水素油は、60℃未満の引火点を有する。
【0151】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、イソヘキシル、イソデシル、ネオペンタノエート、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも一種の揮発性炭化水素を含む。少なくとも一例では、イソドデカン及び/又はイソパラフィン(例えば、C8~9イソパラフィン)が好ましい。皮膚引き締め組成物は、ケイ素原子を含まない揮発性炭化水素を含むように処方されてもよい。
【0152】
揮発性炭化水素の全量は変わりうるが、典型的には、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約20から約85重量%である。幾つかの例では、揮発性炭化水素の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約20から約80重量%、約20から約75重量%;約25から約85重量%、約25から約80重量%、約25から約75重量%;約30から約85重量%、約30から約80重量%、約30から約75重量%;約35から約85重量%、約35から約80重量%、約35から約75重量%;約40から約85重量%、約40から約80重量%、約40から約75重量%;約45から約85重量%、約45から約80重量%、約45から約75重量%;約50から約85重量%、約50から約80重量%、約50から約75重量%;約55から約85重量%、約55から約80重量%、約55から約75重量%;約60から約85重量%、約60から約80重量%、約60から約75重量%;約65から約85重量%、約65から約80重量%、又は約65から約75重量%であり、その範囲及び部分的範囲を含む。
【0153】
皮膚引き締め組成物は、(例えば、皮膚引き締め組成物がエマルジョンである場合)少量の揮発性炭化水素油を含んでもよい。例えば、皮膚引き締め組成物中に存在する揮発性炭化水素の量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約20から約70重量%、約25から約70重量%、約30から約70重量%、約35から約70重量%、約40から約70重量%、約45から約70重量%、約50から約70重量%、約55から約70重量%;約20から約60重量%、約25から約60重量%、約30から約60重量%、約35から約60重量%、約40から約60重量%、約45から約60重量%、約50から約60重量%;約20から約55重量%、約25から約55重量%、約30から約55重量%、約35から約55重量%、約40から約55重量%、約45から約55重量%、約50から約55重量%;約20から約50重量%、約25から約50重量%、約30から約50重量%、約35から約50重量%、約40から約50重量%、又は約45から約50重量%であり得、その範囲及び部分的範囲を含む。
【0154】
[フィラー]
皮膚引き締め組成物は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.5から約20重量%の量で少なくとも一種のフィラーを含む。フィラーは、皮膚引き締め組成物中に、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.5から約20重量%、約1から約20重量%、約1.5から約20重量%、約2から約20重量%、約2.5から約20重量%、約3から約20重量%、約3.5から約20重量%、約4から約20重量%、約4.5から約20重量%、約5から約20重量%、約6から約20重量%、約7から約20重量%、約8から約20重量%;約1.5から約13重量%、約1から約13重量%、約1.5から約13重量%、約2から約13重量%、約2.5から約13重量%、約3から約13重量%、約3.5から約13重量%、約4から約13重量%、約4.5から約13重量%、約5から約13重量%、約6から約13重量%、約7から約13重量%、約8から約13重量%;約0.5から約11重量%、約1から約11重量%、約1.5から約11重量%、約2から約11重量%、約2.5から約11重量%、約3から約11重量%、約3.5から約11重量%、約4から約11重量%、約4.5から約11重量%、約5から約11重量%、約6から約11重量%、約7から約11重量%、約8から約11重量%;約0.5から約9重量%、約1から約9重量%、約1.5から約9重量%、約2から約9重量%、約2.5から約9重量%、約3から約9重量%、約3.5から約9重量%、約4から約9重量%、約4.5から約9重量%、約5から約9重量%、約6から約9重量%、約7から約9重量%;約0.5から約7重量%、約1から約7重量%、約1.5から約7重量%、約2から約7重量%、約2.5から約7重量%、約3から約7重量%、約3.5から約7重量%、約4から約7重量%、約4.5から約7重量%、又は約5から約7重量%(全ての範囲及びその部分的範囲を含む)の量で存在しうる。
【0155】
少なくとも一種のフィラーは、疎水性シリカ(シリル化シリカなど)、シリカ、ナイロン-12、セルロース、メタクリレートクロスポリマー(メチルメタクリレートクロスポリマーなど)、シリコーン粉末(ポリメチルシセスキオキサンなど)、及びそれらの組み合わせでありうる。
【0156】
場合によっては、皮膚引き締め組成物は、好ましくは、シリル化シリカなどの疎水性シリカを含む。疎水性シリカは、多くの場合、シリカゲルの液体成分を空気と置き換えることによって(乾燥することによって)得られる多孔質材料である粒子の形態で提供される。それらは、一般に、液体媒体中でゾルゲル法によって合成され、通常は超臨界流体による抽出によって乾燥され;最も一般的に使用されるものは超臨界COである。この種の乾燥は、細孔及び材料の収縮を回避することを可能にする。場合によっては、溶媒と組み合わせると粒子が溶解する。
【0157】
「疎水性シリカ」という用語は、OH基を、シリル基Si-Rn、例えばトリメチルシリル基で官能化させるように、その表面がシリル化剤、例えばアルキルクロロシラン等のハロゲン化シラン、シロキサン、特にヘキサメチルジシロキサン等のジメチルシロキサン、又はシラザンで処理された任意のシリカを意味する。シリル化によって表面が改質された疎水性シリカエアロゲル粒子の調製に関しては、その全体が出典明示によりここに援用される米国特許第7470725号を参照することができる。場合によっては、有用な疎水性シリカ粒子はトリメチルシリル基で表面改質される。少なくとも一例では、疎水性シリカはエアロゲルである。
【0158】
疎水性シリカには、500から1500m/g、600から1200m/g、又は600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)と、1から1500μm、1から1000μm、又は1から100μm、特に1から30μm、5から25μm、又は5から20μm、場合によっては5から15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表される粒径を示すものが含まれる。場合によっては、皮膚引き締め組成物に使用される疎水性シリカ粒子は、1から30μm、5から25μm、5から20μm又は5から15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表される粒径を有する。場合によっては、疎水性シリカ粒子は、600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)と、5から20μm又は5から15μmの範囲の体積平均径(D[0.5])として表される粒径を有する。
【0159】
単位質量当たりの比表面積は、The Journal of the American Chemical Society,Vol.60,p309,1938年2月に記載され、国際標準ISO5794/1(付録D)に対応しているBET(Brunauer-Emmett-Teller)法として知られる窒素吸着法によって定量できる。BET比表面積は、考慮中の粒子の総比表面積に対応する。
【0160】
疎水性シリカ粒子(例えば、エアロゲル粒子)の粒径は、Malvern製のMasterSizer 2000タイプの市販の粒径分析器を使用して、静的光散乱によって測定することができる。データは、ミーの散乱理論に基づいて処理される。この理論は、等方性粒子に対して正確であり、非球状粒子の場合、「有効な」粒径を決定することを可能にする。この理論は、特にVan de Hulst,H.C.による刊行物、”Light Scattering by Small Particles”,Chapters9及び10,Wiley,New York,1957に記載されている。
【0161】
疎水性シリカ粒子は、有利には、0.02g/cmから0.10g/cm、0.03g/cmから0.10g/cm、0.04g/cmから0.10g/cm、又は0.05g/cmから0.08g/cmの範囲のタップ密度ρを有しうる。タップ密度として知られる密度ρは、次のプロトコルに従って評価されうる:40gの粉末をメスシリンダーに注ぎ;メスシリンダーを次にStampf Volumeter製のStay 2003機器に配置し;次にメスシリンダーに2500回の一連の充填動作を行い(この操作は、二回の連続した試験間の体積差が2%未満になるまで繰り返される);充填された粉末の最終体積Vfをメスシリンダーで直接測定する。タップ密度は比w/Vf、この場合は40/Vf(Vfはcmで、wはgで表される)によって決定される。
【0162】
場合によっては、疎水性シリカ粒子(例えば、エアロゲル粒子)は、5から100m/cm、10から90m/cm、15から40m/cm、20から85m/cm、又は24から80m/cmの範囲の単位体積当たりの比表面積SVを有しうる。単位体積当たりの比表面積は、次の関係で与えられる:S=S×ρ(ここで、上で記載の通り、ρはg/cmで表されるタップ密度、Sはm/gで表される単位重量当たりの比表面積である)。
【0163】
疎水性シリカ粒子は、湿潤点で測定して、5から18ml/g、6から15ml/g、又は8から12ml/gの範囲の油吸収能を有しうる。Wpで示される湿潤点で測定される吸収能は、均一なペーストを得るために100gの粒子に添加する必要がある油の量に対応する。これは、標準NF T30-022に記載されている「湿潤点」法又は粉末の油吸収の定量法に従って測定される。
【0164】
Dow CorningによりVM-2260(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されている疎水性シリカを挙げることができ、その粒子は、約1000ミクロンの平均粒径及び600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有する。また、CabotによってAerogel TLD201、Aerogel OGD201、Aerogel TLD203、Enova.RTM.Aerogel MT1100及びEnova Aerogel MT1200を挙げることができる。加えて、Dow Corning社によりVM-2270(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されている疎水性シリカエアロゲル粒子は、5~15ミクロンの範囲の平均粒径と、600から800m/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有し、有用でありうる。
【0165】
追加のフィラーには、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、多価ケイ酸塩粘土、モンモリロナイト、ベントナイト、スメクタイト、及びそれらの混合物などの多価ケイ酸塩が含まれうる。例えば、フィラーはケイ酸アルミニウムマグネシウムを含みうる。
【0166】
[脂肪族化合物]
上述の揮発性炭化水素油に加えて、皮膚引き締め組成物は、任意選択的に一又は複数種の脂肪族化合物、特に不揮発性脂肪族化合物を含みうる。皮膚引き締め組成物中の脂肪族化合物の全量は、存在する場合、変わりうるが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1から約20重量%である。場合によっては、皮膚引き締め組成物中の乳化脂肪族化合物の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約1から約20重量%、約1から約15重量%、約1から約10重量%、約1から約5重量%;約2から約20重量%、約2から約15重量%、約2から約10重量%、約2から約5重量%;約4から約20重量%、約4から約15重量%、約4から約10重量%、約4から約5重量%であり、その範囲及び部分的範囲を含む。
【0167】
不揮発性油の非限定的な例には、以下が含まれる:
i. 動物由来の炭化水素油、例えばペルヒドロスクアレン;
ii. 植物性炭化水素油、例えば脂肪酸の液体トリグリセリド、例えばヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロウ油、ブドウ種子油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、ヒマシ油、アボカド油、カプリル/カプリン酸トリグリセリド;
iii. 式RCOOR10(式中、Rが7から19個の炭素原子を含む高級脂肪酸残基を表し、R10が3から20個の炭素原子を含む分岐炭化水素鎖を表す)の油、例えばパーセリン油;
iv. 無機又は合成由来の直鎖状又は分岐状炭化水素、例えば不揮発性流動パラフィン及びそれらの誘導体、ワセリン(ペトロラタム)、ポリデセン、並びにパーリーム等の水素化ポリイソブテン;
v. 合成エステル及びエーテル、例えばアルコール又はポリアルコールのミリスチン酸イソプロピル、オクタノエート、デカノエート又はリシノレート;
vi. 脂肪族アルコール、例えばオクチドデカノール又はオレイルアルコール;
vii. 部分的に炭化水素化及び/又はシリコーン化されたフッ素油;
viii. シリコーン油、例えば室温において液体又はペースト状である直鎖状の不揮発性ポリジメチルシロキサン(ジメチコン)、フェニルジメチコン、フェニルトリメチコン及びポリメチルフェニルシロキサン;並びにそれらの混合物。
【0168】
場合によっては、一又は複数種の脂肪物質は、ポリオレフィン(ペトロラタム)、ワックス、スクアラン、スクアレン、水素化ポリイソブテン、水素化ポリデセン、ポリブテン、鉱油、ペンタヒドロスクアレン、ジメチコン、及びそれらの混合物から選択されうる。
【0169】
言及する価値のある追加の脂肪族化合物には、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、例えば以下に検討されるものが含まれる。
【0170】
[脂肪族アルコール]
一又は複数種の脂肪族化合物は、グリセロール化及び/又はオキシアルキレン化され、8から30個の炭素原子を含み、及び/又は飽和又は不飽和でありうる。ここで有用な脂肪族アルコールには、約8から約30個の炭素原子、約12から約22個の炭素原子、及び約14から約22個の炭素原子を有するものが含まれる。これらの脂肪族アルコールは、直鎖又は分岐鎖アルコールであり得、飽和又は不飽和でありうる。脂肪族アルコールの非限定的な例には、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、イソセチルアルコール、ベヘニルアルコール、リナロール、オレイルアルコール、cis4-t-ブチルシクロヘキサノール、ミリシルアルコール、及びそれらの混合物が含まれる。場合によっては、脂肪族アルコールは、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、イソトリデシルアルコール、及びそれらの混合物の少なくとも一種を含むか、又はそれらから選択されうる。
【0171】
飽和液体脂肪族アルコールは分岐状であってもよく、任意選択的にそれらの構造内に少なくとも一つの芳香環又は非芳香環を含みうる。しかしながら、場合によっては、脂肪族アルコールは非環式である。液体飽和脂肪族アルコールの非限定的な例には、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、及び2-ヘキシルデカノールが含まれる。
【0172】
不飽和液体脂肪族アルコールは、それらの構造中に少なくとも一つの二重又は三重結合を含みうる。例えば、脂肪族アルコールは、共役であっても非共役であってもよい幾つかの二重結合(例えば2つ又は3つの二重結合)を含みうる。不飽和脂肪族アルコールは、直鎖状又は分岐状であり得、非環式であるか、又はそれらの構造に少なくとも一つの芳香環又は非芳香環を含みうる。液体不飽和脂肪族アルコールは、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール及びウンデシレニルアルコールを含みうるか、又はそれらから選択されうる。
【0173】
固体脂肪族アルコールの非限定的な例には、8から30個の炭素原子を含む直鎖状又は分岐状の飽和又は不飽和アルコール、例えば、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール及びそれらの混合物、セチルステアリルアルコールが含まれる。
【0174】
[脂肪酸エステル]
皮膚引き締め組成物の脂肪族化合物は、25℃、1気圧において液体又は固体の脂肪酸エステルでありうる。脂肪酸エステルは、C~C32脂肪酸及び/又はC~C32脂肪族アルコールからのエステルを含みうる。例えば、脂肪族化合物は、脂肪酸モノエステル及びジエステル、ポリオールエステル、ポリグリセロールエステル、ポリグリセロールポリリシノレエート、ポリグリセロールポリ-12-ヒドロキシステアレート、ポリグリセロールジメレートイソステアレート、エチルヘキサノエート、ポリグリセロールエステル、及びそれらの混合物を含みうるか、又はそれらから選択されうる。これらのエステルは、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐C~C26脂肪族モノ又はポリ酸と、飽和又は不飽和の直鎖又は分岐C~C25脂肪族モノ又はポリアルコールのエステルであり得、エステル中の炭素原子の全数は10以上である。一例では、脂肪族化合物は、一又は複数種の脂肪酸モノエステルを含む。モノアルコールのエステルでは、エステルが生じるアルコール又は酸の少なくとも一つが分岐している。モノ酸とモノアルコールのモノエステルの中では、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル又はミリスチン酸エチルなどのミリスチン酸アルキル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル及びネオペンタン酸イソステアリルを挙げることができる。
【0175】
場合によっては、脂肪酸エステルは、飽和脂肪酸と脂肪族アルコールのエステルなどのセチルエステルである。例えば、脂肪酸エステルは、パルミチン酸セチル、ステアリン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ステアリン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、エチルヘキサン酸セテアリル、及びそれらの混合物を含みうるか又はそれらから選択されうる。一例では、脂肪酸エステルは、イソステアリン酸イソプロピル、ミリスチン酸n-プロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、イソステアリン酸ヘキサデシル、ラウリン酸ヘキシデシル、オクタン酸ヘキシルデシル、パルミチン酸n-プロピル、パルミチン酸イソプロピル、及びそれらの混合物のうちの一又は複数種であり得、又はそれらから選択されうる。別の例では、脂肪酸エステルは、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、ジ-2-ヘプチルウンデシルアジペート、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリメチロールプロパントリイソステアレート、エチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリメチロールプロパントリ-2-エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールテトラ-2-エチルヘキサノエート、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、リンゴ酸ジイソステアリル、炭酸ジカプリリル、セテアリルエチルヘキサノエート、及びそれらの混合物を含みうるか、又はそれらから選択されうる。更に別の例では、皮膚引き締め組成物は、セテアリルアルコール、セテアリルエチルヘキサノエート、ミリスチン酸イソプロピル、及びそれらの混合物から選択される脂肪族化合物の一又は複数種を含むか、又はそれらを含みうる。
【0176】
挙げることができる固体脂肪酸エステル及び/又は脂肪酸エステルの非限定的な例には、C~C26脂肪酸及びC~C25脂肪族アルコールから得られる固体エステルが含まれる。これらのエステルのうち、ベヘン酸オクチルドデシル、ベヘン酸イソセチル、乳酸セチル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸オクチル、オクタン酸セチル、オレイン酸デシル、ステアリン酸ミリスチル、パルミチン酸オクチル、ペラルゴン酸オクチル、ステアリン酸オクチル、ミリスチン酸アルキル、例えばミリスチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル又はミリスチン酸ステアリル、及びステアリン酸ヘキシルを挙げることができる。
【0177】
液体脂肪酸の非限定的な例には、6から30個の炭素原子を含む液体脂肪酸トリグリセリド、例えばヘプタン酸トリグリセリド又はオクタン酸トリグリセリドなどの植物又は合成起源のトリグリセリド油、又は或いは、例えば、ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、マロウ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、アララ油、ヒマシ油、アボカド油、オリーブ油、菜種油、ココナッツ油、小麦胚芽油、スイートアーモンド油、アプリコット油、ベニバナ油、キャンドルナッツ油、ココナッツ油、ツバキ油、テリハボク油、ババス油及びプラカシー油、ホホバ油、シアバター油、及びそれらの混合物が含まれる。一例では、一又は複数種の脂肪族化合物は、脂肪酸トリグリセリド、油、鉱油、アルカン、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、アルコキシル化脂肪酸、脂肪酸のポリエチレングリコールエステル、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、脂肪酸のブチレングリコールエステル、ネオペンチルグリコールと脂肪酸のエステル、脂肪酸のポリグリセロール/グリセロールエステル、グリコールジエステル、エチレングリコールと脂肪酸のジエステル、脂肪酸と脂肪族アルコールのエステル、短鎖アルコールと脂肪酸のエステル、脂肪族アルコールのエステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、ワックス、及びそれらの混合物のうちの少なくとも一種を含むか、又はそれらから選択される。別の例では、皮膚引き締め組成物の脂肪族化合物は、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドなどの一又は複数種の脂肪酸トリグリセリドを含む。
【0178】
[脂肪族アルコール誘導体]
皮膚引き締め組成物は、場合によっては、脂肪族アルコールのアルキルエーテル、アルコキシル化脂肪族アルコール、アルコキシル化脂肪族アルコールのアルキルエーテル、脂肪族アルコールのエステル及びそれらの混合物などの脂肪族アルコール誘導体を含みうる。脂肪族アルコール誘導体の非限定的な例には、メチルステアリルエーテルなどの物質;2-エチルヘキシルドデシルエーテル;酢酸ステアリル;プロピオン酸セチル;セチルアルコールのエチレングリコールエーテルである、セテス-1からセテス-45などのセテス系列の化合物(ここで、数値表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);ステアレスアルコールのエチレングリコールエーテルである、ステアレス-1から10などのステアレス系列の化合物(ここで、数字表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);セテアレスアルコールのエチレングリコールエーテルであるセテアレス1からセテアレス-10、すなわち主にセチル及びステアリルアルコールを含む脂肪族アルコールの混合物(ここで、数値表示は、存在するエチレングリコール部分の数を示す);丁度記載したセテス、ステアレス、及びセテアレス化合物のC1~C30アルキルエーテル;オクチルドデシルアルコール、ドデシルペンタデシルアルコール、ヘキシルデシルアルコール、及びイソステアリルアルコールなどの分岐アルコールのポリオキシエチレンエーテル;ベヘニルアルコールのポリオキシエチレンエーテル;PPG-9-ステアレス-3、PPG-11ステアリルエーテル、PPG8-セテス-1、PPG-10セチルエーテルなどのPPGエーテル;及びそれらの混合物が含まれる。液体脂肪族エーテルは、ジカプリリルエーテルなどの液体ジアルキルエーテルから選択されうる。非液体脂肪族エーテルは、また、ジアルキルエーテル、特にジセチルエーテル及びジステアリルエーテルから単独に又は混合物として選択されうる。
【0179】
~C22ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC~C22アルコールのエステル、及びモノカルボン酸、ジカルボン酸又はトリカルボン酸とC~C26ジヒドロキシ、トリヒドロキシ、テトラヒドロキシ又はペンタヒドロキシ非糖アルコールのエステルもまた使用されうる。特にセバシン酸ジエチル;セバシン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジイソプロピル;アジピン酸ジ-n-プロピル;クエン酸トリイソプロピル;トリ乳酸グリセリル;トリオクタン酸グリセリル;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;及びジイソノナン酸ジエチレングリコールを挙げることができる。
【0180】
[脂肪酸誘導体]
皮膚引き締め組成物は、場合によっては、脂肪酸誘導体を含みうる。脂肪酸誘導体は、ここでは、上で定義した脂肪族アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族アルコール誘導体がエステル化可能なヒドロキシル基を有する場合の上で検討した脂肪族アルコール誘導体の脂肪酸エステル、上に記載した脂肪族アルコール及び脂肪族アルコール誘導体以外のアルコールの脂肪酸エステル、ヒドロキシ置換脂肪酸、及びそれらの混合物を含むと定義される。脂肪酸誘導体の非限定的な例には、リシノール酸、グリセロールモノステアレート、12-ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸エチル、ステアリン酸セチル、パルミチン酸セチル、ポリオキシエチレンセチルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテルステアレート、ポリオキシエチレンラウリルエーテルステアレート、エチレングリコールモノステアレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンジステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールジステアレート、トリメチロールプロパンジステアレート、ソルビタンステアレート、ポリグリセリルステアレート、ジメチルセバケート、PEG-15ココエート、PPG-15ステアレート、グリセリルモノステアレート、グリセリルジステアレート、グリセリルトリステアレート、PEG-8ラウレート、PPG-2イソステアレート、PPG-9ラウレート、及びそれらの混合物が含まれる。
【0181】
[非イオン性界面活性剤]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の非イオン性界面活性剤を任意選択的に含みうる。皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の非イオン性界面活性剤を含む場合、典型的にはエマルジョンであるが、皮膚引き締め組成物は、そのような非イオン性界面活性剤を含む場合、代わりに無水であってもよい。
【0182】
非イオン性界面活性剤は、peg-30ジポリヒドロキシステアレート、ポリグリセリル-4ジイソステアレート/ポリヒドロキシステアレート/セバケート、ポリグリセリル-4イソステアレート、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、ジメチコン(及び)peg/ppg-18/18ジメチコン、ラウリルpeg-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、及びそれらの組み合わせのうちの一又は複数種を含みうる。非イオン性界面活性剤は、例えば、アルコール、α-ジオール、アルキルフェノール、及び脂肪酸エステルから選択することができ、これらの化合物は、エトキシル化、プロポキシル化、又はグリセロール化され、例えば8から18個の炭素原子を含む少なくとも一つの脂肪鎖を有する。前述の化合物のエチレンオキシド又はプロピレンオキシド基の数は2から50の範囲であり得、グリセロール基の数は1から30の範囲でありうる。エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドのコポリマー;エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドと脂肪族アルコールとの縮合物;例えば、2から30モルのエチレンオキシドを含むポリエトキシル化脂肪酸アミド;例えば、1.5から4などの1.5から5のグリセロール基を含むポリグリセロール化脂肪酸アミド;2から30モルのエチレンオキシドを含むソルビタンのエトキシル化脂肪酸エステル;植物由来のエトキシル化油;スクロースの脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル;グリセロール(C6~C24)アルキルポリグリコシドのポリエトキシル化脂肪酸モノ又はジエステル;N-(C6~C24)アルキルグルカミン誘導体、(C10~C14)アルキルアミンオキシド又はN-(C10~C14)アシルアミノプロピルモルホリンオキシドなどのアミンオキシド;及びそれらの混合物を挙げることができる。マルトース誘導体もまた挙げることができる。
【0183】
非イオン性界面活性剤は、ポリオキシアルキレン化又はポリグリセロール化非イオン性界面活性剤から選択されうる。オキシアルキレン単位は、より好ましくはオキシエチレン若しくはオキシプロピレン単位、又はそれらの組み合わせであり、好ましくはオキシエチレン単位である。
【0184】
場合によっては、非イオン性界面活性剤は、例えば8から24個の炭素原子、好ましくは12から22個の炭素原子を含む飽和又は不飽和鎖を有する脂肪酸とポリオールとのエステル、及び好ましくは10から200、より好ましくは10から100の数のアルキレンオキシドを有するそれらのアルコキシル化誘導体、例えば、C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸のグリセリルエステル及び好ましくは10から200、より好ましくは10から100の数のアルキレンオキシドを有するそれらのアルコキシル化誘導体;C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸のポリエチレングリコールエステル及び好ましくは10から200、より好ましくは10から100の数のアルキレンオキシドを有するそれらのアルコキシル化誘導体;C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸のソルビトールエステル及び好ましくは10から200、より好ましくは10から100の数のアルキレンオキシドを有するそれらのアルコキシル化誘導体;C~C24、好ましくはC12~C22脂肪酸の糖(スクロース、グルコース、アルキルグリコース)エステル及び好ましくは10から200、より好ましくは10から100の数のアルキレンオキシドを有するそれらのアルコキシル化誘導体;脂肪族アルコールのエーテル;糖とC~C24、好ましくはC12~C22脂肪族アルコールとのエーテル;及びそれらの混合物から選択されうる。
【0185】
挙げることができるエトキシル化脂肪酸エステルの例には、エチレンオキシドとラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸又はベヘン酸、及びそれらの混合物のエステルとの付加物、特に9から100のオキシエチレン基を含むもの、例えばPEG-9からPEG-50ラウレート(CTFA名:PEG-9ラウレートからPEG-50ラウレート);PEG-9からPEG-50パルミテート(CTFA名:PEG-9パルミテートからPEG-50パルミテート);PEG-9からPEG-50ステアレート(CTFA名:PEG-9ステアレートからPEG-50ステアレート);PEG-9からPEG-50パルミトステアレート;PEG-9からPEG-50ベヘネート(CTFA名:PEG-9ベヘネートからPEG-50ベヘネート);ポリエチレングリコール100EOモノステアレート(CTFA名:PEG-100ステアレート);及びそれらの混合物が含まれる。脂肪酸のグリセリルエステルとして、グリセリルステアレート(グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリステアレート)(CTFA名:グリセリルステアレート)又はグリセリルリシノレエート及びそれらの混合物を特に挙げることができる。C~C24アルコキシル化脂肪酸のグリセリルエステルとして、ポリエトキシル化グリセリルステアレート(グリセリルモノ-、ジ-及び/又はトリステアレート)、例えばPEG-20グリセリルステアレートを挙げることができる。これらの界面活性剤の混合物、例えば、UniqemaによってARLACEL165の名称で市販されているステアリン酸グリセリルとPEG-100ステアレートを含む製品、及びGoldschmidtによってTEG1Nの名称で市販されているステアリン酸グリセリル(モノ-及びジステアリン酸グリセリル)とステアリン酸カリウムを含む製品(CTFA名:グリセリルステアレートSE)をまた使用することができる。
【0186】
典型的には、皮膚引き締め組成物に含められる非イオン性界面活性剤の量は、存在する場合、皮膚引き締め組成物の全重量に基づき、約0.5から約10重量%、約0.5から約8重量%、約0.5から約6重量%、約0.5から約0.5重量%、約0.5から約4重量%;約1から約10重量%、約1から約8重量%、約1から約6重量%、約1から約5重量%、約1から約4重量%;約2から約10重量%、約2から約8重量%、約2から約6重量%、約2から約5重量%、約2から約4重量%;約3から約10重量%、約3から約8重量%、約3から約6重量%、約3から約5重量%、約3から約4重量%の範囲であり、その全ての範囲及び部分的範囲を含む。
【0187】
[分散剤]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の分散剤を任意選択的に含みうる。分散剤は、ポリオキシエチレングリコールエーテル又はエステル(POE/PEGエーテル又はエステル)又はポリオキシプロピレングリコールエーテル又はエステル(PPGエーテル又はエステル)から、糖エーテル又はエステルから、グリセロール又はポリグリセロールエーテル又はエステルから、及びエトキシル化グリセリドエステル(POEグリセリルエステル)、ポリヒドロキシステアリン酸、又はそれらの組み合わせから選択されうる。
【0188】
分散剤は、室温及び大気圧において固体である着色粒子などの皮膚引き締め組成物の様々な成分を、水性組成物と接触させたときにそれらの凝集又は綿状沈殿から保護するように選択することができる。より一般的には、分散剤は、分散される化合物の表面に対して強い親和性を有する一又は複数種の官能基を有する界面活性剤、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの幾つかの混合物でありうる。場合によっては、分散剤は、分散される粒子の表面上に物理的に吸着されうる。少なくとも一例では、分散剤は、HLBが10以下、7以下、又は6以下の親水性を有するものから選択される。「10以下のHLB」という用語は、25℃において、グリフィンの意味内で10以下のHLBバランス(親水性-親油性バランス)を有する界面活性剤を意味する。分散剤は、非イオン性であり得、及び/又はポリオキシエチレングリコールエーテル又はエステル(POE/PEGエーテル又はエステル)又はポリオキシプロピレングリコールエーテル又はエステル(PPGエーテル又はエステル)から、糖エーテル又はエステルから、グリセロール又はポリグリセロールエーテル又はエステルから、及びエトキシル化グリセリドエステル(POEグリセリルエステル)から又はそれらの混合物から選択されうる。
【0189】
典型的には、皮膚引き締め組成物に含められる分散剤の量は、存在する場合、皮膚引き締め組成物の全重量に基づき、約0.1から約10重量%、0.5から約10重量%、約0.5から約8重量%、約0.5から約6重量%、約0.5から約5重量%、約0.5から約4重量%;約1から約10重量%、約1から約8重量%、約1から約6重量%、約1から約5重量%、約1から約4重量%;約1.5から約10重量%、約1.5から約8重量%、約1.5から約6重量%、約1.5から約5重量%、約1.5から約4重量%の範囲であり、その全ての範囲及び部分的範囲を含む。
【0190】
[水溶性溶媒]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の水溶性溶媒を任意選択的に含みうる。「水溶性溶媒」という用語は、「水混和性溶媒」という用語と交換可能であり、25℃、大気圧(760mmHg)において液体であり、これらの条件下で水において少なくとも50%の溶解度を有する化合物を意味する。場合によっては、水溶性溶媒は、少なくとも60%、70%、80%、又は90%の溶解度を有する。水溶性溶媒の非限定的な例には、例えば、グリセリン、C1~4アルコール、有機溶媒、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル、脂肪酸エステル、ポリオール、グリコール、及びそれらの任意の混合物が含まれる。場合によっては、皮膚引き締め組成物は、一又は複数種のC1~4アルコール、例えばエタノールを含む。
【0191】
有機溶媒の例として、モノアルコール及びポリオール、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコール、ベンジルアルコール、及びフェニルエチルアルコール、又はグリコール若しくはグリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールのモノメチル、モノエチル及びモノブチルエーテル、又はそれらのエーテル、例えばプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコールのモノメチルエーテル並びにジエチレングリコールのアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールのモノエチルエーテル又はモノブチルエーテルを非限定的に挙げることができる。有機溶媒の他の適切な例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、及びグリセリンである。有機溶媒は、揮発性又は不揮発性化合物でありうる。
【0192】
水溶性溶媒の更なる非限定的な例には、アルカンジオール(多価アルコール)、例えばグリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、(カプリリルグリコール)、1,2-ヘキサンジオール、1,2-ペンタンジオール、及び4-メチル-1,2-ペンタンジオール;1から4個の炭素原子を有するアルキルアルコール、例えばエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、及びイソプロパノール;グリコールエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、及びジプロピレングリコールモノ-イソ-プロピルエーテル;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン、及びこれらの混合物が含まれる。
【0193】
多価アルコールが有用である。多価アルコールの例には、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、テトラエチレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、及びそれら混合物が含まれる。ポリオール化合物もまた使用されうる。非限定的な例には、脂肪族ジオール、例えば2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオール、及び2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、及びそれらの混合物が含まれる。
【0194】
皮膚引き締め組成物中の水溶性溶媒の全量は、存在する場合、変わりうるが、典型的には、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.01から約25重量%である。場合によっては、水溶性溶媒の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.01から約20重量%、約0.01から約15重量%、約0.01から約10重量%、約0.1から約25重量%、約0.1から約20重量%、約0.1から約15重量%、約0.1から約10重量%、約1から約25重量%、約1から約20重量%、約1から約15重量%、約1から約10重量%、又は約1から約8重量%であり、その全ての範囲及び部分的範囲を含む。
【0195】
[無機顔料]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の無機顔料を任意選択的に含みうる。非限定的な例には、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化鉄、マイカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化クロム、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー、クロム水和物、フェリックブルー、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、金粉末、硫酸バリウム、カーボンブラック、マイカ及びそれらの混合物が含まれる。
【0196】
存在する場合、無機顔料の全量は変わりうるが、典型的には皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて約0.01から約20重量%である。無機顔料の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.01から約20重量%、約0.01から約18重量%、約0.01から約16重量%、約0.01から約14重量%、約0.01から約12重量%、約0.01から約10重量%、約0.01から約8重量%、約0.01から約6重量%、約0.01から約5重量%、約0.01から約4重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約8重量%、約0.1から約5重量%、又は約0.1から約4重量%、約1から約20重量%、約1から約18重量%、約1から約16重量%、約1から約14重量%、約1から約12重量%、約1から約10重量%、約1から約8重量%、約2から約20重量%、約2から約18重量%、約2から約16重量%、約2から約14重量%、約2から約12重量%、約2から約10重量%、約2から約8重量%、約4から約20重量%、約4から約18重量%、約4から約16重量%、約4から約14重量%、約4から約12重量%、約4から約10重量%、約4から約8重量%であり得、それらの範囲及び部分的範囲を含む。
【0197】
[有機着色料]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の有機着色料を任意選択的に含みうる。非限定的な例には、D&C赤色19号(CI45170)、D&C赤色9号(CI15585)、D&C赤色21号(CI45380)、D&Cオレンジ色4号(CI15510)、D&Cオレンジ色5号(CI45370)、D&C赤色27号(CI45410)、D&C赤色13号(CI15630)、D&C赤色7号(CI15850:1)、D&C赤色6号(CI15850:2)、D&C黄色5号(CI19140)、D&C赤色36号(CI12085)、D&Cオレンジ色10号(CI45425)、D&C黄色6号(CI15985)、D&C赤色30号(CI73360)、D&C赤色3号(CI45430)、カーボンブラック(CI77266)、コチニールカルミンレーキ(CI75470)、天然又は合成メラニン、及びアルミニウムレーキが含まれる。
【0198】
存在する場合、有機着色料の全量は変わりうるが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.01から約20重量%である。有機着色料の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.01から約20重量%、約0.01から約18重量%、約0.01から約16重量%、約0.01から約14重量%、約0.01から約12重量%、約0.01から約10重量%、約0.01から約8重量%、約0.01から約6重量%、約0.01から約5重量%、約0.01から約4重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約8重量%、約0.1から約5重量%、又は約0.1から約4重量%、約1から約20重量%、約1から約18重量%、約1から約16重量%、約1から約14重量%、約1から約12重量%、約1から約10重量%、約1から約8重量%、約2から約20重量%、約2から約18重量%、約2から約16重量%、約2から約14重量%、約2から約12重量%、約2から約10重量%、約2から約8重量%、約4から約20重量%、約4から約18重量%、約4から約16重量%、約4から約14重量%、約4から約12重量%、約4から約10重量%、約4から約8重量%であり得、それらの範囲及び部分的範囲を含む。
【0199】
[ソフトフォーカス粉末]
皮膚引き締め組成物は、ソフトフォーカス粉末を任意選択的に含みうる。ソフトフォーカス粉末は、典型的には皮膚上でのその光散乱特性のため、ぼかし効果をもたらす材料である。そのような粉末は、典型的には、高い拡散反射率、低い正反射率、及び高い拡散透過率を有する。ソフトフォーカス粉末は、例えば、しわと欠陥の谷間と先端の間の明るさの差を減らすことによって、皮膚をより滑らかな外観にする。
【0200】
ソフトフォーカス粉末の非限定的な例には、天然又は合成起源の粉末、例えばマイカ、雲母チタン、アルミナ、二酸化チタン、セレサイト、複合タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ粉末、ポリアミド、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、アクリル酸ナトリウムクロスポリマー-2及びそれらの混合物が含まれる。追加の非限定的な例には、ホウケイ酸カルシウムアルミニウム(LUXSIL)、PMMA(Microsphere M-100)、ポリエチレン(POLYETHYLENE Cl2080)、メチルメタクリレートクロスポリマー(COVABEADS LH85)、ナイロン-12(ORGASOL2002)、又はエチレン/アクリル酸コポリマー(FLOBEADS EA209)が含まれる。場合によっては、皮膚引き締め組成物は、コーティングされていてもされていなくてもよいシリカ、ヒュームドシリカ、シリル化シリカ、複合タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ粉末、ポリアミド(ナイロン)、ポリ(メチル(メタ)アクリレート)、ポリエチレン粉末、ポリメチルシルセスキオキサン粉末、カルナウバヤシ(copernicia cerifera)(カルナウバ)ワックスなどのワックス、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ナイロン-12、セルロース、ポリ乳酸、窒化ホウ素、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一種のソフトフォーカス粉末を含む。カルナウバヤシ(カルナウバ)ワックスは、水及びアルコールを含まない分散体として提供されうる。ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーは、シリコーン分散液(INCI:ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー(及び)C12~14パレス-12)として提供されうる。場合によっては、ソフトフォーカス粉末は、アクリル酸ナトリウムクロスポリマー-2(及び)水(及び)シリカとしてAQUAKEEP 10SH-NFCで市販されている、アクリル酸ナトリウムクロスポリマー-2である(又はこれを含む)。
【0201】
存在する場合、ソフトフォーカス粉末の全量は変わりうるが、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、典型的には約0.1から約20重量%である。場合によっては、ソフトフォーカス粉末の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、約0.1から約20重量%、約0.1から約18重量%、約0.1から約16重量%、約0.1から約15重量%、約0.1から約14重量%、約0.1から約12重量%、約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約1から約20重量%、約1から約18重量%、約1から約16重量%、約1から約15重量%、約1から約14重量%、約1から約12重量%、約1から約10重量%、又は約1から約8重量%、約2から約20重量%、約2から約18重量%、約2から約16重量%、約2から約14重量%、約2から約12重量%、約2から約10重量%、約2から約8重量%、約4から約20重量%、約4から約18重量%、約4から約16重量%、約4から約14重量%、約4から約12重量%、約4から約10重量%、約4から約8重量%であり、その範囲及び部分的範囲を含む。
【0202】
[皮膚活性剤]
皮膚引き締め組成物は、抗老化剤、抗しわ活性剤、抗酸化剤、湿潤剤、保湿成分、脱色剤、及び/又は脂性皮膚処理剤などの一又は複数種の皮膚活性剤を任意選択的に含みうる。皮膚活性剤は、組成物の全重量に基づいて、ゼロ超から約10重量%までの範囲の量で皮膚引き締め組成物に含められうる。例えば、皮膚活性剤の全量は、皮膚引き締め組成物の全重量に基づいて、ゼロ超から約9重量%、ゼロ超から約8重量%、ゼロ超から約7重量%、ゼロ超から6重量%、ゼロ超から約5重量%、ゼロ超から約4重量%、ゼロ超から約3重量%、ゼロ超から約2重量%;約10ppmから約10重量%(100000ppm)、約10ppmから約5重量%(50000ppm)、約10ppmから約2.5重量%(25000ppm)、約10ppmから約1重量%(10000ppm)、約10ppmから約0.5重量%(5000ppm)、約10ppmから約0.3重量%(3000ppm)、約10ppmから約0.2重量%(2000ppm)、約10ppmから約0.1重量%(1000ppm)、約10ppmから500ppm;約0.1から約10重量%、約0.1から約5重量%、約0.1から約2.5重量%、約0.1から約1重量%、約0.1から約0.5重量%;約1から約10重量%、約1から約8重量%、約1から約6重量%、約1から約5重量%、約1から約4重量%、約1から約3重量%;約2から約10重量%、約2から約8重量%、約2から約6重量%、約2から約5重量%、約2から約4重量%;約3から約10重量%、約3から約8重量%、約3から約6重量%、約3から約5重量%;約4から約10重量%、約4から約8重量%、又は約4から約6重量%であり得、その間の範囲及び部分的範囲を含む。
【0203】
場合によっては、皮膚引き締め組成物に含められう皮膚活性剤の非限定的な検討を以下に提供する:
[湿潤剤及び/又は保湿成分]
湿潤剤及び/又は保湿成分の例には、グリセロールとその誘導体、尿素とその誘導体、特にNational Starchによって市販されているHydrovance、乳酸、ヒアルロン酸、AHA、BHA、ピドロ酸ナトリウム、キシリトール、セリン、乳酸ナトリウム、エクトインとその誘導体、キトサンとその誘導体、コラーゲン、プランクトン、SedermaによってMoist24の名称で販売されているチガヤ(Imperata cylindra)の抽出物、NOF社のLipidure-HMのようなアクリル酸のホモポリマー、β-グルカン、特にMibelle-AG-Biochemistryのナトリウムカルボキシメチルβ-グルカン、NestleによってNutraLipidsの名称で販売されているパッションフラワー、アプリコット、トウモロコシ、及び米糠の油の混合物、C-グリコシド誘導体、特に商品名「Mexoryl SBB」でChimex社によって製造された製品のような水/プロピレングリコール混合物(60/40重量%)中の30重量%の活性物質の溶液の形態のC-13-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシプロパン、Nestleによって市販されているローズヒップ油、VincienceによってAlgualane Zincの名称で市販されている、亜鉛が豊富な微細藻類チノリモ(Prophyridium cruentum)抽出物、Engelhard Lyon社によってMarine Filling Spheresの名称で販売されている海洋由来のコラーゲンとコンドロイチン硫酸塩のスフィア(アテロコラーゲン)、Engelhard Lyonによって市販されているものなどのヒアルロン酸スフィア、及びアルギニンが含まれる。
【0204】
[脱色剤]
皮膚引き締め組成物に取り込むことができる脱色剤には、アルファ及びベータアルブチン、フェルラ酸、ルシノール及びその誘導体、コウジ酸、レゾルシノール及びその誘導体、トラネキサム酸及びその誘導体、ゲンチシン酸、ホモゲンチシン、メチルゲンチセート又はホモゲンチセート、二酸、Dパンテテインスルホン酸カルシウム、リポ酸、エラグ酸、ビタミンB3、リノール酸及びその誘導体、植物から誘導された所定の化合物、例えばカモミール、ベアベリー、アロエ科(ベラ、フェロクス、バルデンシス)、桑実、タツナミソウ、Gattefosseによって市販されているウォーターキウイフルーツ(オニマタタビ(Actinidia chinensis))、ボタン(Paeonia suffruticosa)の根の抽出物、例えば、一丸ファルコスによってLiquid Botanpi Beという名称で販売されているもの、褐色糖(サトウキビ(Saccharum officinarum))の抽出物、例えば太陽化学によってLiquid Molassesという名称で市販されている糖蜜抽出物から選択されるものが含まれるが、このリストは徹底的なものではない。特定の脱色剤には、アルファ及びベータアルブチン、フェルラ酸、コウジ酸、レゾルシノール及び誘導体、Dパンテテインスルホン酸カルシウム、リポ酸、エラグ酸、ビタミンB3、Gattefosseによって市販されているウォーターキウイフルーツ(オニマタタビ)、一丸ファルコス社によってBotanpi Liquid Bという名称で販売されているものなどのボタン(Paeonia suffruticosa)の根の抽出物が含まれる。
【0205】
[抗しわ活性物質]
皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の抗しわ活性物質を含みうる。「抗しわ活性物質」という用語は、生物学的効果、例えば、しわのある皮膚の領域と接触させられたときに所定の酵素の向上した合成及び/又は活性を生じさせる天然又は合成化合物を指し、これは、しわ及び/又は小じわの出現を減らす効果を有する。例示的な抗しわ活性物質は、以下から選択されうる:落屑剤、抗糖化剤、NO-シンターゼ阻害剤、真皮又は上皮巨大分子の合成を刺激し及び/又はそれらの分解を防止する薬剤、繊維芽細胞及び/又はケラチノサイトの増殖を刺激するため薬剤、又はケラチノサイト分化低減を刺激するための薬剤;筋弛緩剤及び/又は皮膚脱緊張剤、抗フリーラジカル剤、並びにこれらの混合物。そのような化合物の例は以下の通りである:アデノシン及びその誘導体並びにレチノール以外のレチノイド(パルミチン酸レチノールなど、上記の通り)、アスコルビン酸及びその誘導体、例えばアスコルビルリン酸マグネシウム及びアスコルビルグルコシド;ニコチン酸及びその前駆体、例えばニコチンアミド;ユビキノン;グルタチオン及びその前駆体、例えばL-2-オキソチアゾリジン-4-カルボン酸、欧州特許出願公開第1345919号に特に記載されている化合物C-グリコシド及びそれらの誘導体、特に欧州特許出願公開第1345919号に記載されているC-ベータ-D-キシロピラノシド-2-ヒドロキシ-プロパン、シーフェンネル及びオリーブの葉の抽出物を含む植物抽出物、並びに植物及びその加水分解物、例えばコメタンパク質加水分解物又はダイズタンパク質;藻類抽出物、特にコンブ(laminaria)、細菌抽出物、サポゲニン、例えばジオスゲニン及びヤマノイモ(Dioscorea)植物の抽出物、特に以下を含む自然薯:α-ヒドロキシ酸、f3-ヒドロキシ酸、例えばサリチル酸及びn-オクタノイル-5-サリチル酸オリゴペプチド及びシュードジペプチド及びそのアシル誘導体、特に会社によって商品名SEDERMA Matrixyl 500及びMatrixyl 3000で市販されている酸{2-[アセチル-(3-トリフルオロメチル-フェニル)-アミノ]-3メチル-}酢酸及びリポペプチド;リコペン、マンガン塩及びマグネシウム塩、特にグルコン酸塩、及びこれらの混合物。少なくとも一つの場合では、皮膚引き締め組成物は、アデノシン誘導体、例えばアデノシンの非リン酸誘導体、例えば特に2’-デオキシアデノシン、2’,3’-アデノシンイソプロポイリデン;トヨカマイシン、1-メチルアデノシン、N-6-メチルアデノシン;アデノシンN-オキシド、6-メチルメルカプトプリンリボシド、及び6-クロロプリンリボシドを含む。他の誘導体には、アデノシン受容体アゴニスト、例えばアデノシンフェニルイソプロピル(「PIA」)、1-メチルイソグアノシン、N6-シクロヘキシルアデノシン(CHA)、N6-シクロペンチルアデノシン(CPA)、2-クロロ-N6-シクロペンチルアデノシン、2-クロロアデノシン、N6-フェニルアデノシン、2-フェニルアミノアデノシン、MECA、N6-フェネチルアデノシン、2-p-(2-カルボキシ-エチル)フェネチル-アミノ-5’--N-エチルカルボキサミドアデノシン(CGS-21680)、N-エチルカルボキサミド-アデノシン(NECA)、5’(N-シクロプロピル)-カルボキサミドアデノシン、DPMA(PD129.944)及びメトリフジルが含まれる。
【0206】
[脂性皮膚のための皮膚活性剤]
皮膚引き締め組成物は、脂性皮膚に対処する皮膚活性剤を任意選択的に含みうる。これらの薬剤は、皮脂腺の活動を調節できる皮脂調節剤又は抗脂漏剤でありうる。脂性皮膚に対処するための例示的皮膚活性剤には、レチノイン酸、過酸化ベンゾイル、硫黄、ビタミンB6(ピリドキシン又は)クロリド、セレン、サンファイア
- シナモン抽出物ブレンド、茶及びオクタノイルグリシン、例えばSeppicのSepicontrol A5 TEA--特に商品名Sepicontrol A5でSeppicによって市販されているシナモン、サルコシン及びオクタノイルグリシンの混合物
- グルコン酸亜鉛、ピロリドンカルボン酸亜鉛(又はピドル酸亜鉛)、乳酸亜鉛、アスパラギン酸亜鉛、カルボン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、システイン酸亜鉛などの亜鉛塩
- 誘導体、特にCuivridone Solabiaのような銅及びピドル酸銅
- アルニカ・モンタナ(Arnica montana)、アカキナノキ(Cinchona succirubra)、クローブ(Eugenia caryophyllata)、ホップ(Humulus lupulus)、セイヨウオトギリ(Hypericum perforatum)、メンタ・ピペンタ(Mentha pipenta)ローズマリー(Rosmarinus officinalis)、セージ(Salvia officinalis)及びタチジャコウソウ(Thymus vulgaris)の植物抽出物で、全て丸善製
- SilabによってSebonormineの名称で販売されているものなどのセイヨウナツユキソウ(Spiraea ulmaria)の抽出物
- BiotechmarineによってPhlorogineの名称で販売されているものなどの藻類カラフトコンブ(Laminaria sacchar)の抽出物
- ワレモコウ混合物(Sanguisorba officinalis/Poterium officinale)の根抽出物、ショウガ(Zingiber officinalis)の根茎及びシナモン樹皮(Cinnamomum cassia)、例えばSolabiaによってSebustopの名称で販売されているもの
- Lucas MeyerによってLinumineの名称で販売されているもののような亜麻仁の抽出物
- 丸善によってPhellodendron extract BGの名称で、又は一丸ファルコスによってOubaku Liquid Bの名称で販売されているもののようなオウバク抽出物
- PentapharmによってRegu SEBという名称で販売されているものなどのノコギリヤシ(Serenoa serrulata)抽出物とゴマの種子のアルガン油混合物抽出物
- Green TechによってSeborilysの名称で販売されているものなどのヤナギソウ、ミロバラン(Terminalia chebula)、キンレンカ及び生体利用可能な亜鉛(微細藻類)の抽出物混合物;
- Euromedによってピュゲウム・アフリカナム(Pygeum afrianum)ステロリン脂質抽出物という名前で販売されているもののようなピュゲウム・アフリカナムの抽出物
- Actives InternationalによってViapure Sabalという名称で販売されているもの、及びEuromed社によって販売されているものなどのノコギリヤシの抽出物
- Seboclear Rahnという名称で販売されているものなどのプランテンブレンド、ベルベリスアクイフォリウム(Berberis aquifolium)及びサリチル酸ナトリウムの抽出物
- 丸善によってClove抽出物粉末という名前で販売されているクローブの抽出物
- Lipofructyl Laboratories Serobiologiquesという名称で販売されているもののようなアルガン油;
- SedermaによってNormasebの名称で販売されているものなどの乳汁タンパク質濾液
- BiotechmarineによってLaminarghaneの名称で販売されているものなどの海藻コンブ(laminaria)抽出物
- Codif社によってPhycosaccharide ACの名称で販売されているものなどの藻ラミナリア・ディギタータのオリゴサッカライド
- Sabinsa社によってPolicosanolという名称で販売されているものなどのサトウキビの抽出物
- IchthyolによってIchtyol Paleという名称で販売されているものなどのスルホン化シェールオイル
- societeLibiolによってCytobiol Ulmaireという名称で販売されているシモツケ(セイヨウナツユキソウ)の抽出物
- セバシン酸、特にSedermaによってSebosoftという名称でポリアクリル酸ナトリウムゲルの形態で販売されているもの
- Arch ChemicalによってBiopol Betaという名称で販売されているものなどのコンニャク塊茎から抽出され、アルキルスルホン酸鎖で修飾されたグルコマンナン
- BiolandによってSophora粉末又はSophora抽出物の名称で販売されているものなどのクララ(Sophora angustifolia)の抽出物
- Alban MullerによってRed Bark HSという名称で販売されているものなどのキナノキ樹皮抽出物
- Alban MullerによってPanama wood HSという名称で販売されているものなどのシャボンノキ(Quillaja saponaria)の抽出物
- SEPPICによってLipacide UG ORという名称で販売されているものなどのウンデシレン鎖にグラフト化されたグリシン
- SedermaによってAC.Netの名称でゲル形態で販売されているものなどのオレアノール酸とノルジヒドログアイアレチン酸の混合物;
- フタルイミドペルオキシヘキサン酸
- SasolによってCOSMACOL.RTM.ECIの名称で販売されているクエン酸トリ(C12~C13);
- SasolによってCOSMACOL.RTM.ECLの名称で販売されているクエン酸トリアルキル(C14~C15)
- VincienceによってAcnacidol BGの名称で販売されているものなどの10-ヒドロキシデカン酸、特に10-ヒドロキシデカン酸、セバシン酸及び1,10-デカンジオールの混合物が含まれる。
【0207】
[抗酸化剤]
アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、脂溶性エステルであるアスコルビン酸テトラヘキシルデシル及びパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビル-グルコシド、アスコルビン酸グルコサミン、酢酸アスコルビルなどを含むビタミンC及び誘導体を使用することができる。加えて、カムベリー(Myrciaria dubia)、アセロラ、エンブリカオフィシナリス(emblica officinalis)などのビタミンCを多く含む植物からの抽出物、及びヘスペリジンメチルカルコンなどの水溶性バイオフラボノイドを含む、ローズヒップと柑橘類からのバイオフラボノイドをまた使用できる。
【0208】
ゴマ(Sesamum indicum)又はゴマリグナンをまた加えてもよい。ゴマとそのリグナン(ゴマに関連した繊維状化合物)は、抗酸化物質として機能する。ゴマ種リグナンは、ビタミンEの活性を大幅に高める。
【0209】
他の抗酸化剤には、トコフェロール(例えば、d-α-トコフェロール、d-β-トコフェロール、d-γ-トコフェロール、d-デルタ-トコフェロール)、トコトリエノール(例えば、d-α-トコトリエノール、d-β-トコトリエノール、d-γ.-トコトリエノール、d-デルタ-トコトリエノール)及びビタミンE(酢酸α-トコフェロール)が含まれる。これらの化合物は、天然源から単離され、合成手段によって調製され得、又はそれらの混合物でありうる。トコトリエノール強化ビタミンE製剤は、ビタミンE製剤を分画してトコフェロールの一部を除去し、トコトリエノールがより高度に濃縮された製剤を回収することによって得ることができる。有用なトコトリエノールは、例えば、高速液体クロマトグラフィーを使用して小麦胚芽油、穀物、又はパーム油から単離離されるか、又は大麦、醸造穀物又はオート麦からのアルコール抽出及び/又は分子蒸留によって単離される天然物である。ここで使用される場合、「トコトリエノール」という用語には、これらの天然物から得られるトコトリエノールに富む画分並びに純粋な化合物が含まれる。グルタチオンペルオキシダーゼ活性の増加は、皮膚を酸化的損傷から保護する。
【0210】
加えて、カロテノイド、特にキサントフィル型もまた、使用できる有用な抗酸化剤である。キサントフィル型カロテノイドには、ルテイン、カンタキサンチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン及びアスタキサンチンなどの分子が含まれる。キサントフィルは、ビタミンA、ビタミンE、及び他のカロテノイドなどの化合物を保護する。
【0211】
[フラボノイド]
活性剤は、フラボノイドの群から選択される抗酸化剤でありうる。場合によっては、フラボノイドはフラバノン(2,3-ジヒドロ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)である。フラボンには、ブチン、エリオジクチオール、ヘスペレチン、ヘスペリジン、ホモエリオジクチオール、イソサクラネチン、ナリンゲニン、ナリンギン、ピノセムブリン、ポンシリン、サクラネチン、サクラニン、及びステルビンが含まれる。フラボノイドは、フラバノノール(3-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)でありうる。フラボノールには、タキシフォリン、アロマデドリン、クリサンドロシドA、クリサンドロシドB、ゼラクチノール(Xeractinol)、アスチルビン、及びフスチンが含まれる。フラボノイドはフラボン(2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)でありうる。フラボンには、アピゲニン、ルテオリン、タンゲリチン、クリシン、バイカレイン、スクテラレイン、オウゴニンが含まれ、合成フラボンには、ジオスミン、及びフラボキサートが含まれる。フラボノイドは、フラボノール(3-ヒドロキシ-2-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)でありうる。フラボノールには、3-ヒドロキシフラボン、アザレアチン、フィセチン、ガランギン、ゴシペチン、カエムフェリド、ケンフェロール、イソラムネチン、モリン、ミリセチン、ナツダイダイン、パキポドール、ケルセチン、ラムナジン、ラムネチン、アザレイン、ヒペロシド、イソクエルシチン、ケンフェリトリン、ミリシトリン、クエルシトリン、ロビニン、ルチン、スピラエオシド、キサントラムニン、アムレンシン、イカリイン、及びトロキセルチンが含まれる。フラボノイドは、フラバン-3-オール(2-フェニル-3,4-ジヒドロ-2H-クロメン-3-オールの誘導体)でありうる。フラバン-3-オールには、カテキン、エピカテキン、エピガロカテキン、没食子酸エピカテキン、没食子酸エピガロカテキン、エピアフゼレキン、フィセチニドール、ギブルチニドール、メスキトール、及びロビネチニドールが含まれる。フラボノイドは、フラバン-4-オール(2-フェニルクロマン-4-オールの誘導体)でありうる。フラバン-4-オールには、アピフォロール及びルテフォロールが含まれる。フラボノイドはイソフラボン(3-フェニルクロメン-4-オンの誘導体)でありうる。イソフラボンには、ゲニステイン、ダイゼイン、ビオカニンA、ホルモノネチン、及びダイゼイン由来のエクオール代謝物が含まれる。
【0212】
抗酸化剤は、アントシアニジン(2-フェニルクロメニリウムカチオンの誘導体)でありうる。アントシアニジンには、オーランチニジン、シアニジン、デルフィニジン、ユーロピニジン、ルテオリニジン、ペラルゴニジン、マルビジン、ペオニジン、ペツニジン、ロシニジン、及びキサントンが含まれる。
【0213】
抗酸化剤は、ジヒドロカルコン(1,3-ジフェニル-1-プロパノンの誘導体)でありうる。ジヒドロカルコンには、フロレチン、ジヒドロカルコンフロレチンフロリジン、アスパラチン、ナリンギンジヒドロカルコン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、及びノトファジンが含まれる。本発明の作用形態を限定するものではないが、ジヒドロカルコンは、反応性酸素及び反応性窒素種のような反応性フリーラジカルを還元させることによって抗酸化効果を発揮しうる。
【0214】
抗酸化剤はアントシアニンでありうる。アントシアニン及びその誘導体は抗酸化剤である。アントシアニンは、多くの果物、野菜、穀類及び花の赤色、紫色及び青色の原因となる、天然に存在する水溶性化合物であるフラボノイド化合物のクラスを包含する。加えて、アントシアニンはコラゲナーゼ阻害剤である。コラゲナーゼの阻害は、皮膚コラーゲンの減少によって引き起こされるしわの予防及び低減、皮膚の弾力性の増加などに役立つ。アントシアニンは、果物、花、茎、葉、根、樹皮又は種子のような様々な植物源の任意の部分から得ることができる。当業者は、植物の所定の部分がより高い天然レベルのアントシアニンを含むことがあり、従って、それらの部分が所望のアントシアニンを得るために使用されることを理解するであろう。場合によっては、抗酸化剤は一又は複数のベータシアニンを含みうる。ベータシアニンは、アントシアニンのように、天然源から得ることができ、抗酸化剤である。
【0215】
抗酸化剤は、フェニルプロパノイド(桂皮酸の誘導体)でありうる。フェニルプロパノイドには、桂皮酸、コーヒー酸、フェルラ酸、トランス-フェルラ酸(その抗酸化ファーマコア2,6-ジヒドロキシアセトフェノムを含む)、5-ヒドロキシフェルラ酸、シナプ酸、クマリルアルコール、コニフェリルアルコール、シナピルアルコール、オイゲノール、カビコール、サフロール、P-クマル酸及びシナピン酸が含まれる。本発明の作用形態を限定するものではないが、フェニルプロパノイドはフリーラジカルを中和しうる。
【0216】
抗酸化剤は、カルコン(1,3-ジフェニル-2-プロペン-1-オンの誘導体)でありうる。カルコンには、ブテイン、オカニン、カルタミン、マレイン、ソホラジン、キサントフモール、フラボカバインA、フラボカバインB、フラボカバインC、及び合成サファルコンが含まれる。
【0217】
抗酸化剤はクルクミノイドでありうる。クルクミノイドには、クルクミン、デスメトキシクルクミン、ビス-デスメトキシクルクミン、テトラヒドロクルクミン、及びテトラヒドロクルクミノイドが含まれる。クルクミン及びテトラヒドロクルクミノイドは、ウコン(Curcuma longa)の根茎から誘導されうる。クルクミンの代謝物であるテトラヒドロクルクミンは、クルクミンと比較して、より強力な抗酸化剤であり、より安定していることが見出されている。
【0218】
抗酸化剤はタンニンでありうる。タンニンには、タンニン、テルフラビンB、ガルコガリン、ドガル酸(Dgallic acid)、及びケルシタン酸(Quercitannic acid)が含まれる。
【0219】
抗酸化剤はスチルベノイドでありうる。スチルベノイドには、レスベラトロール、プテロスチルベン及びピセアタノールが含まれる。レスベラトロールには、限定されないが、3,5,4’-トリヒドロキシスチルベン、3,4,3’,5’-テトラヒドロキシスチルベン(ピセタノール)、2,3’,4,5’-テトラヒドロキシスチルベン(オキシレスベラトロール)、4,4’-ジヒドロキシスチルベン、並びにアルファ及びベータグルコシド、ガラクトシド及びそれらのマンノシド誘導体が含まれうる。
【0220】
抗酸化剤はクマリン(2H-クロメン-2-オンの誘導体)でありうる。クマリンには、4-ヒドロキシクマリン、ウンベリフェロン、エスクレチン、ヘリニアリン、オーラプテン及びジクマロールが含まれる。
【0221】
抗酸化剤はカロテノイドでありうる。カロテノイドには、ベータ-カロテン、アルファ-カロテン、ガンマ-カロテン、ベータ-クリプトキサンチン、リコペン、ルテイン及びイデベノンが含まれる。ゴマ(Sesamum indicum)又はゴマリグナンをまた加えてもよい。ゴマとそのリグナン(ゴマに関連した繊維状化合物)は、抗酸化物質として機能する。ゴマ種リグナンは、ビタミンEの活性を大幅に高める。
【0222】
抗酸化剤は、キサントン、ブチル化ヒドロキシトルエン、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-tert-ブチルフェノール、没食子酸、オイゲノール、尿酸、α-リポ酸、エラグ酸、チコリ酸、クロロゲン酸、ロスマリン酸、サリチル酸、アセチルシステイン、S-アリルシステイン、バルビゲロン、ケブラジン酸、エダラボン、エトキシキン、グルタチオン、ヒドロキシチロソール、イデベノン、メラトニン、N-アセチルセロトニン、ノルジヒドログアイアレチン酸、オレオカンタール、オレウロペイン、パラドール、ピセアタンノール、プロブコール、没食子酸プロピル、プロトカテク酸、ピリチノール、ルチン、セコイソラリシレシノールジグルコシド、セサミン、セサモール、シリビニン、シリマリン、テアフラビン、テアフラビンジガレート、チモキノン(Thmoquinone)、トロロックス、チロソール、多価不飽和脂肪酸及び硫黄系抗酸化剤、例えばメチオニン又はリポ酸でありうる。
【0223】
[任意選択的成分]
一又は複数の実施態様では、ここに記載の皮膚引き締め組成物は、一又は複数種の追加の成分(添加剤及び様々な成分)を含みうる。例には、限定されないが、界面活性剤、乳化剤、増粘剤(多糖系増粘剤など)、その他のポリマー、タンパク質、加水分解タンパク質、アミノ酸、香料、pH調整剤、及び防腐剤が含まれる。そのような追加の成分に関する更なる詳細は以下の通りである。
【0224】
本開示に係る皮膚引き締め組成物は、皮膚引き締め組成物での使用に適した任意の追加の成分を含みうる。そのような成分には、限定されないが、化粧品として許容される溶媒、シリコーン化合物、レオロジー改質剤、例えばアクリルポリマー、カチオン性、非イオン性、両性又は両性イオン界面活性剤又はそれらの混合物、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性又は双性イオン性ポリマー又は混合物、湿潤剤及び保湿剤、請求項記載の脂肪性物質以外の脂肪性物質、脂肪性物質以外の乳化剤、フィラー、構造化剤、噴射剤、光沢剤、コンディショニング剤、抗酸化剤又は還元剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝剤、分散剤、コンディショニング剤、例えば揮発性若しくは不揮発性の、変性又は非変性シリコーン、セラミド、防腐剤、乳白剤、サンスクリーン剤、及び帯電防止剤が含まれうる。クエン酸などの酸は、系のpHに影響を与え、リフトが失われる場合がある。
【0225】
皮膚引き締め組成物はまた、当該技術分野でよく知られている酸及びアルカリpH調整剤をまた含みうる。そのようなpH調整剤には、限定されないが、メタケイ酸ナトリウム、ケイ酸塩化合物、クエン酸、アスコルビン酸、及び炭酸塩化合物が含まれる。
【0226】
[方法]
皮膚引き締め組成物は、皮膚、特にヒトの皮膚の外観を改善するのに特に有用である。皮膚引き締め組成物が皮膚に適用されると、皮膚引き締め組成物は、持続性がある皮膚の外観への即時の改善をもたらす。皮膚引き締め組成物は、
- 皮膚の小じわの出現を減らす;
- 皮膚のしわの出現を減らす;
- 皮膚の色合いを改善し、及び/又は皮膚の色合いの均一性を改善する;
- 皮膚の柔らかさ及び/又は滑らかさを改善する;
- 目の下のたるみの出現を減らす;
- 目の周り及び/又は目の下のくまの出現を減らす;
- 毛穴及び/又は瘢痕の出現を減らす;及び/又は
- 皮膚の輝き、明るさ、及び/又は艶を増加させる
方法に対して特に有用である。
【0227】
典型的には、皮膚引き締め組成物の有効量が、処置される皮膚、例えば、顔及び/又は首の皮膚に適用される。場合によっては、皮膚引き締め組成物を目の周り(又は下)の皮膚に適用することが望ましい場合がある。皮膚引き締め組成物は、手で適用するか、ブラシ、スポンジ、ティッシュ、綿棒、布、又はアプリケーター(例えば、ペン又はその他の器具)などを使用して適用することができる。所望の効果を達成するために必要とされる量は、消費者によって確認されうる。
【0228】
[開示の実施態様]
所定の実施態様では、本開示に係る皮膚引き締め組成物は、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5重量%以上、好ましくは約5重量%から約30重量%、より好ましくは約6重量%から約25重量%の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- 約0.51から約20重量%、好ましくは約1から約15重量%、より好ましくは約1から約10重量%の一又は複数種の無機増粘剤、好ましくは一又は複数種の変性されていてもよいシリカ及び/又は一又は複数種の変性されていてもよい粘土、特に、疎水性シリカエアロゲル(例えば、シリル化シリカ)及び/又は有機親和性変性粘土(例えば、ジステアルジモニウムヘクトライトなどの有機親和性変性ヘクトライト);
ここで、無機増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比は、1:1から10:1、好ましくは1:1から7:1、より好ましくは1:1から6:1であり;
- 約1から約15重量%、好ましくは約1から約30重量%、より好ましくは約5から約25重量%の、乳化性若しくは非乳化性でありうる一又は複数種のシリコーンエラストマー、特に、ジメチコンクロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ラウリルポリジメチルシロキシエチルジメチコン/ビス-ビニルジメチコン)クロスポリマー、アルキル(C30~45)セテアリルジメチコンクロスポリマー、セテアリルジメチコンクロスポリマー、及びそれらの混合物から選択される架橋シリコーンなどの少なくとも一種の非乳化シリコーンエラストマー;及び
- 約30から約85重量%、好ましくは約35から約80重量%、より好ましくは約40から約75重量%の一又は複数種の揮発性炭化水素油、好ましくは、例えば、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、及びそれらの混合物などの分岐C~C16アルカンから選択される一又は複数種の揮発性炭化水素油
を含むか又はそれらからなり、
ここで、無機増粘剤の全量に対するシリコーンエラストマーの全量の重量比は、1:2から8:1、好ましくは約1.1:1から約4:1、より好ましくは約1.2:1から約4:1であり、全ての重量パーセントは、皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【0229】
追加の実施態様では、本開示に係る皮膚引き締め組成物は、
- アクリレート/ステアリルメタクリレートコポリマーを含む、約5から約45重量%、好ましくは約6から約40重量%、より好ましくは約8から約35重量%の一又は複数種の疎水性被膜形成ポリマー;
- ポリアミド-8、スチレン-エチレン/プロピレンコポリマー、及びナイロン-611/ジメチコンクロスポリマー、VP/エイコセンコポリマー、ヒュームドシリカ、疎水性変性シリカ、シリル化シリカ、粘土又はそれらの組み合わせから選択される、約1から約35重量%、好ましくは約4から約35重量%、より好ましくは約6から約25重量%の増粘剤、
ここで、増粘剤の全量に対する疎水性被膜形成ポリマーの全量の重量比は、1:2から10:1、好ましくは1:2から7:1、より好ましくは1:2から6:1であり;
- 約0.5から約20重量%、好ましくは約2から約11重量%、より好ましくは約2.5から約9重量%のフィラー、例えばシリル化シリカ、シリカ、ナイロン-12、セルロース、メチルメタクリレートクロスポリマー、及びポリメチルシルセスキオキサン、及びそれらの組み合わせから選択されるもの;
- 約20から約85重量%、好ましくは約25から約85重量%、より好ましくは約25から約80重量%の揮発性炭化水素であって、イソパラフィン、イソヘキサデカン、イソドデカン、イソデカン、ウンデカン、トリデカン、ドデカン、イソヘキシル、イソデシル、ネオペンタノエート、又はそれらの組み合わせから任意選択的に選択される揮発性炭化水素を含むか又はそれらからなり、全ての重量パーセントは皮膚引き締め組成物の全重量に基づく。
【実施例
【0230】
本開示の実施化は、次の実施例によってもたらされる。次の実施例は、限定する性質のものではなく、技術の態様を明らかにするのに役立つ。
【0231】
実施例1
例示的皮膚引き締め組成物(実施例組成物1)及び比較皮膚引き締め組成物(比較例組成物A)を、表1に提供された処方に従って調製した。実施例組成物1及び比較例組成物Aを評価して、そのような組成物の耐皮脂性、香り特性、光沢、透明性、ヘイズ、及び皮膚引き締め効果を決定した。
【0232】
耐皮脂性は、実施例組成物1及び比較例組成物Aから形成された被膜を評価することによって評価した。具体的には、8ミル(200μm)のドローダウンバーを使用して、実施例組成物1及び比較例組成物Aのサンプルを黒色コントラストカード(BYK)上に広げた。サンプルを基材上で最低3時間乾燥させた。実施例組成物1及び比較例組成物Aのそれぞれから形成された被膜上に一滴の人工皮脂を沈着させ、3時間放置した後、吸収紙で吸収した。次に、その領域を綿棒で15回擦った。
【0233】
ついで、被膜の品質を次のようにランク付けした:「-」人工液滴にさらされた被膜面積の全てが綿棒で擦ることによって除去され、これは耐皮脂性がないことに関連する;「+」人工液滴にさらされた被膜面積の50%より多くが綿棒で擦ることによって除去され、これは軽度の皮脂耐性に相当する;「++」人工液滴にさらされた被膜面積の50%未満が綿棒で擦ることによって除去され、これは良好な耐皮脂性に相当する;「+++」綿棒で擦っても、人工液滴にさらされた被膜面積が全く除去されず、これは強い耐皮脂性に関連している。
【0234】
実施例組成物1及び比較例組成物Aをまた評価して、そのような組成物から形成された被膜の光沢(艶)、透明度、及びヘイズを決定した。具体的には、8mil(200μm)のドローダウンバーを使用して実施例組成物1及び比較例組成物Aから被膜を形成し、組成物を透明プラスチック基材上に広げた。実施例組成物1及び比較例組成物Aのサンプルを透明プラスチック基材上で3時間乾燥させた。BYK Haze-Guard機器を使用して、実施例組成物1及び比較例組成物Aの被膜の透明度及びヘイズを測定した。BYK光沢計を使用して、黒のコントラストカードに対して60°の角度で光沢及びマット度を測定した。
【0235】
実施例組成物1及び比較例組成物の皮膚引き締め効果を、組成物の各々を志願者に適用することによって評価した。「+++」は、有意な皮膚引き締め効果を提供する組成物に与えた。
【0236】
実施例組成物1及び比較例組成物Aを定性的に評価して、それらの香り特性を決定した。例示組成物1及び比較例組成物Aの耐皮脂性、香り特性、光沢、透明度、ヘイズ、及び皮膚引き締め効果の評価の結果を、以下の表1に提供する。
【0237】
実施例組成物1及び比較例組成物Aの香り特性を評価した後、実施例組成物1はより自然な香りを示し、比較例組成物Aはより化学的な臭気を示したと判定された。実施例組成物1は、特に比較例組成物Aとの処方の類似性に鑑みると、驚くべき量の耐皮脂性を示した。
【0238】
実施例2
2つの例示的皮膚引き締め組成物(実施例組成物2及び3)並びに2つの比較皮膚引き締め組成物(比較例組成物B及びC)を、表2に提供される処方に従って調製した。実施例組成物2及び3並びに比較例組成物B及びCを、実施例1において検討した評価技法を使用して評価して、そのような組成物の耐皮脂性、光沢、透明性、ヘイズ、及び皮膚引き締め効果を決定した。
【0239】
表2から分かるように、実施例組成物2及び3は、比較例組成物B及びCよりも優れた耐皮脂性を示した。
【0240】
実施例3
7つの実施例組成物(実施例組成物4~10)を、本開示の態様に従って調製した。実施例組成物4~10の処方を以下に提供する。実施例組成物4~10を評価して、実施例1において検討した評価技法を使用して、そのような組成物の光沢、透明度、及びヘイズを決定した。
【0241】
実施例4
5つの実施例組成物(実施例組成物12~15)を、本開示の態様に従って調製した。実施例組成物12~15の処方を以下に提供する。実施例組成物12~15を評価して、実施例1において検討した評価技法を使用して、そのような組成物の光沢、透明度、及びヘイズを決定した。
【0242】
前述の説明は、本開示を例示し説明するものである。加えて、本開示は好ましい実施態様のみを示して説明しているが、前述のように、様々な他の組み合わせ、修正、及び環境で使用することができ、上記の教示及び/又は関連技術分野の技量又は知識に応じて、ここで表された発明概念の範囲内で変更又は修正が可能であることを理解されたい。ここで上述された実施態様は更に、本出願人によって知られている最良の態様を説明し、他の当業者がそのような又は他の実施態様においてその開示を、特定の用途又はその使用によって必要とされる様々な修正と共に、利用することを可能にすることを意図している。従って、本説明は、発明をここに開示された形態に限定することを意図するものではない。また、添付の特許請求の範囲は、代替の実施態様を含むと解釈されることが意図される。
【0243】
「INCI」という用語は、パーソナルケア成分を記述するためにパーソナルケア製品評議会の国際命名法委員会によって提供される名称体系である化粧品成分の国際命名法(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)の略語である。
【0244】
ここで使用される場合、提供される全ての範囲は、所与の範囲内のあらゆる特定の範囲、及び所与の範囲間の部分的範囲の組合せを含むことが意図される。よって、1~5の範囲は、具体的には1、2、3、4及び5、並びに2~5、3~5、2~3、2~4、1~4などの部分的範囲を含む。
【0245】
この開示において積極的に記載されている全ての成分及び要素は、否定的に特許請求の範囲から除外することができる。換言すれば、本開示の皮膚引き締め組成物は、本開示を通じて積極的に列挙される全ての成分及び要素を含まないか又は本質的に含まない場合がある。
【0246】
特定された成分の様々なカテゴリーの幾つかが重複する場合がある。重複が存在する場合があり、組成物が両方の成分を含む場合(又は組成物が重複する二種を超える成分を含む場合)、重複化合物は一種を超える成分を表さない。例えば、脂肪酸は、非イオン性界面活性剤と脂肪族化合物の両方として特徴付けることができる。特定の組成物が非イオン性界面活性剤と脂肪族化合物の両方を含む場合、単一の脂肪酸が非イオン性界面活性剤のみとして、又は脂肪族化合物のみとして機能する(単一の脂肪酸が非イオン性界面活性剤と脂肪族化合物の両方として機能するわけではない)。
【0247】
この明細書において引用された全ての刊行物及び特許出願は、それぞれ個々の刊行物又は特許出願が出典明示により援用されることが具体的に個々に示されているかのように、あらゆる目的のために出典明示によりここに援用される。本開示と出典明示によりここに援用される何れかの刊行物又は特許出願との間に矛盾がある場合、本開示が優先する。
【0248】
ここで使用される場合、「含む(comprising)」、「有する(having)」及び「含む(including)」という用語は、そのオープンの非限定的な意味で使用される。
【0249】
「a」、「an」、及び「the」という用語は、複数並びに単数を包含すると理解される。従って、「それらの混合物(a mixture thereof)」という用語は、「それらの複数の混合物(mixtures thereof)」にも関連する。本開示全体にわたって、「それらの混合物」という用語は、文字A~Fが要素を表す次の例に示されるように、要素のリストに続いて使用される:「A、B、C、D、E、F、及びそれらの混合物からなる群から選択される一又は複数の要素」。「それらの混合物」という用語は、混合物が(A、B、C、D、E、及びFの全てを含んでいてもよいが)A、B、C、D、E、及びFの全てを含むことを必要としない。むしろ、A、B、C、D、E、及びFの何れか二つ以上の混合物を含むことができることを示す。換言すれば、「A、B、C、D、E、F、並びにA、B、C、D、E、及びFの何れか二つ以上の混合物からなる群から選択される一又は複数の要素」という語句に均等である。
【0250】
「一つ又は複数」という表現は「少なくとも一つ」を意味し、よって個々の成分並びに混合物/組合せを含む。
【0251】
実施例以外、又は特に示されていない場合、成分及び/又は反応条件の量を表す全ての数字は、全ての場合において、「約」という用語によって修飾され得、示された数字の+/-5%以内を意味する。
【0252】
ここで使用される「処理(処置)する」という用語(及びその文法的変形)は、皮膚、特に頭、顔、及び首の皮膚などのケラチン基質の表面への本開示の組成物の適用を指す。
【0253】
ここで使用される「実質的に含まない」又は「本質的に含まない」という用語は、組成物に添加されている特定の材料が、組成物の全重量に対して約2重量%未満しか存在していないことを意味する。それにもかかわらず、組成物は、特定された材料を約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満含むか、又は全く含まない場合がある。ここに記載の構成要素の全ては、組成物/方法/キットに任意選択的に含まれうるか又はそれから除外されうる。除外される場合、組成物/方法/キットは、その成分を含まないか、又は本質的に含まない場合がある。例えば、特定の組成物は、アルコキシル化化合物、例えばエトキシル化増粘剤及び/又はエトキシル化界面活性剤を含まないか又は本質的に含まない場合がある。同様に、特定の組成物は、硫酸塩界面活性剤などの硫酸塩を含まないか又は本質的に含まない場合がある。
【国際調査報告】