(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-14
(54)【発明の名称】電子レシート発行方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/20 20120101AFI20240206BHJP
【FI】
G06Q20/20 370
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528592
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 KR2022014622
(87)【国際公開番号】W WO2023136424
(87)【国際公開日】2023-07-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0003963
(32)【優先日】2022-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0037255
(32)【優先日】2022-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523175144
【氏名又は名称】ピクセルズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル・チン・ルエン・リム
(57)【要約】
ユーザがスマートフォンで簡単に電子レシートを確認することのできる電子レシート発行方法を開示する。電子レシート発行方法は、電子レシート発行機がPOS端末から取引に関する情報を受信し、その情報に対応するアドレスを生成し、そのアドレスに対応して取引情報をサーバに保存するステップと、生成されたアドレスを近距離無線通信技術によりユーザ端末に伝達するステップと、ユーザ端末が伝達されたアドレスを介して電子レシートを表示するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS端末が、取引に関する取引情報を電子レシート発行機に送信するステップと、
前記電子レシート発行機が、前記取引情報を受信し、前記取引情報に対応して固有の識別子を生成し、ここで、前記固有の識別子は、ハッシュ技術を用いるかまたは前記取引情報の生成日時を用いて生成し、生成された前記固有の識別子を含むアドレスを生成し、前記取引情報およびそれに対応するアドレスの情報をサーバに送信するステップと、
前記サーバが、前記取引情報および前記アドレスの情報を受信し、前記アドレスの情報に対応して前記取引情報を保存するステップと、
前記電子レシート発行機が、生成された前記アドレスをペイロードとして含むNDEFメッセージに対応する近距離無線通信信号を生成して発生するステップと、
ユーザ端末が、発生した前記近距離無線通信信号により前記アドレスを受信するステップと、
前記ユーザ端末が、受信した前記アドレスを介して前記取引情報に対応して生成された電子レシートを、電子メール、携帯メールまたはアプリケーションの実行を用いることなく、前記アドレスに対応するウェブページまたはアプリページを介して即座に表示するステップとを含み、
前記電子レシート発行機は、
通信網と連動して、前記取引情報およびそれに対応するアドレスの情報を前記サーバに送信するのに必要なインタフェースを提供するネットワークインタフェース部と、
通信システムと連動して、前記取引情報を前記POS端末から受信するのに必要なインタフェースを提供する通信インタフェース部と、
受信した前記取引情報を保存するメモリと、
受信した前記取引情報に対応して前記固有の識別子を生成し、生成された前記固有の識別子を含むアドレスを生成するアドレス生成部と、
生成された前記アドレスをペイロードとして含む前記NDEFメッセージに対応する近距離無線通信信号を生成して発生するNFCタグ制御部とを含み、
前記サーバは、
前記ユーザ端末と前記電子レシート発行機との間の送受信信号をデータの形態で提供するのに必要なインタフェースを提供する通信部と、
前記電子レシート発行機から受信した前記取引情報および前記アドレスの情報を保存するデータベースと、
受信した前記アドレスの情報に対応して前記取引情報を前記データベースに保存するように制御する制御部と、
前記取引情報を電子レシートのフォーマットに変換するためのインタフェースを提供し、生成された前記電子レシートを前記アドレスに対応する前記ウェブページまたは前記アプリページの形で開示するためのインタフェースを提供する電子レシートアプリケーションプログラミングインタフェースとを含み、
前記取引情報は、取引が完了した後または取引が完了する前に生成されたものであり、
前記取引情報が、取引が完了する前に生成されたものである場合は、
前記ユーザ端末が、発生した前記近距離無線通信信号により前記アドレスを受信するステップの後に、
前記ユーザ端末が、取引が完了した後に生成された取引情報も受信し、前記アドレスに対応して前記取引が完了した後に生成された取引情報を前記サーバに更新し、前記取引が完了した後に生成された取引情報に対応して生成された最終電子レシートを表示するステップをさらに含む、電子レシート発行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ユーザがスマートフォンで簡単に確認できるように、電子レシートを発行する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
消費者は、物品の購入またはサービスの利用による取引(transaction)を完了するとレシートを受け取る。一般に、POS端末は、取引に関する内容をレシートプリンタで紙のレシートとして発行する。しかし、消費者の立場で、紙のレシートは、効率的な管理が難しく、個人情報流出の恐れがある。また、事業者の立場で、紙のレシートは、出力による別途の管理費用が発生するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の実施形態は、ユーザがスマートフォンで簡単に確認できるように、電子レシートを発行する方法を提供することを技術的課題とする。本実施形態が解決しようとする技術的課題は、上記のような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から他の技術的課題を類推することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によれば、取引に関する取引情報を受信し、前記取引情報に対応するアドレスを生成し、前記アドレスに対応して前記取引情報をサーバに保存するステップと、生成された前記アドレスを近距離無線通信技術によりユーザ端末に伝達するステップと、前記ユーザ端末が伝達された前記アドレスを介して前記取引情報に対応して生成された電子レシートを表示するステップとを含む、電子レシート発行方法を開示する。
【0005】
ここで、前記取引情報は、取引が完了した後に生成されたものである。
【0006】
ここで、前記取引情報は、取引が完了する前に生成されたものである。
【0007】
ここで、前記ユーザ端末がアドレスを受信した後、前記ユーザ端末は、取引が完了した後に生成された取引情報も受信し、前記アドレスに対応して前記取引が完了した後に生成された取引情報をサーバに更新し、前記取引が完了した後に生成された取引情報に対応して生成された最終電子レシートを表示するステップをさらに含む。
【0008】
ここで、前記アドレスは、前記取引情報に対応して固有に生成される。
【0009】
ここで、前記アドレスは、固有の識別子を含むことによって、前記取引情報に対応して固有に生成される。
【0010】
ここで、前記アドレスは、ウェブページにアクセスするURLである。
【0011】
ここで、生成された前記アドレスを近距離無線通信技術により伝達するステップは、生成された前記アドレスを、前記アドレスをペイロードとして含むNDEFメッセージにより前記ユーザ端末に送信するステップである。
【0012】
ここで、前記アドレスは、アプリページにアクセスするディープリンクURLである。
【0013】
上記以外の他の態様、特徴、利点は、添付の図面、請求の範囲、および以下の発明の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0014】
このような一般的かつ具体的な態様は、システム、方法、コンピュータプログラム、または任意のシステム、方法、コンピュータプログラムの組み合わせを用いて実施することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の実施形態によれば、ユーザは、スマートフォンに別のアプリケーションをインストールすることなく、ブラウザを介して電子レシートを確認することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態による電子レシート発行システムを示す概念図である。
【
図2】
図1に示す電子レシート発行機の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すサーバの内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図1に示す電子ユーザ端末の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】本発明の他の実施形態による電子レシート発行システムを示す概念図である。
【
図6】本発明の一実施形態による電子レシート発行方法を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態による電子レシートをスマートフォンに表示した例を示す図である。
【
図8】本発明の他の実施形態による電子レシート発行方法を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の一実施形態によるウェイティングルームをスマートフォンに表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、取引に関する取引情報を受信し、前記取引情報に対応するアドレスを生成し、前記アドレスに対応して前記取引情報をサーバに保存するステップと、生成された前記アドレスを近距離無線通信技術によりユーザ端末に伝達するステップと、前記ユーザ端末が伝達された前記アドレスを介して前記取引情報に対応して生成された電子レシートを表示するステップとを含む、電子レシート発行方法を開示する。本発明は、様々な変形を加えることができ、様々な実施形態を有するので、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の実施形態に限定するものではなく、本発明の思想および技術的範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むものと理解されるべきである。本発明を説明するにあたり、関連する公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不明にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による電子レシート発行システム(electronic receipt issuing system)10を示すものである。
図1を参照すると、本発明の一実施形態による電子レシート発行システム10は、POS(Point of Sale)端末(POS terminal)100、電子レシート発行機(e-receipt generator)200、サーバ(server)300およびユーザ端末(user device)400を含む。
【0019】
POS端末100は、物品の購入またはサービスの利用による取引(transaction)を処理し、その結果を確認し、取引に関する情報の管理を担う機器である。
【0020】
POS端末100は、カードリーダ、バーコードリーダ、紙レシートプリンタなどを含み、コンピュータやモバイル機器以外にも様々な装置で実現することができる。本発明でいうPOS端末100は、取引に関する情報を担う機器を通称するものであり、POP(Point of Purchase)端末、キオスク(Kiosk)など、これらと類似した機能を担う機器を全て含む。
【0021】
POS端末100と電子レシート発行機200とは、通信システムを介してデータを送受信することができる。例えば、通信システムには、USB(Universal Serial Bus)ケーブルなどを介した有線通信システム、またはワイファイ(Wi-Fi)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)などの無線通信システムが含まれ得るが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0022】
図1にはPOS端末100が単一のデバイスであることが示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、電子レシート発行機200に接続される複数のデバイスを含んでもよい。
【0023】
電子レシート発行機200は、消費者がスマートフォンで電子レシートを確認できるようにする媒体である。電子レシート発行機200は、近距離無線通信技術(short-range wireless connectivity technologies)を用いて、ユーザ端末400にデータを伝達するか、又はユーザ端末400とデータを交換する。一実施形態によれば、電子レシート発行機200は、NFC(Near Field Communication)方式(standard)を用いるために、NFCタグ(NFC Tag)を含んでもよい。しかし、電子レシート発行機200は、これに限定されるものではなく、ブルートゥース(Bluetooth)、RFID(Radio Frequency Identification)、MST(Magnetic Secure Transmission)、ビーコン(Beacon)、ジグビー(ZigBee)などの方式を用いることができる。
【0024】
電子レシート発行機200は、通信網(図示せず)を介してサーバ300と通信する。ここで、通信網は、電子レシート発行機200がサーバ300に接続した後にデータを送受信できるように、インターネット(internet)であってもよいが、これに限定されるものではない。電子レシート発行機200は、ワイファイ(Wi-Fi)を介してインターネットに接続してサーバ300に接続することができるが、これに限定されるものではない。
【0025】
サーバ300は、専用サーバまたはクラウド(cloud)サーバであってもよく、本発明は、これに限定されるものではなく、様々な形態のサーバを適用することができる。
【0026】
サーバ300は、通信網(図示せず)を介して電子レシート発行機200と接続され、電子レシート発行機200からデータを受信してデータベースに保存する。また、サーバ300は、通信網(図示せず)を介してユーザ端末400と接続され、ユーザ端末400にデータを送信する。ここで、通信網は、インターネットであってもよいが、これに限定されるものではない。ユーザ端末400は、Wi-Fiまたはモバイルネットワーク(mobile network)を介してインターネット(internet)に接続してサーバ300に接続することができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
ユーザ端末400は、取引の主体であるユーザが電子レシートを確認できるデバイスである。ユーザ端末400は、スマートフォン(smartphone)、スマートウォッチ(smart watch)、スマートデバイス(smart device)、携帯情報端末(PDA,Personal Digital Assistant)、無線通信端末(Wireless Communication Terminal)などを含むが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0028】
ユーザ端末400は、電子レシート発行機200と近距離で無線通信できるように、近距離無線通信機能(short-range wireless connectivity technologies)をサポートする機器である。一実施形態によれば、ユーザ端末400は、NFC(Near Field Communication)機能をサポートすることができる。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、ユーザ端末400は、ブルートゥース(Bluetooth)、RFID(Radio Frequency Identification)、MST(Magnetic Secure Transmission)、ビーコン(Beacon)、ジグビー(ZigBee)などの機能をサポートすることができる。
【0029】
図2は、
図1に示す電子レシート発行機200の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0030】
図2を参照すると、電子レシート発行機200は、ネットワークインタフェース部210、通信インタフェース部220、メモリ230、プログラム記憶部240、制御部250、アドレス生成部260、NFCタグ制御部270などを含む。
【0031】
ネットワークインタフェース部210は、通信網と連動して、アドレスおよびそれに対応する取引情報をサーバ300に送信するのに必要なインタフェースを提供する。
【0032】
通信インタフェース部220は、通信システムと連動して、取引情報をPOS端末100から受信するのに必要なインタフェースを提供する。
【0033】
メモリ230は、制御部250が処理するデータや、電子レシート発行機200に送信された取引情報などを一時的に保存する機能を実行する。
【0034】
プログラム記憶部240は、サーバ300にデータを送信する作業、POS端末100からデータを受信する作業、取引情報に対応するアドレスを生成する作業、アドレスに対応するメッセージを生成してNFCタグにプログラムする作業などを行う制御ソフトウェアを搭載している。
【0035】
制御部250は、一種の中央処理装置であって、電子レシート発行機200における電子レシートの発行に関する全過程を制御する。すなわち、制御部250は、プログラム記憶部240に搭載された制御ソフトウェアを駆動するなどの様々なサービスを行う。
【0036】
アドレス生成部260は、受信した取引情報に対応して固有のアドレスを生成する。ここで、アドレスとは、インターネット(internet)上のウェブサイト(web site)またはウェブページ(web page)にアクセスできるURL(Uniform Resource Locator)を意味するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0037】
アドレス生成部260は、アドレスに、取引情報に対応する固有の識別子(identifier)が含まれるようにすることにより、固有のアドレス(unique address)を生成する。例えば、アドレスは、「ウェブアドレス/識別子(web address/identifier)」の形式(form)を有するものであり得る。ここで、識別子の形式は、文字、数字、特殊文字などの組み合わせからなり、様々な長さを有し得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0038】
一実施形態として、電子レシート発行機200は、取引情報に関連する内容を用いて識別子を生成するようにしてもよい。例えば、識別子は、電子レシート発行機200の情報、取引情報の生成日および時刻に基づいて生成されてもよい。他の実施形態として、電子レシート発行機200は、ハッシュ(hash)技術により識別子を生成するようにしてもよい。ここで、ハッシュ技術とは、ハッシュ関数(hash function)により1つの入力値に対応する1つの結果値を得る技術をいう。この場合、識別子は、取引情報を入力値としてハッシュ技術により得られた結果値であり得る。しかし、本発明の識別子を生成する方法は、これに限定されるものではない。
【0039】
NFCタグ制御部270は、アドレスに対応するメッセージ(message)を生成し、NFCタグを制御してメッセージを近距離無線通信信号として発生(emit)する。一実施形態によれば、メッセージは、近距離無線通信に用いられる特定のフォーマット(format)であり得る。ここで、特定のフォーマットとは、該当メッセージを受信したユーザ端末400が予め設定された(predetermined)動作(action)を即座に行えるようにするフォーマットを意味する。例えば、NFCタグ制御部270は、NDEF(NFC Data Exchange Format)メッセージ(message)を生成および発生(emit)する。NDEFメッセージには、ユーザ端末400に伝達しようとする情報が含まれる。ここで、NDEFメッセージには、情報(ペイロード)として、アドレスが含まれる。その後、ユーザ端末400は、NDEFメッセージを受信することにより、予め設定された動作を行う。ここで、設定された動作は、アドレスにリンクされたウェブページをブラウザで開くことであり得る。
【0040】
上述した構成部は、機能的に連結された2つ以上の構成部が組み合わせられて1つの構成部として存在してもよく、1つの構成部が機能によって複数の構成部に分離して存在してもよい。一方、各構成部が効率的に動作するために、他の構成部をさらに含んでもよく、既に存在する構成部を除外してもよい。なお、構成部の名称は、便宜上、その役割に応じて定められたものであり、これに限定されず、様々に命名できる。
【0041】
図3は、
図1に示すサーバ300の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図3を参照すると、サーバ300は、通信部310、メモリ320、プログラム記憶部330、制御部340、データベース350、および電子レシートアプリケーションプログラミングインタフェース(e-receipt application programming interface;e-receipt API)360を含んでもよい。
【0043】
通信部310は、サーバ300とユーザ端末400との間、およびサーバ300と電子レシート発行機200との間の送受信信号をデータの形態で提供するのに必要なインタフェースを提供する。ここで、通信部310は、無線接続を介して他のネットワーク装置と制御信号やデータ信号などを送受信するために必要なハードウェアおよびソフトウェアを含む装置であり得る。
【0044】
メモリ320は、制御部340が処理するデータを一時的または永久的に保存する機能を実行する。ここで、メモリ320には、磁気記憶媒体(magnetic storage media)またはフラッシュ記憶媒体(flash storage media)が含まれ得るが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
【0045】
プログラム記憶部330は、後述する制御部が実行する全過程を指示する命令で構成されたプログラムを記憶することができる。
【0046】
制御部340は、一種の中央処理装置であって、電子レシート発行機200からデータを受信し、ユーザ端末400に電子レシートを提供するなど、電子レシートの発行に関する全過程を制御する、すなわち、制御部340は、プログラム記憶部330に搭載された制御ソフトウェアを駆動し、サーバ300内の各構成部を制御して電子レシートを提供する機能を実行することができる。
【0047】
ここで、制御部340は、プロセッサ(processor)のように、データを処理できるあらゆる種類の装置を含むことができる。ここで、プロセッサとは、例えば、プログラムに含まれるコードまたは命令で示された機能を実行するために物理的に構造化された回路を有する、ハードウェアに内蔵されたデータ処理装置を意味し得る。
【0048】
データベース350は、アドレス全体、アドレスに含まれる識別子、アドレスを意味する他の情報、または識別子を意味する他の情報と取引情報をリンクして保存する。よって、サーバ300は、アドレスに関する情報から、取引情報を容易に確認することができる。
【0049】
電子レシートアプリケーションプログラミングインタフェース360は、様々なアプリケーションにより、取引情報を電子レシートのフォーマットに変換するためのインタフェースを提供する。また、生成された電子レシートをアドレスにリンクされたウェブページの形で開示するためのインタフェースを提供する。
【0050】
これらの構成部は、例示的なものであり、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、サーバ300は、必要に応じて、追加の構成部がさらに含まれてもよく、上述した構成部の一部が省略されてもよい。
【0051】
図4は、
図1に示す電子ユーザ端末400の内部構成の一例を示すブロック図である。
【0052】
図4を参照すると、ユーザ端末400は、ネットワークインタフェース部410、通信インタフェース部420、メモリ430、入出力部440、プログラム記憶部450、制御部460、表示制御部470などを含む。
【0053】
ネットワークインタフェース部410は、通信網と連動して、電子レシートを受信するのに必要なインタフェースを提供する。
【0054】
通信インタフェース部420は、近距離無線通信技術により電子レシート発行機200からデータを受信するのに必要なインタフェースを提供する。
【0055】
メモリ430は、制御部460が処理するデータや、電子レシート発行機200から受信したアドレスなどを一時的に保存する機能を実行する。
【0056】
入出力部440は、タッチ認識ディスプレイコントローラまたは他の様々な入出力コントローラで構成されてもよい。一例として、タッチ認識ディスプレイコントローラは、装置とユーザとの間で出力インタフェースおよび入力インタフェースを提供する。タッチ認識ディスプレイコントローラは、電気信号を制御部460と送受信する。また、タッチ認識ディスプレイコントローラは、ユーザに視覚的な出力を表示し、視覚的な出力には、テキスト、グラフィック、画像、ビデオ、およびそれらの組み合わせが含まれ得る。このような入出力部440は、例えば、タッチ認識が可能なOLED(Organic Light Emitting Display)やLCD(Liquid Crystal Display)などの所定の表示部材であってもよい。入出力部440は、受信したアドレスに基づいてアクセスしたウェブページ上の電子レシートをユーザが確認できるように表示することができる。
【0057】
プログラム記憶部450は、電子レシート発行機200からメッセージを受信する作業、受信したメッセージのフォーマットを確認し、NDEFメッセージの場合、予め設定された動作として、ブラウザを介してNDEFメッセージに含まれるアドレスにアクセスする作業などを行う制御ソフトウェアを搭載している。
【0058】
制御部460は、一種の中央処理装置であって、ユーザ端末400における電子レシートの表示に関する全過程を制御する。すなわち、制御部460は、プログラム記憶部450に搭載された制御ソフトウェアを駆動するなどの様々なサービスを行う。
【0059】
図5は、本発明の他の実施形態による電子レシート発行システム20を示すものである。
図5を参照すると、本発明の他の実施形態による電子レシート発行システム20は、電子レシート発行機の機能を含むPOS端末100、サーバ300およびユーザ端末400を含む。
【0060】
図5の電子レシート発行システム20は、ほとんどが
図1の電子レシート発行システム10と同様である。しかし、
図5の実施形態は、電子レシート発行機が、別の装置ではなく、POS端末が読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムの形態で実現される。よって、
図5の実施形態は、POS端末100が電子レシート発行機の機能を含むことを特徴とする。
【0061】
図6は、本発明の一実施形態による電子レシート発行方法を示すものである。
【0062】
図6を参照すると、ステップ101において、ユーザは、取引を完了する。
【0063】
ここで、取引を完了するとは、ユーザが選択した全ての物品をPOS端末100でスキャンし、必要に応じて割引および積立が行われるようにし、決済手段を用いてそれに応じた対価を支払った状態をいう。
【0064】
取引が完了することによって、POS端末100は、取引情報(transaction information)を取得する。取引情報は、決済が完了した取引に関する全ての情報の集合である。例えば、取引情報には、取引日時、商品またはサービスの名称、単価、数量、決済金額、付加税額、取引手段に関する情報、積立金額、割引金額、割引が反映された最終の決済金額、商号、事業者番号、代表者名、住所、電話番号などが含まれ得るが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0065】
取引情報は、上述した情報がテキストファイルのフォーマットで記録されたデータである。例えば、取引情報のフォーマットは、TXT(Text)ファイル、RTF(Rich Text Format)ファイル、XML(Extensible Markup Language)ファイル、JSON(Java Script Object Notation)ファイル、CSV(Comma-Separated Values)ファイル、TSV(Tab-Separated Values)ファイルのフォーマットであり得るが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0066】
ステップ102において、POS端末100は、取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
【0067】
図1によれば、POS端末100は、有線通信方法または無線通信方法により、取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
図5によれば、POS端末100と電子レシート発行機とが一体であるので、内部的に取引情報が伝達される。
【0068】
ステップ103において、電子レシート発行機200は、受信した取引情報に対応するアドレス(address)を生成する。
【0069】
ここで、アドレスとは、インターネット(internet)上のウェブサイト(web site)またはウェブページ(web page)にアクセスできるURL(Uniform Resource Locator)を意味するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0070】
電子レシート発行機200は、取引情報に対応する1つの固有のアドレスを生成することを特徴とする。これは、異なる取引情報に対応して同じアドレスが生成されると、アドレスの衝突(clashes)が発生するからである。電子レシート発行機200は、アドレスに、取引情報に対応する固有の識別子(identifier)が含まれるようにすることにより、固有のアドレスを生成する。例えば、アドレスは、「ウェブアドレス/識別子」の形式を有するものであり得る。ここで、識別子の形式は、文字、数字、特殊文字などの組み合わせからなり、様々な長さを有し得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0071】
一実施形態として、電子レシート発行機200は、取引情報に関連する内容を用いて識別子を生成するようにしてもよい。例えば、識別子は、電子レシート発行機200の情報、取引情報の生成日および時刻に基づいて生成されてもよい。他の実施形態として、電子レシート発行機200は、ハッシュ(hash)技術により識別子を生成するようにしてもよい。ここで、ハッシュ技術とは、ハッシュ関数により1つの入力値に対応する1つの結果値を得る技術をいう。この場合、識別子は、取引情報を入力値としてハッシュ技術により得られた結果値であり得る。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、アドレス(URL)を生成する際に識別子(identifier)を用い、後でそのアドレスをNFCによりユーザ端末400に送信することにより、以下の点を保証する。まず、ただ1人のユーザにのみ1つの電子レシートを発行することを保証する。また、サーバ300の面で、該当アドレス(URL)は、1つのユーザ端末400、すなわち1人のユーザによってのみ確認されることを保証する。よって、他のユーザが同じアドレスを見ようとすると、そのアドレスはそれ以上動作しなくなるので、個人のプライバシーとセキュリティが維持されるという利点がある。
【0073】
ステップ104において、電子レシート発行機200は、取引情報およびそれに対応するアドレスの情報をサーバ300に送信する。
【0074】
電子レシート発行機200は、取引情報と、それに対応するアドレス全体、アドレスに含まれる識別子、アドレスを意味する他の情報、または識別子を意味する他の情報などをサーバ300に送信することができ、本発明は、これに限定されるものではない。
【0075】
ステップ105において、サーバ300は、電子レシート発行機200から受信した取引情報およびそれに対応するアドレスの情報を保存する。
【0076】
ステップ104およびステップ105によれば、電子レシート発行機200が取引情報およびそれに対応するアドレスの情報をサーバ300に送信し、サーバ300がそれを保存することにより、後でユーザがユーザ端末400で単にアドレスのリンクを介してウェブ上で取引情報が反映された電子レシートを確認できるようにする。本発明の一実施形態によれば、電子レシートはブラウザを介してウェブページの形で確認されるので、ユーザは電子レシートを確認するためにスマートフォンに特定のモバイルアプリケーションをインストールする必要がないという特徴がある。
【0077】
ステップ106において、電子レシート発行機200は、アドレスに対応する近距離無線通信信号を生成して発生する。
【0078】
電子レシート発行機200は、近距離無線通信(NFC)によりユーザ端末400に情報を送信することを特徴とする。一実施形態によれば、電子レシート発行機200は、近距離無線通信に用いられる特定のフォーマット(format)のメッセージを生成および発生する。ここで、特定のフォーマットとは、該当メッセージを受信したユーザ端末400が予め設定された(predetermined)動作(action)を即座に行えるようにするフォーマットを意味する。例えば、電子レシート発行機200は、NDEF(NFC Data Exchange Format)メッセージ(message)を生成および発生(emit)する。NDEFメッセージには、ユーザ端末400に伝達しようとする情報が含まれる。ここで、NDEFメッセージには、情報(ペイロード)として、アドレスが含まれる。その後、ユーザ端末400は、NDEFメッセージを受信することにより、予め設定された動作を行う。ここで、設定された動作は、アドレスにリンクされたウェブページをブラウザで開くことであり得る。
【0079】
図6においては、ステップ105の後にステップ106が行われることが示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、ステップ105とステップ106が同時に行われてもよく、ステップ106の後にステップ105が行われてもよい。
【0080】
ステップ107において、ユーザ端末400は、電子レシート発行機200にタップ(tapping)してアドレスを受信する。
【0081】
ユーザ端末400は、近距離無線通信により電子レシート発行機200から情報を受信する。ユーザ端末400は、NFC機能をサポートするか、サポートを助けるデバイス、アプリケーション、またはアプリケーションプログラミングインタフェース(Application Programming Interface)を含んでもよい。一実施形態によれば、ユーザ端末400は、電子レシート発行機200に数十センチメートル(cm)内に近接することにより、アドレスをペイロード(payload)として含むNDEFメッセージを受信する。
【0082】
ステップ107によれば、電子レシート発行機200が近距離無線通信によりアドレスをユーザ端末400に送信することによって、ユーザ端末400が電子レシート発行機200にタップする簡単かつ迅速な動作により電子レシートに関する情報を取得することができ、電子レシートを取得するためにPOS端末100に個人情報を入力しなくてもよい。
【0083】
ステップ108およびステップ109において、ユーザ端末400は、受信したアドレスに基づいて、指定されたウェブページにアクセスして電子レシートを表示する。
【0084】
ユーザ端末400は、受信したアドレスにリンクされたインターネット(internet)上のウェブページ(web page)にアクセスする。ユーザ端末400は、NDEFメッセージにより、アドレスの伝達を受け、予め設定された動作として、アドレスにリンクされたウェブページに自動的にアクセスする。サーバ300は、既にアドレスに対応する取引情報を保存している。サーバ300は、後述するアプリケーションにより、取引情報を電子レシートのフォーマットに変換する。サーバ300は、生成された電子レシートをアドレスにリンクされたウェブページの形で開示する。よって、ユーザ端末400は、アドレスにリンクされたウェブページにアクセスすることにより、電子レシートを確認することができる。
【0085】
電子レシートは、プログレッシブウェブアプリ(Progressive Web App)、レスポンシブウェブアプリ(Responsive Web App)、リッチインターネットアプリ(Rich Internet App)、シングルページアプリ(Single Page App)、またはマルチページアプリ(Multi Page App)などの様々なタイプのアプリケーションにより生成することができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0086】
電子レシートは、提供者により定められたフォーマットに従って、取引情報が一連の規則で表示される電子文書の一種である。ここで、提供者とは、取引において商品の販売やサービスの提供を担う主体を意味する。例えば、提供者は、商人(merchant)または小売業者(retailer)であり得るが、これらに限定されず、本発明で述べられた消費者(consumer)、ユーザ(user)または顧客(customer)とは区別される概念である。
【0087】
図7は、本発明の一実施形態による電子レシートの一例を示す図である。
【0088】
図7に示すように、電子レシートは、ブラウザを介してウェブページの形で表示されてもよい。電子レシートは、取引日時、商品またはサービスの名称、単価、数量、決済金額、付加税額、カード名、レシートの承認番号、商号、事業者番号、代表者名、住所、電話番号などを含んでもよい。電子レシートのフォーマットは、提供者により定められ、図示のものに限定されない。
【0089】
本発明の一実施形態によれば、消費者は、スマートフォンに特定のアプリケーションをインストールすることなく、電子レシートを確認することができる。従来、特定のアプリケーションにより電子レシートを発行する場合は、消費者のスマートフォンに特定のアプリケーションがインストールされていなければならず、ログインしなければならないなどの不便があった。しかし、本発明の電子レシートは、ブラウザを介してウェブページの形で確認できるので、消費者は、電子レシートを受け取るために別のアプリケーションをインストールしたり、ウェブサイトに加入したり、ログインしたりする必要がない。
【0090】
本発明の一実施形態によれば、消費者は、電子レシート発行機にタップする簡単な動作のみで、電子レシートを自分のスマートフォンで確認することができるという利点がある。本発明は、NDEFメッセージによりURLをスマートフォンに伝達するので、NDEFメッセージに予め設定された命令により、スマートフォンはURLを直ちに実行する。よって、消費者は、別のアクションを行うことなく、タップする動作のみで、ブラウザを介して電子レシートを確認することができる。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、消費者は、電子メールや電話番号などの個人情報を事業者に提供することなく、自分のスマートフォンで電子レシートの提供を受けることができる。すなわち、本発明は、決済取引過程で個人情報の不要な流出を防ぎ、レシートの発行までの手続きおよび時間を短縮し、自分のスマートフォンでより簡単に電子レシートを確認することができるという利点がある。
【0092】
本発明の一実施形態によれば、取引手段に関係なく、消費者が自分のスマートフォンで電子レシートの提供を受けることができるという利点がある。従来、カード会社で電子レシートを発行する場合は、該当カードを用いて決済する場合にのみ、電子レシートを受け取ることができた。しかし、本発明は、事業者のPOS端末と連動して、消費者のスマートフォンで電子レシートを発行するようになっているので、消費者は、現金、デビットカード、クレジットカード、モバイル決済またはかんたん決済などの決済手段に関係なく、電子レシートを受け取ることができる。
【0093】
本発明の一実施形態によれば、消費者は、取引に関する一連の情報を全て含む電子レシートの提供を受けることができるという利点がある。従来、カード決済、モバイル決済またはかんたん決済などを行った後、関連アプリケーションやSMS(Short Message Service)を介して電子レシートが発行された場合は、取引に関連する制限された情報のみが電子レシートに表示されていた。この場合、例えば決済総額(total amount)のみが表示され、取引に関連する詳細項目(取引されたアイテムの内容、個数、各アイテムの金額、税金)などは表示されていなかった。しかし、本発明の電子レシート発行方法によれば、消費者は、取引に関する全ての情報を含む電子レシートの提供を受けることができるという利点がある。
【0094】
図8は、本発明の他の実施形態による電子レシート発行方法を示すものである。
【0095】
図8を参照すると、ステップ201において、ユーザは、取引を開始する前であるか、又は少なくとも一部の取引を開始した状態である。
【0096】
図6とは異なり、ステップ201においては、ユーザの取引はまだ完了していない。ステップ201において、ユーザは、選択された物品に対して、決済手段を用いてそれに応じた対価を支払う前である。例えば、ステップ201は、ユーザがチェックアウトのために最初のアイテムをPOS端末でスキャンする前、ユーザがチェックアウトのために少なくとも1つのアイテムをPOS端末でスキャンした時点、またはユーザが全てのアイテムをPOS端末でスキャンしたが支払いを完了する前であり得る。
【0097】
ステップ202において、POS端末100は、中間取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
【0098】
図1によれば、POS端末100は、有線通信方法または無線通信方法により、中間取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
図5によれば、POS端末100と電子レシート発行機とが一体であるので、内部的に取引情報が伝達される。
【0099】
ここで、中間取引情報(intermediate transaction information)は、後述する完全取引情報(completed transaction information)とは区別される。中間取引情報は、決済が完了していない取引に関する全ての情報の集合である。例えば、中間取引情報には、取引日時、商品またはサービスの名称、単価、数量、小計金額(subtotal)、商号、事業者番号、代表者名、住所、電話番号などが含まれ得る。ただし、中間取引情報には、合計金額(total)、決済手段に関する情報、積立金額、割引金額、割引が反映された最終の決済金額などは含まれない。
【0100】
仮取引情報は、任意のフォーマットで保存されたデータである。例えば、仮取引情報は、上述した情報がテキストファイルのフォーマットで記録されたデータであり得るが、これに限定されるものではない。
【0101】
ステップ203において、電子レシート発行機200は、受信した中間取引情報に対応するアドレスを生成する。
【0102】
ここで、アドレスとは、インターネット(internet)上のウェブサイト(web site)またはウェブページ(web page)にアクセスできるURL(Uniform Resource Locator)を意味するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0103】
電子レシート発行機200は、中間取引情報に対応する1つの固有のアドレスを生成することを特徴とする。これは、異なる取引情報に対応して同じアドレスが生成されると、アドレスの衝突(clashes)が発生するからである。電子レシート発行機200は、アドレスに、中間取引情報に対応する固有の識別子(identifier)が含まれるようにすることにより、固有のアドレスを生成する。例えば、アドレスは、「ウェブアドレス/識別子」の形式を有するものであり得る。ここで、識別子の形式は、文字、数字、特殊文字などの組み合わせからなり、様々な長さを有し得るが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0104】
一実施形態として、電子レシート発行機200は、中間取引情報に関連する内容を用いて識別子を生成するようにしてもよい。例えば、識別子は、電子レシート発行機200の情報、取引情報の生成日および時刻に基づいて生成されてもよい。他の実施形態として、電子レシート発行機200は、ハッシュ(hash)技術により識別子を生成するようにしてもよい。ここで、ハッシュ技術とは、ハッシュ関数により1つの入力値に対応する1つの結果値を得る技術をいう。この場合、識別子は、中間取引情報を入力値としてハッシュ技術により得られた結果値であり得る。
【0105】
ステップ204において、電子レシート発行機200は、中間取引情報およびそれに対応するアドレスの情報をサーバ300に送信する。
【0106】
電子レシート発行機200は、中間取引情報と、それに対応するアドレス全体、アドレスに含まれる識別子、アドレスを意味する他の情報、または識別子を意味する他の情報などをサーバ300に送信することができ、本発明は、これに限定されるものではない。
【0107】
ステップ205において、サーバ300は、電子レシート発行機200から受信した中間取引情報およびそれに対応するアドレスの情報を保存する。
【0108】
ステップ206において、電子レシート発行機200は、アドレスに対応する近距離無線通信信号を生成して発生する。
【0109】
電子レシート発行機200は、近距離無線通信(NFC)によりユーザ端末400に情報を送信することを特徴とする。一実施形態によれば、電子レシート発行機200は、近距離無線通信に用いられる特定のフォーマット(format)のメッセージを生成および発生する。ここで、特定のフォーマットとは、該当メッセージを受信したユーザ端末400が予め設定された(predetermined)動作(action)を即座に行えるようにするフォーマットを意味する。例えば、電子レシート発行機200は、NDEF(NFC Data Exchange Format)メッセージ(message)を生成および発生(emit)する。NDEFメッセージには、ユーザ端末400に伝達しようとする情報が含まれる。ここで、NDEFメッセージには、情報(ペイロード)として、アドレスが含まれる。その後、ユーザ端末400は、NDEFメッセージを受信することにより、予め設定された動作を行う。
【0110】
図8においては、ステップ205の後にステップ206が行われることが示されているが、本発明は、これに限定されるものではなく、ステップ205とステップ206が同時に行われてもよく、ステップ206の後にステップ205が行われてもよい。
【0111】
ステップ207において、ユーザ端末400は、電子レシート発行機200にタップ(tapping)してアドレスを受信する。
【0112】
ユーザ端末400は、近距離無線通信により電子レシート発行機200から情報を受信する。ユーザ端末400は、NFC機能をサポートするか、サポートを助けるデバイス、アプリケーション、またはアプリケーションプログラミングインタフェースを含んでもよい。一実施形態によれば、ユーザ端末400は、電子レシート発行機200に数十センチメートル内に近接することにより、アドレスをペイロード(payload)として含むNDEFメッセージを受信する。
【0113】
ステップ208および209において、ユーザ端末400は、受信したアドレスに基づいて、指定されたウェブページにアクセスして仮電子レシート(preliminary e-receipt)を表示する。
【0114】
ユーザ端末400は、受信したアドレスにリンクされたインターネット(internet)上のウェブページ(web page)にアクセスする。サーバ300は、予めアドレスに対応する中間取引情報を保存している。サーバ300は、アプリケーションにより、中間取引情報を仮電子レシートのフォーマットに変換する。サーバ300は、生成された仮電子レシートをアドレスにリンクされたウェブページの形で開示する。よって、ユーザ端末400は、アドレスにリンクされたウェブページにアクセスすることにより、仮電子レシートを確認することができる。
【0115】
仮電子レシートは、プログレッシブウェブアプリ(Progressive Web App)、レスポンシブウェブアプリ(Responsive Web App)、リッチインターネットアプリ(Rich Internet App)、シングルページアプリ(Single Page App)、またはマルチページアプリ(Multi Page App)などの様々なタイプのアプリケーションにより生成することができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0116】
選択的実施形態においては、
図9に示すように、ユーザ端末400が、仮電子レシートを表示するのではなく、「最終電子レシートを準備するステップ(preparing your e-receipt)」であることを通知する表示を行うようにしてもよい。
【0117】
ステップ210において、ユーザは、取引を完了する。取引が完了することによって、POS端末100は、完全取引情報(completed transaction information)を取得する。一実施形態による完全取引情報は、決済が完了した取引に関する全ての情報の集合である。
【0118】
一実施形態によれば、完全取引情報には、取引日時、商品またはサービスの名称、単価、数量、商号、事業者番号、代表者名、住所、電話番号に加えて、最終の決済金額、最終の付加税額、決済手段に関する情報などが含まれ得る。
【0119】
他の実施形態によれば、完全取引情報には、メンバーシップ割引または積立特典が反映された後に支払いが完了した取引に関する全ての情報が含まれ得る。この場合、完全取引情報には、上述した情報に加えて、メンバーシップ情報、積立情報、積立金額、割引情報、割引金額、割引が反映された最終の決済金額などが含まれ得る。
【0120】
仮取引情報と同様に、完全取引情報も、任意のフォーマットで保存されたデータである。例えば、完全取引情報は、上述した情報がテキストファイルのフォーマットで記録されたデータである。
【0121】
ステップ211において、POS端末100は、完全取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
【0122】
図1によれば、POS端末100は、有線通信方法または無線通信方法により、取引情報を電子レシート発行機200に送信する。
図5によれば、POS端末100と電子レシート発行機とが一体であるので、内部的に取引情報が伝達される。
【0123】
ステップ212において、電子レシート発行機200は、完全取引情報およびそれに対応するアドレスの情報をサーバ300に送信する。
【0124】
電子レシート発行機200は、中間取引情報およびそれに対応するアドレスを予め保有している。中間取引情報は、完全取引情報に代替(replace or update)される。よって、電子レシート発行機200は、中間取引情報に対応するアドレスを完全取引情報に対応するアドレスとして使用する。したがって、この場合、アドレスの衝突(clashes)が発生する恐れがない。電子レシート発行機200は、完全取引情報と、予め保有しているアドレス全体、アドレスに含まれる識別子、アドレスを意味する他の情報、または識別子を意味する他の情報などをサーバ300に送信することができ、本発明は、これに限定されるものではない。
【0125】
ステップ213において、サーバ300は、電子レシート発行機200から受信したアドレスの情報を用いて、中間取引情報を完全取引情報に更新(update)する。
【0126】
ステップ214およびステップ215において、ユーザ端末400は、受信したアドレスに基づいて、指定されたウェブページにアクセスして最終電子レシート(updated e-receipt)を表示する。
【0127】
ユーザ端末400は、受信したアドレスにリンクされたインターネット(internet)上のウェブページ(web page)にアクセスする。サーバ300は、既にアドレスに対応する完全取引情報を更新して保存している。サーバ300は、アプリケーションにより、完全取引情報を電子レシートのフォーマットに変換する。サーバ300は、生成された最終電子レシートをアドレスにリンクされたウェブページの形で開示する。よって、ユーザ端末400は、アドレスにリンクされたウェブページにアクセスすることにより、最終電子レシートを確認することができる。
【0128】
最終電子レシートは、プログレッシブウェブアプリ(Progressive Web App)、レスポンシブウェブアプリ(Responsive Web App)、リッチインターネットアプリ(Rich Internet App)、シングルページアプリ(Single Page App)、またはマルチページアプリ(Multi Page App)などの様々なタイプのアプリケーションにより生成することができるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0129】
図6に示す電子レシート発行方法は、取引が完了した後、ユーザが電子レシート発行機にスマートフォンをタップすることにより、電子レシートを確認することができるという特徴がある。それに対して、
図8に示す電子レシート発行方法は、取引が完了する前であっても、ユーザが電子レシート発行機にスマートフォンをタップして関連ウェブページのアドレスを受信することができ、その後取引が完了すると、自動的に最終電子レシートが更新され、ユーザがそれを確認することができるという特徴がある。
【0130】
本発明のさらに他の実施形態による電子レシート発行方法は、ほとんどが
図6および
図8の方法と同様である。以下、異なる部分についてのみ説明する。
【0131】
図6のステップ103および
図8のステップ203において、電子レシート発行機は、受信した取引情報に対応するアドレスを生成する。ここで、アドレスとは、インターネット(internet)上のウェブサイト(web site)またはウェブページ(web page)にアクセスできるURL(Uniform Resource Locator)を意味する。
【0132】
しかし、さらに他の実施形態による電子レシート発行方法によれば、ここで、アドレスとは、モバイルアプリケーションページ(mobile application page)またはウェブアプリケーションページ(web application page)に直ちにアクセスできるディープリンクURL(deep link URL)を意味する。
【0133】
ディープリンクURLは、取引情報に対応して直接生成されるようにしてもよい。しかし、これに限定されるものではなく、電子レシート発行機は、取引情報に対応して、まずURLを生成し、その後ディープリンクURLに派生(derive)させるようにしてもよい。
【0134】
一方、
図6のステップ108およびステップ109、並びに
図8のステップ214およびステップ215において、ユーザ端末400は、受信したアドレスに基づいて、指定されたウェブページにアクセスして電子レシートを表示する。
【0135】
しかし、さらに他の実施形態による電子レシート発行方法によれば、アドレスがディープリンクURLであるので、ユーザ端末400は、受信したアドレスに基づいて、指定されたモバイルアプリケーションページまたはウェブアプリケーションページに直ちにアクセスし、電子レシートを表示する。
【0136】
具体的には、ユーザ端末400は、アプリケーションを実行して受信したアドレスにリンクされたモバイルアプリケーションページまたはウェブアプリケーションページにアクセスする。ユーザ端末400は、NDEFメッセージによりアドレスを受信し、予め設定された動作として、関連アプリケーションを実行し、アドレスにリンクされたページにアクセスする。
【0137】
選択的実施形態においては、ユーザ端末400に関連アプリケーションがインストールされていない場合、ユーザ端末400は、必要なアプリケーションをインストールし、その後アドレスにリンクされたモバイルアプリケーションページまたはウェブアプリケーションページにアクセスする。この場合も、ユーザ端末400は、NDEFメッセージによりアドレスを受信し、予め設定された動作として、必要なアプリケーションをインストールするための動作を実行し、アドレスにリンクされたページにアクセスする。
【0138】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というと、それは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。また、本明細書において、「部」は、プロセッサまたは回路などのハードウェア構成(hardware component)、および/またはプロセッサなどのハードウェア構成により実行されるソフトウェア構成(software component)であり得る。
【0139】
一方、本発明の実施形態において、各構成要素、機能ブロックまたは手段は、1つまたはそれ以上の下位構成要素から構成されてもよく、各構成要素が実行する電気、電子、機械的機能は、電子回路、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの公知の様々な素子または機械的要素で実現されてもよく、また、それぞれ個別に実現されてもよく、2つ以上が1つに統合して実現されてもよい。
【0140】
また、添付のブロック図の各ブロックおよびフローチャートの各ステップの組み合わせは、コンピュータプログラム命令により行われてもよい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特殊コンピュータ、携帯用ノートブックコンピュータ、ネットワークコンピュータ、スマートフォンなどのモバイル機器、またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに搭載することが可能であるので、コンピュータ装置またはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサにより実行されるその命令は、添付のブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各ステップにおいて説明された機能を実行する手段を生成する。これらのコンピュータプログラム命令は、特定の方式で機能を実現するために、コンピュータ装置またはその他のプログラム可能なデータ処理装置を指向するコンピュータ装置に利用可能なメモリまたはコンピュータ可読メモリに保存することも可能であるので、ブロック図の各ブロックまたはフローチャートの各ステップにおいて説明された機能を実行する命令手段を含む製造物を生産することも可能である。コンピュータプログラム命令は、コンピュータ装置またはその他のプログラム可能なデータ処理装置に搭載することも可能であるので、コンピュータ装置またはその他のプログラム可能なデータ処理装置上で一連の動作ステップが行われるようにするためのプロセスを生成し、ブロック図の各ブロックおよびフローチャートの各ステップにおいて説明された機能を実行するためのステップを提供することも可能である。
【0141】
また、各ブロックまたは各ステップは、特定の論理機能を実行するための1つ以上の実行可能な命令を含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことが可能である。さらに、いくつかの代替実施形態においては、ブロックまたはステップにおいて述べられた機能が順序を外れて発生することも可能であることに留意すべきである。例えば、連続して示されている2つのブロックまたはステップは、事実上実質的に同時に実行されることも可能であり、時によっては、該当する機能によってそのブロックまたはステップが逆順に実行されることも可能である。
【0142】
本発明は、添付の図面に示す実施形態を参照して説明されたが、これは、例示的なものに過ぎず、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形および均等な他の実施形態が可能であることを理解できるであろう。よって、本発明の真の保護範囲は、添付の請求の範囲により定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0143】
本発明の実施形態は、消費者がスマートフォンで簡単に確認できるように、電子レシートを発行する方法を提供することにより、事業者がそれを利用することができる。
【符号の説明】
【0144】
10 電子レシート発行システム
100 POS端末
200 電子レシート発行機
210 ネットワークインタフェース部
220 通信インタフェース部
230 メモリ
240 プログラム記憶部
250 制御部
260 アドレス生成部
270 NFCタグ制御部
300 サーバ
310 通信部
320 メモリ
330 プログラム記憶部
340 制御部
350 データベース
360 電子レシートアプリケーションプログラミングインタフェース
400 ユーザ端末
410 ネットワークインタフェース部
420 通信インタフェース部
430 メモリ
440 入出力部
450 プログラム記憶部
460 制御部
470 表示制御部
【手続補正書】
【提出日】2023-05-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
POS(Point Of Sales)端末が、取引に関する取引情報を電子レシート発行機に送信するステップと、
前記電子レシート発行機が、前記取引情報を受信し、前記取引情報に対応して固有の識別子を生成し、
生成された前記固有の識別子を含むアドレスを生成し、前記取引情報およびそれに対応する
前記アドレス
に関する情報をサーバに送信するステップ
であって、ここで、前記固有の識別子は、ハッシュ技術を用いるかまたは前記取引情報の生成日時を用いて生成される、ステップと、
前記サーバが、前記取引情報および前記アドレス
に関する情報を受信し、前記アドレス
に関する情報に対応して前記取引情報を保存するステップと、
前記電子レシート発行機が、生成された前記アドレスをペイロードとして含む
NFC(Near-Field Communication)データ交換フォーマット(NDEF)メッセージに対応する近距離無線通信信号を生成して発生
させるステップと、
ユーザ端末が、発生した前記近距離無線通信信号
を介して前記アドレスを受信するステップと、
前記ユーザ端末が、受信した前記アドレスを介して前記取引情報に対応して生成された電子レシートを、電子メール、携帯メールまたはアプリケーションの実行を用いることなく、前記アドレスに対応するウェブページまたはアプリページを介して即座に表示するステップとを含み、
前記電子レシート発行機は、
通信網と連動して、前記取引情報およびそれに対応する
前記アドレス
に関する情報を前記サーバに送信するのに必要なインタフェースを提供する
ように構成されたネットワークインタフェース部と、
通信システムと連動して、前記取引情報を前記POS端末から受信するのに必要なインタフェースを提供する
ように構成された通信インタフェース部と、
受信した前記取引情報を保存するメモリと、
受信した前記取引情報に対応して前記固有の識別子を生成し、生成された前記固有の識別子を含むアドレスを生成する
ように構成されたアドレス生成部と、
生成された前記アドレスをペイロードとして含む前記NDEFメッセージに対応する近距離無線通信信号を生成して発生
させるように構成されたNFCタグ制御部とを含み、
前記サーバは、
前記ユーザ端末と前記電子レシート発行機との間の送受信信号をデータの形態で提供するのに必要なインタフェースを提供する
ように構成された通信部と、
前記電子レシート発行機から受信した前記取引情報および前記アドレス
に関する情報を保存するデータベースと、
受信した前記アドレス
に関する情報に対応して前記取引情報を前記データベースに保存するように制御する
ように構成された制御部と、
前記取引情報を電子レシートのフォーマットに変換するためのインタフェースを提供し、生成された前記電子レシートを前記アドレスに対応する
ウェブページまたは
アプリページの
形態で
表示するためのインタフェースを提供するように構成された電子レシートアプリケーションプログラミングインタフェースとを含み、
前記取引情報は、取引が完了した後または
前記取引が完了する前に生成されたものであり、
前記取引情報が、
前記取引が完了する前に生成されたものである場合は、
前記方法は、前記ユーザ端末が、発生した前記近距離無線通信信号
を介して前記アドレスを受信するステップの後に、
前記ユーザ端末が、
前記取引が完了した後に生成された取引情報
を受信し、前記アドレスに対応して前記取引が完了した後に生成された
前記取引情報を前記サーバに更新し、前記取引が完了した後に生成された
前記取引情報に対応して生成された最終電子レシートを表示するステップをさらに含む、電子レシート発行方法。
【国際調査報告】